ガラス管の検査装置及び検査システム
【課題】 管引きされるガラス管を管引き成形ライン上で連続して異物等の検査を行う。
【解決手段】 連続成形を行う管引き成形ライン3に設置され、管軸方向に連続移送されるガラス管15を撮影する撮像装置20と、この撮像装置20に対しガラス管軸を挟み対向配置された光源19と、この光源19で光照射されたガラス管15の撮像装置20による撮影画像を画像処理し異物不良等を検出する画像処理装置23を備えた装置で、画像処理装置23は、検査枠53が、撮影画像50のガラス管15肉厚部の肉厚遮光部分51よりも内方側の透光部分52に、肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離して設定されていて、該検査枠53内にある異物等の遮光画像58を画像処理して不良検出するものであり、検査枠53が、該ガラス管15蛇行時の肉厚遮光部分51の位置変動に追随して所定距離Rを維持するよう設定されている。
【解決手段】 連続成形を行う管引き成形ライン3に設置され、管軸方向に連続移送されるガラス管15を撮影する撮像装置20と、この撮像装置20に対しガラス管軸を挟み対向配置された光源19と、この光源19で光照射されたガラス管15の撮像装置20による撮影画像を画像処理し異物不良等を検出する画像処理装置23を備えた装置で、画像処理装置23は、検査枠53が、撮影画像50のガラス管15肉厚部の肉厚遮光部分51よりも内方側の透光部分52に、肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離して設定されていて、該検査枠53内にある異物等の遮光画像58を画像処理して不良検出するものであり、検査枠53が、該ガラス管15蛇行時の肉厚遮光部分51の位置変動に追随して所定距離Rを維持するよう設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に管引き成形され移送されるガラス管を成形ライン上で検査するガラス管の検査装置及び検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異物検出除去装置として、管引きされているガラス管の外周上に4組の投光部の光源と受光部の太陽電池を配した異物検査部、演算部、除去部を有し、ガラス管を透過してきた光源からの光から得られる太陽電池の起電力の差異をもって不良検出を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような構成のものでは、異物等の欠点がない状態のガラス管を透過してきた際に発生する太陽電池の起電力と、異物等が中にありその部分のガラスが厚くレンズ状となり、そこが光源に映ることで起こるレンズ効果によって発生した太陽電池の起電力の微弱な電位差を検出している。しかし、こうしたものでは、微小な異物にて発生する起電力はあまりにも微弱であるため十分な検出を行うことができない。そして、微弱な差を検出しようとして感度を高めると誤作動の原因となり、良品を不良であると誤検出し排除してしまう虞があった。このため、誤検出を減らし、所定の品質水準を維持しようとすると、外観検査の頻度が増し、検査員の負担が増加するなど手間のかかるものとなる。
【0003】
また、所定長さとした透光体のガラス管の検査装置として、回転させた状態のガラス管にスリット光源から光を当て、透過光を画像処理して欠陥の検出を行うものがある(例えば、特許文献2参照。)。このような構成のものでは、被検体となるガラス管を回転させる必要があり、管引き成形ライン上を連続移送されるガラス管を検査するために、管引き成形ラインに設置することができない。
【特許文献1】実公平7−34365号公報
【特許文献2】特開2002−156337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは管引きされるガラス管を管引き成形ライン上で連続して異物等の検査を行い、誤検出を低減すると共に所定の品質水準を維持することができ、また検査に手間のかからないガラス管の検査装置及び検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のガラス管の検査装置及び検査システムは、連続的に管引き成形を行う成形ラインに設置され、管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管を撮影する撮像装置と、この撮像装置に対し前記ガラス管の管軸を挟み対向配置された光源と、この光源により光照射された前記ガラス管の前記撮像装置によって撮影された撮影画像を画像処理し、該ガラス管の異物不良等を検出する画像処理装置を備えた検査装置であって、前記撮像装置は、前記ガラス管の直径寸法以上の撮像範囲を有すると共に、前記ガラス管が全周にわたり撮影可能となるよう前記光源と共に少なくとも4対配設されており、前記画像処理装置は、検査枠が、前記撮影画像における前記ガラス管の肉厚部による遮光部分よりも内方側の透光部分に、前記遮光部分から所定距離だけ離して設定されていて、該検査枠内にある撮影画像中の異物等の画像を画像処理することにより不良検出するものであり、前記検査枠は、該ガラス管が蛇行した際に、蛇行による遮光部分の位置変動に追随して前記所定距離を維持するよう設定されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記撮像装置は、被写界深度が前記ガラス管の直径寸法以上であって、前記検査枠内の撮影域が隣接する装置間でそれぞれ管周方向に一部重複したものとなるよう該ガラス管の管軸に直交する同一平面内の異なる位置に配置されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記検査枠の前記ガラス管の管軸方向寸法は、所定撮影間隔をおいて撮影された該検査枠内の撮影画像が、管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と前記所定撮影間隔を基に導き出された長さに設定されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記撮像装置は、前記検査枠内の撮影画像が、前記ガラス管の管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と該検査枠の管軸方向長さを基に導き出された所定撮影間隔をおいて撮影を行うことを特徴とするものであり、
さらに、前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分を異物等の画像として認識するものであり、予め設定した前記固体撮像素子カメラにおける連続した所定画素数以上の異物等の画像を検出した際、認識した遮光部分に対応する前記ガラス管の部位を異物不良等であると判定することを特徴とするものであり、
さらに、前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分のうち、所定の濃度以上の部分を前記ガラス管のガラス中の異物と判定し、所定濃度に満たない部分を前記ガラス管のガラス表面への付着物と判定することを特徴とするものであり、
また、連続的にガラス管の管引き成形を行う成形ラインと、この成形ラインに設置され管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管の異物等の不良検出をする上記請求項1記載の検査装置と、この検査装置による検査後の前記ガラス管を所定長に切断する切断装置と、前記検査装置より前記成形ラインの移送方向下流側の所定離間距離だけ隔たった位置に設置され、前記切断装置で切断された前記ガラス管のうち前記検査装置で不良判定された不良ガラス管を排除する排除装置を備えるものであって、前記排除装置での不良ガラス管の排除が、前記検査装置での不良判定時点から、前記検査装置、前記排除装置間の所定離間距離と前記管引き速度とに基づいて算出された時間経過後に行われるよう設定されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、管引き成形ライン上で連続してガラス管を異物等の検査を行うことができ、誤検出を低減することができると共に所定の品質水準を維持することができ、検査に手間のかからない等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の一実施形態を、図1乃至図11を参照して説明する。図1は検査システムの構成図であり、図2は検査装置の要部断面図であり、図3は検査装置の斜視図であり、図4は検査装置を説明するために示す図であり、図5は画像処理装置の個別処理装置に表示された画面を示す図であり、図6はガラス管の木目筋が表示された画面を示す図であり、図7は画像処理の過程を示すフローチャートであり、図8は画像処理装置の個別処理装置での各値の設定時の画面を示す図であり、図9は図8のP部分を拡大して示す図であり、図10は異物等の画像が表示された画面を示す図であり、図11はガラス管蛇行に伴う検査枠の位置移動を説明するための図で、図11(a)は位置移動前の図、図11(b)は位置移動後の図である。
【0008】
図1乃至図11において、ガラス管の検査システム1は、ダンナー成形法による管引き成形装置2の管引き成形ライン3のラインが水平となるように構成されている部分に沿って、順に検査装置4、切断装置5、排除装置6を設置して構成されている。管引き成形装置2は、図示しないガラス熔融炉によって溶融された溶融ガラス7を所定温度に保持し貯溜するガラス溶融容器8と、このガラス溶融容器8の底部に形成されたガラス流下口9の下方に配設され、駆動機構10により所定回転速度で一定方向に回転するスリーブ11備えている。スリーブ11は先端が下方となるよう所定の傾斜角度で傾斜していると共に、スリーブ11の軸心に沿いガス圧送路12が貫通して設けられていて、このガス圧送路12を通じ、圧ガス供給源13から供給されたブローエアが先端開口から噴出するようになっている。
【0009】
そして、ガラス溶融容器8のガラス流下口9から適正に粘性が調整された溶融ガラス7がリボン状に流下し、スリーブ11の上方の根元側表面に巻き付く。その後、巻き付いた溶融ガラス7は、重力により根元側から下方の先端側に移動し、先端開口から噴出する所定圧力のブローエアによって管状に成形され、管引き成形ライン3の検査装置4と切断装置5の間に配置された管引き機14によって、例えば直径が23mm〜32mm、管肉厚が2.4mm程度の所定管外径、所定管肉厚の連続した透光性ガラス管15の管引きが、管軸Oを中心にしてゆっくり回転しながら行われる。
【0010】
このとき、例えば管引き成形ライン3に沿って移送されるガラス管15の管外径が第1の管外径測定器16、第2の管外径測定器17でそれぞれ測定され、測定結果はブロー圧制御部18に入力され、それに基づき、管外径が所定寸法となるよう圧ガス供給源13の制御が行われる。なお、管引き速度については、図示しないがガラス管15の速度を測定し管引き機14を調節することによって、所定管引き速度を維持するようになっている。例えば、CRT用のネック管では10〜20m/分、蛍光灯用ガラス管では数十m/分の管引き速度が維持される。
【0011】
また、検査装置4は、透光性ガラス管15の異物不良等の有無を検査するもので、4つの光源19と4つの撮像装置20が収納された正八角形の角環状の筐体21を備え、環状筐体21の環状面の中心部に管引き成形ライン3上の水平方向に移送されるガラス管15が直交するよう配置される撮像部22と、撮像部22の撮影画像を処理する画像処理装置23を備えた制御部24、さらに環状筐体21を管引き成形ライン3の適正な位置に支持する筐体支持部25を備えている。
【0012】
そして、筐体支持部25は、管引き成形ライン3に沿って敷設されたレール26上を敷設方向に車輪27により移動可能とすると共に、図示しない固定機構によってレール26上の所定位置に固定可能とした移動台28を備え、この移動台28上には昇降機構29が設けられている。また昇降機構29は、上部の取付台30と移動台28との間に、中心部分を回動可能に組み合せた交差アーム31を両側に備え、昇降ハンドル32を回すことで交差アーム31の上端が上下し、取付台30がZ方向に昇降するようになっている。
【0013】
さらに、取付台30には、進退ねじ部33によって結合され、進退ねじ34を調節することで、水平面内でレール敷設方向、すなわちガラス管15の移送方向であるU方向に直交する方法のV方向に進退する台座35が設けられている。またさらに、台座35には、回動ねじ部36によって結合され、両側の回動ねじ37を調節することで、水平面内でθ方向に回動する取付座38が設けられている。そして、取付座38の上面に環状筐体21が、θ方向の回動中心に筐体中心を一致させて固定されるようになっている。
【0014】
一方、撮像部22を構成する正八角形の角環状の筐体21には、両側壁39とそれぞれ8つの外壁40と内壁41の間を、同じく8つの隔壁42によって区画することにより、同形状の8つの小室43が構成されており、さらに、8つの小室43は、それぞれ対向する小室43a,43bの内壁41a,41bが互いに平行面となるようになっている。なお、小室43a,43bとは、正八角形の相対する頂点を結ぶ中心線の片方側に小室43aが、また他方側に小室43bがそれぞれ4室ずつ配置される。
【0015】
そして、片方側の各小室43aの小室43b対向面には、例えば100mm×100mmサイズを有する赤色LED(発光ダイオード)アレイ44の前面に光拡散板45を配置してなる光源19が設けられ、電源47によって対向する小室43b方向に赤色LEDアレイ44の発光光を光拡散板45を透過させて投射する。
【0016】
また、環状筐体21の他方側の各小室43bは、小室43a対向面、すなわち光源19に対向する面に所定直径の撮影開口48が形成されており、各小室43b内には、所定の撮影範囲を持ち、ガラス管15の前面から背面までの間の明瞭な映像が得られるよう被写界深度がガラス管15の直径寸法以上となっているCCD(固体撮像素子)カメラで構成される撮像装置20が、その光軸Lを撮影開口48の中心を通り移送されるガラス管15の管軸Oに直角に交差させ、対向する光源19の中心に至るように設けられている。これにより、ガラス管15の管軸Oを中心とする円周上の片方側に、隣り合うものと光軸Lを45度ずらした状態で撮像装置20が配置され、その光軸Lがガラス管15の管軸Oの同一点で交差し、同様に撮像装置20に対応する光源19が他方側に位置し、各撮像装置20、各光源19は、管軸Oに直交する同一平面内に配置される。そして、このように光軸Lを45度ずらして撮像装置20を管軸Oに直交する同一平面内に配置することで、少なくとも4つの撮像装置20の隣り合うものとの間での検査範囲を重複したものとすることができ、ガラス管15の全周の撮影が可能となる。
【0017】
すなわち、検査範囲の重複については、撮像装置20の撮影範囲49をガラス管15の全直径範囲が移送時に位置ぶれしても撮影可能であるようにする。そして、管外面周方向については、撮影されたガラス管15の前面から背面の透視映像である撮影画像50のうち、管肉厚部分に対応する上下の肉厚遮光部分51の間に形成される透光部分52の中に、両肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置に検査範囲を決める検査枠53の管径方向位置を設定する。例えば直径29mmのガラス管15では管外面周方向に約30mmの範囲とし、管径方向の検査範囲をガラス管15直径の2/3以上の寸法に取る。このように、検査枠53を明確な映像が得られ難い肉厚遮光部分51に近い位置を避けて設定し、また隣接する撮像装置20を検査範囲が重複するように検査枠53を設定することで、管周方向に連続した検査範囲が設けられる。
【0018】
また管軸方向については、管引き成形ライン3上を移送されるガラス管15の移送速度、すなわち管引き速度vと、撮影から次の撮影までの撮像装置20の撮影間隔tとから、検査範囲が重複するよう算出された位置に検査枠53の管軸方向位置を設定する。例えば、ネック管では管引き速度vが10〜20m/分で、撮像装置20の撮影間隔が0.1秒で約30mm毎に撮影がなされることから、管軸方向の検査範囲を50mm以上とするように検査枠53の管軸方向位置を設定する。これにより、管軸方向についても連続した検査範囲が設けられることになる。なお、検査枠53の管径方向位置を設定する際に、肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置に設定したのは、例えば検査内容によって検出対象とならないガラス管15の木目筋等がガラス管15の回転に伴って肉厚遮光部分51に近い位置に現れると、明瞭な影54として撮影される場合があるので、これを避けることができるようにしたためである。
【0019】
また、撮像部22の撮影画像を処理する画像処理装置23を備えた制御部24は、画像処理装置23を構成する各撮像装置20からの各撮影画像信号をそれぞれ処理するよう設けられたパーソナルコンピュータ等の個別処理装置55と、画像処理装置23からの出力信号を受けて排除装置6等を制御するライン制御装置56とで構成されている。そして、個別処理装置55では、撮像装置20からの撮影画像信号が入力されると、予め入力設定した初期設定値や閾値等と、設定されているプログラムを用いて所定の画像処理が行われ、撮影画像に含まれる異物等を検出し、それが不良であるか否かの判断を行った後、出力信号をライン制御装置56に出力する。
【0020】
こうした個別処理装置55での画像処理は、それぞれの個別処理装置55において、次のように行われる。先ず、図7における第1ステップS1で、個別処理装置55の表示画面57を使いその画面P部分に表示されるように、各初期設定値、閾値の設定を行う。この設定に際し、以下の各設定数値については、例えば1画素を1単位として各入力と表示が行われる。そして、例えば、X1:80、Y1:180、X2:550、Y2:320の図中の記載は、検査枠53の初期位置を画素数で示すもので、表示画面57に表示された撮影範囲49の左上位置を座標の基準位置(X0,Y0)として、(X1,Y1)は検査枠53の左上位置から画素数で数え、X方向(図中右方向)に80画素、Y方向(図中下方向)に180画素の位置の座標を示し、(X2,Y2)は同様に検査枠53の右下位置の座標を示しており、X方向に550画素、Y方向に320画素の位置を示す。このように個別処理装置55の図示しない入力手段により、左上位置及び右下位置の座標を入力し、検査枠53のサイズ、位置のそれぞれ初期設定を行う。
【0021】
また、撮影画像50中にある異物等の遮光画像58が不良であるた否か判断するための幅w寸法、高さh寸法等の閾値の設定を、同じく個別処理装置55の入力手段により画素数を入力して行う。例えばW:3、W3:60は異物等が不良であるか否を判断する際の幅w寸法の閾値で、Wは最小値、W3は最大値を示す。同様にH:3、H3:6は異物等が不良であるか否を判断する際の高さh寸法の閾値で、Hは最小値、H3は最大値を示す。なお、こうした各設定値によれば、検査枠53内において、例えば撮像装置20が0.05mmを1画素で撮影するような分解能を有するCCDカメラである場合に、幅w、高さhが0.2mm以上の異物等を不良対象として検出できる。また、こうした閾値の設定を変更することにより、泡、木目筋等を検出することが可能となる。
【0022】
またさらに、A:9、A3:10000は異物等が不良であるか否を判断する際の面積aの閾値で、それぞれ画素数で入力、設定が行われ、Aは最小値、A3はこれ以上のものは判断対象としないとする値を示す。A2:40は面積の小さな不良と大きな不良とを区別し、不良の傾向、不良原因等をそれによって調べるために設定される値で、例えば表示画面57の左下の「DEBUG」部分59に、検査を行っている過程で「1」部分に小さい方の不良である画素数が40より少ない不良の累積数が、また「2」部分に大きい方の不良である画素数が40以上の累積数がカウントされ、表示されるようになっている。
【0023】
また、Th、Th2は、異物等が不良であるか否を判断する際に用いる遮光画像58の濃度変化の閾値で、例えば256階調の値により、Thに判断の対象として抜出す最低基準値を設定し、Th2では不良判断の最低基準値を設定する。なお、ガラス管15の表面に埃などの付着物がある場合は不良品とはならないが、この設定値を適正に選択することによって、他の異物よりも濃度が薄く写る埃などの付着物を検出対象から外し、単に遮光画像として検出されて不良と判断されてしまうのを防止することができ、検査の際の誤動作が防止でき、生産性を低下させることがない。
【0024】
そして、各初期設定値や閾値等の設定が終わった後、第2ステップS2において、対応する撮像装置20のCCDカメラから撮影画像信号を受け、撮影画像50を取り込む。続いて第3ステップS3において、同一の撮影画像信号を加算処理し、画像信号のS/N比を上げ、異物等の遮光画像58の濃淡がはっきりしたものとなるようにする。次に、第4ステップS4において、加算処理した画像信号を256階調の濃淡信号として扱うためのグレー処理する。続く第5ステップS5において、グレー処理した画像信号を予め設定してある閾値に基づいて2値画像に変換する2値化処理する。さらに続く第6ステップS6において、2値化処理された画像信号のうちの異物等の画像部分についてラベリングを行う。
【0025】
そして、第7ステップS7において、ラベリングされた異物等の遮光画像58部分について、その対象部分の幅w、高さh、面積aを、予め設定した閾値と比較する。続いて第8ステップS8において、第7ステップS7における対比結果から対象部分が不良欠陥であるか判断する。そして、異物等の遮光画像58が不良である場合には、第9ステップS9に進み、ライン制御装置56にガラス管15に不良信号を発信し、次の第10ステップS10に進む。また第8ステップS8において、不良でない場合には、第9ステップS9を飛ばし、第10ステップS10に進む。そして、第10ステップS10において、さらに検査を継続するかの判断を行い、継続する場合は、再び第2ステップS2にて撮影画像50を取り込み、以降の過程を実行する。また、さらに検査を継続しない場合は、そのまま終了処理を行う。
【0026】
さらに、個別処理装置55においては、管引き成形ライン3上を移送されるガラス管15が蛇行した場合、表示画面57に表示されたガラス管15の撮影画像50も撮影範囲49内を上下する。このため、撮影範囲49内に初期設定された検査枠53の位置をガラス管15の蛇行の動きに合わせ、これに検査枠53が追随するように個別処理装置55はプログラムされている。
【0027】
すなわち、上記の第1ステップS1において、例えば表示画面57の左下の「Act.Win」(アクションウィンドウ)部分60を起動させる。これにより、図11に示すように、撮影画像50の取り込みがなされると、撮影画像50中の肉厚遮光部分51の位置、例えば初期設定時の上側のY座標位置がYZ0であった肉厚遮光部分51の上側位置YZ1(=YZ0+α)を検出し、YZ0とYZ1の差αを算出する。そして、初期設定時に肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置にあった左上位置座標(X1,Y1)、右下位置座標(X2,Y2)の検査枠53の位置を、枠サイズを変えることなく左上位置座標(X1,Y1+α)、右下位置座標(X2,Y2+α)に変更し、ガラス管15の蛇行に追随させられるようになっている。この結果、ガラス管15が蛇行しても、常に検査枠53の位置を肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置に維持でき、検査範囲がずれて異物等の欠陥を見逃してしまうなどの虞がなくなる。
【0028】
また、ライン制御装置56は、個別処理装置55での画像処理過程の第9ステップS9で、ガラス管15に異物等の不良が検出されて不良信号が発信され、これが入力されると、検査装置4と排除装置6の離間距離Q1とガラス管15の移送速度、すなわち管引き速度v、さらに検査装置4と切断装置5の離間距離Q2と切断装置5でのガラス管15の切断長fとから、検査装置4で検出された異物等の不良が有る切断後のガラス管15fを割り出し、それを管引き成形ライン3上から排除するよう排除装置6の動作を制御する。これによって、排除装置6で異物等の不良が有るガラス管15fが管引き成形ライン3上から排除され、排除装置6以降の管引き成形ライン3上には良品の切断後のガラス管15fが流れ、次工程に移送されることになる。
【0029】
以上の通り構成することで、管引き成形ライン3上で成形され移送されるガラス管15について連続して異物等の検査を行うことができることになり、またガラス管15を、検査範囲を重複させながら検査できるため、誤検出を低減することができ、さらに不良品は自動的に確実に排除できる。この結果、所定長に切断後のガラス管15fの品質を所定品質水準に維持することができ、またこうした検査を、手間をかけることなく行うことができる。
【0030】
なお、上記の実施形態においては光源19に赤色LEDを用いたが、赤色フィルタを用いて投射光を赤色にしてもよく、また赤色光を用いたのは、透明体の撮影にはより有効であり、赤色域のほうがより感度が高いCCDカメラを撮像装置20としたためであるが、白色LEDや通常照明の白色光を光源としてもよい。また上記の実施形態においては各初期設定値、閾値の設定を各個別処理装置55毎に、その表示画面57を使って行ったが、一括して入力、設定を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態を示す検査システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す検査装置の要部断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す検査装置の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の検査装置を説明するために示す図である。
【図5】本発明の一実施形態の画像処理装置の個別処理装置に表示された画面を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の個別処理装置におけるガラス管の木目筋が表示された画面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の個別処理装置における画像処理の過程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態の個別処理装置における各値の設定時の画面を示す図である。
【図9】図8のP部分を拡大して示す図である。
【図10】本発明の一実施形態の個別処理装置における異物等の画像が表示された画面を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態の個別処理装置におけるガラス管蛇行に伴う検査枠の位置移動を説明するための図で、図11(a)は位置移動前の図、図11(b)は位置移動後の図である。
【符号の説明】
【0032】
3…管引き成形ライン
4…検査装置
5…切断装置
6…排除装置
15…ガラス管
19…光源
20…撮像装置
23…画像処理装置
44…赤色LEDアレイ
45…光拡散板
50…撮影画像
51…肉厚遮光部分
52…透光部分
53…検査枠
58…遮光画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に管引き成形され移送されるガラス管を成形ライン上で検査するガラス管の検査装置及び検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異物検出除去装置として、管引きされているガラス管の外周上に4組の投光部の光源と受光部の太陽電池を配した異物検査部、演算部、除去部を有し、ガラス管を透過してきた光源からの光から得られる太陽電池の起電力の差異をもって不良検出を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような構成のものでは、異物等の欠点がない状態のガラス管を透過してきた際に発生する太陽電池の起電力と、異物等が中にありその部分のガラスが厚くレンズ状となり、そこが光源に映ることで起こるレンズ効果によって発生した太陽電池の起電力の微弱な電位差を検出している。しかし、こうしたものでは、微小な異物にて発生する起電力はあまりにも微弱であるため十分な検出を行うことができない。そして、微弱な差を検出しようとして感度を高めると誤作動の原因となり、良品を不良であると誤検出し排除してしまう虞があった。このため、誤検出を減らし、所定の品質水準を維持しようとすると、外観検査の頻度が増し、検査員の負担が増加するなど手間のかかるものとなる。
【0003】
また、所定長さとした透光体のガラス管の検査装置として、回転させた状態のガラス管にスリット光源から光を当て、透過光を画像処理して欠陥の検出を行うものがある(例えば、特許文献2参照。)。このような構成のものでは、被検体となるガラス管を回転させる必要があり、管引き成形ライン上を連続移送されるガラス管を検査するために、管引き成形ラインに設置することができない。
【特許文献1】実公平7−34365号公報
【特許文献2】特開2002−156337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは管引きされるガラス管を管引き成形ライン上で連続して異物等の検査を行い、誤検出を低減すると共に所定の品質水準を維持することができ、また検査に手間のかからないガラス管の検査装置及び検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のガラス管の検査装置及び検査システムは、連続的に管引き成形を行う成形ラインに設置され、管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管を撮影する撮像装置と、この撮像装置に対し前記ガラス管の管軸を挟み対向配置された光源と、この光源により光照射された前記ガラス管の前記撮像装置によって撮影された撮影画像を画像処理し、該ガラス管の異物不良等を検出する画像処理装置を備えた検査装置であって、前記撮像装置は、前記ガラス管の直径寸法以上の撮像範囲を有すると共に、前記ガラス管が全周にわたり撮影可能となるよう前記光源と共に少なくとも4対配設されており、前記画像処理装置は、検査枠が、前記撮影画像における前記ガラス管の肉厚部による遮光部分よりも内方側の透光部分に、前記遮光部分から所定距離だけ離して設定されていて、該検査枠内にある撮影画像中の異物等の画像を画像処理することにより不良検出するものであり、前記検査枠は、該ガラス管が蛇行した際に、蛇行による遮光部分の位置変動に追随して前記所定距離を維持するよう設定されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記撮像装置は、被写界深度が前記ガラス管の直径寸法以上であって、前記検査枠内の撮影域が隣接する装置間でそれぞれ管周方向に一部重複したものとなるよう該ガラス管の管軸に直交する同一平面内の異なる位置に配置されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記検査枠の前記ガラス管の管軸方向寸法は、所定撮影間隔をおいて撮影された該検査枠内の撮影画像が、管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と前記所定撮影間隔を基に導き出された長さに設定されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記撮像装置は、前記検査枠内の撮影画像が、前記ガラス管の管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と該検査枠の管軸方向長さを基に導き出された所定撮影間隔をおいて撮影を行うことを特徴とするものであり、
さらに、前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分を異物等の画像として認識するものであり、予め設定した前記固体撮像素子カメラにおける連続した所定画素数以上の異物等の画像を検出した際、認識した遮光部分に対応する前記ガラス管の部位を異物不良等であると判定することを特徴とするものであり、
さらに、前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分のうち、所定の濃度以上の部分を前記ガラス管のガラス中の異物と判定し、所定濃度に満たない部分を前記ガラス管のガラス表面への付着物と判定することを特徴とするものであり、
また、連続的にガラス管の管引き成形を行う成形ラインと、この成形ラインに設置され管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管の異物等の不良検出をする上記請求項1記載の検査装置と、この検査装置による検査後の前記ガラス管を所定長に切断する切断装置と、前記検査装置より前記成形ラインの移送方向下流側の所定離間距離だけ隔たった位置に設置され、前記切断装置で切断された前記ガラス管のうち前記検査装置で不良判定された不良ガラス管を排除する排除装置を備えるものであって、前記排除装置での不良ガラス管の排除が、前記検査装置での不良判定時点から、前記検査装置、前記排除装置間の所定離間距離と前記管引き速度とに基づいて算出された時間経過後に行われるよう設定されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、管引き成形ライン上で連続してガラス管を異物等の検査を行うことができ、誤検出を低減することができると共に所定の品質水準を維持することができ、検査に手間のかからない等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の一実施形態を、図1乃至図11を参照して説明する。図1は検査システムの構成図であり、図2は検査装置の要部断面図であり、図3は検査装置の斜視図であり、図4は検査装置を説明するために示す図であり、図5は画像処理装置の個別処理装置に表示された画面を示す図であり、図6はガラス管の木目筋が表示された画面を示す図であり、図7は画像処理の過程を示すフローチャートであり、図8は画像処理装置の個別処理装置での各値の設定時の画面を示す図であり、図9は図8のP部分を拡大して示す図であり、図10は異物等の画像が表示された画面を示す図であり、図11はガラス管蛇行に伴う検査枠の位置移動を説明するための図で、図11(a)は位置移動前の図、図11(b)は位置移動後の図である。
【0008】
図1乃至図11において、ガラス管の検査システム1は、ダンナー成形法による管引き成形装置2の管引き成形ライン3のラインが水平となるように構成されている部分に沿って、順に検査装置4、切断装置5、排除装置6を設置して構成されている。管引き成形装置2は、図示しないガラス熔融炉によって溶融された溶融ガラス7を所定温度に保持し貯溜するガラス溶融容器8と、このガラス溶融容器8の底部に形成されたガラス流下口9の下方に配設され、駆動機構10により所定回転速度で一定方向に回転するスリーブ11備えている。スリーブ11は先端が下方となるよう所定の傾斜角度で傾斜していると共に、スリーブ11の軸心に沿いガス圧送路12が貫通して設けられていて、このガス圧送路12を通じ、圧ガス供給源13から供給されたブローエアが先端開口から噴出するようになっている。
【0009】
そして、ガラス溶融容器8のガラス流下口9から適正に粘性が調整された溶融ガラス7がリボン状に流下し、スリーブ11の上方の根元側表面に巻き付く。その後、巻き付いた溶融ガラス7は、重力により根元側から下方の先端側に移動し、先端開口から噴出する所定圧力のブローエアによって管状に成形され、管引き成形ライン3の検査装置4と切断装置5の間に配置された管引き機14によって、例えば直径が23mm〜32mm、管肉厚が2.4mm程度の所定管外径、所定管肉厚の連続した透光性ガラス管15の管引きが、管軸Oを中心にしてゆっくり回転しながら行われる。
【0010】
このとき、例えば管引き成形ライン3に沿って移送されるガラス管15の管外径が第1の管外径測定器16、第2の管外径測定器17でそれぞれ測定され、測定結果はブロー圧制御部18に入力され、それに基づき、管外径が所定寸法となるよう圧ガス供給源13の制御が行われる。なお、管引き速度については、図示しないがガラス管15の速度を測定し管引き機14を調節することによって、所定管引き速度を維持するようになっている。例えば、CRT用のネック管では10〜20m/分、蛍光灯用ガラス管では数十m/分の管引き速度が維持される。
【0011】
また、検査装置4は、透光性ガラス管15の異物不良等の有無を検査するもので、4つの光源19と4つの撮像装置20が収納された正八角形の角環状の筐体21を備え、環状筐体21の環状面の中心部に管引き成形ライン3上の水平方向に移送されるガラス管15が直交するよう配置される撮像部22と、撮像部22の撮影画像を処理する画像処理装置23を備えた制御部24、さらに環状筐体21を管引き成形ライン3の適正な位置に支持する筐体支持部25を備えている。
【0012】
そして、筐体支持部25は、管引き成形ライン3に沿って敷設されたレール26上を敷設方向に車輪27により移動可能とすると共に、図示しない固定機構によってレール26上の所定位置に固定可能とした移動台28を備え、この移動台28上には昇降機構29が設けられている。また昇降機構29は、上部の取付台30と移動台28との間に、中心部分を回動可能に組み合せた交差アーム31を両側に備え、昇降ハンドル32を回すことで交差アーム31の上端が上下し、取付台30がZ方向に昇降するようになっている。
【0013】
さらに、取付台30には、進退ねじ部33によって結合され、進退ねじ34を調節することで、水平面内でレール敷設方向、すなわちガラス管15の移送方向であるU方向に直交する方法のV方向に進退する台座35が設けられている。またさらに、台座35には、回動ねじ部36によって結合され、両側の回動ねじ37を調節することで、水平面内でθ方向に回動する取付座38が設けられている。そして、取付座38の上面に環状筐体21が、θ方向の回動中心に筐体中心を一致させて固定されるようになっている。
【0014】
一方、撮像部22を構成する正八角形の角環状の筐体21には、両側壁39とそれぞれ8つの外壁40と内壁41の間を、同じく8つの隔壁42によって区画することにより、同形状の8つの小室43が構成されており、さらに、8つの小室43は、それぞれ対向する小室43a,43bの内壁41a,41bが互いに平行面となるようになっている。なお、小室43a,43bとは、正八角形の相対する頂点を結ぶ中心線の片方側に小室43aが、また他方側に小室43bがそれぞれ4室ずつ配置される。
【0015】
そして、片方側の各小室43aの小室43b対向面には、例えば100mm×100mmサイズを有する赤色LED(発光ダイオード)アレイ44の前面に光拡散板45を配置してなる光源19が設けられ、電源47によって対向する小室43b方向に赤色LEDアレイ44の発光光を光拡散板45を透過させて投射する。
【0016】
また、環状筐体21の他方側の各小室43bは、小室43a対向面、すなわち光源19に対向する面に所定直径の撮影開口48が形成されており、各小室43b内には、所定の撮影範囲を持ち、ガラス管15の前面から背面までの間の明瞭な映像が得られるよう被写界深度がガラス管15の直径寸法以上となっているCCD(固体撮像素子)カメラで構成される撮像装置20が、その光軸Lを撮影開口48の中心を通り移送されるガラス管15の管軸Oに直角に交差させ、対向する光源19の中心に至るように設けられている。これにより、ガラス管15の管軸Oを中心とする円周上の片方側に、隣り合うものと光軸Lを45度ずらした状態で撮像装置20が配置され、その光軸Lがガラス管15の管軸Oの同一点で交差し、同様に撮像装置20に対応する光源19が他方側に位置し、各撮像装置20、各光源19は、管軸Oに直交する同一平面内に配置される。そして、このように光軸Lを45度ずらして撮像装置20を管軸Oに直交する同一平面内に配置することで、少なくとも4つの撮像装置20の隣り合うものとの間での検査範囲を重複したものとすることができ、ガラス管15の全周の撮影が可能となる。
【0017】
すなわち、検査範囲の重複については、撮像装置20の撮影範囲49をガラス管15の全直径範囲が移送時に位置ぶれしても撮影可能であるようにする。そして、管外面周方向については、撮影されたガラス管15の前面から背面の透視映像である撮影画像50のうち、管肉厚部分に対応する上下の肉厚遮光部分51の間に形成される透光部分52の中に、両肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置に検査範囲を決める検査枠53の管径方向位置を設定する。例えば直径29mmのガラス管15では管外面周方向に約30mmの範囲とし、管径方向の検査範囲をガラス管15直径の2/3以上の寸法に取る。このように、検査枠53を明確な映像が得られ難い肉厚遮光部分51に近い位置を避けて設定し、また隣接する撮像装置20を検査範囲が重複するように検査枠53を設定することで、管周方向に連続した検査範囲が設けられる。
【0018】
また管軸方向については、管引き成形ライン3上を移送されるガラス管15の移送速度、すなわち管引き速度vと、撮影から次の撮影までの撮像装置20の撮影間隔tとから、検査範囲が重複するよう算出された位置に検査枠53の管軸方向位置を設定する。例えば、ネック管では管引き速度vが10〜20m/分で、撮像装置20の撮影間隔が0.1秒で約30mm毎に撮影がなされることから、管軸方向の検査範囲を50mm以上とするように検査枠53の管軸方向位置を設定する。これにより、管軸方向についても連続した検査範囲が設けられることになる。なお、検査枠53の管径方向位置を設定する際に、肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置に設定したのは、例えば検査内容によって検出対象とならないガラス管15の木目筋等がガラス管15の回転に伴って肉厚遮光部分51に近い位置に現れると、明瞭な影54として撮影される場合があるので、これを避けることができるようにしたためである。
【0019】
また、撮像部22の撮影画像を処理する画像処理装置23を備えた制御部24は、画像処理装置23を構成する各撮像装置20からの各撮影画像信号をそれぞれ処理するよう設けられたパーソナルコンピュータ等の個別処理装置55と、画像処理装置23からの出力信号を受けて排除装置6等を制御するライン制御装置56とで構成されている。そして、個別処理装置55では、撮像装置20からの撮影画像信号が入力されると、予め入力設定した初期設定値や閾値等と、設定されているプログラムを用いて所定の画像処理が行われ、撮影画像に含まれる異物等を検出し、それが不良であるか否かの判断を行った後、出力信号をライン制御装置56に出力する。
【0020】
こうした個別処理装置55での画像処理は、それぞれの個別処理装置55において、次のように行われる。先ず、図7における第1ステップS1で、個別処理装置55の表示画面57を使いその画面P部分に表示されるように、各初期設定値、閾値の設定を行う。この設定に際し、以下の各設定数値については、例えば1画素を1単位として各入力と表示が行われる。そして、例えば、X1:80、Y1:180、X2:550、Y2:320の図中の記載は、検査枠53の初期位置を画素数で示すもので、表示画面57に表示された撮影範囲49の左上位置を座標の基準位置(X0,Y0)として、(X1,Y1)は検査枠53の左上位置から画素数で数え、X方向(図中右方向)に80画素、Y方向(図中下方向)に180画素の位置の座標を示し、(X2,Y2)は同様に検査枠53の右下位置の座標を示しており、X方向に550画素、Y方向に320画素の位置を示す。このように個別処理装置55の図示しない入力手段により、左上位置及び右下位置の座標を入力し、検査枠53のサイズ、位置のそれぞれ初期設定を行う。
【0021】
また、撮影画像50中にある異物等の遮光画像58が不良であるた否か判断するための幅w寸法、高さh寸法等の閾値の設定を、同じく個別処理装置55の入力手段により画素数を入力して行う。例えばW:3、W3:60は異物等が不良であるか否を判断する際の幅w寸法の閾値で、Wは最小値、W3は最大値を示す。同様にH:3、H3:6は異物等が不良であるか否を判断する際の高さh寸法の閾値で、Hは最小値、H3は最大値を示す。なお、こうした各設定値によれば、検査枠53内において、例えば撮像装置20が0.05mmを1画素で撮影するような分解能を有するCCDカメラである場合に、幅w、高さhが0.2mm以上の異物等を不良対象として検出できる。また、こうした閾値の設定を変更することにより、泡、木目筋等を検出することが可能となる。
【0022】
またさらに、A:9、A3:10000は異物等が不良であるか否を判断する際の面積aの閾値で、それぞれ画素数で入力、設定が行われ、Aは最小値、A3はこれ以上のものは判断対象としないとする値を示す。A2:40は面積の小さな不良と大きな不良とを区別し、不良の傾向、不良原因等をそれによって調べるために設定される値で、例えば表示画面57の左下の「DEBUG」部分59に、検査を行っている過程で「1」部分に小さい方の不良である画素数が40より少ない不良の累積数が、また「2」部分に大きい方の不良である画素数が40以上の累積数がカウントされ、表示されるようになっている。
【0023】
また、Th、Th2は、異物等が不良であるか否を判断する際に用いる遮光画像58の濃度変化の閾値で、例えば256階調の値により、Thに判断の対象として抜出す最低基準値を設定し、Th2では不良判断の最低基準値を設定する。なお、ガラス管15の表面に埃などの付着物がある場合は不良品とはならないが、この設定値を適正に選択することによって、他の異物よりも濃度が薄く写る埃などの付着物を検出対象から外し、単に遮光画像として検出されて不良と判断されてしまうのを防止することができ、検査の際の誤動作が防止でき、生産性を低下させることがない。
【0024】
そして、各初期設定値や閾値等の設定が終わった後、第2ステップS2において、対応する撮像装置20のCCDカメラから撮影画像信号を受け、撮影画像50を取り込む。続いて第3ステップS3において、同一の撮影画像信号を加算処理し、画像信号のS/N比を上げ、異物等の遮光画像58の濃淡がはっきりしたものとなるようにする。次に、第4ステップS4において、加算処理した画像信号を256階調の濃淡信号として扱うためのグレー処理する。続く第5ステップS5において、グレー処理した画像信号を予め設定してある閾値に基づいて2値画像に変換する2値化処理する。さらに続く第6ステップS6において、2値化処理された画像信号のうちの異物等の画像部分についてラベリングを行う。
【0025】
そして、第7ステップS7において、ラベリングされた異物等の遮光画像58部分について、その対象部分の幅w、高さh、面積aを、予め設定した閾値と比較する。続いて第8ステップS8において、第7ステップS7における対比結果から対象部分が不良欠陥であるか判断する。そして、異物等の遮光画像58が不良である場合には、第9ステップS9に進み、ライン制御装置56にガラス管15に不良信号を発信し、次の第10ステップS10に進む。また第8ステップS8において、不良でない場合には、第9ステップS9を飛ばし、第10ステップS10に進む。そして、第10ステップS10において、さらに検査を継続するかの判断を行い、継続する場合は、再び第2ステップS2にて撮影画像50を取り込み、以降の過程を実行する。また、さらに検査を継続しない場合は、そのまま終了処理を行う。
【0026】
さらに、個別処理装置55においては、管引き成形ライン3上を移送されるガラス管15が蛇行した場合、表示画面57に表示されたガラス管15の撮影画像50も撮影範囲49内を上下する。このため、撮影範囲49内に初期設定された検査枠53の位置をガラス管15の蛇行の動きに合わせ、これに検査枠53が追随するように個別処理装置55はプログラムされている。
【0027】
すなわち、上記の第1ステップS1において、例えば表示画面57の左下の「Act.Win」(アクションウィンドウ)部分60を起動させる。これにより、図11に示すように、撮影画像50の取り込みがなされると、撮影画像50中の肉厚遮光部分51の位置、例えば初期設定時の上側のY座標位置がYZ0であった肉厚遮光部分51の上側位置YZ1(=YZ0+α)を検出し、YZ0とYZ1の差αを算出する。そして、初期設定時に肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置にあった左上位置座標(X1,Y1)、右下位置座標(X2,Y2)の検査枠53の位置を、枠サイズを変えることなく左上位置座標(X1,Y1+α)、右下位置座標(X2,Y2+α)に変更し、ガラス管15の蛇行に追随させられるようになっている。この結果、ガラス管15が蛇行しても、常に検査枠53の位置を肉厚遮光部分51から所定距離Rだけ離れた位置に維持でき、検査範囲がずれて異物等の欠陥を見逃してしまうなどの虞がなくなる。
【0028】
また、ライン制御装置56は、個別処理装置55での画像処理過程の第9ステップS9で、ガラス管15に異物等の不良が検出されて不良信号が発信され、これが入力されると、検査装置4と排除装置6の離間距離Q1とガラス管15の移送速度、すなわち管引き速度v、さらに検査装置4と切断装置5の離間距離Q2と切断装置5でのガラス管15の切断長fとから、検査装置4で検出された異物等の不良が有る切断後のガラス管15fを割り出し、それを管引き成形ライン3上から排除するよう排除装置6の動作を制御する。これによって、排除装置6で異物等の不良が有るガラス管15fが管引き成形ライン3上から排除され、排除装置6以降の管引き成形ライン3上には良品の切断後のガラス管15fが流れ、次工程に移送されることになる。
【0029】
以上の通り構成することで、管引き成形ライン3上で成形され移送されるガラス管15について連続して異物等の検査を行うことができることになり、またガラス管15を、検査範囲を重複させながら検査できるため、誤検出を低減することができ、さらに不良品は自動的に確実に排除できる。この結果、所定長に切断後のガラス管15fの品質を所定品質水準に維持することができ、またこうした検査を、手間をかけることなく行うことができる。
【0030】
なお、上記の実施形態においては光源19に赤色LEDを用いたが、赤色フィルタを用いて投射光を赤色にしてもよく、また赤色光を用いたのは、透明体の撮影にはより有効であり、赤色域のほうがより感度が高いCCDカメラを撮像装置20としたためであるが、白色LEDや通常照明の白色光を光源としてもよい。また上記の実施形態においては各初期設定値、閾値の設定を各個別処理装置55毎に、その表示画面57を使って行ったが、一括して入力、設定を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態を示す検査システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す検査装置の要部断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す検査装置の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の検査装置を説明するために示す図である。
【図5】本発明の一実施形態の画像処理装置の個別処理装置に表示された画面を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の個別処理装置におけるガラス管の木目筋が表示された画面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の個別処理装置における画像処理の過程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態の個別処理装置における各値の設定時の画面を示す図である。
【図9】図8のP部分を拡大して示す図である。
【図10】本発明の一実施形態の個別処理装置における異物等の画像が表示された画面を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態の個別処理装置におけるガラス管蛇行に伴う検査枠の位置移動を説明するための図で、図11(a)は位置移動前の図、図11(b)は位置移動後の図である。
【符号の説明】
【0032】
3…管引き成形ライン
4…検査装置
5…切断装置
6…排除装置
15…ガラス管
19…光源
20…撮像装置
23…画像処理装置
44…赤色LEDアレイ
45…光拡散板
50…撮影画像
51…肉厚遮光部分
52…透光部分
53…検査枠
58…遮光画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に管引き成形を行う成形ラインに設置され、管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管を撮影する撮像装置と、この撮像装置に対し前記ガラス管の管軸を挟み対向配置された光源と、この光源により光照射された前記ガラス管の前記撮像装置によって撮影された撮影画像を画像処理し、該ガラス管の異物不良等を検出する画像処理装置を備えた検査装置であって、前記撮像装置は、前記ガラス管の直径寸法以上の撮像範囲を有すると共に、前記ガラス管が全周にわたり撮影可能となるよう前記光源と共に少なくとも4対配設されており、前記画像処理装置は、検査枠が、前記撮影画像における前記ガラス管の肉厚部による遮光部分よりも内方側の透光部分に、前記遮光部分から所定距離だけ離して設定されていて、該検査枠内にある撮影画像中の異物等の画像を画像処理することにより不良検出するものであり、前記検査枠は、該ガラス管が蛇行した際に、蛇行による遮光部分の位置変動に追随して前記所定距離を維持するよう設定されていることを特徴とするガラス管の検査装置。
【請求項2】
前記撮像装置は、被写界深度が前記ガラス管の直径寸法以上であって、前記検査枠内の撮影域が隣接する装置間でそれぞれ管周方向に一部重複したものとなるよう該ガラス管の管軸に直交する同一平面内の異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のガラス管の検査装置。
【請求項3】
前記検査枠の前記ガラス管の管軸方向寸法は、所定撮影間隔をおいて撮影された該検査枠内の撮影画像が、管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と前記所定撮影間隔を基に導き出された長さに設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラス管の検査装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記検査枠内の撮影画像が、前記ガラス管の管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と該検査枠の管軸方向長さを基に導き出された所定撮影間隔をおいて撮影を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラス管の検査装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分を異物等の画像として認識するものであり、予め設定した前記固体撮像素子カメラにおける連続した所定画素数以上の異物等の画像を検出した際、認識した遮光部分に対応する前記ガラス管の部位を異物不良等であると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のガラス管の検査装置。
【請求項6】
前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分のうち、所定の濃度以上の部分を前記ガラス管のガラス中の異物と判定し、所定濃度に満たない部分を前記ガラス管のガラス表面への付着物と判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5記載のガラス管の検査装置。
【請求項7】
連続的にガラス管の管引き成形を行う成形ラインと、この成形ラインに設置され管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管の異物等の不良検出をする上記請求項1記載の検査装置と、この検査装置による検査後の前記ガラス管を所定長に切断する切断装置と、前記検査装置より前記成形ラインの移送方向下流側の所定離間距離だけ隔たった位置に設置され、前記切断装置で切断された前記ガラス管のうち前記検査装置で不良判定された不良ガラス管を排除する排除装置を備えるものであって、前記排除装置での不良ガラス管の排除が、前記検査装置での不良判定時点から、前記検査装置、前記排除装置間の所定離間距離と前記管引き速度とに基づいて算出された時間経過後に行われるよう設定されていることを特徴とするガラス管の検査システム。
【請求項1】
連続的に管引き成形を行う成形ラインに設置され、管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管を撮影する撮像装置と、この撮像装置に対し前記ガラス管の管軸を挟み対向配置された光源と、この光源により光照射された前記ガラス管の前記撮像装置によって撮影された撮影画像を画像処理し、該ガラス管の異物不良等を検出する画像処理装置を備えた検査装置であって、前記撮像装置は、前記ガラス管の直径寸法以上の撮像範囲を有すると共に、前記ガラス管が全周にわたり撮影可能となるよう前記光源と共に少なくとも4対配設されており、前記画像処理装置は、検査枠が、前記撮影画像における前記ガラス管の肉厚部による遮光部分よりも内方側の透光部分に、前記遮光部分から所定距離だけ離して設定されていて、該検査枠内にある撮影画像中の異物等の画像を画像処理することにより不良検出するものであり、前記検査枠は、該ガラス管が蛇行した際に、蛇行による遮光部分の位置変動に追随して前記所定距離を維持するよう設定されていることを特徴とするガラス管の検査装置。
【請求項2】
前記撮像装置は、被写界深度が前記ガラス管の直径寸法以上であって、前記検査枠内の撮影域が隣接する装置間でそれぞれ管周方向に一部重複したものとなるよう該ガラス管の管軸に直交する同一平面内の異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のガラス管の検査装置。
【請求項3】
前記検査枠の前記ガラス管の管軸方向寸法は、所定撮影間隔をおいて撮影された該検査枠内の撮影画像が、管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と前記所定撮影間隔を基に導き出された長さに設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラス管の検査装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記検査枠内の撮影画像が、前記ガラス管の管軸方向に一部重複するよう前記管引き速度と該検査枠の管軸方向長さを基に導き出された所定撮影間隔をおいて撮影を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラス管の検査装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分を異物等の画像として認識するものであり、予め設定した前記固体撮像素子カメラにおける連続した所定画素数以上の異物等の画像を検出した際、認識した遮光部分に対応する前記ガラス管の部位を異物不良等であると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のガラス管の検査装置。
【請求項6】
前記画像処理装置は、前記検査枠内の撮影画像中の遮光部分のうち、所定の濃度以上の部分を前記ガラス管のガラス中の異物と判定し、所定濃度に満たない部分を前記ガラス管のガラス表面への付着物と判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5記載のガラス管の検査装置。
【請求項7】
連続的にガラス管の管引き成形を行う成形ラインと、この成形ラインに設置され管軸方向に所定管引き速度で連続移送される透光性ガラス管の異物等の不良検出をする上記請求項1記載の検査装置と、この検査装置による検査後の前記ガラス管を所定長に切断する切断装置と、前記検査装置より前記成形ラインの移送方向下流側の所定離間距離だけ隔たった位置に設置され、前記切断装置で切断された前記ガラス管のうち前記検査装置で不良判定された不良ガラス管を排除する排除装置を備えるものであって、前記排除装置での不良ガラス管の排除が、前記検査装置での不良判定時点から、前記検査装置、前記排除装置間の所定離間距離と前記管引き速度とに基づいて算出された時間経過後に行われるよう設定されていることを特徴とするガラス管の検査システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2005−114645(P2005−114645A)
【公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−351672(P2003−351672)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願人】(000158208)旭テクノグラス株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願人】(000158208)旭テクノグラス株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
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