説明

カメラ及びカメラの画像表示方法

【課題】ユーザが簡単に撮影地点を知ることができ、且つ画像を見やすく表示することができるカメラ及びカメラの画像表示方法を提供することである。
【解決手段】このカメラに於いては、GPS部14によってカメラの撮影を行う撮影位置が検出される。一方で、主なランドマーク位置情報とその名称を検索エンジン部13により上記撮影位置に近いランドマークを検索し、上記撮影画像及び検索された上記ランドマークを含む地図情報が表示部17に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影した画像に撮影位置の地図情報を記録するためのカメラに関し、より詳細には、デジタル画像を有効に利用して、旅行等の撮影場所と画像を見やすく表示することができるカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、衛星を用いたグローバルポジショニングシステム(GPS)を使用した測位により、現在地点の位置情報を入手する位置検出手段を用いてカーナビゲーションシステムや携帯電話でのナビゲーションシステムが発達している。そして、このようなシステムを用いて、例えば、撮影地点と撮影を行う方向から撮影物を特定して、撮影された画像データが何処で撮影されたものか、またどの方向に向かって撮影されたものかを容易に確認可能とした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、下記特許文献2には、ランドマークの混み具合によって地図表示の縮尺を切り替える技術が開示されており、同様の考え方をナビゲーションに適用している例も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−39702号公報
【特許文献2】特開2002−131070号公報
【特許文献3】特開2002−71368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術に対して、実際に旅行等に行くと、複雑な機構のカメラであるよりも簡単な小型軽量のカメラである方が重要であり、また、撮影対象が何であるかということよりも、自分の居場所がどのあたりであったかという情報を知りたい場合が多い。
【0005】
また、上記特許文献2に記載の装置では、ランドマークの混み具合によって地図表示の縮尺を切り替える旨が記載されているが、撮影ポイントというカメラ技術ならではの機会が含まれていないものであった。すなわち、位置のみでは撮影ポイントが一目してわからない、ということが起きていた。
【0006】
更に、上記特許文献3に記載の装置では、上述した特許文献2と同様の考え方をナビゲーションに適用しているだけであり、やはり撮影ポイントについては記載されていないものであった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが簡単に撮影地点を知ることができ、且つ画像を見やすく表示することができるカメラ及びカメラの表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち請求項1に記載の発明は、画像を撮影する撮影手段と、上記画像の撮影位置に関するデータを受信し、この受信したデータから撮影位置を取得する撮影位置検出手段と、ランドマーク位置情報とその名称を有するデータベースから、上記撮影位置に近いランドマークとその位置を検索するランドマーク検索手段と、 上記撮影された画像が縦構図であるか否かを判定する撮影画像構図判定手段と、上記撮影画像構図判定手段で縦構図ではないと判定された場合には、更に、上記検出した撮影位置とランドマークを結ぶ線の並び方向を判定する方向判定手段と、上記方向判定手段で判定された並び方向が上記地図を表示する長手方向となるように、上記撮影された画像と上記地図の表示レイアウトを切り替え、上記撮影画像構図判定手段で縦構図であると判定された場合には、上記撮影された画像と上記地図を横並びに表示するように表示レイアウトを切り替える表示切り替え手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記方向判定手段は、上記撮影位置とランドマーク位置が東西方向に並んでいるか、南北方向に並んでいるかを判定することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明に於いて、上記表示切り替え手段は、上記方向判定手段で撮影位置とランドマーク位置が東西方向に並んでいると判定した場合は、上記撮影位置とランドマーク位置が東西方向になるように表示し、上記撮影位置とランドマーク位置が南北方向に並んでいると判定した場合は、上記撮影位置とランドマーク位置が南北方向になるように表示するように表示レイアウトを切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、主なランドマーク位置情報と複数の縮尺から成る地図を有するデータベースと、上記撮影位置に近いランドマークの位置より上記地図の縮尺を決定する決定手段とを更に具備することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明に於いて、上記切り替え手段は、上記表示される地図の縮尺を上記ランドマークに応じて切り替え制御することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、画像を撮影し、上記画像の撮影位置に関するデータを受信して撮影位置を取得し、ランドマーク位置情報とその名称を有するデータベースから、上記撮影位置に近いランドマークとその位置を検索し、上記撮影された画像が縦構図であるか否かを判定し、上記撮影画像構図判定手段で縦構図ではないと判定された場合には、更に、上記撮影位置とランドマークを結ぶ線の並び方向を判定し、上記方向判定手段で判定された並び方向が上記地図を表示する長手方向となるように、上記撮影された画像と上記地図の表示レイアウトを切り替え、上記撮影画像構図判定手段で縦構図であると判定された場合には、上記撮影された画像と上記地図を横並びに表示するように表示レイアウトを切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザが簡単に撮影地点を知ることができ、且つ画像を見やすく表示することができるカメラ及びカメラの画像表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0016】
(第1の実施形態) 図1は、本発明の第1の実施形態によるカメラの構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に於いて、マイクロコントローラ(CPU)11は、カメラ全体の制御動作を司る制御手段である。このCPU11は、スイッチ18aの操作状態を判定して、ユーザが所望とするカメラ動作を所定のシーケンスに従って、後述する各ブロックを制御することによって実行する。CPU11には、撮影部12と、検索エンジン部13と、メモリ16と、表示部17及び操作スイッチ18aを含む操作部18とが接続されている。尚、CPU11は、制御手段の他、表示制御手段、決定手段、切り替え手段、読み出し手段の機能を有している。
【0018】
上記撮影部12はカメラの撮影用の機能を有するもので、撮影レンズや撮像素子、画像処理回路等が含まれており、CPU11からの撮影動作命令によって撮影シーケンスが実行されるものである。この撮影結果は、CPU11を介してメモリ16に記録されると共に、表示部17に表示される。この表示部17は、例えば2.5〜3インチの液晶ディスプレイ(LCD)を有して構成される。LCDは、近年ユーザの要望から大型化して画像がみやすくなってきているもので、大型液晶であれば情報量が多いので、1つの画面だけでなく、複数の画面を表示するような状況にも耐えられるようになってきている。
【0019】
また、GPS部14は位置検出手段であり、図示されない衛星からの電波による位置信号を受信して、緯度、経度情報信号を形成するものである。カーナビゲーションシステムで普及し、近年は携帯電話器のナビゲーション仕様にて、より多くの人達に身近になった技術である。この位置情報から、これらのナビゲーションシステムを構築するには、地図上の道路や建物を位置情報としてデータベース化したものが必要である。
【0020】
しかしながら、本発明では、ナビゲーションを行うのが目的でないので、データベース15は大まかに数段階に階層分けされた地図情報のみを有していればよい。各階層は、例えば、世界地図、全国の何処に撮影位置が対応するかという最も大まかなものから、市町村単位で表示が可能な詳細なものまでに対応しており、各階層によってその縮尺が異なっている。GPS情報と、このデータベース15を利用して、ユーザが何処で撮影したのかを検索するのが検索手段である検索エンジン部13である。
【0021】
尚、操作部18は、上述した操作スイッチ18aを含むもので、カメラの各種モードの選択、決定や検索を指示する操作、後述する表示画面の選択の操作等を行うためのもので、選択手段に相当する。
【0022】
このような構成のカメラでは、その位置検出機能によって、撮影場所の特定や地図表示、検索等が応用として考えられる。
【0023】
例えば、図2(a)に示されるように、表示部17のLCD25に表示された画像だけでは、何処に行った時の写真かわからない。しかしながら、本発明のカメラでは、表示方法を切り替えて、例えば、図2(b)に示されるように、LCD25の表示を分割し、画面25aの部分に撮影画像を、画面25bの部分に地図を、そして、画面25cの部分に撮影場所を表示することが可能となる。これによって、ユーザやその画像を鑑賞する人は、何処で撮影したかを理解することができ、いろいろなことを想起しつつ、画像を楽しむことが可能となる。
【0024】
但し、このような楽しみ方も、地図が表示されている画面25b上に、多くの人が知っている地名がなく、図2(c)に示される画面25bのように、単に道の様子が表示されるだけであれば、誰にも意味のない情報になってしまう。本発明は、そのようなことがないように、必ず、多くの人が知っている駅や建物が公園、施設等を地図上に表示することができるようにして、多くの人が撮影画像を楽しめるようにしている。
【0025】
このような仕様のカメラは、図3に示されるようなシーケンスに従って、CPU11がデータベース15を切り替えたりLCD25の表示方法を切り替えたりすることによって、図2(c)に示されるような意味不明な地図ではなく、図2(b)に示されるように、情報量が適切な地図を常に表示することができるようになる。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施形態に従ったカメラの動作について説明するためのフローチャートである。
【0027】
先ず、ステップS1に於いて、カメラが写真撮影(撮影モード)のシーケンスを実行するか否かが判定される。ここで、写真撮影が行われる場合はステップS2へ移行し、そうでない場合は後述するステップS21へ移行する。
【0028】
写真撮影が行われる場合は、ステップS2にてピント合わせが行われ、続くステップS3にて露出制御が行われる。次いで、ステップS3にて露出制御が行われると、ステップS4にて撮影処理が行われる。この撮影処理により、上述した撮像素子に取り込まれた被写体の画像が電気信号に変換され、更にステップS5にてデジタル的に処理された画像が圧縮されてメモリ16に記録される。そして、ステップS6にてGPS部14からの信号入力が行われて、検索エンジン部13により、撮影位置の位置情報が検索される。
【0029】
次に、上記ステップS6によるGPSの検出結果がOKか否かが判定される。ここで、GPS情報が電波状況等により得られない場合は、ステップS8に移行して、前回GPS部14により得られていた情報が代用される。また、上記ステップS7にて、GPSの検出結果がOKであれば、ステップS8をスキップする。
【0030】
ところで、このようにして得られた撮影位置の位置情報に対し、縮尺の異なる地図からなる異なる階層のデータベースの中から、どの地図を採用して地図表示するかを決定しなければならない。これは、あまりにも縮尺が大きすぎると、図2(c)に示される画面25bのように、道路や空地ばかりの地図となってしまい、撮影位置27の情報を知ることができず、ユーザにとっては意味のない表示となってしまうからである。したがって、こうした場合には、より縮尺を小さくして、撮影位置の周囲の様子をわかりやすく表示する必要がある。
【0031】
したがって、ステップS9では、最も縮尺の小さい地図を収めた階層の地図を表す“n=5”が操作部18によって選択され、続くステップS11にてデータベース15の中から撮影位置が検索される。ここで、ステップS11に於いて、地図画面内にランドマークが有るか否かが判定される。その結果、ランドマークが存在すれば、そのときの地図(この場合、n=5の階層)が、ステップS14に於いて表示される。しかしながら、上記ステップS11にて、この地図が、図2(c)に示される画面25bのようなもので、撮影位置27と同一画面内にランドマークが含まれていないものであればステップS12に移行する。
【0032】
ステップS12では、階層を示す値nが判定される。ここで、“n=1”が世界地図全体レベルなので、これ未満にはできない。また、地球上で利用する場合はnを1より小さくする必要もない。そのため、ステップS12にて“n=1”であれば、ステップS14に移行し、“n>1”であればステップS13に移行してnの値がデクリメントされた後、上記ステップS10へ移行する。すなわち、上記ステップS11にてランドマークが有ると判定されるまで、ステップS12及びS13によって、地図の縮尺が1段階ずつ小さくされる。
【0033】
こうして、ステップS14にて、図2(b)に示されるように、ランドマーク28が撮影位置27と共に示された地図がLCD25に表示される。そして、続くステップS15に於いて、その地図表示がユーザの好みに合うか否かが判定される。ここでは、例えば操作部18によるユーザの操作によって判定されるもので、OKならばステップS16へ移行し、そうでなければステップS19へ移行する。
【0034】
ステップS15にて表示された地図でOKであれば、ステップS16に移行して、地図の表示中心の切り替えや、シフト制御するか否かが判定される。その結果、現在の表示で良ければ、ステップS18に移行して撮影された画像にこの地図画像が添付される。その後、本シーケンスが終了する。一方、地図の表示状態が不満であれば、ステップS17へ移行する。このステップS17では、表示された地図の中心ずらし等シフト等の操作が行われる。その後、上記ステップS16へ移行する。
【0035】
また、敢えてランドマーク表示が必要でない場合や、もっと大きな地図の中で見たい場合等は、ステップS19及びS20にて、階層切り替えができるようにしている。すなわち、ステップS19にて、表示された地図の階層と異なる場合は、ステップS20へ移行して階層が切り替えられた後、上記ステップS14へ移行する。更に、地図情報を添付しなくて良い場合は、ステップS19からステップS21へ移行して、その旨の処理が行われる。その後、本シーケンスが終了する。
【0036】
上記ステップS1に於いて、撮影モード以外の処理が行われる場合は、ステップS22に移行してGPSの検出が行われる。ここでは、GPS部14が作動されて、随時位置の検出が行われる。その結果、ステップS23にて検出不可能と判定された場合は、上述したステップS7〜S8と同様に、前回の結果が参照される。このように、極力、ユーザの動きに従って位置判定がなされるようにしている。
【0037】
そして、ステップS25にて、ユーザがカメラを再生モードに設定したか否かが判定される。ここで、再生モードに設定された場合はステップS26へ移行し、そうでない場合は上記ステップS1へ移行する。ステップS26では、画像検索を行うか否かが判定される。画像検索を行う場合は、ステップS27に移行して、その検索により得られた画像が表示される。一方、画像検索が行われない場合は、ステップS28に移行して、前回撮影された写真(画像)が表示される。
【0038】
次に、ステップS29に於いて、ユーザによる地図表示を行うか否かが判定される。ここでは、ユーザが操作部18を操作することによって、写真のみ表示するか、写真と地図の両方を表示するかが決定される。写真と地図の両方を表示したい場合は、ユーザによる所定の操作が行われて、続くステップS30にて画像に地図添付が有るか否かが判定される。そして、地図添付が有る場合は、ステップS31に移行して、図2(b)に示されるように、LCD25の画面が分割されて写真と共に地図表示が行われる。また、ステップS30にて、地図添付がない場合には、画像に文字(地名)だけは関連付けるようにしておき、ステップS32に移行して地名表示が行われるようにする。一方、上記ステップS29にて、地図表示されない旨が操作された場合は、図2(a)に示されるような写真のみLCD25に表示されるものとなり、上述したステップS30〜S32はスキップする。
【0039】
ステップS33では、LCD25に表示された画像を変更するか否かが判定される。ユーザが別の画像を見たい場合には、操作部18の操作に従って上記ステップS26へ移行し、再度画像の検索が行われる。また、表示された画像が変更されない場合は、ステップS34に移行して、画像の表示を終了するか否かが判定される。その結果、まだ表示を終了しない場合には上記ステップS33へ移行し、表示終了時には、ステップS35へ移行して、LCD25への表示終了処理が行われる。そして、本シーケンスが終了する。
【0040】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、ランドマークと撮影位置を同一画面内の地図上に同時に表示するので、撮影画像がどこのシーンであるかを多くの人がすぐに理解し、イメージをふくらませ、楽しい鑑賞をすることが可能なカメラを提供することができる。
【0041】
また、状況に応じて地図の縮尺を変更することができるので、細かい地名よりも、より広域的な地名、国名等を認識しやすいように最適表示を選択することが可能となる。
【0042】
(第2の実施形態) 次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0043】
上述した第1の実施形態では、撮影位置とランドマークが同一画面上の地図に示されるようにして地図の縮尺を決定していたが、この第2の実施形態では、先ずランドマークと撮影位置との距離差を求め、その距離差によって地図の縮尺を求めるものである。
【0044】
尚、以下に述べる第2の実施形態に於いては、カメラの構成及び基本的な動作については、図1乃至図3に示される第1の実施形態のカメラの構成及び動作と同じであるので、これらの構成及び動作については、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略するものとし、異なる動作の説明についてのみ説明する。
【0045】
図4は、本発明の第2の実施形態に従ったカメラの動作について説明するためのフローチャートである。但し、本フローチャートに於いて、ステップS41〜S48及びステップS59〜S72の処理動作は、上述した第1の実施形態の図3のフローチャートのステップS1〜S8及びステップS22〜S35の処理動作と同じであるので、説明の重複を避けるため、それぞれ対応するステップの処理動作を行うものとしてここでの説明は省略する。
【0046】
ステップS41〜S48の処理動作が行われると、次にステップS49にて、撮影時のGPS情報がGPSP(詳しくは緯度と経度の情報)として設定される。そして、ステップS50にて、検索エンジン部13によって、データベース15が有するその付近のランドマーク検索が行われる。これにより、同様にGPS情報として検出され、これがGPSLとして設定される。
【0047】
次いで、ステップS51にて、上述したGPSPとGPSLの差が距離LとしてCPU内で算出される。そして、続くステップS52にて、上記ステップS51で算出された距離Lより縮尺が決定される。例えば、その距離差が1kmであるとすると、約1cmの距離以内の差としてLCD25に表示する時は(それより大きいと地図よりはみ出すので)、1/1000000以上に縮小した地図が選択されて表示される。
【0048】
このように決定された縮尺の地図が、ステップS53にて表示される。このとき、図2(b)に示されるように、撮影画像(画面25a)地図(画面25b)とを並べて表示するようにして、ユーザが互いに参照して鑑賞できるようにする。そして、ステップS54に於いて、このような表示で良いか否かが、ユーザによって判定される。
【0049】
ここで、判定の結果がOKであるという操作があった場合には、ステップS55に移行して、撮影された画像と上記ステップS54でOKとされた地図が関連付けて記録される。尚、ここでは、これを「地図添付」として表現している。その後、ステップS56に移行して、上記ステップS55で「地図添付」された画像と地図を示すファイル名が、ランドマークの名称で画像管理される。この後、本シーケンスが終了する。
【0050】
また、上記ステップS54でOKでない場合は、ステップS57に移行して、地図情報が不要であるか否かが判定される。ここで、不要であると判定された場合には、地図添付は行われずに本シーケンスが終了する。一方、別の地図にしたい場合には、ステップS58に移行して、別のランドマークが検索された後、上記ステップS51に移行する。これによって、ユーザが所望としない場合は、撮影画像が別のランドマークと同時表示することができる仕様となる。
【0051】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、2つのGPS情報を距離の形に計算する機能によって、迅速に最適な縮尺での地図表示が可能となる。
【0052】
また、ユーザが所望としないランドマークが選択された場合は、即座に別の候補を選択して、そのランドマーク名によって画像がファイル管理されるので、撮影後に写真が溜まった後の画像検索も容易となる。
【0053】
(第3の実施形態) 次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0054】
この第3の実施形態は、上述した第1及び第2の実施形態のように、撮影時に地図を関連付けるのではなく、あくまで撮影時にはGPS情報のみを添付するようにしている。
【0055】
尚、以下に述べる第3の実施形態に於いては、カメラの構成及び基本的な動作については、図1乃至図4に示される第1及び第2の実施形態のカメラの構成及び動作と同じであるので、これらの構成及び動作については、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略するものとし、異なる動作の説明についてのみ説明する。
【0056】
図5は、本発明の第3の実施形態に従ったカメラの動作について説明するためのフローチャートである。但し、本フローチャートに於いて、ステップS81〜S88及びステップS90〜S93の処理動作は、上述した第1の実施形態の図3のフローチャートのステップS1〜S8及びステップS22〜S25の処理動作と同じであるので、説明の重複を避けるため、それぞれ対応するステップの処理動作を行うものとしてここでの説明は省略する。
【0057】
ステップS81〜S88の処理動作が行われると、続くステップS89にて、撮影された画像に対応付けてGPS情報のみが添付されてメモリ16に記録される。その後、本シーケンスが終了する。
【0058】
また、撮影モード以外の場合は、ステップS90〜S93の処理動作が行われた後、すてと94に移行する。このステップS94では、撮影された画像が選択されてLCD25に表示される。すると、続くステップS95にて、その画像に添付されたGPS情報がカメラのCPU11によって呼び出される。そして、続くステップS96及びS97にてプリセットされた値X(半径)、n(階層)によって、ステップS98に於いて、その撮影位置を中心に所定半径内のGPS情報を有するランドマークが、検索エンジン部13によってデータベース15から検索される。
【0059】
ここで、所定半径は、ステップS96でプリセットされたように、最初はX=500mである。しかしながら、ステップS98にて撮影位置から半径Xm以内にランドマークが無いと判定された場合は、ステップS99及びS100に移行して、階層が1つずつ大きくなると共に、半径Xも1000m、2000m、4000m、…と変化して検索範囲が拡大されていく。
【0060】
こうして、ステップS98にてランドマークが見つかった時点で、ステップS101に移行して、ランドマークが含まれる範囲の地図が画像と共にLCD25に表示されるようになる。
【0061】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、ランドマークと撮影位置を示す地図情報そのものを添付する必要がなく、ファイルサイズを小さくすることができる。
【0062】
(第4の実施形態) 次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0063】
上述した第1乃至第3の実施形態では、LCD25に表示される地図の方向については特に指定していない。これに対し、本第4の実施形態では、地図上のランドマークと撮影ポイントの並び方向が東西方向であるか南北方向であるかによって、LCD25上のレイアウトを切り替えるようにしている。
【0064】
尚、以下に述べる第4の実施形態に於いては、カメラの構成及び基本的な動作については、図1乃至図5に示される第1乃至第3の実施形態のカメラの構成及び動作と同じであるので、これらの構成及び動作については、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略するものとし、異なる動作の説明についてのみ説明する。
【0065】
図6(a)に示されるように、ランドマーク28と撮影位置27が、図面で左右方向となる東西方向に並んでいる場合には、画面の長手方向を横にして地図表示させるようにする。つまり、図中画面25b1 のように地図を表示させて、画面25a1 の部分に撮影画像を表示させる。これに対して、ランドマーク28と撮影位置27が、図面で上下方向となる南北方向にある場合には、画面の長手方向を縦にして地図表示させるようにする。したがって、図6(b)の画面25b2 のように地図表示させるようにする。尚、画面25a2 は撮影画面である。
【0066】
また、撮影画面が縦構図の場合は、長手方向が横方向であるLCD25上では比較的大きな範囲で地図表示ができるので、図7に示される画面25a3 、25b3 のように、撮影画像と地図画像を並べるようにしている。
【0067】
このようなレイアウト上の工夫をするための地図表示の動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
地図表示のシーケンスが開始されると、先ず、ステップS111にて、カメラの撮影位置のGPS情報GPSPが求められる。次いで、ステップS112にて、撮影位置付近のランドマーク位置を示すGPS情報GPSLが求められる。そして、ステップS113に於いて、撮影画像が縦構図であるか否かが判定される。その結果、縦構図であれば、ステップS117に移行して、図7に示されるような並列形式の表示が選択される。一方、縦構図でない場合は、ステップS114に移行する。
【0069】
ステップS114では、撮影位置GPSPとランドマーク位置GPSLが東西方向に並んでいるか、南北方向に並んでいるかが判定される。ここで、両者が東西方向に並んでいる場合は、ステップS115に移行して、図6(a)に示されるような表示状態が選択される。この場合、図中LEWが撮影位置27とランドマーク28の方向が東西方向であることを表している。一方、撮影位置とランドマーク位置が南北方向に並んでいる場合は、ステップS116に移行して、図6(b)に示されるような表示状態が選択される。この場合、図中LNSが撮影位置27とランドマーク28の方向が南北方向であることを表している。
【0070】
その後、ステップS118では、上記ステップS115〜S117にて選択された何れかの表示形式に従って撮影画像と地図の表示が行われる。
【0071】
このように、第4の実施形態によれば、地図表示と撮影画像の表示を、狭い範囲で大きくわかりやすく行うことができるので、ユーザは画像と地図を見ながら、様々な情報を得て、種々のイマジネーションをふくらませた鑑賞をすることができる。
【0072】
以上説明したように本発明によれば、ユーザが旅行等で撮影を楽しんだ時に、その写真を何処で撮影したかを簡単に把握することができ、また、他の人に見せる時等に、その時の状況を説明しやすい画像を生成することができるデジタルカメラを提供することが可能となる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態によるカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】カメラのLCD25に表示される例を示したもので、(a)は撮影画像のみ表示した例を示した図、(b)は撮影画像と地図及び撮影場所を表示した例を示した図、(c)は撮影画像と地図を表示した例を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に従ったカメラの動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に従ったカメラの動作について説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態に従ったカメラの動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第4の実施形態を説明するもので、(a)はランドマーク28と撮影位置27が東西方向に並んでいる場合の画面の表示例示した図、(b)はランドマーク28と撮影位置27が南北方向に並んでいる場合の画面の表示例示した図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を説明するもので、縦構図の場合の画面の表示例を示した図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に従ったカメラの地図表示動作について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
11…マイクロコントローラ(CPU)、12…撮影部、13…検索エンジン部、14…GPS部、15…データベース、16…メモリ、17…表示部、18…操作部、25、25a、25b…画面、27…撮影位置、28…ランドマーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影位置と、近くのランドマークを地図上に同時表示する機能を有するカメラに於いて、
画像を撮影する撮影手段と、
上記画像の撮影位置に関するデータを受信し、この受信したデータから撮影位置を取得する撮影位置検出手段と、
ランドマーク位置情報とその名称を有するデータベースから、上記撮影位置に近いランドマークとその位置を検索するランドマーク検索手段と、
上記撮影された画像が縦構図であるか否かを判定する撮影画像構図判定手段と、
上記撮影画像構図判定手段で縦構図ではないと判定された場合には、更に、上記検出した撮影位置とランドマークを結ぶ線の並び方向を判定する方向判定手段と、
上記方向判定手段で判定された並び方向が上記地図を表示する長手方向となるように、上記撮影された画像と上記地図の表示レイアウトを切り替え、上記撮影画像構図判定手段で縦構図であると判定された場合には、上記撮影された画像と上記地図を横並びに表示するように表示レイアウトを切り替える表示切り替え手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
上記方向判定手段は、上記撮影位置とランドマーク位置が東西方向に並んでいるか、南北方向に並んでいるかを判定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
上記表示切り替え手段は、上記方向判定手段で撮影位置とランドマーク位置が東西方向に並んでいると判定した場合は、上記撮影位置とランドマーク位置が東西方向になるように表示し、上記撮影位置とランドマーク位置が南北方向に並んでいると判定した場合は、上記撮影位置とランドマーク位置が南北方向になるように表示するように表示レイアウトを切り替えることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
主なランドマーク位置情報と複数の縮尺から成る地図を有するデータベースと、上記撮影位置に近いランドマークの位置より上記地図の縮尺を決定する決定手段とを更に具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項5】
上記切り替え手段は、上記表示される地図の縮尺を上記ランドマークに応じて切り替え制御することを特徴とする請求項4に記載のカメラ。
【請求項6】
撮影位置と、近くのランドマークを地図上に同時表示する機能を有するカメラの画像表示方法であって、
画像を撮影し、
上記画像の撮影位置に関するデータを受信して撮影位置を取得し、
ランドマーク位置情報とその名称を有するデータベースから、上記撮影位置に近いランドマークとその位置を検索し、
上記撮影された画像が縦構図であるか否かを判定し、
上記撮影画像構図判定手段で縦構図ではないと判定された場合には、更に、上記撮影位置とランドマークを結ぶ線の並び方向を判定し、
上記方向判定手段で判定された並び方向が上記地図を表示する長手方向となるように、上記撮影された画像と上記地図の表示レイアウトを切り替え、
上記撮影画像構図判定手段で縦構図であると判定された場合には、上記撮影された画像と上記地図を横並びに表示するように表示レイアウトを切り替えることを特徴とするカメラの画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−120243(P2011−120243A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271476(P2010−271476)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【分割の表示】特願2005−357766(P2005−357766)の分割
【原出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】