説明

ガス流に液滴を散在させるための方法及び噴射ノズル

【課題】 液滴(5)を液滴噴射平面でガス流(8)中に噴射する、ガス流(8)に液滴(5)を散在させる方法を提供する。
【解決手段】 本方法は、副ガス(6.1、6.2)を液滴(5)と同時にガス流(8)中に噴射することを特徴とする。副ガス(6.1、6.2)の噴射速度は液滴(5)の噴射速度よりも速く、噴射された副ガス(6.1、6.2)により、噴射された液滴(5)をその軌跡及び大きさに関して安定させ、ガス流(8)から部分的にシールドされ、及び/又は液滴をガス流(8)中に同伴する。これにより、液滴(5)の空間分布及び液滴の大きさ分布の制御が改善される。液滴(5)は、副ガス(6.1、6.2)がない場合よりも効率的にガス流(8)に入り込む。好ましい用途は、ガスタービンコンプレッサーのオンライン湿式クリーニングである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流に液滴を散在させるための、請求項1の前段部分による方法に関する。その好ましい用途の一つは、産業用ガスタービンの分野にあり、その分野において、ガスタービンコンプレッサーの湿式クリーニングに使用できる。本発明は、更に、別の独立項の前段部分による方法を実施するための噴射ノズルに関する。本発明は、更に、別の独立項の前段部分によるターボ機械、例えばガスタービンコンプレッサーに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、ガスタービンコンプレッサーの湿式クリーニングの適用例で本発明を説明する。しかしながら、本発明は、ガス流に液体を散在させる、例えば発電技術等の他の技術分野でも使用できる。
【0003】
全てのガスタービンは、コンプレッサーブレードの汚損を被る。この現象は、吸気流中の固体や液体の粒子が、吸気が濾過されるのにもかかわらずタービン設備に進入し、コンプレッサーブレードに付着したままになることによって生じる。このような粒子には、花粉、虫、オイル、海塩、産業的化学物質、未燃焼炭化水素、煤粒子等が含まれる。コンプレッサーブレードが汚染されると、効率が低下し、設備全体の出力が最大約10%又はそれ以上低下する。こうした低下が起こらないようにするため、コンプレッサーブレードのクリーニングを行うことが試みられている。当該技術分野の現状では、コンプレッサーブレードのクリーニングを行うための様々な方法及び装置が知られている。
【0004】
従来のクリーニング方法は、設備の作動中に米やナッツの殻等で柔らかく擦ることに基づく。これらの柔らかな擦り材を吸気に混合し、タービンで燃焼する。しかしながら、これらの簡単な方法は、最新のタービンには適しておらず、特にコンプレッサーブレードに保護コーティングが設けられ、燃焼チャンバ並びにタービンブレード冷却システムが最新の技術で形成されたタービンには適していない。
【0005】
最新のガスタービンコンプレッサーをクリーニングするため、今日、三つの方法が使用されている。
【0006】
(i)設備を停止させた状態で、手作業でクリーニングを行う方法。この方法は、部品を効率的にクリーニングするが、実際には、設備の検査時やオーバーホール時に計画通りに停止させた中でしか行うことができない。コンプレッサーシリンダを開放しないと、第1ステータ列しか手作業でクリーニングできない。
【0007】
(ii)オフライン湿式クリーニング方法(即ち、停止時にタービンの温度を下げた状態でスターターモータをクリーニングしクランクを洗浄する)。クリーニング液として、水、水又は溶剤を基材としたコンプレッサークリーナーの混合物、又は不凍剤との混合物を使用する。この方法は、ロータの完全なコンプレッサーブレード並びに第1ステータ列だけでないステータのクリーニングを行うことができるため、効率的である。しかしながら、タービンを停止させた状態で実施する必要があり、そのため生産のロスが生じるという欠点がある。
【0008】
(iii)(ii)に述べたクリーニング液を用いたオンライン湿式クリーニング方法(即ち作動中に湿式クリーニングを行う)。この方法では、コンプレッサーブレード表面をクリーニング液で均等に且つできるだけ完全に濡らし、汚れ粒子を除去する。このクリーニング方法は、ガスタービンが作動した状態で実施でき、そのため生産のロスが生じない。
【0009】
本発明は、オンラインクリーニング方法(iii)に関する。
【0010】
当該技術の現状及びオンラインクリーニングに使用されている噴射ノズルに関し、現在まで、低圧ノズルと高圧ノズルとの間で区別がなされてきた。低圧ノズルは、約3bar乃至15barの圧力で作動し、直径が約30μm乃至1000μmの液滴を発生したが、高圧ノズルは、約15bar乃至90barの圧力で作動し、直径が約3μm乃至30μmの液滴を発生した。通常、コンプレッサーブレードができるだけ均等に且つ表面が覆われるように濡らされるように、クリーニング液を微細化するための努力が払われてきた。更に、微細化により、噴射された液体質量の蒸発によって、吸い込まれるコンプレッサー空気の温度が抑えられる。この副作用にも拘わらず、同伴された塵埃粒子を含むクリーニング液の質量流量によってコンプレッサーに生じる副作用(侵蝕)及びタービンに生じる副作用(炎消え)をなくすため、又は少なくとも減少するため、クリーニング液の質量流量をできるだけ小さくするための努力を払うのが望ましい。
【0011】
当該技術分野の一般的な教示によれば、液滴を均等に分配することにより、コンプレッサーブレードが効率的に濡らされる。液滴は、コンプレッサーブレードを侵蝕しないように小さくなければならず、重力によって下方に逸らされ過ぎてコンプレッサーブレードに達することがないように軽くなければならない。噴射ノズルの設計は、上述の必要条件を満たすため、及びかくしてクリーニングを効率的に行うため、非常に重要である。これは、吸気ダクト内の空気の速度が、断面が狭くなることにより第1コンプレッサー列の入口で約180m/秒まで加速されるためである。液滴を空気流中に良好に分配するため、エンジンの出力等級に従って、多数(最大約40個又はそれ以上)の噴射ノズルをコンプレッサーの吸気ダクトに設ける。
【0012】
コンプレッサーの湿式クリーニングを行うための方法及び装置が米国特許第5,193,976号(S.コレフ等)から既知である。この文献によれば、クリーニング液をコンプレッサーの吸気ダクトに一つの又は幾つかの噴射ノズルによって噴射する。微細化したスプレーを円錐角度が約90°の円錐形形態で発生する。噴射ノズルは、微細化ノズルであり、調節自在のボールジョントに配置され、コンプレッサーの吸気ダクトの壁に取り付けられる。この方法及びこれらの噴射ノズルは、出力が5MW乃至180MWの小型又は中型のガスタービンに非常に適している。しかしながら、大型のガスタービンは出力が180MW乃至350MW又はそれ以上であり、かくしてこれと対応して更に大きな吸気断面を必要とし、また、対応して、特に第1ステータ列について更に大きなコンプレッサーブレードを必要とする。このような大型で高出力のガスタービンについては、米国特許第5,193,976号に開示の噴射ノズルは、噴射平面のところの空気断面に効率的であり且つ均等に散在させるために性能を適切に発揮することができない。ノズルのところで微細化された液滴は、吸気流によって極めて迅速に捕捉され、それらの元来の軌跡経路から偏向され、運び去られてしまう。これにより、全吸気流に液滴を効率的に散在させることが非常に困難になる。
【0013】
当該技術分野では、液体及び通常は空気であるガスを同時に放出できるノズルが知られている。これらのいわゆる二物質ノズルで放出された空気は、多くの場合、液体噴流を破壊し即ち微細化して非常に小さな液滴にするのに役立つ。国際公開第WO98/01705号には、液体を微細化するための二物質ノズルが開示されている。このノズルは、微小構造の層状半導体によって製造される。10μm又はそれ以下の小径の液滴をできるだけ均等に発生するのに役立つ。米国特許第6,267,301号(J.ハルチ)には、液体の微細化を高める又は2倍にすることが教示されている。高い放出速度を得るため、及び更に効率的に微細化するため、ノズルの前置チャンバで空気を液体と混合する。更に、液体放出オリフィスから出る液体噴流に空気を所定の射出角度で放出する。即ち、空気は、少なくとも、液体噴流に対して垂直な速度成分を有する。これにより、増湿及び冷却の目的に必要な微細化が行われる。
【0014】
欧州特許第EP−0 248 539号には、液体燃料を微細化し、これをいわゆる予備混合バーナーで空気と混合するためのノズルが開示されている。一実施形態では、燃料は液体噴射オリフィスから第1予備燃焼チャンバに放出し、そこから第2予備燃焼チャンバに放出する。第2予備燃焼チャンバでは、燃料は、第1環状渦本体からの空気と渦をなす。混合物を空気とともに第2環状渦本体から燃焼チャンバに放出する。
【0015】
一つ又はそれ以上の空気層が液体噴流を包囲する別の既知の二物質ノズルがある。かくして、例えば、米国特許第2,646,314号(D.Jピープス)又は米国特許第4,961,536号(J.Y.コルレアード)によれば、環状空気層を液体噴流と同軸に且つ平行に整合させる。米国特許第5,452,856号(J.プリッチャード)には、放出された液体スプレーを、空気を同時に放出することによって、大きさ及び形状に関して変化させることができるノズルが開示されている。このようなノズルは、例えば、ワニスや塗料を微細化するためのスプレーピストルで使用される。これらは、しかしながら、噴射位置での吸気の速度が約30m/秒乃至80m/秒であり、第1ステータ列の前で最大180m/秒である大型のガスタービンコンプレッサーの湿式クリーニングの用途には適していない。これらのノズルは、液体を標準的な大気圧の周囲条件で噴射するように設計されている。極めて微細に噴霧された液滴は、境界層に入り込まないし、空気流によって直ちに偏向され、その結果、空気流への散在が全くうまく行われず、及びかくしてブレード表面の湿潤がうまく行われない。かくして、液体の大部分は流れによって吸気ダクトの平面に押し込まれる。液体のこの部分はクリーニングに使用されず、主に第1コンプレッサーのロータブレード列に侵蝕の問題を生じる。
【0016】
米国特許第5,738,281号(Z.ズレキ等)には、放出されたガスを、これと同時に放出された副ガスによって周囲からシールドするガスノズルが開示されている。副ガスは、多孔質媒体を通して、ガスを包囲するクッションを形成するように放出される。
【0017】
結論的には、一方では、当該技術分野で既知の二物質ノズルは、全く異なる用途に対して設計され、かくして、強い高速のガス流に液滴を散在させるのに適していない。他方、ガスタービンコンプレッサーを湿式クリーニングするように設計された既知のノズルは、ブレード表面しか適切に濡らすことができず、かくして出力等級が小さいガスタービン及び中程度のガスタービンで良好なクリーニング結果が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の目的は、ガス流に液滴をできるだけ均等に散在させるように、ガス流に液滴を散在させるための方法を提供することである。液滴は、詳細には、制御された大きさを備えており、この大きさは所望の範囲で不変のままでなければならない。本発明の別の目的は、本方法を実施するための噴射ノズルを提供することである。方法及びノズルは、ガス流の速度が高く、質量流量が大きく、流れ断面が大きい高い動力等級のタービンに使用できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
独立項に記載の本発明による方法及び本発明による噴射ノズルによりこれらの目的が達成される。別の独立項は、ガスタービンコンプレッサーの湿式クリーニングの使用例に関する。
【0020】
ガス流に液滴を散在させるための本発明による方法では、液滴をガス流中に噴射する。これと同時に副ガスをガス流中に噴射する。これを行うに当たり、副ガスの噴射速度は液滴の噴射速度よりも大きく、そのため、噴射された副ガスが、噴射された液滴をそれらの軌跡及び大きさに関して安定させ、これらをガス流から部分的にシールドし、及び/又は液滴を同伴し又はこれらをガス流中に加速する。副ガスの噴射速度は、例えば、液滴の噴射速度の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、及び例えば少なくとも10倍であってもよい。
【0021】
本発明による方法は、例えば、ガスタービンコンプレッサーの吸気流にクリーニング液体の液滴を散在させるために使用できる。空気流を吸い込む吸気ダクトを含むガスタービンコンプレッサーを湿式クリーニングするための本発明による方法では、液滴の形態のクリーニング液を吸気ダクトに噴射し、クリーニングがなされるべきガスタービンコンプレッサーの部分まで液滴を運び、これらのクリーニングを行う。液滴は、吸気流中に噴射される。このとき、副ガスの噴射速度は液滴の噴射速度よりも大きく、そのため、噴射された副ガスが噴射された液滴をそれらの軌跡及び大きさに関して安定させ、これらをガス流から部分的にシールドし及び/又はこれらをガス流中に同伴する。副ガスの噴射速度は、例えば、液滴の噴射速度の少なくとも2倍であってもよく、好ましくは少なくとも5倍であってもよく、例えば少なくとも10倍である。
【0022】
本発明による方法を実施するための本発明による噴射ノズルは、噴射ノズルをガス流に向かって境界付けるベース表面、液体入口開口部及びガス入口開口部、液体入口開口部に連結された少なくとも一つの液体オリフィス、ガス入口開口部に連結された少なくとも一つのガスオリフィスを含む。噴射ノズルは、少なくとも一つの液体オリフィスが、ベース表面からガス流中に突出した少なくとも一つの突出部に配置されるように設計されている。少なくとも一つの突出部のベース表面からの高さは、例えば2mm乃至9mmであり、好ましくは3mm乃至5mmである。
【0023】
本発明による噴射ノズルは、例えば、ガスタービンコンプレッサーの吸気流にクリーニング液の液滴を散在させるのに使用できる。本発明による流れ機械即ちガスタービンコンプレッサーは、ハウジング壁を持つ流れダクト、例えば吸気ダクトを含み、本発明による少なくとも一つの噴射ノズルがハウジング壁に取り付けられている。
【0024】
本発明による流れ機械又はガスタービンコンプレッサーの別の実施形態は、ハウジング壁を持つ流れダクト、例えば吸気ダクトを含み、本発明による少なくとも一つの噴射ノズルがハウジング壁に取り付けられており、この噴射ノズルは、液体入口開口部及びこの液体入口開口部に連結された少なくとも一つの液体オリフィスを含む。噴射ノズルは、ガス入口開口部及びこのガス入口開口部に連結された少なくとも一つのガスオリフィスを更に含む。
【0025】
方法及び噴射ノズルの有利な実施形態は、従属項に記載してある。
【0026】
本発明により、ガス流断面の深さ及び幅内への液滴の空間分布及び液滴の大きさ分布の制御を改善する。本発明によれば副ガスは、安定化効果、シールド効果、及び同伴−加速効果を、放出された液滴に及ぼす。詳細には、当該技術分野の現状に関し、以下の利点が得られる。即ち、
− ガス流による液滴の偏向が、小さくなり且つ時間的に遅くなる。
− ハウジング壁に沿ったガス流境界層に液滴が更に効率的に入り込む。
− ガス流中での液滴の軌跡が良好に制御される。
− 液滴が放出される扇形のスプレー角度が更に安定する。
【0027】
これらの及び他の有利な効果により、液滴の少なくとも一部が、ガス流に、副ガスがない場合よりも効率的に散在させられる。
【0028】
本発明によれば、様々な液滴直径の分布範囲(例えばガウス分布)が比較的広くなり、例えば50mm乃至250mmとなる。液滴は直径に従って軌跡が変化し、かくしてガス流中への入り込みの程度が変化し、そのため、ガス流への液滴の散在が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0030】
図1、図2、及び図3は本発明による方法を概略に示す。
【0031】
図1(a)には、本発明による噴射ノズル1の第1実施形態の上部分が概略に側面図で示してある。この図では、及び説示的目的のため、先ず最初にガス流が存在しないものと仮定する。噴射ノズル1の液体オリフィス22から液滴5が放出される。液滴5は、特定的には、本質的に一つの平面(yz平面)−本明細書中で液体噴射平面50と呼ぶ−をなして放出される。液滴のx方向での空間的分布の拡がりが、y方向及びz方向の夫々よりも遙かに小さいため、ここでは「平面」と呼ぶことができる。このことは、図1乃至図3から直ちに明らかになることではない。これは、これらの図では、明瞭化を図る目的で三つの空間方向の長さ状態が正確に縮尺通りでないためである。
【0032】
更に、副ガス6.1、6.2が、夫々、少なくとも一つのガスオリフィスから、図1の例では噴射ノズル1の二つのガスオリフィス24.1、24.2から放出される。これらのガスオリフィス24.1、24.2の各々は、液体オリフィス22に関し、副ガス6.1、6.2が本質的にガス噴射平面60.1、60.2として出るように形成されて構成されている。ここに示す例では、ガス噴射平面60.1、60.2は液体噴射平面50と本質的に平行であり且つ離間されている。液体噴射平面50とガス噴射平面60.1、60.2との間の距離は、好ましくは、液滴5及び副ガス6.1、6.2が、混合ゾーン7で、少なくとも、限定された軌跡後に互いに接触するように選択される。
【0033】
図1(b)に示す本発明による噴射ノズル1の第2の実施形態は、副ガス6.1が液体噴射平面50に関して所定角度で僅かに傾けて平面60.1をなして放出されるように第1ガスオリフィス24.1が設計されているという点で、図1(a)に示す形態と異なっている。傾斜角度βは、例えば約2°乃至20°であり、好ましくは10°である。このような傾斜角度は、以下に更に詳細に説明するように効率的にガス流に散在させる上で有利である。
【0034】
図2には、図1(a)に示したのと同じ噴射ノズル1が示してある。しかし、この図では、矢印で概略に示すガス流8が存在する。このガス流8の流れ方向が(+x)方向であると仮定する。放出された媒体5、6.1、6.2は、一方では、スラスト及び/又は摩擦によって互いに相互作用し、他方ではガス流8と相互作用する。媒体5、6.1、6.2の相互作用によって、これらの媒体5、6.1、6.2はy方向及びz方向の両方向で加速される。媒体5、6.1、6.2とガス流8との相互作用により、これらの媒体5、6.1、6.2はx方向に加速され、即ち液体噴射平面50の外に、即ちガス噴射平面60.1、60.2の外に偏向される。この偏向は、液滴5だけにガス流8が作用する場合には、早期に大きく発生する。この場合、液滴5は僅かな距離(z方向で)しか前進しない。しかしながら、本発明に従って液滴5とともに放出された副ガス6.1、6.2は、少なくとも三つの点でこの望ましからぬ作用に抵抗する。即ち、
− 第1に、副ガス6.1、6.2が、液滴5に、それらの大きさ、スプレーの角度α(図3参照)、及びそれらの軌跡に関して安定するように及び制御するように作用する。かくして、冒頭に言及した米国特許第6,267,301号の教示とは対照的に、副ガス6は液滴5の最初の大きさを変更せず、詳細には液滴5は更に小さく微細化されない。
【0035】
− 第2に、上流に配置されたガスオリフィス24.1から放出された副ガス6.1が液滴5をガス流8からシールドする。これは、少なくとも、ノズルを通して放出された後、軌跡の初期区分について行われる。副ガス6.1の粒子はガス流8の粒子と衝突し、これらを(+z)方向で加速する。かくして、ガス流境界層への液滴5の進入を容易にし、境界層と交差した後、ガス流8による液滴5の軌跡の偏向が遅延され、これにより液滴5をガス流8中に更に深く進入させることができる。
【0036】
− 第3に、副ガス6.1、6.2が液滴5に同伴効果又は加速効果を及ぼし、これらを(+z)方向で加速する。勿論、これについての前提条件は、副ガス6.1、6.2の放出速度が液滴の放出速度よりも高いということである。
【0037】
これらの3つの効果の全て、即ち安定効果、シールド効果、及び同伴効果により、液滴の幾分かが、副ガス6.1、6.2がない場合よりも大きく、液滴の最初の大きさに影響を及ぼすことなくz方向に移動する。
【0038】
図3には、図1(a)、図1(b)、又は図2の噴射ノズル1の正面図(ガス流の+x方向)が概略に示してある。液滴5及び副ガス6.1、6.2は、好ましくは、スプレー形状でガス流8内に噴射される。スプレーは、噴射ノズル1からの距離が大きくなるに従って+z方向に拡がる。スプレーの角度αは、例えば、約20°乃至90°であり、好ましくは60°である。
【0039】
液滴5についてのスプレー角度αは、上流で放出される副ガス6.1について及び/又は下流で放出される副ガス6.2について異なっていてもよい。かくして、例えば、三つのスプレー角度α6.1≠α5≠α6.2を選択でき、これらのうちの二つが等しくてもよい、例えばα6.1=α6.2であってもよい。とりわけ、実験によれば、夫々の媒体のガス流中への進入深さは、スプレー角度αが大きければ大きい程小さくなるということがわかった。用途に従って、スプレー角度α5、α6.1、α6.2、放出速度、及び/又は媒体5、6.1、6.2の質量流量等の様々なパラメータを適当な方法で最適化し、ガス流8に液滴5を効率的に散在させる。
【0040】
図4は、本発明による噴射ノズル1の好ましい実施形態を斜視図で示す。同じ実施形態が図5に平面図で示してあり、図6に長手方向断面図で示してある。噴射ノズル1は、ノズルヘッド2、ノズル本体3、並びに液体連結ユニオン41及びガス連結ユニオン43を含む。これらの構成要素は、例えば金属、好ましくはステンレス鋼で製造されている。
【0041】
ノズルヘッド1は、液体チャンネル挿入体21及び2つのガスチャンネル挿入体23.1、23.2を含み、これらの挿入体は、本質的に、円錐形噴射ノズル1の中央平面に配置されている。噴射ノズル1は、好ましくは、ノズルヘッド2のベース表面が、散在されるべきガス流8を境界付けるダクトの内壁と面一であるように設置される。
【0042】
液体チャンネル挿入体21は、長さが1.4mmで幅が約0.4mmのスロット状液体オリフィス22内に開放している。液体オリフィス22は、噴射ノズルの長手方向軸線10の本質的に中央に置かれ、ここに論じる実施形態では、長手方向軸線10から、ノズル直径に関して小さい約1.5mmの長さだけ離間されている。
【0043】
液体オリフィス22と近接した液体放出ゾーンでは圧力降下が生じ、その結果、吸引効果が生じる。これにより、ガス流8中に渦が発生し、これにより平らな液体スプレーを変形し即ち不安定にし、液滴5の大きさ分布を変化させる。この効果をなくすため、又はこれを減少するため、液体チャンネル挿入体21は、ノズルヘッド2のベース表面20を越えてガス流8中に、例えば、約2mm乃至9mm、好ましくは約3mm乃至5mm突出している。液体チャンネル挿入体21のこの突出部により、スプレー角度α並びに液滴の大きさ分布及び軌跡を安定させ、制御する。
【0044】
渦効果を効率的に減少するため、液体オリフィス22は、ベース表面20の上方に、ガスオリフィス24.1、24.2よりも高く配置されなければならない。一方では、ベース表面20に関する液体オリフィス22と各ガスオリフィス24.1、24.2との間の高さの相違と、他方では互いから最も離れて配置された二つの(液体又はガス)オリフィス24.1、24.2間のベース表面での最大距離との間の比は、0.08乃至0.40であり、好ましくは0.12乃至0.20である。
【0045】
ガスチャンネル挿入体23.1、23.2は、各々、長さが約2.1mmであり且つ幅が約1.3mmのスロット状ガスオリフィス24.1、24.2内に開放している。上流に配置されたガスオリフィス24.1は、液体オリフィス22から約15mmのところにある。上流に配置された関連したガスチャンネル挿入体23.1は、好ましくは、ノズルの長手方向軸線10がガス流8に対して垂直(即ちz方向に向けられている)である場合に、放出された副ガス6.1が僅かにガス流8(即ち、その速度はx方向に成分を有する)に向かって差し向けられるように、ノズルの長手方向軸線10に関して僅かに傾斜している。これは、かくして、図1(b)に概略に示す実施形態と本質的に対応する。傾斜角度βは、例えば、約2°乃至20°であり、好ましくは約10°である。これにより、上流に配置されたガスオリフィス23.1から放出された副ガス6.1が液滴5をガス流8から更に効率的にシールドし、液滴5がガス流8中にできるだけ入り込むことができるようにする。
【0046】
下流に配置されたガスオリフィス24.2は、液体オリフィス22から約10mmの距離に配置される。かくして、この距離は、好ましくは、上流に配置されたガスオリフィス24.1と液体オリフィス22との間の距離よりも短い。更に、下流に配置された関連したガスチャンネル挿入体23.2は、好ましくは、ノズル長手方向軸線10と平行である。かくして、噴射ノズル1は、ガスチャンネル挿入体23.1、23.2の距離及び方向に関して非対象である。下流に配置されたガスオリフィス24.2から放出された副ガス6.2の主な目的は、液滴5を同伴し安定させる効果であり、これにより液滴5がガス流8中にできるだけ入り込むことができる。ガスチャンネル挿入体23.1、23.2は、本質的には、ノズルヘッド2のベース表面20に配置される。
【0047】
スロット状の液体オリフィス又はガスオリフィス22、24.1、24.2は、これらのオリフィスの長手方向軸線が互いに平行であり且つガス流8に対して垂直(即ちy方向と平行)であるように配置される。これらは、液体又はガススプレーの角度が約20°乃至90°の間、好ましくは約60°であるように設計されている。
【0048】
ノズルヘッド2は、対応する肩部又はフランジ26、36と係合する二つの止めねじ25.1、25.2によってノズル本体3に取り付けられている。
【0049】
ノズル本体3は、液体5を液体チャンネル挿入体21に導く液体供給チャンネル31及び副ガス6を二つのガスチャンネル挿入体23.1、23.2に導くガス供給チャンネル33を含む。
【0050】
液体連結ユニオン41及びガス連結ユニオン43がノズル本体3にねじ込んであり、これらのユニオンは、液体入口開口部42及びガス入口開口部44を夫々備えている。
【0051】
図6に示す実施形態のように、噴射ノズル1の設計に関し、特に安全性に考慮を払わなければならない。噴射ノズル1の構成要素が作動中に外れたり空気流8とともにコンプレッサーに飛び込んだりすると、コンプレッサー及びタービンに致命的損傷が加わってしまう。このようなことが起こらないようにするため、液体チャンネル挿入体21やガスチャンネル挿入体23.1、23.2等の危険な構成要素は、上方に向かって先細りの形状が設けられているか或いは肩部状のレリーフが設けられている。更に、挿入体21、23.1、23.2等のノズル部品がベース表面20を越えて、即ち空気流8中にできるだけ突出していないように注意を払わなければならない。ノズルの突出部は、詳細には、ガス流8に望ましからぬ影響を生じる。保守要員が登るときの助けとしてこれらを使用することがしばしばあり、これにより損傷を受ける。
【0052】
図4乃至図6に示す噴射ノズル1は、水を液体5として使用し、空気を副ガス6.1、6.2として使用するように設計されている。噴射位置での速度が例えば30m/秒乃至80m/秒で、質量流量が例えば500m3 /秒の空気流8に水滴5を散在させるため、表1に特定した作動パラメータを選択する。
【0053】
表1
パラメータ 液体5 副ガス6.1、6.2
圧力 (Pa) 4×105 4×105
オリフィスの面積(m2 ) 4.4×10-7 2×2.1×10-6
放出速度 (m/秒) 28 317
質量流量 (m3 /秒) 1.3×10-5 2×1.7 ×10-3
上述のように、コンプレッサーブレードの湿潤及びクリーニングを効率的に行うため、これらの作動パラメータ及び例えばスプレー角度α等の他の作動パラメータを変化させ、最適化してもよい。
【0054】
ガス流を使用せず、表1に特定した液体及び副ガスについてのパラメータで図4乃至図6の噴射ノズルをノズルのベース表面20から200mmの距離で使用した実験では、約50μm乃至250μmの水滴直径が計測された。同じ条件で、副ガスがない場合、同様に50μm乃至250μmであった。このことは、水滴直径の分布が副ガスによっては変化しないということを示す。
【0055】
別の実験では、図4乃至図6の噴射ノズルを水平に保持し、ノズルの長手方向軸線10をアンダーレイの上方1200mmの高さに配置する。液体及び副ガス(使用された場合)を各々4×105 Paの圧力で放出した。副ガスがないと、ノズルから800mm乃至2000mmの距離のところでアンダーレイが濡れたことが観察された。これに対し、副ガスを使用した場合の投射(軌跡)範囲は800mm乃至4500mmであった。かくして、液滴は、副ガスにより、副ガスがない場合よりもかなり遠くに送られる。
【0056】
勿論、本発明は、上文中に論じられ且つ添付図面に示した実施形態に限定されない。当業者は、本発明の知識により別の形態の実施形態を開発するであろう。かくして、例えば、図4乃至図6に示すスロット状液体オリフィス22の代わりに、y方向と平行に直線状に並んで配置された幾つかの例えば小径の円形の液体オリフィスを使用してもよい。これらの液体オリフィスを出た液滴全体が液体噴射平面を画成する。同じことがガスオリフィス24.1、24.2にも適用される。有利であれば、上流に配置されたガスチャンネル挿入体23.1をノズルの長手方向軸線に関して傾けることができ、並びにガスオリフィス24.1、24.2を液体オリフィス22に関して非対称に配置することができる。
【0057】
更に、液体噴射平面50は、必ずしも、ガス流8に対して垂直でなくてもよい。というよりはむしろ、ガス流8に関して任意の、好ましくは15°乃至165°の射出角度が可能である。これは、例えば、本発明によるノズルを、冒頭に論じた米国特許第5,193,976号に記載されたノズル取り付けと同様に、ボールジョイントに取り付けることによって実現できる。
【0058】
本発明の様々な実施形態を例示するため、図7は、本発明による噴射ノズルの4つの形態を概略平面図で示す。ノズルヘッド2は、図5と同様に円形のディスクとして示してあるが、勿論、この他の形状であってもよい。散在されるべきガス流もまた、各場合に描いてある。図7は、液体オリフィス22、22.1、22.2、及びガスオリフィス24、24.1−24.6の様々な配置が可能であることを強調する。図7(a)による実施形態は、中央液体オリフィス22を有し、各々、ガスオリフィス24.1及び24.2が上流及び下流に夫々配置されている。これらのオリフィス22、24.1、及び24.2は、流れ方向で互いに隣接して配置されており、各々スロット状形状を備えており、それらの長手方向軸線は互いに平行であり且つ流れ方向に対して垂直である。これらは、ローマ数字のIIIを連想させる。この実施形態は、かくして、本質的に図5の形態と対応する。図7(b)の実施形態では、スロット状液体オリフィス22が同様に二つのスロット状ガスオリフィス24.1、24.2の間に配置されているが、その長手方向軸線が流れ方向と平行であり且つガスオリフィス24.1、24.2の長手方向軸線に対して垂直である。この構成は、大文字Hを連想させる。図7(c)の実施形態では、円形のディスク状の中央液体オリフィス22が同心の環状ガスオリフィス24によって取り囲まれている。図7(d)は、二つの液体オリフィス22.1、22.2を含み且つ各々三つのガスオリフィス24.1−24.6が液体オリフィスの両側に配置された実施形態を示す。当業者は、本発明の知識により、夫々の用途に最適に適合させた液体オリフィス及びガスオリフィスの別の構成を開発するであろう。
【0059】
最後に、図8には、本発明によるガスタービンコンプレッサー9が吸気部分を通る長手方向概略断面図で示してある。吸気部分は、ハウジング壁92を含む吸気ダクト91を有する。更に、クリーニングがなされるべきコンプレッサーブレード93の一部が示してある。ハウジング壁92には少なくとも一つの噴射ノズル1.1−1.4が取り付けられている。噴射ノズルは、液体入口開口部42及びこの液体入口開口部42に連結された少なくとも一つの液体オリフィス22、及び別のガス入口開口部44及びこのガス入口開口部44に連結された少なくとも一つのガスオリフィス24.1、24.2を含む。噴射ノズルは、好ましくは、図4乃至図6の実施形態に従って設計されている。
【0060】
図8に示す実施形態は簡単な概略の例である。更に多くの噴射ノズルを設けてもよいし、これらのノズルをハウジング壁92の様々な位置に分配してもよく、特に周囲に亘って分配してもよい。本発明は、ガスタービンコンプレッサーに限定されず、他の流れ機械の流れダクトに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による噴射ノズルの二つの実施形態(a)及び(b)を、放出された媒体とともに、流れ機械、例えばガスタービンの入口ガス流なしで示す概略側面図である。
【図2】本発明による噴射ノズルの一部を、放出された媒体とともに、流れ機械、例えばガスタービンの入口ガス流がある状態で示す概略側面図である。
【図3】本発明による噴射ノズルの一部を、放出された媒体とともに示す、概略正面図、即ち噴射平面での図である。
【図4】本発明による噴射ノズルの好ましい実施形態を示す斜視図である。
【図5】図4の噴射ノズルの平面図である。
【図6】図4及び図5の噴射ノズルの図5のIV−IV線に沿った長手方向断面図である。
【図7】本発明による噴射ノズルの様々な実施形態を示す概略平面図である。
【図8】本発明によるガスタービンコンプレッサーの吸気部分の長手方向概略断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 噴射ノズル
10 長手方向軸線
2 ノズルヘッド
20 ベース表面
21 液体チャンネル挿入体
22、22.1、22.3 液体オリフィス
23.1、23.2 ガスチャンネル挿入体
24、24.1−24.6 ガスオリフィス
25.1、25.2 止めねじ
26 肩部
3 ノズル本体
31 液体供給チャンネル
33 ガス供給チャンネル
36 肩部
41 液体連結ユニオン
42 液体入口開口部
43 ガス連結ユニオン
44 ガス入口開口部
5 液滴
50 液体噴射平面
6.1、6.2 副ガス
60.1、60.2 ガス噴射平面
7 混合ゾーン
8 ガス流
9 ガスタービンコンプレッサー
91 吸気ダクト
92 ハウジング壁
93 コンプレッサーブレード
x、y、z 直交座標
α 夫々の扇状ガスの扇状液滴のスプレー角度
β 噴射平面の傾斜角度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴(5)をガス流(8)中に噴射して、ガス流(8)に液滴(5)を分散させるための方法において、
副ガス(6.1、6.2)を前記液滴(5)と同時に前記ガス流(8)中に噴射し、
前記副ガス(6.1、6.2)の噴射速度は、前記液滴(5)の噴射速度よりも大きく、
そのため、噴射された副ガス(6.1、6.2)が、噴射された液滴(5)をその軌跡及び大きさに関して安定させ、前記液滴を前記ガス流(8)から部分的にシールドし及び/又は前記ガス流(8)中に同伴する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記副ガス(6.1、6.2)の放出速度は、前記液滴(5)の放出速度よりも少なくとも2倍大きく、好ましくは少なくとも5倍大きく、例えば少なくとも10倍大きい、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、前記液滴(5)は前記ガス流(8)中に本質的に液体噴射平面(50)をなして噴射され、
前記副ガス(6.1、6.2)は前記ガス流(8)中に前記液滴(5)と同時に噴射され、
前記副ガス(6.1、6.2)は前記ガス流(8)中に本質的にガス噴射平面(60.1、60.2)をなして噴射される、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記液体噴射平面(50)は、前記ガス流(8)の流れ方向(x)に対して本質的に垂直である、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の方法において、前記ガス噴射平面(60.2)は、前記液体噴射平面(50)と本質的に平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されている、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の方法において、前記ガス噴射平面(60.1)は、前記ガス流(8)の前記方向(x)での前記副ガス(6.1)に関する速度成分が前記液滴(5)に関する速度成分よりも小さいように、前記液体噴射平面(50)に関して僅かに傾斜しており、前記傾斜角度(β)は、例えば約2°乃至20°であり、好ましくは約10°である、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項3乃至6のうちのいずれか一項に記載の方法において、前記液体噴射平面(50)の両側で、各々、副ガス(6.1、6.2)が前記ガス流(8)中に、夫々、第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)をなして噴射され、前記第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)は、本質的に前記液体噴射平面(50)と平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されている、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、上流に配置された前記ガス噴射平面(60.1)と前記液体噴射平面(50)との間の距離は、下流に配置された前記ガス噴射平面(60.2)と前記液体噴射平面(50)との間の距離よりも大きいように選択される、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の方法において、前記液滴(5)及び前記副ガス(6.1、6.2)は前記ガス流(8)中に扇の形状にて噴射され、この扇のスプレー角度(α)は、好ましくは20°乃至90°、例えば60°である、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の方法において、前記液滴(5)及び前記副ガス(6.1、6.2)は、スロット状オリフィス(22;24.1、24.2)から放出され、これらのオリフィスは、互いに隣接して配置され、その長手方向軸線は好ましくは互いに平行である、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
ガスタービンコンプレッサーの吸気流(8)にクリーニング液の液滴(5)を散在させるための、請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項12】
吸気(8)が流れる吸気ダクトを持つガスタービンコンプレッサーを湿式クリーニングするための方法であって、
液滴の形態のクリーニング液(5)を前記吸気ダクト中に噴射し、
前記液滴(5)を、吸気(8)によって、ガスタービンコンプレッサーのクリーニングがなされるべき部分に送り、この部分をクリーニングする方法において、
副ガス(6.1、6.2)を前記液滴(5)と同時に前記吸気流(8)中に噴射し、
前記副ガス(6.1、6.2)の噴射速度は前記液滴(5)の噴射速度よりも大きく、
そのため、噴射された前記副ガス(6.1、6.2)が、噴射された前記液滴(5)をその軌跡及び大きさに関して安定させ、前記液滴を前記吸気流(8)から部分的にシールドし及び/又は前記吸気流(8)中に同伴する、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法を実施するための噴射ノズル(1)であって、
前記噴射ノズル(1)をガス流(8)に対して境界付けるベース表面(20)、
液体入口開口部(42)及びガス入口開口部(44)、
前記液体入口開口部(42)に連結された少なくとも一つの液体オリフィス(22)、及び
前記ガス入口開口部(44)に連結された少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)を含む、噴射ノズル(1)において、
前記噴射ノズル(1)は、少なくとも一つの液体オリフィス(22)が、前記ベース表面(20)から前記ガス流(8)中に突出した少なくとも一つの突出部(21)に配置されている、ことを特徴とする噴射ノズル(1)。
【請求項14】
請求項13に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの突出部(21)の前記ベース表面(20)の上方の高さは、2mm乃至9mm、好ましくは3mm乃至5mmである、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)は、前記ベース表面(20)から、例えば、一方では、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)と前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)との間の前記ベース表面(20)に関する高さの差、他方では、互いに最も離間された二つの液体オリフィス及び/又はガスオリフィス(22、24.1、24.2)の間の前記ベース表面(20)での最大距離、の比が0.08乃至0.40であり、好ましくは0.12乃至0.20の範囲内にあるように、前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)よりも高く配置されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項16】
請求項13、14、又は15に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)は、前記液体入口開口部(42)に導入された液体が、本質的に液体噴射平面(50)をなして分配された液滴の形態で前記液体入口開口部(42)から放出されるように設計されており、
前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)は、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)に関し、前記ガス入口開口部(44)に導入された前記副ガス(6.1、6.2)が、本質的に少なくとも一つのガス噴射平面(60.1、60.2)をなして前記ガス入口開口部(44)から放出されるように設計されて構成されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項17】
請求項16に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.2)は、前記ガス噴射平面(60.2)が前記液体噴射平面(50)と本質的に平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されるように設計されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項18】
請求項16に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1)は、前記ガス噴射平面(60.1)が前記液体噴射平面(50)に関して僅かに傾斜しており、その傾斜角度(β)が、例えば約2°乃至20°、好ましくは約10°であるように設計されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項19】
請求項16乃至18のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、前記噴射ノズル(1)は、液体オリフィス(22)及びこのオリフィスの両側に夫々一つずつ配置されたガスオリフィス(24.1、24.2)を有し、これらのガスオリフィスは、前記液体噴射平面(50)の両側で、各々、副ガス(6.1、6.2)を第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)の夫々をなして放出するように配置されており、前記第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)は前記液体噴射平面(50)と本質的に平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項20】
請求項19に記載の噴射ノズルにおいて、前記ガスオリフィス(24.1、24.2)と前記液体オリフィス(22)との間の距離は等しくない、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項21】
請求項16乃至20のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)は、前記液滴(5)及び前記副ガス(6.1、6.2)が扇の形状をなして放出されるように設計されており、これらの扇のスプレー角度(α)は、約20°乃至90°、例えば60°である、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項22】
請求項13乃至21のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)は、互いに隣り合って配置されており且つ細長い形状を有し、これらのオリフィスの長手方向軸線は互いに平行である、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項23】
ガスタービンコンプレッサーの吸気流(8)にクリーニング液の液滴(5)を散在させるための、請求項13乃至22のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズル(1)の使用。
【請求項24】
流れダクト、例えばハウジング壁(92)を備えた吸気ダクト(91)を持つガスタービンコンプレッサー(9)等の流れ機械において、
請求項13乃至21のうちのいずれか一項に記載の少なくとも一つの噴射ノズル(1)がハウジング壁(92)に取り付けられている、ことを特徴とする流れ機械。
【請求項25】
流れダクト、例えばハウジング壁(92)を備えた吸気ダクト(91)を持つガスタービンコンプレッサー(9)等の流れ機械であって、前記ハウジング壁(92)には、液体入口開口部(42)及びこの液体入口開口部(42)に連結された少なくとも一つの液体オリフィス(22)を持つ少なくとも一つの噴射ノズル(1)が取り付けられている、流れ機械において、
前記噴射ノズル(1)は、ガス入口開口部(44)及びこのガス入口開口部(44)に連結された少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)を更に含む、ことを特徴とする流れ機械。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴(5)をガス流(8)中に噴射して、ガス流(8)に液滴(5)を分散させるための方法において、
副ガス(6.1、6.2)を前記液滴(5)と同時に前記ガス流(8)中に噴射し、
前記副ガス(6.1、6.2)の噴射速度は、前記液滴(5)の噴射速度よりも大きく、
そのため、噴射された副ガス(6.1、6.2)が、噴射された液滴(5)をその軌跡及び大きさに関して安定させ、前記液滴を前記ガス流(8)から部分的にシールドし及び/又は前記ガス流(8)中に同伴する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記副ガス(6.1、6.2)の噴射速度は、前記液滴(5)の噴射速度よりも少なくとも2倍大きく、好ましくは少なくとも5倍大きく、例えば少なくとも10倍大きい、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、前記液滴(5)は前記ガス流(8)中に本質的に液体噴射平面(50)をなして噴射され、
前記副ガス(6.1、6.2)は前記ガス流(8)中に前記液滴(5)と同時に噴射され、
前記副ガス(6.1、6.2)は前記ガス流(8)中に本質的にガス噴射平面(60.1、60.2)をなして噴射される、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記液体噴射平面(50)は、前記ガス流(8)の流れ方向(x)に対して本質的に垂直である、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の方法において、前記ガス噴射平面(60.2)は、前記液体噴射平面(50)と本質的に平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されている、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の方法において、前記ガス噴射平面(60.1)は、前記ガス流(8)の前記方向(x)での前記副ガス(6.1)に関する速度成分が前記液滴(5)に関する速度成分よりも小さいように、前記液体噴射平面(50)に関して僅かに傾斜しており、前記傾斜角度(β)は、例えば約2°乃至20°であり、好ましくは約10°である、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項3乃至6のうちのいずれか一項に記載の方法において、前記液体噴射平面(50)の両側で、各々、副ガス(6.1、6.2)が前記ガス流(8)中に、夫々、第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)をなして噴射され、前記第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)は、本質的に前記液体噴射平面(50)と平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されている、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、上流に配置された前記ガス噴射平面(60.1)と前記液体噴射平面(50)との間の距離は、下流に配置された前記ガス噴射平面(60.2)と前記液体噴射平面(50)との間の距離よりも大きいように選択される、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の方法において、前記液滴(5)及び前記副ガス(6.1、6.2)は前記ガス流(8)中に扇の形状にて噴射され、この扇のスプレー角度(α)は、好ましくは20°乃至90°、例えば60°である、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の方法において、前記液滴(5)及び前記副ガス(6.1、6.2)は、スロット状オリフィス(22;24.1、24.2)から放出され、これらのオリフィスは、互いに隣接して配置され、その長手方向軸線は好ましくは互いに平行である、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
ガスタービンコンプレッサーの吸気流(8)にクリーニング液の液滴(5)を散在させるための、請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項12】
吸気(8)が流れる吸気ダクトを持つガスタービンコンプレッサーを湿式クリーニングするための方法であって、
液滴の形態のクリーニング液(5)を前記吸気ダクト中に噴射し、
前記液滴(5)を、吸気(8)からガスタービンコンプレッサーのクリーニングがなされるべき部分に送り、この部分をクリーニングする方法において、
副ガス(6.1、6.2)を前記液滴(5)と同時に前記吸気流(8)中に噴射し、
前記副ガス(6.1、6.2)の噴射速度は前記液滴(5)の噴射速度よりも大きく、
そのため、噴射された前記副ガス(6.1、6.2)が、噴射された前記液滴(5)をその軌跡及び大きさに関して安定させ、前記液滴を前記吸気流(8)から部分的にシールドし及び/又は前記吸気流(8)中に同伴する、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法を実施するための噴射ノズル(1)であって、
前記噴射ノズル(1)をガス流(8)に対して境界付けるベース表面(20)、
液体入口開口部(42)及びガス入口開口部(44)、
前記液体入口開口部(42)に連結された少なくとも一つの液体オリフィス(22)であって、前記ベース表面(20)から前記ガス流(8)中に突出した少なくとも1つの突出部(21)に配置されている液体オリフィス、及び
前記ガス入口開口部(44)に連結された少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)を含む、噴射ノズル(1)において、
前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)は、前記液体入口開口部(42)に導入された液体が、本質的に液体噴射平面(50)をなして分配された液滴の形態で前記液体入口開口部(42)から放出されるように設計されており、
前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)は、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)に関し、前記ガス入口開口部(44)に導入された前記副ガス(6.1、6.2)が、本質的に少なくとも一つのガス噴射平面(60.1、60.2)をなして前記ガス入口開口部(44)から放出されるように設計されて構成されている、ことを特徴とする噴射ノズル(1)。
【請求項14】
請求項13に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの突出部(21)の前記ベース表面(20)の上方の高さは、2mm乃至9mm、好ましくは3mm乃至5mmである、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)は、前記ベース表面(20)から、例えば、一方では、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)と前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)との間の前記ベース表面(20)に関する高さの差、他方では、互いに最も離間された二つの液体オリフィス及び/又はガスオリフィス(22、24.1、24.2)の間の前記ベース表面(20)での最大距離、の比が0.08乃至0.40であり、好ましくは0.12乃至0.20の範囲内にあるように、前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)よりも高く配置されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項16】
請求項13乃至15のいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.2)は、前記ガス噴射平面(60.2)が前記液体噴射平面(50)と本質的に平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されるように設計されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項17】
請求項13乃至15のいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1)は、前記ガス噴射平面(60.1)が前記液体噴射平面(50)に関して僅かに傾斜しており、その傾斜角度(β)が、例えば約2°乃至20°、好ましくは約10°であるように設計されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項18】
請求項13乃至17のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、前記噴射ノズル(1)は、液体オリフィス(22)及びこのオリフィスの両側に夫々一つずつ配置されたガスオリフィス(24.1、24.2)を有し、これらのガスオリフィスは、前記液体噴射平面(50)の両側で、各々、副ガス(6.1、6.2)を第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)の夫々をなして放出するように配置されており、前記第1及び第2のガス噴射平面(60.1、60.2)は前記液体噴射平面(50)と本質的に平行であり且つ前記液体噴射平面(50)から離間されている、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項19】
請求項18に記載の噴射ノズルにおいて、前記ガスオリフィス(24.1、24.2)と前記液体オリフィス(22)との間の距離は等しくない、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項20】
請求項13乃至19のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)は、前記液滴(5)及び前記副ガス(6.1、6.2)が扇の形状をなして放出されるように設計されており、これらの扇のスプレー角度(α)は、好ましくは20°乃至90°、例えば60°である、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項21】
請求項13乃至20のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズルにおいて、前記少なくとも一つの液体オリフィス(22)及び前記少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)は、互いに隣り合って配置されており且つ細長い形状を有し、これらのオリフィスの長手方向軸線は互いに平行である、ことを特徴とする噴射ノズル。
【請求項22】
ガスタービンコンプレッサーの吸気流(8)にクリーニング液の液滴(5)を散在させるための、請求項13乃至21のうちのいずれか一項に記載の噴射ノズル(1)の使用。
【請求項23】
流れダクト、例えばハウジング壁(92)を備えた吸気ダクト(91)を持つガスタービンコンプレッサー(9)等の流れ機械において、
請求項13乃至21のうちのいずれか一項に記載の少なくとも一つの噴射ノズル(1)がハウジング壁(92)に取り付けられている、ことを特徴とする流れ機械。
【請求項24】
流れダクト、例えばハウジング壁(92)を備えた吸気ダクト(91)を持つガスタービンコンプレッサー(9)等の流れ機械であって、前記ハウジング壁(92)には、液体入口開口部(42)及びこの液体入口開口部(42)に連結された少なくとも一つの液体オリフィス(22)を持つ少なくとも一つの噴射ノズル(1)が取り付けられている、流れ機械において、
前記噴射ノズル(1)は、ガス入口開口部(44)及びこのガス入口開口部(44)に連結された少なくとも一つのガスオリフィス(24.1、24.2)を更に含む、ことを特徴とする流れ機械。

【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−515226(P2006−515226A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566702(P2004−566702)
【出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000765
【国際公開番号】WO2004/065020
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(505280026)ターボテクト、リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】TURBOTECT LTD.
【Fターム(参考)】