説明

ガスセル型原子発振器

【課題】 原子発振器の出力する安定な周波数の信号を使う場所が離れている場合に、その信号を長い同軸ケーブルで搬送していた。外部環境が同軸ケーブルに影響して発生する信号の周波数の揺らぎを削減する。
【解決手段】金属原子に対する励起光を出力する光源部1を設置する。その場所から離れて設置された原子共鳴部30には、該光源部1からの出射光を伝播させる光ファイバ33,34から出射される励起光と共鳴マイクロ波とを入力する。原子共鳴部30は、光マイクロ波二重共鳴を起し、その際に生じる共鳴周波数を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型・簡素にして高い周波数安定度が得られるガスセル型原子発振器に係り、
特に、安定な周波数出力を使用する場所が複数箇所あり、光源部から遠く離れた場合となるガスセル型原子発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガスセル型原子発振器について、同一出願人による特許文献1を用いて説明する。ガスセル型原子発振器は、原子固有の共鳴周波数を周波数基準とした極めて安定度の高い発振器である。共鳴信号の信号対雑音比(S/N)が高いため短期周波数安定度に優れているものが商用化されており、基準周波数を得るための原子としては、主にルビジウムが使用されている。ガスセル型原子発振器の基本構成について図4及び図5を用いて説明する。なお、図4は全体の基本構成図、図5は基本構成中の二重共鳴部2の二重共鳴共振器2c部分を示す断面模式図である。
【0003】
図4、図5において、電圧制御水晶発振器5から出力された信号周波数f1 の信号は周波数合成・逓倍回路4に入力されて、二重共鳴部2の中のガスセル21に封入されている原子の共鳴周波数f2 に近いマイクロ波信号(周波数N×f1 )に変換される。このマイクロ波信号は、二重共鳴部2内の二重共鳴共振器2cに入力されて、二重共鳴共振器2c内の空洞共振器22を励振する。また光源部1から出射されたレーザ光は、二重共鳴部2内の二重共鳴共振器2cへ励起光として照射される。二重共鳴共振器2c内では、光およびマイクロ波による二重共鳴現象が生じ、二重共鳴部2からは、加えられたマイクロ波信号の周波数N×f1 と原子の共鳴周波数f2 との周波数差( N×f1 −f2 )に比例した信号が誤差信号として出力される。
【0004】
信号処理制御装置3は、この周波数差がゼロになるように電圧制御水晶発振器5の発振周波数を制御する。この結果、電圧制御水晶発振器5からは標準となる周波数f1 を有する信号(標準周波数出力)が出力される。二重共鳴部2に含まれている温度制御回路2aは、ガスセル21を恒温化するためにヒータ26へ電力を供給し、また同様に静磁場発生回路2bはガスセル21に直流平行磁場(静磁場)を与えるために静磁場コイル27へ電流を供給している。
【0005】
次に、二重共鳴共振器2cの構成について、図5を用いて説明する。空洞共振器22の中には、アルカリ金属が封入されたガスセル21が収容されている。アルカリ金属としては、共鳴マイクロ波周波数が6.83GHz付近であるルビジウム原子(以下、「Rb」と記す。)が一般に利用されているが、共鳴マイクロ波周波数が9.19GHz付近であるセシウム原子(以下、「Cs」と記す。)を利用することで、空洞共振器22の小型化が図れる。以下の説明は、Csを例にとり説明しているが、Rbの場合でも構成は同じである。空洞共振器22は、非磁性体の金属でなる同筒状であり、その一端には光源部1からの励起光を採り入れる光入力窓28が設けられ、また他端には光入力窓28に対向する位置にガスセル21を透過したレーザ光を受光するための光検出器23が備えられている。また空洞共振器22の内部には、周波数合成・逓倍回路4からのマイクロ波信号を入力するためのマイクロ波アンテナ24およびガスセル21の温度を検出するための温度センサ29が備えられている。
【0006】
空洞共振器22の外周には、ガスセル21に静磁場を与えるための静磁場コイル27が巻回されている。空洞共振器22と静磁場コイル27は、複数の磁気シールド槽25,25に収容されている。複数の磁気シールド槽25,25は、一端に光源部1からのレーザ光からなる励起光をとり入れるための光入力窓28がそれぞれ設けられ、かつ他端が閉塞された形状の強磁性体材料でなる金属ケースであり、外部磁場および周辺制御回路からの発生磁場を遮断する。最内層の磁気シールド槽25の外周には、ガスセル21と空洞共振器22を加熱し恒温化するためのヒータ26が巻回されている。ヒータ26は、温度センサ29によって検出される温度が一定となるように温度制御回路2aから印加される電圧が制御されている。温度は、例えば常温より高い30〜70℃の間の所定温度で一定になるように制御されているが、これはガスセル21に封入されている金属原子を蒸気の状態にし、励起光の吸収量を増すためである。
【0007】
LD励起方式を用いた場合の光源部1について、図6の光源部の光学系および制御系のブロック図を用いて説明する。図6において、LD11の波長安定化には、Csのみを封入した基準セル18の吸収特性を用いており、吸収特性を得るための方法としては、線形吸収分光法と飽和吸収分光法とがある。
【0008】
(線形吸収分光法の説明)
変調信号発生器15から出力された変調信号を、LD11に加わる注入電流に加算器13を介して重畳し、レーザ光を周波数変調する。光検出器17は、基準セル18を透過したレーザ光に含まれた変調信号成分を検出し、増幅器16を介して制御手段14に入力される。制御手段14は、増幅器16からの電圧出力信号に含まれた変調信号成分を変調信号発生器15から出力された変調信号により同期検波し、その同期検波出力がゼロとなるようレーザ制御器12へ帰還を行う。なお、異なる変調方式として、基準セル18に変調磁場を発生させ、ガスの吸収スペクトル自体を変調しても同様の効果が得られる。
【0009】
(飽和吸収分光法の説明)
この方法は、前述の線形吸収分光法による出力波長の短期安定度をさらに向上させるものである。LD11から出射されたレーザ光の光路をビームスプリッタ19aで分岐し、一方の分岐光は基準セル18を透過し光検出器17に入射される。もう一方の分岐光はビームスプリッタ19b、ミラー19c、ビームスプリッタ19dを介して基準セル18へ入射される。この入射光とビームスプリッタ19aで分岐された前記一方の分岐光とは、基準セル18の中において、進行方向は互いに反対向きで、かつ、ほぼ重なり合うようにする。この場合、上記入射光および分岐光のどちらか一方のレーザ光で分子の吸収が飽和状態となると、他方のレーザ光(この場合プローブ光となる)による光の吸収量が減少する。このプローブ光にもたらされる飽和吸収特性を光検出器17で受光し、増幅器16より電圧出力信号を得る。レーザ制御器12にてLD11の注入電流を変化させることによってレーザ光の出力波長をスイープして、線形吸収成分を含んだ飽和吸収スペクトルが観測される。一つの飽和吸収スペクトルの半値全幅は線形吸収スペクトルの半値全幅の約1/100である。このため、LD11の出力波長を制御する際、飽和吸収スペクトルを用いると狭線幅化により安定度が大幅に改善できる。
【特許文献1】特許第3631410公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のガスセル型原子発振器にも、まだ解決すべき課題がある。原子発振器の出力する安定な周波数の信号を使う場所が離れている場合に、長い同軸ケーブルで信号を搬送していた。そのため、外部環境が同軸ケーブルに影響して、信号の周波数が揺らいでしまう。
【0011】
本発明は、外部環境が同軸ケーブルに影響して発生する信号の周波数の揺らぎを削減したガスセル型原子発振器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、標準周波数出力を、離れた場所に搬送するのではなく、標準周波数出力を出力する原子共鳴部を離れた場所に設置した。そして、光源部からの励起光を、光ファイバを用いて遠くにある原子共鳴部に入射する構成とした。
【0013】
具体的には、本願発明の請求項1のガスセル型原子発振器は、
金属原子に対する励起光を出力する光源部と、該光源部からの出射光を伝播させる光ファイバと、該金属原子を封入したガスセルを有し、該光ファイバから出射される励起光と共鳴マイクロ波とを入力させて、光マイクロ波二重共鳴を起こさせ、その際に生じる共鳴周波数を周波数の基準に用いる原子共鳴部とから構成される。
【0014】
本願発明の請求項2のガスセル型原子発振器は、請求項1に加え、
前記光ファイバに光分岐手段を設けて、分岐された複数の光ファイバ各々に複数の原子共鳴部を備えた。
【0015】
本願発明の請求項3のガスセル型原子発振器は、請求項1または請求項2のガスセル型原子発振器に加え、
前記光ファイバから出射された励起光が前記原子共鳴部に入射する光路に、励起光の出力を調整する光量調整手段を備えた。
【0016】
本願発明の請求項4のガスセル型原子発振器は、請求項1乃至請求項3のガスセル型原子発振器において、
前記原子共鳴部が、CPT方式による原子共鳴を生じさせる原子共鳴部とした。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に係るガスセル型原子発振器は、原子発振器が小型化でき、光源部と離れた場所で、原子発振器の安定な周波数を使うことができる。つまり、光源部を温度安定性のある場所に設置し、原子共鳴部を離れた任意の場所に設置できる。先に述べたように、原子共鳴部は通常、常温より高い30℃〜70℃で恒温化されている(0006)。従って、原子共鳴部の設置場所に温度変化が生じても、共鳴セルが受ける影響は少ない。対して、光源部は温度の影響を原子共鳴部より受けやすい。LDを含めた光学系は、光学部品の過干渉性の問題で、温度変化による励起光波長変化が生じてしまう。そのため、光学系である光源部の設置場所の温度安定性が必要であり、そうでない場合は、光学系の温度安定化制御を施さなければならなくなる。
【0018】
さらに請求項2に係るガスセル型原子発振器は、1つの励起光源を複数の原子発振器に利用する経済効果、および、原子発振器から出力される周波数安定度が向上する。励起光源部を共鳴部から切り離して光ファイバで接続することにより、装置の小型化が図れる。レーザ励起のガスセル型原子発振器において、光源部の占める割合は、制御系を含めて1/3程度となる。従って光源部の分離し設置した状態で使用できれば、小型化が図れる。
【0019】
また、光源部から光ファイバを分岐することにより、複数の共鳴部を接続でき、安定な周波数を異なる場所で同時に得ることができる。光源部のLDを長期間使用すると性能劣化(例えば、ノイズ増加、発振線幅増加)が生じ、LD自体の交換が必要となる。共通の一つのLDを交換すれば、複数の原子共鳴部が同時にメンテナンスされたことになり、コスト削減効果がある。
【0020】
さらに請求項3に係るガスセル型原子発振器は、原子共鳴部に入射する励起光の出力を調整することができ、励起光の強度変動による共鳴マイクロ波周波数の光パワーシフトが生じてしまうことがない。
【0021】
さらに請求項4に係るガスセル型原子発振器は、二重共鳴方式よりもさらに小型化が図れる。これは、CPT方式では、空洞共振器が不要となるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を、図1を用いて説明する。図1は本発明のガスセル型原子発振器の構成図である。光源部1から出射された光は、光ファイバ33で伝搬され光分岐手段31に入射する。入射された光は光分岐手段31で複数に分岐される。分岐されたそれぞれの光は、光ファイバ34により伝搬され原子共鳴部30に入射される。この原子共鳴部30は、図4で説明した、二重共鳴部2、信号処理制御装置3、周波数合成・逓倍回路4、電圧制御水晶発振器5で構成され、電圧制御水晶発振器5からは標準となる周波数f1 を有する信号(標準周波数出力)が出力される。
【0023】
また、各原子共鳴部30に入射する光量は、それぞれ同じ条件とすることが望ましい。しかし、分岐手段31で分岐され各原子共鳴部30に入射する光の光量は、その伝搬する光ファイバ34により異なり、それぞれの原子共鳴部30は、異なる光量の光を入射することになる。光源部1から出射す光の光量を、光ファイバ34等による減衰が最も大きい
原子共鳴部30に最適なとなる光量とする。各原子共鳴部30に入射する前に光量調整手段32を配置し、その各光量調整手段32により各原子共鳴部30に最適な光量となるよう調整する。光量調整手段32は、例えば光減衰器(NDフィルタ)を用いる。
【0024】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を、図2を用いて説明する。図1と異なる構成を説明する。図2は一つの原子共鳴部30を光源部1と同一場所(例えば、同一筐体)とし、他の原子共鳴部30を異なった場所に配置する実施形態である。光源部1から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ35で分岐される。分岐された一方のレーザ光は光調整手段32を介して、原子共鳴部30に入射する。また、分岐された他方のレーザ光はレンズ36で集光され光ファイバ33に入射し、光分岐手段31まで伝搬され、複数に分岐される。分岐されたそれぞれのレーザ光は、光ファイバ34により伝搬され原子共鳴部30に入射される。
【0025】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態を、図3を用いて説明する。第3の実施形態は、本発明の特徴である、光源部から出射された励起光を光ファイバで伝搬して、遠くに設置された共振器に入射させる構成を、CPT(Coherent Population Trapping)方式(変調したレーザ光で原子を励起する方式)のガスセル型原子発振器に用いた実施形態である。
【0026】
図3は、第1のCPT方式原子共鳴部40を光源部41と同一場所(例えば、同一筐体)とし、第2のCPT方式原子共鳴部40’ を異なった場所に配置する実施形態である。光源部41から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ35で分岐される。分岐された一方のレーザ光は、外部変調器43により周波数合成・逓倍回路48からの信号で変調される。その変調されたレーザ光は光量調整手段50、λ/4板51を透過して、励起光として共鳴部44に入射する。共鳴部44は、誤差信号を光源制御装置45、マイクロ波制御装置46に出力する。
【0027】
マイクロ波制御装置46は、誤差信号がゼロになるように、電圧制御水晶発振器47を制御する。制御された電圧制御水晶発振器47の出力は、標準周波数出力となると共に、前述の周波数合成・逓倍回路48に入力される。周波数合成・逓倍回路48は、電圧制御水晶発振器48の安定化のための変調信号と、マイクロ波信号とを、外部共振器43に出力する。外部共振器43は、マイクロ波信号の周波数(例えば4.6GHz)程度の位相変調または強度変調を行う。
【0028】
また、光源制御装置45は、光源部41内のLD安定化のための変調信号(fmod)と、注入電流制御信号(ΔI)を注入電流源42に出力する。注入電流源42は、バイアス電流Iと、光源制御装置45から受領した変調信号(fmod)と、注入電流制御信号(ΔI)と加算し、LD制御信号(I+ΔI+fmod)として光源部41に出力する。
【0029】
ビームスプリッタ35で分岐された他方のレーザ光は、レンズ52で集光し光ファイバ53に入射され、第2のCPT方式原子共鳴部40’ の設置場所に伝搬される。伝搬されたレーザ光は、光量調整手段50で適切な光量に調整される。調整されたレーザ光は、外部変調器43により周波数合成・逓倍回路48からの信号で変調される。その変調されたレーザ光はλ/4板51を透過して、励起光として共鳴部44に入射する。共鳴部44は、誤差信号を光源制御装置45、マイクロ波制御装置46に出力する。
【0030】
マイクロ波制御装置46は、誤差信号がゼロになるように、電圧制御水晶発振器47を制御する。制御された電圧制御水晶発振器47の出力は、標準周波数出力となると共に、前述の周波数合成・逓倍回路48に入力される。周波数合成・逓倍回路48は、電圧制御水晶発振器48の安定化のための変調信号と、マイクロ波信号とを、外部共振器43に出力する。外部共振器43は、マイクロ波信号の周波数(例えば4.6GHz)程度の位相変調または強度変調を行う。
【0031】
なお、偏波が変わるとλ/4板51を透過したレーザ光の光量が変化してしまうため、光ファイバ53は偏波保持ファイバとする。
【0032】
CPT方式のガスセル型原子発振器は、原子の電磁的な固有振動を基準とする時間標準周波数発生システムであって、小型化、省電力化に適し、将来的にクロック、ウオッチの周波数源(原子時計)への応用の可能性を有する。
【0033】
[第4の実施形態]
安定度性能の向上のために、励起光の光強度の均一性が重要である。しかし、励起光の強度分布の不均一性をなくすため、励起光の平行光調整に時間がかかった。特に、光源部1から離れた場所に設置される原子共鳴部30のガスセル21に対して、光軸が平行になるように光軸合わせをすることは難しい。そこで、第4の実施形態は、第1の実施形態から第3の実施形態のそれぞれに対し内側の磁気シールド槽25に設けられた光入力窓28に、光拡散板(図示せず)を挿入してある。励起光であるレーザ光を、拡散板により拡散させると、ある方向にはコヒーレントな光が数多くの方向に散乱される。
【0034】
各光ファイバからレーザ光が光拡散板に入射され、レーザ光が多くの方向に拡散して出射され、ガスセル21に均一に入射される。その結果、ガスセル21内の光強度の分布が均一となり、二重共鳴セル吸収スペクトルは、理想に近いものとなり、ガスセル型原子発振器は、高い周波数安定度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す構成図である。
【図4】従来のガスセル型原子発振器の基本構成図である。
【図5】従来の二重共鳴共振器の構成を示す断面模式図である。
【図6】従来の光源部の光学系および制御系のブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
1、41・・・光源部、2・・・二重共鳴部、2a・・・ 温度制御回路、2b・・・ 静磁場発生回路、2c・・・ 二重共鳴共振器、3・・・信号処理制御装置、4、48・・・周波数合成・逓倍回路、5、47・・・電圧制御水晶発振器、11・・・LD(半導体レーザ)、12・・・レーザ制御器、13・・・加算器、14・・・制御手段、15・・・変調信号発生器、16・・・増幅器、17・・・光検出器、18・・・基準セル、19a、19b、19d、35、49・・・ ビームスプリッタ、19c・・・ミラー、21・・・ガスセル、22・・・空洞共振器、23、34b・・・光検出器、24・・・マイクロ波アンテナ、25・・・磁気シールド槽、26・・・ヒータ、27・・・静磁場コイル、28・・・光入力窓、29・・・温度センサ、30、40、40’・・・原子共鳴部、31・・・光分岐手段、32、50・・・光量調整手段、33、34、53・・・光ファイバ、36、52・・・レンズ、42・・・注入電流源、43・・・外部変調器、44・・・共鳴部、45・・・光源制御装置、46・・・マイクロ波制御装置、51・・・λ/4板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光からなる励起光を出射する光源部(1)と、該励起光を入射し共鳴マイクロ波を入力させて、光マイクロ波二重共鳴を起こさせ、その際に生じる共鳴周波数を周波数の基準に用いる原子共鳴部(30)とを備えたガスセル型原子発振器において、前記光源部からの出射された励起光を前記原子共鳴部に入射するために伝播する光ファイバ(33、34)を備えたことを特徴とするガスセル型原子発振器。
【請求項2】
前記光源部からの出射された励起光を、複数の光ファイバに分岐し、該複数の光ファイバに接続される複数の前記原子共鳴部に入射させるための分岐手段(31、35、36)を備えたことを特徴とする前記請求項1記載のガスセル型原子発振器。
【請求項3】
前記光ファイバから出射された励起光が前記原子共鳴部に入射する光路に、励起光の出力を調整する光量調整手段(32)を備えたことを特徴とする前記請求項1、又は請求項2記載のガスセル型原子発振器。
【請求項4】
前記原子共鳴部が、CPT方式による原子共鳴を生じさせる原子共鳴部であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項3記載のガスセル型原子発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−263362(P2008−263362A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103980(P2007−103980)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】