説明

カバーテープ

【課題】 透明性、耐ブロッキング性、導電性のいずれもが優れたシーラント層を有するカバーテープを提供する。
【解決手段】 本発明のカバーテープ1は、π共役系導電性高分子と導電性微粉末と透明な熱可塑性樹脂とを含むシーラント層10を有し、シーラント層10中の導電性微粉末の含有量が熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部未満である。本発明のカバーテープ1においては、導電性微粉末が、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、五酸化アンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種類からなることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアテープの電子部品収納部を封止するカバーテープに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品を保管、輸送、装着する際に、電子部品を凹状の電子部品収納部に一定ピッチで収納するキャリアテープが広く使用されている。このキャリアテープの電子部品収納部に電子部品を収納した後には、電子部品の汚染および脱落を防止するために、電子部品収納部の蓋材となるカバーテープが貼着される。カバーテープは、キャリアテープに貼着するために、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂成分や粘着剤を含有するシーラント層と基材を有している。
ところで、キャリアテープに収納されたICチップなどの電子部品は、キャリアテープとの接触により生じる静電気、カバーテープとの接触により生じる静電気、カバーテープをキャリアテープから剥離する際に発生する静電気のスパークによって、破壊したり劣化したりすることがあった。
【0003】
このような静電気障害を防止するため、例えば、カバーテープに帯電防止剤や導電剤を塗布したり、練り込んだりして導電性を付与する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、カバーテープのシーラント層を構成する熱可塑性樹脂中に、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタンの少なくとも1種類の導電性微粉末を分散させる方法が提案されている。
【特許文献1】特公平7−067774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、熱可塑性樹脂中に上記導電性微粉末を充分に均一に分散させても、導電性を確保するためには、導電性微粉末を多量に(具体的には熱可塑性樹脂100質量部に対して10〜300質量部)含有させなければならず、シーラント層の透明性、結果的にはカバーテープの透明性が低下した。
しかし、カバーテープは、キャリアテープに収納された電子部品を検査するために、透明性が高いことが求められている。特に、今後は、製造の高速化に伴って、目視による検査から画像処理による検査に移行するため、より一層のカバーテープの透明性が求められている。
また、カバーテープは、巻き回された状態で保管、運搬され、使用する際に巻き解かれるが、その際に、シーラント層の成分が基材側に移行しないこと、すなわちシーラント層の耐ブロッキング性に優れることが求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、透明性、耐ブロッキング性、導電性のいずれもが優れたシーラント層を有するカバーテープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のカバーテープは、π共役系導電性高分子と導電性微粉末と透明な熱可塑性樹脂とを含むシーラント層を有するカバーテープであって、
シーラント層中の導電性微粉末の含有量が熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部未満であることを特徴とする。
本発明のカバーテープにおいては、導電性微粉末が、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、五酸化アンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種類からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明のカバーテープは、シーラント層の透明性に優れるため、キャリアテープに収納された電子部品の視認性が高く、画像処理による検査を容易に実施できる。しかも、シーラント層は透明性が高いにもかかわらず、耐ブロッキング性および導電性にも優れる。すなわち、本発明のカバーテープは、透明性、耐ブロッキング性、導電性のいずれもが優れたシーラント層を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のカバーテープの一例を図1に示して説明する。
このカバーテープ1は、シーラント層10と基材20とが中間層30を介して積層されているテープである。
【0008】
(シーラント層)
シーラント層10は、π共役系導電性高分子と導電性微粉末と透明な熱可塑性樹脂とを含む層である。
【0009】
[π共役系導電性高分子]
π電子共役系導電性高分子は、分子構造中に共役二重結合を有する高分子である。π共役系導電性高分子は伝導機構がイオン伝導でないため、湿度の変化に対しても安定した導電性を得ることができる。
π共役系導電性高分子を構成するモノマー単位としては、例えば、アニリン、スルホン化アニリン、アルキル化アニリン等のアニリン誘導体あるいは複素5員環化合物が挙げられる。
さらに、複素5員環化合物としては、例えば、ピロール、チオフェン、フラン、インドールおよびこれらの誘導体があり、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピロール、3−メチルピロール、3−メトキシピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−メチル−4−ピロールカルボン酸メチル、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ブチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−チオフェン−β−エタンスルフォネール、2,3−ジハイドロチエノ(3,4−b)−1,4−ジオキシン、3−メチルフラン、3−メチルインドール等が挙げられる。複素5員環化合物の中でも、熱可塑性樹脂との相溶性を高くする点では、炭素数で3以上の長い側鎖をβ位に有するものが好ましい。π共役系導電性高分子は、上記モノマーを一種のみ用いたホモポリマーであってもよいし、上記モノマーを複数用いたコポリマーであってもよい。
π共役系導電性高分子の中でも、導電性に特に優れることから、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールからなる群より選ばれる少なくとも一種類が好ましい。
【0010】
シーラント層10中のπ共役系導電性高分子の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると導電性が低くなることがあり、10.0質量%を超えるとキャリアテープに対する接着性が低くなることがある。
【0011】
[導電性微粉末]
導電性微粉末としては特に制限されず、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、リンドープ酸化スズ(PTO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモンなどからなる粉末が挙げられる。これら導電性微粉末の中でも、導電性をより高くすることができる上にブロッキングをより防止できることから、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、五酸化アンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種類からなる粉末が好ましい。
【0012】
シーラント層10中の導電性微粉末の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部未満であり、0.5質量部以上5.0質量部未満であることが好ましい。
シーラント層10中の導電性微粉末の含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部未満であると耐ブロッキング性を防止できず、10質量部を超えると透明性が低下する。
【0013】
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、透明で、かつ、ヒートシール可能な樹脂が好ましく、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー、アクリル系共重合体、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル・アクリレート共重合体、エチレン・メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、およびこれらの混合物などが挙げられる。
ここで、「透明」とは、0.1mm厚の試験片を用いて測定したヘイズが20%以下のことである。また、「ヒートシール可能」とは、100℃程度で溶融することをいう。
【0014】
上記熱可塑性樹脂の中でも、π共役系導電性高分子との相溶性が高く、種々のキャリアテープ材料に対して接着強度を調節できることから、アクリル系共重合体が好ましい。
アクリル系共重合体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、イソノニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド等から選ばれるモノマー(アクリル系モノマー)の二元以上の共重合体及び、前記アクリル系モノマーと、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、プロピレン、ブテン−1、アクリロニトリル、マレイン酸、コハク酸等のエチレン性不飽和カルボン酸あるいはそれらの無水物とからなる二元以上の共重合体などが挙げられる。
【0015】
シーラント層10中には、π共役系導電性高分子の導電性を向上させるために、ドーパントを添加してもよい。ドーパントとしては、イオン性残留物質がないことから、フラーレン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノテトラアザナフタレン等の有機電子供与性化合物を用いるのが好ましい。
【0016】
(基材)
基材20には、カバーテープをキャリアテープから剥離する際に切断されることのない強度を有し、環境や熱に対して寸法安定性の高い絶縁性高分子フィルムが用いられる。
絶縁性高分子フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート等のフィルムが挙げられる。これらのフィルムの中では、強度、耐熱性、透明性に優れる点で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、強度の点では、二軸延伸フィルムが好ましい。
また、基材20における中間層30が形成される側の面には、粗面化処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、プライマー処理、アンカーコート処理などの表面処理があらかじめ施されていることが好ましい。
さらに、基材20の外表面には、界面活性剤などからなる帯電防止層や二酸化ケイ素などの薄膜などからなる透湿防止層などが設けられても構わない。
【0017】
基材20の厚さは9〜50μmであることが好ましく、12〜25μmであることがより好ましい。基材20の厚さが9μmよりも薄いとカバーテープの強度が不足して切断してしまう場合がある。また、基材20の厚さが50μmよりも厚いと剛性が高くなり、ハンドリングが難しくなる上に、ヒートシールの際の熱伝導に時間を要するため、シール速度が低下してキャリアテープに対するカバーテープ1の接着性が低下する傾向にある。
【0018】
(中間層)
中間層30は、シーラント層10と基材20との間の接着力を強固にするとともに、ヒートシールの際の熱圧着コテの当たりを良くして安定した接着を得るための層である。中間層30の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、これらのブレンド物、ポリウレタンなどが挙げられる。
中間層30の厚さは10〜50μmであることが好ましい。中間層30の厚さが10μm未満であると引き裂き強度が低くなる傾向にあり、50μmを超えるとキャリアテープに対するカバーテープ1の接着性が低下する傾向にある。
【0019】
カバーテープ1を製造する方法としては、例えば、基材20上に中間層30を形成し、中間層30上にシーラント層10を形成した後、所定の幅にスリットする方法などが挙げられる。
基材20上に中間層30を形成する方法としては、例えば、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法などが挙げられるが、柔軟性が高くなることから、押出ラミネーション法が好ましい。
また、中間層30上にシーラント層10を形成する方法としては、例えば、中間層30上に、π共役系導電性高分子と熱可塑性樹脂と導電性微粉末とを含有する塗工液を調製し、その塗工液を塗工し、乾燥させる方法が挙げられる。塗工液の塗工方法としては、例えば、グラビアコート、コンマコート、ロールコートなどが挙げられる。
【0020】
以上説明したカバーテープ1にあっては、シーラント層10が導電剤としてπ共役系導電性高分子および導電性微粉末を含有し、導電性微粉末の含有量は熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部未満と少ないため、シーラント層10は透明性および導電性がともに優れる。特に、透明性については、ヘイズ20%以下を実現できるため、画像処理による検査を容易に実施できる。
また、一般的には、π共役系導電性高分子を含有する場合には耐ブロッキング性が低くなる傾向にあるが、シーラント層10中の導電性微粉末がブロッキング防止剤としての機能を発揮する。したがって、シーラント層10は、π共役系導電性高分子を含有するにもかかわらず、耐ブロッキング性に優れる。さらに、ブロッキング剤としてシリカ等の無機系微粒子やアクリルビーズ等の有機系微粒子等の絶縁物質を添加した場合には、π共役系導電性高分子における自由電子の移動が阻害されるため導電性が低下するが、導電性微粉末は導電性を有するため、ブロッキングを防止しても導電性を確保できる。
これらのことから、カバーテープ1は、透明性、耐ブロッキング性、導電性のいずれもが優れたシーラント層10を有するものである。
【実施例】
【0021】
(製造例)
アンカーコート処理が施された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、押出ラミネートにより、厚さが25μmになるように溶融したポリエチレン(三井化学社製商品名10P)を流出させて中間層を製膜した。そして、その中間層の表面をコロナ処理して、基材と中間層とからなる支持体を作製した。
【0022】
(実施例1)
ポリアニリン水溶液塗工剤(三菱レイヨン(株)製aquaPASS−01X、固形分;5質量%)20質量%、水系エマルジョンであるアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製ダイヤナールMX−1845、固形分;40質量%)22.5質量%、水52.5質量%、メタノール5質量%からなるポリアニリン系水溶性導電性高分子塗工剤(三菱レイヨン(株)製aquaPASS MX−7000、固形分;10質量%)に、ATO粉末(触媒化成(株)製TL−30)を添加して塗工液を調製した。その際、ATO粉末添加量は熱可塑性樹脂100質量部に対して9.9質量部とした。そして、製造例で製造した支持体における中間層表面に、前記塗工液をグラビアコータにより厚さ20μmで塗工し、乾燥させてシーラント層を形成し、さらに幅13.5mmにマイクロスリットして、カバーテープを得た。
【0023】
このカバーテープについて耐ブロッキング性、表面固有抵抗値、ヘイズを下記のように測定した。その測定結果を表1に示す。
耐ブロッキング性:カバーテープを200m巻き回したロールを60℃で24時間放置し、巻き返した後の基材表面を目視で観察して耐ブロッキング性を調べた。その評価については、シーラント層の熱可塑性樹脂が基材側に移行していないものを○、シーラント層の樹脂成分が基材側に移行していたものを×とした。
ヘイズ:村上色彩技術研究所製HR−100を用いて測定した。
表面固有抵抗値:ダイヤインスツルメンツ社製ハイレスタUPを用いて測定した(測定電圧100V)。なお、カバーテープとしては、1.0×10Ω以下が許容範囲である。
【0024】
【表1】

【0025】
(実施例2)
ポリピロールコロイド溶液(丸菱油化工業(株)製PPY−12、固形分;10質量%)と、ポリウレタンエマルジョン(第一工業製薬(株)製F−8582D、固形分;40質量%)とを、ポリピロールコロイド溶液:ポリウレタンエマルジョン=4:10の質量比率で混合し、これにより得られた混合液にPTO粉末(触媒化成(株)製TL−30S)を添加して塗工液を調製した。その際、PTO粉末添加量は熱可塑性樹脂100質量部に対して5質量部とした。そして、その塗工液を支持体に塗工したこと以外は実施例1と同様にしてカバーテープを得た。このカバーテープについて実施例1と同様にして耐ブロッキング性、表面固有抵抗値、ヘイズを測定した。その測定結果を表1に示す。
【0026】
(実施例3)
ポリチオフェン誘導体(バイエル(株)製Baytron P、固形分;1.3質量%)と、アクリルエマルジョン(三菱レイヨン(株)製LX−301、固形分;50質量%)とを、ポリチオフェン誘導体:アクリルエマルジョン=5:10の質量比率で混合し、これにより得られた混合液にITO粉末(触媒化成(株)製TL−130)を添加して塗工液を調製した。その際、ITO粉末添加量は熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部とした。そして、その塗工液を支持体に塗工したこと以外は実施例1と同様にしてカバーテープを得た。このカバーテープについて実施例1と同様にして耐ブロッキング性、表面固有抵抗値、ヘイズを測定した。その測定結果を表1に示す。
【0027】
(実施例4)
ITO粉末の代わりに五酸化アンチモン粉末(Sb、触媒化成(株)製TL−45)を用いたこと以外は実施例3と同様にしてカバーテープを得た。このカバーテープについて実施例1と同様にして耐ブロッキング性、表面固有抵抗値、ヘイズを測定した。その測定結果を表1に示す。
【0028】
(比較例1)
ATO粉末添加量を熱可塑性樹脂100質量部に対して10質量部として塗工液を調製したこと以外は実施例1と同様にしてカバーテープを得た。このカバーテープについて実施例1と同様にして耐ブロッキング性、表面固有抵抗値、ヘイズを測定した。その測定結果を表2に示す。
【0029】
【表2】

【0030】
(比較例2)
ITO粉末添加量を熱可塑性樹脂100質量部に対して0.09質量部として塗工液を調製したこと以外は実施例3と同様にしてカバーテープを得た。このカバーテープについて実施例1と同様にして耐ブロッキング性、表面固有抵抗値、ヘイズを測定した。その測定結果を表2に示す。
【0031】
(比較例3)
PTO粉末の代わりにシリカ粉末を添加したこと以外は実施例2と同様にしてカバーテープを得た。このカバーテープについて実施例2と同様にして耐ブロッキング性、表面固有抵抗値、ヘイズを測定した。その測定結果を表2に示す。
【0032】
シーラント層がπ共役系導電性高分子と熱可塑性樹脂と導電性微粉末とを含有し、導電性微粉末の含有量が熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部未満である実施例1〜4のカバーテープは、導電性、耐ブロッキング性、透明性のいずれもが優れていた。
これに対し、導電性微粉末の含有量が熱可塑性樹脂100質量部に対して10質量部を超えている比較例1のカバーテープは、透明性が低かった。
導電性微粉末の含有量が熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部未満である比較例2のカバーテープは、耐ブロッキング性が低かった。
導電性微粉末の代わりに絶縁性粉末であるシリカ粉末を含有する比較例3のカバーテープは、導電性が低かった。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のカバーテープの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 カバーテープ、10 シーラント層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
π共役系導電性高分子と導電性微粉末と透明な熱可塑性樹脂とを含むシーラント層を有するカバーテープであって、
シーラント層中の導電性微粉末の含有量が熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部未満であることを特徴とするカバーテープ。
【請求項2】
導電性微粉末が、アンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、五酸化アンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種類からなることを特徴とする請求項1に記載のカバーテープ。


【図1】
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【公開番号】特開2006−206071(P2006−206071A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−18007(P2005−18007)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】