説明

カバーテープおよび製造方法

ある物品はあるカバーテープ、基材フィルム層、破断機構及び接着剤を含む。基材フィルム層は、対向する長手方向縁部及び、上面および底面を有する。破断機構は長手方向縁部、上面および底面にほぼ平行である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この申請は2005年9月16日に申請され、同時係属の米国特許出願第11/228,956号の部分継続であり、参照することにより本書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、コンポーネント搬送用のテープに関するものである。
【背景技術】
【0003】
製造のセッティングでは、しばしばコンポーネントを保持したり移動したりする必要がある。例えば、電子回路アセンブリの分野において、電子コンポーネントは、コンポーネントの供給所(supply)から、そこに付着するための回路基板上の特定の位置まで、運ばれることが多い。コンポーネントは、表面実装コンポーネント(surface mount components)を包含するいくつかの様々な種類であり得る。特定の例としては、メモリーチップ、集積回路チップ、抵抗器、コネクタ、プロセッサ、コンデンサ、ゲートアレイ等が挙げられる。米国特許第5,325,654号で開示されているある担体テープ又はカバーテープシステムを使い小さく繊細なコンポーネントを運ぶこともある。
【0004】
エレクトロニック産業は常により小さな装置、より小さなコンポーネントに向って動いており、そのため、これらのコンポーネントを担体テープ又はカバーテープシステムからより繊細で正確に動かすことが要求される。最も知られるカバーテープは感熱性接着剤(HAA)又は感圧性接着剤(PSA)を使い、カバーテープを担体テープに固着する。コンポーネントの取り除きは、最初に注意深く剥がすか、または真空ノズルにコンポーネントを露出するために担体テープからカバーテープを剥離するか、又は、コンポーネントを安全に取り除くためのその他のコンポーネント取り扱い機器を使い行われる。
【特許文献1】米国特許第5,325,654号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既知のカバーテープではいくつかの作業上の困難を伴う。例えば、担体テープからカバーテープを剥がすと「ショック」、即ち、荒く、非均一で不安定な剥がしになる可能性があり、それが小さいコンポーネントをずらしてしまう担体テープやカバーテープの動きの原因になるのである。荒く剥離すると、担体テープのポケットから小さいコンポーネントが外に出てしまい、自動コンポーネント処理装置のミスピッキング、および最終的には稼動停止を引き起こすことも知られている。
【0006】
接着カバーテープの剥離力は、使用されるカバーテープの幅および担体テープのタイプによりかなり異なる。より広い幅のHAAカバーテープでは、確実な接着を得るためにはより高熱が必要となる。同様に、より広い幅のPSAカバーテープはより低い剥離力を持ち、確実な接着力を得るためにはより広い幅の接着面が求められる。加えて、一つのタイプの担体テープ用にデザインされた(例えばポリスチレン)カバーテープは他のタイプの担体物質(例えばポリカーボネート)では良い性能が常に出るか分からない。たとえカバーテープが一応異なるタイプの担体テープと共に機能しても、それが最適な剥離力以下で不均一な剥離である場合もある。更に、HAAカバーテープはまた、剥離力が時間と温度により劣化するため安定性にも欠ける。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、無数の担体テープとうまく機能するカバーテープを提供する。それはカバーテープを担体テープから剥がすとき剥離力が大きな要素ではないためである。
【0008】
本発明の一つの態様では、物品は、対向する長手方向縁部、上面及び底面を有する基材フィルム層を備えるカバーテープ;長手方向縁部に隣接した接着剤;および、長手方向縁部および接着剤の内側とほぼ平行に存在する基材フィルム層の上面及び底面における剥離機構を含む。
【0009】
本発明のもう一つの態様では、カバーテープを作る方法は、対向する長手方向縁部、上面及び底面を有する基材フィルム層を提供すること;長手方向縁部とほぼ平行の基材フィルム層の上面及び底面における剥離機構を形成すること;および長手方向縁部に隣接した剥離機構の外側に接着剤を塗布することを含む。
【0010】
上記の要約は、本発明の開示された各実施形態、またはあらゆる実施を記載するものではない。図面及び以下の詳細な説明は、実例の実施形態をより具体的に例証する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の態様は、カバーテープ、担体テープとカバーテープのシステム、並びにカバーテープを作る方法に関する。本発明に従い、カバーテープは担体テープへの接着が可能であり、保管や移動のためにコンポーネントを保持することが出来る。カバーテープはコンポーネントを保持できる担体テープにあるポケットを覆うことができ、担体テープ内のポケットを露出するためにシステムから分離できる部分を有する。カバーテープ上の剥離機構は、ほぼ安定し均一な分離力でカバーテープ(及びカバーテープに接着された担体テープ)の他の部分からカバーテープの部分を分離させることができ、分離プロセス中に担体テープで保持されたコンポーネントが好ましくない動きをする可能性を抑える。本明細書で使用する時、「破断(tear)」とはテープの部分を全体的に管理して分離することを意味する。更に、本発明に従い、カバーテープの実施形態はカバーテープの長手方向縁部に沿って任意に凹部をつけることができ、カバーテープが保存や適用中に比較的フラットな特性を保つことを助ける。接着剤の位置は通常、カバーテープの端から一般的な間隔を置くことにより、接着剤の汚染や、カバーテープ処理装置のようなその他の表面への好ましくない接着剤の接着を防ぐことを助ける。
【0012】
図1は、担体テープおよびカバーテープシステム内における使用に適したカバーテープ20の横断面の概略図である。カバーテープ20は、対向する長手方向縁部24と26、および対向する上下の面28と30を有する、伸長性フィルム22をそれぞれ含んでいる。フィルム22は、例えばポリエチレンテレフタレート、方向性ポリプロピレンなどのポリマーフィルム(例えば2軸方向性ポリプロピレン)、方向性ポリアミド、方向性ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン及びポリイミドフィルムなどが使用できる。フィルム22は透明でも良い。更に、フィルム22は本質的に導電性又は静電気拡散性となり得る。
【0013】
縦方向にのびる破断機構31と33、及び32と34は、フィルム22の上面28、底面30に接してそれぞれ位置づけられている。破断機構の31/32及び33/34のセットはそれぞれが別に間隔を置かれており、並びにフィルム22の中央部分40はそれらの間で確定される。破断機構32と34は、底面30に接する下部に沿ってほとんどどこにでも位置づけでき、並びに破断機構31と33は、フィルム22の長手方向縁部24と26からそれぞれが間隔をおかれる限り、上面28に沿ってほとんどどこにでも位置づけできる。上部の破断機構31と33は、図1に示されるように、下部の破断機構32と34の内側、又は外側にあっても良い。上部と下部の破断機構は重なり合ってはいけない、即ち、図1に示されるように、フィルム22の中でそれぞれを越えて広がるか、または図3に示されるように重ねても良い。上部と下部の破断機構は同じ長さであっても良いしそうでなくとも良い。一方が他方より短くても良く、例えば、図1に示されるように、下部の破断機構32と34は上部の破断機構31と33より長い。図1に示されるように、破断機構31、32、33及び34は、フィルム22の縦方向に沿って伸びる連続した切込み線である。このような切込み線はフィルム22を切って(例えば、レーザー、ダイカッター、およびブレードを使ったカット)形成することが出来る。或いは、破断機構31、32、33及び34をフィルム22の弱い部分(例えば異なる物質の境界面、薄い箇所、穿孔等)にすることが出来る。
【0014】
トップコーティング42は、所望によりフィルム22の上面28に沿って提供される。トップコーティング42は、静電気拡散性(SD)コーティング、LAB(即ち、接着剤剥離コーティング)、反射又はまぶしさ防止コーティング、および他のコーティングやその組み合わせを含むことができる。フィルム22の底面30に沿って底面コーティング44が所望により提供される。このコーティングは静電気拡散性(SD)コーティング、その他のタイプのコーティングでもよく、フィルム22と少なくとも一部混合したものでも良い。縦方向につけられた接着剤の帯46と48は、底面30の外側の端に提供される。接着剤の帯46と48は、例えば、感圧性接着剤(PSA)、感熱性又はマイクロカプセル接着剤で良い。
【0015】
図2に示される実施形態は、任意の凹部36と38を有する。凹部36と38は、フィルム22の長手方向縁部のそれぞれ24と26の部分に置かれる。凹部36と38はフィルム22の下部表面30および長手方向縁部24と26にそれぞれオープンに面している。下部50および側部52は、凹部36と38をそれぞれ確定する。接着剤の帯46と48は、凹部36と38の下部50にそれぞれ配置することが出来る。凹部36と38の下部50は、接着剤ストライプ46および48をフィルム22へよりよく接着するためにマイクロテクスチャー(図1には示されていない)を有することが出来る。凹部36と38がフィルム22の隣接する伸長縁24と26、およびフィルム22の底面30にオープンに面している限りは、他の凹部の形を使用できることを認識する必要がある。凹部36と38を持つフィルム22は、凹部、押出成形、カレンダー、マイクロ複製、レーザー切除、超音波、ダイカット化学エッチング及び除去のような処理を使って形成できる。
【0016】
破断機構31と33、及び32と34は、フィルム22の上面28、および底面30に相対してそれぞれ位置しており、並びに側部52の凹部36と38に隣接して置かれることができる。
【0017】
ある態様では、例の形でこれには限定されないが、カバーテープ20は次の寸法を持つことが可能である。フィルム22の全体の幅WO(伸長縁24と26の間を測定)が約2.54cm(1インチ)であるフィルム22の厚さTが、約0.0254mm(2ミル)である(フィルム22の中心部40のもっとも厚い部分を測定)。凹部36と38それぞれ、幅WRが約1mm(0.0393701インチ)および深さDRが約0.0127mm(0.5ミル)である。破断機構32と34について、それぞれ切込み線の深さDTが約0.0381mm(1.5ミル)以下である(フィルム22の底面30から測定)。破断機構31および33はそれぞれ、破断機構32および34のすぐ上部に置かれ、その深さは0.04mm(1.5ミル)以下である。カバーテープ20の寸法は、希望により変えられることは認識すべきである。例えば、フィルム22の中央部40の幅は、カバーテープ20が使われる担体テープのポケットと少なくとも同じ幅となるよう選ぶことが出来る。
【0018】
図3は、カバーテープ20の更なる実施形態の横断面の概略図である。上部の破断機構31と33は、下部の破断機構32と34に対して内側にある。上部と下部の破断機構は、重なっている、即ち、フィルム22の内部でそれぞれ他よりも伸びている。上部の破断機構31と33は、下部の破断機構32と34よりも長い。
【0019】
図4は、カバーテープ100の更なる実施形態の横断面の概略図である。カバーテープ100は全体的にカバーテープ20に似ているが、フィルム22は第一物質104、および第二物質106を含む。カバーテープ100と共に、第二物質106は、伸長縁24又は26から物質境界面108まで広がる。フィルム22の中央部分40は、物質境界面108の間に規定されている。物質境界面108は、第一物質104又は第二物質106どちらか一方の内部接着力、又は凝集力より弱い接着又は結合力を示している。物質境界面108の相対的弱さは、一貫した均一の破断を実質的に促進する。すなわち、物質境界面108における第一の物質104と第二の物質106の分離である。このように、物質境界面108は破断機構を形成できる。物質境界面108により形成される単一破断機構は、上部と下部の破断機構の一セットに似ている。例えば、本発明の他の実施形態内の31と32である。両方の例で、フィルム22の上面および底面の破断機構がある。
【0020】
第一物質104及び第二物質106は、上記図1と2で述べられている物質と同一のタイプから一般的に選ぶことが出来る。いくつかの実施形態では第一物質104は第二物質106より弱くても良い、又はその逆である。換言すれば、一方の物質は他方より内部凝集力又は接着特性が弱くても良いということである。更に、フィルム22の中央部分40は透明でもよく、テープの外側では必要ではないが、視覚的に高い透明度があればよい。
【0021】
カバーテープ100のフィルム22は、共押出成形および特性押出し成形のようなプロセスを使い加工できる。共押出成形では、第一物質と第二物質の104と106が、共に望ましい設定に成形される。特性押出成形では、第一物質と第二物質の104と106が個別に求められる形に成形され、初期の個別成形プロセスの後にまだ溶けているうちに結合される。加工では第一物質と第二物質の104と106が境界面(例えば図4における境界面108)でわずかに混ざる可能性がある。この態様では、破断機構に切込みは必要とされない。
【0022】
図5は、カバーテープ102のもう一つの実施形態の横断面の概略図である。カバーテープ102は、全体的にカバーテープ100に似ており、任意で凹部36と38を有する。フィルム22は第一物質104と第二物質106を含む。カバーテープ102で、第二物質106は、凹部36と38の側部52の近くに置かれた伸長バンド110と112内に配置され、第一物質104は第二物質106のバンド110と112のどちらかの脇に置かれる。フィルム22の中央部分40は、第二物質106のバンド110と112の間に規定される。
【0023】
第二物質106は、一般的に第一物質104より弱い。換言すれば、第二物質106は、第一物質104よりも弱い内部凝集力や接着特性を持っている。これにより、第二物質106のバンド110および112内のフィルム22の一貫した均一な破断が促進される。こうしてバンド110と112は破断機構を持つことになる。バンド110と112によって形成される単一の剥離機構は、上部と下部の破断機構、例えば、本発明の他の実施形態における31と32、および33と34のセットに似ている。両方の例で、フィルム22の上面および底面の破断機構がある。いくつかの実施形態では、第一物質104は破断に耐えることができる。第二物質106は、第一物質104とは異なり弱い物質タイプの形を備えることが出来たり、又は、全く異なる物質のタイプとなることがある。第一と第二の物質は一般的に、上記図1と2で述べられた物質と同じタイプから選ぶことが出来る。更に、より弱い第二物質106はエチレンビニルアセテート(EVA)から作ることが出来る。この態様では、破断機構に切込みは必要とされない。
【0024】
カバーテープは製造された後、担体テープに接着される前にロール内に置くことができる。カバーテープをロールに置くことで、保管や移動、並びにカバーテープの自動ハンドリングを容易にする。カバーテープの上面にコーティングすることでロールからカバーテープの一部を引き出すことが容易になる。
【0025】
カバーテープは担体テープ/カバーテープシステムとして使用できる。図6は担体テープ/カバーテープシステム130の斜視図であり、担体テープ132とカバーテープ20を含んでいる。担体テープ132は一対の伸長縁134、および1以上のポケット136を有する。電子的コンポーネントなどのコンポーネント138は、ポケット136に置くことができる。コンポーネント138が担体テープ132のポケット136に置かれた後、必要に応じて、カバーテープ20は担体テープ132とカバーテープ20の間にポケット136をカバーし、コンポーネント138を入れるために伸長縁134に接着できる。カバーテープ20はロールから分配することが出来る。
【0026】
コンポーネント138を露出し取り外すために、カバーテープ20の一部がシステム130から分離される。図6に示されるように、破断機構32と34の間に規定されるカバーテープ20の中央部40(破断機構31と33は示されていない)が取り除かれる。カバーテープ20の外側部分140は、カバーテープ20の中央部分40が取り除かれた後も担体テープ132に接着されて残る。取り除かれた後、カバーテープ20の中央部分40は、ロール142に廃棄又はリサイクルのために巻き取ることが出来る。
【0027】
カバーテープ20の中央部分40は、破断機構31/32及び33/34(例えば、図1〜2で示され述べられた実施形態における切込み線)で分離される。他の実施形態では、分離は物質境界面(例えば、図4で示され述べられた物質境界面108)でも、より弱い物質のバンド(例えば、図5で示され述べられた第二の物質106のバンド110と112)でも、あるいは破断機構の位置やタイプによりその他の場所でも起こり得る。
【0028】
図7は担体テープ/カバーテープシステム130の実施形態の斜視図であり、担体テープ132とカバーテープ21を含んでいる。カバーテープ21は概してカバーテープ20に似ているが、破断機構31/32及び33/34に加えて、フィルム22は、外側部分140内に方向性破断機構35を備えている。カバーテープが最初に担体テープ132より取り除かれると、破断機構セット31/32及び33/34に沿って破断し始める。方向性破断機構35は、例えば、切り傷、割れ、刻み目、又はカバーテープ21の外部140内に間隔を置いてつけられた穴でもよい。他の実施形態では、方向性破断機構35は、外側部分140の外縁に沿った一連の楔形や三角形の切り口(図示はされていない)を備えて形成されてもよい。楔形が備わる場合、楔の縁は90度かそれ以下となることができる方向性破断機構35は、図4および図5に記載されている発明の実施形態のカバーテープと共に使ってもよい。
【0029】
方向性破断機構35の間隔は、ランダム又は断続的、又は図7で示されるような等間隔でもよい。方向性破断機構35は、外部140の外縁から中央部分40の方に内側に向けて広がり、並びに通常は、カバーテープ21を取り除く方向で、外部140の外縁に90度以下の角度をつける。方向性破断機構は図7に示されるように直線である必要はない。部分的又は全部が曲線でもよく、例えば、アーチ型でもよい。ここで「アーチ」とは方向性破断機構の曲線を指し、先導端(即ち、カバーテープの端に隣接する方向性破断機構の端)は、方向性破断機構の引っ張られる端(即ち、破断機構に隣接する破断開始特徴の端)より異なる方向に向けられる。それで方向性破断機構の一部は鋭いカーブを持ち、もう一部はゆるいカーブを持つという具合である。「鋭い」とは狭く、密集した頂点を持つ曲線を指し、「ゆるい」とは広く、伸びた頂点を持つ曲線を指す。別の方向性破断機構のかたちを使う場合もある。方向性破断機構35は外部分140の全てにわたり散在してもよいが、方向性破断機構35間における適切な間隔は、およそ0.157インチ(4mm)から10インチ(254mm)である。
【0030】
カバーテープ21が最初に担体テープ132から剥がされたとき、外側部分140は中央部分40と共に担体テープ132から引き剥がしてもよい。カバーテープ21が引っ張られるにつれ、カバーテープ21の破断力又は張力は方向性破断機構35のところで破断機構31/32及び33/34に方向転換し、中央部分40から外側部分140を分離させるため、外側部分140が担体テープ132より分離しなくなる。破断力の方向転換を確実にするために、方向性破断機構35のそれぞれの長さは、外側部分140の外端から破断機構31/32及び33/34に対して広がるのが好ましい。しかしながら、中央部分40の偶然的な破断を防ぐために、方向性破断機構35は中央部分40まで伸びないのが好ましい。例えば、カバーテープ132の幅が0.213インチ(5.4mm)で各外側部分140の幅が0.02618インチ(0.665mm)の場合、各々の方向性破断機構35の角度45度における長さは0.02598インチ(0.66mm)である。もちろん、カバーテープ132の幅が増えれば、外側部分140と方向性破断機構35の幅は増えてもよい。
【0031】
カバーテープの一部分を破り取るときにはほぼ均一な破断力が掛るのが好ましい。切込み線を作るときにレーザーやブレードを使うことが出来るが、複数のばらつきが0.0254mm(0.001インチ)以下の正確な切込み線をレーザーで作る場合はコストがかかり、知られるブレードの使用では、刃先の位置あわせにおけるばらつきのためにほとんど不可能である。
【0032】
切込み線のあるカバーテープで均一な破断を得るためには、カバーテープの長さに沿い異なる切込み線間で、深さにおけるばらつきが少ない切込み線を作ることが望ましい。参照することで本書に組み込まれる、同時係属米国特許出願第11/228,956号に記載されている方法と道具を使うと、簡単で効率的に、フィルムウェブにほぼ均一な深さで線を切り込むことができる。
【0033】
上記で述べられたことを考慮すれば、本発明の多くの有利さや利便性が認識されるべきである。本発明に従ったカバーテープの優位さの一つは、テープの中央部分を取り除くのに非常に均一な力が掛ることであり、それによって保管や移動作業中のパーツやコンポーネントの、担体テープの担体ポケットからの「飛び出し」によりミスピッキングのリスクが減少する。
【0034】
いくつかの代替実施形態を参照して本発明を記載してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細を変更してもよいことを認識するであろう。例えば、本発明に従って、様々なタイプの破断機構が使用でき、並びにこれらの破断機構は様々な応用が可能である。
【0035】
上記の図面は本発明のいくつかの実施形態を説明するが、考察において記載したように、他の実施形態もまた想到される。すべての場合において、本開示は、代表例によって本発明を表しており、限定を意味するものではない。多数の他の修正例及び実施形態が当業者によって考案でき、それらは本発明の原理の範囲及び趣旨の範囲内にあることが理解されるべきである。図面は縮尺通りに描かれていない場合がある。図面全体を通して、類似の部分を表すために類似の参照番号が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による、カバーテープの横断面の概略図。
【図2】本発明による、カバーテープのひとつの実施形態の横断面の概略図。
【図3】本発明による、カバーテープのひとつの実施形態の横断面の概略図。
【図4】本発明による、カバーテープのひとつの実施形態の横断面の概略図。
【図5】本発明による、カバーテープのひとつの実施形態の横断面の概略図。
【図6】本発明による、カバーテープの分離を示す担体テープ/カバーテープシステムの斜視図。
【図7】本発明による、カバーテープの分離を示す担体テープ/カバーテープシステムの斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーテープを含む物品であって、
カバーテープは、
対向する長手方向縁部と上面と下面とを有する基材フィルム層と、
長手方向縁部に隣接する接着剤と、
長手方向縁部に実質的に平行であり且つ接着剤の内側にある基材フィルム層の上面および下面にある破断機構とを備える、物品。
【請求項2】
更に、長手方向縁部に沿って伸びる陥凹部を含み、陥凹部に接着剤を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
基材フィルム層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィンおよびポリイミドから成る群から選択される物質を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
接着剤が、感圧性、感熱性でミクロカプセル化された接着剤から成る群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
上面における破断機構が、下面における破断機構より内側にある、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
上面における破断機構が、下面における破断機構より長い、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
上面における破断機構が、基材フィルム層内部の下面における破断機構を越えて伸びる、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
接着剤が、陥凹部と同等又はそれ以下の幅である、請求項2に記載の物品。
【請求項9】
各陥凹部の接着剤が、基材フィルム層の長手方向縁部から離されている、請求項2に記載の物品。
【請求項10】
各陥凹部の接着剤が、隣接する破断機構から離されている、請求項2に記載の物品。
【請求項11】
各破断機構が、長手方向に連続している、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
各破断機構が、基材フィルム層内により弱い領域を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
基材フィルム層が、第一及び第二物質を含み、破断機構はこの第一及び第二物質の境界面を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
第一物質が基材フィルム層の中心部分を形成し、第二物質が基材フィルム層の外側部分を形成する、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
第一物質が基材フィルム層の中心部分を形成し、第二物質が基材フィルム層の中心部分および外側部分間にバンドを形成する、請求項13に記載の物品。
【請求項16】
破断機構がほぼ一定の破断力を与える、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
前記カバーテープが、破断機構に関して90度以下の角度で長手方向縁から少なくとも1つの破断機構に向かって伸びる、破断開始機構を更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項18】
コンポーネントを保持するためにその中に形成される区画を有する担体テープを更に備え、
カバーテープは区画内でコンポーネントを密閉するために担体テープに接着されている、請求項1に記載の物品。
【請求項19】
カバーテープを作る方法であって、
対向する長手方向縁部と上面と底面とを有する基材フィルム層を提供するステップと、
長手方向縁部に対して実質的に平行である基材フィルム層の上面および下面に破断機構を形成するステップと、
長手方向縁部に隣接して接着剤を塗布すると共に、破断機構の外側に接着剤を塗布するステップとを含む、方法。
【請求項20】
長手方向縁部に沿って伸びる陥凹部を形成するステップと、陥凹部に接着剤を塗布するステップとを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
陥凹部を形成するステップが、スコア加工、押出成形、カレンダー、マイクロ複製、レーザー切除、超音波、化学エッチング及び剥離から成る群から選択されるプロセスを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
基材フィルム層が、外側部分の物質との接着力より弱い結合力を有する中心部分の物質によって分離されたラミネート又は共押出し成型された二つの外側部分の物質を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
基材フィルム層が、外側及び中心部分の物質との接着力より弱い結合力を有する物質のバンドによって各外側部分が中心部分から分離されたラミネート又は共押出し成型された二つの外側部分と中心部分を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
破断機構を形成するステップが、スコア加工、押出成形、カレンダー加工、マイクロ複製、レーザー切除、超音波、打ち抜き及び化学エッチングから成る群から選択されるプロセスを含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−523099(P2009−523099A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531293(P2008−531293)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/035705
【国際公開番号】WO2007/035375
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】