カーボンナノチューブの製造方法
【課題】カーボンナノチューブの直径や長さの制御が容易であり、基板上に選択的にカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】活性液面連続真空蒸着法により作製した金属微粒子を含む触媒溶液を基礎基板上に滴下し乾燥させ基礎基板上に金属微粒子層を備える基板を製造する工程と、基板をチャンバー内に配置し基板に化学気相成長(CVD)処理しカーボンナノチューブを製造する工程とを含むカーボンナノチューブの製造方法。
【解決手段】活性液面連続真空蒸着法により作製した金属微粒子を含む触媒溶液を基礎基板上に滴下し乾燥させ基礎基板上に金属微粒子層を備える基板を製造する工程と、基板をチャンバー内に配置し基板に化学気相成長(CVD)処理しカーボンナノチューブを製造する工程とを含むカーボンナノチューブの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブの製造方法の1つとして、超微粒子状遷移金属からなる触媒の存在下で有機炭素原料の蒸気を熱分解させる化学蒸着法(CVD)が知られているが、カーボンナノチューブの直径や長さの調整が困難であった。上述の課題を解決する手段としていくつかの技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の発明においては、有機溶媒中に触媒超微粒子を分散させた触媒分散液を700℃〜1500℃に加熱された加熱炉に滴下法やスプレー法等で供給し、有機溶媒を熱分解させる工程を含むカーボンナノチューブの製造方法が開示されている。これにより触媒の粒径を制御することで、カーボンナノチューブの直径や長さの制御の改善が図られる。
【0004】
しかしながら、特許文献1ではカーボンナノチューブは加熱炉内の壁面に形成されるため、特定の場所にカーボンナノチューブを成長させることが難しいという問題があった。また、直径が5nm以上のカーボンナノチューブを製造することは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−220214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、カーボンナノチューブの直径や長さの制御が容易であり、基板上に選択的にカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法を提供することを要旨とする。
【0007】
本発明の第2の目的は、直径5nm以上のカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法を提供することを要旨とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、活性液面連続真空蒸着法により作製した金属微粒子を含む触媒溶液を基礎基板上に滴下し乾燥させ基礎基板上に金属微粒子層を備える基板を製造する工程と、基板をチャンバー内に配置し基板に化学気相成長(CVD)処理しカーボンナノチューブを製造する工程とを含むカーボンナノチューブの製造方法を要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カーボンナノチューブの直径や長さの制御が容易であり、基板上に選択的にカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、直径5nm以上のカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は第1の実施形態に用いられる熱CVD装置の概略図を示す。
【図2】図2(a)(b)は第1の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造工程図を示す。
【図3】図3(a)〜(c)は第1の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブのSEM写真を示す。
【図4】図4(a)〜(c)は第1の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブのラマンスペクトル図を示す。
【図5】図5は比較例に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブのラマンスペクトル図を示す。
【図6】図6は第2の実施形態に用いられるプラズマCVD装置の概略図を示す。
【図7】図7(a)〜(c)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造工程図を示す。
【図8】図8は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られた基板を示す。写真の左側の基板(1)はシリコン基板上にゼオライト層、金属微粒子層の順に積層させた基板を用いて製造したもの(試料6)、右側の基板(2)はシリコン基板上に金属微粒子層を設けた基板を用いて製造したもの(試料7)を示す。
【図9】図9(a)〜(d)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料6)のSEM写真を示す。
【図10】図10(a)〜(d)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料7)のSEM写真を示す。図10(b)〜(d)は図10(a)の拡大図を示す。
【図11】図11(a)(b)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料7)のTEM写真を示す。図11(b)は図11(a)の拡大図を示す。
【図12】図12(a)〜(c)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料7)のTEM写真を示す。図12(b)(c)は図12(a)の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。尚、図中同一の機能又は類似の機能を有するものについては、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。
【0013】
[第1の実施形態]
(製造装置)
図1は第1の実施形態に用いられる熱CVD装置5の概略図を示す。図1に示すように、熱CVD装置は、内部に熱CVD雰囲気が形成される中空状のチャンバー6と、チャンバー6の内部に配置されシリコン基板を配置及び加熱する断面Tの字状のステージ8と、チャンバー6内を減圧する真空ポンプ9と、チャンバー6内に流路管11を介して炭素源ガス及びキャリアガスを供給するガス供給手段10と、を有する。
【0014】
炭素源ガス及びキャリアガスの供給量は、チャンバーとガス供給手段の間に配置されたマスフローコントローラーM1、M2により制御される。チャンバー内の圧力は真空計12により測定される。コントローラー13によりステージ8の加熱温度が制御される。
【0015】
(金属微粒子等)
金属微粒子としては、カーボンナノチューブの作製において触媒作用を有するものであれば特に制限はないが、鉄、コバルト、ニッケル及びそれらを含む合金もしくは酸化物からなる群から選択された粒子を用いることができる。
【0016】
金属微粒子の平均粒径は3nm以上12nm以下が好ましく、3nm以上10nm以下がより好ましく、6nm以上9nm以下がさらに好ましい。カーボンナノチューブは、金属微粒子を核として成長するものであることから、カーボンナノチューブの直径は、金属微粒子の粒径に依存することになる。よって、直径が均一なカーボンナノチューブを製造する観点からは、金属微粒子の粒度分布はできるだけ狭いことが好ましい。金属微粒子としては、動的光散乱法を用いた平均粒径が3nm以上10nm以下、標準偏差SDが4nm以下であるものが好ましい。金属微粒子としては、上記条件を満たす活性液面連続真空蒸着法で作製した金属微粒子を用いることが好ましい。例えば、動的光散乱法を用いた粒度分布の測定値が、以下の全ての条件:
粒径中央値D50:7.8nm、
体積平均径MV:8.6nm、
個数平均径MN:6.1nm、
標準偏差SD:3.2nm
を満たすものを用いることができる。
【0017】
触媒溶液中での金属微粒子の濃度は、0.01重量%〜0.9重量%が好ましい。金属微粒子の濃度が0.9重量%よりも濃いと、シリコン基板上に触媒溶液を塗布した際に金属微粒子が凝集する傾向があるからである。0.01重量%の上記コバルトナノ粒子を含有する金属微粒子溶液を用いることが特に好ましい。
【0018】
溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒を用いることができる。基礎基板としては、特に制限はないが、シリコン基板を用いることができる。炭素源ガスとしては、エタノール等のガスを用いることができる。キャリアガスとしては、不活性気体、例えばアルゴン、窒素を使用することができる。
【0019】
(カーボンナノチューブの製造方法)
(イ)基礎基板として図2(a)に示すようなシリコン基板1を用意し、そのシリコン基板1を例えば超音波洗浄器により洗浄する。
【0020】
(ロ)粒径0.4〜30nmの金属微粒子を溶媒中に分散させた触媒溶液を用意する。例えばヘキサン溶媒にコバルトナノ粒子触媒を分散させた触媒溶液を用いることができる。
【0021】
(ハ)シリコン基板1上に触媒溶液を滴下し自然乾燥させ、図2(b)に示すようにシリコン基板1上に金属微粒子層2を設ける。具体的には、シリコン基板1をスピンコーター上に配置した後、RPM300、時間20分の条件でスピンコーターを回転させながら触媒溶液を100μl滴下し、その後基板を自然乾燥させる。
【0022】
(ニ)金属微粒子層2が表面に設けられた基板30を、図1のチャンバー6内に配置し基板30に化学気相成長(CVD)処理する。具体的には、700℃〜900℃、圧力900Pa〜1100Paで、4分〜6分程度で加熱処理する
(ホ)以上により、カーボンナノチューブが製造される。
【0023】
[実施例]
(実施例1)
以下の基礎基板、触媒溶液を用いて、以下の条件の下、第1の実施形態に係る製造方法に準じて、カーボンナノチューブ(試料1)を製造した。
【0024】
基礎基板としてシリコン基板(株式会社SUMCO製、製品名「4" P(100) T525」)を用いた。また触媒溶液として、動的光散乱法を用いた粒度分布の測定値である粒径中央値D50が7.8nm、体積平均径MVが8.6nm、個数平均径MNが6.1nm、標準偏差SDが3.2nmのコバルトナノ粒子をヘキサン溶媒に分散させた0.01重量%の触媒溶液を用いた。
【0025】
熱CVD処理条件は、ステージ加熱ヒータの温度を800℃、チャンバー内の圧力を1000Pa、カーボンナノチューブ(CNT)の成長時間を5分とした。
【0026】
(実施例2)
触媒溶液の濃度を0.1重量%としたことを除き、実施例1と同様の方法によりカーボンナノチューブ(試料2)を製造した。
【0027】
(実施例3)
触媒溶液の濃度を0.9重量%としたことを除き、実施例1と同様の方法によりカーボンナノチューブ(試料3)を製造した。
【0028】
得られた試料1〜試料3について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、ラマンスペクトル観察を行った。結果を図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)に示す。
【0029】
図3(a)〜(c)に示すように、SEM観察の結果、試料1〜試料3についてカーボンナノチューブが形成せれたことが分かった。試料1〜試料3のうち試料1が、特に良好なカーボンナノチューブであることが分かった。
【0030】
図4(a)〜(c)に示すように、ラマンスペクトル観察の結果、試料1についてはラマンシフト値が150〜400cm−1、1300cm−1、1590cm−1にピークが観察できた。これらはカーボンナノチューブに特有のラマンピークである。なお、521.2cm−1のピークは基礎基板であるシリコンに由来するラマンピークである。試料2と試料3についても試料1と同様にカーボンナノチューブを示すラマンピークが確認できた。このことより、試料1〜試料3のそれぞれについてカーボンナノチューブが形成されたことが確認された。
【0031】
次に、図4(a)〜(c)を基に、低波長側のピークDの波長[cm−1]と、高波長側のピークGの波長[cm−1]の比(G/D)で定義されるG/D比を算出し結晶性について確認した。G/D比が大きいほど、即ちGの値が大きいほど、結晶性が高いことを示す。
【0032】
試料1のG/D比は約10であり、試料2のG/D比は約5であり、試料3のG/D比は約5であった。このことより、試料1〜試料3について、結晶性が高いことが確認された。
【0033】
(比較例1〜比較例3)
以下の条件でカーボンナノチューブを製造した。得られた結果を図5(a)〜(c)に示す。
【0034】
エタノール(和光純薬製、試薬特級)40グラムに対してY型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製、HSZ-390HUA)1グラムと、酢酸鉄(II)(和光純薬製)0.08グラム、酢酸コバルト4水和物(和光純薬製、和光特級)0.11グラムの重量比率で混合し、金属酢酸塩が溶解し、ゼオライトが分散したエタノール溶液を作製し、シリコン基板を基礎基板として、その基礎基板上にエタノール溶液を0.5ミリリットル滴下し、スピンコートしたものをカーボンナノチューブ成長用の試料とした。CVDの条件は試料1と同様とした。
【0035】
[第2の実施形態]
第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
(製造装置)
図6は第2の実施形態に用いられるプラズマCVD装置15の概略図を示す。
【0037】
図6に示すように、プラズマCVD装置15は、内部にプラズマCVD雰囲気が形成される中空状のチャンバー16と、チャンバー16の内部に配置されシリコン基板30を配置する載置台18と、シリコン基板30と接触するマイナス電極19と、チャンバー16の内部の載置台18の近傍に配置されたプラス電極20と、チャンバー16に接続されチャンバー16内にマイクロ波を供給するマイクロ波誘導管21と、チャンバー16内に流路管23を介して炭素源ガスとしてメタンガス(CH4)及びキャリアガスとしてのアルゴン(Ar)ガスを供給するガス供給手段22と、載置台18の内部に配置されシリコン基板30に下方から光を照射するハロゲンランプ24と、載置台18の内部のシリコン基板30の近傍に配置された熱伝対26と、ハロゲンランプ24の周囲に配置されハロゲン光を増幅するリフレクタ25とを有する。炭素源ガス及びキャリアガスの供給量は、チャンバーとガス供給手段の間に配置されたマスフローコントローラーM1、M2により制御される。プラズマCVD装置15としては、例えば、株式会社アルバック(ULVAC)製の製品名「CN-CVD-200RD」のカーボンナノチューブ成長実験装置を用いることができる。この装置はマイクロ波プラズマCVD技術を利用したもので、ナノチューブを高純度で大量生産することができる。
【0038】
(カーボンナノチューブの製造方法)
(イ)〜(ハ)第1の実施形態の工程(イ)〜(ハ)と同様にして、図2(b)の基板30を製造する。
【0039】
(ニ)次に、基板30を図6のチャンバー16内に配置し金属微粒子層2が設けられた基板30にプラズマ化学気相成長(CVD)処理する。具体的には、バイアス電圧(V)を10〜50V、基板加熱温度(℃)を700℃〜800℃、水素流量を64〜96sccm、メタン流量を18〜22sccm、成長時間を9〜11分とする条件が挙げられる。
【0040】
(実施例6)
図7(a)〜(c)に示すように製造した基板31を用いた点と、(プラズマ)CVD処理条件を以下のようにした点を除き、第2の実施形態に係る製造方法に準じて、カーボンナノチューブ(試料6)を製造した。
【0041】
図7(a)に示すように、基礎基板としてシリコン基板1(株式会社協同インターナショナル製、Siウェハー、2インチφ、1〜10Ω・m)を用意した。そして、エタノール溶媒40mlにゼオライト1gを分散させた溶液をシリコン基板1上に数滴滴下しスピンコートし、図7(b)に示すように、シリコン基板1上にゼオライト層3を設けた。その後、ゼオライト層3上に動的光散乱法を用いた粒度分布の測定値である粒径中央値D50が7.8nm、体積平均径MVが8.6nm、個数平均径MNが6.1nm、標準偏差SDが3.2nmのコバルトナノ粒子をヘキサン溶媒に分散させた0.01重量%の触媒溶液を滴下し、スピンコートし、触媒溶液が乾燥するまで自然乾燥させた。そして、図7(c)に示すようにシリコン基板1上にゼオライト層3、触媒溶液層2の順に積層した基板31を得た。
【0042】
プラズマCVD処理条件は、バイアス電圧(V)を10V、基板加熱温度(℃)を800℃、水素流量を80sccm、メタン流量を20sccm、成長時間を10分とした。
【0043】
(実施例7)
図2(a)(b)のように製造した基板30を用いたことを除き、実施例6と同様にして、カーボンナノチューブ(試料7)を製造した。
【0044】
得られた試料6、試料7について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、ラマンスペクトル観察を行った。結果を図8、図9(a)〜(d)、図10(a)〜(d)に示す。試料7についてはさらに透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。TEM観察の結果を図11(a)(b)、図12(a)〜(c)に示す。
【0045】
図8より、基板上にカーボンナノチューブ(試料6、試料7)がそれぞれ選択的に形成されることが示された。
【0046】
図9(a)〜(d)より、白い球状の塊で示されるゼオライトを起点にしてカーボンナノチューブ(試料6)が成長したことが確認された。
【0047】
図10(a)〜(d)からカーボンナノチューブ(試料7)が成長したことが確認された。
【0048】
図11(a)(b)から直径5nm以上のカーボンナノチューブ(試料7)が成長したことが確認された。
【0049】
図12(a)〜(c)より、黒い点で示される鉄触媒を起点にカーボンナノチューブ(試料7)が成長したことが示された。
【0050】
以上の実験より、カーボンナノチューブの径は金属微粒子径と似通った径になることが示された。このことから金属微粒子径を変えることで、カーボンナノチューブの径が制御しやすいことが分かった。
【0051】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0052】
[第1の実施形態の変形例1]
例えば、上述の(ハ)工程においては、自然乾燥により基板30を製造したが、触媒溶液を滴下した後、ホットプレート等で基板を加熱乾燥させてもよい。その際の好ましい加熱条件は、加熱温度300℃程度、加熱時間5分程度である。触媒溶液を加熱乾燥させることで、カーボンナノチューブが製造しやすくなるという効果が得られる。
【0053】
[第1の実施形態の変形例2]
上述の(ハ)工程においては、図2に示すように基礎基板であるシリコン基板1上に金属微粒子層2を設けた。しかし、図7(a)に示すように、基礎基板1を用意した後、図7(b)に示すように、基礎基板1上にゼオライト層3を設けた後、図7(c)に示すように、ゼオライト層3を挟んで基礎基板1上に金属微粒子を滴下して金属微粒子層2を設けてもよい。
【0054】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0055】
1…シリコン基板
2…金属微粒子層
3…ゼオライト層
30、31…基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブの製造方法の1つとして、超微粒子状遷移金属からなる触媒の存在下で有機炭素原料の蒸気を熱分解させる化学蒸着法(CVD)が知られているが、カーボンナノチューブの直径や長さの調整が困難であった。上述の課題を解決する手段としていくつかの技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の発明においては、有機溶媒中に触媒超微粒子を分散させた触媒分散液を700℃〜1500℃に加熱された加熱炉に滴下法やスプレー法等で供給し、有機溶媒を熱分解させる工程を含むカーボンナノチューブの製造方法が開示されている。これにより触媒の粒径を制御することで、カーボンナノチューブの直径や長さの制御の改善が図られる。
【0004】
しかしながら、特許文献1ではカーボンナノチューブは加熱炉内の壁面に形成されるため、特定の場所にカーボンナノチューブを成長させることが難しいという問題があった。また、直径が5nm以上のカーボンナノチューブを製造することは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−220214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、カーボンナノチューブの直径や長さの制御が容易であり、基板上に選択的にカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法を提供することを要旨とする。
【0007】
本発明の第2の目的は、直径5nm以上のカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法を提供することを要旨とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、活性液面連続真空蒸着法により作製した金属微粒子を含む触媒溶液を基礎基板上に滴下し乾燥させ基礎基板上に金属微粒子層を備える基板を製造する工程と、基板をチャンバー内に配置し基板に化学気相成長(CVD)処理しカーボンナノチューブを製造する工程とを含むカーボンナノチューブの製造方法を要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カーボンナノチューブの直径や長さの制御が容易であり、基板上に選択的にカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、直径5nm以上のカーボンナノチューブを製造できるカーボンナノチューブの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は第1の実施形態に用いられる熱CVD装置の概略図を示す。
【図2】図2(a)(b)は第1の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造工程図を示す。
【図3】図3(a)〜(c)は第1の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブのSEM写真を示す。
【図4】図4(a)〜(c)は第1の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブのラマンスペクトル図を示す。
【図5】図5は比較例に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブのラマンスペクトル図を示す。
【図6】図6は第2の実施形態に用いられるプラズマCVD装置の概略図を示す。
【図7】図7(a)〜(c)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造工程図を示す。
【図8】図8は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られた基板を示す。写真の左側の基板(1)はシリコン基板上にゼオライト層、金属微粒子層の順に積層させた基板を用いて製造したもの(試料6)、右側の基板(2)はシリコン基板上に金属微粒子層を設けた基板を用いて製造したもの(試料7)を示す。
【図9】図9(a)〜(d)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料6)のSEM写真を示す。
【図10】図10(a)〜(d)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料7)のSEM写真を示す。図10(b)〜(d)は図10(a)の拡大図を示す。
【図11】図11(a)(b)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料7)のTEM写真を示す。図11(b)は図11(a)の拡大図を示す。
【図12】図12(a)〜(c)は第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの製造方法により得られたカーボンナノチューブ(試料7)のTEM写真を示す。図12(b)(c)は図12(a)の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。尚、図中同一の機能又は類似の機能を有するものについては、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。
【0013】
[第1の実施形態]
(製造装置)
図1は第1の実施形態に用いられる熱CVD装置5の概略図を示す。図1に示すように、熱CVD装置は、内部に熱CVD雰囲気が形成される中空状のチャンバー6と、チャンバー6の内部に配置されシリコン基板を配置及び加熱する断面Tの字状のステージ8と、チャンバー6内を減圧する真空ポンプ9と、チャンバー6内に流路管11を介して炭素源ガス及びキャリアガスを供給するガス供給手段10と、を有する。
【0014】
炭素源ガス及びキャリアガスの供給量は、チャンバーとガス供給手段の間に配置されたマスフローコントローラーM1、M2により制御される。チャンバー内の圧力は真空計12により測定される。コントローラー13によりステージ8の加熱温度が制御される。
【0015】
(金属微粒子等)
金属微粒子としては、カーボンナノチューブの作製において触媒作用を有するものであれば特に制限はないが、鉄、コバルト、ニッケル及びそれらを含む合金もしくは酸化物からなる群から選択された粒子を用いることができる。
【0016】
金属微粒子の平均粒径は3nm以上12nm以下が好ましく、3nm以上10nm以下がより好ましく、6nm以上9nm以下がさらに好ましい。カーボンナノチューブは、金属微粒子を核として成長するものであることから、カーボンナノチューブの直径は、金属微粒子の粒径に依存することになる。よって、直径が均一なカーボンナノチューブを製造する観点からは、金属微粒子の粒度分布はできるだけ狭いことが好ましい。金属微粒子としては、動的光散乱法を用いた平均粒径が3nm以上10nm以下、標準偏差SDが4nm以下であるものが好ましい。金属微粒子としては、上記条件を満たす活性液面連続真空蒸着法で作製した金属微粒子を用いることが好ましい。例えば、動的光散乱法を用いた粒度分布の測定値が、以下の全ての条件:
粒径中央値D50:7.8nm、
体積平均径MV:8.6nm、
個数平均径MN:6.1nm、
標準偏差SD:3.2nm
を満たすものを用いることができる。
【0017】
触媒溶液中での金属微粒子の濃度は、0.01重量%〜0.9重量%が好ましい。金属微粒子の濃度が0.9重量%よりも濃いと、シリコン基板上に触媒溶液を塗布した際に金属微粒子が凝集する傾向があるからである。0.01重量%の上記コバルトナノ粒子を含有する金属微粒子溶液を用いることが特に好ましい。
【0018】
溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒を用いることができる。基礎基板としては、特に制限はないが、シリコン基板を用いることができる。炭素源ガスとしては、エタノール等のガスを用いることができる。キャリアガスとしては、不活性気体、例えばアルゴン、窒素を使用することができる。
【0019】
(カーボンナノチューブの製造方法)
(イ)基礎基板として図2(a)に示すようなシリコン基板1を用意し、そのシリコン基板1を例えば超音波洗浄器により洗浄する。
【0020】
(ロ)粒径0.4〜30nmの金属微粒子を溶媒中に分散させた触媒溶液を用意する。例えばヘキサン溶媒にコバルトナノ粒子触媒を分散させた触媒溶液を用いることができる。
【0021】
(ハ)シリコン基板1上に触媒溶液を滴下し自然乾燥させ、図2(b)に示すようにシリコン基板1上に金属微粒子層2を設ける。具体的には、シリコン基板1をスピンコーター上に配置した後、RPM300、時間20分の条件でスピンコーターを回転させながら触媒溶液を100μl滴下し、その後基板を自然乾燥させる。
【0022】
(ニ)金属微粒子層2が表面に設けられた基板30を、図1のチャンバー6内に配置し基板30に化学気相成長(CVD)処理する。具体的には、700℃〜900℃、圧力900Pa〜1100Paで、4分〜6分程度で加熱処理する
(ホ)以上により、カーボンナノチューブが製造される。
【0023】
[実施例]
(実施例1)
以下の基礎基板、触媒溶液を用いて、以下の条件の下、第1の実施形態に係る製造方法に準じて、カーボンナノチューブ(試料1)を製造した。
【0024】
基礎基板としてシリコン基板(株式会社SUMCO製、製品名「4" P(100) T525」)を用いた。また触媒溶液として、動的光散乱法を用いた粒度分布の測定値である粒径中央値D50が7.8nm、体積平均径MVが8.6nm、個数平均径MNが6.1nm、標準偏差SDが3.2nmのコバルトナノ粒子をヘキサン溶媒に分散させた0.01重量%の触媒溶液を用いた。
【0025】
熱CVD処理条件は、ステージ加熱ヒータの温度を800℃、チャンバー内の圧力を1000Pa、カーボンナノチューブ(CNT)の成長時間を5分とした。
【0026】
(実施例2)
触媒溶液の濃度を0.1重量%としたことを除き、実施例1と同様の方法によりカーボンナノチューブ(試料2)を製造した。
【0027】
(実施例3)
触媒溶液の濃度を0.9重量%としたことを除き、実施例1と同様の方法によりカーボンナノチューブ(試料3)を製造した。
【0028】
得られた試料1〜試料3について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、ラマンスペクトル観察を行った。結果を図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)に示す。
【0029】
図3(a)〜(c)に示すように、SEM観察の結果、試料1〜試料3についてカーボンナノチューブが形成せれたことが分かった。試料1〜試料3のうち試料1が、特に良好なカーボンナノチューブであることが分かった。
【0030】
図4(a)〜(c)に示すように、ラマンスペクトル観察の結果、試料1についてはラマンシフト値が150〜400cm−1、1300cm−1、1590cm−1にピークが観察できた。これらはカーボンナノチューブに特有のラマンピークである。なお、521.2cm−1のピークは基礎基板であるシリコンに由来するラマンピークである。試料2と試料3についても試料1と同様にカーボンナノチューブを示すラマンピークが確認できた。このことより、試料1〜試料3のそれぞれについてカーボンナノチューブが形成されたことが確認された。
【0031】
次に、図4(a)〜(c)を基に、低波長側のピークDの波長[cm−1]と、高波長側のピークGの波長[cm−1]の比(G/D)で定義されるG/D比を算出し結晶性について確認した。G/D比が大きいほど、即ちGの値が大きいほど、結晶性が高いことを示す。
【0032】
試料1のG/D比は約10であり、試料2のG/D比は約5であり、試料3のG/D比は約5であった。このことより、試料1〜試料3について、結晶性が高いことが確認された。
【0033】
(比較例1〜比較例3)
以下の条件でカーボンナノチューブを製造した。得られた結果を図5(a)〜(c)に示す。
【0034】
エタノール(和光純薬製、試薬特級)40グラムに対してY型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製、HSZ-390HUA)1グラムと、酢酸鉄(II)(和光純薬製)0.08グラム、酢酸コバルト4水和物(和光純薬製、和光特級)0.11グラムの重量比率で混合し、金属酢酸塩が溶解し、ゼオライトが分散したエタノール溶液を作製し、シリコン基板を基礎基板として、その基礎基板上にエタノール溶液を0.5ミリリットル滴下し、スピンコートしたものをカーボンナノチューブ成長用の試料とした。CVDの条件は試料1と同様とした。
【0035】
[第2の実施形態]
第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
(製造装置)
図6は第2の実施形態に用いられるプラズマCVD装置15の概略図を示す。
【0037】
図6に示すように、プラズマCVD装置15は、内部にプラズマCVD雰囲気が形成される中空状のチャンバー16と、チャンバー16の内部に配置されシリコン基板30を配置する載置台18と、シリコン基板30と接触するマイナス電極19と、チャンバー16の内部の載置台18の近傍に配置されたプラス電極20と、チャンバー16に接続されチャンバー16内にマイクロ波を供給するマイクロ波誘導管21と、チャンバー16内に流路管23を介して炭素源ガスとしてメタンガス(CH4)及びキャリアガスとしてのアルゴン(Ar)ガスを供給するガス供給手段22と、載置台18の内部に配置されシリコン基板30に下方から光を照射するハロゲンランプ24と、載置台18の内部のシリコン基板30の近傍に配置された熱伝対26と、ハロゲンランプ24の周囲に配置されハロゲン光を増幅するリフレクタ25とを有する。炭素源ガス及びキャリアガスの供給量は、チャンバーとガス供給手段の間に配置されたマスフローコントローラーM1、M2により制御される。プラズマCVD装置15としては、例えば、株式会社アルバック(ULVAC)製の製品名「CN-CVD-200RD」のカーボンナノチューブ成長実験装置を用いることができる。この装置はマイクロ波プラズマCVD技術を利用したもので、ナノチューブを高純度で大量生産することができる。
【0038】
(カーボンナノチューブの製造方法)
(イ)〜(ハ)第1の実施形態の工程(イ)〜(ハ)と同様にして、図2(b)の基板30を製造する。
【0039】
(ニ)次に、基板30を図6のチャンバー16内に配置し金属微粒子層2が設けられた基板30にプラズマ化学気相成長(CVD)処理する。具体的には、バイアス電圧(V)を10〜50V、基板加熱温度(℃)を700℃〜800℃、水素流量を64〜96sccm、メタン流量を18〜22sccm、成長時間を9〜11分とする条件が挙げられる。
【0040】
(実施例6)
図7(a)〜(c)に示すように製造した基板31を用いた点と、(プラズマ)CVD処理条件を以下のようにした点を除き、第2の実施形態に係る製造方法に準じて、カーボンナノチューブ(試料6)を製造した。
【0041】
図7(a)に示すように、基礎基板としてシリコン基板1(株式会社協同インターナショナル製、Siウェハー、2インチφ、1〜10Ω・m)を用意した。そして、エタノール溶媒40mlにゼオライト1gを分散させた溶液をシリコン基板1上に数滴滴下しスピンコートし、図7(b)に示すように、シリコン基板1上にゼオライト層3を設けた。その後、ゼオライト層3上に動的光散乱法を用いた粒度分布の測定値である粒径中央値D50が7.8nm、体積平均径MVが8.6nm、個数平均径MNが6.1nm、標準偏差SDが3.2nmのコバルトナノ粒子をヘキサン溶媒に分散させた0.01重量%の触媒溶液を滴下し、スピンコートし、触媒溶液が乾燥するまで自然乾燥させた。そして、図7(c)に示すようにシリコン基板1上にゼオライト層3、触媒溶液層2の順に積層した基板31を得た。
【0042】
プラズマCVD処理条件は、バイアス電圧(V)を10V、基板加熱温度(℃)を800℃、水素流量を80sccm、メタン流量を20sccm、成長時間を10分とした。
【0043】
(実施例7)
図2(a)(b)のように製造した基板30を用いたことを除き、実施例6と同様にして、カーボンナノチューブ(試料7)を製造した。
【0044】
得られた試料6、試料7について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、ラマンスペクトル観察を行った。結果を図8、図9(a)〜(d)、図10(a)〜(d)に示す。試料7についてはさらに透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。TEM観察の結果を図11(a)(b)、図12(a)〜(c)に示す。
【0045】
図8より、基板上にカーボンナノチューブ(試料6、試料7)がそれぞれ選択的に形成されることが示された。
【0046】
図9(a)〜(d)より、白い球状の塊で示されるゼオライトを起点にしてカーボンナノチューブ(試料6)が成長したことが確認された。
【0047】
図10(a)〜(d)からカーボンナノチューブ(試料7)が成長したことが確認された。
【0048】
図11(a)(b)から直径5nm以上のカーボンナノチューブ(試料7)が成長したことが確認された。
【0049】
図12(a)〜(c)より、黒い点で示される鉄触媒を起点にカーボンナノチューブ(試料7)が成長したことが示された。
【0050】
以上の実験より、カーボンナノチューブの径は金属微粒子径と似通った径になることが示された。このことから金属微粒子径を変えることで、カーボンナノチューブの径が制御しやすいことが分かった。
【0051】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0052】
[第1の実施形態の変形例1]
例えば、上述の(ハ)工程においては、自然乾燥により基板30を製造したが、触媒溶液を滴下した後、ホットプレート等で基板を加熱乾燥させてもよい。その際の好ましい加熱条件は、加熱温度300℃程度、加熱時間5分程度である。触媒溶液を加熱乾燥させることで、カーボンナノチューブが製造しやすくなるという効果が得られる。
【0053】
[第1の実施形態の変形例2]
上述の(ハ)工程においては、図2に示すように基礎基板であるシリコン基板1上に金属微粒子層2を設けた。しかし、図7(a)に示すように、基礎基板1を用意した後、図7(b)に示すように、基礎基板1上にゼオライト層3を設けた後、図7(c)に示すように、ゼオライト層3を挟んで基礎基板1上に金属微粒子を滴下して金属微粒子層2を設けてもよい。
【0054】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0055】
1…シリコン基板
2…金属微粒子層
3…ゼオライト層
30、31…基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性液面連続真空蒸着法により作製した金属微粒子を含む触媒溶液を基礎基板上に滴下し乾燥させ前記基礎基板上に金属微粒子層を備える基板を製造する工程と、
前記基板をチャンバー内に配置し前記基板に化学気相成長(CVD)処理しカーボンナノチューブを製造する工程と
を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項2】
前記金属微粒子は、平均粒径が3nm以上12nm以下であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブを製造する工程において、前記基板を熱CVD処理もしくはプラズマCVD処理することを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項4】
前記金属微粒子が、鉄、コバルト、ニッケル及びそれらを含む合金もしくは酸化物からなる群から選択された粒子であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項5】
前記基板を製造する工程において、前記基礎基板上にゼオライト層を設けた後、前記ゼオライト層を挟んで前記基礎基板上に前記金属微粒子層を形成することを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項6】
前記基板を製造する工程において、前記基礎基板上に前記触媒溶液を滴下した後に、前記触媒溶液を加熱乾燥させることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項7】
前記金属微粒子は、動的光散乱法を用いた平均粒径が3nm以上10nm以下、標準偏差SDが4nm以下であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項1】
活性液面連続真空蒸着法により作製した金属微粒子を含む触媒溶液を基礎基板上に滴下し乾燥させ前記基礎基板上に金属微粒子層を備える基板を製造する工程と、
前記基板をチャンバー内に配置し前記基板に化学気相成長(CVD)処理しカーボンナノチューブを製造する工程と
を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項2】
前記金属微粒子は、平均粒径が3nm以上12nm以下であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブを製造する工程において、前記基板を熱CVD処理もしくはプラズマCVD処理することを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項4】
前記金属微粒子が、鉄、コバルト、ニッケル及びそれらを含む合金もしくは酸化物からなる群から選択された粒子であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項5】
前記基板を製造する工程において、前記基礎基板上にゼオライト層を設けた後、前記ゼオライト層を挟んで前記基礎基板上に前記金属微粒子層を形成することを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項6】
前記基板を製造する工程において、前記基礎基板上に前記触媒溶液を滴下した後に、前記触媒溶液を加熱乾燥させることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項7】
前記金属微粒子は、動的光散乱法を用いた平均粒径が3nm以上10nm以下、標準偏差SDが4nm以下であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−173743(P2011−173743A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37412(P2010−37412)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(501061319)学校法人 東洋大学 (68)
【出願人】(591124721)立山マシン株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(501061319)学校法人 東洋大学 (68)
【出願人】(591124721)立山マシン株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]