説明

カメラユニットおよびドライブレコーダ

【課題】本体部との配線を車輌内で目立たせずに車輌へ取付けることが容易なカメラユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のカメラユニット10は、GPS情報を受信するGPSアンテナ11と、このGPSアンテナ11と接続した同軸ケーブル13と、この同軸ケーブル13と接続し、GPSアンテナ11から得たGPS情報を本体部1に送信するGPSモジュール12とを備え、GPSアンテナ11とGPSモジュール12とを一体に設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部と分離したカメラユニットおよびこのカメラユニットを用いた分離型のドライブレコーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の本体部とカメラユニットとが分離した分離型ドライブレコーダ(以下、単にカメラユニット分離型のドライブレコーダと記す)において、GPS機能を搭載する場合、GPSアンテナとGPSモジュールはそれぞれ別の場所に存在しているものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
図3は従来のカメラユニット分離型のドライブレコーダの概略を示すブロック図である。図3に示すように、従来のドライブレコーダは、本体部100と、GPSアンテナ101と、カメラユニット102とがそれぞれ別体に構成されている。本体部100は、演算装置103やGPSモジュール104を備え、車輌のセンターコンソールの横などの目立たない位置に配置する。演算装置103は、GPSモジュール104と一般的な信号線105を介して接続する。GPSアンテナ101は、本体部100内のGPSモジュール104と高周波用の同軸ケーブル106を介して接続し、車輌のダッシュボードなどGPS衛星から情報を受信しやすい位置に配置する。カメラユニット102は、本体部100内の演算装置103と一般的な信号線107を介して接続し、車輌のフロントガラスに配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−33846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のカメラユニット分離型のドライブレコーダにおいては、GPS機能を搭載する場合、GPSアンテナ101と本体部100内のGPSモジュール104とを高周波用同軸ケーブル106で接続しなければならない。このため、本体部100が配置された位置とGPSアンテナ101が配置された位置とが離れているため同軸ケーブル106の長さを長くする必要があった。同軸ケーブル106は一般の信号線に比べて太く、引き回しが難しいため、車輌内で同軸ケーブル106を目立たせずに取付けるために様々な工夫を要していた。また、本体部100にカメラユニット102とGPSアンテナ101を接続するには、同軸ケーブル106と一般の信号線107の複数の配線が必要になる。このため、複数の配線を車輌内で目立たせずに取付けるために様々な工夫を要していた。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、本体部との配線を車輌内で目立たせずに車輌へ取付けることが容易なカメラユニットおよびドライブレコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、GPS情報を受信するGPSアンテナと、このGPSアンテナと接続した同軸ケーブルと、この同軸ケーブルと接続し、GPSアンテナから得たGPS情報を本体部に送信するGPSモジュールとを備え、GPSアンテナとGPSモジュールとを一体に設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、本体部との配線を車輌内で目立たせずに車輌へ取付けることが容易なカメラユニットおよびドライブレコーダを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態におけるカメラユニット分離型のドライブレコーダの概略図
【図2】同図1のドライブレコーダの要部であるカメラユニットのブロック図
【図3】従来のカメラユニット分離型のドライブレコーダの概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態のカメラユニット分離型のドライブレコーダについて、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態におけるカメラユニット分離型のドライブレコーダの概略図である。
【0012】
図1において、ドライブレコーダは、本体部1と、この本体部1から分離したカメラユニット10と、本体部1およびカメラユニット10を接続するハーネス20を備える。
【0013】
本体部1は、演算装置2を備える。本体部1の演算装置2は、CPUやRAMで構成され、カメラユニット10とハーネス20を介して接続する。本体部1の演算装置2には、ハーネス20を介してカメラユニット10から事故状況を示す映像や音声が入力される。演算装置2は、入力された映像や音声を図示しない記憶媒体に録画・録音する。また演算装置2は、ドライブレコーダの外部に設けられた図示しない表示機器と接続し、この表示機器に事故状況を示す映像や音声の再生を行わせる。
【0014】
カメラユニット10は、GPS衛星からGPS情報の電波を受信するGPSアンテナ11と、このGPSアンテナ11が受信した電波変換するGPSモジュール12と、GPSアンテナ11およびGPSモジュールを接続する高周波用の同軸ケーブル13とを備える。カメラユニット10は、図示しない車両のルームミラーとフロントガラスとの間に設けられ、フロントガラスに取付けられる。カメラユニット10は、GPSアンテナ11とGPSモジュール12とを一体にすることにより、同軸ケーブル13の配線をカメラユニット10の内部のみに引き回せばよくなり、外部への引き回しをなくすことができる。したがって、特殊な取付け器具の利用等の工夫を行わなくてもハーネス20の引き回しが容易になり、ハーネス20を車輌内部に目立たせずに取付けることが容易になる。ひいては、カメラユニット10やこのカメラユニット10を用いたドライブレコーダの取付け時間を短縮することができる。
【0015】
次に、カメラユニット10の内部構成について詳細に説明する。
【0016】
図2は、図1のドライブレコーダの要部であるカメラユニットのブロック図である。
【0017】
カメラユニット10は、GPSアンテナ11と、GPSモジュール12と、同軸ケーブル13と、第1の撮像素子14と、第2の撮像素子15と、マイクロフォン16と、インジケータ17と、ハーネス20とを備える。また、ハーネス20は、各種信号を本体部1の演算装置2に送信するための信号線21〜25を備える。以下の説明において、信号線21〜25を介して本体部1に送信される各種信号は、実際には図2に図示しない演算装置2に送信される。
【0018】
GPSモジュール12は、信号線21を介して本体部1と接続し、GPSアンテナ11が受信したGPS情報をデジタル信号にして本体部1に送信する。
【0019】
第1の撮像素子14は、カメラユニット10の上部に設けたカメラで構成され、車室内の映像を撮影する。これにより、第1の撮像素子14は、信号線22を介して本体部1と接続し、本体部1に撮影した車室内の映像を送信する。
【0020】
第2の撮像素子15は、カメラユニット10の下部に設けたカメラで構成され、車輌前方の映像を撮影する。第2の撮像素子15は、信号線23を介して本体部1と接続し、本体部1に撮影した車輌前方の映像を送信する。
【0021】
マイクロフォン16は、車室内で集音を行い、この集音した音を信号線24を介して本体部1に送信する。
【0022】
インジケータ17は、LED等のランプで構成され、GPS情報の受信状態を表示する。インジケータ17は、信号線25を介して本体部1と接続し、本体部1から送信された制御信号によって点灯状態を制御する。
【0023】
ここで、ハーネス20は、複数の信号線である信号線21〜25を一本に束ねている。これにより、分離型のカメラユニット10を本体部1に接続するために本体部1やカメラユニット10の外部に引き回されるハーネス20を、同軸ケーブルを用いることなく一般的な線材である信号線21〜25のみで構成することができる。一般的に、同軸ケーブルは、信号線の約数倍〜数十倍の厚みを有するため、この構成により、同軸ケーブルを含んでいたときよりもハーネス20の厚みを小さくすることができる。したがって、特殊な取付け器具の利用等の工夫を行わなくてもハーネス20の引き回しが容易になり、車輌内で目立たせずに取付ける事が容易になる。
【0024】
また、従来の分離型のドライブレコーダでは、同軸ケーブルや一般的な信号線を複数本外部に引き回して本体部とカメラユニットとを接続していたところ、本実施形態のカメラユニット10およびこのカメラユニット10を用いたドライブレコーダによれば、ハーネス20を1本のみ外部に引き回すことで本体部1とカメラユニット10とを接続することができる。したがって、特殊な取付け器具の利用等の工夫を行わなくてもハーネス20を車輌内で目立たせずに取付けることが容易になる。ひいては、カメラユニット10やこのカメラユニット10を用いたドライブレコーダの車輌への取付時間を短縮することができる。
【0025】
なお、以上の説明では、便宜上、ハーネス20を、カメラユニット10の一部に含まれるものとして説明したが、ハーネス20は、カメラユニット10と着脱可能な別体のものであってもよい。この場合、カメラユニット10内部の信号線21〜25は、ハーネス20と図示しないコネクタを介して接続する。また、ハーネス20は、本体部1とあらかじめ接続されていてもよいし、図示しないコネクタを介して本体部1と着脱可能に構成されていてもよい。
【0026】
また、本実施形態ではカメラユニット10に、第1の撮像素子14および第2の撮像素子15を設けているが、ドライブレコーダとして機能するには少なくとも一方を設けていればよい。さらに、本実施形態ではカメラユニット10に、第1の撮像素子14および第2の撮像素子15の2つの撮像素子を設けているが、3つ以上の撮像素子を設けても良い。この場合、各撮像素子は、信号線と接続し、この信号線を介して撮影した映像を本体部1に送信する。また、本実施形態ではカメラユニット10にマイクロフォン16やインジケータ17を設けたが、カメラユニット10に設けずに本体部に設けてもよい。以上より
、本実施形態のハーネス20は、少なくとも信号線21と、信号線22または信号線23のいずれか一つとを備えればよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明にかかるカメラユニットを用いたドライブレコーダは、カメラユニットと本体部との間の配線を目立たせずに車輌へ取付けることが容易なカメラユニット分離型のドライブレコーダとして有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 本体部
10 カメラユニット
11 GPSアンテナ
12 GPSモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダの本体部と分離してこの本体部と接続したカメラユニットであって、
GPS情報を受信するGPSアンテナと、
このGPSアンテナと接続した同軸ケーブルと、
この同軸ケーブルと接続し、前記GPSアンテナから得たGPS情報を前記本体部に送信するGPSモジュールとを備え、
前記GPSアンテナとGPSモジュールとを一体に設けたことを特徴とするカメラユニット。
【請求項2】
車輌の前方および車室内の少なくとも一方を撮影するカメラ部と、
このカメラ部に接続して前記本体部に撮影データを送信する第1の信号線と、
前記GPSモジュールと接続して前記本体部にGPS情報を送信する第2の信号線と、をさらに備え、
前記第1の信号線と第2の信号線とを束ねて前記本体部と接続するハーネスを設けたことを特徴とする請求項1に記載のカメラユニット。
【請求項3】
車輌に取付けて車輌の周囲を撮影するカメラユニットと、このカメラユニットから得た撮影データを記憶媒体に記憶する本体部とを備え、前記カメラユニットが前記本体部と分離したドライブレコーダであって、
前記カメラユニットは、
GPS情報を受信するGPSアンテナと、
このGPSアンテナと接続した同軸ケーブルと、
この同軸ケーブルと接続し、前記GPSアンテナから得たGPS情報を前記本体部に送信するGPSモジュールとを有し、
前記GPSアンテナとGPSモジュールとを一体に設けたことを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項4】
車輌の前方および車室内の少なくとも一方を撮影するカメラ部と、
このカメラ部に接続して前記本体部に撮影データを送信する第1の信号線と、
前記GPSモジュールと接続して前記本体部にGPS情報を送信する第2の信号線と、をさらに備え、
前記第1の信号線と第2の信号線とを束ねて前記本体部と接続するハーネスを設けたことを特徴とする請求項3に記載のドライブレコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−177952(P2012−177952A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154974(P2009−154974)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】