カラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法
【課題】外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員の選別によらず、その汚れ欠陥が良品であるか否を選別するカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法を提供する。
【解決手段】1)全画素領域を濃度差画像とする工程、2)濃度差画像を区分濃度差画像とする工程、3)各区分濃度差画像の濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、濃度差密度判定Zを行う工程、4)判定X、判定Y、判定Zの不良個数の合計から区分判定を行う工程、5)上記3)、4)を全区分濃度差画像に行う工程、6)区分判定による不良又は良の結果を配列する工程、7)上記配列で、判定SX、判定SY、判定SZを行う工程、8)上記判定の合計からシート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品と判定を行う工程を具備する。
【解決手段】1)全画素領域を濃度差画像とする工程、2)濃度差画像を区分濃度差画像とする工程、3)各区分濃度差画像の濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、濃度差密度判定Zを行う工程、4)判定X、判定Y、判定Zの不良個数の合計から区分判定を行う工程、5)上記3)、4)を全区分濃度差画像に行う工程、6)区分判定による不良又は良の結果を配列する工程、7)上記配列で、判定SX、判定SY、判定SZを行う工程、8)上記判定の合計からシート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品と判定を行う工程を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタの外観検査に関するものであり、特に、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員によらず、その良否を選別することのできる汚れ欠陥の選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの製造方法としては、先ず、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、次に、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上のブラックマトリックスのパターンに位置合わせして着色画素を形成し、更に透明導電膜、柱状スペーサー、配向制御用突起などを順次に位置合わせして形成するといった方法が広く用いられている。
【0003】
ブラックマトリックスは遮光性を有し、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。このブラックマトリックスの形成は、例えば、黒色感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ法によって形成するといった方法がとられている。
【0004】
また、着色画素は、例えば、赤色、緑色、青色の色再現のフィルタ機能を有するものであり、このブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、例えば、顔料などの色素を分散させたネガ型のフォトレジストの塗布膜を設け、この塗布膜への露光、現像によって着色画素を形成するといった方法がとられている。
また、透明導電膜の形成は、着色画素及びブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いスパッタ法によって透明導電膜を形成するといった方法がとられている。
【0005】
また、フォトスペーサー、及び配向制御用突起などの形成は、上記ブラックマトリックス、或いは着色画素の形成と同様にフォトリソグラフィ法によって形成するといった方法がとられている。
【0006】
このカラーフィルタの製造工程で発生する外観上の欠陥は、主として、画素の一部が欠落した白欠陥と異物の付着などによる黒欠陥に分類される。
白欠陥は、ガラス基板表面のフォトレジストの弾き、フォトレジスト中の気泡、画素上の異物の脱落に伴う膜剥がれなどにより生じる画素の欠落部、すなわち、ピンホールである。ピンホールのあるカラーフィルタが液晶表示装置に組み込まれると、白点として光って観視されるので表示品質を損ねる。
【0007】
また、黒欠陥は、工程中で発生するパーティクル、作業場に浮遊する塵埃などが付着したものであり、画素上では突起となることが多い。例えば、この突起の高さが液晶表示装置の対向基板に接触するような高さであると、短絡を起こし表示品質を損ねる。
【0008】
これら欠陥の検査には、透過光によるカラーフィルタの透過検査と反射光による反射検査の2種の検査がある。透過検査による方が欠陥を検出し、良否を識別することが正確、容易な欠陥には透過検査が行われる。また、反射検査による方が欠陥を検出し、良否を識別することが正確、容易な欠陥には反射検査が行われる。すなわち、各欠陥の性状により透過検査又は/及び反射検査が行われる。
尚、上記検査においては、検査する欠陥項目、良否を識別する水準などは、品目によって
適宜に設定して行われる。
【0009】
図1は、自動外観検査装置の一例の概略を示す側面図である。また、図2は、その平面図である。図1及び図2に示すように、この自動外観検査装置は、定盤(11)、検査ステージ(12)、反射用光源(13A)、反射用検査カメラ(14A)、透過用光源(13B)、透過用検査カメラ(14B)、欠陥検出用の画像処理装置(15)、及び検査制御CPU(16)で構成されている。
検査ステージ(12)に載置されたカラーフィルタ(被検査体)(10)は、図1中、白太矢印で示すように、X軸方向に搬送されながら検査を受ける。
【0010】
反射用光源(13A)は、射出された検査光を搬送されてきたカラーフィルタ(被検査体)(10)の表面に斜め上方から照射する。カラーフィルタ(10)の表面で反射した反射光を反射用検査カメラ(14A)で受光させ、その信号を画像処理装置(15)へと伝送する。
また、透過用光源(13B)は、射出された検査光を搬送されてきたカラーフィルタ(被検査体)(10)の裏面に下方から垂直に照射する。カラーフィルタ(10)を透過した透過光を透過用検査カメラ(14B)で受光させ、その信号を画像処理装置(15)へと伝送する。画像処理装置(15)では、伝送された信号を処理し、欠陥を検出する。検査制御CPU(16)では、検査の制御、欠陥の良否判定、及び欠陥の座標データ、画像データなど欠陥情報を保存する。
【0011】
図2に示すように、この一例における反射用検査カメラ(14A)は、反射用検査カメラ(1)(14A(1))〜反射用検査カメラ(8)(14A(8))の8個の反射用検査カメラで構成されており、これらは、カラーフィルタ(10)の搬送方向(X軸方向)と直角に、すなわち、カラーフィルタ(10)の幅方向(Y軸方向)に一列に順次に配列されている。
また、反射用光源(13A)は、反射用光源(1)(13A(1))〜反射用光源(8)(13A(8))の8個の反射用光源で構成されており、上記反射用検査カメラ(1)(14A(1))〜反射用検査カメラ(8)(14A(8))の配列に対応し、Y軸方向に一列に順次に配列されている。
【0012】
また、透過用検査カメラ(14B)は、透過用検査カメラ(1)(14B(1))〜透過用検査カメラ(8)(14B(8))の8個の透過用検査カメラで構成されており、上記反射用検査カメラ(1)(14A(1))〜反射用検査カメラ(8)(14A(8))の配列に対応し、Y軸方向に一列に順次に配列されている。また、透過用光源(13B)は、透過用光源(1)(13B(1))〜透過用光源(8)(13B(8))の8個の透過用光源で構成されており、各々が定盤(11)の下方にて透過用検査カメラ(1)(14B(1))〜透過用検査カメラ(8)(14B(8))の配列に対応し、Y軸方向に一列に順次に配列されている。
【0013】
カラーフィルタ(10)のサイズは、例えば、幅(W)1500mm×長さ(L)1800mm程度のものである。図1及び図2に示すように、反射用検査カメラ(14A)及び透過用検査カメラ(14B)は固定されており、カラーフィルタ(10)が検査ステージ(12)に載置された状態で、白太矢印で示すように、左方から右方へ移動し、カラーフィルタ(被検査体)(10)面が走査される。
反射用検査カメラ(14A)及び透過用検査カメラ(14B)の撮像素子としては、例えば、ラインセンサーが用いられることが多い。
【0014】
図3は、検査カメラにて撮像されたカラーフィルタ映像の一例を模式的に示す説明図である。図3に示すように、被検査体としてのカラーフィルタは、ブラックマトリックス(
21)が形成され外観検査の終了したガラス基板上に、赤色、緑色、青色の着色画素(22)が形成された状態のものである。各色の着色画素(22)は、その各々が、図3中、Y軸方向に連続して配設されている。またX軸方向には、その各色の連続した列が赤色、緑色、青色の順に繰り返し配設されている。赤色の着色画素(C12)に欠陥(D)が発生している例である。
【0015】
図4(a)は、図3に示す左端下方の赤色の着色画素(C11)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図4(b)は、その右方に隣接する赤色の着色画素(C12)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。また、図4(c)は、図3に示す左端上方の赤色の着色画素(C01)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図4(d)は、その右方に隣接する赤色の着色画素(C02)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。
【0016】
この検査装置は、欠陥がランダムに発生することを前提にして、左右及び上下に隣接する同色の着色画素(22)を比較して欠陥を検出する比較方式を採用したものである。図4中、左端下方の赤色の着色画素(C11)の特定箇所(Ki)の濃度(検査カメラへ入射する光の強さから算出される光学濃度)と、右方に隣接する赤色の着色画素(C12)の特定箇所(Ki)の濃度との濃度差、及び図4中、右端上方の赤色の着色画素(C02)の特定箇所(Ki)の濃度と、下方に隣接する赤色の着色画素(C12)の特定箇所(Ki)の濃度との濃度差によって欠陥を検出する。
【0017】
1個の着色画素は、複数の領域(K1〜Kn)に分割される。複数に分割された1領域は、検査のために比較する着色画素上の1単位であり、以降、本発明においては、この1領域を着色画素上の検査画素と称する。また、例えば、欠陥を複数に分割した際には、その1領域を欠陥の検査画素と称する。
【0018】
先ず、例えば、1)左端下方の赤色の着色画素(C11)の第1検査画素(K1)の濃度と、隣接する赤色の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度を比較し、続いて、右端上方の赤色の着色画素(C02)の第1検査画素(K1)の濃度と、隣接する赤色の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度を比較し、2)次に、着色画素(C11)の第2検査画素(K2)の濃度と、着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度を比較し、続いて、着色画素(C02)の第2検査画素(K2)の濃度と、隣接する赤色の着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度を比較し、以降、同様に順次に比較を行い、着色画素(C11)及び着色画素(C02)に対する着色画素(C12)の欠陥を検出する。
【0019】
図4においては、着色画素(C11)及び着色画素(C02)の第i検査画素(Ki)の濃度と、着色画素(C12)の第i検査画素(Ki)の濃度差が大きいために欠陥として検出されることになる。
この濃度は、検査カメラへ入射する光の強さから算出される光学濃度である。着色画素(C12)上の、濃度差が予め設定した閾値以上ある複数の第i検査画素(Ki)で構成される領域を欠陥と判定するようにしておく。
【0020】
自動外観検査装置で検出された欠陥は、例えば、自動外観検査装置の後工程に設置されたレビュー装置を使用して、作業員がモニターで欠陥を確認することができる。
図5は、作業員が欠陥を確認する際に使用するレビュー装置の一例の概略を示す側面図である。図5に示すように、このレビュー装置は、定盤(11)、検査ステージ(12)、顕微鏡(14C)、モニター(17)で構成されている。
【0021】
検査ステージ(12)に載置されたカラーフィルタ(被検査体)(10)は、定盤(11)上で静止した状態で欠陥の確認を受ける。レビュー装置は、X軸方向及びY軸方向への移動機構(図示せず)によって、定盤(11)上方の顕微鏡(14C)を任意のXY座標位置へ移動させることが出来るようになっている。
【0022】
レビュー装置は、通信手段によって自動外観検査装置の検査制御CPU(16)に接続されており、検査制御CPU(16)に保存された、前記欠陥の座標データを基に、顕微鏡(14C)をカラーフィルタ(被検査体)(10)上の欠陥上方の位置に移動させることが出来るようになっている。
【0023】
顕微鏡(14C)は、撮像素子としてエリアセンサーを備えており、内蔵する照明装置からの検査光をカラーフィルタ(被検査体)(10)上に照射し、オートフォーカスで焦点を合わせ欠陥の映像を取得し、取得した映像をモニター(17)上に表示することができる。
作業員は、レビュー装置のモニター(17)上に表示される映像を観視して、自動外観検査装置が検出した欠陥を確認する。
【0024】
一般的な着色画素の大きさは、幅(a)(60〜120μm)×長さ(b)(100〜300μm)□の大きさであり、修正の対象となる欠陥の大きさは、20〜120μmφ程度のものである。また、現状の自動外観検査装置は、大きさ10μmφ以上の欠陥を検出できる性能を有したものである。
【0025】
さて、先に、欠陥は主として、画素に一部が欠落した白欠陥と異物の付着した黒欠陥に分類されると説明したが、黒欠陥は、濃度が高く、塊となった異物である。自動外観検査装置では1個の個体の欠陥として検出され、その良否判定がなされる。
一方、黒欠陥に類似した欠陥として、汚れ欠陥と称する欠陥は、大きさ10μmφ以下の小異物の集合体である。この汚れ欠陥の小異物は、自動外観検査装置では1個の個体として扱われずに、集合体の欠陥として検出される。しかし、その良否判定はなされない。この汚れ欠陥は、小異物の分布の密度や範囲の度合いで良否判定がなされる。この判定の基準は、官能的な要素が多く、現状の自動外観検査装置における比較方式を採用した検査では良否判定を行うことはできない。
【0026】
従って、自動外観検査装置によって欠陥として検出された汚れ欠陥を、良品扱いとするか、不良品扱いとするかの選別をするために、作業員が、例えば、レビュー装置を使用して検出された汚れ欠陥が良品であるか否かの選別をすることになる。
つまり、レビュー装置では、自動外観検査装置で欠陥として検出された汚れ欠陥が、良品であるか否かを選別する負担が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開平5−288640号公報
【特許文献2】特開2004−177155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員の選別によらず、その汚れ欠陥が良品であるか否を選別することのできるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、カラーフィルタの外観検査装置で検出された欠陥から、汚れ欠陥を選別するカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、
1)検査カメラを用い、前記カラーフィルタの全画素領域を撮像し、細分化して配列された検査画素(K)毎に、
a)該検査画素(K)の濃度と、該検査画素(K)に隣接する同色検査画素の濃度を比較する濃度差処理を行って該検査画素(K)の濃度差を取得し、
b)前記全画素領域を、取得した濃度差を有する配列された濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする工程、
2)該濃度差画像(G1)の領域を、順次に処理するための処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)とし、該区分濃度差画像(G2)毎にそのデータを検査制御CPUに格納する工程、
3)該検査制御CPUから取出した、複数の区分濃度差画像(G2)中の第1区分濃度差画像について、
a)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Xを行い、
b)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Yを行い、
c)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差が予め設定された第2閾値(Tv−2)以上である濃度差検査画素(ΔDK)の数を取得し、「濃度差密度=第2閾値以上の濃度差検査画素の数/第1区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素の数」により算出される濃度差密度を、予め設定された第3閾値(Tv−3)と比較して第3閾値以上又は以下で、濃度差密度を不良又は良とする濃度差密度判定Zを行う工程、
4)上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計が、予め設定された第4閾値(Tv−4)と比較して第4閾値以上又は以下で、第1区分濃度差画像を不良又は良とする区分判定を行う工程、
5)上記3)、4)を複数の区分濃度差画像(G2)中の第2区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像について繰り返し行う工程、
6)上記3)、4)、5)により得られた、第1区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像の区分判定による不良又は良の結果を、前記2)処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)の当該区分位置に配列する工程、
7)該不良又は良の結果の配列について、
a)不良を第1配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SXを行い、
b)不良を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SYを行い、
c)全区分濃度差画像中の不良判定積算値を予め設定された第6閾値(Tv−6)と比較して第6閾値以上又は以下で、不良密度を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SZを行う工程、
8)上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの不良個数の合計が、予め設定された第7閾値(Tv−7)と比較して第7閾値以上又は以下で、シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う工程、
を具備することを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法である。
【0030】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、前記カラーフィルタの画素の形状が略矩形で、該略矩形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されている際に、
1)前記検査画素(K)の形状が正方形で、前記配列が該正方形の対向する2辺をX軸又はY軸と平行にした配列であり、
2)前記隣接する同色検査画素の濃度の比較が、該検査画素のX軸方向及びY軸方向に隣接する同色検査画素の濃度の比較であり、
3)前記濃度差画像(G1)の領域を区分した複数の区分濃度差画像(G2)の形状が正方形で、該正方形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されており、
4)前記第1配列方向がX軸方向であることを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法である。
【0031】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、前記区分濃度差画像(G2)の大きさが、1mm〜100mm□であることを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法である。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、1)カラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする工程、2)濃度差画像(G1)を順次に処理するための処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)とする工程、3)各区分濃度差画像について、X軸方向に積算して濃度差積算値を取得し濃度差積算判定Xを行い、Y軸方向に積算して濃度差積算値を取得し濃度差積算判定Yを行い、各濃度差から濃度差密度判定Zを行う工程、4)上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計から区分判定を行う工程、5)上記3)、4)を全区分濃度差画像について繰り返し行う工程、6)上記区分判定による不良又は良の結果を区分位置に配列する工程、7)上記配列について、シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、シート(カラーフィルタ)判定SZを行う工程、8)上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの合計からシート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う工程、を具備するので、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員の選別によらず、その汚れ欠陥が良品であるか否を選別することのできるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法となる。
【0033】
また、本発明は、コロ・コンベア及び基板受渡部に設けられた搬送コロの、コロのY軸方向の位置の間隔が、概ね、100mm程度であることに基づいていて区分濃度差画像の大きさを1mm〜100mm□としている。濃度差画像の領域を複数の領域に区分した区分濃度差画像の大きさを、1mm〜100mm□とすることによって、コロの汚れに起因するガラス基板の裏面の小異物の集合体は、いづれかの区分濃度差画像に付着することになり、選別において見逃されてしまうことが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】自動外観検査装置の一例の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示す自動外観検査装置の一例の平面図である。
【図3】検査カメラにて撮像されたカラーフィルタ映像の一例を模式的に示す説明図である。
【図4】(a)〜(d)は、図3に示す着色画素の点線で囲む部分を拡大した説明図である。
【図5】欠陥を確認する際に使用するレビュー装置の一例の概略を示す側面図である。
【図6】(a)、(b)は、コロ・コンベア、及び基板受渡部の一例の平面図、及び側断面図である。
【図7】汚れの発生状況の説明図である。
【図8】(a)〜(d)は、本発明における検査画素の説明図である。
【図9】検査画素て取得した濃度差を有する濃度差検査画素を×印で表したものである。
【図10】カラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素で構成される濃度差画像とした一例である。
【図11】区分濃度差画像内の第1区分濃度差画像を拡大して例示したものである。
【図12】区分濃度差画像内の第1区分濃度差画像を拡大して例示したものである。
【図13】区分濃度差画像の区分に不良又は良の結果の配列たものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法を、その実施の形態に基づいて説明する。
カラーフィルタの汚れ欠陥は、大きさ10μmφ以下の小異物の集合体である。本発明者は、この集合体の発生状況を精査した結果、カラーフィルタの着色画素が形成されている面(表面)にランダムに発生することもあるが、その多くは、カラーフィルタの裏面のガラス基板面に発生しており、工程内でガラス基板が搬送される方向に沿って発生するものが多いことを見出した。この発生の傾向からして、工程内での搬送系、特に、コロ・コンベアに起因するものと推量し本発明を達成するに至った。
【0036】
図6(a)、(b)は、カラーフィルタの製造工程内でガラス基板の搬送に用いられるコロ・コンベア(20)、及びコロ・コンベアの末端に設けられた基板受渡部(30)の一例の平面図、及び側断面図である。
図6中、白太矢印で示すように、ガラス基板(10)は、図6中、右方より搬送コロ(21)により搬送され、基板受渡部(30)にて停止する。支持ピン(24)が上昇し、ガラス基板(10)を下面で支えて上方に持ち上げ、ガラス基板(10)とコロ軸(22)との間にロボットのフォーク(40)が進入できる間隔を設ける。
【0037】
ロボットのフォーク(40)は、図6中、左方よりガラス基板(10)の下方に進入し、ガラス基板(10)の右端で進入を停止すると、支持ピン(24)が降下して、ガラス基板(10)をフォーク(40)上へ受渡す。フォーク(40)は、ガラス基板(10)を載せた状態で左方へと戻りガラス基板(10)を、例えば、カセットへ収納する。
【0038】
ガラス基板(10)の裏面に小異物の集合体が発生する原因は、搬送コロのコロ(23)、支持ピン(24)、ロボットのフォーク(40)などの汚れと考えられるが、図6に示す搬送コロ(21)のコロ(23)が設けられているY軸方向の位置(r〜v)に対応したガラス基板(10)の位置に、図7に示すように、線分状にX軸方向に発生している状況であることからして、搬送コロのコロ(23)の何らかの理由による汚れに起因する
ものと推量している。
【0039】
さて、本発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法は、先ず、外観検査装置に備えられている検査カメラを用い、カラーフィルタの全画素領域を撮像し、撮像した画素を複数の領域に細分化した検査画素(K)とする。この検査画素(K)毎に、検査画素(K)の濃度と、検査画素(K)に隣接する同色検査画素の濃度を比較する濃度差処理を行って該検査画素(K)の濃度差を取得する。
【0040】
前記図4は、前記図3に示す着色画素の点線で囲む部分を拡大して検査画素を説明したものであるが、図8は、本発明における検査画素(K)を説明するものである。図8(a)は、図4(a)と同様に、図3に示す着色画素(C11)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図8(b)は、その右方に隣接する着色画素(C12)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。また、図8(c)は、図3に示す左端上方の着色画素(C01)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図8(d)は、その右方に隣接する着色画素(C02)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。検査画素(K)のサイズ(c×c)は、(10×10μm)〜(20×20μm)程度のものである。
【0041】
例えば、着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度差(ΔD)を取得する際には、図8(b)の着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度と、左方に隣接する着色画素(C11)の検査画素(Ki)の濃度、及び図8(b)の着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度と、上方に隣接する着色画素(C02)の検査画素(Ki)の濃度を比較する濃度差処理を行って、着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度差(ΔD)を取得する。つまり、着色画素(C11)及び着色画素(C02)の各検査画素(Ki)の濃度に対する着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度の濃度差(ΔD)を取得する。図9は、着色画素(C12)の検査画素(Ki)における、取得した濃度差を×印で濃度差検査画素(ΔDK)として表したものである。
【0042】
例えば、着色画素(C12)を構成する全ての検査画素(K)の濃度差(ΔD)を取得する際には、1)図8(b)の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度と、左方に隣接する着色画素(C11)の第1検査画素(K1)の濃度、及び図8(b)の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度と、上方に隣接する着色画素(C02)の第1検査画素(K1)の濃度を比較する濃度差処理を行って第1検査画素(K1)の濃度差を取得する。
【0043】
2)次に、着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度と、着色画素(C11)の第2検査画素(K2)の濃度、及び着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度と、着色画素(C02)の第2検査画素(K2)の濃度を比較する濃度差処理を行って第2検査画素(K2)の濃度差を取得する。
以降、同様に順次に濃度を比較する濃度差処理を行って、着色画素(C12)を構成する第1検査画素(K1)〜第n検査画素(Kn)の濃度差を取得する。
【0044】
上記の濃度差を取得する方法は、例として、着色画素(C12)を1単位とし、構成する検査画素(K)の濃度差を取得する方法を説明したが、検査画素(K)の濃度差を取得する方法は、着色画素を1単位とする方法に限定されるものではない。
【0045】
上記のように、本発明による汚れ欠陥の選別方法は、先ず、検査画素(K)の濃度を比較する濃度差処理を行って検査画素(K)の濃度差(ΔD)を取得する。そして、カラーフィルタの全画素領域を、取得した濃度差を有する濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする。
図10中には、濃度差検査画素は表記されていないが、図10に示す濃度差画像(G1)
は、カラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像とした一例である。
【0046】
本発明による選別方法は、次に、上記により得られた濃度差画像(G1)の領域を順次に処理するために、複数の領域に区分し区分濃度差画像(G2)とする。図10は、例えば、1基の液晶表示装置に対応したカラーフィルタを表したものであり、このカラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)としたものである。
【0047】
この濃度差画像(G1)の領域を、図10に示すように、例えば、m×nに区分したものが区分濃度差画像(G2)である。図10は、区分濃度差画像(G2)として、正方形の形状のものが、その対向する2辺をX軸及びY軸と平行にして配列された例である。
この区分濃度差画像(G2)単位の処理の順序は、例えば、G2(1−1)、G2(1−2)、G2(1−3)、・・・G2(1−n)、続いてG2(2−1)、G2(2−2)、・・・G2(2−n)、・・・を順序としたものが挙げられる。
【0048】
m×nに区分した区分濃度差画像(G2)のデータとして、区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素(ΔDK)の座標位置情報、濃度差情報などのデータが区分濃度差画像(G2)毎に外観検査装置の検査制御CPUに格納される。
【0049】
また、区分濃度差画像(G2)の大きさは、1mm〜100mm□であることが好ましい。これは、図6に示すコロ・コンベア(20)及び基板受渡部(30)に設けられた搬送コロ(21)の、コロ(23)のY軸方向の位置(r〜v)の間隔が、概ね、100mm程度であることに基づいている。
濃度差画像(G1)の領域を複数の領域に区分した区分濃度差画像(G2)の大きさを、1mm〜100mm□とすることによって、コロ(23)の汚れに起因するガラス基板の裏面の小異物の集合体は、いづれかの区分濃度差画像(G2)に付着することになり、選別において見逃されてしまうことが回避される。
【0050】
本発明による選別方法は、次に、検査制御CPUから区分濃度差画像(G2)単位のデータを順次に取出し、区分濃度差画像(G2)毎に、その区分濃度差画像の汚れを判定する対象として扱い、不良か否かの区分判定を行う。
図11は、図10に示すm×nに区分した区分濃度差画像(G2)内の、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を拡大して例示したものである。図11に示すように、この第1区分濃度差画像(G2(1−1))は、p×qの濃度差検査画素(ΔDK)で構成されている。
【0051】
第1区分濃度差画像(G2(1−1))は正方形であり、濃度差検査画素(ΔDK)も正方形であり、p=qの例である。この第1区分濃度差画像(G2(1−1))以外の区分濃度差画像も同様の構成である。図11に示す濃度差検査画素(ΔDK)の各々が、前記により取得した濃度差(ΔDK)を有している。
尚、図11では、区分濃度差画像(G2)の構成を説明するために、濃度差検査画素(ΔDK)の数を少なくして表記している。
【0052】
図12に示す第1区分濃度差画像(G2(1−1))は、第1区分濃度差画像(G2(1−1))が不良か否かの区分判定を説明するために、構成する濃度差検査画素(ΔDK)の数を多くして表記したものである。図12中、方眼目の1目が濃度差検査画素(ΔDK)の1個に相当する。
図12に示すように、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差(ΔD)をX軸方向に積算して濃度差積算値を取得す
る。
【0053】
例えば、図11に示す最上行の濃度差検査画素である、ΔDK(1−1)、ΔDK(2−1)、ΔDK(3−1)、・・・ΔDK(p−1)をX軸方向に積算して最上行の濃度差積算値を取得する。図12中、右方の棒グラフがX軸方向に積算した濃度差積算値である。各行のX軸方向に積算した濃度差積算値を表したものである。
この濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、X軸方向を不良又は良とする濃度差積算判定Xを行う。
【0054】
続いて、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差(ΔD)をY軸方向に積算して濃度差積算値を取得する。図11に示す最左列の濃度差検査画素である、ΔDK(1−1)、ΔDK(1−2)、ΔDK(1−3)、・・・ΔDK(1−q)をY軸方向に積算して最左列の濃度差積算値を取得する。図12中、下方の棒グラフがY軸方向に積算した濃度差積算値である。各列のY軸方向に積算した濃度差積算値を表したものである。
この濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、Y軸方向を不良又は良とする濃度差積算判定Yを行う。
【0055】
続いて、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差(ΔD)が予め設定された第2閾値(Tv−2)以上である濃度差検査画素(ΔDK)の数を取得する。
得られた濃度差検査画素(ΔDK)の数を用いて、「濃度差密度=第2閾値以上の濃度差検査画素の数/第1区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素の数」により算出される濃度差密度を、予め設定された第3閾値(Tv−3)と比較して第3閾値以上又は以下で、濃度差密度を不良又は良とする濃度差密度判定Zを行う。
【0056】
続いて、上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計が、予め設定された第4閾値(Tv−4)と比較して第4閾値以上又は以下で、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を不良又は良とする区分判定を行う。
【0057】
本発明による選別方法は、次に、上記区分判定を、第2区分濃度差画像(G2(1−2))〜最終区分濃度差画像(G2(m−n))について順次に行い、各区分濃度差画像を不良又は良とする。
【0058】
本発明による選別方法は、次に、上記により得られた、第1区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像の区分判定による不良又は良の結果を、前記処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)の当該区分位置に、図10に示す様式に準じて配列する。
図13は、図10に準じた様式であり、濃度差画像(G1)の領域を複数の区分濃度差画像(G2)に区分したものである。
上記区分判定により得られた、各区分濃度差画像(G2)の不良又は良の結果を当該区分位置に配列したものである。図13中、×印は区分濃度差画像(G2)の不良、無印は区分濃度差画像(G2)の良を表している。
【0059】
本発明による選別方法は、次に、上記により得られた、区分濃度差画像(G2)の不良又は良の結果の配列について、シート(カラーフィルタ)判定を行う。
配列された不良(×印)をX軸方向に積算して不良判定積算値を取得する。例えば、図13に示す最上行であるG2(1−1)〜G2(m−1)位置の不良(×印)をX軸方向に積算して最上行の不良判定積算値を取得する。
【0060】
図13中、右方の棒グラフがX軸方向に積算した不良判定積算値である。各行のX軸方
向に積算した不良判定積算値を表したものである。
この不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、X軸方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SXを行う。
【0061】
続いて、配列された不良(×印)をY軸方向に積算して不良判定積算値を取得する。例えば、図13に示す最左列であるG2(1−1)〜G2(1−n)位置の不良(×印)をY軸方向に積算して最左列の不良判定積算値を取得する。
図13中、下方の棒グラフがY軸方向に積算した不良判定積算値である。各列のY軸方向に積算した不良判定積算値を表したものである。
この不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、Y軸方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SYを行う。
【0062】
続いて、区分濃度差画像中の不良を積算して不良判定積算値をを取得する。この不良判定積算値を予め設定された第6閾値(Tv−6)と比較して第6閾値以上又は以下で、不良密度を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SZを行う。
この際、上記第5閾値(Tv−5)は、濃度差画像(G1)を区分濃度差画像(G2)に区分するmとnの比に準じ、X軸方向の第5閾値(Tv−5)とY軸方向の第5閾値(Tv−5)を調整することが好ましい。
【0063】
続いて、上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの不良個数の合計が、予め設定された第7閾値(Tv−7)と比較して第7閾値以上又は以下で、シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う。
【0064】
上記のように、本発明によれば、1)全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とし、2)該濃度差画像(G1)を複数の区分濃度差画像(G2)とし、3)各区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を積算して濃度差積算値を取得し、濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、濃度差密度判定Zを行って区分判定を行い、4)区分判定の不良又は良の結果の配列をし、シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、シート(カラーフィルタ)判定SZを行って、5)シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行うので、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員の選別によらず、その汚れ欠陥が良品であるか否を選別することができる。
【符号の説明】
【0065】
10・・・カラーフィルタ(ガラス基板)
11・・・定盤
12・・・検査ステージ
13A・・・反射用光源
13B・・・透過用光源
14A・・・反射用検査カメラ
14B・・・透過用検査カメラ
14C・・・顕微鏡
15・・・画像処理装置
16・・・検査制御CPU
17・・・モニター
20・・・コロ・コンベア
21・・・搬送コロ
22・・・赤色の着色画素
23・・・コロ
24・・・支持ピン
30・・・基板受渡部
40・・・ロボットのフォーク
C01、C02、C11、C12・・・隣接する着色画素
D・・・欠陥
G1・・・濃度差画像
G2・・・区分濃度差画像
K・・・検査画素
Ki・・・着色画素の特定箇所(検査画素)
K1〜Kn・・・複数の検査画素
L×W・・・カラーフィルタの長さ、幅
Tv−1〜Tv−7・・・第1閾値〜第7閾値
ΔD・・・濃度差
ΔDK・・・濃度差検査画素
a×b・・・着色画素の大きさ
c×c・・・検査画素の大きさ
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタの外観検査に関するものであり、特に、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員によらず、その良否を選別することのできる汚れ欠陥の選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの製造方法としては、先ず、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、次に、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上のブラックマトリックスのパターンに位置合わせして着色画素を形成し、更に透明導電膜、柱状スペーサー、配向制御用突起などを順次に位置合わせして形成するといった方法が広く用いられている。
【0003】
ブラックマトリックスは遮光性を有し、カラーフィルタの着色画素の位置を定め、大きさを均一なものとし、また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。このブラックマトリックスの形成は、例えば、黒色感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ法によって形成するといった方法がとられている。
【0004】
また、着色画素は、例えば、赤色、緑色、青色の色再現のフィルタ機能を有するものであり、このブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、例えば、顔料などの色素を分散させたネガ型のフォトレジストの塗布膜を設け、この塗布膜への露光、現像によって着色画素を形成するといった方法がとられている。
また、透明導電膜の形成は、着色画素及びブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いスパッタ法によって透明導電膜を形成するといった方法がとられている。
【0005】
また、フォトスペーサー、及び配向制御用突起などの形成は、上記ブラックマトリックス、或いは着色画素の形成と同様にフォトリソグラフィ法によって形成するといった方法がとられている。
【0006】
このカラーフィルタの製造工程で発生する外観上の欠陥は、主として、画素の一部が欠落した白欠陥と異物の付着などによる黒欠陥に分類される。
白欠陥は、ガラス基板表面のフォトレジストの弾き、フォトレジスト中の気泡、画素上の異物の脱落に伴う膜剥がれなどにより生じる画素の欠落部、すなわち、ピンホールである。ピンホールのあるカラーフィルタが液晶表示装置に組み込まれると、白点として光って観視されるので表示品質を損ねる。
【0007】
また、黒欠陥は、工程中で発生するパーティクル、作業場に浮遊する塵埃などが付着したものであり、画素上では突起となることが多い。例えば、この突起の高さが液晶表示装置の対向基板に接触するような高さであると、短絡を起こし表示品質を損ねる。
【0008】
これら欠陥の検査には、透過光によるカラーフィルタの透過検査と反射光による反射検査の2種の検査がある。透過検査による方が欠陥を検出し、良否を識別することが正確、容易な欠陥には透過検査が行われる。また、反射検査による方が欠陥を検出し、良否を識別することが正確、容易な欠陥には反射検査が行われる。すなわち、各欠陥の性状により透過検査又は/及び反射検査が行われる。
尚、上記検査においては、検査する欠陥項目、良否を識別する水準などは、品目によって
適宜に設定して行われる。
【0009】
図1は、自動外観検査装置の一例の概略を示す側面図である。また、図2は、その平面図である。図1及び図2に示すように、この自動外観検査装置は、定盤(11)、検査ステージ(12)、反射用光源(13A)、反射用検査カメラ(14A)、透過用光源(13B)、透過用検査カメラ(14B)、欠陥検出用の画像処理装置(15)、及び検査制御CPU(16)で構成されている。
検査ステージ(12)に載置されたカラーフィルタ(被検査体)(10)は、図1中、白太矢印で示すように、X軸方向に搬送されながら検査を受ける。
【0010】
反射用光源(13A)は、射出された検査光を搬送されてきたカラーフィルタ(被検査体)(10)の表面に斜め上方から照射する。カラーフィルタ(10)の表面で反射した反射光を反射用検査カメラ(14A)で受光させ、その信号を画像処理装置(15)へと伝送する。
また、透過用光源(13B)は、射出された検査光を搬送されてきたカラーフィルタ(被検査体)(10)の裏面に下方から垂直に照射する。カラーフィルタ(10)を透過した透過光を透過用検査カメラ(14B)で受光させ、その信号を画像処理装置(15)へと伝送する。画像処理装置(15)では、伝送された信号を処理し、欠陥を検出する。検査制御CPU(16)では、検査の制御、欠陥の良否判定、及び欠陥の座標データ、画像データなど欠陥情報を保存する。
【0011】
図2に示すように、この一例における反射用検査カメラ(14A)は、反射用検査カメラ(1)(14A(1))〜反射用検査カメラ(8)(14A(8))の8個の反射用検査カメラで構成されており、これらは、カラーフィルタ(10)の搬送方向(X軸方向)と直角に、すなわち、カラーフィルタ(10)の幅方向(Y軸方向)に一列に順次に配列されている。
また、反射用光源(13A)は、反射用光源(1)(13A(1))〜反射用光源(8)(13A(8))の8個の反射用光源で構成されており、上記反射用検査カメラ(1)(14A(1))〜反射用検査カメラ(8)(14A(8))の配列に対応し、Y軸方向に一列に順次に配列されている。
【0012】
また、透過用検査カメラ(14B)は、透過用検査カメラ(1)(14B(1))〜透過用検査カメラ(8)(14B(8))の8個の透過用検査カメラで構成されており、上記反射用検査カメラ(1)(14A(1))〜反射用検査カメラ(8)(14A(8))の配列に対応し、Y軸方向に一列に順次に配列されている。また、透過用光源(13B)は、透過用光源(1)(13B(1))〜透過用光源(8)(13B(8))の8個の透過用光源で構成されており、各々が定盤(11)の下方にて透過用検査カメラ(1)(14B(1))〜透過用検査カメラ(8)(14B(8))の配列に対応し、Y軸方向に一列に順次に配列されている。
【0013】
カラーフィルタ(10)のサイズは、例えば、幅(W)1500mm×長さ(L)1800mm程度のものである。図1及び図2に示すように、反射用検査カメラ(14A)及び透過用検査カメラ(14B)は固定されており、カラーフィルタ(10)が検査ステージ(12)に載置された状態で、白太矢印で示すように、左方から右方へ移動し、カラーフィルタ(被検査体)(10)面が走査される。
反射用検査カメラ(14A)及び透過用検査カメラ(14B)の撮像素子としては、例えば、ラインセンサーが用いられることが多い。
【0014】
図3は、検査カメラにて撮像されたカラーフィルタ映像の一例を模式的に示す説明図である。図3に示すように、被検査体としてのカラーフィルタは、ブラックマトリックス(
21)が形成され外観検査の終了したガラス基板上に、赤色、緑色、青色の着色画素(22)が形成された状態のものである。各色の着色画素(22)は、その各々が、図3中、Y軸方向に連続して配設されている。またX軸方向には、その各色の連続した列が赤色、緑色、青色の順に繰り返し配設されている。赤色の着色画素(C12)に欠陥(D)が発生している例である。
【0015】
図4(a)は、図3に示す左端下方の赤色の着色画素(C11)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図4(b)は、その右方に隣接する赤色の着色画素(C12)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。また、図4(c)は、図3に示す左端上方の赤色の着色画素(C01)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図4(d)は、その右方に隣接する赤色の着色画素(C02)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。
【0016】
この検査装置は、欠陥がランダムに発生することを前提にして、左右及び上下に隣接する同色の着色画素(22)を比較して欠陥を検出する比較方式を採用したものである。図4中、左端下方の赤色の着色画素(C11)の特定箇所(Ki)の濃度(検査カメラへ入射する光の強さから算出される光学濃度)と、右方に隣接する赤色の着色画素(C12)の特定箇所(Ki)の濃度との濃度差、及び図4中、右端上方の赤色の着色画素(C02)の特定箇所(Ki)の濃度と、下方に隣接する赤色の着色画素(C12)の特定箇所(Ki)の濃度との濃度差によって欠陥を検出する。
【0017】
1個の着色画素は、複数の領域(K1〜Kn)に分割される。複数に分割された1領域は、検査のために比較する着色画素上の1単位であり、以降、本発明においては、この1領域を着色画素上の検査画素と称する。また、例えば、欠陥を複数に分割した際には、その1領域を欠陥の検査画素と称する。
【0018】
先ず、例えば、1)左端下方の赤色の着色画素(C11)の第1検査画素(K1)の濃度と、隣接する赤色の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度を比較し、続いて、右端上方の赤色の着色画素(C02)の第1検査画素(K1)の濃度と、隣接する赤色の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度を比較し、2)次に、着色画素(C11)の第2検査画素(K2)の濃度と、着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度を比較し、続いて、着色画素(C02)の第2検査画素(K2)の濃度と、隣接する赤色の着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度を比較し、以降、同様に順次に比較を行い、着色画素(C11)及び着色画素(C02)に対する着色画素(C12)の欠陥を検出する。
【0019】
図4においては、着色画素(C11)及び着色画素(C02)の第i検査画素(Ki)の濃度と、着色画素(C12)の第i検査画素(Ki)の濃度差が大きいために欠陥として検出されることになる。
この濃度は、検査カメラへ入射する光の強さから算出される光学濃度である。着色画素(C12)上の、濃度差が予め設定した閾値以上ある複数の第i検査画素(Ki)で構成される領域を欠陥と判定するようにしておく。
【0020】
自動外観検査装置で検出された欠陥は、例えば、自動外観検査装置の後工程に設置されたレビュー装置を使用して、作業員がモニターで欠陥を確認することができる。
図5は、作業員が欠陥を確認する際に使用するレビュー装置の一例の概略を示す側面図である。図5に示すように、このレビュー装置は、定盤(11)、検査ステージ(12)、顕微鏡(14C)、モニター(17)で構成されている。
【0021】
検査ステージ(12)に載置されたカラーフィルタ(被検査体)(10)は、定盤(11)上で静止した状態で欠陥の確認を受ける。レビュー装置は、X軸方向及びY軸方向への移動機構(図示せず)によって、定盤(11)上方の顕微鏡(14C)を任意のXY座標位置へ移動させることが出来るようになっている。
【0022】
レビュー装置は、通信手段によって自動外観検査装置の検査制御CPU(16)に接続されており、検査制御CPU(16)に保存された、前記欠陥の座標データを基に、顕微鏡(14C)をカラーフィルタ(被検査体)(10)上の欠陥上方の位置に移動させることが出来るようになっている。
【0023】
顕微鏡(14C)は、撮像素子としてエリアセンサーを備えており、内蔵する照明装置からの検査光をカラーフィルタ(被検査体)(10)上に照射し、オートフォーカスで焦点を合わせ欠陥の映像を取得し、取得した映像をモニター(17)上に表示することができる。
作業員は、レビュー装置のモニター(17)上に表示される映像を観視して、自動外観検査装置が検出した欠陥を確認する。
【0024】
一般的な着色画素の大きさは、幅(a)(60〜120μm)×長さ(b)(100〜300μm)□の大きさであり、修正の対象となる欠陥の大きさは、20〜120μmφ程度のものである。また、現状の自動外観検査装置は、大きさ10μmφ以上の欠陥を検出できる性能を有したものである。
【0025】
さて、先に、欠陥は主として、画素に一部が欠落した白欠陥と異物の付着した黒欠陥に分類されると説明したが、黒欠陥は、濃度が高く、塊となった異物である。自動外観検査装置では1個の個体の欠陥として検出され、その良否判定がなされる。
一方、黒欠陥に類似した欠陥として、汚れ欠陥と称する欠陥は、大きさ10μmφ以下の小異物の集合体である。この汚れ欠陥の小異物は、自動外観検査装置では1個の個体として扱われずに、集合体の欠陥として検出される。しかし、その良否判定はなされない。この汚れ欠陥は、小異物の分布の密度や範囲の度合いで良否判定がなされる。この判定の基準は、官能的な要素が多く、現状の自動外観検査装置における比較方式を採用した検査では良否判定を行うことはできない。
【0026】
従って、自動外観検査装置によって欠陥として検出された汚れ欠陥を、良品扱いとするか、不良品扱いとするかの選別をするために、作業員が、例えば、レビュー装置を使用して検出された汚れ欠陥が良品であるか否かの選別をすることになる。
つまり、レビュー装置では、自動外観検査装置で欠陥として検出された汚れ欠陥が、良品であるか否かを選別する負担が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開平5−288640号公報
【特許文献2】特開2004−177155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員の選別によらず、その汚れ欠陥が良品であるか否を選別することのできるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、カラーフィルタの外観検査装置で検出された欠陥から、汚れ欠陥を選別するカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、
1)検査カメラを用い、前記カラーフィルタの全画素領域を撮像し、細分化して配列された検査画素(K)毎に、
a)該検査画素(K)の濃度と、該検査画素(K)に隣接する同色検査画素の濃度を比較する濃度差処理を行って該検査画素(K)の濃度差を取得し、
b)前記全画素領域を、取得した濃度差を有する配列された濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする工程、
2)該濃度差画像(G1)の領域を、順次に処理するための処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)とし、該区分濃度差画像(G2)毎にそのデータを検査制御CPUに格納する工程、
3)該検査制御CPUから取出した、複数の区分濃度差画像(G2)中の第1区分濃度差画像について、
a)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Xを行い、
b)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Yを行い、
c)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差が予め設定された第2閾値(Tv−2)以上である濃度差検査画素(ΔDK)の数を取得し、「濃度差密度=第2閾値以上の濃度差検査画素の数/第1区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素の数」により算出される濃度差密度を、予め設定された第3閾値(Tv−3)と比較して第3閾値以上又は以下で、濃度差密度を不良又は良とする濃度差密度判定Zを行う工程、
4)上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計が、予め設定された第4閾値(Tv−4)と比較して第4閾値以上又は以下で、第1区分濃度差画像を不良又は良とする区分判定を行う工程、
5)上記3)、4)を複数の区分濃度差画像(G2)中の第2区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像について繰り返し行う工程、
6)上記3)、4)、5)により得られた、第1区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像の区分判定による不良又は良の結果を、前記2)処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)の当該区分位置に配列する工程、
7)該不良又は良の結果の配列について、
a)不良を第1配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SXを行い、
b)不良を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SYを行い、
c)全区分濃度差画像中の不良判定積算値を予め設定された第6閾値(Tv−6)と比較して第6閾値以上又は以下で、不良密度を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SZを行う工程、
8)上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの不良個数の合計が、予め設定された第7閾値(Tv−7)と比較して第7閾値以上又は以下で、シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う工程、
を具備することを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法である。
【0030】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、前記カラーフィルタの画素の形状が略矩形で、該略矩形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されている際に、
1)前記検査画素(K)の形状が正方形で、前記配列が該正方形の対向する2辺をX軸又はY軸と平行にした配列であり、
2)前記隣接する同色検査画素の濃度の比較が、該検査画素のX軸方向及びY軸方向に隣接する同色検査画素の濃度の比較であり、
3)前記濃度差画像(G1)の領域を区分した複数の区分濃度差画像(G2)の形状が正方形で、該正方形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されており、
4)前記第1配列方向がX軸方向であることを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法である。
【0031】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、前記区分濃度差画像(G2)の大きさが、1mm〜100mm□であることを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法である。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、1)カラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする工程、2)濃度差画像(G1)を順次に処理するための処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)とする工程、3)各区分濃度差画像について、X軸方向に積算して濃度差積算値を取得し濃度差積算判定Xを行い、Y軸方向に積算して濃度差積算値を取得し濃度差積算判定Yを行い、各濃度差から濃度差密度判定Zを行う工程、4)上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計から区分判定を行う工程、5)上記3)、4)を全区分濃度差画像について繰り返し行う工程、6)上記区分判定による不良又は良の結果を区分位置に配列する工程、7)上記配列について、シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、シート(カラーフィルタ)判定SZを行う工程、8)上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの合計からシート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う工程、を具備するので、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員の選別によらず、その汚れ欠陥が良品であるか否を選別することのできるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法となる。
【0033】
また、本発明は、コロ・コンベア及び基板受渡部に設けられた搬送コロの、コロのY軸方向の位置の間隔が、概ね、100mm程度であることに基づいていて区分濃度差画像の大きさを1mm〜100mm□としている。濃度差画像の領域を複数の領域に区分した区分濃度差画像の大きさを、1mm〜100mm□とすることによって、コロの汚れに起因するガラス基板の裏面の小異物の集合体は、いづれかの区分濃度差画像に付着することになり、選別において見逃されてしまうことが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】自動外観検査装置の一例の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示す自動外観検査装置の一例の平面図である。
【図3】検査カメラにて撮像されたカラーフィルタ映像の一例を模式的に示す説明図である。
【図4】(a)〜(d)は、図3に示す着色画素の点線で囲む部分を拡大した説明図である。
【図5】欠陥を確認する際に使用するレビュー装置の一例の概略を示す側面図である。
【図6】(a)、(b)は、コロ・コンベア、及び基板受渡部の一例の平面図、及び側断面図である。
【図7】汚れの発生状況の説明図である。
【図8】(a)〜(d)は、本発明における検査画素の説明図である。
【図9】検査画素て取得した濃度差を有する濃度差検査画素を×印で表したものである。
【図10】カラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素で構成される濃度差画像とした一例である。
【図11】区分濃度差画像内の第1区分濃度差画像を拡大して例示したものである。
【図12】区分濃度差画像内の第1区分濃度差画像を拡大して例示したものである。
【図13】区分濃度差画像の区分に不良又は良の結果の配列たものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法を、その実施の形態に基づいて説明する。
カラーフィルタの汚れ欠陥は、大きさ10μmφ以下の小異物の集合体である。本発明者は、この集合体の発生状況を精査した結果、カラーフィルタの着色画素が形成されている面(表面)にランダムに発生することもあるが、その多くは、カラーフィルタの裏面のガラス基板面に発生しており、工程内でガラス基板が搬送される方向に沿って発生するものが多いことを見出した。この発生の傾向からして、工程内での搬送系、特に、コロ・コンベアに起因するものと推量し本発明を達成するに至った。
【0036】
図6(a)、(b)は、カラーフィルタの製造工程内でガラス基板の搬送に用いられるコロ・コンベア(20)、及びコロ・コンベアの末端に設けられた基板受渡部(30)の一例の平面図、及び側断面図である。
図6中、白太矢印で示すように、ガラス基板(10)は、図6中、右方より搬送コロ(21)により搬送され、基板受渡部(30)にて停止する。支持ピン(24)が上昇し、ガラス基板(10)を下面で支えて上方に持ち上げ、ガラス基板(10)とコロ軸(22)との間にロボットのフォーク(40)が進入できる間隔を設ける。
【0037】
ロボットのフォーク(40)は、図6中、左方よりガラス基板(10)の下方に進入し、ガラス基板(10)の右端で進入を停止すると、支持ピン(24)が降下して、ガラス基板(10)をフォーク(40)上へ受渡す。フォーク(40)は、ガラス基板(10)を載せた状態で左方へと戻りガラス基板(10)を、例えば、カセットへ収納する。
【0038】
ガラス基板(10)の裏面に小異物の集合体が発生する原因は、搬送コロのコロ(23)、支持ピン(24)、ロボットのフォーク(40)などの汚れと考えられるが、図6に示す搬送コロ(21)のコロ(23)が設けられているY軸方向の位置(r〜v)に対応したガラス基板(10)の位置に、図7に示すように、線分状にX軸方向に発生している状況であることからして、搬送コロのコロ(23)の何らかの理由による汚れに起因する
ものと推量している。
【0039】
さて、本発明によるカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法は、先ず、外観検査装置に備えられている検査カメラを用い、カラーフィルタの全画素領域を撮像し、撮像した画素を複数の領域に細分化した検査画素(K)とする。この検査画素(K)毎に、検査画素(K)の濃度と、検査画素(K)に隣接する同色検査画素の濃度を比較する濃度差処理を行って該検査画素(K)の濃度差を取得する。
【0040】
前記図4は、前記図3に示す着色画素の点線で囲む部分を拡大して検査画素を説明したものであるが、図8は、本発明における検査画素(K)を説明するものである。図8(a)は、図4(a)と同様に、図3に示す着色画素(C11)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図8(b)は、その右方に隣接する着色画素(C12)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。また、図8(c)は、図3に示す左端上方の着色画素(C01)の点線で囲む部分を拡大した説明図、図8(d)は、その右方に隣接する着色画素(C02)の点線で囲む部分を拡大した説明図である。検査画素(K)のサイズ(c×c)は、(10×10μm)〜(20×20μm)程度のものである。
【0041】
例えば、着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度差(ΔD)を取得する際には、図8(b)の着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度と、左方に隣接する着色画素(C11)の検査画素(Ki)の濃度、及び図8(b)の着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度と、上方に隣接する着色画素(C02)の検査画素(Ki)の濃度を比較する濃度差処理を行って、着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度差(ΔD)を取得する。つまり、着色画素(C11)及び着色画素(C02)の各検査画素(Ki)の濃度に対する着色画素(C12)の検査画素(Ki)の濃度の濃度差(ΔD)を取得する。図9は、着色画素(C12)の検査画素(Ki)における、取得した濃度差を×印で濃度差検査画素(ΔDK)として表したものである。
【0042】
例えば、着色画素(C12)を構成する全ての検査画素(K)の濃度差(ΔD)を取得する際には、1)図8(b)の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度と、左方に隣接する着色画素(C11)の第1検査画素(K1)の濃度、及び図8(b)の着色画素(C12)の第1検査画素(K1)の濃度と、上方に隣接する着色画素(C02)の第1検査画素(K1)の濃度を比較する濃度差処理を行って第1検査画素(K1)の濃度差を取得する。
【0043】
2)次に、着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度と、着色画素(C11)の第2検査画素(K2)の濃度、及び着色画素(C12)の第2検査画素(K2)の濃度と、着色画素(C02)の第2検査画素(K2)の濃度を比較する濃度差処理を行って第2検査画素(K2)の濃度差を取得する。
以降、同様に順次に濃度を比較する濃度差処理を行って、着色画素(C12)を構成する第1検査画素(K1)〜第n検査画素(Kn)の濃度差を取得する。
【0044】
上記の濃度差を取得する方法は、例として、着色画素(C12)を1単位とし、構成する検査画素(K)の濃度差を取得する方法を説明したが、検査画素(K)の濃度差を取得する方法は、着色画素を1単位とする方法に限定されるものではない。
【0045】
上記のように、本発明による汚れ欠陥の選別方法は、先ず、検査画素(K)の濃度を比較する濃度差処理を行って検査画素(K)の濃度差(ΔD)を取得する。そして、カラーフィルタの全画素領域を、取得した濃度差を有する濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする。
図10中には、濃度差検査画素は表記されていないが、図10に示す濃度差画像(G1)
は、カラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像とした一例である。
【0046】
本発明による選別方法は、次に、上記により得られた濃度差画像(G1)の領域を順次に処理するために、複数の領域に区分し区分濃度差画像(G2)とする。図10は、例えば、1基の液晶表示装置に対応したカラーフィルタを表したものであり、このカラーフィルタの全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)としたものである。
【0047】
この濃度差画像(G1)の領域を、図10に示すように、例えば、m×nに区分したものが区分濃度差画像(G2)である。図10は、区分濃度差画像(G2)として、正方形の形状のものが、その対向する2辺をX軸及びY軸と平行にして配列された例である。
この区分濃度差画像(G2)単位の処理の順序は、例えば、G2(1−1)、G2(1−2)、G2(1−3)、・・・G2(1−n)、続いてG2(2−1)、G2(2−2)、・・・G2(2−n)、・・・を順序としたものが挙げられる。
【0048】
m×nに区分した区分濃度差画像(G2)のデータとして、区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素(ΔDK)の座標位置情報、濃度差情報などのデータが区分濃度差画像(G2)毎に外観検査装置の検査制御CPUに格納される。
【0049】
また、区分濃度差画像(G2)の大きさは、1mm〜100mm□であることが好ましい。これは、図6に示すコロ・コンベア(20)及び基板受渡部(30)に設けられた搬送コロ(21)の、コロ(23)のY軸方向の位置(r〜v)の間隔が、概ね、100mm程度であることに基づいている。
濃度差画像(G1)の領域を複数の領域に区分した区分濃度差画像(G2)の大きさを、1mm〜100mm□とすることによって、コロ(23)の汚れに起因するガラス基板の裏面の小異物の集合体は、いづれかの区分濃度差画像(G2)に付着することになり、選別において見逃されてしまうことが回避される。
【0050】
本発明による選別方法は、次に、検査制御CPUから区分濃度差画像(G2)単位のデータを順次に取出し、区分濃度差画像(G2)毎に、その区分濃度差画像の汚れを判定する対象として扱い、不良か否かの区分判定を行う。
図11は、図10に示すm×nに区分した区分濃度差画像(G2)内の、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を拡大して例示したものである。図11に示すように、この第1区分濃度差画像(G2(1−1))は、p×qの濃度差検査画素(ΔDK)で構成されている。
【0051】
第1区分濃度差画像(G2(1−1))は正方形であり、濃度差検査画素(ΔDK)も正方形であり、p=qの例である。この第1区分濃度差画像(G2(1−1))以外の区分濃度差画像も同様の構成である。図11に示す濃度差検査画素(ΔDK)の各々が、前記により取得した濃度差(ΔDK)を有している。
尚、図11では、区分濃度差画像(G2)の構成を説明するために、濃度差検査画素(ΔDK)の数を少なくして表記している。
【0052】
図12に示す第1区分濃度差画像(G2(1−1))は、第1区分濃度差画像(G2(1−1))が不良か否かの区分判定を説明するために、構成する濃度差検査画素(ΔDK)の数を多くして表記したものである。図12中、方眼目の1目が濃度差検査画素(ΔDK)の1個に相当する。
図12に示すように、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差(ΔD)をX軸方向に積算して濃度差積算値を取得す
る。
【0053】
例えば、図11に示す最上行の濃度差検査画素である、ΔDK(1−1)、ΔDK(2−1)、ΔDK(3−1)、・・・ΔDK(p−1)をX軸方向に積算して最上行の濃度差積算値を取得する。図12中、右方の棒グラフがX軸方向に積算した濃度差積算値である。各行のX軸方向に積算した濃度差積算値を表したものである。
この濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、X軸方向を不良又は良とする濃度差積算判定Xを行う。
【0054】
続いて、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差(ΔD)をY軸方向に積算して濃度差積算値を取得する。図11に示す最左列の濃度差検査画素である、ΔDK(1−1)、ΔDK(1−2)、ΔDK(1−3)、・・・ΔDK(1−q)をY軸方向に積算して最左列の濃度差積算値を取得する。図12中、下方の棒グラフがY軸方向に積算した濃度差積算値である。各列のY軸方向に積算した濃度差積算値を表したものである。
この濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、Y軸方向を不良又は良とする濃度差積算判定Yを行う。
【0055】
続いて、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差(ΔD)が予め設定された第2閾値(Tv−2)以上である濃度差検査画素(ΔDK)の数を取得する。
得られた濃度差検査画素(ΔDK)の数を用いて、「濃度差密度=第2閾値以上の濃度差検査画素の数/第1区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素の数」により算出される濃度差密度を、予め設定された第3閾値(Tv−3)と比較して第3閾値以上又は以下で、濃度差密度を不良又は良とする濃度差密度判定Zを行う。
【0056】
続いて、上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計が、予め設定された第4閾値(Tv−4)と比較して第4閾値以上又は以下で、第1区分濃度差画像(G2(1−1))を不良又は良とする区分判定を行う。
【0057】
本発明による選別方法は、次に、上記区分判定を、第2区分濃度差画像(G2(1−2))〜最終区分濃度差画像(G2(m−n))について順次に行い、各区分濃度差画像を不良又は良とする。
【0058】
本発明による選別方法は、次に、上記により得られた、第1区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像の区分判定による不良又は良の結果を、前記処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)の当該区分位置に、図10に示す様式に準じて配列する。
図13は、図10に準じた様式であり、濃度差画像(G1)の領域を複数の区分濃度差画像(G2)に区分したものである。
上記区分判定により得られた、各区分濃度差画像(G2)の不良又は良の結果を当該区分位置に配列したものである。図13中、×印は区分濃度差画像(G2)の不良、無印は区分濃度差画像(G2)の良を表している。
【0059】
本発明による選別方法は、次に、上記により得られた、区分濃度差画像(G2)の不良又は良の結果の配列について、シート(カラーフィルタ)判定を行う。
配列された不良(×印)をX軸方向に積算して不良判定積算値を取得する。例えば、図13に示す最上行であるG2(1−1)〜G2(m−1)位置の不良(×印)をX軸方向に積算して最上行の不良判定積算値を取得する。
【0060】
図13中、右方の棒グラフがX軸方向に積算した不良判定積算値である。各行のX軸方
向に積算した不良判定積算値を表したものである。
この不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、X軸方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SXを行う。
【0061】
続いて、配列された不良(×印)をY軸方向に積算して不良判定積算値を取得する。例えば、図13に示す最左列であるG2(1−1)〜G2(1−n)位置の不良(×印)をY軸方向に積算して最左列の不良判定積算値を取得する。
図13中、下方の棒グラフがY軸方向に積算した不良判定積算値である。各列のY軸方向に積算した不良判定積算値を表したものである。
この不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、Y軸方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SYを行う。
【0062】
続いて、区分濃度差画像中の不良を積算して不良判定積算値をを取得する。この不良判定積算値を予め設定された第6閾値(Tv−6)と比較して第6閾値以上又は以下で、不良密度を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SZを行う。
この際、上記第5閾値(Tv−5)は、濃度差画像(G1)を区分濃度差画像(G2)に区分するmとnの比に準じ、X軸方向の第5閾値(Tv−5)とY軸方向の第5閾値(Tv−5)を調整することが好ましい。
【0063】
続いて、上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの不良個数の合計が、予め設定された第7閾値(Tv−7)と比較して第7閾値以上又は以下で、シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う。
【0064】
上記のように、本発明によれば、1)全画素領域を濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とし、2)該濃度差画像(G1)を複数の区分濃度差画像(G2)とし、3)各区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を積算して濃度差積算値を取得し、濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、濃度差密度判定Zを行って区分判定を行い、4)区分判定の不良又は良の結果の配列をし、シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、シート(カラーフィルタ)判定SZを行って、5)シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行うので、カラーフィルタの外観検査装置によって検出された汚れ欠陥から、作業員の選別によらず、その汚れ欠陥が良品であるか否を選別することができる。
【符号の説明】
【0065】
10・・・カラーフィルタ(ガラス基板)
11・・・定盤
12・・・検査ステージ
13A・・・反射用光源
13B・・・透過用光源
14A・・・反射用検査カメラ
14B・・・透過用検査カメラ
14C・・・顕微鏡
15・・・画像処理装置
16・・・検査制御CPU
17・・・モニター
20・・・コロ・コンベア
21・・・搬送コロ
22・・・赤色の着色画素
23・・・コロ
24・・・支持ピン
30・・・基板受渡部
40・・・ロボットのフォーク
C01、C02、C11、C12・・・隣接する着色画素
D・・・欠陥
G1・・・濃度差画像
G2・・・区分濃度差画像
K・・・検査画素
Ki・・・着色画素の特定箇所(検査画素)
K1〜Kn・・・複数の検査画素
L×W・・・カラーフィルタの長さ、幅
Tv−1〜Tv−7・・・第1閾値〜第7閾値
ΔD・・・濃度差
ΔDK・・・濃度差検査画素
a×b・・・着色画素の大きさ
c×c・・・検査画素の大きさ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーフィルタの外観検査装置で検出された欠陥から、汚れ欠陥を選別するカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、
1)検査カメラを用い、前記カラーフィルタの全画素領域を撮像し、細分化して配列された検査画素(K)毎に、
a)該検査画素(K)の濃度と、該検査画素(K)に隣接する同色検査画素の濃度を比較する濃度差処理を行って該検査画素(K)の濃度差を取得し、
b)前記全画素領域を、取得した濃度差を有する配列された濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする工程、
2)該濃度差画像(G1)の領域を、順次に処理するための処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)とし、該区分濃度差画像(G2)毎にそのデータを検査制御CPUに格納する工程、
3)該検査制御CPUから取出した、複数の区分濃度差画像(G2)中の第1区分濃度差画像について、
a)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Xを行い、
b)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Yを行い、
c)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差が予め設定された第2閾値(Tv−2)以上である濃度差検査画素(ΔDK)の数を取得し、「濃度差密度=第2閾値以上の濃度差検査画素の数/第1区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素の数」により算出される濃度差密度を、予め設定された第3閾値(Tv−3)と比較して第3閾値以上又は以下で、濃度差密度を不良又は良とする濃度差密度判定Zを行う工程、
4)上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計が、予め設定された第4閾値(Tv−4)と比較して第4閾値以上又は以下で、第1区分濃度差画像を不良又は良とする区分判定を行う工程、
5)上記3)、4)を複数の区分濃度差画像(G2)中の第2区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像について繰り返し行う工程、
6)上記3)、4)、5)により得られた、第1区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像の区分判定による不良又は良の結果を、前記2)処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)の当該区分位置に配列する工程、
7)該不良又は良の結果の配列について、
a)不良を第1配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SXを行い、
b)不良を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SYを行い、
c)全区分濃度差画像中の不良判定積算値を予め設定された第6閾値(Tv−6)と比較して第6閾値以上又は以下で、不良密度を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SZを行う工程、
8)上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの不良個数の合計が、予め設定された第7閾値(Tv−7)と比較して第7閾値以上又は以下で、シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥
)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う工程、
を具備することを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法。
【請求項2】
前記カラーフィルタの画素の形状が略矩形で、該略矩形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されている際に、
1)前記検査画素(K)の形状が正方形で、前記配列が該正方形の対向する2辺をX軸又はY軸と平行にした配列であり、
2)前記隣接する同色検査画素の濃度の比較が、該検査画素のX軸方向及びY軸方向に隣接する同色検査画素の濃度の比較であり、
3)前記濃度差画像(G1)の領域を区分した複数の区分濃度差画像(G2)の形状が正方形で、該正方形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されており、
4)前記第1配列方向がX軸方向であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法。
【請求項3】
前記区分濃度差画像(G2)の大きさが、1mm〜100mm□であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法。
【請求項1】
カラーフィルタの外観検査装置で検出された欠陥から、汚れ欠陥を選別するカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法において、
1)検査カメラを用い、前記カラーフィルタの全画素領域を撮像し、細分化して配列された検査画素(K)毎に、
a)該検査画素(K)の濃度と、該検査画素(K)に隣接する同色検査画素の濃度を比較する濃度差処理を行って該検査画素(K)の濃度差を取得し、
b)前記全画素領域を、取得した濃度差を有する配列された濃度差検査画素(ΔDK)で構成される濃度差画像(G1)とする工程、
2)該濃度差画像(G1)の領域を、順次に処理するための処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)とし、該区分濃度差画像(G2)毎にそのデータを検査制御CPUに格納する工程、
3)該検査制御CPUから取出した、複数の区分濃度差画像(G2)中の第1区分濃度差画像について、
a)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Xを行い、
b)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して濃度差積算値を取得し、該濃度差積算値を予め設定された第1閾値(Tv−1)と比較して第1閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とする濃度差積算判定Yを行い、
c)第1区分濃度差画像を構成する、配列された濃度差検査画素(ΔDK)の各濃度差が予め設定された第2閾値(Tv−2)以上である濃度差検査画素(ΔDK)の数を取得し、「濃度差密度=第2閾値以上の濃度差検査画素の数/第1区分濃度差画像を構成する濃度差検査画素の数」により算出される濃度差密度を、予め設定された第3閾値(Tv−3)と比較して第3閾値以上又は以下で、濃度差密度を不良又は良とする濃度差密度判定Zを行う工程、
4)上記濃度差積算判定X、濃度差積算判定Y、及び濃度差密度判定Zの不良個数の合計が、予め設定された第4閾値(Tv−4)と比較して第4閾値以上又は以下で、第1区分濃度差画像を不良又は良とする区分判定を行う工程、
5)上記3)、4)を複数の区分濃度差画像(G2)中の第2区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像について繰り返し行う工程、
6)上記3)、4)、5)により得られた、第1区分濃度差画像〜最終区分濃度差画像の区分判定による不良又は良の結果を、前記2)処理単位で区分した複数の区分濃度差画像(G2)の当該区分位置に配列する工程、
7)該不良又は良の結果の配列について、
a)不良を第1配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第1配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SXを行い、
b)不良を第1配列方向と直交する第2配列方向に積算して不良判定積算値を取得し、該不良判定積算値を予め設定された第5閾値(Tv−5)と比較して第5閾値以上又は以下で、第2配列方向を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SYを行い、
c)全区分濃度差画像中の不良判定積算値を予め設定された第6閾値(Tv−6)と比較して第6閾値以上又は以下で、不良密度を不良又は良とするシート(カラーフィルタ)判定SZを行う工程、
8)上記シート(カラーフィルタ)判定SX、シート(カラーフィルタ)判定SY、及びシート(カラーフィルタ)判定SZの不良個数の合計が、予め設定された第7閾値(Tv−7)と比較して第7閾値以上又は以下で、シート(カラーフィルタ)を不良(汚れ欠陥
)又は良品とするシート(カラーフィルタ)判定を行う工程、
を具備することを特徴とするカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法。
【請求項2】
前記カラーフィルタの画素の形状が略矩形で、該略矩形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されている際に、
1)前記検査画素(K)の形状が正方形で、前記配列が該正方形の対向する2辺をX軸又はY軸と平行にした配列であり、
2)前記隣接する同色検査画素の濃度の比較が、該検査画素のX軸方向及びY軸方向に隣接する同色検査画素の濃度の比較であり、
3)前記濃度差画像(G1)の領域を区分した複数の区分濃度差画像(G2)の形状が正方形で、該正方形の対向する2辺がX軸又はY軸と平行に配列されており、
4)前記第1配列方向がX軸方向であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法。
【請求項3】
前記区分濃度差画像(G2)の大きさが、1mm〜100mm□であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタ汚れ欠陥の選別方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−210475(P2010−210475A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57776(P2009−57776)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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