説明

カメラ用絞り光学素子及びその製造方法

【課題】光の量の調節を連続的に行え、ピントの調節も行えるカメラ用絞り光学素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】所定のパターンを備える透明電極層6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7dと液晶用配向膜層8とを備え、液晶用配向膜層8が互いに対向配置された1対のガラス基板2,3間に配設され、二色性色素とカイラル剤とを含む液晶層4を備える。または、所定のパターンを備える透明電極層7a,7b,7c,7dとエレクトロクロミック膜層12とを備える第1のガラス基板3と、所定のパターンを備え、エレクトロクロミック膜層12に対向配置された透明電極層6a,6b,6c,6dを備える第2のガラス基板と、両ガラス基板2,3間に配設された電解質層11とを備える。透明電極層6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7dは、該ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子またはエレクトロクロミック表示素子を用いるカメラ用絞り光学素子及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラの感光部に当たる光の量を制御して、光の量の調節とピントの調節とを行う絞り機構が知られており、例えば、開口部の大きさを機械的に拡縮するものがある。しかし、開口部の大きさを機械的に拡縮する絞り機構では、駆動源としてモータを必要とするので、装置が大型化することが避けられない上、振動があるという問題がある。また、前記絞り機構では、段階的な調整になるために、撮影時にノイズが入ったり、切替時に明るさが急激に変化して、信頼性に劣るという問題もある。
【0003】
前記問題を解決するために、円形の開口パターンからなる透明電極層を備えた透過型の液晶パネルまたはエレクトロクロミック・パネルを電気的に制御して開口パターンを可変とする絞り機構が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
前記絞り機構は、前記液晶パネルの場合には、該液晶パネルの全面を1/4波長板とするか、該開口パターン部分のみを1/4波長板とするように用途によって切り替えるものである。また、前記エレクトロクロミック・パネルの場合には、該エレクトロクロミック・パネルの全面を透明とするか、該開口パターン部分のみを透明とするように用途によって切り替えるものである。
【0005】
前記絞り機構は、前記液晶パネルまたはエレクトロクロミック・パネルを電気的に制御するものであるので、装置の小型化が可能であり、振動もなく、明るさを連続的に調整することができる。
【0006】
しかしながら、前記絞り機構では、パネル全面か、円形の開口パターン部分のみかの2段階の切替しかできず、ピントの調整を十分に行うことができないという不都合がある。
【特許文献1】特開平9−106566号公報(請求項2,6,9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる不都合を解消して、カメラの感光部に当たる光の量の調節を連続的に行うことができ、しかもピントの調節を行うことができるカメラ用絞り光学素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、一方の表面に、所定のパターンを備える透明電極層と該透明電極層上に形成された液晶用配向膜層とを備え、該液晶用配向膜層が互いに対向配置された1対のガラス基板と、両ガラス基板間に配設され、二色性色素とカイラル剤とを含む液晶層とを備えるカメラ用絞り光学素子において、該透明電極層は、該ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備えることを特徴とする。
【0009】
前記構成を備えるカメラ用絞り光学素子では、前記透明電極層が形成されている部分では、前記液晶層中の液晶が、該透明電極層上に形成された前記液晶用配向膜層により定められる方向に配向されている。そこで、前記カメラ用絞り光学素子では、前記液晶の配向方向によって、電圧を印加しない状態で透過率または反射率が最大となり印加電圧の上昇に伴って透過率または反射率が次第に小さくなるか、電圧を印加しない状態で透過率または反射率が最小となり印加電圧の上昇に伴って透過率または反射率が次第に大きくなる。
【0010】
このとき、前記透明電極層は、同心円状に配置された複数の部分からなるので、例えば、電圧を印加しない状態で透過率または反射率が最大となる場合には、電圧を印加しない状態で開口部が最大であり、同心円状に配置された複数の部分の外方から内方に向かって、電圧を印加する部分を増加させることにより、開口部を縮小することができる。また、反対に、電圧を印加しない状態で透過率または反射率が最小となる場合には、電圧を印加しない状態で開口部が最小であり、同心円状に配置された複数の部分の内方から外方に向かって、電圧を印加する部分を増加させることにより、開口部を拡大することができる。
【0011】
従って、前記カメラ用絞り光学素子によれば、同心円状に配置された複数の透明電極層のうち、どの部分に電圧を印加するかによって、開口部の大きさを選択することができ、ピントの調節を行うことができる。また、前記カメラ用絞り光学素子によれば、前記いずれの場合でも、電圧が印加されている部分では、電圧を増減して透過率または反射率を変化させることにより、光の量を調節することができる。
【0012】
前記カメラ用絞り光学素子において、前記液晶配向膜は、例えば、垂直配向膜とすることができる。この場合、前記液晶層中の液晶は、前記垂直配向膜により前記ガラス基板に対して垂直方向に配向されるので、電圧を印加しない状態では透過率または反射率が最大となる。
【0013】
次に、前記目的を達成するために、本発明の第2の態様は、一方の表面に、所定のパターンを備える透明電極層と該透明電極層上に形成されたエレクトロクロミック膜層とを備える第1のガラス基板と、一方の表面に、所定のパターンを備える透明電極層を備え、該透明電極層が第1のガラス基板のエレクトロクロミック膜層に対向配置された第2のガラス基板と、両ガラス基板間に配設された電解質層とを備えるカメラ用絞り光学素子において、該透明電極層は、該ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備えることを特徴とする。
【0014】
前記構成を備えるカメラ用絞り光学素子は、電圧を印加しない状態では透明であるが、電圧を印加すると前記電解質層から前記エレクトロクロミック膜層に陽イオンが注入されて該エレクトロクロミック膜層が着色し、印加電圧の上昇に伴って着色が次第に大きくなる。
【0015】
このとき、前記透明電極層は、同心円状に配置された複数の部分からなるので、電圧を印加しない状態で開口部が最大であり、同心円状に配置された複数の部分の外方から内方に向かって、電圧を印加する部分を増加させることにより、着色部分を増大させて開口部を縮小することができる。
【0016】
従って、前記カメラ用絞り光学素子によれば、同心円状に配置された複数の透明電極層のうち、どの部分に電圧を印加するかによって、開口部の大きさを選択することができ、ピントの調節を行うことができる。また、前記カメラ用絞り光学素子によれば、電圧が印加されている部分では、電圧を増減して透過率または反射率を変化させることにより、光の量を調節することができる。
【0017】
前記カメラ用絞り光学素子において、前記エレクトロクロミック膜層は、例えば、三酸化タングステン膜とすることができる。この場合、前記エレクトロクロミック膜層は、電圧の印加により前記電解質層から陽イオンが注入されると青色に着色する。
【0018】
本発明の第1の態様のカメラ用絞り光学素子は、1対のガラス基板上の全面に透明電極層を形成する工程と、各ガラス基板上に形成された該透明電極層上の全面に液晶用配向膜層を形成する工程と、各ガラス基板の該透明電極層と該液晶用配向膜層とが形成された面にレーザを照射して、該レーザが照射された部分の該透明電極層と該液晶用配向膜層とを除去することにより、各ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備える透明電極層を形成する工程とを備える製造方法により、有利に製造することができる。
【0019】
前記製造方法では、まず、それ自体公知の方法により、1対のガラス基板上の全面に透明電極層を形成し、次いで、該透明電極層上の全面に液晶用配向膜層を形成する。前記ガラス基板上の全面に透明電極層を形成する代わりに、全面に透明電極層が形成された市販のガラス基板を用いてもよい。
【0020】
次に、前記1対のガラス基板の前記透明電極層と前記液晶用配向膜層とが形成された面にレーザを照射し、該レーザが照射された部分の該透明電極層と該液晶用配向膜層とを除去する。この結果、前記製造方法によれば、各ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備える透明電極層を精度良く形成することができる。
【0021】
このとき、前記製造方法では、レーザの種類、照射条件等を適切に設定することにより、前記ガラス基板を損傷することなく、主としてレーザのアブレーションにより前記透明電極層と前記液晶用配向膜層とを原子レベルで分解して、該ガラス基板上から除去することができる。
【0022】
本発明の第2の態様のカメラ用絞り光学素子は、1対のガラス基板上の全面に透明電極層を形成する工程と、第1のガラス基板上に形成された該透明電極層上の全面にエレクトロクロミック膜層を形成する工程と、第1のガラス基板の該透明電極層と該エレクトロクロミック膜層とが形成された面にレーザを照射して、該レーザが照射された部分の該透明電極層とエレクトロクロミック膜層とを除去すると共に、第2のガラス基板の該透明電極層が形成された面にレーザを照射して、該レーザが照射された部分の該透明電極層を除去し、各ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備える透明電極層を形成する工程とを備える製造方法により、有利に製造することができる。
【0023】
前記製造方法では、まず、それ自体公知の方法により、1対のガラス基板上の全面に透明電極層を形成する。また、前記第1の態様のカメラ用絞り光学素子の製造方法の場合と同様に、前記ガラス基板上の全面に透明電極層を形成する代わりに、全面に透明電極層が形成された市販のガラス基板を用いてもよい。
【0024】
次に、第1のガラス基板上に形成された該透明電極層上の全面にエレクトロクロミック膜層を形成する。このとき、前記エレクトロクロミック膜層は、第2のガラス基板上の前記透明電極層上には形成しない。
【0025】
次に、前記第1のガラス基板の前記透明電極層と前記エレクトロクロミック膜層とが形成された面にレーザを照射し、該レーザが照射された部分の該透明電極層と該エレクトロクロミック膜層とを除去する。また、前記第2のガラス基板の前記透明電極層が形成された面にレーザを照射し、該レーザが照射された部分の該透明電極層を除去する。この結果、前記製造方法によれば、各ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備える透明電極層を精度良く形成することができる。
【0026】
このとき、前記製造方法では、レーザの種類、照射条件等を適切に設定することにより、前記ガラス基板を損傷することなく、主としてレーザのアブレーションにより前記透明電極層と前記エレクトロクロミック膜層とを、または前記透明電極層のみを原子レベルで分解して、該ガラス基板上から除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本発明のカメラ用絞り光学素子の一実施形態を示す説明的断面図、図2は図1に示すカメラ用絞り光学素子における透明電極層のパターン形状を示す平面図、図3は図1に示すカメラ用絞り光学素子におけるスペクトル特性を示すグラフである。また、図4は本発明のカメラ用絞り光学素子の他の実施形態を示す説明的断面図、図5は図4に示すカメラ用絞り光学素子におけるスペクトル特性を示すグラフである。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の第1の態様のカメラ用絞り光学素子1aは、透明な板ガラスからなるガラス基板2,3と、ガラス基板2,3間に配設された液晶層4とを備え、液晶層4はガラス基板2,3の外縁に形成されたシール剤層5により封止されている。ガラス基板2は、ガラス基板3に対向する面に透明電極層6a,6b,6c,6dを備えており、ガラス基板3は、ガラス基板2に対向する面に透明電極層7a,7b,7c,7dを備えている。透明電極層6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7dは、例えば、ITOにより形成されている。そして、透明電極層6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7d上には、それぞれ液晶配向膜層8が形成されている。
【0029】
ガラス基板2に形成されている透明電極層6a,6b,6c,6dは、図2(a)に示すように、円形の透明電極層6aを中心として、その周囲に互いに間隔を存して、ドーナツ形状の透明電極層6b,6c,6dが形成された同心円状のパターン形状を形成している。透明電極層6a,6b,6c,6dは、実用的サイズとしての最大径(透明電極層6dの外径に相当する)が4〜10mmの範囲となっており、例えば、開口部の面積の比率を100%、50%、25%、12.5%の4段階で変化させることができるようにされている。そこで、例えば、透明電極層6dの外径が6mmの場合、透明電極層の6cの外径は4.2mm、透明電極層6bの外径は3.0mm、透明電極層6aの直径は2.1mmとされており、各透明電極層6a,6b,6c,6dの間隔は60μmとされている。各透明電極層6a,6b,6c,6dは、各透明電極層6a,6b,6c,6dと同一材料からなる接続部9により相互に接続されており、接続部9を介して外部電源に接続自在とされ、同時にオン/オフできるようにされている。
【0030】
一方、ガラス基板3に形成されている透明電極層7a,7b,7c,7dは、図2(b)に示すように、円形の透明電極層7aを中心として、その周囲に互いに間隔を存して、ドーナツ形状の透明電極層7b,7c,7dが形成された同心円状のパターン形状を形成している。透明電極層7d,7c,7bの外径は透明電極層6d,6c,6bの外径と同一となっており、透明電極層7aの直径は透明電極層6aの直径と同一となっている。また、各透明電極層7a,7b,7c,7dの間隔は、各透明電極層6a,6b,6c,6dの間隔と同一になっている。各透明電極層7a,7b,7c,7dは、透明電極層7b,7c,7dの一部を削除して形成されている接続部10a,10b,10c,10dを介してそれぞれ独立に外部電源に接続自在とされ、それぞれ独立にオン/オフできるようにされている。接続部10a,10b,10c,10dは、各透明電極層7a,7b,7c,7dと同一材料により形成されている。
【0031】
液晶配向膜層8は、垂直配向膜からなるものでも水平配向膜からなるものでもよいが、低電圧で高い透過率を得ることができる点で垂直配向膜からなることが好ましい。
【0032】
また、液晶層4は、二色性色素とカイラル剤とを含む液晶により構成されている。前記二色性色素は、少なくとも3種の色素を混合して用いることが好ましく、通常は3〜7種の色素、例えば5種の色素を混合して用いる。また、前記カイラル剤はd/pが0.5〜1の範囲となるように添加されていることが好ましい。
【0033】
本態様のカメラ用絞り光学素子1aは、例えば、次のようにして製造することができる。
【0034】
まず、ITOからなる透明電極層が全面に形成された1対のガラス基板2,3を用意する。ガラス基板2,3は、厚さ0.7mmの透明な青板ガラスからなり、透明電極層は2000オングストロームの厚さに形成されている。
【0035】
次に、ガラス基板2,3の透明電極層上に、それぞれ液晶配向膜層として垂直配向膜を形成する。
【0036】
次に、ガラス基板2,3の前記透明電極層と前記液晶配向膜層とが形成された面に、YVOレーザまたはYAGレーザ、例えば出力10W、波長1064nmのYVOレーザ(YVO社製)を照射し、不要部分の前記透明電極層と前記液晶配向膜層とを除去して、図2(a)、図2(b)に示すパターン形状を形成する。前記レーザの照射は、LDパワーを1〜100%の範囲とし、Qスイッチを10〜100kHzの範囲とし、移動速度を1〜1500mm/秒の範囲として行うことが好ましく、例えば、LDパワー85%、Qスイッチ40kHz、移動速度300mm/秒で行う。
【0037】
この結果、ガラス基板2上には、透明電極層6a,6b,6c,6dと、接続部9と、透明電極層6a,6b,6c,6d、接続部9上に形成された液晶配向膜層8とが得られる。また、ガラス基板3上には、透明電極層7a,7b,7c,7dと、接続部10a,10b,10c,10dと、透明電極層7a,7b,7c,7d、接続部10a,10b,10c,10d上に形成された液晶配向膜層8とが得られる。
【0038】
前記レーザが照射された部分を顕微鏡観察したところ、前記透明電極層と前記液晶配向膜層とが完全に除去されて、ガラス基板2,3の表面が露出していた。ガラス基板2,3の表面は、120オングストローム程度の表面粗さがあるが、該表面粗さは透明電極層6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7dの表面と同程度であり、ディスプレイ用基板の表面状態としては十分な平滑性を備えている。
【0039】
前記YVOレーザは、前記透明電極層を形成するITOには吸収されるが、ガラス基板2,3には吸収されずにそのまま透過されており、また前記1064nmという波長の点でも殆ど熱を発生しないためと考えられる。従って、前記レーザの照射によれば、主にアブレーションにより、前記透明電極層を形成するITOと前記液晶配向膜層とを原子レベルで分解して除去しており、ガラス基板2,3には殆ど損傷を与えず、ガラス基板2,3の表面に前記平滑性が得られるものと考えられる。
【0040】
次に、下基板であるガラス基板3上に、ギャップコントロール剤を2〜5重量%の範囲で、例えば3重量%含むメインシール剤(三井化学株式会社製、商品名:ES−7500)を塗布し、シール剤層5を形成する。前記ギャップコントロール剤は、液晶層4の厚さに合わせ、3〜15μmの範囲の直径を備えるものを用いることができ、例えば、グラスファイバー製の直径5μmのものを用いる。前記メインシール剤の塗布は、例えば、スクリーン印刷またはディスペンサーにより行うことができる。
【0041】
次に、上基板であるガラス基板2上に、例えば、直径5μmのプラスチックボールからなるギャップコントロール剤を散布する。前記ギャップコントロール剤の散布は、例えば乾式のギャップ散布機を用いて行うことができる。
【0042】
次に、ガラス基板2,3を、透明電極層6a,7aの中心点が重なるようにして重ね合わせてセルを形成し、該セルにゲストホスト型液晶を真空注入して、液晶層4を形成する。ホスト液晶としてはΔεが負の液晶を用いることができ、該液晶には二色性色素が2〜15重量%の範囲で添加されている。前記二色性色素は、少なくとも3種の色素を混合して用いることが好ましく、通常は3〜7種の色素、例えば5種の色素を混合して用いる。前記二色性色素は、黒色の色素(例えば、三井化学株式会社製、商品名:S−428)を用いてもよい。また、前記液晶には、カイラル剤(メルク社製、商品名:S−811)が、d/pが0.5〜1の範囲となるように、例えばd/p=0.75となるように添加されている。
【0043】
次に、前記ゲストホスト型液晶の注入口にエンドシール剤を塗布して封止することにより、カメラ用絞り光学素子1aが完成する。
【0044】
本態様のカメラ用絞り光学素子1aは、次のように作動する。
【0045】
まず、電圧が印加されていない状態では、互いに対向配置されている透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとの間の液晶層4で、液晶分子と二色性色素とがガラス基板2,3に対して垂直方向に配向されており、ほぼ透明になっている。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は100%となっている。
【0046】
次に、透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとの間に電圧を印加すると、液晶分子と二色性色素とがガラス基板2,3に対して斜めになって二色性色素の色が見える着色状態となり、電圧の増加に伴って着色が大になる。このときのスペクトル特性を図3(a)に示す。図3(a)から、透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとの間の液晶層4では、電圧が増加するに従って、着色が大になり、透過率が減少することが明らかである。
【0047】
一方、透明電極層6a,6b,6c,6d、接続部9と、透明電極層7a,7b,7c,7d、接続部10a,10b,10c,10dとが形成されていない部分では、液晶配向膜層も形成されていない。従って、前記部分では、液晶分子と二色性色素とはガラス基板2,3に対して水平(平行)に並んでいる状態(アモルファス配向)となっており、初めから二色性色素の色が見える着色状態となっている。このときのスペクトル特性を図3(b)に示す。図3(b)から、前記部分では、透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとの間に高電圧を印加した場合(図3(a)に示す10Vの場合)と、良く似た状態となっている。
【0048】
そこで、カメラ用絞り光学素子1aによれば、透明電極層6dと透明電極層7dとの間にのみ電圧を印加し、透明電極層6a,6b,6cと透明電極層7a,7b,7cとの間に電圧を印加しない状態とすれば、透明電極層6d,7dの部分のみが着色状態となり、他の部分が透明となる。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は50%となっている。
【0049】
また、透明電極層6d,6cと透明電極層7d,7cとの間にのみ電圧を印加し、透明電極層6a,6bと透明電極層7a,7bとの間に電圧を印加しない状態とすれば、透明電極層6d,6cと透明電極層7d,7cとの部分のみが着色状態となり、他の部分が透明となる。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は25%となっている。
【0050】
さらに、透明電極層6d,6c,6bと透明電極層7d,7c,7bとの間にのみ電圧を印加し、透明電極層6aと透明電極層7aとの間に電圧を印加しない状態とすれば、透明電極層6d,6c,6bと透明電極層7d,7c,7bとの部分のみが着色状態となり、他の部分が透明となる。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は12.5%となっている。
【0051】
従って、透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとに選択的に電圧を印加することにより、透明となる部分の大きさを多段階(上述の場合では4段階)に調節することができ、ピントの調節を行うことができる。
【0052】
また、着色状態となる部分では、印加電圧を調整することにより、着色の程度を調整することができるので、光の量の調節を連続的に行うことができる。
【0053】
尚、本態様では、前記液晶配向膜層にラビング処理を施していないが、前記液晶配向膜層は、ラビング処理を施してもよい。ラビング処理を施す場合は、ガラス基板2,3間の配向方向が90〜360°の範囲となるように行うことが好ましい。
【0054】
次に、図4に示すように、本実施形態の第2の態様のカメラ用絞り光学素子1bは、透明な板ガラスからなるガラス基板2,3と、ガラス基板2,3間に配設された電解質層11とを備え、電解質層11はガラス基板2,3の外縁に形成されたシール剤層5により封止されている。ガラス基板2は、ガラス基板3に対向する面に透明電極層6a,6b,6c,6dを備えており、ガラス基板3は、ガラス基板2に対向する面に透明電極層7a,7b,7c,7dを備えている。透明電極層6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7dは、例えば、ITOにより形成されている。そして、ガラス基板3の透明電極層7a,7b,7c,7d上には、エレクトロクロミック膜層12が形成されている。
【0055】
ガラス基板2に形成されている透明電極層6a,6b,6c,6dは、カメラ用絞り光学素子1aと同一の同心円状のパターン形状を形成している。即ち、透明電極層6a,6b,6c,6dは、実用的サイズとしての最大径(透明電極層6dの外径に相当する)が4〜10mmの範囲となっており、例えば、開口部の面積の比率を100%、50%、25%、12.5%の4段階で変化させることができるようにされている。そこで、例えば、透明電極層6dの外径が6mmの場合、透明電極層の6cの外径は4.2mm、透明電極層6bの外径は3.0mm、透明電極層6aの直径はは2.1mmとされており、各透明電極層6a,6b,6c,6dの間隔は60μmとされている。各透明電極層6a,6b,6c,6dは、カメラ用絞り光学素子1aと同一にして、接続部9を介して外部電源に接続自在とされ、同時にオン/オフできるようにされている。
【0056】
一方、ガラス基板3に形成されている透明電極層7a,7b,7c,7dは、カメラ用絞り光学素子1aと同一の同心円状のパターン形状を形成している。即ち、透明電極層7d,7c,7bの外径は透明電極層6d,6c,6bの外径と同一となっており、透明電極層7aの直径は透明電極層6aの直径と同一となっている。また、各透明電極層7a,7b,7c,7dの間隔は、各透明電極層6a,6b,6c,6dの間隔と同一になっている。各透明電極層7a,7b,7c,7dは、カメラ用絞り光学素子1aと同一にして、接続部10a,10b,10c,10dを介してそれぞれ独立に外部電源に接続自在とされ、それぞれ独立にオン/オフできるようにされている。
【0057】
エレクトロクロミック膜層12は、界面膜の透明状態と着色状態とを切り替える型のエレクトロクロミック膜であればどのような材料からなるものであってもよい。このようなエレクトロクロミック膜として、三酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン、酸化タングステン−モリブデン複合膜、酸化バナジウム、酸化イリジウム、二酸化マンガン、酸化ニッケル等の金属酸化物や、ビオロゲン化合物、スチリル系化合物等の有機系材料等からなるものを挙げることができ、例えば、三酸化タングステンからなるエレクトロクロミック膜層12を用いることができる。
【0058】
前記エレクトロクロミック膜層12は、真空蒸着法、RFマグネトロンスパッタ法等のスパッタ法、メッキ法、LB法、スクリーン印刷、スピンコート、ダイコート等の各種印刷法により形成することができ、例えば、真空蒸着法により形成することができる。
【0059】
前記エレクトロクロミック膜層12は、緻密な膜構造であることは好ましくなく、アモルファスで多くの隙間を有する構造であることが好ましい。前記エレクトロクロミック膜層12は、前記隙間を有する構造とするために、積極的に微小な粒子を分散させてもよい。
【0060】
本態様のカメラ用絞り光学素子1bは、例えば、次のようにして製造することができる。
【0061】
まず、ITOからなる透明電極層が全面に形成された1対のガラス基板2,3を用意する。ガラス基板2,3は、厚さ0.4mmの透明な青板ガラスからなり、透明電極層は800オングストロームの厚さに形成されている。
【0062】
次に、ガラス基板3の透明電極層上に、真空蒸着法により三酸化タングステン層を形成し、300〜550℃の範囲の温度で20〜60分間、例えば350℃で30分間熱処理を行うことによりエレクトロクロミック膜層を形成する
次に、ガラス基板2の前記透明電極層が形成された面に、YVOレーザまたはYAGレーザ、例えば出力10W、波長1064nmのYVOレーザ(YVO社製)を照射し、不要部分の前記透明電極層を除去して、図2(a)に示すパターン形状を形成する。また、ガラス基板3の前記透明電極層と前記エレクトロクロミック膜層とが形成された面に、YVOレーザまたはYAGレーザ、例えば出力10W、波長1064nmのYVOレーザ(YVO社製)を照射し、不要部分の前記透明電極層を除去して、図2(b)に示すパターン形状を形成する。
【0063】
前記レーザの照射は、LDパワーを1〜100%の範囲とし、Qスイッチを10〜100kHzの範囲とし、移動速度を1〜1500mm/秒の範囲として行うことが好ましく、例えば、LDパワー75%、Qスイッチ50kHz、移動速度500mm/秒で行う。
【0064】
この結果、ガラス基板2上には、透明電極層6a,6b,6c,6dと、接続部9とが得られる。また、ガラス基板3上には、透明電極層7a,7b,7c,7dと、接続部10a,10b,10c,10dと、透明電極層7a,7b,7c,7d、接続部10a,10b,10c,10d上に形成されたエレクトロクロミック膜層12とが得られる。
【0065】
前記レーザが照射された部分を顕微鏡観察したところ、ガラス基板2では前記透明電極層が完全に除去されて、ガラス基板2の表面が露出しており、ガラス基板3では前記透明電極層と前記エレクトロクロミック膜層とが完全に除去されて、ガラス基板3の表面が露出していた。ガラス基板2,3の表面は、80オングストローム程度の表面粗さがあるが、該表面粗さは透明電極層6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7dの表面と同程度であり、十分な平滑性を備えている。
【0066】
前記YVOレーザは、前記透明電極層を形成するITOには吸収されるが、ガラス基板2,3には吸収されずにそのまま透過されており、また前記1064nmという波長の点でも殆ど熱を発生しないためと考えられる。従って、前記レーザの照射によれば、主にアブレーションにより、前記透明電極層を形成するITOと前記エレクトロクロミック膜層とを原子レベルで分解して除去しており、ガラス基板2,3には殆ど損傷を与えず、ガラス基板2,3の表面に前記平滑性が得られるものと考えられる。
【0067】
次に、上基板であるガラス基板2上に、ギャップコントロール剤を2〜5重量%の範囲で、例えば5重量%含むメインシール剤(三井化学株式会社製、商品名:ES−7500)を塗布し、シール剤層5を形成する。前記ギャップコントロール剤は、電解質層11の厚さに合わせ、50〜200μmの範囲の直径を備えるものを用いることができ、例えば、直径75μmのプラスチックボールを用いる。前記メインシール剤の塗布は、例えば、スクリーン印刷またはディスペンサーにより行うことができる。
【0068】
次に、ガラス基板2,3を、透明電極層6a,7aの中心点が重なるようにして重ね合わせてセルを形成し、該セルに電解液を真空注入して、電解質層11を形成する。前記電解液としては、NaOH溶液、各種液体塩、アセトニトリル等の溶媒を挙げることができ、例えばNaOH溶液を用いることができる。
【0069】
次に、前記電解液の注入口にエンドシール剤を塗布して封止することにより、カメラ用絞り光学素子1bが完成する。
【0070】
本態様のカメラ用絞り光学素子1bは、次のように作動する。
【0071】
まず、電圧が印加されていない状態では、互いに対向配置されている透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとが存在する部分は、ほぼ透明になっている。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は100%となっている。
【0072】
次に、透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとの間に電圧を印加すると、電解質層11からエレクトクロミック膜層12に陽イオンが注入され、エレクトクロミック膜層12が着色状態となり、電圧の増加に伴って着色が大になる。このときのスペクトル特性を図4に示す。図4から、エレクトクロミック膜層12では、電圧が増加するに従って、着色が大になり、透過率が減少することが明らかである。
【0073】
そこで、カメラ用絞り光学素子1bによれば、透明電極層6dと透明電極層7dとの間にのみ電圧を印加し、透明電極層6a,6b,6cと透明電極層7a,7b,7cとの間に電圧を印加しない状態とすれば、透明電極層6d,7dの部分のみが着色状態となり、他の部分が透明となる。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は50%となっている。
【0074】
また、透明電極層6d,6cと透明電極層7d,7cとの間にのみ電圧を印加し、透明電極層6a,6bと透明電極層7a,7bとの間に電圧を印加しない状態とすれば、透明電極層6d,6cと透明電極層7d,7cとの部分のみが着色状態となり、他の部分が透明となる。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は25%となっている。
【0075】
さらに、透明電極層6d,6c,6bと透明電極層7d,7c,7bとの間にのみ電圧を印加し、透明電極層6aと透明電極層7aとの間に電圧を印加しない状態とすれば、透明電極層6d,6c,6bと透明電極層7d,7c,7bとの部分のみが着色状態となり、他の部分が透明となる。この状態で、カメラ用絞りとしての開口部の面積の比率は12.5%となっている。
【0076】
従って、透明電極層6a,6b,6c,6dと透明電極層7a,7b,7c,7dとに選択的に電圧を印加することにより、透明となる部分の大きさを多段階(上述の場合では4段階)に調節することができ、ピントの調節を行うことができる。
【0077】
このとき、カメラ用絞り光学素子1aでは、透明電極層6a,6b,6c,6d、接続部9と、透明電極層7a,7b,7c,7d、接続部10a,10b,10c,10dとが形成されていない部分では、エレクトクロミック膜層も形成されていない。従って、電圧が印加された透明電極以外の透明電極の部分での着色、いわゆるクロストークを確実に防止することができる。
【0078】
また、着色状態となる部分では、印加電圧を調整することにより、着色の程度を調整することができるので、光の量の調節を連続的に行うことができる。
【0079】
尚、本態様では、エレクトクロミック膜層が形成されていないガラス基板2側の透明電極6a,6b,6c,6dは何も処理が施されていないが、透明電極6a,6b,6c,6d上に電子供与膜を形成するようにしてもよい。
【0080】
本実施形態のカメラ用絞り光学素子1a,1bによれば、透明電極層6a,6b,6c,6dのいずれかと、これに対応する透明電極層7a,7b,7c,7dのいずれかとに選択的に電圧を印加すると共に、印加する電圧を調節することにより、各透明電極6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7dが存在する部分の光透過率を自由に制御することができる。従って、様々な光透過状態を実現することができ、カメラにおける様々な撮影シーン、撮影環境等に応じて撮影性能を自由に選択することができる。
【0081】
例えば、外光が強い状況下で背景を含めた全体がきれいに映るように撮影したい場合には、透明電極6a,6b,6c,6dと、透明電極7a,7b,7c,7dとの全てに電圧を印加してカメラの感光部に当たる光の量を少なくしてやればよい。また、外光が強い状況下で近くの被写体に焦点を合わせて強調したい場合には、中央の透明電極6aと、透明電極7aとを除く他の全ての透明電極6b,6c,6dと、透明電極7b,7c,7dとに電圧を印加してピント調整を行うことができる。
【0082】
本実施形態のカメラ用絞り光学素子1a,1bは、例えば、デジタルスチルカメラ全般、ビデオカメラ、防犯カメラ、車載カメラ等の動画撮影用カメラ全般、カメラ付き携帯電話、PDA、パソコン等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明のカメラ用絞り光学素子の一実施形態を示す説明的断面図。
【図2】図1に示すカメラ用絞り光学素子における透明電極層のパターン形状を示す平面図。
【図3】図1に示すカメラ用絞り光学素子におけるスペクトル特性を示すグラフ。
【図4】本発明のカメラ用絞り光学素子の他の実施形態を示す説明的断面図。
【図5】図4に示すカメラ用絞り光学素子におけるスペクトル特性を示すグラフ。
【符号の説明】
【0084】
1a,1b…カメラ用絞り光学素子、 2,3…ガラス基板、 4…液晶層、 6a,6b,6c,6d…透明電極層、 7a,7b,7c,7d…透明電極層、 8…液晶配向膜層、 11…電解質層、 12…エレクトロクロミック膜層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の表面に、所定のパターンを備える透明電極層と該透明電極層上に形成された液晶用配向膜層とを備え、該液晶用配向膜層が互いに対向配置された1対のガラス基板と、
両ガラス基板間に配設され、二色性色素とカイラル剤とを含む液晶層とを備えるカメラ用絞り光学素子において、
該透明電極層は、該ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備えることを特徴とするカメラ用絞り光学素子。
【請求項2】
前記液晶用配向膜層は、垂直配向膜からなることを特徴とする請求項1記載のカメラ用絞り光学素子。
【請求項3】
一方の表面に、所定のパターンを備える透明電極層と該透明電極層上に形成されたエレクトロクロミック膜層とを備える第1のガラス基板と、
一方の表面に、所定のパターンを備える透明電極層を備え、該透明電極層が第1のガラス基板のエレクトロクロミック膜層に対向配置された第2のガラス基板と、
両ガラス基板間に配設された電解質層とを備えるカメラ用絞り光学素子において、
該透明電極層は、該ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備えることを特徴とするカメラ用絞り光学素子。
【請求項4】
前記エレクトロクロミック膜層は、三酸化タングステン膜からなることを特徴とする請求項2記載のカメラ用絞り光学素子。
【請求項5】
1対のガラス基板上の全面に透明電極層を形成する工程と、
各ガラス基板上に形成された該透明電極層上の全面に液晶用配向膜層を形成する工程と、
各ガラス基板の該透明電極層と該液晶用配向膜層とが形成された面にレーザを照射して、該レーザが照射された部分の該透明電極層と該液晶用配向膜層とを除去することにより、各ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備える透明電極層を形成する工程とを備えることを特徴とするカメラ用絞り光学素子の製造方法。
【請求項6】
1対のガラス基板上の全面に透明電極層を形成する工程と、
第1のガラス基板上に形成された該透明電極層上の全面にエレクトロクロミック膜層を形成する工程と、
第1のガラス基板の該透明電極層と該エレクトロクロミック膜層とが形成された面にレーザを照射して、該レーザが照射された部分の該透明電極層とエレクトロクロミック膜層とを除去すると共に、第2のガラス基板の該透明電極層が形成された面にレーザを照射して、該レーザが照射された部分の該透明電極層を除去し、各ガラス基板上に同心円状に配置された複数の部分を備える透明電極層を形成する工程とを備えることを特徴とするカメラ用絞り光学素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−248604(P2007−248604A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69131(P2006−69131)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】