説明

カーゴキャリー

【課題】 折り畳み可能で、かつ折り畳んだ状態で使用場所を選ぶことなくキャスターを利用して引っ張って移動させることができるカーゴキャリーを提供する。
【解決手段】 網体である4つの周壁部110、120、130、140が折り畳み可能なカーゴキャリーであって、カーゴ部の底面に相当する長方形状の底面部100と、この底面部100の各縁部にヒンジ結合される4つの周壁部110、120、130、140と、先端に第1のキャスター310が設けられた略逆凹字形状の第1のフレーム210と、先端に第2のキャスター320が設けられ、前記第1のフレーム210と対向する位置に設けられた略逆凹字形状の第2のフレーム220と、4つの周壁部110、120、130、140を立てた状態で相互に連結固定する連結機構400とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、キャンプ場で車からテントサイトまで荷物を運ぶ際に利用されるカーゴキャリーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカーゴキャリーとしては、例えば、スーパーマーケット等で使用されるタイプのもの、すなわちキャスターの付いたキャリーに買い物かごをセットするタイプのものが知られている。また、特開2007−161034号公報(特許文献1)に示されるように、ペットを載せるための折り畳み形のものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−161034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スーパーマーケット等で使用されるタイプのキャリーは折り畳みができないようになっている。
一方、特許文献1に記載されたものは折り畳みは可能になっているが、折り畳んだ状態での持ち運びが不便である。すなわち、特許文献1に記載されたものは、キャスターがカート本体を構成する底部に直接取り付けられているため、特許文献1の図2(b)に示されるように折り畳んでも、キャスターの位置が使用状態と変わらず底部の内側下方に位置するため、引っ張って持ち運びしようとしても底部が引っかかってしまうおそれがある。特に、轍や岩石等による大きな凹凸があるキャンプ場では、特許文献1に記載されたものは使用しにくい。この特許文献1に記載されたものは、また、折り畳んだ状態では、手で掴む部分(ハンドル部13)が内側に位置するため、キャスターを利用して引っ張る際にもつ部分がないという不便さがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、折り畳み可能で、かつ折り畳んだ状態で使用場所を選ぶことなくキャスターを利用して引っ張って移動させることができるカーゴキャリーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るカーゴキャリーは、周壁部が折り畳み可能なカーゴキャリーであって、カーゴ部の底面に相当する長方形状の底面部と、この底面部の各縁部にヒンジ結合される4つの周壁部と、先端に第1のキャスターが設けられた略逆凹字形状の第1のフレームと、先端に第2のキャスターが設けられ、前記第1のフレームと対向する位置に設けられた略逆凹字形状の第2のフレームと、4つの周壁部を立てた状態で相互に連結固定する連結機構とを備えており、前記4つの周壁部は、前記第1のフレームの縦軸間に掛け渡され、前記底面部の第1の縁部にヒンジ結合された第1の周壁部と、前記第2のフレームの縦軸間に掛け渡され、前記第1の周壁部がヒンジ結合された第1の縁部と対向する第2の縁部にヒンジ結合された第2の周壁部と、前記底面部の幅寸法より低い高さ寸法に設定され、底面部の第3の縁部にヒンジ結合された第3の周壁部と、前記底面部の幅寸法より低い高さ寸法に設定され、底面部の第4の縁部にヒンジ結合された第4の周壁部とを有しており、第1〜第4の周壁部を底面部に向かって折り畳むと、前記第1のキャスターと第2のキャスターとが底面部より外側に位置するようになっている。
【0007】
また、前記第1のフレームは第2のフレームより背高で、4つの周壁部を折り畳んだ状態で、第1のフレームの第1のハンドル部は第2のフレームの下端部より外側に位置するようになっている。
【0008】
さらに、前記第1のキャスターと第2のキャスターとの少なくとも一方は、旋回可能になっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るカーゴキャリーは、4つの周壁部が折り畳み可能になっており、4つの周壁部を底面部に向かって折り畳むと、第1のキャスターと第2のキャスターとが底面部より外側に位置するので、折り畳んだ状態で引っ張る際に地面の凹凸に関わらずスムーズに引っ張ることができる。
【0010】
しかも、第1のフレームは第2のフレームより背高で、4つの周壁部を折り畳んだ状態で、第1のフレームの第1のハンドル部は第2のフレームの下端部より外側に位置するようになっているので、折り畳んだ状態で第1のハンドル部が掴みやすくなっている。
このため、折り畳んだ状態でも地面の凹凸に関わらずスムーズに引っ張ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーを組み上げた状態を示す概略的斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーを折り畳んだ状態を示す概略的斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーを組み上げ、ベルト部材を取り付けた状態を示す概略的斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーの概略的正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーの概略的右側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーの概略的左側面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーの連結機構の概略的斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るカーゴキャリーを組み上げた状態を示す概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態に係るカーゴキャリーAは、底面部100と、その各縁部101、102、103、104で立ち上がった4つの周壁部110、120、130、140とで囲まれるカーゴ部に荷物を入れて使用するものである。
【0013】
かかるカーゴキャリーAは、網体である4つの周壁部110、120、130、140が折り畳み可能なカーゴキャリーであって、カーゴ部の底面に相当する長方形状の底面部100と、この底面部100の各縁部にヒンジ結合される4つの周壁部110、120、130、140と、先端に第1のキャスター310が設けられた略逆凹字形状の第1のフレーム210と、先端に第2のキャスター320が設けられ、前記第1のフレーム210と対向する位置に設けられた略逆凹字形状の第2のフレーム220と、4つの周壁部110、120、130、140を立てた状態で相互に連結固定する連結機構400とを備えている。
【0014】
前記前記4つの周壁部110、120、130、140は、前記第1のフレーム210の縦軸211間に掛け渡され、前記底面部100の第1の縁部101にヒンジ結合された第1の周壁部110と、前記第2のフレーム220の縦軸221間に掛け渡され、前記第1の周壁部110がヒンジ結合された第1の縁部101と対向する第2の縁部102にヒンジ結合された第2の周壁部120と、前記底面部100の幅寸法より低い高さ寸法に設定され、底面部100の第3の縁部103にヒンジ結合された第3の周壁部130と、前記底面部100の幅寸法より低い高さ寸法に設定され、底面部100の第4の縁部104にヒンジ結合された第4の周壁部140とを有している。これら第1〜第4の周壁部110、120、130、140を底面部100に向かって折り畳むと、前記第1のキャスター310と第2のキャスター320とが底面部100より外側に位置するようになっている。
【0015】
前記底面部100は長方形状であって、4つの縁部101、102、103、104は四隅部以外が若干立ち上がっている。この立ち上がった部分には第1〜第4の縁部101、102、103、104となる若干太い棒体が取り付けられている。この4つの縁部101、102、103、104には前記太い棒体よりは細い棒体が前後左右に掛け渡されて、全体として網体になっている。
【0016】
前記4つの周壁部110、120、130、140のうち、第3の周壁部130と第4の周壁部140は、若干太い棒体を略ロ字形状に折曲し、その内側に若干細い棒体を縦横方向に掛け渡して、全体として網体になっている。
【0017】
前記第1のフレーム210は、丸パイプを略逆凹字形状に折曲したものであって、一対の平行になった縦軸211の先端には第1のキャスター310が取り付けられている。この第1のキャスター210は、進行方向に応じて旋回可能なタイプのものが選択されている。なお、前記縦軸211は上方の第1のハンドル部212でつながっている。この第1のハンドル部212は、外側に向かって若干屈曲している。
なお、かかる第1のフレーム210は、後述する第2のフレーム220より背高に設定されており、4つの周壁部を折り畳んだ状態で、第1のフレーム210の第1のハンドル部212は第2のフレーム220の下端部より外側に位置するようになっている。
【0018】
かかる第1のフレーム210に取り付けられる第1の周壁部110は、第1のハンドル部212から下がった位置において一対の縦軸211の間に掛け渡された上端の若干太い棒体と、この若干太い棒体と同等のものであり、一対の縦軸211の下端部から上がった位置に掛け渡された棒体と、この棒体及び縦軸211の間に縦横に掛け渡された細い棒体から構成されている。
【0019】
この第1のフレーム210に取り付けられた第1の周壁部110は、下端部(下側の若干太い棒体)において底面部100の第1の縁部101にヒンジ結合されている。なお、第1のフレーム210の下端部から第1の周壁部120の下端部までの間隔は、底面部100の4つの隅部が立ち上がっている寸法の約2倍程度に設定されている。このため、底面部100は、第1のフレーム210の下端部より上方に位置している。
【0020】
なお、前記第1のキャスター310は、旋回可能であるとともに、車輪の回転を停止させるストッパ機能を有している。
【0021】
一方、前記第2のフレーム220は、第1のフレーム210と同様に、丸パイプを略逆凹字形状に折曲したものである。この第2のフレーム220は、前記第1のフレーム210より若干背低に設定されている。かかる第2のフレーム220の一対の平行になった縦軸221の先端には第2のキャスター320が取り付けられている。この第2のキャスター320は、第1のキャスター310とは違って旋回不可能なタイプが用いられている。すなわち、この第2のキャスター320は、図6等に示すように、第2のフレーム220の下端側において、一対の平行な縦軸221を貫通する車軸321と、この車軸321の先端に取り付けられた一対の車輪323とを有している。なお、車輪323は、第2のフレーム220の外側に位置している。このため、この第2のキャスター320は、車軸321を中心として回動するだけであって、進行方向に応じて旋回することはできないようになっている。
【0022】
かかる第2のフレーム220に取り付けられる第2の周壁部120は、第2のハンドル部222から下がった位置において一対の縦軸221の間に掛け渡された上端の若干太い棒体と、この若干太い棒体と同等のものであり、一対の縦軸221の下端部から上がった位置に掛け渡された棒体と、この棒体及び縦軸221の間に縦横に掛け渡された細い棒体から構成されている。
【0023】
この第2のフレーム220に取り付けられた第2の周壁部120は、下端部(下側の若干太い棒体)において底面部100の第2の縁部102にヒンジ結合されている。なお、第2のフレーム220の下端部から第2の周壁部120の下端部までの間隔は、底面部100の4つの隅部が立ち上がっている寸法の約2倍程度に設定されている。このため、底面部100は、第2のフレーム220の下端部より上方に位置し、第1のフレーム210との間で水平になっている。
【0024】
前記第3の周壁部130は、下端部が底面部100の第3の縁部103にヒンジ結合されている。なお、この第3の周壁部130の高さ寸法は、第1の周壁部110及び第2の周壁部120より若干低く設定されている。
【0025】
前記第4の周壁部140は、下端部が底面部100の第4の縁部104にヒンジ結合されている。なお、この第4の周壁部140の高さ寸法は、第3の周壁部140と同一に設定されている。従って、第4の周壁部140の高さ寸法は、第1周壁部110及び2の周壁部120より若干低く設定されている。
【0026】
これら第3の周壁部130及び第4の周壁部140は、底面部100の幅寸法より低い高さ寸法に設定されているため、折り畳んでも底面部100から外側にでることがなく、確実に折り畳むことができる。すなわち、高さ寸法が底面部100の幅寸法より大きいと第3の周壁部130と第4の周壁部140とが折り畳めなくなるためである。
【0027】
前記連結機構400は、第1の周壁部110と第2の周壁部120との間、第2の周壁部120と第3の周壁部130との間、第3の周壁部130と第4の周壁部140との間、第4の周壁部140と第1の周壁部110との間にそれぞれ設けられている。
例えば、 第1の周壁部110と第4の周壁部140とを立てた状態で相互に連結固定する連結機構400は、図7に示すように、第1のフレーム210の一方の縦軸211に取り付けられた円筒体410と、第4の周壁部140の縦側の若干太い棒体に取り付けられた円筒体420と、この両円筒体410、420に挿入される略逆L字形状の連結棒430とを有している。両円筒体410、420は、高さ位置が異なっており、第1の周壁部110と第4の周壁部140とを立てると(図7の矢印参照)、貫通孔が一致し、そこに連結棒430が挿入されて両円筒体410、420を連結するようになっている。
この周壁部同士を連結固定する連結機構も、上述した第1の周壁部110と第4の周壁部140との間の連結機構400と同等の構造になっている。
【0028】
なお、連結機構400は上述した2つの円筒体及び1つの連結棒から構成されるものに限定されるものではなく、例えば単なる面ファスナーで連結する構造等の他の構造であってもよいことは言うまでもない。
【0029】
また、第1のキャスター310は旋回可能で、第2のキャスター320は旋回不可能としたが、両キャリアーとも旋回可能なタイプも用いてもよいことはもちろんである。
少なくとも一方のキャリアーを旋回可能とすれば、使用時にカーゴキャリーをスムーズに移動させることができるのである。
【0030】
次に、このように構成されたカーゴキャリーAの使用方法について説明する。
荷物を当接する搭載する場合には、図1に示すように、4つの周壁部110、120、130、140を立てた状態で連結固定しておく。この場合、旋回可能な第1のキャスター310が進行方向前側にあった方が動かしやすいので、第1のハンドル部212を持った場合には引っ張り、第2のハンドル部222を持った場合には押す方がよい。ただし、これは使用者の感覚や使用される場所に応じて使い分けることが可能であることは言うまでもない。
【0031】
不使用時、すなわち4つの周壁部110、120、130、140を折り畳むと、図2に示すように、第1のハンドル部212は、第2のフレーム220の下端部より外側に位置するので、第1のハンドル部212を容易に掴むことができる。
【0032】
このように折り畳んだ場合には、図2に示すように、第1のキャスター310を地面に付けて引っ張る場合には第1のハンドル部212を、第2のキャスター320を地面に付けて引っ張る場合には第2のハンドル部222をそれぞれ持てばよい。
この場合、4つの周壁部110、120、130、140が不用意に動かないように、固定するベルト部材600で縛るとよい。このベルト部材600は、ゴム製の帯状のベルト610の両端にスナップアクションで連結取外自在なロック部材620を設けたものであり、ベルト610を折り畳んだ4つの周壁部110、120、130、140に掛け渡した後、ロック部材620を連結することで4つの周壁部110、120、130、140が縛られるようになっている。
【0033】
このベルト部材600は、図3に示すように、例えば、第1のハンドル部212に取り付けておくことで紛失を防ぐことができる。また、このベルト部材600は、カーゴキャリーAに積み込む荷物を縛ることにも利用できる。
【0034】
上述した第1の実施の形態に係るカーゴキャリーAは、4つの周壁部110、120、130、140を網体としたが、図8に示す第2の実施の形態に係るカーゴキャリーBのように、板体とすることも可能である。
【符号の説明】
【0035】
100 底面部
101 第1の縁部
102 第2の縁部
103 第3の縁部
104 第4の縁部
110 第1の周壁部
120 第2の周壁部
130 第3の周壁部
140 第4の周壁部
210 第1のフレーム
220 第2のフレーム
310 第1のキャスター
320 第2ののキャスター
400 連結機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁部が折り畳み可能なカーゴキャリーにおいて、カーゴ部の底面に相当する長方形状の底面部と、この底面部の各縁部にヒンジ結合される4つの周壁部と、先端に第1のキャスターが設けられた略逆凹字形状の第1のフレームと、先端に第2のキャスターが設けられ、前記第1のフレームと対向する位置に設けられた略逆凹字形状の第2のフレームと、4つの周壁部を立てた状態で相互に連結固定する連結機構とを具備しており、前記4つの周壁部は、前記第1のフレームの縦軸間に掛け渡され、前記底面部の第1の縁部にヒンジ結合された第1の周壁部と、前記第2のフレームの縦軸間に掛け渡され、前記第1の周壁部がヒンジ結合された第1の縁部と対向する第2の縁部にヒンジ結合された第2の周壁部と、前記底面部の幅寸法より低い高さ寸法に設定され、底面部の第3の縁部にヒンジ結合された第3の周壁部と、前記底面部の幅寸法より低い高さ寸法に設定され、底面部の第4の縁部にヒンジ結合された第4の周壁部とを有しており、第1〜第4の周壁部を底面部に向かって折り畳むと、前記第1のキャスターと第2のキャスターとが底面部より外側に位置することを特徴とするカーゴキャリー。
【請求項2】
前記第1のフレームは第2のフレームより背高で、4つの周壁部を折り畳んだ状態で、第1のフレームの第1のハンドル部は第2のフレームの下端部より外側に位置することを特徴とする請求項1記載のカーゴキャリー。
【請求項3】
前記第1のキャスターと第2のキャスターとの少なくとも一方は、旋回可能になっていることを特徴とする請求項1又は2記載のカーゴキャリー。
【請求項4】
前記周壁部は、網体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカーゴキャリー。
【請求項5】
前記周壁部は、板体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカーゴキャリー。
【請求項6】
4つの周壁部を折り畳んだ状態で固定するベルト部材を具備することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のカーゴキャリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−57125(P2011−57125A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210434(P2009−210434)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(391036404)株式会社ロゴスコーポレーション (30)
【Fターム(参考)】