カセットシステム統合型装置
ポンピングカセット(500,600,700)が提供される。それぞれのカセットは、ハウジングと、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口と、前記カセットに流体連通される少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプ(602,604)とを含む。バランスカセットが流体連通された少なくとも1つのバランスポッド(706,708)を含む。混合カセットが流体連通された少なくとも1つの混合室を含む。前記システムは、混合カセット(500)、バランスカセット(700)、及び混合カセット(600)と前記バランスカセット、及び少なくとも1つのポッドに流体連通された外側又は中間カセットを含む。混合カセットは、少なくとも1つの流路によって、中間カセットに流体連通され、且つ、中間カセットは、少なくとも1つの流路によって、バランスカセットに流体連通される。少なくとも1つのポッドが少なくとも2つのカセットに連結され、前記ポッドがカセット間の流域に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体汲み出しのためのカセットシステム統合型装置に関する。
本願は、2007年10月12日に出願した「目的の装置のためのカセットシステム(Cassette System Integrated Apparatus)」(代理人整理番号 No. DEKA−023XX)と題される米国特許出願第11/871,803号明細書の部分継続出願であり、2007年2月27日付で出願された「血液透析システム及びその方法(Hemodialysis System and Methods)」と題される米国仮明細書特許出願第60/904,024号明細書及び2007年4月2日付で出願された「センサ装置(Sensor Apparatus)」と題される米国仮明細書特許出願第60/921,314号明細書を基礎として優先権を主張し、上記した特許出願はすべて、その全体が本願明細書に参照により援用される。
【発明の概要】
【0002】
カセット統合型システムの一態様によれば、カセット統合型システムが、混合カセット、バランスカセット、混合カセット及びバランスカセットと流体連通された中間カセット、及び少なくとも1つのポッドとを含む。混合カセットは、少なくとも1つの流路によって中間カセットに流体連通され、中間カセットは、少なくとも1つの流路によってバランスカセットに流体連通される。少なくとも1つのポッドがカセットの少なくとも2つのカセットに連結され、ここで、ポッドは、カセット間の領域に位置される。
【0003】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の1つ以上を含む。ハウジングが天板、中板、及び低板を含む。ポッドは、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。いくつかの実施形態において、弁は、膜弁である。カセットに連結される流路の少なくとも1つが、剛性の中空型円筒状構造物である。いくつかの実施形態において、カセットを連結する流路の少なくとも1つが、円筒状構造物内の逆止め弁を含む。システムのいくつかの実施形態において、混合カセットは、混合カセットハウジング内で、少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。システムのいくつかの実施形態において、バランスカセットは、ハウジング内に位置され、流路に流体連通される少なくとも1つの定量ポンプをさらに含む。定量ポンプが所定の量の流体を汲み出すことにより、その流体が、バランス室を迂回するようにし、ここで、定量ポンプは、膜ポンプである。
【0004】
カセット統合型システムの一態様によれば、カセット統合型システムは、混合カセット、バランスカセット、及び中間カセットを含む。混合カセットは、少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む混合カセットハウジングを含む。また、混合カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。圧力ポンプは、流体流入口ラインから少なくとも1つの流体排出口ラインへと少なくとも1つの流体を汲み出す。また、混合カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つが、混合室を含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。中間カセットは、少なくとも1つの流体ポート及び少なくとも1つの通気口を含むハウジングを含み、通気口は、中間カセットハウジングの外部に流体ソースをベントさせる。また、中間カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。ポンプは、流体を汲み出す。バランスカセットは、少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングを含む。また、少なくとも1つのバランスポッドがバランスカセットハウジングに流体連通され、また、流体経路と流体連通される。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動のバランスを維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。バランスポッドは、膜を含み、膜は、二つのバランス室を形成する。また、バランスカセットは、バランスカセットハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインへと流体を汲み出す。混合カセットは、少なくとも1つの流路によって、中間カセットに流体連通され、また、中間カセットは、少なくとも1つの流路によって、バランスポッドに流体連通される。往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドが、カセット間の流域内に位置するように、往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドがハウジングに連結される。
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。往復運動型圧力変位膜ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、いくつかの実施形態において、バランスポッドが、曲線状の硬質な室壁及び硬質な室壁に付着された可撓性膜を含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、二つのバランス室を画定する。混合室は、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。弁のいくつかの実施形態において、弁は、膜弁である。いくつかの実施形態において、膜弁がボルカーノ弁である。
【0005】
いくつかの実施形態において、カセットに連結された流路の少なくとも1つが、剛性の中空型円筒状構造物である。いくつかの実施形態において、カセットに連結された流路の少なくとも1つが、円筒状構造物内の逆止め弁を含む。システムのいくつかの実施形態において、混合カセットが、混合カセットハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。システムのいくつかの実施形態において、バランスカセットは、ハウジング内で、流路に流体連通された少なくとも1つの定量ポンプをさらに含む。定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、流体の所定の量を汲み出し、ここで、定量ポンプが膜ポンプである。
【0006】
カセット統合型システムの一態様によれば、カセット統合型システムが、混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットを含む。混合カセットは、少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む混合カセットハウジングを含む。また、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプがハウジングに流体連通される。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインの少なくとも1つへと少なくとも1つの流体を汲み出す。また、混合カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つの混合室を含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。複数の膜弁及び複数の流路がさらに含まれる。弁が流路内の流体の流動を制御する。また、混合カセットは、混合カセットハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプを含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。
【0007】
中間カセットは、少なくとも1つの流体ポート及び少なくとも1つの通気口を含む中間カセットハウジングを含む。通気口通気ポートは、ハウジングの外部に流体ソースを排出する。また、中間カセットハウジング内の複数の流路及び複数の膜弁も含む。弁は、流路内の流体流動を制御する。ハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプがさらに含まれる。ポンプは、流体を汲み出す。
【0008】
バランスカセットは、少なくとも1つの流入口流路及び少なくとも1つの排出口流路を含むバランスカセットハウジングを含む。複数の膜弁及び複数の流体経路がさらに含まれる。弁は、流体経路内の流体の流動を制御する。流体経路と流体連通され、バランスカセットハウジングに流体連通された少なくとも1つのバランスポッドがさらに含まれる。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動の均衡を維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。バランスポッドは、二つのバランス室を形成する膜を含む。また、バランスカセットは、バランスカセットハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインへと流体を汲み出す。また、流路に流体連通され、ハウジング内に位置する少なくとも1つの定量ポンプが設けられる。定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出す。定量ポンプは、膜ポンプである。
【0009】
混合カセットは、少なくとも1つの流路によって、中間カセットに流体連通される。また、中間カセットは、少なくとも1つの流路によって、バランスポッドに流体連通される。往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドが、カセット間の領域内に位置するように、往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドがハウジングに連結される。
【0010】
カセットのこの態様のいくつかの実施形態において、カセットを連結する流路の少なくとも1つが、硬質の中空型円筒状構造物である。
ポンピングカセットの一態様によれば、カセットは、少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングを含むカセットである。少なくとも1つのバランスポッドがハウジング内に位置され、流体経路と流体連通される。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動の均衡を維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。また、バランスポッドは、二つのバランスカセットを形成する膜を含む。また、カセットには、少なくとも2つの往復運動型圧力変位膜ポンプが設けられる。ポンプは、ハウジング内に配置され、また、ポンプは、流体流入口から流体排出口ラインへと流体を汲み出し、また流体流入口から流体排出口まで第2流体を汲み出す。
【0011】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着した可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、カセットは、ハウジング内の定量ポンプをさらに含む。定量ポンプは、流路に流体連通され、所定の量の流体を汲み出す。また、圧力ポンプ及び定量ポンプは、空圧式で作動されるポンプである。また、定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出し、また、定量ポンプは、膜ポンプである。また、カセットが少なくとも1つの流体弁を含む。また、カセットが1つの空圧弁によって作動される少なくとも2つの流体弁を含む。
【0012】
カセットの他の態様によれば、カセットは、少なくとも1つの流入口流路及び少なくとも1つの排出口流路を含むハウジングを含む。また、カセットは、ハウジング内の、また、流体経路と流体連通される少なくとも1つのバランスポッドを含む。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動の均衡を維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。バランスポッドは、膜を含み、膜は、バランスポッド内で二つのチェンバを形成する。また、ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプがカセット内に設けられる。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインへと流体を汲み出す。定量ポンプが、さらにハウジング内に設けられる。定量ポンプは、流路に流体連通される。定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出し、定量ポンプは、膜ポンプである。
【0013】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、カセットは、少なくとも1つの流体弁をさらに含み、及び/又は流体弁が1つの空圧弁によって作動される。また、カセットが1つの空圧弁によって作動される少なくとも2つの流体弁を含む。
【0014】
ポンピングカセットの他の態様によれば、ポンピングカセットは、少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングを含む。また、少なくとも2つのバランスポッドがハウジング内に位置され、また、流路と流体連通される。バランスポッドは、純粋透析液の流動と不純透析液の流動の均衡を維持することにより、純粋透析液の量と不純透析液の量が等しくなるようにする。また、少なくとも2つの往復運動型圧力変位ポンプがハウジング内に設けられる。圧力ポンプは、純粋透析液及び不純透析液を汲み出す。UF定量ポンプが、さらにハウジング内に設けられる。UF定量ポンプは、所定の量がバランス室を迂回するように、少なくとも1つの流路から所定の量の不純透析液を汲み出す。
【0015】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着される可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、複数の空圧作動式流体弁が設けられる。
【0016】
ポンプカセットの一態様によれば、ポンプカセットは、ハウジングを含む。ハウジングは、少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位ポンプを含む。圧力ポンプは、少なくとも1つの流体を流体流入口ラインから少なくとも1つの流体排出口ラインへと汲み出す。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの混合室を含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。
【0017】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、カセットは、さらに少なくとも1つの弁を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの弁が膜を含む弁ハウジングを含む。膜は、ハウジングを二つのチェンバに分割する。混合室は、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプを含む。定量ポンプは、ハウジング上の混合室、また定量ポンプ流路に流体連通される。定量ポンプ流路は、少なくとも1つの流体流入口ラインの少なくとも1つに流体連通される。定量ポンプのいくつかの実施形態において、流路が第2流体流入口ラインに連結される。
【0018】
ポンプカセットの他の態様によれば、カセットは、少なくとも2つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含むハウジングを含む。また、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプが、ハウジング内に設けられる。圧力ポンプは、流体流入口ラインの少なくとも1つから流体排出口ラインの少なくとも1つへと流体を汲み出す。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの混合室を含み、混合室は、流体排出口ラインと流体連通される。また、少なくとも1つの定量膜ポンプが、ハウジング内に設けられる。定量膜ポンプは、ハウジング上の混合室に、また、定量ポンプ流路に流体連通される。定量ポンプ流路は、少なくとも2つの流体流入口ラインの少なくとも1つに流体連通される。
【0019】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着される可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。混合室は、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。カセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。いくつかの実施形態において、弁は、ハウジングを二つの室に分割する膜を含む弁ハウジングを含む。
【0020】
ポンプカセットの他の態様によれば、ハウジングを含む。ハウジングは、少なくとも3つ流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む。また、カセットは、少なくとも2つの往復運動型圧力変位膜ポンプをハウジング内に含み、このポンプは、流体流入口ラインの少なくとも1つから流体排出口ラインの少なくとも1つへと流体を汲み出す。また、カセットは、少なくとも1つの混合室をハウジング内に含み、混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。また、カセットは、少なくとも2つの定量膜ポンプをハウジング内に含む。定量ポンプは、それぞれの流体流入口ラインに、また、ハウジング上の混合室に流体連通される。定量ポンプは、流体流入口ラインから混合室に流体連通された流路へと、ある量の流体をそれぞれ汲み出す。
【0021】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。カセットは、少なくとも1つの弁を含む。いくつかの実施形態において、弁は、ハウジングを二つのチェンバに分割する膜を含む弁ハウジングを含む。
【0022】
ポンピングカセットの一態様によれば、カセットがハウジングを含む。ハウジングは、少なくとも1つの流体ポート及び少なくとも1つの通気口を含む。通気口は、ハウジングの外部に流体ソースをベントする。また、ポンピングカセットは、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプをハウジング内に含む。ポンプは、流体を汲み出す。
【0023】
ポンピングカセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の1つ以上を含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。ポンピングカセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。ポンピングカセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。また、いくつかの実施形態において、弁は、膜弁である。また、ポンピングカセットは、膜を含む弁ハウジングを含む少なくとも1つの弁を含み、膜は、弁ハウジングを二つの室に分割する。二つのチェンバは、作動室及び流体ポンプ室である。作動室は、少なくとも1つの開口を含み、流体ポンプ室は、少なくとも1つの開口を含む。作動室は、二つの開口を含む。また、いくつかの実施形態において、弁が、ボルカーノ弁である。弁のいくつかの実施形態において、流体ポンプ室は、実質的に滑らかな表面を含む。弁のいくつかの実施形態において、弁は、逆止め弁である。ポンピングカセットの他の態様によれば、ポンピングカセットは、少なくとも1つのソース流体流入口流体経路を有するハウジング、少なくとも1つのソース貯蔵容器通気流体経路及び少なくとも1つのソース流体排出口経路を含む。また、ポンピングカセットは、ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。ポンプは、ソースタンクからハウジングの外部に、またソース流体流入口流体経路を通じてソース流体を汲み出す。また、ポンピングカセットは、少なくとも1つの弁を含む。弁は、膜を有する弁ハウジングを含み、膜は、弁ハウジングを二つの室、すなわち、流体室と作動室に分割する。
【0024】
ポンピングカセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着し可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。ポンピングカセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。ポンピングカセットは、ソースタンクベント流体経路に流体連通された測定システムを制御する弁を含む。いくつかの実施形態において、この測定システムは、ソースタンクの量を測定する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのソース貯蔵容器通気流体経路が、通気口に流体連通される。通気口は、ソースタンクを大気圧に維持する。また、ポンピングカセットのいくつかの実施形態において、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプが、ソースタンクからハウジングを通じて、またフィルタを通じて、ハウジングの外部に流体を汲み出す。
【0025】
本発明のこの態様は、排他的なものではなく、本発明の他の特徴、態様、及び利点は、特許請求の範囲及び添付図面を参照すれば、当業者にとって容易に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】カセットの実施形態に組み入れられたポッドポンプの一実施形態の断面図である。
【図1B】カセットの実施形態に組み入れられたポッドポンプの例示的な実施形態の断面図である。
【図2A】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の1つのタイプの一実施形態の断面図である。
【図2B】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の1つのタイプの他の実施形態の断面図である。
【図2C】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の1つのタイプの他の実施形態の断面図である。
【図2D】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の他のタイプの一実施形態の断面図である。
【図2E】バルビング膜の実施形態を示す平面図及び底面図である。
【図2F】バルビング膜の実施形態を示す平面図及び底面図である。
【図2G】バルビング膜の一実施形態を示す斜視図、平面図、及び断面図である。
【図3】カセット内のポッドポンプの断面図である。
【図4】可変型膜を有するカセット内のポッドポンプを示す断面図である。
【図4A】ディンプル型/可変型膜を有するカセット内のポッドポンプを示す平面図及び断面図である。
【図4B】ディンプル型/可変型膜を有するカセット内のポッドポンプを示す平面図及び断面図である。
【図4C】可変型膜を有する単一リング膜を示す斜視図である。
【図4D】可変型膜を有する単一リング膜を示す斜視図である。
【図5A】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5B】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5C】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5D】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5E】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図5F】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図5G】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図5H】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図6A】滑らかな表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6B】滑らかな表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6C】ディンプル表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6D】ディンプル表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6E】可変型表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6F】可変型表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6G】可変型表面を有するダブルリング膜を示す断面図である。
【図7】ポッドポンプを作動させるのに用いられる圧力作動システムを示す概略図である。
【図8】カセットの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図9】カセットの他の実施形態についての流体流動経路の他の実施形態を示す配線図である。
【図10】図8による弁を含むカセットの中板の作動側部の例示的な実施形態の等角正面図である。
【図11A】カセットの外側天板の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図11B】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図11C】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図12A】カセットの中板の流体側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図12B】カセットの中板の空気側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図12C】カセットの中板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図13A】カセットの低板の内側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図13B】カセットの低板の外側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図13C】カセットの中板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図14A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す平面図である。
【図14B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す底面図である。
【図14C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図14D】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図15A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す断面図である。
【図15B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す断面図である。
【図15C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す断面図である。
【図16A】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図16B】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す底面図である。
【図16C】天板の他の実施形態を示す側面図である。
【図17A】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図17B】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図17C】中板の他の実施形態を示す側面図である。
【図18A】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図18B】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図18C】低板の他の実施形態を示す側面図である。
【図19A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す平面図である。
【図19B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図19C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図20A】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図20B】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図38A】カセットの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図38B】カセットの流体流動経路の他の実施形態を示す配線図である。
【図39A】カセットの例示的な実施形態の外側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39B】カセットの例示的な実施形態の外側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39C】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39D】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39E】カセットの例示的な実施形態の天板を示す側面図である。
【図310A】カセットの中板の液体側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310B】カセットの中板の液体側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310C】カセットの中板の空気側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310D】カセットの中板の空気側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310E】カセットの例示的な実施形態による中板を示す側面図である。
【図311A】カセットの例示的な実施形態による低板の内側部を示す等角図及び正面図である。
【図311B】カセットの例示的な実施形態による低板の内側部を示す等角図及び正面図である。
【図311C】カセットの低板の外側部の例示的な実施形態の等角図及び正面図である。
【図311D】カセットの低板の外側部の例示的な実施形態の等角図及び正面図である。
【図311E】カセットの例示的な実施形態による低板を示す側面図である。
【図312A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す平面図である。
【図312B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す底面図である。
【図312C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図312D】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図313】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図314A】カセットの外側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314B】カセットの外側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314C】カセットの内側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314D】カセットの内側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314E】カセットの他の実施形態の天板を示す側面図である。
【図315】カセットの他の実施形態による天板ガスケットを示す正面図である。
【図316A】カセットの中板の液体側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316B】カセットの中板の液体側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316C】カセットの中板の空気側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316D】カセットの中板の空気側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316E】カセットの他の実施形態による中板を示す側面図である。
【図317】カセットの他の実施形態による低板ガスケットを示す正面図である。
【図318A】カセットの低板の内側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318B】カセットの低板の内側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318C】カセットの低板の外側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318D】カセットの低板の外側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318E】カセットの他の実施形態による低板を示す側面図である。
【図319A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す平面図である。
【図319B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す底面図である。
【図319C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図319D】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図320A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す断面図である。
【図320B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す断面図である。
【図321A】逆止め弁の1つの実施形態を示す断面図である。
【図321B】逆止め弁の1つの実施形態を示す断面図である。
【図321C】逆止め弁の一実施形態を示す斜視図である。
【図321D】逆止め弁の一実施形態を示す斜視図である。
【図48A】カセットの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図48B】カセットの流体流動経路の他の実施形態を示す配線図である。
【図49A】カセットの例示的な実施形態の中板の例示的な実施形態を示す等角底面図である。
【図49B】カセットの例示的な実施形態の中板を示す等角平面図である。
【図49C】カセットの中板の例示的な実施形態を示す等角底面図である。
【図49D】カセットの中板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図410A】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図410B】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図410C】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図410D】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図410E】カセットの天板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図411A】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図411B】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図411C】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角平面図である。
【図411D】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角平面図である。
【図411E】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図412A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態の上部を示す等角図である。
【図412B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態の底部を示す等角図である。
【図412C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図412D】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図413A】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図413B】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図413C】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図414A】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図414B】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図414C】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図414D】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図414E】天板の他の実施形態を示す側面図である。
【図415A】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図415B】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図415C】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図415D】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図415E】中板の他の実施形態を示す側面図である。
【図416A】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図416B】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図416C】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び底面図である。
【図416D】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び底面図である。
【図416E】低板の他の実施形態を示す側面図である。
【図417A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す等角平面図である。
【図417B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す等角底面図である。
【図417C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図417D】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図417E】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図418A】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図418B】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図418C】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図418D】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図418E】天板の他の実施形態を示す側面図である。
【図419A】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図419B】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図419C】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図419D】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図419E】中板の他の実施形態を示す側面図である。
【図420A】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図420B】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図420C】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図420D】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図420E】低板の他の実施形態を示す側面図である。
【図421A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す平面図である。
【図421B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す底面図である。
【図421C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図421D】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図422A】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図422B】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図500A】カセットシステムの混合カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図500B】カセットシステムの混合カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図600A】カセットシステムの中間カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図600B】カセットシステムの中間カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図700A】カセットシステムのバランスカセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図700B】カセットシステムのバランスカセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図800A】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す正面図である。
【図800B】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す等角図である。
【図800C】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す等角図である。
【図800D】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図800E】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図900A】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す等角図である。
【図900B】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す等角図である。
【図900C】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す側面図である。
【図900D】カセットシステムのポッドの1つの折半部の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図900E】カセットシステムのポッドの1つの折半部の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図1000A】カセットシステムのポッド膜の例示的な実施形態を示す斜視図である。
【図1000B】カセットシステムのポッド膜の例示的な実施形態を示す斜視図である。
【図1100】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図1200】カセットシステム内の逆止め弁の流路の一実施形態を示す分解組立図である。
【図1300】カセットシステム内の逆止め弁の流路の一実施形態を示す分解組立図である。
【図1400】カセットシステム内の流路の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図1500A】統合されたカセットシステムの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図1500B】統合されたカセットシステムの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図1600A】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600B】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600C】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600D】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600E】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600F】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面を参照した以下の詳細な説明に基づき、本発明のこの特徴及び利点、また、他の特徴及び利点がさらに容易に理解されるであろう。
1.ポンピングカセット
1.1 カセット
ポンピングカセットは種々の特徴、例えば、ポッドポンプ、流路、そして、いくつかの実施形態では弁を含む。この説明で図示して説明されるカセットの実施形態は、例示的ないくつかの代替の実施形態を含む。しかしながら、カセットの任意の改変が同様の機能を有することを意図している。また、ここで説明されるカセットの実施形態は、図8A及び図8Bに示される流体の概略図の実施例である。他の実施形態では、カセットは、多様の流体経路、多様な弁の配置、及び多様なポッドポンプの配置のうち少なくとも何れか1つ、並びに多様の数を有するものが本発明の範囲内にある。
【0028】
例示的実施形態では、カセットは天板、中板、及び底板を含む。各プレートについて多様の実施形態が存在する。一般に、天板はポンプ室及び流路を含み、中板は補足的な流路、定量ポンプ及び弁を含み、底板は作動室(いくつかの実施形態では、天板及び底板はバランス室の補助的な部分を含む)を含む。
【0029】
一般に、中板と底板との間に膜が配置されるが、バランス室に関して、膜の一部は中板と天板との間に配置される。いくつかの実施形態は、カセットに取り付けられた膜を含む。その取り付けは、オーバーモールド、捕捉、接着、圧着、溶接、又は任意の処理或いは方法で行われる。しかしながら、例示的実施形態では、プレートが組みつけられるまで、膜は天板、中板及び底板から分離している。
【0030】
カセットは多様な材料で形成されてもよい。一般に、各種実施形態では、使用される材料は硬質かつ非可撓性を有するものである。好適な実施形態では、プレートはポリサルフォンから形成されるが、他の実施形態では、カセットは任意の他の硬質な材料から形成され、例示的実施形態では、任意の熱可塑性又は熱硬化性の材料から形成される。
【0031】
例示的実施形態では、膜を正確な位置に配置し、プレートを順に組み付け、そしてプレートを接続することにより、カセットが形成される。一実施形態において、プレートはレーザー溶接技術を用いて接続される。しかしながら、他の実施形態において、プレートは、接着、機械的締結、拘束、超音波溶接、又はプレートを共に取り付ける任意の他の方法で取り付けられてもよい。
【0032】
実際、カセットは、任意の流体源から任意の場所へ流れる任意の種類の流体を汲み出すために使用される。流体の種類は、栄養のあるもの、栄養のないもの、無機化学薬品、有機化学薬品、体液、又は他の任意の流体を含む。加えて、いくつかの実施形態の流体は気体を含むため、いくつかの実施形態では、カセットは気体を汲み出すために使用される。
【0033】
カセットは、所望の場所から来る流体を所望の場所へ汲み出して方向付けるように機能する。いくつかの実施形態において、外側のポンプは流体をカセット内へ汲み出して、カセットポンプは流体を外へ汲み出す。しかしながら、いくつかの実施形態において、ポッドポンプは流体をカセット内へ引き込むとともに、流体をカセットの外へ汲み出す。
【0034】
上記したように、弁の位置に依存して、流体経路の制御が伝達される。従って、異なる位置にある弁又は付加的な弁は、カセットの別の実施形態である。加えて、図示され上記される流路及び経路は、流路及び経路の単なる例である。他の実施形態は、より多い流体経路、又はより少ない流体経路を有してもよいし、それら加えて或いはそれらに代えて異なる流体経路を有してもよい。更に他の実施形態において、弁はカセットに設けられない。
【0035】
また、上記したポッドポンプの数は、実施形態に依存して変更されてもよい。例えば、図示された上記される例示的かつ代替の実施形態は二つのポッドポンプを含むが、他の実施形態では、カセットは一つのポッドポンプを含む。更に別の実施形態において、カセットは三つの以上のポッドポンプを含む。ポッドポンプは単一のポンプであってもよいし、より連続的な流れを提供すべく二つ並んで機能してもよい。何れかのポンプ又は双方のポンプがカセットの各種実施形態で使用されてもよい。
【0036】
各種の流体吸入口及び流体排出口は流体ポートである。実際、弁の配置及び制御に依存して、流体吸入口は流体排出口となる。従って、流体吸入口又は流体排出口として流体ポートを割り当てることは、説明の目的のみのためである。各種実施形態は、交換可能な流体ポートを有する。流体ポートは、カセット上に特定の流体経路を付与するために提供される。これら流体ポートを常時全て使用する必要はなく、代わりに実際には各種の流体ポートの使用により、カセットの使用の柔軟性が提供される。
【0037】
1.2 例示的の圧力ポッドポンプの実施形態
図1は、カセットの例示的実施形態に従って、流体制御又はポンプカセット(図3及び図4も参照)に組み込まれた例示的なポッドポンプ100を示す断面図である。この実施形態において、ポッドポンプは、三つの硬質な部品、即ち、「天」板106、中板108、及び「低」板110から形成される(用語「天」及び「底」は相対的なものであり、図1で示される向きを参照して便宜上ここで使用されていることを留意されたい。)。天板及び底板106,110は、概して半球状の部分を含む。一緒に組みつけられたとき、半球状の部分は、ポッドポンプ100である半球状の室を形成する。
【0038】
膜112は、ポッドポンプ100の中央の空洞を二つの室に分離する。一実施形態において、これら室は、汲み出される流体を受容するポンプ室、及びポンプを空気圧で駆動する制御気体を受容するための作動室である。吸入口102は流体がポンプ室内へ進入することを許容し、排出口104は流体がポンプ室から出て行くことを許容する。吸入口102及び排出口104は、中板108と天板106との間に形成される。空気圧は、正の気圧又は負の気圧による何れかの力として気圧ポート114を通じて提供される。正の気圧は、ポンプ室の容量を最小化、即ち、吸引するようにポッドポンプの空洞の一方の壁に膜112を向かわせるものである。負の気圧は、ポンプ室の容量を最大化するようにポッドポンプ100の空洞の他方の壁に膜112を向かわせるものである。
【0039】
膜112は、中板108内の突出部118によってきつく保持される肉厚のリム116に提供される。従って、製造する際、(例示的実施形態において)底板110が中板108に接続されるまで、膜112は溝108内に配置され、かつ溝108によって保持される。
【0040】
図1A及び図1Bに示されていないが、ポッドポンプのいくつかの実施形態において、流体側には溝が室壁上に存在する。溝は、空になっているときに膜の折曲部が流体を捕捉することを防止するように作用する。
【0041】
図1Aには、カセットにおける往復容積型ポンプ100の断面図が示されている。ポッドポンプ100は、可撓性膜112(「ポンプ隔壁」又は「膜」とも称される)を備えており、この膜112は、ポンプ室(「液室」又は「液体ポンプ室」とも称される)壁122と作動室(「空気圧室」とも称される)壁120とが接続する部分に取り付けられている。膜112は、その内部空間を容量可変ポンプ室(ポンプ室壁122の硬質な内面と膜112の表面とによって区画される)と補助容量可変作動室(作動室壁120の硬質な内面と膜112の表面とによって区画される)とに好適に分割している。天板106は、吸入口102と排出口104とを備えており、これら吸入口102及び排出口104の双方は、ポンプ室/液室に流体連通している。底板110は、作動或いは空気圧ポート114を備えており、このポート114は、その作動室に流体連通している。以下より詳細に説明するように、空気圧ポート114において、負圧又は大気への通気と正圧とを相互に供給することにより、膜112が上記の内部空間において前後に移動可能である。膜112が前後に往復移動する際に、ポンプ室と作動室との容積の和は、一定の値に維持される。
【0042】
流体ポンプの標準運転時に、作動或いは空気圧ポート114に負圧又は大気圧への通気を印加することにより、ポンプ室/液室を膨張させるとともに、吸入口102を介して流体をポンプ室に流入させるように、膜112を作動室壁120に向けて後退させる。一方、正の気圧を印加することにより、ポンプ室を縮小させるとともに、排出口104を介してこのポンプ室における液体を圧出するように、膜112をポンプ室壁122に向けて押圧する。このようなポンプ運転の間に、膜112が前後に往復移動する際に、ポンプ室壁122及び作動室壁120の内面は、膜112の移動を制限する。図1Aに示される実施形態においては、ポンプ室壁122及び作動室壁120の内面は、硬質で滑らかな半球状である。硬質な作動室壁120の代わりに、代替の硬質な制限構造、例えば空気圧を提供するためのベゼルの一部及び一群のリブのうち少なくとも何れか一方は、ポンプ室の容積が最大値に達する際に、その膜の移動を制限することができる。ベゼル及びリブ構造は、米国特許出願第10/697,450号明細書(2003年10月30日に出願された「空気制御のためのベゼルアセンブリ」と題する米国特許出願公開第2005/0095154号明細書であり、代理人整理番号は1062/D75である)と、それに関連するPCT出願(2004年10月29日に出願された「空気制御のためのベゼル装置」と題する国際出願第PCT/US2004/035952号であり、国際公開第2005/044435号であり、代理人整理番号は1062/D71WOである)とに記載されている。これら二出願の全体は、本明細書において参照のために援用されている。したがって、この硬質な制限構造、例えば、硬質な作動室壁120、ベゼル又は一群のリブは、ポンプ室の容積が最大値に達した際に、膜112の形状を定める。好ましい実施形態においては、ポンプ室の容積が最小値になったときに、膜112(硬質な制限構造に寄せたとき)及びポンプ室壁122の硬質な内面により、球状のポンプ室が形成される。
【0043】
従って、図1Aに示される実施形態において、膜112の移動は、ポンプ室壁122及び作動室壁120により制限される。空気圧ポート114を介して供給される正圧と大気への通気又は負圧とが十分に強い間に、膜112は、作動室壁120によって制限される位置から、ポンプ室壁122によって制限される位置に向かって移動する。膜112が作動室壁120に押圧された場合には、膜及びポンプ室壁122により、そのポンプ室の最大容積が定められる。膜がポンプ室壁122に押圧された場合には、ポンプ室の容積が最小になる。
【0044】
例示的実施形態において、ポンプ室壁122及び作動室壁120の双方が半球形状を有し、これにより、ポンプ室は、その容積が最大になったときに回転楕円体となる。容積が最大になった際に回転楕円体、具体的には球状になるポンプ室を使用することにより、ポンプ室の全体において循環流が発生する。このような形状により、ポンプ室において流れの停滞領域の発生を抑制することができる。以下更に説明するように、吸入口102及び排出口104の位置は、ポンプ室における流体の流れにおいて衝撃を発生し、一実施形態において、その流れに停滞領域が発生する可能性を低下させる傾向がある。従って、他の形状と比較して、球状(一般に、回転楕円体)は、液体がポンプ室に流入する際、同ポンプ室を通過する際、及び同ポンプ室から流出する際に、剪断及び乱流の発生を低減させる傾向がある。
【0045】
図3〜4には、ポンプ室内における隆起流体経路30が示されている。この隆起流体経路30により、膜がストロークの終点に達した後に、流体がポッドポンプを継続して流れることができる。従って、この隆起流体経路30は、ポッドポンプにおいて膜に起因して空気又は流体が捕捉される可能性、又はポッドポンプの吸入口或いは排出口が膜によって遮断され、連続的な流れが抑制される可能性を最小限に抑制する。隆起流体経路について、図9A〜9B及び図18A〜18Eを参照して更に説明する。例示的実施形態において特定の寸法を有する隆起流体経路30が示されているが、別の実施形態においては、図18A〜18Eに示されるように、隆起流体経路30がより狭く、更に別の実施形態において、所望の流量又は流体の態様を得るために、隆起流体経路30を任意の寸法に設定することができる。従って、ここで表示、説明される隆起流体経路、ポッドポンプ及び弁の寸法又は他の特性は、例示的実施形態及び別の実施形態にすぎない。他の実施形態は、容易に想到することができる。
【0046】
1.3 バランスポッドの例示的実施形態
図1Bには、バランスポッドの例示的実施形態が示されている。このバランスポッドは、図1Aを参照して上記したポッドポンプとほぼ同様に構成されている。しかしながら、バランスポッドは、作動室及びポンプ室の代わりに、二つの流体バランス室を含み、作動ポートを有していない。更に、各バランス室は、吸入口102と排出口104とを備えている。この例示的実施形態において、各バランス室壁120,122には、溝126がそれぞれ形成されている。溝126については、後でより詳細に説明する。
【0047】
膜112は、二つの室の間にシールを施す。これらのバランス室は、二つの室が等しい容積流量を維持するように、流体の流入と流出とのバランスを保つ。吸入口102と排出口104とは、同じ側にあるように示されているが、別の実施形態においては、各室の吸入口102と排出口104とは、異なる側にある。また、吸入口102と排出口104とは、バランス室が結合された部分における流体経路に応じて両側にあってもよい。
【0048】
バランス室の一実施形態において、膜112は、以下に図6A〜図6Gを参照して説明する形態を含んでいる。しかしながら、別の実施形態においては、膜112は、二重輪が適用できないように、被覆され、又は他の態様に構成されてもよい。
【0049】
1.4 定量ポンプ及び流体制御システム
この定量ポンプは、任意の流体を供給又は排出可能な任意のポンプであってもよい。この流体は、医薬品、無機化合物又は無機成分、有機化合物又は有機成分、栄養補給食品、栄養成分、栄養化合物又は栄養溶液、或いはポンプによって汲み出し可能な他の任意の流体を含み、これらに限らない。一実施形態において、定量ポンプは膜ポンプである。例示的実施形態において、定量ポンプは、容積がより小さいポッドポンプである。この例示的実施形態において、比較的に大きいポッドポンプ(例えば図1Aに示されるように)と同様に、吸入口と排出口とを備えている。しかしながら、ポッドポンプと比較して、それらの吸入口及び排出口は、一般的に遥かに小さいものである。例示的な一実施形態において、各吸入口及び排出口の周りには、火山形状の弁のような隆起リングが形成されている。定量ポンプは、膜を備えている。図5E〜5Hには、定量ポンプの膜の様々な実施形態が示されている。一実施形態では、定量ポンプは、所定量の流体を流路の外部に汲み出す。流体がポッドポンプ内にあると、カセットの外部に位置する基準室は、FMSにより排出された容量を測定する。
【0050】
従って、この実施形態により、排出された流体がその後に流体排出口、バランス室或いはポッドポンプに流れることはない。従って、一実施形態において、定量ポンプは、流路から所定量の流体を排出するために使用される。別の実施形態において、定量ポンプは、所定量の流体を排出することにより他の効果を実現するために使用される。
【0051】
FMSは、例えば本明細書において参照のために援用される、米国特許第4,808,161号明細書、米国特許第4,826,482号明細書、米国特許第4,976,162号明細書、米国特許第5,088,515号明細書、米国特許第5,350,357号明細書に記載の技術を用いて、特定の流体制御システムにおける測定、例えば膜のストロークの間にポンプ室を通じて汲み出される主流体の量の測定、又はポンプ室における空気の測定を実行するように使用されてもよい。
【0052】
多数の実施形態において、定量ポンプは、第2の流体を流路に汲み出すように使用されることもある。一実施形態において、定量ポンプは、治療品又は化合物を流路に汲み出す。一実施形態では、溶液を作るために、定量ポンプを用いて所定量の化合物を混合室に汲み出す。これらの実施形態のうちの一部では、定量ポンプは、FMSによる容積測定のために設けられている。他の実施形態では、定量ポンプはこのために設けられたものではない。
【0053】
FMSによる測定のために、カセットの外部、例えば空気マニホールド(図示略)には、固定された小さな基準空気室が設けられている。弁により、その基準室と第2圧力センサとが隔離されている。基準室に空気を充填してその圧力を測定し、そしてポンプ室への弁を開弁することにより、定量ポンプのストローク容積を正確に計算することができる。基準室がポンプ室に接続された際に、基準室の一定の容積及び圧力の増加に基づいて、その室側にある空気の量を算出することができる。
【0054】
1.5 弁
カセットの例示的実施形態では、一つ以上の弁を備えている。弁は、流路を連通又は遮断することにより、流れを調整するように使用されている。カセットの多数の実施形態に含まれる弁は、一つ以上の火山形状の弁又は滑らかな形状の弁を含んでいる。カセットの所定の実施形態において、チェック弁を含んでもよい。図2A及び2Bには、火山形状の弁の実施形態が示され、図2Cには、円滑型弁の実施形態が示されている。更に、図3A〜4Bは、吸入口及び排出口を有するカセットにおけるポッドポンプの例示的実施形態を示している。
【0055】
一般的には、上記したこの種の往復容積型ポンプは、多数の弁を用いて、或いはこれらの弁と併用されて、ポンプを流れる流体を制御することができる。従って、例えば往復容積型ポンプ又はバランスポッドは、流入弁及び流出弁のうち少なくとも何れか一方を用いて、或いはこれらの弁と併用することが可能である。それらの弁は、パッシブ弁又はアクティブ弁である。往復容積型ポンプの例示的実施形態において、膜は、作動室を圧力作動システムに接続する空気圧ポートを通じて供給される気体の、負圧及び正圧、或いは正圧及び大気への通気により、前後に移動しようとする。得られる膜の往復動により、吸入口から流体をポンプ室に吸入し(流出弁は、流体が排出口からポンプ室に吸い戻されることを抑制する)、そして排出口を通じてその流体をポンプ室の外部に汲み出す(流入弁は、流体が流体吸入口から押し戻されることを抑制する)。
【0056】
例示的実施形態において、アクティブ弁は、ポンプ及びカセットを流れる液体を制御している。このアクティブ弁を、制御装置により、流れを所望の方向に導くように駆動することが可能である。このような構成により、制御装置は、流体が両方向においてポッドポンプを流れるように流れを制御することができる。典型的なシステムにおいて、通常は、流れの方向は、第1方向、例えば吸入口から排出口への方向である。特定の場合には、流れの方向は、その逆方向、例えば排出口から吸入口への方向であってもよい。このような流れの反転は、例えばポンプに呼び水を差す際に、異常なライン状態(例えば、ラインの閉鎖、妨害物、未接続、又は漏れ)をチェックするために、又は異常なライン状態を解消する(例えば、妨害物を取り除く)ために実行されることが可能である。
【0057】
弁の気圧作動により、圧力制御及びシステムにおいて発生し得る最大圧力に対する自動制限が提供される。システムという背景において、気圧作動は、全てのソレノイド制御弁を流体経路から離間したシステムの片側に容易に配置することができる、という別の利点を有する。
【0058】
図2A及び2Bは、火山形状の弁の二つの実施形態の断面図である。これらの火山形状の弁は、カセットの実施形態に使用可能な気圧制御弁である。膜202は、中板204とともに弁室206を区画している。空気圧は、正の気体圧力又は負の気体圧力による何れかの力として空気圧ポート208を通じて提供される。正の気圧は、弁を閉塞、即ち、吸引するように弁座210に膜202を向かわせるものである。負の気圧は、いくつかの実施形態において、通気口を大気に連通させて弁を開くために膜を弁座210から離間させるものである。制御ガス室212は、膜202、天板214、及び中板204によって区画されている。中板204には、凹みが形成されており、膜202は、制御ガス室212を膜202の一方側に形成するとともに、弁室206を他方側に形成するようにその凹みに配置されている。
【0059】
空気圧ポート208は、天板214に形成された溝により定められている。カセットにおいていくつかの弁の気圧制御を提供することにより、全ての弁は、一つの気圧源により同時に開弁又は閉弁されるように、連動されることが可能である。中板204に形成されて流体経路と一致する溝は、底板216とともに、弁吸入口218及び弁排出口220を区画している。中板204を貫通するように同板に形成された貫通孔は、吸入口218と弁室206とを連通するとともに、弁室206と排出口220とを連通している。
【0060】
膜202は、厚化したリム222によって構成され、このリム222は、中板204における溝224に緊密に係合されている。従って、天板214が中板204に連結される前に、膜202は、溝224に配置されて保持されることが可能である。従って、この弁の設計は、製造における利点を開示することができる。図2B〜2Cに示されるように、天板214は、膜202が所定の方向において溝224から過度に離間すること、及び膜の厚化したリム222が溝224から抜けることを抑制するために、制御ガス室212内にまで延びる補助部材を備えてもよい。図2A及び2Bには、二つの実施形態における気圧ポート208の制御ガス室212に対する位置が示されている。
【0061】
図2Cに示される実施形態では、弁室において弁座機構が省略されている。正しくは、図2Cにおいて、この実施形態における弁は、火山形状の構造を備えていないため、弁室206、即ち流体側は、隆起部を有しておらず、円滑である。この実施形態は、剪断に敏感な流体を汲み出すカセットに適用されている。図2Dは、弁室が弁膜のシールに有利な隆起領域を有する実施形態を示している。図2E〜2Gには、弁膜の異なる実施形態が示されている。ある例示的実施形態を表示、説明したが、別の実施形態において、弁及び弁膜の変形例が利用されることが可能である。
【0062】
1.6 ポッド膜の例示的実施形態
図4に示されるように、一実施形態において、膜は、変化する断面の厚さを有する。より薄い、より厚い、又は変化する膜は、選択された膜の材料の強度、屈曲特性又は他の特性に適用するために使用されることが可能である。より薄い、より厚い、又は厚さが変化する膜壁は、膜の制御のために採用されることもある。これにより、膜が所定の領域において、他の領域と比較してより湾曲しやすいことを促進し、ポンプの駆動及びポンプ室における主流体の流れの制御に有利である。この実施形態において、膜の断面が最も厚い部分は、膜の中心部にある。しかしながら、変化する断面を有する他の実施形態においては、最も厚い部分及び最も薄い部分は、膜の任意部分に位置してもよい。従って、例えば、比較的に薄い断面は中心の近くに位置し、比較的に厚い断面は膜の周囲の近くに位置してもよい。また、他の構造も可能である。図5A〜5Dには、異なる態様の表面を有する膜の実施形態が示されている。これらの表面は、膜の作動側及び汲み出し側のうち少なくとも一方の異なる部分に位置する、異なる厚さ及び形状のうち少なくとも一方の円滑面(図5A)、リング(図5D)、リブ(図5C)、くぼみ又はドット(図5B)を含んでいる。膜の一実施形態において、膜は、少なくとも一つの断面において正接の勾配を有するが、他の実施形態において、膜は完全に円滑、或いは実質的に円滑である。
【0063】
図4C,4E及び4Fには、膜の代替実施形態が示されている。この実施形態においては、膜は、くぼみ又はドット付きの表面を有している。
主流体に対して所望の耐久性及び適合性を有する任意の可撓性材料によって膜を形成することが可能である。作動室に供給される流体、液体又は気圧又は真空に応じて湾曲することのできる任意の材料によって膜を形成することができる。膜の動作を促進するために、膜の材料は、生物適合性、温度適合性、又は膜によってそれらの室に汲み出し或いは導入される様々な流体との適合性により選択されてもよい。その例示的実施形態では、膜は高伸張シリコンによって形成されている。しかしながら、他の実施形態においては、膜は、シリコン、ウレタン、ニトリル、EPDM(これらに限定されない)を含む任意のエラストマー、ゴム、又は他のゴム、エラストマー或いは可撓性材料によって形成されている。
【0064】
その膜の形状は、多数の変数に基づいて定められる。これらの変数は、室の形状、室のサイズ、主流体の特性、ストローク毎に汲み出される主流体の体積、及び膜がハウジングに取り付けられる方法又はモードを含むが、これらに限らない。膜のサイズは、多数の変数に基づいて定められる。これらの変数は、室の形状、室のサイズ、主流体の特性、ストローク毎に汲み出される主流体の体積、及び膜がハウジングに取り付けられる方法又はモードを含むが、これらに限らない。従って、様々な実施形態において、膜の形状及びサイズをこれらの変数又は他の変数に基づいて変更することができる。
【0065】
膜は任意の厚さを有することができる。しかしながら、一実施形態において、その厚さの範囲は、0.002〜0.125インチ(0.051ミリメートル〜3.175ミリメートル)である。その所望の厚さは、膜に使用される材料により異なる。一実施形態において、高伸張シリコンは0.015インチ〜0.050インチ(0.381ミリメートル〜1.270ミリメートル)の厚さで使用されている。しかしながら、他の実施形態においては、この厚さを変更してもよい。
【0066】
例示的実施形態では、膜は、膜の領域の少なくとも一部において実質的にドーム状の部分を含むように、予成形されている。図4E及び4Fには、ドーム状の膜の一実施形態が示されている。また、このドームの寸法を上述した変数の一部又はそれ以上に基づいて変更することができる。しかしながら、他の実施形態においては、膜は予成形のドーム状を含まなくてもよい。
【0067】
例示的実施形態において、膜のドームは、液状射出成形により成形されている。しかしながら、他の実施形態においては、そのドームは、圧縮成形により成形されてもよい。代替の実施形態において、膜は実質的に平面状である。他の実施形態においては、そのドームのサイズ、幅、又は重量を変更してもよい。
【0068】
様々な実施形態において、膜は様々な手段及び方法により適切な位置に保持されることが可能である。一実施形態において、膜はカセットの複数の部分の間にクランプで固定され、これらの形態の一部において、カセットのリムは、膜をつかむ構造を備えてもよい。他の実施形態において、膜は少なくとも一つのボルト又は他の装置によりカセットに固定されている。別の実施形態において、膜は一枚の樹脂部材により外側被覆されており、その樹脂部材は、溶接又は他の方法によりカセットに付着している。別の実施形態において、膜は、図1A及び1Bを参照して説明した中板と底板との間に挟まれている。膜をカセットに取り付けるいくつかの実施形態を説明したが、膜をカセットに取り付ける任意の方法又は手段を採用することができる。一つの代替実施形態において、膜はカセットの一部に直接取り付けられている。一実施形態において、膜においてそれらの板によって挟まれている周縁部の厚さは、膜の他の部分の厚さよりも厚い。一実施形態において、この比較的に厚い部分はガスケットであり、一実施形態では、Oリング、リング或いは他の形状のガスケットである。図6A〜6Dには、二つのガスケット62,64を有する膜の一実施形態が示されている。一実施形態では、ガスケット62,64は膜とカセットとの付着ポイントを備えている。別の実施形態において、膜は三つ以上のガスケットを有している。一実施形態において、一つのガスケットを有する膜が含まれている。
【0069】
ガスケットの一実施形態において、ガスケットは膜に接触している。しかしながら、他の実施形態においては、ガスケットは膜と分離した部分である。一実施形態において、ガスケットは膜と同じ材料によって形成されている。しかしながら、他の実施形態においては、ガスケットは膜とは異なる材料によって形成されている。一実施形態において、ガスケットは、膜の周囲にあるリングを外側被覆することにより形成されている。ガスケットは、ポッドポンプハウジングの実施形態を補完するために要求される任意形状のリング又はシールであってもよい。一実施形態において、そのガスケットは、圧縮式のガスケットである。
【0070】
1.7 混合ポッド
カセットの一実施形態は、混合ポッドを備えている。混合ポッドは、混合のための室を有している。一実施形態において、混合ポッドが可撓性構造であり、一実施形態において、混合ポッドの少なくとも一部が可撓性構造である。混合ポッドは、Oリング等のシール、又は膜を備えることができる。この混合ポッドは、所望の任意形状を有することができる。例示的実施形態において、混合ポッドは、膜及び作動ポートを有しないことを除いて、ポッドポンプと同様である。この混合ポッドの一実施形態では、混合ポッド室をシールするためのOリングシールを備えている。従って、例示的実施形態においては、混合ポッドは、流体吸入口及び流体排出口を備える球状の中空のポッドである。ポッドポンプと同様に、室は所望の任意サイズを有することができる。
【0071】
2.圧力ポンプ作動システム
図7は、負圧及び正圧の双方によりポッドポンプ(例えば図1Aに示されるポッドポンプ)を駆動可能な圧力ポンプ作動システムの一実施形態を示す図である。この圧力作動システムは、正圧及び負圧を間欠的に又は交互に、ポッドポンプの作動室における気体に印加することができる。しかしながら、一実施形態(図7はこれらの実施形態を示さない)において、ポッドポンプは、正圧及び大気への通気を印加している。このポッドポンプ(可撓性膜、吸入口、排出口、空気圧ポート、ポンプ室、作動室を含み、或いは流入チェック弁及び流出チェック弁、又は他の弁を含む)は、大きな使い捨てのシステムの一部である。その空気作動システム(作動室圧力変換器、正圧供給弁、負圧供給弁、正圧ガス容器、負圧ガス容器、正圧容器の圧力変換器、負圧容器の圧力変換器、及び電子制御装置(一実施形態では、ユーザインターフェースコンソール、例えばタッチパネル画面を含む)を備える)は、基本単位の一部であってもよい。
【0072】
正圧リザーバは作動室に対して制御ガスの正圧を印加することで、膜をポンプ室が最小容量になる位置(膜がポンプ室の硬質な壁面に当接する位置)へと付勢する。負圧リザーバは作動室に対して制御ガスの負圧を印加することで、膜を反対方向に、つまり、ポンプ室が最大容量になる位置(膜が作動室の硬質の壁面に当接する位置)へと付勢する。
【0073】
弁機構は、それぞれのリザーバと作動室との流体連通状態を制御するのに用いられる。図7に示すように、独立した弁がそれぞれのリザーバに用いられる。正圧供給弁は正圧リザーバと作動室との間の流体連通を制御し、負圧供給弁は負圧リザーバと作動室との間の流体連通を制御する。これら二つの弁は制御装置によって制御される。二つの独立した弁に代えて単一の三方弁を用いてもよい。弁としてはバイナリー開閉弁や可変絞り弁が使用可能である。
【0074】
制御装置は三個の圧力変換器、つまり作動室圧力変換器、正圧リザーバ圧力変換器、及び負圧リザーバ圧力変換器から圧力情報を入力する。名称から明らかなように、これらの変換器は、作動室の圧力、正圧リザーバの圧力、そして負圧リザーバの圧力を計測する。作動室変換器はベースユニット内に位置するとともに、ポッドポンプ空気圧ポートを通じて作動室と流体連通している。制御装置は二つのリザーバの圧力を監視し、圧力(正圧又は負圧)が両リザーバに適切に加えられるようにする。例示的実施形態において、正圧リザーバは約750mmHGに保たれ、負圧リザーバは−450mmHGに保たれる。図7に示すように、単数又は複数の圧縮機型のポンプ(図示せず)により、両リザーバ内に所望の圧力が維持される。例えば、二つの独立した圧縮機がそれぞれ二つのリザーバに対応するように設けられる。リザーバ内の圧力は単純なバングバング制御を用いて制御されてもよい。この場合、正圧リザーバに対応する圧縮機は、リザーバ内の圧力が所定の閾値を下回ると起動され、負圧リザーバに対応する圧縮機はリザーバ内の圧力が所定の閾値を越えると起動される。ヒステリシスの量は両リザーバについて同一であっても、異なっていてもよい。ヒステリシスバンドを縮小すればリザーバ内圧力の厳格な制御が可能になるが、これは通常、圧縮機の周期周波数の上昇を伴う。リザーバ圧力の非常に厳格な制御が必要な場合や、特定の使用において非常に厳格な制御が望ましい場合は、バングバング制御の代わりにPID制御を採用して、圧縮機に対してPWM信号を用いることも可能である。
【0075】
正圧リザーバにより印加される圧力は、正常な状態において、膜をポンプ室の固い壁面に密着させるくらいの強さがあることが望ましい。同様に、負圧リザーバにより印加される負圧(すなわち真空)は、正常な状態において、膜を動作室の壁面に密着させるくらいの強さがあることが望ましい。しかしながら、より好ましい実施形態においては、リザーバによって供給される正圧及び負圧は十分安全な範囲のものとなる。つまり、正圧供給弁又は負圧供給弁が全開状態であっても、膜に作用する正圧又は負圧が、ポッドポンプを損傷させたり危険な流体圧力(すなわちポンプにより血液や流体の供給を受けている患者に害が及ぶような圧力)を発生させるほど強いものにならないようにする。
【0076】
当然のことながら、図7に示すような二つのリザーバを用いた空気圧式作動システムの代わりに、他の作動システムを用いて膜を前後に動かしてもよい。しかしながら、一般的には二つのリザーバを用いた空気式作動システムの使用が好ましい。特に、弾性を有する膜を使用する場合は、単一の供給弁と単一のリザーバ圧センサとともに、単一の正圧リザーバ又は単一の負圧リザーバを用いた空気圧作動システムを採用してもよい。このような空気圧作動システムは正のガス圧又は負のガス圧をポッドポンプの作動室に断続的に印加する。単一の正圧リザーバを用いた実施形態においては、作動室に断続的に正圧を印加してポンプを動作させることで、膜をポンプ室の壁面に向けて動かし、ポンプ室の内容物を排出する。また、これによりガス圧力を放出し、膜が弛緩位置に戻ることで流体をポンプ室に引き入れる。単一の負圧リザーバを用いた実施形態においては、作動室に断続的に負圧を印加してポンプを動作させることで、膜を作動室の壁面に向けて動かして、流体をポンプ室に引き入れる。また、これによりガス圧力を放出し、膜が弛緩位置に戻ることで流体をポンプ室から排出する。
【0077】
3.流体の操作
図2A〜図2Dに示すように、例示的実施形態の流体弁は可撓性膜を備えた小さな室を備え、膜は室を中央付近で流体側と空気圧側に二分している。この例示的実施形態の流体弁は三つの吸入/排出ポートを有し、そのうちの二つは室の流体側に、残りは空気圧側に設けられている。室の空気圧側に設けられたポートは室に対し正圧又は真空を印加可能である(いくつかの実施形態では、真空ではなく大気を導入する)。室の空気圧部分に真空が印加されると、膜は気体側に引き込まれ、流体経路を開放する。これにより、流体が室の空気圧側に流入あるいは流体側から流出することが可能になる。室の空気圧部分に正圧が印加されると、膜は室の流体側に向かって押圧され、流体経路を塞ぎ、流体の流れを止める。流体ポートの一つに設けられた火山形状の弁の実施形態(図2A,2Bに示す)において、このポートは閉弁の際にまず密閉し、弁の中に残っている流体は火山形状の部分を使わずにポートから排出される。加えて、図2Dに記載の実施形態の弁では、二つのポートの間に設けられた隆起部分が、作動ストロークの早い段階で(すなわち膜がポートを直接的に密封するより前に)二つのポートを互いに対して密閉することを可能にする。
【0078】
再び図7を参照して説明すると、圧力弁は流路中の異なる場所に位置するポンプを作動させるために用いられる。この構成では、圧力制御が必要なポンプ室のそれぞれに設けられた圧力センサと二つの可変オリフィス弁とを使用した圧力制御を可能にしている。実施形態の一つにおいて、一つの弁が高圧力供給源に接続され、もう一つの弁が低圧シンクに接続されている。高速制御ループが圧力センサを監視し弁の位置を制御することで、ポンプ室に必要な圧力が保たれる。
【0079】
圧力センサは、室の空気圧部分の圧力を監視するために用いられる。室の空気圧側に対して正圧と真空を交互に作用させることで、膜が室の容量全体にわたって交互に移動される。それぞれのサイクルにおいて、空気圧が真空としてポッドに作用したときに、流体が吸入流体ポートの上流側弁を通って引き込まれる。続いて、空気圧が正圧としてポッドに作用したときに、流体は排出ポートと下流側弁とを通じて排出される。
【0080】
多くの実施形態において、圧力ポンプは二つの室からなる。二つの室が180度の位相差で動作しているとき、流れは基本的に継続する。
4.容量の計測
カセット内の流速はストローク端を検知可能な圧力ポッドポンプにより制御される。外部制御ループにより、必要な流れを発生させるための正確な圧力値が決定される。圧力ポンプは、各ストロークの完了を検出するためのストローク端アルゴリズムを実行可能である。膜が動いている間、室内の計測圧力は所望の正弦波圧力となる。膜が室の壁面に接触すると、正弦波に沿った変化をやめ、圧力は一定になる。圧力信号のこの変化がストロークの終わり、つまり、ストローク端を検出するのに使われる。
【0081】
圧力ポンプの容量は既知である。従って、ストローク端は、室内に既知の容量の流体があることを示す。よって、ストローク端を使えば、容量と等しい割合で流体の流れを制御することができる。
【0082】
上に詳細に記載したように、定量ポンプで汲み出された流体の容量を測定するためFMSを使用してもよい。いくつかの実施形態では、FMS容量計測システムを使用せずに定量ポンプで流体を汲み出してもよい。しかし、例示的実施形態では、汲み出された流体の正確な容量を算出するために、FMS容量計測システムが使用される。
5.混合カセットの例示的な実施形態
用語の流入口及び排出口、及び第1流体、第2流体、第3流体、並びに弁経路(すなわち、“第1の弁経路”)に与えられた指定数字は、単に説明するために使用されたものである。他の実施形態において、流入口は、排出口となり得るとともに、第1、第2、第3という指定は、それらの流体が互いに異なる流体であること、或いは、特に体系的に分類されていることを意味するものではない。そのような指定は、ただカセット内への区分された入口領域を単純に示すものであって、第1、第2、第3、その他の流体は、互いに異なる流体であってもよく、又は同一の流体タイプであってもよく、或いは、その組み合わせであるか、少なくとも2つが同一のものであってもよい。第1、第2、第3、その他の指定と同様に、それらの弁経路は、何ら特別な意味を有するものではなく、明確な説明のために使用されたものである。
【0083】
流体流入口(流体排出口となることもある)に与えられた指定、例えば、第1の流体排出口、第2の流体排出口は、単に流体がそのような流入口/排出口を介してカセットの内外に移動することができることを示すだけである。いくつかの場合、配線図上における1つ以上の流入口/排出口が、同一の名称にて指定されている。これは、単に、そのように指定されたすべての流入口/排出口が、同一の定量ポンプ又はポッドポンプの組(他の実施形態において、単一のポッドポンプであってもよい)によって汲み出されることを説明するだけのものである。
【0084】
図8を参照すると、カセット800の流体配線図の例示的な実施形態が示されている。その他の配線図も、容易に識別することができる。カセット800は、少なくとも1つのポッドポンプ828、820、及び少なくとも1つの混合室818を含む。カセット800は、さらに第1の流体流入口810を含み、第1の流体流入口にて、第1流体は、カセット内に流入される。第1流体は、カセット800内の少なくとも1つのポッドポンプ820、828のうちのいずれかによって提供される流量を含む。カセット800は、また、第1の流体排出口824を含み、第1の流体排出口にて、流体は、少なくとも1つのポッドポンプ820、828のうちのいずれかによって提供される流量でカセット800から抜け出る。カセット800は、第1の流体排出口と流体連通された少なくとも1つの定量流路812、814、816を含む。カセットは、さらに少なくとも1つの第2の流体流入口826を含み、第2の流体流入口にて、第2流体は、カセット800に流入される。カセット800のいくつかの実施形態において、第3の流体流入口825がさらに含まれている。
【0085】
定量ポンプ822、830は、第2流体及び第3流体を第1の流体排出口ライン内に汲み出す。第2の流体流入口826及び第3の流体流入口825でカセット800にそれぞれ連結された第2流体、及び、いくつかの実施形態における第3流体が、定量ポンプ822、830に、そして定量流路812、814、816を通じて第1の流体排出口ラインに、それぞれ流体連通されている。以下でより詳細に説明される定量ポンプ822、830は、例示的な実施形態において、量測定性能を含み、それにより、定量ポンプ822、830によって汲み出される流体の量を容易に識別することができる。
【0086】
混合室818は、第1の流体排出口ライン824に連結され、且つ流体流入口と、流体排出口とを含む。いくつかの実施形態において、複数のセンサが、混合室818の上流及び下流に配置される。例示的な実施形態におけるそれらのセンサの位置は、図14C及び14D、並びに図15B及びl5Cに示されており、それについて以下で説明する。
【0087】
カセット800は、少なくとも2つの成分からなる溶液を内部で混合することができる。また、カセット800は、混合室内に流体を汲み出す前に、流体に粉末を提供することができる性能を含む。この性能については、以下でより詳細に説明する。
各種の弁832−860は、カセット800に様々な性能を与える。カセット800の部品は、様々なバルビング制御に基づき、異なる実施形態において、互いに異なる方式で使用することができる。
【0088】
図8に示されたカセット800の流体配線図は、様々なカセット装置として具体化することが可能である。それにより、図8に示された流体配線図を含むカセット800の実施形態は、それに統合することのできるカセットの実施形態、又はこの流体配線図のそれ以外の代替的な実施形態にのみ限定されるものではない。また、弁のタイプ、弁の連結構成、ポンプ及び室の数は、この流体配線図の様々なカセットの実施形態に応じて変わることがあり得る。
【0089】
図8を参照すると、流体流動−経路配線図800が、異なるバルビング流動経路に基づいて表示された流体経路とともに示されている。ここで、流体流動−経路配線図800は、カセットの一実施形態におけるバルビング流動経路に対応するものとして説明されている。図8のそれぞれの流体流動−経路配線図800に対応するように表示された弁とともに、カセットの中板900の例示的な実施形態が、図10に示されている。説明のために、バルビングに基づいてそれらの流体流動経路について説明する。“弁経路”という用語は、いくつかの実施形態において、特別な弁の制御に基づいて利用することのできる流体経路を示す。図10の、対応する流体側部(fluid side)構造物が、図12Aに示されている。
【0090】
図8及び図10を参照すると、第1の弁経路は、弁858、860を含む。この弁経路858、860は、第2の流体流入口826に連結された定量流路812を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第2の流体流入口826が存在する。実質的に、この2つの第2の流体流入口826は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第2の流体流入口826に連結されるようになる。それぞれの第2の流体流入口826は、異なる定量流路812、814に連結されている。
【0091】
第2の流体流入口826に連結された2つの定量流路のうちの第1の定量流路は、以下の通りである。弁858は開かれて、弁860は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路812内に引き出される。弁860は開かれて、弁858は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、第2流体は、定量流路812上でポッドポンプ820に続けて進行する。
【0092】
弁842を含む第2の弁経路を参照すると、弁842は開かれて、、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、ポッドポンプ820から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために、この弁経路が設けられている。
【0093】
弁832及び836を含む第3の弁経路を参照すると、この弁経路832、835は、第3の流体流入口825に連結された定量流路816を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第3の流体流入口825が存在する。実質的に、この2つの第3の流体流入口825は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第3の流体流入口825に連結されるようになる。それぞれの第3の流体流入口826は、異なる定量流路862、868に連結されている。
【0094】
弁832は開かれて、弁836は閉じられて、定量ポンプ830が作動する場合、流体は、第3の流体流入口825から定量流路830内に引き出される。弁836は開かれて、弁832は閉じられて、定量ポンプ830が作動する場合、第3流体は、定量流路816上で第1の流体排出口ライン824に続けて進行する。
【0095】
第4の弁経路、すなわち弁846を参照すると、弁846は開かれて、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、ポッドポンプ820から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0096】
第5の弁経路を参照すると、弁850は開かれて、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、第1の流体流入口810を介してカセット800内に、さらにポッドポンプ820内に汲み出される。
【0097】
第6の弁経路を参照すると、弁838は開かれて、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、ポッドポンプ820から混合室818に、さらに第1の流体排出口824に汲み出される。
【0098】
第7の弁経路は、弁858、856を含む。この弁経路858、856は、第2の流体流入口826に連結された定量流路812を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第2の流体流入口826が存在する。実質的に、この2つの第2の流体流入口826は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第2の流体流入口826に連結されるようになる。それぞれの第2の流体流入口826は、異なる定量流路812、814に連結されている。
【0099】
弁858は開かれて、弁856は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路812内に引き出される。弁856は開かれて、弁858は閉じられて、定量ポンプが作動する場合、第2流体は、定量流路814上でポッドポンプ828に続けて進行する。
第8の弁経路、すなわち弁848を参照すると、弁848は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、流体/液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0100】
弁844を含む第9の弁経路を参照すると、弁844は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0101】
第10の弁経路、すなわち弁848を参照すると、弁848は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、流体/液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0102】
弁854及び856を含む第11の弁経路が示されている。この弁経路854、856は、第2の流体流入口826に連結された定量流路814を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第2の流体流入口826が形成されている。実質的に、この2つの第2の流体流入口826は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第2の流体流入口826に連結されるようになる。それぞれの第2の流体流入口826は、異なる定量流路812、814に連結されている。
【0103】
第2の流体流入口826に連結された2つの定量流路のうちの第2の定量流路が、図8に示されている。第12の弁経路は、以下のとおりである。弁854は開かれて、弁856は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路814内に引き出される。弁856は開かれて、弁854は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、第2流体は、定量流路814上でポッドポンプ828に続けて進行する。
【0104】
同じように、第13の弁経路が示されており、弁854は開かれて、弁860は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路814内に引き出される。弁860は開かれて、弁854は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、第2流体は、定量流路814上でポッドポンプ820内に続けて進行する。
【0105】
弁852を含む第14の弁経路を参照すると、弁852は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、第1の流体流入口810を介してカセット800内に、さらにポッドポンプ828内に汲み出される。
【0106】
第15の弁経路を参照すると、弁840は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から混合室818に、さらに第1の流体排出口824に汲み出される。
【0107】
第16の弁経路は、弁834を含み、弁834が開かれて、弁836が開かれて、そして定量ポンプ830が作動する場合、第3の流体流入口825からの流体は、定量流路862上で、さらに定量流路816へ流れる。
【0108】
図8に示された例示的な流体流動−経路の実施形態において、また図10に示されたカセットの対応する構造において、それらの弁は、個別的に開かれる。例示的な実施形態において、弁は、空圧式で開ける。また、例示的な実施形態において、本願明細書でより詳細に説明されているように、流体弁は、ボルカーノ弁である。
【0109】
図11A−11Bを参照すると、カセットの例示的な実施形態の天板1100が示されている。例示的な実施形態において、天板1100上の混合室818及びポッドポンプ820、828は、同様の方式で形成されている。例示的な実施形態において、ポッドポンプ820、828及び混合室818は、低板と組み立てられたとき、総計38mlの体積容量を含む。しかしながら、他の実施形態において、混合室は、好ましい別の大きさの量を含むこともできる。
【0110】
図11Bを参照すると、天板1100の底面図が示されている。流体経路がこの図に示されている。これらの流体経路は、中板1200内の、図12A−12Bに示された流体経路に対応する。天板1100と中板1200の上端部とは、混合室818の一側部のための、また、ポッドポンプ820、828のための、カセットの液体或いは流体側部を形成する。それにより、液体流動経路の大部分が、天板1100及び中板1200の上に位置する。図12Bを参照すると、第1の流体流入口及び第1の流体排出口824が示されている。
【0111】
図11A及び11Bを参照すると、ポッドポンプ820、828は、溝1002(他の実施形態において、これは溝である)を含む。溝1002は、特定の大きさ及び形状を有するものと示されているが、他の実施形態において、溝1002は、好ましい別のいずれの大きさ及び形状を有していてもよい。図11A及び11Bに示された大きさ及び形状は、例示的な実施形態である。溝1002のすべての実施形態において、溝1002は、ポッドポンプ820、828の流体排出口側部と流体流入口側部との間の経路を形成する。他の実施形態において、溝は、ポッドポンプの内側ポンプ室の壁内の溝である。
【0112】
溝1002は、流体経路を提供しており、それにより、膜が行程の終端部にある場合であっても、流入口と排出口との間には依然として流体経路が存在し、流体又は空気のポケットがポッドポンプ内に捕捉されない。溝1002は、ポッドポンプ820、828の液体/流体及び空気/作動側部の双方共に含まれている。いくつかの実施形態において、溝は、さらに、ポッドポンプ820、828の作動/空気側部及び混合室818の反対側部に関して、混合室818内に含まれていてもよい(図13A−13Bを参照)。他の実施形態において、溝は、ポッドポンプ820、828の一側部にのみ含まれていてもよく、又は含まれていなくてもよい。
【0113】
カセットの他の実施形態において、ポッドポンプ820、828の液体/流体側部は、特徴部(図示省略)を含んでいてもよく、それによって、流入口及び排出口流動経路が連続的となり、さらにポンプ室の外周の周りにモールディングされた剛体の外側リング(図示省略)が、また連続的になることができる。このフィーチャーは、膜(図示省略)と一緒に形成した封止を保持することができるようにする。図11Eを参照すると、天板1100の例示的な実施形態の側面図が示されている。
【0114】
図12A−12Bを参照すると、中板1200の例示的な実施形態が示されている。中板1200はまた、図9A−9F及び10A−10Fに示されており、これらの図は、図12A−12Bに対応する。それにより、図9A−9F及び10A−10Fは、各種の弁及び弁経路の位置を示している。それぞれのポッドポンプ820、828に対する膜の位置及び混合室818の位置が示されている。
【0115】
図12Aを参照すると、カセットの例示的な実施形態において、汲み出される液体の様々な特性を区別するために、カセット内にセンサ要素が組み込まれている。一実施形態において、3個のセンサ要素が含まれている。また一方で、例示的な実施形態において、6個のセンサ要素(3個ずつ2つの組)が含まれることもある。これらのセンサ要素は、センサセル1314、1316内に位置する。この実施形態において、センサセル1314、1316は、センサ(たち)要素のためのカセット上の領域として含まれている。例示的な実施形態において、2個のセンサセル1314、1316からなる3個のセンサ要素が、それぞれのセンサ要素ハウジング1308、1310、1312及び1318、1320、1322内に格納されている。例示的な実施形態において、センサ要素ハウジングのうち2つのハウジング1308、1312及び1318、1320は、伝導度センサ要素を収容し、また、第3のセンサ要素ハウジング1310、1322は、温度センサ要素を収容する。伝導度センサ要素及び温度センサ要素は、当業界で使用されるどのような伝導性又は温度センサ要素であってもよい。一実施形態において、伝導度センサは、グラファイトポストである。他の実施形態において、伝導度センサ要素は、ステンレス鋼、チタン、白金、又は耐食性を持つようにコーティングされ、さらに電気伝導性を含むその他の金属から作製されたポストである。伝導度センサ要素は、導線を含むようになり、そのような導線は、プローブ情報を制御部又は他のデバイスに伝送する。一実施形態において、温度センサは、ステンレス鋼プローブ内に収容されたサーミスタである。一方、別の実施形態において、2007年10月12日付で出願され、共に係属中の「Sensor Apparatus Systems、Devices and Methods」というタイトルの米国特許出願(DEKA−024XX)に開示されたものと同様に、温度及び伝導度センサ要素の組み合わせが使用されることがある。
【0116】
さらに別の実施形態において、カセット内にセンサがなくてもよく、又は温度センサのみか、少なくとも1つの伝導度センサのみ、或いは少なくとも1つの別のタイプのセンサが存在していてもよい。
【0117】
図12Cを参照すると、中板1300の例示的な実施形態の側面図が示されている。
図13A−13Bを参照すると、低板1300が示されている。先ず、図13Aを参照すると、低板1300の内側又は内部表面が示されている。内側又は内部表面は、中板(図示省略、図9Bを参照)の底面と接触する側部である。低板1300は、空気又は作動ライン(図示省略)に取り付けられている。中板1200内の弁(図示省略、図10A−10Fを参照)及びポッドポンプ820、828を作動させる空気のための対応の入口ホールが示されている。ホール810、824は、図12Bにそれぞれ示された第1の流体流入口及び第1の流体排出口810、824に対応する。混合室818及びポッドポンプ820、828の対応する半分部も同じく示されており、流体経路のための溝1002等も示されている。また、ポンプ内の作動ホールも示されている。天板とは異なって、混合室818及びポッドポンプ820、828の半分部に対応する低板1300は、混合室818とポッドポンプ820、828の間の差異を明確にする。ポッドポンプ820、828は、低板1300の上の空気/作動経路を含むが、それに対して、混合室818は、天板内の半分部と同様の構成を含む。混合室818は、液体を混合し、それによって、膜(図示省略)を含まず、また空気/作動経路も含んでいない。センサセル1314、1316が、センサ要素ハウジング1308、1310、1312及び1318、1320、1322と共に示されている。
【0118】
図13Bを参照すると、作動ポート1306は、外側又は外部の低板1300の上に示されている。作動源が、これらの作動ポート1306に連結されている。さらに、混合室818は、空気によって作動しないため、作動ポートを有していない。図13Cを参照すると、低板1300の例示的な実施形態の側面図が示されている。
5.1 膜
例示的な実施形態において、膜は、図5Aに示されているようにガスケットO−リング膜である。さらに、いくつかの実施形態において、ガスケットO−リング膜は、テクスチャーを含むことができるが、それに制限されるものではなく、図4D又は図5B−5Dの様々な実施形態が使用されることも可能である。また他の実施形態において、図6A−6Gに示されている膜が使用されることも可能である。
【0119】
図14A及び14Bを参照すると、組み立てられたカセット1400の例示的な実施形態が示されている。図14C及び14Dは、カセット1400の例示的な実施形態の分解組立図である。膜1600が示されている。図14C及び14Dに示されているように、それぞれのポッドポンプごとに1つの膜1602がある。例示的な実施形態において、ポッドポンプに関する膜は、互いに同一である。他の実施形態において、いずれの膜をも使用することができ、さらに、1つのポッドポンプが膜のある1つの実施形態を使用する一方、第2のポッドポンプが、膜の異なる実施形態を使用することができる(或いは、それぞれのポッドポンプが同一の膜を使用することも可能である)。
【0120】
好適な実施形態において、定量ポンプ1604で使用される膜の様々な実施形態が、より詳細に図5E−5Hに示されている。弁1222で使用される膜の様々な実施形態が、より詳細に図2E−2Gに示されている。また一方、他の実施形態において、弁膜だけではなく、定量ポンプ膜も、例えばテクスチャーを含むことができるが、それに限定されるものではなく、テクスチャーは、図5A−5Dに示されたポッドポンプ膜の上に示されている。
【0121】
センサセル1322を構成する伝導度センサ要素1314、1316及び温度センサ要素1310の一実施形態が、図14C及び14Dに示されている。図14C及び14Dを参照すると、センサ要素は、低板1300及び中板1200の上の領域を含むセンサブロック(図12B及び13Aにおいて、1314及び1316と示されている)内に格納されている。O−リングは、天板1100の内側部及び中板1200の上側部上に位置した流路から、センサハウジングを封止する。さらに、他の実施形態において、O−リングは、センサブロック内にモールディングされていてもよく、又は他のいずれかの封止方法が使用されていてもよい。
5.2 断面図
図15A−15Cを参照すると、組み立てられたカセットの様々な断面が示されている。先ず、図15Aを参照すると、膜1602は、ポッドポンプ820、828内に示されている。断面図から確認されるように、膜1602のO−リングは、中板1200と低板1300とによって挟持されている。弁膜1606も、また確認することができる。上記したように、それぞれの弁は膜を含む。
【0122】
図15Bを参照すると、2個の伝導性センサ1308、1312及び温度センサ1310が示されている。断面図から確認されるように、それらのセンサ1308、1310、1312は、流路824内に位置する。それによって、センサ1308、1310、1312は、流路と流体連通されて、さらに流体排出口1824から抜け出る流体のセンサデータを決定することができる。図15Bを参照すると、弁836の断面が示されている。この図面に示されているように、例示的な実施形態において、図2Bに関して図示して上記した実施形態と同様に、弁は、火山形状弁である。しかし、上記したように、他の実施形態において、別の弁が使用されることもできるが、それに制限されるものではなく、例えば、図2A、2C及び2Dに関して図示されて説明された弁などが含まれる。
【0123】
図15Cを参照すると、2個の伝導度センサ要素1318、1320及び温度センサ要素1322が示されている。断面図から確認されるように、センサ要素1318、1320、1322は、流路824内に位置する。それによって、それらのセンサ要素1318、1320、1322は、流路と流体連通されて、さらに、混合室(この図には示されていない)へ流入される流体のセンサデータを決定するために使用することができる。したがって、例示的な実施形態において、センサ要素1318、1320、1322を使用して、混合室内に汲み出される流体に関するデータを収集することが可能となる。図12Bに戻って参照すると、センサ要素1308、1310、1312を使用して、混合室から流体排出口に汲み出される流体に関するデータを収集することが可能となる。しかし、他の実施形態において、センサが使用されないこともあり、又は、単に1つの組、或いは単に1つのタイプのセンサ要素(すなわち、温度又は伝導度センサ要素)のみが使用されることがある。どのようなタイプのセンサも使用することが可能であり、また、温度、伝導度センサ要素、或いは温度/伝導度センサ要素の組み合わせからなるいずれの実施形態をも使用することができる。
【0124】
上記したように、例示的な実施形態は、図8に示された例示的な流体流動−経路配線図を含むカセットの一実施形態である。しかし、例示的な実施形態の同一の特徴のうちの多くを含みながら、異なる構造的なデザインを含み、わずかに異なる流動経路を含むカセットの他の実施形態もまた可能である。この他の実施形態のうちの1つが、図16A−20Bに示された実施形態である。
【0125】
図16A−16Cを参照すると、天板1600の別の実施形態が示されている。天板1600の特徴は、例示的な実施形態における対応の特徴に関する別の実施形態である。この別の実施形態は、2個の混合室1622、1624と、3個の定量ポンプとを含む。それによって、この実施形態は、カセットデザインにおける柔軟性を表わす。様々な実施形態において、カセットは、任意の数の流体と組み合わされることが可能であり、また、その流体を独立的に或いは一緒に定量することが可能である。図9は、図16A−20Bに示されたカセットの流体流動−経路配線図を示す。
【0126】
図17A−17Cを参照すると、中板1700の他の実施形態が示されている。図18A−18Cは、低板1800の他の実施形態を示している。
図19Aを参照すると、組み立てられたカセット1900の他の実施形態が示されている。図19C−19Dは、カセット1900の例示的な実施形態の分解組立図であり、ここに、ポッドポンプ膜1910と、弁膜1914と、定量ポンプ膜1912とが示されている。3個の定量ポンプ1616、1618、1620だけではなく、それぞれの膜1912も示されている。この実施形態において、3個の流体を定量することが可能であり、さらに、それぞれの制御された量が、混合室1622、1624内で一緒に混合することが可能である。図20A及び20Bは、組み立てられたカセット1900の断面図を示している。
【0127】
この他の実施形態に示されているように、図8に示された一般的な流体配線図及びポンピングカセットの様々な変形実施形態がある。それによって、付加的な混合室及び定量ポンプがポンピングカセットに追加の性能を与えて、少なくとも2つの流体が一緒に混合されるようにすることができる。
5.3 混合カセットの例示的な実施形態
実際に、カセットは、任意のソースから任意の位置に、任意のタイプの流体を汲み出すために使用することができる。この流体のタイプには、栄養的な、非栄養的な、無機化学物質、有機化学物質、体液又は他のあらゆるいずれかのタイプの流体が含まれる。また、いくつかの実施形態において、流体はガスを含み、したがって、いくつかの実施形態において、カセットは、ガスを汲み出すために使用される。
【0128】
カセットは、所望の位置の内外に流体を汲み出し、方向付ける役割をする。いくつかの実施形態において、外部ポンプが流体をカセット内にポンプ汲み出し、またカセットは、その流体を外部に汲み出す。さらに、いくつかの実施形態において、ポッドポンプは、カセット内に流体を引き込み、且つカセットの外部へ流体を汲み出す役割をする。
【0129】
上記したように、弁の位置によって、流体経路の制御が分け与えられる。それにより、様々な位置の弁又は追加の弁が、このカセットの他の実施形態となる。さらに、上記した図らに示されたそれらの流路及び経路は、単なる流路及び経路の例に過ぎないものである。他の実施形態において、それより多い、少ない、及び/又は異なる流体経路を含むことが可能である。他の実施形態において、弁は、カセット内に存在しない。
【0130】
上記したポッドポンプの数は、実施形態によって変わっていてもよい。例えば、先に示されて説明された例示的な実施形態及び代替的な実施形態は、2個のポッドポンプを含んでいるが、他の実施形態において、カセットは、1つのポッドポンプを含んでいる。また他の実施形態において、カセットは、少なくとも2つのポッドポンプを含んでいてもよい。ポッドポンプは、単一のポンプであってもよく、或いは、より一層連続的な流動を提供するために、直列に協力して作動することもできる。そのいずれか又は双方共が、カセットの様々な実施形態において使用されることができる。
【0131】
特定の流体経路をカセットに提供するためには、様々なポートが設けられる。これらのポートは、常にそのすべてが使用されなければならないものではなく、その代わりに、様々なポートが、実際のカセットの使用時に柔軟性を付与することができる。
【0132】
ポンピングカセットは、数多くの分野で使用することが可能である。一方、1つの例示的な実施形態において、ポンピングカセットは、少なくとも2つの成分/化合物を含む溶液を混合するために使用されている。例示的な実施形態において、3個の成分が混合される。また、他の実施形態において、定量ポンプ、混合室、流入口/排出口、弁及び流路を付加することにより、3つ未満の、又は3つ超過の成分を混合することが可能である。カセットデザインに係るこれらの変形実施形態は、容易に識別することができる。
【0133】
本願明細書において使用されているように、“ソース成分”又は“成分のソース”という用語は、第1の流体流入口からカセット内に汲み出される流体以外の他の成分を表わす。これらのソース成分は、コンテナ内に収容されたり、又はカセットに連結されたソースによって提供される。
【0134】
例示的な実施形態において、ポンピングカセットは、流体流入口ラインに加えて、4個の成分のソースをカセットに連結することのできる能力を含む。例示的な実施形態において、流体流入口は、水ソースに連結されている。さらに、他の実施形態において、流体流入口ラインは、液体/流体溶液のコンテナに、又は流体/液体の別のソースに連結されている。
【0135】
例示的な実施形態において、4個の追加の成分のソースは、4個の同一のソース成分であってもよく、或いは2個が1つのソース成分であって、残りの2個が異なるソース成分であってもよい。2個のそれぞれのソース成分、又は4個のソース成分を使用するとき、ソースを交換することなく、汲み出し及び混合を連続的な方式で行うことができる。しかし、ソースによって、各成分の余分のソースの個数が変わることがある。例えば、ソースは、非常に大きなコンテナに、又はそれより小さなコンテナに連結されることができ、或いは、外見的に“エンドレス”なソースであることもできる。それにより、ソースの大きさ及び汲み出された量によって、ソース成分のコンテナの個数が変わることがある。
【0136】
図8に関連して上記した流体経路のうちの1つは、ポッドポンプが、カセット内と、さらに、ソース成分の供給源又はコンテナのうちの2つとに液体を汲み出す経路を含む。このカセットの利用できる機能により、ソース成分のうちの2つが、少なくとも初期には粉末であることが可能となり、そのような粉末は、流体流入口ラインからの流体/液体で構成することができる。また、成分ソースへの流体の汲み出しを遂行することのできる2個のポッドポンプに対する弁経路が存在する。それにより、一実施形態において、流体流入口内への、また2つのソース成分コンテナへの連続的な汲み出しを行うことができるように、所定の時間の間弁が制御される。図8に示された弁経路に加えて又はその代わりに、この同様の弁経路が、異なる2つのソース成分コンテナに対して、或いは異なる2つのソース成分コンテナのうちの1つに対して設けられることが可能である。他の実施形態において、流体流入口液体は、単に1つのソース成分コンテナに汲み出されている。
【0137】
さらに、いくつかの実施形態において、流体は、流体流入口内に、且つソース成分に汲み出される。そのとき、ソース成分は流体である。流体流入口の流体が、汲み出すより前に、ソース成分のうちのいずれか1つと混合する必要のあるソース成分である場合に、この実施形態を使用することができる。この機能性は、ポンピングカセットの任意の実施形態で統合されるようにデザインすることが可能である。その一方、いくつかの実施形態において、この弁経路は含まれていない。
【0138】
例示的な実施形態において、定量ポンプは、ソース成分が既知の量だけ汲み出されることを可能にする。それにより、汲み出しに注意をすれば、様々な成分の正確な濃度が求められる溶液を混合することができるようになる。単一の定量ポンプが、複数のソース成分を汲み出すことができる。しかしながら、成分が汲み出されるにつれて、当成分の少ない量が定量流路内に存在することがあり、それによって成分を汚染させることができ、したがって、汲み出される第2成分の量に関する、誤った評価を提供するおそれがある。したがって、例示的な実施形態において、少なくとも1つの定量ポンプが各ソース成分に対して設けられ、さらにこのようにして、ソース成分の2個のソースに対して単一の定量ポンプが設けられるが、そのとき、これらの2個のソースは同一のソース成分を含む。
【0139】
例示的な実施形態において、それぞれのソース成分に対して定量ポンプが設けられる。それにより、2個以上のソース成分が存在する実施形態において、ポンピングカセット内のそれぞれの追加のソース成分に対して、追加の定量ポンプが含まれていてもよい。例示的な実施形態において、単一の定量ポンプが2個のソース成分に連結されるが、これは、例示的な実施形態において、これらの2つのソース成分同士が同一であるためである。一方、代替的な実施形態において、1つの定量ポンプは、少なくとも1つのソース成分を汲み出すことができ、また、ソース成分が同一ではない場合であっても、少なくとも1つのソース成分に連結することができる。
【0140】
汲み出される流体の濃度、温度、又はそれ以外の特性を決定するために、センサ又はセンサ要素が流路内に含まれていてもよい。それにより、ソース成分コンテナが粉末を含み、その粉末を溶液内に提供するために水がカセットによってソース成分コンテナに汲み出される実施形態において、センサを使用して、ソース成分が正確な濃度を含むかどうかを確認することが可能となる。また、混合溶液が流体排出口を介してカセットを抜け出るより前に、混合した溶液の特性を決定するため、混合室の下流で流体排出口ライン内にセンサ要素が含まれていてもよい。さらに、良好に混合されていない溶液が流体排出口を介してカセットの外部に汲み出されないように保障するために、下流弁が設けられていてもよい。センサ要素に関する例示的な実施形態は、上記で説明されたことがある。
【0141】
ポンピングカセットの用途に関する1つの例には、血液透析システムの一部として混合カセットが使用される場合がある。透析液を混合してカセットの外部の透析液貯蔵容器に供給するために、混合カセットを使用することが可能である。それにより、このカセットは、それぞれのクエン酸とNaCl/重炭酸塩との2つのコンテナに連結されるようになる。2個の定量ポンプがカセット内に存在していて、一方は、クエン酸に割り当てられ、その他方は、NaCl/重炭酸塩に割り当てられる。したがって、1つの定量ポンプが、2個のソース成分コンテナと一緒に作動する。
【0142】
例示的な実施形態において、NaCl/重炭酸塩は粉末であって、流体ソース成分溶液を生成するためには、水の添加を必要とする。それによって、水が、第1の流体流入口内に、且つNaCl/重炭酸塩のソースコンテナ内に汲み出される。双方のポッドポンプは、NaCl/重炭酸塩のソースコンテナに必要な水を速かに且つ継続的に提供するために、相から汲み出すことができる。
【0143】
透析液を混合するために、定量ポンプによってクエン酸がポッドポンプ内に、次いでに混合室に向かって汲み出される。同様に水がポッドポンプ内に汲み出されて、それにより所望の濃度のクエン酸が調製される。クエン酸の濃度が適切であるかどうかを決定するために、センサ要素が混合室の上流に位置され、また、必要であれば、適切な濃度を達成するために、ポッドポンプが混合室に向かって追加の水を汲み出すことができる。
【0144】
NaCl/重炭酸塩は、第2の定量ポンプによって混合室の上流の流体排出口ライン内に汲み出される。クエン酸及び流体NaCl/重炭酸塩が混合室内に流入される。次いで、2個のソース成分が混合されて、流体排出口の外部に汲み出されるようになる。
【0145】
いくつかの実施形態において、センサ要素は、混合室の下流に位置する。これらのセンサ要素は、最終溶液の濃度が適切となるように保障することができる。また、いくつかの実施形態において、弁は、流体排出口の下流に位置していてもよい。センサデータが、混合が成功的ではなかったこと、或いは望む通りにならなかったことを示す場合、この弁は、透析液がカセットの外部に位置した貯蔵容器内へ流動することを遮断することができる。
【0146】
カセットの他の実施形態において、流路から流体を除去するために、定量ポンプを追加することが可能である。また、追加のポッドポンプが、さらなる汲み出し特性のために含まれていてもよい。この透析液の混合プロセスに係る他の実施形態において、3個の定量ポンプ及び2個の混合室が使用される(図9に示された通りである)。クエン酸、塩、及び重炭酸塩が、この実施形態において、それぞれ独立的に汲み出される。1つの混合室は上述したものと同様であり、別の混合室への流動の前に塩と重炭酸塩とを混合するために、第2の混合室が使用されることがあり、そこでクエン酸とNaCl/重炭酸塩との間の混合が達成される。
【0147】
様々な溶液を混合するためのカセットの様々な実施形態を、容易に識別することができる。流路、バルビング、定量ポンプ、混合室、ポッドポンプ、及び流入口/排出口は、モジュール型要素であってもよく、そのようなモジュール型要素は、所望の混合機能をカセットに与えるために、混合されて、マッチングされることがある。
カセットの多くの実施形態において、流体流動−経路を変化させるために、弁構造は、変更することが可能である。さらに、ポッドポンプ、定量ポンプ、及び混合室の大きさも変更することが可能であり、また、カセットに連結される弁、ポッドポンプ、定量ポンプ、センサ、混合室、及びソース成分コンテナの数も同様に変更することが可能である。たとえ、この実施形態において、弁は火山形状弁であるが、他の実施形態において、そのような弁は、火山形状弁ではなくてもよく、またいくつかの実施形態において、滑らかな表面の弁であってもよい。
6.中間カセットの例示的な実施形態
図38Aを参照すると、ポンピングカセット3800の流体配線図の例示的な実施形態が示されている。他の配線図も容易に識別することができ、配線図の1つの代替的な実施形態が図38Aに示されている。図38Aを参照すると、カセット3800は、少なくとも1つのポッドポンプ3820、3828と、少なくとも1つの通気口3830とを含む。また、カセット3800は、少なくとも1つの流体ポートを含む。この配線図において、複数のポート3804、3810、3824、3826、3830、3832、3846、3848、3850、3852、3854が示されている。さらに、代替的な実施形態において、ポートの数及び/又は位置は、それと異なっていてもよい。複数のポートのオプションは、任意の機能のための、任意のタイプの流体に関する数多くの汲み出し用配線図を提供することができる。
【0148】
カセットは、少なくとも1つのポートを介して、且つカセットの内外に流体を汲み出すために、少なくとも1つのポッドポンプ3820、3828をさらに含む。例示的な実施形態は、2個のポッドポンプ3820、3828を含む。しかし、代替的な実施形態において、少なくとも1つのポッドポンプが、カセットに含まれている。例示的な実施形態において、2個のポッドポンプ3820、3828は、連続的で又は安定した流動を提供することが可能である。通気口3830は、カセットの外部で、カセットに流体連通された流体貯蔵容器に対して、大気への通気を提供する。
【0149】
図38Aに示されたカセット3800の流体配線図は、様々なカセット装置で具体化されることが可能である。それにより、図38Aに示された流体配線図によって表された流体流動経路を含むカセット3800の様々な実施形態は、この流体配線図のこの実施形態又は代替的な実施形態を包含することのできる、唯一のカセットの実施形態ではない。さらに、弁のタイプ、弁の作動手順、及びポンプの個数は、この流体配線図の様々なカセットの実施形態によって変更されることがある。また、本願明細書において示されて説明されたカセットの実施形態、或いは配線図に提示されていないポンピングカセットの実施形態において、追加の特徴部等が提示されることもある。
【0150】
図38Aを参照すると、1つのシナリオで、流体は、ポート3810を介してカセットに流入され、さらに第1のポンプ流体経路3812又は第2のポンプ流体経路3818に汲み出される。一実施形態において、交互に開かれて閉じられるポンプ流入口弁3808、3814、そして任意の与えられた時間の間に開けられる弁3808、3814によって、流体は、それぞれの流動経路3812、3818内に、且つそれぞれのポッドポンプ3820、3828内に流動することができる。次いで、それぞれのポンプ流入口弁3808、3814が閉じられて、対応のポンプ排出口弁3816、3822が開けられる。流体は、第1の流体排出口3824を介してポッドポンプ3820、3828の外部に汲み出される。一方、他の実施形態において、両弁3808、3814は、同時に開かれて、同時に閉じられる。いくつかの実施形態においては、カセット内に弁が存在しないこともある。
【0151】
ベント3830は、貯蔵容器又は他のコンテナ、或いは流体ソースの大気へのベントのための位置を提供する。いくつかの実施形態において、第1流体のソースがベント3830に連結されている。弁3802は、ベント経路を制御する。
【0152】
たとえ、1つのシナリオにおいて、流体はポート3810内に汲み出されるが、他の実施形態において、流体は、ポート3804、3824、3826、830、832、846、848、850、852、854のうちのいずれかのポートを介してカセット内に汲み出され、次いでにポート3804、3810、3824、3826、3830、3832、3846、38438、3850、3852、3854のうちいずれかのポートを介してカセットの外部に汲み出される。さらに、様々な実施形態のポッドポンプ3820、3828が、上述したものと反対の方向に流体を汲み出すことができる。
【0153】
一般的に、カセット3800は、流体を汲み出すための汲み出しパワーを提供するだけではなく、ポート同志の間の、またカセットの周りの、流体流動経路を提供する。
一実施形態において、1つ以上のポート3804、3810、3824、3826、3830、3832、3846、3848、3850、3852、3854が、カセットの外部に汲み出される流体のためのフィルタ又は他の処理領域に取り付けられている。いくつかの実施形態において、ポッドポンプ3820、3828は、フィルタ又は他の処理領域を介して流体を押し出すほどの十分な汲み出し力を提供する。
【0154】
いくつかの実施形態において、ポンピングカセットは、追加の流体経路、及び1つ以上の追加のポッドポンプを含む。さらに、いくつかの実施形態において、カセットは、追加のベント経路を含んでいる。
【0155】
図38Aの一実施形態によって示された、カセット内で具体化することのできる様々な流動経路は、弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、38338、3840、3842、3844、3856によって制御される。様々な順番で弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856を開けて閉じることにより、完全に異なる流体汲み出し経路、及び汲み出しに関するオプションを導き出すことが可能である。図39C、310A、310B及び310Cを参照すると、様々な弁及びポートが、カセットの例示的な実施形態に示されている。
【0156】
ポンピングカセットのいくつかの実施形態において、より多くの弁が含まれていたり、追加の流動経路及び/又はポートが含まれていたりする。他の実施形態においては、それより少ない数の弁、流動経路及び/又はポートが存在する。カセットのいくつかの実施形態において、カセットは、少なくとも1つのエアトラップ、1つ以上のフィルタ、及び/又は1つ以上の逆止め弁を含んでいても良い。
【0157】
図38Aに示された流体流動−経路配線図の実施形態、又はそれに関する代替的な実施形態を、構造物内に具体化することが可能である。例示的な実施形態において、構造物は、作動膜を具備する3個のプレートカセットである。カセットのまた別の実施形態も、以下において説明する。
【0158】
図39A及び39Bを参照すると、カセットの例示的な実施形態の天板3900の外側部が示されている。天板3900は、ポッドポンプ3820、3828の1つの半分部を含む。この半分部は、ソース流体が通過して流動する、流体/液体半分部である。流入口及び排出口ポッドポンプ流体経路が示されている。これらの流体経路は、それぞれのポッドポンプ3820、3828へ延在される。
【0159】
ポッドポンプ3820、3828は、高めの流動経路3908、3910を含む。高めの流動経路3908、3910は、膜(図示省略)が行程の終端部に到逹した後、ポッドポンプ3820、3828を介して流体が継続して流動することを可能とさせる。それによって、高めの流動経路3908、3910は、膜がポッドポンプ3820、3828内で空気又は流体を捕捉することを最小化し、又は、膜がポッドポンプ3820、3828の流入口又は排出口を遮断して、流動の阻害することを最小化する。特定の寸法を含みた、高めの流動経路3908、3910の例示的な実施形態が示されている。代替的な実施形態において、高めの流動経路3908、3910は、それより大きいかそれより狭くてもよく、或いはまた他の実施形態において、流体流動を制御して、所望の流体の挙動又は流量を達成するための目的に応じて、高めの流動経路3908、3910は、どのような寸法を有していてもよい。したがって、高めの流動経路、ポッドポンプ、弁、又は任意の他のアスペクトについて示されて説明した寸法は、単なる例示的で且つ別の実施形態に過ぎず、他の実施形態も、容易に理解することができる。
【0160】
図39C及び39Dは、カセットの例示的な実施形態の天板3900の内側部を示す。図39Eは、天板3900の側面図を示す。
図310A及び310Bを参照すると、中板31000の流体/液体側部が示されている。図39C及び39Dに示された内側天板の上の流体経路に関する相補的な領域が示されている。これらの領域は、例示的な実施形態において、1つの製造モードであるレーザー溶接に対して伝導性を含む表面仕上げを示す、わずかに高くなったトラックである。カセットの他の製造モードに対しては、既に以上で説明した。図310A及び310Bを参照すると、カセットの例示的な実施形態のポートは、図38Aに関して示されて説明した配線図に対応してラベル付けされている。1つのポート、すなわち、ポート3852にはラベルが付けられていない。このポートは、図39Cにもっともよく示されている。
【0161】
図310C及び310Dを参照すると、中板31000の空気側部又は低板(図示省略、図311A−311Eに示されている)と対向する側部が、例示的な実施形態に従って示されている。弁ホール3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856の空気側部は、中板31000(図310A及び310Bに示されている)の流体側部内のホールに対応する。図312C及び312Dに示されているように、膜31220がポッドポンプ3820、3828を完成する一方、膜31222は、弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、38338、3840、3842、3844、3856を完成する。弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856は空気圧的に作動し、膜は、ホールから遠くなる方に離れて、液体/流体が流動可能となる。膜がホールの方に押し付けられることにより、流体の流動が抑制される。流体の流動は、弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856の開閉によって管理される。弁の例示的な実施形態は、図2A及び2Bに関連して示されて説明された、火山形状弁である。弁膜31222の一実施形態が図2Eに示されており、代替的な実施形態が、図2F−2Gに示されている。
【0162】
図311A及び311Bを参照すると、低板31100の内部図が示されている。ポッドポンプ3820、3828、及び弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856、作動/空気室の内部様子が示されている。ポッドポンプ3820、3828、及び弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856は、空気圧エアソースによって作動されている。図311C及び311Dを参照すると、低板31100の外側部が示されている。空気のソースは、カセットのこの側部に取り付けられている。一実施形態において、チューブは、弁及びポンプ1102の上のチューブに連結される。いくつかの実施形態において、弁が構成されて、また、1つ以上の弁が、同様の空気ラインによって作動されている。
【0163】
図312A及び312Bを参照すると、組み立てられたカセット31200が示されている。図312A及び312Bに示した、組み立てられたカセット31200の分解組立図が、図312C及び312Dに示されている。これらの図において、ポッドポンプ膜31220の例示的な実施形態が示されている。そのような例示的な実施形態は、図5A−5Dに示された膜を含む。膜のガスケットは、液体室液体室(天板3900の内)と、空気/作動室(低板31100の内)との間の封止を提供する。いくつかの実施形態において、図5B−5Dに示されたもの等を含み、膜31220のドームの上のテクスチャーは、空気及び液体が行程の終端部で室から抜け出すための追加の空間を提供し、これの以外の他の特徴部をも提供する。カセットの代替的な実施形態において、図6A−6Gに示された膜が使用されていてもよい。図6A−6Gを参照すると、より詳細に上記したように、これらの膜は、ダブルガスケット62、64を含む。このダブルガスケット62、64のフィーチャーは、ポッドポンプの両側部が液体を含む実施形態において、或いは両チャンバの側部を封止することが要求される用途において、好適である。これらの実施形態において、ガスケット又は他の特徴部(図示省略)に対して、相補的なリムが、ガスケット62に対する内側低板31100に付加されて、低板31100内のポッドポンプチャンバを封止することができる。
【0164】
図313を参照すると、カセット内のポッドポンプ3828の断面図が示されている。膜31220の取り付けに関する詳細な事項が、この図によって確認される。また、例示的な実施形態において、膜31220は、中板31000及び低板31100によって挟まれる。中板31000のリムは、天板3900内に位置したポッドポンプ3828チャンバを封止するためのガスケットに関する特徴部を提供する。
【0165】
図313を参照すると、この断面図は、組み立てられたカセット内の弁3834、3836を示している。膜31220は、組み立てられて定位置に保持された状態で示されており、例示的な実施形態において、中板31000と低板31100との間で挟持されている。
【0166】
再び図313を参照すると、この断面図は、また、組み立てられたカセット内の弁3822を示している。膜31222は、中板31000と低板31100との間で挟持されることにより、定位置に保持された状態で示されている。
【0167】
上記したように、上記の例示的な実施形態は、図38Aに示された例示的な流体流動−経路配線図を含む1つのカセットの実施形態を提示する。しかし、例示的な実施形態の数多くの同一の特徴特徴部を含みながら、異なる構造的なデザインを含むカセットの代替的な実施形態もまた可能である。これらの代替的な実施形態のうちの1つが、図314A−321Dに示されている。代替的な配線図が、図38Bに示されている。この配線図は、たとえ図38Aに示された配線図と類似ではあるが、図314A−321Dに示された代替的な実施形態の流体経路を見せることができる。
【0168】
図314A−314Eを参照すると、天板31400の代替的な実施形態が示されている。天板31400の特徴部は、例示的な実施形態における対応の特徴部の別の実施形態である。図314C及び314Dを参照すると、ポッドポンプ3820、3828が、天板31400の内部にカットされる。そして、図314A及び314Bに示されているように、ポッドポンプ3820、3828は、天板31400の外部へはみ出ることはない。
【0169】
この実施形態において、カセットが組み立てられたとき、図319A−319Bに示されているように、図315及び317において符号31500及び31700としてそれぞれ示されたガスケットを用いることで、プレート31400、31600、31800は、お互いから封止される。図319C及び319Dを参照すると、ポッドポンプ膜31220及びバルビング膜31222が示されている。
【0170】
図319C−319Dを参照すると、この代替的な実施形態において、カセット1900は、連結ハードウェア31910と組み立てられている。したがって、カセット31900は、連結ハードウェア31910によって機械的に組み立てられ、一緒に保持される。この実施形態において、連結ハードウェアはネジであるが、他の実施形態において、連結ハードウェア31910は、金属ポストである。代替的な実施形態において、例えば、リベット、ショルダーボルト、及びボルトを含む、いずれの連結ハードウェアを使用することが可能であるが、それに制限されるものではない、さらに別の実施形態において、プレートは、接着剤によって一緒に保持されている。
【0171】
図319C及び319Dを参照すると、逆止め弁31920が示されている。この実施形態において、逆止め弁31920は、ダックビル逆止め弁であるが、他の実施形態において、この逆止め弁は、いずれのタイプの逆止め弁であってもよい。この実施形態において、逆止め弁は、逆止め弁セル31922によって保持される。さらに、いくつかの実施形態において、より多くの逆止め弁が、カセット内で使用される。例えば、この実施形態及び逆止め弁を含む上記の例示的な実施形態におけるいくつかの実施形態において、さらなる逆止め弁ホルダー31926、31928が示されている。これらは、追加の逆止め弁のためのホルダーを提供する。また他の実施形態において、この実施形態に示されているように、空気トラップ31924が含まれていてもよい。図321A−321Dを参照すると、ダックビル逆止め弁の1つの実施形態が示されている。なお、他の実施形態において、いずれの逆止め弁、又はダックビル逆止め弁の代替的な実施形態が使用されていてもよい。
【0172】
図320A及び320Bを参照すると、組み立てられたカセット、及びそのような組み立てられたカセットアセンブリに関するガスケット31500、31700の断面図が示されている。
【0173】
代替的な実施形態において、ガスケット31500、31700はシリコンから製造されるが、他の実施形態において、ガスケット31500、31700は、それ以外の物質で製造することもできる。図320A及び320Bを参照すると、連結ハードウェア31910が示されている。図320Bを参照すると、組み立てられたカセット内のダックビル逆止め弁31920の断面図が示されている。
6.1 中間カセットの例示的な実施形態
実際に、カセットは、任意のタイプの流体を任意のソースから任意の位置に汲み出すために、使用することができる。この流体のタイプには、栄養的な、非栄養的な、無機化学物質、有機化学物質、体液又は他のあらゆるいずれかのタイプの流体が含まれる。また、いくつかの実施形態において、流体はガスを含み、したがって、いくつかの実施形態において、カセットは、ガスを汲み出すために使用される。
【0174】
カセットは、所望の位置の内外に流体を汲み出し、指向させる役割をする。いくつかの実施形態において、外部ポンプが流体をカセット内に汲み出し、またカセットは、その流体を外部に汲み出す。さらに、いくつかの実施形態において、ポッドポンプは、カセット内に流体を引き込み、且つカセットの外部へ流体を汲み出す役割をする。
【0175】
上述したように、弁の位置によって、流体経路の制御が分け与えられる。それにより、様々な位置の弁又は追加の弁が、このカセットの他の実施形態となる。さらに、上記した図らに示されたそれらの流路及び経路は、単なる流路及び経路の例に過ぎないものである。他の実施形態において、それより多い、少ない、及び/又は異なる流体経路を含むことが可能である。他の実施形態において、弁は、カセット内に存在しない。
【0176】
上記したポッドポンプの数は、実施形態によって変わっていてもよい。例えば、先に示されて説明された例示的な実施形態及び代替的な実施形態は、2個のポッドポンプを含んでいるが、他の実施形態において、カセットは、1つのポッドポンプを含んでいる。また他の実施形態において、カセットは、少なくとも2つのポッドポンプを含んでいてもよい。ポッドポンプは、単一のポンプであってもよく、或いは、より一層連続的な流動を提供するために、協調して作動することもできる。そのいずれか又は双方共が、カセットの様々な実施形態において使用されることができる。
【0177】
流入口及び排出口、そして流体経路という用語は、単に説明するために使用されたものである。他の実施形態において、流入口は、排出口となることもできる。指定は、単にカセット内への区分された入口領域を示すためのものである。
【0178】
流体流入口(同様に、流体排出口となることもある)に対して与えられた指定、例えば、第1の流体排出口、第2の流体排出口は、単に流体がそのような流入口/排出口を介してカセットの内外に移動することが可能であるということを示すだけである。いくつかの場合に、配線図上における少なくとも1つの流入口/排出口が、同一の名称にて指定されている。これは、単に、そのように指定されたすべての流入口/排出口が、同一の定量ポンプ又はポッドポンプの組(別の実施形態において、単一のポッドポンプであってもよい)によって汲み出されることを説明するだけのものである。
【0179】
特定の流体経路をカセットに提供するためには、様々なポートが設けられる。これらのポートは、常にそのすべてが使用されなければならないものではなく、その代わりに、様々なポートが、実際のカセットの使用時に柔軟性を付与することができる。
【0180】
図38Aをもう一度参照すると、一実施形態は、貯蔵容器を大気とベンティングするために、ベントポート3830に流体的に取り付けられた流体貯蔵容器を提供する。さらに、いくつかの実施形態において、FMSレファレンスチャンバが貯蔵容器に流体的に取り付けられて、それにより流体が貯蔵容器の内外に付加又は除去されるとき、FMSを用いて量を決定することができる。いくつかの実施形態は、カセット内の追加のベントポートを含み、それにより、カセットのいくつかの実施形態が、少なくとも1つの流体貯蔵容器に取り付けられることも可能となる。
【0181】
一実施形態は、ポート3850からポート3848に延在されて、且つ弁3838、3836によって制御される、流路を含む。一実施形態において、ポート3848は、貯蔵容器に流体的に取り付けられていてもよい。そのような場合に、ポート3810もまた、同一の貯蔵容器に取り付けられることができる。それにより、一実施形態において、ポート3850は、貯蔵容器への流路を提供し、また、ポッドポンプが貯蔵容器からカセット内に流体を汲み出すことができるように、ポート3810は、流路を提供する。いくつかの実施形態において、弁3858は、貯蔵容器から、弁3842によって制御される他の流路への迂回ラインを制御する。
【0182】
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのセンサ及び/又は流路内のエアトラップを含んでいてもよい。センサは、任意の流体又は非流体センサデータを決定することのできる機能を持つ、いずれのセンサであってもよい。一実施形態において、3個のセンサ要素が、単一の流路内に含まれている。いくつかの実施形態において、1つ以上の流路が、3個のセンサ要素を含む。3個のセンサ要素の実施形態において、センサ要素のうちの2個は、伝導度センサ要素であり、第3のセンサ要素は、温度センサ要素である。伝導度センサ要素及び温度センサ要素は、当業界におけるいずれの伝導性又は温度センサ要素であってもよい。一実施形態において、伝導度センサは、グラファイトポストである。他の実施形態において、伝導度センサ要素は、ステンレス鋼、チタン、白金、又は耐食性を持つようにコーティングされ、さらに電気伝導性を含むその他の金属から作製されたポストである。伝導度センサ要素は、導線を含むようになり、そのような導線は、プローブ情報を制御部又は他のデバイスに伝送する。一実施形態において、温度センサは、ステンレス鋼プローブ内に収容されたサーミスタである。なお、別の実施形態において、2007年10月12日付で出願され、共に係属中の「Sensor Apparatus Systems、Devices and Methods」というタイトルの米国特許出願(DEKA−024XX)に開示されたものと同様に、温度及び伝導度センサ要素の組み合わせが使用されている。
【0183】
また代替的な実施形態において、カセット内にセンサがなくてもよく、又は、温度センサのみか、1つ以上の伝導度センサのみ、或いは1つ以上の別のタイプのセンサが存在していてもよい。
7.バランシングカセットの例示的な実施形態
図448Aを参照すると、定量カセット4800及びバランシングポンプの流体配線図の例示的な実施形態が示されている。他の配線図も、容易に識別される。カセット4800は、少なくとも1つのポッドポンプ4828、4820、及び、少なくとも1つのバランシングポッド4822、4812を含む。カセット4800は、また第1の流体流入口4810を含み、そこで第1流体は、カセット内に流入される。第1流体は、カセット4800の外部に提供される流量を含む。カセット4800は、さらに第1の流体排出口4824を含み、第1の流体排出口で、第1流体は少なくとも1つのポッドポンプ4828のうちのいずれかによって提供される流量でカセット4800から抜け出る。カセット4800は、第2流体がカセット4800に流入される第2の流体流入口4826と、第2流体がカセットを抜け出る第2の流体排出口4816とを含む。
【0184】
カセット4800内のバランシングポッド4822、4812は、カセット4800内に且つその外部に汲み出される流体の量、すなわち、第1流体と第2流体の量に関する好ましいバランスを提供する。また一方、バランシングポッド4822、4812は、定量ポンプ4830によって迂回されることもできる。定量ポンプ4830は、第2流体(或いは、他の実施形態において第1流体)の量を流路の外部に汲み出して、バランシングポッド4822、4812を迂回させる。それにより、定量ポンプ4830によって除去された流体の少ない量又は減少された量(すなわち、“新しい”量)がバランシングポッド4822、4812に実質的に流入されるようになり、したがって、第2流体がバランシングポッド4822、4812に到逹する前に、流体経路から所望の量を除去することで(或いは、他の実施形態において、第2流体がバランシングポッド4822、4812に到逹する前に、流体経路から所望の量の第1流体を除去することで)、定量ポンプ4830は、第2流体の“新しい”量を提供する機能を果し、結果であって、そのような汲み出しサイクルにおいて、より少ない第1流体(又は、他の実施形態において第2流体)が汲み出されるようにする。
【0185】
図48Aに示されたカセット4800の流体配線図は、様々なカセット装置で具体化することが可能である。それによって、図48Aに示された流体配線図を含むカセット4800の実施形態は、この流体配線図の実施形態又は代替的な実施形態を含むことのできる、唯一のカセット実施形態ではない。さらに、弁のタイプ、弁の連結構成、ポンプ、及びチャンバの数は、この流体配線図の様々なカセットの実施形態によって変更されていてもよい。
【0186】
図48Aを参照すると、流体流動−経路配線図4800が示されている。ここで流体流動−経路配線図4800は、カセットの一実施形態の流動経路に対応するものとして示されている。図48Aの流体流動−経路配線図に対応する弁とともに、カセットの中板4900の例示的な実施形態が図49Aに示されている。図49Aに示された中板4900のバルビング側部は、図49Bに示された流体側部に対応する。
【0187】
図48A及び図49Aを参照すると、第1流体は、第1の流体流入口4810でカセットに流入される。第1流体は、バランシングポッドA4812へ流動する。バランシングポッドA4812は、上述したようなバランシングポッドである。バランシングポッドA4812は、最初には第2流体を第1量含む。第1流体がバランシングポッドA4812内へ流動するとき、膜は、第2流体をバランシングポッドA4812の外部に押し付ける。第2流体は、ドレン経路4818を介して、第1の流体排出口4816の外部に流動する。
【0188】
同時に、ポッドポンプB4820が、所定の量の第2流体を含む。所定の量の第2流体は、バランシングポッドB4822に汲み出される。バランシングポッドB4822は、所定の量の第1流体を含み、この所定の量の第1流体は、第2流体の量によって変位される。バランシングポッドB4822からの所定の量の第1流体は、第2の流体排出口4824に流動して、またカセットを抜け出る。所定の量の第2流体は、第2の流体流入口4826でカセットに流入され、ポッドポンプA4828に流動する。
【0189】
図48A及び図49Aを参照すると、第2流体は、ポッドポンプA4828からバランシングポッドA4812に汲み出される。第2流体は、バランシングポッドA4812内の第1流体を変位させる。バランシングポッドA4812からの第1流体は、第2の流体排出口4824に流動する。
【0190】
第1流体は、第1の流体流入口4810を介してカセット内に流動し、さらにバランシングポッドB4822に流動する。第1流体は、バランシングポッドB4822内の第2流体を変位させて、それにより、第2流体が第1の流体排出口4816を介してカセットの外部に流動するようにさせる。第2流体は、第2の流体流入口4826を介してカセット内に、且つポッドポンプB4820に流動する。
【0191】
定量ポンプは、何時でも作動することができ、その機能は、バランシングポッドを迂回するように流動経路から流体を除去することである。それにより、除去される任意の量の流体は、第2の流体排出口4824から外部に流動する他の流体の量を低減させるように作用する。定量ポンプは、バランシングポッド4812、4822及びポッドポンプ4820、4828とは独立している。流体は、第2の流体流入口4826を介して流入されて、また、定量ポンプ4830によって引き寄せられる。次いで、定量ポンプは、第2の流体排出口4816を介して、所定の量の流体を汲み出す。
【0192】
たとえ、図48Aに示された流体配線図の実施形態において、第2の流体流入口4826を介してカセットに流入される第2流体についてのみ定量ポンプを説明したが、定量ポンプは、第1の流体流入口4810を介してカセットに流入される第1流体を、容易に迂回させることができる。それによって、より少ない第1流体又はより少ない第2流体を含むという好ましい最終結果によって、カセット内の流路を制御する弁及び定量ポンプは、上記の最終結果を達成するために機能する。
【0193】
図48Aに示された例示的な流体流動−経路配線図において、並びに図49Aに示されたカセットの対応する構造において、それらの弁が同時に作動するように、弁が構成されている。好ましい実施形態において、4つの弁4832、4834、4836、4838の構成が存在する。好ましい実施形態において、構成された弁は、同一の空気ラインによって作動する。一方で、他の実施形態において、それぞれの弁は、自分の空気ラインを含む。例示的な実施形態に示されているとおり、弁を構成することにより、上述した流体−流動が生成される。いくつかの実施形態において、上記のような弁構成は、また、所望する通りに流体経路が形成されるよう、適切な弁が開かれて、また閉じられるように保障する。
【0194】
例示的な実施形態において、本願の明細書でより詳細に説明されているように、流体弁は、火山形状弁である。たとえ、流体流動−経路配線図が特定の流動経路に関連して説明されているが、様々な実施形態において、そのような流動経路は、弁及びポンプの作用に基づいてして変更することが可能である。さらに、流入口及び排出口、並びに第1流体及び第2流体という用語は、単に説明するために使用されたものである。他の実施形態において、流入口は、排出口となることも可能であり、さらに、第1及び第2流体は、互いに異なる流体であってもよく、或いは、同一の流体タイプであるか、組成であってもよい。
【0195】
図410A乃至図410Eを参照すると、カセットの例示的な実施形態の天板41000が示されている。図410A及び図410Bを先ず参照すると、天板41000の平面図が示されている。例示的な実施形態において、天板上のポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822が類似した方式で形成される。例示的な実施形態において、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822が、低板と組み立てられたとき、総38mlの体積容量を有する。しかし、様々な実施形態において、全体体積容量がそれよりも大きくても又はそれよりも小さくてもよい。第1流体流入口4810及び第2流体流入口4816が示されている。
【0196】
図410C及び410Dを参照すると、天板41000の底面図が示されている。流体経路がこれらの図面に示されている。これらの流体経路は、図49Bに示された中板4900内の流体経路に相応する。天板41000及び中板の上段は、バランスポッド4812、4822の一側部に対する、またポッドポンプ4820、4828に対するカセットの液体又は流体側部を形成する。これにより、多くの液体流動経路が上段及び中板上に位置される。バランスポッド4812、4822の流動経路の他の側部は、ここでは図示していないが、図411A及び図411Bに示された、低板の内側部上に位置される。
【0197】
図410C及び410Dを参照すると、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822が、溝41002を含む。溝41002は、特定の形状を含むものと示されているが、他の実施形態において、溝41002の形状は、必要に応じていずれの形状を有してもよい。図410C及び410Dに示した形状は、例示的な実施形態である。溝のすべての実施形態において、そのような溝は、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の流体流入口側部と流体排出口側部との間の経路を形成する。
【0198】
溝41002は、流体経路を提供し、この流体経路によって、膜が行程の終了部にあるとき、流入口と排出口との間に流体経路が依然として存在するようになり、これにより、流体又は空気のポケットが、ポッドポンプ又はバランスポッド内にトラップされないようになる。溝41002は、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の液体及び空気側部のすべてに設けられる(ポッドポンプ4820、4828の空気側部及びバランスポッド4812、4822の反対側部と関連した図411A及び図411B参照)。
【0199】
例示的な実施形態において、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822は、特徴部を含み、この特徴部によって、流入口及び排出口の流動経路が連続的となり、また外側リング41004も連続的となる。この特徴部は、膜(図示せず)と共に形成された封止が保持されるようにする。
図410Eを参照すると、天板41000の例示的な実施形態の側面図が示されている。ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の連続的な外側リング41004を確認し得る。
【0200】
図411A乃至図411Eを参照すると、低板41100が示されている。図411A及び図411Bを参照すると、低板41100の内側表面が示されている。内側表面は、中板(図示せず、図49E参照)の下段表面と接触する側部である。低板41100は、空気ライン(図示せず)に付着される。中板内のポッドポンプ4820、4828及び弁(図示せず、図49E参照)を作動させる空気のための相応する流入孔が図面符号「41106」と示されている。孔41108、41110は、図49Gにおいて、それぞれ図面符号「4824」及び「4826」と示された第2流体流入口及び第2流体排出口に相応する。ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の相応する折半部もまた示されており、流体経路のための溝41112も示されている。天板とは異なり、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の折半部に相応する低板は、ポッドポンプ4820、4828とバランスポッド4812、4822との間の差を明確にする。ポッドポンプ4820、4828は、低板の第2折半部上において空気経路のみを含むのに対して、バランスポッド4812、4822は、天板内の折半部と同一の構成を含む。さらに、バランスポッド4812、4822は、液体をバランシングし、これにより、膜の両側部(図示せず)は、液体流体経路を含むのに対して、ポッドポンプ4820、4828は、液体を汲み出す圧力ポンプであり、これにより、一側部が液体流体経路を含み、低板41100に示された他側部が、空気作動室又は空気流体経路を含む。
【0201】
カセットの例示的な実施形態において、汲み出される流体の様々な特性を区分するために、カセット内にセンサ要素を統合した。一実施形態では、3つのセンサ要素が設けられる。例示的な実施形態において、センサ要素は、センサセル41114内に位置される。この実施形態において、センサセル41114は、センサ要素ハウジング41116、41118、41120内において3つのセンサ要素を収容する。例示的な実施形態において、センサ要素ハウジングの二つのハウジング41116,41118は、伝導性センサ要素を収容し、また、第3センサ要素ハウジング41120は、温度センサ要素を収容する。伝導性センサ要素及び温度センサ要素は、当分野において用いられるいずれの伝導性又は温度センサ要素も、使用可能である。一実施形態において、伝導性センサがグラファイトポストである。他の実施形態において、伝導性センサ要素は、ステンレス鋼、チタン、白金、又は耐食性を含むようにコートされ、依然として電気伝導性を含む他の金属で製造される。伝導性センサ要素は、導線を含み、この導線は、プローブ情報を制御部又は他の装置に伝送する。一実施形態において、温度センサは、ステンレス鋼プローブ内に収容されたサーミスタである。しかし、他の実施形態において、2007年10月12日付で出願されて同時係属中の「Sensor Apparatus Systems, Devices and Methods」と題される米国特許出願(DEKA−024XX)に開示されたものと同様に、温度及び伝導性センサ要素の組合せが用いられ得る。
【0202】
この実施形態において、センサセル41114は、流路への1つの開口部又は流路への1つの連結部である。
代替的な実施形態において、カセット内にセンサがなくてもよく、又は温度センサのみが、1つ以上の伝導性センサのみが、又は1つ以上の他のタイプのセンサが存在してもよい。
【0203】
図411A及び図411Bを参照すると、定量ポンプ4830の作動側部がさらに示されており、また、ポンプを作動させる空気のための相応する空気流入孔41106も示されている。
【0204】
図411C及び図411Dを参照すると、低板41100の外側部が示されている。弁、ポッドポンプ4820、4828、また、定量ポンプ4830、空気ライン連結ポイント41122が示されている。さらに、バランスポッド4812、4822は、空気ライン連結ポイントを有さないが、これは、そのバランスポッドが空気によって作動されないからである。また、第2流体排出口4824及び第2流体流入口4826のための低板41100内の相応する開口部が示されている。
【0205】
図411Eを参照すると、低板41100が示されている。側面図において、低板41100を取り囲むリム41124が示されている。リム41124は、上昇され且つ連続的であり、これにより、膜(図示せず)に対する連結ポイントを提供する。膜が、この連続的且つ上昇されたリム41124上に置かれ、低板41100内のポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の折半部と、天板(図示せず、図410A乃至図410D参照)内のポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の折半部との間の封止を提供する。
7.1 膜
例示的な実施形態において、膜は、図6Aに示すようなダブルOリング膜である。しかし、いくつかの実施形態において、非制限的な例であって、図6B乃至図6Fのいくつかの実施形態を含み、テクスチャーを含むダブルOリング膜が用いられてもよい。
【0206】
図412A及び図412Bを参照すると、カセット41200の組み立てられた例示的な実施形態が示されている。図412C及び図412Dは、カセット41200の例示的な実施形態の分解組立図である。膜41210が示されている。図412C及び図412Dに示すように、それぞれのポッドポンプ及びバランスポッドに対して、1つの膜41220が存在する。例示的な実施形態において、ポッドポンプ及びバランスポッドのための膜が互いに同一である。例示的な実施形態の膜は、図6A及び図6Bに示すようなダブルOリング膜である。しかし、代替的な実施形態において、非制限的な例であって、図6C乃至図6Fに示すいくつかの実施形態を含むダブルOリング膜が用いられてもよい。しかし、他の実施形態において、ダブルOリング膜がバランスポッド内で用いられてもよく、又は、図4A乃至図4Dに示すような単一Oリング膜がポッドポンプ内で用いられてもよい。
【0207】
好適な実施形態において、定量ポンプ41224内で用いられる膜が、図5Gにさらに具体的に示されており、代替的な実施形態が、図5E、図5F、及び図5Hに示されている。弁41222内で用いられる膜が図2Eにさらに具体的に示されており、代替的な実施形態が、図2F及び図2Gに示されている。しかし、代替的な実施形態において、定量ポンプ膜及び弁膜がテクスチャーを有してもよく、非制限的な例であって、図5A乃至図5Dに示したポッドポンプ/バランスポッド膜上のテクスチャーを有してもよい。
【0208】
センサセル41212を構成する伝導性センサ要素41214、41216及び温度センサ41218が、さらに図412C及び図412Dが示されている。図412C及び図412Dを参照すると、センサセルハウジング41414が、低板41100及び中板4900上の領域を含む。Oリングは、図412Dに示した天板41000の内側部及び図412Cに示した中板4900の上部側部上に位置された流路から、センサセルハウジング41414を封止する。しかし、他の実施形態において、Oリングがセンサセル内にモールドされてもよく、又は、他のいずれの封止方法が用いられてもよい。
7.2 断面図
図413A乃至図413Cを参照すると、組み立てられたカセットのいくつかの断面が示されている。図413Aを先ず参照すると、膜41220が、バランスポッド4812及びポッドポンプ4828内に示されている。断面図から分かるように、膜41220のダブルOリングが、中板4900、低板41100、及び天板41000間に挟持される。
【0209】
図413Bを参照すると、二つの伝導性センサ要素41214、41216及び温度センサ要素41218が示されている。断面から分かるように、センサ要素41214、41216、41218が、流路41302内にある。これにより、センサ要素41214、41216、41218が流路と流体連通され、また、第1流体流入口4810に流入される第1流体のセンサデータを決定することができる。図413Cを参照すると、この断面図から定量ポンプ4830及び弁の構造を確認することができる。
【0210】
上記したように、例示的な実施形態は、図48Aに示した例示的な流体流動経路の配線図を含む1つのカセットの実施形態である。しかし、例示的な実施形態の同一の多くの特徴を含みながらも、異なる構造的なデザインを含むカセットの代替的な実施形態も可能である。これらの代替的な実施形態の流体流動経路、例えば、図48Bに示した流体流動経路の配線図がある。この配線図に相応する代替的な実施形態のカセット構造物が、図414A乃至図418に示されている。
【0211】
図414A乃至図414Eを参照すると、天板41400の代替的な実施形態が示されている。天板31400の特徴部は、例示的な実施形態の相応する特徴部の代替的な実施形態である。
【0212】
図414C及び図414Dを参照すると、41500の代替的な実施形態が示されている。図416A乃至図416Eは、低板41600の代替的な実施形態を示す図である。
図417A及び図417Bを参照すると、カセット41700の組み立てられた代替的な実施形態が示されている。図417C及び図417Dは、カセット41700の分解組立図である。図417Eは、カセット41700の断面図である。
【0213】
図418A及び図422Bを参照すると、カセットの他の代替的な実施形態が示されている。この実施形態において、カセットが組み立てられたとき、図421A及び図421Bに示すように、ガスケットを用いて、プレート41800、41900、42000が、互いに対して封止される。図421C及び図421Dを参照すると、ガスケット42110、42112が示されている。この実施形態は、膜(図示せず)をさらに含む。図422Aは、組み立てられたカセットの断面図であり、組み立てられたカセット組立体と関連したガスケット42110、42112が示されている。
7.3 バランスカセットの例示的な実施形態
ポンピングカセットは、多くの分野において用いられ得る。しかし、例示的な実施形態において、ポンピングカセットは、第1流体流入口に入り、第1流体排出口から抜け出す流体と、第2流体流入口からカセット内に流入され、第2流体排出口からカセットを抜け出す流体とのバランスを取れるのに用いられる(又は、その反対も可能である)ポンピングカセットは、所定の量の流体がバランス室に影響を及ぼす前に、この所定の量の流体を除去し、又は、バランス室に影響を及ぼす前に、この所定の量の流体を付加するための定量ポンプを提供する。
【0214】
二つの流体量のバランスを取れることが重要である用途では、このポンピングカセットが用いられ得る。また、ポンピングカセットは、流体経路の外部に流体を迂回又は定量し、又は、流体経路内に所定の量の同一の流体又は異なる流体を付加する余分の機能を与えることができる。配線図に示した流動経路は、双方向的であり、弁の位置を変更することにより、又は弁を制御、付加又は除去することにより、様々な流動経路を生成することができる。また、より多くの定量ポンプ、ポッドポンプ及び/又はバランスポッドが追加されてもよく、また、より多く又は少ない流体経路及び弁が付加されてもよい。追加的に、流入口及び排出口がさらに付加されてもよく、又は、流入口や排出口の個数が減少されてもよい。
【0215】
1つの例であって、ポンピングカセットを、血液透析システムの一部分としての内側透析液カセットとして用いることができる。清浄な透析液が第1流体流入口からカセット内に流入され、さらにセンサ要素を通過し、その透析液が正確な濃度及び/又は温度であるかどうかがチェックされる。この透析液は、バランス室を通過し、さらに第1流体排出口から透析器内に汲み出される。この場合、第2流体が透析器からの既使用の又は不純な透析液となる。この第2流体が第2流体流入口から流入され、また、清浄な透析液とバランスを取れ、これにより、透析器に入る透析液の量が、透析器の外部に出る量と等しくなる。
【0216】
定量ポンプは、追加して使用された透析液の量が、バランス室内で影響を及ぼす前に、この量を除去するために用いられ、これにより、限外ろ過(「UF」)迂回を通じて、仮のバランス室を生成する。迂回される量と同一の量だけの少し清浄でない透析液が透析器に流入する場合、この状況が生じる。
【0217】
この実施形態において、弁の火山形状の特徴部がバランスポッドに連結された流体ポッド上に位置するように、バランスポッドへの流体連通を制御する弁が配向される。この配向は、弁によって変位される流体が、バランスポッドから排出されるとき、その流体の大部分を指向させる。
【0218】
弁の火山形状の特徴部がポンプ室に連結された流体ポート上に位置するように、UFポンプへの流体連通を制御する弁が配向される。例示的な実施形態において、それぞれの内部透析液ポンプチェンバの公称行程量は38mlとなる。それぞれのバランスポッドの公称行程量が38mlとなる。UFポンプの行程量は、1.2ml+/−0.05mlとなる。内側透析液ポンプ低圧空圧式可変弁は、大気圧に通気される。このアーキテクチャ特徴部は、バランス室の内部にある間、溶解されたガスが透析液から抜け出す機会を最小化する。ポッドポンプ、バランスポッド、及び定量ポンプの他の量は、容易に識別され、また、用途に応じて異なることもあり得る。追加的に、上述した実施形態は、大気へのベンティングについて説明しているが、他の用途において、負圧も適用され得る。
【0219】
カセットのいくつかの実施形態において、流体流動経路を変化させるために、弁アーキテクチャが変更されてもよい。追加的に、ポッドポンプ、定量ポンプ、及びバランスポッドの大きさも変更され、弁、ポッドポンプ、定量ポンプ、及びバランスポッドの個数も変更されてもよい。たとえ、この実施形態においては、弁がボルカーノ弁であっても、他の実施形態において、弁がボルカーノ弁でなくても、また、いくつかの実施形態において、滑らかな表面の弁であってもよい。
8.統合型カセットシステムの例示的な実施形態
上記のように、混合カセットは、透析液を混合し、次いで透析液を貯蔵ベッセル又は貯蔵容器に送るために用いられる。外側透析液とも称される中間カセットは、コンテナ、さらに様々な流路及びポートのためのベントを提供し、また、バランスカセットは、一方向に沿ってカセットに流入する流体の量を、他の方向に沿ってカセットに流入する量とバランスを取れるためのシステムを提供する。追加的に、バランスカセットは、定量機能を提供し、ここで、一方向からの流体の量が、バランス室を迂回するように、またバランス量に影響を及ぼさないように汲み出される。いくつかの実施形態において、この3つのカセットが、1つのシステムで組み合わせられる。統合型カセットシステムが形成されるように、流路がカセットに連結される。しかし、数個のホースは、管理し難く、また絡み合うことがあり、ポートへの連結及び分離が様々な方式で妨害され得る。
【0220】
これらのうち1つの実施形態であって、流路を単純に連結することができる。しかし、例示的な実施形態において、3つのカセットの例示的な流体流動経路配線図が、カセット装置で組み合わせられ、これは、システムをさらに小型化し、また、製造と関連した利点を提供することができる。
【0221】
統合型カセットシステムのこの例示的な実施形態において、3つのカセットが効率的且つ独立的なカセットシステムで組み合わせられる。様々な個別的なカセットと関連して、上記説明され図示された流体流動経路配線図が組み合わせられる。これにより、いくつかの場合、流路が二つの異なるカセット内に存在することができるが、空間節約又は効率のために、実質的に、流路は配線図に示すように、多くの同一の経路に沿うことである。
【0222】
統合型カセットシステムの例示的な実施形態についての流体流動経路が図1500Aに示されている。この流体流動経路は、血液回路流体流動経路と共に示されている。これにより、一実施形態において、統合型カセットシステムが血液透析システムと連結されて用いられる。説明の便宜上、統合型カセットシステムを血液透析システムの下位に置いて説明し、言い換えれば、カセットシステムを含む1つのシステムが透析液を混合し、透析液を移送し、透析器をよって、流動の前後に透析液の量のバランスを取れる。統合型カセットシステムは、血液透析システム及び方法と一緒に用いられ、この血液透析システム及び方法の例を挙げると、本願と同日付けで出願された「Hemodialysis Systems and Methods」と題される米国特許出願(代理人整理番号 No. D0570.70019US00)に開示された血液透析システム及び方法に類似したものであり、上記特許の全体が本明細書において参照として援用される。
【0223】
図500A及び図500Bを参照すると、カセットシステムの混合カセットが示されている。図600A及び図600Bを参照すると、カセットシステムの中間カセットの一実施形態が示されている。最後に、図700A及び図700Bを参照すると、カセットシステムのためのバランスカセットが示されている。図800Aを参照すると、組み立てられた統合型カセットシステムが示されている。
【0224】
混合カセット500、中間カセット600、及びバランスカセット700が流路又は導管によって連結される。ポッドがカセット間に位置される。図800B及び図800Cを参照すると、いくつかの図面が統合型カセットシステムの効率を示している。流路又は導管1200、1300、1400が、図1200、図1300、及び図1400にそれぞれ示されている。この流路又は導管を通じて、カセット間で流体が流動する。図1200及び図1300を参照すると、これらの流路又は導管は、さらに大きな逆止め弁流路1300及びさらに小さな逆止め弁流路1200を示す。例示的な実施形態において、逆止め弁は、ダックビル弁であるが、他の実施形態において、いずれの逆止め弁も利用可能である。図1400を参照すると、流路又は導管1400は、逆止め弁を含まない流路又は導管である。この内容の説明のために、「流路」及び「導管」との用語は、1200、1300、及び1400と関連して、交互に用いられたものである。
【0225】
図800B及び図800C、及び図1500Aを参照して、様々なカセットによる流体流動の一実施形態を説明する。説明の便宜上、流体流動が混合カセット500から始まるとする。図800B及び図1500Aを参照すると、混合カセット500の流体側部が示されている。流体側部は、流体流入口又は流体排出口である複数のポート8000、8002、8004、8006、8008、及び8010−8026を有する。いくつかの実施形態において、流体流入口及び排出口は、逆浸透圧水(「RO)水8004、重炭酸塩、酸、及び透析液8006のための少なくとも1つの流体流入口を有してもよい。また、ドレンを含む少なくとも1つの流体排出口は、透析液タンクに対するベントであって、酸8002及び少なくとも1つの空気抜き排出口を有する。一実施形態において、チューブ(図示せず)が排出口に連結され、(汚染を防止するための)ベントとなる。水、重炭酸ナトリウム及び水混合物、透析液混合物(酸及び水が添加された重炭酸ナトリウム)のための追加的な排出口がさらに含まれる。
【0226】
透析液は、混合カセット500の外部に、透析液タンク(図示せず、図1500Aにおいて「1502」と示される)まで流動し、次いで、導管を介して内側透析液カセット700に(外側透析液カセット600、ポッドポンプ602及び604によって汲み出される(ここで、604は図示されず、図800D及び図800Eに示されている))流動する。カセット内の流体経路は変更され得る。これにより、複数の流入口及び排出口の位置は、複数のカセット流体経路と共に変更され得る。
【0227】
図1500Bを参照すると、カセットシステムのいくつかの実施形態において、コンドセル、伝導度及び温度センサが、図800A乃至図800Cに示されたカセットシステムの外部の独立的なカセット1504内に設けられる。この外部センサカセット1504は、本願と同日付けで出願され、全体が参照として取り込まれる「Sensor Apparatus Systems, Devices and Methods」と題される米国特許出願第12/038,474号明細書(代理人整理番号 No. F63)に開示されているものとなり得る。
【0228】
この実施形態のための流体流動経路が、図1500Bに示されている。この実施形態において、透析液のための混合プロセス中に、重炭酸ナトリウム混合物が混合カセット500を離れて外部センサカセットに流動し、次いで、混合カセット500内に再流動する。若し、重炭酸ナトリウム混合物が、予め設定された限界値に到達すると、酸が重炭酸ナトリウムに添加される。次に、重炭酸ナトリウム及び酸が混合室506内で混合され、透析液がカセットの外部に、またセンサカセット内に流動し、さらに混合カセット500に流動する。
【0229】
図800Dを参照すると、混合カセット500が空圧作動側部を含む。ブロック500において、複数の弁及び二つのポンプ室8030、8032が、酸又は重炭酸ナトリウムを汲み出し又は定量するために、カセット500内に設置される。いくつかの実施形態において、追加的な定量ポンプ、又はそれよりも少ない定量ポンプが設けられる。定量ポンプ8030、8032は、いかなる所望の大きさであってもよいが、いくつかの実施形態において、ポンプは異なる大きさを有してもよく、他の実施形態において、ポンプが互いに同一の大きさを有してもよい。例えば、一実施形態において、酸ポンプが重炭酸ナトリウムポンプよりも小さい。これらは、高濃度の酸を用いる場合にさらに効率的且つ効果的であるが、これは、正確性のために、さらに小さいポンプを用いることが好ましいからであり、また、制御において、部分的な行程よりも全体行程を用いるために、さらに小さなポンプを含む制御戦略が好ましいからである。
【0230】
導管1200、1300は、逆止め弁を含む。この導管1200、1300は、一方向流動を許容する。例示的な実施形態において、この導管1200、1300はすべて、ドレンで連結される。図1500Aの流動経路配線図を参照すると、これらの逆止め弁導管の位置が明らかに分かる。図示の実施形態において、ドレンのためのすべての流体は、混合カセット500を通じて流動する。さらに図800Bを参照すると、流体ドレンポート8006が、カセット500の流体側部上に位置される。
【0231】
一旦、透析液が混合され、その透析液がセンサカセット(図1500Bの「1504」)に流動し、また、透析液が設定されたパラメータ/限界値を外れたものと決定されると、透析液がプレイン導管1400を通じて、混合カセット500にさらに汲み出され、次いで、外側透析液カセット600に汲み出され、さらに逆止め弁導管1200を通じて、また混合カセット500を通じて、ドレン流体排出口に汲み出される。
【0232】
図800D及び図800Eを参照すると、数個のポッド502、504、506、602、604、702、704、706、708が示されている。それぞれのポッドハウジングが同一に構成されているが、ポッドがポッドポンプ502、504、602、604、702、704、バランス室ポッド706、708、又は混合室ポッド504であるかどうかに応じて、ポッドハウジングの内部が異なってくる。
【0233】
図1500A及び図1500Bと共に、図800D及び図800Eを参照すると、様々なポッドが、流体流動経路内に、またカセットシステム上に示されている。ポッド502は、ウォータポッドポンプであり、ポッド504は、混合カセット500の重炭酸ナトリウムウォータポッドポンプ(重炭酸ナトリウムに水を送る)である。ポッド506は、混合室である。透析液が混合室506内で混合され、次いで混合カセット500からセンサカセット1504へ流動し、また透析液の品質が収容可能なものと決定されると、その透析液は、混合カセット透析液タンクの排出口から透析液タンク1502に流動する。しかし、若し、透析液が収容不可能なものとみなされると、その流体は、カセット500に再度汲み出され、次いで導管1400を通じて、外側透析液カセット600に汲み出され、次いで、逆止め弁導管1200を通じて、また混合カセット500を通じて、ドレン排出口の外部に汲み出される。
【0234】
図1500A及び図1500Bと共に図800A乃至図800Cを参照すると、外側透析液カセット600が、混合カセット500と内側透析液カセット700との間に示されている。ポッドポンプ602、604は、透析液を透析液タンク1502から汲み出し、内側透析液カセット700内のバランス室706、708に送る(透析液溶液に対する駆動力)。外側透析液カセット600は、透析液を透析液カセット内に押し出す(すなわち、内側透析液カセット700内のポンプは、透析液を引っ張らない)。これにより、外側透析液カセット600から、透析液が透析液タンク1502から、ヒータ1506を通じて、また限外ろ過フィルタ1508を通じて、内側透析液カセット700に汲み出す。
【0235】
図1500A及び図1500Bと共に、図800D及び図800Eを参照すると、内側透析液カセット700が、定量ポッド8038(すなわち、限界ろ過定量ポッド)を含み、また、バランスポッド706、708、及びポッドポンプ702、704を含む。また、内側透析液カセット700は、流体排出口及び流入口を含む。これらの流入口及び排出口は、透析器1510への排出口、透析器1510からの流入口、及び透析液流入口を含む(限外ろ過フィルタ1508は、内側透析液カセットのポットに連結される)。また、流体流入口及び排出口が、プライミング(呼び水)及び殺菌中にDCA及びDCV連結のために設けられてもよい。数個の導管1200、1300、1400が、カセット500、600、700間の流体連通部としての役割をし、また、透析液流体流動のために用いられ、また混合カセット500を通じてドレンをするために、流体が通過しなければならないものとして用いられる。最大の逆止め弁1300(図1300にも示されている)が最大の逆止め弁であり、これは、殺菌中に用いられる。好適な実施形態において、このチューブは、殺菌中に導管を通じて流動する血栓及びその他の汚染物質を収容可能に大きなサイズを含む。
【0236】
例示的な実施形態において、カセットシステムの弁及びポンプは、空圧式で作動する。空圧装置は、個別的なチューブを通じてカセットに取り付けられる。これにより、各ポンプ、バランスポッド、又は弁は、空圧作動マニホールド(図示せず)への個別的なチューブ連結部を含む。図1600A乃至図1600Fを参照すると、例示的な実施形態において、チューブは、少なくとも1つのブロック1600に連結される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのブロックを用いて数個のチューブを連結する。ブロック1600がマニホールド内に結合され、空圧作動機に適切に連結される。これにより、空圧管をマニホールドに容易に連結することができる。
【0237】
図800Dを参照すると、カセットシステムは、一実施形態において、システムを一緒にホールドするためのスプリング8034を含む。このスプリング8034は、キャッチ8036を通じて、混合カセット500及び内側透析液カセット700にフック連結される。しかし、他の実施形態において、システムを適切な配向状態に維持するための他の手段又は装置が用いられ、これに対する非制限的な例を挙げると、ラッチ手段又は弾性手段が含まれる。いま、図900A乃至図900Cを参照すると、ポッドの例示的な実施形態が示されている。ポッドは、二つの流体ポート902、904(流入口及び排出口)を含み、そのポッドは、いくつかの実施形態において様々に構成され得る。いくつかの構成例が2007年4月13日付で出願され、本明細書に全体を参照として含む「Fluid Pumping Systems, Devices and Methods(E78」と題される米国特許出願第11/787,212号明細書に開示されている。
【0238】
いま、図900A、図900D、及び図900Eを参照すると、室内の溝906が示されている。水906は、ポッドハウジングのそれぞれの折半部上に設けられる。他の実施形態において、溝は設けられておらず、いくつかの実施形態において、溝は、ポッドの1つの折半部上にのみ設けられている。
【0239】
図1000A及び図1000Bを参照すると、ポッドポンプ502、504、602、604、702、704で用いられる膜の例示的な実施形態が示されている。この膜は、図5Aと関連して図示し説明した通りである。他の実施形態において、図5B乃至図5Dに示された膜のいずれも利用可能である。例示的な実施形態によるポッドポンプの分解組立図が、図1100に示されている。
【0240】
好適な実施形態において、バランス室ポッド706、708内に用いられた膜が、図6A乃至図6Gと関連して図示され説明されている。混合室ポッド504は、例示的な実施形態において、膜を有していない。しかし、例示的な実施形態において、混合室ポッド504が、混合室を封止するためにOリングを含む。
【0241】
例示的な実施形態において、膜弁膜が図2Eに示されているが、図2F及び図2Gに示された代替的な実施形態も利用可能である。例示的な実施形態において、定量ポンプは、図5E乃至図5Hに示された膜のいずれも利用可能である。
【0242】
本願明細書において本願発明の原理を説明しているが、いわゆる当業者であれば、この説明が単に例に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではないことが理解されるだろう。図示され説明された例示的な実施形態に加えて、本発明の範囲内でも他の実施形態が可能である。いわゆる当業者による改良及び代替もまた、本願発明の範囲内で行われ得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体汲み出しのためのカセットシステム統合型装置に関する。
本願は、2007年10月12日に出願した「目的の装置のためのカセットシステム(Cassette System Integrated Apparatus)」(代理人整理番号 No. DEKA−023XX)と題される米国特許出願第11/871,803号明細書の部分継続出願であり、2007年2月27日付で出願された「血液透析システム及びその方法(Hemodialysis System and Methods)」と題される米国仮明細書特許出願第60/904,024号明細書及び2007年4月2日付で出願された「センサ装置(Sensor Apparatus)」と題される米国仮明細書特許出願第60/921,314号明細書を基礎として優先権を主張し、上記した特許出願はすべて、その全体が本願明細書に参照により援用される。
【発明の概要】
【0002】
カセット統合型システムの一態様によれば、カセット統合型システムが、混合カセット、バランスカセット、混合カセット及びバランスカセットと流体連通された中間カセット、及び少なくとも1つのポッドとを含む。混合カセットは、少なくとも1つの流路によって中間カセットに流体連通され、中間カセットは、少なくとも1つの流路によってバランスカセットに流体連通される。少なくとも1つのポッドがカセットの少なくとも2つのカセットに連結され、ここで、ポッドは、カセット間の領域に位置される。
【0003】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の1つ以上を含む。ハウジングが天板、中板、及び低板を含む。ポッドは、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。いくつかの実施形態において、弁は、膜弁である。カセットに連結される流路の少なくとも1つが、剛性の中空型円筒状構造物である。いくつかの実施形態において、カセットを連結する流路の少なくとも1つが、円筒状構造物内の逆止め弁を含む。システムのいくつかの実施形態において、混合カセットは、混合カセットハウジング内で、少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。システムのいくつかの実施形態において、バランスカセットは、ハウジング内に位置され、流路に流体連通される少なくとも1つの定量ポンプをさらに含む。定量ポンプが所定の量の流体を汲み出すことにより、その流体が、バランス室を迂回するようにし、ここで、定量ポンプは、膜ポンプである。
【0004】
カセット統合型システムの一態様によれば、カセット統合型システムは、混合カセット、バランスカセット、及び中間カセットを含む。混合カセットは、少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む混合カセットハウジングを含む。また、混合カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。圧力ポンプは、流体流入口ラインから少なくとも1つの流体排出口ラインへと少なくとも1つの流体を汲み出す。また、混合カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つが、混合室を含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。中間カセットは、少なくとも1つの流体ポート及び少なくとも1つの通気口を含むハウジングを含み、通気口は、中間カセットハウジングの外部に流体ソースをベントさせる。また、中間カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。ポンプは、流体を汲み出す。バランスカセットは、少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングを含む。また、少なくとも1つのバランスポッドがバランスカセットハウジングに流体連通され、また、流体経路と流体連通される。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動のバランスを維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。バランスポッドは、膜を含み、膜は、二つのバランス室を形成する。また、バランスカセットは、バランスカセットハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインへと流体を汲み出す。混合カセットは、少なくとも1つの流路によって、中間カセットに流体連通され、また、中間カセットは、少なくとも1つの流路によって、バランスポッドに流体連通される。往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドが、カセット間の流域内に位置するように、往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドがハウジングに連結される。
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。往復運動型圧力変位膜ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、いくつかの実施形態において、バランスポッドが、曲線状の硬質な室壁及び硬質な室壁に付着された可撓性膜を含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、二つのバランス室を画定する。混合室は、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。弁のいくつかの実施形態において、弁は、膜弁である。いくつかの実施形態において、膜弁がボルカーノ弁である。
【0005】
いくつかの実施形態において、カセットに連結された流路の少なくとも1つが、剛性の中空型円筒状構造物である。いくつかの実施形態において、カセットに連結された流路の少なくとも1つが、円筒状構造物内の逆止め弁を含む。システムのいくつかの実施形態において、混合カセットが、混合カセットハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。システムのいくつかの実施形態において、バランスカセットは、ハウジング内で、流路に流体連通された少なくとも1つの定量ポンプをさらに含む。定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、流体の所定の量を汲み出し、ここで、定量ポンプが膜ポンプである。
【0006】
カセット統合型システムの一態様によれば、カセット統合型システムが、混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットを含む。混合カセットは、少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む混合カセットハウジングを含む。また、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプがハウジングに流体連通される。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインの少なくとも1つへと少なくとも1つの流体を汲み出す。また、混合カセットは、ハウジングに流体連通された少なくとも1つの混合室を含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。複数の膜弁及び複数の流路がさらに含まれる。弁が流路内の流体の流動を制御する。また、混合カセットは、混合カセットハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプを含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。
【0007】
中間カセットは、少なくとも1つの流体ポート及び少なくとも1つの通気口を含む中間カセットハウジングを含む。通気口通気ポートは、ハウジングの外部に流体ソースを排出する。また、中間カセットハウジング内の複数の流路及び複数の膜弁も含む。弁は、流路内の流体流動を制御する。ハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプがさらに含まれる。ポンプは、流体を汲み出す。
【0008】
バランスカセットは、少なくとも1つの流入口流路及び少なくとも1つの排出口流路を含むバランスカセットハウジングを含む。複数の膜弁及び複数の流体経路がさらに含まれる。弁は、流体経路内の流体の流動を制御する。流体経路と流体連通され、バランスカセットハウジングに流体連通された少なくとも1つのバランスポッドがさらに含まれる。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動の均衡を維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。バランスポッドは、二つのバランス室を形成する膜を含む。また、バランスカセットは、バランスカセットハウジングに流体連通された少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインへと流体を汲み出す。また、流路に流体連通され、ハウジング内に位置する少なくとも1つの定量ポンプが設けられる。定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出す。定量ポンプは、膜ポンプである。
【0009】
混合カセットは、少なくとも1つの流路によって、中間カセットに流体連通される。また、中間カセットは、少なくとも1つの流路によって、バランスポッドに流体連通される。往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドが、カセット間の領域内に位置するように、往復運動型圧力変位膜ポンプ、混合室、及びバランスポッドがハウジングに連結される。
【0010】
カセットのこの態様のいくつかの実施形態において、カセットを連結する流路の少なくとも1つが、硬質の中空型円筒状構造物である。
ポンピングカセットの一態様によれば、カセットは、少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングを含むカセットである。少なくとも1つのバランスポッドがハウジング内に位置され、流体経路と流体連通される。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動の均衡を維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。また、バランスポッドは、二つのバランスカセットを形成する膜を含む。また、カセットには、少なくとも2つの往復運動型圧力変位膜ポンプが設けられる。ポンプは、ハウジング内に配置され、また、ポンプは、流体流入口から流体排出口ラインへと流体を汲み出し、また流体流入口から流体排出口まで第2流体を汲み出す。
【0011】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着した可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、カセットは、ハウジング内の定量ポンプをさらに含む。定量ポンプは、流路に流体連通され、所定の量の流体を汲み出す。また、圧力ポンプ及び定量ポンプは、空圧式で作動されるポンプである。また、定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出し、また、定量ポンプは、膜ポンプである。また、カセットが少なくとも1つの流体弁を含む。また、カセットが1つの空圧弁によって作動される少なくとも2つの流体弁を含む。
【0012】
カセットの他の態様によれば、カセットは、少なくとも1つの流入口流路及び少なくとも1つの排出口流路を含むハウジングを含む。また、カセットは、ハウジング内の、また、流体経路と流体連通される少なくとも1つのバランスポッドを含む。バランスポッドは、第1流体の流動と第2流体の流動の均衡を維持することにより、第1流体の量が第2流体の量と等しくなるようにする。バランスポッドは、膜を含み、膜は、バランスポッド内で二つのチェンバを形成する。また、ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプがカセット内に設けられる。圧力ポンプは、流体流入口ラインから流体排出口ラインへと流体を汲み出す。定量ポンプが、さらにハウジング内に設けられる。定量ポンプは、流路に流体連通される。定量ポンプは、流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出し、定量ポンプは、膜ポンプである。
【0013】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、カセットは、少なくとも1つの流体弁をさらに含み、及び/又は流体弁が1つの空圧弁によって作動される。また、カセットが1つの空圧弁によって作動される少なくとも2つの流体弁を含む。
【0014】
ポンピングカセットの他の態様によれば、ポンピングカセットは、少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングを含む。また、少なくとも2つのバランスポッドがハウジング内に位置され、また、流路と流体連通される。バランスポッドは、純粋透析液の流動と不純透析液の流動の均衡を維持することにより、純粋透析液の量と不純透析液の量が等しくなるようにする。また、少なくとも2つの往復運動型圧力変位ポンプがハウジング内に設けられる。圧力ポンプは、純粋透析液及び不純透析液を汲み出す。UF定量ポンプが、さらにハウジング内に設けられる。UF定量ポンプは、所定の量がバランス室を迂回するように、少なくとも1つの流路から所定の量の不純透析液を汲み出す。
【0015】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着される可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、複数の空圧作動式流体弁が設けられる。
【0016】
ポンプカセットの一態様によれば、ポンプカセットは、ハウジングを含む。ハウジングは、少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位ポンプを含む。圧力ポンプは、少なくとも1つの流体を流体流入口ラインから少なくとも1つの流体排出口ラインへと汲み出す。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの混合室を含む。混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。
【0017】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。また、カセットは、さらに少なくとも1つの弁を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの弁が膜を含む弁ハウジングを含む。膜は、ハウジングを二つのチェンバに分割する。混合室は、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプを含む。定量ポンプは、ハウジング上の混合室、また定量ポンプ流路に流体連通される。定量ポンプ流路は、少なくとも1つの流体流入口ラインの少なくとも1つに流体連通される。定量ポンプのいくつかの実施形態において、流路が第2流体流入口ラインに連結される。
【0018】
ポンプカセットの他の態様によれば、カセットは、少なくとも2つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含むハウジングを含む。また、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプが、ハウジング内に設けられる。圧力ポンプは、流体流入口ラインの少なくとも1つから流体排出口ラインの少なくとも1つへと流体を汲み出す。また、カセットは、ハウジング内の少なくとも1つの混合室を含み、混合室は、流体排出口ラインと流体連通される。また、少なくとも1つの定量膜ポンプが、ハウジング内に設けられる。定量膜ポンプは、ハウジング上の混合室に、また、定量ポンプ流路に流体連通される。定量ポンプ流路は、少なくとも2つの流体流入口ラインの少なくとも1つに流体連通される。
【0019】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着される可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。また、カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。混合室は、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口を有する曲線状の硬質な室壁を含む。カセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。いくつかの実施形態において、弁は、ハウジングを二つの室に分割する膜を含む弁ハウジングを含む。
【0020】
ポンプカセットの他の態様によれば、ハウジングを含む。ハウジングは、少なくとも3つ流体流入口及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含む。また、カセットは、少なくとも2つの往復運動型圧力変位膜ポンプをハウジング内に含み、このポンプは、流体流入口ラインの少なくとも1つから流体排出口ラインの少なくとも1つへと流体を汲み出す。また、カセットは、少なくとも1つの混合室をハウジング内に含み、混合室は、流体排出口ラインに流体連通される。また、カセットは、少なくとも2つの定量膜ポンプをハウジング内に含む。定量ポンプは、それぞれの流体流入口ラインに、また、ハウジング上の混合室に流体連通される。定量ポンプは、流体流入口ラインから混合室に流体連通された流路へと、ある量の流体をそれぞれ汲み出す。
【0021】
カセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。カセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。カセットは、少なくとも1つの弁を含む。いくつかの実施形態において、弁は、ハウジングを二つのチェンバに分割する膜を含む弁ハウジングを含む。
【0022】
ポンピングカセットの一態様によれば、カセットがハウジングを含む。ハウジングは、少なくとも1つの流体ポート及び少なくとも1つの通気口を含む。通気口は、ハウジングの外部に流体ソースをベントする。また、ポンピングカセットは、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプをハウジング内に含む。ポンプは、流体を汲み出す。
【0023】
ポンピングカセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の1つ以上を含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着された可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。ポンピングカセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。ポンピングカセットは、少なくとも1つの弁をさらに含む。また、いくつかの実施形態において、弁は、膜弁である。また、ポンピングカセットは、膜を含む弁ハウジングを含む少なくとも1つの弁を含み、膜は、弁ハウジングを二つの室に分割する。二つのチェンバは、作動室及び流体ポンプ室である。作動室は、少なくとも1つの開口を含み、流体ポンプ室は、少なくとも1つの開口を含む。作動室は、二つの開口を含む。また、いくつかの実施形態において、弁が、ボルカーノ弁である。弁のいくつかの実施形態において、流体ポンプ室は、実質的に滑らかな表面を含む。弁のいくつかの実施形態において、弁は、逆止め弁である。ポンピングカセットの他の態様によれば、ポンピングカセットは、少なくとも1つのソース流体流入口流体経路を有するハウジング、少なくとも1つのソース貯蔵容器通気流体経路及び少なくとも1つのソース流体排出口経路を含む。また、ポンピングカセットは、ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプを含む。ポンプは、ソースタンクからハウジングの外部に、またソース流体流入口流体経路を通じてソース流体を汲み出す。また、ポンピングカセットは、少なくとも1つの弁を含む。弁は、膜を有する弁ハウジングを含み、膜は、弁ハウジングを二つの室、すなわち、流体室と作動室に分割する。
【0024】
ポンピングカセットのこの態様の様々な実施形態は、以下の事項の少なくとも1つを含む。往復運動型圧力変位ポンプは、曲線状の硬質な室壁と、硬質な室壁に付着し可撓性膜とを含む。可撓性膜及び硬質な室壁は、ポンプ室を画定する。ポンピングカセットハウジングが、天板、中板、及び低板を含む。ポンピングカセットは、ソースタンクベント流体経路に流体連通された測定システムを制御する弁を含む。いくつかの実施形態において、この測定システムは、ソースタンクの量を測定する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのソース貯蔵容器通気流体経路が、通気口に流体連通される。通気口は、ソースタンクを大気圧に維持する。また、ポンピングカセットのいくつかの実施形態において、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプが、ソースタンクからハウジングを通じて、またフィルタを通じて、ハウジングの外部に流体を汲み出す。
【0025】
本発明のこの態様は、排他的なものではなく、本発明の他の特徴、態様、及び利点は、特許請求の範囲及び添付図面を参照すれば、当業者にとって容易に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】カセットの実施形態に組み入れられたポッドポンプの一実施形態の断面図である。
【図1B】カセットの実施形態に組み入れられたポッドポンプの例示的な実施形態の断面図である。
【図2A】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の1つのタイプの一実施形態の断面図である。
【図2B】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の1つのタイプの他の実施形態の断面図である。
【図2C】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の1つのタイプの他の実施形態の断面図である。
【図2D】カセットのいくつかの実施形態に組み入れられた空圧制御式弁の他のタイプの一実施形態の断面図である。
【図2E】バルビング膜の実施形態を示す平面図及び底面図である。
【図2F】バルビング膜の実施形態を示す平面図及び底面図である。
【図2G】バルビング膜の一実施形態を示す斜視図、平面図、及び断面図である。
【図3】カセット内のポッドポンプの断面図である。
【図4】可変型膜を有するカセット内のポッドポンプを示す断面図である。
【図4A】ディンプル型/可変型膜を有するカセット内のポッドポンプを示す平面図及び断面図である。
【図4B】ディンプル型/可変型膜を有するカセット内のポッドポンプを示す平面図及び断面図である。
【図4C】可変型膜を有する単一リング膜を示す斜視図である。
【図4D】可変型膜を有する単一リング膜を示す斜視図である。
【図5A】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5B】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5C】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5D】可変型膜の様々な実施形態を示す側面図である。
【図5E】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図5F】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図5G】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図5H】定量ポンプ膜のいくつかの実施形態を示す斜視図である。
【図6A】滑らかな表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6B】滑らかな表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6C】ディンプル表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6D】ディンプル表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6E】可変型表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6F】可変型表面を有するダブルリング膜を示す斜視図である。
【図6G】可変型表面を有するダブルリング膜を示す断面図である。
【図7】ポッドポンプを作動させるのに用いられる圧力作動システムを示す概略図である。
【図8】カセットの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図9】カセットの他の実施形態についての流体流動経路の他の実施形態を示す配線図である。
【図10】図8による弁を含むカセットの中板の作動側部の例示的な実施形態の等角正面図である。
【図11A】カセットの外側天板の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図11B】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図11C】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図12A】カセットの中板の流体側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図12B】カセットの中板の空気側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図12C】カセットの中板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図13A】カセットの低板の内側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図13B】カセットの低板の外側部の例示的な実施形態を示す正面図及び等角図である。
【図13C】カセットの中板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図14A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す平面図である。
【図14B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す底面図である。
【図14C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図14D】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図15A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す断面図である。
【図15B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す断面図である。
【図15C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す断面図である。
【図16A】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図16B】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す底面図である。
【図16C】天板の他の実施形態を示す側面図である。
【図17A】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図17B】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図17C】中板の他の実施形態を示す側面図である。
【図18A】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図18B】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図18C】低板の他の実施形態を示す側面図である。
【図19A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す平面図である。
【図19B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図19C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図20A】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図20B】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図38A】カセットの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図38B】カセットの流体流動経路の他の実施形態を示す配線図である。
【図39A】カセットの例示的な実施形態の外側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39B】カセットの例示的な実施形態の外側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39C】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39D】カセットの内側天板の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図39E】カセットの例示的な実施形態の天板を示す側面図である。
【図310A】カセットの中板の液体側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310B】カセットの中板の液体側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310C】カセットの中板の空気側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310D】カセットの中板の空気側部の例示的な実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図310E】カセットの例示的な実施形態による中板を示す側面図である。
【図311A】カセットの例示的な実施形態による低板の内側部を示す等角図及び正面図である。
【図311B】カセットの例示的な実施形態による低板の内側部を示す等角図及び正面図である。
【図311C】カセットの低板の外側部の例示的な実施形態の等角図及び正面図である。
【図311D】カセットの低板の外側部の例示的な実施形態の等角図及び正面図である。
【図311E】カセットの例示的な実施形態による低板を示す側面図である。
【図312A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す平面図である。
【図312B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す底面図である。
【図312C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図312D】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図313】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図314A】カセットの外側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314B】カセットの外側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314C】カセットの内側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314D】カセットの内側天板の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図314E】カセットの他の実施形態の天板を示す側面図である。
【図315】カセットの他の実施形態による天板ガスケットを示す正面図である。
【図316A】カセットの中板の液体側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316B】カセットの中板の液体側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316C】カセットの中板の空気側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316D】カセットの中板の空気側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図316E】カセットの他の実施形態による中板を示す側面図である。
【図317】カセットの他の実施形態による低板ガスケットを示す正面図である。
【図318A】カセットの低板の内側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318B】カセットの低板の内側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318C】カセットの低板の外側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318D】カセットの低板の外側部の他の実施形態を示す等角図及び正面図である。
【図318E】カセットの他の実施形態による低板を示す側面図である。
【図319A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す平面図である。
【図319B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す底面図である。
【図319C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図319D】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図320A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す断面図である。
【図320B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す断面図である。
【図321A】逆止め弁の1つの実施形態を示す断面図である。
【図321B】逆止め弁の1つの実施形態を示す断面図である。
【図321C】逆止め弁の一実施形態を示す斜視図である。
【図321D】逆止め弁の一実施形態を示す斜視図である。
【図48A】カセットの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図48B】カセットの流体流動経路の他の実施形態を示す配線図である。
【図49A】カセットの例示的な実施形態の中板の例示的な実施形態を示す等角底面図である。
【図49B】カセットの例示的な実施形態の中板を示す等角平面図である。
【図49C】カセットの中板の例示的な実施形態を示す等角底面図である。
【図49D】カセットの中板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図410A】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図410B】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図410C】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図410D】カセットの例示的な実施形態の天板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図410E】カセットの天板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図411A】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図411B】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図411C】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角平面図である。
【図411D】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す等角平面図である。
【図411E】カセットの例示的な実施形態の低板の例示的な実施形態を示す側面図である。
【図412A】カセットの組み立てられた例示的な実施形態の上部を示す等角図である。
【図412B】カセットの組み立てられた例示的な実施形態の底部を示す等角図である。
【図412C】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図412D】カセットの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図413A】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図413B】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図413C】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図414A】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図414B】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図414C】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図414D】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図414E】天板の他の実施形態を示す側面図である。
【図415A】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図415B】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図415C】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図415D】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図415E】中板の他の実施形態を示す側面図である。
【図416A】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図416B】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図416C】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び底面図である。
【図416D】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び底面図である。
【図416E】低板の他の実施形態を示す側面図である。
【図417A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す等角平面図である。
【図417B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す等角底面図である。
【図417C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図417D】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図417E】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図418A】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図418B】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図418C】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図418D】カセットの他の実施形態による天板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図418E】天板の他の実施形態を示す側面図である。
【図419A】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図419B】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図419C】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図419D】カセットの他の実施形態による中板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図419E】中板の他の実施形態を示す側面図である。
【図420A】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図420B】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す等角図及び平面図である。
【図420C】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図420D】カセットの他の実施形態による低板の他の実施形態を示す斜視図及び底面図である。
【図420E】低板の他の実施形態を示す側面図である。
【図421A】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す平面図である。
【図421B】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す底面図である。
【図421C】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図421D】カセットの組み立てられた他の実施形態を示す分解組立図である。
【図422A】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図422B】組み立てられたカセットの例示的な実施形態を示す断面図である。
【図500A】カセットシステムの混合カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図500B】カセットシステムの混合カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図600A】カセットシステムの中間カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図600B】カセットシステムの中間カセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図700A】カセットシステムのバランスカセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図700B】カセットシステムのバランスカセットの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図800A】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す正面図である。
【図800B】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す等角図である。
【図800C】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す等角図である。
【図800D】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図800E】カセットシステムの組み立てられた例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図900A】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す等角図である。
【図900B】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す等角図である。
【図900C】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す側面図である。
【図900D】カセットシステムのポッドの1つの折半部の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図900E】カセットシステムのポッドの1つの折半部の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図1000A】カセットシステムのポッド膜の例示的な実施形態を示す斜視図である。
【図1000B】カセットシステムのポッド膜の例示的な実施形態を示す斜視図である。
【図1100】カセットシステムのポッドの例示的な実施形態を示す分解組立図である。
【図1200】カセットシステム内の逆止め弁の流路の一実施形態を示す分解組立図である。
【図1300】カセットシステム内の逆止め弁の流路の一実施形態を示す分解組立図である。
【図1400】カセットシステム内の流路の例示的な実施形態を示す等角図である。
【図1500A】統合されたカセットシステムの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図1500B】統合されたカセットシステムの流体流動経路の一実施形態を示す配線図である。
【図1600A】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600B】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600C】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600D】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600E】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【図1600F】本願発明のシステムの一実施形態によるマニホールドに空圧管を連結するためのブロックの一実施形態を示す様々な図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面を参照した以下の詳細な説明に基づき、本発明のこの特徴及び利点、また、他の特徴及び利点がさらに容易に理解されるであろう。
1.ポンピングカセット
1.1 カセット
ポンピングカセットは種々の特徴、例えば、ポッドポンプ、流路、そして、いくつかの実施形態では弁を含む。この説明で図示して説明されるカセットの実施形態は、例示的ないくつかの代替の実施形態を含む。しかしながら、カセットの任意の改変が同様の機能を有することを意図している。また、ここで説明されるカセットの実施形態は、図8A及び図8Bに示される流体の概略図の実施例である。他の実施形態では、カセットは、多様の流体経路、多様な弁の配置、及び多様なポッドポンプの配置のうち少なくとも何れか1つ、並びに多様の数を有するものが本発明の範囲内にある。
【0028】
例示的実施形態では、カセットは天板、中板、及び底板を含む。各プレートについて多様の実施形態が存在する。一般に、天板はポンプ室及び流路を含み、中板は補足的な流路、定量ポンプ及び弁を含み、底板は作動室(いくつかの実施形態では、天板及び底板はバランス室の補助的な部分を含む)を含む。
【0029】
一般に、中板と底板との間に膜が配置されるが、バランス室に関して、膜の一部は中板と天板との間に配置される。いくつかの実施形態は、カセットに取り付けられた膜を含む。その取り付けは、オーバーモールド、捕捉、接着、圧着、溶接、又は任意の処理或いは方法で行われる。しかしながら、例示的実施形態では、プレートが組みつけられるまで、膜は天板、中板及び底板から分離している。
【0030】
カセットは多様な材料で形成されてもよい。一般に、各種実施形態では、使用される材料は硬質かつ非可撓性を有するものである。好適な実施形態では、プレートはポリサルフォンから形成されるが、他の実施形態では、カセットは任意の他の硬質な材料から形成され、例示的実施形態では、任意の熱可塑性又は熱硬化性の材料から形成される。
【0031】
例示的実施形態では、膜を正確な位置に配置し、プレートを順に組み付け、そしてプレートを接続することにより、カセットが形成される。一実施形態において、プレートはレーザー溶接技術を用いて接続される。しかしながら、他の実施形態において、プレートは、接着、機械的締結、拘束、超音波溶接、又はプレートを共に取り付ける任意の他の方法で取り付けられてもよい。
【0032】
実際、カセットは、任意の流体源から任意の場所へ流れる任意の種類の流体を汲み出すために使用される。流体の種類は、栄養のあるもの、栄養のないもの、無機化学薬品、有機化学薬品、体液、又は他の任意の流体を含む。加えて、いくつかの実施形態の流体は気体を含むため、いくつかの実施形態では、カセットは気体を汲み出すために使用される。
【0033】
カセットは、所望の場所から来る流体を所望の場所へ汲み出して方向付けるように機能する。いくつかの実施形態において、外側のポンプは流体をカセット内へ汲み出して、カセットポンプは流体を外へ汲み出す。しかしながら、いくつかの実施形態において、ポッドポンプは流体をカセット内へ引き込むとともに、流体をカセットの外へ汲み出す。
【0034】
上記したように、弁の位置に依存して、流体経路の制御が伝達される。従って、異なる位置にある弁又は付加的な弁は、カセットの別の実施形態である。加えて、図示され上記される流路及び経路は、流路及び経路の単なる例である。他の実施形態は、より多い流体経路、又はより少ない流体経路を有してもよいし、それら加えて或いはそれらに代えて異なる流体経路を有してもよい。更に他の実施形態において、弁はカセットに設けられない。
【0035】
また、上記したポッドポンプの数は、実施形態に依存して変更されてもよい。例えば、図示された上記される例示的かつ代替の実施形態は二つのポッドポンプを含むが、他の実施形態では、カセットは一つのポッドポンプを含む。更に別の実施形態において、カセットは三つの以上のポッドポンプを含む。ポッドポンプは単一のポンプであってもよいし、より連続的な流れを提供すべく二つ並んで機能してもよい。何れかのポンプ又は双方のポンプがカセットの各種実施形態で使用されてもよい。
【0036】
各種の流体吸入口及び流体排出口は流体ポートである。実際、弁の配置及び制御に依存して、流体吸入口は流体排出口となる。従って、流体吸入口又は流体排出口として流体ポートを割り当てることは、説明の目的のみのためである。各種実施形態は、交換可能な流体ポートを有する。流体ポートは、カセット上に特定の流体経路を付与するために提供される。これら流体ポートを常時全て使用する必要はなく、代わりに実際には各種の流体ポートの使用により、カセットの使用の柔軟性が提供される。
【0037】
1.2 例示的の圧力ポッドポンプの実施形態
図1は、カセットの例示的実施形態に従って、流体制御又はポンプカセット(図3及び図4も参照)に組み込まれた例示的なポッドポンプ100を示す断面図である。この実施形態において、ポッドポンプは、三つの硬質な部品、即ち、「天」板106、中板108、及び「低」板110から形成される(用語「天」及び「底」は相対的なものであり、図1で示される向きを参照して便宜上ここで使用されていることを留意されたい。)。天板及び底板106,110は、概して半球状の部分を含む。一緒に組みつけられたとき、半球状の部分は、ポッドポンプ100である半球状の室を形成する。
【0038】
膜112は、ポッドポンプ100の中央の空洞を二つの室に分離する。一実施形態において、これら室は、汲み出される流体を受容するポンプ室、及びポンプを空気圧で駆動する制御気体を受容するための作動室である。吸入口102は流体がポンプ室内へ進入することを許容し、排出口104は流体がポンプ室から出て行くことを許容する。吸入口102及び排出口104は、中板108と天板106との間に形成される。空気圧は、正の気圧又は負の気圧による何れかの力として気圧ポート114を通じて提供される。正の気圧は、ポンプ室の容量を最小化、即ち、吸引するようにポッドポンプの空洞の一方の壁に膜112を向かわせるものである。負の気圧は、ポンプ室の容量を最大化するようにポッドポンプ100の空洞の他方の壁に膜112を向かわせるものである。
【0039】
膜112は、中板108内の突出部118によってきつく保持される肉厚のリム116に提供される。従って、製造する際、(例示的実施形態において)底板110が中板108に接続されるまで、膜112は溝108内に配置され、かつ溝108によって保持される。
【0040】
図1A及び図1Bに示されていないが、ポッドポンプのいくつかの実施形態において、流体側には溝が室壁上に存在する。溝は、空になっているときに膜の折曲部が流体を捕捉することを防止するように作用する。
【0041】
図1Aには、カセットにおける往復容積型ポンプ100の断面図が示されている。ポッドポンプ100は、可撓性膜112(「ポンプ隔壁」又は「膜」とも称される)を備えており、この膜112は、ポンプ室(「液室」又は「液体ポンプ室」とも称される)壁122と作動室(「空気圧室」とも称される)壁120とが接続する部分に取り付けられている。膜112は、その内部空間を容量可変ポンプ室(ポンプ室壁122の硬質な内面と膜112の表面とによって区画される)と補助容量可変作動室(作動室壁120の硬質な内面と膜112の表面とによって区画される)とに好適に分割している。天板106は、吸入口102と排出口104とを備えており、これら吸入口102及び排出口104の双方は、ポンプ室/液室に流体連通している。底板110は、作動或いは空気圧ポート114を備えており、このポート114は、その作動室に流体連通している。以下より詳細に説明するように、空気圧ポート114において、負圧又は大気への通気と正圧とを相互に供給することにより、膜112が上記の内部空間において前後に移動可能である。膜112が前後に往復移動する際に、ポンプ室と作動室との容積の和は、一定の値に維持される。
【0042】
流体ポンプの標準運転時に、作動或いは空気圧ポート114に負圧又は大気圧への通気を印加することにより、ポンプ室/液室を膨張させるとともに、吸入口102を介して流体をポンプ室に流入させるように、膜112を作動室壁120に向けて後退させる。一方、正の気圧を印加することにより、ポンプ室を縮小させるとともに、排出口104を介してこのポンプ室における液体を圧出するように、膜112をポンプ室壁122に向けて押圧する。このようなポンプ運転の間に、膜112が前後に往復移動する際に、ポンプ室壁122及び作動室壁120の内面は、膜112の移動を制限する。図1Aに示される実施形態においては、ポンプ室壁122及び作動室壁120の内面は、硬質で滑らかな半球状である。硬質な作動室壁120の代わりに、代替の硬質な制限構造、例えば空気圧を提供するためのベゼルの一部及び一群のリブのうち少なくとも何れか一方は、ポンプ室の容積が最大値に達する際に、その膜の移動を制限することができる。ベゼル及びリブ構造は、米国特許出願第10/697,450号明細書(2003年10月30日に出願された「空気制御のためのベゼルアセンブリ」と題する米国特許出願公開第2005/0095154号明細書であり、代理人整理番号は1062/D75である)と、それに関連するPCT出願(2004年10月29日に出願された「空気制御のためのベゼル装置」と題する国際出願第PCT/US2004/035952号であり、国際公開第2005/044435号であり、代理人整理番号は1062/D71WOである)とに記載されている。これら二出願の全体は、本明細書において参照のために援用されている。したがって、この硬質な制限構造、例えば、硬質な作動室壁120、ベゼル又は一群のリブは、ポンプ室の容積が最大値に達した際に、膜112の形状を定める。好ましい実施形態においては、ポンプ室の容積が最小値になったときに、膜112(硬質な制限構造に寄せたとき)及びポンプ室壁122の硬質な内面により、球状のポンプ室が形成される。
【0043】
従って、図1Aに示される実施形態において、膜112の移動は、ポンプ室壁122及び作動室壁120により制限される。空気圧ポート114を介して供給される正圧と大気への通気又は負圧とが十分に強い間に、膜112は、作動室壁120によって制限される位置から、ポンプ室壁122によって制限される位置に向かって移動する。膜112が作動室壁120に押圧された場合には、膜及びポンプ室壁122により、そのポンプ室の最大容積が定められる。膜がポンプ室壁122に押圧された場合には、ポンプ室の容積が最小になる。
【0044】
例示的実施形態において、ポンプ室壁122及び作動室壁120の双方が半球形状を有し、これにより、ポンプ室は、その容積が最大になったときに回転楕円体となる。容積が最大になった際に回転楕円体、具体的には球状になるポンプ室を使用することにより、ポンプ室の全体において循環流が発生する。このような形状により、ポンプ室において流れの停滞領域の発生を抑制することができる。以下更に説明するように、吸入口102及び排出口104の位置は、ポンプ室における流体の流れにおいて衝撃を発生し、一実施形態において、その流れに停滞領域が発生する可能性を低下させる傾向がある。従って、他の形状と比較して、球状(一般に、回転楕円体)は、液体がポンプ室に流入する際、同ポンプ室を通過する際、及び同ポンプ室から流出する際に、剪断及び乱流の発生を低減させる傾向がある。
【0045】
図3〜4には、ポンプ室内における隆起流体経路30が示されている。この隆起流体経路30により、膜がストロークの終点に達した後に、流体がポッドポンプを継続して流れることができる。従って、この隆起流体経路30は、ポッドポンプにおいて膜に起因して空気又は流体が捕捉される可能性、又はポッドポンプの吸入口或いは排出口が膜によって遮断され、連続的な流れが抑制される可能性を最小限に抑制する。隆起流体経路について、図9A〜9B及び図18A〜18Eを参照して更に説明する。例示的実施形態において特定の寸法を有する隆起流体経路30が示されているが、別の実施形態においては、図18A〜18Eに示されるように、隆起流体経路30がより狭く、更に別の実施形態において、所望の流量又は流体の態様を得るために、隆起流体経路30を任意の寸法に設定することができる。従って、ここで表示、説明される隆起流体経路、ポッドポンプ及び弁の寸法又は他の特性は、例示的実施形態及び別の実施形態にすぎない。他の実施形態は、容易に想到することができる。
【0046】
1.3 バランスポッドの例示的実施形態
図1Bには、バランスポッドの例示的実施形態が示されている。このバランスポッドは、図1Aを参照して上記したポッドポンプとほぼ同様に構成されている。しかしながら、バランスポッドは、作動室及びポンプ室の代わりに、二つの流体バランス室を含み、作動ポートを有していない。更に、各バランス室は、吸入口102と排出口104とを備えている。この例示的実施形態において、各バランス室壁120,122には、溝126がそれぞれ形成されている。溝126については、後でより詳細に説明する。
【0047】
膜112は、二つの室の間にシールを施す。これらのバランス室は、二つの室が等しい容積流量を維持するように、流体の流入と流出とのバランスを保つ。吸入口102と排出口104とは、同じ側にあるように示されているが、別の実施形態においては、各室の吸入口102と排出口104とは、異なる側にある。また、吸入口102と排出口104とは、バランス室が結合された部分における流体経路に応じて両側にあってもよい。
【0048】
バランス室の一実施形態において、膜112は、以下に図6A〜図6Gを参照して説明する形態を含んでいる。しかしながら、別の実施形態においては、膜112は、二重輪が適用できないように、被覆され、又は他の態様に構成されてもよい。
【0049】
1.4 定量ポンプ及び流体制御システム
この定量ポンプは、任意の流体を供給又は排出可能な任意のポンプであってもよい。この流体は、医薬品、無機化合物又は無機成分、有機化合物又は有機成分、栄養補給食品、栄養成分、栄養化合物又は栄養溶液、或いはポンプによって汲み出し可能な他の任意の流体を含み、これらに限らない。一実施形態において、定量ポンプは膜ポンプである。例示的実施形態において、定量ポンプは、容積がより小さいポッドポンプである。この例示的実施形態において、比較的に大きいポッドポンプ(例えば図1Aに示されるように)と同様に、吸入口と排出口とを備えている。しかしながら、ポッドポンプと比較して、それらの吸入口及び排出口は、一般的に遥かに小さいものである。例示的な一実施形態において、各吸入口及び排出口の周りには、火山形状の弁のような隆起リングが形成されている。定量ポンプは、膜を備えている。図5E〜5Hには、定量ポンプの膜の様々な実施形態が示されている。一実施形態では、定量ポンプは、所定量の流体を流路の外部に汲み出す。流体がポッドポンプ内にあると、カセットの外部に位置する基準室は、FMSにより排出された容量を測定する。
【0050】
従って、この実施形態により、排出された流体がその後に流体排出口、バランス室或いはポッドポンプに流れることはない。従って、一実施形態において、定量ポンプは、流路から所定量の流体を排出するために使用される。別の実施形態において、定量ポンプは、所定量の流体を排出することにより他の効果を実現するために使用される。
【0051】
FMSは、例えば本明細書において参照のために援用される、米国特許第4,808,161号明細書、米国特許第4,826,482号明細書、米国特許第4,976,162号明細書、米国特許第5,088,515号明細書、米国特許第5,350,357号明細書に記載の技術を用いて、特定の流体制御システムにおける測定、例えば膜のストロークの間にポンプ室を通じて汲み出される主流体の量の測定、又はポンプ室における空気の測定を実行するように使用されてもよい。
【0052】
多数の実施形態において、定量ポンプは、第2の流体を流路に汲み出すように使用されることもある。一実施形態において、定量ポンプは、治療品又は化合物を流路に汲み出す。一実施形態では、溶液を作るために、定量ポンプを用いて所定量の化合物を混合室に汲み出す。これらの実施形態のうちの一部では、定量ポンプは、FMSによる容積測定のために設けられている。他の実施形態では、定量ポンプはこのために設けられたものではない。
【0053】
FMSによる測定のために、カセットの外部、例えば空気マニホールド(図示略)には、固定された小さな基準空気室が設けられている。弁により、その基準室と第2圧力センサとが隔離されている。基準室に空気を充填してその圧力を測定し、そしてポンプ室への弁を開弁することにより、定量ポンプのストローク容積を正確に計算することができる。基準室がポンプ室に接続された際に、基準室の一定の容積及び圧力の増加に基づいて、その室側にある空気の量を算出することができる。
【0054】
1.5 弁
カセットの例示的実施形態では、一つ以上の弁を備えている。弁は、流路を連通又は遮断することにより、流れを調整するように使用されている。カセットの多数の実施形態に含まれる弁は、一つ以上の火山形状の弁又は滑らかな形状の弁を含んでいる。カセットの所定の実施形態において、チェック弁を含んでもよい。図2A及び2Bには、火山形状の弁の実施形態が示され、図2Cには、円滑型弁の実施形態が示されている。更に、図3A〜4Bは、吸入口及び排出口を有するカセットにおけるポッドポンプの例示的実施形態を示している。
【0055】
一般的には、上記したこの種の往復容積型ポンプは、多数の弁を用いて、或いはこれらの弁と併用されて、ポンプを流れる流体を制御することができる。従って、例えば往復容積型ポンプ又はバランスポッドは、流入弁及び流出弁のうち少なくとも何れか一方を用いて、或いはこれらの弁と併用することが可能である。それらの弁は、パッシブ弁又はアクティブ弁である。往復容積型ポンプの例示的実施形態において、膜は、作動室を圧力作動システムに接続する空気圧ポートを通じて供給される気体の、負圧及び正圧、或いは正圧及び大気への通気により、前後に移動しようとする。得られる膜の往復動により、吸入口から流体をポンプ室に吸入し(流出弁は、流体が排出口からポンプ室に吸い戻されることを抑制する)、そして排出口を通じてその流体をポンプ室の外部に汲み出す(流入弁は、流体が流体吸入口から押し戻されることを抑制する)。
【0056】
例示的実施形態において、アクティブ弁は、ポンプ及びカセットを流れる液体を制御している。このアクティブ弁を、制御装置により、流れを所望の方向に導くように駆動することが可能である。このような構成により、制御装置は、流体が両方向においてポッドポンプを流れるように流れを制御することができる。典型的なシステムにおいて、通常は、流れの方向は、第1方向、例えば吸入口から排出口への方向である。特定の場合には、流れの方向は、その逆方向、例えば排出口から吸入口への方向であってもよい。このような流れの反転は、例えばポンプに呼び水を差す際に、異常なライン状態(例えば、ラインの閉鎖、妨害物、未接続、又は漏れ)をチェックするために、又は異常なライン状態を解消する(例えば、妨害物を取り除く)ために実行されることが可能である。
【0057】
弁の気圧作動により、圧力制御及びシステムにおいて発生し得る最大圧力に対する自動制限が提供される。システムという背景において、気圧作動は、全てのソレノイド制御弁を流体経路から離間したシステムの片側に容易に配置することができる、という別の利点を有する。
【0058】
図2A及び2Bは、火山形状の弁の二つの実施形態の断面図である。これらの火山形状の弁は、カセットの実施形態に使用可能な気圧制御弁である。膜202は、中板204とともに弁室206を区画している。空気圧は、正の気体圧力又は負の気体圧力による何れかの力として空気圧ポート208を通じて提供される。正の気圧は、弁を閉塞、即ち、吸引するように弁座210に膜202を向かわせるものである。負の気圧は、いくつかの実施形態において、通気口を大気に連通させて弁を開くために膜を弁座210から離間させるものである。制御ガス室212は、膜202、天板214、及び中板204によって区画されている。中板204には、凹みが形成されており、膜202は、制御ガス室212を膜202の一方側に形成するとともに、弁室206を他方側に形成するようにその凹みに配置されている。
【0059】
空気圧ポート208は、天板214に形成された溝により定められている。カセットにおいていくつかの弁の気圧制御を提供することにより、全ての弁は、一つの気圧源により同時に開弁又は閉弁されるように、連動されることが可能である。中板204に形成されて流体経路と一致する溝は、底板216とともに、弁吸入口218及び弁排出口220を区画している。中板204を貫通するように同板に形成された貫通孔は、吸入口218と弁室206とを連通するとともに、弁室206と排出口220とを連通している。
【0060】
膜202は、厚化したリム222によって構成され、このリム222は、中板204における溝224に緊密に係合されている。従って、天板214が中板204に連結される前に、膜202は、溝224に配置されて保持されることが可能である。従って、この弁の設計は、製造における利点を開示することができる。図2B〜2Cに示されるように、天板214は、膜202が所定の方向において溝224から過度に離間すること、及び膜の厚化したリム222が溝224から抜けることを抑制するために、制御ガス室212内にまで延びる補助部材を備えてもよい。図2A及び2Bには、二つの実施形態における気圧ポート208の制御ガス室212に対する位置が示されている。
【0061】
図2Cに示される実施形態では、弁室において弁座機構が省略されている。正しくは、図2Cにおいて、この実施形態における弁は、火山形状の構造を備えていないため、弁室206、即ち流体側は、隆起部を有しておらず、円滑である。この実施形態は、剪断に敏感な流体を汲み出すカセットに適用されている。図2Dは、弁室が弁膜のシールに有利な隆起領域を有する実施形態を示している。図2E〜2Gには、弁膜の異なる実施形態が示されている。ある例示的実施形態を表示、説明したが、別の実施形態において、弁及び弁膜の変形例が利用されることが可能である。
【0062】
1.6 ポッド膜の例示的実施形態
図4に示されるように、一実施形態において、膜は、変化する断面の厚さを有する。より薄い、より厚い、又は変化する膜は、選択された膜の材料の強度、屈曲特性又は他の特性に適用するために使用されることが可能である。より薄い、より厚い、又は厚さが変化する膜壁は、膜の制御のために採用されることもある。これにより、膜が所定の領域において、他の領域と比較してより湾曲しやすいことを促進し、ポンプの駆動及びポンプ室における主流体の流れの制御に有利である。この実施形態において、膜の断面が最も厚い部分は、膜の中心部にある。しかしながら、変化する断面を有する他の実施形態においては、最も厚い部分及び最も薄い部分は、膜の任意部分に位置してもよい。従って、例えば、比較的に薄い断面は中心の近くに位置し、比較的に厚い断面は膜の周囲の近くに位置してもよい。また、他の構造も可能である。図5A〜5Dには、異なる態様の表面を有する膜の実施形態が示されている。これらの表面は、膜の作動側及び汲み出し側のうち少なくとも一方の異なる部分に位置する、異なる厚さ及び形状のうち少なくとも一方の円滑面(図5A)、リング(図5D)、リブ(図5C)、くぼみ又はドット(図5B)を含んでいる。膜の一実施形態において、膜は、少なくとも一つの断面において正接の勾配を有するが、他の実施形態において、膜は完全に円滑、或いは実質的に円滑である。
【0063】
図4C,4E及び4Fには、膜の代替実施形態が示されている。この実施形態においては、膜は、くぼみ又はドット付きの表面を有している。
主流体に対して所望の耐久性及び適合性を有する任意の可撓性材料によって膜を形成することが可能である。作動室に供給される流体、液体又は気圧又は真空に応じて湾曲することのできる任意の材料によって膜を形成することができる。膜の動作を促進するために、膜の材料は、生物適合性、温度適合性、又は膜によってそれらの室に汲み出し或いは導入される様々な流体との適合性により選択されてもよい。その例示的実施形態では、膜は高伸張シリコンによって形成されている。しかしながら、他の実施形態においては、膜は、シリコン、ウレタン、ニトリル、EPDM(これらに限定されない)を含む任意のエラストマー、ゴム、又は他のゴム、エラストマー或いは可撓性材料によって形成されている。
【0064】
その膜の形状は、多数の変数に基づいて定められる。これらの変数は、室の形状、室のサイズ、主流体の特性、ストローク毎に汲み出される主流体の体積、及び膜がハウジングに取り付けられる方法又はモードを含むが、これらに限らない。膜のサイズは、多数の変数に基づいて定められる。これらの変数は、室の形状、室のサイズ、主流体の特性、ストローク毎に汲み出される主流体の体積、及び膜がハウジングに取り付けられる方法又はモードを含むが、これらに限らない。従って、様々な実施形態において、膜の形状及びサイズをこれらの変数又は他の変数に基づいて変更することができる。
【0065】
膜は任意の厚さを有することができる。しかしながら、一実施形態において、その厚さの範囲は、0.002〜0.125インチ(0.051ミリメートル〜3.175ミリメートル)である。その所望の厚さは、膜に使用される材料により異なる。一実施形態において、高伸張シリコンは0.015インチ〜0.050インチ(0.381ミリメートル〜1.270ミリメートル)の厚さで使用されている。しかしながら、他の実施形態においては、この厚さを変更してもよい。
【0066】
例示的実施形態では、膜は、膜の領域の少なくとも一部において実質的にドーム状の部分を含むように、予成形されている。図4E及び4Fには、ドーム状の膜の一実施形態が示されている。また、このドームの寸法を上述した変数の一部又はそれ以上に基づいて変更することができる。しかしながら、他の実施形態においては、膜は予成形のドーム状を含まなくてもよい。
【0067】
例示的実施形態において、膜のドームは、液状射出成形により成形されている。しかしながら、他の実施形態においては、そのドームは、圧縮成形により成形されてもよい。代替の実施形態において、膜は実質的に平面状である。他の実施形態においては、そのドームのサイズ、幅、又は重量を変更してもよい。
【0068】
様々な実施形態において、膜は様々な手段及び方法により適切な位置に保持されることが可能である。一実施形態において、膜はカセットの複数の部分の間にクランプで固定され、これらの形態の一部において、カセットのリムは、膜をつかむ構造を備えてもよい。他の実施形態において、膜は少なくとも一つのボルト又は他の装置によりカセットに固定されている。別の実施形態において、膜は一枚の樹脂部材により外側被覆されており、その樹脂部材は、溶接又は他の方法によりカセットに付着している。別の実施形態において、膜は、図1A及び1Bを参照して説明した中板と底板との間に挟まれている。膜をカセットに取り付けるいくつかの実施形態を説明したが、膜をカセットに取り付ける任意の方法又は手段を採用することができる。一つの代替実施形態において、膜はカセットの一部に直接取り付けられている。一実施形態において、膜においてそれらの板によって挟まれている周縁部の厚さは、膜の他の部分の厚さよりも厚い。一実施形態において、この比較的に厚い部分はガスケットであり、一実施形態では、Oリング、リング或いは他の形状のガスケットである。図6A〜6Dには、二つのガスケット62,64を有する膜の一実施形態が示されている。一実施形態では、ガスケット62,64は膜とカセットとの付着ポイントを備えている。別の実施形態において、膜は三つ以上のガスケットを有している。一実施形態において、一つのガスケットを有する膜が含まれている。
【0069】
ガスケットの一実施形態において、ガスケットは膜に接触している。しかしながら、他の実施形態においては、ガスケットは膜と分離した部分である。一実施形態において、ガスケットは膜と同じ材料によって形成されている。しかしながら、他の実施形態においては、ガスケットは膜とは異なる材料によって形成されている。一実施形態において、ガスケットは、膜の周囲にあるリングを外側被覆することにより形成されている。ガスケットは、ポッドポンプハウジングの実施形態を補完するために要求される任意形状のリング又はシールであってもよい。一実施形態において、そのガスケットは、圧縮式のガスケットである。
【0070】
1.7 混合ポッド
カセットの一実施形態は、混合ポッドを備えている。混合ポッドは、混合のための室を有している。一実施形態において、混合ポッドが可撓性構造であり、一実施形態において、混合ポッドの少なくとも一部が可撓性構造である。混合ポッドは、Oリング等のシール、又は膜を備えることができる。この混合ポッドは、所望の任意形状を有することができる。例示的実施形態において、混合ポッドは、膜及び作動ポートを有しないことを除いて、ポッドポンプと同様である。この混合ポッドの一実施形態では、混合ポッド室をシールするためのOリングシールを備えている。従って、例示的実施形態においては、混合ポッドは、流体吸入口及び流体排出口を備える球状の中空のポッドである。ポッドポンプと同様に、室は所望の任意サイズを有することができる。
【0071】
2.圧力ポンプ作動システム
図7は、負圧及び正圧の双方によりポッドポンプ(例えば図1Aに示されるポッドポンプ)を駆動可能な圧力ポンプ作動システムの一実施形態を示す図である。この圧力作動システムは、正圧及び負圧を間欠的に又は交互に、ポッドポンプの作動室における気体に印加することができる。しかしながら、一実施形態(図7はこれらの実施形態を示さない)において、ポッドポンプは、正圧及び大気への通気を印加している。このポッドポンプ(可撓性膜、吸入口、排出口、空気圧ポート、ポンプ室、作動室を含み、或いは流入チェック弁及び流出チェック弁、又は他の弁を含む)は、大きな使い捨てのシステムの一部である。その空気作動システム(作動室圧力変換器、正圧供給弁、負圧供給弁、正圧ガス容器、負圧ガス容器、正圧容器の圧力変換器、負圧容器の圧力変換器、及び電子制御装置(一実施形態では、ユーザインターフェースコンソール、例えばタッチパネル画面を含む)を備える)は、基本単位の一部であってもよい。
【0072】
正圧リザーバは作動室に対して制御ガスの正圧を印加することで、膜をポンプ室が最小容量になる位置(膜がポンプ室の硬質な壁面に当接する位置)へと付勢する。負圧リザーバは作動室に対して制御ガスの負圧を印加することで、膜を反対方向に、つまり、ポンプ室が最大容量になる位置(膜が作動室の硬質の壁面に当接する位置)へと付勢する。
【0073】
弁機構は、それぞれのリザーバと作動室との流体連通状態を制御するのに用いられる。図7に示すように、独立した弁がそれぞれのリザーバに用いられる。正圧供給弁は正圧リザーバと作動室との間の流体連通を制御し、負圧供給弁は負圧リザーバと作動室との間の流体連通を制御する。これら二つの弁は制御装置によって制御される。二つの独立した弁に代えて単一の三方弁を用いてもよい。弁としてはバイナリー開閉弁や可変絞り弁が使用可能である。
【0074】
制御装置は三個の圧力変換器、つまり作動室圧力変換器、正圧リザーバ圧力変換器、及び負圧リザーバ圧力変換器から圧力情報を入力する。名称から明らかなように、これらの変換器は、作動室の圧力、正圧リザーバの圧力、そして負圧リザーバの圧力を計測する。作動室変換器はベースユニット内に位置するとともに、ポッドポンプ空気圧ポートを通じて作動室と流体連通している。制御装置は二つのリザーバの圧力を監視し、圧力(正圧又は負圧)が両リザーバに適切に加えられるようにする。例示的実施形態において、正圧リザーバは約750mmHGに保たれ、負圧リザーバは−450mmHGに保たれる。図7に示すように、単数又は複数の圧縮機型のポンプ(図示せず)により、両リザーバ内に所望の圧力が維持される。例えば、二つの独立した圧縮機がそれぞれ二つのリザーバに対応するように設けられる。リザーバ内の圧力は単純なバングバング制御を用いて制御されてもよい。この場合、正圧リザーバに対応する圧縮機は、リザーバ内の圧力が所定の閾値を下回ると起動され、負圧リザーバに対応する圧縮機はリザーバ内の圧力が所定の閾値を越えると起動される。ヒステリシスの量は両リザーバについて同一であっても、異なっていてもよい。ヒステリシスバンドを縮小すればリザーバ内圧力の厳格な制御が可能になるが、これは通常、圧縮機の周期周波数の上昇を伴う。リザーバ圧力の非常に厳格な制御が必要な場合や、特定の使用において非常に厳格な制御が望ましい場合は、バングバング制御の代わりにPID制御を採用して、圧縮機に対してPWM信号を用いることも可能である。
【0075】
正圧リザーバにより印加される圧力は、正常な状態において、膜をポンプ室の固い壁面に密着させるくらいの強さがあることが望ましい。同様に、負圧リザーバにより印加される負圧(すなわち真空)は、正常な状態において、膜を動作室の壁面に密着させるくらいの強さがあることが望ましい。しかしながら、より好ましい実施形態においては、リザーバによって供給される正圧及び負圧は十分安全な範囲のものとなる。つまり、正圧供給弁又は負圧供給弁が全開状態であっても、膜に作用する正圧又は負圧が、ポッドポンプを損傷させたり危険な流体圧力(すなわちポンプにより血液や流体の供給を受けている患者に害が及ぶような圧力)を発生させるほど強いものにならないようにする。
【0076】
当然のことながら、図7に示すような二つのリザーバを用いた空気圧式作動システムの代わりに、他の作動システムを用いて膜を前後に動かしてもよい。しかしながら、一般的には二つのリザーバを用いた空気式作動システムの使用が好ましい。特に、弾性を有する膜を使用する場合は、単一の供給弁と単一のリザーバ圧センサとともに、単一の正圧リザーバ又は単一の負圧リザーバを用いた空気圧作動システムを採用してもよい。このような空気圧作動システムは正のガス圧又は負のガス圧をポッドポンプの作動室に断続的に印加する。単一の正圧リザーバを用いた実施形態においては、作動室に断続的に正圧を印加してポンプを動作させることで、膜をポンプ室の壁面に向けて動かし、ポンプ室の内容物を排出する。また、これによりガス圧力を放出し、膜が弛緩位置に戻ることで流体をポンプ室に引き入れる。単一の負圧リザーバを用いた実施形態においては、作動室に断続的に負圧を印加してポンプを動作させることで、膜を作動室の壁面に向けて動かして、流体をポンプ室に引き入れる。また、これによりガス圧力を放出し、膜が弛緩位置に戻ることで流体をポンプ室から排出する。
【0077】
3.流体の操作
図2A〜図2Dに示すように、例示的実施形態の流体弁は可撓性膜を備えた小さな室を備え、膜は室を中央付近で流体側と空気圧側に二分している。この例示的実施形態の流体弁は三つの吸入/排出ポートを有し、そのうちの二つは室の流体側に、残りは空気圧側に設けられている。室の空気圧側に設けられたポートは室に対し正圧又は真空を印加可能である(いくつかの実施形態では、真空ではなく大気を導入する)。室の空気圧部分に真空が印加されると、膜は気体側に引き込まれ、流体経路を開放する。これにより、流体が室の空気圧側に流入あるいは流体側から流出することが可能になる。室の空気圧部分に正圧が印加されると、膜は室の流体側に向かって押圧され、流体経路を塞ぎ、流体の流れを止める。流体ポートの一つに設けられた火山形状の弁の実施形態(図2A,2Bに示す)において、このポートは閉弁の際にまず密閉し、弁の中に残っている流体は火山形状の部分を使わずにポートから排出される。加えて、図2Dに記載の実施形態の弁では、二つのポートの間に設けられた隆起部分が、作動ストロークの早い段階で(すなわち膜がポートを直接的に密封するより前に)二つのポートを互いに対して密閉することを可能にする。
【0078】
再び図7を参照して説明すると、圧力弁は流路中の異なる場所に位置するポンプを作動させるために用いられる。この構成では、圧力制御が必要なポンプ室のそれぞれに設けられた圧力センサと二つの可変オリフィス弁とを使用した圧力制御を可能にしている。実施形態の一つにおいて、一つの弁が高圧力供給源に接続され、もう一つの弁が低圧シンクに接続されている。高速制御ループが圧力センサを監視し弁の位置を制御することで、ポンプ室に必要な圧力が保たれる。
【0079】
圧力センサは、室の空気圧部分の圧力を監視するために用いられる。室の空気圧側に対して正圧と真空を交互に作用させることで、膜が室の容量全体にわたって交互に移動される。それぞれのサイクルにおいて、空気圧が真空としてポッドに作用したときに、流体が吸入流体ポートの上流側弁を通って引き込まれる。続いて、空気圧が正圧としてポッドに作用したときに、流体は排出ポートと下流側弁とを通じて排出される。
【0080】
多くの実施形態において、圧力ポンプは二つの室からなる。二つの室が180度の位相差で動作しているとき、流れは基本的に継続する。
4.容量の計測
カセット内の流速はストローク端を検知可能な圧力ポッドポンプにより制御される。外部制御ループにより、必要な流れを発生させるための正確な圧力値が決定される。圧力ポンプは、各ストロークの完了を検出するためのストローク端アルゴリズムを実行可能である。膜が動いている間、室内の計測圧力は所望の正弦波圧力となる。膜が室の壁面に接触すると、正弦波に沿った変化をやめ、圧力は一定になる。圧力信号のこの変化がストロークの終わり、つまり、ストローク端を検出するのに使われる。
【0081】
圧力ポンプの容量は既知である。従って、ストローク端は、室内に既知の容量の流体があることを示す。よって、ストローク端を使えば、容量と等しい割合で流体の流れを制御することができる。
【0082】
上に詳細に記載したように、定量ポンプで汲み出された流体の容量を測定するためFMSを使用してもよい。いくつかの実施形態では、FMS容量計測システムを使用せずに定量ポンプで流体を汲み出してもよい。しかし、例示的実施形態では、汲み出された流体の正確な容量を算出するために、FMS容量計測システムが使用される。
5.混合カセットの例示的な実施形態
用語の流入口及び排出口、及び第1流体、第2流体、第3流体、並びに弁経路(すなわち、“第1の弁経路”)に与えられた指定数字は、単に説明するために使用されたものである。他の実施形態において、流入口は、排出口となり得るとともに、第1、第2、第3という指定は、それらの流体が互いに異なる流体であること、或いは、特に体系的に分類されていることを意味するものではない。そのような指定は、ただカセット内への区分された入口領域を単純に示すものであって、第1、第2、第3、その他の流体は、互いに異なる流体であってもよく、又は同一の流体タイプであってもよく、或いは、その組み合わせであるか、少なくとも2つが同一のものであってもよい。第1、第2、第3、その他の指定と同様に、それらの弁経路は、何ら特別な意味を有するものではなく、明確な説明のために使用されたものである。
【0083】
流体流入口(流体排出口となることもある)に与えられた指定、例えば、第1の流体排出口、第2の流体排出口は、単に流体がそのような流入口/排出口を介してカセットの内外に移動することができることを示すだけである。いくつかの場合、配線図上における1つ以上の流入口/排出口が、同一の名称にて指定されている。これは、単に、そのように指定されたすべての流入口/排出口が、同一の定量ポンプ又はポッドポンプの組(他の実施形態において、単一のポッドポンプであってもよい)によって汲み出されることを説明するだけのものである。
【0084】
図8を参照すると、カセット800の流体配線図の例示的な実施形態が示されている。その他の配線図も、容易に識別することができる。カセット800は、少なくとも1つのポッドポンプ828、820、及び少なくとも1つの混合室818を含む。カセット800は、さらに第1の流体流入口810を含み、第1の流体流入口にて、第1流体は、カセット内に流入される。第1流体は、カセット800内の少なくとも1つのポッドポンプ820、828のうちのいずれかによって提供される流量を含む。カセット800は、また、第1の流体排出口824を含み、第1の流体排出口にて、流体は、少なくとも1つのポッドポンプ820、828のうちのいずれかによって提供される流量でカセット800から抜け出る。カセット800は、第1の流体排出口と流体連通された少なくとも1つの定量流路812、814、816を含む。カセットは、さらに少なくとも1つの第2の流体流入口826を含み、第2の流体流入口にて、第2流体は、カセット800に流入される。カセット800のいくつかの実施形態において、第3の流体流入口825がさらに含まれている。
【0085】
定量ポンプ822、830は、第2流体及び第3流体を第1の流体排出口ライン内に汲み出す。第2の流体流入口826及び第3の流体流入口825でカセット800にそれぞれ連結された第2流体、及び、いくつかの実施形態における第3流体が、定量ポンプ822、830に、そして定量流路812、814、816を通じて第1の流体排出口ラインに、それぞれ流体連通されている。以下でより詳細に説明される定量ポンプ822、830は、例示的な実施形態において、量測定性能を含み、それにより、定量ポンプ822、830によって汲み出される流体の量を容易に識別することができる。
【0086】
混合室818は、第1の流体排出口ライン824に連結され、且つ流体流入口と、流体排出口とを含む。いくつかの実施形態において、複数のセンサが、混合室818の上流及び下流に配置される。例示的な実施形態におけるそれらのセンサの位置は、図14C及び14D、並びに図15B及びl5Cに示されており、それについて以下で説明する。
【0087】
カセット800は、少なくとも2つの成分からなる溶液を内部で混合することができる。また、カセット800は、混合室内に流体を汲み出す前に、流体に粉末を提供することができる性能を含む。この性能については、以下でより詳細に説明する。
各種の弁832−860は、カセット800に様々な性能を与える。カセット800の部品は、様々なバルビング制御に基づき、異なる実施形態において、互いに異なる方式で使用することができる。
【0088】
図8に示されたカセット800の流体配線図は、様々なカセット装置として具体化することが可能である。それにより、図8に示された流体配線図を含むカセット800の実施形態は、それに統合することのできるカセットの実施形態、又はこの流体配線図のそれ以外の代替的な実施形態にのみ限定されるものではない。また、弁のタイプ、弁の連結構成、ポンプ及び室の数は、この流体配線図の様々なカセットの実施形態に応じて変わることがあり得る。
【0089】
図8を参照すると、流体流動−経路配線図800が、異なるバルビング流動経路に基づいて表示された流体経路とともに示されている。ここで、流体流動−経路配線図800は、カセットの一実施形態におけるバルビング流動経路に対応するものとして説明されている。図8のそれぞれの流体流動−経路配線図800に対応するように表示された弁とともに、カセットの中板900の例示的な実施形態が、図10に示されている。説明のために、バルビングに基づいてそれらの流体流動経路について説明する。“弁経路”という用語は、いくつかの実施形態において、特別な弁の制御に基づいて利用することのできる流体経路を示す。図10の、対応する流体側部(fluid side)構造物が、図12Aに示されている。
【0090】
図8及び図10を参照すると、第1の弁経路は、弁858、860を含む。この弁経路858、860は、第2の流体流入口826に連結された定量流路812を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第2の流体流入口826が存在する。実質的に、この2つの第2の流体流入口826は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第2の流体流入口826に連結されるようになる。それぞれの第2の流体流入口826は、異なる定量流路812、814に連結されている。
【0091】
第2の流体流入口826に連結された2つの定量流路のうちの第1の定量流路は、以下の通りである。弁858は開かれて、弁860は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路812内に引き出される。弁860は開かれて、弁858は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、第2流体は、定量流路812上でポッドポンプ820に続けて進行する。
【0092】
弁842を含む第2の弁経路を参照すると、弁842は開かれて、、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、ポッドポンプ820から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために、この弁経路が設けられている。
【0093】
弁832及び836を含む第3の弁経路を参照すると、この弁経路832、835は、第3の流体流入口825に連結された定量流路816を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第3の流体流入口825が存在する。実質的に、この2つの第3の流体流入口825は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第3の流体流入口825に連結されるようになる。それぞれの第3の流体流入口826は、異なる定量流路862、868に連結されている。
【0094】
弁832は開かれて、弁836は閉じられて、定量ポンプ830が作動する場合、流体は、第3の流体流入口825から定量流路830内に引き出される。弁836は開かれて、弁832は閉じられて、定量ポンプ830が作動する場合、第3流体は、定量流路816上で第1の流体排出口ライン824に続けて進行する。
【0095】
第4の弁経路、すなわち弁846を参照すると、弁846は開かれて、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、ポッドポンプ820から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0096】
第5の弁経路を参照すると、弁850は開かれて、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、第1の流体流入口810を介してカセット800内に、さらにポッドポンプ820内に汲み出される。
【0097】
第6の弁経路を参照すると、弁838は開かれて、ポッドポンプ820が作動する場合、流体は、ポッドポンプ820から混合室818に、さらに第1の流体排出口824に汲み出される。
【0098】
第7の弁経路は、弁858、856を含む。この弁経路858、856は、第2の流体流入口826に連結された定量流路812を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第2の流体流入口826が存在する。実質的に、この2つの第2の流体流入口826は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第2の流体流入口826に連結されるようになる。それぞれの第2の流体流入口826は、異なる定量流路812、814に連結されている。
【0099】
弁858は開かれて、弁856は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路812内に引き出される。弁856は開かれて、弁858は閉じられて、定量ポンプが作動する場合、第2流体は、定量流路814上でポッドポンプ828に続けて進行する。
第8の弁経路、すなわち弁848を参照すると、弁848は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、流体/液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0100】
弁844を含む第9の弁経路を参照すると、弁844は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0101】
第10の弁経路、すなわち弁848を参照すると、弁848は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から第3の流体流入口825のうちの1つに汲み出される。一実施形態において、この弁経路は、流体/液体を第3の流体流入口825に連結されたソース又はコンテナに送り出すために設けられている。
【0102】
弁854及び856を含む第11の弁経路が示されている。この弁経路854、856は、第2の流体流入口826に連結された定量流路814を含む。これらの図に示されているように、カセットのいくつかの実施形態において、2つの第2の流体流入口826が形成されている。実質的に、この2つの第2の流体流入口826は、同一の流体ソースに連結されていてもよく、又は互いに異なる流体ソースに連結されていてもよい。いずれの場合であっても、同一の流体又は異なる流体が、それぞれの第2の流体流入口826に連結されるようになる。それぞれの第2の流体流入口826は、異なる定量流路812、814に連結されている。
【0103】
第2の流体流入口826に連結された2つの定量流路のうちの第2の定量流路が、図8に示されている。第12の弁経路は、以下のとおりである。弁854は開かれて、弁856は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路814内に引き出される。弁856は開かれて、弁854は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、第2流体は、定量流路814上でポッドポンプ828に続けて進行する。
【0104】
同じように、第13の弁経路が示されており、弁854は開かれて、弁860は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、流体は、第2の流体流入口826から定量流路814内に引き出される。弁860は開かれて、弁854は閉じられて、定量ポンプ822が作動する場合、第2流体は、定量流路814上でポッドポンプ820内に続けて進行する。
【0105】
弁852を含む第14の弁経路を参照すると、弁852は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、第1の流体流入口810を介してカセット800内に、さらにポッドポンプ828内に汲み出される。
【0106】
第15の弁経路を参照すると、弁840は開かれて、ポッドポンプ828が作動する場合、流体は、ポッドポンプ828から混合室818に、さらに第1の流体排出口824に汲み出される。
【0107】
第16の弁経路は、弁834を含み、弁834が開かれて、弁836が開かれて、そして定量ポンプ830が作動する場合、第3の流体流入口825からの流体は、定量流路862上で、さらに定量流路816へ流れる。
【0108】
図8に示された例示的な流体流動−経路の実施形態において、また図10に示されたカセットの対応する構造において、それらの弁は、個別的に開かれる。例示的な実施形態において、弁は、空圧式で開ける。また、例示的な実施形態において、本願明細書でより詳細に説明されているように、流体弁は、ボルカーノ弁である。
【0109】
図11A−11Bを参照すると、カセットの例示的な実施形態の天板1100が示されている。例示的な実施形態において、天板1100上の混合室818及びポッドポンプ820、828は、同様の方式で形成されている。例示的な実施形態において、ポッドポンプ820、828及び混合室818は、低板と組み立てられたとき、総計38mlの体積容量を含む。しかしながら、他の実施形態において、混合室は、好ましい別の大きさの量を含むこともできる。
【0110】
図11Bを参照すると、天板1100の底面図が示されている。流体経路がこの図に示されている。これらの流体経路は、中板1200内の、図12A−12Bに示された流体経路に対応する。天板1100と中板1200の上端部とは、混合室818の一側部のための、また、ポッドポンプ820、828のための、カセットの液体或いは流体側部を形成する。それにより、液体流動経路の大部分が、天板1100及び中板1200の上に位置する。図12Bを参照すると、第1の流体流入口及び第1の流体排出口824が示されている。
【0111】
図11A及び11Bを参照すると、ポッドポンプ820、828は、溝1002(他の実施形態において、これは溝である)を含む。溝1002は、特定の大きさ及び形状を有するものと示されているが、他の実施形態において、溝1002は、好ましい別のいずれの大きさ及び形状を有していてもよい。図11A及び11Bに示された大きさ及び形状は、例示的な実施形態である。溝1002のすべての実施形態において、溝1002は、ポッドポンプ820、828の流体排出口側部と流体流入口側部との間の経路を形成する。他の実施形態において、溝は、ポッドポンプの内側ポンプ室の壁内の溝である。
【0112】
溝1002は、流体経路を提供しており、それにより、膜が行程の終端部にある場合であっても、流入口と排出口との間には依然として流体経路が存在し、流体又は空気のポケットがポッドポンプ内に捕捉されない。溝1002は、ポッドポンプ820、828の液体/流体及び空気/作動側部の双方共に含まれている。いくつかの実施形態において、溝は、さらに、ポッドポンプ820、828の作動/空気側部及び混合室818の反対側部に関して、混合室818内に含まれていてもよい(図13A−13Bを参照)。他の実施形態において、溝は、ポッドポンプ820、828の一側部にのみ含まれていてもよく、又は含まれていなくてもよい。
【0113】
カセットの他の実施形態において、ポッドポンプ820、828の液体/流体側部は、特徴部(図示省略)を含んでいてもよく、それによって、流入口及び排出口流動経路が連続的となり、さらにポンプ室の外周の周りにモールディングされた剛体の外側リング(図示省略)が、また連続的になることができる。このフィーチャーは、膜(図示省略)と一緒に形成した封止を保持することができるようにする。図11Eを参照すると、天板1100の例示的な実施形態の側面図が示されている。
【0114】
図12A−12Bを参照すると、中板1200の例示的な実施形態が示されている。中板1200はまた、図9A−9F及び10A−10Fに示されており、これらの図は、図12A−12Bに対応する。それにより、図9A−9F及び10A−10Fは、各種の弁及び弁経路の位置を示している。それぞれのポッドポンプ820、828に対する膜の位置及び混合室818の位置が示されている。
【0115】
図12Aを参照すると、カセットの例示的な実施形態において、汲み出される液体の様々な特性を区別するために、カセット内にセンサ要素が組み込まれている。一実施形態において、3個のセンサ要素が含まれている。また一方で、例示的な実施形態において、6個のセンサ要素(3個ずつ2つの組)が含まれることもある。これらのセンサ要素は、センサセル1314、1316内に位置する。この実施形態において、センサセル1314、1316は、センサ(たち)要素のためのカセット上の領域として含まれている。例示的な実施形態において、2個のセンサセル1314、1316からなる3個のセンサ要素が、それぞれのセンサ要素ハウジング1308、1310、1312及び1318、1320、1322内に格納されている。例示的な実施形態において、センサ要素ハウジングのうち2つのハウジング1308、1312及び1318、1320は、伝導度センサ要素を収容し、また、第3のセンサ要素ハウジング1310、1322は、温度センサ要素を収容する。伝導度センサ要素及び温度センサ要素は、当業界で使用されるどのような伝導性又は温度センサ要素であってもよい。一実施形態において、伝導度センサは、グラファイトポストである。他の実施形態において、伝導度センサ要素は、ステンレス鋼、チタン、白金、又は耐食性を持つようにコーティングされ、さらに電気伝導性を含むその他の金属から作製されたポストである。伝導度センサ要素は、導線を含むようになり、そのような導線は、プローブ情報を制御部又は他のデバイスに伝送する。一実施形態において、温度センサは、ステンレス鋼プローブ内に収容されたサーミスタである。一方、別の実施形態において、2007年10月12日付で出願され、共に係属中の「Sensor Apparatus Systems、Devices and Methods」というタイトルの米国特許出願(DEKA−024XX)に開示されたものと同様に、温度及び伝導度センサ要素の組み合わせが使用されることがある。
【0116】
さらに別の実施形態において、カセット内にセンサがなくてもよく、又は温度センサのみか、少なくとも1つの伝導度センサのみ、或いは少なくとも1つの別のタイプのセンサが存在していてもよい。
【0117】
図12Cを参照すると、中板1300の例示的な実施形態の側面図が示されている。
図13A−13Bを参照すると、低板1300が示されている。先ず、図13Aを参照すると、低板1300の内側又は内部表面が示されている。内側又は内部表面は、中板(図示省略、図9Bを参照)の底面と接触する側部である。低板1300は、空気又は作動ライン(図示省略)に取り付けられている。中板1200内の弁(図示省略、図10A−10Fを参照)及びポッドポンプ820、828を作動させる空気のための対応の入口ホールが示されている。ホール810、824は、図12Bにそれぞれ示された第1の流体流入口及び第1の流体排出口810、824に対応する。混合室818及びポッドポンプ820、828の対応する半分部も同じく示されており、流体経路のための溝1002等も示されている。また、ポンプ内の作動ホールも示されている。天板とは異なって、混合室818及びポッドポンプ820、828の半分部に対応する低板1300は、混合室818とポッドポンプ820、828の間の差異を明確にする。ポッドポンプ820、828は、低板1300の上の空気/作動経路を含むが、それに対して、混合室818は、天板内の半分部と同様の構成を含む。混合室818は、液体を混合し、それによって、膜(図示省略)を含まず、また空気/作動経路も含んでいない。センサセル1314、1316が、センサ要素ハウジング1308、1310、1312及び1318、1320、1322と共に示されている。
【0118】
図13Bを参照すると、作動ポート1306は、外側又は外部の低板1300の上に示されている。作動源が、これらの作動ポート1306に連結されている。さらに、混合室818は、空気によって作動しないため、作動ポートを有していない。図13Cを参照すると、低板1300の例示的な実施形態の側面図が示されている。
5.1 膜
例示的な実施形態において、膜は、図5Aに示されているようにガスケットO−リング膜である。さらに、いくつかの実施形態において、ガスケットO−リング膜は、テクスチャーを含むことができるが、それに制限されるものではなく、図4D又は図5B−5Dの様々な実施形態が使用されることも可能である。また他の実施形態において、図6A−6Gに示されている膜が使用されることも可能である。
【0119】
図14A及び14Bを参照すると、組み立てられたカセット1400の例示的な実施形態が示されている。図14C及び14Dは、カセット1400の例示的な実施形態の分解組立図である。膜1600が示されている。図14C及び14Dに示されているように、それぞれのポッドポンプごとに1つの膜1602がある。例示的な実施形態において、ポッドポンプに関する膜は、互いに同一である。他の実施形態において、いずれの膜をも使用することができ、さらに、1つのポッドポンプが膜のある1つの実施形態を使用する一方、第2のポッドポンプが、膜の異なる実施形態を使用することができる(或いは、それぞれのポッドポンプが同一の膜を使用することも可能である)。
【0120】
好適な実施形態において、定量ポンプ1604で使用される膜の様々な実施形態が、より詳細に図5E−5Hに示されている。弁1222で使用される膜の様々な実施形態が、より詳細に図2E−2Gに示されている。また一方、他の実施形態において、弁膜だけではなく、定量ポンプ膜も、例えばテクスチャーを含むことができるが、それに限定されるものではなく、テクスチャーは、図5A−5Dに示されたポッドポンプ膜の上に示されている。
【0121】
センサセル1322を構成する伝導度センサ要素1314、1316及び温度センサ要素1310の一実施形態が、図14C及び14Dに示されている。図14C及び14Dを参照すると、センサ要素は、低板1300及び中板1200の上の領域を含むセンサブロック(図12B及び13Aにおいて、1314及び1316と示されている)内に格納されている。O−リングは、天板1100の内側部及び中板1200の上側部上に位置した流路から、センサハウジングを封止する。さらに、他の実施形態において、O−リングは、センサブロック内にモールディングされていてもよく、又は他のいずれかの封止方法が使用されていてもよい。
5.2 断面図
図15A−15Cを参照すると、組み立てられたカセットの様々な断面が示されている。先ず、図15Aを参照すると、膜1602は、ポッドポンプ820、828内に示されている。断面図から確認されるように、膜1602のO−リングは、中板1200と低板1300とによって挟持されている。弁膜1606も、また確認することができる。上記したように、それぞれの弁は膜を含む。
【0122】
図15Bを参照すると、2個の伝導性センサ1308、1312及び温度センサ1310が示されている。断面図から確認されるように、それらのセンサ1308、1310、1312は、流路824内に位置する。それによって、センサ1308、1310、1312は、流路と流体連通されて、さらに流体排出口1824から抜け出る流体のセンサデータを決定することができる。図15Bを参照すると、弁836の断面が示されている。この図面に示されているように、例示的な実施形態において、図2Bに関して図示して上記した実施形態と同様に、弁は、火山形状弁である。しかし、上記したように、他の実施形態において、別の弁が使用されることもできるが、それに制限されるものではなく、例えば、図2A、2C及び2Dに関して図示されて説明された弁などが含まれる。
【0123】
図15Cを参照すると、2個の伝導度センサ要素1318、1320及び温度センサ要素1322が示されている。断面図から確認されるように、センサ要素1318、1320、1322は、流路824内に位置する。それによって、それらのセンサ要素1318、1320、1322は、流路と流体連通されて、さらに、混合室(この図には示されていない)へ流入される流体のセンサデータを決定するために使用することができる。したがって、例示的な実施形態において、センサ要素1318、1320、1322を使用して、混合室内に汲み出される流体に関するデータを収集することが可能となる。図12Bに戻って参照すると、センサ要素1308、1310、1312を使用して、混合室から流体排出口に汲み出される流体に関するデータを収集することが可能となる。しかし、他の実施形態において、センサが使用されないこともあり、又は、単に1つの組、或いは単に1つのタイプのセンサ要素(すなわち、温度又は伝導度センサ要素)のみが使用されることがある。どのようなタイプのセンサも使用することが可能であり、また、温度、伝導度センサ要素、或いは温度/伝導度センサ要素の組み合わせからなるいずれの実施形態をも使用することができる。
【0124】
上記したように、例示的な実施形態は、図8に示された例示的な流体流動−経路配線図を含むカセットの一実施形態である。しかし、例示的な実施形態の同一の特徴のうちの多くを含みながら、異なる構造的なデザインを含み、わずかに異なる流動経路を含むカセットの他の実施形態もまた可能である。この他の実施形態のうちの1つが、図16A−20Bに示された実施形態である。
【0125】
図16A−16Cを参照すると、天板1600の別の実施形態が示されている。天板1600の特徴は、例示的な実施形態における対応の特徴に関する別の実施形態である。この別の実施形態は、2個の混合室1622、1624と、3個の定量ポンプとを含む。それによって、この実施形態は、カセットデザインにおける柔軟性を表わす。様々な実施形態において、カセットは、任意の数の流体と組み合わされることが可能であり、また、その流体を独立的に或いは一緒に定量することが可能である。図9は、図16A−20Bに示されたカセットの流体流動−経路配線図を示す。
【0126】
図17A−17Cを参照すると、中板1700の他の実施形態が示されている。図18A−18Cは、低板1800の他の実施形態を示している。
図19Aを参照すると、組み立てられたカセット1900の他の実施形態が示されている。図19C−19Dは、カセット1900の例示的な実施形態の分解組立図であり、ここに、ポッドポンプ膜1910と、弁膜1914と、定量ポンプ膜1912とが示されている。3個の定量ポンプ1616、1618、1620だけではなく、それぞれの膜1912も示されている。この実施形態において、3個の流体を定量することが可能であり、さらに、それぞれの制御された量が、混合室1622、1624内で一緒に混合することが可能である。図20A及び20Bは、組み立てられたカセット1900の断面図を示している。
【0127】
この他の実施形態に示されているように、図8に示された一般的な流体配線図及びポンピングカセットの様々な変形実施形態がある。それによって、付加的な混合室及び定量ポンプがポンピングカセットに追加の性能を与えて、少なくとも2つの流体が一緒に混合されるようにすることができる。
5.3 混合カセットの例示的な実施形態
実際に、カセットは、任意のソースから任意の位置に、任意のタイプの流体を汲み出すために使用することができる。この流体のタイプには、栄養的な、非栄養的な、無機化学物質、有機化学物質、体液又は他のあらゆるいずれかのタイプの流体が含まれる。また、いくつかの実施形態において、流体はガスを含み、したがって、いくつかの実施形態において、カセットは、ガスを汲み出すために使用される。
【0128】
カセットは、所望の位置の内外に流体を汲み出し、方向付ける役割をする。いくつかの実施形態において、外部ポンプが流体をカセット内にポンプ汲み出し、またカセットは、その流体を外部に汲み出す。さらに、いくつかの実施形態において、ポッドポンプは、カセット内に流体を引き込み、且つカセットの外部へ流体を汲み出す役割をする。
【0129】
上記したように、弁の位置によって、流体経路の制御が分け与えられる。それにより、様々な位置の弁又は追加の弁が、このカセットの他の実施形態となる。さらに、上記した図らに示されたそれらの流路及び経路は、単なる流路及び経路の例に過ぎないものである。他の実施形態において、それより多い、少ない、及び/又は異なる流体経路を含むことが可能である。他の実施形態において、弁は、カセット内に存在しない。
【0130】
上記したポッドポンプの数は、実施形態によって変わっていてもよい。例えば、先に示されて説明された例示的な実施形態及び代替的な実施形態は、2個のポッドポンプを含んでいるが、他の実施形態において、カセットは、1つのポッドポンプを含んでいる。また他の実施形態において、カセットは、少なくとも2つのポッドポンプを含んでいてもよい。ポッドポンプは、単一のポンプであってもよく、或いは、より一層連続的な流動を提供するために、直列に協力して作動することもできる。そのいずれか又は双方共が、カセットの様々な実施形態において使用されることができる。
【0131】
特定の流体経路をカセットに提供するためには、様々なポートが設けられる。これらのポートは、常にそのすべてが使用されなければならないものではなく、その代わりに、様々なポートが、実際のカセットの使用時に柔軟性を付与することができる。
【0132】
ポンピングカセットは、数多くの分野で使用することが可能である。一方、1つの例示的な実施形態において、ポンピングカセットは、少なくとも2つの成分/化合物を含む溶液を混合するために使用されている。例示的な実施形態において、3個の成分が混合される。また、他の実施形態において、定量ポンプ、混合室、流入口/排出口、弁及び流路を付加することにより、3つ未満の、又は3つ超過の成分を混合することが可能である。カセットデザインに係るこれらの変形実施形態は、容易に識別することができる。
【0133】
本願明細書において使用されているように、“ソース成分”又は“成分のソース”という用語は、第1の流体流入口からカセット内に汲み出される流体以外の他の成分を表わす。これらのソース成分は、コンテナ内に収容されたり、又はカセットに連結されたソースによって提供される。
【0134】
例示的な実施形態において、ポンピングカセットは、流体流入口ラインに加えて、4個の成分のソースをカセットに連結することのできる能力を含む。例示的な実施形態において、流体流入口は、水ソースに連結されている。さらに、他の実施形態において、流体流入口ラインは、液体/流体溶液のコンテナに、又は流体/液体の別のソースに連結されている。
【0135】
例示的な実施形態において、4個の追加の成分のソースは、4個の同一のソース成分であってもよく、或いは2個が1つのソース成分であって、残りの2個が異なるソース成分であってもよい。2個のそれぞれのソース成分、又は4個のソース成分を使用するとき、ソースを交換することなく、汲み出し及び混合を連続的な方式で行うことができる。しかし、ソースによって、各成分の余分のソースの個数が変わることがある。例えば、ソースは、非常に大きなコンテナに、又はそれより小さなコンテナに連結されることができ、或いは、外見的に“エンドレス”なソースであることもできる。それにより、ソースの大きさ及び汲み出された量によって、ソース成分のコンテナの個数が変わることがある。
【0136】
図8に関連して上記した流体経路のうちの1つは、ポッドポンプが、カセット内と、さらに、ソース成分の供給源又はコンテナのうちの2つとに液体を汲み出す経路を含む。このカセットの利用できる機能により、ソース成分のうちの2つが、少なくとも初期には粉末であることが可能となり、そのような粉末は、流体流入口ラインからの流体/液体で構成することができる。また、成分ソースへの流体の汲み出しを遂行することのできる2個のポッドポンプに対する弁経路が存在する。それにより、一実施形態において、流体流入口内への、また2つのソース成分コンテナへの連続的な汲み出しを行うことができるように、所定の時間の間弁が制御される。図8に示された弁経路に加えて又はその代わりに、この同様の弁経路が、異なる2つのソース成分コンテナに対して、或いは異なる2つのソース成分コンテナのうちの1つに対して設けられることが可能である。他の実施形態において、流体流入口液体は、単に1つのソース成分コンテナに汲み出されている。
【0137】
さらに、いくつかの実施形態において、流体は、流体流入口内に、且つソース成分に汲み出される。そのとき、ソース成分は流体である。流体流入口の流体が、汲み出すより前に、ソース成分のうちのいずれか1つと混合する必要のあるソース成分である場合に、この実施形態を使用することができる。この機能性は、ポンピングカセットの任意の実施形態で統合されるようにデザインすることが可能である。その一方、いくつかの実施形態において、この弁経路は含まれていない。
【0138】
例示的な実施形態において、定量ポンプは、ソース成分が既知の量だけ汲み出されることを可能にする。それにより、汲み出しに注意をすれば、様々な成分の正確な濃度が求められる溶液を混合することができるようになる。単一の定量ポンプが、複数のソース成分を汲み出すことができる。しかしながら、成分が汲み出されるにつれて、当成分の少ない量が定量流路内に存在することがあり、それによって成分を汚染させることができ、したがって、汲み出される第2成分の量に関する、誤った評価を提供するおそれがある。したがって、例示的な実施形態において、少なくとも1つの定量ポンプが各ソース成分に対して設けられ、さらにこのようにして、ソース成分の2個のソースに対して単一の定量ポンプが設けられるが、そのとき、これらの2個のソースは同一のソース成分を含む。
【0139】
例示的な実施形態において、それぞれのソース成分に対して定量ポンプが設けられる。それにより、2個以上のソース成分が存在する実施形態において、ポンピングカセット内のそれぞれの追加のソース成分に対して、追加の定量ポンプが含まれていてもよい。例示的な実施形態において、単一の定量ポンプが2個のソース成分に連結されるが、これは、例示的な実施形態において、これらの2つのソース成分同士が同一であるためである。一方、代替的な実施形態において、1つの定量ポンプは、少なくとも1つのソース成分を汲み出すことができ、また、ソース成分が同一ではない場合であっても、少なくとも1つのソース成分に連結することができる。
【0140】
汲み出される流体の濃度、温度、又はそれ以外の特性を決定するために、センサ又はセンサ要素が流路内に含まれていてもよい。それにより、ソース成分コンテナが粉末を含み、その粉末を溶液内に提供するために水がカセットによってソース成分コンテナに汲み出される実施形態において、センサを使用して、ソース成分が正確な濃度を含むかどうかを確認することが可能となる。また、混合溶液が流体排出口を介してカセットを抜け出るより前に、混合した溶液の特性を決定するため、混合室の下流で流体排出口ライン内にセンサ要素が含まれていてもよい。さらに、良好に混合されていない溶液が流体排出口を介してカセットの外部に汲み出されないように保障するために、下流弁が設けられていてもよい。センサ要素に関する例示的な実施形態は、上記で説明されたことがある。
【0141】
ポンピングカセットの用途に関する1つの例には、血液透析システムの一部として混合カセットが使用される場合がある。透析液を混合してカセットの外部の透析液貯蔵容器に供給するために、混合カセットを使用することが可能である。それにより、このカセットは、それぞれのクエン酸とNaCl/重炭酸塩との2つのコンテナに連結されるようになる。2個の定量ポンプがカセット内に存在していて、一方は、クエン酸に割り当てられ、その他方は、NaCl/重炭酸塩に割り当てられる。したがって、1つの定量ポンプが、2個のソース成分コンテナと一緒に作動する。
【0142】
例示的な実施形態において、NaCl/重炭酸塩は粉末であって、流体ソース成分溶液を生成するためには、水の添加を必要とする。それによって、水が、第1の流体流入口内に、且つNaCl/重炭酸塩のソースコンテナ内に汲み出される。双方のポッドポンプは、NaCl/重炭酸塩のソースコンテナに必要な水を速かに且つ継続的に提供するために、相から汲み出すことができる。
【0143】
透析液を混合するために、定量ポンプによってクエン酸がポッドポンプ内に、次いでに混合室に向かって汲み出される。同様に水がポッドポンプ内に汲み出されて、それにより所望の濃度のクエン酸が調製される。クエン酸の濃度が適切であるかどうかを決定するために、センサ要素が混合室の上流に位置され、また、必要であれば、適切な濃度を達成するために、ポッドポンプが混合室に向かって追加の水を汲み出すことができる。
【0144】
NaCl/重炭酸塩は、第2の定量ポンプによって混合室の上流の流体排出口ライン内に汲み出される。クエン酸及び流体NaCl/重炭酸塩が混合室内に流入される。次いで、2個のソース成分が混合されて、流体排出口の外部に汲み出されるようになる。
【0145】
いくつかの実施形態において、センサ要素は、混合室の下流に位置する。これらのセンサ要素は、最終溶液の濃度が適切となるように保障することができる。また、いくつかの実施形態において、弁は、流体排出口の下流に位置していてもよい。センサデータが、混合が成功的ではなかったこと、或いは望む通りにならなかったことを示す場合、この弁は、透析液がカセットの外部に位置した貯蔵容器内へ流動することを遮断することができる。
【0146】
カセットの他の実施形態において、流路から流体を除去するために、定量ポンプを追加することが可能である。また、追加のポッドポンプが、さらなる汲み出し特性のために含まれていてもよい。この透析液の混合プロセスに係る他の実施形態において、3個の定量ポンプ及び2個の混合室が使用される(図9に示された通りである)。クエン酸、塩、及び重炭酸塩が、この実施形態において、それぞれ独立的に汲み出される。1つの混合室は上述したものと同様であり、別の混合室への流動の前に塩と重炭酸塩とを混合するために、第2の混合室が使用されることがあり、そこでクエン酸とNaCl/重炭酸塩との間の混合が達成される。
【0147】
様々な溶液を混合するためのカセットの様々な実施形態を、容易に識別することができる。流路、バルビング、定量ポンプ、混合室、ポッドポンプ、及び流入口/排出口は、モジュール型要素であってもよく、そのようなモジュール型要素は、所望の混合機能をカセットに与えるために、混合されて、マッチングされることがある。
カセットの多くの実施形態において、流体流動−経路を変化させるために、弁構造は、変更することが可能である。さらに、ポッドポンプ、定量ポンプ、及び混合室の大きさも変更することが可能であり、また、カセットに連結される弁、ポッドポンプ、定量ポンプ、センサ、混合室、及びソース成分コンテナの数も同様に変更することが可能である。たとえ、この実施形態において、弁は火山形状弁であるが、他の実施形態において、そのような弁は、火山形状弁ではなくてもよく、またいくつかの実施形態において、滑らかな表面の弁であってもよい。
6.中間カセットの例示的な実施形態
図38Aを参照すると、ポンピングカセット3800の流体配線図の例示的な実施形態が示されている。他の配線図も容易に識別することができ、配線図の1つの代替的な実施形態が図38Aに示されている。図38Aを参照すると、カセット3800は、少なくとも1つのポッドポンプ3820、3828と、少なくとも1つの通気口3830とを含む。また、カセット3800は、少なくとも1つの流体ポートを含む。この配線図において、複数のポート3804、3810、3824、3826、3830、3832、3846、3848、3850、3852、3854が示されている。さらに、代替的な実施形態において、ポートの数及び/又は位置は、それと異なっていてもよい。複数のポートのオプションは、任意の機能のための、任意のタイプの流体に関する数多くの汲み出し用配線図を提供することができる。
【0148】
カセットは、少なくとも1つのポートを介して、且つカセットの内外に流体を汲み出すために、少なくとも1つのポッドポンプ3820、3828をさらに含む。例示的な実施形態は、2個のポッドポンプ3820、3828を含む。しかし、代替的な実施形態において、少なくとも1つのポッドポンプが、カセットに含まれている。例示的な実施形態において、2個のポッドポンプ3820、3828は、連続的で又は安定した流動を提供することが可能である。通気口3830は、カセットの外部で、カセットに流体連通された流体貯蔵容器に対して、大気への通気を提供する。
【0149】
図38Aに示されたカセット3800の流体配線図は、様々なカセット装置で具体化されることが可能である。それにより、図38Aに示された流体配線図によって表された流体流動経路を含むカセット3800の様々な実施形態は、この流体配線図のこの実施形態又は代替的な実施形態を包含することのできる、唯一のカセットの実施形態ではない。さらに、弁のタイプ、弁の作動手順、及びポンプの個数は、この流体配線図の様々なカセットの実施形態によって変更されることがある。また、本願明細書において示されて説明されたカセットの実施形態、或いは配線図に提示されていないポンピングカセットの実施形態において、追加の特徴部等が提示されることもある。
【0150】
図38Aを参照すると、1つのシナリオで、流体は、ポート3810を介してカセットに流入され、さらに第1のポンプ流体経路3812又は第2のポンプ流体経路3818に汲み出される。一実施形態において、交互に開かれて閉じられるポンプ流入口弁3808、3814、そして任意の与えられた時間の間に開けられる弁3808、3814によって、流体は、それぞれの流動経路3812、3818内に、且つそれぞれのポッドポンプ3820、3828内に流動することができる。次いで、それぞれのポンプ流入口弁3808、3814が閉じられて、対応のポンプ排出口弁3816、3822が開けられる。流体は、第1の流体排出口3824を介してポッドポンプ3820、3828の外部に汲み出される。一方、他の実施形態において、両弁3808、3814は、同時に開かれて、同時に閉じられる。いくつかの実施形態においては、カセット内に弁が存在しないこともある。
【0151】
ベント3830は、貯蔵容器又は他のコンテナ、或いは流体ソースの大気へのベントのための位置を提供する。いくつかの実施形態において、第1流体のソースがベント3830に連結されている。弁3802は、ベント経路を制御する。
【0152】
たとえ、1つのシナリオにおいて、流体はポート3810内に汲み出されるが、他の実施形態において、流体は、ポート3804、3824、3826、830、832、846、848、850、852、854のうちのいずれかのポートを介してカセット内に汲み出され、次いでにポート3804、3810、3824、3826、3830、3832、3846、38438、3850、3852、3854のうちいずれかのポートを介してカセットの外部に汲み出される。さらに、様々な実施形態のポッドポンプ3820、3828が、上述したものと反対の方向に流体を汲み出すことができる。
【0153】
一般的に、カセット3800は、流体を汲み出すための汲み出しパワーを提供するだけではなく、ポート同志の間の、またカセットの周りの、流体流動経路を提供する。
一実施形態において、1つ以上のポート3804、3810、3824、3826、3830、3832、3846、3848、3850、3852、3854が、カセットの外部に汲み出される流体のためのフィルタ又は他の処理領域に取り付けられている。いくつかの実施形態において、ポッドポンプ3820、3828は、フィルタ又は他の処理領域を介して流体を押し出すほどの十分な汲み出し力を提供する。
【0154】
いくつかの実施形態において、ポンピングカセットは、追加の流体経路、及び1つ以上の追加のポッドポンプを含む。さらに、いくつかの実施形態において、カセットは、追加のベント経路を含んでいる。
【0155】
図38Aの一実施形態によって示された、カセット内で具体化することのできる様々な流動経路は、弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、38338、3840、3842、3844、3856によって制御される。様々な順番で弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856を開けて閉じることにより、完全に異なる流体汲み出し経路、及び汲み出しに関するオプションを導き出すことが可能である。図39C、310A、310B及び310Cを参照すると、様々な弁及びポートが、カセットの例示的な実施形態に示されている。
【0156】
ポンピングカセットのいくつかの実施形態において、より多くの弁が含まれていたり、追加の流動経路及び/又はポートが含まれていたりする。他の実施形態においては、それより少ない数の弁、流動経路及び/又はポートが存在する。カセットのいくつかの実施形態において、カセットは、少なくとも1つのエアトラップ、1つ以上のフィルタ、及び/又は1つ以上の逆止め弁を含んでいても良い。
【0157】
図38Aに示された流体流動−経路配線図の実施形態、又はそれに関する代替的な実施形態を、構造物内に具体化することが可能である。例示的な実施形態において、構造物は、作動膜を具備する3個のプレートカセットである。カセットのまた別の実施形態も、以下において説明する。
【0158】
図39A及び39Bを参照すると、カセットの例示的な実施形態の天板3900の外側部が示されている。天板3900は、ポッドポンプ3820、3828の1つの半分部を含む。この半分部は、ソース流体が通過して流動する、流体/液体半分部である。流入口及び排出口ポッドポンプ流体経路が示されている。これらの流体経路は、それぞれのポッドポンプ3820、3828へ延在される。
【0159】
ポッドポンプ3820、3828は、高めの流動経路3908、3910を含む。高めの流動経路3908、3910は、膜(図示省略)が行程の終端部に到逹した後、ポッドポンプ3820、3828を介して流体が継続して流動することを可能とさせる。それによって、高めの流動経路3908、3910は、膜がポッドポンプ3820、3828内で空気又は流体を捕捉することを最小化し、又は、膜がポッドポンプ3820、3828の流入口又は排出口を遮断して、流動の阻害することを最小化する。特定の寸法を含みた、高めの流動経路3908、3910の例示的な実施形態が示されている。代替的な実施形態において、高めの流動経路3908、3910は、それより大きいかそれより狭くてもよく、或いはまた他の実施形態において、流体流動を制御して、所望の流体の挙動又は流量を達成するための目的に応じて、高めの流動経路3908、3910は、どのような寸法を有していてもよい。したがって、高めの流動経路、ポッドポンプ、弁、又は任意の他のアスペクトについて示されて説明した寸法は、単なる例示的で且つ別の実施形態に過ぎず、他の実施形態も、容易に理解することができる。
【0160】
図39C及び39Dは、カセットの例示的な実施形態の天板3900の内側部を示す。図39Eは、天板3900の側面図を示す。
図310A及び310Bを参照すると、中板31000の流体/液体側部が示されている。図39C及び39Dに示された内側天板の上の流体経路に関する相補的な領域が示されている。これらの領域は、例示的な実施形態において、1つの製造モードであるレーザー溶接に対して伝導性を含む表面仕上げを示す、わずかに高くなったトラックである。カセットの他の製造モードに対しては、既に以上で説明した。図310A及び310Bを参照すると、カセットの例示的な実施形態のポートは、図38Aに関して示されて説明した配線図に対応してラベル付けされている。1つのポート、すなわち、ポート3852にはラベルが付けられていない。このポートは、図39Cにもっともよく示されている。
【0161】
図310C及び310Dを参照すると、中板31000の空気側部又は低板(図示省略、図311A−311Eに示されている)と対向する側部が、例示的な実施形態に従って示されている。弁ホール3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856の空気側部は、中板31000(図310A及び310Bに示されている)の流体側部内のホールに対応する。図312C及び312Dに示されているように、膜31220がポッドポンプ3820、3828を完成する一方、膜31222は、弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、38338、3840、3842、3844、3856を完成する。弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856は空気圧的に作動し、膜は、ホールから遠くなる方に離れて、液体/流体が流動可能となる。膜がホールの方に押し付けられることにより、流体の流動が抑制される。流体の流動は、弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856の開閉によって管理される。弁の例示的な実施形態は、図2A及び2Bに関連して示されて説明された、火山形状弁である。弁膜31222の一実施形態が図2Eに示されており、代替的な実施形態が、図2F−2Gに示されている。
【0162】
図311A及び311Bを参照すると、低板31100の内部図が示されている。ポッドポンプ3820、3828、及び弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856、作動/空気室の内部様子が示されている。ポッドポンプ3820、3828、及び弁3802、3808、3814、3816、3822、3836、3838、3840、3842、3844、3856は、空気圧エアソースによって作動されている。図311C及び311Dを参照すると、低板31100の外側部が示されている。空気のソースは、カセットのこの側部に取り付けられている。一実施形態において、チューブは、弁及びポンプ1102の上のチューブに連結される。いくつかの実施形態において、弁が構成されて、また、1つ以上の弁が、同様の空気ラインによって作動されている。
【0163】
図312A及び312Bを参照すると、組み立てられたカセット31200が示されている。図312A及び312Bに示した、組み立てられたカセット31200の分解組立図が、図312C及び312Dに示されている。これらの図において、ポッドポンプ膜31220の例示的な実施形態が示されている。そのような例示的な実施形態は、図5A−5Dに示された膜を含む。膜のガスケットは、液体室液体室(天板3900の内)と、空気/作動室(低板31100の内)との間の封止を提供する。いくつかの実施形態において、図5B−5Dに示されたもの等を含み、膜31220のドームの上のテクスチャーは、空気及び液体が行程の終端部で室から抜け出すための追加の空間を提供し、これの以外の他の特徴部をも提供する。カセットの代替的な実施形態において、図6A−6Gに示された膜が使用されていてもよい。図6A−6Gを参照すると、より詳細に上記したように、これらの膜は、ダブルガスケット62、64を含む。このダブルガスケット62、64のフィーチャーは、ポッドポンプの両側部が液体を含む実施形態において、或いは両チャンバの側部を封止することが要求される用途において、好適である。これらの実施形態において、ガスケット又は他の特徴部(図示省略)に対して、相補的なリムが、ガスケット62に対する内側低板31100に付加されて、低板31100内のポッドポンプチャンバを封止することができる。
【0164】
図313を参照すると、カセット内のポッドポンプ3828の断面図が示されている。膜31220の取り付けに関する詳細な事項が、この図によって確認される。また、例示的な実施形態において、膜31220は、中板31000及び低板31100によって挟まれる。中板31000のリムは、天板3900内に位置したポッドポンプ3828チャンバを封止するためのガスケットに関する特徴部を提供する。
【0165】
図313を参照すると、この断面図は、組み立てられたカセット内の弁3834、3836を示している。膜31220は、組み立てられて定位置に保持された状態で示されており、例示的な実施形態において、中板31000と低板31100との間で挟持されている。
【0166】
再び図313を参照すると、この断面図は、また、組み立てられたカセット内の弁3822を示している。膜31222は、中板31000と低板31100との間で挟持されることにより、定位置に保持された状態で示されている。
【0167】
上記したように、上記の例示的な実施形態は、図38Aに示された例示的な流体流動−経路配線図を含む1つのカセットの実施形態を提示する。しかし、例示的な実施形態の数多くの同一の特徴特徴部を含みながら、異なる構造的なデザインを含むカセットの代替的な実施形態もまた可能である。これらの代替的な実施形態のうちの1つが、図314A−321Dに示されている。代替的な配線図が、図38Bに示されている。この配線図は、たとえ図38Aに示された配線図と類似ではあるが、図314A−321Dに示された代替的な実施形態の流体経路を見せることができる。
【0168】
図314A−314Eを参照すると、天板31400の代替的な実施形態が示されている。天板31400の特徴部は、例示的な実施形態における対応の特徴部の別の実施形態である。図314C及び314Dを参照すると、ポッドポンプ3820、3828が、天板31400の内部にカットされる。そして、図314A及び314Bに示されているように、ポッドポンプ3820、3828は、天板31400の外部へはみ出ることはない。
【0169】
この実施形態において、カセットが組み立てられたとき、図319A−319Bに示されているように、図315及び317において符号31500及び31700としてそれぞれ示されたガスケットを用いることで、プレート31400、31600、31800は、お互いから封止される。図319C及び319Dを参照すると、ポッドポンプ膜31220及びバルビング膜31222が示されている。
【0170】
図319C−319Dを参照すると、この代替的な実施形態において、カセット1900は、連結ハードウェア31910と組み立てられている。したがって、カセット31900は、連結ハードウェア31910によって機械的に組み立てられ、一緒に保持される。この実施形態において、連結ハードウェアはネジであるが、他の実施形態において、連結ハードウェア31910は、金属ポストである。代替的な実施形態において、例えば、リベット、ショルダーボルト、及びボルトを含む、いずれの連結ハードウェアを使用することが可能であるが、それに制限されるものではない、さらに別の実施形態において、プレートは、接着剤によって一緒に保持されている。
【0171】
図319C及び319Dを参照すると、逆止め弁31920が示されている。この実施形態において、逆止め弁31920は、ダックビル逆止め弁であるが、他の実施形態において、この逆止め弁は、いずれのタイプの逆止め弁であってもよい。この実施形態において、逆止め弁は、逆止め弁セル31922によって保持される。さらに、いくつかの実施形態において、より多くの逆止め弁が、カセット内で使用される。例えば、この実施形態及び逆止め弁を含む上記の例示的な実施形態におけるいくつかの実施形態において、さらなる逆止め弁ホルダー31926、31928が示されている。これらは、追加の逆止め弁のためのホルダーを提供する。また他の実施形態において、この実施形態に示されているように、空気トラップ31924が含まれていてもよい。図321A−321Dを参照すると、ダックビル逆止め弁の1つの実施形態が示されている。なお、他の実施形態において、いずれの逆止め弁、又はダックビル逆止め弁の代替的な実施形態が使用されていてもよい。
【0172】
図320A及び320Bを参照すると、組み立てられたカセット、及びそのような組み立てられたカセットアセンブリに関するガスケット31500、31700の断面図が示されている。
【0173】
代替的な実施形態において、ガスケット31500、31700はシリコンから製造されるが、他の実施形態において、ガスケット31500、31700は、それ以外の物質で製造することもできる。図320A及び320Bを参照すると、連結ハードウェア31910が示されている。図320Bを参照すると、組み立てられたカセット内のダックビル逆止め弁31920の断面図が示されている。
6.1 中間カセットの例示的な実施形態
実際に、カセットは、任意のタイプの流体を任意のソースから任意の位置に汲み出すために、使用することができる。この流体のタイプには、栄養的な、非栄養的な、無機化学物質、有機化学物質、体液又は他のあらゆるいずれかのタイプの流体が含まれる。また、いくつかの実施形態において、流体はガスを含み、したがって、いくつかの実施形態において、カセットは、ガスを汲み出すために使用される。
【0174】
カセットは、所望の位置の内外に流体を汲み出し、指向させる役割をする。いくつかの実施形態において、外部ポンプが流体をカセット内に汲み出し、またカセットは、その流体を外部に汲み出す。さらに、いくつかの実施形態において、ポッドポンプは、カセット内に流体を引き込み、且つカセットの外部へ流体を汲み出す役割をする。
【0175】
上述したように、弁の位置によって、流体経路の制御が分け与えられる。それにより、様々な位置の弁又は追加の弁が、このカセットの他の実施形態となる。さらに、上記した図らに示されたそれらの流路及び経路は、単なる流路及び経路の例に過ぎないものである。他の実施形態において、それより多い、少ない、及び/又は異なる流体経路を含むことが可能である。他の実施形態において、弁は、カセット内に存在しない。
【0176】
上記したポッドポンプの数は、実施形態によって変わっていてもよい。例えば、先に示されて説明された例示的な実施形態及び代替的な実施形態は、2個のポッドポンプを含んでいるが、他の実施形態において、カセットは、1つのポッドポンプを含んでいる。また他の実施形態において、カセットは、少なくとも2つのポッドポンプを含んでいてもよい。ポッドポンプは、単一のポンプであってもよく、或いは、より一層連続的な流動を提供するために、協調して作動することもできる。そのいずれか又は双方共が、カセットの様々な実施形態において使用されることができる。
【0177】
流入口及び排出口、そして流体経路という用語は、単に説明するために使用されたものである。他の実施形態において、流入口は、排出口となることもできる。指定は、単にカセット内への区分された入口領域を示すためのものである。
【0178】
流体流入口(同様に、流体排出口となることもある)に対して与えられた指定、例えば、第1の流体排出口、第2の流体排出口は、単に流体がそのような流入口/排出口を介してカセットの内外に移動することが可能であるということを示すだけである。いくつかの場合に、配線図上における少なくとも1つの流入口/排出口が、同一の名称にて指定されている。これは、単に、そのように指定されたすべての流入口/排出口が、同一の定量ポンプ又はポッドポンプの組(別の実施形態において、単一のポッドポンプであってもよい)によって汲み出されることを説明するだけのものである。
【0179】
特定の流体経路をカセットに提供するためには、様々なポートが設けられる。これらのポートは、常にそのすべてが使用されなければならないものではなく、その代わりに、様々なポートが、実際のカセットの使用時に柔軟性を付与することができる。
【0180】
図38Aをもう一度参照すると、一実施形態は、貯蔵容器を大気とベンティングするために、ベントポート3830に流体的に取り付けられた流体貯蔵容器を提供する。さらに、いくつかの実施形態において、FMSレファレンスチャンバが貯蔵容器に流体的に取り付けられて、それにより流体が貯蔵容器の内外に付加又は除去されるとき、FMSを用いて量を決定することができる。いくつかの実施形態は、カセット内の追加のベントポートを含み、それにより、カセットのいくつかの実施形態が、少なくとも1つの流体貯蔵容器に取り付けられることも可能となる。
【0181】
一実施形態は、ポート3850からポート3848に延在されて、且つ弁3838、3836によって制御される、流路を含む。一実施形態において、ポート3848は、貯蔵容器に流体的に取り付けられていてもよい。そのような場合に、ポート3810もまた、同一の貯蔵容器に取り付けられることができる。それにより、一実施形態において、ポート3850は、貯蔵容器への流路を提供し、また、ポッドポンプが貯蔵容器からカセット内に流体を汲み出すことができるように、ポート3810は、流路を提供する。いくつかの実施形態において、弁3858は、貯蔵容器から、弁3842によって制御される他の流路への迂回ラインを制御する。
【0182】
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのセンサ及び/又は流路内のエアトラップを含んでいてもよい。センサは、任意の流体又は非流体センサデータを決定することのできる機能を持つ、いずれのセンサであってもよい。一実施形態において、3個のセンサ要素が、単一の流路内に含まれている。いくつかの実施形態において、1つ以上の流路が、3個のセンサ要素を含む。3個のセンサ要素の実施形態において、センサ要素のうちの2個は、伝導度センサ要素であり、第3のセンサ要素は、温度センサ要素である。伝導度センサ要素及び温度センサ要素は、当業界におけるいずれの伝導性又は温度センサ要素であってもよい。一実施形態において、伝導度センサは、グラファイトポストである。他の実施形態において、伝導度センサ要素は、ステンレス鋼、チタン、白金、又は耐食性を持つようにコーティングされ、さらに電気伝導性を含むその他の金属から作製されたポストである。伝導度センサ要素は、導線を含むようになり、そのような導線は、プローブ情報を制御部又は他のデバイスに伝送する。一実施形態において、温度センサは、ステンレス鋼プローブ内に収容されたサーミスタである。なお、別の実施形態において、2007年10月12日付で出願され、共に係属中の「Sensor Apparatus Systems、Devices and Methods」というタイトルの米国特許出願(DEKA−024XX)に開示されたものと同様に、温度及び伝導度センサ要素の組み合わせが使用されている。
【0183】
また代替的な実施形態において、カセット内にセンサがなくてもよく、又は、温度センサのみか、1つ以上の伝導度センサのみ、或いは1つ以上の別のタイプのセンサが存在していてもよい。
7.バランシングカセットの例示的な実施形態
図448Aを参照すると、定量カセット4800及びバランシングポンプの流体配線図の例示的な実施形態が示されている。他の配線図も、容易に識別される。カセット4800は、少なくとも1つのポッドポンプ4828、4820、及び、少なくとも1つのバランシングポッド4822、4812を含む。カセット4800は、また第1の流体流入口4810を含み、そこで第1流体は、カセット内に流入される。第1流体は、カセット4800の外部に提供される流量を含む。カセット4800は、さらに第1の流体排出口4824を含み、第1の流体排出口で、第1流体は少なくとも1つのポッドポンプ4828のうちのいずれかによって提供される流量でカセット4800から抜け出る。カセット4800は、第2流体がカセット4800に流入される第2の流体流入口4826と、第2流体がカセットを抜け出る第2の流体排出口4816とを含む。
【0184】
カセット4800内のバランシングポッド4822、4812は、カセット4800内に且つその外部に汲み出される流体の量、すなわち、第1流体と第2流体の量に関する好ましいバランスを提供する。また一方、バランシングポッド4822、4812は、定量ポンプ4830によって迂回されることもできる。定量ポンプ4830は、第2流体(或いは、他の実施形態において第1流体)の量を流路の外部に汲み出して、バランシングポッド4822、4812を迂回させる。それにより、定量ポンプ4830によって除去された流体の少ない量又は減少された量(すなわち、“新しい”量)がバランシングポッド4822、4812に実質的に流入されるようになり、したがって、第2流体がバランシングポッド4822、4812に到逹する前に、流体経路から所望の量を除去することで(或いは、他の実施形態において、第2流体がバランシングポッド4822、4812に到逹する前に、流体経路から所望の量の第1流体を除去することで)、定量ポンプ4830は、第2流体の“新しい”量を提供する機能を果し、結果であって、そのような汲み出しサイクルにおいて、より少ない第1流体(又は、他の実施形態において第2流体)が汲み出されるようにする。
【0185】
図48Aに示されたカセット4800の流体配線図は、様々なカセット装置で具体化することが可能である。それによって、図48Aに示された流体配線図を含むカセット4800の実施形態は、この流体配線図の実施形態又は代替的な実施形態を含むことのできる、唯一のカセット実施形態ではない。さらに、弁のタイプ、弁の連結構成、ポンプ、及びチャンバの数は、この流体配線図の様々なカセットの実施形態によって変更されていてもよい。
【0186】
図48Aを参照すると、流体流動−経路配線図4800が示されている。ここで流体流動−経路配線図4800は、カセットの一実施形態の流動経路に対応するものとして示されている。図48Aの流体流動−経路配線図に対応する弁とともに、カセットの中板4900の例示的な実施形態が図49Aに示されている。図49Aに示された中板4900のバルビング側部は、図49Bに示された流体側部に対応する。
【0187】
図48A及び図49Aを参照すると、第1流体は、第1の流体流入口4810でカセットに流入される。第1流体は、バランシングポッドA4812へ流動する。バランシングポッドA4812は、上述したようなバランシングポッドである。バランシングポッドA4812は、最初には第2流体を第1量含む。第1流体がバランシングポッドA4812内へ流動するとき、膜は、第2流体をバランシングポッドA4812の外部に押し付ける。第2流体は、ドレン経路4818を介して、第1の流体排出口4816の外部に流動する。
【0188】
同時に、ポッドポンプB4820が、所定の量の第2流体を含む。所定の量の第2流体は、バランシングポッドB4822に汲み出される。バランシングポッドB4822は、所定の量の第1流体を含み、この所定の量の第1流体は、第2流体の量によって変位される。バランシングポッドB4822からの所定の量の第1流体は、第2の流体排出口4824に流動して、またカセットを抜け出る。所定の量の第2流体は、第2の流体流入口4826でカセットに流入され、ポッドポンプA4828に流動する。
【0189】
図48A及び図49Aを参照すると、第2流体は、ポッドポンプA4828からバランシングポッドA4812に汲み出される。第2流体は、バランシングポッドA4812内の第1流体を変位させる。バランシングポッドA4812からの第1流体は、第2の流体排出口4824に流動する。
【0190】
第1流体は、第1の流体流入口4810を介してカセット内に流動し、さらにバランシングポッドB4822に流動する。第1流体は、バランシングポッドB4822内の第2流体を変位させて、それにより、第2流体が第1の流体排出口4816を介してカセットの外部に流動するようにさせる。第2流体は、第2の流体流入口4826を介してカセット内に、且つポッドポンプB4820に流動する。
【0191】
定量ポンプは、何時でも作動することができ、その機能は、バランシングポッドを迂回するように流動経路から流体を除去することである。それにより、除去される任意の量の流体は、第2の流体排出口4824から外部に流動する他の流体の量を低減させるように作用する。定量ポンプは、バランシングポッド4812、4822及びポッドポンプ4820、4828とは独立している。流体は、第2の流体流入口4826を介して流入されて、また、定量ポンプ4830によって引き寄せられる。次いで、定量ポンプは、第2の流体排出口4816を介して、所定の量の流体を汲み出す。
【0192】
たとえ、図48Aに示された流体配線図の実施形態において、第2の流体流入口4826を介してカセットに流入される第2流体についてのみ定量ポンプを説明したが、定量ポンプは、第1の流体流入口4810を介してカセットに流入される第1流体を、容易に迂回させることができる。それによって、より少ない第1流体又はより少ない第2流体を含むという好ましい最終結果によって、カセット内の流路を制御する弁及び定量ポンプは、上記の最終結果を達成するために機能する。
【0193】
図48Aに示された例示的な流体流動−経路配線図において、並びに図49Aに示されたカセットの対応する構造において、それらの弁が同時に作動するように、弁が構成されている。好ましい実施形態において、4つの弁4832、4834、4836、4838の構成が存在する。好ましい実施形態において、構成された弁は、同一の空気ラインによって作動する。一方で、他の実施形態において、それぞれの弁は、自分の空気ラインを含む。例示的な実施形態に示されているとおり、弁を構成することにより、上述した流体−流動が生成される。いくつかの実施形態において、上記のような弁構成は、また、所望する通りに流体経路が形成されるよう、適切な弁が開かれて、また閉じられるように保障する。
【0194】
例示的な実施形態において、本願の明細書でより詳細に説明されているように、流体弁は、火山形状弁である。たとえ、流体流動−経路配線図が特定の流動経路に関連して説明されているが、様々な実施形態において、そのような流動経路は、弁及びポンプの作用に基づいてして変更することが可能である。さらに、流入口及び排出口、並びに第1流体及び第2流体という用語は、単に説明するために使用されたものである。他の実施形態において、流入口は、排出口となることも可能であり、さらに、第1及び第2流体は、互いに異なる流体であってもよく、或いは、同一の流体タイプであるか、組成であってもよい。
【0195】
図410A乃至図410Eを参照すると、カセットの例示的な実施形態の天板41000が示されている。図410A及び図410Bを先ず参照すると、天板41000の平面図が示されている。例示的な実施形態において、天板上のポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822が類似した方式で形成される。例示的な実施形態において、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822が、低板と組み立てられたとき、総38mlの体積容量を有する。しかし、様々な実施形態において、全体体積容量がそれよりも大きくても又はそれよりも小さくてもよい。第1流体流入口4810及び第2流体流入口4816が示されている。
【0196】
図410C及び410Dを参照すると、天板41000の底面図が示されている。流体経路がこれらの図面に示されている。これらの流体経路は、図49Bに示された中板4900内の流体経路に相応する。天板41000及び中板の上段は、バランスポッド4812、4822の一側部に対する、またポッドポンプ4820、4828に対するカセットの液体又は流体側部を形成する。これにより、多くの液体流動経路が上段及び中板上に位置される。バランスポッド4812、4822の流動経路の他の側部は、ここでは図示していないが、図411A及び図411Bに示された、低板の内側部上に位置される。
【0197】
図410C及び410Dを参照すると、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822が、溝41002を含む。溝41002は、特定の形状を含むものと示されているが、他の実施形態において、溝41002の形状は、必要に応じていずれの形状を有してもよい。図410C及び410Dに示した形状は、例示的な実施形態である。溝のすべての実施形態において、そのような溝は、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の流体流入口側部と流体排出口側部との間の経路を形成する。
【0198】
溝41002は、流体経路を提供し、この流体経路によって、膜が行程の終了部にあるとき、流入口と排出口との間に流体経路が依然として存在するようになり、これにより、流体又は空気のポケットが、ポッドポンプ又はバランスポッド内にトラップされないようになる。溝41002は、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の液体及び空気側部のすべてに設けられる(ポッドポンプ4820、4828の空気側部及びバランスポッド4812、4822の反対側部と関連した図411A及び図411B参照)。
【0199】
例示的な実施形態において、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822は、特徴部を含み、この特徴部によって、流入口及び排出口の流動経路が連続的となり、また外側リング41004も連続的となる。この特徴部は、膜(図示せず)と共に形成された封止が保持されるようにする。
図410Eを参照すると、天板41000の例示的な実施形態の側面図が示されている。ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の連続的な外側リング41004を確認し得る。
【0200】
図411A乃至図411Eを参照すると、低板41100が示されている。図411A及び図411Bを参照すると、低板41100の内側表面が示されている。内側表面は、中板(図示せず、図49E参照)の下段表面と接触する側部である。低板41100は、空気ライン(図示せず)に付着される。中板内のポッドポンプ4820、4828及び弁(図示せず、図49E参照)を作動させる空気のための相応する流入孔が図面符号「41106」と示されている。孔41108、41110は、図49Gにおいて、それぞれ図面符号「4824」及び「4826」と示された第2流体流入口及び第2流体排出口に相応する。ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の相応する折半部もまた示されており、流体経路のための溝41112も示されている。天板とは異なり、ポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の折半部に相応する低板は、ポッドポンプ4820、4828とバランスポッド4812、4822との間の差を明確にする。ポッドポンプ4820、4828は、低板の第2折半部上において空気経路のみを含むのに対して、バランスポッド4812、4822は、天板内の折半部と同一の構成を含む。さらに、バランスポッド4812、4822は、液体をバランシングし、これにより、膜の両側部(図示せず)は、液体流体経路を含むのに対して、ポッドポンプ4820、4828は、液体を汲み出す圧力ポンプであり、これにより、一側部が液体流体経路を含み、低板41100に示された他側部が、空気作動室又は空気流体経路を含む。
【0201】
カセットの例示的な実施形態において、汲み出される流体の様々な特性を区分するために、カセット内にセンサ要素を統合した。一実施形態では、3つのセンサ要素が設けられる。例示的な実施形態において、センサ要素は、センサセル41114内に位置される。この実施形態において、センサセル41114は、センサ要素ハウジング41116、41118、41120内において3つのセンサ要素を収容する。例示的な実施形態において、センサ要素ハウジングの二つのハウジング41116,41118は、伝導性センサ要素を収容し、また、第3センサ要素ハウジング41120は、温度センサ要素を収容する。伝導性センサ要素及び温度センサ要素は、当分野において用いられるいずれの伝導性又は温度センサ要素も、使用可能である。一実施形態において、伝導性センサがグラファイトポストである。他の実施形態において、伝導性センサ要素は、ステンレス鋼、チタン、白金、又は耐食性を含むようにコートされ、依然として電気伝導性を含む他の金属で製造される。伝導性センサ要素は、導線を含み、この導線は、プローブ情報を制御部又は他の装置に伝送する。一実施形態において、温度センサは、ステンレス鋼プローブ内に収容されたサーミスタである。しかし、他の実施形態において、2007年10月12日付で出願されて同時係属中の「Sensor Apparatus Systems, Devices and Methods」と題される米国特許出願(DEKA−024XX)に開示されたものと同様に、温度及び伝導性センサ要素の組合せが用いられ得る。
【0202】
この実施形態において、センサセル41114は、流路への1つの開口部又は流路への1つの連結部である。
代替的な実施形態において、カセット内にセンサがなくてもよく、又は温度センサのみが、1つ以上の伝導性センサのみが、又は1つ以上の他のタイプのセンサが存在してもよい。
【0203】
図411A及び図411Bを参照すると、定量ポンプ4830の作動側部がさらに示されており、また、ポンプを作動させる空気のための相応する空気流入孔41106も示されている。
【0204】
図411C及び図411Dを参照すると、低板41100の外側部が示されている。弁、ポッドポンプ4820、4828、また、定量ポンプ4830、空気ライン連結ポイント41122が示されている。さらに、バランスポッド4812、4822は、空気ライン連結ポイントを有さないが、これは、そのバランスポッドが空気によって作動されないからである。また、第2流体排出口4824及び第2流体流入口4826のための低板41100内の相応する開口部が示されている。
【0205】
図411Eを参照すると、低板41100が示されている。側面図において、低板41100を取り囲むリム41124が示されている。リム41124は、上昇され且つ連続的であり、これにより、膜(図示せず)に対する連結ポイントを提供する。膜が、この連続的且つ上昇されたリム41124上に置かれ、低板41100内のポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の折半部と、天板(図示せず、図410A乃至図410D参照)内のポッドポンプ4820、4828及びバランスポッド4812、4822の折半部との間の封止を提供する。
7.1 膜
例示的な実施形態において、膜は、図6Aに示すようなダブルOリング膜である。しかし、いくつかの実施形態において、非制限的な例であって、図6B乃至図6Fのいくつかの実施形態を含み、テクスチャーを含むダブルOリング膜が用いられてもよい。
【0206】
図412A及び図412Bを参照すると、カセット41200の組み立てられた例示的な実施形態が示されている。図412C及び図412Dは、カセット41200の例示的な実施形態の分解組立図である。膜41210が示されている。図412C及び図412Dに示すように、それぞれのポッドポンプ及びバランスポッドに対して、1つの膜41220が存在する。例示的な実施形態において、ポッドポンプ及びバランスポッドのための膜が互いに同一である。例示的な実施形態の膜は、図6A及び図6Bに示すようなダブルOリング膜である。しかし、代替的な実施形態において、非制限的な例であって、図6C乃至図6Fに示すいくつかの実施形態を含むダブルOリング膜が用いられてもよい。しかし、他の実施形態において、ダブルOリング膜がバランスポッド内で用いられてもよく、又は、図4A乃至図4Dに示すような単一Oリング膜がポッドポンプ内で用いられてもよい。
【0207】
好適な実施形態において、定量ポンプ41224内で用いられる膜が、図5Gにさらに具体的に示されており、代替的な実施形態が、図5E、図5F、及び図5Hに示されている。弁41222内で用いられる膜が図2Eにさらに具体的に示されており、代替的な実施形態が、図2F及び図2Gに示されている。しかし、代替的な実施形態において、定量ポンプ膜及び弁膜がテクスチャーを有してもよく、非制限的な例であって、図5A乃至図5Dに示したポッドポンプ/バランスポッド膜上のテクスチャーを有してもよい。
【0208】
センサセル41212を構成する伝導性センサ要素41214、41216及び温度センサ41218が、さらに図412C及び図412Dが示されている。図412C及び図412Dを参照すると、センサセルハウジング41414が、低板41100及び中板4900上の領域を含む。Oリングは、図412Dに示した天板41000の内側部及び図412Cに示した中板4900の上部側部上に位置された流路から、センサセルハウジング41414を封止する。しかし、他の実施形態において、Oリングがセンサセル内にモールドされてもよく、又は、他のいずれの封止方法が用いられてもよい。
7.2 断面図
図413A乃至図413Cを参照すると、組み立てられたカセットのいくつかの断面が示されている。図413Aを先ず参照すると、膜41220が、バランスポッド4812及びポッドポンプ4828内に示されている。断面図から分かるように、膜41220のダブルOリングが、中板4900、低板41100、及び天板41000間に挟持される。
【0209】
図413Bを参照すると、二つの伝導性センサ要素41214、41216及び温度センサ要素41218が示されている。断面から分かるように、センサ要素41214、41216、41218が、流路41302内にある。これにより、センサ要素41214、41216、41218が流路と流体連通され、また、第1流体流入口4810に流入される第1流体のセンサデータを決定することができる。図413Cを参照すると、この断面図から定量ポンプ4830及び弁の構造を確認することができる。
【0210】
上記したように、例示的な実施形態は、図48Aに示した例示的な流体流動経路の配線図を含む1つのカセットの実施形態である。しかし、例示的な実施形態の同一の多くの特徴を含みながらも、異なる構造的なデザインを含むカセットの代替的な実施形態も可能である。これらの代替的な実施形態の流体流動経路、例えば、図48Bに示した流体流動経路の配線図がある。この配線図に相応する代替的な実施形態のカセット構造物が、図414A乃至図418に示されている。
【0211】
図414A乃至図414Eを参照すると、天板41400の代替的な実施形態が示されている。天板31400の特徴部は、例示的な実施形態の相応する特徴部の代替的な実施形態である。
【0212】
図414C及び図414Dを参照すると、41500の代替的な実施形態が示されている。図416A乃至図416Eは、低板41600の代替的な実施形態を示す図である。
図417A及び図417Bを参照すると、カセット41700の組み立てられた代替的な実施形態が示されている。図417C及び図417Dは、カセット41700の分解組立図である。図417Eは、カセット41700の断面図である。
【0213】
図418A及び図422Bを参照すると、カセットの他の代替的な実施形態が示されている。この実施形態において、カセットが組み立てられたとき、図421A及び図421Bに示すように、ガスケットを用いて、プレート41800、41900、42000が、互いに対して封止される。図421C及び図421Dを参照すると、ガスケット42110、42112が示されている。この実施形態は、膜(図示せず)をさらに含む。図422Aは、組み立てられたカセットの断面図であり、組み立てられたカセット組立体と関連したガスケット42110、42112が示されている。
7.3 バランスカセットの例示的な実施形態
ポンピングカセットは、多くの分野において用いられ得る。しかし、例示的な実施形態において、ポンピングカセットは、第1流体流入口に入り、第1流体排出口から抜け出す流体と、第2流体流入口からカセット内に流入され、第2流体排出口からカセットを抜け出す流体とのバランスを取れるのに用いられる(又は、その反対も可能である)ポンピングカセットは、所定の量の流体がバランス室に影響を及ぼす前に、この所定の量の流体を除去し、又は、バランス室に影響を及ぼす前に、この所定の量の流体を付加するための定量ポンプを提供する。
【0214】
二つの流体量のバランスを取れることが重要である用途では、このポンピングカセットが用いられ得る。また、ポンピングカセットは、流体経路の外部に流体を迂回又は定量し、又は、流体経路内に所定の量の同一の流体又は異なる流体を付加する余分の機能を与えることができる。配線図に示した流動経路は、双方向的であり、弁の位置を変更することにより、又は弁を制御、付加又は除去することにより、様々な流動経路を生成することができる。また、より多くの定量ポンプ、ポッドポンプ及び/又はバランスポッドが追加されてもよく、また、より多く又は少ない流体経路及び弁が付加されてもよい。追加的に、流入口及び排出口がさらに付加されてもよく、又は、流入口や排出口の個数が減少されてもよい。
【0215】
1つの例であって、ポンピングカセットを、血液透析システムの一部分としての内側透析液カセットとして用いることができる。清浄な透析液が第1流体流入口からカセット内に流入され、さらにセンサ要素を通過し、その透析液が正確な濃度及び/又は温度であるかどうかがチェックされる。この透析液は、バランス室を通過し、さらに第1流体排出口から透析器内に汲み出される。この場合、第2流体が透析器からの既使用の又は不純な透析液となる。この第2流体が第2流体流入口から流入され、また、清浄な透析液とバランスを取れ、これにより、透析器に入る透析液の量が、透析器の外部に出る量と等しくなる。
【0216】
定量ポンプは、追加して使用された透析液の量が、バランス室内で影響を及ぼす前に、この量を除去するために用いられ、これにより、限外ろ過(「UF」)迂回を通じて、仮のバランス室を生成する。迂回される量と同一の量だけの少し清浄でない透析液が透析器に流入する場合、この状況が生じる。
【0217】
この実施形態において、弁の火山形状の特徴部がバランスポッドに連結された流体ポッド上に位置するように、バランスポッドへの流体連通を制御する弁が配向される。この配向は、弁によって変位される流体が、バランスポッドから排出されるとき、その流体の大部分を指向させる。
【0218】
弁の火山形状の特徴部がポンプ室に連結された流体ポート上に位置するように、UFポンプへの流体連通を制御する弁が配向される。例示的な実施形態において、それぞれの内部透析液ポンプチェンバの公称行程量は38mlとなる。それぞれのバランスポッドの公称行程量が38mlとなる。UFポンプの行程量は、1.2ml+/−0.05mlとなる。内側透析液ポンプ低圧空圧式可変弁は、大気圧に通気される。このアーキテクチャ特徴部は、バランス室の内部にある間、溶解されたガスが透析液から抜け出す機会を最小化する。ポッドポンプ、バランスポッド、及び定量ポンプの他の量は、容易に識別され、また、用途に応じて異なることもあり得る。追加的に、上述した実施形態は、大気へのベンティングについて説明しているが、他の用途において、負圧も適用され得る。
【0219】
カセットのいくつかの実施形態において、流体流動経路を変化させるために、弁アーキテクチャが変更されてもよい。追加的に、ポッドポンプ、定量ポンプ、及びバランスポッドの大きさも変更され、弁、ポッドポンプ、定量ポンプ、及びバランスポッドの個数も変更されてもよい。たとえ、この実施形態においては、弁がボルカーノ弁であっても、他の実施形態において、弁がボルカーノ弁でなくても、また、いくつかの実施形態において、滑らかな表面の弁であってもよい。
8.統合型カセットシステムの例示的な実施形態
上記のように、混合カセットは、透析液を混合し、次いで透析液を貯蔵ベッセル又は貯蔵容器に送るために用いられる。外側透析液とも称される中間カセットは、コンテナ、さらに様々な流路及びポートのためのベントを提供し、また、バランスカセットは、一方向に沿ってカセットに流入する流体の量を、他の方向に沿ってカセットに流入する量とバランスを取れるためのシステムを提供する。追加的に、バランスカセットは、定量機能を提供し、ここで、一方向からの流体の量が、バランス室を迂回するように、またバランス量に影響を及ぼさないように汲み出される。いくつかの実施形態において、この3つのカセットが、1つのシステムで組み合わせられる。統合型カセットシステムが形成されるように、流路がカセットに連結される。しかし、数個のホースは、管理し難く、また絡み合うことがあり、ポートへの連結及び分離が様々な方式で妨害され得る。
【0220】
これらのうち1つの実施形態であって、流路を単純に連結することができる。しかし、例示的な実施形態において、3つのカセットの例示的な流体流動経路配線図が、カセット装置で組み合わせられ、これは、システムをさらに小型化し、また、製造と関連した利点を提供することができる。
【0221】
統合型カセットシステムのこの例示的な実施形態において、3つのカセットが効率的且つ独立的なカセットシステムで組み合わせられる。様々な個別的なカセットと関連して、上記説明され図示された流体流動経路配線図が組み合わせられる。これにより、いくつかの場合、流路が二つの異なるカセット内に存在することができるが、空間節約又は効率のために、実質的に、流路は配線図に示すように、多くの同一の経路に沿うことである。
【0222】
統合型カセットシステムの例示的な実施形態についての流体流動経路が図1500Aに示されている。この流体流動経路は、血液回路流体流動経路と共に示されている。これにより、一実施形態において、統合型カセットシステムが血液透析システムと連結されて用いられる。説明の便宜上、統合型カセットシステムを血液透析システムの下位に置いて説明し、言い換えれば、カセットシステムを含む1つのシステムが透析液を混合し、透析液を移送し、透析器をよって、流動の前後に透析液の量のバランスを取れる。統合型カセットシステムは、血液透析システム及び方法と一緒に用いられ、この血液透析システム及び方法の例を挙げると、本願と同日付けで出願された「Hemodialysis Systems and Methods」と題される米国特許出願(代理人整理番号 No. D0570.70019US00)に開示された血液透析システム及び方法に類似したものであり、上記特許の全体が本明細書において参照として援用される。
【0223】
図500A及び図500Bを参照すると、カセットシステムの混合カセットが示されている。図600A及び図600Bを参照すると、カセットシステムの中間カセットの一実施形態が示されている。最後に、図700A及び図700Bを参照すると、カセットシステムのためのバランスカセットが示されている。図800Aを参照すると、組み立てられた統合型カセットシステムが示されている。
【0224】
混合カセット500、中間カセット600、及びバランスカセット700が流路又は導管によって連結される。ポッドがカセット間に位置される。図800B及び図800Cを参照すると、いくつかの図面が統合型カセットシステムの効率を示している。流路又は導管1200、1300、1400が、図1200、図1300、及び図1400にそれぞれ示されている。この流路又は導管を通じて、カセット間で流体が流動する。図1200及び図1300を参照すると、これらの流路又は導管は、さらに大きな逆止め弁流路1300及びさらに小さな逆止め弁流路1200を示す。例示的な実施形態において、逆止め弁は、ダックビル弁であるが、他の実施形態において、いずれの逆止め弁も利用可能である。図1400を参照すると、流路又は導管1400は、逆止め弁を含まない流路又は導管である。この内容の説明のために、「流路」及び「導管」との用語は、1200、1300、及び1400と関連して、交互に用いられたものである。
【0225】
図800B及び図800C、及び図1500Aを参照して、様々なカセットによる流体流動の一実施形態を説明する。説明の便宜上、流体流動が混合カセット500から始まるとする。図800B及び図1500Aを参照すると、混合カセット500の流体側部が示されている。流体側部は、流体流入口又は流体排出口である複数のポート8000、8002、8004、8006、8008、及び8010−8026を有する。いくつかの実施形態において、流体流入口及び排出口は、逆浸透圧水(「RO)水8004、重炭酸塩、酸、及び透析液8006のための少なくとも1つの流体流入口を有してもよい。また、ドレンを含む少なくとも1つの流体排出口は、透析液タンクに対するベントであって、酸8002及び少なくとも1つの空気抜き排出口を有する。一実施形態において、チューブ(図示せず)が排出口に連結され、(汚染を防止するための)ベントとなる。水、重炭酸ナトリウム及び水混合物、透析液混合物(酸及び水が添加された重炭酸ナトリウム)のための追加的な排出口がさらに含まれる。
【0226】
透析液は、混合カセット500の外部に、透析液タンク(図示せず、図1500Aにおいて「1502」と示される)まで流動し、次いで、導管を介して内側透析液カセット700に(外側透析液カセット600、ポッドポンプ602及び604によって汲み出される(ここで、604は図示されず、図800D及び図800Eに示されている))流動する。カセット内の流体経路は変更され得る。これにより、複数の流入口及び排出口の位置は、複数のカセット流体経路と共に変更され得る。
【0227】
図1500Bを参照すると、カセットシステムのいくつかの実施形態において、コンドセル、伝導度及び温度センサが、図800A乃至図800Cに示されたカセットシステムの外部の独立的なカセット1504内に設けられる。この外部センサカセット1504は、本願と同日付けで出願され、全体が参照として取り込まれる「Sensor Apparatus Systems, Devices and Methods」と題される米国特許出願第12/038,474号明細書(代理人整理番号 No. F63)に開示されているものとなり得る。
【0228】
この実施形態のための流体流動経路が、図1500Bに示されている。この実施形態において、透析液のための混合プロセス中に、重炭酸ナトリウム混合物が混合カセット500を離れて外部センサカセットに流動し、次いで、混合カセット500内に再流動する。若し、重炭酸ナトリウム混合物が、予め設定された限界値に到達すると、酸が重炭酸ナトリウムに添加される。次に、重炭酸ナトリウム及び酸が混合室506内で混合され、透析液がカセットの外部に、またセンサカセット内に流動し、さらに混合カセット500に流動する。
【0229】
図800Dを参照すると、混合カセット500が空圧作動側部を含む。ブロック500において、複数の弁及び二つのポンプ室8030、8032が、酸又は重炭酸ナトリウムを汲み出し又は定量するために、カセット500内に設置される。いくつかの実施形態において、追加的な定量ポンプ、又はそれよりも少ない定量ポンプが設けられる。定量ポンプ8030、8032は、いかなる所望の大きさであってもよいが、いくつかの実施形態において、ポンプは異なる大きさを有してもよく、他の実施形態において、ポンプが互いに同一の大きさを有してもよい。例えば、一実施形態において、酸ポンプが重炭酸ナトリウムポンプよりも小さい。これらは、高濃度の酸を用いる場合にさらに効率的且つ効果的であるが、これは、正確性のために、さらに小さいポンプを用いることが好ましいからであり、また、制御において、部分的な行程よりも全体行程を用いるために、さらに小さなポンプを含む制御戦略が好ましいからである。
【0230】
導管1200、1300は、逆止め弁を含む。この導管1200、1300は、一方向流動を許容する。例示的な実施形態において、この導管1200、1300はすべて、ドレンで連結される。図1500Aの流動経路配線図を参照すると、これらの逆止め弁導管の位置が明らかに分かる。図示の実施形態において、ドレンのためのすべての流体は、混合カセット500を通じて流動する。さらに図800Bを参照すると、流体ドレンポート8006が、カセット500の流体側部上に位置される。
【0231】
一旦、透析液が混合され、その透析液がセンサカセット(図1500Bの「1504」)に流動し、また、透析液が設定されたパラメータ/限界値を外れたものと決定されると、透析液がプレイン導管1400を通じて、混合カセット500にさらに汲み出され、次いで、外側透析液カセット600に汲み出され、さらに逆止め弁導管1200を通じて、また混合カセット500を通じて、ドレン流体排出口に汲み出される。
【0232】
図800D及び図800Eを参照すると、数個のポッド502、504、506、602、604、702、704、706、708が示されている。それぞれのポッドハウジングが同一に構成されているが、ポッドがポッドポンプ502、504、602、604、702、704、バランス室ポッド706、708、又は混合室ポッド504であるかどうかに応じて、ポッドハウジングの内部が異なってくる。
【0233】
図1500A及び図1500Bと共に、図800D及び図800Eを参照すると、様々なポッドが、流体流動経路内に、またカセットシステム上に示されている。ポッド502は、ウォータポッドポンプであり、ポッド504は、混合カセット500の重炭酸ナトリウムウォータポッドポンプ(重炭酸ナトリウムに水を送る)である。ポッド506は、混合室である。透析液が混合室506内で混合され、次いで混合カセット500からセンサカセット1504へ流動し、また透析液の品質が収容可能なものと決定されると、その透析液は、混合カセット透析液タンクの排出口から透析液タンク1502に流動する。しかし、若し、透析液が収容不可能なものとみなされると、その流体は、カセット500に再度汲み出され、次いで導管1400を通じて、外側透析液カセット600に汲み出され、次いで、逆止め弁導管1200を通じて、また混合カセット500を通じて、ドレン排出口の外部に汲み出される。
【0234】
図1500A及び図1500Bと共に図800A乃至図800Cを参照すると、外側透析液カセット600が、混合カセット500と内側透析液カセット700との間に示されている。ポッドポンプ602、604は、透析液を透析液タンク1502から汲み出し、内側透析液カセット700内のバランス室706、708に送る(透析液溶液に対する駆動力)。外側透析液カセット600は、透析液を透析液カセット内に押し出す(すなわち、内側透析液カセット700内のポンプは、透析液を引っ張らない)。これにより、外側透析液カセット600から、透析液が透析液タンク1502から、ヒータ1506を通じて、また限外ろ過フィルタ1508を通じて、内側透析液カセット700に汲み出す。
【0235】
図1500A及び図1500Bと共に、図800D及び図800Eを参照すると、内側透析液カセット700が、定量ポッド8038(すなわち、限界ろ過定量ポッド)を含み、また、バランスポッド706、708、及びポッドポンプ702、704を含む。また、内側透析液カセット700は、流体排出口及び流入口を含む。これらの流入口及び排出口は、透析器1510への排出口、透析器1510からの流入口、及び透析液流入口を含む(限外ろ過フィルタ1508は、内側透析液カセットのポットに連結される)。また、流体流入口及び排出口が、プライミング(呼び水)及び殺菌中にDCA及びDCV連結のために設けられてもよい。数個の導管1200、1300、1400が、カセット500、600、700間の流体連通部としての役割をし、また、透析液流体流動のために用いられ、また混合カセット500を通じてドレンをするために、流体が通過しなければならないものとして用いられる。最大の逆止め弁1300(図1300にも示されている)が最大の逆止め弁であり、これは、殺菌中に用いられる。好適な実施形態において、このチューブは、殺菌中に導管を通じて流動する血栓及びその他の汚染物質を収容可能に大きなサイズを含む。
【0236】
例示的な実施形態において、カセットシステムの弁及びポンプは、空圧式で作動する。空圧装置は、個別的なチューブを通じてカセットに取り付けられる。これにより、各ポンプ、バランスポッド、又は弁は、空圧作動マニホールド(図示せず)への個別的なチューブ連結部を含む。図1600A乃至図1600Fを参照すると、例示的な実施形態において、チューブは、少なくとも1つのブロック1600に連結される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのブロックを用いて数個のチューブを連結する。ブロック1600がマニホールド内に結合され、空圧作動機に適切に連結される。これにより、空圧管をマニホールドに容易に連結することができる。
【0237】
図800Dを参照すると、カセットシステムは、一実施形態において、システムを一緒にホールドするためのスプリング8034を含む。このスプリング8034は、キャッチ8036を通じて、混合カセット500及び内側透析液カセット700にフック連結される。しかし、他の実施形態において、システムを適切な配向状態に維持するための他の手段又は装置が用いられ、これに対する非制限的な例を挙げると、ラッチ手段又は弾性手段が含まれる。いま、図900A乃至図900Cを参照すると、ポッドの例示的な実施形態が示されている。ポッドは、二つの流体ポート902、904(流入口及び排出口)を含み、そのポッドは、いくつかの実施形態において様々に構成され得る。いくつかの構成例が2007年4月13日付で出願され、本明細書に全体を参照として含む「Fluid Pumping Systems, Devices and Methods(E78」と題される米国特許出願第11/787,212号明細書に開示されている。
【0238】
いま、図900A、図900D、及び図900Eを参照すると、室内の溝906が示されている。水906は、ポッドハウジングのそれぞれの折半部上に設けられる。他の実施形態において、溝は設けられておらず、いくつかの実施形態において、溝は、ポッドの1つの折半部上にのみ設けられている。
【0239】
図1000A及び図1000Bを参照すると、ポッドポンプ502、504、602、604、702、704で用いられる膜の例示的な実施形態が示されている。この膜は、図5Aと関連して図示し説明した通りである。他の実施形態において、図5B乃至図5Dに示された膜のいずれも利用可能である。例示的な実施形態によるポッドポンプの分解組立図が、図1100に示されている。
【0240】
好適な実施形態において、バランス室ポッド706、708内に用いられた膜が、図6A乃至図6Gと関連して図示され説明されている。混合室ポッド504は、例示的な実施形態において、膜を有していない。しかし、例示的な実施形態において、混合室ポッド504が、混合室を封止するためにOリングを含む。
【0241】
例示的な実施形態において、膜弁膜が図2Eに示されているが、図2F及び図2Gに示された代替的な実施形態も利用可能である。例示的な実施形態において、定量ポンプは、図5E乃至図5Hに示された膜のいずれも利用可能である。
【0242】
本願明細書において本願発明の原理を説明しているが、いわゆる当業者であれば、この説明が単に例に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではないことが理解されるだろう。図示され説明された例示的な実施形態に加えて、本発明の範囲内でも他の実施形態が可能である。いわゆる当業者による改良及び代替もまた、本願発明の範囲内で行われ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンピングカセットであって、
少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングと、
前記ハウジング内に位置され、前記流体経路と流体連通されることにより、第1流体の量と第2流体の量が同一になるように、第1流体の流動と第2流体の流動のバランスを取る少なくとも1つのバランスポッドであって、二つのバランス室を形成する膜を含む、前記バランスポッドと、
前記ハウジング内で、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプであって、前記圧力ポンプが流体流入口から流体排出口ラインへと流体を汲み出し、且つ、流体流入口から流体排出口まで前記第2流体を汲み出す、前記少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプと
を備える、ポンピングカセット。
【請求項2】
前記往復運動型圧力変位ポンプが、
曲線状の硬質な室壁と、
前記硬質な室壁に付着された可撓性膜と
を含み、前記可撓性膜及び硬質な室壁がポンプ室を画定する、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項3】
前記ハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
をさらに備える、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項4】
流路に流体連通される前記ハウジング内の定量ポンプをさらに備え、前記定量ポンプが、所定の量の流体を汲み出す、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項5】
前記圧力ポンプ及び前記定量ポンプは、空圧式で作動されるポンプである、請求項4に記載のポンピングカセット。
【請求項6】
流路に流体連通される前記ハウジング内の定量ポンプをさらに備え、前記定量ポンプは、前記流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出し、且つ、前記定量ポンプが膜ポンプである、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項7】
少なくとも1つの流体弁をさらに備える、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項8】
前記カセットが少なくとも2つの流体弁を含み、前記少なくとも2つの流体弁が1つの空圧弁によって作動される、請求項7に記載のポンピングカセット。
【請求項9】
ポンプカセットであって、
少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含むハウジングと、
前記ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位ポンプであって、前記圧力ポンプは、少なくとも1つの流体を前記流体流入口ラインから前記流体排出口ラインの少なくとも1つへと汲み出す、前記少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプと、
前記流体排出口ラインに流体連通される前記ハウジング内の少なくとも1つの混合室と
を備えるポンプカセット。
【請求項10】
前記往復運動型圧力変位ポンプが、
曲線状の硬質な室壁と、
前記硬質な室壁に付着した可撓性膜と
を備え、前記可撓性膜及び硬質な室壁がポンプ室を画定する、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項11】
前記カセットハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
を含む、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項12】
少なくとも1つの弁をさらに備える、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの弁が膜を含む弁ハウジングを含み、前記膜が前記ハウジングを二つの室に分割する、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項14】
前記混合室が、少なくとも1つの流体流入口と少なくとも1つの流体排出口とを有する曲線状の硬質な室壁を含む、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項15】
前記ハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに備え、前記定量ポンプは、前記ハウジング上の前記混合室と定量ポンプ流路とに流体連通され、前記定量ポンプ流路は、少なくとも1つの流体流入口ラインの少なくとも1つに流体連通される、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項16】
前記定量ポンプ流路が、第2流体流入口ラインに連結される、請求項15に記載のポンプカセット。
【請求項17】
ポンピングカセットであって、
少なくとも1つの流体ポートと少なくとも1つの通気口とを含むハウジングであって、前記通気口が前記ハウジングの外部に流体ソースを排出する、前記ハウジングと、
前記ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプと
を備え、前記ポンプが流体を汲み出す、ポンピングカセット。
【請求項18】
前記往復運動型圧力変位ポンプが、
曲線状の硬質な室壁と、
前記硬質な室壁に付着された可撓性膜と
を含み、前記可撓性膜及び硬質な室壁がポンプ室を画定する、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項19】
前記カセットハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
を含む、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項20】
少なくとも1つの弁をさらに含む、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項21】
前記弁が、膜弁である、請求項20に記載のポンピングカセット。
【請求項22】
前記少なくとも1つの弁が膜を含む弁ハウジングを含み、前記膜が前記ハウジングを二つの室に分割する、請求項21に記載のポンピングカセット。
【請求項23】
前記二つの室の1つが作動室であり、前記二つの室の1つが流体ポンプ室である、請求項22に記載のポンピングカセット。
【請求項24】
前記作動室が少なくとも1つの開口を有し、前記流体ポンプ室が少なくとも1つの開口を有する、請求項23に記載のポンピングカセット。
【請求項25】
前記作動室が、二つの開口を含む、請求項24に記載のポンピングカセット。
【請求項26】
前記弁が、火山形状弁である、請求項25に記載のポンピングカセット。
【請求項27】
前記流体ポンプ室が、実質的に滑らかな表面を含む、請求項26に記載のポンピングカセット。
【請求項28】
前記弁が、逆止め弁である、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項29】
カセット統合型システムであって、
混合カセットと、
バランスカセットと、
前記混合カセット及び前記バランスカセットに流体連通された中間カセットと、
少なくとも1つのポッドと
を備え、前記混合カセットは、少なくとも1つの流路によって、前記中間カセットに流体連通され、前記中間カセットは、少なくとも1つの流路によって、前記バランスカセットに流体連通され、これにより、前記少なくとも1つのポッドのそれぞれが、前記カセットの少なくとも2つのカセットに連結され、前記ポッドが前記カセット間の領域に配置される、カセット統合型システム。
【請求項30】
前記カセットハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
を含む、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項31】
前記ポッドが、少なくとも1つの流体流入口と少なくとも1つの流体排出口とを有する曲線状の硬質な室壁を含む、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項32】
前記混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットが、少なくとも1つの弁をさらに備える、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項33】
前記少なくとも1つの弁が、膜弁である、請求項32に記載のカセット統合型システム。
【請求項34】
前記カセットに連結される流路の少なくとも1つが、硬質の中空型円筒状構造物である、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項35】
前記カセットを連結する流路の少なくとも1つが、前記円筒状構造物内に逆止め弁を含む、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項36】
前記混合カセットは、前記混合カセットハウジング内で、少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに備え、前記混合室は、前記流体排出口ラインに流体連通、される請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項37】
前記バランスカセットは、前記ハウジング内に位置され、流路に流体連通される少なくとも1つの定量ポンプをさらに備え、前記流体が、前記バランス室を迂回するように、前記定量ポンプは、所定の量の流体を汲み出し、前記定量ポンプが膜ポンプである、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項1】
ポンピングカセットであって、
少なくとも2つの流入口流路及び少なくとも2つの排出口流路を含むハウジングと、
前記ハウジング内に位置され、前記流体経路と流体連通されることにより、第1流体の量と第2流体の量が同一になるように、第1流体の流動と第2流体の流動のバランスを取る少なくとも1つのバランスポッドであって、二つのバランス室を形成する膜を含む、前記バランスポッドと、
前記ハウジング内で、少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプであって、前記圧力ポンプが流体流入口から流体排出口ラインへと流体を汲み出し、且つ、流体流入口から流体排出口まで前記第2流体を汲み出す、前記少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプと
を備える、ポンピングカセット。
【請求項2】
前記往復運動型圧力変位ポンプが、
曲線状の硬質な室壁と、
前記硬質な室壁に付着された可撓性膜と
を含み、前記可撓性膜及び硬質な室壁がポンプ室を画定する、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項3】
前記ハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
をさらに備える、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項4】
流路に流体連通される前記ハウジング内の定量ポンプをさらに備え、前記定量ポンプが、所定の量の流体を汲み出す、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項5】
前記圧力ポンプ及び前記定量ポンプは、空圧式で作動されるポンプである、請求項4に記載のポンピングカセット。
【請求項6】
流路に流体連通される前記ハウジング内の定量ポンプをさらに備え、前記定量ポンプは、前記流体がバランス室を迂回するように、所定の量の流体を汲み出し、且つ、前記定量ポンプが膜ポンプである、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項7】
少なくとも1つの流体弁をさらに備える、請求項1に記載のポンピングカセット。
【請求項8】
前記カセットが少なくとも2つの流体弁を含み、前記少なくとも2つの流体弁が1つの空圧弁によって作動される、請求項7に記載のポンピングカセット。
【請求項9】
ポンプカセットであって、
少なくとも1つの流体流入口ライン及び少なくとも1つの流体排出口ラインを含むハウジングと、
前記ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位ポンプであって、前記圧力ポンプは、少なくとも1つの流体を前記流体流入口ラインから前記流体排出口ラインの少なくとも1つへと汲み出す、前記少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプと、
前記流体排出口ラインに流体連通される前記ハウジング内の少なくとも1つの混合室と
を備えるポンプカセット。
【請求項10】
前記往復運動型圧力変位ポンプが、
曲線状の硬質な室壁と、
前記硬質な室壁に付着した可撓性膜と
を備え、前記可撓性膜及び硬質な室壁がポンプ室を画定する、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項11】
前記カセットハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
を含む、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項12】
少なくとも1つの弁をさらに備える、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの弁が膜を含む弁ハウジングを含み、前記膜が前記ハウジングを二つの室に分割する、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項14】
前記混合室が、少なくとも1つの流体流入口と少なくとも1つの流体排出口とを有する曲線状の硬質な室壁を含む、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項15】
前記ハウジング内の少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに備え、前記定量ポンプは、前記ハウジング上の前記混合室と定量ポンプ流路とに流体連通され、前記定量ポンプ流路は、少なくとも1つの流体流入口ラインの少なくとも1つに流体連通される、請求項9に記載のポンプカセット。
【請求項16】
前記定量ポンプ流路が、第2流体流入口ラインに連結される、請求項15に記載のポンプカセット。
【請求項17】
ポンピングカセットであって、
少なくとも1つの流体ポートと少なくとも1つの通気口とを含むハウジングであって、前記通気口が前記ハウジングの外部に流体ソースを排出する、前記ハウジングと、
前記ハウジング内の少なくとも1つの往復運動型圧力変位膜ポンプと
を備え、前記ポンプが流体を汲み出す、ポンピングカセット。
【請求項18】
前記往復運動型圧力変位ポンプが、
曲線状の硬質な室壁と、
前記硬質な室壁に付着された可撓性膜と
を含み、前記可撓性膜及び硬質な室壁がポンプ室を画定する、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項19】
前記カセットハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
を含む、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項20】
少なくとも1つの弁をさらに含む、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項21】
前記弁が、膜弁である、請求項20に記載のポンピングカセット。
【請求項22】
前記少なくとも1つの弁が膜を含む弁ハウジングを含み、前記膜が前記ハウジングを二つの室に分割する、請求項21に記載のポンピングカセット。
【請求項23】
前記二つの室の1つが作動室であり、前記二つの室の1つが流体ポンプ室である、請求項22に記載のポンピングカセット。
【請求項24】
前記作動室が少なくとも1つの開口を有し、前記流体ポンプ室が少なくとも1つの開口を有する、請求項23に記載のポンピングカセット。
【請求項25】
前記作動室が、二つの開口を含む、請求項24に記載のポンピングカセット。
【請求項26】
前記弁が、火山形状弁である、請求項25に記載のポンピングカセット。
【請求項27】
前記流体ポンプ室が、実質的に滑らかな表面を含む、請求項26に記載のポンピングカセット。
【請求項28】
前記弁が、逆止め弁である、請求項17に記載のポンピングカセット。
【請求項29】
カセット統合型システムであって、
混合カセットと、
バランスカセットと、
前記混合カセット及び前記バランスカセットに流体連通された中間カセットと、
少なくとも1つのポッドと
を備え、前記混合カセットは、少なくとも1つの流路によって、前記中間カセットに流体連通され、前記中間カセットは、少なくとも1つの流路によって、前記バランスカセットに流体連通され、これにより、前記少なくとも1つのポッドのそれぞれが、前記カセットの少なくとも2つのカセットに連結され、前記ポッドが前記カセット間の領域に配置される、カセット統合型システム。
【請求項30】
前記カセットハウジングが、
天板と、
中板と、
低板と
を含む、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項31】
前記ポッドが、少なくとも1つの流体流入口と少なくとも1つの流体排出口とを有する曲線状の硬質な室壁を含む、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項32】
前記混合カセット、中間カセット、及びバランスカセットが、少なくとも1つの弁をさらに備える、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項33】
前記少なくとも1つの弁が、膜弁である、請求項32に記載のカセット統合型システム。
【請求項34】
前記カセットに連結される流路の少なくとも1つが、硬質の中空型円筒状構造物である、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項35】
前記カセットを連結する流路の少なくとも1つが、前記円筒状構造物内に逆止め弁を含む、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項36】
前記混合カセットは、前記混合カセットハウジング内で、少なくとも1つの定量膜ポンプをさらに備え、前記混合室は、前記流体排出口ラインに流体連通、される請求項29に記載のカセット統合型システム。
【請求項37】
前記バランスカセットは、前記ハウジング内に位置され、流路に流体連通される少なくとも1つの定量ポンプをさらに備え、前記流体が、前記バランス室を迂回するように、前記定量ポンプは、所定の量の流体を汲み出し、前記定量ポンプが膜ポンプである、請求項29に記載のカセット統合型システム。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図38A】
【図38B】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図39D】
【図39E】
【図310A】
【図310B】
【図310C】
【図310D】
【図310E】
【図311A】
【図311B】
【図311C】
【図311D】
【図311E】
【図312A】
【図312B】
【図312C】
【図312D】
【図313】
【図314A】
【図314B】
【図314C】
【図314D】
【図314E】
【図315】
【図316A】
【図316B】
【図316C】
【図316D】
【図316E】
【図317】
【図318A】
【図318B】
【図318C】
【図318D】
【図318E】
【図319A】
【図319B】
【図319C】
【図319D】
【図320A】
【図320B】
【図321A−321B】
【図321C】
【図321D】
【図48A】
【図48B】
【図49A】
【図49B】
【図49C】
【図49D】
【図410A】
【図410B】
【図410C】
【図410D】
【図410E】
【図411A】
【図411B】
【図411C】
【図411D】
【図411E】
【図412A】
【図412B】
【図412C】
【図412D】
【図413A】
【図413B】
【図413C】
【図414A】
【図414B】
【図414C】
【図414D】
【図414E】
【図415A】
【図415B】
【図415C】
【図415D】
【図415E】
【図416A】
【図416B】
【図416C】
【図416D】
【図416E】
【図417A】
【図417B】
【図417C】
【図417D】
【図417E】
【図418A】
【図418B】
【図418C】
【図418D】
【図418E】
【図419A】
【図419B】
【図419C】
【図419D】
【図419E】
【図420A】
【図420B】
【図420C】
【図420D】
【図420E】
【図421A】
【図421B】
【図421C】
【図421D】
【図422A】
【図422B】
【図500A】
【図500B】
【図600A】
【図600B】
【図700A】
【図700B】
【図800A】
【図800B】
【図800C】
【図800D】
【図800E】
【図900A】
【図900B】
【図900C】
【図900D】
【図900E】
【図1000A】
【図1000B】
【図1100】
【図1200】
【図1300】
【図1400】
【図1500A】
【図1500B】
【図1600A】
【図1600B】
【図1600C】
【図1600D】
【図1600E】
【図1600F】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図38A】
【図38B】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図39D】
【図39E】
【図310A】
【図310B】
【図310C】
【図310D】
【図310E】
【図311A】
【図311B】
【図311C】
【図311D】
【図311E】
【図312A】
【図312B】
【図312C】
【図312D】
【図313】
【図314A】
【図314B】
【図314C】
【図314D】
【図314E】
【図315】
【図316A】
【図316B】
【図316C】
【図316D】
【図316E】
【図317】
【図318A】
【図318B】
【図318C】
【図318D】
【図318E】
【図319A】
【図319B】
【図319C】
【図319D】
【図320A】
【図320B】
【図321A−321B】
【図321C】
【図321D】
【図48A】
【図48B】
【図49A】
【図49B】
【図49C】
【図49D】
【図410A】
【図410B】
【図410C】
【図410D】
【図410E】
【図411A】
【図411B】
【図411C】
【図411D】
【図411E】
【図412A】
【図412B】
【図412C】
【図412D】
【図413A】
【図413B】
【図413C】
【図414A】
【図414B】
【図414C】
【図414D】
【図414E】
【図415A】
【図415B】
【図415C】
【図415D】
【図415E】
【図416A】
【図416B】
【図416C】
【図416D】
【図416E】
【図417A】
【図417B】
【図417C】
【図417D】
【図417E】
【図418A】
【図418B】
【図418C】
【図418D】
【図418E】
【図419A】
【図419B】
【図419C】
【図419D】
【図419E】
【図420A】
【図420B】
【図420C】
【図420D】
【図420E】
【図421A】
【図421B】
【図421C】
【図421D】
【図422A】
【図422B】
【図500A】
【図500B】
【図600A】
【図600B】
【図700A】
【図700B】
【図800A】
【図800B】
【図800C】
【図800D】
【図800E】
【図900A】
【図900B】
【図900C】
【図900D】
【図900E】
【図1000A】
【図1000B】
【図1100】
【図1200】
【図1300】
【図1400】
【図1500A】
【図1500B】
【図1600A】
【図1600B】
【図1600C】
【図1600D】
【図1600E】
【図1600F】
【公表番号】特表2010−519011(P2010−519011A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552957(P2009−552957)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/055168
【国際公開番号】WO2008/106538
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(507247092)デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ (15)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/055168
【国際公開番号】WO2008/106538
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(507247092)デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ (15)
【Fターム(参考)】
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