説明

カプセル封入された汚れ除去剤を含むチューイングガムおよび糖菓組成物、その製造方法および使用

陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤から選択されるカプセル封入された汚れ除去剤を含有する、チューイングガム組成物または糖菓組成物の形の組成物、およびこれを製造しまた歯を含む歯物質から汚れを除去するためにこの組成物を使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤から選択されるカプセル封入された汚れ除去成分を有効量含有するチューイングガムおよび糖菓組成物に一般に関し、また汚れ除去成分の放出を容易にする仕方で組成物を製造する方法に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2000年3月10日に米国にした仮特許出願60/188,554の利益を請求する、2000年12月20日にした先行する係属中の米国特許出願09/741,523の部分継続出願である、2001年9月6日にした先行する係属中の米国特許出願09/947,876の部分継続出願であって、現在は米国特許第6,479,071号である先行する係属中の米国特許出願10/058,448の部分継続出願である。
【背景技術】
【0003】
歯の白色化または汚れ除去の成分が、練り歯磨き、うがい薬などのような歯磨き組成物に添加されることが知られている。このような組成物は、例えば米国特許第5,256402,号および第5,824,291号中に開示されているような燐酸二カルシウム、過酸化物、過炭酸塩などを含む。
【0004】
クリーニング洗剤組成物のために非イオン界面活性剤を含めて界面活性剤が使用されることが知られている。このような界面活性剤は例えば国際特許公開WO92/06160およびWO95/33034中に開示されている。クリーニング洗剤組成物中に非イオン界面活性剤を使用すると、脂肪性/油性の汚れに対するこのような組成物の有効性が改善されることが知られている。
【0005】
米国特許第5,645,821号には、水、ゲル化剤、陰イオン界面活性剤ならびにアルカリ土類金属の水酸化物および炭酸塩の混合物を含有する、歯を清浄にしそして白色化するための口腔衛生組成物が開示されている。WO 88/00463には、油と親和性のある界面活性剤と少なくとも1重量%の安息香酸塩とを含有する、歯垢を除去しそして/または防止するための、また汚れを除去するための口腔組成物が開示されている。この組成物がクロロヘキシジンまたはその誘導体のような殺生物剤を含有することも述べられている。例挙されている界面活性剤はナトリウムラウリルサルフェートでありまた組成物はポリエチレングリコール、グリセリンなどを含む可塑化剤を含有するとも述べられている。この参照文献には組成物が歯磨き、トローチ剤またはチューイングガムの形で使用されうることも述べられている。
【0006】
ここに開示されている他のチューイングガム組成物および汚れを除去する活性成分には、WO 99/43294(塩素イオン);WO 99/27798(重炭酸ナトリウムおよびカプセル封入されたアスパルテームを含有する水溶性製品);中国特許文書第1196235号(過酸化水素);米国特許第5,824,291号(アルカリ金属炭酸塩パーオキシハイドレート);WO 98/29088(システインプロテイナーゼ);WO 98/18339(骨無機質、三燐酸カルシウムおよび/またはヒドロキシアパタイト);米国特許第5,629,035号(アルカリ金属重炭酸塩)が含まれる。
【0007】
米国特許第4,952,407号には、グリセロールモノラウレートの形の歯垢除去剤を含有するガム組成物が開示されている。組成物は充填剤を高い含有率で典型的に含み、この場合、充填剤は炭酸カルシウム、滑石、重炭酸ナトリウム、燐酸二カルシウム、およ
びこれらの混合物のような無機物質である。
【0008】
コートされたチューイングガム組成物については、薬物のような活性剤をチューイングガムのコーティング中で、そして場合によっては、WO 00/35296およびWO 00/35298中に開示されているように中核中で供与することが知られている。
【0009】
譲り受け人の2000年12月20日に受理の米国特許出願09/741,523は、中核、中心充填製品を含むコーティング中に存在してよい陰イオンおよび/または非イオン界面活性剤(例えばナトリウムステアレート)を含有するチューイングガムおよび糖菓組成物をカバーする。
【0010】
カプセル封入系を含むチューイングガム組成物の様々な成分を送達する送達システムは米国特許第4,569,852号;第4,695,463号;第4,981,698号;第5,004,595号;第5,266,335号および第5,679,389号、ならびに国際公開WO 98/23165;WO 00/35295;およびWO 00/35298中に開示されている。界面活性剤を含有する製品のためのカプセル封入系は米国特許第4,473,485号;第4,597,885号;および第5,385,737号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
練り歯磨き、うがい薬および他の歯磨き組成物と異なり、ガム組成物は送達剤中で独特な問題をもたらす。チューイングガム組成物は典型的に水不溶性ガムベースを典型的に含有し、これはガム組成物に嵩を与えるが、ガムベースと親和性がある作用剤を常に捕捉する。作用剤のさらなる添加はガム組成物の一体性、感覚特性および/または味覚特性に悪影響を及ぼし得るので、これを添加することには問題がある。
【0012】
従って、歯を含め歯用材料を清浄化するための汚れ除去剤がチューイングガム組成物中に効果的に含められそして噛む過程に際して有効量の汚れ除去剤を供与する仕方で放出されることができるなら、このような汚れ除去剤を供与する技術における顕著な進展であろう。チューイングガム組成物は試料者に噛む満足を与えるのみならず、歯への有益な作用も与えるであろう。
【0013】
糖菓組成物は技術上周知である。このような組成物には、例えばハードボイルドキャンディー、ヌガー、パンニンググッズ(panning goods)、ゲル糖菓、中央充填糖菓、フォンダンなどがある。数分そしてしばしばそれよりかなり長く口内にあるチューイングガム組成物とは異なり、糖菓組成物は、噛むと比較的迅速に溶解するので、口内でのもちが短い傾向がある。それにもかかわらず、糖菓組成物のような製品を歯への有益な効果を与えることができるようにするのに有効な量の汚れ除去剤を含む糖菓組成物を提供することには大きな利益があるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、汚れ除去効果にとって十分な量が利用できるように汚れ除去物質が中に効果的に含められている汚れを除去するチューイングガムおよび糖菓組成物に一般に関する。
【0015】
本発明の特別な局面において、陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つの汚れ除去剤を含むチューイングガム組成物および糖菓組成物であって、組成物から有効量の汚れ除去剤を放出できるように汚れ除去剤がカプセル封入されているものから選択される汚れ除去組成物が提供される。
【0016】
本発明の1つの局面に従うとき、中核と、少なくとも1つの層からなるコーティングとを含む汚れ除去チューイングガム組成物であって、中核およびコーティングの少なくとも1つが、陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤ならびにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの汚れ除去剤を、汚れを除去するのに有効な量、顆粒のようなカプセル封入された形で含有するものが提供される。本発明のチューイングガム組成物を使用することにより汚れを除去する方法もまた開示されている。
【0017】
本発明のさらなる局面では、顆粒のようなカプセル封入された形の陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤ならびにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの汚れ除去剤を汚れを除去するのに有効な量含有する汚れを除去する糖菓組成物が提供される。本発明の糖菓組成物を使用することにより汚れを除去する方法もまた開示されている。
【0018】
本発明の好ましい形では、ガム組成物および糖菓組成物の双方のための界面活性剤は、中鎖および長鎖の、最も好ましくは炭素原子14〜20個を含む、脂肪酸のエステルおよび塩、ならびに特にナトリウムステアレートおよびナトリウムパルミテートおよびこれらの混合物、ならびにモノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステルの混合物からなる群から選択される。
【0019】
本発明のさらに好ましい形では、活性的な汚れ除去剤は、参照によって全体が本記載に加入されているH.Menziらの米国特許第6,056,949号中に記載されているような仕方でカプセル封入される。カプセル封入は歯の表面に汚れ除去剤の送達の強化をもたらすのみならず、汚れ除去剤の味を遮断する傾向もあり、このことは比較的大量の汚れ除去剤が使用されるとき特別な利点になる。
【0020】
2000年12月20日に受理の先行して係属中の米国特許出願09/741,523から、出願人は、汚れ除去剤ならびにガムおよび糖菓組成物の処方を適切に選択し、このような製品と通常関連のある特殊感覚受容性特性を維持しつつ歯の表面を含む歯表面と接触するように、有効量の汚れ除去剤の放出を可能にする組成物に汚れ除去剤が添加される仕方を適切に選択することにより、汚れを有効に除去するチューイングガム組成物および糖菓組成物を製造できることを確認した。
【0021】
出願人は活性的な汚れ除去剤をカプセル封入することにより、汚れを除去するガム組成物がガムの塊の中に保持される割合を低下しそして、改善された汚れ除去効果を付与するように一層多くの汚れ除去剤が組成物から効率的に放出されることを可能にすることを含みこれらに限定されない追加的な利点が得られることを見いだしている。
【0022】
一層特定的に、本発明で使用される汚れ除去剤は、チューイングガム組成物の特殊感覚受容性特性に悪影響を与え得る疎水性ガムベースを可溶化する傾向がある。この問題はチューイングガム組成物および/または添加される充填剤(例えばアトマイト)中に使用されるガムベースの量を増加することにより解決することができる。この方法はガム組成物の特殊感覚受容性特性を維持するのには十分であるが、ガムベース処方物を処理するのは一層困難であることが認められている。
【0023】
本発明は、疎水性ガムベースを容易には可溶化しない親水性物質中に汚れ除去剤をカプセル封入することにより問題を解決する。従って、ガム組成物が噛まれるとき、カプセル封入された汚れ除去剤はガムベースを可溶化することなく塊から容易に放出される。典型的に顆粒の形であるカプセル封入された製品は、口腔内に放出され、ここで唾液と接触するときにカプセル封入された物質が溶解する。これによって、歯の表面から汚れを除去するための、汚れ除去剤の量の効果的な増加が達せられる。
【0024】
本発明のチューイングガム組成物はコーティングされてよくまたはコーティングされなくてよく、また板、棒、ペレット、球状物などの形であってよい。様々な形のチューイングガム組成物の組成は類似であろうが、成分の比率に関して変化してよい。例えばコーティングされたガム組成物は、柔軟剤をより小さい百分率で含有してよい。ペレットおよび球状物はチューイングガムの小さい中核を有し、これは砂糖溶液または無糖溶液のいずれかでコーティングされ固い殻が生成される。板および棒は、チューイングガムの中核より歯ざわりが柔らかいように通常処方される。活性な界面活性剤がガムベースを可溶化する能力をさらに一層低下するために、より固い歯ざわりを有する(つまり典型的に使用されるより少ない柔軟剤を有する)板状または棒状のガムを処方するのが好ましいであろう。
【0025】
中央充填されたガムは他の1つのガムの形である。ガム部分は上述したものと類似の組成物でありまた製造方式である。しかしながら、中央充填物は典型的に水性溶液またはゲルであり、これが加工に際してガムの中央に注入される。汚れ除去剤は場合によって充填物の製造に際して中央充填物内にまたはチューイングガム内に含められる。中央充填ガムは場合によってはコーティングされてもよくまた棒付きキャンディーの形のような様々な形で製造されてよい。
【0026】
本発明を実施するためにコーティングされたガムを使用するのが好ましく、この場合、汚れ除去剤は中核およびコーティングの少なくとも1つの中にある。汚れを除去するのに最も好ましいのは、汚れ除去剤が少なくともコーティング中にあるコーティングされたガムである。
【0027】
本発明のチューイングガム組成物は、ガムベースおよび甘味剤、柔軟剤、香味剤などのようなチューイングガム組成物の典型的な他の成分のほとんどを含む。本発明では、陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤から選択されそして以下に記載するようにカプセル封入される少なくとも1つの汚れ除去剤が使用される。チューイングガム組成物はレシチンまたはグリセリンのような柔軟剤をより少ない量含有してよくまたは柔軟剤を含まなくてよい。加えてチューイングガム組成物は、本発明で使用される汚れ除去剤を歯の表面に送達するのを容易にするように、慣用のチューイングガム組成物より多い量の糖アルコールを含有してよい。
【0028】
活性的な汚れ除去剤は親水性のカプセル封入物質中にカプセル封入される。このような物質は香味剤または脱臭剤の顆粒の製造のために典型的に使用され、また一般に直径約0.02〜3.0mm、一層普通には約0.1〜1.5mmの寸法を有する。このような物質の例には、澱粉、デキストラン、蔗糖、ブドウ糖、乳糖のような糖類、マルチトールおよびソルビトールのような糖アルコールを含む炭水化物、アラビアゴム、カラゲーナン、イナゴマメのさやのガム、アカシアのガム、およびトラガカントのようなガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースのようなセルロース物質、タンパク質、小麦タンパク質、水溶性ポリマーおよびこれらの混合物などがある。水溶性ポリマーの例には、エチレンアクリル酸ポリマー、ポリビニルアルコールブロックポリマー、澱粉が加えられたポリエチレンポリマー、ポリアセテート、澱粉をベースとするポリマー、メチルメタクリレートポリマー、エチルメタクリレートポリマー、エチレンと一酸化炭素とのコポリマー、ヒドロキシプロピル化澱粉(アミロース70%)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースジアセテートで変性された天然ポリマー、エクストルーダー処理された(extruded)ジャガイモ澱粉、カプロラクトンポリエステル、アクリルアミドブロックポリマー、エチレンオキサイドポリマー、ポリ(アクリロニトリル)ポリマー、ポリ(アクリルアミド)ポリマーおよびこれらの混合物がある。
【0029】
『水溶性ポリマー』という用語は、所望の汚れ除去効果を付与するのに十分なように汚
れ除去剤を口腔に送達することを可能にするのに十分な水溶性をポリマーが有することを意味する。
【0030】
カプセル封入物質の量は、カプセル封入された活性的な汚れ除去剤の全重量に基づき典型的に約20〜40重量%の範囲にある。カプセル封入物質の好ましい量は、約25〜35重量%である。ガムまたは糖菓の組成物の種類に、そしてどの汚れ除去剤が使用されるかに一部依存して、より多いまたは少ない量のカプセル封入物質が使用されてよいことが分かるであろう。さらにまた、組成物の汚れ除去の可能性を最大化するために、汚れ除去剤の装荷を実施可能なかぎりできるだけ多くするのが一般に好ましい。
【0031】
本発明のチューイングガム組成物の1つの局面に従うとき、カプセル封入された汚れ除去剤がチューイングガム組成物の製造に際して、つまり甘味剤、香味剤などとともに添加される。本発明の好ましい局面では、カプセル封入される物質を保護するために、カプセル封入された汚れ除去剤は最終的な段階の1つとして、好ましくはチューイングガム組成物の製造の最終的段階として添加される。このようにして、カプセル封入された汚れ除去剤が、ガム組成物内にゆるくしか含まれていない場合、典型的な噛む操作に際して組成物から一層効果的に放出されることができる。
【0032】
不溶性のガムベースは一般にエラストマー、エラストマー可塑化剤、ロウ、脂肪、油、乳化剤、充填剤、歯ざわり剤を含み、また以下に記載するようなカプセル封入された汚れ除去剤を含むであろう。
【0033】
エラストマーはベースの約5〜95重量%、好ましくは10〜70重量%そして最も好ましくは15〜45重量%を占める。エラストマーの例には、ポリイソブチレン、ポリブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリビニルアセテートなどのような合成エラストマーが含まれる。エラストマーには天然ゴムのような天然のエラストマー、およびジェルトン、レチカプシ(lechi capsi)、ペリロ(perillo)、マッサランデュババラタ(massaranduba balata)、チクル、グッタハンカン(gutta hang kang)またはそれらの混合物のような天然のガムもまた含まれる。技術的に通常的に熟達する者には他のエラストマーが知られている。
【0034】
エラストマー可塑化剤は、ガムベース中でこれが使用されるときの仕上げられたガムの固さを変更する。エラストマー可塑化剤はガムベースの約0重量%から75重量%、好ましくは約5〜45重量%そして最も好ましくは約10〜30重量%の量で典型的に存在する。エラストマー可塑剤の例には、部分的に水素化されたロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、部分的に水素化されたロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステルおよび部分的に水素化されたメチルエステルなどのような天然ロジンのエステルが含まれる。テルペン樹脂のような合成エラストマー可塑剤もまたガムベース組成物中で使用される。
【0035】
ロウには、ポリエチレン、蜜ロウ、カルノバなどのような合成的なおよび天然産のロウが含まれる。パラフィンのような石油ロウもまた使用されることができる。ロウはガムベースの大体0重量%から30重量%までの量で存在してよい。ロウは仕上げられたガムの硬化を助けまた香味の放出を改善するのに役立ちまた製品の保管寿命を延ばすであろう。
【0036】
充填剤はガムベースの歯ざわりを変更しまた加工の助けになる。このような充填剤の例には、珪酸マグネシウムおよび珪酸アルミニウム、粘土、アルミナ、滑石、酸化チタン、セルロースポリマーなどが含まれる。充填剤は1〜60重量%の量で典型的に存在する。
【0037】
ガムベース中で使用される柔軟剤の例には、水素化されたおよび部分的にに水素化された植物油、ココアバター、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、ジグリセリドおよびトリグリセリド、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸などのような脂肪酸がある。
【0038】
ガムベースはチューイングガム組成物の5〜95重量%、一層典型的には10〜50重量%、最も好ましくは25〜35重量%を占める。より多い量のガムベースが好ましい。
【0039】
チューイングガム組成物中で使用される他成分には、天然のおよび合成的な、砂糖および無糖である甘味剤が含まれる。甘味剤は約20〜80重量%、好ましくは約30〜60重量%の量で典型的に存在する。無糖の甘味剤には、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化された澱粉加水分解物、マルチトールなどのような糖アルコールが含まれるがこれらに限定されない。スクラロース、アスパルテーム、アセスルファームの塩などのような強力な甘味剤。強力な甘味剤は典型的に約0重量%から1.0重量%存在する。
【0040】
広範な範囲にわたって変化しうる香味剤は、約0.1〜10.0重量%、好ましくは約0.5〜5.0重量%で選定されることができる。チューイングガム組成物中で使用するための香味剤は周知でありまたこれには柑橘油、ペパーミント油、スペアミント油、冬緑油、メントールなどが含まれる。
【0041】
柔軟剤はチューイングガム組成物の歯ざわりを変えるために存在してよい。典型的なガム組成物とは異なり、本発明の組成物中にある柔軟剤はチューイングガムの全重量に基づき約0.5〜10重量%という減少した量で典型的に存在する。
【0042】
本発明のガム組成物中に存在してよい他の物質には、酸化防止剤(例えばブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ベータ−カロテン、トコフェロール)、着色剤、香味剤などがある。
【0043】
カプセル封入された活性的な汚れ除去剤は、噴霧乾燥、流動床を用いる装置の使用、または塊状化を含む物質をカプセル封入ための既知の任意の方法によって製造されることができる。
【0044】
好適なカプセル封入物質には、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのようなセルロース物質、デキストリン、マルトデキストリン、デキストラン、キサンチン、変性された澱粉、アカシア、ポリデキストロース、グアーガム、ペクチン、イナゴマメのガム、カラゲーナン、アラビアゴム、トラガカント、バラヤ、ガット、寒天、アルギネート、フセラー(fucellar)、オオバコ、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトールなどのような糖アルコール、カゼイン、ゼラチン、卵アルブミンウェイなどのようなタンパク質、ならびにこれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0045】
カプセル封入された汚れ除去剤を製造するための好ましい方法は、H.Menziらの米国特許第6,056,949号中に記載されているものに類似する。このような方法では、カプセル封入物質を含有する溶液が、全体的にまたは部分的に活性的な成分を含有してよい中核に噴霧され、次いで流動床ローター顆粒化機によって処理される。
【0046】
中核は例えば澱粉、糖および類似の慣用の担体物質のような活性成分のための担体も含有してよい。水または水とエタノールとの混合物のような溶媒を含有してよい溶液が、中核物質の表面下に流動床中で噴霧される。カプセル封入物質は、砂糖ベースまたは無糖で
あり得る。好ましいカプセル封入物質はマンニトール、マルチトール、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、卵タンパク質およびこれらの混合物から選択される。カプセル封入方法にとって好適な温度は約30〜80℃、好ましくは約40〜70℃である。
【0047】
得られる粒子は、コーティングの目的に好適であることが知られている物質例えば脂肪、変性されたセルロース、ゼラチン植物または動物のゼラチンの抽出物、アラビアゴムのようなガム、分解された澱粉または化学的に変性された澱粉を含む澱粉、およびポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどのような好適な合成物質の溶液、乳濁液または融解物を噴霧するなどにより、顆粒化工程の後に場合によってはコーティングされてよい。
【0048】
カプセル封入された汚れ除去剤の粒子寸法の分布は、狭い範囲内に保たれるのが好ましく、これは、(a)カプセル封入物質の粒子寸法、乳濁液の組成、乳濁液の噴霧速度、顆粒化機の回転基底板の構造、基底板の回転速度、空気流入速度、空気温度の影響を組み合わせることにより達せられることができ、このようなパラメータは当業者の知識に属しまた米国特許第6,056,949号中で例示されている。例えば乳濁液の噴霧速度は約30〜80g/分の範囲内にあるのが好ましい。
【0049】
本発明のチューイングガム組成物を製造することに関して、パンコーティングおよび噴霧コーティングのような、チューイングガム組成物にコーティングを施すためのコーティング技術は周知である。本発明を実施するのに好ましいのは、固いキャンディー層をつくるのに適した溶液でのコーティングである。糖および糖アルコールはともに、強力な甘味剤、着色剤、香味剤およびバインダーと一緒にこの目的のために使用されることができる。カプセル封入された汚れ除去剤がチューイングガム組成物のコーティング中で供与されるとき、カプセル封入された汚れ除去剤は香味剤とともに交互に施されるのが好ましく、カプセル封入された製品がこのコーティングの中または大体中央に位置するのが最も好ましい。
【0050】
甘味剤はコーティングシロップの約30〜約80%の量で存在してよい。バインダーはコーティングシロップの約1〜約15%の量で存在してよい。場合による添加剤が少量やはり存在してよい。コーティングシロップ中で使用するのに好適な甘味剤には、多水酸基アルコール例えばキシリトール、ソルビトール、マンニトール、およびこれらの混合物;マルチトール、イソマルチトール、水素化されたデンプン加水分解物、および水素化されたブドウ糖シロップのような無糖甘味剤が含まれる。単糖類、二糖類および多糖類もまた含まれるであろう。例えば蔗糖、果糖、ガラクトースおよび麦芽糖のような糖もまた甘味剤として使用されてよい。コーティングシロップ中で使用するのに好適な他の甘味剤には、遊離サッカリン酸、サッカリンの水溶性塩、シクラメート塩、パラチニットジヒドロチャルコン、グリシルヒジン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、アミノ酸をベースとする甘味剤、タリン、ステビオサイド、ジヒドロカルコン化合物、アセスルファーム塩およびこれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。
【0051】
他の成分がコーティングシロップに少量添加されてよく、またこれらには水分吸収化合物、接着防止化合物、分散剤およびフィルム形成剤が含まれる。コーティングシロップ中で使用するのに好適な水分吸収化合物にはマンニトールまたは燐酸二カルシウムがある。充填剤として機能することもできる有用な接着防止剤の例には滑石、三珪酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムがある。これらの成分はシロップの約0.5〜5重量%の量で使用されてよい。コーティングシロップ中で使用されてよい分散剤の例には、二酸化チタン、滑石または上記に示した他の接着防止化合物がある。
【0052】
コーティングシロップは通常加熱されそしてその一部分が中核上に付着される。通常コ
ーティングシロップの単一の付着はコーティングの所望の厚さまたは量を与えるには不十分であり、コーティングの重量および厚さを所望の水準にまで到達させるために、コーティングの第2、第3またはそれ以上のコートを施し、層をコート間で乾燥させることが通常必要であろう。
【0053】
本発明のチューイングガム組成物の好ましい局面では、カプセル封入された汚れ除去剤がコートに添加される。カプセル封入された汚れ除去剤はシロップコーティングに続いて施されるのが好ましい。次に、カプセル封入された汚れ除去剤でのコーティングに先立って強力甘味剤のコートを施すのが好ましい。カプセル封入された汚れ除去剤の施用は香味剤溶液を施すのに代えて実施するのが好ましい。本発明を実施する際、カプセル封入された汚れ除去剤は溶液として施されてよく、または乾燥した装入物として施されてよい。チューイングガム組成物をコーティングする際、コーティングシロップの施用は、ガム部分の平均重量が所望のコーティング重量に達するまで、好ましくはコートが最終的なペレットの20〜30重量%を含むまで継続される。
【0054】
本発明は、好適に選定された汚れ除去剤を含有する糖菓組成物もまた包含する。糖菓組成物には、ミントのような圧搾された錠剤、ハードボイルドキャンディー、ヌガー、ゲル、中央充填糖菓、フォンダン、パンニンググッズ、および糖菓組成物の一般に受け入れられた定義に属する他の組成物が含まれる。
【0055】
ミントのような圧搾された錠剤の形の糖菓組成物は、微細に篩分けされた糖または糖代替物、香味剤(例えばペパーミント香味)、アラビアゴムのような嵩付与剤、および場合により着色剤を一緒にすることにより一般に製造されることができる。香味剤、嵩付与剤が一緒され、次いで糖または糖代替物が、必要なら着色剤とともに徐々に添加される。
【0056】
次いで所望のメッシュ寸法(例えば12メッシュ)の篩に通過することにより生成物が顆粒化され、次に典型的に55〜60℃で乾燥される。得られる粉末が、大きな寸法のパンチを備えた錠剤化機内に供給されそして得られるペレットが顆粒へと粉砕されそして圧搾される。
【0057】
ハイボイルドキャンディーは糖または糖代替物、ブドウ糖、水、香味剤および場合により着色剤を典型的に含有する。糖が水中に溶解され次にブドウ糖が添加される。混合物が沸騰される。予め着色剤が添加されていてよい、得られる液体が油をひいた板の上に注がれそして冷却される。次に香味剤が添加されそして冷却した塊状物へと捏和される。得られる混合物が次に技術上知られたドロップローラーアセンブリーへと供給されて、最終的な固いキャンディーの形へと成形される。
【0058】
ヌガー組成物は2つの主要な成分、ハイボイルドキャンディーおよびフラッペを典型的に含む。例として、卵アルブミンまたはその代替物が水と一緒にされそして軽い泡状物を生成するように泡立てられる。砂糖およびブドウ糖が水に添加されそして典型的に約130〜140℃で沸騰され、そして得られる沸騰された生成物が混合機内に注入されそしてクリーム状になるまで混和される。
【0059】
混和されたアルブミンおよび香味剤がクリーム状の生成物と一緒にされ、そしてその後、この組み合わされたものが完全に混合される。
【0060】
糖菓組成物の製造に関するさらなる詳細は、SkueのComplete Confectioner(13版)(1957年)の41〜71、133〜144、および255〜262ページを含めて、そしてE,B,Jackson編のSugar Confectinery Manufacture(2版)(1995年)129〜168、169
〜188、189〜216、218〜234、および236〜258ページに見いだすことができ、これらの各々は参照によって本記載に加入されている。
【0061】
本発明によるとき、汚れを除去するのに有効な量の陰イオン界面活性剤および/または非イオン界面活性剤がチューイングガム組成物および糖菓組成物のための汚れ除去剤として使用され、この作用剤はすでに述べたようにカプセル封入される。本発明で使用されてよい汚れ除去剤の典型的な例には、硫酸化されたブチルオレエート、中鎖および長鎖の脂肪酸エステルおよび塩、特にステアレートおよびパルミテートのナトリウム塩およびカリウム塩、これらのメチルエステルおよびエチルエステル、ナトリウムオレエート、フマル酸の塩、カリウムグロメート、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステル例えばステアリルモノグリセリジルシトレート、スクシステアリン、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、グリセロールトリステアレート、レシチン、ヒドロキシル化レシチン、ナトリウムラウリルサルフェート、アセチル化モノグリセリド、スクシニル化モノグリセリド、モノグリセリドシトレート、エトキシル化モノ−およびジグリセリド、ソルビタンモノステアレート、カルシウムステアリル−2−ラクチレート、ナトリウムステアリルラクチレート、グリセロールおよびプロピレングリセロールのラクチル化脂肪酸エステル、C8〜C24の脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、好ましくはC14〜C20の脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、C8〜C24の脂肪酸のポリグリセロールエステル、好ましくはC14〜C20の脂肪酸のポリグリセロールエステル、プロピレングリコールアルギネート、蔗糖C8〜C24脂肪酸エステル、好ましくは蔗糖C14〜C20脂肪酸エステル、モノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルまたはクエン酸エステルまたは乳酸エステル、トリアセチンなどならびにこれらの混合物が含まれる。
【0062】
例示的な好ましい汚れ除去剤は、ナトリウムステアレートおよびナトリウムパルミテートおよびこれらの混合物、ナトリウムオレエート、クエン酸エステルの混合物またはモノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸エステル、例えばグリセロールステアレート、グリセロールラウレートおよびこれらの混合物、スクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースジラウレート、モノステアレートのポリグリセロールエステル、モノラウレートのポリグリセロールエステルならびにこれらの混合物から選択される。
【0063】
本発明のチューイングガム組成物中で使用するために好ましい界面活性剤は、ナトリウムパルミテートとの約50/50の混合物として通常入手されるナトリウムステアレート、およびモノグリセリドおよび/またはジグリセリドの少なくとも1つのクエン酸エステルの混合物である。後者の部類の市販の汚れ除去剤の好適な例は、Condea Vista Companyによって発売のIMWITOR 370(登録商標)である。さらに好ましい界面活性剤はモノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸エステルの混合物である。
【0064】
チューイングガム組成物のための汚れ除去剤の量はチューイングガム組成物の全重量に基づき典型的に約0.2〜2.0重量%であり、またカプセル封入された製造物の約60〜80重量%、好ましくは65〜75重量%である。汚れ除去剤の好ましい量は約0.4〜1.2重量%である。汚れ除去剤の量は使用される特定の個別的な汚れ除去剤またはその組み合わせ、チューイングガム組成物の他の成分の種類およびそれぞれの量に応じて変化するであろう。例えばナトリウムステアレートの好ましい量は約0.5重量%であり、モノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸エステルの混合物の好ましい量は約0.6重量%である一方、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステルの混合物(IMWITOR 370(登録商標))の好ましい量は約0.6〜1重量%である。
【0065】
本発明の糖菓組成物中で使用するために好ましい汚れ除去剤はナトリウムステアレート
、ナトリウムパルミテートおよびこれらの混合物である。チューイングガム組成物との関連で指摘したように、ナトリウムステアレートはナトリウムパルミテートとのほぼ均等に分かれる混合物として通常入手できる。
【0066】
本発明の糖菓組成物中で使用できる汚れ除去剤の量は、例えば糖菓組成物の種類および使用される特定の個別的な汚れ除去剤またはその組み合わせに応じてある範囲にわたって変化するであろう。一般に本発明の糖菓組成物中で使用される汚れ除去剤の量は、特定の汚れ除去剤についてチューイングガム組成物のために使用される汚れ除去剤の量を越えるであろう。
【0067】
一般に、糖菓組成物のための汚れ除去剤はこの組成物の全重量に基づき約0.2〜20重量%で存在するであろう。汚れ除去剤の好ましい量は約3〜17重量%である。カプセル封入された製品中で使用される汚れ除去剤の量はガム組成物について上述した量(例えば一般に約60〜80重量%)と同じである。本発明の糖菓組成物中での汚れ除去剤の比較的より多い量は、最終製品の味に影響するであろう。しかしながら、このようなより多い量の汚れ除去剤がカプセル封入されるとき、このことに由来して、味を遮断する顕著な効果があり、これは汚れ除去剤にまつわる味に関する懸念を無くしまたは少なくとも最小にするのに効果的である。
【0068】
実施例
以下の例は説明の目的のためのみに示されまた本明細書および特許請求の範囲によって完全にカバーされている本出願の範囲が限定される意図にはない。
【0069】
実施例1:カプセル封入された汚れ除去剤を含むガム製品の製造
A.板ガム
【表1】

* アスパラテーム、Ace K混合物
** 顆粒状にカプセル封入された50/50のナトリウムステアレート/ナトリウムパルミテートであって、ナトリウムステアレートが75重量%
*** カプセル封入された顆粒状のIMWITOR 370(登録商標)であって、IMWITOR 370が75重量%
【0070】
表1に認められるチューイングガム組成物の試料1および2は慣用の方法によって製造された。ガムベースの物理的および化学的な構成に悪影響を与えることなく、ガムベースを十分に軟化するように加熱した(例えば約80℃)。次に融解したガムベースおよび充填剤を混合槽に入れた。糖アルコール、グリセリン、香味剤、強力甘味剤および汚れ除去剤を混合しつつ添加し均一な混合物を得た。
【0071】
米国特許第6,056,949号に記載のものと似たように汚れ除去剤を含有する製品を製造した。場合によっては担持物質(例えば澱粉)の存在で、カプセル封入物質(例えばマンニトール)を含有する溶液を流動床ローター−顆粒化機中でナトリウムステアレート上に噴霧してカプセル封入された顆粒を形成した。
【0072】
カプセル封入された顆粒をガムベース組成物に添加した。次いで混合物を混合槽から排出しそしてローラーにかけそして慣用の技術によって所望の小片寸法へと切断した。
【0073】
B.コートされたガム−コート中にカプセル封入された汚れ除去剤
【表2】

* アスパラテーム、Ace K混合物
** 顆粒状にカプセル封入された50/50のナトリウムステアレート/ナトリウムパルミテートであって、ナトリウムステアレートが75重量%
*** カプセル封入された顆粒状のIMWITOR 370(登録商標)であって、IMWITOR 370が75重量%
【0074】
試料3〜4をつくる本記載のA部におけるのと同じ慣用的な方法によってガムの中核を製造した。融解したガムベースおよび充填剤を混合槽に入れそして混合を開始した。糖アルコール、グリセリン、香味、および強力な甘味剤混合物を混合しつついくつかに分けて添加し均一な混合物を得た。次いで混合物を混合槽から排出しそして慣用の技術によって中核の形に成形した。
【0075】
中核をコーティングパン内にいれそして必要に応じて個々の小片へと破砕した。70重量%のマルチトール、ならびに二酸化チタン、アラビアゴムおよび水を含有する無糖の溶液を70〜80℃に加熱した。溶液をガムの中核の小片上に層をなして噴霧しそして、ガムの中核のコートが滑らかで均一であることを確実にするためにコーティングパンを連続的に回転しつつ、噴霧の間に乾燥させた。
【0076】
ペレットの最終重量の約8重量%になるまでコーティングを重ねた。次ぎにAce−Kを添加し、次いで上述したコーティング溶液の別な層で被覆し、次いで乾燥させた。
【0077】
表2に認められるカプセル封入された汚れ除去剤を本記載のA部と同様にして製造した。
【0078】
強力な甘味剤の層を乾燥した後、カプセル封入された汚れ除去剤および香味剤を、それぞれの物質のすべてが添加されるまで、交代する層として添加し、次の層が施される前に各々の層を乾燥させた。コートがペレットの最終重量の24%を占めるまでコーティング溶液を用いてコーティング過程を継続した。
【0079】
次に、外殻重量25重量%を得るまで、慣用の仕上げ溶液によってコーティングを上塗りした。次にキャンデリラロウを使用してペレットを慣用の方法で研磨パン内で研磨した。
【0080】
C.コートされたガム−コート中にカプセル封入された汚れ除去剤
【表3】

* アスパラテーム、Ace K混合物
** 顆粒状にカプセル封入された50/50のナトリウムステアレート/ナトリウムパルミテートであって、ナトリウムステアレートが75重量%
【0081】
本記載のA部における板ガムと同じ慣用的な方法によってガムの中核を製造したが、A部で製造したカプセル封入された汚れ除去剤を最後に添加した。次いで混合物を混合槽から排出しそして慣用の技術によって中核の形に成形した。
【0082】
中核をコーティングパン内にいれそして本記載のB部におけるようにコートしたが、ただしカプセル封入された汚れ除去剤を含有する層の施用は工程から無くし、表3に示す組成を有する試料6をつくった。
【0083】
E.板ガム
試料6および7を試料2と同じ方法で製造したが、ただしカプセル封入されたナトリウムステアレートの平均粒子寸法は0.59mm(試料6)より小さくまた0.59mm(試料7)より大きかった。
【0084】
実施例2:ガム製品の効能試験
B.噛み試験
試験1:20人をそれぞれ5人の4グループに分けた。カプセル封入されていないナトリウムステアレートを含有する対照物としてのガム板、試料1のチューイングガム組成物、試料6のチューイングガム組成物、試料7のチューイングガム組成物を別個の集団における各グループの人にそれぞれ噛ませた。
【0085】
各人は上述したような4枚のガム板を20分噛んだ。得られる塊を集めそして、噛む前(表4)および噛んだ後(表5)に各々の板の中に存在するナトリウムステアレートの量を決定するために分析した。
【0086】
【表4】

a 各々の試料について別々な分析を実施した。
b ナトリウムステアレートの全体はナトリウムパルミテートおよびナトリウムステアレートの合計である。
【0087】
表4に示すように、試験した各々のガム板は、約60%のナトリウムパルミテートおよび40%のナトリウムステアレートを典型的に含む汚れ除去剤を約10mg含んだ。噛んだ後の汚れ除去剤の量を測定しそして結果を表5に示した。
【0088】
【表5】

a ナトリウムステアレートの全体はナトリウムパルミテートおよびナトリウムステアレートの合計である。
【0089】
板ガムから放出される汚れ除去剤の量を測定しそして結果を表6に示した。
【表6】

a 噛んでないガム中のナトリウムステアレートの量は噛んでないガムの5つの板を分析することから得られる平均値に基づく。
b 噛まれた食塊中のナトリウムステアレートの量は、5つの噛まれた食塊を分析することにより得られる平均値に基づく。
【0090】
表6に示すように、カプセル封入された汚れ除去剤を含む本発明のガム組成物は、19〜27%の汚れ除去剤を放出した。これは、カプセル封入されていない形で同じ汚れ除去剤を含むガム組成物より90〜170%よい放出比に相当する。カプセル封入された物質の平均粒子寸法が約0.5mmを下回るときに特に良好な結果が得られた。
【0091】
実施例3:圧搾されたミント製品の製造
試料8
本発明に従う圧搾されたミント製品をつくるための組成物の2000gのバッチを以下のように調製した。
97.5重量%のソルビトール、0.5重量%の二酸化珪素、0.3重量%の香味剤、および0.7重量%のアスパルテームを均一な混合物が得られるまでブレンダー内で2分間混合した。実施例1に従ってつくった1.0重量%のカプセル封入されたナトリウムステアレートを混合物に添加し、次にこれを4時間混合した。得られる混合物を次に慣用の方法によって個々に圧搾された錠剤へと成形した。
【0092】
試料9
試料8で示した手順を反復したが、ただしカプセル封入されたナトリウムステアレートの量を1.0%から10.0%まで増加し、ソルビトールの量を対応して減少した。
【0093】
試料10および対照物
表8中に示した構成物を含有する圧搾された錠剤組成物をつくるために試料5の手順を反復して試料10をつくった。
【0094】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中核と、少なくとも1つの層を有する任意のコーティングからなる汚れ除去チューイングガム組成物であって、この中核およびコーティングの少なくとも1つが、親水性のカプセル封入物質内にカプセル封入された陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤の群から選択される少なくとも1つの汚れ除去剤の汚れを除去するのに有効な量を含有し、このカプセル封入された汚れ除去剤が汚れ除去に有効な量を組成物から放出することを可能にする仕方で存在する上記の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項2】
カプセル封入物質が、炭水化物、糖、糖アルコール、セルロース物質、タンパク質、小麦タンパク質、水溶性ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項3】
カプセル封入物質が、澱粉、デキストランおよびこれらの混合物からなる群から選択される炭水化物である請求項2に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項4】
カプセル封入物質が、蔗糖、ブドウ糖、乳糖およびこれらの混合物からなる群から選択される糖である請求項2に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項5】
カプセル封入物質が、マルチトール、ソルビトールおよびこれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールである請求項2に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項6】
カプセル封入物質が、アラビアゴム、カラゲーナン、イナゴマメのガム、アカシアのガム、トラガカントおよびこれらの混合物からなる群から選択されるガムである請求項2に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項7】
カプセル封入物質が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースおよびこれらの混合物からなる群から選択されるセルロース物質である請求項2に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項8】
カプセル封入物質が、エチレンアクリル酸ポリマー、ポリビニルアルコールブロックポリマー、澱粉が加えられたポリエチレンポリマー、ポリラクテート、澱粉をベースとするポリマー、メチルメタクリレートポリマー、エチルメタクリレートポリマー、エチレンと一酸化炭素とのコポリマー、ヒドロキシプロピル化澱粉(アミロース70%)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースジアセテートで変性された天然ポリマー、押し出されたジャガイモ澱粉、カプロラクトンポリエステル、アクリルアミドブロックポリマー、エチレンオキサイドポリマー、ポリ(アクリロニトリル)ポリマー、ポリ(アクリルアミド)ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される水溶性ポリマーである請求項2に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項9】
カプセル封入された汚れ除去剤が平均粒子寸法約0.02〜3.0mmを有する粒子の形である請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項10】
汚れ除去剤がカプセル封入された汚れ除去剤中に約60〜80重量%の量存在する請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項11】
汚れ除去剤が、中鎖および長鎖の脂肪酸のエステルおよび塩からなる群から選択される請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項12】
中鎖および長鎖の脂肪酸のエステルおよび塩が8〜24個の炭素原子を含む請求項11
に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項13】
中鎖および長鎖の脂肪酸のエステルおよび塩が14〜20個の炭素原子を含む請求項12に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項14】
汚れ除去剤がモノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステルの混合物である請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項15】
汚れ除去剤が、硫酸化されたブチルオレエート、中鎖および長鎖の脂肪酸エステルおよびその塩、ナトリウムオレエート、フマル酸の塩、カリウムグロメート、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステル、スクシステアリン、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、グリセロールトリステアレート、レシチン、ヒドロキシル化レシチン、ナトリウムラウリルサルフェート、アセチル化モノグリセリド、スクシニル化モノグリセリド、モノグリセリドシトレート、エトキシル化モノ−およびジグリセリド、ソルビタンモノステアレート、カルシウムステアリル−2−ラクチレート、ナトリウムステアリルラクチレート、グリセロールおよびプロピレングリセロールのラクチル化脂肪酸エステル、C8〜C24の脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、C8〜C24の脂肪酸のポリグリセロールエステル、プロピレングリコールアルギネート、蔗糖C8〜C24脂肪酸エステル、モノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルまたはクエン酸エステルまたは乳酸エステル、およびトリアセチンならびにこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項16】
汚れ除去剤が、C14〜C20の脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、C14〜C20の脂肪酸のポリグリセロールエステル、および蔗糖C14〜C20脂肪酸エステルからなる群から選択される請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項17】
汚れ除去剤が、ナトリウムステアレートおよびナトリウムパルミテートおよびこれらの混合物、ナトリウムオレエート、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステルまたは乳酸エステルの混合物、グリセロールステアレート、グリセロールラウレートおよびこれらの混合物、スクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースジラウレート、モノステアレートのポリグリセロールエステルおよびモノラウレートのポリグリセロールエステルならびにこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項18】
汚れ除去剤がナトリウムステアレート、ナトリウムパルミテートおよびこれらの混合物から選択される請求項17に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項19】
チューイングガム組成物が板または棒の形であり、このチューイングガム組成物がより少ない柔軟剤を含む請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項20】
チューイングガム組成物が、中央充填部とガム部分とを有する中央充填チューイングガム組成物であり、カプセル封入された汚れ除去剤が中央充填物、ガム部分またはこれら双方中に存在する請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項21】
コートされたチューイングガム組成物の形をとり、カプセル封入された汚れ除去剤がコーティング、中核またはコーティングと中核との双方中に存在する請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項22】
カプセル封入された汚れ除去剤がコーティング中に存在する請求項21に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項23】
汚れ除去剤の量が、チューイングガム組成物の全重量に基づき約0.2〜2.0重量%である請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項24】
汚れ除去剤がナトリウムステアレートおよびナトリウムパルミテートの50/50混合物であり、また汚れ除去剤の量がチューイングガム組成物の全重量に基づき約0.5重量%である請求項23に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項25】
汚れ除去剤がモノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステルの混合物であり、また汚れ除去剤の量がチューイングガム組成物の全重量に基づき約0.6〜1.0重量%である請求項23に記載の汚れ除去チューイングガム組成物。
【請求項26】
請求項1に記載のカプセル封入された汚れを除去するチューイングガム組成物の有効量を噛むことからなる歯の汚れを除去する方法。
【請求項27】
汚れ除去剤がチューイングガム組成物に緩く含まれることにより、噛むときに汚れ除去剤が効果的に放出されることができるように、チューイングガム組成物をつくる最終的な段階の1つにおいてカプセル封入された汚れ除去剤を添加することからなる請求項1に記載の汚れ除去チューイングガム組成物を製造する方法。
【請求項28】
陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤の群から選択される少なくとも1つのカプセル封入された汚れ除去剤を汚れを除去するのに有効な量を含有し、このカプセル封入された汚れ除去剤が汚れ除去剤の有効な量を組成物から放出することを可能にする仕方で存在する汚れを除去する糖菓組成物。
【請求項29】
カプセル封入物質が炭水化物、糖、糖アルコール、セルロース物質、タンパク質、小麦タンパク質、水溶性ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項28に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項30】
カプセル封入物質が、澱粉、デキストランおよびこれらの混合物からなる群から選択される炭水化物である請求項29に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項31】
カプセル封入物質が、蔗糖、ブドウ糖、乳糖およびこれらの混合物からなる群から選択される糖である請求項29に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項32】
カプセル封入物質が、マルチトール、ソルビトールおよびこれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールである請求項29に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項33】
カプセル封入物質が、アラビアゴム、カラゲーナン、イナゴマメのガム、アカシアのガム、トラガカントおよびこれらの混合物からなる群から選択されるガムである請求項29に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項34】
カプセル封入物質が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースおよびこれらの混合物からなる群から選択されるセルロース物質である請求項29に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項35】
カプセル封入物質が、エチレンアクリル酸ポリマー、ポリビニルアルコールブロックポリマー、澱粉が加えられたポリエチレンポリマー、ポリラクテート、澱粉をベースとするポリマー、メチルメタクリレートポリマー、エチルメタクリレートポリマー、エチレンと一酸化炭素とのコポリマー、ヒドロキシプロピル化澱粉(アミロース70%)、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、セルロースジアセテートで変性された天然ポリマー、エクストルーダー処理されたジャガイモ澱粉、カプロラクトンポリエステル、アクリルアミドブロックポリマー、エチレンオキサイドポリマー、ポリ(アクリロニトリル)ポリマー、ポリ(アクリルアミド)ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される水溶性ポリマーである請求項29に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項36】
汚れ除去剤が、中鎖および長鎖の脂肪酸のエステルおよび塩からなる群から選択される請求項28に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項37】
汚れ除去剤が、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステルの混合物である請求項28に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項38】
汚れ除去剤が、硫酸化されたブチルオレエート、中鎖および長鎖の脂肪酸エステルおよびその塩、ナトリウムオレエート、フマル酸の塩、カリウムグロメート、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステル、スクシステアリン、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、グリセロールトリステアレート、レシチン、ヒドロキシル化レシチン、ナトリウムラウリルサルフェート、アセチル化モノグリセリド、スクシニル化モノグリセリド、モノグリセリドシトレート、エトキシル化モノ−およびジグリセリド、ソルビタンモノステアレート、カルシウムステアリル−2−ラクチレート、ナトリウムステアリルラクチレート、グリセロールおよびプロピレングリセロールのラクチル化脂肪酸エステル、C8〜C24の脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、C8〜C24の脂肪酸のポリグリセロールエステル、プロピレングリコールアルギネート、蔗糖C8〜C24脂肪酸エステル、モノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルまたはクエン酸エステルまたは乳酸エステル、およびトリアセチンならびにこれらの混合物からなる群から選択される請求項28に記載の汚れ除去糖菓チューイングガム組成物。
【請求項39】
汚れ除去剤がナトリウムステアレート、ナトリウムパルミテートおよびこれらの混合物から選択される請求項28に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項40】
汚れ除去剤の量が、糖菓組成物の全重量に基づき約0.2〜20重量%である請求項28に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項41】
糖菓組成物が、ハードボイルドキャンディー、ヌガー、ゲル糖菓、中央充填糖菓、パンニンググッズ、およびフォンダンからなる群から選択される請求項28に記載の汚れ除去糖菓組成物。
【請求項42】
請求項28に記載の汚れ除去糖菓組成物の有効量を、この組成物が溶解するまで口腔内に入れておくことからなる歯の汚れを除去する方法。

【公表番号】特表2006−506422(P2006−506422A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551991(P2004−551991)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/035793
【国際公開番号】WO2004/043388
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(503267283)キャドバリー・アダムズ・ユーエスエイ・エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】