説明

ガンマ−セクレターゼの活性を阻害するマロンアミド誘導体

本発明は、式(I)[式中、R1は、下記の基の1つであり(式:a)、b)、c)、d));R2は、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−O−低級アルキル、−(CH2n−S−低級アルキル、−(CH2n−CN、−(CR’R”)n−CF3、−(CR’R”)n−CHF2、−(CR’R”)n−CH2F、−(CH2n−C(O)O−低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンであるか、又は−(CH2n−シクロアルキル(場合により、フェニル、ハロゲン又はCF3よりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であり;R’、R”は、nと独立に、かつ相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシであり;R3、R4は、相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル又はハロゲンであり;R5は、水素、低級アルキル、−(CH2n−CF3又は−(CH2n−シクロアルキルであり;R6は、水素又はハロゲンであり;R7は、水素又は低級アルキルであり;R8は、水素、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−CF3、−(CH2n−シクロアルキル又は−(CH2n−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;R9は、水素、低級アルキル、−C(O)H、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−CF3、−C(O)−CH2F、−C(O)−CHF2、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−(CH2n−O−低級アルキル、−C(O)O−(CH2n−シクロアルキル、−C(O)−フェニル(場合により、ハロゲン又は−C(O)O−低級アルキルよりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であるか、又は−S(O)2−低級アルキル、−S(O)2−CF3、−(CH2n−シクロアルキルであるか、又は−(CH2n−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;nは、0、1、2、3又は4である]で示されるマロンアミドの誘導体、及びその薬剤学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋なエナンチオマー、ラセミ体又はジアステレオマー混合物に関する。これらの化合物は、アルツハイマー病の治療に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I):
【0002】
【化8】

【0003】
[式中、
1は、下記a)〜d):
【0004】
【化9】

【0005】
で示される基の1つであり;
2は、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−O−低級アルキル、−(CH2n−S−低級アルキル、−(CH2n−CN、−(CR’R”)n−CF3、−(CR’R”)n−CHF2、−(CR’R”)n−CH2F、−(CH2n−C(O)O−低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンであるか、又は−(CH2n−シクロアルキル(場合により、フェニル、ハロゲン又はCF3よりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であり;
R’、R”は、nと独立に、かつ相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシであり;
3、R4は、相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル又はハロゲンであり;
5は、水素、低級アルキル、−(CH2n−CF3又は−(CH2n−シクロアルキルであり;
6は、水素又はハロゲンであり;
7は、水素又は低級アルキルであり;
8は、水素、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−CF3、−(CH2n−シクロアルキル又は−(CH2n−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;
9は、水素、低級アルキル、−C(O)H、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−CF3、−C(O)−CH2F、−C(O)−CHF2、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−(CH2n−O−低級アルキル、−C(O)O−(CH2n−シクロアルキル、−C(O)−フェニル(場合により、ハロゲン又は−C(O)O−低級アルキルよりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であるか、又は−S(O)2−低級アルキル、−S(O)2−CF3、−(CH2n−シクロアルキルであるか、又は−(CH2n−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;
nは、0、1、2、3又は4である]で示される化合物、及びその薬剤学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋なエナンチオマー、ラセミ体又はジアステレオマー混合物に関する。
【0006】
本明細書において使用されるとき、「低級アルキル」という用語は、1〜7個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチルなどを意味する。好ましい低級アルキル基は、1〜4個の炭素原子を持つ基である。
【0007】
本明細書において使用されるとき、「低級アルキニル」という用語は、2〜7個の炭素原子を含み、かつ少なくとも1個の三重結合を含む、不飽和の直鎖又は分岐の炭素鎖を意味する。
【0008】
「シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を含む、飽和炭素環基を意味する。
【0009】
「ハロゲン」という用語は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を意味する。
【0010】
「低級アルコキシ」という用語は、アルキル残基が上記と同義であり、そして酸素原子を介して結合している基を意味する。
【0011】
「−(CR’R”)n−」という表現は、例えば、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CF2−、−CH2−CH2−CF2−、−CH2−CH2−CH(OCH3)−、−CH2CH(OH)−又は−C(CH32−CH(OH)−であってよい。
【0012】
「薬剤学的に許容しうる酸付加塩」という用語は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような、無機及び有機酸との塩を包含する。
【0013】
一般式(I)の化合物は、γ−セクレターゼ阻害剤であることが見い出されており、その関連化合物は、アルツハイマー病の治療において有用であろう。
【0014】
アルツハイマー病(AD)は、晩年における認知症の最大の原因である。病理学的にADは、細胞外プラーク及び細胞内神経線維錯綜におけるアミロイドの脳内沈着を特徴とする。アミロイドプラークは、主として、一連のタンパク質分解的切断工程によりβ−アミロイド前駆タンパク質(APP)から生じるアミロイドペプチド(Aβペプチド)からなる。APPの幾つかの形が同定されており、そのうち最も豊富にあるものは695、751及び770アミノ酸長のタンパク質である。これらは全て、スプライシングの差により単一遺伝子から生じる。Aβペプチド類は、APPの同じドメインに由来するが、そのN−及びC−末端が異なり、主要な種は、40及び42アミノ酸長のものである。
【0015】
Aβペプチドは、β−及びγ−セクレターゼと呼ばれる2個のタンパク質分解酵素の連続した作用によりAPPから産生される。β−セクレターゼは、最初にAPPの膜貫通ドメイン(TM)の直ぐ外側の細胞外ドメインで切断することにより、TM−及び細胞質ドメインを含むAPPのC末端フラグメント(CTFβ)を産生させる。CTFβは、γ−セクレターゼの基質であるが、この酵素は、TM内の幾つかの近接した位置で切断することにより、Aβペプチド類及び細胞質フラグメントを産生させる。Aβペプチド類の大部分は、40アミノ酸長(Aβ40)のものであり、少数種の方は、2個の追加アミノ酸をそのC末端に有する。後者は、より病原性の高いアミロイドペプチドであると想定される。
【0016】
β−セクレターゼは、典型的なアスパラギン酸プロテアーゼである。γ−セクレターゼは、幾つかのタンパク質からなるタンパク質分解活性であり、その厳密な組成は完全には理解されていない。しかし、プレセニリン類は、この活性の必須成分であり、そしてTM内でその基質を切断し、かつこれら自体が多所性膜タンパク質である、非定型アスパラギン酸プロテアーゼの新しい群に相当するのであろう。γ−セクレターゼの他の必須成分は、ニカストリン並びにaph1及びpen−2遺伝子の産物であろう。γ−セクレターゼの証明された基質は、APP及びノッチ(Notch)受容体ファミリーのタンパク質であるが、γ−セクレターゼは、ゆるい基質特異性を持ち、そのためAPP及びノッチとは無関係の更に別の膜タンパク質を切断することができる。
【0017】
γ−セクレターゼ活性は、Aβペプチド類の産生には絶対に必要とされる。このことは、遺伝学的手段(即ち、プレセニリン遺伝子の除去)及び低分子量阻害化合物の両方により証明されている。アミロイド仮説又はADによるとAβの産生及び沈着は、その疾患の最大要因であるため、γ−セクレターゼの選択的かつ強力な阻害剤はADの予防及び治療に有用であろうと考えられる。
【0018】
即ち、本発明の化合物は、γ−セクレターゼの活性を阻害し、そして種々のアミロイド生成性Aβペプチド類の形成を低減させるか、又は妨害することにより、ADを治療するのに有用であろう。
【0019】
多数の文献が、γ−セクレターゼ阻害に関する最新の知識を記述しており、例えば、以下の刊行物がある:
Nature Reviews/Neuroscience, Vol. 3, April 2002/281、
Biochemical Society Transactions (2002), Vol. 30. part 4、
Current Topics in Medicinal Chemistry, 2002, 2, 371-383、
Current Medicinal Chemistry, 2002, Vol. 9, No. 11, 1087-1106、
Drug Development Research, 56, 211-227, 2002、
Drug Discovery Today, Vol. 6, No. 9, May 2001, 459-462、
FEBS Letters, 483, (2000), 6-10、
Science, Vol. 297, 353-356, July 2002及び
Journ. of Medicinal Chemistry, Vol. 44, No. 13, 2001, 2039-2060。
【0020】
本発明の目的は、式(I)の化合物それ自体、γ−セクレターゼ阻害に関連する疾患の治療用医薬の製造のための式(I)の化合物及びその薬剤学的に許容しうる塩の使用、これらの製造、本発明の化合物に基づく医薬及びこれらの製造、並びにアルツハイマー病の制御又は予防における式(I)の化合物の使用である。
【0021】
本発明の更に別の目的は、式(I)の化合物についての全ての形の光学的に純粋なエナンチオマー、ラセミ体又はジアステレオマー混合物である。
【0022】
式(I)の好ましい化合物は、R1が、a)であり、そしてR2が、−(CH2n−シクロアルキル(場合によりCF3によって置換されている)であるもの、例えば、以下の化合物:
N−シクロプロピルメチル−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド、又は
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(1−トリフルオロメチル−シクロプロピルメチル)−マロンアミド
である。
【0023】
好ましい化合物は、更に、R1が、a)であり、そしてR2が、低級アルキル、−(CH2n−O−低級アルキル又は−(CH2n−S−低級アルキルであるもの、例えば、以下の化合物:
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−メトキシエチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−メチルチオエチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3−メトキシ−プロピル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−プロピル−マロンアミド、又は
2−フルオロ−2−メチル−N−(3−メチル−ブチル)−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
である。
【0024】
好ましい化合物は、更に、R1が、a)であり、そしてR2が、−(CR’R”)n−CF3又は−(CR’R”)n−CHF2であるもの、例えば、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,2−トリフルオロエチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(4,4,4−トリフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシ−ブチル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−(5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2,2−ジメチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(−)−2−メトキシ−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メトキシ−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−(5−イソプロピル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル}−マロンアミド、
N−(5−イソプロピル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2,2−ジメチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−メトキシ−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド又は
2,2−ジメチル−N−[(S)−6−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
である。
【0025】
更に別の好ましい化合物の群は、R1が、c)であり、そしてR2が、−(CR’R”)n−CF3であるもの、例えば、以下の化合物:
2−メチル−N−(1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N′−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド、
N−((3S)−5−ベンゾイル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(4−クロロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(3,5−ジフルオロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
4−{(3S)−5−メチル−4−オキソ−3−[2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボニル}−安息香酸メチルエステル、
N−((3S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[5−((3S)−4−フルオロ−ベンジル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(4−クロロ−ベンゾイル)−1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−5−トリフルオロメタンスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2RS)−メチル−N−[(3S)−1−メチル−2−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(2−メトキシ−アセチル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(S)−5−メタンスルホニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメタンスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
5−メチル−4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステルマロンアミド、
N−[(S)−5−シクロプロパンカルボニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル、
N−[(S)−5−アセチル−1−イソプロピル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド又は
N−((S)−5−アセチル−1−ベンジル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
である。
【0026】
好ましい化合物は、更に、R1が、b)であるもの、例えば、
2−メチル−N−(3−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
である。
【0027】
式(I)の好ましい化合物は、更に、R1が、d)であるもの、例えば、
2−メチル−N−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド、又は
2−メチル−N−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
である。
【0028】
本発明の1つの実施態様は、一般式(I−1):
【0029】
【化10】

【0030】
[式中、
1は、下記a)〜d):
【0031】
【化11】

【0032】
で示される基の1つであり;
2は、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−O−低級アルキル、−(CH2n−S−低級アルキル、−(CH2n−CN、−(CR’R”)n−CF3、−(CR’R”)n−CHF2、−(CH2n−C(O)O−低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンであるか、又は−(CH2n−シクロアルキル(場合により、フェニル、ハロゲン又はCF3よりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であり;
R’、R”は、nと独立に、かつ相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシであり;
3、R4は、相互に独立に、水素、低級アルキル、フェニル又はハロゲンであり;
5は、低級アルキル又は−(CH)2−シクロアルキルであり;
6は、水素又はハロゲンであり;
7は、水素又は低級アルキルであり;
8は、水素、低級アルキル、低級アルキニル又は−(CH)2−シクロアルキルであり;
9は、水素、低級アルキル、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−低級シクロアルキル、−(CH2n−シクロアルキル、フェニル、−C(O)−フェニル(場合により、ハロゲン又は−C(O)O−低級アルキルよりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であるか、又は−(CH)2−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;
nは、0、1、2、3又は4である]で示される化合物、及びその薬剤学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋なエナンチオマー、ラセミ体又はジアステレオマー混合物である。
【0033】
本発明の式(I)の化合物及びその薬剤学的に許容しうる塩は、当該分野において既知の方法により、例えば、後述のプロセスにより調製することができるが、このプロセスは、
a) 式(II):
【0034】
【化12】

【0035】
で示される化合物を式(III):
【0036】
【化13】

【0037】
で示される化合物と反応させることにより、式(I):
【0038】
【化14】

【0039】
[式中、R1〜R4は、上記と同義である]で示される化合物にすること、そして
必要であれば、得られる化合物を薬剤学的に許容しうる酸付加塩に変換すること
を特徴とする。
【0040】
詳細な説明は、以下に、及び実施例1〜121に見い出すことができる。式(IV)の出発物質は、既知化合物であるか、又は当該分野において周知の方法により調製することができる。式(VI)及び(III)のアミンは、市販されている製品であるか、又は文献に記載されている方法により調製することができる。
【0041】
【化15】

【0042】
このスキームにおいて、R1及びR2は、後述されており、そしてR10及びR11は、独立に低級アルキルである。
【0043】
スキーム1によると、式(I)の化合物は、以下のとおり調製することができる:
THF中の式(V)の化合物(例えば、2−メチル−マロン酸モノ−tert−ブチルエステル)及び式(VI)のアミン(例えば、7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン)の冷却溶液に、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジイソプロピルエチルアミン及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩を加え、そしてこの混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を留去し、残渣を通常のやり方で洗浄し、乾燥して精製する。
【0044】
次にTFA(トリフルオロ酢酸)を、得られたジクロロメタン中の式(VII)(例えば、2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸tert−ブチルエステル)の溶液に加え、そしてこの混合物を室温で一晩撹拌する。次いでこの混合物を追加のジクロロメタンにとり、洗浄して乾燥した。溶媒の留去後、式(II)の化合物(例えば、2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸を得る。この得られた化合物と式(III)の化合物(例えば、シクロプロピルメチルアミン)を使い捨てのポリプロピレンチューブに入れて、DMFに溶解する。TPTU(2−(2−ピリドン−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート)を加え、そしこの混合物を室温で一晩振盪した。得られた式(I)の化合物を、従来法で単離及び精製する。
【0045】
式(I)の化合物は、対応する酸付加塩に変換することができる。この変換は、少なくとも化学量論量の適切な酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機酸)での処理により達成される。典型的には、遊離塩基を不活性有機溶媒(ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、エタノール又はメタノールなど)に溶解し、そして酸を同様の溶媒中で加える。温度は、0℃と50℃の間に維持する。生じる塩は、自然に沈殿するか、又は極性の低い溶媒で溶液から取りだすことができる。
【0046】
式(I)の化合物の酸付加塩は、少なくとも化学量論当量の適切な塩基(水酸化ナトリウム又はカリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニアなど)での処理により、対応する遊離塩基に変換することができる。
【0047】
式(I)の化合物及びその薬剤学的に有用な付加塩は、有益な薬理学的性質を有する。具体的には、本発明の化合物はγ−セクレターゼを阻害できることが見い出された。
【0048】
本化合物は、本明細書に後述の試験により調査した。
【0049】
γ−セクレターゼ測定法の説明
試験化合物の活性は、γ−セクレターゼ活性による適切な基質のタンパク質分解的切断を測定する測定法において評価することができる。これらは、例えば、γ−セクレターゼの基質が、その細胞質ドメインにおいて転写因子に融合している、細胞測定法であってよい。細胞を、この融合遺伝子、及び転写因子によりその発現が増強されるレポーター遺伝子(例えば、ホタルルシフェラーゼ)でトランスフェクトする。γ−セクレターゼによる融合基質の切断がレポーター遺伝子の発現を引き起こすが、これは、適切な測定法でモニターすることができる。γ−セクレターゼ活性はまた、無細胞のインビトロ測定法においても測定することができ、ここでは、例えば、γ−セクレターゼ複合体を含む細胞溶解物を、Aβペプチドへと切断される適切なAPP由来基質と一緒にインキュベートする。産生ペプチドの量は、特異的ELISA測定法で測定することができる。神経細胞起源の細胞株は、Aβペプチドを分泌するが、これは特異的ELISA測定法で測定することができる。γ−セクレターゼを阻害する化合物での処理により、分泌Aβが減少し、これによって阻害の尺度が提供される。
【0050】
γ−セクレターゼ活性のインビトロ測定法には、γ−セクレターゼの供給源としてHEK293膜画分と、組換えAPP基質を利用する。後者は、精製のための6×ヒスチジンテールに融合したヒトAPPのC末端の100アミノ酸よりなり、これを調節可能な発現ベクター(例えば、pEt15)に入れて大腸菌(E. coli)で発現させる。この組換えタンパク質は、細胞外ドメインのγ−セクレターゼ切断後に生じ、かつγ−セクレターゼ基質を構成する、切断型APPフラグメントに対応する。測定法原理は、Li YMら, PNAS 97(11), 6138-6143 (2000)に説明されている。Hek293細胞は、機械的に破砕し、分画遠心分離法によりミクロソーム画分を単離する。膜を洗剤(0.25% CHAPSO)に可溶化して、APP基質と一緒にインキュベートする。基質のγ−セクレターゼ切断により産生するAβペプチドは、報告されているように特異的ELISA測定法により検出する(Brockhaus Mら, Neuroreport 9(7), 1481-1486 (1998))。
【0051】
好ましい化合物は、IC50<0.1μMを示す。下記リストにγ−セクレターゼ阻害に関する幾つかのデータを記載する:
【0052】
【表1】



【0053】
式(I)の化合物及び式(I)の化合物の薬剤学的に許容しうる塩は、例えば、製剤の形で医薬として使用することができる。この製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば、坐剤の剤形で直腸内に、例えば、注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0054】
式(I)の化合物は、製剤の製造のために、薬剤学的に不活性な無機又は有機担体と一緒に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などは、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適した担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどである。しかし活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合には通常は担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に適した担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤に適した担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0055】
本製剤は更に、保存料、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香料、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。これらはまた、更に他の治療上有益な物質を含むこともできる。
【0056】
式(I)の化合物又は薬剤学的に許容しうるその塩と、治療上不活性な担体とを含む医薬もまた、本発明の目的であり、またその製造方法も同様であるが、この方法は、1つ以上の式(I)の化合物及び/又は薬剤学的に許容しうる酸付加塩を、所望であれば1つ以上の他の治療上有益な物質とを、1つ以上の治療上不活性な担体と一緒に製剤の投与剤形にすることを特徴とする。
【0057】
本発明によると、式(I)の化合物並びにその薬剤学的に許容しうる塩は、アルツハイマー病のような、γ−セクレターゼの阻害に基づく病気の制御又は予防において有用である。
【0058】
用量は、広い範囲内で変化させることができ、そして当然ながら各特定の症例における個々の要求に応じて調整しなければならない。経口投与の場合には、成人の用量は、1日に約0.01mg〜約1000mgの一般式(I)の化合物、又は対応する量の薬剤学的に許容しうるその塩の範囲で変化させることができる。1日用量は、単回用量として、又は分割用量にして投与することができ、更に上限もまた、必要が見い出されればこれを超えてもよい。
【0059】
【表2】

【0060】
製造手順
1. 品目1、2、3及び4を混合して、精製水で造粒する。
2. この顆粒を50℃で乾燥する。
3. 適切な粉砕装置にこの顆粒を通す。
4. 品目5を加え、3分間混合する;適切な圧力で打錠する。
【0061】
【表3】

【0062】
製造手順
1. 品目1、2及び3を適切なミキサー中で30分間混合する。
2. 品目4及び5を加え、3分間混合する。
3. 適切なカプセルに充填する。
【0063】
実施例1
N−シクロプロピルメチル−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
a) 2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸tert−ブチルエステル
THF(8ml)中の2−メチル−マロン酸モノ−tert−ブチルエステル(1.01g、5.79mmol)及び7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン(1.15g、4.83mmol)の冷却溶液(0℃)に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(652mg、4.83mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(624mg、4.83mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(925mg、4.83mmol)を加え、そしてこの混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルにとり、水で洗浄して、乾燥(Na2SO4)した。溶媒の留去後、標題化合物、MS:m/e=395.3(M+H+)、(920mg、48%)を、残渣のクロマトグラフィー精製(シリカゲル、MeOH、CH2Cl2)により得た。
【0064】
b) 2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸
TFA(3ml)を、ジクロロメタン(3ml)中の2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸tert−ブチルエステル(920mg、2.33mmol)の溶液に加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。次にこの混合物を追加のジクロロメタンにとり、水で洗浄して、乾燥(Na2SO4)した。溶媒の留去後、標題化合物、MS:m/e=339.3(M+H+)、(580mg、73%)を、残渣のクロマトグラフィー精製(シリカゲル、MeOH、CH2Cl2)により得た。
【0065】
c) N−シクロプロピルメチル−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸(20mg、0.059mmol)及びシクロプロピルメチルアミン(5mg、0.059mmol)を使い捨てポリプロピレンチューブに入れて、DMF(2ml)に溶解した。TPTU(2−(2−ピリドン−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、19mg、0.065mmol)を加え、そしこの混合物を室温で一晩振盪した。標題化合物、MS:m/e=392.2(M+H+)を、自動分取HPLC(YMCコンビプレップC18(YMC CombiPrep C18)カラム50×20mm、0.1% TFA(水溶液)中の溶媒勾配5〜95% CH3CN 6.0分間、λ=230nm、流量40ml/分)により反応混合物から単離した。
【0066】
実施例2
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−エチル−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=366.2(M+H+)は、エチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0067】
実施例3
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−プロパルギル−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=376.3(M+H+)は、プロパルギルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0068】
実施例4
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−メトキシエチル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=396.3(M+H+)は、2−メトキシエチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0069】
実施例5
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−プロピル−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=380.3(M+H+)は、プロピルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0070】
実施例6
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−メチルチオエチル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=412.3(M+H+)は、2−メチルチオエチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0071】
実施例7
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−シクロブチル−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=392.3(M+H+)は、シクロブチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0072】
実施例8
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3−メトキシ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=410.3(M+H+)は、3−メトキシプロピルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0073】
実施例9
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−シアノメチル−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=377.3(M+H+)は、アミノアセトニトリルから実施例1と同様に調製した。
【0074】
実施例10
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−シクロプロピル−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=378.3(M+H+)は、シクロプロピルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0075】
実施例11
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−シアノエチル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=391.2(M+H+)は、3−アミノプロピオニトリルから実施例1と同様に調製した。
【0076】
実施例12
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−エトキシエチル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=410.3(M+H+)は、2−エトキシエチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0077】
実施例13
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=420.2(M+H+)は、2,2,2−トリフルオロエチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0078】
実施例14
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=434.3(M+H+)は、3,3,3−トリフルオロプロピルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0079】
実施例15
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=470.1(M+H+)は、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0080】
実施例16
[2−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル
標題化合物、MS:m/e=452.3(M+H+)は、グリシン酸tert−ブチルから実施例1と同様に調製した。
【0081】
実施例17
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=450.2(M+H+)は、3−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノールから実施例1と同様に調製した。
【0082】
実施例18
N−(2,2−ジフルオロ−3−フェニル−シクロプロピルメチル)−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=504.3(M+H+)は、C−(2,2−ジフルオロ−3−フェニル−シクロプロピル)−メチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0083】
実施例19
N−(2,2−ジフルオロ−シクロプロピルメチル)−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物、MS:m/e=428.2(M+H+)は、C−(2,2−ジフルオロ−シクロプロピル)−メチルアミンから実施例1と同様に調製した。
【0084】
実施例20
2−メチル−N−(3−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
a) 2−メチル−マロン酸モノエチルエステル
エタノール200ml中の水酸化カリウム6.44g(115mmol)の溶液に、メチル−マロン酸ジエチル20.0g(115mmol)を加えて、この混合物を4時間還流した。冷却後、この反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、水50mlを加え、そしてこの混合物をエーテル(2×50ml)で抽出した。この水溶液を、4M塩酸で酸性にして、酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮して、更に精製することなく使用した。MS m/e(%):101.1(M−EtO、100)、147.1(M+H+,8)。
【0085】
b) 2−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸エチルエステル
テトラヒドロフラン20ml中のメチルマロン酸モノエチルエステル1.56g(10.6mmol)の溶液に、2,2,2−トリフルオロエチルアミン1.06g(10.6mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩2.05g(10.6mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物1.44g(10.6mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン2.75g(21.2mmol)を加えた。この混合物を室温で18時間撹拌した。この混合物を0.5N HCl(50ml)に注ぎ入れ、その後ジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を0.5N NaHCO3水溶液で抽出し、乾燥(MgSO4)してロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。残渣をカラム濾過(ヘキサン/酢酸エチル=2:1)により精製することによって、標題化合物1.48g(61%)を白色の結晶性固体として得た。
MS m/e(%):226.1(M−H+、100)。
【0086】
c) 2−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸
テトラヒドロフラン40ml中の2−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸エチルエステル1.48g(6.52mmol)の溶液に、水20ml及び水酸化リチウム1.09g(26mmol)を加えて、この混合物を室温で一晩撹拌した。真空で濃縮後、水(50ml)を加えて、この混合物をジクロロメタン(3×30ml)で抽出した。水相を8N塩酸で酸性にして、ジクロロメタン(4×30ml)で抽出した。2回目の抽出から合わせた有機層を乾燥(MgSO4)して、真空で溶媒を留去することにより、標題化合物1.09g(84%)を白色の固体として得た。
MS m/e(%):197.9(M−H+、100)。
【0087】
d) 2−メチル−N−(3−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
テトラヒドロフラン2ml中の2−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸0.066g(0.3mmol)の溶液に、(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オン0.057g(0.3mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩0.058g(0.3mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.040g(0.3mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン0.116g(0.9mmol)を加えた。この混合物を室温で18時間撹拌した。次に0.5N HCl(5ml)を加えて、この混合物をジクロロメタン(3×5ml)で抽出した。合わせた有機層を0.5N NaHCO3水溶液で抽出し、乾燥(MgSO4)してロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3:1)により精製することによって、標題化合物のジアステレオマー混合物0.10g(89%)を白色の固体として得た。
MS m/e(%):372.1(M+H+、100)。
【0088】
実施例21
2−メチル−N−(1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オン メチル−マロン酸ジエチルの代わりに(RS)−3−アミノ−1−メチル−5−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):449.1(M+H+、100)。
【0089】
実施例22
N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フェニル−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりにフェニルマロン酸ジエチルを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):482.1(M+H+、100)。
【0090】
実施例23
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):438.3(M+H+、100)。
【0091】
実施例24
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチル−アミンの代わりにペンタフルオロプロピルアミンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):488.2(M+H+、100)。
【0092】
実施例25
2−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−3−アミノ−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
テトラヒドロフラン80ml中の(S)−(2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル5.0g(18mmol)の溶液に、−75℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(テトラヒドロフラン中1M)18ml(18mmol)を加えた。−75℃で30分間撹拌後、この混合物が室温に達するのを待って、ヨウ化メチル3.07g(21.6mmol)を加えた。この混合物を室温で2.5時間撹拌して真空で濃縮した。残渣を1M NaHSO4溶液と酢酸エチルとに分液した。合わせた有機層を水で再抽出して、乾燥(MgSO4)した。溶媒の留去後、ジクロロメタン20ml及びトリフルオロ酢酸20mlを加えて、この混合物を室温で2.5時間撹拌した。処理のため、この混合物を真空で濃縮し、次いで酢酸エチルを加えて、この混合物を水で2回抽出した。水相を水酸化ナトリウムで塩基性にして、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)して溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=9:1)により精製することによって、(S)−3−アミノ−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン2.1g(65%)を得た。
MS m/e(%):192.2(M−H+、100)。
【0093】
b) 2−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチル−アミンの代わりにペンタフルオロプロピルアミンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(S)−3−アミノ−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):421.2(M−H+、100)。
【0094】
実施例26
N−((3S)−5−ベンゾイル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
ジクロロメタン3ml中の2−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド0.2g(0.47mmol)の溶液に、トリエチルアミン0.096g(0.95mmol)及び塩化ベンゾイル0.08mg(0.57mmol)を加えた。この混合物を室温で20分間撹拌した。塩酸(1N溶液10ml)を加えて、この混合物をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を1N重炭酸ナトリウム溶液で抽出し、乾燥(MgSO4)して真空で濃縮した。残った油状物をカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、白色の泡状物0.15g(60%)を得た。
MS m/e(%):527.3(M+H+、100)。
【0095】
実施例27
N−((3S)−5−ベンゾイル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2,2−ジメチル−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)においてメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2,2−ジメチルマロン酸ジエチルを、そしてペンタフルオロプロピルアミンの代わりに2,2,2−トリフルオロエチルアミンを用いて、実施例25に記載された手順にしたがい、続いて実施例26に記載されたように塩化ベンゾイルとの反応により同等の収率で得た。
MS m/e(%):491.3(M+H+、100)。
【0096】
実施例28
N−[(3S)−5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、塩化ベンゾイルの代わりに塩化4−フルオロベンゾイルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):545.3(M+H+、100)。
【0097】
実施例29
N−[(3S)−5−(4−クロロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、塩化ベンゾイルの代わりに塩化4−クロロベンゾイルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):561.4(M+H+、100)。
【0098】
実施例30
N−[(3S)−5−(3,5−ジフルオロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、塩化ベンゾイルの代わりに塩化3,5−ジフルオロベンゾイルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):563.4(M+H+、100)。
【0099】
実施例31
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりにrac−3−アミノ−1,1,1−トリフルオロ−3−メチル−2−ブタノールを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):496.2(M+H+、100)。
【0100】
実施例32
2−フルオロ−N−(2−フルオロ−エチル)−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2−フルオロエチルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):402.2(M+H+、100)。
【0101】
実施例33
N−(2,2−ジフルオロ−エチル)−2−フルオロ−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2,2−ジフルオロエチルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):420.1(M+H+、100)。
【0102】
実施例34
2−フルオロ−N−(2−cis−フルオロ−シクロプロピル)−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりにcis−2−フルオロシクロプロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):414.2(M+H+、100)。
【0103】
実施例35
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに3,3,4,4−テトラフルオロブチルアミン(対応する臭化物から、Jacobsら:J. Med. Chem. 1994, 37, 1282のフタルイミド法を介して入手可能)を用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):484.2(M+H+、100)。
【0104】
実施例36
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(4,4,4−トリフルオロ−ブチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに4,4,4−トリフルオロブチルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):466.2(M+H+、100)。
【0105】
実施例37
2−フルオロ−2−メチル−N−(3−メチル−ブチル)−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに3−メチル−ブチルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):426.2(M+H+、100)。
【0106】
実施例38
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(1−トリフルオロメチル−シクロプロピルメチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに1−トリフルオロメチル−シクロプロピルメチルアミン(対応するアルコールから、Jacobsら:J. Med. Chem. 1994, 37, 1282のフタルイミド法を介して入手可能)を用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):478.1(M+H+、100)。
【0107】
実施例39
4−{(3S)−5−メチル−4−オキソ−3−[2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボニル}−安息香酸メチルエステル
標題化合物は、塩化ベンゾイルの代わりに塩化4−(メトキシカルボニル)−ベンゾイルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):583.3(M+H+、100)。
【0108】
実施例40
N−((3S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、塩化ベンゾイルの代わりに塩化アセチルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):465.2(M+H+、100)。
【0109】
実施例41
2−メチル−N−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
a) (RS)−11−アミノ−11H−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−オン塩酸塩
トルエン4ml中の11H−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−オン1.85g(8.77mmol)の溶液に、−20℃でカリウムtert−ブトキシド2.5g(21.9mmol)を加えた。この溶液をN2で飽和させた。15分間撹拌後、亜硝酸イソアミル1.2g(10.5mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、この溶液を0℃で15分間冷却し、水(80ml)、酢酸(4ml)及び酢酸エチル(80ml)を加えた。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で再抽出して、乾燥(MgSO4)した。酢酸エチルの留去後、生じたトルエン中のオキシムのスラリーを1時間で0℃に冷却して濾過した。この固体物質をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解し、テトラヒドロフラン中の1M塩酸8ml及び酸化白金20mgを加えた。この反応混合物をN2でフラッシュして、室温で50psiの水素雰囲気に曝した。水素雰囲気で一晩撹拌後、生成した沈殿物を濾過により回収し、テトラヒドロフランで洗浄して、メタノール/テトラヒドロフラン混合物から再結晶することにより、白色の結晶0.9gを得た(凝固点215〜217℃)。
【0110】
b) 2−メチル−N−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(RS)−11−アミノ−11H−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):407.3(M+H+、100)。
【0111】
実施例42
2−メチル−N−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(RS)−11−アミノ−11H−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):457.4(M+H+、100)。
【0112】
実施例43
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシ−ブチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシ−ブチルアミン(4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシブタンアミドから、Jacobsら:J. Med. Chem. 1994, 37, 1282の水素化アルミニウムリチウム還元を介して入手可能)を用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):476.3(M−H+、100)。
【0113】
実施例44
2−フルオロ−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに3,3,4,4−テトラフルオロブチルアミン(対応する臭化物から、Jacobsら:J. Med. Chem. 1994, 37, 1282のフタルイミド法を介して入手可能)を用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):464.2(M−H+、100)。
【0114】
実施例45
N−(3−イソプロポキシ−プロピル)−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに3−イソプロポキシ−プロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):436.3(M+H+、100)。
【0115】
実施例46
N−((3S)−1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のヨウ化メチルの代わりに臭化シクロプロピルメチルを用いて、実施例25に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):463.5(M+H+、100)。
【0116】
実施例47
N−((3S)−1,5−ジメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) ((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン80ml中の(S)−(2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル5.0g(18mmol)の溶液に、−75℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(テトラヒドロフラン中1M)18ml(18mmol)を加えた。−75℃で30分間撹拌後、この混合物が室温に達するのを待ち、ヨウ化メチル3.07g(21.6mmol)を加えた。この混合物を室温で2.5時間撹拌して真空で濃縮した。残渣を1M NaHSO4溶液と酢酸エチルとに分液した。合わせた有機層を水で再抽出して乾燥(MgSO4)することにより、(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル4.95g(94%)を白色の泡状物として得た。
MS m/e(%):292.0(M+H+、100)。
【0117】
b) (S)−3−アミノ−1,5−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
ジメチルホルムアミド(3ml)中の(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル0.29g(1mmol)に、炭酸カリウム0.46g(3.33mmol)及びヨウ化メチル0.17g(1.2mmol)を加えて、この混合物を室温で一晩撹拌した。水(10ml)を加えて、この混合物を酢酸エチルで2回(各10ml)抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)してカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1:1)により精製することによって、白色の固体0.19g(62%)を得た。この化合物をジクロロメタン2mlとトリフルオロ酢酸2mlとの混合物に溶解して、室温で2.5時間撹拌した。処理のため、この混合物を真空で濃縮し、次にジクロロメタンを加え、そしてこの混合物を重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)して溶媒を留去することにより、(S)−3−アミノ−1,5−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン0.12gを明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):206.4(M+H+、100)。
【0118】
c) N−((3S)−1,5−ジメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりにペンタフルオロプロピルアミンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(S)−3−アミノ−1,5−ジメチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):437.5(M+H+、100)。
【0119】
実施例48
N−((3S)−5−シクロプロピルメチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)のヨウ化メチルの代わりに臭化シクロプロピルメチルを用いて、実施例47に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):477.3(M+H+、100)。
【0120】
実施例49
N−[5−((3S)−4−フルオロ−ベンジル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)のヨウ化メチルの代わりに臭化4−フルオロベンジルを用いて、実施例47に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):531.3(M+H+、100)。
【0121】
実施例50
N−[(3S)−5−(4−クロロ−ベンゾイル)−1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、2−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドの代わりにN−((3S)−1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを用い、そして塩化ベンゾイルの代わりに塩化4−クロロベンゾイルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):601.5(M+H+、100)。
【0122】
実施例51
N−(5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) 5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
ジメチルホルムアミド6ml中の5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.5g(2.4mmol)の溶液に、室温で水素化ナトリウム0.143g(3.58mmol)を加えた。60℃で1時間撹拌後、臭化シクロプロピルメチル0.97g(7.2mmol)を加えて60℃で一晩撹拌を続けた。室温に冷却後、この混合物を水とジクロロメタンとに分液した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム溶液で再抽出して、乾燥(MgSO4)した。真空で濃縮後、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1:1)により精製することによって、5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.6g(95%)を白色の結晶性化合物として得た。
MS m/e(%):264.1(M+H+、100)。
【0123】
b) (RS)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
トルエン5ml中の5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.3g(1.14mmol)の溶液に亜硝酸イソアミル0.285g(2.44mmol)を加えて、この混合物を0℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(トルエン中0.5M)3.6ml(1.83mmol)をゆっくり加えて、この温度で1時間撹拌を続けた。硫酸水素ナトリウム溶液を加えて、この混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で再抽出して、乾燥(MgSO4)した。溶媒の留去後、白色の泡状物0.2gを得て、これをエタノール(5ml)に溶解した。パラジウム担持炭素(90mg)を加えて、この混合物を2.5barのH2圧で32時間水素化した。触媒を濾別して、溶媒を留去した。残渣をジクロロメタン(5ml)と4N塩酸(2ml)とに分液した。この水溶液を分離して、水酸化ナトリウムで塩基性pHに設定して酢酸エチルで2回抽出した。乾燥(MgSO4)及び酢酸エチルの留去後、オフホワイト色の固体物質0.1g(52%)を得た。
MS m/e(%):279.3(M+H+、100)。
【0124】
c) N−(5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):508.4(M−H+、100)。
【0125】
実施例52
N−((3S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) 5−アセチル−3−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
無水酢酸1.7ml中の(S)−(2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル0.5g(1.8mmol)の溶液を65℃で3時間撹拌した。この混合物を水(5ml)に加えて、ジクロロメタンで2回(各10ml)抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)して溶媒を留去することにより、明黄色の泡状物0.6gを得た。この化合物をジクロロメタン2mlとトリフルオロ酢酸2mlとの混合物に溶解して、室温で2.5時間撹拌した。処理のため、この混合物を真空で濃縮し、次にジクロロメタンを加えて、この混合物を重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)して、溶媒を留去することにより、(S)−1−アセチル−3−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン0.31gを明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):220.4(M+H+、100)。
【0126】
b) N−(1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりにペンタフルオロプロピルアミンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(S)−1−アセチル−3−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):449.2(M+H+、100)。
【0127】
実施例53
N−((3S)−5−アセチル−1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、2−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドの代わりにN−((3S)−1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを用い、そして塩化ベンゾイルの代わりに塩化アセチルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):503.2(M−H+、100)。
【0128】
実施例54
N−(3−tert−ブトキシ−プロピル)−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに3−tert−ブトキシ−プロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):396.2(M−C49+H+、100);452.2(M+H+、43)。
【0129】
実施例55
2−メチル−N−((3S)−2−オキソ−1−プロパ−2−イニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のヨウ化メチルの代わりに臭化プロパ−2−イニルを用いて、実施例25に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):447.5(M+H+、100)。
【0130】
実施例56
N−((3S)−5−シクロプロパンカルボニル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、塩化ベンゾイルの代わりに塩化シクロプロパンカルボニルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):491.5(M+H+、100)。
【0131】
実施例57
2−エチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりにエチル−マロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):484.5(M+H+、100)。
【0132】
実施例58
2−イソプロピル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりにイソプロピル−マロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):498.5(M+H+、100)。
【0133】
実施例59
N−((3S)−5−シクロプロピルメチル−2−オキソ−1−プロパ−2−イニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のヨウ化メチルの代わりに臭化プロパ−2−イニルを、そして工程b)のヨウ化メチルの代わりに臭化シクロプロピルメチルを用いて、実施例47に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):501.4(M+H+、100)。
【0134】
実施例60
N−((3S)−5−シクロプロパンカルボニル−2−オキソ−1−プロパ−2−イニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、2−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドの代わりに2−メチル−N−((3S)−2−オキソ−1−プロパ−2−イニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを用い、そして塩化ベンゾイルの代わりに塩化シクロプロパンカルボニルを用いて、実施例26に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):515.4(M+H+、100)。
【0135】
実施例61
N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりにマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):456.5(M+H+、100)。
【0136】
実施例62
2,2−ジメチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)のメチル−マロン酸ジエチルの代わりに2,2−ジメチルマロン酸ジエチルを、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):484.5(M+H+、100)。
【0137】
実施例63
N−(3−フルオロ−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−3−フルオロ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン(WO 9932453の2−フルオロ誘導体と同じやり方で調製)を、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):486.4(M−H+、100)。
【0138】
実施例64
N−(2−フルオロ−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに(RS)−7−アミノ−2−フルオロ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):486.2(M−H+、100)。
【0139】
実施例65
2−メチル−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) 5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
ジメチルホルムアミド15ml中の5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.82g(4mmol)の溶液に、室温で油中55%水素化ナトリウム0.20g(5mmol)を加えた。室温で30分間撹拌後、塩化p−メトキシベンジル0.75g(5mmol)を加えて、室温で2時間撹拌を続けた。処理のため、この混合物を水と酢酸エチルとに分液した。有機層を1N塩酸で再抽出して、水層を酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)して真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1:1)により精製することによって、5−(4−メトキシベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン1.175g(91%)を無色の油状物として得た。
MS m/e(%):330.4(M+H+、100)。
【0140】
b) (RS)−7−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
トルエン15ml中の5−(4−メトキシベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン1.15g(3.5mmol)の溶液に、亜硝酸イソアミル0.836g(7mmol)を加えて、この混合物を0℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(トルエン中0.5M)21.4ml(10.5mmol)をゆっくり加えて、この温度で2時間撹拌を続けた。硫酸水素ナトリウム溶液を加えて、この混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で再抽出して乾燥(MgSO4)した。溶媒の留去後、固体を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=95:5)により精製することによって、オキシム1.03g(81%)を得た。この化合物をエタノール(5ml)に溶解して、2N塩酸1.5mlを加えた。パラジウム担持炭素(10%、デグッサ(Degussa)1835、100mg)を加えて、この混合物を5barのH2圧で室温で24時間水素化した。触媒を濾別して溶媒を留去した。残渣をジクロロメタン(5ml)と4N塩酸(2ml)とに分液した。水溶液を分離し、水酸化ナトリウムで塩基性pHに設定して酢酸エチルで2回抽出した。乾燥(MgSO4)及び酢酸エチルの留去後、白色の固体物質0.8g(63%)を得た。
MS m/e(%):345.3(M+H+、100)。
【0141】
c) (RS)−7−アミノ−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
ジクロロメタン8ml中の(RS)−7−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.1g(0.29mmol)の溶液に、0℃の温度でトリフルオロ酢酸0.67ml(8.7mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸0.25ml(2.9mmol)を加えて、この混合物を室温で4時間撹拌した。40℃で真空での混合物の濃縮後、NaHCO3水溶液を加えて、この混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)した。溶媒の留去後、明黄色の油状物を得て、これを次の工程に直接使用した。
【0142】
d) (RS)−2−メチル−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程b)の2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンを、そして工程d)の(RS)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンの代わりに(RS)−7−アミノ−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを用いて、実施例20に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):456.5(M+H+、100)。
【0143】
実施例66
N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−7−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
ラセミ体の(RS)−7−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、イソプロパノール/ヘプタン(1:3)を溶媒とするキラルパックAD(Chiralpak AD)のクロマトグラフィーにより分離することによって、
(S)−7−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、[α]589=−146°(CHCl3中1%)、及び
(R)−7−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、[α]589=+148°(CHCl3中1%)
を得た。
【0144】
b) (S)−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−(4−メトキシ−ベンジル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンのメトキシベンジル基を、実施例65のc)項に記載された方法により脱離して、生じた(S)−7−アミノ−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例65のd)項に記載された方法によりN−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸と結合させることにより、(S)−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、[α]589=−79.7°(MeOH中1%)、MS m/e(%):442.4(M+H+、100)を得た。
【0145】
実施例67
2,2−ジメチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例65及び66の記載と同様に2,2−ジメチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸と結合させることにより、2,2−ジメチル−N−((S)−N−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、[α]589=−38.8°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):470.3(M+H+、100)を得た。
【0146】
実施例68
(−)−2−メトキシ−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) 2−メトキシ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸メチルエステル
2−メトキシ−マロン酸モノメチルエステルを、実施例73の記載と同様に2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルアミンと結合させることにより、2−メトキシ−N−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸メチルエステルを無色の油状物、MS m/e(%):280.0(M+H+、100)として得た。
【0147】
b) 2−メトキシ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸
2−メトキシ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸メチルエステルを、実施例75bの手順と同様に鹸化することにより、2−メトキシ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸を白色の固体、MS m/e(%):266.0(M+H+、100)として得た。
【0148】
c) (−)−2−メトキシ−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例65及び66の記載と同様に2−メトキシ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸と結合させることにより、(−)−2−メトキシ−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体、[α]589=−87.6°(MeOH中1%)、MS m/e(%):472.0(M+H+、100)として得た。
【0149】
実施例69
(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−マロンアミド酸エチルエステル
実施例1a)に記載されたやり方と同様に、(S)−7−アミノ−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンと(2S)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエチルエステル(96.9%エナンチオマー過剰率)との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=371(M+H)+
【0150】
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエチルエステルは、J. Org. Chem. 1986, 51, 1003-6に記載されている手順にしたがうカンジダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)加水分解酵素による、対応するジエステルの立体選択的加水分解によって得た。
【0151】
b) (2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−マロンアミド酸
実施例WC b)に記載されたやり方と同様に、塩基性条件下での(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−マロンアミド酸エチルエステルの加水分解によって、標題化合物を白色の泡状物として得た;MS:m/e=341(M−H)-
【0152】
c) (2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例1c)に記載されたやり方と同様に、(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−マロンアミド酸と2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルアミンとの縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=474(M+H)+;光学的完全性:96.4%ジアステレオマー過剰率。
【0153】
実施例70
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−7−アミノ−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンと(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=474(M+H)+
【0154】
実施例71
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
(RS)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、イソプロパノール/ヘプタン(1:4)でのキラルパックADのHPLCにより分離することによって、(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、[α]589=−162°(MeOH中1%)、及び(R)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、[α]589=+163°(MeOH中1%)を得た。
【0155】
(−)−(S)−ナプロキセンでの誘導体化及び誘導体:(S)−N−((R)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−プロピオンアミドのX線分析による絶対立体配置の帰属。
(+)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.05g(0.18mmol)のテトラヒドロフラン溶液を、室温で一晩(+)−(S)−ナプロキセン0.04g(0.18mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.03g(0.18mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.063μl(0.36mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド−塩酸塩0.04g(0.18mmol)と反応させた。1N塩酸水溶液/ジクロロメタンでの抽出及びシリカゲルのクロマトグラフィーにより、(S)−N−((R)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−プロピオンアミド0.09g(97%)を白色の固体として得て、これをエタノールから結晶化させた。
融点:151〜152℃、MS m/e(%):491.4(M+H+、100)。
【0156】
b) N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
テトラヒドロフラン10ml中の(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.11g(0.38mmol)及び3−オキソ−3−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルアミノ)−プロパン酸0.09g(0.38mmol)を、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物0.06g(0.38mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.13ul(0.76mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド−塩酸塩0.7g(0.38mmol)と0℃で4時間反応させた。室温で一晩撹拌後、蒸留により溶媒を除去して、残渣を、ヘプタン/酢酸エチル(勾配100〜0/0〜100)でのシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することによって、N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド0.17g(89%)を白色の固体として得た。
[α]589=−63.9°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):496.3(M+H+、100)。
【0157】
実施例72
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、及び
【0158】
実施例73
(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
テトラヒドロフラン13ml中の(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン0.15g(0.54mmol)及び2−メチル−3−オキソ−3−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルアミノ)−プロパン酸0.13g(0.54mmol)を、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物0.07g(0.54mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.19ul(1.08mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド−塩酸塩0.11g(0.54mmol)と、室温で撹拌しながら一晩反応させた。1N塩酸水溶液/ジクロロメタンでの抽出及び酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、固体物質0.22gを得て、これを、ヘプタン/イソプロパノール(80/20)でのキラルパックADのクロマトグラフィーにより分離することによって、(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、[α]589=−74.6°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):510.3(M+H+、100)0.10gを白色の固体として、及び(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、[α]589=−63.8°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):510.3(M+H+、100)0.09gを白色の固体として得た。
【0159】
実施例74
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に2,2−ジメチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸と結合させることにより、N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−60.4°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):524.3(M+H+、100)。
【0160】
実施例75
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−マロンアミド酸エチルエステル
(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に(S)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエチルエステルと結合させることにより、(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−マロンアミド酸エチルエステルを無色の油状物として得た。
MS m/e(%):425.4(M+H+、100)。
【0161】
b) (S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−マロンアミド酸
テトラヒドロフラン3ml中の(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−マロンアミド酸エチルエステル0.22g(0.52mmol)を、水1ml中の水酸化リチウム一水和物0.02g(0.52mmol)の溶液と室温で2時間反応させた。テトラヒドロフランの留去、ジエチルエーテルでの抽出、1N塩酸水溶液0.5mlでの酸性化及び酢酸エチルでの抽出によって、(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−マロンアミド酸0.18gを白色の固体として得た。
MS m/e(%):397.4(M+H+、100)。
【0162】
c) (R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−マロンアミド酸を、RJR7に記載された手順と同様に、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミンと結合させることにより、(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−45.7°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):528.2(M+H+、100)。
【0163】
実施例76
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メトキシ−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に2−メトキシ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸と結合させることにより、N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メトキシ−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−105.5°(MeOH中1%)、MS m/e(%):526.3(M+H+、100)。
【0164】
実施例77
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様にN−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸と結合させることにより、N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−57.5°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):510.1(M+H+、100)。
【0165】
実施例78
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
a) 2−メチル−N−(3,3,3,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸エチルエステル
2−メチル−マロン酸モノエチルエステルを、実施例73の記載と同様に3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチルアミンと結合させることにより、2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸エチルエステルを無色の油状物として得た。
MS m/e(%):292.1(M+H+、100)。
【0166】
b) 2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸
2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸エチルエステルを、実施例75bの手順と同様に鹸化することにより、2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸を白色の固体として得た。
MS m/e(%):262.1(M−H+、100)。
【0167】
c) N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸と結合させることにより、N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド(エピマー)を白色の固体として得た。
MS m/e(%):524.2(M+H+、100)。
【0168】
実施例79
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に2,2−ジメチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸と結合させることにより、N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド(エピマー)を白色の固体、[α]589=−64.9°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):538.3(M+H+、100)として得た。
【0169】
実施例80
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−マロンアミド酸を、実施例73に記載された手順と同様に3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチルアミンと結合させることにより、(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−56.7°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):542.0(M+H+、100)。
【0170】
実施例81
N−(5−イソプロピル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)の塩化p−メトキシベンジルの代わりに2−ヨードプロパンを用いて、一方工程c)を割愛して直接工程d)に続けて、実施例65に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):496.1(M−H+、100)。
【0171】
実施例82
N−(5−イソプロピル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物は、工程a)の塩化p−メトキシベンジルの代わりに2−ヨードプロパンを用いて、一方工程c)を割愛し、そして工程d)の2−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸の代わりに2,2−ジメチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸を使用して、実施例65に記載された手順により同等の収率で得た。
MS m/e(%):510.3(M−H+、100)。
【0172】
実施例83
N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様にN−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸と結合させることにより、N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−52.7°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):456.4(M+H+、100)。
【0173】
実施例84
2,2−ジメチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に2,2−ジメチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸と結合させることにより、2,2−ジメチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−53.8°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):484.0(M+H+、100)。
【0174】
実施例85
(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸エチルエステル
実施例1a)に記載されたやり方と同様に、(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンと(2S)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエチルエステルとの縮合により、標題化合物を無色の油状物として得た;
MS:m/e:385(M+H)+
【0175】
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエチルエステル(光学的完全性91%エナンチオマー過剰率)は、J. Org. Chem. 1986, 51, 1003-6に記載されている手順にしたがうカンジダ・シリンドラセア加水分解酵素による、対応するジエステルの立体選択的加水分解によって得た。
【0176】
b) (2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸
テトラヒドロフラン1ml中の(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸エチルエステル75mg(0.2mmol)の溶液を、水0.5ml中の水酸化リチウム一水和物8mg(0.2mmol)の溶液で室温で2時間処理した。処理のため、テトラヒドロフランを減圧下で留去して、残りの水層をジエチルエーテル10mlで2回抽出した。合わせた有機層を水5mlで洗浄して、次に合わせた水層を塩酸(25%)0.025mlで酸性にした。そこで水層を酢酸エチル15mlで3回抽出した。有機層を塩化ナトリウムの飽和溶液15mlで洗浄し、次に合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で溶媒を留去した。標題化合物69mg(理論値の99%)を白色の泡状物として得た;MS:m/e=355(M−H)-
【0177】
c) (2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例1c)に記載されたやり方と同様に、(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸と2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルアミンとの縮合により、標題化合物を白色の泡状物として得た;MS:m/e=488(M+H)+;光学的完全性:94%ジアステレオマー過剰率。
【0178】
実施例86
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンと(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=488(M+H)+
【0179】
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸は、(2RS)−メチル−マロン酸モノエステルを(2S)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエステルにより置換することによって、(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]に至る反応順序と同様にして得た。
【0180】
実施例87
2−メトキシ−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に2−メトキシ−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸と結合させることにより、2−メトキシ−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−71.8°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):486.4(M+H+、100)。
【0181】
実施例88
N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様にN−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸と結合させることにより、N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−51.4°(CHCl3中1%)、MS m/e(%):470.1(M+H+、100)。
【0182】
実施例89
2,2−ジメチル−N−[(S)−6−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) 7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン
ラセミ体(RS)−7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、イソプロパノール/ヘプタン(1:3)を溶媒とするキラルパックADのクロマトグラフィーにより分離することによって、
(S)−7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、[α]589=−29°(CHCl3中1%)、及び
(R)−7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、[α]589=+26°(CHCl3中1%)
を得た。
【0183】
b) (S)−2,2−ジメチル−N−[(S)−6−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
(S)−7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンを、実施例73の記載と同様に2,2−ジメチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸と結合させることにより、(S)−2,2−ジメチル−N−[(S)−6−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドを白色の固体として得た。
[α]589=−13.9°(CHCl3中1.1%)、MS m/e(%):550.5(M+H+、100)。
【0184】
実施例90
(2RS)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンと(2RS)−2−フルオロ−2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=502(M+H)+
【0185】
(2RS)−2−フルオロ−2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸は、(2RS)−メチル−マロン酸モノエステルを(2RS)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエステルにより置換し、そして2,2,2−トリフルオロ−エチルアミンを3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチルアミンにより置換することによって、(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]に至る反応順序と同様にして得た[J. Fluorine Chemistry 55(1), 85 (1991)]。
【0186】
実施例91及び92
(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、及び
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
(2RS)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド(実施例WG)の2つの異性体0.2gの分離は、n−ヘプタンとイソプロパノールの4:1混合物を溶離液として用いる分取キラルHPLCカラム(キラルパック(CHIRALPAK)(登録商標)AD、圧力:流量:35ml/分)で実施した。最初に溶出する異性体(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド23mg[理論値の11%、光学的完全性>99.5%ジアステレオマー過剰率、MS:m/e=502(M+H)+]及び遅れて溶出する異性体(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド22mg[理論値の11%、光学的完全性>99.5%ジアステレオマー過剰率、MS:m/e=502(M+H)+]を、それぞれ帯黄色の泡状物として得た。
【0187】
実施例93
(2RS)−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンと(2RS)−2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=484(M+H)+
【0188】
(2RS)−2−メチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸は、2,2,2−トリフルオロ−エチルアミンを3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチルアミンにより置換することによって、(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]に至る反応順序と同様にして得た[J. Fluorine Chemistry 55(1), 85 (1991)]。
【0189】
実施例94
2,2−ジメチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−7−アミノ−5−メチル−5H,7H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンと2,2−ジメチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=498(M+H)+
【0190】
2,2−ジメチル−N−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド酸は、(2RS)−メチル−マロン酸モノエステルを2,2−ジメチル−マロン酸モノエステルにより置換し、そして2,2,2−トリフルオロ−エチルアミンを3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチルアミンにより置換することによって、(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]に至る反応順序と同様にして得た。
【0191】
実施例95
(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−5−トリフルオロメタンスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド[実施例25]とトリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応により、標題化合物を白色の泡状物として得た;
MS:m/e=555(M+H)+
【0192】
実施例96
N−((3S)−5−ホルミル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、無水酢酸とギ酸での(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドのアシル化により、標題化合物を明黄色の泡状物として得た;MS:m/e=451(M+H)+
【0193】
実施例97
N−[(3S)−5−(2−フルオロ−アセチル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、塩化フルオロアセチルでの(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドのアシル化により、標題化合物を明黄色の泡状物として得た;
MS:m/e=483(M+H)+
【0194】
実施例98
(2RS)−メチル−N−[(3S)−1−メチル−2−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、トリフルオロ酢酸無水物での(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドのアシル化により、標題化合物を白色の泡状物として得た;MS:m/e=519(M+H)+
【0195】
実施例99
N−[(3S)−5−(2−メトキシ−アセチル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、塩化メトキシアセチルでの(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドのアシル化により、標題化合物を明黄色の泡状物として得た;
MS:m/e=495(M+H)+
【0196】
実施例100
N−[(S)−5−メタンスルホニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−3−アミノ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩
実施例25a)に記載されたやり方と同様に、2,2,2−トリフルオロエチルトリフラートによる(S)−(2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアルキル化と、これに続くtert−ブトキシカルボニル基の酸触媒開裂により、標題化合物を黄色の固体として得た。
【0197】
b) (2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−3−アミノ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩と(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の泡状物として得た;
MS:m/e=491(M+H)+
【0198】
c) N−[(S)−5−メタンスルホニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、(2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドとメタンスルホン酸無水物との反応により、標題化合物をオフホワイト色の無定形物質として得た;
MS:m/e=567(M−H)-
【0199】
実施例101
(2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメタンスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、(2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドとトリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応により、標題化合物を白色の無定形物質として得た;
MS:m/e=623(M+H)+
【0200】
実施例102
(2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例26に記載されたやり方と同様に、(2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミドとトリフルオロ酢酸無水物との反応により、標題化合物を明黄色の固体として得た;
MS:m/e=587(M+H)+
【0201】
実施例103
(S)−N−(5−メタンスルホニル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例25a)に記載されたように、ヨウ化メチルでの(S)−(2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアルキル化により、n−ヘプタンと酢酸エチルとの3:1混合物を溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィー後に、(S)−(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを明黄色の泡状物として得た;
MS:m/e=292(M+H)+
【0202】
b) [(S)−5−メタンスルホニル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
メタンスルホン酸無水物623mg(3.4mmol)とN−エチル−ジイソプロピルアミン0.12ml(0.7mmol)の混合物を0℃に冷却して、ジクロロメタン2ml中の(S)−(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル200mg(0.7mmol)の溶液で処理した。この反応混合物を室温に温まるまで静置して、18時間撹拌した。処理のため、反応混合物を0℃に冷却して、炭酸ナトリウムの飽和溶液で処理した。有機層を分離し、塩酸アンモニウムと水の飽和溶液で洗浄し、最後に硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。精製のため、この粗生成物を、ジクロロメタンと酢酸エチルの96:4混合物を溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーに付した。((S)−5−メタンスルホニル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル100mg(理論値の40%)を白色の泡状物として得た;
MS:m/e=370(M+H)+
【0203】
c) (S)−3−アミノ−5−メタンスルホニル−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩
ジオキサン5ml中の((S)−5−メタンスルホニル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル100mg(0.27mmol)の溶液を塩酸0.22mlで処理して、密閉フラスコ中で50℃で1時間加熱した。処理のため、減圧下で溶媒を留去して、残渣をトルエンとの共沸蒸留に付した。減圧下で乾燥後、(S)−3−アミノ−5−メタンスルホニル−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩を明黄色の固体として定量的収率で得た;MS:m/e=270(M+H)+
【0204】
d) (S)−N−(5−メタンスルホニル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−3−アミノ−5−メタンスルホニル−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩と(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の泡状物として得た;
MS:m/e=501(M+H)+
【0205】
実施例104
N−[(S)−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) [(3S)−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例103b)に記載されたやり方と同様に、塩化ピバロイルでの(S)−(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアシル化により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=376(M+H)+
【0206】
b) (S)−3−アミノ−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩
実施例103c)に記載されたやり方と同様に、[(3S)−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルのtert−ブトキシ−カルボニル基の開裂により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=276(M+H)+
【0207】
c) N−[(S)−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−3−アミノ−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩とN−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の泡状物として得た;
MS:m/e=493(M+H)+
【0208】
N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸は、(2RS)−メチル−マロン酸モノエステルをマロン酸モノエステルにより置換することによって、(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]に至る反応順序と同様にして得た。
【0209】
実施例105
N−[(3S)−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−3−アミノ−5−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩と(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]との縮合により、標題化合物を白色の泡状物として得た;MS:m/e=507(M+H)+
【0210】
実施例106
5−メチル−4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステルマロンアミド
a) (S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド10ml中の(S)−(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例103a]350mg(1.2mmol)の溶液を、順に固体二酸化炭素 約1g、ブロモメチル−シクロプロパン237mg(1.7mmol)、及び炭酸セシウム626mg(1.9mmol)で処理した。この反応混合物を密閉フラスコ中で80℃で週末の間撹拌した。処理のため、減圧下で溶媒を留去して、残渣を酢酸エチル30mlと水10mlとの混合物に溶解した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で溶媒を留去した。精製のため、粗化合物を、ヘプタンと酢酸エチルの3:1混合物を溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーに付した。(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル410mg(理論値の87%)を白色のゴム状物として得た;
MS:m/e=579(M+OAc)+
【0211】
b) (S)−3−アミノ−5−メチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル塩酸塩
実施例103c)に記載されたやり方と同様に、(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステルのtert−ブトキシ−カルボニル基の開裂により、標題化合物を明黄色の泡状物として得た。
【0212】
c) 5−メチル−4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステルマロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−3−アミノ−5−メチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル塩酸塩と(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=579(M+OAc)+
【0213】
実施例107
N−[(S)−5−アセチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) [(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例25a)に記載されたやり方と同様に、2,2,2−トリフルオロエチルトリフラートでの(S)−(2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアルキル化により、ジクロロメタンとメタノールの98:2混合物を溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィー後に、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=360(M+H)+
【0214】
b) [(S)−5−アセチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例103bに記載されたやり方と同様に、無水酢酸での[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアシル化により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=419(M+NH4+
【0215】
c) (S)−5−アセチル−3−アミノ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩
実施例103cに記載されたやり方と同様に、塩酸による[(S)−5−アセチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルのtert−ブトキシカルボニル基の開裂により、標題化合物を明黄色の固体として得た;
MS:m/e=302(M+H)+
【0216】
d) N−[(S)−5−アセチル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩と(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=533(M+H)+
【0217】
実施例108
N−[(S)−5−シクロプロパンカルボニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) [(S)−5−シクロプロパンカルボニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例103bに記載されたやり方と同様に、塩化シクロプロパン−カルボニルでの[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例107b]のアシル化により、標題化合物を黄色の固体として得た;MS:m/e=428(M+H)+
【0218】
b) (S)−3−アミノ−5−シクロプロパンカルボニル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩
実施例103cに記載されたやり方と同様に、塩酸による[(S)−5−シクロプロパンカルボニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルのtert−ブトキシカルボニル基の開裂により、標題化合物を黄色の固体として得た;MS:m/e=328(M+H)+
【0219】
c) N−[(S)−5−シクロプロパンカルボニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩と(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=559(M+H)+
【0220】
実施例109
4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル
a) (S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル
実施例106aに記載されたやり方と同様に、[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例107b]と二酸化炭素及びブロモメチル−シクロプロパンとの炭酸セシウムの存在下での反応により、標題化合物を白色の泡状物として得た;MS:m/e=475(M+NH4+
【0221】
b) (S)−3−アミノ−4−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル塩酸塩
実施例103cに記載されたやり方と同様に、塩酸による(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステルのtert−ブトキシカルボニル基の開裂により、標題化合物を帯黄色の泡状物として得たが、これを更に精製及び特性決定することなく次の工程に付した。
【0222】
c) 4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−3−アミノ−4−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル塩酸塩と(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を明黄色の固体として得た;MS:m/e=647(M+OAc)+
【0223】
実施例110
(2RS)−N−[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) [(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例103bに記載されたやり方と同様に、無水酢酸での(S)−(1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例103a]のアシル化により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=334(M+H)+
【0224】
b) (S)−5−アセチル−3−アミノ−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩
実施例103cに記載されたやり方と同様に、[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルのtert−ブトキシカルボニル基の開裂により、標題化合物を明黄色の固体として得た;
MS:m/e=234(M+H)+
【0225】
c) (2RS)−N−[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン塩酸塩と2−フルオロ−2−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の泡状物として得た;
MS:m/e=483(M+H)+
【0226】
(2RS)−2−フルオロ−2−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸は、(2RS)−メチル−マロン酸モノエステルを(2RS)−2−フルオロ−2−メチル−マロン酸モノエステルにより置換することによって、(2RS)−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド酸[実施例20c)]に至る反応順序と同様にして得た。
【0227】
実施例111
N−[(S)−5−アセチル−1−エチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) ((S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例52a)に記載されたやり方と同様に、無水酢酸での(S)−(2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアセチル化により、標題化合物を灰色の固体として得た;MS:m/e=320(M+H)+
【0228】
b) (S)−5−アセチル−3−アミノ−1−エチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
実施例25a)に記載されたやり方と同様に、ヨウ化エチルでの((S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアルキル化と、これに続くtert−ブトキシカルボニル基の酸触媒開裂により、標題化合物を帯黄色のロウ状固体として得て[MS:m/e=248(M+H)+]、これを更に精製することなく次の工程に付した。
【0229】
c) N−[(S)−5−アセチル−1−エチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)及び27に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−エチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンと2,2−ジメチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=493(M+H)+
【0230】
実施例112
N−((S)−5−アセチル−1−エチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)及び27に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−エチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンと(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=479(M+H)+
【0231】
実施例113
N−[(S)−5−アセチル−1−イソプロピル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−5−アセチル−3−アミノ−1−イソプロピル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
実施例25a)に記載されたやり方と同様に、2−ヨード−プロパンでの((S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアルキル化と、これに続くtert−ブトキシカルボニル基の酸触媒開裂により、標題化合物を帯黄色のロウ状固体として得て[MS:m/e=262(M+H)+]、これを更に精製することなく次の工程に付した。
【0232】
b) N−[(S)−5−アセチル−1−イソプロピル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)及び27に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−イソプロピル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンと(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=493(M+H)+
【0233】
実施例114
N−[(S)−5−アセチル−1−ベンジル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−5−アセチル−3−アミノ−1−ベンジル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
実施例25a)に記載されたやり方と同様に、臭化ベンジルでの((S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアルキル化と、これに続くtert−ブトキシカルボニル基の酸触媒開裂により、標題化合物を明黄色の固体として得て[MS:m/e=310(M+H)+]、これを更に精製することなく次の工程に付した。
【0234】
b) N−[(S)−5−アセチル−1−ベンジル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)及び27に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−ベンジル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンと2,2−ジメチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=553(M−H)-
【0235】
実施例115
N−((S)−5−アセチル−1−ベンジル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)及び27に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−ベンジル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンと(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;MS:m/e=539(M−H)-
【0236】
実施例116
N−[(S)−5−アセチル−1−(4−フルオロ−ベンジル)−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
a) (S)−5−アセチル−1−(4−フルオロ−ベンジル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
実施例25a)に記載されたやり方と同様に、臭化4−フルオロ−ベンジルでの((S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのアルキル化と、これに続くtert−ブトキシカルボニル基の酸触媒開裂により、標題化合物を白色の泡状物として得て[MS:m/e=328(M+H)+]、これを更に精製することなく次の工程に付した。
【0237】
b) N−[(S)−5−アセチル−1−(4−フルオロ−ベンジル)−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2,2−ジメチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)及び27に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−(4−フルオロ−ベンジル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンと2,2−ジメチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=571(M−H)-
【0238】
実施例117
N−((S)−5−アセチル−1−(4−フルオロ−ベンジル)−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
実施例20d)及び27に記載されたやり方と同様に、(S)−5−アセチル−3−アミノ−1−(4−フルオロ−ベンジル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンと(2RS)−メチル−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド酸[実施例25b)を参照のこと]との縮合により、標題化合物を白色の固体として得た;
MS:m/e=557(M−H)-
【0239】
実施例118及び119
N−[(S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2R又は2S)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、及び
N−[(S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2S又は2R)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
N−[(S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド(実施例52)の2つの異性体0.2gの分離は、n−ヘプタンとイソプロパノールの4:1混合物を溶離液として用いる分取キラルHPLCカラム(キラルパック(登録商標)AD、圧力:15bar、流量:35ml/分)で実施した。最初に溶出する異性体(+)−N−[(S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2R又は2S)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド77mg[理論値の35%、光学的完全性>99.5%ジアステレオマー過剰率、MS:m/e=449(M−H)-]及び遅れて溶出する異性体(−)−N−[(S)−1−アセチル−4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2S又は2R)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド77mg[理論値の35%、光学的完全性99.4%ジアステレオマー過剰率、MS:m/e=449(M−H)-]を、それぞれ白色の固体として得た。
【0240】
実施例120及び121
N−[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2R又は2S)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、及び
N−[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2S又は2R)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
N−[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド(実施例40)の2つの異性体0.6gの分離は、n−ヘプタンとイソプロパノールの4:1混合物を溶離液として用いる分取キラルHPLCカラム(キラルパック(登録商標)AD、圧力:15bar、流量:35ml/分)で実施した。最初に溶出する異性体(+)−N−[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2R又は2S)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド220mg(理論値の36.7%、光学的完全性>99.5%ジアステレオマー過剰率)及び遅れて溶出する異性体(−)−N−[(S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2S又は2R)−メチル−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド247mg(理論値の41.2%、光学的完全性>99.5%ジアステレオマー過剰率)を、それぞれ白色の固体として得た。
【0241】
前述の実施例と同様に、以下の化合物を調製した:
【0242】
実施例122
2,2−ジメチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
MS:m/e(%)=484.5(M+H)+、100。
【0243】
実施例123
(R)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド
【0244】
実施例124
(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−カルバミン酸(S)−1−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イルカルバモイル)−エチルエステル
MS:m/e(%)=488.5(M+H)+、100。
【0245】
実施例125
(R)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−マロンアミド
標題化合物[MS m/e(%):452.3(M+H+、100)]は、3,3,3−トリフルオロプロピルアミン及び(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド酸から実施例14と同様に調製した。
【0246】
【表4】
































【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
1は、下記a)〜d):
【化2】


で示される基の1つであり;
2は、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−O−低級アルキル、−(CH2n−S−低級アルキル、−(CH2n−CN、−(CR’R”)n−CF3、−(CR’R”)n−CHF2、−(CR’R”)n−CH2F、−(CH2n−C(O)O−低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンであるか、又は−(CH2n−シクロアルキル(場合により、フェニル、ハロゲン又はCF3よりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であり;
R’、R”は、nと独立に、かつ相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシであり;
3、R4は、相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル又はハロゲンであり;
5は、水素、低級アルキル、−(CH2n−CF3又は−(CH2n−シクロアルキルであり;
6は、水素又はハロゲンであり;
7は、水素又は低級アルキルであり;
8は、水素、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−CF3、−(CH2n−シクロアルキル又は−(CH2n−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;
9は、水素、低級アルキル、−C(O)H、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−CF3、−C(O)−CH2F、−C(O)−CHF2、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−(CH2n−O−低級アルキル、−C(O)O−(CH2n−シクロアルキル、−C(O)−フェニル(場合により、ハロゲン又は−C(O)O−低級アルキルよりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であるか、又は−S(O)2−低級アルキル、−S(O)2−CF3、−(CH2n−シクロアルキルであるか、又は−(CH2n−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;
nは、0、1、2、3又は4である]で示される化合物、及びその薬剤学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋なエナンチオマー、ラセミ体又はジアステレオマー混合物。
【請求項2】
式(I−1):
【化3】


[式中、
1は、下記a)〜d):
【化4】


で示される基の1つであり;
2は、低級アルキル、低級アルキニル、−(CH2n−O−低級アルキル、−(CH2n−S−低級アルキル、−(CH2n−CN、−(CR’R”)n−CF3、−(CR’R”)n−CHF2、−(CH2n−C(O)O−低級アルキル、−(CH2n−ハロゲンであるか、又は−(CH2n−シクロアルキル(場合により、フェニル、ハロゲン又はCF3よりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であり;
R’、R”は、nと独立に、かつ相互に独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシであり;
3、R4は、相互に独立に、水素、低級アルキル、フェニル又はハロゲンであり;
5は、低級アルキル又は−(CH)2−シクロアルキルであり;
6は、水素又はハロゲンであり;
7は、水素又は低級アルキルであり;
8は、水素、低級アルキル、低級アルキニル又は−(CH)2−シクロアルキルであり;
9は、水素、低級アルキル、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−低級シクロアルキル、−(CH2n−シクロアルキル、フェニル、−C(O)−フェニル(場合により、ハロゲン又は−C(O)O−低級アルキルよりなる群から選択される1個以上の置換基により置換されている)であるか、又は−(CH)2−フェニル(場合によりハロゲンによって置換されている)であり;
nは、0、1、2、3又は4である]で示される化合物、及びその薬剤学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋なエナンチオマー、ラセミ体又はジアステレオマー混合物。
【請求項3】
1が、a)である、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
2が、−(CH2n−シクロアルキル(場合によりCF3によって置換されている)である、請求項3記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
化合物が、
N−シクロプロピルメチル−2−メチル−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド、又は
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(1−トリフルオロメチル−シクロプロピルメチル)−マロンアミド
である、請求項4記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
2が、低級アルキル、−(CH2n−O−低級アルキル又は−(CH2n−S−低級アルキルである、請求項2記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
化合物が、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−メトキシエチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(2−メチルチオエチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−(3−メトキシ−プロピル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N’−プロピル−マロンアミド、又は
2−フルオロ−2−メチル−N−(3−メチル−ブチル)−N’−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−マロンアミド
である、請求項6記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
2が、−(CR’R”)n−CF3又は−(CR’R”)n−CHF2である、請求項2記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
化合物が、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,2−トリフルオロエチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(4,4,4−トリフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(4,4,4−トリフルオロ−3−メトキシ−ブチル)−マロンアミド、
2−フルオロ−2−メチル−N−(5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−(5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−メチル−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2,2−ジメチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(−)−2−メトキシ−N−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−((S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(S)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メトキシ−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
(R)−N−((S)−5−シクロプロピルメチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−フルオロ−2−メチル−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド、
N−(5−イソプロピル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−(5−イソプロピル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−2,2−ジメチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2,2−ジメチル−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2R)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2S)−2−フルオロ−2−メチル−N−[(S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
2−メトキシ−N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−((S)−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル)−N′−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−ブチル)−マロンアミド又は
2,2−ジメチル−N−[(S)−6−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,d]アゼピン−7−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
である、請求項8記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
1が、b)である、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
化合物が、
2−メチル−N−(3−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド
である、請求項10記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
1が、c)である、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
2が、−(CR’R”)n−CF3である、請求項12記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
化合物が、
2−メチル−N−(1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N′−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド、
N−((3S)−5−ベンゾイル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(4−クロロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(3,5−ジフルオロ−ベンゾイル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
4−{(3S)−5−メチル−4−オキソ−3−[2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボニル}−安息香酸メチルエステル、
N−((3S)−5−アセチル−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[5−((3S)−4−フルオロ−ベンジル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(4−クロロ−ベンゾイル)−1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2RS)−メチル−N−((3S)−1−メチル−2−オキソ−5−トリフルオロメタンスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2RS)−メチル−N−[(3S)−1−メチル−2−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−2,2,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(3S)−5−(2−メトキシ−アセチル)−1−メチル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
N−[(S)−5−メタンスルホニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
(2RS)−メチル−N−[(S)−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5−トリフルオロメタンスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
5−メチル−4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステルマロンアミド、
N−[(S)−5−シクロプロパンカルボニル−2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−2−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド、
4−オキソ−(3S)−[(2RS)−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−1−カルボン酸シクロプロピルメチルエステル、
N−[(S)−5−アセチル−1−イソプロピル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル]−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド又は
N−((S)−5−アセチル−1−ベンジル−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−3−イル)−(2RS)−メチル−N′−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
である、請求項13記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
1が、d)である、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
化合物が、
2−メチル−N−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−N’−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−マロンアミド、又は
2−メチル−N−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−N’−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピル)−マロンアミド
である、請求項15記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
請求項1〜16記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
a) 式(II):
【化5】


で示される化合物を式(III):
【化6】


で示される化合物と反応させることにより、式(I):
【化7】


[式中、R1〜R4は、上記と同義である]で示される化合物にすること、そして
必要であれば、得られる化合物を薬剤学的に許容しうる酸付加塩に変換すること
を特徴とする方法。
【請求項18】
請求項14記載の方法又は同等の方法によって製造される、請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項記載の1つ以上の化合物及び薬剤学的に許容しうる賦形剤を含む医薬。
【請求項20】
アルツハイマー病の治療用の請求項19記載の医薬。
【請求項21】
アルツハイマー病の治療用医薬の製造のための、請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項22】
本明細書に前述の発明。

【公表番号】特表2007−505063(P2007−505063A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525701(P2006−525701)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009700
【国際公開番号】WO2005/023772
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】