説明

キノロンM1レセプター陽性アロステリックモジュレータ

【化1】


本発明は、M1レセプター陽性アロステリックモジュレーターであり、M1レセプターが関与する疾患、例えば、アルツハイマー病、疼痛又は睡眠障害の治療に有用である一般式(I)のキノロン化合物に関し、また、式(II)〜(VIII)の新規M1レセプター陽性アロステリックモジュレータ化合物に関する。本発明はまた、この化合物を含む医薬組成物に関し、そしてM1レセプターが関与する疾患の治療におけるこの化合物及び組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、あるクラスのキノロン化合物、その塩、それらを含む医薬組成物、及び人体の治療におけるそれらの使用に関する。詳細には、本発明は、ムスカリン性M1レセプター陽性アロステリックモジュレータである、あるクラスのキノロン化合物に関し、従って、アルツハイマー病及びこのムスカリン性M1レセプターによって媒介される他の疾患の治療において有用である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アルツハイマー病は、高齢者に影響を与える一般的な神経変性疾患であり、その結果として、進行性の記憶障害、言葉及び視空間技能の喪失、並びに行動欠陥を生じる。この疾患の特徴としては、大脳皮質、海馬、前脳基底部及び脳の他の領域におけるコリン作動性ニューロンの変性、神経原線維変化及びアミロイドβペプチド(Aβ)の蓄積が挙げられる。Aβは、βアミロイドタンパク質切断酵素(「βセクレターゼ(beta secretase)」すなわち「BACE」)及びγセレクターゼによるβアミロイド前駆体タンパク質(APP)のプロセシングによって脳で生成される39〜43個のアミノ酸である。このプロセシングは、脳でのAβの蓄積をもたらす。
【0003】
コリン作動性神経伝達は、アセチルコチンがニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)又はムスカリン性アセチルコリンレセプター(mAChR)のいずれかに結合することに関係する。コリン作動性の機能低下症は、アルツハイマー病に罹患している患者の認知障害に寄与すると仮説が立てられている。結果として、アセチルコリン加水分解を阻害するアセチルコリンエステラーゼインヒビターは、アルツハイマー病患者の認知障害の治療における使用のために米国で承認されている。アセチルコリンエステラーゼインヒビターは、アルツハイマー病患者のある程度の認知の促進に寄与しているが、その治療は、基礎にある疾患の病理を変化するものとは示されていない。
【0004】
コリン作動性機能低下症に対抗するための第二の可能性のある薬物療法学の標的は、ムスカリン性レセプターの活性化である。ムスカリン性レセプターは、身体中に広がっている。5つの別個のムスカリン性レセプター(M1〜M5)が哺乳動物で特定されている。中枢神経系では、ムスカリン性レセプターは、認知、行動、感覚、運動及び自律性の機能に関与している。
【0005】
大脳皮質、海馬及び線条体に広がるムスカリン性M1レセプターは、認知プロセスにおいて大きな役割を有することが見出されており、そしてアルツハイマー病の病理においてある役割を有すると考えられる。Eglenら、TRENDS in Pharmacological Sciences,2001,22:8,409〜414を参照のこと。さらに、症候性の治療しか得られないことが知られているアセチルコリンエステラーゼインヒビターとは異なり、M1アゴニストはまた、アルツハイマー病の根本的な疾患のメカニズムを治療する能力も有する。アルツハイマー病のコリン作動性仮説は、βアミロイド及び高リン酸化タウ(τ)タンパク質の両方に関連する。βアミロイドの形成は、ムスカリン性レセプターとGタンパク質とのカップリングを減じ得る。M1ムスカリン性レセプターの刺激は、神経保護αAPPフラグメントの形成を増大し、それによってAβペプチドの形成を予防することが示されている。従って、M1アゴニストは、APPのプロセシングを変化させて、αAPP分泌を増強し得る。Fisher,Jpn J Pharmacol,2000,84:101〜112を参照のこと。
【0006】
しかし、アルツハイマー病用に開発され、研究されているM1リガンドは、他のムスカリン性レセプターリガンドに対して共通の副作用、例えば、発汗、悪心及び下痢を生させる。Spaldingら,Mol Pharmacol,2002,61:6,1297〜1302を参照のこと。
【0007】
ムスカリン性レセプターは、ムスカリン性リガンドが一次結合又はオルソステリック(orthosteric)部位に結合して親和性を変更し得る1個以上のアロステリック部位を含むことが知られている。例えば、S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2002,62:6,1491〜1505;S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2000,58,194〜207を参照のこと。
【0008】
従って、ムスカリン性M1レセプター陽性のアロステリックモジュレータである本発明の化合物は、アルツハイマー病及びムスカリン性M1レセプターによって媒介される他の疾患の治療において有用であると考えられる。
【発明の開示】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、M1レセプターが関与する疾患又は障害、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害について患者(好ましくはヒト)を治療する方法であって、該患者に対して、M1レセプター陽性アロステリックモジュレーターとして有用である一般式(I):
【0010】
【化1】

【0011】
の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療上有効な量を投与することによる方法に関する。
【0012】
本発明はさらに、一般式(I)に属している一般式(II)〜(VIII)の新規な化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。本発明はまた、有効量の式(II)〜(VIII)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物、並びにこのような疾患の治療における本発明の化合物及び医薬組成物の使用に関する。
【0013】
(発明の詳細な説明)
一実施態様では、本発明は、M1レセプターが関与する疾患、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害について患者(好ましくはヒト)を治療する方法であって、該患者に対して、一般式(I):
【0014】
【化2】

【0015】
[式中、
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(4)−CH−C3−7シクロアルキル、
(5)−CH−アリール、及び
(6)−CH−ヘテロアリール、
からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)−R
(d)−O−R
(e)−S(O)−R、又は
(f)−OH;で置換されてもよく;
、R、R及びRは各々独立して、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(4)ハロゲン、
(5)シアノ、
(6)−O−R、及び
(7)−S(O)−R
からなる群より選択され、ここで、該アルキル又はシクロアルキルは、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく;
及びRは、
(1)−C1−6アルキル、及び
(2)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mが1、2又は3であり;かつ
nが、0、1又は2である]
の化合物及びその薬学的に許容される塩を投与することによる、前記方法に関する。
【0016】
式(I)の化合物の特定の実施態様では、R及びRは各々ハロゲンであり、好ましくはクロロ又はフルオロであり、かつR及びRが各々水素である。
【0017】
式(I)の化合物の別の実施態様では、R及びRは各々ハロゲンであり、好ましくはクロロ又はフルオロであり、かつR及びRが各々水素である。
【0018】
式(I)の化合物のさらに他の実施態様では、Rはハロゲン(好ましくは、クロロ又はフルオロ)であり、かつR、R及びRが各々水素であるか;又はRがハロゲン(好ましくは、クロロ又はフルオロ)であり、かつR、R及びR各々水素であるか;又はRがハロゲン(好ましくは、クロロ又はフルオロ)であり、かつR、R及びRが各々水素である。
【0019】
一実施態様では、本発明は、M1レセプターが関与する疾患、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害について患者(好ましくはヒト)を治療する方法であって、該患者に対して、一般式(IA):
【0020】
【化3】

【0021】
[式中、R、R、R及びRは、請求項1に定義されるとおりであり、R9a及びR9bは独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、からなる群より選択され、ここで、該R9a又はR9bのアルキル基が、1個以上のハロゲンで置換されてもよい。]
の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療上有効な量を投与することによる、前記方法に関する。
【0022】
該R9a又はR9bの基は、フェニル基の任意の炭素環原子で置換されてもよい。
【0023】
式(I)の特定の実施態様は、実施例1〜71として本明細書に記載される。
【0024】
本発明はまた、M1レセプターが関与する疾患又は障害、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害を治療するための医薬又は医薬組成物であって、式(I)又は(IA)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬又は医薬組成物に関する。
【0025】
本発明はまた、M1レセプターが関与する疾患又は障害、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害を治療するための式(I)又は(IA)の化合物の使用に関する。
【0026】
本発明はさらに、M1レセプターが関与する疾患又は障害、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害を治療するための医薬又は組成物の製造方法であって、式(I)又は(IA)の化合物と1種以上の薬学的に許容される担体とを組み合わせることを含む、前記方法に関する。
【0027】
本発明はまた、下にさらに記載されるように、一般式(II)〜(VIII)の化合物、及びその薬学的に許容される塩に関し、そして一般式(II)〜(VIII)の化合物又はその塩、及び1種以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0028】
ある属(genus)においては、本発明は、式(II):
【0029】
【化4】

【0030】
[式中、
及びRは各々ハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)n−R、及び
(7)−OH、
からなる群より選択され、ここで、R及びRは、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは0、1又は2である]
の新規な化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
式(II)の化合物の当該属の一実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、からなる群より独立して選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい。
【0031】
別の実施態様では、Rは水素である。
【0032】
別の実施態様では、R及びRは、クロロ及びフルオロから適宜選択される。例えば、R及びRは両方ともフルオロであってもよい。
【0033】
別の実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13のうちの1個以上がハロゲンである。
【0034】
別の実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13のうち2個以上がハロゲンである。
【0035】
別の実施態様では、R及びR13がハロゲンである。
【0036】
別の実施態様では、R10、R11及びR12が水素である。
【0037】
式(II)の化合物の当該属では、例示的な化合物は、
1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2−シアノベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,5−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−ベンジル−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
及びその薬学的に許容される塩である。これらの例示的な化合物の適切な塩としては、リチウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム、及びカリウムの塩が挙げられる。
【0038】
別の属では、本発明は、式(III):
【0039】
【化5】

【0040】
[式中、
はハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)n−R、及び
(7)−OH、
からなる群より選択され、ここで、R及びRが、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは、1、2又は3であり;及び
nは、0、1又は2である。
式(III)の化合物の当該属の一実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい]
の新規な化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0041】
別の実施態様では、Rは水素である。
【0042】
別の実施態様では、R11は、ハロゲン、又は−O−C1−6アルキルであり、ここで、該アルキルは、ハロゲンによって置換されてもよい。
【0043】
別の実施態様では、R10又はR12の少なくとも1つはハロゲン又は−O−C1−6アルキルであり、ここで、該アルキルはハロゲンによって置換されてもよい。
【0044】
別の実施態様では、R又はR13のうちの少なくとも1個はハロゲン又は−O−C1−6アルキルであり、ここで、該アルキルはハロゲンによって置換されてもよい。
【0045】
式(III)の化合物の当該属では、例示的な化合物は、
8−フルオロ−1−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,5−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[3−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−ベンジル−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,3−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,5−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,4−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2−シアノベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
及びその薬学的に許容される塩である。これらの例示的な化合物の適切な塩としては、リチウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの塩が挙げられる。
【0046】
別の属では、本発明の化合物は、式(IV):
【0047】
【化6】

【0048】
[式中、
、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)−R及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びRは、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より置換され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは、0、1又は2であり;
ただし、(i)R、R10、R11、R12及びR13のうちの少なくとも1つが水素ではなく、かつ(ii)R11が、メトキシであるとき、R、R10、R12及びR13が全てが水素ではない]
の化合物及びその薬学的に許容される塩である。
【0049】
式(IV)の化合物の当該属の一実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、
からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい。
【0050】
別の実施態様では、Rは水素である。
【0051】
別の実施態様では、R11はOH、−O−C1−6アルキルであり、ここで、該アルキルはハロゲンによって置換されてもよい。
【0052】
一実施態様では、R10及びR12のうちの少なくとも1つはハロゲンである。
【0053】
一実施態様では、R及びR13のうちの少なくとも1つはハロゲンである。
【0054】
式(IV)の化合物の当該属では、例示的な化合物は、
1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ヒドロキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(4−フルオロベンジル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
及びその薬学的に許容される塩である。これらの例示的な化合物の適切な塩としては、リチウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの塩が挙げられる。
【0055】
ある属では、本発明は、式(V):
【0056】
【化7】

【0057】
[式中、
及びRは、各々がハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13は、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)n−R、及び
(7)−OH、
からなる群より選択され、ここで、R及びR
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、 (1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは、0、1又は2であり;
ただし、
(i)R、R10、R11、R12及びR13のうちの少なくとも1つが水素ではなく、
(ii)R及びR13がハロゲンであるとき、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、
(iii)R10及びR11がハロゲンであるとき、R、R12及びR13が全てが水素ではなく、
(iv)R11及びR12がハロゲンであるとき、R、R10及びR13が全てが水素ではなく、
(v)R11及びR13がハロゲンであるとき、R、R10及びR12が全てが水素ではなく、
(vi)R及びR13がハロゲンであるとき、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、
(vii)R10がメトキシ又はハロゲンであるとき、R、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、
(viii)R12がメトキシ又はハロゲンであるとき、R、R10、R11及びR13が全てが水素ではなく、
(ix)Rがハロゲンであるとき、R10、R11、R12及びR13が全てが水素ではなく、
(x)R13がハロゲンであるとき、R、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、かつ
(xi)R11がハロゲン、メチル、トリフルオロメチル又はニトロであるとき、R10、R11、R12及びR13が全てが水素ではない]
の新規な化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
式(V)の化合物の一実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノ、
からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい。
【0058】
別の実施態様では、Rは水素である。
【0059】
式(V)の化合物の当該属では、例示的な化合物は、
7−クロロ−6−フルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;及びその薬学的に許容される塩である。これらの例示的な化合物の適切な塩としては、リチウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの塩が挙げられる。
【0060】
別の属では、本発明は、式(VI):
【0061】
【化8】

【0062】
[式中、
がハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)n−R、及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びRが、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは、0、1又は2であり;
ただし、(i)R、R10、R11、R12及びR13のうちの少なくとも1つが水素ではなく、かつ(ii)RがクロロでありかつR11がフルオロであるとき、R、R10、R12及びR13が全てが水素ではない]
の新規な化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
式(VI)の化合物の当該属の一実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノ
からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい。
【0063】
別の実施態様では、Rがハロゲンであり、かつR11がフルオロであるとき、R、R10、R12、及びR13は水素ではない。
【0064】
別の実施態様では、Rは水素である。
【0065】
別の実施態様では、R11はハロゲン、−C1−6アルキル又は−O−C1−6アルキルであり、ここで、該アルキルは、ハロゲンによって置換されてもよい。
【0066】
別の実施態様では、R10及びR12のうちの少なくとも1つはハロゲン、−C1−6アルキル又は−O−Cアルキルであり、ここで、該アルキルは、ハロゲンによって置換されてもよい。
【0067】
別の実施態様では、R及びR13のうちの少なくとも1つはハロゲン、−C1−6アルキル又は−O−C1−6アルキルであり、ここで、該アルキルは、ハロゲンによって置換されてもよい。
式(V)の化合物の当該属では、例示的な化合物は、
7−クロロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
7−クロロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(3,4−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(2−シアノベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
及びその薬学的に許容される塩である。これらの例示的な化合物の適切な塩としては、リチウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの塩が挙げられる。
【0068】
ある属では、本発明は、式(VII):
【0069】
【化9】

【0070】
[式中、
はハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)−R、及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びRが、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基が、1個以上のアリールで置換されてもよく;

(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基が、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルが、1個以上のハロで置換されてもよく;
mが1、2又は3であり;及び
nが、0、1又は2であり、
ただし、R、R10、R11、R12及びR13のうち少なくとも1つが水素でない]
の新規な化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0071】
式(VII)の化合物の一実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノ、からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい。
【0072】
別の実施態様では、Rは水素である。
【0073】
式(VII)の化合物の当該属では、例示的な化合物は、
6−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
及びその薬学的に許容される塩である。これらの例示的な化合物の適切な塩としては、リチウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの塩が挙げられる。
【0074】
ある属では、本発明は、式(VIII):
【0075】
【化10】

【0076】
[式中、
はハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)−R、及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びR
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mが1、2又は3であり;及び
nが、0、1又は2である]
の新規な化合物及びその薬学的に許容される塩、並びにそのエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
式(VIII)の化合物の当該属において、一実施態様では、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノ、からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい。
【0077】
別の実施態様では、Rは水素である。
【0078】
式(VIII)の化合物の当該属では、例示的な化合物は、
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;及びその薬学的に許容される塩である。これらの例示的な化合物の適切な塩としては、リチウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム及びカリウムの塩が挙げられる。
【0079】
本発明はまた、M1レセプターが関与する疾患又は障害、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害について患者(好ましくはヒト)を治療する方法であって、該患者に対して、式(II)〜(VIII)の化合物、及びその薬学的に許容される塩の治療上有効な量を投与することによる、前記治療方法に関する。
【0080】
本発明はまた、M1レセプターが関与する疾患又は障害、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害の治療のための式(II)〜(VIII)の化合物の使用であって、該患者に対して、式(II)〜(VIII)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与することによる、前記使用に関する。
【0081】
本発明はまた、M1レセプターが関与する、患者(好ましくはヒト)における疾患又は障害、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害の治療のための医薬又は医薬組成物であって、式(II)〜(VIII)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、前記医薬又は医薬組成物、に関する。
【0082】
本発明はまた、M1レセプターが関与する疾患、例えば、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害、及び睡眠障害のための医薬又は医薬組成物の製造方法であって、式(II)〜(VIII)の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを組み合わせることを含む、前記方法に関する。
式(I)〜(VIII)のいずれかにおいて、又はその置換基において、変数が2回以上生じる場合、その変数の個々の出現は、他に明示がない限り、お互いに独立している。
【0083】
本明細書において用いる場合、「アルキル(alkyl)」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、指定された炭素原子数を有する飽和した直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を意味する(例えば、C1−10アルキルとは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)。本発明における使用のための好ましいアルキル基は、1〜6個の原子を有するC1−6アルキル基である。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。Cアルキルは単結合を意味する。
【0084】
本明細書において用いる場合、「シクロアルキル(cycloalkyl)」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、指定された炭素原子数を有する飽和した環状炭化水素基を意味する(例えば、C3−12シクロアルキルとは、3〜12個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)。本発明において用いられるシクロアルキルという用語としては、一環、二環及び三環の飽和炭素環、並びに架橋及び縮合環の炭素環、例えば、スピロ縮合環系が挙げられる。
【0085】
本発明における使用のための好ましいシクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を有する、単環式C3−8シクロアルキル基である。例示的な単環式シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。例示的な架橋シクロアルキル基としては、アダマンチル及びノルボルニルが挙げられる。例示的な縮合シクロアルキル基としては、デカヒドロナフタレンが挙げられる。
【0086】
本明細書において用いる場合、「アリール(aryl)」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、芳香族環状炭化水素基を意味する。好ましいアリール基は、6〜10個の炭素原子を有する。「アリール」という用語は、多環系及び単環系を包含する。本発明における使用のための好ましいアリール基としては、フェニル及びナフチルが挙げられる。
【0087】
「アリール」という用語はまた、部分的に芳香族である縮合環状炭化水素環を包含する(すなわち、縮合環の1つは、芳香族であり、他は非芳香族である)。部分的に芳香族である例示的なアリール基は、インダニルである。
【0088】
「ハロ(halo)」又は「ハロゲン(halogen)」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを包含する。
【0089】
本明細書において用いる場合、「ヘテロアリール(heteroaryl)」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、環炭素原子及び少なくとも1つの環のヘテロ原子(O、N又はS)を有する環式又は多環式の基であって、少なくとも1つの構成の環が芳香族である基を意味する。好ましいヘテロアリール基は、5〜12個の環原子を有する。より好ましいヘテロアリール基は、5又は6個の環原子を有する。本発明における使用のための例示的なヘテロアリール基としては、カルバゾリル、カルボリニル、クロメニル、シンノリニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、イソベンゾフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾロニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インドラジニル、インジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ベンゾピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ベンゾチオフェニル、トリアジニル、及びトリアゾリル、並びにそれらのN酸化物が挙げられる。
【0090】
「ヘテロアリール(heteroaryl)」という用語はまた、部分的に芳香族である縮合環状複素環を包含する(すなわち、縮合環の1つは、芳香族であり、そして他方が非芳香族である)。部分的に芳香族である例示的なヘテロアリール基はベンゾジオキソールである。
【0091】
本明細書において規定されるようなヘテロアリール基が置換される場合、この置換基は、置換を可能にする原子価を有する、ヘテロアリール基の環炭素原子に、又は環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素又はイオウ)に結合してもよい。好ましくは、この置換基は、環炭素原子に結合する。同様に、ヘテロアリール基が、本明細書の置換基として規定される場合、結合点は、結合を可能にする原子価を有する、ヘテロアリール基の環炭素原子上に、又は環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素又はイオウ)上に結合してもよい。好ましくは、この結合は、環炭素原子である。
【0092】
本発明の化合物は、1個以上の不斉中心を有してもよい。不斉中心を有する化合物は、エナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体配置異性体)又はその両方を生じ、そして混合物中の可能なエナンチオマー及びジアステレオマーの全てが、そして純粋又は部分的に精製された化合物として、本発明の範囲内に包含されるものとする。本発明は、式(I)〜(VIII)の化合物の全てのこのような異性体を包含するものとする。
【0093】
式(I)〜(VIII)は特定の位置で立体化学を規定することなく上記に示される。本発明は、式(I)〜(VIII)の全ての立体異性体及びその薬学的に許容される塩を包含する。
【0094】
エナンチオマーとして若しくはジアステレオマーとして富化された化合物の独立した合成、又はそれらのクロマトグラフィーによる分離は、本明細書に開示される方法論の適切な改変によって、当該技術分野で知られるとおり達成され得る。それらの絶対立体化学は、必要に応じて、公知の絶対立体配置の不斉中心を有する試薬を用いて、結晶生成物又は誘導された結晶中間体のX線結晶学によって決定され得る。
【0095】
必要に応じて、この化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマー又はジアステレオマーが単離されるように分離され得る。この分離は、当該技術分野で周知の方法、例えば、化合物のラセミ混合物を、エナンチオマーとして純粋な化合物へのカップリングして、ジアステレオマー混合物を形成させ、それに続いて、標準的な方法(例えば、分別再結晶、又はクロマトグラフィー)による個々のジアステレオマーの分離によって行ってもよい。カップリング反応はしばしば、エナンチオマーとして純粋な酸又は塩基を用いる塩の形成である。次いで、ジアステレオマー誘導体は、付加されたキラル残基の切断により純粋なエナンチオマーに変換され得る。化合物のラセミ混合物は、当該技術分野で周知の方法であるキラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法によって直接分離することができる。
【0096】
あるいは、化合物のエナンチオマー又はジアステレオマーは、当該技術分野で周知である方法によって、公知の立体配置の光学的に純粋な出発物質又は試薬を用いて立体選択的な合成によって得てもよい。
【0097】
本発明の化合物は、以下の反応スキームに従って調製され得、ここで変数は、前に定義したとおりであるか、又は容易に入手可能な出発物質を用いて、試薬及び従来の合成手順から誘導される。有機合成の当業者にそれ自体が公知であるが、詳細には言及されていない改変体を用いることも可能である。
【0098】
本発明はまた、本発明の化合物の調製における中間体として有用な化合物の合成方法を提供する。
【0099】
【化11】

【0100】
アニリンAとジエチルエトキシメチレンマロネートとの180℃でのニートな(neat)混合物のマイクロ波照射によってエナミンBが生成する。この混合物をフェニルエーテルで希釈して、250℃で照射してキノロンコアCが生成する。アルキル化剤の存在下での塩基による処理で、N置換されたキノロンDを得、これを水酸化リチウムで加水分解し、酸性にした後に本発明のEの化合物が生成する。化合物Eは、適切な金属水酸化物又は水素化物を用いて、対応する金属塩Fに変換され得る。
【0101】
任意の上記の合成順序の間、関与する任意の分子上で感受性又は反応性の基を保護することが必要であるか又は望ましいかもしれない。これは、従来の保護基、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry編、J.F.W.McOmie, Plenum Press,1973,及びT.W.Greene&P/G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons,1991に記載の基によって実施され得る。この保護基は、当該技術分野で公知の方法を用いて都合の良い段階で除去してもよい。
【0102】
本発明の化合物の特定の実施態様、及びそれらを作成する方法は、本明細書の実施例に記載される。
【0103】
「実質的に純粋な(substantially pure)」という用語は、単離された物質が、当該技術分野で公知の分析技術によってアッセイした場合、少なくとも90%純粋、そして好ましくは95%純粋、さらにそれより好ましくは99%純粋であることを意味する。
【0104】
本明細書において用いる場合、「ムスカリン性M1レセプター(muscarinic M1 receptor)」という用語は、Gタンパク質カップリングレセプターのスーパーファミリーに由来する、ムスカリン性アセチルコリンレセプターの5つのサブタイプのうちの1つをいう。ムスカリンレセプターのファミリーは、例えば、Pharmacol Ther,1993,58:319−379;Eur J Pharmacol,1996,295:93〜102,及びMol Pharmacol,2002,61:1297〜1302に記載される。ムスカリン性レセプターは、ムスカリン性リガンドが主要な結合部位又はオルソステリック(orthosteric)部位に結合する、親和性を変えることができる、1個以上のアロステリック部位を含むことが公知である。例えば、S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2002,62:6,1491〜1505を参照のこと。
【0105】
本明細書において用いる場合、「陽性アロステリックモジュレーター(positive allosteric modulator)」及び「アロステリックポテンシエーター(allosteric potentiator)」という用語は、交換可能に用いられ、そして、主要な結合部位を活性化するためのレセプターのアロステリック部位と相互作用するリガンドをいう。本発明の化合物は、ムスカリン性M1レセプターの陽性アロステリックモジュレーターである。例えば、モジュレーター及びポテンシエーターは、動物、特に、ヒトにおいてムスカリン性M1レセプターのオルトステリック部位で内因性のリガンド(例えば、アセチルコリン又はキサノメリン)によって生成される応答を直接又は間接的に増強し得る。
【0106】
アロステリックレセプター部位でのリガンドの作用はまた、当業者に公知の「アロステリック三元複合体モデル(allosteric ternary complex model)」に従って理解され得る。アロステリック三元複合体モデルは、Birdsallら、Life Sciences,2001,68:2517〜2524において、ムスカリン性レセプターのファミリーに関して記載される。アロステリック結合部位の役割の一般的な説明については、Christopoulos,Nature Reviews:Drug Discovery,2002,1:198〜210を参照のこと。
【0107】
本発明の化合物は、ムスカリン性M1レセプターのオルトステリックアセチルコリン部位とは異なるアロステリック結合部位に結合し、これによって、M1レセプターのオルトステリック部位で内因性リガンドアセチルコリンによって生成される応答を増強すると考えられる。本発明の化合物は、ムスカリン性M1レセプターのキサノメリン部位とは異なるアロステリック部位に結合し、これによって、M1レセプターのオルトステリック部位で内因性リガンドキサノメリンによって生成される応答を増強することも考えられる。
【0108】
「薬学的に許容される塩(pharmaceutically acceptable salts)」という用語は、無機又は有機の塩基、及び無機又は有機の酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を指す。本発明の化合物は、この化合物の遊離塩基型に存在する酸性官能基の数に依存して、一塩であっても、二塩であっても、又は三塩であってもよい。無機の塩基に由来する遊離の塩基及び塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガンの塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。本発明の化合物のための特に好ましい塩(式(I)〜(VIII)の化合物を含む)は、リチウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びカリウム塩である。
【0109】
固体型の塩は、2個以上の結晶構造で存在してもよく、そしてまた、水和物の形態であってもよい。薬学的に許容される有機の非毒性の塩基由来の塩としては、一級、二級及び三級アミンの塩、置換アミンが挙げられ、これには、天然に存在する置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。
【0110】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機及び有機の酸を含む、薬学的に許容される非毒性の酸から調製され得る。このような酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0111】
本発明は、M1アロステリックモジュレーターとして本明細書に開示される式(I)〜(VIII)の化合物の使用であって、このような活性の必要な患者又は被験体、例えば、哺乳動物における使用であって、この化合物の有効量の投与を含む、前記使用に関する。ヒトに加えて、種々の他の哺乳動物が、本発明の方法に従って治療され得る。
【0112】
本発明の化合物は、アルツハイマー病を治療又は改善させるのにおいて有用性を有する。この化合物はまた、ムスカリン性M1レセプターによって媒介される他の疾患、例えば、睡眠障害、疼痛障害(急性疼痛、炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を含む)及び認知障害(軽度認知障害を含む)を治療又は改善させるのに有用であり得る。本発明の化合物によって治療され得る他の状態としては、パーキンソン病、肺性高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、尿失禁、緑内障、統合失調症、トリソミー21(ダウン症)、脳のアミロイド・アンギオパチー、変性認知症(degenerative dementia)、オランダ型アミロイド症をともなう遺伝性脳内出血(Hereditary Cerebral Hemorrhage with Amyloidosis of the Dutch−Type)(HCHWA−D)、クロイツフェルトヤコブ病、プリオン障害、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、脳卒中、膵炎、封入体筋炎、他の末梢アミロイド症、糖尿病、自閉症及びアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
【0113】
好ましい実施態様では、本発明の化合物は、アルツハイマー病、認知障害、疼痛障害及び睡眠障害を治療するために有用である。例えば、この化合物は、アルツハイマー型の痴呆の予防のために、並びにアルツハイマー型の痴呆の初期段階、中期段階又は後期段階の治療のために有用であり得る。
【0114】
本発明の化合物が有用であり得る潜在的な睡眠の状態又は障害としては、睡眠の質の強化;睡眠の質の改善;睡眠の維持の強化;被験体が睡眠を試みている時間で被験体の睡眠を割って算出される値の増大;睡眠の潜伏期間(眠りに付くのにかかる時間)又は発現(眠りにおちる時間)を短くすること;眠りにつく困難性を減少すること;睡眠の継続を増大すること;睡眠の間の覚醒回数を減らすこと;夜間覚醒を減らすこと;最初の睡眠の開始後に覚醒にかかる時間を短くすること;睡眠の総時間を増やすこと;睡眠の断続を減らすこと;レム睡眠期間のタイミング、頻度又は期間を変更すること;徐波(すなわち3又は4期)睡眠期間のタイミング、頻度又は期間を変更すること;2期睡眠の量及び割合を増大すること;徐波睡眠を促進すること;睡眠の間のEEGデルタ活性を増強すること;日中の覚醒状態の向上;日中の眠気の軽減;過度の日中の睡眠の治療又は軽減;不眠症;過眠症;ナルコレプシー;断続的睡眠;睡眠時無呼吸;覚醒;夜間ミオクローヌス;REM睡眠中断;時差ボケ;交代勤務者睡眠障害;睡眠異常(dyssomnias);夜驚症;抑うつ、情動障害/気分障害に関連する不眠症、並びに、夢遊及び遺尿症、及び加齢に伴う睡眠障害;アルツハイマーの日暮れ時徴候;概日リズムに関連する状態、並びに標準時を通過する旅に関連する、そして交代勤務スケジュールのローテーションに関連する精神及び身体の障害、副作用としてREM睡眠の減少を生じる薬物に起因する状態;睡眠の間の呼吸の妨害に関連する体力回復のない睡眠及び筋肉痛又は睡眠時無呼吸によって現われる症候群;並びに睡眠の質の低下から生じる状態が挙げられる。
【0115】
本発明の化合物が有用であり得る疼痛障害としては、神経障害性疼痛(例えば、ヘルペス後神経痛、神経損傷、「ダイニアス(dynias)」、例えば、外陰部痛(vulvodynia)、幻肢痛、神経根引き抜き損傷、疼痛性糖尿病性神経障害、疼痛性外傷性単神経障害、疼痛性多神経障害);中心性疼痛症候群(可能性としては、任意のレベルの神経系で実質的に任意の病変によって生じる);外科手術後疼痛症候群(例えば、乳房切除後症候群、開胸術後症候群、断端痛);骨関節疼痛(骨関節炎)、反復運動疼痛、歯痛、癌性疼痛、筋膜疼痛(筋損傷、線維筋痛);術中疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、月経困難症、並びにアンギナ関連疼痛、及び種々の起源の炎症性疼痛(例えば、骨関節炎、関節リウマチ、リウマチ疾患、腱滑膜炎及び痛風)、頭痛、片頭痛及び群発性頭痛、頭痛、原発性痛覚過敏、二次痛覚過敏、原発性異痛症、二次異痛症、又は中枢性感作によって生じる他の疼痛が挙げられる。
【0116】
本発明の化合物はまた、運動障害(ジスキネジー)を治療又は予防するために用いられ得る。さらに、本発明の化合物は、疼痛のオピオイド治療に対する耐性及び/又は依存性を低減するために、並びに例えば、アルコール、オピオイド及びコカインの離脱症状の治療のために用いられ得る。
【0117】
本発明の化合物が投与される被験体又は患者は一般に、M1アロステリック調節が所望されるヒト、男性又は女性であるが、上記の障害の治療が所望される、他の哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジー又は他の類人猿若しくは霊長類も包含し得る。
本発明の化合物は、本発明の化合物が有用性を有する疾患又は状態の治療における1個以上の他の薬物と組み合わせであって、この薬物の一緒の当該組み合わせが、いずれかの薬物単独よりも安全か又は有効であるもので用いられてもよい。さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用又は毒性のリスクを治療するか、予防するか、制御するか、寛解させるか又は軽減する1種以上の他の薬物と組み合わせて用いてもよい。このような他の薬物は、そのために通常用いられる経路によって、及び量において、本発明の化合物と同時に又は連続して投与してもよい。従って、本発明の医薬組成物としては、本発明の化合物に加えて、1個以上の他の活性成分を含む組成物が挙げられる。この組み合わせは、単位剤形併用生成物の一部として、又はキット若しくは治療プロトコールとして投与してもよく、ここでは1種以上のさらなる薬物が治療レジメンの一部として別の剤形で投与される。
【0118】
本発明の化合物の併用の例としては、抗アルツハイマー病剤、例えば、βセクレターゼインヒビター;α7ニコチン性アゴニスト、例えば、ABT089、SSR180711及びMEM63908;γ−セクレターゼインヒビター、例えば、LY450139及びTAK 070;τリン酸化インヒビター;グリシン輸送インヒビター;ApoE4立体配置モジュレーター;NR2Bアンタゴニスト;アンドロゲンレセプターモジュレーター;Aβオリゴマー形成のブロッカー;5−HT4アゴニスト、例えば、PRX−03140;5−HT6アンタゴニスト、例えば、GSK742467、SGS−518、FK−962、SL−65.0155、SRA−333及びキサリプロデン(xaliproden);5−HT1aアンタゴニスト、例えば、レコゾタン(lecozotan);p25/CDK5インヒビター;NK1/NK3レセプターアンタゴニスト;COX−2インヒビター;HMG−CoAリダクターゼインヒビター;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体(抗−アミロイドヒト化モノクローナル抗体を含む)、例えば、バピネオズマブ(bapineuzumab)、ACC001、CAD106、AZD3102、H12A11V1;抗−炎症性化合物、例えば、(R)−フルルビプロフェン、ニトロフルルビプロフェン、ND−1251、VP−025、HT−0712及びEHT−202;PPARγアゴニスト、例えば、ピオグリタゾン(pioglitazone)及びロシグリタゾン(rosiglitazone);CB−1レセプターアンタゴニスト又はCB−1レセプターインバースアゴニスト、例えば、AVE1625;抗生物質、例えば、ドキシサイクリン及びリファンピン;N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)レセプターアンタゴニスト、例えば、メマンチン、ネラメキサン、及びEVT101;コリンエステラーゼインヒビター、例えば、ガランタミン、リバスティグミン、ドネペジル、タクリン、フェンセリン(phenserine)、ラドスチジル及びABT−089;成長ホルモン放出因子(growth hormone secretagogues)、例えば、イブタモレン、メシル酸イブタモレン、及びカプロモレリン;ヒスタミンH3レセプターアンタゴニスト、例えば、ABT−834、ABT829、GSK189254及びCEP16795;AMPAアゴニスト又はAMPAモジュレーター、例えば、CX−717、LY451395、LY404187及びS−18986;MEM1414、HT0712及びAVE8112を含むPDE IVインヒビター;GABAインバースアゴニスト;AZD1080,SAR502250及びCEP16805を含むGSK3βインヒビター;ニューロンのニコチン性アゴニスト;選択性M1アゴニスト;及び微小管親和性調節キナーゼ(microtubule affinity regulating kinase)(MARK)リガンド;或いは本発明の化合物の有効性、安全性、簡便性を増大するか、又は望ましくない副作用若しくは毒性を軽減するいずれかのレセプター又は酵素に影響する他の薬物との組み合わせが挙げられる。
【0119】
この化合物の組み合わせの例としては、疼痛の治療剤、例えば、非ステロイド性抗炎症性剤、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、デュフルニサル(duflunisal)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク及びトルメチン;COX−2インヒビター、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、406381及び644784;CB−2アゴニスト、例えば、842166及びSAB378;VR−1アンタゴニスト、例えば、AMG517、705498、782443、PAC20030、V114380及びA425619;ブラジキニンB1レセプターアンタゴニスト、例えば、SSR240612及びNVPSAA164;ナトリウムチャネルブロッカー及びアンタゴニスト、例えば、VX409及びSPI860;一酸化窒素シンターゼ(NOS)インヒビター(iNOS及びnNOSインヒビターを含む)、例えば、SD6010及び274150;ラコサミド(lacosamide)を含むグリシン部位アンタゴニスト;ニューロンのニコチン性アゴニスト、例えば、ABT894;NMDAアンタゴニスト、例えば、AZD4282;カリウムチャネル開口剤(potassium channel openers);AMPA/カイニン酸レセプターアンタゴニスト;カルシウムチャネルブロッカー、例えば、ジコノチド(ziconotide)及びNMED160;GABA−AレセプターIOモジュレーター(例えば、GABA−Aレセプターアゴニスト);マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)インヒビター;血小板溶解薬;オピオイド鎮痛薬、例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メタゾン、モルフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、プロポキシフェン;好中球阻害性因子(NIF);プラミペキソール、ロピニロール;抗コリン作用薬;アマンタジン;モノアミンオキシダーゼBl5(「MAO−B」)インヒビター;5HTレセプターアゴニスト又はアンタゴニスト;mGlu5アンタゴニスト、例えば、AZD9272;αアゴニスト、例えば、AGNXX/YY;ニューロンのニコチン性アゴニスト、例えば、ABT894;NMDAレセプターアゴニスト又はアンタゴニスト、例えば、AZD4282;NKIアンタゴニスト;選択性セロトニン再取り込みインヒビター(「SSRI」)及び/又は選択性セロトニン及びノルエピネフリン再取り込みインヒビター(「SSNRI」)、例えば、デュロキセチン(duloxetine);三環系抗うつ薬、ノルエピネフリンモジュレーター;リチウム;バルプロ酸塩;ガバペンチン;プレガバリン;リザトリプタン;ゾルミトリプタン;ナラトリプタン及びスマトリプタンとの組み合わせが挙げられる。
【0120】
本発明の化合物は、睡眠の質を強化するため、並びに睡眠障害(sleep disorders)及び睡眠妨害(sleep disturbances)を予防及び治療するために有用な化合物、例えば、鎮静剤、睡眠剤、抗不安薬、抗精神病薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、シクロピロロン、オレキシンアンタゴニスト、α−1アンタゴニスト、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニスト及び5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む5HT−2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、ヒスタミンH3インバースアゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動性(melatonergic)剤、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネシチン(prokineticin)アゴニスト及びアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例えば:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アロモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロレテート(clorethate)、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デキシクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジパルプロックス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エピリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネリジン、フェノバルビタール、パラゼパム、プロメサジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファクシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせなど、と組み合わせて投与してもよいし、又は、本発明の化合物は、物理的方法、例えば、軽度の治療又は電気的な刺激の使用と組み合わせて投与されてもよい。
【0121】
別の実施態様では、本発明の化合物は、レボドパ(選択性脳外デカルボキシラーゼインヒビター、例えば、カルビドパ又はベンセラジドと一緒に、又はなしで)、抗コリン作動性薬、例えば、ビペリデン(適宜、その塩酸塩又は乳酸塩として)及びトリヘキシルフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩、COMTインヒビター、例えば、エンタカポン(entacapone)、MOA−Bインヒビター、抗酸化剤、A2aアデノシンレセプターアンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト及びドーパミンレセプターアゴニスト、例えば、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド及びプラミペキソールと組み合わせて使用されてもよい。
【0122】
「組成物(composition)」という用語は、本明細書において用いる場合、特定の成分を所定の量又は割合で含む生成物、並びに特定の成分の特定の量での組み合わせから直接又は間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。医薬組成物に関してこの用語は、1種以上の活性成分、及び不活性成分を含む任意の担体を含む生成物、並びに任意の2種以上の成分の組み合わせ、複合又は凝集から、或いは1種以上の成分の解離から、或いは1種以上の成分の他のタイプの反応又は相互作用から、直接又は間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。
【0123】
一般には、医薬組成物は、均一に及び緊密に活性成分を液体の担体、又は微粉化固体担体若しくはその両方と会合させること、次いで、必要に応じて、この生成物を所望の剤形に成型することによって調製される。医薬組成物では、式(I)〜(VIII)の化合物である活性化合物を、疾患の経過又は状態に所望の効果を生じるのに十分な量で包含させる。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を混合することによって調製される任意の組成物を包含する。
【0124】
この担体は、投与、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)のために所望される製剤の形成に依存して広範な種々の形態をとってもよい。従って、本発明の医薬組成物は、経口投与のために適切な別個の単位、例えば、各々が所定の量の活性成分を含有する、カプセル、カシェ剤(cachets)又は錠剤として与えられてもよい。さらに、この組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、懸濁液として、水溶液中で、非水性の溶液中で、水中油型エマルジョンとして、又は油中水型液体エマルジョンとして与えられてもよい。上記の共通の剤形に加えて、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩はまた、徐放性の手段及び/又は送達デバイスによって投与されてもよい。
【0125】
経口使用用医薬組成物は、当業者に公知の医薬組成物の製造方法のいずれかに従って調製され得、そしてこのような組成物は、薬学的に洗練されかつ口当たりのよい調製物を得るために甘味料、香味料、着色料及び防腐剤からなる群より選択される1個以上の剤を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に適切である非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して活性成分を含んでもよい。これらの賦形剤は、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ、又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア、及び潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又は滑石であってもよい。この錠剤は、コーティングされなくてもよいし、又はそれらは、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて、長期間にわたる徐放性の作用を得るために公知の技術によってコーティングされてもよい。
【0126】
本発明の組成物を含む錠剤は、適宜、1種以上の補助成分又はアジュバントを用いて、圧縮又は成型によって調製されてもよい。圧縮錠剤は、適切な機械中において、活性成分を、必要に応じて結合剤、潤滑剤、不活化希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合した、粉末又は顆粒のようなフリー・フロー(free−flowing)型で、圧縮することによって調製され得る。成型錠剤は、適切な機械中において、不活性な液体希釈液で湿した粉末化化合物の混合物を成型することによって作製され得る。各々の錠剤は好ましくは、約0.1mg〜約500mgの活性成分を含み、そして各々のカシェ剤(cachet)又はカプセルが好ましくは、約0.1mg〜約500mgの活性成分を含む。
【0127】
経口使用用組成物はまた、その活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合される硬カプセルとして与えられてもよいし、又はその活性成分が、水若しくは油状媒体、例えば、ピーナツオイル、流動パラフィン又はオリーブオイルと混合される軟カプセルとして与えられてもよい。
【0128】
他の医薬組成物としては、その活性物質を水性懸濁液の製造に適切な賦形剤と混合して含む、液体懸濁液が挙げられる。さらに油状懸濁液は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナツ油中に、又は鉱油、例えば、流動パラフィン中に活性成分を懸濁することによって調製され得る。油状懸濁物はまた、種々の賦形剤を含んでもよい。本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であってもよく、このエマルジョンはまた、賦形剤、例えば、甘味料及び香味量も含んでもよい。
【0129】
該医薬組成物は、滅菌注射用水若しくは油質の懸濁液の形態であってもよいし、又はこのような滅菌注射用溶液若しくは分散剤の即時的な調製のための滅菌粉末の形態であってもよい。全ての場合に、最終の注射用形態は、無菌でなければならず、かつ容易な注射性能のために効率的な液体でなければならない。該医薬組成物は、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならない;従って、好ましくは、細菌及び真菌のような微生物の混入作用に対して保存されなければならない。
【0130】
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布剤などのような局所使用に適切な形態であってもよい。さらに、該組成物は、経皮デバイスにおける使用に適切な形態であってもよい。これらの製剤は、従来の処理方法により調製してもよい。例として、クリーム又は軟膏は、親水性物質及び水を、該化合物の約5重量%〜約10重量%と一緒に混合して、所望の一貫性を有するクリーム又は軟膏を生成することによって調製される。
【0131】
本発明の医薬組成物はまた、担体が固体である、直腸投与に適切な形態であってもよい。この混合物は、単位用量の坐剤を形成することが好ましい。適切な担体としては、ココアバター及び当該技術分野で通常用いられる他の物質が挙げられる。
【0132】
「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」とは、この担体、希釈液又は賦形剤が、該製剤の他の成分と適合しなければならずかつ、そのレシピエントに有害であってはならないということを意味する。
化合物「の投与(administration of)」又は化合物「を投与する(administering a)」という用語は、本発明の化合物を、治療の必要な個体に対して、個々の身体へ導入され得る形態で、治療上有用な形態でかつ治療上有用な量で提供することを意味するように理解されるべきであり、この形態としては以下が挙げられるがこれに限定されない:経口剤形、例えば、錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液など;注射用剤形、例えば、IV、IM又はIPなど;クリーム、ゼリー、粉末又はパッチを含む経皮剤形;口腔剤形(buccal dosage forms);吸入粉末、スプレー、懸濁液など;及び直腸坐剤。
【0133】
「有効量(effective amount)」又は「治療上有効な量(therapeutically effective amount)」という用語は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって決められ、組織、系、動物又はヒトの生物学的な応答又は医学的な応答を惹起する、本発明の化合物の量を意味する。
【0134】
本明細書において用いる場合、「治療(treatment)」又は「治療する(treating)」という用語は、本発明の化合物の任意の投与を意味し、そして、(1)疾患の病理又は症状を経験しているか又は示している動物においてその疾患を阻害すること(すなわち、病理及び/又は症状のさらなる発生を停止すること)、又は(2)疾患の病理又は症状を経験しているか又は示している動物においてその疾患を改善すること(すなわち、病理学及び/又は症状学を逆転すること)、を包含する。
【0135】
本発明の化合物を含有する組成物は、単位剤形で都合よく与えてもよいし、薬学の当該技術分野で周知の任意の方法によって調製してもよい。「単位剤形(unit dosage form)」という用語は、単位用量を意味するものとし、ここでは全ての活性成分及び不活性成分が適切な系で組み合わせており、その結果、患者、又は患者へ薬物を投与する人は、その中に全用量を含む単一の容器又はパッケージを開口することが可能になり、そして2個以上の容器又はパッケージから任意の成分を一緒に混合する必要は無い。単位剤形の代表的な例は、経口投与のための錠剤又はカプセル、注射用単位用量バイアル、又は直腸投与のための坐剤である。このリストの単位剤形は、決して限定されるものではなく、単位剤形の代表的な例を示すに過ぎない。
【0136】
本発明の化合物を含有する組成物は、都合よく、キットとして与えられてもよく、それにより、活性な又は不活性な成分、担体、希釈液などであってもよい2種以上の成分が、患者、又は患者に薬物を投与する人によって実際の剤形の調製のための説明書とともに提供される。このようなキットは、全ての必要な物質及びその中に含まれる成分とともに提供されてもよいし、又はそれらは、患者若しくは患者に薬物を投与する人によって独立して得られなければならない物質又は成分を用いるか若しくは作成するための説明書を含んでいてもよい。
【0137】
本発明の化合物が指示される障害又は疾患を治療又は改善させる場合、一般には、本発明の化合物が動物の体重1kgあたり約0.1mg〜約100mgの1日投与量で投与されるか、好ましくは単回1日用量として与えられるか、又は1日に分割用量で2〜6回、又は徐放型で与えられるとき、満足な結果が得られる。合計1日用量は、体重1kgあたり、約1.0mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約20mgである。70kgの成人のヒトの場合、合計1日用量は一般に、約7mg〜約1,400mgである。この投与レジメン(スケジュール)は、最適治療応答を得るように調節してもよい。この化合物は、1日あたり1〜4回、好ましくは1日あたり1又は2回の投与スケジュールで投与してもよい。
【0138】
単回剤形を調製するために担体物質と組み合わせてもよい活性成分の量は、治療される宿主及び投与の特定の態様に依存して変化する。例えば、ヒトへの経口投与用製剤は、適宜、適切なかつ都合のよい量の担体物質と調合された、約0.005mg〜約2.5gの活性成分を含んでもよい。単位剤形は一般に、1日に1回、2回又は3回投与される、約0.005mg〜約1000mgの活性成分、代表的には、0.005、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgを含む。
【0139】
しかし、任意の特定の患者の特定の投与レベル及び投与の頻度は、変化してもよく、そして使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用期間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食餌、投与の方式及び時間、排出速度、薬物併用、特定の状態の重篤度、並びに宿主の受けている治療を含む種々の要因に依存する。
【0140】
M1レセプター陽性アロステリックモジュレーターとしての化合物の有用性は、下に記載されるアッセイによって含まれる、当該技術分野で公知の方法論によって実証され得る。このアッセイは、FLIPR384蛍光定量画像化プレートリーダーシステム(Fluorometric Imaging Plate Reader System)を用いて細胞内カルシウムを測定することによって、アセチルコリンムスカリン性M1レセプター、又はCHOnfat細胞で発現される他のムスカリン性レセプターでモジュレーター活性を有する化合物を選択するようにデザインされている。このアッセイは、FLIPRを用いて、基礎的又はアセチルコリン刺激性Ca2+レベルに対する試験化合物の1又はいくつかの濃度の効果を研究する。
化合物を調製して、4mmのプレインキュベーション期間に供した。その後、アセチルコリンの単一のEC20濃度を、各々のウェル(最終3nM)に添加する。各々のサンプルの細胞内Ca2+レベルを測定してアセチルコリンコントロールと比較して、任意の調節活性を決定する。
【0141】
細胞:CHOnfat/hM1、hM2、hM3又はhM4細胞を、プレートして24時間後、384ウェルのプレートにおいて18,000細胞/ウェル(100μL)の密度でアッセイする。CHOnfat/hM1及びCHOnfat/hM3の増殖培地:90%のDMEM(Hi Glucose);10%のHI FBS;2mM L−グルタミン;0.1mMのNEAA;Pen−Strep;及び1mg/mlのゲンタマイシンを添加する。M2Gqi5CHOnfat及びM4Gqi5CHOnfat細胞については、さらに600ug/mlのハイグロマイシンを添加する。
【0142】
装置:384ウェルのプレート、120μL添加プレート;96−ウェルWhatmanの2ml Uniplate Incubator,37℃,5%のCO;Skatron EMBLA−384 Plate Washer;Multimek Pipetting System;Genesis Freedom 200 System;Mosquito System;Temo Nanolitre Pipetting System;及びFLIPR384 Fluorometric Imaging Plate Reader Systemを用いる。
【0143】
緩衝液。アッセイ緩衝液:ハンクス平衡塩溶液(Hanks Balanced Salt Solution)であって、20mMのHepes、1NのNaOHに最初に溶解した2.5mMのProbenecid(Sigma P−8761)、1%のBovine Serum Albumin(Sigma A−9647)を含む。色素ローディング緩衝液(Dye Loading Buffer):アッセイ緩衝液プラス1%のウシ胎仔血清(Fetal Bovine Serum)及びFluo−4AM/プルロン酸(Pluronic Acid)混合物。DMSO(Molecular Probes F−14202)中の2mMのFluo−4AMエステルストック2uMの濃度で緩衝液に、1μMの最終濃度(アッセイ中)。20%のプルロン酸(Pluronic Acid)溶液ストックであって、0.04%の濃度を緩衝液に、0.02%をアッセイ中に。
【0144】
65μLの2mMのFluo−4AMを、130μLの20%のプルロン酸(Pluronic Acid)と混合する。得られた溶液及び650μLのFBSを総容積65mLにアッセイ緩衝液に添加する。陽性コントロール:4−Br−A23187:DMSO中に10mM;最終濃度10μM。アセチルコリン:水の中に10mM、ワーキング・ストックは、20uM及び30uMの両方でアッセイ緩衝液中に20uM及び30uMの両方で、最終濃度10μM。これを用いて、CHOK1/hM1細胞の最大刺激をチエックする。20uM(2×)アセチルコリンを、アッセイのプレインキュベーション部分に添加して、30uM(3×)のストックを第二部分に添加する。(EC20)アセチルコリン:水の中に10mM、9nM(3×)のワーキング・ストック、そしてアッセイの最終濃度は3nMである。これを、試験化合物とのプレインキュベーション後に用いる。試験化合物を含む各々のウェルへのEC20アセチルコリンの添加によって、任意のモジュレーター活性を確認する。24ウェルは、コントロールとして3nMのアセチルコリンのみを含む。
【0145】
推定化合物の活性を決定する:
スクリーニングプレート:化合物を、96−ウェルプレート(カラム2〜11)中で、100%のDMSOで滴定して、15mM(150×のストック濃度)の濃度で開始して、Genesis Freedom200 Systemを用いて3倍階段希釈する。4つの96−ウェルプレートを、各々のウェルへ1ulの連続希釈した化合物を移すことによって、Mosquito Nanolitre Pipetting Systemを用いて384ウェルのプレートに合わせ、そして1mMのアセチルコリン(100×のストック濃度)をコントロールとして添加した。Temoを用いて、49μlのアッセイ緩衝液を、アッセイ前に、384−ウェルのプレートの各々のウェルに添加する。
【0146】
96ウェルのWhatmanの2mlのUniplateに、9nMのアセチルコリン(3×)を、スクリーニング化合物に対応するウェル中にそしてコントロールのウェル中にピペッティングする。30μMのアセチルコリンコントロール(3×)をコントロールのウェルに添加し、そして3×アゴニストプレートを、384ウェルのプレートに移す。
【0147】
細胞は、100μLの緩衝液を用いて3回洗浄し、各々のウェルに30μLの緩衝液を残す。Multimekを用いて、30μLの色素ローディング緩衝液(Dye Loading Buffer)を各々のウェルに添加して、37℃、5%COで最大1時間までインキュベートする。
【0148】
60分後、細胞を100μLの緩衝液を用いて3回洗浄し、各々のウェルに30μLの緩衝液を残す。この細胞プレート、スクリーニングプレート及びアゴニスト添加プレートを、FLIPRのプラットフォームにおき、そしてそのドアを閉じる。バックグラウンドの蛍光及びベースの基礎の蛍光シグナルをチエックするシグナル試験を行う。レーザー強度は、必要に応じて調節する。
【0149】
試験化合物との4分のプレインキュベーションを行って、1mMのアセチルコリンコントロールとの比較によってM1レセプター上で任意のアゴニスト活性を決定する。プレインキュベーション後に、アセチルコリン(最終3nM)のEC20値を添加して、任意のモジュレーター活性を決定する。
【0150】
ムスカリン性FLIPRアッセイのさらなる説明は、国際特許出願WO2004/073639に見出され得る。
【0151】
詳細には、以下の実施例の化合物は、上述のアッセイにおいて活性を有し、一般には10μM未満のEC50値を有する。このような結果は、M1アロステリックモジュレーターとしての使用における該化合物の固有の活性を示している。
本発明の代表的な例示的化合物についての上述のアッセイからのEC50値(本明細書に記載される場合)は、下の表1に示される:
【0152】
【表1】

【0153】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法は、本明細書のスキーム及び実施例に例示される。出発物質は、当該技術分野で公知の手順に従って、又は本明細書に例示されるように合成される。以下の実施例は、本発明がさらに理解され得るように提供される。これらの実施例は、例示でしかなく、そして決して本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0154】
【化12】

【0155】
ナトリウム1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
【0156】
【化13】

【0157】
1−2:ジエチル2−((2,5−ジフルオロフェニルアミノ)メチレン)マロネート
アニリン1−1(1.07g、0.835mL、8.3mmol)及びジエチルエトキシメチレンマロネート(2.7g、2.5mL、12.5mmol)を5mLのバイアル中で混合した。その混合物をBiotage Initiatorマイクロ波中で180℃で20分間照射した。室温への冷却後、付加物1−2をこの混合物から沈殿させた。この固体を濾過によって収集して、ヘキサンで洗浄して、1.83g(73%)の1−2を結晶白色固体として得た。エナミン1−2は、ヘキサンにわずかに可溶性であって、そのため最小容積の溶媒(約10mL)を洗浄のために用いた。この物質をさらなる精製なしの次の工程に用いた。H NMR(CDCl,300MHz):11.07(br d,J=12.3Hz,1H)、8.39(d,J=13.5Hz,1H)、7.11(m,1H)、7.02(m,1H)、6.78(m,1H)、4.33(q,2H)、4.27(q,2H)、1.38(t,3H)、1.32(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 300.2(MH)。
【0158】
1−3:エチル5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
エナミン1−2(0.46g,1.54mmol)を、5mLのバイアルに入れて、2.5mLのジフェニルエーテルに溶解した。この混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で250℃で6時間照射した。室温への冷却後、環化生成物1−3をこの混合物から沈殿させた。その固体を遠心分離によって収集し、ヘキサンで洗浄して、115mg(30%)の1−3を結晶性白色固体として得た。キノロン1−3はヘキサンに不溶性であって、そのため大容積の溶媒(約100mL)を洗浄のために用いた。高純度で回収したエナミン1−2を再度加熱に付して、さらに1−3を生成することができた。H NMR(CDCl,300MHz):9.14(s,1H)、7.44(m,1H)、7.15(m,1H)、4.53(q,2H)、1.49(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 254.1(MH)。
【0159】
1−4:エチル1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
キノロン1−3(3.0g,11.7mmol)を、125mLの無水DMFに溶解して、炭酸カリウム(3.0g,21.7mmol)、ヨウ化カリウム(約20mg)、及び4−(トリフルオロメチル)ベンジルクロライド(3.46g,2.63mL,17.8mmol)で処理した。室温で60時間後、その溶媒を減圧下で除去して、1−4を白色固体として得て、これを精製なしに次の工程で用いた。H NMR(CDCl,300MHz):8.41(s,1H)、7.62(d,J=7.8Hz,2H)、7.24(d,J=7.8Hz,2H)、7.24(m,1H)、6.99(m,1H)、5.55(d,J=3.0Hz,2H)、4.40(q,2H)、1.41(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 412.2(MH)。
【0160】
1−5:1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
エチルエステル1−4(4.8g,11.7mmol)を、100mLの1:1のジオキサン/水の混合物に溶解して、過剰のLiOH(1.0g、42mmol)で処理した。90分後、反応物を分液漏斗に注いで、20mLの6NのHCl水溶液で酸性にした。その混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥して、濃縮した。粗黄色固体を逆相HPLCによって精製して、2.80g(2工程にわたり62%超)のカルボン酸1−5を白色固体として得た。H NMR(CDCl,300MHz):14.32(br s,1H)、8.79(s,1H)、7.61(d,J=4.5Hz,2H)、7.42(m,1H)、7.24(d,J=4.5Hz,2H)、7.16(m,1H)、5.69(d,J=3.0Hz,2H);MS(エレクトロスプレー):m/z 384.1(MH)。
【0161】
1−6:ナトリウム1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
95%の水素化ナトリウム(31.2mg,1.24mmol)を、4mLの乾燥THFに懸濁し、そしてシリンジを介して、6mL乾燥CHCl中のカルボン酸1−5(500mg,1.3mmol)の懸濁液に添加した。30分間の撹拌後、溶媒を減圧下で除去して、ナトリウム塩1−6を得た。H NMR(CDOD,300MHz):8.40(s,1H)、7.63(d,J=8.1Hz,2H)、7.37(d,J=8.1Hz,2H)、7.36(m,1H)、7.00(m,1H)、5.68(d,J=3.3Hz,2H);MS(エレクトロスプレー):m/z 384.1(MH)。
【実施例2】
【0162】
【化14】

【0163】
5,8−ジフルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【0164】
【化15】

【0165】
2−1:エチル5,8−ジフルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
キノロン1−3(136mg,0.54mmol)を、3mLの無水DMFに溶解して、炭酸カリウム(145mg,1.05mmol)、ヨウ化カリウム(12.7mg)、及び3−メトキシベンジルクロライド(169mg,0.84mmol)で処理した。室温で16時間後、その溶媒を減圧で除去して、粗生成物を淡黄色の固体として得た。その粗物質を、溶出液として0〜10%の勾配のメタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、55mg(27%)の2−1を白色固体として得た。H NMR(CDOD,300MHz):8.72(s,1H)、7.46(ddd,J=4.4,9.1,14.0Hz,1H)、7.25(dd,J=7.8,8.2Hz,1H)、7.12(ddd,J=3.4,9.1,11.0Hz,1H)、6.86(dd,2.4,8.2Hz,1H)、6.72(s,1H)、6.68(d,J=7.8Hz,1H)、5.65(d,J=3.5Hz,2H)、4.32(q,2H)、3.74(s,3H)、1.35(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 374.5(MH)。
【0166】
2−2:5,8−ジフルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
エチルエステル2−1(55mg,0.15mmol)を、1mLのジオキサンに溶解し、そして過剰の飽和LiOH水溶液(0.5mL)で処理した。90分後、その反応物を、分液漏斗に注ぎ、3mLの1NのHCl水溶液で酸性にした。その混合物を、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥して、濃縮し、カルボン酸2−2を白色固体として得た。H NMR(CDOD,300MHz):8.98(s,1H)、7.60(ddd,J=4.5,9.0,13.8Hz,1H)、7.30−7.23(m,2H)、6.87(m,1H)、6.75(s,1H)、6.68(d,J=7.5Hz,1H)、5.77(d,J=3.3Hz,2H)、3.75(s,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 346.2(MH)。
【実施例3】
【0167】
【化16】

【0168】
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【0169】
【化17】

【0170】
3−1:エチル 5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
キノロン1−3(190mg,0.75mmol)を、3mLの無水DMFに溶解して、炭酸カリウム(196mg,1.42mmol)、ヨウ化カリウム(11mg,0.07mmol)、及び2−(トリフルオロメチル)ベンジルクロライド(270mg,1.13mmol)で処理した。室温で16時間後、その溶媒を減圧下で除去し、淡黄色固体として粗生成物を得た。その粗物質を、溶出液として0〜10%の勾配のメタノール/ジクロロメタンを用いてシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、145mg(47%)の3−1を淡黄色固体として得た。H NMR(CDOD,300MHz):8.71(s,1H)、7.82(d,J=7.5Hz,1H)、7.56−7.37(m,3H)、7.13(ddd,J=3.3,9.0,12.4Hz,1H)、6.93(d,J=7.2Hz,1H)、5.91(d,J=3.6Hz,2H)、4.31(q,2H)、1.34(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 412.1(MH)。
【0171】
3−2:5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
エチルエステル3−1(145mg,0.35mmol)を、5mLのジオキサンに溶解して、過剰な飽和LiOH水溶液(0.5mL,飽和)で処理した。90分後、その反応物を分液漏斗に注ぎ、3mLの1NのHCl水溶液で酸性にした。その混合物を、EtOAc(3×2mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥して、濃縮し、カルボン酸3−2を白色固体として得た。H NMR(CDOD,300MHz):8.98(s,1H)、7.82(m,1H)、7.61−7.46(m,3H)、7.28(ddd,J=3.0,9.0,12.0Hz,1H)、6.91(m,1H)、6.03(d,J=3.9Hz,2H);MS(エレクトロスプレー):m/z 384.1(MH)。
【実施例4】
【0172】
【化18】

【0173】
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【0174】
【化19】

【0175】
4−1:エチル1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
キノロン1−3(5.19g,20.5mmol)を、50mLの無水DMFに溶解して、炭酸カリウム(8.2g,59.3mmol)、ヨウ化カリウム(11mg,0.07mmol)、及び2,6−ジフルオロベンジルクロライド(5.0g,30.8mmol)で処理した。室温で16時間後、この反応物をCeliteを通じて濾過し、その濾液を乾燥するまで濃縮した。エチルエステル4−1(10.27gの粗物質)を次の反応へと進めた。H NMR(CDCl,300MHz):8.40(s,1H)、7.30(m,2H)、6.96(m,3H)、5.62(s,2H)、4.35(q,2H)、1.37(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 380.1(MH)。
4−2:1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【0176】
エチルエステル4−1(≦20.5mmol)を、100mLの1:1のジオキサン/水に溶解して、LiOH(1.4g,58mmol)で処理した。1時間後、この反応物を、乾燥するまで濃縮して、5.37gの褐色の固体を得た。その粗物質をTFAモディファイアを用いて水/アセトニトリル勾配を用いる質量ガイドHPLCによって精製して、4−2を淡黄色の固体として得た。H NMR(DMSO−d,600MHz):14.60(s,1H)、9.24(s,1H)、7.81(ddd,J=4.2,9.0,13.8Hz,1H)、7.45(tt,J=6.6,7.8Hz,1H)、7.41(ddd,J=3.0,9.0,12.0Hz,1H)、7.13(m,2H)、6.03(s,2H);MS(エレクトロスプレー):m/z 352.0(MH)。
【実施例5】
【0177】
【化20】

【0178】
8−フルオロ−1−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【0179】
【化21】

【0180】
5−2:エチル8−フルオロ−1−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
市販のキノロン5−1(200mg,0.85mmol)(Acros Organics)を、2mLの無水DMFに溶解して、炭酸カリウム(353mg,2.55mmol)、ヨウ化カリウム(約10mg)、及び4−メトキシベンジルクロライド(136mg,0.867mmol)で処理した。室温で18時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液(約5mL)、続いて過剰の水を添加した。その沈殿物を濾過して、水で洗浄した。固体5−2を精製なしに次の工程に用いた。H NMR(CDCl,300MHz):8.52(s,1H)、8.35(m,1H)、7.32(m,2H)、7.10(d,J=8.4Hz,2H)、6.88(d,J=8.4Hz,2H)、5.48(s,2H)、4.40(q,2H)、3.75(s,3H)、1.41(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 356.0(MH)。
【0181】
5−3:8−フルオロ−1−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
エチルエステル5−2(148mg,0.42mmol)を3mLのジオキサンに溶解して、過剰の飽和LiOH水溶液(0.42mL,2.2mmol)で処理した。その混合物を50℃で30分間撹拌した。その反応物を分液漏斗に注ぎ、そして1mLの6NのHCl水溶液で酸性にした。その混合物をCHCl(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥して、濃縮し、カルボン酸5−3を白色固体として得た。H NMR(CDCl,300MHz):14.60(br s,1H)、8.83(s,1H)、8.37(m,1H)、7.55−7.45(m,2H)、7.11(d,8.4Hz,2H)、6.87(d,J=8.4Hz,2H)、5.61(s,2H)、3.78(s,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 328.0(MH)。
【実施例6】
【0182】
【化22】

【0183】
1−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【0184】
【化23】

【0185】
6−2:エチル1−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
市販のキノロン5−1(200mg,0.85mmol)(Acros Organics)を、2mLの無水DMFに溶解して、炭酸カリウム(353mg,2.55mmol)、ヨウ化カリウム(約10mg)、及び2,4−ジフルオロベンジルクロライド(141mg,mL,0.87mmol)で処理した。室温で18時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液(約5mL)、続いて過剰の水を添加した。この沈殿物を濾過して、水で洗浄した。固体6−2を、精製なしに次の工程に用いた。H NMR(CDOD,300MHz):8.71(s,1H)、8.13(d,J=8.1Hz,1H)、7.60−7.40(m,2H)、7.07−6.90(m,3H)、5.77(s,2H)、4.30(q,2H)、1.39(t,3H);MS(エレクトロスプレー):m/z 362.0(MH)。
【0186】
6−3:1−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
エチルエステル6−2(168mg,0.47mmol)を、3mLのジオキサンに溶解して、過剰の飽和LiOH水溶液(0.47mL,2.5mmol)で処理した。その混合物を50℃で30分間撹拌した。その反応物を、分液漏斗に注いで、1mLの6NのHCl水溶液で酸性にした。その混合物をCHCl(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥して、濃縮し、カルボン酸6−3を黄色固体として得た。H NMR(DMSO−d,300MHz):14.80(br s,1H)、8.73(s,1H)、7.97(d,J=8.4Hz,1H)、7.40−7.20(m,2H)、7.08−6.85(m,3H)、5.87(s,2H);MS(エレクトロスプレー):m/z 334.0(MH)。
【0187】
表2の以下の化合物を、必要に応じて適切なアニリン又はアルキル化剤を置き換えて、上記の実施例に概説される同じ手順によって調製した。必要な出発物質は市販されているか、文献に記載されているか、又は有機合成の当業者によって容易に合成された。
【0188】
【表2】

【0189】
【表3】

【0190】
【表4】

【0191】
【表5】

【0192】
【表6】

【0193】
【表7】

【0194】
【表8】

【0195】
【表9】

【0196】
【表10】

【0197】
【表11】

【0198】
【表12】

【0199】
【表13】

【0200】
【表14】

【0201】
【表15】

【0202】
【表16】

【0203】
【表17】

【0204】
【表18】

【0205】
【表19】

【0206】
【表20】

【0207】
【表21】

【0208】
【表22】

【0209】
以下の略号を本明細書全体を通じて用いる:
Me:メチル
Et:エチル
t−Bu:tert−ブチル
Ar:アリール
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
Ac:アセチル
aq:水性
h:時間(hour)
min:分(minute)
MOH:金属水酸化物
MH:金属水素化物
MWI:マイクロ波照射(microwave irradiation)
rt:室温
HPLC:高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography)
【0210】
本発明は、その特定の実施形態を参照して記載かつ例示されてきたが、当業者は、手順及びプロトコールの種々の適応、変化、改変、置換、欠失または付加が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得るということを理解する。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定され、そしてこのような特許請求の範囲は、合理的にできるだけ広義に解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II):
【化1】

[式中、
及びRが各々ハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)n−R、及び
(7)−OH、
からなる群より選択され、ここで、R及びRは、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリール基で置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは0、1又は2である]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、からなる群より選択され、
ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRが独立して、クロロ及びフルオロから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
及びRが両方ともフルオロである、請求項4の化合物。
【請求項6】
、R10、R11、R12及びR13のうちの1個以上がハロゲンである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
、R10、R11、R12及びR13のうちの2個以上がハロゲンである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
及びR13がハロゲンである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
10、R11及びR12が水素である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;1−(3,4−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;1−(2−シアノベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,5−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−ベンジル−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される請求項10に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
その塩が、リチウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びカリウム塩からなる群より選択される、請求項10又は11に記載の塩型の化合物。
【請求項13】
式(III):
【化2】

[式中、
がハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)−R、及び
(7)−OH、
からなる群より選択され、ここで、R及びRが、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
が、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mが、1、2又は3であり;及び
nが、0、1又は2である]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、からなる群より選択され、ここで、該R〜R13の基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
8−フルオロ−1−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,5−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[3−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−ベンジル−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,3−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,5−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,4−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2−シアノベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される、請求項13に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
式(IV):
【化3】

[式中、
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)−R及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びR
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;

(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリールからなる群より置換され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは、0、1又は2であり;
ただし、(i)R、R10、R11、R12及びR13のうちの少なくとも1つが水素ではなく、かつ(ii)R11が、メトキシであるとき、R、R10、R12及びR13が全てが水素ではない]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、
からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよく;
ただし、R、R10、R11、R12及びR13のうちの少なくとも1つが水素ではない、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ヒドロキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(4−フルオロベンジル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される、請求項16に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
式(V):
【化4】

[式中、
及びRが各々ハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13が、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)n−R、及び
(7)−OH、
からなる群より選択され、ここで、R及びR
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは、0、1又は2であり;
ただし、
(i)R、R10、R11、R12及びR13のうちの少なくとも1つが水素ではなく、
(ii)R及びR13がハロゲンであるとき、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、
(iii)R10及びR11がハロゲンであるとき、R、R12及びR13が全てが水素ではなく、
(iv)R11及びR12がハロゲンであるとき、R、R10及びR13が全てが水素ではなく、
(v)R11及びR13がハロゲンであるとき、R、R10及びR12が全てが水素ではなく、
(vi)R及びR13がハロゲンであるとき、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、
(vii)R10がメトキシ又はハロゲンであるとき、R、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、
(viii)R12がメトキシ又はハロゲンであるとき、R、R10、R11及びR13が全てが水素ではなく、
(ix)Rがハロゲンであるとき、R10、R11、R12及びR13が全てが水素ではなく、
(x)R13がハロゲンであるとき、R、R10、R11及びR12が全てが水素ではなく、かつ
(xi)R11がハロゲン、メチル、トリフルオロメチル又はニトロであるとき、R10、R11、R12及びR13が全てが水素ではない]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノ、
からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
7−クロロ−6−フルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される、請求項19に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
式(VI):
【化5】

[式中、
がハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)n−R、及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びRが、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mは1、2又は3であり;及び
nは、0、1又は2であり;
ただし、(i)R、R10、R11、R12及びR13のうちの少なくとも1つが水素ではなく、かつ(ii)Rがクロロであり、かつR11がフルオロであるとき、R、R10、R12及びR13が全てが水素ではない]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノ、
からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
7−クロロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(3,4−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(2−シアノベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される、請求項22に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
式(VII):
【化6】

[式中、
がハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)−R、及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びRが、
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基が、1個以上のアリールで置換されてもよく;

(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基が、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルが、1個以上のハロで置換されてもよく;
mが1、2又は3であり;及び
nが、0、1又は2であり、
ただし、R、R10、R11、R12及びR13の少なくとも1つが水素でない]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノからなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基が1個以上のハロゲンで置換されてもよい、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
6−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される請求項23に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
式(VIII):
【化7】

[式中、
がハロゲンであり;
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、
(4)−R
(5)−O−R
(6)−S(O)−R、及び
(7)−OH、からなる群より選択され、ここで、R及びR
(a)−C1−6アルキル、及び
(b)−(CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該R及びRのアルキル又はアリール基は、1個以上のアリールで置換されてもよく;
が、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基が、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルが、1個以上のハロで置換されてもよく;
mが1、2又は3であり;及び
nが、0、1又は2である]
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
、R10、R11、R12及びR13が独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、及び
(5)シアノ、からなる群より選択され、ここで、該R〜R13のアルキル基は、1個以上のハロゲンで置換されてもよい、請求項28に記載化合物。
【請求項30】
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、からなる群より選択される、請求項28に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
アルツハイマー病、疼痛障害又は睡眠障害を治療する方法であって、式(I):
【化8】

[式中、
が、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(4)−CH−C3−7シクロアルキル、
(5)−CH−アリール、及び
(6)−CH−ヘテロアリール、からなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、
(c)−R
(d)−O−R、又は
(e)−S(O)−Rで置換されてもよく;
、R、R及びRは各々独立して、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(4)ハロゲン、
(5)シアノ、
(6)−O−R、及び
(7)−S(O)−R
からなる群より選択され、ここで、該アルキル又はシクロアルキルは、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく;
及びRが、
(1)−C1−6アルキル、及び
(2)−(CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換されてもよく、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;

(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−CH−アリールからなる群より選択され、ここで、該Rのアルキル又はアリール基は、1個以上の
(a)ハロゲン、
(b)シアノ、又は
(c)−O−C1−6アルキルで置換され、ここで、該アルキルは、1個以上のハロで置換されてもよく;
mが1、2又は3であり;及び
nが、0、1又は2である]
の化合物又はその薬学的に許容される塩、或いはそのエナンチオマー又はジアステレオマーの治療上有効な量をその必要な患者に対して投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
及びRが各々ハロゲンであり、かつR及びRが各々水素である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
及びRが各々ハロゲンであり、かつR及びRが各々水素である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
(1)R、R及びRが各々水素であり、かつRがハロゲンであるか;又は
(2)R及びRが各々ハロゲンであり、かつR及びRが各々水素であるか;又は
(3)Rがハロゲンであり、かつR、R及びRが各々水素である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
が水素である、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記化合物が、式(IA):
【化9】

[式中、
、R、R及びRが、請求項1に定義されるとおりであって、かつR9a及びR9b
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)ヒドロキシル、及び
(6)シアノ、からなる群より独立して選択され、ここで、該R9a又はR9bのアルキル基が、1個以上のハロゲンで置換されてもよい]
の化合物又はその薬学的に許容される塩、或いはその個々のエナンチオマー又はジアステレオマーである、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
式(I)の化合物が、
1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2−シアノベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(3,4−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
7−クロロ−1−(2−シアノベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
6−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−(ピリジン−3−イルメチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,5−ジフルオロベンジル)−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5,8−ジフルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−ベンジル−5,8−ジフルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,5−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[3−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−(3−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(3,4,5−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−ベンジル−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,3−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−1−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,5−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,4−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
8−フルオロ−4−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2−シアノベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
4−オキソ−1−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ヒドロキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−1−(4−フルオロベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−メトキシベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
5−フルオロ−4−オキソ−1−(2,4,6−トリフルオロベンジル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;
1−[4−(4−フルオロベンジル)ベンジル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸;及び
4−オキソ−1−[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、並びにその薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
アルツハイマー病、疼痛障害及び睡眠障害からなる群より選択される疾患又は障害の治療用医薬の製造のための請求項31に記載の式(I)の化合物の使用であって、式(I)の化合物と薬学的に許容される担体とを組み合わせる工程を包含する、前記使用。
【請求項39】
請求項1〜30のいずれか1項記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項40】
アルツハイマー病、疼痛障害及び睡眠障害からなる群より選択される疾患又は障害の治療用医薬の製造のための請求項1〜30のいずれか1項記載の化合物の使用であって、請求項1〜30のいずれか1項記載の化合物と薬学的に許容される担体とを組み合わせることを含む、前記使用。

【公表番号】特表2009−518309(P2009−518309A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543538(P2008−543538)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/046262
【国際公開番号】WO2007/067489
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【出願人】(390035482)メルク シャープ エンド ドーム リミテッド (81)
【Fターム(参考)】