説明

キーシート

【課題】正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力と、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力とを可能にするキーシートの提供。
【解決手段】押圧操作部2cの下方位置にあたる部分には固着層4が形成され、押圧操作部2cの周囲の部分には固着層4がなく隙間12が形成されているので、押圧入力操作の際には押圧操作荷重を低く抑えることができ、クリック感を有する接点スイッチSWを押圧した際にはクリック感を伝わり易くできる。さらに表面シート2は、摺動入力操作の際に隙間12内に入り込みセンサシート3に対して接触可能に変位する可動接触部2dを有するため、センサシート3における摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、ノートパソコンなど、携帯型の各種電子機器の操作部に使用する押釦スイッチ用のキーシートに関する。特に押圧して入力する押釦(キートップ)とその押釦の表面を指で撫でて入力する際に指の軌道を検出する座標センサとを有するキーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PDAなどの電子機器における入力操作部では、操作者の指などで押圧操作して入力する複数のキートップと、それらキートップの天面で構成される操作面上を指で撫でて手書き入力する際に指の軌道を検出する座標センサと、を有するキーシートを用いたスイッチが知られている。例えば、特許文献1には、表面側に膨出するキートップを設けたキーマットとそのキーマットの裏面側に座標センサとして静電容量感知プレートを配置したキーパッドが開示されている。このキーパッドは、キートップを押圧すれば押釦スイッチのように押圧操作入力でき、複数のキートップの天面で構成される操作面上を指で撫でればタッチパッドのように摺動操作入力できるものとして使用することができる。
【特許文献1】特開2002−196856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1の座標センサは、指の軌跡を座標位置における静電容量の変化から感知して入力データに変換するもので、直接センサに触れずに薄いカバーや薄いキートップを介して摺動操作入力されても座標位置を検出することができる。しかしながら、押圧操作入力の際に押圧荷重が高いためクリック感が伝わり難く、押圧操作性がわるいという課題がある。
【0004】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。すなわち本発明の目的は、正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力と、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力とを可能にするキーシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく本発明は以下のような構成を提供する。
【0006】
(1)本発明の第1の構成は、ユーザが摺動入力操作を行う摺動操作面に複数の押圧操作部を有する操作部材と、ユーザの摺動入力操作を静電容量の変化として感知するセンサシートと、を備えるキーシートについて、押圧操作部の下方位置に設けられ、操作部材とセンサシートの間に介在して摺動操作面の面直方向に沿って隙間のない積層構造を形成する固着層をさらに備えており、前記操作部材は、押圧操作部間の隣接位置に、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する可動接触部を有することを特徴とするキーシートを提供する。
【0007】
第1の本発明では、操作部材とセンサシートとを固着する固着層が、各押圧操作部の下方位置に設けられている。従来技術のように、操作部材とセンサシートとの対向面の全面を接着層で固着すると、押圧操作の際に全面にわたって相互に固着する操作部材、接着層、及びセンサシートを積層状態で撓ませる荷重が必要となるため、押圧荷重が高くなり押圧操作をし難くなる。さらにこのように高い押圧荷重を必要とする場合には、クリック感を有する接点スイッチを押圧した際にクリック感が伝わり難くなり押圧操作性が悪くなる。
しかしながら第1の本発明では、操作部材とセンサシートとの間のうち押圧操作部の下方位置にあたる部分については固着層が形成されており、その他の部分については固着層がなく隙間が形成されているので、押圧操作荷重を低く抑えることができる。さらにクリック感を有する接点スイッチを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力を実現することができる。
【0008】
ところで、摺動入力操作において静電容量を感知する際には摺動操作面を有する操作部材とセンサシートとの間に隙間(空気層)があると、その部分におけるセンサシートによる静電容量の感知にバラツキを生じることがある。第1の本発明では、操作部材における押圧操作部の下方位置に固着層があり隙間のない積層構造が形成されているので静電容量の感知を感度良く行えるが、押圧操作部間の下方位置には押圧操作した際に押圧荷重を低減するために固着層のない隙間を形成している。しかし操作部材における押圧操作部間の隣接位置には、摺動入力操作の際にその隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する可動接触部を有する。このため、摺動入力操作の際に操作部材とセンサシートとの間の隙間を無くすことができ、センサシートにおける摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0009】
(2)前記第1の構成によるキーシートについては、操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、操作部材の可動接触部を、ベースシートにおけるキートップの非固着部とすることができる。
このようにすれば、押圧操作部が立体形状のキートップとなるため、摺動操作面における各押圧操作部は個別のキートップごとに指の触感で伝わり易くすることができ、押圧操作部が分かり易い摺動操作面とすることができる。よって押圧操作性の良好なキーシートを実現することができる。
【0010】
前記第1の構成におけるキーシートについては、固着層における操作部材やセンサシートとの固着面積を、押圧操作部の面積に対する25%〜100%とすることができる。
このようにすれば、押圧操作の際にセンサシートの撓み部分を増やすことができ、押圧荷重を小さくすることができる。よってクリック感を有する接点スイッチを押圧した場合にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性を実現することができる。なお、固着層の操作部材やセンサシートに対する固着面積を押圧操作部に対して25%未満にすると、操作部材とセンサシートとの固着強度が弱くなり両者が剥離し易くなるおそれがある。100%を超えると押圧操作部を押圧した際にセンサシートにおける押圧操作部どうしの間の固着層がセンサシートを変形し難く拘束して、押圧荷重が増加するおそれがある。
【0011】
さらに前記第1の構成によるキーシートについては、具体的には以下のような形態として実施することができる。
(3)第1形態は、操作部材が、隣合わせで狭間配置した押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、操作部材の可動接触部は、ベースシートにおけるキートップの非固着部であり、該非固着部は、ユーザの摺動入力操作に伴うキートップの外周縁部の押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位するキーシートとすることができる。
このようにすれば、キートップを狭間配置したキーシートについて、良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0012】
(4)第2形態は、操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートと、キートップ間を仕切るようにベースシートに固着する装飾部材とを備えており、操作部材の可動接触部が、ベースシートにおける装飾部材の固着面部であり、該固着面部は、ユーザの摺動入力操作に伴う装飾部材の押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位するキーシートとすることができる。
このようにすれば、キートップと同様の加飾を施すことができる装飾部材を備えたキーシートについて、良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0013】
(5)ここで前記第2形態のキーシートについては、装飾部材を、その天面がキートップの天面に対して突出するものとすることができる。
このようにすれば、装飾部材をセンサシートに向かって沈み易くすることができ、摺動入力操作の際に装飾部材の下方位置の隙間内に可動接触部を入り込み易くすることができる。よって摺動入力操作の際に操作部材とセンサシートとの間の隙間を無くすことができ、センサシートにおける静電容量の感知を正確に行うことができる。
【0014】
(6)第3形態は、操作部材が、押圧操作部として文字、数字等の入力操作用の表示部を有する可撓性のフィルムキーシートを備えており、操作部材の可動接触部が、フィルムキーシートにおける表示部と表示部との隣接部分であり、該隣接部分は、ユーザの摺動入力操作に伴う押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位するキーシートとすることができる。
このようにすれば、フィルムキーシートでなる摺動操作面を有するキーシートについて、良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0015】
(7)本発明の第2の構成は、ユーザが摺動入力操作を行う摺動操作面に複数の押圧操作部を有する操作部材と、ユーザの摺動入力操作を静電容量の変化として感知するセンサシートと、を備えるキーシートについて、隣合う押圧操作部間の下方位置に設けられ、操作部材とセンサシートの間に介在して摺動操作面の面直方向に沿って隙間のない積層構造を形成する固着層をさらに備えており、前記操作部材は、押圧操作部の対応位置に、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する可動接触部を有することを特徴とするキーシートを提供する。
【0016】
第2の本発明では、操作部材とセンサシートとを固着する固着層が、隣合う押圧操作部間の下方位置に設けられている。このように操作部材とセンサシートとの対向面のうち隣合う押圧操作部間の下方位置にあたる部分については固着層が形成されており、押圧操作部の下方については固着層がなく隙間が形成されているので押圧荷重を低く抑えることができる。さらにクリック感を有する接点スイッチを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力を実現することができる。
【0017】
そして第2の本発明では、隣合う押圧操作部間の下方位置には固着層があり隙間のない積層構造が形成されているので、静電容量の感知を感度良く行えるが、押圧操作部の下方位置には、押圧操作した際に押圧荷重を低減するために、固着層のない隙間を形成している。しかし操作部材における押圧操作部の対応位置には、摺動入力操作の際にその隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する可動接触部を有する。このため、摺動入力操作の際に操作部材とセンサシートとの間の隙間を無くすことができ、センサシートにおける摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0018】
(8)本発明の前記第2の構成におけるキーシートについては、操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、操作部材の可動接触部が、ベースシートにおけるキートップの固着面部とすることができる。
このようにすれば、押圧操作部が立体形状のキートップとなるため、摺動操作面における各押圧操作部は個別のキートップごとに指の触感で伝わり易くすることができ、押圧操作部が分かり易い摺動操作面とすることができる。よって押圧操作性の良好なキーシートを実現することができる。
【0019】
さらに前記第2の構成によるキーシートについては、具体的には以下のような形態として実施することができる。
(9)第1形態は、操作部材が、隣合わせで狭間配置した押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、操作部材の可動接触部は、ベースシートにおけるキートップの固着面部であり、該固着面部は、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位するキーシートとすることができる。
このようにすれば、キートップを狭間配置したキーシートについて、良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0020】
(10)前記第1形態のキーシートについては、キートップの底面の外周縁部に切欠き状の段部を設け、該段部は、ユーザの摺動入力操作によるベースシートの前記固着面部の変位とともにベースシートにおけるキートップ間の隣接部分に対して接触可能に変位して前記積層構造の一部を形成するものとすることができる。
このようにすれば、可動接触部として固着面部における積層構造の形成のみならず、狭間配置したキートップの外周縁部においても段部がベースシートに対して接触して隙間のない積層構造を形成することができる。このため静電容量を感度良く感知することができる。
【0021】
(11)第2形態は、操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートと、キートップ間を仕切るようにベースシートに固着して前記積層構造の一部を形成する装飾部材とを備えており、操作部材の可動接触部が、ベースシートにおけるキートップの固着面部であり、該固着面部は、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位するキーシートとすることができる。
このようにすれば、キートップと同様の加飾を施すことができる装飾部材を備えたキーシートについて、良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0022】
(12)第3形態は、操作部材が、押圧操作部として文字、数字等の入力操作用の表示部を有する可撓性のフィルムキーシートを備えており、操作部材の可動接触部が、フィルムキーシートの表示部であり、該表示部は、ユーザの摺動入力操作に伴う押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位するキーシートとすることができる。
このようにすれば、フィルムキーシートでなる摺動操作面を有するキーシートについて、良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0023】
(13)以上の本発明のキーシートについては、固着層を、ユーザの摺動入力操作による操作部材の可動接触部の変位に伴って圧縮変形可能な軟質材層とすることができる。
このようにすれば、可動接触部の変位に伴って固着層の層端部分が突っ張らずに柔らかく圧縮変形するため、センサシートに対して可動接触部を変位させて接触させるのに必要なユーザの摺動入力操作の操作力を低減することができる。
【0024】
(14)以上の本発明のキーシートについては、操作部材が、内部光源の光が透過する透光性を有する照光式操作部材であり、固着層を、内部光源からの光を導光する導光性を有する接着剤層又は粘着剤層とすることができる。
このようにすれば、固着層が内部光源の光を導光して直接操作部材に伝えることができ、操作部材を明るく照光することができる。特に、第1の構成によるキーシートの場合は、押圧操作部の下方位置に固着層を備えるので、内部光源の光を直接押圧操作部に伝えることができ、押圧操作部を明るく照光することができる。
【0025】
また、押圧操作部の下方位置に個別の固着層を備える第1構成の場合は、各固着層を繋ぐ連結部を設ける形態とすることができる。このようにすれば連結部を導光路とすることができ、各固着層に連結部を通して内部光源からの光を導くことができる。
さらに、前記固着層については、複数の押圧操作部にわたって備える形態とすることができる。このようにすれば1つの固着層で複数の押圧操作部を照光することができる。
【0026】
(15)以上の本発明のキーシートについては、操作部材が、内部光源の光が透過する透光性を有する照光式操作部材であり、センサシートが、内部光源の光が透過する透光性の基材シートと、基材シートに透光性導電塗料にて形成した透光性の回路印刷層とを有するものとすることができる。
このようにすれば、センサシートを内部光源の光が透過して摺動操作面の全面を効果的に照光することができる。
【0027】
(16)以上の本発明のキーシートについては、操作部材が、内部光源の光が透過する透光性を有する照光式操作部材であり、センサシートが、内部光源の光を導光する導光性を有する基材シートを備えており、表面が操作部材と対面する基材シートの裏面に、回路印刷層と絶縁層とを交互に積層してなる静電容量の感知回路層を有するものとすることができる。
このようにすれば、基材シートが導光板となるためセンサシートに導光機能を付加することができ、センサシートを内部光源の光が透過して摺動操作面の全面を効果的に照光することができる。また、センサシートの基材シートが内部光源の光を直接固着層に伝えることができ、操作部材を明るく照光することができる。
【0028】
(17)以上の本発明のキーシートについては、センサシートの裏面における押圧操作部の対応位置に、型成形により該裏面に一体固着する成形押し子部を備えることができる。
このようにすれば、センサシートの裏面側に接点スイッチを配置した場合に、成形押し子部を有するためその接点スイッチを確実に押圧することができ、正確な押圧操作入力をすることができる。
また、複数の押し子をシートに一体形成した押し子シートを別部材として積層する技術に比べ、薄型化することができ、さらに部品点数を削減することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のキーシートによれば、操作部材とセンサシートとの間のうち押圧操作部の下方位置にあたる部分については固着層が形成されており、その他の部分については固着層がなく隙間が形成されているので押圧操作荷重を低く抑えることができる。さらにクリック感を有する接点スイッチを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力が可能なキーシートを実現することができる。
さらに摺動入力操作の際にその隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する可動接触部を有するため、摺動入力操作の際に操作部材とセンサシートとの間の隙間を無くすことができ、センサシートにおける摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力が可能なキーシートを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する構成、材質については重複説明を省略する。
【0031】
第1実施形態〔図1〜図5〕
第1実施形態のキーシート1は、「操作部材」としての表面シート2と、センサシート3と、固着層4と、を備えている。
【0032】
部材構成の説明
表面シート2は透明であり、可撓性のフィルムで形成されている。この表面シート2の表面2aを摺動操作面としてあり、裏面2bには数字、文字、記号、模様など表示部を示す印刷層5が積層してある。そして表面シート2には指などによって押圧操作を受ける複数の押圧操作部2cを有しており、印刷層5によって押圧操作部2cごとに数字、文字などの機能が表示されている。このような表面シート2の硬度はJIS K6253に準拠するタイプAデュロメータで50〜99、厚さは0.01mm〜0.2mmであることが好ましい。印刷層5は、単層構成又は複層構成とすることができる。例えば、単層構成とする場合は、抜き文字状の層を裏面2bに形成しこの層による背景と抜け部分による文字形状によって表示部を表すことができる。複層構成とする場合は、裏面2bに抜き文字状の第1層とその裏面側から抜き文字部分に露出する異色の第2層を積層し、第1層による背景と第2層による文字形状によって表示部を表すことができる。他の複層構成では、裏面2bに文字状の第1層とその裏面側から全面に露出する異色の第2層を積層し、第1層による文字形状と第2層による背景によって表示部を表すことができる。
【0033】
センサシート3は透光性の樹脂フィルムでなる基材シート6に、実質上相互に直交する方向に伸びる縞状の電極7,8を透光性の「回路印刷層」として形成してあり、静電容量を感知するものである。このセンサシート3に指を近接させると静電容量値が変化し、指の座標位置を検出することができる。
具体的には2つの構成があり、第1の構成は、基材シート6の表面6aに縞状の電極7を形成し、裏面6bには電極7と実質上直交する縞状の電極8を形成し、各電極7,8の外面をレジスト層9,9で被覆したものである(図3)。第1の構成の場合、後述の固着層4が固着するセンサシート3の表面3a側のレジスト層9とは反対の裏面3b側のレジスト層9における外面の固着層4との対応位置に凹凸面を形成することができる。このようにればキーシート1をバックライト照光式とした場合に、センサシート3の内部に入射した光を凹凸面によって反射させて固着層4へ導き易くすることができる。よって表面シート2を明るく照光することができる。
第2の構成は、基材シート6の片面(裏面6b)に縞状の電極7を形成し、そして絶縁層10を挟んで実質上相互に直交する縞状の電極8を形成し、さらにその外面をレジスト層9で被覆したものである(図4)。第2の構成の場合、後述の固着層4が固着するセンサシート3の表面3aが基材シート6の表面6aとなるため、キーシート1をバックライト照光式とした場合に、センサシート3の基材シート6が内部光源の光を直接固着層4に伝えることができ、表面シート2を明るく照光することができる。
このようなセンサシート3の裏面3b(回路基板Pとの対向面)側には、表面シート2の押圧操作部2cと対応する位置に図外の接点スイッチを押圧できる型形成した成形押し子部11が設けられている(図2)。
【0034】
固着層4は透光性の粘着剤でなり、表面シート2の裏面2bに設けた印刷層5の裏面に対して各押圧操作部2cの下方位置に設けられている。この固着層4は押圧操作部2cと同等の大きさで表面シート2とセンサシート3とを固着している。このため押圧操作部2c間の下方位置には固着層4がない隙間12を形成している。前述した表面シート2には、後述するように摺動入力操作の際にこの隙間12に入り込みセンサシート3に対して接触可能に変位する可動接触部2dが設けられている。
【0035】
材質の説明
ここでキーシート1の構成部材の材質について説明する。なお、以下の説明は後述の各実施形態についても共通である。
表面シート2の材質は可撓性を有する軟質の樹脂フィルムやゴム状弾性体が用いられる。軟質の樹脂フィルムでは、具体的にJISK7311に基づく100%モジュラス(伸び100%時の引張応力)が100MPa以下と柔軟な材料であることが好ましい。例えばポリウレタン樹脂の他、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂などの単一材又は複合材が挙げられる。これらのうち他の材質よりも薄く柔軟で破断し難いポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが好適である。ゴム状弾性体では、熱硬化性エラストマー又は熱可塑性エラストマーが好ましい。例えば温度依存性が少ない点を考慮するとシリコーンゴムが好ましく、また耐久性を考慮するとスチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0036】
センサシート3を構成している基材シート6の材質は、押圧操作時には変形するだけの可撓性があり、かつ押圧操作を解除すれば復元する復元力(反発力)がある、張りのある樹脂フィルムが用いられる。例えばポリエチレンテレフタレート樹脂の他、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリケトン樹脂、液晶ポリマーなどの単一材又はこれらの複合材などが挙げられる。そして本実施形態のように透光性の基材シート3aを用いれば、所謂バックライト照光式のキーシートとすることができる。
【0037】
センサシート3を構成している電極7,8の材質は、金属箔、導電塗膜、透明導電塗膜などが用いられる。金属箔では、例えば銅、金、アルミニウムが挙げられる。導電塗料では、例えば銀やカーボンなどの導電粒子を分散した高分子塗膜が挙げられる。透明導電塗膜では、例えばインジウム−錫酸化物(以下、「ITO」という。)、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリピロール系導電性高分子、ポリパラフェニレン系導電性高分子などが挙げられる。特に、透明導電塗膜を使用すれば、バックライト照光式のキーシートとした場合に、表面シート2を明るく照光することができる。
【0038】
センサシート3を構成しているレジスト層9や絶縁層10の材質は、絶縁性の樹脂が用いられる。例えばポリエステル系樹脂、塩酢ビ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
【0039】
固着層4は本実施形態で採用する粘着剤の他、接着剤、或いは粘着剤を用いた両面テープなどを用いることができる。粘着剤では、例えばアクリル系、ウレタン系、シリコーン系などが挙げられる。接着剤では、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、湿気硬化性接着剤、ホットメルト接着剤などを用いることができる。
【0040】
成形押し子部11は型成形したものであり、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0041】
製造方法の説明
次に第1実施形態のキーシート1の製造方法の一例を説明する。
先ず表面シート2の裏面2bに数字などを示す印刷層5をスクリーン印刷で施した後、押圧操作部2cとの対応位置に固着層4をスクリーン印刷で形成する。他方、基材シート6に電極7,8、レジスト層9などをスクリーン印刷で形成してセンサシート3を得る。そして液状の光硬化性樹脂を塗布した透明型をこのセンサシート3の裏面3bと重ね合わせて透明型側から光を照射し、光硬化性樹脂の硬化と同時にセンサシート3の裏面3bに成形押し子部11を一体固着する。最後に表面シート2に形成した固着層4とセンサシート3の表面3aを固着し、キーシート1を得ることができる。
【0042】
入力操作の説明
次に、第1実施形態のキーシート1における入力操作について説明する。
キーシート1は、押圧操作部2cを押圧する押圧入力操作と、表面シート2の表面2aを撫でて入力する摺動入力操作との両操作を行うことができる。
このうち押圧入力操作は、表面シート2の押圧操作部2cを押圧すると、固着層4とセンサシート3が押圧され、センサシート3の裏面3bに設けた成形押し子部11が接点スイッチSWを押圧して入力される。
他方、摺動入力操作は、表面シート2の表面2aを指で撫でると指の軌跡をセンサシート3が静電容量値の変化から感知し、座標位置として検出して入力される。なお、指が表面シート2の表面2a上を通る時にその指の下方位置に隙間12がある場合は、摺動入力操作時の指の押圧によって表面シート2の可動接触部2dがその隙間12に入り込み、隙間12は潰される(図5)。
【0043】
作用・効果の説明
本実施形態のキーシート1の作用効果について説明する。
(1)キーシート1によれば、押圧操作部2cの下方位置にあたる部分については固着層4が形成されており、押圧操作部2cの周囲の部分については固着層4がなく隙間12が形成されているので、押圧入力操作の際には押圧操作荷重を低く抑えることができる。
(2)さらにクリック感を有する接点スイッチSWを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力が可能なキーシート1を実現することができる。
【0044】
(3)表面シート2は、摺動入力操作の際に隙間12内に入り込みセンサシート3に対して接触可能に変位する可動接触部2dを有するため、摺動入力操作の際に表面シート2とセンサシート3との間の隙間12を無くすことができ、センサシート3における摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力が可能なキーシート1を実現することができる。
【0045】
(4)操作部材が表面シート2でなるため、平坦な摺動操作面を有するキーシート1とすることができ、前記のような良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0046】
(5)固着層4を透光性の粘着剤で形成しているため、照光式キーシート1とした場合には、押圧操作部2cの下方位置に固着層4を備えるので、固着層4が内部光源の光を導光して直接押圧操作部2cに伝えることができ、押圧操作部2cを明るく照光することができる。
【0047】
(6)センサシート3を透光性の基材シート6や透光性の電極7,8などで形成しているため、センサシート3を内部光源の光が透過して表面シート2における表面2aの全面を効果的に照光することができる。
【0048】
(7)センサシート3の裏面3bにおける押圧操作部2cの対応位置に一体固着する成形押し子部11を備えるため、センサシート3の裏面3b側に接点スイッチSWを配置した場合に、その接点スイッチSWを確実に押圧することができ、正確な押圧操作入力をすることができる。
(8)また、複数の押し子をシートに一体形成した押し子シートを別部材として積層する技術に比べ、薄型化することができ、さらに部品点数を削減することができる。
【0049】
第1実施形態の変形例〔図6,図7〕
第1実施形態のキーシート1では、固着層4を押圧操作部2cの下方位置に設け、表面シート2における押圧操作部2c間の隣接位置に可動接触部2dを有する例を示したが、変形例のキーシート13では、固着層14を隣合う押圧操作部2c間の下方位置に設け、表面シート2における押圧操作部2cの対応位置に可動接触部2dを有するものとすることができる。
このようにすれば、隣合う押圧操作部2c間の下方位置にあたる部分については固着層14が形成されており、押圧操作部2cの下方については固着層14がなく隙間12が形成されているので押圧荷重を低く抑えることができる。さらにクリック感を有する接点スイッチSWを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力を実現することができる。
さらに表面シート2における押圧操作部2cの対応位置に可動接触部2dを有するため、摺動入力操作の際に隙間12を無くすことができ(図7)、センサシート3における摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0050】
第2実施形態〔図8〜図10〕
第2実施形態のキーシート15が第1実施形態のキーシート1と異なるのは、「操作部材」としてキートップ16と装飾部材17とベースシート18とを備え、表面シート2を取り除いた点である。それ以外の構成はキーシート1と同じである。
【0051】
部材構成の説明
キートップ16は透明な硬質樹脂でなり、略直方体に形成されている。このキートップ16が個別の「押圧操作部」を形成しており、複数のキートップ16の天面16aで摺動操作面を構成している。そしてキートップ16の天面16a又は底面16bには数字などを示す表示部が設けられている。このようなキートップ16の底面16bが、後述するベースシート18の表面18aに固着してある。
【0052】
装飾部材17は硬質樹脂で形成され、キートップ16間を仕切るように後述するベースシート18の表面18aに対して接着剤19で固着してある。この装飾部材17の天面17aはキートップ16の天面16aより上方に突出して形成されている。
【0053】
ベースシート18は透光性を有する可撓性のシートに形成されている。そして前述のキートップ16と装飾部材17を、摺動操作面の面直方向に沿って押圧変位可能に支持している。このようなベースシート18の硬度はJIS K6253に準拠するタイプAデュロメータで50〜99、厚さは0.01mm〜0.2mmであることが好ましい。
【0054】
キーシート15では、固着層4はベースシート18の裏面18bに対して各キートップ16の下方位置に設けられている。この固着層4のベースシート18やセンサシート3との固着面積は、キートップ16のベースシート18との固着面積に対して25%以上100%未満と小さくしてある。このためキートップ16間の下方位置には固着層4がない隙間12を形成され、前述したベースシート18には、後述するように摺動入力操作の際にこの隙間12に入り込みセンサシート3に対して接触可能に変位する装飾部材17の固着面部18cが「可動接触部」として設けられている。
【0055】
材質の説明
ここでキーシート15の構成部材の材質について説明する。なお、以下の説明は後述の各実施形態についても共通である。
キートップ16及び装飾部材17の材質は、機械的強度や耐久性、軽量化等の要求により、熱可塑性樹脂又は反応硬化性樹脂が用いられることが好ましい。これらの樹脂には、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル共重合樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。さらにこれらの硬質樹脂のうち加工性を考慮すると、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリル共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂が好ましく、また透明性を考慮すると、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリル共重合樹脂が好ましい。
【0056】
ベースシート18の材質は、軟質樹脂フィルムやゴム状弾性体が用いられる。具体的には、JISK7311に基づく引張伸度が400%以上と伸び易く、同じくJISK7311に基づく100%モジュラス(伸び100%時の引張応力)が100MPa以下と柔軟な材料であることが好ましい。軟質樹脂フィルムでは、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂などの単一材又は複合材が挙げられる。これらのうち他の材質よりも薄く柔軟で破断し難いポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの樹脂やシリコーンゴムなどが好適である。ゴム状弾性体では、反撥性のよい熱硬化性エラストマー又は熱可塑性エラストマーが好ましい。特に、温度依存性が少ない点を考慮するとシリコーンゴムが好ましく、また耐久性を考慮するとスチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0057】
製造方法の説明
次に第2実施形態のキーシート15の製造方法の一例を説明する。
先ず射出成形にてキートップ16を形成し、天面16a又は底面16bに表示部を施す。このキートップ16をベースシート18の成形金型にインサートし、ベースシート18の成形と同時にキートップ16を一体に固着する。その後キートップ16とは別に射出成形した装飾部材17をキートップ16間を仕切るようにベースシート18の表面18aに対して接着剤19で固着し、ベースシート18の裏面18bにおけるキートップ16との対応位置に固着層4をスクリーン印刷で形成する。他方、基材シート6に電極7,8、レジスト層9などをスクリーン印刷で形成してセンサシート3を得て、そのセンサシート3の裏面3bに成形押し子部11を一体固着する。最後にベースシート18に形成した固着層4とセンサシート3の表面3aを固着し、キーシート15を得ることができる。なお、キートップ16をベースシート18と一体に固着する際に、キートップ16の底面16bに予めプライマーなどを塗布しておき、固着力を高めることができる。
【0058】
入力操作の説明
次に、第2実施形態のキーシート15における入力操作について説明する。
キーシート15は、キートップ16を押圧する押圧入力操作と、キートップ16の天面16a及び装飾部材17の天面17aを撫でて入力する摺動入力操作との両操作を行うことができる。
このうち押圧入力操作は、キートップ16を押圧すると、固着層4とセンサシート3が押圧され、センサシート3の裏面3bに設けた成形押し子部11が接点スイッチSWを押圧して入力される。
他方、摺動入力操作は、キートップ16の天面16a及び装飾部材17の天面17aを指で撫でると指の軌跡をセンサシート3が静電容量値の変化から感知し、座標位置として検出して入力される。なお、指が装飾部材17の天面17aを通る時にその指の下方位置に隙間12があるが、摺動入力操作時の指の押圧によって装飾部材17が沈んでベースシート18における「可動接触部」としての固着面部18cがその隙間12に入り込み、隙間12は潰される(図10)。
【0059】
作用・効果の説明
第2実施形態のキーシート15の作用効果について説明する。
(1)キーシート15によれば、キートップ16の下方位置にあたる部分については固着層4が形成されており、キートップ16の周囲の部分については固着層4がなく隙間12が形成されているので、押圧入力操作の際には押圧操作荷重を低く抑えることができる。
(2)さらにクリック感を有する接点スイッチSWを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力が可能なキーシート15を実現することができる。
【0060】
(3)ベースシート18は、摺動入力操作の際に隙間12内に入り込みセンサシート3に対して接触可能に変位する固着面部18cを有するため、摺動入力操作の際にベースシート18とセンサシート3との間の隙間12を無くすことができ、センサシート3における摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力が可能なキーシート15を実現することができる。以上より、キートップ16と同様の加飾を施すことができる装飾部材17を備えたキーシート15についても、良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0061】
(4)押圧操作部を立体形状のキートップ16としたため、摺動操作面における各押圧操作部は個別のキートップ16ごとに指の触感で伝わり易くすることができ、押圧操作部が分かり易い摺動操作面とすることができる。よって押圧操作性の良好なキーシート15を実現することができる。
【0062】
(5)固着層4におけるベースシート18やセンサシート3との固着面積を、キートップ16のベースシート18に対する固着面積の25%以上100%未満としたため、押圧操作の際にセンサシート3の撓み部分を増やすことができ、押圧荷重を小さくすることができる。よってクリック感を有する接点スイッチSWを押圧した場合にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性を実現することができる。
【0063】
(6)装飾部材17の天面17aがキートップ16の天面16aに対して突出するため、装飾部材17をセンサシート3に向かって沈み易くすることができ、摺動入力操作の際に装飾部材17の下方位置の隙間12内に固着面部18cを入り込み易くすることができる。よって摺動入力操作の際に操作部材17とセンサシート3との間の隙間12を容易に無くすことができ、センサシート3における静電容量の感知を正確に行うことができる。
【0064】
(7)固着層4を透光性の粘着剤で形成しているため、照光式キーシート15とした場合には、キートップ16の下方位置に固着層4を備えるので、固着層4が内部光源の光を導光してキートップ16に伝えることができ、キートップ16を明るく照光することができる。
【0065】
(8)センサシート3を透光性の基材シート6や透光性の電極7,8などで形成しているため、センサシート3を内部光源の光が透過してキートップ16を効果的に照光することができる。
【0066】
(9)センサシート3の裏面3bにおけるキートップ16の対応位置に一体固着する成形押し子部11を備えるため、センサシート3の裏面3b側に接点スイッチSWを配置した場合に、その接点スイッチSWを確実に押圧することができ、正確な押圧操作入力をすることができる。
(10)また、複数の押し子をシートに一体形成した押し子シートを別部材として積層する技術に比べ、薄型化することができ、さらに部品点数を削減することができる。
【0067】
第2実施形態の変形例〔図11〕
第2実施形態のキーシート15では、装飾部材17の天面17aをキートップ16の天面16aより突出させる例を示したが、変形例のキーシート20では、装飾部材21の天面21aをキートップ16の天面16aよりも凹ませることができる。
このようにしても、隙間12が形成されているので押圧荷重を低く抑えることができ、クリック感を有する接点スイッチSWを押圧した際には明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力を実現することができる。
さらに隙間12内に入り込みセンサシート3に対して接触可能に変位する固着面部18cを有するため、センサシート3における摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0068】
第3実施形態〔図12〜図14〕
第3実施形態のキーシート22が第2実施形態のキーシート15と異なるのは、装飾部材23の構成と、センサシート3に脚部24を備える点である。それ以外の構成はキーシート15と同じである。
【0069】
部材構成の説明
装飾部材23は格子状の一枚物であり、その天面23aはキートップ16の天面16aと同等の高さに形成されている。
【0070】
脚部24は硬質樹脂でなり、装飾部材23と略同形状の格子状で一枚物に形成されている。そしてセンサシート3の裏面3bに対して図外の接着剤で固着されている。
【0071】
材質の説明
ここでキーシート22の構成部材の材質について説明する。なお、以下の説明は後述の各実施形態についても共通である。
脚部24の材質は、機械的強度や耐久性、軽量化等の要求により、熱可塑性樹脂又は反応硬化性樹脂が用いられることが好ましい。これらの樹脂には、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル共重合樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。さらにこれらの硬質樹脂のうち加工性を考慮すると、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリル共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂が好ましく、また透明性を考慮すると、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリル共重合樹脂が好ましい。
【0072】
製造方法の説明
次に第3実施形態のキーシート22の製造方法の一例を説明する。
先ず射出成形にてキートップ16を形成し、天面16a又は底面16bに表示部を施す。このキートップ16をベースシート18の成形金型にインサートし、ベースシート18の成形と同時にキートップ16を一体に固着する。その後キートップ16とは別に射出成形した装飾部材23をキートップ16間を仕切るようにベースシート18の表面18aに対して接着剤19で固着し、ベースシート18の裏面18bにおけるキートップ16との対応位置に固着層4をスクリーン印刷で形成する。他方、基材シート6に電極7,8、レジスト層9などをスクリーン印刷で形成してセンサシート3を得る。その後そのセンサシート3の裏面3bに成形押し子部11を一体固着し、さらに別途射出成形した脚部24を接着剤で固着する。最後にベースシート18に形成した固着層4とセンサシート3の表面3aを固着し、キーシート22を得ることができる。
【0073】
入力操作の説明
次に、第3実施形態のキーシート22における入力操作について説明する。
キーシート22はキーシート15と同様に、キートップ16を押圧する押圧入力操作と、キートップ16の天面16a及び装飾部材23の天面23aを撫でて入力する摺動入力操作との両操作を行うことができる。
このうち押圧入力操作は、キートップ16を押圧すると、固着層4とセンサシート3が押圧され、センサシート3の裏面3bに設けた成形押し子部11が接点スイッチSWを押圧して入力される。
他方、摺動入力操作は、キートップ16の天面16a及び装飾部材23の天面23aを指で撫でると指の軌跡をセンサシート3が静電容量値の変化から感知し、座標位置として検出して入力される。なお、指が装飾部材23の天面23aを通る時にその指の下方位置に隙間12があるが、摺動入力操作時の指の押圧によって装飾部材23が沈んでベースシート18における「可動接触部」としての固着面部18cがその隙間12に入り込み、隙間12は潰される(図14)。
【0074】
作用・効果の説明
第3実施形態のキーシート22は、第2実施形態のキーシート15と同じ作用効果を有するほか、さらに次の作用効果を有する。
(1)キーシート22によれば、装飾部材23が一枚物であるため、ベースシート18への固着を容易にすることができ、さらに部品点数を削減することができる。
【0075】
(2)センサシート3の裏面3bに脚部24を備えるため、摺動入力操作時に装飾部材23が沈んでベースシート18における「可動接触部」としての固着面部18cが隙間12に入り込みその隙間12を潰す際に、センサシート3を裏面3b側から支持することができ、センサシート3の揺れや撓みを減少させることができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0076】
第3実施形態の変形例〔図15,図16〕
第3実施形態のキーシート22では、固着層4をキートップ16の下方位置に設け、ベースシート18におけるキートップ16間の隣接位置に「可動接触部」として装飾部材23の固着面部18cを有する例を示したが、変形例のキーシート25では、固着層14を隣合うキートップ16間の下方位置に設け、ベースシート18におけるキートップ16の固着面部18cを「可動接触部」とすることができる。
このようにすれば、隣合うキートップ16間の下方位置にあたる部分については固着層14が形成されており、キートップ16の下方については固着層14がなく隙間12が形成されているので押圧荷重を低く抑えることができる。さらにクリック感を有する接点スイッチSWを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力を実現することができる。
さらにベースシート18におけるキートップ16の固着面部18cを「可動接触部」とするため、摺動入力操作の際に隙間12を無くすことができ(図16)、センサシート3における摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0077】
第4実施形態〔図17〜図20〕
第4実施形態のキーシート26が第3実施形態のキーシート22と異なるのは、キートップ27と装飾部材28と固着層29の構成である。それ以外の構成はキーシート22と同じである。
【0078】
部材構成の説明
キートップ27は樹脂フィルムでなり、1つのキートップ27に複数の「押圧操作部」を有している。本実施形態では図17で示すように、例えばキーシート26の下段側のキートップ27は、平面視で横方向が長手の矩形状であり3箇所の「押圧操作部」を形成している。そしてキートップ27の天面27a又は底面27bには数字などを示す表示部が設けられている。このようなキートップ27の底面27bが、ベースシート18の表面18aに接着剤19によって固着されている。
【0079】
装飾部材28は硬質樹脂で形成され、キートップ27間を仕切るように分割してベースシート18の表面18aに対して固着してある。この装飾部材28の天面28aはキートップ27の天面27aより上方に突出して形成されている。
【0080】
固着層29は、図19で示すように、ベースシート18の裏面18bに対してキートップ27の下方位置に設けられている。つまりキートップ27と同様に平面視で横方向が長手の矩形状であり、キートップ27の横方向で隣り合う「押圧操作部」間には固着層29がない隙間12は形成されていない。なお、この固着層29のベースシート18やセンサシート3との固着面積は、キートップ27を固着する接着剤19のベースシート18との固着面積に対して25%以上100%未満と小さくしてある。
【0081】
製造方法の説明
次に第4実施形態のキーシート26の製造方法の一例を説明する。
先ず射出成形にて装飾部材28を形成し、この装飾部材28をベースシート18の成形金型にインサートし、ベースシート18の成形と同時に装飾部材28を一体に固着する。その後樹脂フィルムの片面に表示部を施して抜き加工して得たキートップ27をベースシート18の表面18aに対して接着剤19で固着し、ベースシート18の裏面18bにおけるキートップ27との対応位置に固着層4をスクリーン印刷で形成する。他方、基材シート6に電極7,8、レジスト層9などをスクリーン印刷で形成してセンサシート3を得る。その後そのセンサシート3の裏面3bに成形押し子部11を一体固着し、さらに別途射出成形した脚部24を固着する。最後にベースシート18に形成した固着層4とセンサシート3の表面3aを固着し、キーシート26を得ることができる。なお、装飾部材28をベースシート18と一体に固着する際に、装飾部材28に予めプライマーなどを塗布しておき、固着力を高めることができる。
【0082】
入力操作の説明
次に、第4実施形態のキーシート26における入力操作について説明する。
キーシート26は、キートップ27を押圧する押圧入力操作と、キートップ27の天面27a及び装飾部材28の天面28aを撫でて入力する摺動入力操作との両操作を行うことができる。
このうち押圧入力操作は、キートップ27を押圧すると、固着層29とセンサシート3が押圧され、センサシート3の裏面3bに設けた成形押し子部11が接点スイッチSWを押圧して入力される。
他方、摺動入力操作は、キートップ27の天面27a及び装飾部材28の天面28aを指で撫でると指の軌跡をセンサシート3が静電容量値の変化から感知し、座標位置として検出して入力される。なお、指が装飾部材28の天面28aを通る時にその指の下方位置に隙間12があるが、摺動入力操作時の指の押圧によって装飾部材28が沈んでベースシート18における「可動接触部」としての固着面部18cがその隙間12に入り込み、隙間12は潰される(図20)。
【0083】
作用・効果の説明
第4実施形態のキーシート26は、第3実施形態のキーシート22と同じ作用効果を有するほか、さらに次の作用効果を有する。
(1)キーシート26によれば、固着層29が3つの「押圧操作部」にわたって備える形態のため、1つの固着層29で3つの「押圧操作部」を照光することができ、固着層29を導光層とすることができる。
【0084】
第5実施形態〔図21〜図23〕
第5実施形態のキーシート30が第3実施形態のキーシート22と異なるのは、キートップ16の間隔を狭く配置し装飾部材23を削除した構成と、固着層31の性質である。それ以外の構成はキーシート22と同じである。
【0085】
部材構成の説明
本実施形態のベースシート18では、キートップ16の非固着部を可動接触部18cとしている。
【0086】
固着層31は、圧縮変形可能な軟質材で形成されている「軟質材層」である。
【0087】
製造方法の説明
次に第5実施形態のキーシート30の製造方法の一例を説明する。
先ず射出成形にてキートップ16を形成し、天面16a又は底面16bに表示部を施す。このキートップ16をベースシート18の成形金型にインサートし、ベースシート18の成形と同時にキートップ16を一体に固着する。その後ベースシート18の裏面18bにおけるキートップ16との対応位置に固着層31をスクリーン印刷で形成する。他方、基材シート6に電極7,8、レジスト層9などをスクリーン印刷で形成してセンサシート3を得る。その後そのセンサシート3の裏面3bに成形押し子部11を一体固着し、さらに別途射出成形した脚部24を固着する。最後にベースシート18に形成した固着層31とセンサシート3の表面3aを固着し、キーシート30を得ることができる。
【0088】
入力操作の説明
次に、第5実施形態のキーシート30における入力操作について説明する。
キーシート30は、キートップ16を押圧する押圧入力操作と、キートップ16の天面16aを撫でて入力する摺動入力操作との両操作を行うことができる。
このうち押圧入力操作は、キートップ16を押圧すると、固着層31とセンサシート3が押圧され、センサシート3の裏面3bに設けた成形押し子部11が接点スイッチSWを押圧して入力される。
他方、摺動入力操作は、キートップ16の天面16aを指で撫でると指の軌跡をセンサシート3が静電容量値の変化から感知し、座標位置として検出して入力される。なお、指がキートップ16間を通る時にその指の下方位置に隙間12があるが、摺動入力操作時の指の押圧によってベースシート18の可動接触部18cの変位に伴って固着層31が柔らかく圧縮変形し、ベースシート18の可動接触部18cがその隙間12に入り込み、隙間12は潰される(図23)。
【0089】
作用・効果の説明
第5実施形態のキーシート30は、第3実施形態のキーシート22と同じ作用効果を有するほか、さらに次の作用効果を有する。
(1)キーシート30によれば、キートップ16を狭間配置しても良好な押圧操作入力と確実な摺動操作入力を実現することができる。
【0090】
(2)固着層31が摺動入力操作によるベースシート18の可動接触部18cの変位に伴って圧縮変形可能な軟質材層であるため、可動接触部18cの変位に伴って固着層31の層端部分が突っ張らずに柔らかく圧縮変形することができ、センサシート3に対して可動接触部18cを変位させて接触させるのに必要な摺動入力操作の操作力を低減することができる。
【0091】
第5実施形態の変形例〔図24,図25〕
第5実施形態のキーシート30では、固着層31をキートップ16の下方位置に設け、ベースシート18におけるキートップ16間の隣接位置に可動接触部18cを有する例を示したが、変形例のキーシート32では、キートップ33について底面33bの外周縁部に切欠き状の段部33cを形成し、固着層14を隣合うキートップ16間の下方位置に設け、ベースシート18におけるキートップ33の固着面部18cを「可動接触部」とすることができる。
このようにすれば、隣合うキートップ33間の下方位置にあたる部分については固着層14が形成されており、キートップ33の下方については固着層14がなく隙間12が形成されているので押圧荷重を低く抑えることができる。さらにクリック感を有する接点スイッチSWを押圧した際にはクリック感を伝わり易くすることができ、明確なクリック感による良好な押圧操作性の押圧操作入力を実現することができる。
さらに図25で示すように、ベースシート18におけるキートップ16の固着面部18cを「可動接触部」とするため、摺動入力操作の際に隙間12を無くすことができ、センサシート3における摺動操作面の面内位置での静電容量の感知を安定に行うことができる。よって正確な座標位置検出による確実な摺動操作入力を実現することができる。また狭間配置したキートップの外周縁部においても段部33cがベースシート18に対して接触して隙間12のない積層構造を形成することができる。このため静電容量を感度良く感知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1実施形態のキーシートの平面図。
【図2】図1のSA−SA線断面図。
【図3】本発明のキーシートに用いるセンサシートの部分拡大断面図。
【図4】本発明のキーシートに用いるセンサシートの部分拡大断面図。
【図5】第1実施形態のキーシートを摺動入力操作した際の説明図。
【図6】第1実施形態のキーシートにおける変形例の図2相当断面図。
【図7】第1実施形態のキーシートにおける変形例を摺動入力操作した際の説明図。
【図8】第2実施形態のキーシートの平面図。
【図9】図8のSB−SB線断面図。
【図10】第2実施形態のキーシートを摺動入力操作した際の説明図。
【図11】第2実施形態のキーシートにおける変形例の図9相当断面図。
【図12】第3実施形態のキーシートの平面図。
【図13】図12のSC−SC線断面図。
【図14】第3実施形態のキーシートを摺動入力操作した際の説明図。
【図15】第3実施形態のキーシートにおける変形例の図13相当断面図。
【図16】第3実施形態のキーシートにおける変形例を摺動入力操作した際の説明図。
【図17】第4実施形態のキーシートの平面図。
【図18】図17のSD−SD線断面図。
【図19】図17のSE−SE線断面図。
【図20】第4実施形態のキーシートを摺動入力操作した際の説明図。
【図21】第5実施形態のキーシートの平面図。
【図22】図21のSF−SF線断面図。
【図23】第5実施形態のキーシートを摺動入力操作した際の説明図。
【図24】第5実施形態のキーシートにおける変形例の図22相当断面図。
【図25】第5実施形態のキーシートにおける変形例を摺動入力操作した際の説明図。
【符号の説明】
【0093】
1 キーシート(第1実施形態)
2 表面シート(操作部材)
2a 表面(摺動操作面)
2b 裏面
2c 押圧操作部
2d 可動接触部
3 センサシート
3a 表面
3b 裏面
4 固着層
5 印刷層
6 基材シート
6a 表面
6b 裏面
7 電極
8 電極
9 レジスト層
10 絶縁層
11 成形押し子部
12 隙間
13 キーシート(第1実施形態の変形例)
14 固着層
15 キーシート(第2実施形態)
16 キートップ
16a 天面
16b 底面
17 装飾部材
17a 天面
18 ベースシート
18a 表面
18b 裏面
18c 固着面部(可動接触部)
19 接着剤
20 キーシート(第2実施形態の変形例)
21 装飾部材
21a 天面
22 キーシート(第3実施形態)
23 装飾部材
23a 天面
24 脚部
25 キーシート(第3実施形態の変形例)
26 キーシート(第4実施形態)
27 キートップ
27a 天面
27b 底面
28 装飾部材
28a 天面
29 固着層
30 キーシート(第5実施形態)
31 固着層
32 キーシート(第5実施形態の変形例)
33 キートップ
33a 天面
33b 底面
33c 段部
P 回路基板
SW 接点スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが摺動入力操作を行う摺動操作面に複数の押圧操作部を有する操作部材と、
ユーザの摺動入力操作を静電容量の変化として感知するセンサシートと、を備えるキーシートにおいて、
押圧操作部の下方位置に設けられ、操作部材とセンサシートの間に介在して摺動操作面の面直方向に沿って隙間のない積層構造を形成する固着層をさらに備えており、
前記操作部材は、押圧操作部間の隣接位置に、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する可動接触部を有することを特徴とするキーシート。
【請求項2】
操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、
操作部材の可動接触部が、ベースシートにおけるキートップの非固着部である請求項1記載のキーシート。
【請求項3】
操作部材が、隣合わせで狭間配置した押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、
操作部材の可動接触部は、ベースシートにおけるキートップの非固着部であり、
該非固着部は、ユーザの摺動入力操作に伴うキートップの外周縁部の押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する請求項1又は請求項2記載のキーシート。
【請求項4】
操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートと、キートップ間を仕切るようにベースシートに固着する装飾部材とを備えており、
操作部材の可動接触部が、ベースシートにおける装飾部材の固着面部であり、
該固着面部は、ユーザの摺動入力操作に伴う装飾部材の押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する請求項1又は請求項2記載のキーシート。
【請求項5】
装飾部材は、その天面がキートップの天面に対して突出する請求項4記載のキーシート。
【請求項6】
操作部材が、押圧操作部として文字、数字等の入力操作用の表示部を有する可撓性のフィルムキーシートを備えており、
操作部材の可動接触部が、フィルムキーシートにおける表示部と表示部との隣接部分であり、
該隣接部分は、ユーザの摺動入力操作に伴う押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する請求項1又は請求項2記載のキーシート。
【請求項7】
ユーザが摺動入力操作を行う摺動操作面に複数の押圧操作部を有する操作部材と、
ユーザの摺動入力操作を静電容量の変化として感知するセンサシートと、を備えるキーシートにおいて、
隣合う押圧操作部間の下方位置に設けられ、操作部材とセンサシートの間に介在して摺動操作面の面直方向に沿って隙間のない積層構造を形成する固着層をさらに備えており、
前記操作部材は、押圧操作部の対応位置に、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する可動接触部を有することを特徴とするキーシート。
【請求項8】
操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、
操作部材の可動接触部が、ベースシートにおけるキートップの固着面部である請求項7記載のキーシート。
【請求項9】
操作部材が、隣合わせで狭間配置した押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートとを備えており、
操作部材の可動接触部は、ベースシートにおけるキートップの固着面部であり、
該固着面部は、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する請求項7又は請求項8記載のキーシート。
【請求項10】
キートップの底面の外周縁部に切欠き状の段部を設け、
該段部は、ユーザの摺動入力操作によるベースシートの前記固着面部の変位とともにベースシートにおけるキートップ間の隣接部分に対して接触可能に変位して前記積層構造の一部を形成する請求項9記載のキーシート。
【請求項11】
操作部材が、押圧操作部としてのキートップと、キートップを前記面直方向に沿って押圧変位可能に支持する可撓性のベースシートと、キートップ間を仕切るようにベースシートに固着して前記積層構造の一部を形成する装飾部材とを備えており、
操作部材の可動接触部が、ベースシートにおけるキートップの固着面部であり、
該固着面部は、ユーザの摺動入力操作によって固着層のない操作部材とセンサシートとの隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する請求項7又は請求項8記載のキーシート。
【請求項12】
操作部材が、押圧操作部として文字、数字等の入力操作用の表示部を有する可撓性のフィルムキーシートを備えており、
操作部材の可動接触部が、フィルムキーシートの表示部であり、
該表示部は、ユーザの摺動入力操作に伴う押圧を受けて前記隙間内に入り込みセンサシートに対して接触可能に変位する請求項7又は請求項8記載のキーシート。
【請求項13】
固着層が、ユーザの摺動入力操作による操作部材の可動接触部の変位に伴って圧縮変形可能な軟質材層である請求項1〜請求項12何れか1項記載のキーシート。
【請求項14】
操作部材が、内部光源の光が透過する透光性を有する照光式操作部材であり、
固着層が、内部光源からの光を導光する導光性を有する接着剤層又は粘着剤層である請求項1〜請求項13何れか1項記載のキーシート。
【請求項15】
操作部材が、内部光源の光が透過する透光性を有する照光式操作部材であり、
センサシートが、内部光源の光が透過する透光性の基材シートと、基材シートに透光性導電塗料にて形成した透光性の回路印刷層とを有する請求項1〜請求項14何れか1項記載のキーシート。
【請求項16】
操作部材が、内部光源の光が透過する透光性を有する照光式操作部材であり、
センサシートが、内部光源の光を導光する導光性を有する基材シートを備えており、
表面が操作部材と対面する基材シートの裏面に、回路印刷層と絶縁層とを交互に積層してなる静電容量の感知回路層を有する請求項1〜請求項14何れか1項記載のキーシート。
【請求項17】
センサシートの裏面における押圧操作部の対応位置に、型成形により該裏面に一体固着する成形押し子部を備える請求項1〜請求項16何れか1項記載のキーシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−187854(P2009−187854A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28392(P2008−28392)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】