説明

ガラス繊維グラニュールの粗砕及び被覆機械

ガラス繊維グラニュールを製造する装置及び方法が、バインダー配合物(136)をチョップトストランドセグメント(124)に塗布するアプリケータと、瀑落疑似螺旋作用をチョップトストランドセグメントに与える粗砕組立体(125)とを有する。粗砕組立体は、回転ドラム内にパターンをなして位置決めされた複数のスコップ(掬い又はひしゃく状部材)(30)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維グラニュールの製造に関する。ポリマー被覆ガラス繊維グラニュールの製造装置及び方法では、チョップト多繊維ガラスストランドの多数のセグメントを組み合わせてグラニュールの状態にし、かかるグラニュールをポリマー材料で被覆する。かかるグラニュールは、複合構造体中の補強材料として用いられるチョップトガラス繊維の貯蔵及び取り扱いに有利な形態を提供する。
【背景技術】
【0002】
チョップトガラス繊維は、一般に、熱可塑性物品中の補強材料として用いられている。典型的には、かかる繊維は、溶融ガラスをブッシング又はオリフィスプレート中に引き込んでフィラメントの状態にし、潤滑剤、結合剤及びバインダー配合物樹脂を含むサイジング配合物をフィラメントに塗布し、フィラメントを集束してストランドの状態にし、ファイバーストランドを所望の長さのセグメントの状態に細断(チョッピング)し、そしてサイジング配合物を乾燥させることによって作られる。しかる後、これらチョップトストランドセグメントをポリマー樹脂と嵌合し、この混合物を圧縮成形又は射出成形機に送ると、ガラス繊維強化プラスチック製品の状態に形成される。具体的に言えば、チョップトストランドの熱可塑性のグラニュールと混合し、混合物を押出機に送り、この押出機内において、樹脂を溶融させ、ガラス繊維ストランドの結合性を壊し、繊維を溶融樹脂全体にわたって分散させる。次に、結果的に得られた繊維/樹脂分散体をグラニュールの状態に形成する。次に、これらグラニュールを圧縮成形又は射出成形機に送って成形品の状態に形成する。成形品は、かかる成形品全体にわたってガラス繊維の実質的に一様な分散状態を有することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる粗砕プロセスを用いて作られたグラニュールは、不規則な形状寸法を有すると共に各グラニュール全体にわたり一貫性の無いバインダー分布状態を有する場合が多い。その結果、かかるグラニュールは、配合に先立つ処理、貯蔵及び取り扱い中、望ましくない劣化を生じる場合がある。かかる劣化の結果として、グラニュールは、時期尚早に壊れて開く場合があり、その結果、フィラメント又は毛羽が放出され、これらが堆積してコンベヤ又は処理機器を通るグラニュールの流れを遮断し又は妨害する場合がある。さらに、かかる劣化の結果として、繊維が実際に破断する場合があり、それにより、複合製品中の繊維を平均長さが短くなり、その結果、複合製品の物理的性質が低下する。
【0004】
したがって、大規模な生産能力で高い耐衝撃性及び靱性をグラニュールに与えてかかるグラニュールが配合及び成形に先立つ貯蔵及び取り扱い中に受ける劣化を減少させる手段が要望されている。かかる要望は、以下に詳細に説明する本発明によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マルチフィラメントガラスストランドのチョップトセグメントからガラス繊維グラニュールを製造する装置は、チョップトストランドセグメントをバインダー配合物で実質的に被覆する。粗砕−被覆装置は、バインダー配合物をチョップトガラスセグメントに塗布するアプリケータと、瀑落疑似螺旋運動をチョップトストランドセグメントに与えてこれらが規則的な円筒形のグラニュールの状態に凝集するようにする粗砕組立体とを有する。
【0006】
粗砕組立体は、チョップトガラスセグメントを受け入れるよう回転可能に設けられたドラムを有し、複数の内部スコップが、ドラム内にチョップトガラスセグメントを瀑落させる疑似螺旋パターンをなして位置決めされている。
【0007】
チョップトガラスセグメントを粗砕する方法は、チョップトガラス繊維をドラム内に導入するステップを有し、ドラムの内部側壁には、複数のスコップが位置決めされている。ドラムをその長手方向軸線回りに回転させて供給分のチョップトガラスセグメントをスコップで持ち上げ、次に、ドラム回転中にスコップから瀑落するようにする。これら多数回の瀑落サイクルの各々において、グラニュールは、これらの表面が、噴霧化されたバインダー配合物の液滴を捕捉する。チョップトストランドセグメントは、グラニュールの状態に凝集される。グラニュールは、「タマネギ層」様の集積プロセスに従って成長する。成長途上のグラニュールに与えられる瀑落、混転及び横揺れ作用により、凝集状態のストランドセグメントは、整列すると共に互いに押し固まって所望のグラニュール形態になる。
【0008】
グラニュール形成方法及び装置は、効率的であり、大規模な生産能力で実質的に一様なグラニュールを制御可能に生じさせる。
【0009】
グラニュールは、良好な流動性及び取り扱い性をもたらす寸法形状及び密度を有する。グラニュールは、配合に先立つ処理、貯蔵及び取り扱い中、劣化を実質的に生じない。また、グラニュールは、時期尚早に実質的に壊れて開いてフィラメントを放出し又は堆積してコンベヤ若しくは処理機器を通るグラニュール流れを遮断し又は妨害する場合のある毛羽を発生させるということはない。
【0010】
グラニュールは、粗砕されなかったチョップトストランドを含んだ状態で作られる同等の製品と比較して、強度特性がそれほど低下しないガラス繊維強化製品の製造に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
グラニュール成形システム又は装置100が、図1に概略的に示されている。一実施形態では、繊維形成装置110が、繊維形成ブッシング111を備えたガラス繊維形成炉(図示せず)を有し、これらブッシングから多数本のフィラメント112が引き出され又は細くされる。任意適当なサイジング剤アプリケータ、例えばロール113によって水性サイジング配合物がフィラメント112に塗布される。一実施形態では、サイジング配合物は、水、1種類又は2種類以上の結合剤並びにオプションとして1種類又は2種類以上の膜形成結合樹脂、潤滑剤及びpH調整剤を含む。
【0012】
群を成すフィラメント112は、別個独立のストランド115の状態に集められる。ストランド115は、チョッパ又は切断装置120内に導入されて送りローラ121とカッターローラ122との間の接触点で切断されてセグメント、即ち、所望長さのチョップトストランドセグメント124の状態になる。
【0013】
チョップトストランドセグメント124は、コンベヤ123によってホッパ126に運搬され、次に、粗砕組立体125内に分散状態で投入され、ここで、チョップトストランドセグメント124は、バインダー配合物136で被覆されてグラニュール140の状態に高密度化される。或る特定の実施形態では、グラニュールは、熱可塑性又は熱硬化性ポリマーバインダー配合物で被覆される。後者の場合、バインダー配合物は、ゲル化、固化又は硬化時(以下、ひとまとめに「硬化」と称する)時に、増大した構造的一体性又は健全性及び靱性を結果的に得られたグラニュールに与える。グラニュールをバインダー配合物で実質的に被覆することにより、グラニュール劣化を減少させた状態でのグラニュールの貯蔵及び運搬能力が向上する。
【0014】
結果的に得られたグラニュール140は、コンベヤ150によってオーブン160まで搬送される。オーブン内では、グラニュール140は、このオーブン160内の適当な乾燥ゾーン162、硬化ゾーン164及び(又は)冷却ゾーン166に通される。グラニュール140は、スクリーン組立体170を通過して大きめのグラニュールが分離される。所望サイズのグラニュールは、包装ステーション180に送られる。或る特定の実施形態では、システム100は、自動的に制御可能な種々のパラメータをモニタすると共に(或いは)調節する装置190を有している。また、或る特定の実施形態では、チョップトストランドセグメント及びグラニュールに接触する粗砕組立体125の種々のコンポーネントは、これ又実質的に耐摩耗性である適当な粘着防止配合物で被覆される。かかる被覆により、これ又チョップトストランドセグメントに起因する摩耗に抵抗するよう適当な耐久性のあるドラム壁のクリーニングとかかるグラニュールの瀑落作用の両方が容易になる。
【0015】
本発明の方法では、実質的に連続したガラス繊維のストランドは、任意の技術、例えば加熱状態のブッシングを通して溶融ガラスを引き出して多数本の実質的に連続したガラス繊維を形成し、これら繊維をまとめてストランドの状態にすることによって形成される。かかる繊維を作り、そしてこれら繊維をストランドの状態に集める任意適当な装置を本発明において使用することができる。かかる繊維は、直径が約3ミクロン〜約20ミクロンの繊維であり、適当なストランドは、約1000本〜8000本の繊維を含む。ただし、これとは異なる直径の繊維及び異なる本数の繊維を含むストランドを使用することができる。一実施形態では、本発明の方法により形成されたストランドは、約1200本〜約4000本の繊維を含み、繊維の直径は、約9ミクロン〜約17ミクロンである。
【0016】
チョップトストランドセグメントの含水率又は含水量をグラニュールの形成に適したレベルに合わせて調節することができる。含水率は、約8パーセント〜約16パーセントであるのが良く、或る特定の実施形態では、約10パーセント〜約14パーセントである。含水率が低すぎる場合、ストランドは、グラニュールの状態に結合しないような傾向が生じ、依然としてストランドの形態のままであろう。これとは逆に、含水率が高すぎる場合、ストランドは、凝集し若しくは塊になり又は大きすぎるグラニュール及び(又は)不規則な非円筒形の形をしたグラニュールを形成する傾向がある。
【0017】
粗砕装置125は、チョップトストランドセグメント124を、次のように、即ち、(1)ストランドがバインダー配合物で実質的に一様に被覆され、(2)多数のチョップトストランドセグメントが整列してチョップトストランドセグメントとバインダーの連続した層の状態になり、それにより凝集して所望の寸法形状のグラニュールになるように瀑落させる。粗砕装置125は、チョップトストランドセグメントがバインダー配合物で実質的に被覆されてグラニュールを形成するようにするのに十分なドラム内におけるグラニュールの平均滞留時間をもたらすが、グラニュールが互いに擦れ合うことにより摩耗により損傷し又は劣化するのには不十分な時間をもたらす。或る特定の実施形態では、粗砕装置内の残留時間は、約1分〜約5分である。或る特定の他の実施形態では、粗砕装置内の残留時間は、約1分〜約3分である。
【0018】
チョップトストランドセグメント124に塗布されるバインダー配合物136の量は、粗砕組立体125を通るチョップトストランドセグメント124の流量に比例する。バインダー配合物の量及びチョップトストランドセグメント124の流量は、所望のグラニュール固形分出力を保証するよう制御される。
【0019】
粗砕装置125は、回転ドラム組立体20と、所望量のバインダー配合物をドラム組立体20内に供給する計量装置113とを有する。特定の実施形態に応じて、バインダー配合物を周囲温度で塗布するか予熱(例えば、最高約80℃まで)し、その後チョップトガラスセグメント124に塗布するかのいずれかを実施するのが良い。
【0020】
今、図2を参照すると、1つ又は2つ以上のノズル134が、所与の量のバインダー配合物136をドラム組立体20に送り込むためにドラム組立体20に作動的に連結されている。或る特定の実施形態では、ノズル134は、バインダー配合物を実質的に噴霧化しながらこの噴霧化されたバインダー配合物136をドラム組立体20内に小出しする。或る特定の実施形態では、バインダー配合物136と供給空気は組み合わされて1つの流体の流れになり、その後、ノズル134を通ってドラム組立体20内に小出しされる。
【0021】
或る特定の他の実施形態では、バインダー配合物及び空気は、別々のノズルオリフィスを通って送られて空気とバインダー配合物が組み合わされてドラム組立体20内で1つの噴霧化流れの状態になる。或る特定の実施形態では、ノズル134は、円錐形スプレーを生じさせ、この円錐形スプレーは、チョップトストランドセグメント124とストランドセグメント上で推進されるバインダー配合物液滴ミストとの間の接触を最大にするような仕方でドラム組立体20内に差し向けられる。
【0022】
一実施形態では、このスプレー装置を包囲する洗浄用空気の流れが、ドラム組立体20中に吹き込まれて浮遊中の毛羽をノズル環境から押し戻し、スプレーの詰まりを阻止し、環境を清浄に保つ。この空気流は、室温状態にあるか粗砕組立体125から出るグラニュール140をあらかじめ乾燥させるよう25℃〜40℃の状態に予熱されるかのいずれかであるのが良い。
【0023】
チョップトストランドセグメント124は、バインダー配合物液滴に接触する。チョップトストランドセグメント124は、バインダー配合物液滴で被覆され、隣接のチョップトストランドセグメントにくっつく。チョップトストランドセグメントのうちの何割かは、他のチョップトストランドセグメントと整列して凝集し、それにより全体として円筒形のグラニュールになる傾向がある。或る特定の実施形態では、結果的に得られるグラニュール140の直径は、その長さの約12%〜約50%である。
【0024】
微粉又は単繊維(これらは、細断作業中に生じる)は、形成中のグラニュールと再結合してこれらの中に組み込まれ、それにより、個々の細い繊維又は毛羽が大幅に減少し又は無くなる。
【0025】
グラニュールのサイズ(寸法)は、ドラム組立体20に入るストランドセグメントの含水率及び粗砕組立体125中に導入される水の量の影響を受ける。加えられる水の量が多ければ多いほど、グラニュールのサイズはそれだけ一層大きくなり、又この逆の関係が成り立つ。ドラム組立体中に導入されるチョップトストランドセグメントの量に対するバインダー配合物の量も又、グラニュールのサイズに影響を及ぼす。加えられるバインダー配合物の量が多ければ多いほど、グラニュールのサイズはそれだけ一層大きくなり、又、この逆の関係が成り立つ。グラニュールのサイズは、ドラム処理量(スループット)による影響も受ける。ドラム処理量が高い場合、チョップトストランドセグメントは、ドラム内の滞留時間が短い。滞留時間を短くした結果として、小さなグラニュールが生じる傾向がある。短い時間の間ドラム内に位置するグラニュールは、これらが受ける押し固め度が小さくなりがちである。また、ドラム内の滞留時間は、約0°〜約10°のドラムの傾斜角度又は勾配を調節することによって制御できる。スロープが高ければ高いほど、滞留時間がそれだけ一層短くなり、その結果、グラニュールのサイズがそれだけ一層小さくなる。
【0026】
或る特定の実施形態では、有用なバインダー配合物は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレンフルオロカーボンポリマー(例えば、テフロン(登録商標))、アクリル系誘導体、アクリレート、ビニルエステル、エポキシ、スターチ、ワックス、セルロース系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーンポリマー、ポリエーテルウレタン、ポリアンヒロリド/多酸ポリマー、ポリオキサゾリン、多糖類、ポリオレフィン、ポリスルホン及びポリエチレングリコールを含むのが良い。かかるバインダーは、熱可塑性材料であり、或いは、かかるバインダーを熱により又は放射線への曝露により硬化させても良い。或る特定の他の実施形態では、好ましいバインダー配合物は、高強度皮膜をもたらし、ポリウレタン、多酸ポリマー、エポキシ及びこれらの混合物を含む。
【0027】
或る特定の他の実施形態では、バインダー配合物は、キャンベル等(Cambell et al.)の米国特許第6,846,855(B2)号明細書、メーソン等(Masson et al.)の米国特許第6,365,272(B1)号明細書並びに米国特許出願であるピレット等(Piret et al.)名義の米国特許出願公開第2004/0258912号明細書及びピレット等(Piret et al.)名義の同第2004/0209991号明細書に開示されているように構成されたものであるのが良く、これら米国特許出願は、本願と同一の譲受人に譲渡されており、これら米国特許出願を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0028】
使用できる適当なバインダー配合物の例は、以下の成分を含む(特に断らない限り、全ての百分率は、重量百分率である)。
【0029】
【表1】

(a):マレイン酸/ブタジエンコポリマー、部分アンモニウム塩(Lindau
Chemicals, Inc.)
(b):ポリウレタン分散液(Bayer)
(c):アミノプロピルトリエトキシシラン(GE Silicones-OSi Specialties)
(d):オキシラン(EO-PO コポリマー)(BASF)
(e):オキシラン(EO-PO コポリマー)(BASF)
(f):オキシラン(EO-PO コポリマー)(BASF)
(g):オクチルフェノキシポリエトキシエタノール
【0030】
【表2】

(a):Neoxil 962Dは、エトキシエステル樹脂の非イオン性水性乳濁液である。
(b):Neoxil 8294は、軟質エポキシ樹脂の非イオン性水性乳濁液である。
(c):VP LS 2277は、水性ポリウレタン分散液である。
【0031】
上記は、本発明の方法において評価されて有用であることが判明したバインダー配合物の処方の例である。当業者であれば、使用可能な他の適当なバインダー配合物の処方及び他の成分を選択できよう。ガラス繊維形成技術で用いられる多くの水性サイジング配合物は、本発明の方法に従って粗砕装置内の繊維に吹き付け可能なバインダーとして有用である。
【0032】
グラニュールは、向上した靱性及び向上した取り扱いに耐える性能を備え、最終製品への配合に先立つ処理、貯蔵及び取り扱い中における劣化が減少する。グラニュールは、時期尚早に壊れて開くのに抵抗し、フィラメントが放出され又は毛羽が生じてこれらが堆積し、コンベヤ又は処理機器を通るグラニュールの流れを遮断し又は妨害することが無くなる。さらに、グラニュール中のチョップトガラスセグメントは、グラニュールがいったん壊されると、配合中迅速に分散する。実質的に一様なグラニュールは、グラニュールの自由流動を可能にすると共に配合プロセスにおける信頼性の高い首尾一貫した供給及び投与量判定を可能にする。
【0033】
さらに、バインダー配合物はグラニュールの形成中に塗布されるので、所望の結合性をもたらすのに必要なバインダー配合物の量は、代表的には、もしバインダー配合物がグラニュール形成前又は後に個々のストランドに塗布される場合に必要な量よりも少ない。グラニュールの形成全体にわたってバインダー配合物を塗布することにより、バインダー配合物と不規則な形状(大きすぎる場合を含む)グラニュールの両方の全体的な廃棄百分率を減少させることができる。
【0034】
かかるグラニュールは、粗砕されなかったチョップトストランドを含んだ状態で作られる同等の製品と比較して、強度特性がそれほど低下しないガラス繊維強化製品の製造に特に有用である。
【0035】
次に図2を参照すると、ドラム組立体20は、円筒形の形をした内部側壁24を備える回転ドラム22を有している。ドラム壁22は、ドラム22内にチャンバ25を画定している。
【0036】
或る特定の実施形態では、ドラム22は、実質的に水平の向きに位置決めされる。或る特定の他の実施形態では、ドラム22は、所望の角度に差し向けられる。ドラム22の勾配及びドラム22の回転速度は、最終使用者の望むグラニュールの種類に応じて様々な場合がある。また、或る特定の実施形態では、ドラム22は、他の生産ラインへの移動が可能であるように車輪(図示せず)等に取り付けられるのが良い。
【0037】
ドラム22は、入口端26及び出口端28を有する。チョップトストランドセグメント124は、入口端26の開口部27を通ってドラム22に入る。チョップトストランドセグメント124は、入口端26からドラム22の回転によりドラム22中を通って出口端28に向かって進められ、これから出される。チョップトストランドセグメント124は、ドラム22の回転中、重力の影響下にある。所望量の噴霧化バインダー配合物136が、ノズル134を通ってドラム22内に導入される。
【0038】
ドラム22は、入口端26からチャンバ25内に延びる逸らせ板29を有する。逸らせ板29は、取り付け部分29A及び偏向部分29Bを有している。或る特定の実施形態では、偏向部分29Bは、入口端26により構成される平面から約60°の角度をなして延びている。
【0039】
ドラム22は、ドラム22の壁24に取り付けられた複数のスコップ(掬い又はひしゃく状部材)を更に有する。スコップ30は、壁24上に所望のパターンをなして位置決めされている。図2に概略的に示されているように、スコップ30は、符号30−1〜30−9で表示されている。理解されるべきこととして、ドラム22内に配置されたスコップ30の数及び長さは、少なくとも或る程度は、ドラム22の長さ及び(又は)直径並びにドラム22内におけるチョップトガラスセグメントの所望の滞留時間で決まる場合がある。
【0040】
スコップ30は、互いに対して適当な間隔を置いた関係で配置されていて、ドラム22がその長手方向軸線回りに回転しているときに、供給された1回分のチョップトガラスセグメント124が第1のスコップ30−1によって持ち上げられるようになる。ドラム22が回転しているとき、スコップは、円周方向上方に持ち上げられる。各スコップ30内の1回分のチョップトストランドセグメント124は、瀑落態様で、ドラム22の回転の最下部のところに位置する内壁24の部分上に放出される。次に、供給されたグラニュールは、次の空のスコップによって再び持ち上げられる。
【0041】
或る特定の実施形態では、スコップ30は、チョップトガラスセグメント124がドラム22に入ると、チョップトガラスセグメント124が第1のスコップ30−1との接触前に逸らせ板29によって瀑落させられるように位置合わせされている。ドラム22内でのチョップトガラスセグメント124の運動及びチョップトガラスセグメント124とバインダー配合物の密な混合により、凝集によるグラニュール140の形成が行われる。即ち、チョップトガラスセグメント124が噴霧化バインダー配合物のスプレーを通って瀑落しているときに、チョップトガラスセグメント124のグラニュール140が形成される。また、この運動により、グラニュール140の高密度化が生じる。説明を容易にするために、ドラム22中の移動中にグラニュール140の状態に形成されるチョップトガラスセグメント124を以下においてグラニュール140と総称する。これら多くの瀑落事象のたびに、グラニュール140は、これらの表面がバインダー配合物の液滴を捕捉する。バインダー配合物の液滴被覆により、種としてのグラニュールへの追加のチョップトストランドセグメント凝集が生じ、簡単に言えば、グラニュールは、「タマネギ層」様の集積プロセスに従って成長する。成長途上のグラニュールに与えられる瀑落、混転及び横揺れ作用により、凝集状態のストランドセグメントは、整列すると共に互いに押し固まって全体として一様な寸法形状のグラニュールになる。
【0042】
グラニュールは、図2の矢印Aによって全体的に示されているように、ドラム22内で連続した平面状の流れ又はカーテンの状態で落下する。
【0043】
瀑落中のグラニュールは、出口端28に向かって全体として前方方向に落下する。これら瀑落事象中、追加の流入チョップトストランドセグメント124及び形成中のグラニュール140は、図2の矢印Bで全体的に示されているように、バインダー配合物で被覆される。
【0044】
1つのスコップ30−1から次のスコップ30−2への各瀑落事象により、グラニュール140は、ドラム22中を疑似螺旋経路に沿って動く。図示の実施形態では、疑似螺旋経路は、非連続螺旋であり、即ち、グラニュールが各スコップ内で「止められ」又は保持され、その後次の短い螺旋経路上に続く一連の非連続螺旋経路である。
【0045】
スコップ30により、濡れた状態のチョップトガラスセグメント124は、ドラム22内での一連の瀑落事象により回転ドラム22内の疑似螺旋経路を辿るようになる。或る特定の実施形態では、グラニュール140は、グラニュール140の一連のカーテン又は平面状流れとして各スコップ30から連続的に落下する。スコップ30は、カーテン中に隙間を生じさせないで、グラニュールのカーテンが実質的に厚く且つ一様であることができるようにする形態を有する。瀑落中の粒子140のカーテンは、バインダー配合物の液滴に接触し、それによりバインダー配合物は、瀑落中のグラニュール140によって実質的に消費され又は遮られるようになる。
【0046】
それにより、成長中のグラニュール140は、バインダー配合物で連続的に被覆されてバインダー配合物の無駄が極めて僅かであり又は全く生じないようになる。かくして、結果的に得られた各グラニュール140は、グラニュール全体にわたって実質的に一様に分布されたバインダー配合物を有する。或る特定の実施形態では、バインダーの塗布効率は、従来型サイジング割り当て効率に関しては約65%〜75%であるのに対して、約85%〜約95%である。
【0047】
スコップ30は、ドラム内部の動作条件に耐える任意の材料で構成でき、ボルト、ねじ、溶接又は他の適当な手段33によってドラム壁24に取り付け可能である。或る特定の実施形態では、チョップトガラスセグメント及びバインダーに接触するのが避けられない壁24及びスコップ30は、クリーニングを容易にするために粘着防止ポリマー皮膜で被覆される。例えばボルト又はねじのような締結用ハードウェアを用いる場合、スコップ30には、壁24へのスコップ30の取り付けを容易にするためのフランジ32が形成される。
【0048】
或る特定の実施形態では、図3A及び図3Bに示すように、スコップ30は、ドラム壁24に取り付け可能なフランジ32を有する。図示の実施形態では、フランジ32は、内壁24に取り付け可能であり、全体としてスコップ30の長さと同じ長さを持つ取り付け部分32aを有する。また、図示の実施形態では、フランジ32は、捕捉部材34を内壁24から所望の距離を置いたところに保持する延長部分34bを有する。捕捉部材34は、捕捉縁部35を有する。或る特定の実施形態では、スコップ30の捕捉部材84は、第1の端36及び第2の端38により構成される開放コルネット(cornet)の全体形状を有する。第1の端36の内側半径r1は、第2の端38の内側半径r2よりも小さく、したがって、第1の端36は、第2の端38よりも幅が狭い。かくして、捕捉部材34は、幅が次第に拡大しており、捕捉部材34は、第1の端36から第2の端38までのその長手方向長さに沿って次第に平べったくなっている。
【0049】
各スコップ30は、その幅の狭い端36がドラム22の入口端26の最も近くに位置し、その幅の広い端38がドラム22の出口端28の最も近くに位置するようにドラム壁24に取り付けられている。ドラム22の回転方向は、スコップ30の捕捉縁部35がドラム22の底部のところに位置するグラニュール内に飛び込むようなものである。捕捉縁部35及び捕捉縁部34は、スコップ30が持ち上げられているときにスコップ30が満たされるようにする。
【0050】
捕捉スコップ30を回転させてこれが或る特定の傾斜角度に達すると、重力の作用により、グラニュール140は、捕捉縁部35に沿う瀑落点のところでスコップ30からグラニュール140の底部床上に瀑落し始める(即ち、落下中のグラニュールのカーテンとして)。捕捉スコップ30が円周方向に動くにつれて、スコップ30は次第に空になる。捕捉部材34の形状により、捕捉部材34は、スコップがその最も高い回転位置にあるとき、所与の量のグラニュールを保持することができる。スコップ30が引き続き回転してその最も低い点に向かって戻るにつれて、スコップ30は一段と空の状態になる。スコップ30は、ドラム22の回転の少なくとも1/4の間、バインダー配合物の流れ中に入るグラニュールの実質的に連続したカーテンを生じさせる。
【0051】
或る特定の実施形態では、捕捉縁部35がいったん約1/4回転すると、グラニュールは、捕捉部材34から瀑落し始める。捕捉部材34は、スコップ30が約1/4回転〜約1/2回転しているとき、瀑落中のグラニュールの安定した供給を可能にする。捕捉部材34は、1回分のグラニュールの最後が約1/2回転時に捕捉部材34から瀑落するようにかかる1回分のグラニュールを保持する。
【0052】
これは瀑落事象中、流入するストランドセグメント124及び形成中のグラニュール140は、図2の矢印Bによって全体的に示されているように、バインダー配合物と接触する。捕捉縁部35は、ドラム壁24により構成される平面に対して鋭角をなしており、瀑落中のグラニュールは又、内壁24に対して鈍角をなして落下し、所望量のバインダー配合物の液滴にさらされるようになる。瀑落中のグラニュール140は、出口端28に向かって全体として前方方向に落下する。
【0053】
理解されるべきこととして、図示の実施形態では、ドラム22は、形状が同一のスコップ30を多数個有する。或る特定の実施形態では、各スコップ30は、同一の深さまで半径方向内方に延び、同一の距離にわたり内壁24に沿って長手方向に延びる。他の実施形態では、スコップ30のうち1つ又は2つ以上は、捕捉部材34について別の寸法、例えば別の長さ及び(又は)深さを有しても良い。また、或る特定の実施形態では、内壁24への各スコップ30の配設状態は、バインダー配合物の被覆状態及びドラム22内におけるグラニュール140の滞留時間を最適化するよう変更可能である。例えば、グラニュール140のカーテン(図3Bに矢印Cによって示されている)は、ドラムの回転中、第1のスコップ30−1から落下し、グラニュール140のカーテンは、ドラム22の出口端28に向かって第1の疑似螺旋経路を辿って落下する。
【0054】
また、次に位置するスコップにより、これが捕捉したグラニュールは、ドラム22内の第2の疑似螺旋経路を辿って落下することができ、以下同様である。注目されるべきこととして、ドラムの回転速度を変化させて製品をドラム22内で瀑落させる時間の長さを増減することができる。
【0055】
一実施形態では、図4A及び図4Bに示すように、スコップ30は、壁24に沿って所望のパターンをなして位置決めされている。第1のスコップ30−1は、入口端26の最も近くに位置する第1の距離のところに位置し、第2のスコップ30−2は、入口端26から見て第1のスコップ30−1よりも遠くに位置する第2の距離のところに位置し、第3のスコップ30−3は、入口壁26から見て第2のスコップ30−2よりも遠くに位置する第4の距離のところに位置し、以下同様である。第2のスコップ30−2から第3のスコップ30−3までの長手方向距離l2は、同一であり、以下同様であり、即ち、l1=l2=l3等である。
【0056】
或る特定の実施形態では、スコップのパターンの構成により疑似螺旋経路が得られると共に全体として一様な円筒形であり且つ全体として一様なサイズのグラニュールの形成が助長される。
【0057】
図4A及び図4Bは、ドラム22内におけるスコップ配置状態のパターンの一実施形態を示している。各スコップは、以下のようにドラムの360°の周囲によって構成されるドラムの内周に沿って順番に配置されており、この場合、
第1のスコップ30−1と第2のスコップ30−2との間の円周方向距離は、約120°であり、
第2のスコップ30−2と第3のスコップ30−3との間の円周方向距離は、約120°であり、
第3のスコップ30−3と第4のスコップ30−4との間の円周方向距離は、約80°であり、
第4のスコップ30−4と第5のスコップ30−5との間の円周方向距離は、約120°であり、
第5のスコップ30−5と第6のスコップ30−6との間の円周方向距離は、約120°であり、
第6のスコップ30−6と第7のスコップ30−7との間の円周方向距離は、約80°であり、
第7のスコップ30−7と第8のスコップ30−8との間の円周方向距離は、約120°であり、
第8のスコップ30−8と第9のスコップ30−9との間の円周方向距離は、約120°である。
【0058】
或る特定の実施形態では、ドラム22内の最後のスコップ30−9は、他とは異なる形態を有するのが良い。例えば、最後のスコップ30−9は、ドラム22からのグラニュールの送り出しを助けるために他のスコップよりも長い長さを有するのが良い。
【0059】
グラニュールは、これらが受ける押し固め及び高密度化の度合いが次第に増大し、それにより、最終製品の良好な流動性が得られる。他形式の粗砕組立体と比較して、結果的に得られるグラニュール140が衝突及び摩耗中に生じる劣化の度合いが少ない。結果的に得られるグラニュール140の劣化傾向が小さいことにより、かかるグラニュール140を用いて製造されるガラス繊維強化成形物品の物理的特性が向上する。
【0060】
ジグザグ形粗砕機と比較して、大径のチャンバの長さの拡張により、プロセスの処理量が増大する。例えば、或る特定の実施形態では、螺旋スコップ形態が設けられていない1時間当たり約300ポンド(1360キログラム)で動作するドラムを螺旋スコップ形態の追加によって1時間当たり約5500ポンド(2500キログラム)の能力まで増大させることができる。
【0061】
さらに、瀑落運動及びその結果としての最適化されたバインダー被覆(「タマネギの層」のような)を与えるスコップを設けたことにより得られる繊維劣化の減少により、グラニュールの結合性の増大が得られる。また、グラニュールは、一層規則的で円筒形の形状を有する。結果的に得られるグラニュールは又、長い繊維が少なく且つ毛羽が減少する。
チョップトガラスセグメントを粗砕する方法は、チョップガラスセグメントを複数のスコップが内側側壁に設けられたドラム内に導入するステップと、ドラムを全体として水平軸線回りに回転させるステップとを有する。或る特定の実施形態では、ドラムを通るグラニュールの長手方向運動を助けるためにドラムを水平から僅かな角度をなす長手方向軸線回りに回転させても良い。
【0062】
また、被覆用バインダー配合物をグラニュール全体にわたって実質的に一様に塗布することにより、グラニュールを所望装填量のバインダー配合物が施されると共に対応の所望のストランド結合性を備えたストランドから形成することができ、それにより、グラニュールが最終製品を形成するよういったん用いられると、繊維の迅速な分散が可能である。グラニュール全体にわたるバインダー配合物の被覆により、バインダーの全体的な廃棄百分率が減少すると共に不規則な形状(大きすぎる場合を含む)のグラニュールの量が減少し、それにより、明らかな経済上の利益が得られる。
【0063】
本発明の種々の利点は、添付の図面に照らして好ましい実施形態の上述の詳細な説明を読むと当業者には明らかになろう。
【0064】
本発明を特定の実施形態に関して説明したが、当業者であれば、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができ、その構成要素に代えて均等要素を用いることができることは理解されるべきである。加うるに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させる多くの改造を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施する特定の実施形態には限定されず、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属する全ての実施形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】グラニュール形成システムの略図である。
【図2】粗砕組立体の概略斜視図であり、部分的に想像線で記載されている図である。
【図3A】スコップの概略斜視図である。
【図3B】ドラム壁上の2つのスコップの概略斜視図である。
【図4A】粗砕組立体内のスコップのパターンの一実施形態の略図である。
【図4B】粗砕組立体内のスコップのパターンの一実施形態の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー配合物(136)で実質的に被覆されたガラス繊維グラニュールをチョップトストランドセグメント(124)から製造する装置であって、バインダー配合物をチョップトガラスセグメントに塗布するアプリケータと、疑似螺旋作用を前記チョップトストランドセグメントに与える粗砕組立体(125)とを有する、装置。
【請求項2】
前記粗砕組立体は、前記チョップトガラスセグメントを受け入れる回転ドラム(22)と、前記回転ドラム内に設けられた複数のスコップ(30)を有する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記スコップは、前記チョップトガラスセグメントを瀑落させるために前記回転ドラム内にパターンをなして位置決めされている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記スコップのパターンは、前記グラニュールが前記回転ドラム内で疑似螺旋経路を辿ることができるように構成されている、請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記回転ドラム内の前記スコップは、繰り返しパターンをなして位置決めされている、請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記パターンは、前記回転ドラム内において隣接のスコップから等しい長手方向距離を置いたスコップ間隔を有する、請求項2記載の装置。
【請求項7】
各前記スコップは、前記回転ドラム内において、グラニュールの平面状流れが前記スコップから瀑落することができるよう差し向けられている、請求項2記載の装置。
【請求項8】
各前記スコップは、前記回転ドラムの周囲に沿って位置決めされており、前記スコップ相互間の円周方向距離は、
第1のスコップと第2のスコップとの間としては約120°、
前記第2のスコップと第3のスコップとの間としては約120°、
前記第3のスコップと前記第4のスコップとの間としては約80°で構成されている、請求項4記載の装置。
【請求項9】
前記パターンは、前記パターン中における他のスコップよりも長い距離を有する最後のスコップを含む、請求項4記載の装置。
【請求項10】
前記スコップは、幅の狭い端部及び幅の広い端部を有する、請求項2記載の装置。
【請求項11】
前記幅の狭い端部は、前記回転ドラムの入口の最も近くに位置する、請求項4記載の装置。
【請求項12】
前記スコップは、コルネットの形をした捕捉部材を有する、請求項2記載の装置。
【請求項13】
前記スコップは、前記スコップを前記回転ドラムの内壁から好ましい距離を置くと共に前記内壁に対して鋭角をなして保持するよう構成されたブラケットを有する、請求項2記載の装置。
【請求項14】
前記スコップの長手方向軸線の向きは、前記回転ドラムの長手方向軸線に平行である、請求項2記載の装置。
【請求項15】
前記スコップの前記長手方向軸線の向きは、前記回転ドラムの前記長手方向軸線に対して鋭角をなしている、請求項4記載の装置。
【請求項16】
バインダー配合物を前記チョップトガラスセグメントに送り出すよう構成された送り出し装置を有する、請求項1記載の装置。
【請求項17】
前記送り出し装置は、バインダー配合物と一緒に前記回転ドラムに流入する洗浄用空気の周囲流れ内に位置している、請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記ドラムは、実質的に粘着防止配合物で覆われた円筒形内部側壁を有する、請求項2記載の装置。
【請求項19】
前記複数のスコップは、互いに対して間隔を置いた関係をなして配置され、前記スコップは、1つのスコップからのグラニュールが瀑落態様で落下し、隣のスコップによって捕捉されるよう構成されている、請求項2記載の装置。
【請求項20】
グラニュールの平面状の流れが前記スコップから前記回転ドラムの底部まで瀑落することができるように構成されており、各前記スコップは更に、前記回転ドラムの前記底部から所与の量のグラニュールを捕捉するよう構成されている、請求項2記載の装置。
【請求項21】
前記回転ドラムは、同一形態の多数のスコップを有する、請求項2記載の装置。
【請求項22】
粗砕組立体は、前記チョップトガラスセグメントが前記バインダー配合物で実質的に被覆されるようになり、それと実質的に同時に凝集してグラニュールになるのに十分な滞留時間、前記チョップトガラス繊維を前記粗砕組立体内に滞留させることができるよう構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項23】
バインダー配合物で実質的に被覆されたガラス繊維グラニュールを粗砕する方法であって、
チョップトストランドセグメントを回転ドラム内に導入するステップと、
バインダー配合物を前記チョップトストランドセグメントに塗布するステップと、
それと同時に、前記チョップトストランドセグメントが実質的にバインダー配合物で被覆されるようになり、それと実質的に同時に凝集してグラニュールになるのに十分な時間の間、疑似螺旋作用を前記回転ドラム内の前記チョップトストランドセグメントに与えるステップとを有する、方法。
【請求項24】
前記回転ドラムは、前記回転ドラム内に前記チョップトストランドセグメントを瀑落させるパターンをなして位置決めされた複数のスコップを有する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記スコップのパターンは、前記グラニュールが前記回転ドラム内で疑似螺旋経路を辿ることができるように構成されている、請求項24記載の方法。
【請求項26】
円周方向に回転する一連のスコップを有し、各前記スコップが所望の傾斜角度に達すると、重力の作用により、グラニュールは、落下グラニュールのカーテンとして前記スコップから瀑落し始め、各前記スコップを円周方向に回転させると、前記スコップは、次第に空になる、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記回転ドラムの少なくとも1/4回転の間、バインダー配合物の流れの中に配置されるグラニュールの実質的に連続したカーテンを生じさせるステップを有する、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記回転ドラムに隣接して設けられていて、所与の量のバインダー配合物を前記回転ドラム内に送り込む1つ又は2つ以上のノズルを連結するステップを更に有する、請求項23記載の方法。
【請求項29】
前記ノズルが、前記バインダー配合物を実質的に噴霧化しながら前記噴霧化されたバインダー配合物が前記回転ドラム内に小出しされるようにする、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記バインダー配合物を前記回転ドラム内への小出し前に、供給空気と組み合わせて1つの流体流れの状態にするステップを有する、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記バインダー配合物及び供給空気を別々のノズルオリフィスから送り出すステップを有し、前記空気と前記バインダー配合物は、回転ドラム内で1つの噴霧化された流れの状態に組み合わされる、請求項29記載の方法。
【請求項32】
前記バインダー配合物を約85%〜約95%の効率で前記チョップトストランドセグメントに塗布するステップを有する、請求項23記載の方法。
【請求項33】
チョップトストランドセグメントとバインダー配合物の連続すると共に交互に位置した層を有するグラニュール。
【請求項34】
前記チョップトストランドセグメントのうちの何割かは、少なくとも部分的に他のチョップトストランドセグメントと整列して全体として円筒形のグラニュールを形成する、請求項33記載のグラニュール。
【請求項35】
前記グラニュールは、その長さの12%〜約50%の直径を有する、請求項34記載のグラニュール。
【請求項36】
請求項23記載の方法により形成されたグラニュール。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2009−522133(P2009−522133A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548582(P2008−548582)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047928
【国際公開番号】WO2007/078876
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(508076428)オーシーヴィー インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー (43)
【Fターム(参考)】