カール成形治具およびカール成形装置
【課題】紙製もしくは、樹脂製のカップ上端部を外側にカールさせる成形治具に関し、潤滑剤を使用しないカール成形治具およびカール成形装置を提供する。
【解決手段】胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、前記ガイド部先端から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、を有することを特徴とするカール成形治具。
【解決手段】胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、前記ガイド部先端から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、を有することを特徴とするカール成形治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえば、紙製もしくは樹脂製のカップの製造において、胴部材および底部材の打ち抜きブランクを成形機によりヒートシールあるいは高周波シール等により接着してなるカップの上端開口部の周縁部分にトップカールを成形するカール成形治具およびカール成形装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、紙製もしくは樹脂製のカップは、コールド飲料やホット飲料などの飲料用カップ、納豆やヨーグルト、ラーメンやアイスクリームなどの食品用カップ、尿検査などに使われる検査用カップなどの医療用カップ等、様々な分野で使用されている。いずれの紙製もしくは樹脂製カップにおいても、カップの上端開口部の周縁部分を外側にカールさせるトップカール成形加工を行っている。
【０００３】
このようなトップカール成形加工を行うには、通常、カップ上端開口部の周縁部分の内側、又は、カール成形治具のカール成形部曲面溝部に潤滑剤を塗布した後、カール成形治具を上方よりカップ上端開口部の周縁部分へ押圧することで、カール成形治具のカール成形部曲面溝部の形に沿ってカール形状を形作る加工法が従来から多く行われている。
【０００４】
潤滑剤をカップの上端開口部の周縁部分の内側面、又は、カール成形治具のカール成形部曲面溝部に塗布せずに、カール成形治具を押圧した場合、紙製もしくは樹脂製のカップの胴体部分に座屈が発生する等の問題があり、正常にトップカール成形を行うことは困難である。
【０００５】
また、たとえば、カップの強度を強くするために基材の坪量を上げ、基材の厚さを厚くするといったことが行われているが、カップの成形時の機械適正が悪くなるという問題がある。このため、カップの基材によりトップカール成形の成形性は大きく異なるという問題がある。
【０００６】
さらに、カップ形状によってもトップカール成形性が異なり、カップの側面が底面に対して垂直な形状のカップの上端開口部の周縁部分にトップカールを成形する場合、座屈などの成形不良が発生しやすく、正常にトップカール成形を行うことは困難である。
【０００７】
上記したように、紙製もしくは樹脂製のカップの上端開口部の周縁部分にトップカールを成形する際の機械適正を上げるためには潤滑剤は不可欠である。このため、従来からトップカール成形を行う前に潤滑剤をカップ上端開口部の周縁部分の内側面またはカール成形治具のカール成形部曲面状の溝部に塗布し、トップカール成形を行う際の機械適性を向上させることが多く行われている。
【０００８】
図４は、従来のカップのカール成形装置およびカール成形工程の一例を示したものである。図４において、１はトップカールを成形する略円錐台形のカップ、２はカップ１の上端開口部の周縁部分、３は潤滑剤を塗布するための略円柱状の潤滑剤塗布ノズル、４は潤滑剤塗布ノズル３の周面に設けられ潤滑剤を塗布する環状のフェルト、５は潤滑剤塗布ノズル３内に設けられ外部から供給される潤滑剤をフェルト４に導く潤滑剤流路、６はカップ固定冶具、７はカール成形用の１段目成形金型、７ａは１段目成形金型７に環状に形成された曲面状の溝部、８はカール成形用の２段目成形金型、８ａは２段目成形金型８に環状に形成された曲面状の溝部、９はカール成形用の３段目成形金型、９ａは３段目成形金型９に環状に形成された曲面状の溝部である。
【０００９】
従来のカール成形工程では、図４（ａ）に示すように、潤滑剤塗布ノズル３をカップ１の上端開口部の周縁部分２の内側に配置した後、潤滑剤塗布ノズル３に液状の潤滑剤を供給し、潤滑剤塗布ノズル３に付随しているフェルト４に潤滑剤を浸透させ、潤滑剤を浸透させたフェルト４をカップ１の上端開口部の周縁部分２の内側面のカール成形を行う部分に押し当てることにより、潤滑剤をカップ１の上端開口部の周縁部分２の内側面に塗布する。
【００１０】
その後、図４（ｂ）に示すように、カップ固定治具６によりカップ１を固定した状態で、カップ１の上端開口部の周縁部分２にカップ１の上方から１段目成形金型７を押圧することで、カップ１の上端開口部の周縁部分２をカールさせる。
【００１１】
その後、図４（ｃ）（ｄ）に示すように、同様に２段目成形金型８、３段目成形金型９を順次押圧することで、カップ１の上端開口部の周縁部分２をカールさせる。このカール成形は、座屈防止のため、１段目成形金型７、２段目成形金型８、３段目成形金型９の順に、カールさせる角度を大きくしていくようになっている。図４には、成形金型が１〜３段目の３つある場合を示しているが、この段数は必ずしも３である必要はなく、適宜の数を選択可能である。
【００１２】
このような工程を経ることにより、図４（ｅ）に示すように、カップ１の上端開口部周縁２にトップカール１０が成形されるものである。
【００１３】
このように、従来の潤滑剤を塗布する方法として、たとえば、トップカール成形前に潤滑剤塗布用のノズル３を設置し、ノズル３に潤滑剤を液体で供給し、ノズル３に設置されているフェルト４に潤滑剤を浸透させ、前記フェルト４をカップ１のカール成形部分に押し付けて潤滑剤を塗布するという方法が用いられてきた。この場合、フェルト４には常に潤滑剤を浸透させておかなければならないため、潤滑剤を適時フェルト４へと供給する必要がある。
【００１４】
しかし、フェルト４の状態を把握し、供給する潤滑剤の量を管理するのは難しく、たとえば、潤滑剤を必要な量より多く供給してしまった場合、過剰な潤滑剤がフェルト４から垂れ落ちるといった問題や、過剰に塗布された潤滑剤がカップ１の内面に残留してしまうといった問題が発生することがある。逆に、潤滑剤を必要な量より少なく供給してしまった場合、トップカール加工に必要な潤滑剤が充分に供給されず、トップカール加工の際に座屈などの問題が発生することがある。
【００１５】
上記のような問題を解決するため、以下の機構を持つ塗布装置が公知である（たとえば、特許文献１参照）。すなわち、金型に潤滑剤を塗布する装置であって、潤滑剤供給タンクや潤滑剤を帯電する帯電ガン、各エアの制御を行うコントローラ、潤滑剤を金型内に噴射するためのノズル等の各種機構を備えた金型潤滑剤塗布装置である。
【００１６】
特許文献１に記載されている装置の特徴として、摩擦帯電方式の帯電ガンを使用し、エアの圧力調整を行うことで帯電ガンに輸送する潤滑剤の量を高精度に調整することを可能とし、金型内に付着する潤滑剤の量を均一にできることがあげられる。
【００１７】
また、噴出手前にエアの供給により開閉を行う分割ブロックを備え、噴射されなかった潤滑剤は潤滑剤供給タンクに戻すようにされた回路を設けることで、潤滑剤の塗布装置を停止することなく潤滑剤を潤滑剤供給タンクに戻すことができるようになり、潤滑剤供給タンク内の潤滑剤の量の変動を減らして供給量安定させることで、塗布する潤滑剤の量を均一にできることがあげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１８】
【特許文献１】特開２００１−２２０６０２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１９】
しかし、特許文献１に記載されている装置においては、潤滑剤の塗布にスプレーを用いているため、塗布する潤滑剤の粒径が一定でなく、潤滑剤が場所により付着量に偏りがあるという問題点がある。また、ノズル直前に分割回路を設ける必要があるため、ノズル部分のサイズが大きくなり、成型を行う加工物のサイズによっては使用できないという問題点がある。
【００２０】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、紙製もしくは樹脂製のカップ上端開口部を外側にカールさせる成形治具およびカール成形装置に関し、潤滑剤の使用による、カップ内部への潤滑剤残留の問題を解決するカール成形治具およびカール成形装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【００２１】
本発明の請求項１に係る発明は、胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部先端から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、を有することを特徴とするカール成形治具、である。
【００２２】
また、本発明の請求項２に記載の発明は、胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部側面から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、
前記ガイド部先端に設けられた、前記ガイド部先端よりも直径の大きい円盤状のカバーと、
を有することを特徴とするカール成形治具、である。
【００２３】
また、本発明の請求項３に記載の発明は、前記カップを固定するカップ固定治具と、
請求項１または２に記載のカール成形治具の圧縮空気流路に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、
請求項１または２に記載のカール成形治具を保持し、かつ、前記カップ固定治具に固定されたカップの上端開口部の周縁部分に、前記カール成形部を所定回数押圧する、カール成形治具保持押圧手段と、を有することを特徴とするカール成形装置、である。
【発明の効果】
【００２４】
本発明のカール成形治具は、胴部と底部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分をカール金型に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形工程において、カップ上端部を外側に成形する曲面溝部を有するカール成形部と、該成形部の内側に円筒状に設けられたカップ内側面との隙間を少なくするためのガイド部と、圧縮空気をガイド部からカップ内部へ送り込むことが可能な圧縮空気流路とを有することにより、潤滑剤を用いることなく、カール成形が可能である。
【００２５】
この結果、カップ内側に圧縮空気を送り込むことで、カップ上端部とカール成形治具の成形部との間には、高速で流れる空気の薄膜が形成され、カール成形の際に摩擦係数を著しく低下させることができる。
【００２６】
このため、従来、摩擦力低下を目的として用いられてきた潤滑剤の塗布が不要となり、潤滑剤のカップ内への残留の問題を解決することが可能となった。
【００２７】
また、トップカール成形において、従来３回のカール成形治具の押圧が必要であったが、本発明のカール成形治具を用いることで、２回とすることが可能となり、成形時間の短縮をすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明のカール成形装置におけるカール成形治具の第１の実施形態の概略を示す側面図。
【図２】本発明のカール成形治具を用いてカール成形を行う場合の一例を示した概略図。
【図３】本発明のカール成形治具において、圧縮空気流路がカップ側面方向から噴出する場合の一例を示した概略図。
【図４】従来のカール成形工程の一例を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【００２９】
以下、本発明のカール成形装置の実施形態を、図面を用いて説明する。
【００３０】
図１は、本発明のカール成形装置におけるカール成形治具の第１の実施形態の概略図を示したものである。本実施形態のカール成形治具１１は、カップの上端開口部の周縁部分をカール成形する曲面溝部を有するカール成形部１２と、該カール成形部１２の内側に円筒状に設けられカップ内側面との隙間を少なくするためのガイド部１３と、圧縮空気２０をガイド部１３底面からカップ内部へ送り込むことが可能な圧縮空気流路２１とを有する。
【００３１】
カール成形治具１１の上部の外形は略円柱状であり、ガイド部１３に近い底面側に曲面溝部であるカール成形部１２を有している。また、ガイド部１３は、円柱形状または円錐台形状をしているが、これは、カール成形対象であるカップの内側形状に合わせた形状を選択することが望ましい。
【００３２】
カール成形部１２を有するカール成形治具１１の上部とガイド部１３は、一体的に結合されており、その中央部には圧縮空気流路２１が設けられている。圧縮空気流路２１のカール成形治具１１の上部側入り口より入れられた圧縮空気２０は、圧縮空気流路２１を通り、ガイド部１３先端により噴出することが可能となっている。
【００３３】
図２は、カップ固定治具４０により固定されたカップ３３の上端開口部の周縁部分３２を、カール成形治具１１によりカール成形する様子を模式的に示したものである。カップ３３は、円筒形状もしくは円錐台形状で、側面部３０と底面部３１を有しており、側面部３０の上端開口部の周縁部分３２がカール成形の対象である。
【００３４】
カップ固定治具４０はその内部にカップ３３を収めて位置決め固定することが可能な内部形状を有している。したがってカップ固定治具４０は、カール成形対象であるカップ３３の外形状に合わせた内部形状を持つものを選択することが望ましい。また、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２をカール成形する際に、カール成形治具１１のカール成形部１２付近と接触しない高さである必要がある。
【００３５】
カップ固定治具４０の内部に、カップ３３が収められて位置決め固定されると、カップ３３内部にカール成形治具１１のガイド部１３が挿入される。このとき、圧縮空気２０を圧縮空気流路２１に供給してガイド部１３先端より噴出させながら、ガイド部１３を挿入する。
【００３６】
ガイド部１３先端より噴出した圧縮空気２０は、カップ３３の底面部３１にいったんぶつかって、カップ３３の側面部３０とガイド部１３の間の微小隙間２２を通り、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２とカール成形部１２の間を通過し、外部へと放出される。このように微小隙間２２や、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２とカール成形部１２の間に、高速で流れる空気の薄い層が形成されていると、カール成形治具１１とカップ３３の間の摩擦係数を著しく小さなものにできる。
【００３７】
ここで、カップ３３の側面部３０とガイド部１３の間の微小隙間２２はなるべく狭くしておくことが望ましい。これは、圧縮空気２０が微小隙間２２を通過する際、微小隙間２２が狭いほうが、圧縮空気２０の流速をより高速にできるが、より流速の大きな空気の層のほうが、カール成形治具１１とカップ３３の間の摩擦係数を小さくできるからである。
【００３８】
この状態で、カール成形部１２を、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２へ押圧する。この際、カップ３３の側面部３０とカール成形治具１１の間には常に圧縮空気２０があり、この圧縮空気が潤滑剤のような役割を果たすので、カップ３３の側面部３０とカール成形治具１１が付着することなく、カール成形がスムーズに行われる。
【００３９】
また、カール成形された上端開口部の周縁部分３２が、カール成形部１２の溝部分にぴったりはまり込むようなことがあったとしても、ガイド部１３先端から供給される圧縮空気２０がカップ３３の内部から外部に逃げようとする際に、この上端開口部の周縁部分３２とカール成形部１２の溝部分の間から出て行くので、この部分は自然に分離する。
【００４０】
図３は、本発明のカール成形装置におけるカール成形治具の第２の実施形態の概略図を示したものである。本実施形態のカール成形治具１１は、ガイド部１３の先端部分に、ガイド部１３の先端部分よりも直径が大きい円盤状のカバー２４を取り付け、また、圧縮空気２０をガイド部１３の側面から噴出させることが可能な側面圧縮空気流路２３を有するものである。
【００４１】
この実施形態では、圧縮空気２０は、側面圧縮空気流路２３によりガイド部１３の側面からのみ噴出する。ガイド部１３の先端部分に取り付けられた円盤状カバー２４は、ガイド部１３の先端部分よりも直径が大きいので、圧縮空気２０は、カップ側面部３０とガイド部１３の間の微小隙間２２のうちの、主に円盤状カバー２４とカップ３３の上端開口部の周縁部分３２の間を流れることになる。このような構成でも第１の実施形態と同様の効果が得られる。
【００４２】
なお、カール成形部１２の曲面溝部分は、摩擦係数の小さい材質で構成したり、あるいは摩擦力を低減させるコーティングを施したりすれば、カール成形をより行いやすくすることが可能である。
【符号の説明】
【００４３】
１…カップ
２…上端開口部の周縁部分
３…潤滑剤塗布ノズル
４…フェルト
５…潤滑剤流路
６…カップ固定治具
７…１段目成形金型
８…２段目成形金型
９…３段目成形金型
７ａ，８ａ，９ａ…曲面状の溝部
１０…トップカール
１１・・・カール成形治具
１２・・・カール成形部
１３・・・ガイド部
２０・・・圧縮空気
２１・・・圧縮空気流路
２２・・・微小隙間
２３・・・側面圧縮空気流路
２４・・・カバー
３０・・・カップ側面部
３１・・・カップ底面部
３２・・・カップ上端開口の周縁部分
３３・・・カップ
４０・・・カップ固定治具
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえば、紙製もしくは樹脂製のカップの製造において、胴部材および底部材の打ち抜きブランクを成形機によりヒートシールあるいは高周波シール等により接着してなるカップの上端開口部の周縁部分にトップカールを成形するカール成形治具およびカール成形装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、紙製もしくは樹脂製のカップは、コールド飲料やホット飲料などの飲料用カップ、納豆やヨーグルト、ラーメンやアイスクリームなどの食品用カップ、尿検査などに使われる検査用カップなどの医療用カップ等、様々な分野で使用されている。いずれの紙製もしくは樹脂製カップにおいても、カップの上端開口部の周縁部分を外側にカールさせるトップカール成形加工を行っている。
【０００３】
このようなトップカール成形加工を行うには、通常、カップ上端開口部の周縁部分の内側、又は、カール成形治具のカール成形部曲面溝部に潤滑剤を塗布した後、カール成形治具を上方よりカップ上端開口部の周縁部分へ押圧することで、カール成形治具のカール成形部曲面溝部の形に沿ってカール形状を形作る加工法が従来から多く行われている。
【０００４】
潤滑剤をカップの上端開口部の周縁部分の内側面、又は、カール成形治具のカール成形部曲面溝部に塗布せずに、カール成形治具を押圧した場合、紙製もしくは樹脂製のカップの胴体部分に座屈が発生する等の問題があり、正常にトップカール成形を行うことは困難である。
【０００５】
また、たとえば、カップの強度を強くするために基材の坪量を上げ、基材の厚さを厚くするといったことが行われているが、カップの成形時の機械適正が悪くなるという問題がある。このため、カップの基材によりトップカール成形の成形性は大きく異なるという問題がある。
【０００６】
さらに、カップ形状によってもトップカール成形性が異なり、カップの側面が底面に対して垂直な形状のカップの上端開口部の周縁部分にトップカールを成形する場合、座屈などの成形不良が発生しやすく、正常にトップカール成形を行うことは困難である。
【０００７】
上記したように、紙製もしくは樹脂製のカップの上端開口部の周縁部分にトップカールを成形する際の機械適正を上げるためには潤滑剤は不可欠である。このため、従来からトップカール成形を行う前に潤滑剤をカップ上端開口部の周縁部分の内側面またはカール成形治具のカール成形部曲面状の溝部に塗布し、トップカール成形を行う際の機械適性を向上させることが多く行われている。
【０００８】
図４は、従来のカップのカール成形装置およびカール成形工程の一例を示したものである。図４において、１はトップカールを成形する略円錐台形のカップ、２はカップ１の上端開口部の周縁部分、３は潤滑剤を塗布するための略円柱状の潤滑剤塗布ノズル、４は潤滑剤塗布ノズル３の周面に設けられ潤滑剤を塗布する環状のフェルト、５は潤滑剤塗布ノズル３内に設けられ外部から供給される潤滑剤をフェルト４に導く潤滑剤流路、６はカップ固定冶具、７はカール成形用の１段目成形金型、７ａは１段目成形金型７に環状に形成された曲面状の溝部、８はカール成形用の２段目成形金型、８ａは２段目成形金型８に環状に形成された曲面状の溝部、９はカール成形用の３段目成形金型、９ａは３段目成形金型９に環状に形成された曲面状の溝部である。
【０００９】
従来のカール成形工程では、図４（ａ）に示すように、潤滑剤塗布ノズル３をカップ１の上端開口部の周縁部分２の内側に配置した後、潤滑剤塗布ノズル３に液状の潤滑剤を供給し、潤滑剤塗布ノズル３に付随しているフェルト４に潤滑剤を浸透させ、潤滑剤を浸透させたフェルト４をカップ１の上端開口部の周縁部分２の内側面のカール成形を行う部分に押し当てることにより、潤滑剤をカップ１の上端開口部の周縁部分２の内側面に塗布する。
【００１０】
その後、図４（ｂ）に示すように、カップ固定治具６によりカップ１を固定した状態で、カップ１の上端開口部の周縁部分２にカップ１の上方から１段目成形金型７を押圧することで、カップ１の上端開口部の周縁部分２をカールさせる。
【００１１】
その後、図４（ｃ）（ｄ）に示すように、同様に２段目成形金型８、３段目成形金型９を順次押圧することで、カップ１の上端開口部の周縁部分２をカールさせる。このカール成形は、座屈防止のため、１段目成形金型７、２段目成形金型８、３段目成形金型９の順に、カールさせる角度を大きくしていくようになっている。図４には、成形金型が１〜３段目の３つある場合を示しているが、この段数は必ずしも３である必要はなく、適宜の数を選択可能である。
【００１２】
このような工程を経ることにより、図４（ｅ）に示すように、カップ１の上端開口部周縁２にトップカール１０が成形されるものである。
【００１３】
このように、従来の潤滑剤を塗布する方法として、たとえば、トップカール成形前に潤滑剤塗布用のノズル３を設置し、ノズル３に潤滑剤を液体で供給し、ノズル３に設置されているフェルト４に潤滑剤を浸透させ、前記フェルト４をカップ１のカール成形部分に押し付けて潤滑剤を塗布するという方法が用いられてきた。この場合、フェルト４には常に潤滑剤を浸透させておかなければならないため、潤滑剤を適時フェルト４へと供給する必要がある。
【００１４】
しかし、フェルト４の状態を把握し、供給する潤滑剤の量を管理するのは難しく、たとえば、潤滑剤を必要な量より多く供給してしまった場合、過剰な潤滑剤がフェルト４から垂れ落ちるといった問題や、過剰に塗布された潤滑剤がカップ１の内面に残留してしまうといった問題が発生することがある。逆に、潤滑剤を必要な量より少なく供給してしまった場合、トップカール加工に必要な潤滑剤が充分に供給されず、トップカール加工の際に座屈などの問題が発生することがある。
【００１５】
上記のような問題を解決するため、以下の機構を持つ塗布装置が公知である（たとえば、特許文献１参照）。すなわち、金型に潤滑剤を塗布する装置であって、潤滑剤供給タンクや潤滑剤を帯電する帯電ガン、各エアの制御を行うコントローラ、潤滑剤を金型内に噴射するためのノズル等の各種機構を備えた金型潤滑剤塗布装置である。
【００１６】
特許文献１に記載されている装置の特徴として、摩擦帯電方式の帯電ガンを使用し、エアの圧力調整を行うことで帯電ガンに輸送する潤滑剤の量を高精度に調整することを可能とし、金型内に付着する潤滑剤の量を均一にできることがあげられる。
【００１７】
また、噴出手前にエアの供給により開閉を行う分割ブロックを備え、噴射されなかった潤滑剤は潤滑剤供給タンクに戻すようにされた回路を設けることで、潤滑剤の塗布装置を停止することなく潤滑剤を潤滑剤供給タンクに戻すことができるようになり、潤滑剤供給タンク内の潤滑剤の量の変動を減らして供給量安定させることで、塗布する潤滑剤の量を均一にできることがあげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１８】
【特許文献１】特開２００１−２２０６０２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１９】
しかし、特許文献１に記載されている装置においては、潤滑剤の塗布にスプレーを用いているため、塗布する潤滑剤の粒径が一定でなく、潤滑剤が場所により付着量に偏りがあるという問題点がある。また、ノズル直前に分割回路を設ける必要があるため、ノズル部分のサイズが大きくなり、成型を行う加工物のサイズによっては使用できないという問題点がある。
【００２０】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、紙製もしくは樹脂製のカップ上端開口部を外側にカールさせる成形治具およびカール成形装置に関し、潤滑剤の使用による、カップ内部への潤滑剤残留の問題を解決するカール成形治具およびカール成形装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【００２１】
本発明の請求項１に係る発明は、胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部先端から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、を有することを特徴とするカール成形治具、である。
【００２２】
また、本発明の請求項２に記載の発明は、胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部側面から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、
前記ガイド部先端に設けられた、前記ガイド部先端よりも直径の大きい円盤状のカバーと、
を有することを特徴とするカール成形治具、である。
【００２３】
また、本発明の請求項３に記載の発明は、前記カップを固定するカップ固定治具と、
請求項１または２に記載のカール成形治具の圧縮空気流路に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、
請求項１または２に記載のカール成形治具を保持し、かつ、前記カップ固定治具に固定されたカップの上端開口部の周縁部分に、前記カール成形部を所定回数押圧する、カール成形治具保持押圧手段と、を有することを特徴とするカール成形装置、である。
【発明の効果】
【００２４】
本発明のカール成形治具は、胴部と底部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分をカール金型に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形工程において、カップ上端部を外側に成形する曲面溝部を有するカール成形部と、該成形部の内側に円筒状に設けられたカップ内側面との隙間を少なくするためのガイド部と、圧縮空気をガイド部からカップ内部へ送り込むことが可能な圧縮空気流路とを有することにより、潤滑剤を用いることなく、カール成形が可能である。
【００２５】
この結果、カップ内側に圧縮空気を送り込むことで、カップ上端部とカール成形治具の成形部との間には、高速で流れる空気の薄膜が形成され、カール成形の際に摩擦係数を著しく低下させることができる。
【００２６】
このため、従来、摩擦力低下を目的として用いられてきた潤滑剤の塗布が不要となり、潤滑剤のカップ内への残留の問題を解決することが可能となった。
【００２７】
また、トップカール成形において、従来３回のカール成形治具の押圧が必要であったが、本発明のカール成形治具を用いることで、２回とすることが可能となり、成形時間の短縮をすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明のカール成形装置におけるカール成形治具の第１の実施形態の概略を示す側面図。
【図２】本発明のカール成形治具を用いてカール成形を行う場合の一例を示した概略図。
【図３】本発明のカール成形治具において、圧縮空気流路がカップ側面方向から噴出する場合の一例を示した概略図。
【図４】従来のカール成形工程の一例を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【００２９】
以下、本発明のカール成形装置の実施形態を、図面を用いて説明する。
【００３０】
図１は、本発明のカール成形装置におけるカール成形治具の第１の実施形態の概略図を示したものである。本実施形態のカール成形治具１１は、カップの上端開口部の周縁部分をカール成形する曲面溝部を有するカール成形部１２と、該カール成形部１２の内側に円筒状に設けられカップ内側面との隙間を少なくするためのガイド部１３と、圧縮空気２０をガイド部１３底面からカップ内部へ送り込むことが可能な圧縮空気流路２１とを有する。
【００３１】
カール成形治具１１の上部の外形は略円柱状であり、ガイド部１３に近い底面側に曲面溝部であるカール成形部１２を有している。また、ガイド部１３は、円柱形状または円錐台形状をしているが、これは、カール成形対象であるカップの内側形状に合わせた形状を選択することが望ましい。
【００３２】
カール成形部１２を有するカール成形治具１１の上部とガイド部１３は、一体的に結合されており、その中央部には圧縮空気流路２１が設けられている。圧縮空気流路２１のカール成形治具１１の上部側入り口より入れられた圧縮空気２０は、圧縮空気流路２１を通り、ガイド部１３先端により噴出することが可能となっている。
【００３３】
図２は、カップ固定治具４０により固定されたカップ３３の上端開口部の周縁部分３２を、カール成形治具１１によりカール成形する様子を模式的に示したものである。カップ３３は、円筒形状もしくは円錐台形状で、側面部３０と底面部３１を有しており、側面部３０の上端開口部の周縁部分３２がカール成形の対象である。
【００３４】
カップ固定治具４０はその内部にカップ３３を収めて位置決め固定することが可能な内部形状を有している。したがってカップ固定治具４０は、カール成形対象であるカップ３３の外形状に合わせた内部形状を持つものを選択することが望ましい。また、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２をカール成形する際に、カール成形治具１１のカール成形部１２付近と接触しない高さである必要がある。
【００３５】
カップ固定治具４０の内部に、カップ３３が収められて位置決め固定されると、カップ３３内部にカール成形治具１１のガイド部１３が挿入される。このとき、圧縮空気２０を圧縮空気流路２１に供給してガイド部１３先端より噴出させながら、ガイド部１３を挿入する。
【００３６】
ガイド部１３先端より噴出した圧縮空気２０は、カップ３３の底面部３１にいったんぶつかって、カップ３３の側面部３０とガイド部１３の間の微小隙間２２を通り、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２とカール成形部１２の間を通過し、外部へと放出される。このように微小隙間２２や、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２とカール成形部１２の間に、高速で流れる空気の薄い層が形成されていると、カール成形治具１１とカップ３３の間の摩擦係数を著しく小さなものにできる。
【００３７】
ここで、カップ３３の側面部３０とガイド部１３の間の微小隙間２２はなるべく狭くしておくことが望ましい。これは、圧縮空気２０が微小隙間２２を通過する際、微小隙間２２が狭いほうが、圧縮空気２０の流速をより高速にできるが、より流速の大きな空気の層のほうが、カール成形治具１１とカップ３３の間の摩擦係数を小さくできるからである。
【００３８】
この状態で、カール成形部１２を、カップ３３の上端開口部の周縁部分３２へ押圧する。この際、カップ３３の側面部３０とカール成形治具１１の間には常に圧縮空気２０があり、この圧縮空気が潤滑剤のような役割を果たすので、カップ３３の側面部３０とカール成形治具１１が付着することなく、カール成形がスムーズに行われる。
【００３９】
また、カール成形された上端開口部の周縁部分３２が、カール成形部１２の溝部分にぴったりはまり込むようなことがあったとしても、ガイド部１３先端から供給される圧縮空気２０がカップ３３の内部から外部に逃げようとする際に、この上端開口部の周縁部分３２とカール成形部１２の溝部分の間から出て行くので、この部分は自然に分離する。
【００４０】
図３は、本発明のカール成形装置におけるカール成形治具の第２の実施形態の概略図を示したものである。本実施形態のカール成形治具１１は、ガイド部１３の先端部分に、ガイド部１３の先端部分よりも直径が大きい円盤状のカバー２４を取り付け、また、圧縮空気２０をガイド部１３の側面から噴出させることが可能な側面圧縮空気流路２３を有するものである。
【００４１】
この実施形態では、圧縮空気２０は、側面圧縮空気流路２３によりガイド部１３の側面からのみ噴出する。ガイド部１３の先端部分に取り付けられた円盤状カバー２４は、ガイド部１３の先端部分よりも直径が大きいので、圧縮空気２０は、カップ側面部３０とガイド部１３の間の微小隙間２２のうちの、主に円盤状カバー２４とカップ３３の上端開口部の周縁部分３２の間を流れることになる。このような構成でも第１の実施形態と同様の効果が得られる。
【００４２】
なお、カール成形部１２の曲面溝部分は、摩擦係数の小さい材質で構成したり、あるいは摩擦力を低減させるコーティングを施したりすれば、カール成形をより行いやすくすることが可能である。
【符号の説明】
【００４３】
１…カップ
２…上端開口部の周縁部分
３…潤滑剤塗布ノズル
４…フェルト
５…潤滑剤流路
６…カップ固定治具
７…１段目成形金型
８…２段目成形金型
９…３段目成形金型
７ａ，８ａ，９ａ…曲面状の溝部
１０…トップカール
１１・・・カール成形治具
１２・・・カール成形部
１３・・・ガイド部
２０・・・圧縮空気
２１・・・圧縮空気流路
２２・・・微小隙間
２３・・・側面圧縮空気流路
２４・・・カバー
３０・・・カップ側面部
３１・・・カップ底面部
３２・・・カップ上端開口の周縁部分
３３・・・カップ
４０・・・カップ固定治具
【特許請求の範囲】
【請求項１】
胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部先端から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、を有することを特徴とするカール成形治具。
【請求項２】
胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部側面から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、
前記ガイド部先端に設けられた、前記ガイド部先端よりも直径の大きい円盤状のカバーと、
を有することを特徴とするカール成形治具。
【請求項３】
前記カップを固定するカップ固定治具と、
請求項１または２に記載のカール成形治具の圧縮空気流路に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、
請求項１または２に記載のカール成形治具を保持し、かつ、前記カップ固定治具に固定されたカップの上端開口部の周縁部分に、前記カール成形部を所定回数押圧する、カール成形治具保持押圧手段と、を有することを特徴とするカール成形装置。
【請求項１】
胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部先端から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、を有することを特徴とするカール成形治具。
【請求項２】
胴部と底面部が結合されているカップの上端開口部の周縁部分を、カール成形治具に施されている曲面状の溝部に沿って外側にガイドさせながら巻き込むことによりトップカール部を成形するトップカール成形装置において、
前記カップの上端開口部の周縁部分を外側にカール成形する曲面溝部を有するカール成形部と、
前記カール成形部の下部に設けられ前記カップの開口部から挿入される円筒状のガイド部と、
前記ガイド部側面から前記カップ内部へ圧縮空気を送り込むことが可能な圧縮空気流路と、
前記ガイド部先端に設けられた、前記ガイド部先端よりも直径の大きい円盤状のカバーと、
を有することを特徴とするカール成形治具。
【請求項３】
前記カップを固定するカップ固定治具と、
請求項１または２に記載のカール成形治具の圧縮空気流路に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、
請求項１または２に記載のカール成形治具を保持し、かつ、前記カップ固定治具に固定されたカップの上端開口部の周縁部分に、前記カール成形部を所定回数押圧する、カール成形治具保持押圧手段と、を有することを特徴とするカール成形装置。
【図４】
【図１】
【図２】
【図３】
【図１】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１１−１７３３０２（Ｐ２０１１−１７３３０２Ａ）
【公開日】平成２３年９月８日（２０１１．９．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−３８３９２（Ｐ２０１０−３８３９２）
【出願日】平成２２年２月２４日（２０１０．２．２４）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年９月８日（２０１１．９．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年２月２４日（２０１０．２．２４）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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