説明

カドミウム除去能を有する微生物処理による水産軟体動物の内臓の有効利用

【課題】簡易に、安価でカドミウム(Cd)が処理でき、食品を直接処理できるCd除去方法を開発し、水産軟体動物の内臓由来のCdを除去して食品等に有効利用し、廃棄による環境問題の解消や、資源の有効利用を図ることを目的とする。
【解決手段】水産軟体動物の内臓を原料とする液体食品において、水産発酵食品から分離したCd除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去してCd含量を低減させたことを特徴とする水産軟体動物の内臓を原料とする液体食品、当該食品の製造法およびCd除去法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カドミウム除去能を有する微生物処理による水産軟体動物の内臓の有効利用さらに詳しくは、水産発酵食品由来のカドミウム除去能を有する細菌を用いる水産軟体動物の内臓由来のカドミウムを除去し、水産軟体動物の内臓の有効な利用を拡大する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
水産動物中には、きわめて多量の重金属を蓄積する種が存在する。特に、軟体動物はカドミウム(以下、Cdと表示する)を、水産大型魚類や哺乳類では水銀を、海藻類ではヒ素を高濃度に含有している。なかでも、軟体動物(例、イカ類やホタテ貝)の内臓には、Cdが多量に存在するため、その大部分は廃棄されている。例えば、わが国の2003年度のイカの漁獲量は約40万トンで、内臓はその約20%までを占めているが、その大部分は廃棄されている。これらの内臓は、Cdが存在しなければ、タンパク源として利用度も高く、例えば、エキスを濃縮したり、発酵することで調味料に、また、乾燥粉末として餌肥料に利用可能である。このような事情により、環境問題や資源の有効利用の面から水産動物、特に水産軟体動物の内臓由来のCdを除去することが必要となっている。
現在、Cd除去法として、酸処理法や電気透析法が確立されている。しかし、これらの方法は、時間と多大な経費を要し、また、食品には直接利用しがたい。
一方、微生物、特に細菌を使用して重金属を処理することが提案されており、例えば、特許文献1〜3には、マンガン酸化能を有する新規微生物や、それを使用する水処理法が開示されている。また、特許文献4には、キサントモナス(Xanthomonas)属の微生物を使用してホタテ貝廃棄組織のCdを除去することが提案されている。
【特許文献1】特許第3188924号公報
【特許文献2】特許第3321591号公報
【特許文献3】特開2001−224364号公報
【特許文献4】特開平11−77009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、簡易に、安価でCdが処理でき、食品を直接処理できるCd除去方法を開発し、上記のような水産軟体動物の内臓由来のCdを除去して食品等に有効利用し、廃棄による環境問題の解消や、資源の有効利用を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意研究を重ねる間に、水産発酵食品中にCd除去能を有する細菌が存在することを知り、この細菌が水産軟体動物の内臓由来のCd除去に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)水産軟体動物の内臓を原料とする食品において、水産発酵食品から分離したCd除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去してCd含量を低減させたことを特徴とする水産軟体動物の内臓を原料とする食品、
(2)水産軟体動物の内臓がイカの内臓である上記(1)記載の食品、
(3)液体食品である上記(1)記載の食品。
(4)食品が、イカの内臓を自己消化させた後、醤油麹で発酵させた液体調味料である上記(3)記載の食品、
(5)Cd除去能を有する細菌が、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス・エクオルム(Staphylococcus equorum)およびハロバチルス・トルウエペリ(Halobacillus trueperi)から選ばれる1種以上の細菌である上記(1)〜(4)いずれか1項記載の食品、
(6)Cd除去能を有する細菌をpH5〜7にて増殖させる上記(1)〜(5)いずれか1項記載の食品、
(7)水産軟体動物の内臓を原料とする食品の製造に際し、水産発酵食品から分離したCd除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去してCd含量を低減させることを特徴とする水産軟体動物の内臓を原料とする食品の製造法、
(8)水産軟体動物の内臓がイカの内臓である上記(7)記載の食品の製造法、
(9)食品が、液体食品である上記(7)記載の食品の製造法、
(10)食品が、イカの内臓を自己消化させた後、醤油麹で発酵させた液体調味料である上記(9)記載の食品の製造法、
(11)Cd除去能を有する細菌が、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス・エクオルム(Staphylococcus equorum)およびハロバチルス・トルウエペリ(Halobacillus trueperi)から選ばれる1種以上の細菌である上記(7)〜(10)いずれか1項記載の食品の製造法、
(12)細菌をpH5〜7にて増殖させる上記(7)〜(11)いずれか1項記載の食品の製造法、
(13)水産軟体動物の内臓を原料とする食品に、水産発酵食品から分離したCd除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去することを特徴とする水産軟体動物の内臓を原料とする食品からCd除去方法、
(14)水産軟体動物の内臓がイカの内臓である上記(13)記載のCd除去方法、
(15)食品が、液体食品である上記(13)記載のCd除去方法。
(16)食品が、イカの内臓を自己消化させた後、醤油麹で発酵させた発酵調味料である上記(13)記載のCd除去方法、
(17)Cd除去能を有する細菌が、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス・エクオルム(Staphylococcus equorum)およびハロバチルス・トルウエペリ(Halobacillus trueperi)から選ばれる1種以上の細菌である上記(13)〜(16)いずれか1項記載のCd除去方法、
(18)細菌をpH5〜7にて増殖させる上記(13)〜(17)いずれか1項記載のCd除去方法、
(19)水産軟体動物の内臓の酸処理液、キレート処理液または内臓エキスに、水産発酵食品から分離したCd除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去することを特徴とすることを特徴とする該処理液または内臓エキスからのCd除去方法、
(20)水産軟体動物の内臓がイカの内臓である上記(19)記載のCd除去方法、
(21)Cd除去能を有する細菌が、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス・エクオルム(Staphylococcus equorum)およびハロバチルス・トルウエペリ(Halobacillus trueperi)から選ばれる1種以上の細菌である上記(19)記載のCd除去方法、
(22)pH5〜7にて増殖させる上記(19)〜(21)いずれか1項記載のCd除去方法、
(23)所定量のCdを含有するトリプチカーゼ・ソイ・ブロス(Trypticase-Soy-Broth:TSB)培地で試料を培養後、菌体から培地を分離し、培地中のCd量を測定し、Cd量の減少を示した試料からの菌体を収集することを特徴とする水産軟体動物の内臓由来のCd除去能を有する細菌のスクリーニング方法、
(24)食塩濃度15重量%、pH5〜7にて35℃で培養を行う上記(23)記載のスクリーニング方法などを提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
今回見出した細菌は、従来から摂食に供されている食品中より分離された細菌であり、安全上、特に問題はなく、直接食品に添加するだけで、その増殖に伴ってCdを菌体に取り込み、沈殿することから、遠心分離または濾過すること等でCdを除去できる優れた能力を有している。また、塩分濃度の適用性も広いことから、直接食品に接種することで安い費用でCdが除去可能である。ただし、食品は液体として存在し、Cdがイオン化された状態のものに有効であることから、魚醤油中や軟体動物のエキス中の除去に適している。しかし、固形物においても酸処理やキレート処理を加えてCdを溶出させれば、残った固形物は利用でき、溶出液の処理にも最適である。
また、細菌を食品に直接接種してCdを除去することができるところから、食品添加物として利用でき、調味料や濃縮エキス等に含有されるCdを簡単に除去できる。これにより、これまで未利用ないし低利用の水産廃棄物が有効利用でき、かつ廃棄による環境問題などの解決にも貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(1)水産軟体動物の内臓を原料とする食品
本発明の水産軟体動物の内臓としては、特に限定するものではないが、イカやホタテ貝の内臓が挙げられ、その消費量からしてイカの内臓が好適である。また、それを原料とする食品も特に限定するものではないが、本願のCd除去にはCdがイオン化された液体状態が適しているところから、液体食品が好適であり、イカ内臓の発酵調味料が好ましい。
【0008】
イカ内臓の発酵調味料は、公知の方法で製造でき、例えば、塩辛の製造と同様にして、イカの内臓を自己消化させた後、加熱して油分を分離(煮取り)し、得られた水性エキス分および内臓残渣の混合物に、適宜の量の醤油麹(Aspergillus oryzae、Aspergillus sojae)、食塩、水を添加して発酵させて得られる。発酵条件は特に限定するものではなく、例えば、5〜20重量%の食塩の存在下、常温で1ヶ月以上発酵させる。得られた発酵醪(諸味)は、固液分離して、魚醤油または魚醤(魚味噌)様の調味料とする。
Cdは魚醤油様の調味料に溶出しているので、この魚醤油様調味料に本発明のCd除去処理を行う。
【0009】
(2)水産発酵食品から分離したカドミウム除去能を有する細菌
本発明者らは、以下の実験方法により、種々の試料を使用してカドミウム除去能を有する細菌のスクリーニングを行った。
培地:塩分濃度15重量%に調整した10ppmのCdを含有するTSB培地。
培養条件:35℃で48時間培養した。
Cd測定:菌体を遠心分離にて除去し、培地中のCdを原子吸光法により測定した。
菌の同定:16SrRNA遺伝子塩基配列の解析により行った。
土壌、池の水、河川水、海水、イカ内臓等を試料とし、各試料を培養して菌体を増殖させた後、培地から菌体を分離し、培地中のCd量を測定した。Cd量の減少を示した試料からの菌体を再度、同様に培養し、Cdの減少を確認して、各菌体の同定を行った。
その結果、水産発酵食品であるシオマネキの塩辛の一種(がん漬)およびアキアミの塩辛から、Cd除去能を有する菌株が数株スクリーニングできた。
【0010】
これらの菌株を同定したところ、いずれも公知の細菌で、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス・エクオルム(Staphylococcus equorum)およびハロバチルス・トルウエペリ(Halobacillus trueperi)であることが判明した。
これらの菌株は、35℃で、pH5〜12、食塩濃度0〜15重量%、好ましくは7.5〜15重量%の範囲で増殖したが、Cd除去能は、35℃付近の温度のみで、pH5〜7、好ましくはpH6〜7でのみ観察される。また、アキアミからの菌株は塩分がなくてもCd除去能を示したが、「がん漬」からの菌株は高塩分濃度、例えば、塩分15重量%の場合のみCd除去能を示した。
【0011】
このうち、代表的なハロバチルス・トルウエペリおよびスタフィロコッカス・キシロサスは、平成18年8月1日から、茨城県つくば市東1−1−1つくばセンター中央弟6の独立行政法人 産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターに受領番号FERM AP−20976およびFERM AP−20977の下で寄託してある。
【0012】
(3)Cdの除去
本発明においては、上記の菌株、またはその培養物、処理物、例えば、乾燥粉末等を食品に添加して、培養することによりCdの除去を行う。
Cdの除去は、菌株等を添加後、35℃付近の温度、pH5〜7で、適宜の食塩濃度、例えば7.5〜15重量%の食塩濃度で適宜攪拌して、例えば、24〜48時間培養することにより行う。
培養後は、遠心分離、濾過等により、増殖した菌体を除去すればよい。Cdが菌体と共に除去されるため、これら菌株のCd除去機構は菌体への吸着であると考えられる。
【0013】
また、この方法は、水産軟体動物の内臓を、公知の酸処理に付したり、キレート溶液で処理してCdを除去した後の酸処理液、キレート処理液または水産軟体動物の内臓エキス中のCd除去にも、同様に適用できる。処理した内臓自体は、Cdを含まない、またはCd低減した原料として食品の製造に利用できる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例中のCdは、原子吸光フレーム分光光度計(島津AA−660)を用いて228.8nmの波長で測定した。
【実施例1】
【0014】
(1)Cd除去能を有する細菌のスクリーニング
アキアミを原料とした発酵食品(アミツケ)およびシオマネキを原料とした発酵食品(真かに漬)を試料とし、10ppmCd含有TSB培地を使用し、35℃、食塩濃度15重量%で48時間培養して菌体を増殖さたせた。得られた菌体を培地から分離し、培地中のCdを減少した菌体をCd除去能を有する菌体とし、16SrRNA遺伝子塩基配列解析により同定した。
その結果、アキアミを原料とした発酵食品からスタフィロコッカス・エピダーミディス3株(以下、A1〜3と称する)、スタフィロコッカス・キシロサス2株(以下、A4および5と称する)、シオマネキを原料として発酵食品からハロバチルス・トルウエペリ2株(以下、S1および2と称する)、スタフィロコッカス・エクオルム1株(以下、S3と称する)が分離、同定された。
分離した菌株を、10ppmCd含有TSB培地で、35℃において、食塩濃度15重量%、pH6〜7で培養した場合のCd除去効果を図1および図2に示す。Cd残存率は、次式から算出した。
【数1】

【0015】
(2)Cd除去効果に対するpHの影響
10ppmCd含有TSB培地を使用し、35℃、食塩濃度15重量%にて、種々のpHで上記(1)で分離した細菌を培養し、Cd除去効果に対するpHの影響を調べた。
結果を図3および図4に示す。いずれの菌株も、pH5〜7の範囲でCd除去能を示した。
【0016】
(3)Cd除去効果に対する培養温度および塩分濃度の影響
10ppmCd含有TSB培地を使用し、食塩濃度0〜15重量%、培養温度4〜35℃の範囲、pH6〜7で上記(1)で分離した細菌を培養し、Cd除去効果に対する培養温度、塩分濃度の影響を調べた。
結果を図5および図6に示す。いずれの菌株も、培養温度35℃でのみCd除去効果を示した。また、塩分濃度15重量%ではいずれの菌株もCd除去効果を示したが、シオマネキを原料とした発酵食品からの菌株は塩分濃度が15重量%の場合のみCd除去効果を示した。
いずれの菌株も、至適条件におけるCd除去率は24時間培養で約80%、48時間培養で約90%であった。
【実施例2】
【0017】
調味料からのCd除去(1)
イカ内臓の自己消化物を加熱して油分および水性エキス分を分離した内臓残渣に、残渣と同量の水または分離したエキス分を混合し、20重量%の醤油麹および終濃度15重量%の食塩を加え、3ヶ月間常温で発酵させて発酵調味料(pH5)を調製した。
この調味料のCd含量が10ppm(水を加えたもの)のものを発酵調味料1、Cd含量が12ppm(水性エキスを加えたもの)のものを発酵調味料2とし、上記の菌株を接種し、35℃で24時間培養してCd除去効果を調べた。
結果を図7に示す。
約80%のCdが除去された。
【実施例3】
【0018】
調味料からのCd除去(2)
実施例2と同様に調製したイカ内臓発酵調味料に上記の菌株を接種し、35℃、pH6〜7、塩分濃度15重量%で24時間培養した結果、菌株接種前のCd量は約10ppmであったのに対し、培養後は約4ppmに減少した。
【産業上の利用可能性】
【0019】
以上記載したごとく、本発明によれば、簡易に安価で、かつ、食品を直接処理できる方法により、水産軟体動物の内臓由来のCdの除去が行え、例えば、40万トンに達する国内需要のあるイカのうち、その約20%にものぼると推定され、これまで大部分が廃棄されている内臓の有効利用が可能になり、環境や、食品、餌飼料関係へ大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1でアキアミを原料とした発酵食品から分離した菌株のCd除去効果を示すグラフである。
【図2】実施例1でシオマネキを原料とした発酵食品から分離した菌株のCd除去効果を示すグラフである。
【図3】実施例1でアキアミを原料とした発酵食品から分離した菌株のCd除去効果に対するpHの影響を示すグラフである。
【図4】実施例1でシオマネキを原料とした発酵食品から分離した菌株のCd除去効果に対するpHの影響を示すグラフである。
【図5】実施例1で分離した菌株のCd除去効果に対する塩分濃度15重量%における各温度でのCd除去効果を示すグラフである。
【図6】実施例1で分離した菌株のCd除去効果に対する塩分濃度0重量%における各温度でのCd除去効果を示すグラフである。
【図7】実施例2におけるCd除去効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水産軟体動物の内臓を原料とする食品において、水産発酵食品から分離したカドミウム除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去してカドミウム含量を低減させたことを特徴とする水産軟体動物の内臓を原料とする食品。
【請求項2】
水産軟体動物の内臓がイカの内臓である請求項1記載の食品。
【請求項3】
液体食品である請求項1記載の食品。
【請求項4】
食品が、イカの内臓を自己消化させた後、醤油麹で発酵させた液体調味料である請求項3記載の食品。
【請求項5】
カドミウム除去能を有する細菌が、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス・エクオルム(Staphylococcus equorum)およびハロバチルス・トルウエペリ(Halobacillus trueperi)から選ばれる1種以上の細菌である請求項1〜4いずれか1項記載の食品。
【請求項6】
カドミウム除去能を有する細菌をpH5〜7にて増殖させる請求項1〜5いずれか1項記載の食品。
【請求項7】
水産軟体動物の内臓を原料とする食品の製造に際し、水産発酵食品から分離したカドミウム除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去してカドミウム含量を低減させることを特徴とする水産軟体動物の内臓を原料とする食品の製造法。
【請求項8】
水産軟体動物の内臓を原料とする食品に、水産発酵食品から分離したカドミウム除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去することを特徴とする水産軟体動物の内臓を原料とする食品からのカドミウム除去方法。
【請求項9】
水産軟体動物の内臓の酸処理液、キレート処理液または内臓エキスに、水産発酵食品から分離したカドミウム除去能を有する細菌を添加、増殖させた後、当該細菌を除去することを特徴とすることを特徴とする該処理液または内臓エキスからのカドミウム除去方法。
【請求項10】
所定量のカドミウムを含有するトリプチカーゼ・ソイ・ブロス培地で試料を培養後、菌体から培地を分離し、培地中のカドミウム量を測定し、カドミウム量の減少を示した試料からの菌体を収集することを特徴とする水産軟体動物の内臓由来のカドミウム除去能を有する細菌のスクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−54629(P2008−54629A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237803(P2006−237803)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月30日 社団法人日本水産学会主催の「平成18年度日本水産学会大会」において文書をもって発表。
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【出願人】(501168814)独立行政法人水産総合研究センター (103)
【Fターム(参考)】