説明

カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物を含む抗炎症性薬学的組成物

本発明は、カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物を有効成分として含む、炎症または痛みの軽減用または治療用の薬学的組成物に関する。本発明は、カジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物及びニンドウのエタノール抽出物の併用投与が、それらの単独投与に比べて、試験管内(in vitro)及び生体内(in vivo)の試験で、抗炎症効果及び鎮痛効果において顕著に優れた相乗効果を示すということを明らかにしたことに基づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カジノキ(Broussonetia papyrifera)抽出物及びニンドウ(Lonicera japonica)抽出物を有効成分として含む、炎症または痛みの予防用、軽減用または治療用の薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症は、生体組織が損傷を受けたときに体内で起こる防御反応であり、例えば、外傷、火傷、または細菌感染などに応答して、体の一部に充血、浮腫、発熱、痛みを起こしうる。炎症性シグナルは、シクロオキシゲナーゼ(COX)経路およびリポキシゲナーゼ(LOX)経路を介して作られ、これらの経路により、プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどが産生される。炎症性シグナルが生体の標的部位に伝えられると、さまざまな変化が起こる。例えば、炎症を受ける標的部位の近傍の血管が拡張されて血管への血液供給を旺盛にし、細菌を捕食する好中球などの炎症反応に必要な血液細胞を標的部位に供給する。しかし、生体の防御反応が異常および過度に起これば、多様な炎症性疾患が現れることになる。したがって、炎症性シグナルを作る経路の酵素(例えば、COX−1、COX−2、5−LOX、または12−LOX)の産生を妨害して経路を遮断することによって、炎症反応を抑制する薬物が開発されている。
【0003】
一方、LOXは、炎症反応以外に、気管支喘息、慢性閉鎖性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎、乾癬などにも関与すると知られている。
【0004】
これまでNSAID及びSAIDを始めとする多様なメカニズムの抗炎症薬物が開発されているが、それらは、副作用があるだけではなく、慢性閉鎖性肺疾患(COPD)、アトピー疾患などの慢性炎症、及びアレルギー疾患の根本的な治療には有効ではないので、炎症を抑制するための、効果的かつ安全で経済的な医薬品の開発が必要である。
【0005】
カジノキ(Broussonetia papyrifera(L.)Vent.(Moraceae))は、中国、日本、韓国に分布しており、その皮は韓国の伝統医療で、抗炎症剤、抗気管支炎剤、鎮咳剤として使われてきた。カジノキの根のPTP1B及びチロシナーゼに対する阻害活性が報告され(非特許文献1及び非特許文献2)、最近では、カジノキの根、幹、葉、果実の95%エタノール抽出物が、生体内で抗侵害受容活性及び抗炎症活性を示すと報告された(非特許文献3)。カジノキの根皮からパピリフラボノールA(papyriflavonol A)及びブルッソカルコンA(broussochalcone A)を含む何種かのプレニル化フラボノイド(prenylated flavonoid)が成功裏に分離された(非特許文献4)。
【0006】
ニンドウ(Lonicera japonica(Thunb.)(Caprifoliaceae))は、他者に巻きついて育つ潅木であり、解毒剤として、または泌尿器障害、高熱、頭痛の治療に使われてきた(非特許文献5)。ニンドウは、抗炎症剤として知られており、上気道感染、糖尿病、関節リウマチの治療に使われている(非特許文献6)。ニンドウの植物全体からロニセロシド(loniceroside)及びイリドイド(iridoid)を含むさまざまな成分が分離されている(非特許文献7、非特許文献8及び非特許文献9)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chen et al.,2002
【非特許文献2】Hwang and Lee,2007
【非特許文献3】Lin et al.,2008
【非特許文献4】Son et al.,2001
【非特許文献5】Shougakukan,1985
【非特許文献6】Lee et al.,1998
【非特許文献7】Lee et al.,1995
【非特許文献8】Kwak et al.,2003
【非特許文献9】Qian et al.,2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これまで多様なメカニズムの抗炎症薬物が開発されてきたが、それらは、副作用があるだけではなく、一部の疾患の治療においては、根本的な治療として有効ではない。そのため、さらに効果的かつ安定で経済的な医薬品の開発が必要である。そのような薬学的組成物は、二以上の有効成分を含む複合剤であるが、抗炎症作用、抗侵害受容作用を有する物質を併用投与した場合、生体内でのその効果は予測し難い。本発明は、異なる作用物質と併用投与した場合に、相乗的な抗炎症効果を有する新しい抗炎症複合組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明者らは、カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物を併用して使用した場合、それぞれの抽出物を単独で使用するより、抗炎症効果及び抗侵害受容効果に優れるということを研究し、明らかにした。この発見を基に、本発明者らは、カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物を有効成分として含む、炎症及び/または痛みの予防用、軽減用または治療用組成物を開発した。本薬学的組成物に含まれるカジノキ抽出物としては、プレニル化フラボノイド濃縮抽出物(prenylated flavonoid-enriched extract)が望ましく、ニンドウ抽出物としては、ニンドウのエタノール抽出物が望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明による、カジノキの抽出物及びニンドウの抽出物を有効成分として含む組成物は、個別に用いるより併用した方が抗炎症効果及び抗侵害受容効果に優れるので、効果的な抗炎症剤、消炎剤または鎮痛剤として使われうる。
【0011】
本発明の薬学的組成物は、カジノキとニンドウとの二種の抽出物成分を含めることで、治療範囲が広く、相乗的で強力な治療効果を示す。カジノキ抽出物とニンドウ抽出物を併用すると、治療効果が増大する。このように、抽出物を単独で使用するときより、少量の投与で所望の効果を達成でき、また少量の使用は副作用または有害作用を少なくすることができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】5−LOXにより媒介されたA23187で処理されたRBL−1細胞からのロイコトリエンの産生に対するカジノキ抽出物及びニンドウ抽出物の効果を示したものである。*及び**はそれぞれ、A23187で処理された対照群と比較した、p<0.05及びp<0.01の有意差を示している。
【図2】LPSで処理されたRAW 264.7細胞からのPGEの産生に対するカジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物及び/またはニンドウのエタノール抽出物の効果を示したものである。LPS−処理群は、120±8.0nM PGEを産生した(基底レベルは、それぞれ1.2±0.4nM PGE、0.8±0.3μM NOである)。n=3。*及び**はそれぞれ、LPS−処理対照群と比較した、p<0.05及びp<0.01の有意差を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、カジノキ抽出物またはその画分、及びニンドウ抽出物を有効成分として含む、炎症及び/または痛みの軽減または治療のための薬学的組成物、ならびにこれを使用して炎症並びに痛みを治療する方法に関する。
【0014】
本発明は、カジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物及びニンドウのエタノール抽出物の併用投与が、それらの単独投与に比べて、試験管内(in vitro)及び生体内(in vivo)の試験で、抗炎症効果及び鎮痛効果において顕著に優れた相乗効果を示すということを明らかにしたことに基づく。
【0015】
本発明の発明者らは、カジノキの根皮抽出物の画分を、酢酸エチルを使用して分画し、疎水性であるプレニル化フラボノイド濃縮画分(EBP)を調製し、そして、ニンドウの植物全体からエタノール抽出物(ELJ)を調製した。EBPは、5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)により媒介される、A23187で処理されたラット好塩基性白血病(RBL−1)細胞からのロイコトリエンの産生を強力に阻害する。ELJは、同じものに対し弱い阻害作用を示す。しかし、EBPとELJを併用すると、強い相乗的な阻害活性が見られる(図1)。EBPおよびELJはまた、シクロオキシゲナーゼ−2で触媒されたPGEの産生を阻害する(図2)。アラキドン酸で誘発されたマウスの耳浮腫に対しては、経口投与された5〜200mg/kgのEBPが阻害活性を示し、EBPとELJとの1:1混合物であるBLはEBPまたはELJ単独投与よりも強力な阻害活性を示した(表1)。λ−カラギーナンで誘導された足浮腫に対しては、BLは強力かつ相乗的な抗炎症効果を示す(表2)。酢酸誘発ライジング(writhing)テストでBLは、50〜400mg/kgで経口投与されたとき、強力な鎮痛活性を示す(表3)。かような結果は、実験した物質がすべて、試験管内及び生体内で抗炎症活性を有し、EBPまたはELJが併用投与されるとそれらの単独投与より強力かつ相乗的な抗炎症効果が得られるということを示している。
【0016】
前記実験結果を基に本発明は、カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物を有効成分として含む、炎症及び/または痛みの予防用,改善用または治療用薬学的組成物を提供する。
【0017】
本発明はまた、カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物を有効成分として投与することによる、炎症及び/または痛みの予防、改善または治療方法を提供する。
【0018】
カジノキ抽出物は、例えば、熱湯、アルコール水溶液、または疎水性溶媒を利用して抽出することで調製できる。さらに、アルコール水溶液を疎水性溶媒で抽出することもできる。しかしながら、抽出方法はこれらに制限されるものではない。ニンドウの抽出物は、例えば、熱湯、アルコール水溶液、または疎水性溶媒などを使用して抽出することで調製できるが、これらに制限されるものではない。本発明の組成物として、カジノキの根皮の抽出物としてカジノキ由来のプレニル化フラボノイド濃縮抽出物を使用し、ニンドウ抽出物として、ニンドウ由来のエタノール抽出物を使用することが望ましい。カジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物は、例えば、カジノキをエタノールで抽出し、真空下で乾燥させて酢酸エチルで分画するなどの方法で調製できる。しかしながら、プレニル化フラボノイド濃縮抽出物を調製するための様々な方法のうちの任意のものを使用しても差し支えない。使用されるエタノールの量は、5ないし100%、望ましくは、50〜100%である。
【0019】
本発明の組成物の有効成分として含まれるカジノキのプレニル化濃縮抽出物のニンドウのエタノール抽出物に対する重量比は、1:0.1〜1:10、望ましくは1:0.5〜1:4、さらに望ましくは1:1である。
【0020】
本発明の組成物は、薬学的分野での一般的な方法によって、経口投与に適した単位投与型の製剤または注射剤として剤形化させて投与できる。経口投与に適した剤形には、硬質及び軟質のカプセル剤、錠剤、懸濁剤、シロップ剤、散剤、徐放製剤、腸溶性製剤、顆粒剤、油糖剤、細粒剤、丸剤、エキス剤、液剤、芳香水剤、乳剤、エリキシル剤、流動エキス剤、沈殿剤、チンキ剤、酒精剤などが含まれる。かような経口投与用の製剤には、二種またはそれ以上の薬物学的活性成分以外に、一つまたはそれ以上の薬学的に不活性な一般的な担体が含まれる。薬学的に不活性な担体の例としては、澱粉、ラクトース、カルボキシメチルセルロース、カオリンなどの賦形剤;水、ゼラチン、アルコール、グルコース、アラビアゴム、トラガカントゴムなどの結合剤;澱粉、デキストリン、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤;タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、流動パラフィンなどの滑沢剤が挙げられる。本発明ではまた、溶解を促進するための溶解補助剤などをさらに用いることもできる。
【0021】
本発明の薬学的組成物はまた、薬物の投与形態と治療的有効量とに適した方法で、例えば、経口、鼻腔内、静脈内、腹腔内、皮下または局所投与により投与できる。
【0022】
薬学的組成物はまた、当該技術分野で開示されている他の公知の方法(例えば、Remington's Pharmaceutical Scienceに記載された方法)を使用して投与することもできる。例えば、注射剤の場合は、ハンクス液、リンゲル液、生理食塩緩衝液などの生理学的に適した緩衝液を使用して調製できる。前記溶液は、懸濁剤、安定剤及び/または分散剤を含むことができる。または、本発明の薬学的組成物は、粉末状に調製され、使用前に滅菌水などの適当な担体と一緒にして使われてもよい。または、本発明の薬学的組成物は、リポソーム、懸濁液、または徐放製剤中に調製されてもよい。本発明の薬学的組成物は、腫瘍治療のために、単独で、または手術、ホルモン治療、薬物治療及び生物学的反応調節剤などと併用して使用できる。
【0023】
本発明の薬学的組成物は、急性または慢性の気管支炎、喘息、COPD、アトピー性皮膚炎、乾癬、アレルギー性鼻炎、胃炎、胃潰瘍、過敏性大腸症候群、胃食道逆流症、肝炎、血管炎症疾患、骨関節炎、関節リウマチ、変形性関節炎、多発性関節炎、腰痛、抜歯後の痛み、頭痛、手術後の痛み及び炎症、歯痛、生理痛などの消炎鎮痛効果を必要とする各種疾病の治療に使われるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明の薬学的組成物は、多様な炎症性呼吸器疾患、炎症性自己免疫疾患、炎症性皮膚疾患、炎症性胃腸関連疾患、炎症性心血関連疾患及び炎症性骨格筋疾患などの治療のために使われうる。
【0025】
本発明の薬学的組成物の投与量及び投与時期は、投与対象の年齢、性別、状態、体重、投与経路、薬の種類によって変わる。一日の投与量は、約0.01μg/kgないし10g/kgでありえ、望ましくは0.01mg/kgないし100mg/kgでありえる。
【0026】
本発明で使われるあらゆる技術用語は、取り立てて定義しない限り、当業者が理解するのと同じ意味で使われる。また、本明細書には、望ましい方法や試料が記載されるが、これらと類似していたり、あるいは同等なものも本発明の範疇に含まれる。本明細書に参考文献として記載されるあらゆる刊行物の内容は、本発明に組み入れられる。
【0027】
本発明について、下記実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明がそれらによって制限されるものではない。
【実施例】
【0028】
実施例
<試薬及び動物>
A23187およびN−[2−シクロヘキシルオキシ−4−ニトロフェニル]メタンスルホンアミド(NS−398)は、Biomol(Plymouth Meeting、PA)から;2−アミノ−5,6−ジヒドロ−6−メチル−4H−1,3−チアジンヒドロクロライド(AMT)は、Tocris Cookson Ltd.(UK)から;アラキドン酸(AA、99%)、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)、ノルジヒドログアヤレト酸(NDGA)、プレドニゾロン、インドメタシン、アスピリン及びリポ多糖(LPS;大腸菌(Escherichia coli)0127:B8)は、Sigma Chem.(セントルイス、MO)から;DMEM及びFBSなどの培養用試薬は、Gibco BRL(Grand Island、NY)から;蛋白質定量キットは、Bio-Rad Lab.(Hercules、CA)から購入した。
【0029】
オスのSprague-Dawley(SD)ラット及びICRマウス(4周齢、特定病原菌フリー)をオリエント−バイオ(韓国)から購入した。実験動物は、標準実験用食餌(Purina Korea)と水とを自由に供給し、実験する少なくとも7日以前から、動物飼育場(KNU)で、20〜22℃、相対湿度40〜60%、12時間/12時間(明/暗)周期で馴化させた。動物実験計画は、KNU動物実験委員会の承認を受け(KIACUC−09−0012)、本実験は、実験動物の保護及び使用に係わる韓国食品医薬品安全庁のガイドラインに記載された倫理規定に沿って実施された。
【0030】
統計分析
実験値は、算術平均±SDでもって示した。統計学的有意性の決定は、ANOVAテストで実施した。
【0031】
<実施例1>カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物の調製
カジノキは、韓国の南部地方(安東付近の地域)で収集した。カジノキの根の乾燥させた皮を細かく切り、100%エタノールで抽出した。エタノール抽出物を真空下で乾燥させ、最終抽出物を水に分散させて酢酸エチルで分画した後、酢酸エチル画分を乾燥させ、乾燥させた酢酸エチル画分(EBP)を試験に使用した。この画分から、パピリフラボノールA及びブルッソカルコンAをSon et al.(2001)に記載された方法で分離して確認した。
【0032】
ニンドウは、生薬材市場で購入して使用した。乾燥させたニンドウを細かく切った後、70%エタノールで抽出した。エタノール抽出物を真空下で乾燥させ、乾燥させたエタノール抽出物(ELJ)を試験に使用した。エタノール抽出物からロガニン(Loganin)及びスウェロシド(Sweroside)を、Kawai et al.(1988)に記載された方法によって分離した。
【0033】
EBPのプレニル化フラボノイド(パピリフラボノールA及びブルッソカルコンA)及びELJのイリドイド(ロガニンおよびスウェロシド)の含有量はHPLC分析で確認した。
【0034】
BLは、EBP及びELJの1:1(w/w)混合物である。
【0035】
<実施例2>ラット好塩基球白血病−1(RBL−1)細胞培養及びロイコトリエン(LT)の測定
American Type Culture Collection(ATCC、Rocksville)から入手したRBL−1細胞をRPMI 1640で、10%FBS、2mMグルタミン及び1%抗生物質とともに、5%CO、37℃でインキュベーションした。細胞を96−ウェルプレートに2時間置き、試験物質と10分間、あらかじめインキュベーションした。試験物質は、DMSOに溶解し、無血清DMEMで適切な濃度に希釈した。DMSOの最終濃度は、0.1%(v/v)に調節された。細胞生存能をMossman(1983)の方法によって、MTTアッセイで確認した。5−LOXを活性化させるために、A−23187(イオノフォア、3μM)を細胞に添加し、Triesら(2002)の方法を若干修正した方法によって、細胞を15分間インキュベーションした。培地を回収し、5−LOXの産物であるシステイニルロイコトリエン(cysteinyl leukotriene)(LTC/D/E)の濃度を、ELISAキット(Cayman Chem.)を使用して、メーカーが勧めた方法によって測定した。
【0036】
RBL−1細胞がA23187(カルシウムイオノフォア)で活性化されれば、5−LOXによって、多量のシステイニル−LTが産生されるということが周知である。本実験でRBL−1細胞から産生されたLTC/D/Eの量は、15分間(n=3)の基底レベル(basal level)4.2±1.2pg/mlから1,109.5±93.6pg/mlである。かような条件下で、カジノキ由来のプレニル化フラボノイド濃縮抽出物画分(EBP)は、1μg/ml、2μg/ml、5μg/ml、10μg/ml及び100μg/mlで用いる場合、それぞれ5%、24%、96%、99%及び99%の対応する阻害活性を示す。EBPは、濃度依存的に5−LOX媒介LTC/D/E産生を阻害した(図1)。線形回帰分析の結果、IC50値は、3.1μg/mlであった。
【0037】
一方、ELJは、10μg/ml、20μg/ml、50μg/ml、100μg/ml及び250μg/mlで用いられ、それぞれ1%、6%、18%、74%及び99%の対応する阻害活性を示した。すなわちELJは比較的弱い阻害活性を有し、5−LOX媒介LTC/D/E産生を弱く阻害した(IC50=78.7μg/ml)。
【0038】
EBPとELJを含む混合物の場合は、それぞれを個別に使用した場合より強力に5−LOX活性を阻害した。EBPの重量に基づき、IC50<1μg/mlであった。EBPおよびELJの各物質の阻害活性の和と比較するとき、混合物の方が、5−LOX活性に対する阻害効果がはるかに強力であり、混合物に相乗効果があるということが確認された。
【0039】
例えば、EBP 1μg/ml及びELJ 4μg/mlをそれぞれ個別に用いる場合、ロイコトリエン(LT)産生に対する阻害活性が現れないが、EBPとELJを併用(重量比で1:4の混合物)した場合、阻害活性は予想外に相乗的に61%に増加した。EBP 2μg/ml及びELJ 3μg/mlをそれぞれ個別に用いる場合、ロイコトリエン(LT)産生に対する阻害活性は、それぞれ24%及び0%であったが、EBPとELJを併用(重量比で1:1.5の混合物)した場合、阻害活性は予想外に相乗的に92%に増加した。EBP及びELJを、それぞれ2.5μg/mlずつ混合した場合(重量比1:1)も、5−LOX−媒介LT産生はほとんど完全に阻害され、阻害効果は予想外に相乗的に96%増加した。
【0040】
実験に使われたELJの量は、ELJ単独ではロイコトリエン産生阻害活性が生じないレベルに該当する。しかし、ELJがEBPと併用される場合、EBPの5−LOX阻害活性は、ELJを添加することによって有意に増強され、EBPとELJの混合物は、非常に高い阻害効果を示した。加えて、EBP及びELJの重量比1:1の混合物(BL)を用いて追加の実験を行った。
【0041】
ノルジヒドログアヤレト酸(NDGA)が比較化合物として使用され、5−LOXを強力に阻害した(1μMで99%阻害)。
【0042】
<実施例3>RAW 264.7細胞でPGE産生に及ぼす影響
炎症反応の媒介因子であるPGEの産生における、カジノキ抽出物及びニンドウ抽出物の効果について調べる。
【0043】
American Type Culture Collection(ATCC、Rocksville)から入手したRAW 264.7細胞を、10%FBS及び1%抗生物質(100U/mlペニシリン及び100μg/ml ストレプトマイシン)を補充されたDMEM中で、5%CO、37℃の条件下でインキュベートした。細胞をChi et al.(2001)の方法でリポ多糖(LPS)で活性化させた。細胞を96−ウェルプレート(2x10セル/ウェル)に添加して2時間あらかじめインキュベーションした後、試料物質及びLPS(1μg/ml)を添加し、その培地を、取り立てて規定しない限り、24時間インキュベーションした。培地中のPGE濃度を、PGE用ELISAキット(Cayman Chem.Co.)を使用してメーカーの勧めによって測定した。
【0044】
EBP及びBLは50μg/mlの濃度で、LPS処理されたマウスマイクロファージ細胞株であるRAW 264.7細胞からのCOX−2触媒PGE産生を統計学的に有意に阻害した(図2)。EBP及びBLのIC50値は、PGE産生に対しては、それぞれ21.4μg/ml及び29.0μg/mlであった。
【0045】
<実施例4>アラキドン酸(AA)誘発マウス耳浮腫に対する効果
抗炎症動物モデルにおける生体内での抗炎症活性を確認するために、AA誘発マウス耳浮腫アッセイを採用した。Kim et al.(1993)の方法により、2%AAアセトン溶液をマウスの耳に適用し(20μl/耳)、1時間後、耳の厚さをダイヤル厚みゲージ(Mitutoyo、日本)を使用して測定した。AA処置1時間前に、DMSO:水の1:1混合物に溶解した試験物質をマウスに経口投与した(0.1ml/マウス)。各群は5匹を含み、測定値は、算術平均±S.Dで示した(表1のa)。表1のbは、AA処理された対照群と比較した阻害%である。*は、AA処理対照群と比較した、p<0.05の有意差を示す。
【0046】
(表1)AA誘発マウス耳浮腫の阻害

【0047】
AA処理を行っていないネガティブ対照群は、耳の厚さが0.003±0.001mm増大した。EBP及びELJを50ないし200mg/kg経口投与した場合、浮腫反応を阻害し、ELJよりEBPの方がさらに強力な阻害効果を有した(表1)。EBPとELJとの1:1重量比混合物であるBLを投与した場合、EBP及びELJそれぞれを投与した場合より、炎症抑制効果が相乗的に増大した。
【0048】
例えば、EBP 50mg/kgを投与した場合、耳浮腫の阻害効果は28.6%であり、ELJを50mg/kg投与した場合、阻害効果はなかった。しかし、EBP 50mg/kgとELJ50mg/kgとの混合物であるBL 100mg/kgでは、34.4%の阻害効果を示した。すなわち、BLを投与した場合、予測できない相乗効果が現れた。また、EBP 200mg/kgを投与した場合、耳浮腫の阻害効果は45.7%であり、ELJを200mg/kg投与した場合、耳浮腫の阻害効果は25.0%であった。さらに、BL 200mg/kgを投与した場合、耳浮腫の阻害効果は60.0%阻害であった。すなわち、BLを投与した群が最も阻害効果が高かった。また、EBP 200mg/kgとELJ200mg/kgとの混合物であるBL 400mg/kgでは、78.6%の阻害効果を示し、EBPの阻害活性とELJの阻害活性の和よりさらに高い阻害活性を示した。この結果から、EBPとELJの併用は相乗効果を有するということが分かる。特に、BL混合物400mg/kgの阻害活性は、インドメタシン(20mg/kg)の阻害活性70%よりさらに高かった。
【0049】
<実施例5>マウスでのλ−カラギーナン(CGN)誘発足浮腫に対する効果
抗炎症活性を測定するために、Winter et al.(1962)の方法を若干修正してマウスのCGN誘発足浮腫アッセイを実施した。試験物質をマウスに経口投与し、1時間後に、パイロジェンフリー滅菌生理食塩水にCGNを溶解して調製した1%CGN(w/v)溶液(0.05ml/足)を足に注射した。5時間後に足の容積をplenthysmometer(Ugo Basil、Italy)で測定した。CGN投与前の足の容積より増大すれば浮腫を発症したと見なした。
【0050】
試験物質は、DMSO:水の1:1混合物に溶解して経口投与した。CGN処理を行っていないネガティブ対照群の足の容積は、0.149±0.025mlであった。各群は、それぞれ5匹のマウスを含み、測定値は、算術平均±S.Dで示した(表2のa)。表2のbは、CGN処理された対照群と比較した阻害%である。*は、CGN処理対照群と比較した、p<0.05の有意差を示す。
【0051】
(表2)マウスでのカラギーナン(CGN)誘発足浮腫の阻害

【0052】
CGN−誘導足浮腫に対して、50ないし400mg/kgのBLを経口投与した場合、用量依存的な阻害活性を示した(表2)。EBPまたはELJを、個別にそれぞれ200mg/kg投与した場合、それぞれ23.7%及び11.8%の阻害活性を示し、阻害活性の和は35.5%であった。一方、EBP及びELJ200mg/kgずつを含むBL 400mg/kgを投与した場合、BLの阻害活性は47.4%であった。したがって、EBPとELJの併用投与は、相乗的な阻害効果を示すということが確認される。
【0053】
<実施例6>マウスでの酢酸誘発ライジングテスト
抗侵害受容活性を測定するために、1%酢酸(100μl)を、マウスの腹腔内に投与した。酢酸の注射の10分後から10分間、ライジングの回数をカウントした。酢酸を注射する前に、DMSO:水の1:1混合物に溶解した試験物質を経口投与(0.1ml/マウス)した。
【0054】
各群は、それぞれ6匹のマウスを含み、測定値は、算術平均±S.Dで示した(表3のa)。表3のbは、酢酸処理された対照群と比較した阻害%である。*は、酢酸処理対照群と比較した、p<0.05の有意差を示す。
【0055】
(表3)マウスでの酢酸誘発ライジングに対する阻害

【0056】
抗侵害受容活性アッセイの結果、50ないし400mg/kgのELJを経口投与した場合、ELJの抗侵害受容活性は、EBPより強力であり、BLは強力に用量依存的にマウスでの酢酸誘発ライジングを阻害した(表3)。
【0057】
カジノキのいくつかの部分が、抗侵害受容活性及び抗炎症活性があると報告されている(Lin et al.,2008)。カジノキの根、葉、実のエタノール抽出物を600ないし2,000mg/kg経口投与した場合、マウスでの酢酸誘発ライジングが生体内で阻害された。これらの結果を比較すると、本実験の組成物は、50ないし400mg/kgの濃度で、より強力な生体内抗侵害受容活性及び抗炎症活性を示した。
【0058】
本発明のカジノキ抽出物及びニンドウ抽出物を有効成分として含有する多様な種類の製剤を下記のように調製した。
【0059】
製剤例1:錠剤の調製
カジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物 100mg
ニンドウのエタノール抽出物 100mg
乳糖 50mg
澱粉 10mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
前記の成分を混合し、一般的な錠剤の調製方法によって打錠して錠剤を製剤した。
【0060】
製剤例2:散剤の調製
カジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物 100mg
ニンドウのエタノール抽出物 400mg
乳糖 30mg
澱粉 20mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
前記の成分を完全に混合した後、ポリエチレンがコーティングされた包み(slice)に充填して密封して散剤を調製した。
【0061】
製剤例3:カプセル剤の調製
カジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物 200mg
ニンドウのエタノール抽出物 100mg
乳糖 150mg
澱粉 28mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
前記の成分を混合し、一般的なカプセル剤の調製方法によって、ゼラチン軟カプセルに充填してカプセル剤を調製した。
【0062】
製剤例4:軟質カプセル剤の調製
カジノキのプレニル化フラボノイド濃縮抽出物 200mg
ニンドウのエタノール抽出物 200mg
ポリエチレングリコール400 400mg
濃グリセリン 55mg
精製水 35mg
ポリエチレングリコールと濃グリセリンとを混合した後、精製水を添加した。約60℃に維持しながら混合物にフラボンを加え、撹拌機で約1,500rpmの回転速度で均一に撹拌した。前記混合液を穏やかに撹拌しながら室温に冷却し、真空ポンプで気泡を除去して、軟質カプセルの中身を調製した。軟質カプセルの被膜は、1カプセル当たりゼラチン132mg、濃グリセリン52mg、70%ジソルビトール液6mg、及び着香剤としてエチルバニリン適量、コーティング基材としてカルナウバ蝋を使用し、一般的な調製方法で調製した。
【0063】
<参考文献>
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【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によるカジノキの抽出物及びニンドウの抽出物を有効成分として含む組成物は、抽出物を単独で用いるより併用した方が優れた抗炎症効果及び抗侵害受容効果を有するため、効果的な抗炎症剤、消炎剤または鎮痛剤として使われうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カジノキ抽出物、カジノキ抽出物の画分、及び薬学的に許容されるその塩からなる群より選択される、有効成分としての第1物質;ニンドウ抽出物及び薬学的に許容されるその塩からなる群より選択される、有効成分としての第2物質;ならびに薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする、炎症及び/または痛みの予防用、軽減用または治療用の薬学的組成物。
【請求項2】
カジノキ抽出物、カジノキ抽出物の画分、及び薬学的に許容されるその塩からなる群より選択される第1物質;ニンドウ抽出物及び薬学的に許容されるその塩からなる群より選択される第2物質;ならびに薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする、炎症性呼吸器疾患、炎症性自己免疫疾患、炎症性皮膚疾患、炎症性胃腸関連疾患、炎症性心血関連疾患及び炎症性骨格筋疾患からなる群より選択される疾病の予防用または治療用の薬学的組成物。
【請求項3】
カジノキ抽出物、カジノキ抽出物の画分、及び薬学的に許容されるその塩からなる群より選択される第1物質;ニンドウ抽出物及び薬学的に許容されるその塩からなる群より選択される第2物質;ならびに薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする、急性または慢性の気管支炎、喘息、COPD、アトピー性皮膚炎、乾癬、アレルギー性鼻炎、胃炎、胃潰瘍、過敏性大腸症候群、胃食道逆流症、肝炎、血管炎症疾患、骨関節炎、関節リウマチ、変形性関節炎、多発性関節炎、腰痛、抜歯後の痛み、頭痛、手術後の痛み及び炎症、歯痛、生理痛からなる群より選択される疾病の予防用または治療用の薬学的組成物。
【請求項4】
カジノキ抽出物の画分が、カジノキをアルコール水溶液で抽出し、そのアルコール抽出物を疎水性溶媒で分画した画分、またはプレニル化フラボノイド濃縮抽出物のいずれかであり、かつニンドウ抽出物が、エタノール抽出物であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
カジノキ抽出物またはカジノキ抽出物の画分とニンドウ抽出物の重量比が、1:0.1〜10であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
カジノキ抽出物またはカジノキ抽出物の画分とニンドウ抽出物の重量比が、1:1であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の薬学的組成物を用いて調製される薬学的製剤であって、経口投与用の製剤、粘膜適用製剤、注射剤、吸入剤及び外用剤からなる群より選択されることを特徴とする、薬学的製剤。
【請求項8】
経口投与用の製剤が硬質及び軟質のカプセル剤、錠剤、懸濁剤、シロップ剤、散剤、徐放製剤、腸溶性製剤、顆粒剤、油糖剤、細粒剤、丸剤、エキス剤、液剤、芳香水剤、乳剤、エリキシル剤、流動エキス剤、沈殿剤、チンキ剤、酒精剤からなる群より選択されることを特徴とする、請求項7に記載の薬学的製剤。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−506914(P2012−506914A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545308(P2011−545308)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008710
【国際公開番号】WO2011/071296
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(511055511)ファーマキング カンパニー リミテッド (2)
【出願人】(511055522)ケーエヌユー−インダストリー コーポレーション ファウンデーション (1)
【Fターム(参考)】