説明

カメラ装置および色補正方法

【課題】 照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことのできるカメラ装置を提供する。
【解決手段】 カメラ装置1は、補色フィルタを有する撮像部2と、撮像部2から得られた映像信号に基づいて色温度の推定を行う色温度推定部8と、推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出する色パラメータ算出部9と、算出された色パラメータ値を用いて色補正を行う色補正部7を備える。色パラメータ算出部9は、二つの基準となる色温度(第1色温度2000Kと第2色温度3200K)における色パラメータの値(第1色パラメータ値と第2色パラメータ値)に基づいて、推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置で用いられる色補正の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラなどのカメラ装置では、カメラの感度を上げるために補色CCD(補色フィルタを有する撮像素子)が用いられている。この従来のカメラ装置では、補色CCDの分光感度に応じて色パラメータが設定されており、その色パラメータを用いて色補正(キャリブレーション)が行われている(例えば、特許文献1参照)。そして通常、この色パラメータの値は、いわゆる標準光源(例えば色温度3200K)の照明条件にあわせて設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−104046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のカメラ装置では、色パラメータの値が標準光源(例えば色温度3200Kのハロゲン光)の照明条件にあわせて設定されているので、照明条件が変化した場合には、色位相ずれが発生してしまい、適切な色補正が行われないという問題があった。例えば、光源の色温度が極端に低い場合(特に、トンネル内の照明などの近赤外光に近い照明条件下の場合)には、本来は白っぽい色であるにもかかわらず、適切な色補正が行われずにオレンジがかった色になってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、3次元色空間(輝度1次元、色差2次元の色空間)のなかで色パラメータの値を任意に指定する技術を使って、色パラメータのずれを校正することも考えれられる。しかし、色パラメータの数は、原色と補色(例えば「R」「G」「B」の3原色と「Cy」「Mg」「Ye」の3つの補色)を基本として無数に存在し、しかも、ひとつひとつの色パラメータについて色温度ごとに補正量も異なる。したがって、すべての色パラメータについての色温度ごとの校正量のテーブルデータは、そのデータ量が非常に膨大になってしまい、とても実用的であるとは言いがたい。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、しかも、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことのできるカメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカメラ装置は、撮像部と、前記撮像部から得られた映像信号に基づいて色温度の推定を行う色温度推定部と、二つの基準となる色温度である第1色温度と第2色温度における色パラメータの値である第1色パラメータ値と第2色パラメータ値に基づいて、前記推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出する色パラメータ算出部と、前記算出された色パラメータ値を用いて色補正を行う色補正部と、を備えた構成を有している。
【0008】
この構成により、二つの基準となる色温度(第1色温度と第2色温度)における色パラメータの値(第1色パラメータ値と第2色パラメータ値)のデータさえ持っていれば、映像信号から推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出することができる。この第1色パラメータ値と第2色パラメータ値のデータ量は、従来の色パラメータ校正に必要なデータ量に比べて格段に少ない。これにより、照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、しかも、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことができる。
【0009】
また、本発明のカメラ装置は、前記色補正に用いる色パラメータ値を、標準の色温度に対応する色パラメータ値から前記算出された色パラメータ値へと徐々に変化させる色パラメータ制御部を備えた構成を有している。
【0010】
この構成により、照明条件の変化に応じて算出された色パラメータ値を用いて色補正をするときには、標準の色温度に対応する色パラメータ値から徐々に変化させるように色パラメータ値が制御される。これにより、照明条件が変化したときに急激な色補正が行われることが防止され、自然な感じで徐々に色補正(適切な色パラメータ値を用いた色補正)が行われるようになる。
【0011】
また、本発明のカメラ装置は、前記撮像部で撮影された画像において動きのある被写体を検出する動き検出部と、前記動きのある被写体が検出されたときに、標準の色温度に対応する色パラメータ値から前記算出された色パラメータ値へ変化させるのを抑制する第2の色パラメータ制御部と、を備えた構成を有している。
【0012】
この構成により、撮影された画像中に動きのある被写体が含まれている場合には、色温度を誤って推定するおそれがあるが、そのような場合には、標準の色温度に対応する色パラメータ値を用いて色補正を行うように色パラメータ値が制御される。これにより、誤推定された色温度に基づいて算出された色パラメータ値(適切でない色パラメータ値)を用いて色補正が行われるのを防止することができる。
【0013】
また、本発明のカメラ装置は、前記推定された色温度と現在時刻との関連度に基づいて、前記算出された色パラメータ値を前記色補正に用いるか否かを判定する判定部を備えた構成を有している。
【0014】
この構成により、映像信号から推定された色温度と現在時刻との関連度が低い場合には、色温度を誤って推定するおそれがあるが、そのような場合には、算出された色パラメータ値を色補正に用いない(つまり、標準の色温度に対応する色パラメータ値を用いて色補正を行う)と判定される。これにより、誤推定された色温度に基づいて算出された色パラメータ値(適切でない色パラメータ値)を用いて色補正が行われるのを防止することができる。
【0015】
本発明の色補正方法は、撮像部を備えたカメラ装置で用いられる色補正方法であって、前記撮像部から得られた映像信号に基づいて色温度の推定を行うことと、二つの基準となる色温度である第1色温度と第2色温度における色パラメータの値である第1色パラメータ値と第2色パラメータ値に基づいて、前記推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出することと、前記算出された色パラメータ値を用いて色補正を行うことと、を含んでいる。
【0016】
この方法によっても、上記と同様に、二つの基準となる色温度(第1色温度と第2色温度)における色パラメータの値(第1色パラメータ値と第2色パラメータ値)のデータさえ持っていれば、映像信号から推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出することができる。したがって、照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、しかも、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、二つの基準の色温度における色パラメータの値に基づいて、色補正に用いる色パラメータ値を算出する色パラメータ算出部を設けることにより、照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、しかも、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことができるという効果を有するカメラ装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態におけるカメラ装置の構成を示すブロック図
【図2】色パラメータ算出部における処理(色変換率の算出処理)の説明図
【図3】本発明の実施の形態における基本的な色補正処理の流れを示すフロー図
【図4】動き検出を行うときの色補正処理の流れを示すフロー図
【図5】色温度と現在時刻との関連度の判定を行うときの色補正処理の流れを示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態のカメラ装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、監視カメラ等に用いられるカメラ装置の場合を例示する。
【0020】
本発明の実施の形態のカメラ装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のカメラ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、カメラ装置1は、補色CCD(補色フィルタを有する撮像素子)を備える撮像部2と、DSPなどで構成される映像処理部3と、映像処理部3の動作を制御するためのマイコン4を備えている。
【0021】
映像処理部3は、撮像部2で撮影された画像に含まれる白色の領域(白領域)を検出する白検出部5と、撮像部2で撮影された画像に含まれる動きのある被写体を検出する動き検出部6と、算出された色パラメータ値(後述する)を用いて色補正を行う色補正部7を備えている。
【0022】
一方、マイコン4は、白検出部5で検出された白領域の映像信号に基づいて色温度の推定を行なう色温度推定部8と、推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出する色パラメータ算出部9と、色補正に用いる色パラメータ値を制御する色パラメータ制御部10を備えている。
【0023】
また、マイコン4は、現在時刻情報を取得することができるクロック部11と、推定された色温度と現在時刻との関連度に基づいて、色パラメータ算出部9で算出された色パラメータ値を色補正に用いるか否かを判定する判定部12を備えている。
【0024】
色パラメータ算出部9は、二つの基準となる色温度(第1色温度と第2色温度)における色パラメータの値(第1色パラメータ値と第2色パラメータ値)に基づいて、推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出する機能を有している。第1色温度は、例えば2000Kであり、第2色温度は、例えば3200Kである。
【0025】
ここで、色パラメータ算出部9の機能について、図2を参照しながら詳しく説明する。図2は、色パラメータ算出部9における処理(色変換率の算出処理)の説明図である。図2には、色変換率を利用して「R」と「B」の色パラメータ値を算出する場合が例示されている。
【0026】
まず、「B」の色パラメータ値を算出する処理について説明すると、図2に示すように、色パラメータ算出部9は、事前に測定された二つの基準の色温度(2000Kと3200K)における「B」の色パラメータの値(白丸印で図示)を、二つの基準の色変換率(0%と100%)として保持している。色変換率は、二つの色温度(2000Kと3200K)における「B」の色パラメータの値を基準として、一方の色温度(2000K)の値から他方の色温度(3200K)の値へどの程度の割合(%)で変化させた値を、推定された色温度に対応する色パラメータ値として算出するかを示すものである。
【0027】
例えば、色変換率が0%のときには、色温度2000Kにおける「B」の色パラメータの値が、推定された色温度に対応する色パラメータ値として算出される。この場合には、色温度2000Kの値から色温度3200Kへの値へまったく変化していない(つまり、色変換率が0%である)といえる。
【0028】
また、色変換率が100%のときには、色温度3200Kにおける「B」の色パラメータの値が、推定された色温度に対応する色パラメータ値として算出される。この場合には、色温度2000Kの値から色温度3200Kへの値へ完全に変化している(つまり、色変換率が100%である)といえる。
【0029】
そして、色パラメータ算出部9は、このような色変換率の曲線を用いて、推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出する。例えば、推定された色温度が3000Kであったとする。その場合には、図2に示すように、色変換率の曲線から「B」の色変換率が「80%」であることがわかり、色温度2000Kの値から色温度3200Kへの値へ「80%」変化させた値が、推定された色温度(3000K)に対応する「B」の色パラメータ値として算出される。
【0030】
なお、ここでは、説明を省略するが、「R」などの他の色についても同様に、推定された色温度(例えば、3000K)に対応する色パラメータ値が算出される。例えば、「R」については、図2に示すように、色温度3200Kの値から色温度2000Kへの値へ「10%」変化させた値が、推定された色温度(3000K)に対応する「R」の色パラメータ値として算出される。
【0031】
なお、ここでは、二つの基準の色温度(2000Kと3200K)における色パラメータの値を基準として、一方の色温度(2000K)の値から他方の色温度(3200K)の値への変化の割合(色変換率)を「曲線」で近似した例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例えば、色変換率を「直線」で近似してもよい。また、二つの基準の色温度は、2000Kと3200Kに限られるものではない。
【0032】
つぎに、色パラメータ制御部10の機能について説明する。色パラメータ制御部10は、色補正に用いる色パラメータ値を、標準の色温度に対応する色パラメータ値(単に「標準値」ともいう)から、色パラメータ算出部9で算出された色パラメータ値(単に「算出値」ともいう)になるように、徐々に(例えば、5秒間かけてゆっくりと)変化させる機能を有している。標準の色温度は、例えば3200Kである。
【0033】
また、色パラメータ制御部10は、動き検出部6によって動きのある被写体が検出された場合に、色補正に用いる色パラメータ値を、標準値から算出値へ変化させるのを抑制する機能を備えている。したがって、この色パラメータ制御部10は、本発明の第2の色パラメータ制御部10を兼ねているともいえる。なお、この標準値から算出値への変化を抑制する処理には、標準値から算出値への変化を防止する(まったく変化させない)処理と、標準値から算出値への変化量を低く抑える(少しだけ変化させる)処理が含まれる。
【0034】
つづいて、判定部12の機能について説明する。判定部12は、推定された色温度と現在時刻との関連度が低いときには、色パラメータ算出部9で算出された色パラメータ値を色補正に用いないと判定する。例えば、推定された色温度が低い場合(例えば、オレンジ色の照明条件下の場合)に、現在時刻が「朝」や「昼」の時間帯であるときには、両者の関連度が低いと判定される。そして、この判定部12によって色温度と現在時刻との関連度が低いと判定された場合には、色パラメータ制御部10は、上記と同様に、色補正に用いる色パラメータ値を、標準値から算出値へ変化させるのを抑制する。
【0035】
以上のように構成されたカメラ装置1について、図面を参照してその動作を説明する。ここでは、本発明の特徴である色補正処理の流れを中心に説明する。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態における基本的な色補正処理の流れを示すフロー図である。図3に示すように、基本的な色補正処理では、撮像部2で画像の撮影が行われた後に(S1)、白検出部5でその画像内の白領域が検出され(S2)、色温度推定部8において白領域から色温度を推定する処理が行われる(S3)。そして、色パラメータ算出部9では、推定された色温度から、上述のように色変換率を用いて色パラメータ値が算出される(S4)。そして、パラメータ制御部では、色補正に用いる色パラメータ値を標準値から算出値へ徐々に変化させる制御が行われ(S5)、色補正部7では、この色パラメータ値を用いて色補正処理が行われる(S6)。
【0037】
図4は、動き検出を行うときの色補正処理の流れを示すフロー図である。図4に示すように、この場合には、撮像部2で画像の撮影が行われた後に(S1)、動き検出部6において画像中に動きのある被写体が含まれているか否かの検出が行われる(S7)。そして、画像中に動きのある被写体が検出された場合には、パラメータ制御部で、色補正に用いる色パラメータ値を標準値から算出値へ変化させるのを抑制する制御が行われ(S8)、色補正部7で、この色パラメータ値を用いて色補正処理が行われる(S9)。なお、画像中に動きのある被写体が検出されなかった場合には、基本的な色補正処理と同様の処理(S2〜S6)が行われる。
【0038】
図5は、色温度と現在時刻との関連度の判定を行うときの色補正処理の流れを示すフロー図である。図5に示すように、この場合には、まず、基本的な色補正処理と同様、撮像部2で画像の撮影が行われた後に(S1)、白検出部5でその画像内の白領域が検出され(S2)、色温度推定部8において白領域から色温度を推定する処理が行われる(S3)。そして、判定部12において、この推定された色温度と現在時刻と関連があるか否か(関連度が高いか否か)の判定が行われる(S10)。色温度と現在時刻の関連度が低いと判定された場合には、パラメータ制御部で、色補正に用いる色パラメータ値を標準値から算出値へ変化させるのを抑制する制御が行われ(S11)、色補正部7で、この色パラメータ値を用いて色補正処理が行われる(S12)。なお、色温度と現在時刻の関連度が高いと判定された場合には、基本的な色補正処理と同様の処理(S4〜S6)が行われる。
【0039】
このような本発明の実施の形態のカメラ装置1によれば、二つの基準の色温度(2000Kと3200K)における色パラメータの値に基づいて、色補正に用いる色パラメータ値を算出する色パラメータ算出部9を設けることにより、照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、しかも、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことができる。
【0040】
すなわち、本実施の形態では、二つの基準となる色温度(第1色温度2000Kと第2色温度3200K)における色パラメータの値(第1色パラメータ値と第2色パラメータ値)のデータさえ持っていれば、映像信号から推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出することができる。この第1色パラメータ値と第2色パラメータ値のデータ量は、従来の色パラメータ校正に必要なデータ量に比べて格段に少ない。これにより、照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、しかも、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことができる。
【0041】
また、本実施の形態では、照明条件の変化に応じて算出された色パラメータ値を用いて色補正をするときには、標準の色温度に対応する色パラメータ値から徐々に(例えば約5秒かけてゆっくり)変化させるように色パラメータ値が制御される。これにより、照明条件が変化したときに急激な色補正が行われることが防止され、自然な感じで徐々に色補正(適切な色パラメータ値を用いた色補正)が行われるようになる。
【0042】
また、本実施の形態では、撮影された画像中に動きのある被写体が含まれている場合には、色温度を誤って推定するおそれがあるが、そのような場合には、標準の色温度に対応する色パラメータ値を用いて色補正を行うように色パラメータ値が制御される。これにより、誤推定された色温度に基づいて算出された色パラメータ値(適切でない色パラメータ値)を用いて色補正が行われるのを防止することができる。
【0043】
例えば、画面中のホワイトボードの前を人物が通過している間などは、白領域を誤検出するおそれがあり、その結果、色温度を誤って推定するおそれがある。したがって、このような場合には、標準の色温度に対応する色パラメータ値を用いて色補正を行うように色パラメータ値が制御される。これにより、色温度を推定する際の精度を向上することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、映像信号から推定された色温度と現在時刻との関連度が低い場合には、色温度を誤って推定するおそれがあるが、そのような場合には、算出された色パラメータ値を色補正に用いない(つまり、標準の色温度に対応する色パラメータ値を用いて色補正を行う)と判定される。これにより、誤推定された色温度に基づいて算出された色パラメータ値(適切でない色パラメータ値)を用いて色補正が行われるのを防止することができる。
【0045】
例えば、推定された色温度が「オレンジ色」である場合、現在時刻が「朝」や「昼」であれば両者の関連度は低いと判定され、一方、現在時刻が「夕方」であれば両者の関連度は高いと判定される。これにより、色温度を推定する際の精度を向上することができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかるカメラ装置は、照明条件の変化に応じた適切な色パラメータ値を用いて色再現性のよい色補正を行うことができ、適切な色パラメータ値を求めるために必要とされるデータ量を大幅に減らすことができるという効果を有し、監視カメラ等として用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 カメラ装置
2 撮像部
3 映像処理部
4 マイコン
5 白検出部
6 動き検出部
7 色補正部
8 色温度推定部
9 色パラメータ算出部
10 色パラメータ制御部
11 クロック部
12 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
前記撮像部から得られた映像信号に基づいて色温度の推定を行う色温度推定部と、
二つの基準となる色温度である第1色温度と第2色温度における色パラメータの値である第1色パラメータ値と第2色パラメータ値に基づいて、前記推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出する色パラメータ算出部と、
前記算出された色パラメータ値を用いて色補正を行う色補正部と、
を備えたことを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
前記色補正に用いる色パラメータ値を、標準の色温度に対応する色パラメータ値から前記算出された色パラメータ値へと徐々に変化させる色パラメータ制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記撮像部で撮影された画像において動きのある被写体を検出する動き検出部と、
前記動きのある被写体が検出されたときには、前記色補正に用いる色パラメータ値を、標準の色温度に対応する色パラメータ値から前記算出された色パラメータ値へ変化させるのを抑制する第2の色パラメータ制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記推定された色温度と現在時刻との関連度に基づいて、前記算出された色パラメータ値を前記色補正に用いるか否かを判定する判定部を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカメラ装置。
【請求項5】
撮像部を備えたカメラ装置で用いられる色補正方法であって、
前記撮像部から得られた映像信号に基づいて色温度の推定を行うことと、
二つの基準となる色温度である第1色温度と第2色温度における色パラメータの値である第1色パラメータ値と第2色パラメータ値に基づいて、前記推定された色温度に対応する色パラメータ値を算出することと、
前記算出された色パラメータ値を用いて色補正を行うことと、
を含むことを特徴とする色補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−273232(P2010−273232A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124904(P2009−124904)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】