カバー部材及びカートリッジ
【課題】カートリッジ39に着脱可能に装着されて像担持体2の表面を覆うカバー部材24に設けられ、帯電手段3又は現像手段と像担持体2との間に挿入されて帯電手段3又は現像手段と像担持体2とを離間させた状態に保持する離間部材25を取り外す際のユーザビリティを向上させるカバー部材24を提供する。
【解決手段】離間部材25は、カバー部材24をカートリッジ39から取り外す際に、カバー部材24に対し移動可能に設けられていることを特徴とする。
【解決手段】離間部材25は、カバー部材24をカートリッジ39から取り外す際に、カバー部材24に対し移動可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部材及びカートリッジに関する。ここで、カートリッジとは、少なくとも、像担持体とこの像担持体に作用するプロセス手段の1つとを一体的に構成し、電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とするものである。そして、カバー部材とは、前記カートリッジに着脱可能であって、前記カートリッジの未使用状態、特に物流時において前記像担持体を保護する部材である。電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ、それらの複合機能機等ガ含まれる。装置本体とは、着脱されるカートリッジを除いた電子写真画像形成装置部分である。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真画像形成装置(以下、単に画像形成装置と記す)においては、像担持体(電子写真感光体)に形成した静電潜像を現像手段により現像することでトナー像として可視化している。従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、像担持体および像担持体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを装置本体に着脱可能とするカートリッジ方式が採用されている。このカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができた。そこでこのカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。このカートリッジでは、現像手段を有する現像ユニットと、像担持体である感光体ドラムを有するドラムユニットとを有している場合がある。ドラムユニットには、感光体ドラムと感光体ドラムに帯電を行う帯電手段とがドラムユニット枠体に支持されている。画像形成装置において使用される帯電手段の一つに、帯電手段と感光体ドラムを接触させた状態で感光体ドラム表面を帯電する接触帯電方式がある。本件では、帯電手段は、感光体ドラムに接触し感光体ドラム表面を帯電する帯電ローラを用いる。帯電ローラは、感光体ドラムと接触した状態を保つために、感光体ドラムに向かって加圧された状態でドラムユニット枠体に支持されている。よって、帯電ローラと感光体ドラムを接触させた状態で長時間放置した場合、帯電ローラが変形するおそれがある。このような問題点を解決するために、特許文献1に示すように、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時においては、帯電ローラと感光体ドラムを離間するための構成が知られている。特許文献1においては、感光体ドラムのカバー部材を貫通したスペーサを帯電ローラと感光体ドラムとの間に挿入する。これにより、ドラムカートリッジの出荷時に帯電ローラと感光体ドラムとを離間している。
【0003】
また、画像形成装置において使用される現像方式の一つに接触現像方式がある。接触現像方式とは、現像手段と像担持体を接触させた状態で、現像剤を用いて像担持体に形成された静電潜像を現像する方式のことである。本件では、現像手段には現像ローラを用いる。接触現像方式においては、現像ローラと感光体ドラムとを接触させた状態で長時間放置した場合、現像ローラが変形するおそれがある。このような問題点を解決するために、画像形成装置本体内においては、画像形成時以外には現像ローラと感光体ドラムを離間するための構成が知られている(特許文献2)。即ち、現像ローラと感光体ドラムとを離間するための離間機構が画像形成装置本体に設けられている。プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態において、画像形成時以外には、前記離間機構が現像ユニットを押圧する。これによって、現像ユニットがドラムユニットに対して移動する。その結果、現像ローラと感光体ドラムとが離間する。また、特許文献3には、感光体ドラムのカバー部材に離間部を設けた記載がある。そして、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時においては、その離間部を現像ユニットと感光体ユニットとの間に挿入し、プロセスカートリッジ未使用時に現像ローラと感光体ドラムとを離間している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−181328号公報
【特許文献2】特開2001−337511号公報
【特許文献3】特開平5−232752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例では、帯電ローラと感光体ドラムとの間、又は現像ユニットと感光体ユニットとの間に挿入された、カバー部材に設けられた離間部材(離間部)を取り外すことで、現像ローラ又は帯電ローラと感光体ドラムとの離間を解除する。このとき、カバー部材を取り外す際に、離間部材が現像ローラ又は帯電ローラと感光体ドラムとの間に挿入されている方向と、カバー部材を取り外す方向とが異なる場合に取り外しの負荷が増加したり、離間部や感光体ドラム等にダメージを与えたりする可能性がある。また、これらの問題を回避するために、離間部材をカバー部材とは別部材として、それぞれをユーザーに別動作で取り外させることは、ユーザーの行う動作が増加することになる。
【0006】
そこで、本発明は、像担持体とプロセス手段を離間する離間部を備えた、像担持体の表面を保護するカバー部材を取り外す際のユーザビリティを向上させた、カートリッジ及びカバー部材を提供することを目的とする。また、本発明は、像担持体とプロセス手段を離間する離間部を備えた、像担持体の表面を保護するカバー部材を取り外す際の負荷を軽減することが可能なカートリッジ及びカバー部材を提供することを目的とする。また、本発明は、像担持体とプロセス手段を離間する離間部を備えた、像担持体の表面を保護するカバー部材を取り外す際に、像担持体、プロセス手段にダメージを与えることを抑制することができるカートリッジ及びカバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明に係るカートリッジの代表的な構成は、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材と、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るカバー部材の代表的な構成は、像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、を有する、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジに用いられる、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材であって、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、像担持体とプロセス手段を離間させる離間部材を備えたカバー部材を取り外す際の負荷を軽減することが可能になった。また、本発明によれば、カバー部材を取り外す際に、像担持体、プロセス手段にダメージを与えることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は実施例1において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のドラムカートリッジの概略横断面図、(b)はカバー部材と離間部材が外された状態のドラムカートリッジの概略横断面図である。
【図2】(a)はトナーシール取り外し前の現像カートリッジの概略横断面図、(b)はトナーシールが取り外された状態の現像カートリッジの概略横断面図である。
【図3】実施例1における画像形成装置の概略横断面図である。
【図4】(a)は実施例1における画像形成装置の概略横断面図、(b)と(c)は実施例1におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【図5】(a)はカバー部材と離間部材との連結部の斜視図、(b)乃至(e)は実施例1におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図6】(a)は帯電ローラの斜視図、(b)は実施例2において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のドラムカートリッジの概略横断面図である。
【図7】実施例2におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【図8】実施例2におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図9】(a)は実施例3における画像形成装置の概略横断面図、(b)は実施例3におけるプロセスカートリッジの概略横断面図である。
【図10】(a)と(b)はプロセスカートリッジを構成している現像ユニットの概略横断面図、(c)は現像ローラの斜視図である。
【図11】(a)はプロセスカートリッジを構成しているドラムユニットの概略横断面図、(b)は実施例3において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のプロセスカートリッジの概略横断面図である。
【図12】実施例3におけるカバー部材と離間部材との連結部の斜視図である。
【図13】実施例4におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図14】実施例3におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【図15】実施例3におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図16】(a)は実施例4において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のプロセスカートリッジの概略横断面図、(b)と(c)は実施例4におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
(画像形成装置の全体構成):最初に、本実施例における電子写真画像形成装置の全体的な概略構成について図3を用いて説明する。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタである。即ち、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等のホスト装置(不図示)から制御回路部(不図示)に入力する電気的な画像信号に基づいてシート状の被転写体(記録媒体:記録材、用紙、OHPシート、ラベル等)40に対する画像形成を実行する。制御回路部(制御手段:CPU)はホスト装置や操作部(不図示)との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、画像形成装置の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。したがって、以下の説明する画像形成装置の画像形成動作は制御回路部によって動作制御されるものである。図3の(a)に示すように、この画像形成装置38は、像担持体としての感光体ドラム2を有する。感光体ドラム2の周囲には、感光体ドラム2を一様に帯電するための帯電手段3と、感光体ドラム2上にレーザー光を照射して潜像を形成するための露光手段4と、潜像を現像剤(可視粉体:以下、トナーと記す)により顕像化する現像手段5が配置されている。また、感光体ドラム2上の残留トナーを除去するクリーニング手段6が配置されている。本実施例における現像手段5は、ロータリ型の4色現像手段である。即ち、感光体ドラム2上に形成された潜像を対応する色のトナーで現像して顕像化する、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dの4つの現像装置を有している。本実施例では、感光体ドラム2と帯電手段3とクリーニング手段6が一体に構成され、かつ、画像形成装置本体38Aの所定の装着部(不図示)対して着脱可能なドラムカートリッジ39とされている。このドラムカートリッジ39において感光体ドラム2と帯電手段3とクリーニング手段6は、各々が独立した構成でも良いし、一体化された構成でも良い。ドラムカートリッジ39は、少なくとも像担持体(感光体ドラム)と、像担持体に帯電を行う帯電手段とを有し、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着されるものである。現像手段5において、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dは、装置本体フレーム38Bに対して回転自在に取り付けられたロータリ1にロータリ周方向に順次に配置されて保持されている。イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dは、ロータリ1に対して固定されている固定式でも良いし、ロータリ1に対して着脱可能な現像カートリッジ方式でも良い。本実施例では、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dは、ロータリ1に着脱可能な現像カートリッジ方式を採用している。以下、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dをそれぞれイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dとして説明する。
【0012】
ロータリ1がイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dのそれぞれを保持する構成は全て同様である。よって、本実施例でのロータリ1がイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dそれぞれを保持する構成の説明は、イエロー現像カートリッジ5aで行う。イエロー現像カートリッジ5aはロータリ1に装着され、イエロー現像カートリッジ5aに設けられた被係止部17aがロータリ1に設けられた現像装置係止部材18aと係合することにより、ロータリ1からの飛び出しが抑制されている。現像装置係止部材18aはバネ(不図示)によりイエロー現像カートリッジ5aと係合する矢印A方向に付勢されている。マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dにも、それぞれ被係止部17b、17c、17dが設けられている。そして、それぞれロータリ1に設けられた現像装置係止部材18b、18c、18dと係合することにより、ロータリ1からの飛び出しが抑制されている。
【0013】
まず、感光体ドラム2を、中間転写ベルト7の回転方向である矢印B方向と同期させて、矢印C方向に回転させる。そして、この感光体ドラム2の表面を帯電手段3によって均一に帯電するとともに、露光手段4によってイエロー画像の光照射を行い、感光体ドラム2上にフルカラー画像のイエロー成分像に対応する静電潜像を形成する。この静電潜像の形成と同時に、ロータリ1が回転軸1aを中心にして矢印D方向に駆動伝達機構(不図示)により所定の回転角度だけ駆動されて、イエロー現像カートリッジ5aが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、図3の(b)のように、イエロー現像カートリッジ5aの現像ローラ21aが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。そして、感光体ドラム2に形成された潜像にイエロートナーが付着するように、感光体ドラム2とイエロー現像カートリッジ5aの現像ローラ21aとの間に電位差を設ける。これによって、感光体ドラム2に成形された潜像にイエロートナーを付着させて現像する。即ち、感光体ドラム2にイエロートナー像が形成される。その後、中間転写ベルト7の内側に配置された1次転写ローラ8にトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(1次転写バイアス)を印加して、感光体ドラム2上のイエロートナー像を中間転写ベルト7上に1次転写する。中間転写ベルト7上に転写されないで感光体ドラム2上に残った1次転写残トナーはクリーニング手段6により感光体ドラム2上から除去される。上述のようにしてイエロートナー像の中間転写ベルト7に対する1次転写が終了すると、イエローの場合と同様にして、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色についての、静電潜像の形成、現像、1次転写が順次に行われる。これにより、中間転写ベルト7上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色重ね合わせのトナー像が合成形成される。
【0014】
感光体ドラム2に対するマゼンタトナー像の形成時には、ロータリ1が所定の回転角度だけ駆動されて、マゼンタ現像カートリッジ5bが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、マゼンタ現像カートリッジ5bの現像ローラ21bが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。感光体ドラム2に対するシアントナー像の形成時には、ロータリ1が所定の回転角度だけ駆動されて、シアン現像カートリッジ5cが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、シアン現像カートリッジ5cの現像ローラ21cが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。感光体ドラム2に対するブラックトナー像の形成時には、ロータリ1が所定の回転角度だけ駆動されて、ブラック現像カートリッジ5dが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、ブラック現像カートリッジ5dの現像ローラ21dが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。図4の(a)はブラック現像カートリッジ5dが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされている状態時を示している。上記のイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色についての、静電潜像の形成、現像、1次転写が順次に行われる間は、図3の(a)と(b)に示すように、2次転写ローラ9は、中間転写ベルト7とは非接触状態に保持されている。また、中間転写ベルト7のクリーニングユニット10も中間転写ベルト7とは非接触状態に保持されている。
【0015】
一方、トナー像の被転写体であるシート(記録材)40は、画像形成装置38の装置本体38Aの下部に設けられた給紙カセット11に積載収納されている。そして、給紙ローラ12によって給紙カセット11から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ13に給紙される。中間転写ベルト7上に合成形成された4色重ね合わせのトナー像の先端部が中間転写ベルト7の回動により中間転写ベルト7と2次転写ローラ9との対向部に所定に近づいた時点で、2次転写ローラ9が中間転写ベルト7に圧接された状態となるように移動される。図4の(a)は2次転写ローラ9が中間転写ベルト7に圧接された状態を示している。2次転写ローラ9と中間転写ベルト7との圧接部が2次転写部である。また、中間転写ベルト7のクリーニングユニット10も中間転写ベルト7に接触した状態にされる。一方、レジストローラ13は、給紙されたシート40を所定の制御タイミングにて中間転写ベルト7と2次転写ローラ9との圧接部である2次転写部へ送り出す。更に、2次転写ローラ9には所定の制御タイミングにてトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(2次転写バイアス)が印加される。これにより、シート40が2次転写部を挟持搬送されていく過程において、中間転写ベルト7上に合成形成されている4色重ね合わせトナー像がシート40の表面に一括して2次転写されていく。トナー像の2次転写を受けたシート40は中間転写ベルト7から分離されて定着器14に送られる。定着器14においては、シート40が熱圧され、トナー像がシート40上に溶融混色して固着画像として定着される。これにより、シート40上にはフルカラー画像が形成される。その後、シート40は、定着器14から画像形成装置外部の上カバー15に設けた排紙部15aへ排出される。また、シート40上に転写されないで中間転写ベルト7上に残った2次転写残トナーはクリーニングユニット10により中間転写ベルト7上から除去される。シート40の後端部が2次転写部を通過すると、2次転写ローラ9は中間転写ベルト7から離間移動される。また、クリーニングユニット10も中間転写ベルト7に対して非接触状態にされる。
【0016】
(現像カートリッジの説明):イエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dの構成は全て同様である。よって、本実施例でのイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dの構成の説明は、イエロー現像カートリッジ5aで行う。イエロー現像カートリッジ5aについて、図2を用いて説明する。図2の(a)と(b)は本実施例のイエロー現像カートリッジ5aの断面図である。イエロー現像カートリッジ5aの現像容器23は、トナー収容室23aと、現像ローラ21aやトナー供給ローラ22を有する現像室23bとに分離され、両者はトナー供給開口23cにより上下に分けられている。(a)は、イエロー現像カートリッジ5aがユーザーの手元に届くまでの未使用状態時を示している。この未使用状態時おいては、トナー供給開口23cには、トナー収容室23aと現像室23bを分離するための、フィルム状のトナーシール41が熱溶着などの方法により現像容器23に固定されている。
【0017】
使用前にトナーシール41を取り除く。これにより、トナー収容室23a内のトナー42は、図3の(b)に示す感光体ドラム2と対向する現像位置において、図2の(b)に示すように、現像室23b内に自由落下する。現像室23b内のトナー42は、トナー供給ローラ22に供給され、トナー供給ローラ22は図2の(b)の矢印E方向に回転することによって、現像ローラ21aにトナー42を供給する。現像ローラ21aは弾性ゴムローラで構成され、図2の(b)の矢印F方向に回転し、現像ローラ21a上のトナー42は現像ブレード16によって規制され、感光体ドラム2に対して現像される。現像後に現像ローラ21a上に残されたトナー42はトナー供給ローラ22によって除去される。その後、再びトナー供給ローラ22によって現像ローラ21aにトナーが供給される。また、現像位置では、安定的に現像ローラ21aを感光体ドラム2に当接させるため、イエロー現像カートリッジ5aが保持されたロータリ1ごと、感光体ドラム2方向に付勢させている。これによって、イエロー現像カートリッジ5aの現像ローラ21aが感光体ドラム2に所定の加圧力で当接する状態となる。
【0018】
(ドラムカートリッジ39の説明):ドラムカートリッジ39について、図1の(b)、図3、図4の(a)、図6の(a)を用いて説明する。図1の(b)は本実施例のドラムカートリッジ39の断面図である。ドラムカートリッジ39は、図3の(a)と(b)、図4の(a)に示すように、画像形成装置38の装置本体38Aの所定位置に位置決めされている。また、ドラムカートリッジ39は、図1の(b)に示すように、感光体ドラム2と帯電手段3とクリーニング手段6が一体に構成されている。帯電手段3は、潜像形成前に感光体ドラム2を均一に帯電する手段である。クリーニング手段6は、感光体ドラム2に当接し、感光体ドラム2上に残留する転写残トナー(現像剤)を除去して、クリーニング容器26内に収容する手段である。本実施例では、クリーニング手段6は、クリーニングブレード方式を採用している。ここで、帯電手段3の構成について説明する。本実施例では、帯電手段3は帯電ローラ方式を採用している。以下、帯電手段3は帯電ローラ3として説明する。帯電ローラ3は、図6の(a)に示すように、ゴム部であるゴムロール3aと軸部である剛体軸3bとから構成されている。剛体軸3bは、ゴムロール3aを感光体ドラム2の回転軸方向に貫通し、両端部はゴムロール3aから突出した突出部3b1、3b2を形成する。帯電ローラ軸受19は、クリーニング容器26に対し、帯電ローラ3の中心と感光体ドラム2の中心を通る線Ga−Gb上を移動可能に取り付けられている。帯電ローラ3は、図1の(b)に示すように、突出部3b1を帯電ローラ軸受19に回転可能に取り付けられている。帯電ローラ軸受19は帯電ローラ加圧部材20により、矢印G方向、すなわち感光体ドラム2に向かって加圧されている。突出部3b2も同様の構成により、感光体ドラム2に向かって加圧されている。
【0019】
(カバー部材24と離間部材25):次に、感光体ドラム2を保護するカバー部材24と、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する離間部材25について、図1の(a)、図4の(b)と(c)、図5の(a)を用いて説明する。図1の(a)は本実施例のドラム保護カバー部材24と離間部材25を取り付けたドラムカートリッジ39の断面図である。前述したドラムカートリッジ39においては、感光体ドラム2に形成された静電潜像を現像し、またトナー像転写を行うために、感光体ドラム2の周面を広範囲で露出させる必要がある。しかしながら、ドラムカートリッジ39を交換する際の交換作業はユーザー自身で行う為、出荷から画像形成装置38に装着するまでの間に、感光体ドラム2にダメージを与えてしまうことが懸念される。そこで、ドラムカートリッジ39がユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光体ドラム2を保護するために、ドラムカートリッジ39に対し着脱可能なカバー部材24を取り付ける必要がある。カバー部材24は、ドラムカートリッジ39に対して取り外し可能に装着され、感光体ドラム2の表面を覆う部材である。カバー部材24は、枠体であるクリーニング容器26に設けた係止部26a、26bに、第一の被係止部24c、第二の被係止部24dがそれぞれ係止されることによりドラムカートリッジ39に取り付けられている。カバー部材24をドラムカートリッジ39に係止する係止部26a、26bは、クリーニング容器26以外のドラムカートリッジ39を構成する部材に設けても良い。カバー部材24をドラムカートリッジ39から取り外す際には、係止部26aに係止された被係止部24cの係止を解除し、被係止部24dを支点にカバー部材24を回動させる。これにより、カバー部材24は、図1の(a)の矢印H方向に取り外しが可能となる。
【0020】
帯電ローラ3は帯電ローラ加圧部材20により感光体ドラム2に向かって加圧された状態となっているため、ユーザーの手元に届くまでに、ゴムロール3aが変形してしまう可能性がある。そこで、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態での帯電ローラ3の変形を防止するために、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間させる必要がある。本実施例では、図1の(a)に示すように離間部材25を、帯電ローラ3を構成する剛体軸3bと、感光体ドラム2表面との間に取り付ける。そうすることで、感光体ドラム2表面とゴムロール3a表面を距離Mの隙間を保って離間させている。即ち、離間部材25は、感光体ドラム2の表面と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間に挿入されて、感光体ドラム2の周面と帯電ローラ3とを離間させた状態に保っている。離間部材25の取り付け位置は、本実施例においては、感光体ドラム2の軸線方向において、カバー部材24の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間部材25は、剛体軸3bの突出部3b1(図6の(a)参照)と感光体ドラム2との間、突出部3b2と感光体ドラム2との間に挿入されている。しかし、突出部3b1、3b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する構成であっても良い。また、離間部材25は感光ドラム2の軸線方向において、ドラムカートリッジ39に設けられているクリーニング手段6の外側に配置されている。さらに、離間部材25は、感光体ドラム2の軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部24cと第二の被係止部24dとの間に設けられている。
【0021】
離間部材25は、図4の(b)と(c)、図5の(a)に示すように、円筒形状の軸25aと、離間部25bを有する。また、カバー部材24は、離間部材25の軸25aを離間部材係止部24a、24bにより係止することにより、離間部材25を移動可能に支持している。さらに、係止部24a、24bの円弧形状部にはスリットLが設けてある。スリット幅Lwは、図4の(b)と(c)に示すように、軸25aの径dよりもわずかに小さく設けられている。そのため、通常では、離間部材25はカバー部材24から外れることはないが、取り外しは可能である。即ち、離間部材25はカバー部材24から取り外し可能であり、カバー部材24に対して移動可能に係止されて設けられている。また、係止部24a、24bの内側の高さH1及び幅W1は、軸25aの径d1よりも大きく設定してある。これは、後述するが、離間部材25とカバー部材24との自由度を持たせることで、カバー部材24を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム2等へのダメージを抑える為である。
【0022】
(カバー部材24と離間部材25の取り外し):次に、カバー部材24と離間部材25の取り外しについて、図1の(a)および図4乃至図5を用いて説明する。離間部材25の取り外し方向は、本来は感光体ドラム2の中心と帯電ローラ3の中心を結ぶ線に対して垂直方向、すなわち図1の(a)の矢印I方向へ取り外すことが望ましい。そのためにはカバー部材24もI方向へ取り外し必要がある。そこで本実施例では、図1の(a)、図4の(b)と(c)、図5の(a)に示すように、カバー部材24は、離間部材25をカバー部材24に対し移動可能に支持している。図5の(b)乃至(e)に示すように、ユーザーのカバー部材24の取り外し動作、すなわち(b)乃至(d)の矢印H方向の動作に連動して、離間部材25はカバー部材24に対し移動する。まず、クリーニング容器26からカバー部材24を取り外す初期の段階において、離間部材25は、(b)と(c)に示すように感光体ドラム2と帯電手段である帯電ローラ3の剛体軸3bに挟まった状態で、カバー部材24に対して矢印K方向に回転する。ここで、離間部材25の回転方向であるK方向は、クリーニング容器26からカバー部材24を取り外す際の回転方向であるH方向と反対の方向になる。この構成によって、離間部材25を備えたカバー部材24を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。仮に離間部材25がカバー部材24に固定されている構成の場合は、クリーニング容器26からカバー部材24を取り外す際に、カバー部材24がH方向に回転するので帯電ローラ3を上方に押し上げる方向に移動させることになる。その為、(b)の状態よりも帯電ローラ加圧部材20は更に圧縮されて、カバー部材24を取り外す際の負荷が増加することになる。また、離間部材25が感光体ドラム2や帯電ローラ3の剛体軸3bに強く押し付けられることになって、感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることになる。そして、本実施例において、(d)と(e)に示すように、カバー部材24をH方向に更に回転させることで、離間部材25は感光体ドラム2と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム2と帯電ローラ3とは離間状態から接触状態になる。また、(d)と(e)に示す状態においても、離間部材25はカバー部材24に対して回動可能な構成になっている為、離間部材25が感光体ドラム2に強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。また、図4の(b)と(c)に示すように係止部24a、24bの内側の高さH1及び幅W1は、軸25aの径d1よりもガタを有する程度に大きく設定してある。この構成によって、離間部材25はカバー部材24に対して、軸25aのラジアル方向にも移動することができる。従って、更にカバー部材24を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム2等へのダメージを抑えることが可能になる。さらに、離間部材25の離間部25bの感光体ドラム2表面と接触する面を、感光体ドラム2表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部材25と感光体ドラム2との間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部材25の破損や感光体ドラム2へのダメージも抑制できる。
【0023】
[実施例2]
次に、カバー部材と離間部材が一体である場合の実施例について説明する。図6の(b)は本実施例に係るドラムカートリッジとカバー部材を示す断面図である。実施例1と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
(離間部材一体型のカバー部材):カバー部材27は、クリーニング容器26に設けた係止部26a、26bに、被係止部27c、27dがそれぞれ係止されることによりドラムカートリッジ39に取り付けられている。これにより、ドラムカートリッジ39がユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光体ドラム2を保護している。カバー部材27をドラムカートリッジ39に係止する係止部26a、26bは、クリーニング容器26以外のドラムカートリッジ39を構成する部材に設けても良い。カバー部材27をドラムカートリッジ39から取り外す際には、係止部26aに係止された被係止部27cの係止を解除する。そして、カバー部材27を被係止部27dを支点にカバー部材27を回動させることで、矢印H方向に取り外しが可能となる。本実施例では、カバー部材27は、離間腕28を有する。この離間腕28を、帯電ローラ3を構成する剛体軸3bの突出部3b1、3b2(図6の(a)参照)と、感光体ドラム2表面との間に取り付ける。これにより、図6の(b)に示すように感光体ドラム2表面とゴムロール3a表面を距離Nの隙間が空くように保っている。即ち、離間腕28は、感光体ドラム表面と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3とを離間させている。これにより、ドラムカートリッジ39がユーザーの手元に届くまでの未使用状態での帯電ローラ3の変形を防止している。離間腕28の取り付け位置は、本実施例においては、感光体ドラム2の軸線方向において、カバー部材27の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間腕28は、帯電ローラ3を構成する剛体軸3bの突出部3b1と感光体ドラム2との間、突出部3b2と感光体ドラム2との間に挿入されている。しかし、突出部3b1、3b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する構成であっても良い。また、離間腕28は感光ドラム2の軸線方向において、ドラムカートリッジ39に設けられているクリーニング手段6の外側に配置されている。さらに、離間部材25は、感光体ドラム2の軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部24cと第二の被係止部24dとの間に設けられている。
【0025】
離間腕28は、少なくとも1つ以上の節部(ヒンジ部)28aと離間部28bを有する。前記節部28aを設けることで、離間腕28は、図7の(a)と(b)に示すように、カバー部材27に対し移動可能となる。即ち、カバー部材27はPP(ポリプロピレン)等の樹脂材料から構成され、節部28aを離間部28bよりも薄肉化することによってヒンジの機能をもたせることができる。まず、クリーニング容器26からカバー部材27を取り外す初期の段階において、離間腕28は、図8の(a)と(b)に示すように感光体ドラム2と帯電手段である帯電ローラ3の剛体軸3bに挟まった状態で、カバー部材27に対して矢印K方向に回転する。ここで、離間腕28の回転方向であるK方向は、クリーニング容器26からカバー部材27を取り外す際の回転方向であるH方向と反対の方向になる。この構成によって、離間腕28を備えたカバー部材27を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。そして、図8の(c)と(d)に示すように、カバー部材27をH方向に更に回転させることで、離間腕28は感光体ドラム2と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム2と帯電ローラ3とは離間状態から接触状態になる。また、図8の(c)と(d)に示す状態においても、離間腕28はカバー部材27に対して移動可能な構成になっている為、離間腕28が感光体ドラム2に強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。さらに、離間腕28の離間部28bの感光体ドラム2表面と接触する面を、感光体ドラム2表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部28bと感光体ドラム2との間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部腕28の破損や感光体ドラム2へのダメージも抑制できる。
【0026】
[実施例3]
次に、現像ユニットとドラムユニットが一体のプロセスカートリッジおける実施例について説明する。図9の(a)は本実施例におけるプロセスカートリッジと電子写真画像形成装置を示す断面図である。
【0027】
(画像形成装置の全体構成):図9の(a)の画像形成装置は、第1乃至第4の4つカートリッジを水平方向に並べたインライン構成(タンデム構成)の、4色フルカラーの電子写真レーザービームプリンタである。画像形成装置43の装置本体43Aには、対応する色のトナーを収容した第1乃至第4の4つのプロセスカートリッジ50y・50m・50c・50kが所定の装着部(不図示)に着脱可能に装着されている。第1のカートリッジ50yはイエロートナー収容したイエロープロセスカートリッジである。第1のカートリッジ50yはイエロートナー収容したイエロープロセスカートリッジである。第2のカートリッジ50mはマゼンタトナー収容したマゼンタプロセスカートリッジである。第3のカートリッジ50cはシアントナー収容したシアンプロセスカートリッジである。第4のカートリッジ50kはブラックトナー収容したブラックプロセスカートリッジである。第1乃至第4の各カートリッジ50y・50m・50c・50kのトナー像の形成手段は同様であるため、以降はイエロープロセスカートリッジ50yを用いて説明する。画像形成装置43は、感光体ドラム44yを有する。感光体ドラム44yの周囲には、感光体ドラム44yを一様に帯電するための帯電手段45yと、感光体ドラム44yにレーザー光を照射して潜像を形成するための露光手段46が配置されている。また、感光体ドラム44y上に形成された潜像を対応する色のトナーで現像して顕像化する現像ローラ47yと、感光体ドラム44y上の残留トナーを除去するクリーニング手段48yとが配置されている。本実施例では、感光体ドラム44yと帯電手段45yと現像ローラ47yとクリーニング手段48yが一体に構成され、かつ、画像形成装置43の装置本体43Aに対して着脱可能なカートリッジ50yとされている。感光体ドラム44yと帯電手段45yとクリーニング手段48yは、各々が独立した構成でも良いし、一体化された構成でも良い。
【0028】
まず、感光体ドラム44yを、中間転写ベル49の回転方向である矢印P方向と同期させて、矢印Q方向に回転させる。そして、イエロープロセスカートリッジ50yの感光体ドラム44yの表面を帯電手段45yによって均一に帯電するとともに、露光手段46によって、イエロー画像の光照射を行い、感光体ドラム44y上にイエローの静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム44yに形成された潜像にイエロー現像剤が付着するように、感光体ドラム44yと現像ローラ47yに電位差を設ける。これによって、感光体ドラム44yに成形された潜像にイエロー現像剤を付着させて現像する。即ち、感光体ドラム44yにフルカラー画像のイエロー成分像に対応したイエロートナー像が形成される。その後、中間転写ベルト49の内側に配置された1次転写ローラ51yにトナーと逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム44yのイエローのトナー像を中間転写ベルト49上に1次転写する。上記のイエローの場合と同様にして、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色についての静電潜像の形成、現像、1次転写が、プロセスカートリッジ50m・50c・50kにおいて順次行われる。これにより、中間転写ベルト7上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色重ね合わせのトナー像が合成形成される。一方、トナー像の被転写体であるシート52は、画像形成装置内の下部に設けられた給紙カセット53に積載収納されており、給紙ローラ54によって給紙カセット53から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ55に給紙される。レジストローラ55は、給紙されたシート52を中間転写ベルト49と2次転写ローラ56の圧接部である2次転写部に送り出す。更に、2次転写ローラ56にはトナーと逆極性の電圧が印加される。これにより、シート52が2次転写部を挟持搬送されていく過程において、中間転写ベルト49上に合成形成されている4色重ね合わせトナー像がシート52の表面に一括して2次転写されていく。トナー像の2次転写を受けたシート52は中間転写ベルト49から分離されて定着器57に送られる。定着器57においては、シート52が熱圧され、トナー像がシート52上に溶融混色して固着画像として定着される。これにより、シート52上にはフルカラー画像が形成される。その後、シート52は、定着器57から画像形成装置外部の上カバー58に設けた排紙部58aへ排出される。
【0029】
(プロセスカートリッジの全体構成):プロセスカートリッジについて、図9の(b)を用いて説明する。カートリッジ50yは、感光体ドラム44yと、感光体ドラム44yに作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段は、感光体ドラム44yを帯電させる帯電手段45y、感光体ドラム44yに形成された潜像を現像する現像手段としての現像ローラ47y、感光体ドラム44yの表面に残留する残留トナーを除去するためのクリーニング手段48yがある。そして、イエロープロセスカートリッジ50yは、現像ローラ47yを含む現像ユニット60と、感光体ドラム44y、帯電手段45y、クリーニング手段48yを含むドラムユニット61とに分かれている。また、現像ユニット60は、軸受部材62を有し、軸受部材62には嵌合穴62aが設けられている。嵌合穴62aは、現像ユニット60の軸受部材62以外の現像ユニット60を構成する部材に設けても良い。一方、ドラムユニット61は、枠体であるクリーニング容器63に、現像ユニット60の嵌合穴62aに嵌合する嵌合軸64が設けられている。嵌合軸64は、クリーニング容器63以外のドラムユニット61を構成する部材に設けても良い。現像ユニット60は、嵌合軸64を回動中心として、ドラムユニット61に対して回動自在に結合されている。カートリッジ50yの画像形成時においては、現像ユニット60は、加圧バネ65により付勢されているため、嵌合軸64を中心に矢印R方向に回転し、現像ローラ47yが感光体ドラム44yに当接している。即ち、カートリッジ50yは、少なくとも感光体ドラム44yを有するドラムユニット60を有する。また、少なくとも感光体ドラム44yに形成された静電潜像を現像する現像ローラ47yを有し、ドラムユニット60に対して移動可能な現像ユニット61を有する。そして、現像ユニット61は、現像ローラ47yが感光体ドラム44yと接触する接触位置と、現像ローラ47が感光体ドラム44と離間する離間位置と、をとり得る。カートリッジ50yは装置本体43Aの所定の装着部に着脱可能に装着される。
【0030】
(現像ユニット60の構成):現像ユニット60について図10の(a)と(b)を用いて説明する。図10の(a)と(b)は本実施例の現像ユニット60の断面図である。現像ユニット60の現像容器66はトナー収容室66aと、現像ローラ47yやトナー供給ローラ67を有する現像室66bに分離され、両者はトナー供給開口66cにより上下に分けられている。現像ユニット60がユーザーの手元に届くまでの未使用状態においては、(a)に示すように、トナー供給開口66cにはフィルム状のトナーシール68が熱溶着などの方法により現像容器66に固定されている。これにより、トナー収容室66aと現像室66bとが分離状態にされている。そして、現像ユニット60の使用前にトナーシール68を取り除くことで、トナー収容室66a内のトナー59は、(b)に示すように、現像室66b内に自由落下する。現像室66b内のトナー59は、トナー供給ローラ67に供給され、トナー供給ローラ67は(b)の矢印S方向に回転することによって、現像ローラ47yにトナー59を供給する。現像ローラ47yは、図10の(c)に示すようにゴム部であるゴムロール47aと軸部である剛体軸47bとから構成されている。そして、剛体軸47bは、感光体ドラム44yの回転軸方向にゴムロール47aを貫通し、両端はゴムロール47aから突出した突出部47b1、47b2を形成する。現像ローラ47yは、(c)の矢印T方向に回転し、現像ローラ47y上のトナー59は現像ブレード69によって規制され、感光体ドラム44yに対して現像される。現像後に現像ローラ47y上に残されたトナー59はトナー供給ローラ67によって除去される。その後、再びトナー供給ローラ67によって現像ローラ47yにトナーが供給される。
【0031】
(ドラムユニット61の構成):ドラムユニット61について図11の(a)を用いて説明する。図11の(a)は本実施例のドラムユニット61の断面図である。ドラムユニット61は、感光体ドラム44yと帯電手段45yとクリーニング手段48yが一体に構成されている。帯電手段45yは潜像形成前に感光体ドラム44yを均一に帯電する。クリーニング手段48yは感光体ドラム44yの転写残トナーを除去して、クリーニング容器63内に収容する。
【0032】
(ドラム保護カバー部材と離間部材)次に、感光体ドラム44yを保護するカバー部材と、感光体ドラム44yと現像ローラ47yを離間する離間部材について、図11の(b)、図12を用いて説明する。図11の(b)は本実施例のドラム保護カバー部材と離間部材を取り付けたカートリッジ50yの断面図である。前述したカートリッジ50yにおいては、感光体ドラム44yに形成された静電潜像を現像し、またトナー像転写を行うために、感光体ドラムの周面を広範囲で露出させる必要がある。しかしながら、カートリッジ50yを交換する際の交換作業はユーザー自身で行う為、出荷から画像形成装置43に装着するまでの間に、感光体ドラム44yにダメージを与えてしまうことが懸念される。そこで、カートリッジ50yがユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光体ドラム44yを保護するために、カートリッジ50yに対し着脱可能なカバー部材70を取り付ける必要がある。カバー部材70は、電子写真画像形成装置43の装置本体43Aに着脱可能なプロセスカートリッジ50に対して着脱可能に装着され、感光体ドラム2の表面を覆う部材である。カバー部材70は、枠体であるクリーニング容器63に設けた係止部63aと枠体である現像容器66に設けた係止部66dに、第一の被係止部70aと第二の被係止部70dがそれぞれ係止される。それによりカバー部材70はカートリッジ50yに取り付けられている。カバー部材70をカートリッジ50yに係止する係止部63aは、クリーニング容器63以外のドラムユニット61を構成する部材に設けても良い。また、係止部66dは、現像容器66以外の現像ユニット60を構成する部材に設けても良い。カバー部材70をカートリッジ50yから取り外す際には、係止部66dに係止された被係止部70dの係止を解除する。そして、カバー部材70を、被係止部70aを支点にカバー部材70を矢印U方向に回動させることで、取り外しが可能となる。
【0033】
現像ローラ47yは加圧バネ65により感光体ドラム44yに当接し、加圧された状態となっているため、ユーザーの手元に届くまでに、ゴムロール47aが変形してしまうおそれがある。そこで、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態での現像ローラ47yの変形を防止するために、感光体ドラム44yと現像ローラ47yを離間させる必要がある。本実施例では、離間部材71を、現像ローラ47yを構成する剛体軸47bと、感光体ドラム44y表面との間に取り付けることで、感光体ドラム44y表面とゴムロール47a表面を距離Vの隙間が空くように保っている。即ち、離間部材71は、感光体ドラム表面と現像ローラ47の剛体軸47bとの間に挿入されて、感光体ドラム2の周面と現像ローラ47とを離間させている。これにより、カートリッジ50yがユーザーの手元に届くまでの未使用状態での現像ローラ47の変形を防止している。離間部材71の取り付け位置は、本実施例においても、感光体ドラム2の軸線方向において、カバー部材70の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間部材71は、現像ローラ47を構成する突出部47b1(図10の(b)参照)と感光体ドラム44yとの間、突出部47b2と感光体ドラム44yとの間に挿入されている。しかし、突出部47b1、47b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する構成であっても良い。また、離間部材71は感光ドラム44yの軸線方向において、クリーニング手段48yの外側に配置されている。さらに、離間部材71は、感光体ドラム44yの軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部70aと第二の被係止部70dとの間に設けられている。離間部材71は、図11の(b)、図12に示すように、円筒形状の軸71aと、離間部71bを有する。また、カバー部材70は、離間部材71の軸71aを係止部70e、70fにより係止することにより、離間部材71を移動可能に支持している。さらに、係止部70e、70fの円弧形状部にはスリットWが設けてある。スリット幅Wwは、軸71aの径dよりもわずかに小さく設けられているため、通常では、離間部材71はカバー部材70から外れることはないが、取り外しは可能である。即ち、離間部材71はカバー部材70から取り外し可能であり、カバー部材70に対して移動可能に係止されて設けられている。また、図14に示すように係止部70e、70fの内側の高さH2及び幅W2はは、軸71aの径d2よりも大きく設定してある。これは、後述するが、離間部材71とカバー部材70との自由度を持たせることで、カバー部材70を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム44y等へのダメージを抑える為である。
【0034】
(本発明におけるカバー部材70と離間部材71の取り外し):次に、本実施例におけるカバー部材70と離間部材71の取り外しについて、図11の(b)から図15を用いて説明する。離間部材71の取り外し方向は、感光体ドラム44yの中心と現像ローラ47yの中心を結ぶ線に対して垂直方向、すなわち図11の(b)の矢印X方向へ取り外すことが望ましい。そのためにはカバー部材70もI方向へ取り外し必要がある。そこで、本実施例では、図11の(b)、図12、図14に示すように、カバー部材70は、離間部材71をカバー部材70に対し移動可能に支持している。図15の(a)乃至(d)に示すように、ユーザーのカバー部材取り外し動作、すなわち矢印U方向の動作に連動して、離間部材71はカバー部材70に対し移動する。まず、現像容器66、クリーニング容器63からカバー部材70を取り外す初期の段階について説明する。離間部材71は、図15の(a)と(b)に示すように感光体ドラム44yと現像手段である現像ローラ47yの剛体軸47bに挟まった状態で、カバー部材70に対して矢印U方向に回転する。ここで、離間部材71の回転方向であるZ方向は、現像容器66からカバー部材70を取り外す際の回転方向であるU方向と反対の方向になる。この構成によって、離間部材71を備えたカバー部材70を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム44yや現像ローラ47yにダメージを与えることを抑制することができる。仮に離間部材71がカバー部材70に固定されている構成の場合は、現像容器66からカバー部材70を取り外す際に、カバー部材70がU方向に回転するので現像ローラ3を備えた現像ユニット60を図15の(a)において時計方向に回転させることになる。その為、(a)の状態よりも加圧部材65は更に圧縮されて、カバー部材70を取り外す際の負荷が増加することになる。また、離間部材71が感光体ドラム44yや現像ローラ47yの剛体軸47bに強く押し付けられることになって、感光体ドラム44yや現像ローラ47yにダメージを与えることになる。そして本実施例において、図15の(c)と(d)に示すように、カバー部材70をU方向に更に回転させることで、離間部材71は感光体ドラム44yと現像ローラ47yの剛体軸47bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム44yと現像ローラ44bとは離間状態から接触状態になる。また、図15の(c)と(d)に示す状態においても、離間部材71はカバー部材70に対して回動可能な構成になっている為、離間部材71が感光体ドラム44yに強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム44yにダメージを与えることを抑制することができる。
【0035】
また、図14に示すように係止部70e、70fの内側の高さH2及び幅W2は、軸71aの径d2よりもガタを有する程度に大きく設定してある。この構成によって、離間部材71はカバー部材70に対して、軸71aのラジアル方向にも移動することができる。従って、更にカバー部材70を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム44y等へのダメージを抑えることが可能になる。さらに、離間部材71の離間部71bの感光体ドラム44y表面と接触する面を、感光体ドラム44y表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部材71と感光体ドラム44yとの間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部材71の破損や感光体ドラム44yへのダメージも抑制できる。
【0036】
[実施例4]
次に、カバー部材と離間部材が一体である場合のプロセスカートリッジおける実施例について説明する。図16の(a)は本実施例におけるプロセスカートリッジとカバー部材を示す断面図である。実施例3と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
(離間部材一体型のカバー部材):カバー部材72は、クリーニング容器63に設けた係止部63aと現像容器66に設けた係止部66dに、第一の被係止部72aと第二の被係止部72dがそれぞれ係止される。それによりカバー部材72はカートリッジ50yに取り付けられている。これにより、カートリッジ50yがユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光ドラム2を保護している。カバー部材72をカートリッジ50yに係止する係止部63aは、クリーニング容器63以外のドラムユニット61を構成する部材に設けても良い。また、係止部66dは、現像容器66以外の現像ユニット60を構成する部材に設けても良い。カバー部材72をカートリッジ50yから取り外す際には、係止部66dに係止された被係止部72dの係止を解除する。そして、カバー部材72を、被係止部72aを支点にカバー部材72を矢印U方向に回動させることで、取り外しが可能となる。本実施例では、カバー部材72は、離間腕73を有する。そして、その離間腕73を、現像ローラ47yを構成する剛体軸47bと、感光体ドラム44y表面との間に取り付ける。これにより、感光体ドラム44y表面とゴムロール47a表面を距離Vの隙間が空くように保っている。即ち、離間腕73は、感光体ドラム表面と現像ローラ47の剛体軸47bとの間に挿入されて、感光体ドラム2の周面と現像ローラ47とを離間させている。これにより、プロセスカートリッジ50がユーザーの手元に届くまでの未使用状態での現像ローラ47の変形を防止している。離間腕73の取り付け位置は、本実施例においては、感光体ドラム44yの軸線方向において、カバー部材72の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間腕73は、現像ローラ47を構成する剛体軸47bの突出部47b1(図10の(c)参照)と感光体ドラム44yとの間、突出部47b2と感光体ドラム44yとの間に挿入されている。しかし、突出部47b1、47b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム44yと現像ローラ47yを離間する構成であっても良い。また、離間腕73は感光ドラム44yの軸線方向において、クリーニング手段48yの外側に配置されている。さらに、離間部材73は、感光体ドラム44yの軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部72aと第二の被係止部72dとの間に設けられている。離間腕73は、少なくとも1つ以上の節部(ヒンジ部)73aと離間部73bを有する。前記節部73aを設けることで、離間腕73は図16の(b)と(c)に示すようにカバー部材72に対し移動可能となる。即ち、カバー部材72はPP(ポリプロピレン)等の樹脂材料から構成され、節部73aを離間部73bよりも薄肉化することによってヒンジの機能をもたせることができる。
【0038】
図13の(a)乃至(d)に示すように、ユーザーのカバー部材取り外し動作、すなわち矢印U方向の動作に連動して、離間部73bはカバー部材72に対し移動する。まず、現像容器66、クリーニング容器63からカバー部材72を取り外す初期の段階について説明する。離間腕73は、(a)と(b)に示すように感光体ドラム44yと現像手段である現像ローラ47yの剛体軸47bに挟まった状態で、カバー部材72に対して矢印Z方向に回転する。ここで、離間腕73の回転方向であるZ方向は、現像容器66からカバー部材72を取り外す際の回転方向であるU方向と反対の方向になる。この構成によって、離間腕73を備えたカバー部材72を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム44yや現像ローラ4にダメージを与えることを抑制することができる。そして、(c)と(d)に示すように、カバー部材72をU方向に更に回転させることで、離間腕73は感光体ドラム44yと現像ローラ47yの剛体軸47bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム44yと現像ローラ47yとは離間状態から接触状態になる。また、(c)と(d)に示す状態においても、離間腕73はカバー部材72に対して移動可能な構成になっている為、離間腕73が感光体ドラム44yに強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム44yにダメージを与えることを抑制することができる。さらに、離間腕73の離間部73bの感光体ドラム44y表面と接触する面を、感光体ドラム44y表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部73bと感光体ドラム44yとの間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部73bや感光体ドラム44yへのダメージを抑制できる。
【符号の説明】
【0039】
2・・像担持体(感光体ドラム)、3・・帯電手段(帯電ローラ)、3a・・ゴムロール部、3b・・剛体軸、24,27,70,72・・カバー部材、25,28,71,73・・離間部材、38,43・・電子写真画像形成装置、38A,43A・・装置本体、39・・ドラムカートリッジ、47・・現像手段、47a・・ゴムロール部、47b・・剛体軸、50・・プロセスカートリッジ、60・・現像ユニット、61・・ドラムユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部材及びカートリッジに関する。ここで、カートリッジとは、少なくとも、像担持体とこの像担持体に作用するプロセス手段の1つとを一体的に構成し、電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とするものである。そして、カバー部材とは、前記カートリッジに着脱可能であって、前記カートリッジの未使用状態、特に物流時において前記像担持体を保護する部材である。電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ、それらの複合機能機等ガ含まれる。装置本体とは、着脱されるカートリッジを除いた電子写真画像形成装置部分である。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真画像形成装置(以下、単に画像形成装置と記す)においては、像担持体(電子写真感光体)に形成した静電潜像を現像手段により現像することでトナー像として可視化している。従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、像担持体および像担持体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを装置本体に着脱可能とするカートリッジ方式が採用されている。このカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができた。そこでこのカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。このカートリッジでは、現像手段を有する現像ユニットと、像担持体である感光体ドラムを有するドラムユニットとを有している場合がある。ドラムユニットには、感光体ドラムと感光体ドラムに帯電を行う帯電手段とがドラムユニット枠体に支持されている。画像形成装置において使用される帯電手段の一つに、帯電手段と感光体ドラムを接触させた状態で感光体ドラム表面を帯電する接触帯電方式がある。本件では、帯電手段は、感光体ドラムに接触し感光体ドラム表面を帯電する帯電ローラを用いる。帯電ローラは、感光体ドラムと接触した状態を保つために、感光体ドラムに向かって加圧された状態でドラムユニット枠体に支持されている。よって、帯電ローラと感光体ドラムを接触させた状態で長時間放置した場合、帯電ローラが変形するおそれがある。このような問題点を解決するために、特許文献1に示すように、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時においては、帯電ローラと感光体ドラムを離間するための構成が知られている。特許文献1においては、感光体ドラムのカバー部材を貫通したスペーサを帯電ローラと感光体ドラムとの間に挿入する。これにより、ドラムカートリッジの出荷時に帯電ローラと感光体ドラムとを離間している。
【0003】
また、画像形成装置において使用される現像方式の一つに接触現像方式がある。接触現像方式とは、現像手段と像担持体を接触させた状態で、現像剤を用いて像担持体に形成された静電潜像を現像する方式のことである。本件では、現像手段には現像ローラを用いる。接触現像方式においては、現像ローラと感光体ドラムとを接触させた状態で長時間放置した場合、現像ローラが変形するおそれがある。このような問題点を解決するために、画像形成装置本体内においては、画像形成時以外には現像ローラと感光体ドラムを離間するための構成が知られている(特許文献2)。即ち、現像ローラと感光体ドラムとを離間するための離間機構が画像形成装置本体に設けられている。プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態において、画像形成時以外には、前記離間機構が現像ユニットを押圧する。これによって、現像ユニットがドラムユニットに対して移動する。その結果、現像ローラと感光体ドラムとが離間する。また、特許文献3には、感光体ドラムのカバー部材に離間部を設けた記載がある。そして、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時においては、その離間部を現像ユニットと感光体ユニットとの間に挿入し、プロセスカートリッジ未使用時に現像ローラと感光体ドラムとを離間している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−181328号公報
【特許文献2】特開2001−337511号公報
【特許文献3】特開平5−232752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例では、帯電ローラと感光体ドラムとの間、又は現像ユニットと感光体ユニットとの間に挿入された、カバー部材に設けられた離間部材(離間部)を取り外すことで、現像ローラ又は帯電ローラと感光体ドラムとの離間を解除する。このとき、カバー部材を取り外す際に、離間部材が現像ローラ又は帯電ローラと感光体ドラムとの間に挿入されている方向と、カバー部材を取り外す方向とが異なる場合に取り外しの負荷が増加したり、離間部や感光体ドラム等にダメージを与えたりする可能性がある。また、これらの問題を回避するために、離間部材をカバー部材とは別部材として、それぞれをユーザーに別動作で取り外させることは、ユーザーの行う動作が増加することになる。
【0006】
そこで、本発明は、像担持体とプロセス手段を離間する離間部を備えた、像担持体の表面を保護するカバー部材を取り外す際のユーザビリティを向上させた、カートリッジ及びカバー部材を提供することを目的とする。また、本発明は、像担持体とプロセス手段を離間する離間部を備えた、像担持体の表面を保護するカバー部材を取り外す際の負荷を軽減することが可能なカートリッジ及びカバー部材を提供することを目的とする。また、本発明は、像担持体とプロセス手段を離間する離間部を備えた、像担持体の表面を保護するカバー部材を取り外す際に、像担持体、プロセス手段にダメージを与えることを抑制することができるカートリッジ及びカバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明に係るカートリッジの代表的な構成は、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材と、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るカバー部材の代表的な構成は、像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、を有する、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジに用いられる、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材であって、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、像担持体とプロセス手段を離間させる離間部材を備えたカバー部材を取り外す際の負荷を軽減することが可能になった。また、本発明によれば、カバー部材を取り外す際に、像担持体、プロセス手段にダメージを与えることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は実施例1において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のドラムカートリッジの概略横断面図、(b)はカバー部材と離間部材が外された状態のドラムカートリッジの概略横断面図である。
【図2】(a)はトナーシール取り外し前の現像カートリッジの概略横断面図、(b)はトナーシールが取り外された状態の現像カートリッジの概略横断面図である。
【図3】実施例1における画像形成装置の概略横断面図である。
【図4】(a)は実施例1における画像形成装置の概略横断面図、(b)と(c)は実施例1におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【図5】(a)はカバー部材と離間部材との連結部の斜視図、(b)乃至(e)は実施例1におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図6】(a)は帯電ローラの斜視図、(b)は実施例2において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のドラムカートリッジの概略横断面図である。
【図7】実施例2におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【図8】実施例2におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図9】(a)は実施例3における画像形成装置の概略横断面図、(b)は実施例3におけるプロセスカートリッジの概略横断面図である。
【図10】(a)と(b)はプロセスカートリッジを構成している現像ユニットの概略横断面図、(c)は現像ローラの斜視図である。
【図11】(a)はプロセスカートリッジを構成しているドラムユニットの概略横断面図、(b)は実施例3において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のプロセスカートリッジの概略横断面図である。
【図12】実施例3におけるカバー部材と離間部材との連結部の斜視図である。
【図13】実施例4におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図14】実施例3におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【図15】実施例3におけるカバー部材と離間部材の取り外し過程の説明図である。
【図16】(a)は実施例4において、カバー部材と離間部材が装着されている状態のプロセスカートリッジの概略横断面図、(b)と(c)は実施例4におけるカバー部材と離間部材との連結構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
(画像形成装置の全体構成):最初に、本実施例における電子写真画像形成装置の全体的な概略構成について図3を用いて説明する。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタである。即ち、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等のホスト装置(不図示)から制御回路部(不図示)に入力する電気的な画像信号に基づいてシート状の被転写体(記録媒体:記録材、用紙、OHPシート、ラベル等)40に対する画像形成を実行する。制御回路部(制御手段:CPU)はホスト装置や操作部(不図示)との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、画像形成装置の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。したがって、以下の説明する画像形成装置の画像形成動作は制御回路部によって動作制御されるものである。図3の(a)に示すように、この画像形成装置38は、像担持体としての感光体ドラム2を有する。感光体ドラム2の周囲には、感光体ドラム2を一様に帯電するための帯電手段3と、感光体ドラム2上にレーザー光を照射して潜像を形成するための露光手段4と、潜像を現像剤(可視粉体:以下、トナーと記す)により顕像化する現像手段5が配置されている。また、感光体ドラム2上の残留トナーを除去するクリーニング手段6が配置されている。本実施例における現像手段5は、ロータリ型の4色現像手段である。即ち、感光体ドラム2上に形成された潜像を対応する色のトナーで現像して顕像化する、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dの4つの現像装置を有している。本実施例では、感光体ドラム2と帯電手段3とクリーニング手段6が一体に構成され、かつ、画像形成装置本体38Aの所定の装着部(不図示)対して着脱可能なドラムカートリッジ39とされている。このドラムカートリッジ39において感光体ドラム2と帯電手段3とクリーニング手段6は、各々が独立した構成でも良いし、一体化された構成でも良い。ドラムカートリッジ39は、少なくとも像担持体(感光体ドラム)と、像担持体に帯電を行う帯電手段とを有し、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着されるものである。現像手段5において、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dは、装置本体フレーム38Bに対して回転自在に取り付けられたロータリ1にロータリ周方向に順次に配置されて保持されている。イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dは、ロータリ1に対して固定されている固定式でも良いし、ロータリ1に対して着脱可能な現像カートリッジ方式でも良い。本実施例では、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dは、ロータリ1に着脱可能な現像カートリッジ方式を採用している。以下、イエロー現像装置5a、マゼンタ現像装置5b、シアン現像装置5c、ブラック現像装置5dをそれぞれイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dとして説明する。
【0012】
ロータリ1がイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dのそれぞれを保持する構成は全て同様である。よって、本実施例でのロータリ1がイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dそれぞれを保持する構成の説明は、イエロー現像カートリッジ5aで行う。イエロー現像カートリッジ5aはロータリ1に装着され、イエロー現像カートリッジ5aに設けられた被係止部17aがロータリ1に設けられた現像装置係止部材18aと係合することにより、ロータリ1からの飛び出しが抑制されている。現像装置係止部材18aはバネ(不図示)によりイエロー現像カートリッジ5aと係合する矢印A方向に付勢されている。マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dにも、それぞれ被係止部17b、17c、17dが設けられている。そして、それぞれロータリ1に設けられた現像装置係止部材18b、18c、18dと係合することにより、ロータリ1からの飛び出しが抑制されている。
【0013】
まず、感光体ドラム2を、中間転写ベルト7の回転方向である矢印B方向と同期させて、矢印C方向に回転させる。そして、この感光体ドラム2の表面を帯電手段3によって均一に帯電するとともに、露光手段4によってイエロー画像の光照射を行い、感光体ドラム2上にフルカラー画像のイエロー成分像に対応する静電潜像を形成する。この静電潜像の形成と同時に、ロータリ1が回転軸1aを中心にして矢印D方向に駆動伝達機構(不図示)により所定の回転角度だけ駆動されて、イエロー現像カートリッジ5aが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、図3の(b)のように、イエロー現像カートリッジ5aの現像ローラ21aが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。そして、感光体ドラム2に形成された潜像にイエロートナーが付着するように、感光体ドラム2とイエロー現像カートリッジ5aの現像ローラ21aとの間に電位差を設ける。これによって、感光体ドラム2に成形された潜像にイエロートナーを付着させて現像する。即ち、感光体ドラム2にイエロートナー像が形成される。その後、中間転写ベルト7の内側に配置された1次転写ローラ8にトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(1次転写バイアス)を印加して、感光体ドラム2上のイエロートナー像を中間転写ベルト7上に1次転写する。中間転写ベルト7上に転写されないで感光体ドラム2上に残った1次転写残トナーはクリーニング手段6により感光体ドラム2上から除去される。上述のようにしてイエロートナー像の中間転写ベルト7に対する1次転写が終了すると、イエローの場合と同様にして、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色についての、静電潜像の形成、現像、1次転写が順次に行われる。これにより、中間転写ベルト7上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色重ね合わせのトナー像が合成形成される。
【0014】
感光体ドラム2に対するマゼンタトナー像の形成時には、ロータリ1が所定の回転角度だけ駆動されて、マゼンタ現像カートリッジ5bが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、マゼンタ現像カートリッジ5bの現像ローラ21bが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。感光体ドラム2に対するシアントナー像の形成時には、ロータリ1が所定の回転角度だけ駆動されて、シアン現像カートリッジ5cが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、シアン現像カートリッジ5cの現像ローラ21cが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。感光体ドラム2に対するブラックトナー像の形成時には、ロータリ1が所定の回転角度だけ駆動されて、ブラック現像カートリッジ5dが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされる。即ち、ブラック現像カートリッジ5dの現像ローラ21dが感光体ドラム2に対して所定に対向した状態になるようにロータリ1の回転駆動がなされる。図4の(a)はブラック現像カートリッジ5dが感光体ドラム2に所定に対向する現像位置に移動されて位置決めされている状態時を示している。上記のイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色についての、静電潜像の形成、現像、1次転写が順次に行われる間は、図3の(a)と(b)に示すように、2次転写ローラ9は、中間転写ベルト7とは非接触状態に保持されている。また、中間転写ベルト7のクリーニングユニット10も中間転写ベルト7とは非接触状態に保持されている。
【0015】
一方、トナー像の被転写体であるシート(記録材)40は、画像形成装置38の装置本体38Aの下部に設けられた給紙カセット11に積載収納されている。そして、給紙ローラ12によって給紙カセット11から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ13に給紙される。中間転写ベルト7上に合成形成された4色重ね合わせのトナー像の先端部が中間転写ベルト7の回動により中間転写ベルト7と2次転写ローラ9との対向部に所定に近づいた時点で、2次転写ローラ9が中間転写ベルト7に圧接された状態となるように移動される。図4の(a)は2次転写ローラ9が中間転写ベルト7に圧接された状態を示している。2次転写ローラ9と中間転写ベルト7との圧接部が2次転写部である。また、中間転写ベルト7のクリーニングユニット10も中間転写ベルト7に接触した状態にされる。一方、レジストローラ13は、給紙されたシート40を所定の制御タイミングにて中間転写ベルト7と2次転写ローラ9との圧接部である2次転写部へ送り出す。更に、2次転写ローラ9には所定の制御タイミングにてトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(2次転写バイアス)が印加される。これにより、シート40が2次転写部を挟持搬送されていく過程において、中間転写ベルト7上に合成形成されている4色重ね合わせトナー像がシート40の表面に一括して2次転写されていく。トナー像の2次転写を受けたシート40は中間転写ベルト7から分離されて定着器14に送られる。定着器14においては、シート40が熱圧され、トナー像がシート40上に溶融混色して固着画像として定着される。これにより、シート40上にはフルカラー画像が形成される。その後、シート40は、定着器14から画像形成装置外部の上カバー15に設けた排紙部15aへ排出される。また、シート40上に転写されないで中間転写ベルト7上に残った2次転写残トナーはクリーニングユニット10により中間転写ベルト7上から除去される。シート40の後端部が2次転写部を通過すると、2次転写ローラ9は中間転写ベルト7から離間移動される。また、クリーニングユニット10も中間転写ベルト7に対して非接触状態にされる。
【0016】
(現像カートリッジの説明):イエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dの構成は全て同様である。よって、本実施例でのイエロー現像カートリッジ5a、マゼンタ現像カートリッジ5b、シアン現像カートリッジ5c、ブラック現像カートリッジ5dの構成の説明は、イエロー現像カートリッジ5aで行う。イエロー現像カートリッジ5aについて、図2を用いて説明する。図2の(a)と(b)は本実施例のイエロー現像カートリッジ5aの断面図である。イエロー現像カートリッジ5aの現像容器23は、トナー収容室23aと、現像ローラ21aやトナー供給ローラ22を有する現像室23bとに分離され、両者はトナー供給開口23cにより上下に分けられている。(a)は、イエロー現像カートリッジ5aがユーザーの手元に届くまでの未使用状態時を示している。この未使用状態時おいては、トナー供給開口23cには、トナー収容室23aと現像室23bを分離するための、フィルム状のトナーシール41が熱溶着などの方法により現像容器23に固定されている。
【0017】
使用前にトナーシール41を取り除く。これにより、トナー収容室23a内のトナー42は、図3の(b)に示す感光体ドラム2と対向する現像位置において、図2の(b)に示すように、現像室23b内に自由落下する。現像室23b内のトナー42は、トナー供給ローラ22に供給され、トナー供給ローラ22は図2の(b)の矢印E方向に回転することによって、現像ローラ21aにトナー42を供給する。現像ローラ21aは弾性ゴムローラで構成され、図2の(b)の矢印F方向に回転し、現像ローラ21a上のトナー42は現像ブレード16によって規制され、感光体ドラム2に対して現像される。現像後に現像ローラ21a上に残されたトナー42はトナー供給ローラ22によって除去される。その後、再びトナー供給ローラ22によって現像ローラ21aにトナーが供給される。また、現像位置では、安定的に現像ローラ21aを感光体ドラム2に当接させるため、イエロー現像カートリッジ5aが保持されたロータリ1ごと、感光体ドラム2方向に付勢させている。これによって、イエロー現像カートリッジ5aの現像ローラ21aが感光体ドラム2に所定の加圧力で当接する状態となる。
【0018】
(ドラムカートリッジ39の説明):ドラムカートリッジ39について、図1の(b)、図3、図4の(a)、図6の(a)を用いて説明する。図1の(b)は本実施例のドラムカートリッジ39の断面図である。ドラムカートリッジ39は、図3の(a)と(b)、図4の(a)に示すように、画像形成装置38の装置本体38Aの所定位置に位置決めされている。また、ドラムカートリッジ39は、図1の(b)に示すように、感光体ドラム2と帯電手段3とクリーニング手段6が一体に構成されている。帯電手段3は、潜像形成前に感光体ドラム2を均一に帯電する手段である。クリーニング手段6は、感光体ドラム2に当接し、感光体ドラム2上に残留する転写残トナー(現像剤)を除去して、クリーニング容器26内に収容する手段である。本実施例では、クリーニング手段6は、クリーニングブレード方式を採用している。ここで、帯電手段3の構成について説明する。本実施例では、帯電手段3は帯電ローラ方式を採用している。以下、帯電手段3は帯電ローラ3として説明する。帯電ローラ3は、図6の(a)に示すように、ゴム部であるゴムロール3aと軸部である剛体軸3bとから構成されている。剛体軸3bは、ゴムロール3aを感光体ドラム2の回転軸方向に貫通し、両端部はゴムロール3aから突出した突出部3b1、3b2を形成する。帯電ローラ軸受19は、クリーニング容器26に対し、帯電ローラ3の中心と感光体ドラム2の中心を通る線Ga−Gb上を移動可能に取り付けられている。帯電ローラ3は、図1の(b)に示すように、突出部3b1を帯電ローラ軸受19に回転可能に取り付けられている。帯電ローラ軸受19は帯電ローラ加圧部材20により、矢印G方向、すなわち感光体ドラム2に向かって加圧されている。突出部3b2も同様の構成により、感光体ドラム2に向かって加圧されている。
【0019】
(カバー部材24と離間部材25):次に、感光体ドラム2を保護するカバー部材24と、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する離間部材25について、図1の(a)、図4の(b)と(c)、図5の(a)を用いて説明する。図1の(a)は本実施例のドラム保護カバー部材24と離間部材25を取り付けたドラムカートリッジ39の断面図である。前述したドラムカートリッジ39においては、感光体ドラム2に形成された静電潜像を現像し、またトナー像転写を行うために、感光体ドラム2の周面を広範囲で露出させる必要がある。しかしながら、ドラムカートリッジ39を交換する際の交換作業はユーザー自身で行う為、出荷から画像形成装置38に装着するまでの間に、感光体ドラム2にダメージを与えてしまうことが懸念される。そこで、ドラムカートリッジ39がユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光体ドラム2を保護するために、ドラムカートリッジ39に対し着脱可能なカバー部材24を取り付ける必要がある。カバー部材24は、ドラムカートリッジ39に対して取り外し可能に装着され、感光体ドラム2の表面を覆う部材である。カバー部材24は、枠体であるクリーニング容器26に設けた係止部26a、26bに、第一の被係止部24c、第二の被係止部24dがそれぞれ係止されることによりドラムカートリッジ39に取り付けられている。カバー部材24をドラムカートリッジ39に係止する係止部26a、26bは、クリーニング容器26以外のドラムカートリッジ39を構成する部材に設けても良い。カバー部材24をドラムカートリッジ39から取り外す際には、係止部26aに係止された被係止部24cの係止を解除し、被係止部24dを支点にカバー部材24を回動させる。これにより、カバー部材24は、図1の(a)の矢印H方向に取り外しが可能となる。
【0020】
帯電ローラ3は帯電ローラ加圧部材20により感光体ドラム2に向かって加圧された状態となっているため、ユーザーの手元に届くまでに、ゴムロール3aが変形してしまう可能性がある。そこで、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態での帯電ローラ3の変形を防止するために、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間させる必要がある。本実施例では、図1の(a)に示すように離間部材25を、帯電ローラ3を構成する剛体軸3bと、感光体ドラム2表面との間に取り付ける。そうすることで、感光体ドラム2表面とゴムロール3a表面を距離Mの隙間を保って離間させている。即ち、離間部材25は、感光体ドラム2の表面と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間に挿入されて、感光体ドラム2の周面と帯電ローラ3とを離間させた状態に保っている。離間部材25の取り付け位置は、本実施例においては、感光体ドラム2の軸線方向において、カバー部材24の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間部材25は、剛体軸3bの突出部3b1(図6の(a)参照)と感光体ドラム2との間、突出部3b2と感光体ドラム2との間に挿入されている。しかし、突出部3b1、3b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する構成であっても良い。また、離間部材25は感光ドラム2の軸線方向において、ドラムカートリッジ39に設けられているクリーニング手段6の外側に配置されている。さらに、離間部材25は、感光体ドラム2の軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部24cと第二の被係止部24dとの間に設けられている。
【0021】
離間部材25は、図4の(b)と(c)、図5の(a)に示すように、円筒形状の軸25aと、離間部25bを有する。また、カバー部材24は、離間部材25の軸25aを離間部材係止部24a、24bにより係止することにより、離間部材25を移動可能に支持している。さらに、係止部24a、24bの円弧形状部にはスリットLが設けてある。スリット幅Lwは、図4の(b)と(c)に示すように、軸25aの径dよりもわずかに小さく設けられている。そのため、通常では、離間部材25はカバー部材24から外れることはないが、取り外しは可能である。即ち、離間部材25はカバー部材24から取り外し可能であり、カバー部材24に対して移動可能に係止されて設けられている。また、係止部24a、24bの内側の高さH1及び幅W1は、軸25aの径d1よりも大きく設定してある。これは、後述するが、離間部材25とカバー部材24との自由度を持たせることで、カバー部材24を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム2等へのダメージを抑える為である。
【0022】
(カバー部材24と離間部材25の取り外し):次に、カバー部材24と離間部材25の取り外しについて、図1の(a)および図4乃至図5を用いて説明する。離間部材25の取り外し方向は、本来は感光体ドラム2の中心と帯電ローラ3の中心を結ぶ線に対して垂直方向、すなわち図1の(a)の矢印I方向へ取り外すことが望ましい。そのためにはカバー部材24もI方向へ取り外し必要がある。そこで本実施例では、図1の(a)、図4の(b)と(c)、図5の(a)に示すように、カバー部材24は、離間部材25をカバー部材24に対し移動可能に支持している。図5の(b)乃至(e)に示すように、ユーザーのカバー部材24の取り外し動作、すなわち(b)乃至(d)の矢印H方向の動作に連動して、離間部材25はカバー部材24に対し移動する。まず、クリーニング容器26からカバー部材24を取り外す初期の段階において、離間部材25は、(b)と(c)に示すように感光体ドラム2と帯電手段である帯電ローラ3の剛体軸3bに挟まった状態で、カバー部材24に対して矢印K方向に回転する。ここで、離間部材25の回転方向であるK方向は、クリーニング容器26からカバー部材24を取り外す際の回転方向であるH方向と反対の方向になる。この構成によって、離間部材25を備えたカバー部材24を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。仮に離間部材25がカバー部材24に固定されている構成の場合は、クリーニング容器26からカバー部材24を取り外す際に、カバー部材24がH方向に回転するので帯電ローラ3を上方に押し上げる方向に移動させることになる。その為、(b)の状態よりも帯電ローラ加圧部材20は更に圧縮されて、カバー部材24を取り外す際の負荷が増加することになる。また、離間部材25が感光体ドラム2や帯電ローラ3の剛体軸3bに強く押し付けられることになって、感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることになる。そして、本実施例において、(d)と(e)に示すように、カバー部材24をH方向に更に回転させることで、離間部材25は感光体ドラム2と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム2と帯電ローラ3とは離間状態から接触状態になる。また、(d)と(e)に示す状態においても、離間部材25はカバー部材24に対して回動可能な構成になっている為、離間部材25が感光体ドラム2に強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。また、図4の(b)と(c)に示すように係止部24a、24bの内側の高さH1及び幅W1は、軸25aの径d1よりもガタを有する程度に大きく設定してある。この構成によって、離間部材25はカバー部材24に対して、軸25aのラジアル方向にも移動することができる。従って、更にカバー部材24を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム2等へのダメージを抑えることが可能になる。さらに、離間部材25の離間部25bの感光体ドラム2表面と接触する面を、感光体ドラム2表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部材25と感光体ドラム2との間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部材25の破損や感光体ドラム2へのダメージも抑制できる。
【0023】
[実施例2]
次に、カバー部材と離間部材が一体である場合の実施例について説明する。図6の(b)は本実施例に係るドラムカートリッジとカバー部材を示す断面図である。実施例1と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
(離間部材一体型のカバー部材):カバー部材27は、クリーニング容器26に設けた係止部26a、26bに、被係止部27c、27dがそれぞれ係止されることによりドラムカートリッジ39に取り付けられている。これにより、ドラムカートリッジ39がユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光体ドラム2を保護している。カバー部材27をドラムカートリッジ39に係止する係止部26a、26bは、クリーニング容器26以外のドラムカートリッジ39を構成する部材に設けても良い。カバー部材27をドラムカートリッジ39から取り外す際には、係止部26aに係止された被係止部27cの係止を解除する。そして、カバー部材27を被係止部27dを支点にカバー部材27を回動させることで、矢印H方向に取り外しが可能となる。本実施例では、カバー部材27は、離間腕28を有する。この離間腕28を、帯電ローラ3を構成する剛体軸3bの突出部3b1、3b2(図6の(a)参照)と、感光体ドラム2表面との間に取り付ける。これにより、図6の(b)に示すように感光体ドラム2表面とゴムロール3a表面を距離Nの隙間が空くように保っている。即ち、離間腕28は、感光体ドラム表面と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3とを離間させている。これにより、ドラムカートリッジ39がユーザーの手元に届くまでの未使用状態での帯電ローラ3の変形を防止している。離間腕28の取り付け位置は、本実施例においては、感光体ドラム2の軸線方向において、カバー部材27の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間腕28は、帯電ローラ3を構成する剛体軸3bの突出部3b1と感光体ドラム2との間、突出部3b2と感光体ドラム2との間に挿入されている。しかし、突出部3b1、3b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する構成であっても良い。また、離間腕28は感光ドラム2の軸線方向において、ドラムカートリッジ39に設けられているクリーニング手段6の外側に配置されている。さらに、離間部材25は、感光体ドラム2の軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部24cと第二の被係止部24dとの間に設けられている。
【0025】
離間腕28は、少なくとも1つ以上の節部(ヒンジ部)28aと離間部28bを有する。前記節部28aを設けることで、離間腕28は、図7の(a)と(b)に示すように、カバー部材27に対し移動可能となる。即ち、カバー部材27はPP(ポリプロピレン)等の樹脂材料から構成され、節部28aを離間部28bよりも薄肉化することによってヒンジの機能をもたせることができる。まず、クリーニング容器26からカバー部材27を取り外す初期の段階において、離間腕28は、図8の(a)と(b)に示すように感光体ドラム2と帯電手段である帯電ローラ3の剛体軸3bに挟まった状態で、カバー部材27に対して矢印K方向に回転する。ここで、離間腕28の回転方向であるK方向は、クリーニング容器26からカバー部材27を取り外す際の回転方向であるH方向と反対の方向になる。この構成によって、離間腕28を備えたカバー部材27を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。そして、図8の(c)と(d)に示すように、カバー部材27をH方向に更に回転させることで、離間腕28は感光体ドラム2と帯電ローラ3の剛体軸3bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム2と帯電ローラ3とは離間状態から接触状態になる。また、図8の(c)と(d)に示す状態においても、離間腕28はカバー部材27に対して移動可能な構成になっている為、離間腕28が感光体ドラム2に強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム2や帯電ローラ3にダメージを与えることを抑制することができる。さらに、離間腕28の離間部28bの感光体ドラム2表面と接触する面を、感光体ドラム2表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部28bと感光体ドラム2との間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部腕28の破損や感光体ドラム2へのダメージも抑制できる。
【0026】
[実施例3]
次に、現像ユニットとドラムユニットが一体のプロセスカートリッジおける実施例について説明する。図9の(a)は本実施例におけるプロセスカートリッジと電子写真画像形成装置を示す断面図である。
【0027】
(画像形成装置の全体構成):図9の(a)の画像形成装置は、第1乃至第4の4つカートリッジを水平方向に並べたインライン構成(タンデム構成)の、4色フルカラーの電子写真レーザービームプリンタである。画像形成装置43の装置本体43Aには、対応する色のトナーを収容した第1乃至第4の4つのプロセスカートリッジ50y・50m・50c・50kが所定の装着部(不図示)に着脱可能に装着されている。第1のカートリッジ50yはイエロートナー収容したイエロープロセスカートリッジである。第1のカートリッジ50yはイエロートナー収容したイエロープロセスカートリッジである。第2のカートリッジ50mはマゼンタトナー収容したマゼンタプロセスカートリッジである。第3のカートリッジ50cはシアントナー収容したシアンプロセスカートリッジである。第4のカートリッジ50kはブラックトナー収容したブラックプロセスカートリッジである。第1乃至第4の各カートリッジ50y・50m・50c・50kのトナー像の形成手段は同様であるため、以降はイエロープロセスカートリッジ50yを用いて説明する。画像形成装置43は、感光体ドラム44yを有する。感光体ドラム44yの周囲には、感光体ドラム44yを一様に帯電するための帯電手段45yと、感光体ドラム44yにレーザー光を照射して潜像を形成するための露光手段46が配置されている。また、感光体ドラム44y上に形成された潜像を対応する色のトナーで現像して顕像化する現像ローラ47yと、感光体ドラム44y上の残留トナーを除去するクリーニング手段48yとが配置されている。本実施例では、感光体ドラム44yと帯電手段45yと現像ローラ47yとクリーニング手段48yが一体に構成され、かつ、画像形成装置43の装置本体43Aに対して着脱可能なカートリッジ50yとされている。感光体ドラム44yと帯電手段45yとクリーニング手段48yは、各々が独立した構成でも良いし、一体化された構成でも良い。
【0028】
まず、感光体ドラム44yを、中間転写ベル49の回転方向である矢印P方向と同期させて、矢印Q方向に回転させる。そして、イエロープロセスカートリッジ50yの感光体ドラム44yの表面を帯電手段45yによって均一に帯電するとともに、露光手段46によって、イエロー画像の光照射を行い、感光体ドラム44y上にイエローの静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム44yに形成された潜像にイエロー現像剤が付着するように、感光体ドラム44yと現像ローラ47yに電位差を設ける。これによって、感光体ドラム44yに成形された潜像にイエロー現像剤を付着させて現像する。即ち、感光体ドラム44yにフルカラー画像のイエロー成分像に対応したイエロートナー像が形成される。その後、中間転写ベルト49の内側に配置された1次転写ローラ51yにトナーと逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム44yのイエローのトナー像を中間転写ベルト49上に1次転写する。上記のイエローの場合と同様にして、マゼンダ、シアン、そしてブラックの各色についての静電潜像の形成、現像、1次転写が、プロセスカートリッジ50m・50c・50kにおいて順次行われる。これにより、中間転写ベルト7上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色重ね合わせのトナー像が合成形成される。一方、トナー像の被転写体であるシート52は、画像形成装置内の下部に設けられた給紙カセット53に積載収納されており、給紙ローラ54によって給紙カセット53から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ55に給紙される。レジストローラ55は、給紙されたシート52を中間転写ベルト49と2次転写ローラ56の圧接部である2次転写部に送り出す。更に、2次転写ローラ56にはトナーと逆極性の電圧が印加される。これにより、シート52が2次転写部を挟持搬送されていく過程において、中間転写ベルト49上に合成形成されている4色重ね合わせトナー像がシート52の表面に一括して2次転写されていく。トナー像の2次転写を受けたシート52は中間転写ベルト49から分離されて定着器57に送られる。定着器57においては、シート52が熱圧され、トナー像がシート52上に溶融混色して固着画像として定着される。これにより、シート52上にはフルカラー画像が形成される。その後、シート52は、定着器57から画像形成装置外部の上カバー58に設けた排紙部58aへ排出される。
【0029】
(プロセスカートリッジの全体構成):プロセスカートリッジについて、図9の(b)を用いて説明する。カートリッジ50yは、感光体ドラム44yと、感光体ドラム44yに作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段は、感光体ドラム44yを帯電させる帯電手段45y、感光体ドラム44yに形成された潜像を現像する現像手段としての現像ローラ47y、感光体ドラム44yの表面に残留する残留トナーを除去するためのクリーニング手段48yがある。そして、イエロープロセスカートリッジ50yは、現像ローラ47yを含む現像ユニット60と、感光体ドラム44y、帯電手段45y、クリーニング手段48yを含むドラムユニット61とに分かれている。また、現像ユニット60は、軸受部材62を有し、軸受部材62には嵌合穴62aが設けられている。嵌合穴62aは、現像ユニット60の軸受部材62以外の現像ユニット60を構成する部材に設けても良い。一方、ドラムユニット61は、枠体であるクリーニング容器63に、現像ユニット60の嵌合穴62aに嵌合する嵌合軸64が設けられている。嵌合軸64は、クリーニング容器63以外のドラムユニット61を構成する部材に設けても良い。現像ユニット60は、嵌合軸64を回動中心として、ドラムユニット61に対して回動自在に結合されている。カートリッジ50yの画像形成時においては、現像ユニット60は、加圧バネ65により付勢されているため、嵌合軸64を中心に矢印R方向に回転し、現像ローラ47yが感光体ドラム44yに当接している。即ち、カートリッジ50yは、少なくとも感光体ドラム44yを有するドラムユニット60を有する。また、少なくとも感光体ドラム44yに形成された静電潜像を現像する現像ローラ47yを有し、ドラムユニット60に対して移動可能な現像ユニット61を有する。そして、現像ユニット61は、現像ローラ47yが感光体ドラム44yと接触する接触位置と、現像ローラ47が感光体ドラム44と離間する離間位置と、をとり得る。カートリッジ50yは装置本体43Aの所定の装着部に着脱可能に装着される。
【0030】
(現像ユニット60の構成):現像ユニット60について図10の(a)と(b)を用いて説明する。図10の(a)と(b)は本実施例の現像ユニット60の断面図である。現像ユニット60の現像容器66はトナー収容室66aと、現像ローラ47yやトナー供給ローラ67を有する現像室66bに分離され、両者はトナー供給開口66cにより上下に分けられている。現像ユニット60がユーザーの手元に届くまでの未使用状態においては、(a)に示すように、トナー供給開口66cにはフィルム状のトナーシール68が熱溶着などの方法により現像容器66に固定されている。これにより、トナー収容室66aと現像室66bとが分離状態にされている。そして、現像ユニット60の使用前にトナーシール68を取り除くことで、トナー収容室66a内のトナー59は、(b)に示すように、現像室66b内に自由落下する。現像室66b内のトナー59は、トナー供給ローラ67に供給され、トナー供給ローラ67は(b)の矢印S方向に回転することによって、現像ローラ47yにトナー59を供給する。現像ローラ47yは、図10の(c)に示すようにゴム部であるゴムロール47aと軸部である剛体軸47bとから構成されている。そして、剛体軸47bは、感光体ドラム44yの回転軸方向にゴムロール47aを貫通し、両端はゴムロール47aから突出した突出部47b1、47b2を形成する。現像ローラ47yは、(c)の矢印T方向に回転し、現像ローラ47y上のトナー59は現像ブレード69によって規制され、感光体ドラム44yに対して現像される。現像後に現像ローラ47y上に残されたトナー59はトナー供給ローラ67によって除去される。その後、再びトナー供給ローラ67によって現像ローラ47yにトナーが供給される。
【0031】
(ドラムユニット61の構成):ドラムユニット61について図11の(a)を用いて説明する。図11の(a)は本実施例のドラムユニット61の断面図である。ドラムユニット61は、感光体ドラム44yと帯電手段45yとクリーニング手段48yが一体に構成されている。帯電手段45yは潜像形成前に感光体ドラム44yを均一に帯電する。クリーニング手段48yは感光体ドラム44yの転写残トナーを除去して、クリーニング容器63内に収容する。
【0032】
(ドラム保護カバー部材と離間部材)次に、感光体ドラム44yを保護するカバー部材と、感光体ドラム44yと現像ローラ47yを離間する離間部材について、図11の(b)、図12を用いて説明する。図11の(b)は本実施例のドラム保護カバー部材と離間部材を取り付けたカートリッジ50yの断面図である。前述したカートリッジ50yにおいては、感光体ドラム44yに形成された静電潜像を現像し、またトナー像転写を行うために、感光体ドラムの周面を広範囲で露出させる必要がある。しかしながら、カートリッジ50yを交換する際の交換作業はユーザー自身で行う為、出荷から画像形成装置43に装着するまでの間に、感光体ドラム44yにダメージを与えてしまうことが懸念される。そこで、カートリッジ50yがユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光体ドラム44yを保護するために、カートリッジ50yに対し着脱可能なカバー部材70を取り付ける必要がある。カバー部材70は、電子写真画像形成装置43の装置本体43Aに着脱可能なプロセスカートリッジ50に対して着脱可能に装着され、感光体ドラム2の表面を覆う部材である。カバー部材70は、枠体であるクリーニング容器63に設けた係止部63aと枠体である現像容器66に設けた係止部66dに、第一の被係止部70aと第二の被係止部70dがそれぞれ係止される。それによりカバー部材70はカートリッジ50yに取り付けられている。カバー部材70をカートリッジ50yに係止する係止部63aは、クリーニング容器63以外のドラムユニット61を構成する部材に設けても良い。また、係止部66dは、現像容器66以外の現像ユニット60を構成する部材に設けても良い。カバー部材70をカートリッジ50yから取り外す際には、係止部66dに係止された被係止部70dの係止を解除する。そして、カバー部材70を、被係止部70aを支点にカバー部材70を矢印U方向に回動させることで、取り外しが可能となる。
【0033】
現像ローラ47yは加圧バネ65により感光体ドラム44yに当接し、加圧された状態となっているため、ユーザーの手元に届くまでに、ゴムロール47aが変形してしまうおそれがある。そこで、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態での現像ローラ47yの変形を防止するために、感光体ドラム44yと現像ローラ47yを離間させる必要がある。本実施例では、離間部材71を、現像ローラ47yを構成する剛体軸47bと、感光体ドラム44y表面との間に取り付けることで、感光体ドラム44y表面とゴムロール47a表面を距離Vの隙間が空くように保っている。即ち、離間部材71は、感光体ドラム表面と現像ローラ47の剛体軸47bとの間に挿入されて、感光体ドラム2の周面と現像ローラ47とを離間させている。これにより、カートリッジ50yがユーザーの手元に届くまでの未使用状態での現像ローラ47の変形を防止している。離間部材71の取り付け位置は、本実施例においても、感光体ドラム2の軸線方向において、カバー部材70の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間部材71は、現像ローラ47を構成する突出部47b1(図10の(b)参照)と感光体ドラム44yとの間、突出部47b2と感光体ドラム44yとの間に挿入されている。しかし、突出部47b1、47b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム2と帯電ローラ3を離間する構成であっても良い。また、離間部材71は感光ドラム44yの軸線方向において、クリーニング手段48yの外側に配置されている。さらに、離間部材71は、感光体ドラム44yの軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部70aと第二の被係止部70dとの間に設けられている。離間部材71は、図11の(b)、図12に示すように、円筒形状の軸71aと、離間部71bを有する。また、カバー部材70は、離間部材71の軸71aを係止部70e、70fにより係止することにより、離間部材71を移動可能に支持している。さらに、係止部70e、70fの円弧形状部にはスリットWが設けてある。スリット幅Wwは、軸71aの径dよりもわずかに小さく設けられているため、通常では、離間部材71はカバー部材70から外れることはないが、取り外しは可能である。即ち、離間部材71はカバー部材70から取り外し可能であり、カバー部材70に対して移動可能に係止されて設けられている。また、図14に示すように係止部70e、70fの内側の高さH2及び幅W2はは、軸71aの径d2よりも大きく設定してある。これは、後述するが、離間部材71とカバー部材70との自由度を持たせることで、カバー部材70を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム44y等へのダメージを抑える為である。
【0034】
(本発明におけるカバー部材70と離間部材71の取り外し):次に、本実施例におけるカバー部材70と離間部材71の取り外しについて、図11の(b)から図15を用いて説明する。離間部材71の取り外し方向は、感光体ドラム44yの中心と現像ローラ47yの中心を結ぶ線に対して垂直方向、すなわち図11の(b)の矢印X方向へ取り外すことが望ましい。そのためにはカバー部材70もI方向へ取り外し必要がある。そこで、本実施例では、図11の(b)、図12、図14に示すように、カバー部材70は、離間部材71をカバー部材70に対し移動可能に支持している。図15の(a)乃至(d)に示すように、ユーザーのカバー部材取り外し動作、すなわち矢印U方向の動作に連動して、離間部材71はカバー部材70に対し移動する。まず、現像容器66、クリーニング容器63からカバー部材70を取り外す初期の段階について説明する。離間部材71は、図15の(a)と(b)に示すように感光体ドラム44yと現像手段である現像ローラ47yの剛体軸47bに挟まった状態で、カバー部材70に対して矢印U方向に回転する。ここで、離間部材71の回転方向であるZ方向は、現像容器66からカバー部材70を取り外す際の回転方向であるU方向と反対の方向になる。この構成によって、離間部材71を備えたカバー部材70を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム44yや現像ローラ47yにダメージを与えることを抑制することができる。仮に離間部材71がカバー部材70に固定されている構成の場合は、現像容器66からカバー部材70を取り外す際に、カバー部材70がU方向に回転するので現像ローラ3を備えた現像ユニット60を図15の(a)において時計方向に回転させることになる。その為、(a)の状態よりも加圧部材65は更に圧縮されて、カバー部材70を取り外す際の負荷が増加することになる。また、離間部材71が感光体ドラム44yや現像ローラ47yの剛体軸47bに強く押し付けられることになって、感光体ドラム44yや現像ローラ47yにダメージを与えることになる。そして本実施例において、図15の(c)と(d)に示すように、カバー部材70をU方向に更に回転させることで、離間部材71は感光体ドラム44yと現像ローラ47yの剛体軸47bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム44yと現像ローラ44bとは離間状態から接触状態になる。また、図15の(c)と(d)に示す状態においても、離間部材71はカバー部材70に対して回動可能な構成になっている為、離間部材71が感光体ドラム44yに強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム44yにダメージを与えることを抑制することができる。
【0035】
また、図14に示すように係止部70e、70fの内側の高さH2及び幅W2は、軸71aの径d2よりもガタを有する程度に大きく設定してある。この構成によって、離間部材71はカバー部材70に対して、軸71aのラジアル方向にも移動することができる。従って、更にカバー部材70を取り外す際の負荷の軽減や感光体ドラム44y等へのダメージを抑えることが可能になる。さらに、離間部材71の離間部71bの感光体ドラム44y表面と接触する面を、感光体ドラム44y表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部材71と感光体ドラム44yとの間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部材71の破損や感光体ドラム44yへのダメージも抑制できる。
【0036】
[実施例4]
次に、カバー部材と離間部材が一体である場合のプロセスカートリッジおける実施例について説明する。図16の(a)は本実施例におけるプロセスカートリッジとカバー部材を示す断面図である。実施例3と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
(離間部材一体型のカバー部材):カバー部材72は、クリーニング容器63に設けた係止部63aと現像容器66に設けた係止部66dに、第一の被係止部72aと第二の被係止部72dがそれぞれ係止される。それによりカバー部材72はカートリッジ50yに取り付けられている。これにより、カートリッジ50yがユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時での感光ドラム2を保護している。カバー部材72をカートリッジ50yに係止する係止部63aは、クリーニング容器63以外のドラムユニット61を構成する部材に設けても良い。また、係止部66dは、現像容器66以外の現像ユニット60を構成する部材に設けても良い。カバー部材72をカートリッジ50yから取り外す際には、係止部66dに係止された被係止部72dの係止を解除する。そして、カバー部材72を、被係止部72aを支点にカバー部材72を矢印U方向に回動させることで、取り外しが可能となる。本実施例では、カバー部材72は、離間腕73を有する。そして、その離間腕73を、現像ローラ47yを構成する剛体軸47bと、感光体ドラム44y表面との間に取り付ける。これにより、感光体ドラム44y表面とゴムロール47a表面を距離Vの隙間が空くように保っている。即ち、離間腕73は、感光体ドラム表面と現像ローラ47の剛体軸47bとの間に挿入されて、感光体ドラム2の周面と現像ローラ47とを離間させている。これにより、プロセスカートリッジ50がユーザーの手元に届くまでの未使用状態での現像ローラ47の変形を防止している。離間腕73の取り付け位置は、本実施例においては、感光体ドラム44yの軸線方向において、カバー部材72の一端側と他端側の2か所に設けられている。即ち、離間腕73は、現像ローラ47を構成する剛体軸47bの突出部47b1(図10の(c)参照)と感光体ドラム44yとの間、突出部47b2と感光体ドラム44yとの間に挿入されている。しかし、突出部47b1、47b2のいずれか一方との間に挿入されて、感光体ドラム44yと現像ローラ47yを離間する構成であっても良い。また、離間腕73は感光ドラム44yの軸線方向において、クリーニング手段48yの外側に配置されている。さらに、離間部材73は、感光体ドラム44yの軸線方向と交差する方向において、第一の被係止部72aと第二の被係止部72dとの間に設けられている。離間腕73は、少なくとも1つ以上の節部(ヒンジ部)73aと離間部73bを有する。前記節部73aを設けることで、離間腕73は図16の(b)と(c)に示すようにカバー部材72に対し移動可能となる。即ち、カバー部材72はPP(ポリプロピレン)等の樹脂材料から構成され、節部73aを離間部73bよりも薄肉化することによってヒンジの機能をもたせることができる。
【0038】
図13の(a)乃至(d)に示すように、ユーザーのカバー部材取り外し動作、すなわち矢印U方向の動作に連動して、離間部73bはカバー部材72に対し移動する。まず、現像容器66、クリーニング容器63からカバー部材72を取り外す初期の段階について説明する。離間腕73は、(a)と(b)に示すように感光体ドラム44yと現像手段である現像ローラ47yの剛体軸47bに挟まった状態で、カバー部材72に対して矢印Z方向に回転する。ここで、離間腕73の回転方向であるZ方向は、現像容器66からカバー部材72を取り外す際の回転方向であるU方向と反対の方向になる。この構成によって、離間腕73を備えたカバー部材72を取り外す際の負荷を軽減し、感光体ドラム44yや現像ローラ4にダメージを与えることを抑制することができる。そして、(c)と(d)に示すように、カバー部材72をU方向に更に回転させることで、離間腕73は感光体ドラム44yと現像ローラ47yの剛体軸47bとの間から取り外される。それによって、感光体ドラム44yと現像ローラ47yとは離間状態から接触状態になる。また、(c)と(d)に示す状態においても、離間腕73はカバー部材72に対して移動可能な構成になっている為、離間腕73が感光体ドラム44yに強く押し付けられることはない。したがって感光体ドラム44yにダメージを与えることを抑制することができる。さらに、離間腕73の離間部73bの感光体ドラム44y表面と接触する面を、感光体ドラム44y表面の曲率に沿った形状とすることで、離間部73bと感光体ドラム44yとの間での負荷の増加を軽減することが可能となる。これにより、離間部73bや感光体ドラム44yへのダメージを抑制できる。
【符号の説明】
【0039】
2・・像担持体(感光体ドラム)、3・・帯電手段(帯電ローラ)、3a・・ゴムロール部、3b・・剛体軸、24,27,70,72・・カバー部材、25,28,71,73・・離間部材、38,43・・電子写真画像形成装置、38A,43A・・装置本体、39・・ドラムカートリッジ、47・・現像手段、47a・・ゴムロール部、47b・・剛体軸、50・・プロセスカートリッジ、60・・現像ユニット、61・・ドラムユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材と、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部と、を有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記離間部は、前記カバー部材に回動可能に係止されていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記離間部は、前記離間部を前記カバー部材に対して移動可能にするヒンジ部を介して前記カバー部材に一体で設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記離間部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向において一端側と他端側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記離間部は、前記カバー部材から取り外しが可能に係止されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記プロセス手段は、前記像担持体を帯電するための帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記帯電手段は、ゴム部と前記ゴム部を前記枠体に対して回転可能に支持する軸とを有し、前記離間部は、前記像担持体の表面と前記軸との間に挿入して、前記像担持体と前記帯電手を離間することを特徴とする請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記プロセス手段は、前記像担持体に形成された静電潜像を現像するための現像手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記現像手段は、ゴム部と前記ゴム部を前記枠体に対して回転可能に支持する軸とを有し、前記離間部は、前記像担持体の表面と前記軸との間に挿入して、前記像担持体と前記現像手段を離間することを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カバー部は、前記枠体に取り外し可能に取り付けるための、前記枠体に係合する被係止部を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記カバー部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向と交差する方向において一端側に設けられた第一の被係止部と、前記交差する方向において他端側に設けられた第二の被係止部とを備え、前記前記離間部は、前記交差する方向において前記第一の被係止部と前記第二の被係止部との間に設けられていることを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、を有する、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジに用いられる、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材であって、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部を有することを特徴とするカバー部材。
【請求項13】
前記離間部は、前記カバー部材に回動可能に係止されていることを特徴とする請求項12に記載のカバー部材。
【請求項14】
前記離間部は、前記離間部を前記カバー部材に対して移動可能にするヒンジ部を介して前記カバー部材に一体で設けられていることを特徴とする請求項12又は13に記載のカバー部材。
【請求項15】
前記離間部は、前記離間部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向において一端側と他端側に設けられていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のカバー部材。
【請求項16】
前記離間部は、前記カバー部材から取り外しが可能に係止されていることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載のカバー部材。
【請求項17】
前記カバー部は、前記枠体に取り外し可能に取り付けるための、前記枠体に係合する被係止部を有することを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のカバー部材。
【請求項18】
前記カバー部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向と交差する方向において一端側に設けられた第一の被係止部と、前記交差する方向において他端側に設けられた第二の被係止部とを備え、前記前記離間部は、前記交差する方向において前記第一の被係止部と前記第二の被係止部との間に設けられていることを特徴とする請求項12乃至17のいずれかに記載のカバー部材。
【請求項1】
電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材と、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部と、を有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記離間部は、前記カバー部材に回動可能に係止されていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記離間部は、前記離間部を前記カバー部材に対して移動可能にするヒンジ部を介して前記カバー部材に一体で設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記離間部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向において一端側と他端側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記離間部は、前記カバー部材から取り外しが可能に係止されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記プロセス手段は、前記像担持体を帯電するための帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記帯電手段は、ゴム部と前記ゴム部を前記枠体に対して回転可能に支持する軸とを有し、前記離間部は、前記像担持体の表面と前記軸との間に挿入して、前記像担持体と前記帯電手を離間することを特徴とする請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記プロセス手段は、前記像担持体に形成された静電潜像を現像するための現像手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記現像手段は、ゴム部と前記ゴム部を前記枠体に対して回転可能に支持する軸とを有し、前記離間部は、前記像担持体の表面と前記軸との間に挿入して、前記像担持体と前記現像手段を離間することを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カバー部は、前記枠体に取り外し可能に取り付けるための、前記枠体に係合する被係止部を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記カバー部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向と交差する方向において一端側に設けられた第一の被係止部と、前記交差する方向において他端側に設けられた第二の被係止部とを備え、前記前記離間部は、前記交差する方向において前記第一の被係止部と前記第二の被係止部との間に設けられていることを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
像担持体と、枠体と、前記像担持体に接触して前記像担持体に作用するプロセス手段と、を有する、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジに用いられる、前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材であって、前記像担持体と前記プロセス手段との間に挿入して、前記像担持体と前記プロセス手段を離間する、前記カバー部材に設けられた離間部であって、前記カバー部材を前記枠体から取り外す際に、前記像担持体と前記プロセス手段とに挟まれた状態で前記カバー部材に対して移動可能な離間部を有することを特徴とするカバー部材。
【請求項13】
前記離間部は、前記カバー部材に回動可能に係止されていることを特徴とする請求項12に記載のカバー部材。
【請求項14】
前記離間部は、前記離間部を前記カバー部材に対して移動可能にするヒンジ部を介して前記カバー部材に一体で設けられていることを特徴とする請求項12又は13に記載のカバー部材。
【請求項15】
前記離間部は、前記離間部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向において一端側と他端側に設けられていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のカバー部材。
【請求項16】
前記離間部は、前記カバー部材から取り外しが可能に係止されていることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載のカバー部材。
【請求項17】
前記カバー部は、前記枠体に取り外し可能に取り付けるための、前記枠体に係合する被係止部を有することを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のカバー部材。
【請求項18】
前記カバー部は、前記像担持体である感光体ドラムの軸線方向と交差する方向において一端側に設けられた第一の被係止部と、前記交差する方向において他端側に設けられた第二の被係止部とを備え、前記前記離間部は、前記交差する方向において前記第一の被係止部と前記第二の被係止部との間に設けられていることを特徴とする請求項12乃至17のいずれかに記載のカバー部材。
【図1】
【図3】
【図6】
【図2】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図3】
【図6】
【図2】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−79267(P2010−79267A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168888(P2009−168888)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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