説明

オーバーヘッドコンソール装置

【課題】従来に比べて操作性を向上させることができるオーバーヘッドコンソール装置の提供。
【解決手段】凹部21を備えるハウジング20と、鏡Mが設けられており閉位置30aと閉位置30aから下方に回動した開位置30bとにハウジング20に回動可能に支持される蓋部材30と、蓋部材30をハウジング20に対して閉位置30aに保持する第1の保持装置40と、蓋部材30をハウジング20に対して閉位置30aと開位置30bとの間の途中位置30cに保持する第2の保持装置50と、を有し、第2の保持装置50は、蓋部材30に所定の回動操作力を付与することで蓋部材30を開く方向に回動させることができる程度の保持力で、蓋部材30を途中位置30cに保持している、オーバーヘッドコンソール装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車室内の天井に配置されるオーバーヘッドコンソール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2005−178674号公報は、閉位置と、開位置と、閉位置と開位置との間の途中位置とに、蓋部材がハウジングに対して回動可能とされた、オーバーヘッドコンソール装置を開示している。該公報開示の装置では、蓋部材を操作する毎に蓋部材の位置が、閉位置から途中位置、途中位置から開位置、開位置から閉位置に切り替わるようになっている。
【0003】
しかし、上記公報開示のオーバーヘッドコンソール装置には、蓋部材を操作する毎に蓋部材の位置が、閉位置から途中位置、途中位置から開位置、開位置から閉位置に切り替わるようになっているため、次の問題点がある。
開位置にある蓋部材を途中位置にするためには、蓋部材を一旦操作して閉位置にしてから再度蓋部材を操作して途中位置にする必要がある。また、途中位置にある蓋部材を閉位置にするためには、蓋部材を一旦開位置に操作してから再度蓋部材を操作して閉位置にする必要がある。このように場合によっては2回の操作が必要になり、操作性に改善の余地がある。
【特許文献1】特開2005−178674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来に比べて操作性を向上させることができるオーバーヘッドコンソール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 自動車室内の天井に配置され下方に開放する凹部を備えるハウジングと、
鏡が設けられており、前記凹部の開口を閉塞し前記鏡が前記凹部内に収容される閉位置と該閉位置から下方に回動した開位置とに前記ハウジングに回動可能に支持される蓋部材と、
前記蓋部材を前記ハウジングに対して前記閉位置に保持する第1の保持装置と、
前記蓋部材を前記ハウジングに対して前記閉位置と前記開位置との間の途中位置に保持する第2の保持装置と、
を有し、
前記第2の保持装置は、前記蓋部材に所定の回動操作力を付与することで前記蓋部材を開く方向に回動させることができる程度の保持力で、前記蓋部材を前記途中位置に保持している、オーバーヘッドコンソール装置。
【発明の効果】
【0006】
上記(1)のオーバーヘッドコンソール装置によれば、第2の保持装置が、蓋部材に所定の回動操作力を付与することで蓋部材を開く方向に回動させることができる程度の保持力で、蓋部材を前記途中位置に保持しているため、つぎの効果を得ることができる。
(a)閉位置から途中位置に蓋部材を移動させるときには、第1の保持装置の保持を解除して蓋部材を直接閉位置から途中位置に回動させるだけでよく、(b)途中位置から閉位置に蓋部材を移動させるときには、蓋部材を直接途中位置から閉位置に回動させるだけでよく、(c)開位置から途中位置に蓋部材を移動させるときには、蓋部材を所定の回動操作力以上の操作力で直接開位置から途中位置まで回動させるだけでよく、(d)途中位置から開位置に蓋部材を移動させるときには、蓋部材を所定の回動操作力以上の操作力で直接途中位置から開位置に回動させるだけでよく、(e)閉位置から開位置に蓋部材を移動させるときには、第1の保持装置の保持を解除して蓋部材を所定の回動操作力以上の操作力で直接途中位置を超えて開位置に回動させるだけでよく、(f)開位置から閉位置に蓋部材を移動させるときには、蓋部材を所定の回動操作力以上の操作力で直接途中位置を越えて閉位置に回動させるだけでよい。
そのため、閉位置、開位置、途中位置のいずれの位置からも、蓋部材を一回操作するだけで蓋部材を他の一つの位置に移動させることができる。したがって、従来に比べて操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜図11は、本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置を示しており、図12は、本発明実施例2のオーバーヘッドコンソール装置を示しており、図13、図14は、本発明実施例3のオーバーヘッドコンソール装置を示している。
本発明全実施例にわたって共通する部分には、本発明全実施例にわたって同じ符号を付してある。
まず、本発明全実施例にわたって共通する部分を説明する。なお、図中、Upは車両上方を示し、Frは車両前方を示す。
【0008】
本発明実施例のオーバーヘッドコンソール装置10は、自動車室内の天井の車両前方側端部又はその近傍に配置される。
オーバーヘッドコンソール装置10は、図3に示すように、自動車室内の天井に配置され下方に開放する凹部21を備えるハウジング20と、鏡Mが設けられており凹部21の開口を閉塞し鏡Mが凹部21内に収容される閉位置30aと閉位置30aから下方に回動した開位置30bとにハウジング20に回動可能に支持される蓋部材30と、図4に示すように、蓋部材30をハウジング20に対して閉位置30aに保持する第1の保持装置40と、図8に示すように、蓋部材30をハウジング20に対して閉位置30aと開位置30bとの間の途中位置30cに保持する第2の保持装置50と、を有する。
【0009】
ハウジング20は、たとえば樹脂製である。ハウジング20は、車両の内装部材であるオーバーヘッドコンソールに一体に形成されるか、オーバーヘッドコンソールと別体に形成されてオーバーヘッドコンソールに固定して取付けられる。ハウジング20には、マップランプ、マップランプのオン・オフのためのスイッチを含む各種スイッチ類、等が設けられている。
【0010】
蓋部材30は、たとえば樹脂製である。蓋部材30は、図4〜図6に示すように、閉位置30aにあるときの車両前方側端部又はその近傍で、ハウジング20に車両左右方向と直交する方向(上下方向)に回動可能に支持されている。蓋部材30は、鏡Mが設けられる受け皿部31と、閉位置30aにあるときに車両前後方向に延び凹部21の開口を閉塞する意匠部32と、を備えている。
【0011】
受け皿部31は、蓋部材30が閉位置30aにあるとき、意匠部32の車両後方側端部又はその近傍に設けられている。受け皿部31は、凹部21の装置幅方向両側壁より装置幅方向中央側に配置されている。受け皿部31は、蓋部材30が閉位置30aにあるとき、上下方向に延びている。受け皿部31は、凹部21に出入り可能とされている。受け皿部31は、蓋部材30が閉位置30aにあるとき凹部21に入り込んでおり、蓋部材30が開位置30bにあるとき凹部21から下方に出ている。受け皿部31は、図7に示すように、蓋部材30の回動軸芯から離れる方向に(蓋部材30が閉位置30aにあるとき車両後方に)凸状に湾曲する、湾曲部31aを備える。
【0012】
鏡Mは、後席確認ミラー(カンバセーションミラー)である。鏡Mは、受け皿部31の湾曲部31aの車両後方側面に固定して取付けられている。鏡Mは、湾曲部31aと同方向に凸状に湾曲する凸面鏡である。鏡Mは、(i)蓋部材30が閉位置30aにあるとき、図4に示すように凹部21内に入り込んでおり、(ii)蓋部材30が開位置30bにあるとき、図6に示すように凹部21外にあり、(iii)蓋部材30が閉位置30aと開位置30bとの間の途中位置30cにあるとき、図5に示すように全体又は略全体が凹部21外にあり、運転席および/または助手席に着座している乗員が後部座席に着座している乗員の様子を鏡Mを用いて見ることができるようになっている。
【0013】
意匠部32は、図1に示すように、凹部21の装置幅方向両側壁より装置幅方向中央側に配置されている。意匠部32は、凹部21の開口を開閉する。蓋部材30が閉位置30aにあるとき、意匠部32の下面は意匠面を構成しており、周囲のハウジング20の意匠面と面一又は略面一になっている。意匠部32は、受け皿部31に固定されている。意匠部32は、受け皿部31と別体に形成されていてもよいが、部品点数削減のために受け皿部31と一体に形成されることが望ましい。
【0014】
受け皿部31と意匠部32とで形成されるスペースは、図4〜図6に示すように、小物入れスペースSとして使用される。蓋部材30が開位置30bにあるとき、小物入れスペースSに図示略の小物類を収納及び取出し可能である(小物入れスペースSを使用可能である)。
【0015】
蓋部材30は、閉位置30a、開位置30bまたは途中位置30cのどの位置にあっても車両走行振動等によりハウジング20に対してがたつくことを抑制するために、たとえばトーションスプリングからなる図示略の付勢部材によって、ハウジング20に対して開方向に回動付勢されている。ただし、付勢部材は必須の構成要件ではない。蓋部材30が図示略の付勢部材によって回動付勢されているため、蓋部材30のハウジング20に対する回動速度を緩やかにするために、図1〜図3に示すように、ダンパ60が装置10に設けられていてもよい。
【0016】
第1の保持装置40は、図4〜図6に示すように、蓋部材30をハウジング20に対して閉位置30aにて保持するとともに(ロックするとともに)、後述のロック解除ノブ43を操作することで保持解除(ロック解除)する装置である。
【0017】
第1の保持装置40は、ハウジング20と蓋部材30の一方に設けられるロック部41と、ハウジング20と蓋部材30の他方に設けられロック部41が引っ掛かり(係合)可能なロック受け部42と、ロック解除ノブ43と、を備える。なお、本発明実施例及び図示例では、ロック部41が蓋部材30に設けられ、ロック受け部42がハウジング20に設けられる場合を示す。
【0018】
ロック部41は、蓋部材30に対して車両左右方向と直交する方向に(蓋部材30が閉位置30aにあるときには車両前後方向)に可動とされている。ロック部41は、図10に示すように、ロック解除ノブ43に設けられる傾斜溝43a内に入り込むピン41aを備えている。ロック部41は、ロック解除ノブ43を操作したときにピン41aが傾斜溝43a内を移動(摺動)することにより、蓋部材30に対して車両左右方向と直交する方向に移動する。
【0019】
ロック受け部42は、ハウジング20の凹部21を形成する車両後方側壁の下端部から車両前方に延びて設けられている。ロック受け部42は、ハウジング20と別体に形成されていてもよいが、部品点数削減のためハウジング20と一体に形成されていることが望ましい。
【0020】
ロック解除ノブ43は、閉位置30aにあるときの蓋部材30に対して上下方向に可動とされている。ロック解除ノブ43を上方に変位させることにより(押圧することにより、操作することにより)、ロック部41とロック受け部42との係合を解除することができる(第1の保持装置40の保持(ロック)を解除できる)。
【0021】
第2の保持装置50は、図7〜図9に示すように、蓋部材30をハウジング20に対して途中位置30cにて保持、保持解除(ロック、ロック解除)する装置である。第2の保持装置50は、蓋部材30に所定の回動操作力を付与することで蓋部材30を開く方向に回動させることができる程度の保持力で、蓋部材30を途中位置30cに保持する。なお、所定の回動操作力とは、後述の弾性変形部52を弾性変形させて後述の係合部51が後述の係合受け部53から外れる方向に移動する程度の操作力である。
【0022】
第2の保持装置50は、ハウジング20と蓋部材30の一方に設けられる係合部51と、ハウジング20と蓋部材30のうち係合部51が設けられる部材に設けられており自身が弾性変形することで係合部51を係合部51が設けられる部材に対して変位させる弾性変形部52と、ハウジング20と蓋部材30の他方に設けられ蓋部材30が途中位置30cにあるときに係合部51と係合する係合受け部53と、を備える。なお、本発明実施例および図示例では、係合部51と弾性変形部52がハウジング20に設けられ、係合受け部53が蓋部材30に設けられる場合を示す。
【0023】
係合部51は、弾性変形可能であってもよく弾性変形不能であってもよい。係合部51は、蓋部材30が途中位置30cにあるとき、係合受け部53と係合しており(係合受け部53の下面に接触しており)、係合受け部53の下方への移動、すなわち係合受け部53が設けられる蓋部材30の下方への回動を規制している。
【0024】
弾性変形部52は、係合部51と一体に形成されていてもよく、係合部51と別体に形成されていてもよい。弾性変形部52は、一端部またはその近傍でハウジング20に固定され、他端部又はその近傍で係合部51に固定されている。
【0025】
係合受け部53は、弾性変形可能であってもよく弾性変形不能であってもよい。係合受け部53は、蓋部材30に一体に形成されていてもよく、別体に形成されて蓋部材30に固定して取付けられていてもよい。
係合部51の上下面および/または係合受け部53の上下面は、傾斜面となっており、係合部51が係合受け部53によって押され弾性変形部52が弾性変形して係合部51が係合受け部53から外れる方向に変位することができるようになっている。なお、この傾斜面の傾斜角度を変更することで、第2の保持装置50の保持力を容易に変更できるようになっている。
【0026】
ここで、本発明全実施例にわたって共通する作動を説明する。
(a)閉位置30aにある蓋部材30を途中位置30cに移動させるとき(図1、図4、図7の状態から図2、図5、図8の状態に移動させるとき)
第1の保持装置40のロック解除ノブ43を操作することにより、ロック部41とロック受け部42との係合が外れる(第1の保持装置40の保持(ロック)が解除される)。第1の保持装置40の保持が解除されると、蓋部材30は図示略の付勢部材の付勢力と自重(さらに使用者の操作力)によりハウジング20に対して下方に回動する。蓋部材30が途中位置30cに達したとき、第2の保持装置50の係合受け部53と係合部51とが係合し蓋部材30のハウジング20に対する回動が止まる。
【0027】
(b)途中位置30cにある蓋部材30を閉位置30aに移動させるとき(図2、図5、図8の状態から図1、図4、図7の状態に移動させるとき)
蓋部材30を押して上方に回動させる。蓋部材30が閉位置30aに達したとき、第1の保持装置40のロック部41がロック受け部42に係合する。
【0028】
(c)開位置30bにある蓋部材30を途中位置30cに移動させるとき(図3、図6、図9の状態から図2、図5、図8の状態に移動させるとき)
蓋部材30を押して上方に回動させ蓋部材30が途中位置30cの直前に達したとき、第2の保持装置50の係合受け部53が係合部51に接触する。さらに蓋部材30を所定の回動操作力以上の力で上方に押すことにより、第2の保持装置50の弾性変形部52が弾性変形して復元することで係合受け部53が係合部51に係合する(乗り上げる、引っ掛かる)。係合部51と係合受け部53とが係合したとき、蓋部材30が途中位置30cに達する。
【0029】
(d)途中位置30cにある蓋部材30を開位置30bに移動させるとき(図2、図5、図8の状態から図3、図6、図9の状態に移動させるとき)
蓋部材30を所定の回動操作力以上の力で引き下げることにより、弾性変形部52が弾性変形し係合部51が係合受け部53から外れる(第2の保持装置50の保持(ロック)が解除される)。第2の保持装置50の保持が解除されると、蓋部材30は図示略の付勢部材の付勢力と自重(さらに使用者の操作力)によりハウジング20に対して下方に回動する。蓋部材30が開位置30bに達したとき、蓋部材30の一部がハウジング20の一部に当接して蓋部材30のハウジング20に対する回動が止まる。
【0030】
(e)閉位置30aにある蓋部材30を開位置30bに移動させるとき(図1、図4、図7の状態から図3、図6、図9の状態に移動させるとき)
ロック解除ノブ43を操作して第1の保持装置40の保持(ロック)を解除した後、途中位置30cを越えるまでそのまま蓋部材30を所定の回動操作力以上の力で引き下げることにより、第2の保持装置50の保持(ロック)も解除される。第2の保持装置50の保持が解除されると、蓋部材30は図示略の付勢部材の付勢力と自重(さらに使用者の操作力)によりハウジング20に対して下方に回動する。蓋部材30が開位置30bに達したとき、蓋部材30の一部がハウジング20の一部に当接して蓋部材30のハウジング20に対する回動が止まる。
【0031】
(f)開位置30bにある蓋部材30を閉位置30aに移動させるとき(図3、図6、図9の状態から図1、図4、図7の状態に移動させるとき)
蓋部材30を途中位置30cに達するまで所定の回動操作力以上の力で上方に押して回動させることにより、第2の保持装置50の弾性変形部52が弾性変形し復元することで係合受け部53が係合部51に乗り上げる。そのままさらに蓋部材30を閉位置30aに達するまで上方に押して回動させることにより、蓋部材30が閉位置30aに達する。蓋部材30が閉位置30aに達したとき、第1の保持装置40のロック部41がロック受け部42に係合する。
【0032】
つぎに、本発明全実施例にわたって共通する作用、効果を説明する。
本発明実施例では、第2の保持装置50が、蓋部材30に所定の回動操作力を付与することで蓋部材30を開く方向に回動させることができる程度の保持力で、蓋部材30を途中位置30cに保持しているため、つぎの効果を得ることができる。
(a)閉位置30aから途中位置30cに蓋部材30を移動させるときには、第1の保持装置40の保持を解除して蓋部材30を直接閉位置30aから途中位置30cに回動させるだけでよく、(b)途中位置30cから閉位置30aに蓋部材30を移動させるときには、蓋部材30を直接途中位置30cから閉位置30aに回動させるだけでよく、(c)開位置30bから途中位置30cに蓋部材30を移動させるときには、蓋部材30を所定の回動操作力以上の操作力で直接開位置30bから途中位置30cまで回動させるだけでよく、(d)途中位置30cから開位置30bに蓋部材30を移動させるときには、蓋部材30を所定の回動操作力以上の操作力で直接途中位置30cから開位置30bに回動させるだけでよく、(e)閉位置30aから開位置30bに蓋部材を移動させるときには、第1の保持装置40の保持を解除して蓋部材30を所定の回動操作力以上の操作力で直接途中位置30cを超えて開位置30bに回動させるだけでよく、(f)開位置30bから閉位置30aに蓋部材30を移動させるときには、蓋部材30を所定の回動操作力以上の操作力で直接途中位置30cを越えて閉位置30aに回動させるだけでよい。
そのため、閉位置30a、開位置30b、途中位置30cのいずれの位置からも、蓋部材30を一回操作するだけで蓋部材30を他の一つの位置に移動させることができる。したがって、従来に比べて操作性を向上させることができる。
【0033】
本発明図示例では、途中位置30cにある蓋部材30がハウジング20に対して傾くことを抑制して装置10の見栄えを向上させるために、第2の保持装置50が装置10の左右両側に合計2箇所設けられている場合を示しているが、第2の保持装置50は、コスト削減のために、装置10の左右中央部または左右いずれかの片側のみに設けられていてもよい。
【0034】
つぎに、本発明各実施例に特有な部分を説明する。
〔実施例1〕(図1〜図11)
本発明実施例1では、第2の保持装置50の係合部51と弾性変形部52が一体に形成されており、弾性変形部52が板バネ形状である場合を示している。
係合部51と弾性変形部52は、金属製であってもよく、樹脂製であってもよい。係合部51と弾性変形部52は、図示例では金属製の場合を示しているが、樹脂製の場合には部品点数削減のためにハウジング20に一体に形成されていることが望ましい。
係合部51は、板バネ形状の弾性変形部52の先端部近傍を折り曲げて形成されている。
【0035】
本発明実施例1では、係合部51と弾性変形部52が一体に形成されているため、係合部51と弾性変形部52が別体に形成されている場合に比べて部品点数を削減できる。
また、弾性変形部52が板バネ形状であり、係合部51が板バネの先端部近傍を折り曲げることにより形成されているため、板バネの折り曲げ度合いを調節するだけで第2の保持装置50の保持力を調節することができる。
【0036】
〔実施例2〕(図12)
本発明実施例2では、第2の保持装置50の係合部51と弾性変形部52が別体に形成されており、弾性変形部52が板バネ形状である場合を示している。
弾性変形部52は、金属製であってもよく、樹脂製であってもよい。弾性変形部52は、図示例では金属製の場合を示しているが、樹脂製の場合には部品点数削減のためにハウジング20に一体に形成されていることが望ましい。
係合部51は、弾性変形部52の先端部又はその近傍に、接着、溶着、嵌め込み等により取付けられている。
【0037】
本発明実施例2では、係合部51と弾性変形部52が別体に形成されているため、係合部51の形状を変更するだけで第2の保持装置50の保持力を調節することができる。
【0038】
〔実施例3〕(図13、図14)
本発明実施例3では、第2の保持装置50の係合部51と弾性変形部52が別体に形成されており、弾性変形部52がコイルスプリングである場合を示している。
係合部51は、図13に示すように球形状であってもよく、図14に示すように先端面のみが球面とされた円柱形状であってもよい。
【0039】
本発明実施例3では、係合部51と弾性変形部52が別体に形成されているため、係合部51の形状を変更するだけで第2の保持装置50の保持力を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が閉位置にあるときの斜視図である。
【図2】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が途中位置にあるときの斜視図である。
【図3】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が開位置にあるときの斜視図である。
【図4】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が閉位置にあるときの断面図である。
【図5】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が途中位置にあるときの断面図である。
【図6】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が開位置にあるときの断面図である。
【図7】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が閉位置にあるときの、蓋部材と第2の保持装置との関係を示す斜視図である。
【図8】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が途中位置にあるときの、蓋部材と第2の保持装置との関係を示す斜視図である。
【図9】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が開位置にあるときの、蓋部材と第2の保持装置との関係を示す斜視図である。
【図10】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、蓋部材が閉位置にあるときの第1のロック装置とその近傍を示す断面図である。
【図11】本発明実施例1のオーバーヘッドコンソール装置の、第2の保持装置の係合部と弾性変形部を示す断面図である。
【図12】本発明実施例2のオーバーヘッドコンソール装置の、第2の保持装置の係合部と弾性変形部を示す断面図である。
【図13】本発明実施例3のオーバーヘッドコンソール装置の、第2の保持装置の係合部と弾性変形部を示す断面図である。
【図14】本発明実施例3のオーバーヘッドコンソール装置の、第2の保持装置の係合部と弾性変形部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 オーバーヘッドコンソール装置
20 ハウジング
21 凹部
30 蓋部材
30a 閉位置
30b 開位置
30c 途中位置
31 受け皿部
32 意匠部
40 第1の保持装置
41 ロック部
42 ロック受け部
43 ロック解除ノブ
50 第2の保持装置
51 係合部
52 弾性変形部
53 係合受け部
60 ダンパ
M 鏡
S 小物入れスペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車室内の天井に配置され下方に開放する凹部を備えるハウジングと、
鏡が設けられており、前記凹部の開口を閉塞し前記鏡が前記凹部内に収容される閉位置と該閉位置から下方に回動した開位置とに前記ハウジングに回動可能に支持される蓋部材と、
前記蓋部材を前記ハウジングに対して前記閉位置に保持する第1の保持装置と、
前記蓋部材を前記ハウジングに対して前記閉位置と前記開位置との間の途中位置に保持する第2の保持装置と、
を有し、
前記第2の保持装置は、前記蓋部材に所定の回動操作力を付与することで前記蓋部材を開く方向に回動させることができる程度の保持力で、前記蓋部材を前記途中位置に保持している、オーバーヘッドコンソール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−137682(P2010−137682A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315172(P2008−315172)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【出願人】(000251060)林テレンプ株式会社 (134)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】