説明

カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物

【課題】高い透明性、高いコントラストを有し、且つ現像特性に優れるカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を提供する。
【解決手段】有機顔料、顔料分散剤、皮膜形成樹脂、光重合性化合物、光重合性開始剤、及び、溶媒を含有するカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物であって、上記顔料分散剤が、(A)リビングアニオン重合により得られるアミン価20〜40mgKOH/g、酸価15〜25mgKOH/gのアクリル系ブロック共重合物と、(B)ポリイソアネート化合物のイソシアネート基に、分子内に水酸基を1個以上有する数平均分子量300〜10,000の化合物及び分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物を反応させて得られ、かつ、分子内に酸性基を有しないウレタン系分散樹脂との2成分を含むものであり、更に、(A)と(B)とを90/10〜50/50の質量比率で含むカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い透明性、高いコントラストを有し、且つ現像特性に優れるカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を所用してカラーフィルターを製造するに当たっては、通常、基板に感光性のレジスト皮膜を塗工した後、所望のパターンを有するマスクを通して紫外線で露光して塗膜を硬化させ、未露光の塗膜を現像液で除去した後、ポストベークすることにより、パターンを作成する方法によって得られる。そして、そのパターン形成のために、顔料組成物に感光性材料を加えたカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物が利用される。
【0003】
このようにして得られるカラーフィルターを具備するカラーフィルター液晶装置は、今日のプラズマディスプレイ方式や有機EL方式等のいろいろな電子画像表示用デバイスとの競争の激化から、高い透明性、高いコントラストを有し、現像特性に優れることが要求される。
【0004】
上記高い透明性や高いコントラストを得るには、顔料を微粒子化することが有効であることが知られている。しかし、顔料の微粒子化が進むと、粒子表面積の増加により顔料が凝集しやすくなる。
【0005】
この顔料の凝集を防止するために、顔料に対して吸収能を有する界面活性剤や高分子樹脂を顔料分散剤として添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、顔料分散剤としてアミン価と酸価を有するアクリル系共重合体を使用した場合、顔料の凝集を防止することには有効であるが、現像マージン(現像液で未露光部分を除去されてから、露光部分が除去されるまでの時間)が短くなり、エッジ部が逆テーパー状になって、シャープさが欠ける問題があった。
【特許文献1】特開2004−272219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、高い透明性、高いコントラストを有し、且つ現像特性に優れるカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、顔料分散剤として特定のアミン価と酸価を有するアクリル系ブロック共重合物とアミン価を有し酸価を有していない特定のウレタン系分散樹脂を特定の割合で併用して使用することにより、上記課題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(1)有機顔料、顔料分散剤、皮膜形成樹脂、光重合性化合物、光重合性開始剤、及び、溶媒を含有するカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物であって、上記顔料分散剤が、(A)リビングアニオン重合により得られるアミン価20〜40mgKOH/g、酸価15〜25mgKOH/gのアクリル系ブロック共重合物と、(B)ポリイソアネート化合物のイソシアネート基に、分子内に水酸基を1個以上有する数平均分子量300〜10,000の化合物及び分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物を反応させて得られ、かつ、分子内に酸性基を有しないウレタン系分散樹脂との2成分を含むものであり、更に、(A)と(B)とを90/10〜50/50の質量比率で含むことを特徴とするカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物に関する。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0009】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する有機顔料としては、鮮明な色相と高い堅牢度を有する、C.I.Pigment Red 19、38、43、88、122、123、144、149、166、168、177、178、179、188、190、207、208、209、216、224、226、242、254、264等の赤色系顔料;C.I. Pigment Blue 15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、29、60、64等の青色系顔料;C.I.Pigment Green 7、10、36等の緑色系顔料;C.I.Pigment Yellow 24、81、83、93、95、97、108、109、110、117、123、128、137、138、139、150、153、154、166、168、180、185等の黄色系顔料;C.I.Pigment Violet 19、23、29、30、31、37、88等の紫色系顔料;C.I.Pigment Orange31、38、40、43、61、71等の橙色系顔料等が使用できる。
【0010】
尚、より鮮明な色相を得るには、従来公知の方法で、上記有機顔料をプレミックス処理、ソルトミリング処理することが好ましい。
特に好ましくは、有機顔料、水溶性の無機塩及び上記無機塩を実質的に溶解しない水溶性分散媒体を含む混合物を、3本の攪拌ブレードを自転運動させながら公転運動させる混練装置(トリミックス)で混練した後、上記無機塩及び水溶性分散媒体を除去して得られるソルトミリング処理した有機顔料である。
【0011】
上記水溶性の無機塩としては、食塩(塩化ナトリウム)が好ましい。
また、無機塩の粒子径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは50μm以下である。これにより、顔料の粒子径を一次粒子径より微細かつ均一にできる。
なお、本発明において、無機塩の粒子径は、レーザー回析式粒度測定法、測定装置:ナノトラック(UPA−EX150、日機装(株)社製)で測定した。
【0012】
上記水溶性分散媒体としては、分散媒体として用いられる無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤を使用することができ、水溶性であることと無機塩を溶解しないことの両方の条件を有するものであれば特に限定されない。なかでも、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点が120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。このような水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、液体ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、低分子量ポリプロピレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等が用いられる。
【0013】
また、本発明において、上記有機顔料の使用量は、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物中に好ましくは1〜40質量%である。
【0014】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する顔料分散剤としては、(A)リビングアニオン重合により得られるアミン価20〜40mgKOH/g、酸価15〜25mgKOH/gのアクリル系ブロック共重合物と、(B)ポリイソアネート化合物のイソシアネート基に、分子内に水酸基を1個以上有する数平均分子量300〜10,000の化合物及び分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物を反応させて得られ、かつ、分子内に酸性基を有しないウレタン系分散樹脂とを併用して使用する。顔料分散剤としてアクリル系ブロック共重合物のみを用いた場合、透明性、コントラスト、現像特性のすべての性能を得ることは困難であるが、本発明では、顔料分散剤として特定のアクリル系ブロック共重合物と特定のウレタン系分散樹脂とを併用しているため、これらすべての性能を確保できる。このような効果が得られる理由は、上記両成分を併用した場合、特異的に相乗効果が生じているためであると推察される。
【0015】
上記アクリル系ブロック共重合物〔(A)成分〕としては、顔料吸着基として塩基性基を含む顔料吸着ブロックに更に顔料吸着基として酸基を含む顔料吸着ブロックと、顔料吸着基を含まないブロックとを有するブロック共重合体を使用することが好ましい。
【0016】
上記顔料吸着基として、塩基性基を含む顔料吸着ブロックに更に酸基を含む顔料吸着ブロックとしては、塩基性基を有する単量体と共に酸性基を有する単量体を用いることにより構成されるものを挙げることができる。
【0017】
上記塩基性基を有する単量体としては、1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基を有する単量体であって、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、アミノ基とカプロラクトン骨格を有する単量体、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する単量体と分子中に1個の2級アミノ基を有する化合物との反応物、(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物と4−(2−アミノメチル)−ピリジン、4−(2−アミノエチル)−ピリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−アミノエチル)−ピペラジン、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、1−(2−ヒドロキシエチルイミダゾール)、N,N−ジアリルメラミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンとの反応物等が挙げられる。
【0018】
上記酸性基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する単量体であって、具体的には、カルボキシル基を有する単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸化合物、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸化合物及びそのハーフエステル等、スルホン酸基を有する単量体として、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等、リン酸基を有する単量体として、アシッドホスホニル(メタ)アクリレート、アシッドホスホニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
上記顔料吸着基を含まないブロックの構成成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ベンジル等の芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、ベンジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アリールアルキルエステル、ポリカプロラクトン含有単量体、ポリアルキレングリコールモノエステル系単量体等が例示できる。
上記アクリル系ブロック共重合物は、リビングアニオン重合等により得られるものであり、従来公知の重合方法を用いることができる。
【0020】
上記アクリル系ブロック共重合物のアミン価は、20〜40mgKOH/gである。
なお、本願明細書において、アミン価は固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM−900、BURET B−900、TITSTATIONK−900)、平沼産業社製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
【0021】
上記アクリル系ブロック共重合物の酸価は、15〜25mgKOH/gである。
なお、本明細書において、酸価は固形分1gあたりの酸価を意味し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM−900、BURET B−900、TITSTATION K−900)、平沼産業社製)によって測定した値をいう。
【0022】
上記(A)のアクリル系ブロック共重合物の市販品としては、Disperbyk−2001(アミン価29mgKOH/g、酸価19mgKOH/g、ビックケミー社製)等を挙げることができる。
【0023】
上記分子内に酸性基を有しないウレタン系分散樹脂〔(B)成分〕としては、ポリイソアネート化合物のイソシアネート基に、分子内に水酸基を1個以上有する数平均分子量300〜10,000の化合物及び分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物を反応させて得られものが利用できる。
上記分子内に酸性基を有しないウレタン系分散樹脂〔(B)成分〕を得る方法としては、特開昭60−166318号に記載されている方法等が利用できる。
上記ウレタン系分散樹脂〔(B)成分〕を構成するポリイソシアネート化合物としては、2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアナート化合物を挙げることができ、例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートの2量体、2,6−トリレンジイソシアナート、p−キシレンジイソシアナート、m−キシレンジイソシアナート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート化合物;ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアナート、1,3−(イソシアナートメチレン)シクロヘキサン等の脂肪族や脂環式ポリイソシアナート;上記ジイソシアナートをもとにしたイソシアヌル基を有するポリイソシアナート(上記ジイソシアナートが3量化して形成するイソシアヌル基を有するポリイソシアナート等)、ポリオールにジイソアネートを反応させて得られるポリイソシアネート、ジイソシアネート化合物のビウレット反応によって得られるポリイソシアネート等が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物のなかでも、例えば、トリレンジイソシアネネート、イソホロンジイソアヒアネート等のジイソシアネートをもとにしたイソシアヌル基を有するポリイソシアネートが好ましい。
【0024】
上記ウレタン系分散樹脂を構成する分子内に水酸基を1個以上有する化合物としては、例えば、ポリエーテル化合物、ポリエステル化合物等を挙げることができる。
上記ポリエーテル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のアルキレングリコール類、メタノール、エタノール等の低分子モノオール類の、エチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、ブチレンオキシド変性物、テトラヒドロフラン変性物等が挙げられる。
【0025】
上記ポリエステル化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のアルキレングリコール類、メタノール、エタノール等の低分子モノオール類の、ε−カプロラクトン変性物、γ−ブチロラクトン変性物、δ−バレロラクトン変性物、メチルバレロラクトン変性物;アジピン酸やダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコールやメチルペンタンジオール等のポリオールとのエステル化物である脂肪族ポリエステルポリオール;テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール等のポリオールとのエステル化物である芳香族ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオール;ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリテトラメチレンヘキサグリセリルエーテル(ヘキサグリセリンのテトラヒドロフラン変性物)等の多価水酸基化合物と、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸等のジカルボン酸とのエステル化物;グリセリン等の多価水酸基含有化合物と脂肪酸エステルとのエステル交換反応により得られるモノグリセリド等の多価水酸基含有化合物、等が挙げられる。上記分子内に水酸基を1個以上有する化合物のなかでも、アルコール類のε−カプロラクトン付加物が好ましい。
【0026】
上記分子内に水酸基を1個以上有する化合物の数平均分子量は、300〜10,000、好ましくは、300〜6,000である。
なお、本明細書では、数平均分子量、重量平均分子量はカラムクロマトグラフィー法によって測定することができる。一例としては、Water 2690(ウォーターズ社製)で、PLgel 5μ MIXED−D(Polymer Laboratories社製)を使用して行い、ポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量として求めることができる。
【0027】
上記ウレタン系分散樹脂を構成する分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物としては特に限定されないが、N,N−ジ置換アミノ基又は複素環窒素原子を有するポリオール、ポリチオール及びアミン類からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。これらの化合物としては、分散剤の技術分野で公知慣用に用いられている化合物を使用することができる。これらの化合物は、ツェレビチノフの活性水素原子と少なくとも1個の窒素原子含有塩基性基を有するものである。そのような化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル1,4−ブタンジアミン、2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−アミノエチル)−ピペラジン、2−(1−ピロリジル)−エチルアミン、4−アミノ−2−メトキシピリミジン、4−(2−アミノエチル)−ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルフォリン、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、N,N−ジアリル−メラミン、3−アミノ−1,2、4−トリアゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、等が挙げられる。なかでも、複素環窒素原子を有するアミン類が好ましい。
【0028】
上記ウレタン系分散樹脂の合成における反応としては特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。
上記ウレタン系分散樹脂は、分子内に酸性基を有しないものである。
また、上記ウレタン系分散樹脂のアミン価は、好ましくは2〜90mgKOH/g、より好ましくは5〜40mgKOH/gである。
【0029】
また、上記(B)ウレタン系分散樹脂の市販品としては、Disperbyk−161(アミン価11mgKOH/g、酸価0mgKOH/g、ビックケミー社製)、Disperbyk−162(アミン価13mgKOH/g、酸価0mgKOH/g、ビックケミー社製)、Disperbyk−167(アミン価13mgKOH/g、酸価0mgKOH/g、ビックケミー社製)、Disperbyk−182(アミン価13mgKOH/g、酸価0mgKOH/g、ビックケミー社製)等を挙げることができる。
【0030】
本発明において、上記(A)成分と(B)成分とは、質量比率〔(A)/(B)〕が90/10〜50/50となるように使用される。(A)の質量比率が90より大きいと現像マージンがはやくなり、一方50より小さいと現像時の未硬化部分の現像挙動が低下するので好ましくない。
【0031】
本発明は、顔料分散剤として、(A)成分のアクリル系ブロック共重合物と、(B)成分のウレタン系分散樹脂との2成分を併用するものであるが、更に、性能が低下しない範囲において、他の顔料分散剤を併用することもできる。
【0032】
本発明において、上記(A)アクリル系ブロック共重合物と上記(B)ウレタン系分散樹脂と他の分散剤を合計した顔料分散剤の使用量は、有機顔料100質量部(有機顔料の合計)に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜60質量部である。
【0033】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する皮膜形成樹脂としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトコラン酸、無水シトコラン酸、シトコラン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有不飽和単量体と、スチレン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて得られる共重合体であるカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が例示でき、これらは単独又は併用して使用できる。
【0034】
皮膜形成樹脂は、皮膜形成性、アルカリ現像性の点から、酸価50〜300mgKOH/g、重量平均分子量1,000〜200,000であることが好ましい。
本発明において、上記皮膜形成樹脂の使用量は、有機顔料100質量部(有機顔料の合計)に対して、好ましくは10〜1,000質量部、より好ましくは20〜100質量部である。
【0035】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する光重合性化合物としては、光重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー等である。
具体的には、光重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとしては、例えば、メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート又はアクリレート;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルメタクリレート又はアクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;イソボニルメタクリレート又はアクリレート;グリセロールメタクリレート又はアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート又はアクリレート等が例示できる。
【0036】
光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が例示できる。
上記光重合性不飽和結合を有するオリゴマーとしては、上記モノマーを適宜重合させて得られたものを用いることができる。
【0037】
これらの光重合性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、上記光重合性化合物の使用量は、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物中の全固形分に基づいて、好ましくは3〜50質量%の範囲である。
【0038】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0039】
本発明において、上記光重合開始剤の使用量は、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物中の全固形分に基づいて、好ましくは1〜20質量%の範囲である。
【0040】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する溶媒(溶剤)としては、好ましくは、常圧(1.013×10kPa)における沸点が100〜220℃のエステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤及び含窒素系有機溶剤等である。
【0041】
このような有機溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、δ−ブチロラクトン等のケトン系有機溶剤;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、蟻酸n−アミル等のエステル系有機溶剤;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素系有機溶剤等を例示でき、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0042】
これらの有機溶剤の中でも、溶解性、分散性、塗布性等の点で、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、蟻酸n−アミル等が好ましく、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
【0043】
更に、これらの有機溶剤は、2種以上用いる場合、上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性、顔料分散性、塗布性等より、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物に使用される全溶媒中50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上含有させることがより好ましい。
【0044】
なお、沸点が220℃を超える有機溶剤を多量に含有していると、塗布形成された塗膜をプレベークする際に有機溶剤が充分に蒸発せずに乾燥塗膜内に残存し、乾燥塗膜の耐熱性が低下するおそれがある。また、沸点100℃未満の有機溶剤を多量に含有していると、ムラなく均一に塗布することが困難になり、表面平滑性に優れた塗膜が得られなくなるおそれがある。
【0045】
更に、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物には、必要に応じて、上述したもの以外のその他の光重合性化合物、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。
【0046】
以上のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を構成する構成材料を用いて、本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を製造する方法としては、例えば、有機顔料、(A)アクリル系ブロック共重合物、(B)ウレタン系分散樹脂、分散媒体、及び必要に応じてその他の添加剤等からなる混合物をロールミル、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散機等を用いて混練し、分散処理することにより顔料分散組成物を得、次いで、目的に応じて、光重合性化合物、光重合開始剤、皮膜形成樹脂、有機溶剤、その他添加剤を加え、攪拌装置等を用いて攪拌混合する方法を使用することができるが、この製造方法は、本発明の好ましい実施形態の一例であり、本発明ではこれに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0047】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物は、上述した構成からなるので、高い透明性、高いコントラストを有し、且つ現像特性に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
【0049】
<有機顔料>
(トリミックス処理ピグメントレッド254(PR254))
トリミックスTX−15(商品名、井上製作所社製)のタンクにC.I.ピグメントレッド254の750質量部、塩化ナトリウム7500質量部、ジエチレングリコール1800質量部を投入し、定格電流値9.3Aの70%となる範囲で、且つ45℃で3時間混練し、ソルトミリングを行った。次に得られた混練物1300質量部を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌しスラリー状とし、ろ過、水洗を繰り返し塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、40℃にて一昼夜乾燥し、95質量部のトリミックス処理ピグメントレッド254を得た。
(ピグメントグリーン36(PG36))
商品名:リオノールグリーン6YK(東洋インキ社製)
【0050】
<顔料分散剤>
(アミン価及び酸価を有するアクリル系ブロック共重合体、(A)成分)
Disperbyk−2001(DB−2001、ビックケミー社製)
(酸価を有していないウレタン系分散樹脂顔料分散剤、(B)成分)
Disperbyk−162(DB−162、ビックケミー社製)
なお、Disperbyk−162を構成する成分は、以下のとおりである。
ポリイソシアネート化合物種:トリレンジイソシアネートをもとにしたイソシアヌル基を有するポリイソシアネート
分子内に水酸基を1個以上有する化合物種:アルコール類にε−カプロラクトンを付加させたポリエステル(数平均分子量300〜10,000)
塩基性基含有化合物種:イミダゾール系塩基性化合物
【0051】
<顔料分散助剤>
アントラキノンスルホン酸誘導体
銅フタロシアニンスルホン酸誘導体
【0052】
<アルカリ可溶性樹脂>
BMM/MAA共重合体(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、酸価:120mgKOH/g、重量平均分子量:25,000)
<光重合性化合物>
DPEHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
【0053】
<光重合開始剤>
イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
<有機溶剤>
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
【0054】
実施例1〜6及び比較例1〜5
<顔料分散組成物>
表1の組成で、ビーズミルで一昼夜、60℃の温度で混練し、顔料分散組成物1〜11を得た。尚、組成を表す数値の単位は、質量部である。
【0055】
<カラーフィルター用赤色顔料分散レジスト組成物>
上記顔料分散組成物1〜11と他の材料とを表1の組成になるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのフィルターでろ過し、実施例1〜6及び比較例1〜5のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物を得た。
尚、組成を表す数値の単位は、質量部である。
【0056】
〔評価〕
<カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物のコントラスト>
実施例1〜6及び比較例1〜5のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物をスピンコーターを用いて膜厚が1.2μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークした。
次いで、レジスト組成物が塗布されたガラス基板を2枚の偏光板(日東電工社製、型番:SEG1224Du)で挟み、蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるとき及び直角であるときの透過する光強度を色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)で測定した。前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度と、前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度との比をコントラスト比として評価した。
コントラスト比=(前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が平行であるときの輝度/前面側の偏光板と後面側の偏光板の偏光面が直角であるときの輝度)。
【0057】
<カラーフィルター用顔料分散レジスト組成物の色特性の評価>
上記膜厚が1.2μmの実施例1〜6及び比較例1〜5の各レジストの色特性(x,y,Y)を分光光度計(島津製作所社製、UV−2500PC、C光源2°視野)で測定した。実施例1〜4及び比較例1〜3については、赤の色度(x,y)=(0.600,0.320)での明度Yを求めた。実施例5、6及び比較例4、5については、緑の色度(x,y)=(0.239,0.420)での明度Yを求めた。
【0058】
<レジストパターンの現像挙動>
実施例1〜6、比較例1〜5のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした。得られた塗膜を、pH12のKOH水溶液を使用して現像し、未硬化部分のレジスト組成物が完全に除去した際の現像挙動を目視にて評価した。
【0059】
<レジストパターンの現像マージン>
実施例1〜6、比較例1〜5のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした。得られた塗膜を、pH12のKOH水溶液を使用して現像し、未硬化部分のレジスト組成物を完全に除去できる時間から、硬化部分のレジスト組成物も除去されるまでの時間を測定した。
【0060】
<レジストパターンの現像残渣>
実施例1〜6、比較例1〜5のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、硬化部分と未硬化部分の面積比が20:80となる線幅25μmの格子状のパターンが得られるマスクを用いて、高圧水銀灯を用い、UV積算光量270mJ/cmで露光した。得られた塗膜を、0.016%水酸化カリウム水溶液を使用して現像し、パターンが形成されたガラス基板をマイクロスコープ(型式VHS−500、倍率450、(株)キーエンス社製)で観察し、未硬化部分のレジスト組成物の除去状態により評価した。
【0061】
<レジストパターンの現像後の塗膜状態>
実施例1〜6、比較例1〜5のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、硬化部分と未硬化部分の面積比が20:80となる線幅25μmの格子状のパターンが得られるマスクを用いて、高圧水銀灯を用い、UV積算光量270mJ/cmで露光した。得られた塗膜を0.016%水酸化カリウム水溶液を使用して現像し、パターンが形成されたガラス基板をマイクロスコープ(型式VHS−500、倍率450、(株)キーエンス社製)で観察し、硬化部分の塗膜の表面状態により評価した。
【0062】
【表1】

【0063】
表1から、顔料分散剤として、アクリル系ブロック共重合物及びウレタン系分散樹脂を特定比率で併用した実施例のレジスト組成物は、透明性、コントラスト、現像特性のすべての特性に優れていた。一方、比較例のものは現像特性に劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物は、液晶表示装置等のカラーフィルターに適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機顔料、顔料分散剤、皮膜形成樹脂、光重合性化合物、光重合性開始剤、及び、溶媒を含有するカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物であって、
前記顔料分散剤が、(A)リビングアニオン重合により得られるアミン価20〜40mgKOH/g、酸価15〜25mgKOH/gのアクリル系ブロック共重合物と、(B)ポリイソアネート化合物のイソシアネート基に、分子内に水酸基を1個以上有する数平均分子量300〜10,000の化合物及び分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物を反応させて得られ、かつ、分子内に酸性基を有しないウレタン系分散樹脂との2成分を含むものであり、
更に、(A)と(B)とを90/10〜50/50の質量比率で含む
ことを特徴とするカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物。

【公開番号】特開2009−25782(P2009−25782A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252418(P2007−252418)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000105947)サカタインクス株式会社 (123)
【Fターム(参考)】