説明

カプセル化発光顔料

【課題】カプセル化発光顔料を提供すること。
【解決手段】本発明は、ポリマー状シェルによってカプセル化された、カプセル化発光顔料に関する。本発明の更なる局面は、これらのカプセル化発光顔料を含有するポリマー状組成物並びに電子機器及び農業用フィルムにおけるそれらの使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー状シェルによってカプセル化された、カプセル化発光顔料に関する。本発明の更なる局面は、これらのカプセル化発光顔料を含有するポリマー状組成物並びに電子機器及び農業用フィルムにおけるそれらの使用である。
【背景技術】
【0002】
発光顔料は、しばしば光化学的に不安定でありそして化学線の下容易に劣化し、それによりその発光特性を失う。この理由のために、発光顔料は、それらが日光及び雨にさらされるところの屋外用途においては限られた使用しか有さない。発光顔料のための様々な可能性のある屋外用途分野があるが、限られた光安定性ゆえの限られた寿命のために、今までのところほとんど実現していない。
発光顔料のための可能性のある屋外用途分野は、例えば、発光顔料が放射線コンバータの機能を果たし得るところの太陽電池のような電子機器であり、それにより太陽電池の効果は改善する。別の可能性のある用途は例えば交通標識用の塗料における使用であり、標識のコントラスト及び可視性を改善する。
【0003】
発光顔料のための最も期待のできる用途分野の1つは、それらが放射線コンバータとしての機能を果たし及び植物の成長を高めることができる、例えば温室用の農業用フィルムである。
植物は、エネルギー源としても及びそれらの成長を導くシグナルとしても光を使用する。エネルギーのために使用される光は、400ないし700nmの全ての光子として定義されるところのPAR、光合成有効放射(hotosynthetically ctive adiation)の範囲内にあるものである。植物の成長を調節するために植物によって使用される最も重要かつよく知られている光の尺度の1つは、赤線(600ないし700nm)と赤外線(700ないし800nm)の比である。温室及びトンネルに採用されるもののようなカバーを通過する、又はマルチングシートによって反射した天然光を操作することによって植物に送るこれらの放射線に積極的に影響を与えるための多くの試みがなされている。1つの単純な方法は、植物によって吸収されず、従って、それらのエネルギー循環に入れない紫外線の、PAR範囲に属しそして赤線/赤外線比に影響を及ぼす赤色光への変換である。
特に適するのは、熱可塑性ポリマー組成物の1つの成分として特許文献1において記載される発光顔料である。けれども、本発明によって取り組まれる課題は残っている。
発光顔料は、吸収した光子の数で割った発光した光子の数として記載され得るその発光効果が組成物の他の成分との無駄な相互作用に起因して低減されるように熱可塑性ポリマーに配合することによって影響を受ける。さらにまた、基材配合に起因するプロセスによって低減され、そのため、顔料の安定性は発光が時間とともに減少する。最後に、熱可塑性ポリマーの基材中に分散した顔料はPAR透過率を低減し、それによって植物に送られるエネルギーが減少する。
【特許文献1】欧州特許第1413599号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことにマイクロカプセル化は、例えば植物の成長を高めるための熱可塑性ポリマー組成物において使用される発光顔料に適用する場合、その光変換及び発光効果を高め、PARにおける減少をもたらすその可視光吸収及び反射を弱め、及びその発光効果をより長く持続させることが見出された。顔料は、顔料表面と共有又はイオン結合を形成せず、そして該顔料を熱可塑性ポリマー状組成物から分離して維持する連続ポリマー状物質の
シェル内にマイクロカプセル化される。
発光顔料のマイクロカプセル化という表現の下、顔料の周辺に発光顔料の表面に共有もしくはイオン結合しないあるいはその反対に密接に接触するシェルである、連続ポリマー状シェルを形成する物質を提供することが理解される。
【0005】
本発明の1つの局面は、80nm以上のストークスシフトとともに吸収極大350nmないし550nm及び発光極大550nmないし700nmを有するマイクロカプセル化発光顔料であって、マイクロカプセルのシェルは架橋ポリマーから形成されているところの発光顔料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
吸収極大が350nmないし500nmであり及び発光極大が600nmないし700nm、特に620nmないし680nmであるところのマイクロカプセル化発光顔料が好ましい。
発光が特に700nmないし800nmの範囲において広がる場合、有利であり得る。
好ましくはストークスシフトが120nm以上である。
用語発光の下で、蛍光及び燐光の両方が理解される。
【0007】
適する顔料は、持続燐光材料、有機金属化合物、放射金属又は半導体ナノ結晶及び有機蛍光もしくは燐光顔料を含む、発光原子団、例えばランタニド又は他の遷移金属を添加した半導体媒体によって形成されたもののような古典無機顔料を含む。
本発明に従いマイクロカプセル化され得る適する光学特性を有するランタニド錯体は、例えば国際公開第99/27006号パンフレット及び国際公開第2000/24243号パンフレットに記載されている。典型的には、金属原子はユーロピウム、イットリウム、サマリウム、テルビウムもしくはガドリニウム又はそれらの混合物である。
【0008】
好ましくはマイクロカプセル化発光顔料は有機発光顔料である。
例えば有機発光顔料は、アントラキノン、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、ベンゾ[a]キサンテン、ベンゾ[b]キサンテン、ベンゾ[c]キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジン及びベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジン及びチアジン、ジケトピロロピロール、ペリレン、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオ−エピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、ペリレン、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフラン、トリアジン及びバルビツール酸誘導体からなる群から選ばれる。
【0009】
有機発光顔料の例は下記のものである:
a)式
【化1】

[式中、
1はO又はN−Z(ここで、ZはH又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。)
を表すか、又は所望により5−又は6−員環を形成するためにR2、もしくはR4と結合さ
れるか、又は2つの縮合6−員環を形成するためにR2及びR4のそれぞれと結合される。)を表し、
2は−OH又は−NZ2を表し、
1、R1'、R2、R2'、R3及びR4は、互いに独立してH、ハロゲン原子、シアノ基、CF3、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基、炭
素原子数1ないし8のアルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選ばれ、ここでR1'、R2'又はR1ないしR4のいずれかのアルキル部分は所望によりハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、モノ−もしくはジアルキルアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロアセチル基又はヒドロキシ基によって置換され、及びR1'、R2'又はR1
ないしR4のいずれかのアリール又はヘテロアリール部分は所望によりハロゲン原子、シ
アノ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし8)アルキルアミノ基、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基及び炭素原子数1ないし8のアルコキシ基からなる群から選ばれる1ないし4つの置換基により置換され、
0はハロゲン原子、シアノ基、CF3、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルケニル基、炭素原子数1ないし8のアルキニル基、アリール基又は式
【化2】

(式中、X1、X2、X3、X4及びX5は、互いに独立して、H、ハロゲン原子、シアノ基
、CF3、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、
炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし8のアルケニル基、炭素原子数1ないし8のアルキニル基、SO3H及びCO2
からなる群から選択される。)を有するヘテロアリール基を表す。]で表されるキサンテ
ン。付加的に、X1ないしX5のいずれかのアルキル部分はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、モノ−もしくはジアルキルアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロアセチル基又はヒドロキシ基によって更に置換され得る。所望により、X1ないしX5のいずれかの2つの隣接する置換基も、所望によりハロゲン原子、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし8)アルキルアミノ基、(炭素原子数1ないし8)アルキル基、(炭素原子数1ないし8)アルキルチオ基及び(炭素原子数1ないし8)アルコキシ基から選択された置換基によって更に置換された縮合芳香族環を形成するために一緒にされ得る。
特定の態様において、式I(並びに本願明細書における他の式)で表されるキサンテン着色剤は、本発明において含まれる異性体又は互変異性体の形態で存在するだろう。
【0010】
b)式
【化3】

(式中、
nは0ないし4の整数を表し、
各々のX0は、独立してH、ハロゲン原子、シアノ基、CF3、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基、炭素原子数1ないし8のアルケニル基、炭素原子数1ないし8のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、SO3H及びCO2Hからなる群から選択され;
1、A2、R0、R1、R1'、R2'及びR4は、上記で定義される通りであり、ここでX0のアルキル部分はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、モノ−もしくはジアルキルアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロアセチル基又はヒドロキシ基によって更に置換され得、及びR1、R1'、R2'及びR4のいずれかのアリール又はヘテロアリール部分は所望によりハロゲン原子、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし8)アルキルアミノ基、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基及び炭素原子数1ないし8のアルコキシ基からなる群から選ばれる1ないし4つの置換基により置換される。)で表されるベンゾ[a]キサンテン。
【0011】
c)式
【化4】

(式中、
n1は0ないし3の整数を表し、
0、A1、A2、R0、R1、R1'、R2'、R3及びR4は上記で定義される通りである。)
で表されるベンゾ[b]キサンテン。
【0012】
d)式
【化5】

(式中、
nは0ないし3の整数を表し、
0、A1、A2、R0、R1、R1'、R2'、R2及びR3は上記で定義される通りである。)
で表されるベンゾ[b]キサンテン。
【0013】
e)式
【化6】

(式中、A1、R1、R1'、R2'、R2、R3及びR4は上記で定義される通りである。)で
表されるクマリン。
特定の態様において、R2及びR3は、互いに独立して、ハロゲン原子、シアノ基、CF3、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基又は式
【化7】

(式中、X1、X2、X3、X4及びX5は、上記で定義される通りである。)を有するヘテ
ロアリール基である。
ベンゾクマリン系の顔料は、式II(式中、R2とR3は、所望によりハロゲン原子、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ(炭素原子数1ないし8)アルキルアミノ基、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基及び炭素原子数1ないし8のアルコキシ基から選ばれる1ないし4つの置換基によって置換された縮合ベンゼン環を形成するために結合される。)で表されるものである。
【0014】
f)式
【化8】

(式中、R2''はR2'に対して上記で与えられる意味を有する。)で表されるフェノキサ
ジン。
所望によりA1は、5−又は6−員環を形成するためにR2及びR4の各々と結合し得るか
、又は2つの縮合6−員環を形成するためのR2及びR4の各々と結合し得、n1、X0
1、R1、R1'、R2'、R2、R3及びR4は上記で定義される通りである。
【0015】
g)ナフタルイミド
非常に多種多様なナフタルイミドが知られており、例は:
【化9】

である。
【0016】
h)ナフトラクタム
わずかな重要な代表例だけが以下に示される:
【化10】

(式中、R300はH、炭素原子数1ないし8のアルキル基又は炭素原子数1ないし8のア
ルコキシ基を表す。)
【0017】
i)アズラクトン
わずかな重要な代表例だけが以下に示される:
【化11】

(式中、R301は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。)
【化12】

(式中、R302はH、又はメトキシ基を表す。)
【0018】
j)メチン
わずかな重要な代表例だけが以下に示される:
【化13】

【0019】
k)オキサジン及びチアジン
【化14】

【0020】
適するペリレン及びアントラキノン顔料は、例えば商品名ルモゲン(Lumogene)F顔料のもと販売される。
【0021】
他の好ましい顔料は、式
【化15】

(式中、R101及びR102は、独立して水素原子、又は例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二−ブチル基、イソブチル基、第三−ブチル基、n−アミル基、第三−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基又はオクタデシル基のような炭素原子数1ないし18のアルキル基を表す。)の縮合生成物である。好ましくはR101及びR102はメチル基である。該縮合生成物は、式
【化16】

で表されるものである。
【0022】
発光顔料がアントラキノン、オキサジン、ペリレン及びバルビツール酸誘導体からなる群から選ばれるところのマイクロカプセル化発光顔料が好ましい。
特に前記マイクロカプセル化発光顔料は、
【化17】

(式中、R101及びR102は独立して水素原子又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表す。)の縮合生成物である。
【0023】
バルビツール酸とパラ−ジメチルアミノベンズアルデヒドの縮合生成物が最も好ましい。反応及び生成物は知られており、及び下記のCAS番号を有する:(IVa)はNo.1753−47−5であり、及び(IVb)はNo.152734−34−4である。縮合反応は、典型的には例えばエタノールのような溶媒中で行われる。追加のNH4OHの
量によって生成物(IVa)又は(IVb)の形成が好まれる。縮合温度範囲は典型的に30℃ないし100℃である。縮合は通常、大気圧で行われる。
原則として、内部コアにおいて発光顔料を含有する外部ポリマー状シェルをもたらす、全ての既知のマイクロカプセル化技術が用いられ得る。
ポリマーシェルを形成するための典型的な技術は、例えば英国特許第1,275,712号明細書、英国特許第1,475,229号明細書及び英国特許第1,507,739号明細書、独国特許第3,545,803号明細書及び米国特許第3,591,090号明細書に記載される。一般にそれらの方法は、シェル形成材料が溶解されるところの連続水相を用いる。
【0024】
具体的には、本発明において適するマイクロカプセル化方法は、a)コアセルベーション法、b)界面重合法及びc)その場重合法の3つに分類される。それらの方法は、顔料の周りにポリマー状シェルを理想的に完成することができる。該マイクロカプセル化方法は顔料又は閉じられた顔料の大きさと同程度のサイズの分離したマイクロカプセルを形成する。該顔料は、顔料表面との共有又はイオン結合を形成せず、そして該顔料を基材から
分離して維持する連続ポリマー状物質のシェル内にマイクロカプセル化される。
【0025】
コアセルベーション法は、水中油型エマルジョンの形成を利用する。ポリマー状シェル物質は、マイクロカプセルを形成するための濃度、pH及び温度の注意深い調整しながら
、水性媒体及び分散油滴周辺のカプセルシェルとして沈殿するポリマーコロイドからコアセルベート化される。コアセルベーションに適する物質は、米国特許第2800457号明細書に記載されるようなゼラチン及びアカシアゴムを含む。国際公開第92/20441号パンフレットは、低臨界溶解温度(LCST)ポリマー及び該ポリマーの可逆不溶化温度に対する水分除去抑制剤を含むコアセルベートコーティングによって取り囲まれたコアを含むカプセル化粒子を記載する。組成物は、ポリマー溶液中で水不溶性コア粒子の分散体を形成し、それをコアセルベートとして沈殿させるために溶液を加熱し、そして次に上記抑制剤を加えることによって作られる。この方法において、LCST壁構築物質は外部からコアセルベートされる。本発明のカプセル化粒子が凝固し、その後それらが使用されるところの環境において相分離するのを防ぐために、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム又はでんぷんのようなエントロピー的に安定性のポリマーが、カプセル化前にLCSTポリマー状成分と混合され得る。
【0026】
界面重合法は、水中油型エマルジョンの界面での2つの界面重合性モノマーの反応に依存する。一般に油溶性第一モノマーを分散相に溶解し、及び第二水溶性モノマーを水相に加える。これらモノマーは、分散油滴と周囲の水性媒体との間の界面で重縮合反応によって反応し、そして油滴の周りにポリマー膜を形成する。形成したポリマー膜は、米国特許第3429827号明細書及び米国特許第4428978号明細書において記載されるようなポリウレア及びポリウレタンのものである。
【0027】
アミノ樹脂のその場重合を含むカプセルを形成する方法が知られている。一般にアミノプラストカプセルは、アミノプラスト前駆物質、例えばメラミンホルムアルデヒド樹脂を含有する水性液において水不混和性液をくまなく分布させることによって形成される。カプセルの壁は、水混和性液の液滴へのアミノ樹脂プレポリマーの現場重合によって形成される。このようにカプセルの壁は、水性連続相からのプレポリマーの重縮合によって外部から作られる。現場重合は良く知られる方法であり、またその主な特徴は既に英国特許第1507739号明細書に記載されている。
【0028】
好ましくはシェルの架橋ポリマーは、メラミン−ホルムアルデヒド、ウレア−ホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒド、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン(polyurethane’s)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリアクリロニトリル、ポリエポキシド、ゼラチン、ポリ(ビニルアルコール)、セルロース誘導体、シリカ(silica’s)及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる。
シェルのポリマーが現場重合によって形成されるアミノプラストであるところのマイクロカプセル化発光顔料が好ましい。
特にシェルの架橋ポリマーは、メラミン−ホルムアルデヒド、ウレア−ホルムアルデヒド及びフェノール−ホルムアルデヒドからなる群から選ばれる。
例えばシェルの架橋ポリマーは、メラミンホルムアルデヒドポリマーである。
例えばシェルの架橋ポリマーは、ポリウレタンポリウレア樹脂ではない。
【0029】
典型的には、マイクロカプセル化発光顔料は、0.8ないし50μ、好ましくは0.8ないし20μの平均粒径を有する。
典型的には、シェルの壁の厚さは20nmないし2000nm、好ましくは100ないし1000nmである。
例えばマイクロカプセル形成物質とマイクロカプセル化発光顔料の質量比は、0.00
1:1ないし1:1である。多くの場合、0.01:1ないし0.5:1が良い選択である。
【0030】
マイクロカプセル化発光顔料は、付加的にマイクロカプセル中に酸化防止剤、ホスフィット又はホスホナイト、UV吸収剤、光安定剤、一重項酸素失活剤、更なる蛍光染料又は顔料、加工助剤、帯電防止剤、防曇剤及び充填剤又は強化材料からなる群から選ばれる更なる添加剤を含有することも可能である。
そのような添加剤の例は後に与えられる。
【0031】
本発明の他の態様は、
a)熱可塑性、エラストマー性又は架橋ポリマー及び
b)80nm以上のストークスシフトを有し、吸収極大350nmないし550nm及び発光極大550nmないし700nmを有するマイクロカプセル化発光顔料であって、マイクロカプセルのシェルが架橋ポリマーから形成されるところの発光顔料
を含むポリマー組成物である。
【0032】
適する熱可塑性ポリマー、エラストマー性ポリマー又は架橋ポリマーの例が以下に与えられる:
1. モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンの、ポリマー、ポリエチレン(所望により架橋し得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
ポリオレフィン、即ち前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法、そして特に下記の方法により調製することができる:
a)ラジカル重合(普通、高圧下及び高温で)。
b)普通、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII族の一つ以上の金属を含有する触媒を使用する触媒重合。これらの金属は通常、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールのような一つ以上の配位子を有する。これらの金属錯体は遊離形態又は、典型的には活性化された塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素のような基材上に固定され得る。これらの触媒は重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用されることができ、又は典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、該金属は周期表のIa、IIa及び/又はIIIa族の元素であるさらなる活性化剤が使用され得る。該活性化剤は、さらなるエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名されている。
【0033】
2. 1)で述べたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)及び異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
3. モノオレフィン及びジオレフィンの相互又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)とのそれらの混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリ
マー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノルボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマーであって1−オレフィンがその場で生成されるもの;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及び、へキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマー相互及び1)において上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びその他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0034】
4. 炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)であって、その水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含むもの、及びポリアルキレンとデンプンの混合物。
1.)ないし4.)からのホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むあらゆる立体構造を有することができ;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0035】
6. スチレン、α−メチルスチレン、全てのビニルトルエン異性体、特にp−ビニルトルエン、全てのエチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの異性体、及びそれらの混合物を含むビニル芳香族モノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むあらゆる立体構造を有することができ;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
6a. 上述のビニル芳香族モノマーと、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニルより選択されたコモノマーを含むコポリマー又はそれらのアクリル誘導体及び混合物、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート、スチレンコポリマーと他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの高衝撃強度性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
6b. 6.)で述べたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、特にアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されたポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)であって、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及されるものを含む。
6c. 6a.)で述べたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むあらゆる立体構造を有することができ;アタクチッ
クポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0036】
7. スチレン又はα−メチルスチレンのようなビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルのコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)で列挙したコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
8. ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコポリマー。
【0037】
9. α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー並びにポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなそれらの誘導体;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリルであって、ブチルアクリレートで耐衝撃改質されたもの。
10. 9)で述べたモノマーの相互又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
11. 不飽和アルコールとアミンとから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体もしくはそれらのアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラル、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン、並びに1)において上述したオレフィンとのそれらのコポリマー。
12. 環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はビスグリシジルエーテルとのそれらのコポリマー。
【0038】
13. ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するポリオキシメチレンのようなポリアセタール、熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性されたポリアセタール。
14. ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
15. 一方の成分としてのヒドロキシル末端のポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンと、他方の成分としての脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートとから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
16. ジアミシとジカルボン酸とから及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、
ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から出発した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から変性剤としてのエラストマーを伴って又は伴わずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;及びまた上述されたポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合もしくはグラフト化したエラストマーとの、又はポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー、並びにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド、及び加工の間に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0039】
17. ポリウレア、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダゾール。
18. ジカルボン酸とジオールとから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端のポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル、及びまたポリカーボネート又はMBSで変性したポリエステル。
19. ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
20. ポリケトン。
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
22. 一方の成分としてアルデヒドと、他方の成分としてフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
23. 乾式及び非乾式アルキド樹脂。
【0040】
24. 架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物と共に飽和及び不飽和ジカルボン酸のコポリエステルから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、及びまた低燃性のそれらのハロゲン含有改質物。
25. 置換アクリレートから誘導された架橋可能なアクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
26. メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂と架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
27.脂肪族、環式脂肪族、ヘテロ環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物であって、促進剤を伴って又は伴わずに、無水物又はアミンのような慣用の硬化剤と架橋されたもの。
【0041】
28. セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー、及びその化学変性された類似誘導体、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート及びセルロースブチレート、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル、並びにロジン及びそれらの誘導体。
29. 上述したポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0042】
成分a)は熱可塑性ポリマーであるところのポリマー組成物が好ましい。
例えば、熱可塑性ポリマーはポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート及びポリカーボネートからなる群から選ばれる。
好ましくはポリマー組成物は、厚さ10μないし300μを有するフィルムの形態にある。
一般に、前記フィルムができるだけ透明であることが好ましい。
具体的な態様において、前記フィルムは、少なくとも1つの層において成分b)を含有する2ないし7つのポリマー層の多層構造である。
この場合、比較的多量のマイクロカプセル化発光顔料を含有する本発明のポリマー組成物は、薄層(10ないし20μ)においてマイクロカプセル化発光顔料をほとんどあるいは全く含有しないポリマーから作られた成形品に適用される。例えば同時押出によって、ベースとなる成形品の成形と同時に適用され得る。代わりの方法として、例えばフィルムによる積層によって又は溶液による塗付によって、ベースとなる成形品を成形した後に該成形品に適用され得る。
例えば、ポリマー組成物は酸化防止剤、ホスフィット又はホスホナイト、UV吸収剤、光安定剤、一重項酸素失活剤、更なる蛍光染料又は顔料、加工助剤、帯電防止剤、防曇剤及び充填剤又は強化材料からなる群から選ばれる追加の添加剤を含有し得る。
マイクロカプセル中に又はポリマー基材中にあり得る、そのような添加剤の例は以下に与えられる。
【0043】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノ−ル、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノ−ル、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状または側鎖で分岐鎖状であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノールおよびそれらの混合物。
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0044】
1.4.トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフ
ィド。
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0045】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0046】
1.10.トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
1.11.ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
1.12.アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0047】
1.13.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル、アルコールの例:メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル、アルコールの例:メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−[3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]−ウンデカン。
【0048】
1.15.β−(3,5−ジシクロシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル、アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.16.3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル、アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オ
クタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.17.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド〔ユニロイヤル(Uniroyal)社から提供されるナウガード(登録商標:Naugard) XL−1〕。
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0049】
1.19.アミン系酸化防止剤、例えば、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0050】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;次式:[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2 (式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’
−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す)で表わされる化合物、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0051】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
2.3.置換及び未置換安息香酸のエステル、例えば、4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
2.4.アクリレート、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル) −2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート)。
2.5.ニッケル化合物、例えば、2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体であって、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン若しくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような付加的な配位子を伴うものまたは伴わないもの、ニッケルジブチルジチオカルバメート;モノアルキルエステル、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル若しくはエチルエステルのニッケル塩;ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、付加的な配位子を伴うものまたは伴わないもの。
【0052】
2.6.立体障害性アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピヘリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペラジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物〔CAS登録番号136504−96−6
〕);1,6−ヘキサンジアミンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物〔CAS登録番号[192268−64−7 ]〕;N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキ
ソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、 5−(2−エチルヘキサノニル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンデュボア(Sanduvor)(クラリアント社製;CAS登録番号106917−31−1)、5−(2−エチルヘキサノニル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0053】
2.7.オキサミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリドおよび該化合物と2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ第三ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物ならびにo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオ
キシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリ
アジン。
【0054】
3.金属奪活剤、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0055】
4.ホスフィット及びホスホナイト、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
下記のホスフィットは特に好ましい:
トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット〔イルガフォス(登録商標:Irgafos)168、チバスペシャルティケミカルズインコーポレーテッド社製〕、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化18】

【化19】

【化20】

【0056】
5.ヒドロキシルアミン、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素添加された牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
6.ニトロン、例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素添加された牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
7.チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
【0057】
8.過酸化物スカベンジャー、例えば、β−チオジプロピオン酸エステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
9.ポリアミド安定剤、例えば、ヨウ化物および/または燐化合物と組み合わせた銅塩および二価マンガン塩。
10.塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド
、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレエートおよびカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレート。
11.核剤、例えば、無機物質、例えばタルク、金属酸化物、例えば、二酸化チタンまたは酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩または硫酸塩;有機化合物、例えば、モノ−またはポリカルボン酸およびその塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム;ポリマー状化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー)。特に好ましいものは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0058】
12.充填剤および強化剤、例えば、炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木材粉末、および他の天然物の粉末または繊維、合成繊維。
13.他の添加剤、例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤および発泡剤。
14.ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、米国特許第4,325,863号明細書:米国特許第4,338,244号明細書、米国特許第5,175,312号明細書、米国特許第5,216,052号明細書、米国特許第5,252,643号明細書、独国特許出願公開第4316611号明細書、独国特許出願公開第4316622号明細書、独国特許出願公開第4316876号明細書、欧州特許出願公開第0589839号明細書、欧州特許出願公開第0591102号明細書;欧州特許出願公開第1291384号明細書に開示されたもの、或いは3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラノ−2−オン。
【0059】
加えられる更なる添加剤の種類及び量は、安定化される基材の種類及びその使用目的によって決められ;多くの場合、安定化されるポリマーに基づき、0.1ないし5質量%が使用される。
本発明のマイクロカプセル化発光顔料及び所望による更なる成分は、単独で又は互いに混合してポリマー材料に添加され得る。必要に応じて、個々の成分は、該ポリマーに配合前に、例えばドライブレンディング、圧縮によって又は融解状態において互いに混合され得る。
本発明のマイクロカプセル化発光顔料及び所望による更なる成分のポリマーへの配合は、粉末の形態におけるドライブレンディング、又は例えば不活性溶媒、水又は油における溶液、分散液又は懸濁液の形態での湿式混合のような既知の方法によって行われる。本発明の添加剤及び所望による更なる添加剤は、例えば成形前後に、又は続いて起こる溶媒又は懸濁/分散剤の蒸発を伴い又は伴わないで、溶解したもしくは分散した添加剤又は添加剤混合物をポリマー材料に適用することによっても配合され得る。それらは、加工機器(
例えば、押出機、密閉式ミキサー等)に、例えば乾燥混合物もしくは粉末として又は溶液もしくは分散液もしくは懸濁液もしくは溶融液として直接加えられ得る。
【0060】
配合は、攪拌器を備えるあらゆる加熱可能な容器で、例えばニーダー、ミキサー又は攪拌容器のような密閉機器で行われ得る。配合は、好ましくは押出機において又はニーダーにおいて行われる。加工を不活性雰囲気下で又は酸素存在下で行うかは重要でない。
ポリマーへのマイクロカプセル化発光顔料又は添加剤ブレンドの添加は、ポリマーが添加剤とともに融解及び混合される全ての慣用の混合機において行われ得る。適する機械は、当業者に知られている。それらは、主にミキサー、ニーダー及び押出機である。
前記方法は、好ましくは加工の間に添加剤を投入することにより押出機において行われる。
【0061】
特に好ましい加工機械は、一軸スクリュー押出機、反転及び共回転二軸スクリュー押出機、遊星歯車押出機、リング押出機(ring extruder)又はコニーダーである。減圧を適用し得る少なくとも1つのガス除去室が備わっている加工機械を使用することも可能である。
適する押出機及びニーダーは、例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion,第1巻 Grundlagen,F.Hensen,W.Knappe,H.Potente編,1989、3−7頁,ISBN:3−446−14339−4(第2巻 Extrusionsanlagen 1986,ISBN 3−446−14329−7)に記載される。
例えば、スクリューの長さは、1ないし60スクリュー直径、好ましくは35ないし48スクリュー直径である。スクリューの回転速度は、好ましくは1分間あたり10ないし600回転(rpm)、極めて特に好ましいのは25ないし300rpmである。
最大処理量は、スクリュー直径、回転速度及び駆動力によって決まる。
【0062】
複数の成分が添加される場合、それらは予備混合され得るか又は単独で添加され得る。
本発明のマイクロカプセル化発光顔料及び所望による更なる添加剤はまた、ポリマー材料上に噴霧され得る。それらは前記材料上に他の添加剤(例えば、上記した慣用の添加剤)とともに噴霧され得るように、該添加剤又はそれらの溶融物を希釈し得る。重合触媒の失活の間の噴霧による添加は、特に都合が良い;この場合、発生した蒸気が触媒の失活に使用し得る。球状に重合したポリオレフィンの場合、例えば本発明のマイクロカプセル化発光顔料を、所望により他の添加剤とともに、噴霧によって適用することが有利であり得る。
本発明のマイクロカプセル化発光顔料及び所望による更なる添加剤はまた、前記ポリマーに、ポリマーに配合された、例えば約1質量%ないし約40質量%及び好ましくは2質量%ないし約20質量%の濃度で成分を含有するマスターバッチ(“濃縮物”)の形態で添加し得る。該ポリマーは、添加剤が最後に加えられるポリマーと同一構造である必要はない。そのような操作において、該ポリマーは、粉末、顆粒、溶液、懸濁液の形態で又はラテックスの形態で使用され得る。
配合は、成形操作の前又は間に、又は続いて起こる溶媒の蒸発を伴い又は伴わないで、ポリマーに溶解又は分散された化合物を塗布することによって行われ得る。エラストマーの場合、それらはまたラテックスとして安定化され得る。ポリマーへの本発明のマイクロカプセル化発光顔料を配合するための更なる可能性は、相当するモノマーの重合前、重合中又は重合直後にそれらを添加することである。
【0063】
フィルムは、インフレーションフィルム押出によって又はキャストフィルム押出によって同時押出しされ得るか、又はそれらは積層され得、及びそれらはポリアミド(OPAを含むPA6又は6,6又は11又は12又は6/6,6コポリマー)、ポリエチレンテレフタレート(OPETを含むPET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン
ビニルアルコール(EvOH)、ポリプロピレン(OPPを含む)、エチレンアクリル酸コポリマー及びそれらの塩、エチレンメタクリル酸コポリマー及びそれらの塩、又はポリ塩化ビニリデン(PVDC)又はアルミニウムフォイルのようなポリマーをベースとした層を含み得る。前記フィルムは、また上記ポリマー又はシリコーンをベースとした塗料(例えばSiOx)又は酸化アルミニウム又はプラズマ、ウェブ塗装又は電子ビーム塗装によって適用されるいずれかの他の塗料で塗装され得る。
【0064】
本発明の他の局面は、上述したようなポリマー組成物の上、後ろ又は下で化学線に植物をさらすことを含む植物成長増進のための方法である。
【0065】
本発明の更なる局面は、温室用及び小さいトンネルカバー用フィルム、日除けネット及びスクリーンのためのフィルム又はフィラメント、根覆いフィルム、若い植物の保護のための不織布又は成形品の形態にある農業用途のための熱可塑性ポリマーにおける植物成長増進添加剤としての、上述のようなマイクロカプセル化発光顔料の使用である。
定義及び文献は、組成物に対して既に与えられており、方法及び使用のためにも適用される。
ネットは例えば換気増加のために(及び昆虫のための障壁として)又はそれらの日除け及びエネルギー節約のために使用され得る。
ネットは様々な方法で製造される。1つは小さく細長い片状にフィルム切断し、次に該片を織ることである。別の可能性はモノフィラメント繊維を用いて始めることであり、該繊維はその後に織られる。日除けネット(スクリーンとも呼ばれる)を作るための更なる可能性はより複雑である。ネットはこのネットを通して織られたテープを用いて織られたモノフィラメント繊維から形成される。それらのテープはアルミニウム及び/又は幅広い種類のポリマーをベースとし得る。場合によっては、該モノフィラメントネットは、例えばPEで片側又は両側に積層され得る。
一般に温室及び小さいトンネルカバーが好ましい。温室及び小さいトンネルカバー内で成長し、そしてその成長が本発明によって高めることができる植物は、例えば花、豆果、果実及び作物である。
【0066】
また本発明の別の局面は、電気又は電子用途における光変換添加剤としての上述のようなマイクロカプセル化発光顔料の使用である。
太陽電池における光変換添加剤として上述のようなマイクロカプセル化発光顔料の使用が好ましい。本発明において記載されるマイクロカプセル化は、結果として周囲の環境から発光顔料の効果的な分離をもたらし、顔料自体及び組成物全体のより高い発光強度、より高い可視光線透過率及びより遅い劣化速度をもたらす。マイクロカプセル化顔料が紫外線を赤色光に変換し及びマイクロカプセルが農業用温室又はトンネル又は根覆い材料を覆うためのフィルム又はネットを製造するために使用される熱可塑性ポリマー組成物に分散される場合、上記効果の全てが植物の成長に非常に有益であり得る。
下記の実施例は本発明を説明する。
【実施例】
【0067】
使用した発光顔料:チバスペシャルティケミカルズインコーポレーテッドから入手可能な、粉末形態にあるスマートライト(Smartlight)RL 1000。該製品は、例えば欧州特許第1413599号明細書において記載されるように調製されるバルビツール酸とp−ジメチルアミノベンズアルデヒドとの縮合生成物である。
【0068】
実施例1−マイクロカプセル化スマートライト顔料の調製(試料SL1、SL2及びSL3)
分散ツール(溶解攪拌器)を備える1リットル反応器に、脱イオン水300mLを入れ、次に該水にPEG300(ポリエチレングリコール300)を10滴添加した。前記反
応器の内容物を恒温水槽を用いて60℃まで温めた。次に、50%メラミンホルムアルデヒド樹脂(エスケーダブリューシュティックシュトッフピーステリッツ(SKW Stickstoffwerke Piesteritz)社によって提供されるピアミド(登録商標:PIAMID)M50)17g及び2Nアミドスルホン酸10mLをそれぞれ添加した。1分後、スマートライトRL1000粉末(チバスペシャルティケミカルズ社から入手可能な発光顔料)60gを添加し、そして攪拌速度を1400rpmに上げ、顔料粒子を分散した。10分間の分散後、攪拌速度を800rpmに下げた。次にその結果得られた水性分散液を60℃で2時間維持し、顔料粒子のカプセル化を完了した。マイクロカプセル化顔料分散液を次に室温まで冷却した。
マイクロカプセル化スマートライト顔料を濾過、水による洗浄、そして次に60℃での減圧乾燥によって回収した。
マイクロカプセル化スマートライト粒子は、約50ないし100nmのシェルの厚さを有し約1ないし15μmの粒径を有する。
【0069】
実施例2−マイクロカプセル化顔料の配合
実施例1のマイクロカプセル化スマートライト顔料を、1%のスマート含有量(純スマートライトに関して)でLDPE(リブレン(Riblene)FF29)に配合した。配合を、内部温度及び回転力の調節並びにマイクロカプセルの配合のために特別に設計されたスクリューの形状を有する二軸スクリュー押出機(ブラベンダー(Brabender)DSE25/36D型、共押出し)で行った。回転力を150rpmに設定した。ポリエチレン及びマイクロカプセルを計量装置(はかり)を適用して別々に供給した。ポリエチレン溶融物に供給したスマートライトが少量のためスマートライトマイクロカプセルとポリエチレン粉末(1mm未満のふるいにかけられた)の予備混合物を添加した(スマートライトマイクロカプセル6、7質量%)。最初の混合物を、適用前にターブラミキサー(turbula−mixer)において均質化した。漏斗を断熱し及びポリエチレン、並びにスマートライトマイクロカプセルの供給物を冷却した。ポリエチレンの溶融物へのマイクロカプセルの添加を、高い機械的応力を避けるために配合物を排出する直前に行った。該配合物を、高い押出圧力を避けるために単射注入ノズル(直径5、7mm)を通して排出した。
該配合物を、更なる加工及び安定性試験のために粗砕し、及び空気乾燥した。試料SL1ないしSL3をそれぞれ3kg配合した。配合物は均一な色分布を有する赤色であり、及び透明でなかった。走査型電子顕微鏡調査を顆粒の低温破壊(cryo−rupture)後に行い、配合物中のスマートライト(Smartlight)マイクロカプセルの安定性を評価した。

マイクロカプセル化スマートライト粒子は、ポリエチレン基材中に均一に広がった。凝集物は観察されなかった。粒径は配合前のものと一致した。純スマートライト粒子はポリエチレン基材への鋭い破損縁によって特徴付けられる。一方、マイクロカプセルシェルとポリエチレン基材との間には安定した接着力がある。
【0070】
実施例3:マイクロカプセル化顔料を含有するLDPEフィルムの調製
150ミクロンの厚さのLDPEフィルムを、フォーマック試験(Formac Lab)押出機;200ないし210℃の範囲の押出プロフィル温度によって調製した。

人工暴露試験
実施例3のLDPEフィルムの人工暴露を、キセノンランプ(340nmで0.35W/m2の発光)を用いて作動するウェザオメーターにおいて行った。
【0071】
実施例4−発光分析
この実施例は、非カプセル化スマートライト顔料と比較したマイクロカプセル化スマー
トライト顔料を含有するLDPEフィルムの発光における改善を説明する。
発光分析を、対照としてカプセル化されていない商用銘柄スマートライト(NESL)を使用したことを除いて、他の成分の同じ配合、同じ厚さ及び顔料の同じ使用量を有するLDPEフィルムを用いて、暴露されたフィルム上で行った。

カプセル化スマートライトは非カプセル化のものよりもより強く発光した。同じ機器パラメータで測定した場合、その比は約6:1であった。
表1は、非カプセル化顔料と比較した様々なカプセル化試料の耐候試験後の発光における変化を示す。
【表1】

カプセル化してないスマートライトと比較して、保有発光の顕著な改善を人工的な風化の間に観察した。
カプセル化スマートライト含有試料及び非カプセル化スマートライト含有試料は、湿度の影響の極端な検査として、水に浸している間にも照射された。WOM装置において288時間後、カプセル化顔料を含有する試料は商用銘柄スマートライトを含有する試料より依然として5倍強い発光だった。
【0072】
実施例5−光学特性
この実施例は非カプセル化スマートライト顔料と比較してマイクロカプセル化スマートライトを含有するLDPEフィルムの可視光線透過率における改善を説明する。

その結果を表2に纏めた。
【表2】

カプセル含有LDPEフィルムによって透過される可視光線は非カプセル化顔料と比較してすべての場合において改善した。
【0073】
実施例6−他のポリマー添加剤の相互作用
表3は、下記の補助添加剤の存在下におけるカプセル化スマートライト含有フィルム及び商用銘柄スマートライト含有フィルムの蛍光特性を示す:
・カルシウムステアレート(Ca St) 0.25%
・セルドックスNXK1000(セルドン(Serdon)) 2.5%
・アトマー(Atmer)103(A103) 2.5%
・アトマー(Atmer)185(A185) 2.5%
・ポールスター(Polestar)200R(カオリン) 5%

表3からカプセル化スマートライト顔料の他のポリマー添加剤との相溶性が、非カプセル化スマートライト顔料と比較して、かなり改善したことが明らかに分かり得る。

【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
80nm以上のストークスシフトとともに吸収極大350nmないし550nm及び発光極大550nmないし700nmを有するマイクロカプセル化発光顔料であって、マイクロカプセルのシェルが架橋ポリマーから形成されているところの発光顔料。
【請求項2】
前記吸収極大が350nmないし500nmであり及び前記発光極大が600nmないし700nmである請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項3】
前記ストークスシフトが120nm以上である請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項4】
前記発光顔料が有機発光顔料である請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項5】
前記発光顔料が、アントラキノン、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、ベンゾ[a]キサンテン、ベンゾ[b]キサンテン、ベンゾ[c]キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[
a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジン及びベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタ
ルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジン及びチアジン、ジケトピロロピロール、ペリレン、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオ−エピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、ペリレン、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフラン、トリアジン及びバルビツール酸誘導体からなる群から選ばれる請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項6】
前記発光顔料がアントラキノン、オキサジン、ペリレン及びバルビツール酸誘導体からなる群から選ばれる請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項7】
前記発光顔料が
【化1】

(式中、R101及びR102は独立して水素原子又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表す。)の縮合生成物である請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項8】
前記シェルのポリマーが、その場重合によって架橋される請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項9】
前記シェルの架橋ポリマーが、メラミン−ホルムアルデヒド、ウレア−ホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒド、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン(polyurethane’s)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリアクリロニトリル、ポリエポキシド、ゼラチン、ポリ(ビニルアルコール)、セルロース誘導体、シリカ(silica’s)及びシリコーン樹脂からなる群
から選ばれる請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項10】
前記シェルの架橋ポリマーが、メラミン−ホルムアルデヒド、ウレア−ホルムアルデヒド及びフェノール−ホルムアルデヒドからなる群から選ばれる請求項9に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項11】
0.8ないし50μの平均粒径を有する請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項12】
マイクロカプセル形成物質とマイクロカプセル化発光顔料の質量比が0.001:1ないし1:1である請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項13】
付加的に前記マイクロカプセルに酸化防止剤、ホスフィット又はホスホナイト、UV吸収剤、光安定剤、一重項酸素失活剤、更なる蛍光染料又は顔料、加工助剤、帯電防止剤、防曇剤及び充填剤又は強化材料からなる群から選ばれる更なる添加剤を含有する、請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料。
【請求項14】
a)熱可塑性ポリマー、エラストマー性ポリマー又は架橋ポリマー及び
b)80nm以上のストークスシフトを有し、吸収極大350nmないし550nm及び発光極大550nmないし700nmを有するマイクロカプセル化発光顔料であって、マイクロカプセルのシェルが架橋ポリマーから形成されているところの発光顔料
を含むポリマー組成物。
【請求項15】
前記成分a)が熱可塑性ポリマーである請求項14に記載のポリマー組成物。
【請求項16】
前記熱可塑性ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート及びポリカーボネートからなる群から選ばれる請求項15に記載のポリマー組成物。
【請求項17】
厚さ10μないし300μを有するフィルムの形態にある請求項14に記載のポリマー組成物。
【請求項18】
前記フィルムが少なくとも1つの層に成分b)を含有する2ないし7つのポリマー層の多層構造である請求項17に記載のポリマー組成物。
【請求項19】
酸化防止剤、ホスフィット又はホスホナイト、UV吸収剤、光安定剤、一重項酸素失活剤、更なる蛍光染料又は顔料、加工助剤、帯電防止剤、防曇剤及び充填剤又は強化材料からなる群から選ばれる追加の添加剤を含有する請求項14に記載のポリマー組成物。
【請求項20】
請求項14に記載のポリマー組成物の上、後ろ又は下で化学線に植物をさらすことを含む植物成長増進のための方法。
【請求項21】
温室用及び小さいトンネルカバー用フィルム、日除けネット及びスクリーンのためのフィルム又はフィラメント、根覆いフィルム、若い植物の保護のための不織布又は成形品の形態にある農業用途のための熱可塑性ポリマーにおける植物成長増進添加剤としての請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料の使用。
【請求項22】
電気又は電子用途における光変換添加剤としての請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料の使用。
【請求項23】
太陽電池における光変換添加剤としての請求項1に記載のマイクロカプセル化発光顔料の
使用。


【公表番号】特表2009−511686(P2009−511686A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534990(P2008−534990)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067037
【国際公開番号】WO2007/042438
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】