説明

カリウム・セシウム・タングステンブロンズ粒子

化学式KxCsyWOzで表わされるカリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子、式中、x+y≦1および2 < z ≦ 3、が開示されている。粒子はたとえばミクロンまたはナノ規模の粒子である。また、有機または無機の基板を含み、本件カリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子を組み入れた有機または無機の組成物も開示されている。基板は、たとえばプラスチック、コーティング、インキ、接着剤、セラミックまたはガラスである。また、本件カリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子の調合方法も開示され、この方法は、適切なタングステン・ソースをカリウム塩およびセシウム塩と混ぜ合わせて粉末混合物を形成し、還元雰囲気下でプラズマトーチに粉末混合物を露出することを含む。本件タングステンブロンズ粒子は、適切なNIR吸収剤および熱遮断添加剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年7月7日に出願した米国仮特許出願番号第61/223,519号の優先権を主張し、全体が参照文献として本願明細書に引用されるものとする。
【0002】
本発明は、カリウム・セシウム・タングステンブロンズ粒子に関する。粒子は、たとえばナノ粒子である。粒子は、近赤外線(NIR)吸収体および/または断熱添加剤として有効である。前記添加剤は、有機または無機の基板、たとえばプラスチック、コーティング、エナメル、インキ、接着剤、セラミックまたはガラスに使用される。添加剤は、たとえばプラズマトーチによって調合される。
【背景技術】
【0003】
NIR吸収がタングステン酸化物(WO3)の酸素分を減少させることによって達成できることが知られている。これは、酸化タングステンを昇温状態にて還元雰囲気に曝してマグネリ相亜酸化タングステン(WO3-x)を創成することによって達成される。NIR吸収はまた、還元条件下でWO3への陽イオン三元添加によって達成でき、タングステンブロンズ構造に導く。たとえば、カリウム・タングステンブロンズおよびセシウム・タングステンブロンズはそれぞれ良く知られている。
【0004】
J. Am. Ceram. Soc.90[12]、4059−4061(2007)は酸化タングステンのナノ規模粒子を教示している。
【0005】
米国特許出願公開第2006/0178254号および米国特許出願公開第2007/0187653号は、各セシウム・タングステンブロンズおよびカリウム・タングステンブロンズの粒子を開示している。
【0006】
米国特許出願公開第2005/0271566号は、タングステンを含むナノ粒子を開示している。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0308755号は、Cs0-33WO3粒子を含むポリエステル系繊維を教示している。
【0008】
米国特許出願公開第2008/0116426号は、レーザ溶接のための軽い吸収性樹脂組成物を教示している。本願明細書において議論される米国特許および公開出願は、引用したものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0178254号
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0187653号
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0271566号
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0308755号
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0116426号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】J. Am. Ceram. Soc.90[12]、4059−4061(2007)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
x+y≦1、且つ2≦z≦3である、化学式KxCsyWOzのカリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子が開示されている。
【0012】
また、有機または無機の基板を含み、その中にx+y≦1、且つ2≦z≦3である、化学式KxCsyWOzのカリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子を取り入れた有機または無機の組成物が開示されている。
【0013】
また、x+y≦1、且つ2≦z≦3である、化学式KxCsyWOzのカリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子の調合方法が開示されており、この方法は、適切なタングステン・ソースとカリウム塩およびセシウム塩を混ぜ合わせて粉末混合物を形成し、還元雰囲気の下で粉末混合物をプラズマトーチに曝すことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例3〜7によって調合されるフィルムのUV−VIS NIRスペクトルである。
【図2】実施例3〜7によって調合されるフィルムのUV−VIS NIRスペクトルである。
【図3】実施例3〜7によって調合されるフィルムのUV−VIS NIRスペクトルである。
【図4】実施例3〜7によって調合されるフィルムのUV−VIS NIRスペクトルである。
【図5】実施例3〜7によって調合されるフィルムのUV−VIS NIRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本件カリウム・セシウム・タングステンブロンズ粒子は、固溶体挙動を呈する。すなわち、それらは均質であり、単一構造として存在する。元素分析は、誘導結合プラズマおよび原子吸光分析の組み合わせによって決定される。エネルギー分散型X線分光法による高分解能微量分析が、粉末X線回折(PXRD)解析と連動して使われ、生成された粒子が2つの分離したKおよびCsブロンズ相よりむしろKxCsyWO3と示されるK/Cs固溶体からなる単相であると確認された。
【0016】
ブロンズ粒子はたとえばミクロン規模、または、ナノ規模である。それらは、たとえば寸法が約5nmから約10μmまでである。それらは、たとえば寸法が約20nmから約800nmであり、例えば寸法が約20nmから約300nmまで、または約20nmから約200nmまでである。これは、90パーセント(数で)を超える粒子がこれらの範囲内であることを意味する。寸法は、粒子の最長半径を意味する。粒径は、走査型電子顕微鏡によって決定される。粒子が適切な基板に組み込まれるときに、300 nm未満の粒径は濁度最小値の良好な透明度を達成するために所望される。
【0017】
本件ブロンズはたとえば6方相としてまたは立方パイロクロア相として、または6方相と立方パイロクロア相との混合物として存在する。6方相の最も共通の空間群はP63/mcmおよびP6322であり、その一方で、最も共通の立方パイロクロア相はFd3mである。xの値は約0.01〜約0.99である、そして、yの値は約0.99〜約0.1である。たとえば、xは約0.05〜約0.95である、そして、yは約0.95〜約0.05である。たとえば、xは約0.05〜約0.60である、そして、yは約0.60〜約0.05である。たとえば、xは約0.1〜約0.50である、そして、yは約0.50〜約0.1である。
【0018】
x+yが約0.4未満であると、主要な相(> 90重量%)として6方ブロンズ相が得られる。x+yが約0.4と0.6の間であると、前記粒子は6方相およびパイロクロア相の混合物から成る。x + yが約0.6を超えると、前記粒子は主にパイロクロア相として存在する。六方相粒子が特に興味深いのは、粒子径効果による低濁度と相まって、可視光の高透過率およびNIR照射の高吸収に起因する。可視光は、約380nmから約700nmまでであると定義されている。NIR照射は、約700nmから約3000nmまでであると定義されている。
【0019】
zの値は、約2から3を包含する。たとえば、zは約2.9から3である。
【0020】
パイロクロア粒子の形は、走査電子顕微鏡で見て球状である。
【0021】
六方相カリウム・セシウム・タングステンブロンズの具体例は、K0.10Cs0.14WO3およびK0.24Cs0.15WO3である。6方相およびパイロクロア相ブロンズの混合物の例は、K0.17Cs0.29WO3およびK0.31Cs0.29WO3である。大部分パイロクロアブロンズの一例は、K0.20Cs0.46WO3である
【0022】
本件ブロンズは、適切なタングステン・ソースおよび適切なカリウム塩および適切なセシウム塩の粉末混合物から調合される。
【0023】
あるいは、本件ブロンズは、可溶性のタングステン、カリウムおよびセシウム先駆体の液体混合物から調合され得る。同様に、本件ブロンズは、反応の間、あるいはそれに先立ち、反応物が個々に供給され結合し得る、固体および液体の組み合わせから調合され得る。各成分の流加速度は、最終生産物の組成を決定する。
【0024】
タングステン・ソースは、タングステン酸塩、酸化タングステン、タングステン地金、ハロゲン化タングステンおよびタングステン・アルコキシドから選択され得る。
【0025】
タングステン・ソースの例は、タングステン酸、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、塩化タングステン、二塩化二酸化タングステンまたはタングステン・アルコキシドである。
【0026】
タングステン・アルコキシドの例は、タングステン・イソプロポキシド、エトキシドおよび二塩化ジエトキシドである。アルコキシドは良く使われ、或いは、酸または塩基が先駆体を溶解もしくはコロイド状態(ゾル-ゲル化学)に保つために使われ得る。
【0027】
適切なタングステン酸アンモニウムは、モノタングステン酸アンモニウム、ヘキサタングステン酸およびドデカタングステン酸のようなパラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウムおよびそれらの水和物を含む。具体例は、パラタングステン酸アンモニウム(APT)、(NH41012242・4H2Oである。APTは、一般に酸化タングステンを生産する先駆体として使用され、たとえばGlobal Tungsten and Powders 社(以前はOsram Sylvania)から入手可能である。
【0028】
適切なカリウムおよびセシウム塩は、たとえば炭酸エステル、水素炭酸エステル、ハライド、アセテート、クエン酸塩、ホルマート、プロピオナート、オキザラート、水酸化物、硝酸エステル、硫酸エステルおよびクロレートである。いかなる無機または有機の塩も適切で、比較的低温度(< 1000℃)で分解する。前記塩は、無水塩でも水和塩でもよい。適切なハライドは、塩化カリウムおよび塩化セシウムである。
【0029】
APT、ギ酸セシウムおよびクエン酸三カリウムの粉末混合物が特に適切である。粉末は物理的に混合され、粉末供給器によってプラズマトーチで生成されるホットプラズマ・ゾーンに共供給される。
【0030】
本件ブロンズは、たとえば誘導プラズマトーチによって調合される。プラズマ反応器は公知で、たとえば米国特許第5,200,595号に記載されている。本発明は、RF(高周波)誘導プラズマトーチを使用する。誘導プラズマトーチは、たとえばTekna Plasma Systems Inc., Sherbrooke, Quebecから入手可能である。
【0031】
本件プラズマ反応器は、粉末噴射用に設計された射出プローブを備えている。粉末供給速度は、約10〜約50グラム/分である。粉末供給器は、たとえば流動床型供給器、振動型、円盤型または懸濁型供給器である。アルゴンは、担体ガスとして使用される。シースガスは、たとえば水素/ヘリウム/アルゴン混合物から成っている。水素/希ガス混合物は、シースガスとして適切である。水素/窒素ガス混合物もまた、適切である。シースガスの水素分は、標的であるブロンズ相の収益を最大化するために最適化され、その一方で、充分に酸化された相(WO3、K2WO4,Cs2WO4)または充分に還元したW0相の収益を最小化する。ほんの数パーセントのW0(約1〜6重量%)が生成物中に存在すると一般的に考えられている。シースガス成分は、Ar/H2/He = 100/x/5 slpm(毎分当たりの標準リットル)が好都合で、xは約0.25〜約0.5 splmである。プラズマホットゾーンにおいて到達される温度領域は、約5,000〜約10,000Kの間である。アルゴンはクエンチガスとして使用され、結果として生じる粉末はバグフィルタにおいて捕集される。
【0032】
粉末反応剤の滞留時間はおよそミリ秒で、たとえば約0.005〜約0.5秒である。
トーチ電力は、約15〜約200kWである。たとえば、トーチ電力は約65kWである。
【0033】
RF以外の熱プラズマトーチ、たとえば直流アーク・プラズマトーチまたはマイクロ波放電プラズマが使用できる。
【0034】
反応器圧力範囲は、約200トル〜大気圧または約400〜約700トルである。
【0035】
本件ブロンズの調合において、プラズマ合成の間、若干のカリウムが消失する。ブロンズの最終的な化学量論組成には、出発割合より非常に少ないカリウムを含む。したがって、本件ブロンズ粒子に到達するために大過剰のカリウム塩が使用される。適切な出発割合は、1モルのタングステンに基づき約0.05モル〜約5モルのカリウム、そして約0.05モル〜約0.5モルのセシウムである。
【0036】
カリウム・セシウム・タングステンブロンズ粒子に加えて、少量のWおよびWO3粒子が通常最終生産物に存在する。たとえば、最終生産物は90重量%を超えるブロンズおよび10重量%未満のWおよびWO3を含む。
【0037】
本件ブロンズ粒子は、たとえばシラン処理によって、またはチオール、アミン、ホスフィン、ステアリン酸塩等の使用によって、表面において更に官能化され得る。
【0038】
本件ブロンズ粒子は、熱遮断、光管理、熱管理、エネルギー管理または日照調整添加剤として、プラスチック、コーティング、インキ、接着剤、セラミックまたはガラスにおいて使用される。重要な応用は、レーザ溶接、セキュリティ機構(例えば銀行券の偽造防止印刷)、マーキング、トレーサおよび熱局在、熱伝達または熱遮断である。本件粒子は、NIR硬化およびコーティングまたはインキの乾燥のために使用され得る。前記粒子はNIR硬化および接着剤の乾燥、オフセット印刷のNIR乾燥、紙コーティングのNIR乾燥、プラスチック予備成型またはインキ・トナーのNIR固定のために使用され得る。粒子は紙またはプラスチックのNIRレーザマーキング、ガラスのNIRレーザまたはNIR光学フィルタ、例えばプラズマ表示板または防護眼鏡のために使用され得る。前記粒子は、例えば温室やガラス窓(例えば透明シート、半透明シート、窓フィルム)のための熱管理用プラスチックにおけるNIR照射を吸収するために使用され得る。
【0039】
本件混合カリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子は驚くべきことに、NIR領域にて高吸収を維持すると共に、可視光領域で優れた透明度を示す。基板に組み込まれるときに、混合ブロンズ粒子は可視色上に低影響を及ぼすが、その一方で、迅速なNIR硬化および乾燥速度ならびに良好な熱遮蔽効果を達成する。
【0040】
本件ブロンズ粒子は基板の重量に基づいて(コーティング、インキまたは接着剤の場合は固体に基づく)たとえば約0.01〜約15重量%のレベルで有機または無機の基板に組み込まれる。たとえば、本件粒子は有機または無機の基板重量に基づいて約0.01〜約10重量%または約0.01から約5重量%のレベルで使用される。
【0041】
有機基板は、たとえばプラスチック、コーティング、インキまたは接着剤である。
【0042】
本発明のプラスチックは、たとえばフィルム、シート、繊維または成形物もしくは鋳造物の形態である。それらはたとえば建築用窓ガラス、建物や構造物の窓ガラス、自動車の窓ガラス、輸送用窓ガラス、または農業用フィルムおよび構造フィルムまたはガラスに貼りつけるフィルムに使用されるフィルムやシートである。材料は、固形シート、モノリシック・シート、対の隔壁シート、複数隔壁シート、平板シート、波形シート、フィルム、延伸、または、1軸または2軸延伸フィルム、積層フィルムまたはキャップストックフィルムであってもよい。
【0043】
具体的応用は冬園およびベランダ建造物、建物の正面、天窓、プール・カバーおよび囲い、屋根構造、金庫室、歩道、シェルター、看板、内外装のデザイン素子、日よけ、窓、パノラマ屋根および温室、トンネルおよび低トンネルのような農業用カバーを含む。
【0044】
本件プラスチック組成物は、色素性であるか半透明であるかまたは透明である。
【0045】
本件プラスチック基板は、たとえば以下から選択される:
1. モノオレフィンおよびジオレフィンの重合体、たとえばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、シクロアルケン重合体と同様、たとえばシクロペンテンまたはノルボルネンの、ポリエチレン(それは、任意に架橋できる)、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)、高比重および高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(VLDPE)、そして、(ULDPE)。
【0046】
ポリオレフィン、すなわち、前節において例証されるモノオレフィンの重合体、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは、下記の異なる方法、そして、特に次の方法によって調合できる:
a) ラジカル重合(通常高圧の下で、そして、昇温状態で)。
b) 通常周期表のIVb、Vb、VIbまたはVIII族の1つまたは2つ以上の金属を含む触媒を使用する触媒重合。これらの金属は、通常1または2つ以上の配位子、代表的に酸化物、ハライド、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはπ‐あるいはσ‐同等のアリールを有する。これらの金属複合体は、遊離型であるか、または基板上、典型的には活性塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素上に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体に可溶または不溶であってもよい。前記触媒は、重合のそれ自身によって使われ、または更なる活性剤が使われ、代表的に、金属アルキル、金属水素化物、ハロゲン化アルキル金属、金属アルキル酸化物、または金属アルキルオクサン、前記金属は周期律表のIa、IIaおよび/またはIIIaの元素である。活性剤は、更なるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基によって簡便に修飾され得る。これらの触媒系は、通常、Phillips, Standard Oil Indiana, Ziegler (−Natta), TNZ (DuPont)、メタロセンまたは単一部位触媒(SSC)と称される。
【0047】
2. 1)で言及した重合体の混合物、たとえばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE(PP/LDPE))および異なる型のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0048】
3. モノオレフィンとジオレフィンとの互いの共重合体およびまたは他のビニルモノマと共重合体、たとえばエチレン/プロピレン共重合体、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびこれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エン共重合体、プロピレン/イソブチレン共重合体、エチレン/ブテ−1−エン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メチルペンテン共重合体、エチレン/ヘプテン共重合体、エチレン/オクテン共重合体、エチレン/ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン/シクロオレフィン共重合体(例えばCOCのようなエチレン/ノルボルネン)、1-オレフィンが原位置で生成されるエチレン/1−オレフィン共重合体; プロピレン/ブタジエン共重合体、イソブチレン/イソプレン共重合体、エチレン/ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン/アクリル酸アルキル共重合体、エチレン/アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート共重合体かエチレン/アクリル酸共重合体およびそれらの塩(イオノマー)、同じくエチレンとプロピレン、及びヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー; そして、この種の共重合体のお互いと、上記1)において言及される重合体との混合物、たとえばポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体、LDPE/エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、LLDPE/EVA(LLDPE/EAA)そして、交互またはランダム・ポリアルキレン/一酸化炭素共重合体そして、これらと他の重合体、たとえばポリアミドとの混合物。
【0049】
4. 水添変性(例えば粘着付与剤)およびポリアルキレンおよび澱粉の混合物を含む炭化水素樹脂(たとえばC5−C9)。単独重合体および1.) 〜 4.)の共重合体は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含むいかなる立体構造をも有し; アタクチック重合体が好まれる。ステレオブロックポリマーもまた、含まれる。
【0050】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0051】
6. スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチル・スチレンの全ての異性体、プロピル・スチレン、ビニル・ビフェニル、ビニル・ナフタレン、そして、ビニル・アントラセン、そして、それの混合物を含むビニル芳香族モノマーに由来する芳香族ホモポリマーおよび共重合体。同種重合体および共重合体は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む任意の立体構造をも有し得るが アタクチック重合体が好まれる。ステレオブロックポリマーもまた、含まれる。
【0052】
6a. 上述したビニル芳香族モノマーを含む共重合体およびエチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、ビニルアセテートおよび塩化ビニル、アクリル誘導体およびこれらの混合物、たとえばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキル・メタクリル酸塩、スチレン/ブタジエン/アルキル・アクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキル・メタクリル酸塩、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチルから選択される共重合体;高衝撃強度のスチレン共重合体および他の重合体との混合物、たとえばポリアクリレート、ジエン重合体またはエチレン/プロピレン/ジエン・ターポリマー; そして、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロック共重合体。
【0053】
6b. 6)で言及される重合体の水添物から誘導される水添芳香族ポリマー、特にポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称されしばしば水素化脱硫アタクチックポリスチレンによって調合されるポロシクロヘキシエチレン(PCHE)を含む。
【0054】
6c. 6a)で言及される重合体の水添物から誘導される水添芳香族ポリマー。
【0055】
単独重合体および共重合体は、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチックまたはアタクチックを含む任意の立体構造を有し得るが、 アタクチック重合体が好まれる。ステレオブロックポリマーもまた、含まれる。
【0056】
7. スチレンまたは、α-メチルスチレン、たとえばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン-スチレン上のスチレンまたはポリブタジエンアクリロニトリル共重合体のようなビニル芳香族モノマーのグラフト共重合体; ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);スチレン、アクリロニトリルおよびポリブタジエン上のメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレンおよび無水マレイン酸;スチレン、アクリロニトリル、および無水マレイン酸またはポリブタジエン上のマレイミド; ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキル・アクリレートまたはメタクリル酸エステル;エチレン/プロピレン/ジエン・ターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル;6)で一覧を示す共重合体とのこれらの混合物と同様にスチレン、および、ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリル酸エステル上のアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエン共重合体上のスチレンおよびアクリロニトリル、たとえばABS、MBS、ASAまたはAES重合体として知られている共重合体混合物。
【0057】
8. ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン-イソプレン(ハロブチルゴム)の塩素化され臭素化された共重合体、塩素化されるかスルホン塩素化されたポリエチレン、エチレンおよび塩素化されたエチレンの共重合体、エピクロロヒドリン・ホモおよび共重合体、のようなハロゲン含有重合体特にハロゲン含有ビニル化合物、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンの重合体、同様に塩化ビニル/ビニリデン塩化物、塩化ビニル/ビニル酢酸塩または塩化ビニリデン/ビニルアセテート共重合体のようなこれらの共重合体。
【0058】
9. ポリアクリレートおよびポリメタクリレートのようなα-β不飽和酸およびその誘導体に由来の重合体; アクリル酸ブチルによって衝撃改質したポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
【0059】
10. 9)で言及した)モノマーの相互または他の不飽和モノマーとの共重合体、たとえばアクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/アクリル酸アルキル共重合体、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルの共重合体またはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエン・ターポリマー。
【0060】
11. 不飽和アルコールおよびアミンまたは、アシル誘導体またはそれらのアセタールに由来の重合体 、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニル・ステアラート、ポリビニル・ベンゾアート、ポリビニル・マレアート、ポリビニルブチラール、ポリアルキルフタラートまたはポリアルキルメラミン;1)で言及したされるオレフィンを有するそれらの共重合体と同様。
【0061】
12. ポリアルキレン・グリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはこれらのビスグリシジルエーテルとの共重合体のような単独重合体および環状エーテルの共重合体。
【0062】
13. コモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレンおよびそれらのポリオキシメチレンのようなポリアセタール; 熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSによって変性したポリアセタール。
【0063】
14. ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、そして、ポリフェニレンオキシドとスチレン重合体またはポリアミドとの混合物。
【0064】
15. それらの先駆体と同じく、ヒドロキシル終端ポリエーテル、一方にポリエステルまたはポリブタジエン、他方に脂肪族または芳香族ポリイソシアネートに由来のポリウレタン。
【0065】
16. ジアミンおよびジカルボン酸からおよび/またはアミノカルボン酸または対応するラクタムから由来のポリアミドおよびコポリアミド、たとえばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレン・ジアミンから出発の芳香族ポリアミドおよびアジピン酸; ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタルまたは/およびテレフタル酸から、そして、変性剤としてのエラストマーの有無にかかわらず調合されるポリアミド、たとえばポリ-2,4,4)−トリメチルヘキサメチレン・テレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド; 更に、上述したポリアミドとポリオレフィン、オレフィン共重合体、イオノマまたは化学的に結合した、またはグラフト化エラストマーとのブロック共重合体; または、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラエチレングリコール;同様にEPDMまたはABSによって変性したポリアミドまたはコポリアミド; および、処理(RIMポリアミド系)の間、凝縮したポリアミド。
【0066】
17. ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンゾイミダゾール。
【0067】
18. ジカルボン酸およびジオールからおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトン、 たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサン・テレフタレート、ポリアルキレン・ナフタレート(PAN)およびポリヒドロキシ安息香酸塩、同じくヒドロキシル終端ポリエーテルに由来するブロック・コポリエーテル・エステル;更に、ポリカーボネートまたはMBSによって変性したポリエステルから由来する、ポリエステル。
【0068】
19. ポリカーボネートおよびポリエステル炭酸エステル。
20. ポリケトン
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテル・ケトン。
22. 一方はアルデヒドに由来し、もう一方はフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のようなフェノール、尿素およびメラミンに由来する架橋重合体。
【0069】
23. 乾燥および非乾燥アルキド樹脂。
24. 多価アルコールを有する飽和および不飽和のジカルボン酸および架橋剤としてのビニル化合物、更には低引火性でそれのハロゲン含有変性体のコポリエステルに由来の不飽和ポリエステル樹脂。
【0070】
25. 置換されたアクリレート、たとえばエポキシアクリレート、ウレタン・アクリレートまたはポリエステル・アクリレートに由来した架橋性樹脂。
26. メラミン樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂と架橋したアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリル酸樹脂。
27. 脂肪族、脂環式、多環式または芳香族グリシジル化合物に由来の架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物、そして、これらは促進剤の有無にかかわらない無水物またはアミンのような慣習的硬化剤によって架橋される。
【0071】
28. セルロース、ゴム、ゼラチンおよびその化学的に変性した類似の誘導体のような天然重合体、たとえばセルロースアセテート、プロピオン酸セルロースおよびセルロース・ブチラートまたはメチルセルロースのような;同じくロジンおよびそれらの誘導体。
【0072】
29. 上述した重合体の配合物(ポリブレンド体)、たとえばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6および、共重合体(PA/HDPE)PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0073】
本件重合体組成物は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニルのようなハロゲン化ポリマー、ポリビニルブチラール、ポリオレフィン、芳香族ホモポリマーおよびビニル芳香族モノマーおよびそのアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)のようなグラフト共重合体に由来する共重合体上のポリカーボネート、コーティング、共押出層を特に含む。本件組成物は、約50%〜約100重量%である主成分として、たとえばこれらの重合体を含む。
【0074】
本件重合体組成物は、特にはポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、テレフタル酸ポリエチレン(PETと同様にPETGおよびPCTG)、ABS、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール・スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、ポリアミド、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリプロピレンおよびポリエチレンから選択され、混合物、合金および共重合体を含む。本発明の組成物は、好ましくは非可塑化される。本発明の組成物は、更にいかなる金属または金属性粒子も必要とせず、通常この種の成分を含まない。特別な関心があるのは、自動車または建築用窓ガラスのための板またはシートのような強固な透明組成物または、特に農業応用のための半透明または透明ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体フィルムである。
【0075】
本件基板はまた、適切なバインダを含むコーティング処方または硬化コーティングであり得る。バインダは原則として、産業において慣習的であるいかなるバインダでもあり得て、たとえばのUllmann’s Encyclopedia 、第5版、Vol. A18、pp. 368−426、VCH、Weinheim 1991に記載されている。一般に、それは熱可塑性または熱硬化性樹脂、主要には熱硬化性樹脂に基づく成膜バインダである。それの例は、アルキド、アクリル樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、メラミン、エポキシおよびポリウレタン樹脂およびこれらの混合物である。
【0076】
バインダは低温硬化性または高温硬化性バインダであり得て、硬化触媒の添加が利便的で有り得る。バインダの硬化を加速する適切な触媒は、たとえば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Vol. A18、p.469、VCH Verlagsgesellschaft、Weinheim 1991に記載されている。
【0077】
好適性は、バインダが機能上のアクリル酸樹脂を含むコーティング組成物および架橋剤に与えられる。
【0078】
具体的なバインダを含んでいるコーティング組成物の例は、以下の通りである
低温または高温架橋性アルキド、アクリレート、ポリエステル、エポキシまたはメラミン樹脂、または、この種の樹脂の混合物に基づく塗料、必要により硬化触媒の添加を伴う;
【0079】
ヒドロキシル含有アクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂および脂肪族または芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートに基づく2成分ポリウレタン塗料 ;
【0080】
チオール含有アクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂および脂肪族または芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートに基づく2成分ポリウレタン塗料;
【0081】
所望によりメラミン樹脂の添加によって焼成の間、非ブロック化されるブロックイソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートに基づく1成分ポリウレタン塗料;
【0082】
脂肪族または芳香族ウレタンまたはポリウレタン、およびヒドロキシル含有アクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂に基づく1成分ポリウレタン塗料;
【0083】
脂肪族または芳香族ウレタン・アクリレートまたはウレタン構造範囲内の遊離アミノ基を有するポリウレタンアクリレートに基づく1成分ポリウレタン塗料およびメラミン樹脂またはポリエーテル樹脂、必要なら硬化触媒を伴う。
【0084】
(ポリ)ケチミンおよび脂肪族または芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートに基づく2成分塗料;
【0085】
(ポリ)ケチミンおよび不飽和アクリル酸樹脂、または、ポリアセト酢酸樹脂またはメタクリルアミドグリコレートメチルエステルに基づく2成分塗料;
【0086】
カルボキシルまたはアミノ含有ポリアクリレートおよびポリエトキシドに基づく2成分塗料;
【0087】
10. 無水物基を含むアクリル酸樹脂およびポリヒドロキシまたはポリアミノ成分に基づく2成分塗料;
11. アクリレート含有無水物およびポリエトキシドに基づく2成分塗料;
【0088】
12. (ポリ)オクサゾリン、および無水物基または不飽和アクリル酸樹脂、または、脂肪族または芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネート含むアクリル酸樹脂に基づく2成分塗料;
13. 不飽和ポリアクリレートおよびポリマロネートに基づく2成分塗料;
【0089】
14. 熱可塑性アクリル酸樹脂またはエーテル化メラミン樹脂と組み合った外部架橋アクリル酸樹脂に基づく熱可塑性ポリアクリレート塗料:
15. シロキサン変性またはフッ素変性アクリル酸樹脂に基づく塗料系;
【0090】
16. 架橋剤(酸触媒作用)としてのメラミン樹脂(例えばヘキサメトキシメチルメラミン)を有するマロネートブロックイソシアネートに基づく特にクリアコート用の塗料系;
17. オリゴマーウレタン・アクリレートおよび/またはアクリルアタクリルラテンに基づく紫外線硬化性系、所望により他のオリゴマーまたはモノマーと組み合わせる;
【0091】
18. 二段硬化系、まず熱、その後に紫外線または電子照射によって、またはその逆によって硬化し、その成分は光重合開始剤または電子ビームの存在で紫外線照射に反応する能力があるエチレン二重結合を含む。
【0092】
シロキサンに基づくコーティング系もまた可能であり、例えば米国特許番号第6,288,150号、第6,306,512号、第4,315,091号または第6,228,921号に記載されている。
【0093】
加えて、本発明のコーティング組成物は、好ましくは立体障害アミンタイプ、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび/または2ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾールタイプの、例えば下記の光安定剤を含む。
【0094】
このクラスの化合物の添加は、特別な技術的関心から2−レゾルシニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−レゾルシニル−4,6−ビス(ビフェニリル)−1,3,5−トリアジンおよび/または2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンズトリアゾールである。
【0095】
コーティング組成物は、また、更なる成分を含むことができ、例としては、溶解剤、顔料、染料、可塑剤、安定剤、流動剤または揺変剤、乾燥触媒および/または均染剤である。可能な成分の例は、Ullmann‘sEncyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Vol. A18、pp. 429−471、VCH、Weinheim 1991に記載されている。
【0096】
可能な乾燥触媒または硬化触媒は、たとえば、遊離(有機)酸または塩基、熱処理または照射によって非ブロック化できる封止(有機)酸または塩基、および有機金属化合物、アミン、アミノ含有樹脂および/またはホスフィン類である。有機金属化合物の例は、金属カルボン酸エステル、特に金属Pb、Mn、Co、Zn、ZrまたはCuの金属カルボン酸エステル、または、金属キレート、特に金属Al、Ti、ZrまたはHfの金属キレート、または有機スズ化合物のような有機金属化合物である。
【0097】
金属カルボン酸エステルの例は、Pb、MnまたはZnのステアリン酸塩、Co、ZnまたはCuのオクチル酸塩、MnおよびCoのナフテン酸塩または対応するリノール酸塩、樹脂酸塩またはタラート酸塩である。
【0098】
金属キレートの例は、アセチルアセトン、エチルアセチルアセテート、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、o−ヒドロキシアセトフェノンまたはエチルトリフルオロアセチルアセテートのアルミニウム、チタンまたはジルコニウムキレート、およびこれらの金属のアルコキシドである。
【0099】
有機スズ化合物の例は、ジブチルスズオキシド、ジラウリン酸ジブチルスズまたはジブチルスズジオクトエートである。アミン類の例は、特に、三級アミン、たとえばトリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルモルホリン、Nメチルモルホリンまたはジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)、ジアザビシクロウンデセン、DBN(= 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン)、およびこれらの塩である。更なる例は、第四級アンモニウム塩、たとえば塩化トリメチルベンジルアンモニウムである。
【0100】
アミノ含有樹脂は、同時にバインダおよび硬化触媒である。その例は、アミノ含有アクリレート共重合体である。
【0101】
使用する硬化触媒はまた、ホスフィン、たとえばトリフェニルホスフィンであり得る。
【0102】
コーティング組成物はまた、照射硬化性コーティング組成物であり得る。この場合、前記バインダはエチレン系不飽和結合(プレポリマー)を含む単量体またはオリゴマー化合物を必須に含み、これらは付与後に光化学線照射によって硬化し、すなわち架橋、高分子量形に変換される。前記系が紫外線硬化性である場合には、一般に少なくとも1つの光重合開始剤を含む。対応する系は、前述の公表Ullmann‘sEncyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Vol. A18、451〜453頁に記載されている。照射硬化性コーティング組成物において、添加剤はまた、立体障害アミンの添加なしで使用できる。
【0103】
本発明におけるコーティング組成物は、たとえば金属、木材、プラスチックまたはセラミック材料用のいかなる所望の基板にも適用できる。それらは、自動車の仕上げのトップコートとして好ましく使用される。トップコートが2層から成る場合、下層は着色され上層は非着色であり、前記の新規コーティング組成物は上層にも下層にも両層にも使用できるが、好ましくは上層に使用される。
【0104】
前記組成物は慣習的方法、たとえばブラッシング、吹付け、注入、浸漬または電気泳動によって基板に付与できる;Ullmann’sEncyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Vol. A18、pp. 491−500を参照のこと。バインダ系に従い、コーティング組成物は室温にて、または加温によって硬化できる。前記コーティング組成物は、好ましくは50〜150℃にて硬化し、粉末コーティング組成物またはコイルコーティング組成物の場合にはより高い温度での硬化となる。
【0105】
本発明によって得られるコーティング組成物は、光、酸素および熱の損傷効果に優れた耐性を有し、このように得られたコーティング組成物、たとえば塗料、の良好な耐光性および耐候性について特に言及する必要がある。
【0106】
コーティング組成物は、前記バインダが可溶である有機溶剤または混合溶剤を含むことができる。前記コーティング組成物は、他方で水溶液または水分散液物であり得るえる。媒体はまた、有機溶剤と水との混合物であり得る。前記コーティング組成物は、高固形分塗料であってもよく、または無溶剤無し(例えば粉末コーティング材料)であり得る。粉末コーティング材料は、たとえば、Industrial ChemistryのUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、A18、438〜444頁に記載されている。粉末コーティング材料はまた、粉末スラリー(好ましくは水中の粉末の分散体)の形態形を有してもよい。
【0107】
顔料は、無機であるか、有機であるか金属的な顔料であり得る。コーティング組成物が、顔料を含まず、クリアコートとして使用され得る。
【0108】
本件基板材料はまた、無機重合体組成物または有機/無機重合体ハイブリッド系、例えばゾル−ゲル・コーティング組成物)であってもよい。例は、Si、Ti、Xr、Alアルコキシドのような金属アルコキシドに基づく酸化金属系または樹脂+金属アルコキシドの混合物に基づくハイブリッドコーティング組成物であり、このような系およびそれらの調合の例は米国特許出願公開第20070187653号または米国特許出願公開第2006178254号において与えられ、当該出願は参照文献として本願明細書に取り込まれるものとする。
【0109】
インキは、たとえば印刷インキである。インキは、照射硬化性インキであってもよい。
本件照射硬化性可能なインキまたはコーティング組成物はまた、熱的に硬化し得る。コーティングおよびインキは、水性系または有機溶剤型系であってもよい。
【0110】
本件ブロンズ粒子は、照射硬化性インキまたはコーティング組成物において使用でき、NIR硬化を誘発する。それらは、熱的ラジカル開始剤または紫外線光重合開始剤の有無にかかわらず、一緒に使用できる。それらは、透明塗料において、または高次の顔料、たとえば高次のTiO2)を含むコーティング組成物において適切である。それらは、紫外線、可視光またはNIR光が吸収されるかまたは顔料によって反射した著しく着色したコーティング組成物の硬化を誘発する。
【0111】
無機の基板は、たとえばガラスまたはセラミックである。
【0112】
本件ブロンズ粒子は、ガラス、セラミック、金属またはエナメル表面のレーザマーキングに、そして、伝導性の銀コーティング組成物を同温度耐性基板に適用するための添加剤として使用できる。
【0113】
xCsyWO3は、銀粉末、ホウ珪酸ガラスフリットおよび有機媒体を含む近赤外吸収ペースト組成物の添加剤として使用できる。上記は米国特許出願第2009/0029057号において教示され、参照文献として本願明細書に取り込まれるものとする。
【0114】
xCsyWO3は、複数のガラスフリット先駆体を含むマーク材料を適用することによって基板表面をレーザマークするための添加剤として使用できる。上記は米国特許第6,238,847号において開示され、参照文献として本願明細書に取り込まれるものとする。
【0115】
本発明の有機組成物はまた、様々な従来の添加剤、例えば下記に一覧を示す材料またはそれらの混合物の約0.01〜約5重量%、好ましくは約0.025〜約2重量%、そして、特に約0.1〜約1重量%を任意に含むことができる。
1. 酸化防止剤
【0116】
1.1. アルキル化モノフェノール、たとえば側鎖にて直線または分岐状の2,6-ジ-tert-ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6-ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、ノニルフェノールまたは、たとえば、2,6−ジ・ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデス −1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデカ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデシ−1−イル)フェノールおよびこれらの混合物。
【0117】
1.2. アルキルチオメチルフェノール、たとえば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0118】
1.3. ハイドロキノンおよびアルキル化ハイドロキノン、たとえば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル・ステアラート、ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジパート。
【0119】
1.4. トコフェロール、たとえばα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0120】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、たとえば2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0121】
1.6. アルキリデンビスフェノール、たとえば2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、 2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[ 6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール ]、 2,2’−メチレンビス[ 6−(α、α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール ]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、 4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル‐5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[ 3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート ]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタル酸塩、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4-ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0122】
1.7. ベンジル化合物、たとえば3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセタート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセタート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、1,3,5−トリ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト−酢酸イソオクチルエステル、ビス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオール・テレフタル酸塩、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステルおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル-リン酸モノエチルエステル(カルシウム塩)。
【0123】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート、たとえばジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート、ジ−オクタデシル−2(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[ 4(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル] −2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0124】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、たとえば1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0125】
1.10. トリアジン化合物、たとえば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ-フェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0126】
1.11. ベンジルホスホン酸、たとえばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルー4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホン酸、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0127】
1.12. アシルアミノフェノール、たとえば4−ヒドロキシ−ラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリド)−s−トリアジン、およびオクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバマート。
【0128】
1.13. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、モノ-または多価アルコールを有する、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチル・グリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2 ]オクタンを有する。
【0129】
1.14. β-(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル、モノ-または多価アルコールを有する、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール(1,6−ヘキサンジオール)1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチル・グリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[ 2.2.2 ]オクタンを有する。
【0130】
1.15. β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、モノ−または多価アルコールを有する、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチル・グリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[ 2.2.2 ]オクタンを有する。
【0131】
1.16. 3,5−ジ−tert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、モノ−または多価アルコールを有する例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール(1,9−ノナンジオール)エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチル・グリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[ 2.2.2 ]オクタンを有する。
【0132】
1.17. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標) XL−1、Uniroyalによって供給)。
【0133】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)
【0134】
1.19. アミノ酸化防止剤、たとえばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1-エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)‐N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンサルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、たとえばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアナイド、ビス[ 4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチル−ジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロー3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノサイアジン、モノ−およびジアルキル化tertブチル/tert−オクチルフェノサイアジンの混合物、、モノ−およびジアルキル化tert−オクチル−フェノサイアジンの混合物、N−アリルフェノサイアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノ−2−エン、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリド− 4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)−セバシン酸塩、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン− 4−one 2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−ol。
【0135】
2. 紫外線吸収剤および光安定剤
2.1. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール誘導体、たとえば周知の市販のヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール誘導体およびベンゾトリアゾール誘導体は米国特許番号第3,004,896号、第3,055,896号; 第3,072,585; 第3,074,910; 第3,189,615; 第3,218,332号; 第3,230,194号; 第4,127,586号; 第4,226,763号; 第4,275,004号; 第4,278,589号; 第4,315,848号; 第4,347,180号; 第4,383,863号; 第4,675,352号;第 4,681,905号、第4,853,471号; 第5,268,450号; 第5,278,314号; 第5,280,124号; 第5,319,091号; 第5,410,071; 第5,436,349号; 第5,516,914号; 第5,554,760号; 第5,563,242号; 第5,574,166号; 第5,607,987号、第5,977,219号及び第6,166,218号に開示されており、 その中には下記が記載されている:2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−−2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−sec−ブチル−5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5 −ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ビス−α−クミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル−エチル)−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニル)エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ドデシル化2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ) −カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−t−オクチル(6−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−オクチル−5−クミフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイヒ酸5−ブチルスルフォニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−クミル−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブチルスルフォニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、および5−フェニルスルフォニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール。
【0136】
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン、たとえば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4-ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0137】
2.3. 置換または非置換の安息香酸のエステル、たとえば4−tert−ブチルフェニルサリチラート、サリチル酸フェニル、オクチルフェニル・サリチラート、ジベンゾイル・レソルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レソルシノール、ベンゾイル・レソルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート。
【0138】
2.4. アクリレートおよびマロネート、たとえばα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステルまたはイソオクチルエステル、α−カルボメトキシケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステルまたはブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル、N−β−カルボメトキシ-β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン、SanduvorTM PR25、ジメチルp−メトキシベンジリデンマロネート(CAS# 7443−25−6)、およびSanduvorTM PR31、ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)p−メトキシベンジリデンマロネート(CAS #147783−69−5)。
【0139】
2.5. ニッケル化合物、たとえば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールアミン、ニッケルジブチルジチオカルバマト、モノアルキルエステルのニッケル塩のような付加配位子の有無にかかわらない、1:1または1:2錯体のような2,2’−チオ−ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えばメチルまたはエチルエステル、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのケトキシムのニッケル錯体、付加配位子の有無にかかわらず、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0140】
2.6. 立体障害アミン安定剤、たとえば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリール−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバシン酸塩、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバシン酸塩、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバシン酸塩、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびコハク酸の凝縮物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状または環式凝縮物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロ三酢酸鉄、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブテン−テトラカルボン酸塩、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオーネ、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバシン酸塩、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状または環式凝縮物、2-クロロ-4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジン、および1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの凝縮物、2−クロロ−4,6−di−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス−3−アミノプロピルアミノ)エタンの凝縮物、8−アセチル−3−ドデシル-7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオーネ、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオーネ、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオーネ、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物同じく4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS Reg. No. [136504−96−6] );N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド(N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド)2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オクサ−3,8−ジアザ−4−オクソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オクサ−3,8−ジアザ−4−オクソスピロ[4,5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−フォミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン・マロン酸の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン共重合体と2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0141】
前記立体障害アミンはまた、米国特許第5,980,783号に記載されている化合物のうちの1つであってもよく、その関連した部分は成分I−a)、I−b)、I−c)、I−d)、I−e)、I−f)、I−g)、I−h)、I−i)、I−j)、I−k) またはI−l)の化合物、特に、前記米国特許第5,980,783号の64〜72欄に記載された光安定剤1−a−1、1−a−2、1−b−1、1−c−1、1−c−2、1−d−1、1−d−2、1−d−3、1−e−1、1−f−1、1−g−1、1−g−2または1−k−1を参照して取り入られる。
【0142】
前記立体障害アミンは、また、米国特許番号第6,046,304号および第6,297,299号に記載されている化合物のうちの1つであって、いずれもが本願明細書に引用したものとするか、たとえば請求項10または38、または実施例1−12の化合物もしくは明細書中のD−1〜D−5であり得る。
【0143】
2.7. ヒドロキシ置換されたアルコキシ基によってN−原子に置換される立体障害アミン、たとえば1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのt−アミルアルコールからの炭素ラジカルとの反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバシン酸塩、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシナート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタル酸エステルおよび2,4−bis{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジンのような化合物。
【0144】
2.8. オキサミド、たとえば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド−2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリドおよびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ二置換オキサニリドの混合物およびo−およびp−エトキシ二置換オキサニリドの混合物。
【0145】
2.9. トリス−アリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、たとえば周知の市販のトリス−アリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンおよびトリアジンは、米国特許番号第3,843,371号; 第4,619,956号; 第4,740,542号; 第5,096,489号; 第5,106,891号; 第5,298,067号; 第5,300,414号; 第5,354,794号; 第5,461,151号; 第5,476,937号; 第5,489,503号; 第5,543,518号; 第5,556,973号; 第5,597,854号; 第5,681,955号; 第5,726,309号; 第5,736,597号; 第5,942,626号; 第5,959,008号; 第5,998,116号; 第6,013,704号; 第6,060,543号; 第6,242,598号および第6,255,483号に開示され、または例として以下のものが列挙される:4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、CyasorbTM 1164(Cytec社)、 4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチル−オキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−n−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(*は、オクチルオキシ、ノニルオキシおよびデシルオキシ基の混合物を示す)、メチレンビス−{2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン}、メチレンは、3:5,5:5および3:3位置において5:4:1の比でダイマー混合物に架橋し、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチル−フェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−5−α−クミルフェニル)−s−トリアジン、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、 2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)−s−トリアジンおよびの4,6−ビス−(2,4−ジメチル−フェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−フェニル)−s−トリアジンの混合物、TinuvinTM 400(Ciba Specialty Chemicals社)4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−(2−エチルヘキシルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−フェニル)−s−トリアジン、および4,6−ジフェニル−2−(4−ヘキシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−s−トリアジン。
【0146】
3. 金属不活性化剤、たとえばN,N’−ジフェニルオクサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイル・ジヒドラジド、セバコイル・ビスフェニルヒドラジドN,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’‐ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’‐ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0147】
4. 亜リン酸エステルおよびホスホニト、たとえばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニールジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトール・ジホスホン酸エステル、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトール・ジホスホン酸エステル、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール・ジホスホン酸エステル、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトール・ジホスホン酸エステル、ジイソデシルオキシペンタエリスリトール・ジホスホン酸エステル、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトール・ジホスホン酸エステル、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール・ジホスホン酸エステル、トリステアリル・ソルビトール・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル) 4,4’−ビフェニレン・ジホスホン酸エステル、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−tetra−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−tetra−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオクサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチル亜リン酸エステル、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチル亜リン酸エステル、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−tetra−tert−ブチル−1,1’-ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−tetra−tert−ブチル−1,1’-ビフェニル−2,2’−ジ−イル)ホスファイト。
【0148】
特に好まれるのは以下の亜リン酸エステルである:
【0149】
トリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)亜リン酸エステル(IrgafosTM 168(Ciba Specialty Chemicals社))(トリス(ノニルフェニル)亜リン酸エステル)
【0150】
【化1】

【0151】
【化2】

【0152】
5. ヒドロキシルアミン、たとえば例N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジアウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサ−デシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、および水添獣脂アミン由来のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0153】
6. ニトロン、たとえば N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリドシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル-−α−ヘプタデシルニトロン、および水添獣脂アミン由来のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されるニトロン。
【0154】
7. アミンオキシド、たとえば米国特許番号第5,844,029号および第5,880,191号に開示されているようなアミンオキシド誘導体、ジデシル・メチルアミンオキシド、トリデシル・アミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシル・アミンオキシド。
【0155】
8. ベンゾフラノンおよびインドリノン、たとえば、米国特許番号第4,325,863号、第4,338,244号、第5,175,312号、第5,216,052号、第5,252,643号、第5,369,159号、第5,356,966号、第5,367,008号、第5,428,177号または第5,428,162号に開示されたもの、または、3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2‐one、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−one、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2‐one]5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2‐one、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−one、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイロキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−one、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−one、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラン−2−one、および3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−one。
【0156】
9. チオ相乗剤、たとえばチオジプロピオン酸ジラウリルまたはジステアリルチオジプロピオート。
【0157】
10. 過酸化物スカベンジャー、たとえばβ-チオジプロピオン酸のエステル、たとえばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシル・エステル、メルカプトベンゾイミダゾールまたは、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバマト、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトール、テトラキス(β-ドデシルメルカプト)プロピオナート。
【0158】
11. ポリアミド安定剤、たとえばヨウ化物および/またはリン化合物と組合せた銅塩および二価マンガンの塩。
12. 塩基性補助安定剤、たとえばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、アルカリ金属塩、および高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩、たとえばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびカリウム・パルミタート、ピロカテコラートアンチモンまたは亜鉛ピロカテコラート。
【0159】
13. 造核剤、たとえば
滑石のような無機物質、酸化チタンまたは酸化マグネシウムのような金属酸化物、燐酸塩、炭酸エステルまたは好ましくはアルカリ土類金属; モノ−または多カルボン酸のような有機化合物およびそれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、琥珀酸ナトリウムまたはベンゾアート;イオン共重合体(イオノマー)のような高分子化合物。
【0160】
14. 充填剤および補強剤、例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物カーボンブラック、グラファイト、木粉、および他の天然物の粉や繊維、合成繊維。
【0161】
15. 分散剤、ポリエチレンオキシド・ワックスまたは鉱油類。
【0162】
16. 他の添加剤、例えば可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、染料、蛍光増白剤、レオロジ-添加剤、触媒、流れ制御剤、スリップ剤、架橋剤、架橋ブースタ、ハロゲンスカベンジャ、煙阻害剤、難燃処理剤、帯電防止剤、置換または非置換のビスベンジリデン・ソルビトールのような清浄化剤、2,2’−p−フェニレン−ビス(3,1−ベンゾキサジン−4−one)、CyasorbTM 3638(CAS# 18600−59−4)のようなベンゾオキサジノン紫外線吸収剤および発泡剤。
【0163】
特に、更なる添加剤は、有機燐安定剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、ヒドロキシルアミン、ヒンダードアミンおよびヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、または、ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸収剤から選択される。
【0164】
ブロンズ粒子は周知の技術、たとえば当業者によって知られている標準分散技術によってコーティングまたはインキまたは接着剤組成物に取り込まれ得る。本件ブロンズ粒子は、混合器を使用している標準の添加剤混合技術、混錬器または押出機によってプラスチック基板、コーティング、インキまたは接着剤に取り込まれ得る。
【0165】
本発明のブロンズおよび任意の更なる添加剤は、プラスチック、コーティング、インキまたは接着剤基板に個々に添加され、または互いに混ぜ合わされる。所望により、個々の成分は、基板への取込みの前にたとえば乾式混合、圧縮または溶融物内で互いに混ぜ合わせられる。
【0166】
本発明のブロンズ粒子および任意の更なる添加剤の取込みは、粉末の乾式混合、またはたとえば不活性溶媒、水または油のような溶液、分散物、懸濁液の湿潤混合の形で、周知の方法によって実行される。本発明の添加剤は、たとえば、成形の前か後にまたは、溶剤または懸濁液/分散剤の次の蒸発の有無にかかわらず、溶けたかまたは分散性の添加剤または添加剤混物を基板に付与することによって取り入れられる。それらは、例えば乾燥混合物、粉末、溶液、分散物、懸濁液または溶融物として処理装置(例えば押出機、密閉式混合機、その他)に、直接添加できる。
【0167】
取込みは、撹拌機を備えているいかなる加熱可能な容器例えば混錬器、混合機または撹拌槽のような閉じた装置にもおいても実行できる。取込みは、好ましくは押出機においてまたは混錬器において実行される。不活性雰囲気または酸素の存在において処理が行われるかどうかは、重要でない。
【0168】
本件添加剤のプラスチックの基板に対する添加は、プラスチックが溶かされ、添加剤と混ぜ合わされる全ての慣習的混合機において実行できる。適切な機械は当業者にとって知られている。それらは、主にミキサー、混錬器および押出機である。
【0169】
処理は、押出、共混錬、引抜き、圧縮成形、シート押出、熱成形、射出成形、回転成形、キャスティングまたは重合を含む。工程は、好ましくは溶融処理の間、添加剤の導入によって押し出し機において実行される。
【0170】
特に好適な処理機械は単一スクリュー押出機であり、対抗回転または共回転式双晶-スクリュー押出機、回転成形装置、遊星歯車装置押出機、環押出機または共混錬器である。また、真空が適用できる少なくとも1つのガス除去コンパートメントを備えている処理機械を使用可能である。
【0171】
適切な押出機および混錬器については記載があり、たとえば、Handbuch der Kunststoffextrusion, Vol. 1 Grundlagen, Editors F. Hensen, W. Knappe, H. Potente, 1989, pp. 3−7, ISBN: 3−446−14339−4 (Vol. 2 Extrusionsanlagen 1986, ISBN 3−446−14329−7)である。
【0172】
たとえば、スクリュー長はスクリュー直径の1〜60倍、好ましくスクリュー直径の35〜48倍分である。スクリューの回転速度は、好ましくは10〜600毎分回転数(rpm)、特に大いに好ましくは25〜300rpmである。
【0173】
最大流量は、スクリュー直径、回転速度および推進力に依存している。本発明の方法は、また、言及したパラメータを変化させるかまたは投与量を伝達する計量機を使用して、最大処理能力未満のレベルで実行できる。複数の成分が添加される場合、これらは使用前に混合されるかまたは個々に添加される。
【0174】
本発明のブロンズ粒子ならびに任意の更なる添加剤は重合体に対してたとえば約1重量%〜約40重量%、好ましくは約2重量%〜約20重量%の濃度の成分を含むマスターバッチ(「濃縮物」)の形でプラスチックの基板に添加されることができる。重合体は、添加剤が最後に添加される基板と必ずしも同一である必要はない。この種の作業において、前記重合体は粉末、粒剤、水溶液、懸濁液、または、格子の形で使用できる。
【0175】
取込みは、成形作業に先立って、あるいは作業の間に行われ、または、溶剤の次の蒸発の有無にかかわらず、溶かした化合物または分散した化合物をプラスチック基板に付与することによって行うことができる。可塑性基板への本発明の添加剤の取り込みの更なる可能性は、対応するモノマーの重合の前、間、または直後にそれらを添加するか、架橋に先立って添加することである。この文脈において、本発明の添加剤は被包性の形(たとえばワックス、油または重合体)または他の形で添加できる。
【0176】
本発明の添加剤を含んでいる材料は、押出物や共押出物、成形物、回転成形物、射出成形体、中空成形品、フィルム、シート、テープ、モノフィラメント、繊維、不織布、プロフィル、接着剤またはパテまたは表面コーティング組成物の生産のために使用できる。
【0177】
本発明の別の実施形態おいて、更なるジチオレン金属錯体が使用され得る。これらの金属複合体は、例えばWO 第2008/086931号において開示されている。
【0178】
他の無機NIR吸収体も使用され、たとえばランタン六硼化ランタノイド、インジウムスズ酸化物(ITO)またはアンチモン酸化スズ(ATO))である。他の適切な無機IR吸収体は、酸化物、水酸化物、スルフィド、硫酸エステルおよび銅、ビスマス、鉄、ニッケル、スズ、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、タングステン、ランタンまたはアンチモンのような金属の燐酸塩を含む。他の例は、ATOまたはITO被覆雲母を含む。
【0179】
更なる実施形態において、本発明はまた、本件ブロンズ粒子のキノン−ジインモニウム塩、アミニウム塩、シアニンスクアライン、クロコネイン、フタロシアニンのようなポリメチンから選択される有機NIR吸収体との共同使用に関し、これらの金属複合体は、例えばWO第 2008083918号に開示され、ナフタロシアニンおよびクアテリレン−ビスイミドに関する。更なるNIR吸収体も、トリフェニルホスホロチオアートを含む。
【0180】
以下の例は、本発明の特定の実施例を記載する。これらの実施例は、本発明の権利範囲を限定するものではない。本件開示において、部および百分率は重量表示であり、他の示唆の無い限り、温度は摂氏の度数を記載する。
【実施例】
【0181】
実施例1 プラズマ合成および特性測定
パラタングステン酸アンモニウム、(NH41012242・4H2O、炭酸カリウムおよび酢酸セシウム粉末を物理的に一緒に混合する。粉末混合物は、標準の粉末供給器によってアルゴン担体ガスに伴出される。シースガスは、Ar/H2/He = 100/x/5 slpm(毎分の基準リットル)からなり、式中xは0.25〜0.5slpmの間である。流動化された粉末混合物は、10〜50g/分の供給速度でTeknaプラズマ反応器へ供給される。PL−50誘導プラズマトーチが、65kWでプラズマ源として使われる。
【0182】
プラズマ高温ゾーンにおける代表的な到達温度領域は、華氏約5,000〜約10,000である。反応剤蒸気はクエンチガスによって冷やされ、その結果得られる粉末はバグフィルタに捕集される。
【0183】
下記の表は、モル、生成物の元素組成および値M(K + Cs)によって出発先駆体比を表示する。元素分析は、誘導結合プラズマおよび原子吸光分析によって決定される。結晶相の確認および量的組成は、粉末X線回折(PXRD)によって決定される。カリウムはプラズマ合成の間に消失する、したがって、出発割合用には大過剰量が使用される。0.4未満のM値について、6角形のブロンズ相が観察される。0.4および0.6の間では、サンプルは6角形およびパイロクロア相の混合物から成る。0.6を超えるM値では、サンプルは大部分のパイロクロア相を含む。
【0184】
【表1】

【0185】
サンプルK0.24Cs0.15WO3(M = 0.39)は、走査電子顕微鏡法による測定で200 nm未満の平均粒径を有し、ほとんど完全な六方晶で存在する。粒径は、粒子の最大半径である。高分解能分散X線分光測定(EDX)により、KとCsと2つに分離したブロンズ相よりむしろK/Cs固溶液体からなる単一であることを確証する。EDXの線走査を単一六方晶に実施する。元素W、K及びCsは、結晶およびその下の炭素支持体フィルムを横切る線走査に沿った距離の関数として分析される。EDXは、W、K及びCsがこの結晶に存在し、各元素の相対的な量が表中で報告される元素分析と良く対応することを確認する。下の炭素支持体フィルム中のW、K及びCsについて零X線カウントが観察される。
【0186】
サンプルK0.24Cs0.15WO3(M = 0.39)は、Rietveld精密化手順によって分析され、実験的PXRDパターンはP6322構造に基づいた固溶液KxCsyWO3の構造モデルから創られるシミュレートパターンに対して適合し、Cs原子は2b部位に配置され、K原子は4e部位に配置されている。実験的および特徴パラメータの精密化後、KおよびCsの部位占有率は、原子座標および温度パラメータに沿って精密化される。実験的パターンおよびシミュレートパターン間の優れた適合は、6.22のRwp値によって示される。CsおよびKの精密化した部位占有率に基づいて、我々の固溶液の算出組成は、実験的に決定された元素分析に非常に近いK0.24Cs0.13WO3である。サンプルの全体的な組成は、93.6重量 % K0.24Cs0.13WO3、3.24重量 % Cs0.5WO3(Fd3m構造)および3.15重量 % W(Im3m構造)であると決定される。
【0187】
EDX微量分析により、たとえばM = 0.66サンプルで固溶液挙動もまたより高いドーパント水準で維持されることが確認される。混合したM = 0.39 K/Csブロンズは、紫外線/NIR分光測定で特徴づけられ、PVC箔(厚さ0.33〜0.35nm)でカリウム・タングステンブロンズおよびセシウム・タングステンブロンズと比較して、0.5重量%の濃度である。混合ブロンズは、1500nmでの最大吸光度を表示して、可視域の低吸収を有する。吸光度は、1500nmで2.67であり600nmで0.33である。可視着色の低衝撃はまた、下記で示される色データから観察される。
【0188】
【表2】

【0189】
*値(明るさ)は、本件混合ブロンズよりも、KおよびCsブロンズが明確に暗いことを呈示する。C*値(彩度)は、本件混合ブロンズがKおよびCsブロンズより光輝であることを示す。h*値(色相)は、色角であって、本件ブロンズが僅かに黄緑色であることを示す。Kブロンズは明確に青緑色で、Csブロンズは明確に緑色である。コントラスト値は、本件混合ブロンズがKおよびCsブロンズより透明であることを呈示する。
【0190】
実施例2 赤外線硬化性白色コイルコーティング組成物
【0191】
【表3】

【0192】
硬化性ポリエステル塗料配合が調合される。水準は、重量部で示す。練り顔料は、予混合のための分散機による標準工程および標準分散器での1時間の付加粉砕によって調合される。処方は、次いで降下される。コーティング組成物は、スリット塗工機を使用して予め用意した白色アルミニウムパネルの上へ付与され、約80ミクロンの湿潤膜厚を提供する。TiO2を有する処方およびTiO2とNIR吸収体の混合物が検査される。45重量パーセントのTiO2を有する処方が参照として使用される。NIR吸収体は、粉砕ステップにおいて直接的に、代わりに樹脂の無い顔料ペーストを経て添加される。6台のAdphos高焼NIR発生器によって硬化が行われる。NIR吸収体の添加は、硬化時間を低減させる。これによって、ベルト速度を増加し、処理能力を増加するかまたはランプ出力を減少させ、エネルギー使用を低減させる。
【0193】
硬化のベルト速度は、硬化したコーティングの、100回のメチルエチルケトン二重摩擦に対する安定性によって決定される。
【0194】
結果は、次の通りである。水準は、固体に基づく重量パーセントで示す。
【0195】
【表4】

【0196】
NIR吸収体のより高い装填が高速ベルト速度を齎すことが分かる。本件混合ブロンズは、CIE−Lab色空間範囲内で、ΔE値に対する低衝撃で高速ベルト速度を齎すという点で、優れている。
【0197】
実施例3 ポリエチレンテレフタレートフィルム押出
低温破砕したEastar 6763(Eastman,PET−G)フィルムを、65℃/50mbarの減圧乾燥器において窒素の微風流れで8時間乾燥する。重合体粉末の3944gを、6.00gのIRGANOX B 561、40.00gのTINUVIN 1577および10.00gの6相構造混合ブロンズ、K0.24Cs0.15WO3(M = 0.39)と窒素の下でHenschel高速混合機MTI/M20 FU内にて3分間混ぜ合わせる。前記混合物は、次いで260℃最高温度でBerstorff ZE 25x32D双晶スクリュー押出機にて合成する。
【0198】
得られるペレットは 真空乾燥器内で65℃にて4時間乾燥される。0.15mmのフィルムサンプルを可熱プレス上で無圧力260℃にて3分間、次いで、170バールで1分間プレス成型する。前記サンプルは、良く磨かれた金属板への粘着を防ぐためにテフロン(登録商標)フィルムの間で加圧される。これらのフィルムから、UV−VIS NIRスペクトルは、参照としての空気から1nmのサンプリング間隔で250〜1800nmまで、ISR3100(Ulbricht球)を有する島津UV−3101PCに記録される。
スペクトルは図1で示される。
【0199】
実施例4 ポリビニルブチラール(PVB)
全実施例のために、PVBは可塑化される:PVB(Butvar B72A Solutia製)は、真空乾燥器内で80℃にて8時間、減圧下で乾燥する。全液体がPVBによって吸収されるまで、536.0gのPVBをHenschel High SpeedミキサーMTI/M3混合物内の264.0gのSolusolv 2075(Solutia)と6分間混ぜ合わせる。この可塑化されたPVBの41.937gは、0.042gの6角形構造の混合ブロンズ、K0.24Cs0.15WO3(M = 0.39)およびBrabender PL 2000内の0.042gのTINUVIN 326と窒素下で90℃にて混ぜ合わせられる。得られた混合物は、次いで1mmの銘板を供与するために170バールの圧力で100℃にて3分間テフロン(登録商標)スペーサを有するホットプレスSuter LP 322上で加圧成型される。
【0200】
結果として生ずる銘板から、UV−VIS NIRスペクトルは、参照としての空気から1nmのサンプリング間隔で250〜1800nmまで、ISR3100(Ulbricht球)を有する島津UV−3101PCに記録される。
スペクトルは図2で示される。
【0201】
実施例5 ポリ塩化ビニル(PVC)
全サンプル用に、63.5%のEvipol SH 7020(Ineos Vinyl)、33.5% DIDP Jayflex(Exxon Mobil Chemicals)、1.5 % Drapex 39 (Chemtura) Mark BZ 561を含む可撓性のPVCが使われる。この可撓性PVCの99.80gは、0.300gTINUVIN 329、0.200g6角形構造混合ブロンズ、K0.24Cs0.15WO3(M = 0.39)と混ぜ合わせられる。この混合物を、次いでSchwabenthan D−1 2本ロールミルで160℃にて8分間、および25rpmで1:1.2の摩擦によって混連する。結果として生じるフィルムは、0.45mmの厚さを有する。
【0202】
結果として生ずるフィルムから、UV−VIS NIRスペクトルは、参照としての空気から1nmのサンプリング間隔で250〜1800nmまで、ISR3100(Ulbricht球)を有する島津UV−3101PCに記録される。
スペクトルは図3で示される。
【0203】
実施例6 ポリカーボネート・フィルム押出し
低温粉砕ポリカーボネート(Makrolon 3108(Bayer Material Science))を、わずかな窒素流れを有する減圧下で、減圧乾燥器中で120℃にて8時間乾燥する。前記粉末2840gは、Henschel高速混合機MTI/M20 FU 内において.2.40gのIRGAFOS 168、7.5gの6角形構造の混合ブロンズK0.24Cs0.15WO3(M = 0.39)および150.0gのTINUVIN 360と80℃にて3分間窒素の下で混ぜ合わされる。粉末混合物は、280℃にてBerstoff ZE 25×32D上で二回合成する。前記ペレットは、120℃にて4時間、熱風乾燥機において乾燥し次いで、280℃の最高温度にてコリンCR−136/350シート押し出しライン上で100ミクロン厚さのキャストフィルムを生産するために用いる。
【0204】
その結果得られるフィルムから、UV−VIS−NIRスペクトルが空気を参照として1nmのサンプリング間隔で250〜1800nmのISR3100(Ulbricht球)が島津UV−3101PCに記録される。
【0205】
スペクトルは、図4で示される。
【0206】
実施例7 ポリエチレン・フィルム
6角形構造の混合ブロンズ、K0.24Cs0.15WO3(M = 0.39)、3.75gは、1496.25gのLDPE粉末に添加され(RibleneTMFF29 、Polimeri Europa, Italy;密度:0.921g/cm3; MFI:0.6(190度C,2.16Kg))、そして、ターボ混合した。前記混合物は、OMCTM実験室規模二軸押し出し機において200℃の最高温度で押し出される。こうして得られる粒剤は、FormacTMの実験室規模ブロー押し出し機において210℃の最高温度の気温で厚さ約150ミクロンのフィルムに吹きつけられる。
【0207】
その結果得られるフィルムから、UV−VIS NIRスペクトルが空気を参照として1nmのサンプリング間隔で250〜1800nmのISR3100(Ulbricht球)の島津UV−3101PCに記録される。
スペクトルは、図5で示される。
【0208】
実施例8 レーザ溶接
本件混合ブロンズ赤外線吸収剤は、射出成形機によって500ppm濃度で厚さ2mmのポリカーボネート・シートに組み入れられる。その結果得られる透明シートは、250ワットNd:YAGレーザで1mmポリカーボネート・シートと共に溶接される。
【0209】
表面は、20mm/秒の速度で、レーザ光線によって走査される。
【0210】
その結果得られる接合は優れた接続を有し、高度に透明であり、いかなる局所的塑性変形も示さず、溶接の間、気泡を放出しない。機械的応力から接合線の破損が誘導されることは無い。
【0211】
実施例9 レーザマーキング用白色グラビア・インキ
固体上の本件混合ブロンズに0.1重量パーセントを含んで酸化チタン系白インキが調合される。インキは、55重量パーセントのニスおよび45重量パーセントのTiO2を含む。ニスは、ビニルアセテートと7.5mgKOH/gの酸価、170,000の分子量、および約43℃のTgのクロトン酸との固体共重合体20部を酢酸プロピル80部と混ぜることによって調合される。
【0212】
インキは標準のK2バーで白色包装板紙に付与されて、乾燥される。1平方cmの板紙にレーザ照射を行う(充填材60、1500mm、20Khz)。撮像面積の光学濃度は、背景白色度と共に測定される。良好な複写濃度が観察され、CIE白色度は高いままである。
【0213】
実施例10 偽造防止印刷
赤外線照射吸収オフセット・インキは、本件K/Csタングステンブロンズ材料固体上の5重量パーセントを含んで調合される。インキは、3本ロールミルで調合され、10重量パーセントの高粘着度ニス(CAS 68458−35−5、アルキド樹脂)、84重量パーセントの市販のオフセットワニス、および1重量パーセントの乾燥剤(CAS 136−52−7準拠、コバルトビス(2−ヘキサン酸エチル)およびオレイン酸、CAS 112−80−1)を含む。インキは、紙幣用紙にオフセット印刷設備によって印刷される。印刷は、視覚的にほとんど無色だが、赤外線視覚器(カットフィルタ715ナノメートル)を使用している赤外線範囲において、明確に見える。印刷は、溶剤、酸、塩基、過酸化水素、亜硫酸ナトリウム、沸騰水等に対して優れた耐光性および非常に良好な耐性を呈する。
【0214】
実施例11 水性接着剤の乾燥
6角形構造、K0.24Cs0.15WO3の本件混合ブロンズの0.1、0.2、および0.5重量パーセントによって約67.6重量パーセントの水分量を有するポリビニルアセテート水性接着剤が変性される。ブロンズの良好な分散のために、0.2重量パーセントの高分子量アクリル・ブロックコポリマー分散剤(Ciba製EFKA 4585)が使用される。接着剤は、DS 200分散器内の添加剤と混ぜ合わせられる。
【0215】
接着剤は100ミクロンの湿潤膜厚で、白いワニスペーパー基板に適用され、そして、NIR発光器の下の多重パスでの重量減少が追跡される(HB6電球、70%電力、ウエブ距離300mm、ウエブ速度5メートル/分)。照射に際して、本件混合ブロンズにより変性接着剤が非変性接着剤より速く乾燥できる。
【0216】
【表5】

【0217】
更なるテスト・セットアップにおいて、Mettler HG 63水分分析器によって乾燥するときに、時間経過に伴う接着剤の重量減少が追跡される。本件混合ブロンズ製添加変性接着剤は、およそ100秒後に一定の乾燥重量に到達する。非変性接着剤は、150秒後で乾く。
【0218】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式KxCsyWOzで表わされるカリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子、式中、x+y≦1および2 ≦ z ≦ 3。
【請求項2】
粒子の90パーセントを超える最長半径が、約5nm〜約10μmまたは約20nm〜約300nmである、請求項1に記載のタングステンブロンズ粒子。
【請求項3】
xが約0.05から約0.95であり、yが約0.95から約0.05である、または、xが約0.10から約0.50であり、yが約0.50から約0.10である、請求項1に記載のタングステンブロンズ粒子。
【請求項4】
6角形タングステンブロンズ構造を有する、請求項1に記載のタングステンブロンズ粒子。
【請求項5】
立方晶パイロクロール構造に関して対称な空間群を有する、請求項1に記載のタングステンブロンズ粒子。
【請求項6】
化学式KxCsyWOzで表わされるカリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子調合のためのプロセスであって、式中、x+y≦1および2 ≦ z ≦ 3であり、前記プロセスは適切なタングステン・ソースをカリウム塩およびセシウム塩と混ぜ合わせて粉末混合物を形成し、還元雰囲気下でプラズマトーチに粉末混合物を露出することを含み、好ましくは還元雰囲気が水素/希ガス混合物から成るシースガスによって供給される、プロセス。
【請求項7】
タングステン・ソースがタングステン酸、タングステン酸化物、タングステン地金、タングステン・ハライドおよびタングステン・アルコキシドから選択され、好ましくはタングステン・ソースがモノタングステン酸アンモニウム、ヘキサタングステン酸アンモニウム、ドデカタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム(APT)、メタタングステン酸アンモニウムおよびこれらの水和物から選択され、カリウム塩およびセシウム塩が炭酸エステル、ハライド、アセテート、ホルマート、クエン酸塩または硝酸エステルである、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記粉末混合物が1モルのタングステン基準で約0.05〜約5モルのカリウムと、約0.05モル〜約0.5モルのセシウムとを含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
有機または無機の基板を含み、化学式KxCsyWOzのカリウム・セシウム・タングステンブロンズ固溶体粒子を組み入れた有機または無機の組成物であって、式中、x+y≦1および2 ≦ z ≦ 3であり、前記基板は、コーティング、プラスチック、インキ、接着剤、セラミック、ガラスまたはエナメルである、組成物。
【請求項10】
前記基板が、近赤外線(NIR)硬化性コーティング組成物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
板、シートまたはフィルムの形態のプラスチック組成物であり、前記基板は、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレン-アクリロニトリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびこれらの合金または混合物から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
有機リン安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールから選択される添加剤、またはヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸収剤および更なる無機または有機のNIR吸収剤を更に含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
近赤外線(NIR)吸収剤および/または熱遮断添加剤としての請求項1に記載のカリウム・セシウム・タングステンブロンズ粒子の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−532822(P2012−532822A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519581(P2012−519581)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/040602
【国際公開番号】WO2011/005631
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(512005807)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (1)
【Fターム(参考)】