説明

カメラシステム、カメラ本体、交換レンズユニットおよび像ブレ補正方法

【課題】カメラシステム1において、画像表示用液晶モニタ16を使用して撮影する際の手ブレの影響を低減できる撮像装置を提供する。
【解決手段】反射ミラーを光路内から退避させて撮像センサ11に光を入射させ、画像表示用液晶モニタ16にて、その撮影画像を見ながら撮影を行うモニタ撮影モードにおいて、カメラシステム1は、像ブレ補正を緩やかに実行することにより、手ブレの影響を軽減しながら、撮影者がフレーミングの際にモニターしている撮影画像から抱く不快感を低減させる。また、カメラシステム1は、撮影時には、像ブレ補正の補正量を大きくし、像ブレのない撮影画像を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステム、カメラ本体、交換レンズユニットおよびカメラシステムにおける像ブレ補正方法に関する。特に、像ブレ補正機能を有する一眼レフデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して出力可能な一眼レフデジタルカメラが、急速に普及している。この一眼レフデジタルカメラでは、撮影者によるファインダを用いた被写体観察時には、撮影レンズに入射した光(すなわち被写体像)を、レンズの後の撮影用光路上に配置した反射ミラーで反射することにより光路を変更し、ペンタプリズム等を通して正像にして光学ファインダに導くことで、レンズを通した被写体像を光学ファインダから見ることができる。したがって通常は、ファインダ用光路を形成する位置が反射ミラーの定位置となっている。
一方、レンズを撮影用として使用する場合は、反射ミラーの位置が瞬時に切り換えられ、反射ミラーを撮影用光路から待避させることで、ファインダ用光路が撮影用光路に切り換えられる。そして、撮影が終了すると、反射ミラーは定位置に瞬時に戻される。この方式は、一眼レフ方式であれば、従来の銀塩カメラでも、デジタルカメラでも同様である。
デジタルカメラの特徴の一つとして、撮影時に表示装置(例えば、画像表示用液晶モニタ)を見ながら撮影し、撮影後にすぐに撮影画像を確認できることが挙げられるが、これまでの一眼レフの反射ミラーの方式を用いると、撮影時に、画像表示用液晶モニタ等の表示装置を使用できない。画像表示用液晶モニタ等の表示装置を用いて撮影できないことにより、撮影者はファインダを覗いて撮影することになるため、とりわけ、デジタルカメラの撮影に不慣れな初心者にとっては、非常に使いにくいものになってしまう。
【0003】
そこで、撮影時にも画像表示用液晶モニタ等の表示装置を用いて撮影できる機能を有する一眼レフデジタルカメラが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、手ブレ等により生じる撮影画像のブレ(像ブレ)を補正する手ブレ(像ブレ)補正機能を搭載する一眼レフデジタルカメラも提案されている。
【特許文献1】特開2001−125173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影しようとしている場合に、ファインダを覗いて撮影する場合と同様の手ブレ補正が実行されてしまうと、撮影者が不快感を抱くことがある。
撮影者がファインダを覗いて撮影する場合、撮影者は、カメラ本体のファインダを覗いて撮影するので、カメラ本体は、撮影者の両手およびファインダに接触している顔面で支持されることになり、手ブレ等によるカメラ本体のブレ量が少なく、発生したブレ量を完全に打ち消すようにブレ補正をしても撮影者がファインダを通して見る被写体像が不自然に補正されたと感じ、不快感を抱くことは、ほとんどない。一方、撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影する場合、撮影者は、両手のみでカメラ本体を支持するので、手ブレ等によるカメラ本体のブレ量が大きく、発生したブレ量を完全に打ち消すようにブレ補正をすると、撮影者は、画像表示用液晶モニタ等の表示装置に表示される被写体の画像が不自然に補正されたと感じ、不快感を抱くことが多い。特に、撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら被写体を決定するためにカメラを意図的に動かしている場合(いわゆるフレーミングをしている場合)に、手ブレ等によるカメラ本体のブレ量が大きくなる傾向があるので、撮影者が抱く不快感が顕著となりやすい。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影する場合と、ファインダを覗いて撮影する場合とのいずれの場合においても、最適な手ブレ(像ブレ)補正を実現し、かつ撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影する場合のフレーミングを行っている場合においても、撮影者に不快感を抱かせない自然な画像が表示され、その表示画像を見ながら撮影することができるカメラシステム、およびそのカメラシステムに用いられるカメラ本体と交換レンズユニットとを実現することである。
また、そのカメラシステムに用いられる手ブレ(像ブレ)補正方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、撮像光学系と、焦点調整部と、撮像部と、観察光学系と、可動ミラーと、撮影モード切換部と、動き検出部と、動き補正部と、撮像画像表示部とを備えるカメラシステムである。撮像光学系は、被写体からの光を集光する。焦点調整部は、撮像光学系の焦点距離を調整する。撮像部は、撮像光学系からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する。観察光学系は、撮像光学系からの光を観察するためのものである。可動ミラーは、撮像光学系と撮像部との間に設置され、撮像光学系からの光を観察光学系へ導くための第1の位置と、撮像光学系からの光を撮像部へ導くための第2の位置とを取り得る。撮影モード切換部は、可動ミラーの位置を第1の位置に配置させて撮影する第1の撮影モードと、可動ミラーの位置を第2の位置に配置させて撮影する第2の撮影モードとを切り換える。動き検出部は、振動によるカメラシステムの動きを検出する。動き補正部は、第2の撮影モードである場合には第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で撮像画像の動きを補正する。撮像画像表示部は、撮像画像を表示する。
このカメラシステムでは、被写体からの光は撮像光学系によって集光され、さらに撮像光学系からの光は撮像部によって電気信号としての撮像画像に変換される。一方、撮像光学系からの光は観察光学系によって観察することができる。すなわち、撮像光学系と撮像部との間には可動ミラーが設置されており、撮影モードが第1の撮影モードの場合は、可動ミラーが第1の位置に配置されて、撮像光学系からの光は観察光学系へ導かれ、撮影モードが第2の撮影モードの場合は、可動ミラーが第2の位置に配置されて、撮像光学系からの光は撮像部へ導かれる。なお、撮影モードは、撮影モード切換部により、撮影者の指示に従って、切り換えられることで、決定される。そして、撮像画像の動きは、第2の撮影モードである場合には第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で補正される。補正された撮像画像は撮像画像表示部に表示される。
【0007】
このカメラシステムでは、可動ミラーにより、被写体からの光を観察光学系または撮像部に導くことができるので、撮影者は、観察光学系を用いた撮影(いわゆるファインダ窓を覗いて行う撮影)をすることも撮像部で取得される撮影画像を撮像画像表示部で見ながら撮影をすることもできる。さらに、このカメラシステムは、第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)の場合の動き補正における補正量と、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)の場合の動き補正における補正量とを変更することができるので、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)における補正量を第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)における補正量より小さい補正量とすることで、撮影者が撮像画像表示部を見ながら撮影する場合においても、撮影者に不快感を抱かせない自然な画像が撮像画像表示部に表示される。また、第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)では、像ブレ補正効果を大きくする補正量により、像ブレ補正が実行されるので、撮影部で取得する撮影画像の像ブレを抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明であって、焦点調整部に焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とが入力される指示情報入力部と、合焦動作開始指示情報に基づき、焦点調整部に焦点距離の調整を開始させ、撮像画像取得開始指示情報に基づき、撮像部に撮像画像の取得を開始させる制御部と、をさらに備える。そして、動き補正部は、第2の撮影モードである場合、合焦動作開始指示情報により焦点調整部が焦点距離の調整を開始した時点から撮像画像取得開始指示情報により撮像部が撮像画像取得を開始した時点までの期間と、撮像部が撮像画像取得を開始した時点から撮像画像取得を終了した時点までの期間とを合計した期間である全撮影期間では、第1の補正量で撮像画像の動きを補正し、全撮像期間以外の期間では、第1の補正量より小さい補正量である第2の補正量で撮像画像の動きを補正する。
【0008】
このカメラシステムでは、撮像画像の動きは、撮影モードが、第2の撮影モードである場合、合焦動作開始指示情報により焦点調整部が焦点距離の調整を開始した時点から撮像画像取得開始指示情報により撮像部が撮像画像取得を開始した時点までの期間と、撮像部が撮像画像取得を開始した時点から撮像画像取得を終了した時点までの期間とを合計した期間である全撮影期間では、第1の補正量で補正され、全撮像期間以外の期間では、第1の補正量より小さい補正量である第2の補正量で補正される。
これにより、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)において、全撮影期間以外では、緩やかな像ブレ補正が実行され、撮像画像表示部は、撮影者が不快感を抱かない自然な画像を表示する。そして、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)の全撮影期間では、動き補正部が全撮影期間以外での補正量より大きな補正量で補正を行うので、撮影部で取得する撮影画像の像ブレを抑制することができる。
第3の発明は、第2の発明であって、動き補正部は、第1の撮影モードである場合、第2の補正量より大きい補正量である第3の補正量で撮像画像の動きを補正し、第2の撮影モードである場合、全撮影期間以外の期間では、第2の補正量で撮像画像の動きを補正し、全撮影期間では、第3の補正量で撮像画像の動きを補正する。
【0009】
このカメラシステムでは、撮像画像の動きは、撮影モードが、第1の撮影モードである場合において、第2の補正量より大きい補正量である第3の補正量で補正され、第2の撮影モードである場合において、全撮影期間以外の期間では、第2の補正量で補正され、全撮影期間では、第3の補正量で補正される。
これにより、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)の全撮影期間では、第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)の補正量と同じ補正量で、像ブレ補正が実行されるので、カメラシステムにおいて、設定すべき補正量の種類を少なくすることができ、効率的に像ブレ補正を実行することができる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明であって、撮像部と、観察光学系と、可動ミラーと、撮影モード切換部と、指示情報入力部と、制御部と、撮像画像表示部を有するカメラ本体と、撮像光学系と、動き検出部と、動き補正部と、を有する交換レンズユニットとをさらに備える。
これにより、別個の部品であるカメラ本体と、交換レンズユニットとを用いて、カメラシステムを構成することができる。
第5の発明は、被写体からの光を集光する撮像光学系と、振動によるカメラシステムの動きを検出する動き検出部と、動き検出部の検出結果に基づき、第2の撮影モードである場合には第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で撮像画像の動きを補正する動き補正部とを備える交換レンズユニットとともに、カメラシステムに用いられるカメラ本体である。そして、そのカメラ本体は、焦点調整部と、撮像部と、観察光学系と、可動ミラーと、撮影モード切換部と、指示情報入力部と、制御部と、撮像画像表示部と、を備える。焦点調整部は、撮像光学系の焦点距離を調整する。撮像部は、被写体からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する。観察光学系は、撮像光学系からの光を観察するためのものである。可動ミラーは、撮像光学系と撮像部との間に設置され、撮像光学系からの光を観察光学系へ導くための第1の位置と、撮像光学系からの光を撮像部へと導くための第2の位置とを取り得る。撮影モード切換部は、可動ミラーの位置を第1の位置に配置させて撮影する第1の撮影モードと、可動ミラーの位置を第2の位置に配置させて撮影する第2の撮影モードとを切り換える。指示情報入力部は、焦点調整部に焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とが入力される。制御部は、合焦動作開始指示情報に基づき、焦点調整部に焦点距離の調整を開始させ、撮像画像取得開始指示情報に基づき、撮像部に撮像画像の取得を開始させる。撮像画像表示部は、撮像画像を表示する。
【0010】
これにより、交換レンズユニットとともにカメラシステムを構成するカメラ本体を実現できる。
第6の発明は、被写体からの光を集光する観察光学系と、被写体からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する撮像部と、被写体からの光を観察光学系へ導くための第1の位置と、撮像光学系からの光を撮像部へ導くための第2の位置とを取り得る可動ミラーと、可動ミラーの位置を第1の位置に配置させて撮影する第1の撮影モードと、可動ミラーの位置を第2の位置に配置させて撮影する第2の撮影モードとを切り換える撮影モード切換部と、撮像光学系の焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とが入力される指示情報入力部と、合焦動作開始指示情報に基づき、焦点距離の調整を開始させ、撮像画像取得開始指示情報に基づき、撮像部に撮像画像の取得を開始させる制御部と、撮像画像を表示する撮像画像表示部と、を備えるカメラ本体とともに、カメラシステムに用いられる交換レンズユニットである。そして、その交換レンズユニットは、撮像光学系と、動き検出部と、動き補正部とを備える。撮像光学系は、被写体からの光を集光する。動き検出部は、振動によるカメラシステムの動きを検出する。動き補正部は、動き検出部の検出結果に基づき、第2の撮影モードである場合には第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で撮像画像の動きを補正する。
【0011】
これにより、カメラ本体とともにカメラシステムを構成する交換レンズユニットを実現できる。
第7の発明は、被写体からの光を集光する撮像光学系と、撮像光学系の焦点距離を調整する焦点調整部と、撮像光学系からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する撮像部と、撮像光学系からの光を観察するための観察光学系と、撮像光学系と撮像部との間に設置され、撮像光学系からの光を観察光学系へ導くための第1の位置と、撮像光学系からの光を撮像部へ導くための第2の位置とを取り得る可動ミラーとを備えるカメラシステムにおける像ブレ補正方法である。そして、その像ブレ補正方法は、撮影モード切換ステップと、可動ミラー移動ステップと、指示情報入力ステップと、制御ステップと、動き検出ステップと、動き補正ステップと、撮像画像表示ステップとを有する。撮影モード切換ステップは、可動ミラーの位置を第1の位置に配置させて撮影する第1の撮影モードと、可動ミラーの位置を第2の位置に配置させて撮影する第2の撮影モードとを切り換える。可動ミラー移動ステップは、第1の撮影モードの場合、可動ミラーを第1の位置に移動させ、第2の撮影モードの場合、可動ミラーを第1の位置に移動させる。指示情報入力ステップは、焦点調整部に焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とを入力する。制御ステップは、合焦動作開始指示情報に基づき、焦点調整部に焦点距離の調整を開始させ、撮像画像取得開始指示情報に基づき、撮像部に撮像画像の取得を開始させる。動き検出ステップは、振動によるカメラシステムの動きを検出する。動き補正ステップは、動き検出ステップでの検出結果に基づき、第2の撮影モードである場合には第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で撮像画像の動きを補正する。撮像画像表示ステップは、撮像画像を表示する。
【0012】
この像ブレ補正方法が用いられるカメラシステムでは、被写体からの光は撮像光学系によって集光され、さらに撮像光学系からの光は撮像部によって電気信号としての撮像画像に変換される。一方、撮像光学系からの光は観察光学系によって観察することができる。すなわち、撮像光学系と撮像部との間には可動ミラーが設置されており、撮影モードが第1の撮影モードの場合は、可動ミラーが第1の位置に配置されて、撮像光学系からの光は観察光学系へ導かれ、撮影モードが第2の撮影モードの場合は、可動ミラーが第2の位置に配置されて、撮像光学系からの光は撮像部へ導かれる。なお、撮影モードは、撮影モード切換部により、撮影者の指示に従って、切り換えられることで、決定される。そして、撮像画像の動きは、第2の撮影モードである場合には第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で補正される。補正された撮像画像は撮像画像表示部に表示される。
この像ブレ補正方法では、第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)の場合の動き補正における補正量と、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)の場合の動き補正における補正量とを変更することができるので、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)における補正量を第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)における補正量より小さい補正量とすることで、撮影者が撮像画像表示部を見ながら撮影する場合においても、撮影者に不快感を抱かせない自然な撮影画像を表示することができる。また、第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)では、像ブレ補正効果を大きくする補正量により、像ブレ補正が実行されるので、撮影画像の像ブレを抑制することができる。
【0013】
第8の発明は、第7の発明であって、動き補正ステップでは、第2の撮影モードである場合、合焦動作開始指示情報により焦点調整部が焦点距離の調整を開始した時点から撮像画像取得開始指示情報により撮像部が撮像画像取得を開始した時点までの期間と、撮像部が撮像画像取得を開始した時点から撮像画像取得を終了した時点までの期間とを合計した期間である全撮影期間では、第1の補正量で撮像画像の動きを補正し、全撮像期間以外の期間では、第1の補正量より小さい補正量である第2の補正量で撮像画像の動きを補正する。
この像ブレ補正方法では、撮像画像の動きは、撮影モードが、第2の撮影モードである場合、合焦動作開始指示情報により焦点調整部が焦点距離の調整を開始した時点から撮像画像取得開始指示情報により撮像部が撮像画像取得を開始した時点までの期間と、撮像部が撮像画像取得を開始した時点から撮像画像取得を終了した時点までの期間とを合計した期間である全撮影期間では、第1の補正量で補正され、全撮像期間以外の期間では、第1の補正量より小さい補正量である第2の補正量で補正される。
これにより、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)において、全撮影期間以外では、緩やかな像ブレ補正が実行され、撮像画像表示部は、撮影者が不快感を抱かない自然な画像を表示する。そして、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)の全撮影期間では、動き補正部が全撮影期間以外での補正量より大きな補正量で補正を行うので、撮影部で取得する撮影画像の像ブレを抑制することができる。
【0014】
第9の発明は、第8の発明であって、動き補正ステップでは、第1の撮影モードである場合、第2の補正量より大きい補正量である第3の補正量で撮像画像の動きを補正し、第2の撮影モードである場合、全撮影期間以外の期間では、第2の補正量で撮像画像の動きを補正し、全撮影期間では、第3の補正量で撮像画像の動きを補正する。
この像ブレ補正方法では、撮像画像の動きは、撮影モードが、第1の撮影モードである場合において、第2の補正量より大きい補正量である第3の補正量で補正され、第2の撮影モードである場合において、全撮影期間以外の期間では、第2の補正量で補正され、全撮影期間では、第3の補正量で補正される。
これにより、第2の撮影モード(モニタ撮影モード)の全撮影期間では、第1の撮影モード(ファインダ撮影モード)の補正量と同じ補正量で、像ブレ補正が実行されるので、設定すべき補正量の種類を少なくすることができ、効率的に像ブレ補正を実行することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影する場合と、ファインダを覗いて撮影する場合とのいずれの場合においても、最適な手ブレ(像ブレ)補正を実現し、かつ撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影する場合のフレーミングを行っている場合においても、撮影者に不快感を抱かせない自然な画像が表示され、その表示画像を見ながら撮影することができるカメラシステム、およびそのカメラシステムに用いられるカメラ本体と交換レンズユニットとを実現することができる。また、そのカメラシステムに用いられる手ブレ(像ブレ)補正方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
<1:カメラシステムの全体構成>
図1から図3を用いて、本発明の第1実施形態に係るカメラシステムについて説明する。図1に本発明の第1実施形態に係るカメラシステムの全体構成図、図2にカメラ本体の概略構成図、図3に交換レンズユニットの概略構成図を示す。
図1に示すように、カメラシステム1は、交換レンズ式の一眼レフデジタルカメラのシステムであり、主に、カメラシステム1の主要な機能を有するカメラ本体3と、カメラ本体3に取り外し可能に装着された交換レンズユニット2とから構成されている。交換レンズユニット2は、カメラ本体3の前面に設けられたレンズマウント70に装着されている。
(1.1:交換レンズユニット)
交換レンズユニット2は、カメラシステム1内の撮像センサ11に被写体像を結ぶための撮像光学系Lを構成しており、主に、フォーカシングを行うフォーカス調整部80、絞りを調節する絞り調節部81、手ブレ等によるカメラシステム1のブレを検出するブレ検出部21、手ブレ等による像ブレを補正する像ブレ補正部82、絞り調節部81の制御を行う絞り制御部27、像ブレ補正部82の制御を行う像ブレ補正制御部23、交換レンズユニット2の各種シーケンスの制御を行うレンズマイコン20から構成されている。
【0017】
なお、ブレ検出部21が動き検出部をなし、像ブレ補正部82が動き補正部をなし、フォーカス調整部80が焦点調整部をなす。
フォーカス調整部80、は主に、フォーカスを調節するフォーカスレンズ群24と、フォーカスレンズ群24の動作を制御するフォーカスレンズ群制御部25とから構成されている。絞り調節部81は、主に、絞りまたは開放を調節する絞り部26と、絞り部26の動作を制御する絞り制御部27とから構成されている。
ブレ検出部21は、主に、撮像光学系Lを含むカメラシステム1自体の動きを検出する角速度センサ41と、角速度センサ41の出力に含まれる不要帯域成分中の直流ドリフト成分を除去する高域通過フィルタとしてのHPF42と、角速度センサ41の出力に含まれる不要帯域成分中のセンサの共振周波数成分やノイズ成分を除去する低域通過フィルタとしてのLPF43と、角速度センサ41の出力信号レベルの調整を行うアンプ44と、アンプ44の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部45とから構成されている。角速度センサ41は、カメラシステム1が静止している状態での出力を基準に、カメラシステム1の動きの方向により正負両方の角速度信号を出力する。また、角速度センサ41は、例えば光軸と直交するヨーイング方向の動きを検出するセンサである。角速度センサ41としては、例えばジャイロセンサなどが挙げられる。図4では、1方向のみの角速度センサ41が示されており、ピッチング方向のブレ検出部は省略されている。このようにブレ検出部21に内蔵される角速度センサ41は、手ブレおよびその他の振動によるカメラシステム1の動きを検出する機能を有している。
【0018】
像ブレ補正部82は、主に、撮像光学系Lの一部を構成するブレ補正レンズ群22と、像ブレ補正制御部23とから構成されている。そして、像ブレ補正制御部23は、主に、D/A変換部46と、シフト制御部47と、移動量検出部40とから構成されている。D/A変換部46は、レンズマイコン20から出力されるブレ補正レンズ群22を駆動するための補正レンズ駆動制御信号を入力とし、DA変換を行う。シフト制御部47は、補正レンズ駆動制御信号に基づき、撮像光学系Lの光軸(光路X)に直交する平面内においてブレ補正レンズ群22を移動させる。移動量検出部40は、ブレ補正レンズ群22の実際の移動量を検出する。さらに、ブレ補正レンズ群22と、シフト制御部47と、移動量検出部40とは、図4に示すように負帰還制御ループを構成しており、シフト制御部47は、移動量検出部40から検出されるブレ補正レンズ群22の実際の移動量が所定量以下になるようにブレ補正レンズ群22の移動制御を行う。なお、像ブレ補正制御部23は、主に、D/A変換部46と、シフト制御部47と、移動量検出部40とから構成される。
レンズマイコン20は、交換レンズユニット2の中枢を司る制御装置であり、交換レンズユニット2に搭載された各部に接続されており、交換レンズユニット2の各種シーケンスの制御を行う。レンズマイコン20には、例えば、CPU34、ROM36、RAM35が搭載されており、ROM36に格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、様々な機能を実現することができる。レンズマイコン20は、フォーカスレンズ群制御部25、絞り制御部27、シフト制御部47等に対し、命令(例えば、制御信号やコマンド)を出力することで、フォーカスレンズ群制御部25、絞り制御部27、シフト制御部47等にそれぞれの制御を実行させる。また、レンズマイコン20は、ボディーマイコン12とインターフェースを介して接続され、ボディーマイコン12とマイコン間通信を行う。
【0019】
(1.2:カメラ本体)
カメラ本体3は、主に、被写体からの光の経路を変更するクイックリターンミラー4、被写体像を視認するためのファインダ光学系19、焦点検出を行う焦点検出ユニット5、シャッターの開閉動作を行うシャッターユニット10、被写体像を撮影画像として取得する撮像部71、撮像画像を表示する画像表示部72、撮影モードを切り換える撮影モード切り換えスイッチ51、半押しすることで合焦動作を開始させ、全押しすることで撮像動作を開始させるレリーズボタン50、シャッターユニット10の制御を行うシャッター制御部14、撮像画像を格納する画像格納部73、カメラ本体3の各種シーケンスの制御を行うボディーマイコン12とから構成されている。
なお、ファインダ光学系19が観察光学系をなし、クイックリターンミラー4が可動ミラーをなし、撮影モード切り換えスイッチ51が撮影モード切換部をなし、画像表示部72が撮像画像表示部をなす。また、レリーズボタン50が指示情報入力部をなし、ボディーマイコンが制御部をなす。
クイックリターンミラー4は、主に、入射光を反射および透過可能なメインミラー4aと、メインミラー4aの背面側に設けられメインミラー4aからの透過光を反射するサブミラー4bとから構成されており、クイックリターンミラー制御部29により光路X外に跳ね上げが可能である。クイックリターンミラー4は、図5に示す位置と、図6に示す位置とを移動可能に設置されている。また、メインミラー4aにより、入射光は、2つの光束に分割され、反射光束はファインダ光学系19へ導かれ、透過光束は、サブミラー4bで反射されて、焦点検出ユニット5に導かれる。
【0020】
ファインダ光学系19は、主に、被写体像が結像されるファインダスクリーン6と、被写体像を正立像に変換するペンタプリズム7と、被写体の正立像をファインダ接眼窓9に導く接眼レンズ8と、撮影者が被写体像を観察するファインダ接眼窓9とから構成されている。
焦点検出ユニット5は、サブミラー4bからの反射光により、被写体からの光による結像が合焦状態にあるか否かを検知する(焦点を検出する)ユニットで、例えば、一般的な位相差検出方式によって、焦点検出を行う。
撮像部71は、主に、光電変換を行うCCDなどの撮像センサ11と、撮像センサ11を制御する撮像センサ制御部13とから構成され、被写体像を撮影画像として取得する。撮像部により、入射光による被写体像が、撮影画像を形成する電気信号に変換される。
画像表示部72は、画像表示用液晶モニタ16と、画像表示用液晶モニタ16の動作を制御する画像表示制御部15とから構成されている。
画像格納部73は、例えば、図示せぬカード型記録媒体に対して撮影画像の記録および再生を行う画像記録再生部18と、画像記録再生部18の動作を制御する画像記録制御部17とから構成されている。
【0021】
ボディーマイコン12は、カメラ本体3の中枢を司る制御装置であり、各種シーケンスの制御を行う。ボディーマイコン12には、例えば、CPU、ROM、RAMが搭載されており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、ボディーマイコン12は様々な機能を実現することができる。ボディーマイコン12は、シャッター制御部14、撮像センサ制御部13、画像表示制御部15、画像記録制御部等に対し、命令(例えば、制御信号やコマンド)を出力することで、シャッター制御部14、撮像センサ制御部13、画像表示制御部15等にそれぞれの制御を実行させる。また、ボディーマイコン12は、レンズマイコン20とインターフェースを介して接続され、レンズマイコン20とマイコン間通信を行う。
<2:カメラシステムの動作>
図1から図6を用いてカメラシステム1の撮影動作について説明する。
(2.1:撮影前の動作)
図1および図5に示すように、被写体(図示せず)からの光は、交換レンズユニット2のレンズ群(図1の24、22)を透過し、半透過ミラーであるメインミラー4aに入射する。メインミラー4aに入射した光の一部は反射してファインダスクリーン6に入射し、残りの光は透過してサブミラー4bに入射する。ファインダスクリーン6に入射した光は被写体像として結像する。この被写体像は、ペンタプリズム7によって正立像に変換され接眼レンズ8に入射する。これにより、撮影者は、ファインダ接眼窓9を介して被写体の正立像を観察できる。また、サブミラー4bに入射した光は反射され、焦点検出ユニット5に入射する。
【0022】
(2.2:ファインダ撮影モードの撮影動作)
図1および図え5に示すように、撮影者がファインダ接眼窓9を覗いて撮影する場合(ファインダ撮影モードの撮影の場合)、撮影者によりレリーズボタン50が半押しされると、カメラシステム1内のボディーマイコン12および各種ユニットに電力が供給され、ボディーマイコン12およびレンズマイコン20が起動する。
ボディーマイコン12およびレンズマイコン20は、レンズマウント70の電気切片(図示せず)を介して、例えば、起動時に互いに情報を送受信するようプログラミングされており、レンズマイコン20のメモリ部からボディーマイコン12へ交換レンズユニット2に関するレンズ情報が送信され、このレンズ情報はボディーマイコン12のメモリ部(図示せず)に格納される。
次に、サブミラー4bからの反射光に基づいて焦点検出ユニット5により焦点ずれ量(以後、Df量という)が取得される。ボディーマイコン12からレンズマイコン20へ、そのDf量分だけフォーカスレンズ群24を駆動するように命令が送信される。具体的には、レンズマイコン20からの命令にしたがって、フォーカスレンズ群制御部25が、Df量分だけフォーカスレンズ群24を移動させる。このように焦点検出とフォーカスレンズ群24の駆動を繰り返すことにより、Df量を小さくできる。Df量が所定量以下になった時点でボディーマイコン12により合焦と判断され、フォーカスレンズ群24の駆動が停止される。
【0023】
この後、撮影者によりレリーズボタン50が全押しされると、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算された絞り値にするようボディーマイコン12からレンズマイコン20へ命令が送信される。そして、レンズマイコン20からの命令にしたがって、絞り制御部27が、指示された絞り値まで絞りを絞り込む。絞り値の指示と同時に、クイックリターンミラー制御部29が、クイックリターンミラー4を光路X内から退避させる。退避完了後、撮像センサ制御部13から撮像センサ11の駆動命令が出力され、シャッターユニット10の動作が指示される。撮像センサ制御部13は、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
露光完了後、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11から画像データを読み出し、所定の画像処理後、ボディーマイコン12を介して画像表示制御部15へ画像データが出力される。これにより、画像表示用液晶モニタ16へ撮影画像が表示される。また、画像記録制御部17および画像記録再生部18を介して、記憶媒体に画像データが格納される。また、露光終了後、ボディーマイコン12により、クイックリターンミラー4とシャッターユニット10とが初期位置にリセットされる。また、ボディーマイコン12からレンズマイコン20へ絞りを開放位置にリセットするよう絞り制御部27に命令が下され、レンズマイコン20から各ユニットへリセット命令が下される。リセット完了後、レンズマイコン20は、ボディーマイコン12にリセット完了を伝える。ボディーマイコン12は、レンズマイコン20からのリセット完了情報と露光後の一連処理の完了を待ち、その後、レリーズボタンの状態が、押し込みされていないことを確認し、撮影シーケンスを終了する。
【0024】
(2.3:モニタ撮影モードの撮影動作)
次に、撮影者が、画像表示用液晶モニタ16を用いて撮影する場合(モニタ撮影モードの撮影の場合)のカメラシステム1の撮影動作について、図1および図6を用いて説明する。
画像表示用液晶モニタ16を用いて撮影する場合、撮影者は、モニタ撮影モード切り換えスイッチ51を操作して、モニタ撮影モードに設定する。モニタ撮影モードに設定されると、ボディーマイコン12は、クイックリターンミラー4を光路X内から退避させる。この状態において、被写体からの光が撮像センサ11に達するので、撮像センサ11により、撮像センサ11上に結像される被写体からの光を画像データに変換し、取得することができる。撮像センサ制御部13は、撮像センサ11により取得された画像データを読み出し、所定の画像処理を実行した後、画像処理した画像データを画像表示制御部15に出力する。画像表示制御部15は、撮像センサ制御部13から出力された画像データを、画像表示用液晶モニタ16に撮影画像として表示させる。このように、撮影画像を画像表示用液晶モニタ16に表示させることにより、撮影者は、ファインダ接眼窓9を覗くことなく、画像表示用液晶モニタ16に表示される撮影画像を見ながら、被写体を追いかけることが可能となる。
【0025】
次に、撮影者によりレリーズボタン50が半押しされると、カメラシステム1内のボディーマイコン12は、交換レンズユニット2内のレンズマイコン20より、レンズマウント70の電気切片(図示せず)を介して、各種レンズデータを受け取り、ボディーマイコン12のメモリ部に保存する。
次に、サブミラー4bからの反射光に基づいて焦点検出ユニット5により焦点ずれ量(以後、Df量という)が取得される。ボディーマイコン12からレンズマイコン20へ、そのDf量分だけフォーカスレンズ群24を駆動するように命令が送信される。具体的には、レンズマイコン20によりフォーカスレンズ群制御部25がコントロールされ、Df量分だけフォーカスレンズ群24が移動する。このように焦点検出とフォーカスレンズ群24の駆動を繰り返すことにより、Df量を小さくできる。Df量が所定量以下になった時点でボディーマイコン12により合焦と判断され、フォーカスレンズ群24の駆動が停止される。
次に、ボディーマイコン12からの命令にしたがって、クイックリターンミラー制御部29が、クイックリターンミラー4を光路X内の定位置に戻し、焦点検出ユニット5より、Df量が取得される。ボディーマイコン12は、Df量分だけフォーカスレンズ群24を駆動するようにレンズマイコン20に指示する。レンズマイコン20は、フォーカスレンズ群制御部25をコントロールして、Df量分だけフォーカスレンズ群24を動作させる。このように焦点検出とフォーカスレンズ群24の駆動を繰り返すことにより、Df量は小さくできる。Df量が所定量以下になった時点でボディーマイコン12により合焦と判断され、フォーカスレンズ群24の駆動が停止される。
【0026】
この後、撮影者によりレリーズボタン50が全押しされると、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算された絞り値にするようボディーマイコン12からレンズマイコン20へ命令が送信される。そして、レンズマイコン20は、絞り制御部27をコントロールし、指示された絞り値まで、絞りを絞り込む。絞り値の指示と同時にボディーマイコン12からの命令にしたがって、クイックリターンミラー制御部29が、クイックリターンミラー4の光路X内からの退避を行う。退避完了後、ボディーマイコン12からの命令にしたがって、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11の駆動を指示し、シャッター制御部14は、シャッターユニット10の動作を指示する。なお、撮像センサ制御部13は、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
露光完了後、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11より画像データを読み出し、所定の画像処理後、ボディーマイコン12を介して画像表示制御部15へ画像データが出力される。これにより、画像表示用液晶モニタ16へ撮影画像が表示される。また、画像記録制御部17および画像記録再生部18を介して、記憶媒体に画像データが格納される。また、露光終了後、クイックリターンミラー4は、光路X内から退避した状態に位置しているので、撮影者は、引き続き、モニタ撮影モードにより、被写体を画像表示用液晶モニタ16上の撮影画像として見ることができる。
【0027】
また、モニタ撮影モードを解除する場合には、撮影者が、モニタ切り換えスイッチ51を操作して、通常の撮影モード、すなわち、ファインダ接眼窓9を覗いて撮影するファインダ撮影モードに移行させる。ファインダ撮影モードに移行された場合、クイックリターンミラー4は、光路X内の所定位置に戻される。また、カメラシステム1(例えば、一眼レフデジタルカメラ)本体の電源を切断する際にも、クイックリターンミラー4は、光路X内の所定位置に戻される。
(2.4:カメラシステムの像ブレ補正の一般動作)
次に、図4を用いて、カメラシステム1の像ブレ補正動作について説明する。
カメラシステム1が手ブレ等により動かされると、図4に示す角速度センサ41は、カメラシステム1の動きに対応する角度信号を出力する。角速度センサ41から出力された角度信号は、HPF42およびLPF43にて、不要な低域成分および不要な高域成分が除去され、アンプ44およびA/D変換部45を介して、レンズマイコン20に出力される。レンズマイコン20は、レンズマイコン20に入力された角度信号に対し、フィルタリング、積分処理、位相補償、ゲイン調整、クリップ処理等を施し、動き補正に必要なブレ補正レンズ群22の駆動制御量を求め、これをブレ補正レンズ駆動制御信号として出力する。レンズマイコン20から出力されたブレ補正レンズ駆動制御信号は、D/A変換部46を介して、シフト制御部47に入力される。シフト制御部47は、入力された補正レンズ駆動制御信号に基づき、ブレ補正レンズ群22を動かす。シフト制御部47により、ブレ補正レンズ群22が実際に動かされた移動量は、移動量検出部40で検出され、その検出された移動量がシフト制御部47に入力される。シフト制御部47は、移動量検出部40で検出された実際の移動量が、補正レンズ制御信号により決定されるブレ補正レンズ群の移動量(目的値とする移動量)に近づく方向に制御(負帰還制御)を行う。以上により、カメラシステム1の動きから生ずる像ブレを打ち消すようにブレ補正レンズ群22を動かすことができるので、カメラシステム1において、像ブレ補正が実現される。
【0028】
(2.5:モニタ撮影モードおよびファインダ撮影モードにおける手ブレ量について)
一般的に、モニタ撮影モードにおける手ブレ量は、ファインダ撮影モードにおける手ブレ量よりも大きい。これは、以下の理由による。
ファインダ撮影モードで撮影する場合、撮影者は、通常、カメラシステム1を両手で持った状態で、ファインダ接眼窓9を覗いて撮影する。この場合、撮影者の眼がファインダ接眼窓9に接触し、撮影者の顔面により、カメラシステム1を支えることになる。したがって、カメラシステム1は、撮影者の両手および顔面により、いわゆる3点支持に近い状態で支持されることになるため、撮影時のカメラシステム1の揺れは、それ程大きくならない。それに対して、モニタ撮影モードで撮影する場合、通常、撮影者は、カメラシステム1を、撮影者の顔面から離れた位置で、両手で持つ。この場合、カメラシステム1は、撮影者の両手で支持されることになるので、いわゆる2点支持に近い状態となり、カメラシステム1の揺れは大きくなりやすい。また、撮影者は、画像表示用液晶モニタ16を見て撮影することになるので、画像表示用液晶モニタ16を見るためには、必然的に、カメラシステム1と撮影者との距離が大きくなる。したがって、撮影姿勢が不自然となり、カメラシステム1の揺れが大きくなり、撮影画像へのブレの影響が大きくなる。
【0029】
以上のような理由から、モニタ撮影モードの像ブレ補正量を、ファインダ撮影モードの像ブレ補正量より小さい補正量に設定し、カメラシステム1において、像ブレ補正動作を実行させる。
図7を用いて、カメラシステム1の撮影モード切り換え動作について説明する。
カメラシステム1のボディーマイコン12は、モニタ撮影モード切り換えスイッチ51のON/OFFを判断し、ONの場合(モニタ撮影モードに対応。)には、Step2に移行し、OFFの場合(ファインダ撮影モードに対応。)には、Step6に移行する(Step1)。モニタ撮影モードに移行した場合、クイックリターンミラー制御部29は、クイックリターンミラー4を光路X外に退避させ(Step3)、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11の動作を開始させる(Step4)。次に、レンズマイコン20は、像ブレ補正部82を動作させ、モニタ撮影モードの補正量による像ブレ補正動作を開始させる(Step4)。そして、画像表示制御部15が画像表示用液晶モニタ16に撮影画像を表示させ(Step5)、モニタ撮影モードへの移行を完了する。
一方Step1において、モニタ撮影モード切り換えスイッチ51がOFFとなった場合(ファインダ撮影モードに対応。)、画像表示制御部15は、画像表示用液晶モニタ16の表示をOFFにし(Step6)、撮像センサ制御部13は、撮像センサ11の駆動を停止させる(Step7)。次に、レンズマイコン20は、像ブレ補正部82を動作させ、ファインダ撮影モードの補正量による像ブレ補正動作を開始させる(Step8)。ここで、ファインダ撮影モードの補正量は、モニタ撮影モードの補正量より大きな補正量に設定する。そして、クイックリターンミラー4を光路X内の所定位置に停止させ(Step9)、モニタ撮影モードへの切り換えを終了する。
【0030】
なお、ここでいう補正量とは、例えば、ブレ検出部21により検出された物理量に対応する手ブレ角度をどれだけ補正するか(手ブレ角度を打ち消す方向に、どれだけの角度戻すか)を示す物理量のことをいう。
ここで、(数式1)により、像ブレ補正の効果の程度を示す指標として、手ブレ量抑圧度を定義する。
【0031】
【数1】

ただし、Acs:手ブレ量
Ar:残留手ブレ量
なお、(数式1)は、ArとAscの相対比較量となるので、ArとAscとは、同次元の物理量であればよく、例えば、角度や振幅により求めることができる。ここで、「手ブレ量」とは、カメラシステム1の手ブレによる動きを示す物理量をいい、「残留手ブレ量」とは、カメラシステム1で像ブレ補正が実行された後に残留しているカメラシステム1の動きを示す物理量をいう。
(数式1)で定義される手ブレ量抑圧度Scsによれば、手ブレ量抑圧度Scsの数値が低いほど(手ブレ量抑圧度Scsの絶対値が大きいほど)、手ブレ補正の性能が優れていることになる。手ブレ量抑圧度の数値が小さい程、補正量が大きいということになる。
したがって、モニタ撮影モードの像ブレ補正量を、ファインダ撮影モードの像ブレ補正量より小さい補正量に設定するということは、モニタ撮影モードの手ブレ量抑圧度を、ファインダ撮影モードの手ブレ量抑圧度よりも大きい値に設定するということに相当する。
【0032】
(2.6:モニタ撮影モードの像ブレ補正量について)
次に、図8を用いて、モニタ撮影モードの像ブレ補正量について説明する。
図8は、QVGAの2.5インチのモニタ画面で被験者10名に対して被写体の位置が変動する画像を見せて、モニタ画像として「像ブレ問題なし:1点」、「どちらとも言えない:0.5点」、「像ブレ問題あり:0点」の3段階の評価点を付けてもらった調査結果を示すグラフである。横軸は、モニタ画像のx方向及びy方向の像ブレ量であり、1/30[s]毎に更新されるモニタ画面毎に1[画素]単位でランダムに像ブレを生じるようにしたときのx方向及びy方向への最大の像ブレ量を示している。
図8のグラフから分かるように、本調査では、x方向及びy方向への最大の像ブレ量を13[画素]以下としたところで「像ブレ問題あり」から「像ブレ問題なし」に評価される割合が多くなり、x方向及びy方向への最大の像ブレ量を4[画素]以下としたところではほぼ全員が「像ブレ問題なし」と回答した。
本調査結果より、いわゆるフレーミング期間中にモニタ画面上に比較的見やすい(撮影者が不快感を抱かない)被写体のモニタ画像を表示させるためには、x方向及びy方向への像ブレ量を13[画素]以下にすればよいということが分かる。
【0033】
次に、この13[画素]をカメラ本体のブレ角度に換算することを考える。像ブレの補正効果は、特に高倍率で求められることから、35[mm]フィルム換算の焦点距離400[mm](11.4倍ズーム)を例にすると、画像表示用液晶モニタのx方向の画素数320[画素]は画角5.15[度]に相当するので、13[画素]はブレ角度に換算すると約0.2[度]になる。すなわち、±0.1[度]程度に相当する像ブレは、モニタ撮影モードでは許容されることが分かる。
したがって、モニタ撮影モードの像ブレ補正動作において、カメラシステム1が、残留角度(残留手ブレ量に相当する角度)を±0.1[度]程度になるような、補正効果を落とした制御を行っても、撮影者は、モニタ表示画像から不快感を抱くことは、ほとんどなく、撮影者が被写体をモニタする上では支障がないと言える。
(2.7:カメラシステムの像ブレ補正動作)
次に、図9から図11を用いて、モニタ撮影モードの像ブレ補正動作について説明する。
図9において、横軸は時間、縦軸は角度を表している。図9(a)のグラフは、カメラシステム1の手ブレ角度と像ブレ補正部28の光学補正角度を示している。図9(b)のグラフはカメラシステム1の手ブレ角度と像ブレ補正部28の光学補正角度との差を残留角度として示している。図9では、手ブレ角度をモニタ撮影モードとファインダ撮影モードと時系列に同じ波形形状であると想定(図9(a)の時刻t0〜t1の区間と、時刻t1〜t2の区間における手ブレ角度の波形が同じであると想定)して、互いのモードの光学補正角度と残留角度との波形形状を比較できるようにしている。
【0034】
具体的には、図9の時刻t0からt1の期間のグラフが示すように、手ブレ角度の振幅をθs=0.2[度]としたとき、モニタ撮影モードでは、光学補正角度の振幅がθo1=0.1[度]となるように制御を行う。光学補正角度の振幅の限界を0.2[度]とした場合に、手ブレ角度の振幅に対して約1/2の補正ゲインで像ブレ補正動作を実行させることで、θs−θo1=0.1[度]分の残留角度を生じることになる。しかし、先に説明したように0.1[度]の残留角度は、いわゆるフレーミング期間中にモニタ画面上に比較的見やすく被写体画像を表示させる限界のブレに相当するものであり、モニタ撮影モードでは、残留しても問題とならない。
一方、ファインダ撮影モードでは、図9の時刻t1からt2の期間のグラフが示すように、光学補正角度の振幅がθo2=0.2[度]となるように制御を行う。手ブレ角度の振幅に対して約1.0の補正ゲインで像ブレ補正動作を実行させることで、ほとんど残留角度は生じないように制御を行う。ファインダ撮影モードの場合は、3点支持に近い状態でカメラシステム1が支持されるので、ブレ量が大きくなることは少なく、このような制御を行っても問題ない。
(2.8:モニタ撮影モードの像ブレ補正動作)
次にモニタ撮影モードにおいて、実際の撮影を行う場合の像ブレ補正動作について、図10を用いて説明する。
【0035】
図10に示すように、モニタ撮影モードにおいては、実際の撮影動作が実行されていない期間(図10の時刻t1からt2の期間以外の期間)においては、カメラシステム1は、前述した手ブレ角度の振幅に対して約1/2の補正ゲインでの像ブレ補正動作(以下、「モニタ撮影モードの像ブレ補正」という。)を行う。そして、レリーズボタン50が半押しされ(図10の時刻t1に相当。)、カメラシステム1の撮影動作が開始されると、カメラシステム1は、合焦動作を行い、合焦状態に達した時点(図10の時刻tg)からその合焦状態を保持する。その後、レリーズボタン50が全押しされると(図10の時刻ts)、カメラシステム1は、設定された露光時間だけ、露光を行う。
そして、時刻t1からt2までの期間(全撮影期間)では、カメラシステム1は、ファインダ撮影モードの場合の像ブレ補正動作と同一の像ブレ補正動作を行う。つまり、フレーミングが終了している時刻t1からt2までの期間(全撮影期間)では、残留角度をほぼ0にする像ブレ補正を行う。これにより、カメラシステム1において、全撮影動作期間以外では、画像表示用液晶モニタ16に撮影者に不快感を抱かせない自然な被写体画像を表示することができ、かつ、全撮影動作期間では、カメラシステム1は、像ブレをほぼ打ち消すように像ブレ補正を行うので、像ブレのない撮影画像が取得される。
【0036】
また、モニタ撮影モードのフレーミング中に緩やかに手ブレ補正をかけることで、ブレ補正レンズ群22が光軸中心付近にあり、撮影動作に移ったときにスムーズに像ブレ補正が実行されるので、カメラシステム1における像ブレ補正の効果を大きくすることができ、かつ、カメラシステム1の消費電力を抑えることもできる。
以上により、撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影する場合と、ファインダを覗いて撮影する場合とのいずれの場合においても、最適な手ブレ補正を実現し、かつ撮影者が画像表示用液晶モニタ等の表示装置を見ながら撮影する場合のフレーミングを行っている場合においても、撮影者に不快感を抱かせない自然な画像が表示され、その表示画像を見ながら撮影することができるカメラシステムを実現することができる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、カメラシステム1は、モニタ撮影モードでの全撮影期間では、像ブレ補正量がファインダ撮影モードの像ブレ補正量と一致する補正量により、像ブレ補正動作を行い、モニタ撮影モードでの全撮影期間以外では、全撮影期間の像ブレ補正量より小さい補正量により、像ブレ補正を行うものである。しかし、必ずしもこれに限定される必要はない。図11(a)に他の実施形態に係るカメラシステム1のモニタ撮影モードの動作と像ブレ補正の補正量の関係について図示したタイミングチャートを、図11(b)に他の実施形態に係るカメラシステム1のファインダ撮影モードの動作と像ブレ補正の補正量の関係を図示したタイミングチャートを示す。
【0037】
図11に示すように、モニタ撮影モードの全撮影期間での像ブレ補正の補正量(図11(a)の第1の補正量に相当。)およびファインダ撮影モードの像ブレ補正の補正量(図11(b)の第3の補正量に相当。)が、モニタ撮影モードの全撮影期間以外の像ブレ補正の補正量(図11(a)の第2の補正量に相当。)より大きい補正量であればよく、必ずしも図11の第1の補正量と第3の補正量を一致させなくてもよい。
また、図12に示すように、カメラシステム1は、ファインダ撮影モードでは、全撮影期間のみ像ブレ補正を行うようにしてもよい。この場合、ファインダ撮影モードの像ブレ補正の補正量をファインダ撮影モードの全撮影期間の像ブレ補正の補正量として、前述したカメラシステム1に適用すればよい。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアにより実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、画像表示用液晶モニタを用いて撮影する際の像ブレの影響を小さくすることができるカメラシステム(例えば、一眼レフデジタルカメラ)、カメラ本体、交換レンズユニットおよび像ブレ補正方法であり、撮像装置の利便性を拡大するものであり、撮像装置関連分野において、実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係るカメラシステムの全体構成図
【図2】本発明の第1実施形態に係るカメラ本体の概略構成図
【図3】本発明の第1実施形態に係る交換レンズユニットの概略構成図
【図4】本発明の第1実施形態に係る交換レンズユニットの概略構成図
【図5】本発明の実施の形態1に係るファインダ撮影モードを説明する概念図
【図6】本発明の実施の形態1に係るモニタ撮影モードを説明する概念図
【図7】本発明の実施の形態2に係る撮影モードの切り換え動作を示すフローチャート図
【図8】本発明の第1実施形態に係る像ブレ量と像ブレ評価点との関係を示すグラフ
【図9】本発明の第1実施形態に係るカメラシステムのモニタ撮影モードとファインダ撮影モードの制御特性比較グラフ
【図10】本発明の第1実施形態に係るカメラシステムのモニタ撮影モードでの撮影動作および像ブレ補正動作についての説明図
【図11】本発明の他の実施形態に係るカメラシステムの撮影動作および像ブレ補正動作についての説明図
【図12】本発明の他の実施形態に係るカメラシステムの撮影動作および像ブレ補正動作についての説明図
【符号の説明】
【0040】
1 デジタルカメラ(カメラシステム)
2 交換レンズユニット
3 カメラ本体
L 撮像光学系
20 レンズマイコン
21 ブレ検出部
23 像ブレ補正制御部
80 フォーカス調節部
81 絞り調節部
82 像ブレ補正部
4 クイックリターンミラー
12 ボディーマイコン
19 ファインダ光学系(観察光学系)
29 クイックリターンミラー制御部
50 レリーズボタン
51 撮影モード切り換えスイッチ
70 レンズマウント
71 撮像部
72 画像表示部
73 画像格納部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光を集光する撮像光学系と、
前記撮像光学系の焦点距離を調整する焦点調整部と、
前記撮像光学系からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する撮像部と、
前記撮像光学系からの光を観察するための観察光学系と、
前記撮像光学系と前記撮像部との間に設置され、前記撮像光学系からの光を前記観察光学系へ導くための第1の位置と、前記撮像光学系からの光を前記撮像部へ導くための第2の位置とを取り得る可動ミラーと、
前記可動ミラーの位置を前記第1の位置に配置させて撮影する第1の撮影モードと、前記可動ミラーの位置を前記第2の位置に配置させて撮影する第2の撮影モードとを切り換える撮影モード切換部と、
振動による前記カメラシステムの動きを検出する動き検出部と、
前記動き検出部の検出結果に基づき、前記第2の撮影モードである場合には前記第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で前記撮像画像の動きを補正する動き補正部と、
前記撮像画像を表示する撮像画像表示部と、
を備えるカメラシステム。
【請求項2】
前記焦点調整部に前記焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と前記撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とが入力される指示情報入力部と、
前記合焦動作開始指示情報に基づき、前記焦点調整部に前記焦点距離の調整を開始させ、前記撮像画像取得開始指示情報に基づき、前記撮像部に撮像画像の取得を開始させる制御部と、をさらに備え、
前記動き補正部は、前記第2の撮影モードである場合、前記合焦動作開始指示情報により前記焦点調整部が前記焦点距離の調整を開始した時点から前記撮像画像取得開始指示情報により前記撮像部が撮像画像取得を開始した時点までの期間と、前記撮像部が撮像画像取得を開始した時点から撮像画像取得を終了した時点までの期間とを合計した期間である全撮影期間では、第1の補正量で前記撮像画像の動きを補正し、前記全撮像期間以外の期間では、前記第1の補正量より小さい補正量である第2の補正量で前記撮像画像の動きを補正する、
請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記動き補正部は、前記第1の撮影モードである場合、前記第2の補正量より大きい補正量である第3の補正量で前記撮像画像の動きを補正し、前記第2の撮影モードである場合、前記全撮影期間以外の期間では、前記第2の補正量で前記撮像画像の動きを補正し、前記全撮影期間では、前記第3の補正量で前記撮像画像の動きを補正する、
請求項2に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記撮像部と、前記観察光学系と、前記可動ミラーと、前記撮影モード切換部と、前記指示情報入力部と、前記制御部と、前記撮像画像表示部を有するカメラ本体と、
前記撮像光学系と、前記動き検出部と、前記動き補正部と、を有する交換レンズユニットと、
をさらに備える、
請求項1から3のいずれかに記載のカメラシステム。
【請求項5】
被写体からの光を集光する撮像光学系と、振動によるカメラシステムの動きを検出する動き検出部と、前記動き検出部の検出結果に基づき、第2の撮影モードである場合には第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で前記撮像画像の動きを補正する動き補正部とを備える交換レンズユニットとともに、カメラシステムに用いられるカメラ本体であって、
前記撮像光学系の焦点距離を調整する焦点調整部と、
被写体からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する撮像部と、
前記撮像光学系からの光を観察するための観察光学系と、
前記撮像光学系と前記撮像部との間に設置され、前記撮像光学系からの光を前記観察光学系へ導くための第1の位置と、前記撮像光学系からの光を前記撮像部へと導くための第2の位置とを取り得る可動ミラーと、
前記可動ミラーの位置を前記第1の位置に配置させて撮影する前記第1の撮影モードと、前記可動ミラーの位置を前記第2の位置に配置させて撮影する前記第2の撮影モードとを切り換える撮影モード切換部と、
前記焦点調整部に前記焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と前記撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とが入力される指示情報入力部と、
前記合焦動作開始指示情報に基づき、前記焦点調整部に前記焦点距離の調整を開始させ、前記撮像画像取得開始指示情報に基づき、前記撮像部に撮像画像の取得を開始させる制御部と、
前記撮像画像を表示する撮像画像表示部と、
を備えるカメラ本体。
【請求項6】
被写体からの光を集光する観察光学系と、被写体からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する撮像部と、前記被写体からの光を前記観察光学系へ導くための第1の位置と、前記撮像光学系からの光を前記撮像部へ導くための第2の位置とを取り得る可動ミラーと、前記可動ミラーの位置を前記第1の位置に配置させて撮影する第1の撮影モードと、前記可動ミラーの位置を前記第2の位置に配置させて撮影する第2の撮影モードとを切り換える撮影モード切換部と、前記撮像光学系の焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と前記撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とが入力される指示情報入力部と、前記合焦動作開始指示情報に基づき、前記焦点距離の調整を開始させ、前記撮像画像取得開始指示情報に基づき、前記撮像部に撮像画像の取得を開始させる制御部と、前記撮像画像を表示する撮像画像表示部と、を備えるカメラ本体とともに、カメラシステムに用いられる交換レンズユニットであって、
被写体からの光を集光する撮像光学系と、
振動による前記カメラシステムの動きを検出する動き検出部と、
前記動き検出部の検出結果に基づき、前記第2の撮影モードである場合には前記第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で前記撮像画像の動きを補正する動き補正部と、
を備える交換レンズユニット。
【請求項7】
被写体からの光を集光する撮像光学系と、前記撮像光学系の焦点距離を調整する焦点調整部と、前記撮像光学系からの光を電気信号に変換して撮像画像を取得する撮像部と、
前記撮像光学系からの光を観察するための観察光学系と、前記撮像光学系と前記撮像部との間に設置され、前記撮像光学系からの光を前記観察光学系へ導くための第1の位置と、前記撮像光学系からの光を前記撮像部へ導くための第2の位置とを取り得る可動ミラーとを備えるカメラシステムにおける像ブレ補正方法であって、
前記可動ミラーの位置を前記第1の位置に配置させて撮影する第1の撮影モードと、前記可動ミラーの位置を前記第2の位置に配置させて撮影する第2の撮影モードとを切り換える撮影モード切換ステップと、
前記第1の撮影モードの場合、前記可動ミラーを前記第1の位置に移動させ、前記第2の撮影モードの場合、前記可動ミラーを前記第1の位置に移動させる可動ミラー移動ステップと、
前記焦点調整部に前記焦点距離の調整の開始を指示する合焦動作開始指示情報と前記撮像部に撮像画像の取得開始を指示する撮像画像取得開始指示情報とを入力する指示情報入力ステップと、
前記合焦動作開始指示情報に基づき、前記焦点調整部に前記焦点距離の調整を開始させ、前記撮像画像取得開始指示情報に基づき、前記撮像部に撮像画像の取得を開始させる制御ステップと、
振動による前記カメラシステムの動きを検出する動き検出ステップと、
前記動き検出ステップでの検出結果に基づき、前記第2の撮影モードである場合には前記第1の撮影モードである場合の補正量より小さい補正量で前記撮像画像の動きを補正する動き補正ステップと、
前記撮像画像を表示する撮像画像表示ステップと、
を有する像ブレ補正方法。
【請求項8】
前記動き補正ステップでは、前記第2の撮影モードである場合、前記合焦動作開始指示情報により前記焦点調整部が前記焦点距離の調整を開始した時点から前記撮像画像取得開始指示情報により前記撮像部が撮像画像取得を開始した時点までの期間と、前記撮像部が撮像画像取得を開始した時点から撮像画像取得を終了した時点までの期間とを合計した期間である全撮影期間では、第1の補正量で前記撮像画像の動きを補正し、前記全撮像期間以外の期間では、前記第1の補正量より小さい補正量である第2の補正量で前記撮像画像の動きを補正する、
請求項7に記載の像ブレ補正方法。
【請求項9】
前記動き補正ステップでは、前記第1の撮影モードである場合、前記第2の補正量より大きい補正量である第3の補正量で前記撮像画像の動きを補正し、前記第2の撮影モードである場合、前記全撮影期間以外の期間では、前記第2の補正量で前記撮像画像の動きを補正し、前記全撮影期間では、前記第3の補正量で前記撮像画像の動きを補正する、
請求項8に記載の像ブレ補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−72395(P2008−72395A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248638(P2006−248638)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】