説明

カメラ、電池ユニット、およびアダプタ装置

【課題】携帯性を確保しつつ電池と記録媒体の取り扱いがより簡単になされるカメラ、そのように電池と記録媒体が組み合わさった電池ユニット、この電池ユニットに対応するアダプタ装置を提供する。
【解決手段】電池ユニット部20は、カメラ本体部2の前面に装着自在に設けられ、装着された状態でカメラのグリップ部の一部を形成している。また電池ユニット部20は、カメラ駆動用の電池28を内蔵しており、さらに画像記録用の記録媒体30は、カメラ1に電池ユニット部20が装着された状態では外観から隠され、カメラから外された状態では露出するような位置で電池ユニット部20に装填される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ、電池ユニット、およびアダプタ装置に関し、詳しくは、カメラ本体に着脱自在な電池ユニットと、これを備えたカメラおよび電池ユニット用のアダプタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトカメラは、単にカメラ性能が良いだけでは十分ではなく、小型で携帯性がよく、初心者でも取扱が簡単にできるように、構成されていることが望ましい。特に、デジタルカメラ等のカメラにおいては、電池と記録媒体はカメラ本体から頻繁に着脱されるアクセサリであり、アクセサリの交換は、初心者にとって取り扱いは簡単ではなく、戸惑いの原因となっている。つまり、電池や記録媒体のようなアクセサリの配置や取り扱いは、カメラの使い勝手を左右する要素になっている。
【0003】
そこで、カメラの電池と記録媒体を一体的に構成し、本体から一体的に取り外しできるようにすることにより、利便性や小型化を図る機器が提案されている。例えば、デジタルカメラに電力を供給するバッテリ装置自体に、カメラのデータを記録するメモリを着脱可能または一体的に設けたバッテリとそれを装着するカメラが提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−213925号公報
【0004】
また、カメラ用電池は、カメラの小型化や使い勝手向上を左右する要素でもある。すなわち、電池にとってサイズと容量(撮影枚数)は相反する要素だからである。記録媒体は半導体技術の進歩によりサイズが小さくなっており、かつ記憶容量が飛躍的に増加しているが、電池はそれほどの進歩はなく、長時間使用できるようにしようとすればどうしても大きな電池を搭載することが必要になる。
【0005】
従来技術として、外付けバッテリをカメラの底面に装着できるようにしてパワーアップさせる技術はよく知られている。また、ビデオカメラでは、バッテリをカメラ本体の背面に露出させて取り付くように構成し、細長い本体の背面に大きなサイズのバッテリを取り付け使用できるものも知られている。また、補助電池を内蔵したアダプタ装置をカメラ本体に外付けできるよう構成された電子カメラも提案されている(特許文献2)。
【特許文献2】2000−350072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているようなデジタルカメラは、電池と記録媒体を一体的に取り外しできるよう構成されており、初心者にとって、電池と記録媒体が別々に構成されている場合より使い勝手が良い。また、背面に大きなバッテリを装着自在にした機器(例えば、ビデオカメラ)では、バッテリが本体背面に突出して使い勝手がよいとは言えない。さらに、特許文献1に開示されているデジタルカメラの場合には、カメラ本体底面と前面の両方にバッテリが突出する形状であり、このため携帯時に問題がある。このように外付けバッテリタイプのカメラでは、携帯性が犠牲になることが多い。そこで、電池と記録媒体について、携帯性を犠牲にすることなく取り扱い性のよいカメラが構成できれば、カメラ初心者でも安心して使えるようなカメラが実現される。
【0007】
本願発明は、上記課題に鑑み、携帯性を確保しつつ電池と記録媒体の取り扱いがより簡単になされるカメラ、そのように電池と記録媒体が組み合わさった電池ユニット、この電池ユニットに対応するアダプタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため第1の発明に係わるカメラは、カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、装着された状態でカメラのグリップ部の少なくとも一部を形成する電池ユニット部を備え、上記電池ユニット部は、カメラ駆動用の電池を内蔵し、カメラに装着された状態では外観から隠され、カメラから外された状態では露出するような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部を有する。
【0009】
第2の発明に係わるカメラは、上記第1の発明において、上記電池ユニット部として内蔵される電池のサイズに応じて外形サイズの異なる複数の種類、用意される中から、いずれか1つ選択された電池ユニット部が装着される。
また、第3の発明に係わるカメラは、上記第2の発明において、上記電池ユニット部は、カメラ本体に装着されたときにカメラの前面に当たる部分が前に膨らむように、外形サイズが異なる。
【0010】
上記目的を達成するため第4の発明に係わる電池ユニットは、カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、内部にカメラ駆動用の電池が備えられ、カメラに装着された状態では、外観から隠れ、カメラから外された状態では露出されるような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部が配置されて、上記カメラ本体に装着された状態では上記カメラのグリップ部を形成する。
第5の発明に係わる電池ユニットは、上記第4の発明において、上記電池ユニットは、上記カメラ本体に装着されたときに上記カメラの前面に当たる部分が前に膨らむように、外形サイズが異なる。
【0011】
上記目的を達成するため第6の発明に係わるアダプタ装置は、カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、内部にカメラ駆動用の電池が備えられ、カメラに装着された状態では外観から隠れ、上記カメラから外された状態では露出されるような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部が配置されて、上記カメラ本体に装着された状態で上記カメラのグリップ部を形成する電池ユニットを、挿脱自在に装着させる収納部と、上記記録媒体に記録された画像データを外部に通信するケーブルと、上記電池への充電用のACプラグを備える。
【0012】
第7の発明に係わるアダプタ装置は、上記第6の発明において、上記アダプタ装置は、対応する上記カメラ本体の外形サイズと略同一の外形サイズである。
また、第8の発明に係わるアダプタ装置は、上記第6の発明において、上記アダプタ装置は、略長方形の外形を有し、一方の主面に上記収納部を備え、他方の主面に上記ケーブルおよびACプラグを収納する部分を設ける。
【0013】
上記目的を達成するため第9の発明に係わるカメラは、カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、装着された状態でカメラのグリップ部の少なくとも一部を形成する電池ユニット部を備え、上記カメラ本体は、上記電池ユニット部を装着するための、高さH、幅W1、深さD1の凹部からなる電池ユニット収納部を備え、上記電池ユニット部は、高さH、幅W1、深さD1からなる略直方体をなし、上記カメラ本体に装着時には、上記カメラ本体の各面と略同一面となる。
第10の発明に係わるカメラは、上記第9の発明において、上記電池ユニット部は、さらに前面側が膨出している。
【0014】
上記目的を達成するため第11の発明に係わる電池ユニットは、電池ユニットを装着するための凹部からなる電池ユニット収納部を有するにカメラ本体に装着可能な電池ユニットであって、上記電池ユニットは、略直方体をなし、上記カメラ本体に装着時には、上記カメラ本体の各面と略同一面となる。
上記目的を達成するため第12の発明に係わるアダプタ装置は、カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、内部にカメラ駆動用の電池が備えられ、カメラに装着された状態では外観から隠れ、上記カメラから外された状態では露出されるような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部が配置された電池ユニットを、挿脱自在に装着させる収納部を有するアダプタ装置において、このアダプタ装置は、上記電池ユニットの上記収納部は、高さH、幅W1、深さD1の凹部を有し、上記電池ユニット部は、高さH、幅W1、深さD1からなる略直方体をなし、上記収納部に装着した時には、上記アダプタ装置の各面と略同一面となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、携帯性を確保しつつ電池と記録媒体の取り扱いがより簡単になされるカメラ、そのように電池と記録媒体が組み合わさった電池ユニット、この電池ユニットに対応するアダプタ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。図1は、一実施形態に係わるデジタルカメラの外観図であり、図1(A)は電池ユニット部20をカメラ1に装着した状態における外観斜視図であり、図1(B)は電池ユニット部20をカメラ1から外した状態における外観斜視図である。また、図2(A)は電池ユニット部20を裏面側からみた外観斜視図であり、図2(B)は、記録媒体30を外した状態における電池ユニット部20の内部透視図である。さらに、図3は、一実施形態に係わるデジタルカメラの6面図であり、図3(A)は正面図、図3(B)は左側面図、図3(C)は右側面図、図3(D)は平面図、図3(E)は底面図、図3(F)は背面図である。
【0017】
カメラ本体部2の前面部2fのほぼ中央部には、レンズカバー7が設けられている。このレンズカバー7は、被写体像を形成するための撮影レンズを塵埃等から保護するためのカバーであり、使用時にはこのレンズカバー7は開放され、沈胴式の撮影レンズは、カメラ本体部2より突出する。カメラ本体部2の上面部2tには、レリーズボタン5とズームボタン6が配置されている。レリーズボタン5は、撮影準備動作や撮影動作を指示するためのボタンであり、またズームボタン6は、撮影レンズの焦点距離の変更を指示するためのボタンである。
【0018】
カメラ本体部2の前面左側には、電池ユニット部20が装着自在に取り付け可能に構成されている。この電池ユニット部20を、カメラ本体部2から外すと、図1(B)に示すように、バッテリ収納部3が露呈する。バッテリ収納部3は、その中央部に設けられた平坦部3aと、この平坦部3aより一段、突出した面で構成される段部3bと、電池ユニット部20が当て付く壁部3cと、平坦部3aと段部3bとの間の段差面3dの各面から構成されている。
【0019】
平坦部3aには、電池ユニット部20に収納された電池28や記憶媒体30と接続するための本体接点部4が設けられている。また、バッテリ収納部3の下側の段差面3dには、電池ユニット部20を係止するためのロックつめ8が設けられている。このロックつめ8はイジェクトボタン9に連動しており、イジェクトボタン9を左右に移動させることにより、ロックつめ8は、上下方向に進退する。電池ユニット部20の段差面20d(図2(A))とバッテリ収納部3の段差面3dとが嵌合し、バッテリ収納部3の平坦部3aと段部3bが、電池ユニット部20のそれぞれ対応する面に接し、電池ユニット部20はバッテリ収納部3に対し、g方向に摺動自在となっている。
【0020】
電池ユニット部20の前面側は、図1(B)に示すように、ほぼ平坦面からなり、グリップ部を形成する前面部20fで構成されている。電池ユニット部20の裏面側は、図2(A)に示すように、その中央部はほぼ平坦面から構成された背面部20baで構成されており、この背面部20baには、ほぼ一列の複数の接点からなるユニット接点部22が設けられている。背面部20baの上下には、背面部20baと段差のある段部21が設けられており、両者の間には段差面20dが設けられている。そして、電池ユニット部20の紙面右側には、第2側面部20cが設けられており、この第2側面部20cはバッテリ収納部3の壁部3cと接する面である。
【0021】
第2側面部20cと背面部20baの稜線の略中央付近は球面上にえぐられており、導入口24が形成されている。この導入口24の奥側には、記録媒体30を電池ユニット部20に挿入するための装填口23が設けられている。記録媒体30は、図2(B)に示すh方向に沿って、電池ユニット部20の内部に挿入可能となっている。記録媒体30が定位置に挿入された際に、記録媒体30の端部が、丁度、第2側面部20cのラインに沿うように、第2側面部20cの位置関係を決めておく。電池ユニット部20の内部には、充電タイプのカメラ駆動用の電池28が格納されていると共に、記録媒体30の接点とユニット接点部22を接続する媒体基板27が配置されている。
【0022】
カメラ本体部2の右側面部2rには、図3(A)および(C)に示すように、ストロボ15が配置されている。このストロボ15は、通常状態ではカメラ本体部2に内蔵されており、必要に応じてポップアップされ照射可能となる。また、カメラ1の左側面側において、カメラ本体部2の左側面部2mと電池ユニット部20の側面部20mがほぼ同一面となっている。カメラ本体部2の底面部2boには、イジェクトボタン9が配置されており、このイジェクトボタン9は、図3(E)に示す、p方向に沿って摺動可能である。
【0023】
カメラ本体部2の背面部2baには、図3(F)に示すように、各種操作を行うための回転部材である操作ダイヤル11と、各種操作を行うための操作ボタン12が配置されている。また、背面側からみて左上部には、カメラ1の電源の投入指示(パワーオンとパワーオフ)を行うための電源ボタン13が配置され、また背面左側から中央部にかけて、撮影済み画像表示、電子ファインダ表示および各種撮影情報の設定のための表示を行う表示部14が配置されている。この表示部14は液晶表示装置(LCD)等で構成される。
【0024】
このように構成されている本発明の一実施形態の動作について説明する。まず、記録媒体30を電池ユニット部20の装填口23に入れ、h方向に押し込み、電池ユニット部20内に挿入する。次に、電池ユニット部20の段差面20dと、バッテリ収納部3の段差面3dの位置を合わせて、電池ユニット部20をカメラ本体部2に対して押し込むと、電池ユニット部20の第2側面部20cが壁部3cに当て付き、摺動停止となる。電池ユニット部20が摺動停止となる位置まで移動すると、ロックつめ8が電池ユニット部20に係合し、電池ユニット部20は容易にカメラ本体部2から外れることがない。
【0025】
また、記録媒体30が電池ユニット部20に完全に押し込まれていなまま、電池ユニット部20がカメラ本体部2に装着された場合であっても、前述したように、記録媒体30と第2側面部20cの位置関係により、壁部3cに第2側面部20cが当接する際には、記録媒体30は壁部3cによって完全に押し込まれる。さらに、電池ユニット部20に設けられたユニット接点部22(図2参照)と本体接点部4の接点が接し、導通状態となる。
【0026】
電池ユニット部20の高さ寸法はHであり、カメラ本体部2の高さ寸法Hと同じであり、また、電池ユニット部20の幅寸法W1は,バッテリ収納部3の幅寸法W1と同じであり、さらに、電池ユニット部20の奥行き寸法D1は、バッテリ収納部3の奥行き寸法D1と同じである。このような寸法関係にあることから、電池ユニット部20をバッテリ収納部3に収納すると、カメラ本体部2と電池ユニット部20の各面は、ほぼ同一平面となる。このため、電池ユニット部20がカメラ本体部2に対して、突出する面がなく、携帯性が非常に良い。
【0027】
次に、電池ユニット部の変形例について、図4を用いて説明する。本発明の一実施形態においては、電池ユニット部20の前面部20fと、カメラ本体部2の前面部2fは、ほぼ同一平面に形成されていたが、この変形例の大型電池ユニット部40は、図4に示すように、カメラ1の縦方向に沿って膨らみのある曲面となっている。
【0028】
すなわち、変形例における大型電池ユニット部40に収納されるカメラ駆動用の電池41は、大容量タイプのものであり、その前面側は縦軸に沿って膨らみにある形状となっている。そのため、大型電池ユニット部40の前面部40fも、電池41の形状に合わせ、中央分が縦軸方向に沿って膨らみのある形状となっている。なお、この大型電池ユニット部40も、一実施形態と同様に、カメラの長手方向(図中g1方向)に沿って摺動自在となっており、カメラ本体部2に装着可能となっている。
【0029】
次に、電池28の充電を行うためのアダプタ装置について、図5および図6を用いて説明する。図5(A)は、電池ユニット部20をアダプタ100に装着した状態を示す外観斜視図であり、図5(B)は電池ユニット部20をアダプタ100から外した状態を示す外観斜視図であり、図5(C)はアダプタ100によって充電を行う際の背面側からみた外観斜視図である。また、図6は電池ユニット部20を装着した状態におけるアダプタ100の6面図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は左側面図、図6(C)は右側面図、図6(D)は平面図、図6(E)は底面図、図6(F)は背面図である。
【0030】
アダプタ100に電池ユニット部20を装着した状態では、図5(A)に示すように、その外観は、カメラ1とほぼ同形状の直方体をなしており、縦はH、横はW、厚さはDと、カメラ1とほぼ同寸法となっている。このように、カメラ1とほぼ同形状、同寸法に構成しているために、初心者にとって、アダプタへの装着がなじみ易く、使い易いという効果がある。
【0031】
アダプタ100の側面にはイジェクトボタン113が設けられている。このイジェクトボタン113は、カメラ1のイジェクトボタン9と同様の構成となっており、イジェクトボタン113を左右方向に移動させることにより、ロックつめと同等な形状のアダプタのロックつめ(不図示)を進退させる。
【0032】
イジェクトボタン113を操作して、電池ユニット部20のロックつめによる係合を解除し、電池ユニット部20をj方向に移動させ外すと、図5(B)に示すように、アダプタ100のバッテリ収納部101が露呈する。このバッテリ収納部101は、カメラ1のバッテリ収納部3とほぼ同形状、同寸法である。すなわち、バッテリ収納部101は、その中央部に設けられた平坦部101aと、この平坦部101aより一段、突出した面で構成される段部101bと、電池ユニット部20が当て付く壁部101cと、平坦部101aと段部101bとの間の段差面101dの各面から構成されている。
【0033】
平坦部101aには、電池ユニット部20に収納された電池28や記憶媒体30と接続するためのアダプタ接点部102が設けられている。また、バッテリ収納部101の下側の段差面101dには、電池ユニット部20を係止するためのロックつめ(不図示)が設けられている。前述したように、このロックつめはイジェクトボタン113に連動しており、イジェクトボタン113を左右に移動させることにより、ロックつめは、上下方向に進退する。電池ユニット部20の段差面20dとバッテリ収納部101の段差面101dとが嵌合し、バッテリ収納部101の平坦部101aと段部101bが、電池ユニット部20のそれぞれ対応する面に接し、電池ユニット部20はアダプタ100に対し、j方向に摺動自在となっている。
【0034】
アダプタ100の側面には、記録媒体30に記録された画像データ等の読み出しや、また書き込みを行うためのケーブル111が接続されており、このケーブル111の先端にはコネクタ112が設けられている。アダプタ100の背面部100baには、ケーブル111とコネクタ112を収納するためのケーブル収納部103が設けられている。ケーブル収納部103は、ケーブル111とコネクタ112を収納した際に、これらが突出しない程度の深さの溝となっている。また、アダプタ100の背面部100baには、ACプラグ110を収納するプラグ収納部104が設けられており、ACプラグ110は、使用時にはk方向に回動されて背面部100baに対して略直立され、不使用時にはk方向に回動してプラグ収納部104内に収納される。
【0035】
このように構成されている本発明の一実施形態におけるアダプタ100の動作について説明する。まず、電池ユニット部20の段差面20dと、アダプタ100のバッテリ収納部101の段差面101dの位置を合わせて、電池ユニット部20をアダプタ100に対して押し込むと、電池ユニット部20の第2側面部20c(図2参照)が壁部101cに当て付き、摺動停止となる。電池ユニット部20が摺動停止となる位置まで移動すると、ロックつめが電池ユニット部20に係合し、電池ユニット部20は容易にカメラ本体部2から外れることがない。
【0036】
また、このとき、記録媒体30が電池ユニット部20に完全に押し込まれていない場合であっても、カメラ1に装填するときと同様に、記録媒体30と電池ユニット部20の第2側面部20cの位置関係により、壁部101cに第2側面部20cが当接する際には、記録媒体30は壁部101cによって完全に押し込まれる。さらに、電池ユニット部20に設けられたユニット接点部22(図2参照)とアダプタ接点部102の接点が接し、導通状態となる。
【0037】
また、電池ユニット部20をアダプタ100のバッテリ収納部101に収納すると、アダプタ100と電池ユニット部20の各面は、ほぼ同一平面となる。このため、電池ユニット部20がアダプタ100に対して、突出する面がなく、カメラ1の場合と同様、携帯性が非常に良い。
【0038】
電池ユニット部20をアダプタ100に装着した状態で、ACプラグ110をk方向に回動させ引き起こし、このACプラグ110を電気コンセントに挿入することにより、電池ユニット部20内の電池28の充電動作を行うことができる。また、ケーブルコネクタ111とコネクタ112をケーブル収納部103から引き出し、コネクタ112をパーソナルコンピュータ等の端子に接続することによって、記録媒体30に記録された画像データの読み出しや、また記録媒体30にデータの書き込みを行うことができる。
【0039】
なお、上述のアダプタ100の説明にあたっては、電池ユニット部20と組み合わせて使用する場合について説明したが、大型電池ユニット部40と組み合わせてしようすることも勿論可能である。また、記録媒体30としては、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成すればよい。これらの種々の記録媒体に応じて、電池ユニット部を用意すれば、種々の記録媒体を使用することが可能となる。
【0040】
以上、説明したように、本発明の一実施形態におけるデジタルカメラでは、電池ユニット部20は、カメラ本体部2の前面に装着自在に設けられ、装着された状態でカメラ1のグリップ部の一部を形成している。また電池ユニット部20は、カメラ駆動用の電池28を内蔵しており、さらに画像記録用の記録媒体30は、カメラ1に電池ユニット部20が装着された状態では外観から隠され、カメラから外された状態では露出するような位置に装填されるような構成としたので、携帯性を確保しつつ電池と記録媒体の取り扱いがより簡単になされる。
【0041】
また、本実施形態の変形例において示されるように、電池ユニット部は、内蔵される電池41のサイズに応じて外形サイズの異なる複数の種類の電池ユニット部20、40を用意することができる。このため、必要な電池容量に応じて電池ユニット部を取り替えることが可能となる。すなわち、長時間撮影時等必要な場合にのみ大きな電池ユニットを選択できるので、通常のコンパクトな形態を損なわずに長時間撮影にも対応できる。利用用途にあわせたカメラの形態が選択できる。
【0042】
さらに、大型電池ユニット部40は、カメラ本体部2に装着されたときにカメラの前面に当たる部分が前に膨らむようにしている。このため、大容量電池の場合であっても、グリップ部を違和感がなく把持することができる。すなわち、電池ユニットのサイズの増大をカメラの前側に担わせるよう、グリップのサイズを大きくしているので、大型の電池ユニット部を装着しても、操作性の悪化を防止することができる。
【0043】
さらに、本実施形態に係わるアダプタ100は、カメラ本体部2の前面に装着自在に設けられ、内部にカメラ駆動用の電池28が備えられ、カメラ1に装着された状態では外観から隠れ、カメラ1から外された状態では露出されるような位置に画像記録用の記録媒体30が装填され、カメラ本体部2に装着された状態でカメラ1のグリップ部を形成する電池ユニット部20を、挿脱自在に装着させるバッテリ収納部101と、記録媒体30に記録された画像データを外部に通信するケーブル111と、電池28への充電用のACプラグ110を備えている。このようにアダプタ100は構成されているので、電池ユニット部20を装着した際に、電池28に充電ができると共に、ケーブル111を通じて、外部機器と画像データを通信することができる。
【0044】
さらに、本実施形態に係わるアダプタ100は、対応するカメラ1の外形サイズと略同一の外形サイズである。このように、カメラとアダプタのサイズが略同一なので、同一動作で装着することができ、また、初心者でも電池ユニットを簡単にアダプタに装着することができる。
【0045】
さらに、本実施形態に係わるデジタルカメラは、カメラ本体部2の前面に装着自在に設けられ、装着された状態でカメラ1のグリップ部の一部を形成する電池ユニット部20を備え、カメラ本体部2は、電池ユニット部20を装着するための、高さH、幅W1、深さD1の凹部からなるバッテリユニット収納部3を備え、電池ユニット部20は、高さH、幅W1、深さD1からなる略直方体をなし、カメラ本体部2に装着した時には、カメラ本体部2の各面と略同一面となる。このため、カメラ本体部2に電池ユニット部20を装着して携帯する際に、突出する部分がなく、大変持ち歩き易い。同様に、アダプタ100に電池ユニット部20を装着した際にも、略同一面となるので、携帯しやすく、また初心者にとってもカメラとアダプタ装着時が略同一であることから、使い易い。
【0046】
なお、本発明の実施形態の説明にあたっては、コンパクトデジタルカメラを例に挙げて説明したが、これに限らず、デジタルカメラ等の電子撮像装置を組み込んだ機器でもよく、電池と記録媒体を使用する電子撮像装置であれば本発明を適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの外観図であり、図1(A)は電池ユニット部をカメラに装着した状態における外観斜視図であり、図1(B)は電池ユニット部をカメラから外した状態における外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電池ユニット部の外観図であり、図2(A)は電池ユニット部を裏面側からみた外観斜視図であり、図2(B)は、記録媒体を外した状態における内部透視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの6面図であり、図3(A)は正面図、図3(B)は左側面図、図3(C)は右側面図、図3(D)は平面図、図3(E)は底面図、図3(F)は背面図である。
【図4】本発明の一実施形態の変形例に係るデジタルカメラの外観斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るアダプタの概観図であり、図5(A)は、電池ユニット部をアダプタに装着した状態を示す外観斜視図であり、図5(B)は電池ユニット部をアダプタから外した状態を示す外観斜視図であり、図5(C)はアダプタによって充電を行う際の背面側からみた外観斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るアダプタの6面図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は左側面図、図6(C)は右側面図、図6(D)は平面図、図6(E)は底面図、図6(F)は背面図である。
【0048】
1・・・カメラ、2・・・カメラ本体部、2f・・・前面部、2t・・・上面部、2bo・・・底面部、2m・・・左側面部、2r・・・右側面部、2ba・・・背面部、3・・・バッテリ収納部、3a・・・平坦部、3b・・・段部、3c・・・壁部、3d・・・段差面、4・・・本体接点部、5・・・レリーズボタン、6・・・ズームボタン、7・・・レンズカバー、8・・・ロックつめ、9・・・イジェクトボタン、11・・・操作ダイヤル、12・・・操作ボタン、13・・・電源ボタン、14・・・表示部、15・・・ストロボ、20・・・電池ユニット部、20f・・・前面部、20m・・・側面部、20ba・・・背面部、20c・・・第2側面部、20d・・・段差面、21・・・段部、22・・・ユニット接点部、23・・・装填口、24・・・導入口、27・・・媒体基板、28・・・電池、30・・・記録媒体、40・・・大型電池ユニット部、40f・・・前面部、41・・・電池、100・・・アダプタ、100f・・・前面部、100ba・・・背面部、101・・・バッテリ収納部、101a・・・平坦部、101b・・・段部、101c・・・壁部、101・・・段差面、102・・・アダプタ接点部、103・・・ケーブル収納部、104・・・プラグ収納部、110・・・ACプラグ、111・・・ケーブル、112・・・コネクタ、113・・・イジェクトボタン、g、h、j・・・挿脱方向、k・・・回動方向、p・・・操作方向、D・・・奥行き、H・・・高さ、W・・・幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、装着された状態でカメラのグリップ部の少なくとも一部を形成する電池ユニット部を備え、
上記電池ユニット部は、カメラ駆動用の電池を内蔵し、カメラに装着された状態では外観から隠され、カメラから外された状態では露出するような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部を有することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
上記電池ユニット部として内蔵される電池のサイズに応じて外形サイズの異なる複数の種類、用意される中から、いずれか1つ選択された電池ユニット部が装着されることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
上記電池ユニット部は、カメラ本体に装着されたときにカメラの前面に当たる部分が前に膨らむように、外形サイズが異なることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、
内部にカメラ駆動用の電池が備えられ、
カメラに装着された状態では、外観から隠れ、カメラから外された状態では露出されるような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部が配置されて、
上記カメラ本体に装着された状態では上記カメラのグリップ部を形成する
ことを特徴とする電池ユニット。
【請求項5】
上記電池ユニットは、上記カメラ本体に装着されたときに上記カメラの前面に当たる部分が前に膨らむように、外形サイズが異なることを特徴とする請求項4に記載の電池ユニット。
【請求項6】
カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、内部にカメラ駆動用の電池が備えられ、カメラに装着された状態では外観から隠れ、上記カメラから外された状態では露出されるような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部が配置されて、上記カメラ本体に装着された状態で上記カメラのグリップ部を形成する電池ユニットを、挿脱自在に装着させる収納部と、
上記記録媒体に記録された画像データを外部に通信するケーブルと、
上記電池への充電用のACプラグと、
を備えることを特徴とするアダプタ装置。
【請求項7】
上記アダプタ装置は、対応する上記カメラ本体の外形サイズと略同一の外形サイズであることを特徴とする請求項6に記載のアダプタ装置。
【請求項8】
上記アダプタ装置は、略長方形の外形を有し、一方の主面に上記収納部を備え、他方の主面に上記ケーブルおよびACプラグを収納する部分を設けることを特徴とする請求項6に記載のアダプタ装置。
【請求項9】
カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、装着された状態でカメラのグリップ部の少なくとも一部を形成する電池ユニット部を備え、
上記カメラ本体は、上記電池ユニット部を装着するための、高さH、幅W1、深さD1の凹部からなる電池ユニット収納部を備え、
上記電池ユニット部は、高さH、幅W1、深さD1からなる略直方体をなし、上記カメラ本体に装着時には、上記カメラ本体の各面と略同一面となる
ことを特徴とするカメラ。
【請求項10】
上記電池ユニット部は、さらに前面側が膨出していることを特徴とする請求項9に記載のカメラ。
【請求項11】
電池ユニットを装着するための凹部からなる電池ユニット収納部を有するにカメラ本体に装着可能な電池ユニットであって、
上記電池ユニットは、略直方体をなし、上記カメラ本体に装着時には、上記カメラ本体の各面と略同一面となることを特徴とする電池ユニット。
【請求項12】
カメラ本体の前面に装着自在に設けられ、内部にカメラ駆動用の電池が備えられ、カメラに装着された状態では外観から隠れ、上記カメラから外された状態では露出されるような位置に画像記録用の記録媒体が装填される媒体装填部が配置された電池ユニットを、挿脱自在に装着させる収納部を有するアダプタ装置において、
このアダプタ装置は、上記電池ユニットの上記収納部は、高さH、幅W1、深さD1の凹部を有し、
上記電池ユニット部は、高さH、幅W1、深さD1からなる略直方体をなし、上記収納部に装着した時には、上記アダプタ装置の各面と略同一面となる
ことを特徴とするアダプタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−170863(P2008−170863A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5753(P2007−5753)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】