説明

ガスセンサ

【目的】 感ガス素子の各電極ピンへの配線作業を容易にし、機器に実装する際の自由度を高め、省スペース化も図る。
【構成】感ガス素子と電気的に接続してその感ガス素子を支持する複数本の電極ピン71,72を含む電極ピンを、それぞれマウントベース(図ではバネ性ホルダ12の下側にある)の一方の面から他方の面(背面)に貫通させて支持し、その各電極ピンの端部をスペーサ4の透孔4aを通して溝4b内に突出させ、その突出した部分に、それぞれマウントベースの背面に平行(ホルダ基板11にも平行)な方向に延びる複数本のアウトリード51〜53を、各接続部51a,51b,52a,53aで接続し、押え部材6を被せてバネ性ホルダ12でホルダ基板11に固定・保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種ガス漏れや毒性ガスの検知、排気ガスや大気汚染等の監視、各種工程の監視等、広範な用途に使用されるガスセンサ、特に燃焼装置において不完全燃焼時に発生する一酸化炭素(CO)ガス、あるいは燃料電池自動車(FCV)における水素ガスの漏れなどを、精度よく検出するガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水素ガスやメタンガスあるいは一酸化炭素ガス等の可燃性ガスを検知するセンサとして、接触燃焼式ガスセンサや半導体式ガスセンサ等がある。これらのガスセンサはいずれも、可燃性ガスを検知するのに利用される熱源を内蔵している。
接触燃焼式ガスセンサは、例えば特許文献1に記載されているように、熱源として燃焼触媒を備えたヒーターコイルからなる感ガス素子(検知素子)を有しており、この燃焼触媒上で生成される可燃性ガスの接触燃焼熱によるヒーターコイルの抵抗値変化を電圧変化として出力することにより、可燃性ガスの存在を検知するものである。
【0003】
また、半導体式ガスセンサは、熱源として半導体層を備えたヒーターコイルからなる感ガス素子を有しており、この半導体層における可燃性ガスの吸着現象により発生する半導体層の電気伝導度変化を電圧変化として出力することにより、可燃性ガスの存在を検知するものである。
これらの既存のガスセンサにおいては、上述したように可燃性ガスを検知するための熱源があり、その熱平衡性能の安定化を図り、また可燃性ガスに対する防爆性能を確保するために、金網、金属焼結体または多孔質セラミックス等で構成されたガス透過性キャップが装備されている。
【0004】
さらに、周囲温度の変化による影響を補償するために、上記検知素子と直列に補償素子を接続し、2個の抵抗を直列に接続した直列回路と並列に接続してホイートストンブリッジ回路を構成し、その並列回路の両端間に直流電圧を印加し、検知素子と補償素子の接続点と2個の抵抗の接続点との間の電圧を検出するようにしたガス検知装置も、特許文献1に記載されている。この場合の補償素子としては、検知素子と同じ電気的特性をもつヒータコイルを酸化触媒の被覆も担持もしない熱伝導層中に埋設したものを使用する。
【0005】
一方、これらの既存のガスセンサには、ガス透過性を有さない合成樹脂製のマウントベースが設けられている。このマウントベースは、上述した検知素子及び補償素子の両端子と電気的に接続してそれらを支持する一対ずつの電極ピンを貫通させた状態で支持し、検知素子及び補償素子をガス透過性キャップ内に対向させて保持する。
このように、検知素子と補償素子が同一筐体内に設置される場合、両素子の熱干渉を防止するために、金属製または合成樹脂製の熱遮蔽板が両素子の間に装備されている。
【0006】
しかし、このようなガスセンサにおけるガス透過性キャップは、環境要因に対する検知素子の防護の機能を有するが、その一方で、ガス透過性に制限を生じるため、センサの応答性能を損なう原因にもなる。また、既存のマウントベースは、検知対象ガスがセンサ内部へ透過するにあたっては何ら貢献していないため、センサの応答性能に寄与しない。さらに、接触燃焼式ガスセンサにおける熱遮蔽板は、検知素子と補償素子の相互の断熱を目的として設けられているが、その一方で、センサ内部における両素子の雰囲気環境を遮断してしまうため、ガスセンサの温湿度特性に対する出力電圧の安定性に対しては必ずしも好ましいとはいえない。
【0007】
そこで、例えば特許文献2に記載されているように、上述したようにキャップ、マウントベースおよび熱遮蔽板を備えたガスセンサにおいて、それらを全てセラミックス、好ましくは多孔質セラミックスで構成することにより検知対象ガスがセンサ内部に全方向から流入可能にし、ガスセンサ内部のガス濃度を周囲環境のそれに高速で一致させ、それによってガスセンサ出力の応答性能を向上させるようにしたものも提案されている。
【0008】
また、COやNOxを検出するガスセンサとして、例えば特許文献3に見られるような固体電解質ガスセンサも多用されている。その感ガス素子であるセンサ本体は、ヒータ基板と固体電解質ペレットからなり、その固体電解質ペレットのヒータ基板側とその反対側にそれぞれ設けた基準極と検出極をリード線で一対の電極ピンに接続し、その電極ピンがベースを貫通して支持されることによって、センサ本体がカバー内に宙ずりで保持されている。
【特許文献1】特開平3−162658号公報
【特許文献2】特開2006−126160号公報
【特許文献3】特開2006−47230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来のガスセンサは、いずれも上述したように感ガス素子の電極ピン、あるいはさらに補償素子の各電極ピンもマウントベースを貫通して支持され、その各基端部がマウントベースの背面から垂直に一定の長さだけ突出している。そのため、各電極ピンが近接しており、しかもその材質が一般にステンレス鋼の一種であるハステロイ等の半田付けが困難なものであるため、各電極ピンと検出回路との配線の作業性が悪いという問題があった。また、機器に実装する際の自由度も低く、余分なスペースを要する場合もあった。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、感ガス素子の各電極ピンへの配線作業、あるいはさらに補償素子の各電極ピンへの配線作業も容易にし、機器に実装する際の自由度を高め、省スペース化も図ることを第1の目的とする。
【0010】
また、従来のガスセンサでは、各電極ピンを直接あるいはその中間部に固着したピンステイを、マウントベースに形成した透孔に圧入したり、ガラス接着剤等で接着してマウントベースに固定していたため、前者の場合は圧入時に感ガス素子や補償素子あるいはピンステイやマウントベースを破損する恐れがあり、後者の場合は耐熱性が不十分になり、いずれの場合も組付けの作業性が悪いという問題もあった。
この発明はこのような問題も解決し、感ガス素子や補償素子の各電極ピンをマウントベースに固定させる作業を簡単に破損の恐れなくでき、且つ十分な耐熱性も得られるようにすることも第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明によるガスセンサは、上記第1の目的を達成するため、感ガス素子と、その感ガス素子と一端部で電気的に接続して該感ガス素子を支持する複数本の電極ピンと、その複数本の電極ピンをそれぞれ一方の面から他方の面に貫通させて支持する絶縁材からなるマウントベースと、そのマウントベースの上記感ガス素子を含む上記一方の面側の領域を覆うように該マウントベースに固着されたガス透過性を有するカバー部材とを備えたガスセンサにおいて、
上記複数本の電極ピンにおける上記マウントベースの上記他方の面側に突出した部分に、それぞれ該マウントベースの上記他方の面に平行な方向に延びるアウトリードを接続して設けたことを特徴とする。
【0012】
上記ガスセンサにおいて、上記マウントベースの上記各電極ピンが突出する側に、その各電極ピンを貫通させると共に上記各アウトリードを支えるスペーサと、そのスペーサの上記各アウトリードを支える側の略全面を覆う押さえ部材とを設け、その該押さえ部材とスペーサとがいずれも絶縁材でできているとよい。
【0013】
また、感ガス素子と電気的に接続して該感ガス素子を支持する複数の電極ピンを絶縁材からなるピンステイを貫通させて平行に保持した感ガス素子ユニットと、上記ピンステイを嵌合させて保持するマウントベースと、そのマウントベースの一方の面側に固着され、上記感ガス素子ユニットの感ガス素子側を覆うガス透過性を有するカバー部材と、そのカバー部材を突出させる開口を有し、上記マウントベースを固定して保持するホルダとを備えたガスセンサ、あるいはさらに補償素子の両端子と電気的に接続して該補償素子を支持する一対の電極ピンを耐熱絶縁材からなる第2のピンステイを貫通させて平行に保持した補償素子ユニットも備えたガスセンサにおいても、
上記マウントベースの他方の面側に突出する上記感ガス素子ユニットの電極ピン、あるいはさらに上記補償素子ユニットの電極ピンに、それぞれ上記マウントベースの他方の面に平行な方向に延びるアウトリードを接続して設けるとよい。
【0014】
上記電極ピンとアウトリードとは、上記電極ピンの先端面と前記アウトリードの一部を扁平にした部分とが当接し、その当接部がレーザ溶接によって接続されているとよい。
あるいは、上記電極ピンとアウトリードとは、上記電極ピンのマウントベースからの突出部の外周面と、アウトリードの一端部が折り曲げられて電極ピンと平行になった部分の外周面とが互いの中心軸線に沿って当接し、その当接部がレーザ溶接によって接続されていてもよい。
【0015】
上記ホルダの上記各電極ピンが突出する側に、その各電極ピンを貫通させると共に上記各アウトリードを支えるスペーサと、そのスペーサの各アウトリードを支える側の略全面を覆う押さえ部材とを設け、その押さえ部材とスペーサとがいずれも絶縁材でできているとよい。
上記ホルダには、上記スペーサの外周面を保持する複数のスペーサ保持片と、上記押さえ部材を上記スペーサ側に押圧して係止する複数の押さえ部材係止片とがバネ性を有する金属板によって一体に形成されているとなおよい。
【0016】
上記スペーサと押さえ部材を設けたガスセンサにおいて、上記スペーサの各アウトリードを支える側の面に、あるいは上記押さえ部材のスペーサに当接する側の面に、上記各アウトリードをガイドする溝を形成するとよい。
さらに、上記押さえ部材のスペーサに当接しない側の面に表面積を増加するための複数の溝又は凹凸を形成してもよい。
上記スペーサと押さえ部材の少なくとも一方がセラミックス又は多孔質セラミックスでできているとなおよい。
上記カバー部材が多孔質セラミックスでできているとよく、上記マウントベースはセラミックス又は多孔質セラミックスでできているとよい。
【0017】
上記マウントベースは、上記ピンステイあるいは上記第1のピンステイと第2のピンステイを嵌合させる嵌合用スロットを有し、その嵌合用スロットは、上記マウントベースの上記他方の面側から厚さ方向の途中までは上記ステイの外周形状と同等か若干大きい開口形状であり、該途中から前記一方の面側は開口形状が縮小して段差部を形成しており、その嵌合用スロットに上記ピンステイあるいは上記第1のピンステイと第2のピンステイを嵌合させる際に上記感ガス素子あるいはそれと補償素子が通過するための逃げとなる切欠部を上記段差部に形成するのが望ましい。
【0018】
また、上記ホルダとマウントベースとの間に、上記嵌合用スロットに嵌合した上記ピンステイあるいは上記第1のピンステイと第2のピンステイを背面から押圧して上記段差部に押し付ける押さえバネを介装するのが望ましい。
前記感ガス素子と補償素子を備えたガスセンサにおいては、上記ベースに、上記キャップ内における上記感ガス素子と補償素子とを断熱するための熱遮蔽板を設けるのが望ましい。その熱遮蔽板がセラミックス又は多孔質セラミックスでできているとよい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によるガスセンサは、マウントベースの背面から突出する少なくとも感ガス素子の各電極ピンに、それぞれマウントベースの背面に平行な方向に延びるアウトリードピンを接続して設けたので、その各アウトリードの間隔や配列、長さ、材質などを作業性を考慮して最適化することができ、感ガス素子あるいはさらに補償素子の各電極ピンへの配線作業が容易になる。また、機器に実装する際の自由度を高め、ガスセンサの後方のスペースを少なくして省スペース化も図ることができる。
【0020】
さらに、上記マウントベースに、厚さ方向の途中に段差部を形成した1個又は複数の嵌合用スロットを設け、上記ホルダとマウントベースとの間に、上記嵌合用スロットに嵌合した感ガス素子ユニットのピンステイあるいはさらに補償素子ユニットのピンステイを、それぞれ背面から押圧して上記段差部に押し付ける押さえバネを介装すれば、上記ピンステイを上記嵌合用スロットに圧入したり接着することなく、その押さえバネの押圧力によって上記マウントベースに固定保持させることができる。
【0021】
また、上記嵌合用スロットの段差部に、その嵌合用スロットに上記ピンステイを嵌合させる際に上記感ガス素子あるいはさらに補償素子が通過するための逃げとなる切欠部を形成すれば、上記感ガス素子ユニットあるいはさらに補償素子ユニットも上記嵌合用スロットを挿通させてマウントベースに固定保持させる際に、感ガス素子や補償素子を段差部にぶつけて破損させる恐れがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、この発明によるガスセンサの好ましい実施形態の外観を図1及び図2によって説明する。これは、接触燃焼方式のガスセンサの例であり、図1はそのガスセンサのガス検知部側を上向きにして見た斜視図、図2はそのガスセンサを上下反転して示す斜視図である。
【0023】
このガスセンサは、取付板となるホルダ基板11とその背面側に一体に固着されたバネ性ホルダ12とからなるホルダ1によって各部材が保持されている。
そのホルダ基板11は、中央部に円形の開口11aを有する環状の突出部11bが形成され、その長手方向の両側にそれぞれ取付孔11cが設けられている。
【0024】
そのホルダ基板11の環状の突出部11b内に、後述する円板状のマウントベースが嵌入して固定保持されており、そのマウントベースの一方の面に固着されたキャップ3が、図1に示すように円形の開口11aから突出している。そのキャップ3はガス透過性を有し、この例では多孔質セラミックスでドーム状に形成されている。
そのキャップ3内には、その詳細は後述するが、感ガス素子である検知素子と補償素子がそれぞれピンステイを貫通する一対ずつの電極ピンに両端子が接続されて支持され、その各電極ピンとピンステイを介して上記マウントベースに固定保持され、対向して配設されている。
【0025】
一方、ホルダ1の背面側には、上記各電極ピン(4本)が突出し、スペーサ4を挿通して、図2の上面側でホルダ1の背面に平行(マウントベースの他方の面にも平行)な方向に延びるステンレス製のアウトリード51〜53と接続している。この例では、4本の電極ピンのうち検知素子と補償素子のそれぞれ一方の端子に接続した2本の電極ピンは1本のアウトリード51に共通に接続され、残りの2本の電極ピンは2本のアウトリード52,53に個別に接続されている。
【0026】
ホルダ1の各電極ピンが突出する側に設けられたバネ性ホルダ12の背面側には、各電極ピンを貫通させると共に各アウトリード51〜53をガイドして支える円板状のスペーサ4と、そのスペーサ4の各アウトリードを支える側の略全面を覆う円板状の押さえ部材6とが設けられ、バネ性ホルダ12によって位置決め保持されている。
【0027】
そのため、バネ性ホルダ12には、スペーサ4の外周面を対向する位置で保持する一対のスペーサ保持片(図2には片方だけが示されている)12aと、押さえ部材6を互いに対向する位置でスペーサ側に押圧して係止する一対の押さえ部材係止片12bとがバネ性を有する金属板によって一体に形成されている。このバネ性ホルダ12はその周辺の扇形部12cがホルダ基板11に溶接されて一体化されている。
【0028】
スペーサ4上に押さえ部材6を重ねて配置した後、バネ性ホルダ12の各押さえ部材係止片12bの先端部の両側に形成された係止片部12bを、それぞれ図2に矢印で示す方向に略直角に折り曲げると、押さえ部材6の背面にそれが当接し、各押さえ部材係止片12bの立上がり部の湾曲によって強化されたバネ力によって、押さえ部材6をスペーサ4に押圧して保持する。このバネ性ホルダ12のスペーサ保持片12aと押さえ部材係止片12bは、一対ずつに限らず複数ずつ設ければよく、等角度間隔で3箇所以上ずつ設けてもよい。スペーサ4と押さえ部材6はいずれもセラミックスで形成するとよい。
【0029】
このガスセンサの実施形態の詳細を図3から図17を参照して説明する。
図3は、そのガスセンサのホルダとそれに固定保持される検出部側の各部を図2と同様な方向から見た分解斜視図であり、ホルダ1を構成するホルダ基板11とバネ性ホルダ12、マウントベース2とキャップ3、検知素子ユニット7と補償素子ユニット8、熱遮蔽板9、および押さえバネ10を示している。
【0030】
ホルダ基板11は、ステンレス鋼板をプレス加工して成形した幾分細長い野球のベース形をした部材であり、前述したように中央部に円形の開口11aを有する環状の突出部11bが絞り加工によって形成され、その長手方向の両側にそれぞれ取付孔11cが開けられている。
【0031】
マウントベース2は円板状であり、その直径線上に沿って細い熱遮蔽板嵌合用のスロット21を形成し、それを挟んで両側にそれぞれ一対のピンステイ嵌合用のスロット22,23を形成している。その形状の詳細については後述する。
図3でマウントベース2の下面側にはガス透過性を有するドーム状のキャップ3が、ガラス接着剤等による接着で固着されている。
【0032】
検知素子ユニット7は、感ガス素子である検知素子70と、その両端子と電気的に接続して検知素子70を支持する一対の電極ピン71,72を第1のピンステイ73に挿通させると同時に、第1のピンステイ73の図3で上側には環状のピンベース74,75を各電極ピン71,72に嵌装して設け、その第1のピンステイ73と各電極ピン71,72とピンベース74,75とをガラス接着剤等によって、電極ピン71,72を平行に保持するよう接着固定している。ここで、電極ピン71,72の接着される部分の表面は、接着強度を得やすいように凹凸(本例では、アヤメローレット加工処理による)が部分的に設けられている。
【0033】
補償素子ユニット8は、補償素子80と、その両端子と電気的に接続して補償素子80を支持する一対の電極ピン81,82を第2のピンステイ83に挿通させると同時に、第2のピンステイ83の図3で上側には環状のピンベース84,85を各電極ピン81,82に嵌装して設け、その第2のピンステイ83と各電極ピン81,82とピンベース84,85とをガラス接着剤等によって、電極ピン81,82を平行に保持するよう接着固定している。ここで、電極ピン81,82の接着される部分の表面は、接着強度を得やすいように凹凸(本例では、アヤメローレット加工処理による)が部分的に設けられている。
【0034】
これらのマウントベース2、検知素子ユニット7の第1のピンステイ73とピンベース74,75、補償素子ユニット8の第2のピンステイ83とピンベース84,85、および熱遮蔽板9は、いずれも耐熱絶縁材で、好ましくはセラミックスで作られる。用途によってはマウントベース2と熱遮蔽板9を多孔質セラミックスで形成してもよい。電極ピン71,72,81,82は耐熱及び耐蝕性の高い導電材、例えばステンレス鋼の一種であるハステロイで作られる。
【0035】
感ガス素子である検知素子70は、検知対象ガスを接触により燃焼させる酸化触媒を表面に被覆するか担持する熱伝導層中に白金系合金線からなるヒータコイルを埋設しており、そのヒータコイルの両端を電極ピン71,72に接続している。補償素子80は周囲温度の変化による影響を補償するために設けた素子であり、酸化触媒を有しない熱伝導層中に、検知素子70のヒータコイルと電気的特性が同じヒータコイルを埋設しており、そのヒータコイルの両端を電極ピン81,82に接続している。
【0036】
バネ性ホルダ12は前述したように、いずれも立ち上がり部分の途中に湾曲を形成した一対のスペーサ保持片12aと一対の押さえ部材係止片12bとを周方向に90°間隔で、バネ性を有する円板状の金属板(この例ではステンレス板)によって一体に形成している。また、その円板状の中央部には4個の透孔12dが形成されており、そこに検知素子ユニット7と補償素子ユニット8の各電極ピン71,72,81,82のマウントベース2の背面から突出する部分を挿通させ、ピンベース74,75,84,85を嵌入させることができる。スペーサ保持片12aと押さえ部材係止片12bの間の周辺部には、4個の扇形部12cが形成されている。
【0037】
押さえバネ10は、マウントベース2とバネ性ホルダ12との間に介装される部材であり、第1のピンステイ73と第2のピンステイ83をそれぞれ背面から押圧して後述する段差部に押し付ける一対ずつ4片の板バネ10aが、マウントベース2の背面の外周付近を中心に対して点対称な複数箇所(この例では4箇所)で押圧する複数片(この例では4片)の板バネ10bと共に、一枚の板バネ材(この例ではステンレス板)の切り起こしによって形成されている。
【0038】
ここで、マウントベース2の詳細を図10から図12に拡大して示す。図10はマウントベースの背面側から見た斜視図、図11はその平面図、図12は図11のA−A線に沿う断面図である。
マウントベース2の直径に沿って細長く形成された熱遮蔽板嵌合用のスロット21は、マウントベース2の背面側の入口部21aが図3に示した熱遮蔽板9の厚さ及び長さより広い幅と長い長さを有し、その奥が熱遮蔽板9を挿入し得る形状なっている。この入口部21aにはスロット21に熱遮蔽板9を挿入した後接着剤を充填するか、熱遮蔽板9の基端部をこの入口部と嵌合する形状にしてもよい。
【0039】
また、その熱遮蔽板嵌合用のスロット21を挟んで両側に平行に形成された一対のピンステイ嵌合用のスロット22,23は、それぞれマウントベース2の背面側から厚さ方向の途中の略中央部までの嵌合部22a,23aは第1、第2のステイ73,83の外周形状と同等かそれより若干大きい開口形状であり、その途中から前面(これらの図で下面)側の透孔部22b,23bは開口形状が縮小しており、その間に段差部22c,23cを形成している。
【0040】
さらに、その各段差部22c,23cには、互いに遠い方の外側の長片に沿って、このスロット22,23にそれぞれ検知素子ユニット7と補償素子ユニット8を挿通させて、第1のピンステイ73及び第2のピンステイ83を嵌合させる際に、検知素子70及び補償素子80が容易に通過できるようにするための逃げとなる切欠部22d、23dを形成している。
【0041】
次に、押さえバネ10の詳細を図13から図15に拡大して示す。図13は押さえバネの平面図であり、図14は図13のB−B線に沿う断面、図15は図13のC−C線に沿う断面のそれぞれ端面図である。
この押さえバネ10は1枚の円板状の板バネ材を図13に示す形状を得るような平面形状に打ち抜いて、直径線(C−C線)に沿って中心Oに近く対称な位置に、前述した一対ずつ4片の板バネ10aを打抜孔10cによって形成すると共に、その直径線に対して±45°ずつずれた直径線に沿って、それぞれ外周部に4片の板バネ10bを中心Oに対して点対称な位置に形成している。その各板バネ10bは、周方向の両側にそれぞれ外周から平行に切り欠き10dが打ち抜かれることによって形成される。
【0042】
ピンステイ押圧用の各板バネ10aは図13に示す破線に沿って、図15に示すように屈曲して切り起こされてバネ性が付与される。マウントベース押圧用の各板バネ10bも図13に示す破線に沿って、図14に示すように屈曲して切り起こされてバネ性が付与される。
【0043】
図3に示した各部品を組み付ける際には、検知素子ユニット7の検知素子70側と補償素子ユニット8の補償素子80側を、それぞれマウントベース2のスロット22,23に挿通させ、第1のピンステイ73及び第2のピンステイ83をそれぞれスロット22,23の図10から図12に示した嵌合部22a,23aに嵌合させ、段差部22c,23cに係止させる。それによって、検知素子ユニット7と補償素子ユニット8とを対向させてマウントベース2に保持することができる。そして、熱遮蔽板9をマウントベース2のスロット21に挿入して、キャップ3内に検知素子ユニット7と補償素子ユニット8との間を仕切るように突出介在させ、両者を熱遮蔽する。スロット21の入口部21aにはスロット21に熱遮蔽板9を挿入した後接着剤を充填して固定するとよい。
【0044】
このように各部品を組み付けて構成したセンサ部のキャップ3を、ホルダ基板11の円形の開口11aに挿通させ、マウントベース2を環状の突出部11bに嵌合させ、そのマウントベース2上に押さえバネ10を載置し、さらにバネ性ホルダ12を載置する。これらの各部品が、図3に一点鎖線で示す中心軸線及び直交する径方向を互いに一致させて組み付ける。
【0045】
この状態で、検知素子ユニット7と補償素子ユニット8の各電極ピン71,72,81,82のピンベース74,75,84,85を嵌装した後端部がマウントベース2の背面から突出しており、押さえバネ10の図13に示した打抜孔10cを通してバネ性ホルダ12の4個の透孔12dからそれぞれ突出している。
そして、バネ性ホルダ12の各扇形部12cをホルダ基板11にスポット溶接、又はレーザー溶接して固着する。
【0046】
次に図4によって、ホルダの背面側に設けられる部材について説明する。図4は、図3に示したホルダ基板11とバネ性ホルダ12とからなるホルダ1に前述したように各部品を組み付けて、バネ性ホルダ12の各扇形部12cをホルダ基板11に溶接して固着した状態を、図2に示したスペーサ4、アウトリード51〜53、および押さえ部材6と共に示す分解斜視図である。
【0047】
検知素子ユニット7と補償素子ユニット8の各電極ピン71,72,81,82は、ピンベース74,75,84,85によって絶縁されてバネ性ホルダ12の各透孔12dからそれぞれ突出している。
スペーサ4には、各電極ピン71,72,81,82を貫通させる4個の透孔4aが設けられ、図4で上側の面には互いに直交する複数本の溝4bが形成されている。そのため、このスペーサ4は各アウトリード51〜53を支持するとともに、その複数本の溝4bによって各アウトリード51〜53をガイドするガイド部材の役目も果たす。
【0048】
このスペーサ4を覆う押さえ部材6には、外周面の所定の位置に小さな半円状の切り欠きが形成されており、それはこのスペーサ4との位置決めの目安として使用される。これらのスペーサ4と押さえ部材6は、いずれも耐熱性絶縁材で好ましくはセラミックスあるいは多孔質セラミックスで形成される。
【0049】
ここでアウトリード51〜53について、図16及び図17も参照して説明する。図16は1本の電極ピンと接続するアウトリード52の接続端部付近の拡大図、図17は2本の電極ピンと共通に接続するアウトリード51の接続端部付近の拡大図であり、それぞれ(a)は正面図、(b)は平面図である。
【0050】
アウトリード51〜53は例えばステンレスのワイヤを切断して作成され、アウトリード52は図16に示すように直線状をなし、その一端部に扁平な接続部52aが形成されている。アウトリード53もこのアウトリード52と同様に、図4に示す扁平な接続部53aが形成されている。
アウトリード51は図17の(b)に示すように、矢示Pで示す部分から一端側が略直角に曲げられてその曲げられた部分の中間部と端部にそれぞれ(a)に示すように扁平な接続部51aと51bが形成されている。
これらの扁平な接続部51a,51b,52a,53aは、その部分を径方向に押し潰し加工するか、あるいは切削加工などによって容易に形成することができる。
【0051】
図4に示したこれらの部品を組み付ける際には、バネ性ホルダ12上にスペーサ4をその各透孔4aに、それぞれ一点鎖線で示すように検知素子ユニット7と補償素子ユニット8の各電極ピン71,72,81,82を挿通させて載置し、その外周面を一対のスペーサ保持片12a,12aによって保持させる。すると、各電極ピン71,72,81,82の端部がスペーサ4の溝4b内に僅かに突出する。
【0052】
そこで、各アウトリード51〜53をスペーサ4の溝4b内に導入し、アウトリード51の扁平な接続部51aと51bを電極ピン71と81の各端面に当接させ、その当接部をレーザ溶接によって接続する。また、アウトリード52,53の接続部52a、53aをそれぞれ電極ピン82,72の端面に当接させ、その各当接部をレーザ溶接によって接続する。
【0053】
この電極ピンとアウトリードの接続完了状態を図8に示す。このように、各電極ピン71,72,81,82はスペーサ4の各透孔4aに挿通されて固定され、各アウトリード51〜53はスペーサ4の溝4b内で位置決めされるので、接続部51a,52a,53aでのレーザ溶接を容易に行うことができる。
【0054】
この実施形態では各アウトリードの電極ピンとの接続部を扁平に加工しているので、電極ピンの端面との接触面積が増加し安定性のよいので、溶接による接続を確実に行うことができる。しかし、これは必須ではなく、各アウトリードの接続部を加工せずに細い円柱状のままでもよいし、アウトリード材料のワイヤ自体の断面形状が円形以外の方形や扁平形であってもよい。あるいは、各電極ピン端面を凹円筒面などにしてもよい。
また、接続方法も、レーザ溶接に限らず、電気抵抗溶接や、導電性接着剤による接着、カシメ等の手段を採用してもよい。
【0055】
このようにスペーサ4上で各電極ピン71,72,81,82とアウトリード51〜53とを電気的および機械的に接続した後、そのスペーサ4の各アウトリード51〜53を支える側の略全面を覆うように、円板状の押さえ部材6を載置し、バネ性ホルダ12の一対の押さえ部材係止片12b,12bの各係止片部12bを内側に略90°折り曲げることによって、押さえ部材6を径方向に位置決めすると共にスペーサ4に押し付けて固定し、図1及び図2に示した組み付け完成状態になる。
【0056】
スペーサ4の各溝4bと押さえ部材6との隙間にはセラミック接着剤、ガラス接着剤等が充填され、スペーサ4と押さえ部材6は固着され、その内部で各電極ピンとアウトリードの接続部が固定される。
この実施形態ではこのように、バネ性ホルダ12とスペーサ4と押さえ部材6とによって、各電極ピン71,72,81,82とアウトリード51〜53との接続部近傍をマウントベース及びホルダ基板11に保持・固定することができる。
【0057】
図5から図7はこのガスセンサの組み付け完成状態を示す断面図であり、図5はそのガスセンサの機器への取り付け状態を示すホルダの長手方向に沿う断面図、図6はホルダの短手方向に沿う断面図、図7は図5と同じ断面をキャップと熱遮蔽板及び機器への取り付け部を省略し、図5と図6では図示を省略したホルダとマウントベースとの間に押さえバネを介装した状態を示す断面図である。また、図9は図5に示したガスセンサの機器への取り付け状態を示す側面図である。
【0058】
これらの図に示す殆どの部材については既に説明したが、新たに示す部分としては、図5において30は検知対象機器の筐体パネルであり、装着孔30aにホルダ基板11の環状の突出部11bを挿入してキャップ3を内部に突出させ、ホルダ基板11の取付孔11cに取付ねじ31を挿通し、筐体パネル30の雌ねじが形成された取付孔30bにねじ込んで締め付け固定することにより、ガスセンサを機器に固定する。取付孔30bは筐体パネル30のバーリング加工によって、孔あけと同時に雌ねじが形成されている。
【0059】
また、スペーサ4のバネ性ホルダ12の平面部と接触する面には円形の凹陥部4cが形成されており、外周部付近でのみバネ性ホルダ12の平面部と接触するようにして、熱伝導を低減させている。この凹陥部4cの有無あるいは大きさによって、バネ性ホルダ12からスペーサ4への熱伝導性を調整することができる。
さらに、押さえ部材6のスペーサ4に当接する側の面には図6に示すように一本の突条6bが形成されており、スペーサ4の溝4bの一本に嵌合して、スペーサ4と押さえ部材6との相対位置決めが容易になる。
【0060】
図5と図6では図示を省略しているが、実際には図7に示すようにホルダ1におけるバネ性ホルダ12の平面部とマウントベース2との間に図13から図15に示した押さえバネ10を介装している。そのため、その押さえバネ10に形成された一対ずつのピンステイ押圧用の板バネ10aの弾性によって、検知素子ユニット7と補償素子ユニット8の各ピンステイ73,83の電極ピン間の部分を押圧して、図10から図12に示したスロット22,23の段部22c,23cに押し付ける。
【0061】
そのため、各ピンステイ73,83をスロット22,23に圧入しなくても、確実に固定することができる。
また、押さえバネ10の外周部に形成された4片の板バネ10bがマウントベース2の背面に当接し、バネ性ホルダ12の平面部によって幾分押圧されているため、その弾性によってマウントベース2をべース基板11の環状の突出部11bに押し付け、マウントベース2を確実に保持することができる。その際マウントベース2の背面とバネ性ホルダ12の平面部との間に僅かな隙間ができるので、熱伝導をかなり低下させることもできる。
【0062】
〔押さえ部材の異なる例〕
押さえ部材の異なる例を図18から図20によって説明する。図18はその押さえ部材のスペーサに当接しない側の面の平面図、図19はスペーサに当接する側の面の平面図、図20は図18のD−D線に沿う断面図である。
【0063】
この押さえ部材16も前述した押さえ部材6と同様にセラミックスあるいは多孔質セラミックスでつくられ、外周面の所定位置に位置決め用の切り欠き16aを、スペーサ4に当接する側の面に一本の突条16bをそれぞれ形成している。さらに、この押さえ部材16のスペーサ4に当接しない側の面には、図18に示すように表面積を増加するための複数本の溝16cを等間隔に互いに直交させて形成している。この溝16cの密度や深さを変えることによって、外気に接する表面積を増減して、押さえ部材16の放熱性を調整することができる。溝に代えて多数の凹凸を設けるようにしてもよい。
【0064】
このガスセンサは、放熱性(冷却性能)が高く応答性がよいことと、風などの影響を受けず安定性がよいという相反する要求を満たす必要があるため、スペーサ及び押え部材についても種々の材料と形状を比較評価した。例えば、アルミナ96%のセラミックス及び多孔質セラミックスでスペーサ及び押え部材を作製し、押え部材の背面がフラットなものとに密度と深さがこと異なる溝を形成したものを組み合わせて評価したところ、いずれもセラミックスの場合、押え部材の溝の密度が高く深い方が応答性はよくなるが、安定性が悪くなる傾向があり、いずれも多孔質セラミックスの場合、押え部材の溝の密度が低く浅くても応答性がよく、安定性もよい傾向があった。
【0065】
〔ガスセンサの他の実施形態〕
この発明によるガスセンサの他の好ましい実施形態の要部を図21から図23によって説明する。図21はそのガスセンサのバネ性ホルダ及び各電極ピンとアウトリードとの接続部側の外観を示し、図22はそれに二分割したスペーサを取り付けた状態を示し、図23はさらに押さえ部材を取り付けた状態を示す、それぞれ斜視図である。
【0066】
ガスセンサのバネ性ホルダ12は前述した実施形態のものと同じである。この実施形態において、前述した実施形態と相違するのは、各電極ピンとアウトリードとの接続部と、スペーサおよび押さえ部材だけである。
この実施形態では、4本の電極ピン71,72,81,82にそれぞれアウトリード55〜58を個別に接続する。
【0067】
アウトリード55,57はそれぞれ一端部付近を図21で水平方向に略90°互いに向き合う方向に曲げ、さらに各一端部を下方に略90°曲げて接続部55a,57aを電極ピン71,81と平行に形成する。また、アウトリード56,58はそれぞれ一端部を図21で下方に略90°曲げて接続部56a,58aを電極ピン72,82と平行に形成する。
【0068】
そして、図21に示すように、各電極ピン71,72,81,82のマウントベースからバネ性ホルダ12の透孔12dを通して突出する突出部の外周面と、アウトリードの55〜58の各一端部が折り曲げられて各電極ピンと平行になった部分である接続部55a,56a,57a,58aの外周面とを互いの中心軸線に沿って当接させ、その当接部をレーザ溶接して接続している。このようにすれば、各電極とアウトリードとを一層確実に接続することができる。
【0069】
この実施形態ではレーザ溶接作業の都合上、スペーサを先に装着することができないので、レーザ溶接後に、二分割したスペーサ一半部41と他半部42を、図22に矢印で示す方向から装着して切断面を当接させて配置し、バネ性ホルダ12のスペーサ保持片12a,12aによって保持させる。各電極ピン71,72,81,82とアウトリード55〜58との接続部は逃がし孔の半部41aと42aで形成される逃がし孔内に逃がす。
【0070】
そのスペーサ一半部41と他半部42からなるスペーサ上に、図23に示すように押さえ部材60を被せる、その押さえ部材60のスペーサと当接する側の面には前述した実施形態のスペーサ4の溝4bと同様な溝60bが互いに直交する方向に複数本ずつ形成されており、その溝60b内にアウトリード55〜58を導入してガイドする。
そして、バネ性ホルダ12の一対の押さえ部材係止片12b,12bの各係止片部12bを内側に略90°折り曲げることによって、押さえ部材6を径方向に位置決めすると共にスペーサ一半部41と他半部42に押圧する。押さえ部材60の溝60bにもセラミック接着剤やガラス接着剤等を充填して固着する。
【0071】
この実施形態でも、各アウトリードと電極ピンとの接続部を互いに平面に加工したり、一方を凹円筒面に加工知したりして、接触面積が増加させるようにするとよい。しかし、加工せずに細い円柱状のままでも充分接続可能である。また、接続方法も、レーザ溶接に限らず、電気抵抗溶接や、導電性接着剤による接着、カシメ等の手段を採用してもよい。
【0072】
〔多孔質セラミックス部品の製造方法〕
ここで、多孔質セラミックスによるキャップ3やスペーサ4、押さえ部材6等の製造方法について、簡単に説明する。
まず、セラミックス粉末原料と所要の添加剤を調合し、全体を均一に混合する。この場合、セラミックス粉末原料には、粉末粒径が概ね0.3〔μm〕程度のアルミナ粉末又はジルコニア粉末等の一般的なセラミックス材料の粉末を用いる。また、添加剤には、助剤,バインダ及び純水を適量用いる。なお、助剤には、ポリアクリル酸塩等を利用できるとともに、バインダには、アクリル,PVA(ポリビニルアルコール),PEO(ポリエチレンオキサイド)等を利用することができる。
【0073】
その後、噴霧乾燥装置(スプレードドライヤ装置)等を使用して、平均粒径が60〜120〔μm〕程度の造粒体材料を作成する。そして、その造粒体材料を所定の一次加圧力で加圧して、例えば押し出し成形によって丸パイプ形状に一次成形を行う。その後、その一次成形体を所定の一次加熱温度で一次焼成(仮焼成)して成形圧粉体を得る。この一次加熱温度は、900〜1200〔℃〕の範囲で選定する。
【0074】
そして、この成形圧粉体を粉砕し、粒径が0.1〜1.0〔mm〕の範囲に分級し、その圧粉体材料を所定の二次加圧力により加圧して、所要の部品形状に二次成形を行う。その二次成形体を所定の二次加熱温度で二次焼成(本焼成)する。この場合の二次加熱温度は1200〜1600〔℃〕の範囲で、使用するセラミックス粉末原料に対応した温度を適宜設定する。このようにして、多孔質セラミックスによるキャップ3等の部品を製造することができる。
【0075】
この多孔質セラミックスは、図24に示すように、圧粉体材料の粒子k…同士の結合により成立しており、粒界となる接触面の周囲における空間により気孔R…が形成されているため、この気孔R…に沿ったガス通路により所定のガス透過率が確保される。この際、気孔R…の幅は、500〔μm〕未満であり、気孔R…に対する水分の侵入、更にはガス以外の無用な異物の侵入は阻止される。図24にガス通路を点線矢印Hs…で示す。
【0076】
このように、多孔質セラミックスCを、セラミックス粉末原料と一又は二以上の添加剤を調合し、所定の粒度を有する造粒体材料Poを造粒するとともに、この造粒体材料Poを所定の一次加圧力Ffにより一次成形した後、所定の一次加熱温度Tfにより一次焼成することにより粒子k…の大きさが0.1〜1.0〔mm〕の範囲となる圧粉体材料Ppを得、この圧粉体材料Ppを所定の二次加圧力Fsにより二次成形した後、所定の二次加熱温度Tsにより二次焼成するようにすれば、ガスセンサに使用した際に、所要のガス透過率及び所要の機械的強度(曲げ強さ)の双方を十分に確保することができる。特に、造粒体材料Poにおける粒子の大きさを、60〜120〔μm〕の範囲に選定すれば、これらの効果を十分に引出せる最適な多孔質セラミックスCを得ることができる。
【0077】
〔まとめと適用範囲〕
この発明によるガスセンサは、これらの実施形態について説明したように、マウントベース2の背面側に突出する検知素子ユニット7の電極ピン71,72と補償素子ユニット8の電極ピン81,82に、それぞれ該マウントベースの背面及びホルダ1に背面に平行な方向に延びるアウトリード51〜53あるいは55〜58を接続して設けたので、検出回路基板との配線作業が容易になり、センサの後方にスペースを取らないので、機器に実装する際の自由度が高くなり、省スペース化も図ることができる。
【0078】
また、上述した実施形態のように各アウトリードを同一平面上に配列し、必要によりそれぞれ長さを異ならせてもよい。検知素子ユニットと補償素子ユニットの一対ずつの電極ピンのうち各一方の電極ピンを共通のアウトリードに接続することにより、アウトリードを3本に減らすことができる。また、各アウトリードをニッケルあるいは銅−ニッケル合金等の半田付け可能な金属材料で形成すれば、配線が一層容易になる。
【0079】
以上の実施形態は、この発明を補償素子を内部に設けた接触燃焼式ガスセンサにこの発明を適用した例を説明したが、補償素子を別体とし、感ガス素子ユニットである検知素子ユニットのみを内蔵する接触燃焼式ガスセンにも勿論適用できる。さらに、前述した半導体式ガスセンサや固体電解質ガスセンサなど種々の感ガス素子を備えたガスセンサにも適用可能である。
電極ピンの数も4本に限らず、2本、3本、5本、6本など複数本の電極ピンを有するガスセンサに適用でき、ピンベースやピンステイは必須ではなくそのいずれかを省略したり、各電極ピンをマウントベースに直接貫通して保持させるようにしてもよい。
【0080】
上述の実施形態では、バネ性ホルダ12とスペーサ4と押さえ部材6とによって、各電極ピン71,72,81,82とアウトリード51〜53との接続部近傍をマウントベース及びホルダ基板11に保持・固定するようにしたが、これらの形状や材質を種々変更してもよく、マウントベース、スペーサ、および押さえ部材を、円板状以外の形状(楕円板状、方形板状、多角形板状、ブロック状など)にすることもでき、耐熱性合成樹脂などで形成してもよい。バネ性ホルダもそれに合わせた形状にすればよい。
さらに、バネ性ホルダ、スペーサ、および押さえ部材を一部あるいは全部省略して、各電極ピンとアウトリードとの接続部部近傍を耐熱性接着剤で固めたり、カバーで覆ってその内部に耐熱性充填剤を充填して固めるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
この発明によるガスセンサは、各種の可燃性ガスを使用する機器やシステムあるいはそれらを設置した室内などのガス漏れあるいは有毒ガスの発生を検知する装置などに広範に適用することができる。特に、不完全燃焼によるCOなどの有毒ガスの発生検知や、今後急速な実用化が期待される燃料電池自動車における内部の1区画ごとの水素もれ検知、産業用あるいは家庭用の補助電源として使用する燃料電池システムなどの水素ガスセンサ、あるいはCO等の非可燃性ガスを検知するガスセンサなどにも同様にこの発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明によるガスセンサの好ましい実施形態の外観を示す斜視図である。
【図2】そのガスセンサを上下反転して示す斜視図である。
【図3】そのガスセンサのホルダとそれに固定保持される検出部側の各部を図2と同様な方向から見た分解斜視図である。
【図4】同じくホルダとその背面から突出する各電極ピン及びアウトリードとスペーサと押さえ部材の分解斜視図である。
【図5】図1及び図2に示したガスセンサの機器への取り付け状態を示すホルダの長手方向に沿う断面図である。
【図6】同じくそのホルダの短手方向に沿う断面図である。
【図7】図5と同じ断面をキャップと熱遮蔽板及び機器への取り付け部を省略しホルダとマウントベースとの間に押さえバネを介装した状態を示す断面図である。
【図8】同じくその押さえ部材を取り外した状態で示す背面図である。
【図9】図5に示したガスセンサの機器への取り付け状態を示す側面図である。
【0083】
【図10】マウントベースの背面側から見た拡大斜視図である。
【図11】同じくその平面図である。
【図12】図11のA−A線に沿う断面図である。
【図13】押さえバネの拡大平面図である。
【図14】図13のB−B線に沿う断面の端面図である。
【図15】図13のC−C線に沿う断面の端面図である。
【図16】1本の電極ピンと接続するアウトリードの接続端部付近の拡大正面図(a)とその平面図(b)である。
【図17】2本の電極ピンと共通に接続するアウトリードの接続端部付近の拡大正面図(a)とその平面図(b)である。
【0084】
【図18】押さえ部材の異なる例のスペーサに当接しない側の面の平面図である。
【図19】同じくその押さえ部材のスペーサに当接する側の面の平面図である。
【図20】図18のD−D線に沿う断面図である。
【図21】この発明によるガスセンサの他の好ましい実施形態のホルダの要部及びその各電極ピンとアウトリードとの接続部側の外観を示す斜視図である。
【図22】同じくその二分割したスペーサを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図23】さらに押さえ部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図24】多孔質セラミックスの内部構造を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1:ホルダ 2:マウントベース 3:キャップ 4:スペーサ
4a:透孔 4b:溝 4c:凹陥部
6:押さえ部材 6a:切り欠き 6b:突条 7:検知素子ユニット
8:補償素子ユニット 9:熱遮蔽板 10:押さえバネ
10a:ピンステイ押圧用の板バネ 10b:マウントベース押圧用の板バネ
10c:打抜孔 10d:切り欠き 11:ホルダ基板
11a:円形の開口 11b:環状の突出部 11c:取付孔
12:バネ性ホルダ 12a:スペーサ保持片 12b:押さえ部材係止片
12b:係止片部 12c:扇形部 12d:透孔
16:押さえ部材 16a:切り欠き 16b:突条
16c:表面積を増加するための溝
【0086】
21:熱遮蔽板嵌合用のスロット 21a:入口部
22,23:ピンステイ嵌合用のスロット
22a,23a:嵌合部 22b,23b透孔部 22c,23c:段差部
22d,23d:切欠部
30:機器の筐体パネル 30a:装着孔 30b:取付孔 31:取付ねじ
41:スペーサの一半部 42:スペーサの他半部
41a,42a:逃がし孔の半部
51〜53:アウトリード 51a,51b,52a,53a:接続部
55〜58:アウトリード 55a,56b,57a,58a:接続部
60:押さえ部材 60b:溝
70:検知素子 71,72:電極ピン 73:第1のピンステイ
74,75:ピンベース,
80:補償素子 81,82:電極ピン 83:第2のピンステイ
84,85:ピンベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感ガス素子と、該感ガス素子と一端部で電気的に接続して該感ガス素子を支持する複数本の電極ピンと、該複数本の電極ピンをそれぞれ一方の面から他方の面に貫通させて支持する絶縁材からなるマウントベースと、該マウントベースの前記感ガス素子を含む前記一方の面側の領域を覆うように該マウントベースに固着されたガス透過性を有するカバー部材とを備えたガスセンサにおいて、
前記複数本の電極ピンにおける前記マウントベースの前記他方の面側に突出した部分に、それぞれ該マウントベースの前記他方の面に平行な方向に延びるアウトリードを接続して設けたことを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のガスセンサにおいて、
前記マウントベースの前記各電極ピンが突出する側に、該各電極ピンを貫通させると共に前記各アウトリードを支えるスペーサと、該スペーサの前記各アウトリードを支える側の略全面を覆う押さえ部材とを設け、該押さえ部材と前記スペーサとがいずれも絶縁材でできていることを特徴とするガスセンサ。
【請求項3】
感ガス素子と電気的に接続して該感ガス素子を支持する複数の電極ピンを絶縁材からなるピンステイを貫通させて平行に保持した感ガス素子ユニットと、
前記ピンステイを嵌合させて保持するマウントベースと、
該マウントベースの一方の面側に固着され、前記感ガス素子ユニットの前記感ガス素子側を覆うガス透過性を有するカバー部材と、
該カバー部材を突出させる開口を有し、前記マウントベースを固定して保持するホルダとを備えたガスセンサにおいて、
前記マウントベースの他方の面側に突出する前記感ガス素子ユニットの前記電極ピンに、それぞれ該マウントベースの他方の面に平行な方向に延びるアウトリードを接続して設けたことを特徴とするガスセンサ。
【請求項4】
感ガス素子の両端子と電気的に接続して該検知素子を支持する一対の電極ピンを耐熱絶縁材からなる第1のピンステイを貫通させて平行に保持した感ガス素子ユニットと、
補償素子の両端子と電気的に接続して該補償素子を支持する一対の電極ピンを耐熱絶縁材からなる第2のピンステイを貫通させて平行に保持した補償素子ユニットと、
前記第1のピンステイと前記第2のピンステイをそれぞれ嵌合させて、前記感ガス素子子ユニットと前記補償素子ユニットとを対向させて保持するマウントベースと、
該マウントベースの一方の面側に固着され、前記感ガス素子ユニットの前記感ガス素子側と前記補償素子ユニットの前記補償素子側とを覆うガス透過性を有するカバー部材と、
該カバー部材を突出させる開口を有し、前記マウントベースを固定して保持するホルダとを備えたガスセンサにおいて、
前記マウントベースの他方の面側に突出する前記感ガス素子ユニットの前記電極ピンと前記補償素子ユニットの前記電極ピンに、それぞれ該マウントベースの他方の面に平行な方向に延びるアウトリードを接続して設けたことを特徴とするガスセンサ。
【請求項5】
前記電極ピンと前記アウトリードとは、前記電極ピンの先端面と前記アウトリードの一部を扁平にした部分とが当接し、その当接部がレーザ溶接によって接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記電極ピンと前記アウトリードとは、前記電極ピンの前記マウントベースからの突出部の外周面と、前記アウトリードの一端部が折り曲げられて前記電極ピンと平行になった部分の外周面とが互いの中心軸線に沿って当接し、その当接部がレーザ溶接によって接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項7】
請求項3又は4に記載のガスセンサにおいて、
前記ホルダの前記各電極ピンが突出する側に、該各電極ピンを貫通させると共に前記各アウトリードを支えるスペーサと、該スペーサの前記各アウトリードを支える側の略全面を覆う押さえ部材とを設け、該押さえ部材と前記スペーサとがいずれも絶縁材でできていることを特徴とするガスセンサ。
【請求項8】
前記ホルダには、前記スペーサの外周面を保持する複数のスペーサ保持片と、前記押さえ部材を前記スペーサ側に押圧して係止する複数の押さえ部材係止片とがバネ性を有する金属板によって一体に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のガスセンサ。
【請求項9】
前記スペーサの前記各アウトリードを支える側の面に、前記各アウトリードをガイドする溝を形成したことを特徴とする請求項2、7、8のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項10】
前記押さえ部材の前記スペーサに当接する側の面に、前記各アウトリードをガイドする溝を形成したことを特徴とする請求項2、7、8のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項11】
前記押さえ部材の前記スペーサに当接しない側の面に表面積を増加するための複数の溝又は凹凸を形成したことを特徴とする請求項2及び7から10のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項12】
前記スペーサと前記押さえ部材の少なくとも一方がセラミックス又は多孔質セラミックスでできていることを特徴とする請求項2及び7から11のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項13】
前記カバー部材が多孔質セラミックスでできていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項14】
前記マウントベースがセラミックス又は多孔質セラミックスでできていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項15】
前記マウントベースは、前記ピンステイを嵌合させる嵌合用スロットを有し、その嵌合用スロットは、前記マウントベースの前記他方の面側から厚さ方向の途中までは前記ステイの外周形状と同等か若干大きい開口形状であり、該途中から前記一方の面側は開口形状が縮小して段差部を形成しており、
該嵌合用スロットに前記ピンステイを嵌合させる際に前記感ガス素子が通過するための逃げとなる切欠部を前記段差部に形成したことを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
【請求項16】
前記マウントベースは、前記ピンステイを嵌合させる嵌合用スロットを有し、その嵌合用スロットは、前記マウントベースの前記他方の面側から厚さ方向の途中までは前記ステイの外周形状と同等か若干大きいい開口形状であり、該途中から前記一方の面側は開口形状が縮小して段差部を形成しており、
前記ホルダと前記マウントベースとの間に、前記嵌合用スロットに嵌合した前記ピンステイを背面から押圧して前記段差部に押し付ける押さえバネを介装したことを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
【請求項17】
前記マウントベースは、前記第1のピンステイと前記第2のピンステイをそれぞれ嵌合させる一対の嵌合用スロットを有し、その各嵌合用スロットは、それぞれ前記マウントベースの前記他方の面側から厚さ方向の途中までは前記第1又は第2のステイの外周形状と同等か若干大きい開口形状であり、該途中から前記一方の面側は開口形状が縮小して段差部を形成し、該一対の嵌合用スロットに前記第1のピンステイ及び前記第2のピンステイをそれぞれ嵌合させる際に前記感ガス素子及び補償素子が通過するための逃げとなる切欠部を前記各段差部に形成したことを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項18】
前記マウントベースは、前記第1のピンステイと前記第2のピンステイをそれぞれ嵌合させる一対の嵌合用スロットを有し、その各嵌合用スロットは、それぞれ前記マウントベースの前記他方の面側から厚さ方向の途中までは前記第1又は第2のステイの外周形状と同等か若干大きいい開口形状であり、該途中から前記一方の面側は開口形状が縮小して段差部を形成しており、
前記ホルダと前記マウントベースとの間に、前記一対の嵌合用スロットにそれぞれ嵌合した前記第1のピンステイと前記第2のピンステイを、それぞれ背面から押圧して前記段差部に押し付ける押さえバネを介装したことを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項19】
前記ベースには、前記キャップ内における前記感ガス素子と前記補償素子とを断熱するための熱遮蔽板を設けたことを特徴とする請求項4、15,16のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項20】
前記熱遮蔽板がセラミック又は多孔質セラミックスでできていることを特徴とする請求項19に記載のガスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−38575(P2010−38575A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198715(P2008−198715)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000166948)シチズンファインテックミヨタ株式会社 (438)
【Fターム(参考)】