説明

カメラ

【課題】ユーザが太陽充電の効果を直感的に確認できるようにすること。
【解決手段】二次電池5へ充電するための太陽電池3が設けられたカメラにおいて、CPU1は、上記充電池の充電量を判定する第1の判定(S282)と、撮影前に、上記太陽電池によって充電された充電量が、1回以上の撮影が可能か否かを判定する第2の判定(S284)と、を行い、表示部2に、上記第1の判定の判定結果の表示を行う(S283)と共に、上記第2の判定の判定結果の表示を行う(S285,S11)。特に、上記第2の判定の結果の表示として、撮影(S29)後に、太陽電池によって充電された充電量による撮影可能回数の表示を行う(S33,S11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池によってエネルギーを供給されるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の充電方法としては、いくつかの手段が考えられており、その一つに、太陽電池によって太陽などの光を電流に変換して、二次電池を充電するものが知られている。
【0003】
太陽電池を用いて効率良く二次電池を充電するためには、太陽電池の受光面を正しく太陽の光に向ける必要があることから、その太陽電池に入射する光の量を検出して表示する装置が、特許文献1等で提案されている。
【0004】
さらに、太陽充電による二次電池の充電量は、充電時間をどれだけ長く取るかに大きく依存する。太陽の光が強く、出力電流量が大きい時でも、十分な充電時間を取らないと、所望のエネルギーが得られず、例えばそのような二次電池で動作する機器としてカメラを考えた場合には、十分な撮影を行うことができない恐れがある。これに対して、少ない光でも長く充電すれば、撮影が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭64−47183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
つまり、カメラのような1枚、2枚と、撮影ができるかがどうかが気になる機器においては、この充電量が、その撮影可能枚数に換算されなければ、ユーザは全く太陽充電の量を把握し直感的に理解することができない。
【0007】
つまり、充電式カメラにおいては、単に光の強さや太陽充電の量のみを表示することだけでは、不十分な仕様と言える。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ユーザが太陽充電の効果を直感的に確認できるようにし、さらに、それによって、十分な太陽充電時間を取ってもらい、効率的な充電と数多くの撮影を楽しんでもらうことができるカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明によるカメラは、充電式電池へ充電するための太陽電池が設けられたカメラにおいて、
上記充電池の充電量を判定する第1の判定部と、
撮影前に上記太陽電池によって充電された充電量が、1回以上の撮影が可能か否かを判定する第2の判定部と、
上記第1の判定部の判定結果と、上記第2の判定部の判定結果と、を表示する表示部と、
上記表示部を制御する表示制御部と、
を具備し、
上記表示制御部は、上記第2の判定部によって1回以上の撮影が可能と判定された場合、撮影後に、上記太陽電池によって充電された充電量による撮影可能回数を、上記第2の判定結果として上記表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明のカメラによれば、太陽電池によって充電された充電量が1回以上の撮影が可能な量であれば撮影を実施でき、撮影後に、その太陽電池によって充電された充電量によって後何回撮影できるかを表示するようにしているので、ユーザが太陽充電の効果を直感的に確認できるようになり、さらに、それによって、十分な太陽充電時間を取ってもらい、効率的な充電と数多くの撮影を楽しんでもらうことができるようになる。
【0011】
つまり、カメラ用二次電池(充電式電池)に充電されていくエネルギーを逐次、カメラの撮影可能コマ数に変換して表示すれば、ユーザは、それを見て、次の撮影までに十分な充電を行えば太陽のエネルギーだけで半永久的な撮影が楽しめるということを理解することができ、十分な充電時間を取ってから撮影を行う努力をするようになる。
【0012】
かつて、写真は晴れた日の屋外で撮影されることが多かったが、容量の大きな一次電池が出回り、フィルム感度や小型ストロボの改良によって、どこででも手軽に撮影できる道具となった。
【0013】
一方、その便利さから、十分な心がまえなく気楽に撮影されたが故に失敗写真となってしまうケースも多く、大量のフィルムが捨てられ、電池の廃棄にも無感覚になって環境問題を引き起こしてしまう方向になりがちであった。
【0014】
本発明によれば、以上の問題を踏まえて、充電時間という制約を多少なりとも意識させ、ユーザに、より効率的な写真撮影を行ってもらうことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上詳述したように、本発明によれば、ユーザが太陽充電の効果を直感的に確認できるようにすることができ、それによって、ユーザに十分な太陽充電時間を取ってもらい、効率的な充電と数多くの撮影を楽しんでもらうことができるカメラを提供することができる。
【0016】
また、ユーザが太陽充電の効果を直感的に確認できるので、ユーザは、その表示に応じて、適宜、充電を挟みながら撮影を行い、電池エネルギーを長持ちさせて使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係るカメラのブロック構成図であり、(B)は第1の実施の形態に係るカメラの動作フローチャートを示す図である。
【図2】(A)は太陽充電を行っている様子を示す図、(B)は第1の実施の形態に係るカメラの表示部の表示例を示す図、(C)及び(D)はそれぞれ第2の実施の形態に係るカメラのバリアを閉じた時と開けた時の外観を示す図、(E)は第2の実施の形態に係るカメラの表示部の表示例を示す図であり、(F)は第2の実施の形態に係るカメラの表示部の別の表示例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るカメラの回路構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るカメラの動作を説明する一連の動作フローチャートの前半部分を示す図である。
【図5】(A)は第2の実施の形態に係るカメラの動作を説明する一連の動作フローチャートの後半部分を示す図、(B)はバッテリチェック(B.C)サブルーチンのフローチャートを示す図であり、(C)は撮影可能枚数表示サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図6】充電量換算サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の概念となる第1の実施の形態を図1の(A)を用いて説明する。
【0020】
即ち、図1の(A)は、本発明の第1の実施の形態に係るカメラのブロック構成図であり、撮影機能7(シャッタやレンズ駆動など)を含めたシステム全体のシーケンスを司るワンチップマイクロコンピュータ等からなる演算制御手段(CPU)1が、ユーザが操作するスイッチ6の変化に従って、撮影機能7や表示部2等の制御を行う。このスイッチ6は、特別に設けられたものでも良いし、シャッタレリーズや、レンズバリアの開閉に応答するようなものであっても良い。
【0021】
こうした回路のエネルギーは、二次電池5に蓄えられたものを利用するが、この二次電池5は、太陽電池3によって太陽の光を電流変換したエネルギーで充電される。この充電量は、充電量モニタ部4によって検出され、上記CPU1に入力される。
【0022】
なお、同図中の参照番号1aは、このカメラの1回の撮影のためのエネルギーを記憶したEEPROMであり、部品のバラツキ等により1台ごとに変化する撮影時の消費エネルギーを記憶している。
【0023】
また、参照番号1bは、温度センサである。即ち、温度によって、フィルムの硬さが変化するので、撮影に必要な消費エネルギーが変化する。それを考慮するために、この温度センサ1bにより環境温度を測定し、その測温情報がCPU1に入力されるようにしている。
【0024】
このような構成のカメラは、図1の(B)のフローチャートに示すように動作する。
【0025】
即ち、ユーザが上記スイッチ6をONすると(ステップS1)、CPU1は、上記充電量モニタ部4によってモニタした充電電流Iを取り込み(ステップS2)、また、上記スイッチ6がONしたタイミングからの経過時間tをカウントする(ステップS3)。そして、Iの充電電流がtの時間流れたとして、I×tなる演算を行うことにより、充電量を算出する(ステップS4)。
【0026】
一方、撮影時の消費電流は、前述したように、環境温度やカメラの出来栄えのバラツキによって変化するので、CPU1は、上記温度センサ1bによって測温された環境温度Tを取り込むと共に(ステップS5)、予め工場で記録しておいた当該カメラのバラツキのデータをEEPROM1aから読み出す(ステップS6)。
【0027】
そして、これら環境温度Tとバラツキとを考慮して、CPU1は、撮影1枚に必要なエネルギーをI×tなる演算により求める(ステップS7)。ここで、Iは温度及びバラツキを考慮した1回のレリーズ動作で消費される電流、tはその消費時間である。なお、温度とエネルギーとの換算表等をEEPROM1aのデータとして持たせておいても良い。
【0028】
このように、充電されたエネルギーの積算値と、その時の環境下での消費エネルギーとが共にCPU1で判断できるので、CPU1は、これらのデータより、撮影枚数の換算を行って、表示部2に表示する(ステップS8)。そしてその後、上記ステップS1に戻る。
【0029】
このステップS1〜S8のループを回ることにより、順次、ステップS7で充電エネルギーが積算され、表示が更新されていく。
【0030】
従って、図2の(A)に示すように、ユーザ20は、例えば旅行に行く時に、カメラ14を車窓に置いておけば、太陽充電がなされ、表示部2によって、何枚撮影可能かを判断することができる。この時の表示部2への表示は、図2の(B)のようなものであり、図中、参照番号2bが太陽充電中表示である。また、参照番号2aが充電量を撮影可能コマ数に換算した撮影可能枚数表示部であり、ここでは棒グラフで示している。
【0031】
以上説明したように、本第1の実施の形態によれば、カメラの出来栄えや環境温度を考慮して、わかり易い充電表示が可能となる。
【0032】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本第2の実施の形態は、太陽電池だけではなく、AC充電も可能としたカメラである。
【0033】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るカメラの回路構成を示す図である。太陽充電にかかわる部分は、基本的には、図1の(A)に示した第1の実施の形態に係るカメラと同様の構成であるが、この図では、太陽電池3からの充電量モニタ部4をより詳細に図示している。
【0034】
即ち、DC/DCコンバータ8は、二次電池5よりも高いレベルの電圧まで昇圧を可能としているので、A/D変換器4bは、太陽電池3からの充電電流を、抵抗4aで電圧変換した値Vをモニタすることができる。CPU1は、それによって、充電電流を判定する。また、参照番号10は逆流防止用のダイオードであり、二次電池5がAC充電器12によって、フルチャージされているときは、太陽充電は不要、且つ、過充電による電池劣化になることから、CPU1がスイッチトランジスタ11をONさせて、太陽充電の電流を、トランジスタのコレクタに流してしまうようにしている。二次電池5の電圧は、フィルタ9を介して、CPU1や、シャッタ7aやピント合わせ機構7b、測光,測距(AE/AF)部7c等の撮影機能7に供給されている。
【0035】
表示部2及びスイッチ6は、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0036】
図2の(C)は、このカメラ14の外観を示す図である。即ち、カメラ前面に、太陽電池3、ストロボ発光部17の他、レンズを保護するバリア15が設けられている。また上面には、レリーズSW18aや、その他のスイッチ18b等が設けられており、AC充電器12の上にカメラ14が置かれれば、コンセント13より入ってくる電気エネルギーが磁気エネルギーに変換され、カメラ内の二次コイル(図示せず)に入力され、カメラ内で電気エネルギーに戻って、二次電池充電がなされる。
【0037】
撮影時は、バリア15を開くと、図2の(D)のように、保護されていた撮影レンズ16が出てきて、測距,測光窓19が現れる。
【0038】
また、このカメラ14の背面には、図2の(A)のように、表示部2が設けられている。
【0039】
図4及び図5の(A)は、本第2の実施の形態に係るカメラの一連の動作フローチャートを示している。
【0040】
即ち、CPU1は、まず、上記バリア15の開閉に応じてON/OFFする図示しないバリアスイッチの状態により、バリア15が開いているか閉じているかを判定する(ステップS10)。ここで、バリア15が開いていれば、撮影モードとなり、表示部2に所定の表示を行う(ステップS11)。そして、レリーズSW18a操作等の撮影指示がなされなければ(ステップS12)、上記ステップS10に戻る。
【0041】
これに対して、上記ステップS10においてバリア15が閉じていると判定された場合には、充電モードとなる。つまり、この例では、バリア15の開閉に応じてON/OFFする図示しないバリアスイッチが上記スイッチ6として利用されている。なお、上記撮影モードでは表示部2は常に表示ONの状態となっているが、この充電モードでは、表示部2のON/OFFは、充電されているか否かによって切り換えられる。即ち、表示にはエネルギーが必要であり、充電されていないのに表示がONされていると、無駄なエネルギー消耗となるからである。
【0042】
而して、バリア閉時は、CPU1はまず、充電エネルギー量を保持するレジスタEと、撮影可能枚数を保持するレジスタMを共に「0」にリセットする(ステップS13)。そして、AC充電するか否かを判断する(ステップS14)。AC充電時には、表示部2をONしてAC充電を行う旨を表示し(ステップS15)、充電が完了したか否かを判断する(ステップS16)。充電が完了していない場合には、上記ステップS10に戻る。そして、充電が完了したならば、表示部2に終了表示を出し(ステップS17)、完了フラグをセットしてから(ステップS18)、上記ステップS10に戻る。
【0043】
一方、上記ステップS14でAC充電ではないと判断された場合には、CPU1は次に、完了フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS19)。ここで、完了フラグがセットされている場合には、電池の過充電を対策するために、上記スイッチトランジスタ11をONさせて、太陽充電を禁止する(ステップS20)。そして、表示部2をOFFして(ステップS21)、上記ステップS10に戻る。
【0044】
これに対して、完了フラグがセットされていない場合には、太陽充電を行うモードに設定されているか否かを判断し(ステップS22)、そのようなモードに設定されていないときには、上記ステップS21に進んで、表示OFFすることになる。
【0045】
また、太陽充電を行うモードに設定されているときには、CPU1は、詳細は後述するような充電量換算サブルーチンをコールして(ステップS23)、該サブルーチンがコールされる毎に、その間の充電量Eが求められる。そして、その求めた充電量を加算することで、充電エネルギー量を保持するレジスタEの値を更新する(ステップS24)。その後、詳細は後述するような撮影可能枚数表示サブルーチンをコールして(ステップS25)、撮影枚数を求め(算出された撮影枚数はレジスタMに保持される)、表示部2に表示する(ステップS25)。この時、太陽充電量が大きくなければ(ステップS26)、上記ステップS10に戻るが、太陽充電量が大きい場合には、表示をブリンクさせてから(ステップS27)、上記ステップS10に戻る。
【0046】
一方、上記ステップS12において、バリア開で撮影操作がなされたと判断した時には、詳細は後述するようなバッテリチェック(B.C)サブルーチンをコールして(ステップS28)、バッテリチェックが行われる。そしてその後、既知の撮影動作がなされる(ステップS29)。また、こうして撮影がなされたならば、当然、電流消費も有ったとして、充電完了フラグがもしセットされていたならば(ステップS30)、それをクリアする(ステップS31)。さらに、レジスタMに保持された撮影枚数が「1」よりも小さければ(ステップS32)、上記ステップS10に戻り、「1」よりも大きい場合には、そのレジスタMの値をディクリメントしてから(ステップS33)、上記ステップS10に戻る。従って、このレジスタMの値が上記ステップS11において表示されるので、撮影のたびに、充電量が撮影枚数に換算された表示がディクリメントされていくことになる。
【0047】
図5の(B)は、上記ステップS28でコールされるバッテリチェック(B.C)サブルーチンのフローチャートである。
【0048】
即ち、まず、電池電圧をモニタし(ステップS281)、その電圧が十分であるか否かを判断する(ステップS282)。ここで電圧が十分であれば、表示部2に、図2の(E)に示すような電池マーク2dを表示して(ステップS283)、上位のルーチンに戻る。また、電池電圧が小さいときには、太陽充電で補える程度の値であるか否かを判断し(ステップS284)、太陽充電で補える程度であれば何も行わずに上位のルーチンに戻るが、太陽充電では補いきれないときには、表示部2にその旨を表示してから(ステップS285)、上位のルーチンに戻る。このステップS285でのAC充電警告表示は、例えば、図2の(E)に示すような「AC」表示2eを点滅させる等して強調するものである。
【0049】
また、上記ステップS23でコールされる充電量換算サブルーチンは、図6のフローチャートに示すようなものとなる。
【0050】
即ちまず、充電量モニタ部4の抵抗4aの両端電圧Vをモニタし(ステップS231)、これが「0」であるならば(ステップS232)、充電が行われていないので、充電量Eを「0」とし(ステップS233)、表示不要フラグをセットして(ステップS234)、上位のルーチンに戻る。
【0051】
これに対して、上記ステップS232で抵抗4aの両端電圧Vが「0」でないと判定された場合には、次に、前述のようにDC/DCコンバータ8をONさせて(ステップS235)、A/D変換器4bの検出可能レンジを大きくして、再度、抵抗4aの両端電圧Vをモニタし、それをV11とする(ステップS236)。その後、経過時間をカウントするためのカウンタtを「0」にリセットした後(ステップS237)、経過時間のカウントを行い(ステップS238)、所定のtの時間が経過したならば(ステップS239)、再度、上記抵抗4aの両端電圧Vをモニタして、それをV12とする(ステップS23A)。そして、それらV11とV12の平均値((V11+V12)/2)から電流量を求め、このサブルーチンがコールされる周期の時間tを乗じて、充電量Eを求める(ステップS23B)。この後、DC/DCコンバータ8をOFFしてから(ステップS23C)、上位のルーチンに戻る。
【0052】
また、上記ステップS25でコールされる撮影可能枚数表示サブルーチンは、図5の(C)に示すようにして行われる。
【0053】
即ち、まず、前述の表示不要フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS251)、そのフラグがセットされている場合には、表示部2を消灯制御して(ステップS252)、上位のルーチンに戻る。
【0054】
これに対して、表示不要フラグがセットされていない場合、つまり、充電電流が大きい時には、上記充電量換算サブルーチンのステップS22Bで求めた充電量Eを上記ステップS24にて積算した値Eが、1回のレリーズ動作で消費される電流I及びその消費時間tの積(I×t)の何倍に相当するかを計算する(ステップS253)。
【0055】
そして、この計算結果Mが、1枚未満であるならば(ステップS254)、上記ステップS252に進み、セグメント表示は行わずに、表示部2を消灯制御して、上位のルーチンに戻ることになる。
【0056】
しかしながら、その計算結果Mが、1枚以上であるならば、次に、2枚未満であるか否かを判別し(ステップS255)、そうであれば表示部2のセグメントを1つ点灯して(ステップS256)、上位のルーチンに戻る。また、2枚以上であるならば、次に、3枚未満であるか否かを判別し(ステップS257)、そうであれば表示部2のセグメントを2つ点灯して(ステップS258)、また、3枚以上であれば表示部2のセグメントを3つ点灯して(ステップS259)、上位のルーチンに戻る。
【0057】
即ち、表示部2は、図2の(E)に示すように、3つのセグメントでなる撮影可能枚数表示部2aを備えており、撮影可能枚数(計算結果M)に応じて、これら3つのセグメントが点灯制御される。なお、図2の(E)中、参照番号2cは、既に撮影した撮影済みコマ数を示している。
【0058】
またここでは、単純化して、1枚未満の充電時にはセグメント表示を行わないような例を示したが、1枚撮れる充電はどれぐらい時間がかかるかを知るためには、1枚分のセグメントを複数分割して、例えば図2の(F)に示すように5分割して、1/5,2/5,3/5,…と充電されていく様子を示したほうがユーザには充電を待つ時の目安となって好ましい。このとき、充電電流の大きさによってブリンク周波数を細かく変化させても良い。
【0059】
以上説明したように、本第2の実施の形態によれば、AC充電が良いか、太陽充電が良いかをユーザにわかり易く表示して認知させ、且つ、太陽充電時には、不要な過充電を防止して、電池劣化を対策すると共に、充電の効果をユーザにわかり易く認知させて、充電を待つ時間を前もってわかるようすることができる。
【0060】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能である。
【0061】
ここで、本発明の要旨をまとめると、特許請求の範囲に記載したものに加えて、以下のようなものを含む。
【0062】
(1) 充電式電池を用いたカメラにおいて、
スイッチ手段と、
このスイッチ手段の状態変化のタイミングからの上記充電式電池への充電量を検出する充電量検出手段と、
この充電量検出手段で検出した充電量から撮影可能枚数を換算する換算手段と、
この換算手段による換算結果に従って制御手段に制御される表示手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【0063】
(2) 上記換算手段は、温度情報を考慮して換算することを特徴とする(1)に記載のカメラ。
【0064】
(3) 上記カメラは、上記充電式電池がフル充電されたことを検出するフル充電検出手段をさらに具備し、
上記制御手段は、このフル充電検出手段の検出結果に応じて上記表示手段の表示制御を切り換えることを特徴とする(1)に記載のカメラ。
【0065】
(4) 上記スイッチ手段は、カメラの撮影レンズ前面を保護するバリア手段、又は、撮影時に操作されるレリーズ手段に連動するスイッチであることを特徴とする(1)に記載のカメラ。
【0066】
(5) 上記充電量検出手段は、定期的に充電状態をモニタし、充電状態と、上記スイッチタイミングからの経過時間とに従って、充電量を検出することを特徴とする(1)に記載のカメラ。
【0067】
(6) 二系列の充電手段を有する充電電池内蔵カメラにおいて、
上記一方の充電手段でフル充電されたことを検出すると、上記もう一方の充電手段の充電動作を禁止する禁止手段を有することを特徴とするカメラ。
【符号の説明】
【0068】
1 演算制御手段(CPU)
1a EEPROM
1b 温度センサ
2 表示部
2a 撮影可能枚数表示部
2b 太陽充電中表示
2d 電池マーク
2e 「AC」表示
3 太陽電池
4 充電量モニタ部
4a 抵抗
4b A/D変換器
5 二次電池
6 スイッチ
7 撮影機能
8 DC/DCコンバータ
9 フィルタ
10 ダイオード
11 スイッチトランジスタ
12 AC充電器
14 カメラ
15 バリア
18a レリーズSW
20 ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電式電池へ充電するための太陽電池が設けられたカメラにおいて、
上記充電池の充電量を判定する第1の判定部と、
撮影前に上記太陽電池によって充電された充電量が、1回以上の撮影が可能か否かを判定する第2の判定部と、
上記第1の判定部の判定結果と、上記第2の判定部の判定結果と、を表示する表示部と、
上記表示部を制御する表示制御部と、
を具備し、
上記表示制御部は、上記第2の判定部によって1回以上の撮影が可能と判定された場合、撮影後に、上記太陽電池によって充電された充電量による撮影可能回数を、上記第2の判定結果として上記表示部に表示させることを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−186191(P2010−186191A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86873(P2010−86873)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【分割の表示】特願平11−336485の分割
【原出願日】平成11年11月26日(1999.11.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】