説明

カラーフィルター、インクジェット用インク、電子写真用トナー及び現像液並びに電子インク用のバイオレット着色剤

本発明は、a)基礎顔料(I)の形態の、式(I)


のジオキサジン化合物と、b)顔料分散剤の形態の、一般式(II)のジオキサジン化合物とを含む顔料調製物の使用に関する(Qは、式(I)の基礎顔料のm価の基であり、Yは、架橋形成基であり、Xは、特に、複素環であり、mは1ないし4の整数値である。)。本発明の顔料調製物は、インクジェット用のカラーフィルターインク、電子写真用トナー及び現像液並びに電子インクのために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジオキサジン(ピグメントバイオレット23)及び顔料特異的分散剤、好ましくは、塩基性の基によって置換されたピグメントバイオレット23を基礎とする顔料調製物の、カラーフィルター、インクジェット用インク、電子写真用トナー及び現像液並びに電子インクにおける使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルターを使用すると、透過光を用いた赤、緑及び青色の像点によって、フルカラー像が生成される。「透過性」(又は非放射性)カラーフィルター(すなわち、透過光を使用するカラーフィルター)の他に、適宜、黄色、シアン及びマゼンタ色の像点で作動することができる「反射性」カラーフィルターも存在する。
【0003】
カラーフィルターでは、AM(アクティブマトリックス)とPM(パッシブマトリックス)LCD(液晶ディスプレイ)カラーフィルターが区別され、TFT(薄膜トランジスター)LCDカラーフィルターが特に重要である。
【0004】
さらに、カラーフィルターは、MEMS(DMD)(微少電気機械システム、デジタルマイクロミラー装置)、e−ペーパー及びさらに適切なディスプレイ技術とともに使用される。
【0005】
カラーフィルターディスプレーは、多様な電気光学的システム、例えば、デスクトップモニターのスクリーン中に、コンピュータースクリーン、携帯コンピュータ(ラップトップ)のスクリーン、PDA(携帯端末)中に、並びに携帯電話、ビデオカメラ、GPS(衛星利用測位システム)、及び他のモニター中に、一般的には、液晶及び電荷結合素子中に、プラズマディスプレイ中に又は電子発光及びその他のディスプレイ中に用途を見出す。最後に挙げたディスプレイは、例えば、能動(ねじれネマティック)若しくは受動(超ねじれネマティック)強誘電ディスプレイ、又は、例えば発光ダイオードであり得る。
【0006】
さらに、カラーフィルターは、従来の陰極線TVスクリーンを置き換えつつあり、又は、固定された情報及び移動する情報用の、任意の所望のサイズのディスプレイパネルとして一般的に使用され得るフラットパネルディスプレイ(フラットスクリーン)に用途を見出す。典型的なLCDカラーフィルターの構造は、概以下のように記載することができる。2つのガラスプレートの間に、液晶を有する薄層が位置している。他の多数の機能的要素の他に、上部ガラスプレートは、その外側表面上に対応する像点、例えば、赤、緑及び青(R、G、B)を有する。これらの像点は、さらに優れたコントラストを得るために、黒で輪郭を描かれる。外側に向かって、R、G、B像点は、引っかき傷などの環境効果から、適切な保護コートによって保護される。下部ガラスプレートは、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)及びTFT(薄膜トランジスター)などの、とりわけ、各像点を駆動する役割を果たすさらなる機能的要素も含有する。
【0007】
適切な光(例えば、所定の波長を有する直線偏光された光)が、下部グラスプレートを通過すれば、次いで、電気的に液晶を駆動することが可能であり、これによって、「明るい」又は「暗い」(又はその間の任意の段階)に設定される。これに対応して、カラーフィルターの像点には、光が供給されて、R、G、Bに基づく、固定又は移動式の対応する着色された像がヒトの眼に生成される。
【0008】
カラーフィルター材料に関しては、使用される着色剤に対して極めて厳格な要件が課される。
【0009】
充足されなければならない主な技術的パラメータは、以下のとおりである。
【0010】
−高い熱安定性:カラーフィルターの製造作業の間に、塗布される各層は加熱されるので、顔料調製物は、最大1時間、最大300℃の温度に耐えなければならない。
−カラーフィルター系中に直ちに分散すること;
−塗布される各カラーフィルター層の急峻且つ狭い吸収バンド;
−高いコントラスト:
−カラーフィルター媒体中での、高く且つ安定した粘度:粘度が高すぎると、液体がガラス基材上に均一に分配されなくなり、その結果、像の品質を損なう;
−加工における生態毒性が良性であること;
−非凝集挙動;
−塗布された(顔料で着色された)カラーフィルターの極めて滑らかな(でこぼこでない)表面
−耐酸性(例えば、エッチング工程のため)
−溶媒堅牢度
【0011】
WO 01/04215 A2号は、比較的大量の無機塩の存在下で、好ましくはP.V.23などの未精製顔料を摩擦に供し、続いて、得られた生成物を、有機液体の存在下で混練することを想定する、顔料を製造するための方法を開示する。同様に、カラーフィルターにおけるこのような顔料の使用も開示されている。
【0012】
米国特許第6,284,432 B1号は、有機顔料と、スルホン酸基及びスルホンアミド基を含有する有機顔料誘導体と、並びに結合剤とから構成される、カラーフィルター用の着色剤を記載する。
【0013】
しかしながら、これらの方法によって得られる着色剤は、カラーフィルター材料の塗布によって着色剤に課される正確な要件を、常に、十分に充足することはできない。このため、例えば、着色剤の分散性及び凝集挙動、それらから製造された顔料調製物の流動学、並びに該調製物から生成される層の均質性及び円滑性が、なお十分ではない。さらに、透過率、吸収限界の急峻さ、及びコントラスト(偏光の保持)などの光学的パラメータは、改良の余地がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
バイオレットの色調及び青い色調の着色の場合、C.I.ピグメントバイオレンと23を基礎とする着色剤は、色合いの理由で、特に興味深い。しかしながら、現在市場で販売されている、P.V.23を基礎とする顔料は、カラーフィルター系中でのそれらの分散性、凝集挙動、高く且つ安定した粘度、カラーフィルターの表面の品質(例えば、粗さ)、及び(像)コントラストの点で欠点を有しており、従って、全く使用できないか、制限付きで使用できるにすぎない。
【0015】
上述されている欠点を克服する、カラーフィルター、インクジェット用インク、電子写真用トナー及び現像液並びに電子インキにおいて使用するための、バイオレットの色合いを有する着色剤を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、驚くべきことに、P.V.23と、好ましくは塩基性の基によって置換される、ジオキサジン化合物を基礎とする顔料分散剤との組み合わせから構成される顔料調製物によって達成される。
【0017】
本発明は、
a)基礎顔料としての、式(I)
【0018】
【化3】

のジオキサジン化合物と、及び
b)顔料分散剤としての、式(II)
Q−[Y−X] (II)
(式中、
Qは、式(I)の基礎顔料のm価の基であり、
Yは、系列−(CR−(xは、1ないし6である。)、置換された若しくは置換されていないフェニレン、特に1,4−フェニレン、−CO−、若しくは−NR−から得られる架橋部分であり、又は、異なる種類の少なくとも2つのこのような架橋構成要素の非反復若しくは反復組み合わせであり(R、R及びRは、互いに独立に、水素又はC−Cアルキルである。)、
Xは、C原子を介して前記架橋構成要素Yに結合されており、及び、各事例において、窒素、酸素若しくは硫黄の系列から得られる1ないし3個の同一若しくは異別の環複素原子を有し、及び、必要に応じて、ベンゾ縮合環も有し、及びC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ヒドロキシアルキル若しくはフェニルによって置換され得る、脂肪族若しくは芳香族の、五員、六員若しくは七員複素環系の基であり、
又は、イミド窒素を介して架橋構成要素Yに結合されており、及び、クロロ、ブロモ、ニトロ、カルボキシル、N−(C−C)−アルキル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル若しくはベンゾイルアミノによって、ベンゾイド環上において、最大四回置換され得る、フタルイミド基であり、又は、
基−NRであり(R及びRは、互いに独立に、それぞれ、水素、置換された又は置換されていない、C−C20−アルキル又はC−C20−アルケニル、C−C−シクロアルキル、置換された又は置換されていない、フェニル、ベンジル又はナフチルである。);又は、
基−NRは、各事例において、窒素、酸素若しくは硫黄の系列から得られる1ないし3個の同一若しくは異別の環複素原子を有し、必要に応じて、ベンゾ縮合環も有し、及びヒドロキシル、オキソ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ヒドロキシアルキル若しくはフェニルによって置換され得る、脂肪族若しくは芳香族の、五員、六員若しくは七員複素環系を形成し、並びに
mは、数値1ないし4を表す。)
のジオキサジン化合物と、
を含む顔料調製物の、カラーフィルター、インクジェット用インク、電子写真トナー及び現像液並びに電子インクにおける着色剤としての使用を提供する。
【0019】
m>1であれば、基(Y−X)は、同一又は異別とすることが可能である。しかしながら、好ましくは、2以上の基(Y−X)の場合には、それらの定義は、各事例において同一である。「置換された」フェニル、フェニレン又はアルキルとは、好ましくは、水素、Cl、Br、 C−C18−アルキル、C−C−シクロアルキル、ベンジル,C−C10−アリール、ピリジル、ピリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリミジル、C−C18−アルコキシ、C−C10−アリールオキシ、C−C18−アルキルチオ、C−C10−アリールチオ、C−C18−アルキルアミノ、C−C10−アリールアミノ、ジ(C−C18−アルキル)−アミノ、C−C18−アルキル−C−C10−アリールアミノ、ジ(C−C10−アリール)−アミノ、SOH、C−C18−アルコキシスルホニル、C−C18−アルキルスルホニル及びジ(C−C18−アルキル)−アミノスルホニルからなる群から得られる1ないし5個の置換基を意味する。
【0020】
Yが、定義−(CH−、−CO−NR−(CH−、−CH−NR−CO−(CH−又は−CH−NR−CO−CH−NH−(CH−を有し(Rは、水素又はC−C−アルキルであり、n及びpは、互いに独立に、各々1から6までの数値である。);
Xが、C原子を介して、架橋構成要素Yに結合された、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、トリアゾール、イミダゾール、チオナフテン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール若しくはインドールの基であり;又は
基−NRであり(R及びRは、互いに独立に、それぞれ、水素、置換されていない若しくは置換された、C−C−アルキル若しくはC−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、置換されていない若しくは置換された、フェニル、ベンジル若しくはナフチルであり;又は、
基−NRは、必要に応じてベンゾ縮合環も有し、及びヒドロキシル、オキソ、C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル若しくはフェニルによって置換され得るピロリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル又はイミダゾリルである。)、及び
mが、1から3までの数字である、式(II)の顔料分散剤が好ましい。
【0021】
Yが、−(CH1−3−、−CO−NH−(CH1−3−、−CH−NH−CO−(CH1−3−又は−CH−NH−CO−CH−NH−(CH2−3−であり、
Xが、イミド窒素若しくは4位若しくは5位を介して、架橋構成要素Yに結合されているイミダゾリルであり、又は基−NR(R及びRが、水素又はC−C−アルキルである。)であり、及び
mが、1から2.5までの数字である、式(II)の顔料分散剤が特に好ましい。
【0022】
本発明において、式(III)
【0023】
【化4】

(Qは、上記定義のとおりであり、及び
mは、1から4まで、好ましくは1ないし3、より好ましくは1ないし2.5、特に1ないし2の数値を表す。)
の顔料分散剤が特に極めて好ましい。
【0024】
本発明に従って使用される顔料調製物は、式(I)の基礎顔料の重量を基準として、式(II)又は(III)の顔料分散剤の0.5重量%ないし99重量%、好ましくは1重量%ないし75重量%、特に2.5重量%ないし50重量%、極めて好ましくは5重量%ないし30重量%を有利に含有する。
【0025】
基礎顔料としての式(I)のジオキサジン化合物と顔料分散剤としての式(II)のジオキサジンと化合物から構成される顔料調製物は、それ自体公知であり、例えば、EP−A−0 321 919号又はEP−A−0 504 923号に記載されている。
【0026】
新規且つ驚くべきであるのは、これらの顔料調製物が、前記使用の分野で、従来技術に比べて卓越した性能特性を有するということである。例として、該顔料調製物は、例えば、塗布媒体中での即時分散性、該顔料調製物から調製された分散液の安定性及び高い流動性、スピンコーティングによって作製された層の均質性及び均一性が注目すべきであり、このような層の高い透明性及び向上したコントラストにも注目すべきである。さらに、該顔料調製物は、高い熱安定性、溶媒耐性及び化学的耐性を示す。
【0027】
さらに、式(II)の顔料分散剤の量を変動させることによって、着色剤を、カラーフィルター材料の特定の要件に適合させることが可能である。
【0028】
カラーフィルターは、慣用技術によって作製することが可能である。本発明の顔料調製物は、例えば、結合剤などのさらなる成分を含有し得る、水性又は非水性系中に分散される。結合剤は、熱可塑性、熱硬化性又は感光性とすることができる。熱可塑性及び熱硬化性結合剤の例には、アクリレート、アクリル酸エステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エポキシド、ポリエステル、メラミン、ゼラチン及びカゼインが含まれる。光感受性結合剤は、それ自体公知であり、例えば、米国第6,284,432号に開示されている。このようにして調製されたカラーフィルターペーストは、2.5重量%ないし80重量%の顔料調製物濃度を有する。
【0029】
これらの分散液(カラーフィルターペースト)は、次いで、スピンコーティング又は適切な慣用の印刷技術(例えば、フレキソ印刷、オフセット、スクリーン、凹版及びスタンプ印刷)又は非接触印刷技術(例えば、インクジェット)によって、カラーフィルター支持材料、典型的にはガラスプレートに塗布することが可能である。像点は、熱的昇華、熱転写、電着又は他の適切な塗布技術によって作製することも可能である。
【0030】
前記塗布されたカラーフィルターフィルム中で本発明の顔料調製物が使用される典型的な濃度は、カラーフィルターフィルムの総重量を基礎として、5重量%ないし95重量%、好ましくは20重量%ないし80重量%、極めて好ましくは40重量%ないし60重量%である。
【0031】
最も頻繁に使用されている技術は、スピンコーティングの技術である。本技術では、像点(例えば、R、G、B)は、適切なフォトレジスト系に連続して塗布される。次いで、塗布されたフォトレジスト層は、放射線に曝露され、次いで、例えば、着色された層の各像点のみが残るように現像される。次いで、最後に同じサイズのR、G、B又はY、M、C像点(ピクセル)が互いに横に並ぶように、さらなる色に対して本プロセスを繰り返す。
【0032】
表1は、典型的なカラーフィルター系の概要を示している。
【0033】
【表1】

【0034】
フォトリソグラフィー(フォトレジスト技術)などの塗布技術の大半では、例えば、溶媒、好ましくは有機溶媒が、必要な成分である。
【0035】
原則として、全ての極性又は非極性有機溶媒が適切であり、具体的な塗布技術に応じて、水相溶性若しくは非相溶性、温度安定性などのさらなる特性を有する必要があり、又は安全性及び生態毒性関連の要件を充足する必要がある。
【0036】
典型的な溶媒は、酢酸エチルセロソルブ、ジエチレングリコールアルキルエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル)、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)、N−メチルピロリドン、ケトン(例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノン)、アルコール、芳香族炭化水素、エステル(例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル)及び環状エステルである。これらの溶媒は、個別に、又は互いに組み合わせて使用することが可能である。
【0037】
本発明の顔料調製物は、例えば、1又は2つの成分粉末トナー(1又は2つの成分現像液とも呼ばれる。)、磁気トナー、液体トナー、ラテックストナー、重合トナー及び特殊トナーなどの、電子写真用トナー及び現像液中の着色剤として使用するのにも適している。トナー粒子は、コーティング錠剤など、化粧及び薬学的用途に使用することも可能である。典型的なトナー結合剤は、個別に、又は組み合わせて、スチレン樹脂、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンブタジエン樹脂、アクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール−エポキシ樹脂、ポリスルホン、ポリウレタンなどの付加重合樹脂、重付加樹脂及び重縮合樹脂、並びにポリエチレン及びポリプロピレンであり、電荷調節剤、蝋若しくは流動補助剤などのさらなる成分を含有することができ、又は続いてこれらの補助剤で修飾することができる。
【0038】
電子写真用トナー又は現像液は、典型的なトナー結合剤と、本発明の顔料調製物0.1重量%ないし80重量%、好ましくは1重量%ないし40重量%、より好ましくは3重量%ないし20重量%と、各事例において、トナー又は現像液の総重量を基礎として、トリフェニルメタン、アンモニウム化合物及びインモニウム化合物;フッ化アンモニウム及びインモニウム化合物;二陽イオン酸アミド;ポリマー性アンモニウム化合物;ジアリルアンモニウム化合物、アリールスルフィド誘導体、フェノール誘導体、ホスホニウム化合物及びフッ化ホスホニウム化合物;カリックスアレーン(calix(n)arenas);シクロデキストリン;ポリエステル塩;金属錯体化合物;シクロオリゴ糖−ホウ素錯体、高分子電解質間錯体(interpolyelectrolyte complex);ベンズイミダゾロン;アジン、チアジン又はオキサジンのクラスから得られる電荷調節剤0重量%ないし20重量%、好ましくは0.1重量%ないし5重量%と、を含む。
【0039】
さらに、電子写真用トナーは蝋も含有することも可能である。さらに、蝋は、予め分散された濃縮物として使用することも可能であり、濃縮物(主バッチ)は多成分であることが可能である。成分は、本発明の着色剤、樹脂、電荷調節剤及びこれらの組み合わせである。本発明の顔料調製物は、電子写真用トナー及び現像液中で使用したときに、著しい、中性且つ安定な固有の摩擦電気効果を示す。
【0040】
さらに、本発明の顔料調製物は、水性及び非水性ベースのインクジェット用インク中、マイクロエマルジョンインク中、並びに熱融解法によって作用するインク中での着色剤として使用するのに適している。インクジェット用インクは、一般的に、本発明の顔料調製物を、計0.5重量%ないし25重量%、好ましくは1.5重量%ないし8重量%(乾燥状態で計算)含有する。マイクロエマルジョンインクは、有機溶媒、水を基礎とし、及び、必要に応じて、さらなる屈水性物質(界面媒介物質(interface mediator))を基礎とする。マイクロエマルジョンインクは、一般的には、本発明の顔料組成物0.5重量%ないし15重量%、好ましくは1.5重量%ないし8重量%と、水5重量%ないし99重量%と、有機溶媒及び/又は屈水性化合物0.5重量%ないし94.5重量%とを含有する。
【0041】
「溶媒をベースとした」インクジェットインクは、好ましくは、本発明の顔料組成物0.5重量%ないし15重量%と、有機溶媒及び/又は屈水性化合物85重量%ないし99.5重量%とを含有する。
【0042】
熱溶解インクは、ほとんど、蝋、脂肪酸、脂肪アルコール又はスルホンアミドを基礎としており、室温では固体であるが、加熱すると液化し、好ましい溶解域は約60℃ないし約140℃に位置する。熱溶解インクジェット用インクは、例えば、蝋20重量%ないし90重量%、本発明の顔料調製物1重量%ないし10重量%、から実質的に構成される。追加ポリマー0重量%ないし20重量%(「染料溶解剤」として)、分散補助剤0重量%ないし5重量%、粘度修飾剤0重量%ないし20重量%、可塑剤0重量%ないし20重量%、粘着付加剤(tack additive)0重量%ないし10重量%、透明性安定化剤0重量%ないし10重量%(例えば、蝋の結晶化を抑制する。)、及び抗酸化剤0重量%ないし2重量%が、さらに存在し得る。
【0043】
さらに、本発明の顔料調製物は、電子インク(「e−インク」)又は電子ペーパー(「e−ペーパー」)用の着色剤として使用するのにも適している。
【0044】
本発明のバイオレット顔料調製物は、個別に、又は適切な有機若しくは無機顔料と組み合わせて、又は染料と組み合わせて、具体的には、分散液中の混合物として(カラーフィルターペースト)使用することが可能である。該顔料調製物は、ピグメントブルー15のシェーディングの場合のように、1重量%ないし49重量%の量で添加することが可能である陰影着色剤(shading colorant)として機能し、又は、該顔料調製物は主要成分である。
【0045】
適切な有機顔料には、原則として、全てのモノアゾ、ジアゾ、レーキ化されたアゾ(laked azo)、β−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、及びアゾ金属錯体顔料、並びに、例えば、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、チオインジゴ、アントランスロン(anthranthrone)、アントラキノン、フラバンスロン、インダンスロン、イソビオランスロン、ピランスロン、ジオキサジン、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリンなどの多環式顔料、及びジケトピロロピロール顔料又はカーボンブラックが含まれる。
【0046】
その表面が、例えば、スルホン化又はジアゾ化などの化学的作業によって修飾されており、機能的な、中性基又は帯電基又はポリマー鎖とともに提供されている、表面修飾された顔料も特に適切である(これらの顔料は、自己分散又はグラフト顔料とも称される。)。
【0047】
適切な無機顔料の例には、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、ウルトラマリーン、ニッケル又はクロムアンチモンチタン酸化物、酸化コバルト及びバナジウム酸ビスマスが含まれる。
【0048】
適切な有機染料には、好ましくは、溶媒染料及び脂肪染料などの溶媒可溶性染料が含まれるが、酸性染料、直接染料、硫黄染料及びこれらのロイコ型、金属錯体染料又は反応性染料も含まれる。反応性染料の場合には、求核試薬と反応された染料も使用することが可能である。
【0049】
特に好ましい有機顔料の典型的な選択には、ガスブラック又はファーネスブラックなどのカーボンブラック顔料、例えば、モノアゾ顔料及びジスアゾ顔料、特に、例えば、ピグメントレッド2、ピグメントレッド3、ピグメントレッド4、ピグメントレッド5、ピグメントレッド9、ピグメントレッド12、ピグメントレッド14、ピグメントレッド38、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:3、ピグメントレッド48:4、ピグメントレッド53:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド144、ピグメントレッド146、ピグメントレッド147、ピグメントレッド149、ピグメントレッド168、ピグメントレッド169、ピグメントレッド170、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド181、ピグメントレッド184、ピグメントレッド185、ピグメントレッド187、ピグメントレッド188、ピグメントレッド207、ピグメントレッド208、ピグメントレッド209、ピグメントレッド210、ピグメントレッド214、ピグメントレッド242、ピグメントレッド247、ピグメントレッド253、ピグメントレッド254、ピグメントレッド256、ピグメントレッド257、ピグメントレッド262、ピグメントレッド263、ピグメントレッド266、ピグメントレッド269、ピグメントレッド274、ピグメントバイオレット19又はピグメントバイオレット32;
ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー81、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー87、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー126、ピグメントイエロー127、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー173、ピグメントイエロー174、ピグメントイエロー175、ピグメントイエロー176、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー191、ピグメントイエロー194、ピグメントイエロー196、ピグメントイエロー213、ピグメントイエロー214;
ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ36、ピグメントオレンジ38、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ62、ピグメントオレンジ68、ピグメントオレンジ70、ピグメントオレンジ72又はピグメントオレンジ74;ピグメントグリーン7又はピグメントグリーン36 ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー16、ピグメントブルー56、ピグメントブルー60又はピグメントブルー61などの、個別に又は組み合わせた色指数顔料(Colour Index pigment)が含まれる。
【0050】
本発明の顔料調製物は、緑、青及び赤顔料に陰影をつけるのに好ましく使用され、さらに好ましくは、P.ブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4及び15:6を基礎とする顔料とともに使用される。
【0051】
実施例
検査カラーフィルターの作製
最初に、以下の処方に従って、顔料調製物、結合剤、溶媒及び分散補助剤から構成されるカラーフィルターペーストを調製する。
【0052】
87重量% 基礎ワニス(その89%は、60%の1−メトキシ−2−プロピルアセテート、30%の3−エトキシプロピオン酸エチル、10%のシクロヘキサノンの溶媒混合物であり、11%はスチレンアクリル酸ポリマーである。);
10重量% 顔料調製物;及び
3重量% Disperbyk(R)161。
【0053】
上記混合物を、塗料シェーカー中で3時間、ジルコニウムビーズ(φ0.5−0.7mm)とともに分散させる。次いで、カラーフィルターペーストをろ過し、ペースト中の顔料調製物の割合が6重量%になるまで、前記基礎ワニス中に存在する溶媒混合物で希釈する。
【0054】
カラーフィルターフィルムを作製するために、スピンコータを用いて、希釈したカラーフィルターペーストをガラス基材に塗布する。設定されるスピンコータの速度が、カラーフィルターフィルムの厚さを決定し(スピンコータが速いほど、フィルムが薄くなる。)、次いで、カラーフィルターフィルムの厚さが透明性に影響を与える(フィルムが厚いほど、フィルムの吸収が大きくなる。)。フィルムの厚さは、通常、1μm未満である。このカラーフィルフィルターフィルムに対して、透明性及びコントラストを測定する。400−700nmの適用範囲において、コートされたガラス基材の透過率を分光学的に測定する。
透過率の値を31の波長で検出する。色の品質は、CIE Lカラーモデルを用いて記述される。このモデルでは、Lは、輝度を記載し、数値0が黒を表し、100が白を表す。aは、赤−緑軸を記載し、bは、青−黄色軸を記載する。
【0055】
本発明の顔料調製物の分散性は、粘度測定を用いて確認される。粘度は、上記の希釈されたカラーフィルターペーストに対して測定される。測定は、23℃±0.5℃の温度及び60s−1の剪断速度で、回転式粘度測定機(タイプRS75、Haakeから入手)を用いて行う。
【0056】
顔料分散剤の合成の実施例
ポリリン酸の1500部中に、120℃で、未精製ピグメントバイオレント23(無塩)の60部を導入する。1時間撹拌した後、4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール塩酸塩28.7部をゆっくり添加する。この反応混合物を、120℃で5時間撹拌した。次いで、これを氷水上に放出し、濃水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10になるように調整し、一晩静置する。続いて、吸引ろ過によって沈殿物を単離し、中性及び無塩となるまで水で洗浄し、50℃で乾燥する。これによって、mが1である式(III)の顔料分散剤73部を得る。
【実施例1】
【0057】
a)未精製顔料の合成
BIOS Final Report 960、75ページに従って、無塩形態で調製された粗結晶の未精製顔料(ピグメントバイオレット23)の30部を、粉砕媒体としてのCylpebsの1400g(コランダム製、直径12mm、製造業者:Groβ GmbH,Hof)が充填された1Lの円筒型プラスチック容器中に導入する。次いで、Vibratom(R)タイプの振動式ミル(製造業者:Siebtechnik Muhlheim)上で振盪しながら、この混合物を、4時間細かく砕く。その後、粉砕媒体を除去するために、ミルベースを篩にかける。これによって、ミルベース29gが得られる。
【0058】
b)仕上げ
水103.0部及びイソブタノール37.2部に、未精製顔料P.V.23ミルベース29部を添加する。 この系を、沸騰温度で長時間撹拌した後、上記合成例に記載されているように調製した、mが1である式(III)の顔料分散剤の水性懸濁液10重量%の23.7部を添加し、蒸留によって溶媒をろ過し、水18.7部でこのバッチを希釈する。
【0059】
c)後処理(working up)
続いて、このバッチを、熱い吸引ろ過に供する。無塩になるように生成物を洗浄し、減圧下、80℃で乾燥させる。
【0060】
d)製粉
得られた顔料調製物31.0部を、ピンで留められたディスクミル上で製粉する。これによって、7.31のX線指数と93.2m/gのBET表面積を有する高度に結晶性の粉末を得る。主要粒子の粒子サイズ分布の検査によって、以下のパラメータが得られる。
【0061】
25=37nm、d50=47nm、d75=60nm。
長さ対幅の比:1.45:1
【0062】
透過率及び色特性の測定:
上記のように、カラーフィルターペーストを調製する。カラーフィルターペーストの粘度は、以下のとおり:η=13.6mPa.sである。続いて、希釈されたカラーフィルターペースト3mLをピペットで吸引し、2500rpmの回転速度で20秒間、スピンコータを用いて、ガラス基材に塗布する。続いて、色フィルターフィルムの色特性を分光学的に測定する。
【0063】
色特性
【0064】
【表2】

【0065】
色フィルターフィルムの透過率の値
【0066】
【表3】

【0067】
粒子サイズ分布の測定:
希釈されたカラーフィルターペーストの粒子サイズ分布を測定するために、ディスク遠心機を使用する。測定の実施を可能とするために、密度勾配を作る。これは、カラーフィルターペーストを調製するために使用した基礎ワニスの成分からなる。
【0068】
【表4】

【0069】
静電特性(トナー):
混練装置を用いて、30分にわたって、トナー結合剤(スチレン−アクリレート共重合体60:40、Dialec(R)S309,Diamond Shamrock)95部の中に、顔料調製物5部を均一に取り込む。得られた系を、一般的な研究用ミル上で製粉し、次いで、遠心分級器上で分類する。所望の画分(4ないし25μm)を、スチレン−メタクリル酸共重合体(90:10)で被覆された磁鉄鉱粒子から構成される担体を用いて活性化する。測定は、慣用のq/m測定系に対して行う。トナー噴出中に、担体が混入しないようにするために、25μmのメッシュサイズを有する篩を使用する。測定は、約50%の相対大気湿度下で行う。活性化時間の関数として、以下のq/m値(μC/g)を測定する。
【0070】
【表5】

【実施例2】
【0071】
a)未精製顔料
調製は、実施例1a)と同様に行う。
【0072】
b)仕上げ
実施例1b)と同様に調製を行うが、mが1である式(III)の顔料分散剤の水性懸濁液10重量%の27.4部を添加する。
【0073】
c)後処理及びd)製粉は、実施例1と同様に行う。これによって、7.11のX線指数と93.7m/gのBET表面積を有する高度に結晶性の粉末を得る。主要粒子の粒子サイズ分布の検査によって、以下のパラメータが得られる。
【0074】
25=50nm、d50=78nm、d75=203nm。
長さ対幅の比:1.67:1
透過率は、実施例1と同様に測定する。
【0075】
色特性:
【0076】
【表6】

【0077】
カラーフィルターフィルムの透過率の値
【0078】
【表7】

【0079】
粘度の測定
実施例2から得られたカラーフィルターペーストを、実施例1と同様の測定に供する。
【0080】
粘度は、以下のとおり:η=22.8mPasである。
【0081】
粒子サイズ分布の測定
実施例2から得られたカラーフィルターペーストを、実施例1と同様の測定に供する。
【0082】
【表8】

【0083】
静電特性(トナー)
検査用トナーを調製し、実施例1と同様の測定に供するが、ここでは、実施例1から得られた顔料調製物5部ではなく実施例2から得られた顔料調製物5部を取り込ませる。活性化時間の関数として、以下のq/m値を測定する。
【0084】
【表9】

【実施例3】
【0085】
a)未精製顔料
調製は、実施例1a)と同様に行う。
【0086】
b)仕上げ
実施例1b)と同様に調製を行うが、mが1である式(III)の顔料分散剤の水性懸濁液10重量%の31.1部を添加する。
【0087】
後処理及び製粉は、実施例1のとおりに行う。これによって、6.48のX線指数と99.0m/gのBET表面積を有する高度に結晶性の粉末を得る。主要粒子の粒子サイズ分布の検査によって、以下のパラメータが得られる。
【0088】
25=31nm、d50=39nm、d75=50nm。
長さ対幅の比:1.52:1
【0089】
透過率は、実施例1と同様に測定する。
【0090】
色特性:
【0091】
【表10】

【0092】
カラーフィルターフィルムの透過率の値
【0093】
【表11】

【0094】
粘度の測定:
カラーフィルターペーストの粘度は、以下のとおり:η=13.7mPasである。
【0095】
粒子サイズ分布の測定:
実施例3から得られたカラーフィルターペーストを、実施例1と同様の測定に供する。
【0096】
【表12】

【0097】
静電特性(トナー):
検査用トナーを調製し、実施例1と同様の測定に供するが、ここでは、実施例1から得られた顔料調製物5部ではなく実施例3から得られる顔料調製物5部を取り込ませる。活性化時間の関数として、以下のq/m値を測定する。
【0098】
【表13】

【実施例4】
【0099】
a)未精製顔料の合成
粉砕媒体として、直径0.3ないし0.4mmのジルコニウム混合酸化物ビーズ336gが充填されたタイプDrais PML(製造業者:Draiswerke GmbH,Mannheim)の撹拌されたボールミルに、水85gと、粗結晶性の未精製顔料(ピグメントバイオレット23)15gを連続して加え、15.6m秒の周辺撹拌器速度と製粉スペース1L当たり3.1kWの比出力密度を用いて、10分間30℃にて、その中で製粉する。続いて、粉砕媒体を除去するために、ミルベース懸濁液を篩にかけ、これを水ですすぎ、合わせたミルベース懸濁液を吸引ろ過にかける。
【0100】
b)仕上げ
フィルター残留物を、水の中に採取して、水性懸濁液150mLを得て、これにイソブタノール45gを添加する。その後、24時間の撹拌後、何時間も沸騰温度で撹拌し、この系を、顔料分散剤(10重量%)の水性懸濁液7.5部と混合し、ろ過によって溶媒を除去し、水18.7部で残留物を希釈する。
【0101】
後処理及び製粉は、実施例1と同様に行う。
【0102】
これによって、8.92のX線指数と69.5m/gのBET表面積を有する高度に結晶性の粉末を得る。主要粒子の粒子サイズ分布の検査によって、以下のパラメータが得られる。
【0103】
25=47nm、d50=63nm、d75=94nm。
長さ対幅の比:1.80:1
【0104】
色特性:
【0105】
【表14】

【0106】
カラーフィルターフィルムの透過率の値
【0107】
【表15】

【0108】
粘度の測定:
カラーフィルターペーストの粘度は、η=19.9mPasである。
【0109】
粒子サイズ分布の測定
実施例4から得られたカラーフィルターペーストを、実施例1と同様の測定に供する。
【0110】
【表16】

【0111】
静電特性(トナー):
検査用トナーを調製し、実施例1と同様の測定に供するが、ここでは、実施例1から得られた顔料調製物5部ではなく実施例4から得られる顔料調製物5部を取り込ませる。活性化時間の関数として、以下のq/m値を測定する。
【0112】
【表17】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基礎顔料としての、式(I)
【化1】

のジオキサジン化合物と、及び
b)顔料分散剤としての、式(II)
Q−[Y−X] (II)
(式中、
Qは、式(I)の基礎顔料のm価の基であり、
Yは、系列−(CR−(xは、1ないし6である。)、置換された若しくは置換されていないフェニレン、−CO−、若しくは−NR−から得られる架橋部分であり、又は、異なる種類の少なくとも2つのこのような架橋構成要素の非反復若しくは反復組み合わせであり(R、R及びRは、互いに独立に、水素又はC−Cアルキルである。)、
Xは、C原子を介して前記架橋構成要素Yに結合されており、及び、各事例において、窒素、酸素若しくは硫黄の系列から得られる1ないし3個の同一若しくは異なる環複素原子を有し、及び、必要に応じて、ベンゾ縮合環も有し、及びC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ヒドロキシアルキル若しくはフェニルによって置換され得る、脂肪族若しくは芳香族の、五員、六員若しくは七員複素環系の基であり、
又は、イミド窒素を介して架橋構成要素Yに結合されており、及び、クロロ、ブロモ、ニトロ、カルボキシル、N−(C−C)−アルキル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル若しくはベンゾイルアミノによって、ベンゾイド環上において、最大四回置換され得る、フタルイミド基であり、又は、
基−NRであり(R及びRは、互いに独立に、それぞれ、水素、置換された又は置換されていない、C−C20−アルキル又はC−C20−アルケニル、C−C−シクロアルキル、置換された又は置換されていない、フェニル、ベンジル又はナフチルである。);又は、
基−NRは、各事例において、窒素、酸素若しくは硫黄の系列から得られる1ないし3個の同一若しくは異別の環複素原子を有し、必要に応じて、ベンゾ縮合環も有し、及びヒドロキシル、オキソ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−ヒドロキシアルキル若しくはフェニルによって置換され得る、脂肪族若しくは芳香族の、五員、六員若しくは七員複素環系を形成し、
mは、数値1ないし4を表す。)
のジオキサジン化合物と、
を含む顔料調製物の、カラーフィルター、インクジェットインク、電子写真トナー及び現像液並びに電子インクにおける着色剤としての使用。
【請求項2】
Yが、定義−(CH−、−CO−NR−(CH−、−CH−NR−CO−(CH−又は−CH−NR−CO−CH−NH−(CH−を有し(Rは、水素又はC−C−アルキルであり、n及びpは、互いに独立に、各々1から6までの数値である。)、
Xが、C原子を介して、架橋構成要素Yに結合された、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、トリアゾール、イミダゾール、チオナフテン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール若しくはインドールの基であり;又は
基−NRであり(R及びRは、互いに独立に、それぞれ、水素、置換されていない若しくは置換されたC−C−アルキル若しくはC−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、置換されていない若しくは置換されたフェニル、ベンジル若しくはナフチルであり;又は、
基−NRは、必要に応じてベンゾ縮合環も有し、及びヒドロキシル、オキソ、C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル若しくはフェニルによって置換され得るピロリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル又はイミダゾリルである。)、及び
mが、1から3までの数字である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
Yが、−(CH1−3−、−CO−NH−(CH1−3−、−CH−NH−CO−(CH1−3−又は−CH−NH−CO−CH−NH−(CH2−3−であり、
Xが、イミド窒素若しくは4位若しくは5位を介して、架橋構成要素Yに結合されているイミダゾリルであり、又は基−NR(R及びRが、水素又はC−C−アルキルである。)であり、及び
mが、1から2.5までの数字である、
請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
顔料分散剤が、式(III)
【化2】

(mは、1から4までの数値を表す。)
の化合物である、請求項1ないし3の少なくとも一項に記載の使用。
【請求項5】
mが、1から2までの数字である、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
顔料調製物が、式(I)の基礎顔料の重量を基礎として、式(II)又は(III)の顔料分散剤の0.5重量%ないし99重量%を含有する、請求項1ないし5の少なくとも一項に記載の使用。
【請求項7】
顔料調製物が、式(I)の基礎顔料の重量を基礎として、式(II)又は(III)の顔料分散剤の5重量%ないし30重量%を含有する、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
顔料調製物が、有機若しくは無機顔料又は有機染料の群から得られる着色剤で陰影が付された、請求項1ないし7の少なくとも一項に記載の使用。

【公表番号】特表2007−526376(P2007−526376A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501164(P2007−501164)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001802
【国際公開番号】WO2005/085367
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(598109501)クラリアント・プロドゥクテ(ドイチュラント)ゲーエムベーハー (45)
【氏名又は名称原語表記】Clariant Produkte (Deutschland)GmbH
【Fターム(参考)】