説明

カルボン酸変性アミノプラスト架橋剤および粉末コーティング組成物

(a)アミノプラスト樹脂および(b)カルボン酸含有化合物の、非ゲル化反応生成物である架橋剤が、開示される。この架橋剤は、反応性カルボン酸基を本質的に含まず、そして少なくとも10℃のガラス転移温度を有する。架橋剤を調製するための方法もまた、開示される。本発明において使用されるカルボン酸含有化合物は、最も適切には、一官能性酸または一官能性酸と多官能性酸との混合物である。芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸およびその誘導体)が、特に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、変性されたアミノプラスト樹脂に基づく架橋剤、およびこれらの架橋剤を含む粉末コーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
近年、粉末コーティングは、ますますよく知られてきている。何故なら、これらのコーティングは、揮発性の有機成分(「VOC」)が本質的に低いからである。この低VOCは、液体コーティングと比較して、塗布および硬化の間の環境中への気体の放出を有意に低下させる。
【0003】
比較的高いガラス転移温度(「Tg」)を有するヒドロキシル官能性樹脂、カルボキシル官能性樹脂、カルバメート官能性樹脂、および/またはエポキシ官能性樹脂(例えば、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂)は、粉末コーティングのための主要なフィルム形成ポリマーとして、一般に使用される。このようなポリマーの比較的高いTgは、貯蔵安定性の良い粉末コーティングを提供する。しかし、運搬および/または保管の両方の間に極温に曝される場合、なおより良い粉末コーティング安定性が所望される。「安定性」または「貯蔵安定性」により、粉末コーティングを構成する個々の粉末粒子の、互いに接着する傾向(粉末コーティング組成物の「凝集(clumping)」または「融合(fusing)」を生じる)に対抗する能力が意味される。非常に貧弱な貯蔵安定性を有する粉末コーティング組成物は、適用が不可能でないとしても、適用が困難であり得る。
【0004】
アミノプラスト樹脂は、従来の液体コーティング組成物におけるヒドロキシル官能性ポリマー、カルボキシル官能性ポリマーおよび/またはカルバメート官能性ポリマーについての低価格の架橋剤として、当該分野で周知である。アミノプラスト樹脂は、外部耐久性、耐薬品性および損傷耐性のような、増強した特性をコーティングに与え得る。これらの望ましい特性を提供する、従来のアミノプラスト樹脂に基づく粉末コーティング組成物を製造する試みは、しばしば不十分な結果を生じる。何故なら、これらの材料は、代表的に液体形態であるからである。液体アミノプラストを粉末コーティングに組み込むことに伴う問題に加え、その組込みは、成功した場合、貧弱な粉末安定性を有するコーティングを生じ得る。
【0005】
固体アミノプラスト樹脂であるグリコールウリル(glycoluril)のメトキシル化アルデヒド縮合物は、粉末コーティング組成物において架橋剤として使用される。固体形態であるが、これらの材料は、上で議論したアクリルポリマーのような高Tgフィルム形成ポリマーと合わせた場合でさえ、なお粉末コーティング組成物のTgを有意に低下し得る。Tgの低下はまた、貧弱な粉末安定性をもたらし得る。
【0006】
その上、粉末コーティング組成物における従来のアミノプラスト樹脂の使用は、一般に「ガッシング(気泡発生)」と呼ばれる現象をもたらし得る。ガッシングは、熱誘導されたアミノプラスト架橋反応において生成されたアルコールの蒸発の結果として起こり得る。アルコール蒸気は、硬化プロセスの間にコーティングの粘度が上昇する際に、加熱によってコーティングフィルムを通して放出され、気体がコーティング表面を通して逃げる際に、「ピンホール」または「クレーター」が形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、粉末コーティングに使用され得る改善されたアミノプラスト架橋剤についての需要が、当該分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(a)少なくとも1種のアミノプラスト樹脂および(b)少なくとも1種のカルボン酸含有化合物の、未ゲル化反応生成物を含む架橋剤に関する。このような架橋剤を調製するための方法もまた、開示される。
【0009】
上で議論されたように、アミノプラスト樹脂の粉末コーティング中への組込みは、達成が困難であった。本発明は、固体の未ゲル化形態である変性されたアミノプラストを提供することによって、これらの困難を克服する。「未ゲル化」生成物は、適切な溶媒中に溶解した場合に測定可能な固有粘度を有する生成物である。対照的に、ゲル化生成物は、溶媒中に溶解した場合、その固有粘度が測定できないほど高い生成物である。さらに、未ゲル化生成物は、融解され得、固化され得、そして再融解され得る。従って、本発明の未ゲル化生成物は、粉末コーティング中に組み込まれ得、当該分野で標準的な方法に従って加工され得る。注目に値すべきことには、本発明の変性アミノプラストを含む粉末コーティングは、良い性能を示し、良い安定性を有し、かつ使用が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、(a)アミノプラスト樹脂および(b)カルボン酸含有化合物の未ゲル化反応生成物を含む架橋剤に関する。この架橋剤は、アミノプラスト樹脂と反応性である官能基を実質的に含まず、少なくとも10℃のTgを有する。
【0011】
アミノプラスト樹脂は、アルデヒドとアミノ基含有化合物もしくはアミド基含有化合物との縮合生成物に基づく。使用されるアルデヒドは、最もしばしばホルムアルデヒドであるが、他のアルデヒド(例えば、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフラールおよびグリオキサール)もまた、使用され得る。アミン/アミド含有化合物としては、グリコールウリル、アミノトリアジンまたはベンゾグアナミンの少なくとも1種から誘導される化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、メラミン、グリコールウリル、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルモグアナミン、スピログアナミンなどのアルコキシアルキル誘導体が挙げられる。アルコールおよびホルムアルデヒドとメラミン、尿素またはベンゾグアナミンとの反応から得られる縮合生成物が、本発明における使用のために最も一般的であり、最も適する。他のアミンおよびアミドの縮合生成物もまた、使用され得る。この縮合生成物は、例えば、トリアジン、ダイアジン、トリアゾール、グアナジン、グアナミンのアルデヒド縮合物、ならびにこのような化合物のアルキル置換誘導体およびアリール置換誘導体(アルキル置換尿素およびアリール置換尿素ならびにアルキル置換メラミンおよびアリール置換メラミンが挙げられる)である。このような化合物の幾つかの例は、N,N’−ジメチル尿素、ベンゾ尿素、ジシアンジアミド、ホルモグアナミン(formaguanamine)、アセトグアナミン、グリコールウリル、アメリン、2−クロロ−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、6−メチル−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、3,5−ジアミノトリアゾール、トリアミノピリミジン、2−メルカプト―4,6−ジアミノピリミジン、および3,4,6−トリス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジンである。
【0012】
アミノプラスト樹脂は、代表的にメチロール基または他のアルキロール基を含み、ほとんどの場合、これらのアルキロール基の少なくとも一部分は、アルコールとの反応によりエーテル化される。任意の一価アルコールがこの目的のために使用され得、このアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール他、ならびにベンジルアルコールおよび他の芳香族アルコール、シクロヘキサノールのような環状アルコール、グリコールのモノエーテル、ならびにハロゲン置換アルコールおよび他の置換アルコール(例えば、3−クロロプロパノールおよびブトキシエタノール)のようなアルコールが挙げられる。メタノールまたはブタノールで実質的にアルキル化されたアミノプラスト樹脂が、本明細書中の使用のために特に適する。
【0013】
本発明における使用のために適切である適切なアミノトリアジン化合物の非限定の例としては、(メトキシメチル)メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(例えば、CYMEL 300、CYMEL 303、RESIMENE 745およびRESIMENE 757)、エチル化−メチル化ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂(例えば、CYMEL 1123)およびメチル化−ブチル化メラミンホルムアルデヒド樹脂(例えば、CYMEL 1135、CYMEL 1133およびCYMEL 1168)のようなアルコキシアルキルアミノトリアジンが挙げられる。これらの生成物は、Cytec Industries,Inc.またはSolutia,Inc.から市販される。
【0014】
本発明の別の実施形態において、このアミノプラスト樹脂(a)は、グリコールウリルから誘導される化合物(例えば、グリコールウリルのアルキル化アルデヒド縮合物)を含む。アミノプラスト樹脂(a)としての使用のために適するグリコールウリルのアルコキシル化アルデヒド縮合物は、グリコールウリルまたはアセチル化尿素とアルデヒド(代表的には、ホルムアルデヒド)とのテトラ−アルキロールグリコールウリルを形成する反応によって調製され得る。この実施形態において、アルキロール基は、通常、モノアルコール(Cモノアルコール〜Cモノアルコール)によってエーテル化されて、テトラアルコキシアルキルグリコールウリルを形成する。このようなテトラアルコキシアルキルグリコールウリルの例は、テトラ−メトキシメチルグリコールウリルであり、POWDERLINK 1174としてCytec Industries,Inc.から市販されている。
【0015】
アミノプラスト樹脂(a)に加えて、本発明の架橋剤を形成するために使用される反応物は、(b)少なくとも1種のカルボン酸含有化合物を、さらに含む。「カルボン酸含有化合物」は、少なくとも1種のカルボン酸官能基を有する任意の化合物をいう。本発明に従って、多くのカルボン酸が使用され得る。1つの実施形態において、カルボン酸は、3より高い(例えば、4より高い)pKaを有する。本明細書中で報告される「pKa」値は、25℃の脱イオン水中で測定されるpKaをいう。「pKa」は、酸の強さを表すための方法として理解される。より弱い酸は、より大きなpKaである。別の実施形態において、このカルボン酸含有化合物は、3未満のpKaを有する。酸がアミノプラスト樹脂の自己縮合を触媒して未ゲル化反応生成物よりむしろゲル化反応生成物を生じることがないならば、任意のpKaが適切である。本発明において使用されるカルボン酸含有化合物は、最も適切には、一官能性酸または一官能性酸と多官能性酸との混合物である。このような酸混合物が使用される場合、この多官能性酸は、代表的に、混合物の20%以下を構成するべきである。このようなポリカルボン酸の使用がゲル化生成物を生じない場合に、ポリカルボン酸のみの使用は、本発明の1つの実施形態内である。芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸およびその誘導体)が、特に適する。安息香酸の誘導体としては、安息香酸分子のフェニル環上に置換を有する物質が挙げられる。例としては、トルイル酸、アニス酸および4−tert−ブチル安息香酸が挙げられる。他の安息香酸誘導体としては、ハロゲン置換基を有する誘導体が挙げられる。「ハロゲン置換安息香酸」とは、芳香環上の少なくとも1つの水素がハロゲン元素と置換されている安息香酸をいう。このハロゲンは、例えば、塩素、フッ素、ヨウ素および/または臭素であり得る。例としては、クロロ安息香酸およびジクロロ安息香酸(例えば、2−クロロ安息香酸、4−クロロ安息香酸および2,4−ジクロロ安息香酸)が挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、2−フルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、4−ブロモ安息香酸などが挙げられる。芳香族含有アルキルカルボン酸(例えば、ケイ皮酸およびフェニル酢酸およびその誘導体)もまた、適する。これらの酸の誘導体としては、酸のフェニル環が置換されている化合物が挙げられる。他の適切な一官能性カルボン酸としては、ヘキサヒドロ安息香酸、ジフェニル酢酸および当業者に公知の一官能性カルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。1以上の一官能性カルボン酸と一緒の使用のために適するポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸およびトリメリト酸が挙げられる。
【0016】
他の適切な一官能性カルボン酸または多官能性カルボン酸としては、エステル含有カルボン酸が挙げられる。「エステル含有カルボン酸」は、少なくとも1つのエステル結合および少なくとも1つの酸官能性を有する化合物である。1つの実施形態において、エステル含有カルボン酸は、モノアルコール、および酸無水物から誘導される。適切なモノアルコールとしては、一般的なアルキルアルコールまたはアリールアルコールが挙げられ、イソボルネオール、シクロヘキサノール、およびベンジルアルコールが特に適切である。適切な酸無水物としては、無水フタル酸および無水ヘキサヒドロフタル酸のような、環状酸無水物が挙げられる。当該分野において公知である任意の方法が使用されて、エステル含有カルボン酸が調製され得る。例えば、適切なアルコールの適量を適切な無水物といっしょに約80℃〜120℃まで加熱するとは、通常、標的の酸の形成をもたらされる。
【0017】
本発明の架橋剤は、構造(I):
【0018】
【化3】

を有するモノ−ヒドロキシ芳香族化合物(化合物(c))とのさらなる反応によって調製され得、ここでR〜Rの各々は、同じであるか、または異なり、そしてH、一価の炭化水素基、COORから選択され、Rは、Hもしくは一価の炭化水素基、NO、ハロゲンまたはXRであり、Xは、酸素または硫黄であり、そしてRは、1個〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である。一価の炭化水素基は、炭素および水素を含有する有機基である。これらの炭化水素基は、脂肪族であっても芳香族であってもよく、そして1個〜24個(芳香族の場合においては、3個〜24個)の炭素原子を含み得る。「一価の炭化水素基」はまた、ヘテロ原子炭化水素基であり得る;すなわち、この基の炭素分子の1個以上は、ヘテロ原子(代表的に、酸素または窒素)によって置換され得る。このような一価の炭化水素基(hydrogen group)としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルアリール基およびアルコキシアリール基が挙げられるが、これらに限定されない。構造Iにおいて特に適切な化合物としては、フェノールおよびt−ブチルフェノールが挙げられる。化合物(b)と化合物(c)との特に適切な組み合わせとしては、p−トルイル酸、p−tertブチル安息香酸および安息香酸またはトランス−ケイ皮酸とt−ブチルフェノールとの組み合わせが挙げられる。
【0019】
本発明の架橋剤は、化合物(c)に加えてか、または化合物(c)の代わりに、以下の構造(II):
【0020】
【化4】

を有する化合物(d)または以下で議論されるようなそのダイマー誘導体を用いて調製され得、ここでRおよびRは、同じであるか、または異なり、そしてRおよびRは、それぞれ独立して、4個〜20個の炭素原子を有する芳香族基または1個〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。本発明の特定の実施形態において、置換基RおよびRの一方または両方は、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、メトキシフェニル基またはジメチルアミノフェニル基)である。適切な芳香族基はまた、芳香環の内部または外部のいずれかに、1個以上のヘテロ原子(例えば、O、N、およびS)を含み得る。環の外部のヘテロ原子は、この環に直接結合されても、1個以上の炭素原子を介して間接的に結合されてもよい。1個以上のヘテロ原子は、このようなそれぞれの置換基中に存在し得、そして1個以上の置換基は、上記芳香環に結合され得る。このヘテロ原子含有置換基は、環上の任意の位置または位置の組み合わせにおいて、芳香環に結合され得る。適切なヘテロ原子置換基としては、アミン、エーテル、エステル、ケトン、アミド、ハライド、スルホンアミド、ニトロ基およびカルボン酸基が挙げられるが、これらに限定されない。芳香環の内部のヘテロ原子は、任意の位置または位置の組み合わせに存在し得る。例えば、このような複素環式基としては、フラン、ピリジン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、およびトリアゾールが挙げられ得るが、これらに限定されない。このような化合物としては、アニソイン、ピリドイン、フロイン(furoin)、ブフィロイン(bufyroin)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
上記の一般的構造(II)を有する化合物は、特に、RおよびRがアルキルである場合にダイマーの誘導体を形成することが公知である。このようなダイマー誘導体は、以下:
【0022】
【化5】

の構造(III)を有し得、RおよびRは、構造(II)について上記に記載される通りである。
【0023】
カルボン酸含有化合物(b)は、1つ以上の一官能性の酸または多官能性の酸を含み得る。本発明の架橋剤の調製において反応物としてカルボン酸含有化合物(b)を含むことは、いくつかの利点を提供し得る。第1に、カルボン酸含有化合物(b)とアミノプラスト樹脂(a)との反応は、このような変性を有さない類似の架橋剤と比較した場合、一般的には得られる架橋剤のTgを上昇させ得る。また、上に記載されるような化合物(b)の使用は、ゲル化した反応生成物を生じずに、アミノプラスト樹脂のより多くのアルコキシ基の反応を可能にし得る。硬化可能粉末コーティング組成物中に組み込まれる場合、このような架橋剤は、無変性のアミノプラスト樹脂より、硬化の際のガッシングを低下させ得る。さらに、本発明の架橋剤が硬化可能粉末コーティング組成物中に使用される場合、脱気剤(degassing agent)は、インサイチュで放出され得る。このことは、硬化プロセスの間に、別々に添加された脱気剤の存在によって引き起こされ得る有害効果(例えば、フィルムの黄変)を減少させ得る。
【0024】
一般的に、アミノプラスト樹脂(a)は、反応物(a)と反応物(b)との合わせた総重量に基づいて、反応混合物の90重量%未満、多くの場合は85重量%未満、および代表的には80重量%未満を構成する。また、このアミノプラスト樹脂(a)は、一般的に、反応物(a)と反応物(b)との合わせた総重量に基づいて、反応混合物の少なくとも25重量%、多くの場合は少なくとも35重量%、および代表的には少なくとも45重量%を構成する。この反応混合物中に存在するアミノプラスト樹脂(a)の重量%は、記載した値を含むこれらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0025】
一般的に、上記カルボン酸含有化合物(b)は、反応物(a)と反応物(b)との合わせた総重量に基づいて、反応混合物の75重量%未満、多くの場合は65重量%未満、および代表的には55重量%未満を構成する。また、このカルボン酸含有化合物(b)は、一般的に、反応物(a)と反応物(b)との合わせた総重量に基づいて、反応混合物の少なくとも10重量%、多くの場合は少なくとも15重量%、および代表的には少なくとも20重量%を構成する。この反応混合物中に存在するカルボン酸含有化合物(b)の重量%は、記載した値を含むこれらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0026】
化合物(c)および/または化合物(d)が使用される場合、これらは、反応物(a)、反応物(b)、反応物(c)および/または反応物(d)の合わせた総重量に基づいて、反応混合物の15重量%未満、多くの場合は10重量%未満、および代表的には5重量%未満を構成する。また、化合物(c)および/または化合物(d)は、一般的に、反応物(a)と反応物(b)との合わせた総重量に基づいて、反応混合物の少なくとも1重量%、多くの場合は少なくとも2重量%、および代表的には少なくとも3重量%を構成する。この反応混合物中に存在する化合物(c)および/または化合物(d)は、記載した値を含むこれらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0027】
一般的に、本発明の架橋剤は、少なくとも10℃のTg、多くの場合は少なくとも15℃のTg、通常は少なくとも20℃のTg、および代表的には少なくとも25℃のTgを有する。また、架橋剤は、一般的に、85℃未満のTg、多くの場合は80℃未満のTg、通常は75℃未満のTg、および代表的には70℃未満のTgを有する。架橋剤のTgは、記載した値を含むこれらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0028】
Tgは、示差走査熱量測定を使用して実験的に測定され得る(1分間あたり10℃の割合で加熱する。Tgは、第1の変曲点において採られるTg)。特に示されない限り、本明細書中で使用される場合、記述Tgとは、実測のTgをいう。
【0029】
本発明はまた、本発明の架橋剤を調製するための方法に関する。より具体的には、上記アミノプラスト樹脂(a)および上記カルボン酸化合物(b)は、触媒として適した強酸および必要に応じて、適切な溶媒を含む、適切な装備を有する反応容器中で混合される。任意の適切な溶媒が使用され得るが、芳香族溶媒がほとんどの場合に使用される。適切な芳香族溶媒の例としては、キシレン、トルエン、およびこれらの溶媒の混合物が挙げられる。触媒として使用するのに適切な強酸の例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、およびドデシルベンゼンジスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。当該分野において公知である標準的な縮合技術が、使用され得る。上記反応混合物は、90℃〜160℃の範囲(通常は100℃〜140℃の範囲)まで加熱され、そして少なくとも10℃のTgを有する未ゲル化生成物を得るのに十分な時間、その温度に保たれる。この反応は、この反応の終点(例えば、赤外スペクトルにおけるOHシグナルの消失および酸価によって測定されるようなカルボン酸官能性の消失)が適切な分析方法によって検出される場合に終了される。本発明の特定の実施形態(例えば、エステル含有カルボン酸を使用する場合)において、上記カルボン酸と上記アミノプラスト樹脂との間の反応は、真空下で行われる。
【0030】
本発明の架橋剤の調製において、上記アミノプラスト樹脂(a)および上記カルボン酸含有化合物(b)は、得られる反応生成物が活性水素含有基(具体的には、カルボン酸基、ヒドロキシ基、または活性水素を含む任意の他の基)を実質的に含まないような比で混合される。この結果が達成され得るb)に対するa)の任意の比は、本発明の範囲内である。特に良好な架橋剤(例えば、25℃を超えるTgを有する架橋剤)が、(a)と(b)とのモル比が1.5より大きい場合に形成されることが見出された。本発明の特定の実施形態は、化合物(b)として安息香酸を、アミノプラスト1モルあたり安息香酸1.5モルより大きいモル比で使用する。この反応は、カルボン酸官能性の消失について酸度測定を介してモニタリングされ、そして一般的に、生成物が1グラムの生成物あたり15mg未満のKOHと等価である酸を含む場合に終了される。さらに、(c)および/または(d)が使用される場合においては特に、この反応は、OH官能性の消失について内部標準(すなわち、反応の間に変化しないままである一定の構造のシグナル(例えば、カルボニルシグナル))に対して、赤外分光法を介してモニタリングされる。本方法の1つの局面は、化合物(a)と化合物(b)との間の反応が完了するまで(すなわち、実質的に全ての化合物(b)がアミノプラストと完全に反応されるまで)行われることである。この反応はまた、かなりの量(すなわち、5%未満)のアミノプラストの自己縮合を促進しないか、または許容しないように行われる。従って、本発明の方法は、同様の出発物質が使用される場合、当該分野において記載される多くの方法(これらの方法は、ゲル化した物質もしくは部分的にゲル化した物質を生じるアミノプラストの自己縮合を促進しないか、またはそうでないならば許容しないか、またはこの反応が、共反応物(coreactant)からの反応基(OH基またはカルボキシル基)が、反応生成物中に存在するように完全に進行しない)と異なる。従って、本発明の方法は、当該分野において教示される他の方法によって達成されない新規の生成物の形成をもたらす。
【0031】
本発明はまた、固体粒子((1)反応性官能基を含むポリマーと(2)上に記載される架橋剤とのフィルム形成混合物)を含有する硬化可能粉末コーティング組成物に関する。このポリマー(1)は、このポリマーのTgが十分に高く、安定な固体粒子組成物の形成を可能にする限り、当該分野において周知であるアミノプラスト反応性官能基を有する種々のポリマーから選択され得る。一般的に、このポリマー(1)のTgは、少なくとも30℃であり、多くの場合には少なくとも40℃であり、そして代表的には少なくとも50℃である。一般的に、このポリマー(1)のTgはまた、130℃未満であり、多くの場合には100℃未満であり、そして代表的には80℃未満である。この官能基含有ポリマー(1)のTgは、記載した値を含むこれらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0032】
本発明の硬化可能粉末コーティング組成物において有用な反応性官能基を有するポリマーの例としては、アクリル,ポリエステルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリエポキシドポリマーおよびポリエーテルポリマーが挙げられる。代表的に、上記ポリマー(1)は、ヒドロキシル官能基、エポキシ官能基、カルボキシル官能基および/またはカルバメート官能基、またはそれらの組み合わせから選択される反応性官能基を含む。本発明の1つの実施形態において、ポリマー(1)は、ヒドロキシル官能基および/またはカルバメート官能基を含む。本発明の別の実施形態において、ポリマー(1)は、エポキシ官能基および/またはヒドロキシル官能基を含む。適切な樹脂の具体的な例は、ヒドロキシ官能性のポリフッ化物質から構成される樹脂である。
【0033】
一般的に、上記官能基含有ポリマー(1)は、本発明の硬化可能粉末コーティング組成物中に、この粉末コーティング組成物の総重量に基づいて、少なくとも5重量%からの範囲の量、多くの場合には少なくとも20重量%からの範囲の量、代表的には30重量%からの範囲の量、および通常は少なくとも40重量%からの範囲の量で存在する。一般的に、この官能基含有ポリマー(1)はまた、本発明の粉末コーティング組成物中に、この粉末コーティング組成物の総重量に基づいて、95重量%未満の量、多くの場合には90重量%未満の量、代表的には85重量%未満の量、および通常は80重量%未満の量で存在する。本発明の粉末コーティング組成物中の官能基含有ポリマー(1)は、記載した値を含むこれらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0034】
本発明の粉末コーティング組成物は、構成成分(2)として、上に記載される架橋剤をさらに含有する。一般的に、この架橋剤(2)は、この粉末コーティング組成物の総重量に基づいて、少なくとも5重量%からの範囲の量、多くの場合には少なくとも10重量%からの範囲の量、代表的には15重量%からの範囲の量、および通常は少なくとも20重量%からの範囲の量で存在する。一般的に、この架橋剤(2)はまた、この粉末コーティング組成物中に、この粉末コーティング組成物の総重量に基づいて、95重量%未満の量、多くの場合には80重量%未満の量、代表的には70重量%未満の量、および通常は60重量%未満の量で存在する。本発明の粉末コーティング組成物中に存在する架橋剤(2)は、記載した値を含むこれらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0035】
上記硬化可能粉末コーティング組成物の構成成分(1)および構成成分(2)は、それぞれ独立して、1種以上の官能性の化学種を含み得、そして物理的性質(例えば、平滑性、光学的な透明性、耐引っかき性、耐溶剤性、および硬さ)の所望の組み合わせを有する硬化コーティングを提供するのに十分な量で、それぞれ存在し得る。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語「反応性」とは、適切な反応条件下で、別の官能基と共有結合を形成する官能基をいう。
【0037】
本明細書中で使用される場合、組成物に関連して使用される(例えば、「硬化可能組成物」)ような、用語「硬化」は、組成物の任意の架橋可能な構成成分が少なくとも部分的に架橋されることを意味する。本発明の特定の実施形態において、架橋可能な構成成分の架橋密度(すなわち、架橋度)は、完全(complete)な架橋の5%〜100%の範囲である。他の実施形態において、架橋密度は、完全(full)な架橋の35%〜85%の範囲である。他の実施形態において、架橋密度は、完全(full)な架橋の50%〜85%の範囲である。当業者は、架橋の存在および架橋度(すなわち、架橋密度)が種々の方法(例えば、窒素下においてPolymer Laboratories MK III DMTA分析器を使用して行われる動的熱機械分析(DMTA))によって決定され得ることを理解する。この方法は、コーティングまたはポリマーの自由なフィルムの、Tgおよび架橋密度を決定する。硬化物質のこれらの物理的性質は、架橋した網目構造に関する。
【0038】
必要に応じて、本発明の粉末コーティング組成物はまた、架橋剤(2)と異なる硬化助剤を含有し得る。この硬化助剤は、上に記載されるポリマー(1)または架橋剤(2)の官能基と反応性である官能基を有する任意の化合物であり得る。適切な硬化助剤としては、ブロック化イソシアネート、トリアジン化合物、従来のアミノプラスト、グリコールウリル樹脂、およびそれらの混合物が、挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物の使用は、当該分野において周知である。
【0039】
上記硬化助剤として使用するのに特に適したグリコールウリル樹脂は、Stamford,ConnecticutのCytec Industries,Inc.から市販されるPOWDERLINK 1174である。
【0040】
使用される場合、上記硬化助剤は、一般的に、粉末コーティング組成物の総重量に基づいて、5〜10重量%、しばしば5〜20重量%、代表的には5〜30重量%、そして通常は5〜50重量%の範囲の量で粉末コーティング組成物中に存在する。トリアジン化合物が使用される場合、それは、代表的には、粉末コーティング組成物の総重量に基づいて、約20重量%以下、そして約1〜20重量%までの範囲の量で本発明の粉末コーティング組成物中に存在する。硬化助剤の混合物も、有利に使用され得る。
【0041】
また、本発明の目的のために、エポキシ基含有ポリマーを含む硬化可能な粉末コーティング組成物はまた、代表的に、アミノプラストベースの架橋剤(2)に加えて、エポキシド反応性硬化(すなわち、架橋)剤、通常は酸官能性硬化剤を含むことが理解されるべきである。二次的なヒドロキシル基は、各エポキシ官能基とエポキシド反応性硬化剤の官能基との反応の際に生じ得る。次いで、これらの二次的なヒドロキシル基は、アミノプラストベースの架橋剤(2)とのさらなる反応のために利用可能である。適切なエポキシド反応性硬化剤は、ヒドロキシル、チオール、第一級アミン、第二級アミン、酸(例えば、カルボン酸)、およびこれらの混合物からなる群より選択される官能基を有し得る。アミン官能性を有する有用なエポキシド反応性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミドおよび置換ジシアンジアミドが挙げられる。好ましくは、上記エポキシド反応性硬化剤は、カルボン酸基を有する。
【0042】
本発明の粉末コーティング組成物は、当該分野で一般的に公知の添加剤をさらに含み得る。代表的な添加剤としては、ベンゾイン(取り込まれた空気(entrapped air)または揮発性物質を還元するために使用される);フローエイド(flow aid)またはフローコントロール剤(これは、滑らかな表面および/または光沢のある表面の形成を援助する(例えば、Monsanto Chemical Co.から入手可能なMODAFLOW);ワックス(例えば、Hoechstから入手可能なMICROWAX C);充填剤(例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなど);着色剤としての顔料および色素;UV光安定剤(例えば、CIBA Specialty Chemicalsから入手可能なTINUVIN 123またはTINUVIN 900)、および種々の架橋反応を促進するための触媒が挙げられる。このような添加剤は、代表的には、粉末コーティング組成物の総重量に基づいて、1〜60重量%の範囲の量で本発明の粉末コーティング組成物中に存在する。
【0043】
本発明の粉末コーティング組成物は、当該分野で公知の任意の手段(例えば、官能基含有ポリマー(1)および架橋剤(2)をHenschelブレード混合機(blade blender)中で混合することによる)によって調製され得る。次いで、この混合物は、通常、158°F〜266°F(70℃〜130℃)の範囲の温度においてBaker−Perkins二軸スクリュー押し出し機を通して押し出される。結果として生じるチップは、通常、サイクロングラインダー/シフター中で押しつぶされて、適切な粒子サイズ(代表的には20ミクロンと200ミクロンとの間)に分級される。
【0044】
本発明の粉末コーティング組成物は、金属基材(例えば、アルミニウムおよび鋼の基材)および非金属基材(例えば、熱可塑性または熱硬化性の複合材基材)を含む種々の基材に塗布され得る。この粉末コーティング組成物は、代表的に噴霧によって塗布され、そして金属基材の場合には、静電気的噴霧(これが好ましい)によってか、または流動床の使用によって塗布される。この粉末コーティングは、一回塗る(sweep)かまたは数回通過させて塗布され得、硬化の後に約1〜10ミル(25〜250μm)(通常は、約2〜4ミル(50〜100μm))の厚さを有するフィルムを提供する。
【0045】
一般的に、上記粉末コーティング組成物を塗布した後、粉末でコーティングされた基材は、そのコーティングを硬化するのに十分な温度に、代表的には250°F〜500°Fの範囲の温度(121.1℃〜260.0℃)で1〜60分間、そして好ましくは、300°F〜400°Fの範囲の温度(148.9℃〜204.4℃)で15〜30分間加熱される。
【0046】
硬化可能な粉末コーティング組成物は、単一層もしくは多層の系(例えば、プライマーまたはプライマー表面仕上げ剤)の任意の層としてか、またはトップコート(例えば、「モノコート(monocoat)」)として塗布され得る。1つの実施形態において、本発明は、多層複合材コーティング組成物中のトップコートとして有利に使用される硬化可能な粉末コーティング組成物に関する。このような多層複合材コーティング組成物は、フィルム形成ベースコートおよびそのベースコート上に塗布されるトップコートを含み得る。フィルム形成ベースコートは、代表的にフィルム形成ベースコーティング(代表的には着色されている)組成物から堆積され、トップコートは、本発明の硬化可能な粉末コーティング組成物から沈着される。特定の実施形態において、多成分の複合材コーティング組成物は、トップコートが実質的に顔料を含まない粉末コーティング組成物(すなわち、クリアコート)から堆積されるカラープラスクリア系(color−plus−clear system)である。別の特定の実施形態において、本発明のコーティングは、着色されている;このようなコーティングは、電着されたコーティング、前処理された金属、または任意の他の適切なコーティング基材もしくは未コーティング基材の上に堆積され得る。
【0047】
上記ベースコートが堆積されるフィルム形成組成物は、コーティング用途において(例えば、カラープラスクリア系が最もよく使用される自動車用途において)有用な組成物のうちの任意のものであり得る。フィルム形成組成物は、慣習的に、樹脂製結合剤と、多くの場合に着色剤として役立つ顔料とを含む。特に有用な樹脂製結合剤としては、アクリルポリマー、ポリエステル(アルキドを含む)、およびポリウレタンが挙げられる。
【0048】
ベースコートのための樹脂製結合剤は、有機溶媒ベースの材料(例えば、米国特許第4,220,679号に記載される材料)であり得る。水ベースのコーティング組成物(例えば、米国特許第4,403,003号、同第4,147,679号、および同第5,071,904号に記載される組成物)もまた、ベースコート組成物として使用され得る。
【0049】
上に言及されるように、ベースコート組成物はまた、着色料のような種々の型の顔料を含有し得る。適切な金属性顔料としては、アルミニウムフレーク、青銅フレーク、銅フレークなどが挙げられる。他の適切な顔料の例としては、雲母、酸化鉄、酸化鉛、カーボンブラック、二酸化チタン、滑石、および種々の色顔料が挙げられる。
【0050】
ベースコートのフィルム形成組成物のための最適な成分としては、表面コーティングの当該分野で周知のものが挙げられ、界面活性剤、フローコントロール剤、チキソトロープ剤、充填剤、ガッシング防止剤(anti−gassing agent)、有機共溶媒、触媒、および他の適切なアジュバントを含む。
【0051】
ベースコートのフィルム形成組成物は、任意の従来のコーティング技術によって基材に塗布され得る。この技術とは、例えば、ブラッシング、噴霧、浸漬、またはフローイングであるが、最も多くの場合、上記組成物は噴霧塗布される。空気噴霧、エアレススプレー、および静電スプレーのための有用な噴霧の技術および装置が使用され得る。
【0052】
上記ベースコートフィルム形成組成物は、硬化されたベースコートが0.5〜4ミル(12.5〜100μm)の範囲の乾燥フィルムの厚さを有するように、代表的には基材に塗布される。基材上にベースコートのフィルムを形成した後、そのベースコートは、クリアコートの塗布の前に硬化されてもよいし、あるいは溶媒(すなわち、有機溶媒および/または水)が、加熱工程または空気乾燥工程によって奪われる乾燥工程を与えられてもよい。適切な乾燥条件は、特定のベースコートフィルム形成組成物と、特定の水ベースの組成物に関しては周囲湿度とに依存する。一般的に、75°F〜200°F(21℃〜93℃)の温度での1〜15分の範囲の乾燥時間が、適当である。
【0053】
硬化可能な粉末トップコーティング組成物は、上記に記載される塗布のいずれかの方法によって、上記ベースコートの少なくとも一部分に塗布され得る。この硬化可能な粉末トップコーティング組成物は、硬化されたベースコート上に塗布されてもよいし、乾燥したが硬化していないベースコート上に塗布されてもよい。後者の場合、トップコートとベースコートとは、同時に硬化する。
【0054】
本明細書中で使用される場合、明白に別なように特定されない限り、全ての数(例えば、値、範囲、量、またはパーセンテージを表す数)は、単語「約」が明白に現れない場合でさえも、あたかもその用語が前置きされるかのように読まれ得る。また、本明細書中に引用される任意の数的な範囲は、そこに包含される全ての小範囲を含むことが意図される。本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」は、オリゴマーおよびホモポリマーとコポリマーとの両方をいい、そして接頭語「ポリ」は、2以上をいう。
【実施例】
【0055】
以下の実施例は、本発明を説明することが意図され、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0056】
(実施例1)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段を備えた2リットルの4つ頚反応ケトルに、640.0重量部の(メトキシメチル)メラミンホルムアルデヒド樹脂(Cytec Industries,Inc.からのCYMEL 303)、488.0重量部の安息香酸、および1.00重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を135℃に加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間その温度を維持した。この反応の進行を混合物のIRスペクトルおよび酸価を測定することによってモニタリングし、終点を検出するとその反応を終了させた。最終生成物は、IRスペクトルによって示される場合は、ヒドロキシル基を全く含まず、その酸価は、約15未満であった。このようにして得た生成物は、およそ29℃の軟化温度を有する薄黄色の固形物であった。
【0057】
(実施例2)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段を備えた2リットルの4つ頚反応ケトルに、640.0重量部のCYMEL 303、610.0重量部の安息香酸、および1.20重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を135℃に加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間その温度を維持した。この反応の進行を混合物のIRスペクトルおよび酸価を測定することによってモニタリングし、終点を検出するとその反応を終了させた。最終生成物は、IRスペクトルによって示される場合は、ヒドロキシル基を全く含まず、その酸価は、約15未満であった。このようにして得た生成物は、およそ30℃の軟化温度を有する薄黄色の固形物であった。
【0058】
(実施例3)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段を備えた2リットルの4つ頚反応ケトルに、640.0重量部のCYMEL 303、488.0重量部の安息香酸、95.4重量部のベンゾイン、および1.00重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を135℃に加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間その温度を維持した。この反応の進行を混合物のIRスペクトルおよび酸価を測定することによってモニタリングし、終点を検出するとその反応を終了させた。最終生成物は、IRスペクトルによって示される場合は、ヒドロキシル基を全く含まず、その酸価は、約15未満であった。このようにして得た生成物は、およそ38℃の軟化温度を有する薄黄色の固形物であった。
【0059】
(実施例4)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段を備えた2リットルの4つ頚反応ケトルに、640.0重量部のCYMEL 303、712.0重量部の4−tert−ブチル安息香酸、95.4重量部のベンゾイン、および1.10重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を135℃に加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間その温度を維持した。この反応の進行を混合物のIRスペクトルおよび酸価を測定することによってモニタリングし、終点を検出するとその反応を終了させた。最終生成物は、IRスペクトルによって示される場合は、ヒドロキシル基を全く含まず、その酸価は、約15未満であった。このようにして得た生成物は、およそ46℃の軟化温度を有する薄黄色の固形物であった。
【0060】
(実施例5)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段を備えた2リットルの4つ頚反応ケトルに、640.0重量部のCYMEL 303、544.6重量部のp−トルイル酸、および1.00重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を135℃に加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間その温度を維持した。この反応の進行を混合物のIRスペクトルおよび酸価を測定することによってモニタリングし、終点を検出するとその反応を終了させた。最終生成物は、IRスペクトルによって示される場合は、ヒドロキシル基を全く含まず、その酸価は、約15未満であった。このようにして得た生成物は、およそ42℃の軟化温度を有する薄黄色の固形物であった。
【0061】
(実施例6)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段を備えた2リットルの4つ頚反応ケトルに、640.0重量部のCYMEL 303、608.0重量部のp−アニス酸、および1.00重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を135℃に加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間その温度を維持した。この反応の進行を混合物のIRスペクトルおよび酸価を測定することによってモニタリングし、終点を検出するとその反応を終了させた。最終生成物は、IRスペクトルによって示される場合は、ヒドロキシル基を全く含まず、その酸価は、約15未満であった。このようにして得た生成物は、およそ40℃の軟化温度を有する薄黄色の固形物であった。
【0062】
(実施例7)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段を備えた2リットルの4つ頚反応ケトルに、540.5重量部のCYMEL 303、500.0重量部のトランス−ケイ皮酸、および0.90重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を135℃に加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間その温度を維持した。この反応の進行を混合物のIRスペクトルおよび酸価を測定することによってモニタリングし、終点を検出するとその反応を終了させた。最終生成物は、IRスペクトルによって示される場合は、ヒドロキシル基を全く含まず、その酸価は、約15未満であった。このようにして得た生成物は、薄黄色の固形物であった。
【0063】
(実施例8)
サンプル1〜5を、表1に示す材料および量(g)を使用して調製した。このサンプルを、以下のように調製した。材料を一緒に秤量し、約20秒間、3500rpmでPrismブレンダー中で処理した。次いで、この前もって混合したものを、b&p Process Equipment and Systems 19mm同方向回転(co−rotating)二軸スクリュー押出し機を介して、450rpmで、100℃〜115℃の範囲の温度で押し出した。得られたチップを粉砕し、Hosokawa Micron Powder Systems Air Classifying Mill I上で30〜50μmのメジアン粒子サイズに分級した。次いで、この処方物を、Nordson装置を使用して、ACT LaboratoriesによってB−1000 P60 DIWとして供給される冷圧延鋼材パネル(非研磨パネル)上に静電気的に噴霧した。最後に、このパネルを電気式Despatch LADシリーズオーブン中で25分のドエル時間にわたって焼いた。サンプル1および2を、385°Fで25分間焼き、サンプル3〜5を375°Fで25分間焼いた。全ての試験を2.0〜3.0ミルの乾燥フィルム厚で実施した。
【0064】
【表1】

標準的な耐久性の30 OH機能的ポリエステル(UCB Surface Specialties
ビスフェノールAベースのエポキシ樹脂(Resolution Performance Products製)
シリカ上に分散されたアクリルフロー添加剤(Estron Chemical製)
エチレンビス(ステアルアミド)(Clariant Additives製)
独占販売の脱気剤(Troy Corporation製)
粉末の安定性を、2オンスの粉末を半分充填し、それを密閉し、所定の温度で、制御された温度の水浴中に、特定の時間入れることによって試験した。試験の完了時に、このサンプルを水槽の外に30分間静置した。次いで、このジャーを硬い面上でさかさまにして2〜3回たたき、粉末の状態を以下のように評価した:非常に良い>良い>ややケーキ状>ケーキ状>やや塊状>塊状>融合している>焼結している。
衝撃試験をByk−Gardner Falling Dart衝撃試験機を使用してASTM D 2794に従って実施した。
MEK抵抗を、表裏ともメチルエチルケトンで浸漬したQ−チップをパネルの全体にわたって(1往復のこすりを1回として)50回摩擦することによって実施し、次いで得られた痕跡を以下のように評価した:MEK評価システム:
0 変化なし
1 試験領域を中心として、わずかな光沢の減少
2 試験領域におけるほとんど検出可能でない光沢の減少
3 試験領域のほとんど検出可能でないスカフィング
4 試験領域のかすかに検出可能なスカフィング
5 試験領域の顕著なスカフィング
6 試験領域の傷
7 試験領域のよごれ
(0〜5を一般的に許容可能であるとみなす)。
気泡の発生を、パネルに、コーティングの厚みが全体にわたって増すように噴霧することによって試験した。このパネルを特定の温度で25分間焼き、ピンホールおよび/またはブリスターが生じ始めた厚みをミル単位で記録した。数字が高くなるほど、コーティングは気泡の発生についてより耐性である。
【0065】
表1の結果からわかるように、本発明のサンプル(サンプル2〜5)は、コントロール(サンプル1)よりも全般的に良好な結果を生じた。気泡の発生に対する影響および許容範囲は、顕著に良好であった。
【0066】
(実施例9)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段ならびに真空を適用するための手段を備える2lの4つ頚反応ケトルに、486.4重量部のCYMEL 303、535.2重量部の4−クロロ安息香酸および0.96重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を、145℃まで加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間、−650mmHg真空下で温度を維持した。反応の進行を、この混合物を酸価について定期的にサンプリングすることによってモニタリングした。10時間後、5.16の酸価に達し、反応が終了した。生成物をやや冷まして、反応器から流し出した。このようにして得られた生成物は、56.7℃のTgを有する薄黄色固体であった。
【0067】
(実施例10)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段ならびに真空を適用するための手段を備える2lの4つ頚反応ケトルに、486.4重量部のCYMEL 303、499.5重量部の2−クロロ安息香酸および0.96重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を、145℃まで加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間、−650mmHg真空下で温度を維持した。反応の進行を、この混合物を酸価について定期的にサンプリングすることによってモニタリングした。9時間後、2.28の酸価に達し、反応が終了した。生成物をやや冷まして、反応器から流し出した。このようにして得られた生成物は、27.1℃のTgを有する薄黄色固体であった。
【0068】
(実施例11)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および副生成物(メタノール)を除くための手段ならびに真空を適用するための手段を備える2lの4つ頚反応ケトルに、486.4重量部のCYMEL 303、609.7重量部の2,4−ジクロロ安息香酸および0.96重量部のp−トルエンスルホン酸を配置した。この混合物を、145℃まで加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間、−650mmHg真空下で温度を維持した。反応の進行を、この混合物を酸価について定期的にサンプリングすることによってモニタリングした。9時間後、5.39の酸価に達し、反応が終了した。生成物をやや冷まして、反応器から流し出した。このようにして得られた生成物は、27.8℃のTgを有する薄黄色固体であった。
【0069】
(実施例12)
温度計、機械スターラー、窒素導入口、および灌流凝縮器を備える2lの4つ頚反応ケトルに、504.0重量部のメチルへキサヒドロフタル酸無水物および508.2重量部のイソボルネオールを配置した。この混合物を、100℃まで加熱し、そしてこの温度を2時間維持して、全てのアルコール官能基を消費した。この混合物をやや冷まして、副生成物(メタノール)を除くための手段ならびに真空を適用するための手段を、反応器に加えた。次いで、560.0重量部のCYMEL 303および1.0重量部のp−トルエンスルホン酸をこの反応器に加えた。この混合物を、145℃まで加熱し、メタノール副生成物をこの系から除く間、−650mmHg真空下で温度を維持した。反応の進行を、この混合物を酸価について定期的にサンプリングすることによってモニタリングした。11時間後、14.5の酸価に達し、反応が終了した。生成物をやや冷まして、反応器から流し出した。このようにして得られた生成物は、50.9℃のTgを有する薄黄色固体であった。
【0070】
(実施例13)
サンプルを、表2に示す材料および量(g)を使用して調製した。このサンプルを、以下のように調製した。材料を一緒に秤量し、約20秒間、3500rpmでPrismブレンダー中で処理した。次いで、この前もって混合したものを、b&p Process Equipment and Systems 19mm同方向回転(co−rotating)二軸スクリュー押出し機を介して、450rpmで、100℃〜115℃の範囲の温度で押し出した。得られたチップを粉砕し、Hosokawa Micron Powder Systems Air Classifying Mill I上で30〜50μmのメジアン粒子サイズに分級した。次いで、この処方物を、Nordson装置を使用して、ACT LaboratoriesによってB−1000 P60 DIWとして供給される冷圧延鋼材パネル(非研磨パネル)上に静電気的に噴霧した。最後に、このパネルを電気式Despatch LADシリーズオーブン中で焼いた。サンプルを、325°Fで25分のドエル時間にわたって焼いた。全ての試験を2.0〜3.0ミルの乾燥フィルム厚で実施した。
【0071】
【表2】

本発明の特定の実施形態が例示の目的のために上記で説明されてきたが、本発明の詳細の多数の変形物が、添付の特許請求の範囲に規定される本発明から逸脱することなくなされ得るということは当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の反応物:
(a)アミノプラスト樹脂;および
(b)ハロゲン置換安息香酸またはエステル含有カルボン酸から選択される一官能性カルボン酸含有化合物
の未ゲル化反応生成物を含む架橋剤であって、該架橋剤は、少なくとも10℃のガラス転移温度を有し、かつ活性な水素含有基を実質的に含まない、架橋剤。
【請求項2】
前記アミノプラスト樹脂は、アミノトリアジン化合物を含む、請求項1に記載の架橋剤。
【請求項3】
前記アミノトリアジン化合物は、トリアジン環1つにつき1以下の非アルキル化NH結合を有する、(アルコキシアルキル)アミノトリアジンを含む、請求項2に記載の架橋剤。
【請求項4】
前記(アルコキシアルキル)アミノトリアジン化合物は、(メトキシメチル)アミノトリアジン化合物を含む、請求項3に記載の架橋剤。
【請求項5】
(b)は、塩素置換された安息香酸である、請求項1に記載の架橋剤。
【請求項6】
(b)は、4−クロロ安息香酸である、請求項5に記載の架橋剤。
【請求項7】
(b)は、2−クロロ安息香酸である、請求項5に記載の架橋剤。
【請求項8】
(b)は、2,4−ジクロロ安息香酸である、請求項5に記載の架橋剤。
【請求項9】
成分(b)は、多官能性カルボン酸をさらに含み、該多官能性酸の重量%は、化合物(b)の総重量に基づく重量%で20以下である、請求項1に記載の架橋剤。
【請求項10】
前記多官能性カルボン酸は、フタル酸、テレフタル酸およびトリメリト酸からなる群から選択される、請求項9に記載の架橋剤。
【請求項11】
前記エステル含有カルボン酸は、モノアルコールと酸無水物との反応から誘導される、請求項1に記載の架橋剤。
【請求項12】
前記モノアルコールはイソボルネオールであり、そして前記酸無水物は無水ヘキサヒドロフタル酸である、請求項11に記載の架橋剤。
【請求項13】
前記反応生成物は、以下の反応物:
(c)構造(I):
【化1】

を有するモノヒドロキシ芳香族化合物をさらに含み、ここで、R〜Rの各々は、同一であるかまたは異なっており、かつ、H、一価の炭化水素基、COOR、NO、ハロゲンまたはXRから選択され、ここで、RはHまたは一価の炭化水素基であり、Xは酸素もしくは硫黄であり、そしてRは1〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である、
請求項1に記載の架橋剤。
【請求項14】
前記反応生成物は、以下の反応物:
(d)構造(II):
【化2】

構造(II)を有する化合物またはそのダイマー誘導体をさらに含み、ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なっており、かつ各々独立して、1〜12の炭素原子を有する芳香族基またはアルキル基を表す、
請求項1に記載の架橋剤。
【請求項15】
アミノプラストを変性するための方法であって、該方法は、以下:
(a)以下:
(i)アミノプラスト樹脂;
(ii)ハロゲン置換安息香酸またはエステル含有カルボン酸から選択される、一官能性カルボン酸含有化合物
を、一緒に混合する工程;
(b)工程(a)の混合物を、90℃から160℃までの範囲の温度まで加熱する工程;および
(c)工程(b)において達成した温度を、少なくとも10℃のガラス転移温度を有しかつ活性な水素含有基を実質的に含まない、未ゲル化反応生成物を得るために十分な時間にわたって維持する工程
を包含する、方法。
【請求項16】
以下の成分:
(1)反応性官能基を含むポリマーであって、該ポリマーは、少なくとも30℃のガラス転移温度を有する、ポリマー;および
(2)請求項1に記載の架橋剤
の、固体粒子状フィルム形成混合物を含む、硬化可能粉末コーティング組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の粉末コーティング組成物でコーティングされた、基材。
【請求項18】
液体アミノプラストを非ゲル化架橋剤に変換するための方法であって、該方法は、以下:
(a)以下:
(i)アミノプラスト樹脂;および
(ii)ハロゲン置換安息香酸またはエステル含有カルボン酸から選択される、一官能性カルボン酸含有化合物
を、一緒に混合する工程;
(b)工程(a)の混合物を、90℃から160℃までの範囲の温度まで加熱する工程;ならびに
(c)工程(b)において達成した温度を、少なくとも10℃のガラス転移温度を有しかつ活性な水素含有基を実質的に含まない、未ゲル化反応生成物を得るために十分な時間にわたって維持する工程
を包含する、方法。
【請求項19】
前記一官能性カルボン酸含有化合物は、4−クロロ安息香酸である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記一官能性カルボン酸含有化合物は、4−クロロ安息香酸である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記一官能性カルボン酸含有化合物は、イソボルネオールと無水ヘキサヒドロフタル酸との反応から誘導される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記一官能性カルボン酸含有化合物は、イソボルネオールと無水ヘキサヒドロフタル酸との反応から誘導される、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
以下の反応物:
(a)アミノプラスト樹脂;および
(b)多官能性カルボン酸含有化合物
の未ゲル化反応生成物を含む架橋剤であって、該架橋剤は、少なくとも10℃のガラス転移温度を有し、かつ活性な水素含有基を実質的に含まない、架橋剤。
【請求項24】
前記多官能性カルボン酸含有化合物は、エステル含有カルボン酸である、請求項23に記載の架橋剤。

【公表番号】特表2007−537336(P2007−537336A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513273(P2007−513273)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/016288
【国際公開番号】WO2005/113624
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】