説明

カレンダー情報生成装置

【課題】日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路を用いた回路で、同一秒でのイベントを区別可能なカレンダー情報を生成する。
【解決手段】請求項1の発明によるカレンダー情報生成装置は、日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路と、リアルタイムクロック回路の出力を読み込むCPU回路とを具備し、CPU回路は、リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報が同一秒の場合に、リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報に、変数をインクリメントした情報を付加したカレンダー情報を生成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カレンダー情報生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時のゲーム機はネットワークに接続され、ゲーム機の使用状況をネットワークを介して外部から知ることができるようになっている。このようなネットワークに接続されたゲーム機では、売上データにカレンダー情報を含めて記録し、カレンダー情報に基づく売上データの管理が可能となるようにしている。
【特許文献1】特開2001−314641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したゲーム機では、売上データに含めて記録するカレンダー情報を得る手段として、一般的にリアルタイムクロック回路と呼ばれている回路が用いられる。リアルタイムクロック回路には、日付および時分秒まで出力するタイプと、日付および時分秒に加えて1/100秒まで出力するタイプとが存在する。両者はコスト面で100倍程度の差があり、コストダウンを図るためには前者の日付および時分秒まで出力するタイプが使用される。
しかしながら、日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路を用いた回路で、1/100秒までは必要が無いが、同一秒でのイベントを区別して記録したい場合がある。例えば、ゲーム機に同時期に投入されたコインの種別を、順序を判別して記録したい場合などである。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路を用いた回路で、同一秒でのイベントを区別可能なカレンダー情報を生成することを最も主要な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために、請求項1の発明によるカレンダー情報生成装置は、日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路と、リアルタイムクロック回路の出力を読み込むCPU回路とを具備し、CPU回路は、リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報が同一秒の場合に、リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報に、変数をインクリメントした情報を付加したカレンダー情報を生成することを特徴とする。
請求項2の発明によるカレンダー情報生成装置は、日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路と、リアルタイムクロック回路の出力を読み込むCPU回路とを具備し、CPU回路は、リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報が同一秒の場合に、リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報に、CPU回路に内蔵されているプログラムカウンタの値を付加したカレンダー情報を生成することを特徴とする。
請求項3の発明によるカレンダー情報生成装置は、請求項2において、プログラムカウンタの値は、全出力のうちの任意の桁数ビット値であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
以上のように、本発明のカレンダー情報生成装置によれば、日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路を用いた回路で、同一秒でのイベントを区別可能なカレンダー情報を生成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。実施の形態は、本発明をゲーム機のインカム集計ボックスに適用した場合を例にしている。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明によるカレンダー情報生成装置の一実施形態を示すブロック結線図である。インカム集計ボックス1は、入力ポートを介して図外のコイン投入検知装置に接続され、コインが投入された時に、CPU回路2にコインが投入されたことが知らされる。CPU回路2には、リアルタイムクロック回路3、データ蓄積用FlashROM4、およびプムグラム用FlashROM5が接続されている。
【0008】
リアルタイムクロック回路3は、日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路である。データ蓄積用FlashROM4およびプムグラム用FlashROM5は、それぞれCPU回路2のデータ蓄積用およびプムグラム用の記憶領域として使用される。
【0009】
CPU回路2は図2に示すプログラムを実行する。プログラムがスタートすると、ステップS1でリアルタイムクロックの読込要求が有ったか否かを判断する。リアルタイムクロックの読込要求が無かったと判断したときは、ステップS3に移行する。リアルタイムクロックの読込要求が有ったと判断したときは、ステップS2に移行してリアルタイムクロックデータを読み込んで内部時計データ(変数T1)を更新してからステップS3に移行する。
【0010】
ステップS3では、インカム記録の要求が有ったか否かを判断する。インカム記録の要求が無かったと判断したときは、プログラムを終了する。インカム記録の要求が有ったと判断したときは、ステップS4に移行する。
【0011】
ステップS4では、該当ポート番号の前回記録時間(変数T2)と内部時計データ(変数T1)を比較して、内部時計データ(変数T1)の方が1秒以上新しいか否かを判断する。内部時計データ(変数T1)の方が1秒以上新しくないと判断したときは、ステップS5で同一秒区別番号(変数A)をインクリメントしてからステップS7に移行する。内部時計データ(変数T1)の方が1秒以上新しいと判断したときは、ステップS6で同一秒区別番号(変数A)をクリアしてからステップS7に移行する。
【0012】
ステップS7では、内部時計データ(変数T1)と同一秒区別番号(変数A)を、データ蓄積用FlashROM4に記録してステップS8に移行する。データ蓄積用FlashROM4には、図3に例示すようにして記録される。ステップS8では、内部時計データ(変数T1)を前回記録時間(変数T2)に代入してからプログラムを終了する。
【実施例2】
【0013】
図4は、CPU回路2が実行する別のプログラム例を示すフローチャートである。図4においてプログラムがスタートすると、ステップS11でリアルタイムクロックの読込要求が有ったか否かを判断する。リアルタイムクロックの読込要求が無かったと判断したときは、ステップS13に移行する。リアルタイムクロックの読込要求が有ったと判断したときは、ステップS12に移行してリアルタイムクロックデータを読み込んで内部時計データ(変数T1)を更新してからステップS13に移行する。
【0014】
ステップS13では、インカム記録の要求が有ったか否かを判断する。インカム記録の要求が無かったと判断したときは、プログラムを終了する。インカム記録の要求が有ったと判断したときは、ステップS14に移行する。
【0015】
ステップS14では、該当ポート番号の前回記録時間(変数T2)と内部時計データ(変数T1)を比較して、内部時計データ(変数T1)の方が1秒以上新しいか否かを判断する。内部時計データ(変数T1)の方が1秒以上新しくないと判断したときは、ステップS15でプログラムカウンタ2aの値を同一秒区別番号(変数A)に代入してからステップS17に移行する。内部時計データ(変数T1)の方が1秒以上新しいと判断したときは、ステップS16で同一秒区別番号(変数A)をクリアしてからステップS17に移行する。なお、プログラムカウンタ2aは、CPU回路2にレジスタの一種として内蔵されているプログラムカウンタである。
【0016】
ステップS17では、内部時計データ(変数T1)と同一秒区別番号(変数A)を、データ蓄積用FlashROM4に記録してステップS18に移行する。データ蓄積用FlashROM4には、図5に例示すようにして記録される。ステップS18では、内部時計データ(変数T1)を前回記録時間(変数T2)に代入してからプログラムを終了する。
【0017】
なお、図5では、プログラムカウンタ2aの全出力ビットを利用する場合を例示しているが、上位の数ビット、中位の数ビット、または下位の数ビットなどのように、任意の桁数ビットを利用するようにしても良い。
【0018】
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の技術的思想によれば、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態においては、本発明をゲーム機のインカム集計ボックスに適用した場合を例にして説明したが、計測装置や観測装置などに適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、アーケードゲーム機のインカム集計ボックスに最適な技術を提示している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】カレンダー情報生成装置を示すブロック結線図である。(実施例1、実施例2)
【図2】カレンダー情報生成装置の実施方法を示すフローチャートである。(実施例1)
【図3】カレンダー情報生成装置の実施方法を示す概念図である。(実施例1)
【図4】カレンダー情報生成装置の実施方法を示すフローチャートである。(実施例2)
【図5】カレンダー情報生成装置の実施方法を示す概念図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0021】
1 インカム集計ボックス
2 CPU回路
2a プログラムカウンタ
3 リアルタイムクロック回路
4 データ蓄積用FlashROM
5 プムグラム用FlashROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路と、
該リアルタイムクロック回路の出力を読み込むCPU回路とを具備し、
該CPU回路は、前記リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報が同一秒の場合に、
前記リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報に、変数をインクリメントした情報を付加したカレンダー情報を生成することを特徴とするカレンダー情報生成装置。
【請求項2】
日付および時分秒まで出力するタイプのリアルタイムクロック回路と、
該リアルタイムクロック回路の出力を読み込むCPU回路とを具備し、
該CPU回路は、前記リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報が同一秒の場合に、
前記リアルタイムクロック回路から読み込んだ秒情報に、前記CPU回路に内蔵されているプログラムカウンタの値を付加したカレンダー情報を生成することを特徴とするカレンダー情報生成装置。
【請求項3】
前記プログラムカウンタの値は、全出力のうちの任意の桁数ビット値であることを特徴とする請求項2に記載のカレンダー情報生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−212083(P2006−212083A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25370(P2005−25370)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(000132840)株式会社タイトー (49)
【Fターム(参考)】