説明

キースイッチ用シート及びキースイッチモジュール

【課題】新たな部品や新たな機構を付加することなくキースイッチのクリック感を向上させることができ、それによってキースイッチの薄型化や製造性の向上、コストの低廉化を図りつつキースイッチのクリック感を向上させることができる。
【解決手段】固定用シート12の裏面には円形の突起部18aが粘着層によって形成され、その外周には粘着層のない非接着面19が環状に形成され、さらに非接着面19には粘着層によって基板粘着層18bが形成される。ドーム状をした接点バネ14は、その頂点部分を突起部18aに接着して固定用シート12に固定される。接点部15a、15bを設けられたプリント配線基板13の上に接点バネ14を重ねるようにしてプリント配線基板13の表面に基板粘着層18bを接着し、プリント配線基板13と固定用シート12とを一体化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキースイッチ用シート及びキースイッチモジュールに関する。具体的には、携帯電話などに組み込んで使用されるキースイッチに用いられるキースイッチモジュール用基板と、キースイッチモジュール用基板にキートップを備えたキースイッチモジュールと、キースイッチモジュール用基板の接点バネを固定するためのキースイッチ用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などでは、指でキーを押さえてその下の接点バネを変形させ、接点バネによって電極部どうしを導通させてスイッチをオンにする構造となったキースイッチが用いられている。このようなキースイッチでは、第1の接点部を囲むように形成された第2の接点部の上に凸型ドーム状をした接点バネを置き、第1の接点部と離間した状態で接点バネによって第1の接点部を覆い、さらに接点バネの表面側を接点バネ固定用シートで覆っている。キースイッチでは、指でキーを押さえると接点バネが変形して第1の接点部に接触し、接点バネを介して第1の接点部と第2の接点部が電気的に導通してそのスイッチがオンになる。また、キーから指を離すと、接点バネが弾性復帰して第1の接点部から離間し、スイッチがオフに戻る。
【0003】
このようなキースイッチでは、キーのストロークが短いので、キーを指で押さえたときのクリック感が重要な課題となっており、クリック感を改善する方法がいろいろと試みられている。
【0004】
例えば、特開2004−55389号公報(特許文献1)の図1に開示されたキースイッチモジュールでは、固定用シートの裏面に接点バネの頂点部を固定しておき、接点バネの頂点部に対応する位置において固定用シートの表面に樹脂材を一層又は複数層に積層して固化させることにより固定用シート表面に樹脂ディンプル(突起部)を設けている(特許文献1の請求項3を参照)。そして、この樹脂ディンプルを、キーに設けられた押圧部(押し子)で押さえ、樹脂ディンプルで接点バネを変形させることにより、良好なクリック感が得られるようにしている。
【0005】
しかしながら、特許文献1のような構造では、接点バネを固定された固定用シートの表面に樹脂材を付加して樹脂ディンプルを形成しているため、固定用シートの加工が困難であった。固定用シートに樹脂ディンプルを加工できたとしても、固定用シートのコストが大幅に上昇する問題がある。また、このようなキースイッチモジュールは、携帯電話などに組み込まれるため厚みの薄いことが望まれるが、樹脂ディンプルを設けたことによって従来の厚みに比べて樹脂ディンプルの厚み分だけキースイッチの厚みが大きくなる。さらに、このようにして作製されたキースイッチモジュールでは、樹脂ディンプルが脱落する問題が指摘されており、樹脂ディンプルが脱落しないように対策しようとすればコストがさらに上昇する。
【0006】
キースイッチモジュールの中には、固定用シートとキーとの間に柔軟な導光シートを挟み込んでおき、光源の光を導光シート内に導入するようにしたものがある。このようなキースイッチモジュールでは、導光板内を導光する光が導光板裏面の拡散パターンで拡散することによって導光板の表面から出射され、導光板の表面から漏れた光によって配列されたキーの全体が背面側から照明される。しかし、特許文献1のようなキースイッチモジュールでは、固定用シートとキーとの間に軟質樹脂からなる導光シートを挟み込んだ場合には、キーを押さえたときに樹脂ディンプルが導光シートに埋まり込む結果、キーのストロークが長くなってクリック感の改善効果がかなり低下していた。
【0007】
別なキースイッチモジュールとしては、特開2007−287347号公報(特許文献2)の図3に開示されたものがある。このキースイッチモジュールでは、接点バネの凸面側を固定用シートで覆い接点バネの頂部を固定用シートの裏面に接着してあり、接点バネの頂部に対向するようにして固定用シートの表面に柔軟な弾性体からなる突起を設け、突起を挟んで固定用シートの表面側にシート状の操作部材を設けている。
【0008】
しかし、特許文献2に記載されたキースイッチモジュールは、固定用シートとシート状の操作部材との間に弾性体を設けることにより、接点バネの操作方向における操作部材と接点バネとの位置関係の製作誤差の吸収と、接点バネの操作方向における薄型化とを両立させたものであり、クリック感の改善を目的としたものではなかった。
【0009】
また、仮に特許文献2の弾性体がクリック改善の効果を有するとしても、この弾性体は、固定用シートを介して接点バネと反対側において固定用シートの表面に設けられているという点においては、特許文献1の樹脂ディンプルと同じ配置となっている。そのため、特許文献に記載されているように固定用シートと操作部材との間にクリアランスを設ける場合に比べればキースイッチモジュールを薄型化できるが、弾性体及びクリアランスのない場合と比べればキースイッチモジュールの厚みが増すことになる。さらに、弾性体という余分な部材が必要となるので、キースイッチモジュールのコストが高くつく。
【0010】
また、特許文献2のキースイッチモジュールでも、特許文献1と同様、固定用シートと操作部材との間に導光シートを挟みこんだ場合には、クリック感が大きく低下する問題がある。
【0011】
【特許文献1】特開2004−55389号公報
【特許文献2】特開2007−287347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、新たな部品や新たな機構を付加することなくキースイッチのクリック感を向上させることができ、それによってキースイッチの薄型化や製造性の向上、コストの低廉化を図りつつキースイッチのクリック感を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる第1のキースイッチ用シートは、基材シートの裏面に、ドーム状をした接点バネの頂点部分に接着して接点バネを保持するための粘着層を有するキースイッチ用シートであって、接点バネの頂点部分に接着される領域における前記粘着層の厚みが、その周囲の領域における粘着層の厚みよりも厚くなっていることを特徴としている。
【0014】
本発明の第1のキースイッチ用シートにあっては、接点バネの頂点部分に接着される領域における前記粘着層の厚みが、その周囲の領域における粘着層の厚みよりも厚くなっているので、接点バネの頂点部分に接着される領域では、粘着層が突起状に突出していて突起部の働きを備えている。この第1のキースイッチ用シートは、裏面で突起状に突出した部分(粘着層)に接点バネの頂点部分を接着され、対となる固定接点が形成された基板に重ねて配置され、キースイッチモジュール用基板などが構成される。この状態で、接点バネを上から押さえると、接点バネは粘着層によって形成された突起部(以下、単に突起部という。)で頂点部分を押されることになり、スイッチ操作時のクリック感が向上する。しかも、突起部が基材シートの裏面側にあって直接接点バネに当たっているので、突起部が基材シートの表面側に形成されている場合のように突起部が接点バネを押す力が基材シートの弾性によって緩衝されにくく、良好なクリック感を得ることができる。
【0015】
また、第1のキースイッチ用シートの表面側に、キートップを照明するための導光シートを重ねて配置したときでも、突起部は、基材シートの表面側に設けられている場合のように導光シートに埋まり込むことがないので、導光シートを重ねてもクリック感の改善効果が低下しにくい。
【0016】
さらに、本発明の第1のキースイッチ用シートによれば、従来より基材シートの裏面に形成されていた粘着層(あるいは、粘着層の一部)を利用して接点バネを押すための突起部を形成しているので、スイッチ操作時のクリック感を向上させるために追加部品を必要としない。その結果、クリック感の向上を図ってもキースイッチモジュール用基板やキースイッチモジュールの厚みが厚くなることがなく、キースイッチモジュール用基板やキースイッチモジュールを薄型化でき、またキースイッチモジュール用基板等の製造工程が増加することがなく、コストの上昇も生じない。また、突起部が粘着層であるので、突起部が脱落する恐れもほとんどない。
【0017】
本発明にかかる第1のキースイッチ用シートのある実施態様は、接点バネを保持するための前記粘着層に接点バネの頂点部分を接着させて接点バネを保持させたことを特徴としている。かかる実施態様によれば、予め接点バネをキースイッチ用シートに取り付けてあるので、キースイッチモジュール用基板を組み立てる際の取り扱いが容易になる。特に、複数の接点バネが用いられる場合には、接点バネをひとつひとつ粘着層に取り付ける手間が省けてキースイッチモジュール用基板の組み立てを容易にできる。
【0018】
本発明にかかる第1のキースイッチ用シートの別な実施態様は、前記周囲領域に粘着層が存在していないことを特徴としている。かかる実施態様によれば、接点バネの頂点部分の外周部分が粘着剤で基材シートに接着されないので、接点バネの外周部分が基材シートにくっついて変形が阻害されることがなく、スイッチ操作時のクリック感がより良好となる。
【0019】
本発明にかかる第1のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様は、前記周囲領域よりもさらに外側の領域に、前記周囲領域における粘着層の厚みよりも厚く粘着層が形成されていることを特徴としている。かかる実施形態によれば、前記周囲領域の外側の領域に形成されている粘着層によって第1のキースイッチ用シートを固定接点を設けられた基板に接着することができる。
【0020】
本発明にかかる第1のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様は、前記基材シートの裏面に形成された粘着層が、基材シートの裏面に同時に形成されていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、場所によって厚みの異なる粘着層(あるいは、基板シートの裏面に部分的に形成された粘着層)を一度に形成しているので、第1のキースイッチ用シートの製造工程を簡略化することができる。
【0021】
本発明にかかる第1のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様は、前記基材シートの裏面に形成された粘着層が、スクリーン印刷法、グラビア印刷法またはロールコーター法を用いて基材シートの裏面に粘着剤を塗布することによって形成されていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、一般的な印刷方法によって簡単かつ安価に粘着剤を塗布して粘着層を形成することができる。
【0022】
本発明にかかる第1のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様においては、接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層の厚みが、0.1mm以上0.2mm以下であることが好ましい。当該粘着層の厚みが0.1mmよりも薄いとクリック感が悪くなり、0.2mmよりも厚いとキースイッチモジュール用基板等の薄型化が妨げられるからである。
【0023】
また、本発明にかかる第1のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様においては、接点バネの頂点部分に接着させる前記領域は、その直径が接点バネの直径の0.5倍以下であることが好ましい。接点バネの頂点部分に接着する領域の直径が接点バネの直径の0.5倍よりも大きいと、クリック感が悪くなるためである。
【0024】
本発明にかかるキースイッチモジュール用基板は、ドーム状をした接点バネの頂点部分を粘着剤又は接着剤により基材シートの裏面に接着し、接点バネによって導通状態又は絶縁状態に切り替えられる第1の固定接点と第2の固定接点が形成された基板に、粘着剤又は接着剤により前記基材シートの裏面を接着して、前記接点バネを第1の固定接点と第2の固定接点に対向させたキースイッチモジュール用基板であって、前記接点バネの頂点部分が前記基材シートに接着された領域における前記粘着剤又は接着剤の層の厚みが、その周囲の領域における粘着剤又は接着剤の層の厚みよりも厚く、前記基材シートが前記基板に接着された領域における前記粘着剤又は接着剤の層の厚みが、前記周囲領域における粘着層又は接着剤の層の厚みよりも厚くなっていることを特徴としている。
【0025】
本発明のキースイッチモジュール用基板にあっては、接点バネの頂点部分を接着される領域における粘着層又は接着剤の層の厚みが、その周囲の領域における粘着剤又は接着剤の層の厚みよりも厚くなっているので、接点バネの頂点部分を接着される領域では、粘着剤又は接着剤の層が突起状に突出していて突起部の働きを備えている。よって、接点バネの部分を上から押さえると、接点バネは粘着剤又は接着剤の層で形成された突起部(以下、単に突起部という。)で押されることになり、スイッチ操作時のクリック感が向上する。しかも、突起部が基材シートの裏面側にあって直接接点バネに当たっているので、突起部は、基材シートの表面側に形成されている場合のように接点バネを押す力が基材シートの弾性によって緩衝されにくく、良好なクリック感を得ることができる。
【0026】
また、キースイッチモジュール用基板の表面に、キートップを照明するための導光シートを重ねて配置したときでも、突起部が基材シートの表面側に設けられている場合のように突起部が導光シートに埋まり込むことがないので、導光シートを重ねてもクリック感の改善効果が低下しにくい。
【0027】
さらに、本発明のキースイッチモジュール用基板によれば、従来より基材シートの裏面に形成されていた粘着剤層(あるいは、接着剤層)を利用して接点バネを押すための突起部を形成しているので、スイッチ操作時のクリック感を向上させるために追加部品を必要としない。その結果、クリック感の向上を図ってもキースイッチモジュール用基板の厚みが厚くなることがなく、キースイッチモジュール用基板を薄型化でき、またキースイッチモジュール用基板の製造工程が増加することがなく、コストの上昇も生じないという利点がある。また、突起部が粘着剤又は接着剤の層であるので、突起部が脱落する恐れもほとんどない。
【0028】
本発明にかかるキースイッチモジュール用基板のある実施態様は、前記周囲領域の外側に塗布された粘着剤又は接着剤のうち一部が前記接点バネの外周部分に接着され、残りの一部又は全部が前記基板に接着されていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、基板に接着されている粘着剤又は接着剤の一部を接点バネの外周部分に接着しているので、接点バネがずれ動いたり浮いたりすることがなく、接点バネの位置が安定する。
【0029】
本発明にかかるキースイッチモジュール用基板の別な実施態様は、前記接点バネの頂点部分を粘着剤又は接着剤により前記基材シートの裏面に接着して接点バネが基材シートに固定されたキースイッチ用シートを作製し、そのキースイッチ用シートの裏面を粘着剤又は接着剤により前記基板に接着することによって前記接点バネを前記基板と前記基材シートとの間に挟み込んだことを特徴としている。かかる実施態様によれば、予め接点バネを取り付けたキースイッチ用シートを基板に貼り付けることによって接点バネを基板と基材シートとの間に挟み込むことにより、簡単に接点バネを基板の上に設置することができる。
【0030】
本発明にかかるキースイッチモジュール用基板のさらに別な実施態様にあっては、接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着剤又は接着剤の厚みが、0.1mm以上0.2mm以下であることが好ましい。当該粘着層の厚みが0.1mmよりも薄いとクリック感が悪くなり、0.2mmよりも厚いとキースイッチモジュール用基板等の薄型化が妨げられるからである。
【0031】
また、本発明にかかるキースイッチモジュール用基板のさらに別な実施態様にあっては、接点バネの頂点部分に接着させる前記領域は、その直径が接点バネの直径の0.5倍以下であることが好ましい。接点バネの頂点部分に接着する領域の直径が接点バネの直径の0.5倍よりも大きいと、クリック感が悪くなるためである。
【0032】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートは、基材シートの裏面に、ドーム状をした接点バネの頂点部分に接着して接点バネを保持するための粘着層を有するキースイッチ用シートであって、接点バネの頂点部分に接着させる領域に形成された粘着層の周囲に、粘着層の存在しない領域が形成され、当該粘着層の存在しない領域のさらに外側の領域に粘着層が形成されており、接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層と、粘着層の存在しない領域の外側の前記領域に形成された粘着層とが同材質であることを特徴としている。
【0033】
本発明の第2のキースイッチ用シートは、本発明の第1のキースイッチ用シートと同じ構成を有しているので、第1のキースイッチと同様な作用効果を奏する。すなわち、第2のキースイッチによれば、粘着層によって形成された突起部で接点バネを押すことができ、スイッチ操作時に良好なクリック感を得ることができる。また、第2のキースイッチ用シートの表面側に導光シートを重ねた場合でも、クリック感の改善効果が低下しにくい。さらに、クリック感を向上させるために追加部品を必要としないので、キースイッチモジュール用基板やキースイッチモジュールの厚みが厚くなることがなく、キースイッチモジュール用基板やキースイッチモジュールを薄型化でき、またキースイッチモジュール用基板等の製造工程が増加することがなく、コストの上昇も生じない。また、突起部が粘着層であるので、突起部が脱落する恐れもほとんどない。
【0034】
これに加えて、本発明の第2のキースイッチ用シートにあっては、突起部の周囲に粘着層が存在していないので、接点バネの頂点部分の外周部分が基材シートに接着されることがなく、接点バネの外周部分が基材シートにくっついて変形が阻害されず、スイッチ操作時のクリック感がより良好となる。また、粘着層の存在しない領域のさらに外側の領域に粘着層が形成されているので、この粘着層によって第2のキースイッチ用シートを固定接点を設けられた基板に接着することができる。さらに、接点バネの頂点部分に接着させる領域に形成された粘着層と、粘着層の存在しない領域の外側の領域に形成された粘着層とが同材質であるので、粘着層のコストが安価になり、また粘着層の存在しない領域の内側の粘着層と外側の粘着層を一度の工程により形成することができる。
【0035】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートのある実施態様は、接点バネを保持するための前記粘着層に接点バネの頂点部分を接着させて接点バネを保持させたことを特徴としている。かかる実施態様によれば、予め接点バネをキースイッチ用シートに取り付けてあるので、キースイッチモジュール用基板を組み立てる際の取り扱いが容易になる。特に、複数の接点バネが用いられる場合には、接点バネをひとつひとつ粘着層に取り付ける手間が省けてキースイッチモジュール用基板の組み立てを容易にできる。
【0036】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートの別な実施態様は、前記基材シートの裏面に形成された粘着層が、その形成されている位置にかかわらず均一な厚みを有していることを特徴としている。かかる実施形態によれば、基材シートを接点バネの上から基板に貼り付けたとき、基材シートが接点バネの表面に沿うので、接点バネを保持したキースイッチ用シートを基板に貼り付けやすくなり、また接点バネを押さえやすくなる。
【0037】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様は、接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層の厚みが、粘着層の存在しない領域の外側の前記領域に形成された粘着層の厚みよりも厚くなっていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、接点バネの頂点部分に接着させる領域に形成された粘着層の突出長が大きくなるので、接点バネを接着し易くなる。
【0038】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートにおいては、接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層の厚みが、0.1mm以上0.2mm以下であることが好ましい。当該粘着層の厚みが0.1mmよりも薄いとクリック感が悪くなり、0.2mmよりも厚いとキースイッチモジュール用基板等の薄型化が妨げられるからである。
【0039】
また、本発明にかかる第2のキースイッチ用シートにおいては、接点バネの頂点部分に接着させる領域の直径が接点バネの直径の0.5倍以下であることが好ましい。接点バネの頂点部分に接着する領域の直径が接点バネの直径の0.5倍よりも大きいと、クリック感が悪くなるためである。
【0040】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様は、前記基材シートの裏面に形成された粘着層が、基材シートに一方の粘着面を接着された両面粘着テープであることを特徴としている。かかる実施態様によれば、基材シートに両面粘着テープの片面を接着することにより簡単に粘着層を形成することができる。
【0041】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様は、前記基材シートが、表面反射率が70%以上の反射シートであることを特徴としている。かかる実施態様によれば、キースイッチ用シートの表面側に導光シートを配置するとき、導光シートの裏面側から漏れた光を基材シートで反射させて導光シート内に再入射させることができ、導光シート内の光の利用効率を向上させることができる。なお、この基材シートの表面反射率が70%以上であることが好ましいのは、70%よりも小さいと導光シートから漏れた光の再利用効率が低下するためである。
【0042】
本発明にかかる第2のキースイッチ用シートのさらに別な実施態様は、前記基材シートが、キートップを照明するための導光シートであることを特徴としている。かかる実施態様によれば、基材シート(導光シート)に光を導入することによってキートップを裏面側から照明することができる。さらに、別途導光シートを設ける場合と比較すれば、キースイッチモジュールを薄型化することができ、またコストを安価にすることができる。
【0043】
本発明にかかるキースイッチモジュールは、本発明にかかるキースイッチモジュール用基板と、前記スイッチモジュール用基板の表面側に配置されたキートップとを備え、前記キートップには、外部から前記接点バネを押さえてスイッチ操作するための押釦が、前記接点バネの位置に対応させて配置されていることを特徴としている。
【0044】
本発明にかかるキースイッチモジュールは、本発明にかかるキースイッチモジュール用基板の作用効果を有するものであって、特に良好なクリック感を得ることができる。さらに、表面にはキートップの押釦が配置されているので、押釦を押してスイッチ操作することができ、操作性に優れている。
【0045】
本発明にかかるキースイッチモジュールのある実施態様は、前記キートップと前記キースイッチモジュール用基板との間に、キートップを裏面側から照明するための導光シートが配置されていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、キートップを裏面側から照明することができるので、暗い場所で使用する場合でも押釦を誤操作する恐れがない。しかも、突起部が基材シートの表面側に設けられている場合のように突起部が導光シートに埋まり込むことがないので、導光シートを重ねてもクリック感の改善効果が低下しにくい。
【0046】
本発明にかかるキースイッチモジュールの別な実施態様は、前記押釦の裏面に当該裏面から突出するようにして粘着剤からなる押し子を設け、前記接点バネの頂点部分と対応する位置において前記押し子を前記キートップ背面と対向する部材に接着させたことを特徴としている。かかる実施態様によれば、押釦に押し子を設けているので、キースイッチモジュールのクリック感がより向上する。また、押し子が粘着剤によって形成されているので、接点バネを押すための押し子と押釦を固定するための粘着剤層とが同一部材によって構成され、キースイッチモジュールをより薄型化することができると共にコストも安価になる。
【0047】
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0049】
(第1の実施形態)
以下、図1〜図8を参照して本発明の実施形態1によるキースイッチモジュール用基板を説明する。図1は実施形態1によるキースイッチモジュール用基板11の一部を拡大した断面図、図2はキースイッチモジュール用基板11の分解斜視図、図3はキースイッチモジュール用基板11に用いられている固定用シート12(キースイッチ用シート)の背面図である。
【0050】
この実施形態にかかるキースイッチモジュール用基板11は、フレキシブルプリント基板などからなるプリント配線基板13(基板)、接点バネ14及び固定用シート12からなる。図2に示すように、プリント配線基板13の表面には、導電性材料からなる円形をした第1の接点部15a(第1の固定接点)が複数個配列されており、それぞれの第1の接点部15aの周りには第1の接点部15aを囲むようにして第2の接点部15b(第2の固定接点)が環状に形成されている。第1の接点部15aと第2の接点部15bとの間には絶縁用のギャップ16が設けられている。なお、図示しないが、第1の接点部15aはそれぞれ、プリント配線基板13の裏面に形成された配線パターンを通じて適当な位置に設けられた電極パッドなどへつながれている。
【0051】
接点バネ14は、導電性及び弾性を有する金属材料、特にステンレス材料によって凸型ドーム状に形成されており、裏面側は椀状に窪んでいる。接点バネ14の直径は、第2の接点部15bの内径よりも大きく、第2の接点部15bの外径よりも小さい。
【0052】
固定用シート12は、薄くて柔軟な樹脂製シートからなる基材シート17の裏面に、均一な厚みで粘着剤を塗布することによって粘着層を形成したものである。図3に示すように、粘着層は、接点バネ14の頂点部分を固定するための円形をした突起状粘着層(以下、突起部18aという。)と、固定用シート12をプリント配線基板13に貼り付けるための粘着層(以下、基板粘着層18bという。)とからなり、突起部18aと基板粘着層18bとの間には環状の非接着面19が形成されている。突起部18aは、固定用シート12の裏面において、プリント配線基板13の第1の接点部15aと同じ中心間ピッチで配列しており、第1の接点部15aと1対1に対応させることが可能になっている。基板粘着層18bは、突起部18a及び非接着面19以外の領域のほぼ全体に形成されている。非接着面19には粘着剤が塗布されておらず、非接着面19は基材シート17が露出した領域である。なお、固定用シートとしては、基材シートの裏面にアクリル系粘着剤を塗布したもの、例えばN5610(日東電工製)、N5610B(日東電工製)、PETWH38(A)PAT18LK2(リンテック製)などを用いたが、アクリル系以外の粘着剤を塗布したものであってもよい。
【0053】
図1に示すように、接点バネ14は、その外周部下面を第2の接点部15bに接触させるようにして第2の接点部15bの上に置かれ、第1の接点部15aから離間した状態で第1の接点部15aの上方をドーム状に覆っている。固定用シート12は、接点バネ14を覆うようにしてプリント配線基板13の上に重ねられ、基板粘着層18bによってプリント配線基板13の表面に貼り付けられている。接点バネ14は、その頂点部分を突起部18aに接着されており、押されたときにずれ動くことのないよう突起部18aに固定されている。ここで、突起部18aの外径(非接着面19の内径)は接点バネ14の直径に比べて十分に小さく、また非接着面19の外径(基板粘着層18bの内径)は接点バネ14の直径よりも大きくなっている。従って、突起部18aはプリント配線基板13に接着することはなく、基板粘着層18bは接点バネ14に接着することがない。
【0054】
しかして、図1のような構造のキースイッチモジュール用基板11において、固定用シート12の上から接点バネ14で膨らんでいる部分を押さえると、接点バネ14が弾性的に変形して第1の接点部15aに接触し、接点バネ14を介して第1の接点部15aと第2の接点部15b間が導通してスイッチがオン(閉状態)になる。また、固定用シート12の上から接点バネ14を押さえていた力を除くと、接点バネ14が弾性復帰して第1の接点部15aから離間し、スイッチがオフ(開状態)に戻る。
【0055】
このキースイッチモジュール用基板11にあっては、突起部18aが接点バネ14の頂点に接着して接点バネ14を位置決め固定する働きとともに、接点バネ14を押す突起部としての働きを有している。つまり、このキースイッチモジュール用基板11では、固定用シート12に設けられた突起部18aによって接点バネ14を押すことができるので、キースイッチモジュール用基板11を操作したときのクリック感が良好となる。しかも、特許文献1のように接点バネ14を押す突起部との間に基材シート17が挟まらず、突起部18aが直接接点バネ14の頂点に当たっているので、押さえたときのクリック感が良好になる。
【0056】
つぎに、このキースイッチモジュール用基板11の製造方法を説明する。図4はロールコーター法により基材シート17に粘着剤を塗布して突起部18aと基板粘着層18bを形成する方法を表している。図4(a)はロールコーター法を模式的に説明しており、粘着剤槽20内には粘着剤21が溜められており、転写ローラ22は粘着剤21内に下半分が浸かっている。転写ローラ22にはバックアップローラ23が対向しており、転写ローラ22とバックアップローラ23の間の隙間を基材シート17が通過している。図4(b)に示すように、転写ローラ22の外周面には、転写部24と非転写部25が設けられている。転写部24は付着した粘着剤21を基材シート17に転写して突起部18a及び基板粘着層18bを形成する部分であり、非転写部25は粘着剤21を弾いて付着しない材質の被膜で覆われていて突起部18aと基板粘着層18bの間に非接着面19を形成する部分である。よって、基材シート17は、転写ローラ22とバックアップローラ23の隙間を通過することによって突起部18aと基板粘着層18bを一定間隔で転写され、これを適当な寸法に断裁することで固定用シート12が得られる。
【0057】
また、転写ローラ22の表面にグラビア印刷法や凸版印刷法のように凹凸を施すことによって転写部24でのみ粘着剤21を転写するようにしてもよい。
【0058】
図5は、スクリーン印刷法又は孔版印刷法により基材シート17に粘着剤を塗布して突起部18aと基板粘着層18bを形成する方法を表している。孔版26には突起部18a及び基板粘着層18bのパターンに合わせてパターン開口27が開口されている。この孔版26の下に基材シート17を配置し、孔版26の上に粘着剤21を供給してスキージ28により粘着剤21を孔版26の上面に沿って掻き取ると、パターン開口27内に入った粘着剤21が基材シート17に転写されて突起部18aと基板粘着層18bが形成される。
【0059】
図6は、両面粘着テープ29を用いて基材シート17に突起部18aと基板粘着層18bを形成する方法を表している。図6(a)に示すように、心材31の両面に粘着剤21を塗布された両面粘着テープ29は、その両面に離型紙30を貼られている。この両面粘着テープ29を、図6(b)に示すようにカッティングして非接着面19のパターンに合わせて一部除去する。ついで、カッティングした側の離型紙30を除いて一方の粘着剤21を露出させ、図6(c)に示すように、これを基材シート17の下面に貼り付ける。他方の離型紙30を両面粘着テープ29から剥がすと、図6(d)に示すように、基材シート17の裏面には両面粘着テープ29によって突起部18aと基板粘着層18bが形成される。このような構造では、突起部18a、基板粘着層18bの内部に両面粘着テープ29の心材31が含まれているので、突起部18aが潰れにくくなり、突起部18aの押圧力が大きくなる。
【0060】
なお、基材シート17に粘着剤を塗布して固定用シート12を作製する方法としては、上記以外にも、ナイフコーター、ダイコーター、グラビア印刷、凸版印刷などの方法を用いてもよい。また、突起部18aの粘着剤と基板粘着層18bの粘着剤とが同材質であれば、突起部18aと基板粘着層18bを一度の塗布工程で形成することができるので、突起部18aと基板粘着層18bは同材質であることが望ましい。
【0061】
上記のいずれかの方法によって固定用シート12が作製されると、まず図7に示すように、固定用シート12のそれぞれの突起部18aに接点バネ14の頂点部分を接着して接点バネ14を固定用シート12に固定する。
【0062】
ついで、各接点バネ14を各第2の接点部15bの上に位置合わせしながら固定用シート12をプリント配線基板13の上に重ね、基板粘着層18bをプリント配線基板13の表面に接着させて固定用シート12とプリント配線基板13を一体化し、図1に示したようなキースイッチモジュール用基板11を得る。
【0063】
本実施形態によるキースイッチモジュール用基板11にあっては、接点バネ14の頂点部分に接着している粘着層が突起部18aを構成しているので、接点バネ14の部分を固定用シート12の上から押さえると、接点バネ14は突起部18aで押されることになり、スイッチ操作時のクリック感が向上する。すなわち、接点バネ14に比べて小さな突起部18aで接点バネ14を押すようにしているので、接点バネ14を押す力が接点バネ14の頂点部分に集中して接点バネ14が変形し易くなり、クリック感が向上する。しかも、突起部18aが固定用シート12の裏面側に設けられていて接点バネ14に直接に当たっているので、より良好なクリック感を得ることができる。つまり、図8(a)のように突起部33が固定用シート12の表面側に設けられていると、突起部33を押したときに基材シート17が突起部18aと接点バネ14の間で弾性的に変形して突起部18aが接点バネ14を押す力が緩衝されるが、本実施形態のキースイッチモジュール用基板11では、このような現象が起きにくいためである。
【0064】
また、固定用シート12の表面側にキートップ照明用の柔軟な導光シート32を重ねて配置した場合(実施形態4参照)、図8(a)のように突起部33が固定用シート12の表面側にあると、突起部33で導光シート32の表面が弾性変形したり、突起部33が導光シート32に埋まり込んだりする。そのため押圧力が吸収され、また変形した導光シート32が固定用シート12に当たって押圧力が分散する結果、突起部33を設けたことによるクリック感の改善効果が著しく低下する。これに対し、この実施形態のキースイッチモジュール用基板11の場合には、図8(b)に示すように、突起部18aが導光シート32に埋まり込むことがなく、導光シート32も変形しにくくなるので、クリック感の改善効果が低下しにくくなる。
【0065】
さらに、本実施形態のキースイッチモジュール用基板11によれば、従来より基材シート17の裏面に形成されていた粘着層を利用して突起部18aを形成しているので、スイッチ操作時のクリック感を向上させるために追加部品が必要でない。そのため、クリック感の向上を図ってもキースイッチモジュール用基板11の厚みが厚くなることがなく、キースイッチモジュール用基板11を薄型化できる。また、キースイッチモジュール用基板11の製造工程が増加することがなく、コストの上昇も生じにくい。また、突起部18aが粘着層であるので、突起部が脱落する恐れもほとんどないという利点が得られる。
【0066】
(第2の実施形態)
図9は本発明の実施形態2によるキースイッチモジュール用基板34を示す分解した状態での断面図である。この実施形態では、突起部18aと基板粘着層18bの粘着層の厚みを異ならせている。特に、突起部18aの厚みを基板粘着層18bの厚みよりも厚くすることが望ましい。
【0067】
突起部18aの厚みと基板粘着層18bの厚みを異ならせる方法としては、例えば図4に示したようなロールコーター法で転写ローラ22に凹凸を形成しておく場合には、突起部18aを塗布する面と基板粘着層18bを塗布する面とで凸部の高さや凹部の深さを異ならせておけばよい。また、図5に示したようなシルク印刷法では、突起部18aを重ね塗りしたり、図6のように両面粘着テープを用いる方法では、突起部18aで2枚の両面粘着テープを重ねて貼ったりすることもできる。また、突起部18aと基板粘着層18bを別々の工程で形成する方法によれば、どのような印刷方法であってもよい。
【0068】
なお、ロールコーター法で凹凸のある転写ローラ22を用いる場合には、図9に一部拡大して示すように非接着面19にも粘着剤が付着して粘着層18cが生じる場合がある。実施形態1のように、非接着面19に粘着層が存在していなければ、接点バネ14の頂点部分の外周部分が粘着層で固定用シート12に接着されないため、接点バネ14の外周部分が固定用シート12にくっついて変形が阻害されることがなく、スイッチ操作時のクリック感がより良好となるので、好ましい。しかし、十分に薄くて接点バネ14に接着しない程度のものであれば、非接着面19に粘着層18cが生じても差し支えない。
【0069】
実施形態2のキースイッチモジュール用基板34では、突起部18aの厚みが基板粘着層18bの厚みよりも厚くなっているので、突起部18aによって接点バネ14の頂点部分を押しやすくなり、また組立時に接点バネ14を接着し易くなる。
【0070】
つぎに、この実施形態2のキースイッチモジュール用基板34と比較例(従来例)のサンプルを用いてクリック率を測定した結果を説明する。図10(a)〜(d)は測定に用いたサンプルを示す。図10(a)は比較例のサンプルであって、基材シートの裏面全面に0.1mmの厚さで粘着層36を形成した固定用シート35を用いたものである。この図10(a)のサンプルを用いて、クリック率を測定したところ32%という値が得られた。図10(b)も比較例のサンプルであって、図10(a)のサンプルの表面に導光シート32を重ねたものである。この図10(b)のサンプルでクリック率を測定したところ25%という値が得られた。図10(c)は実施形態2のサンプルであって、基材シートの裏面に厚さが0.2mmの突起部18aと厚さが0.1mmの基板粘着層18bを形成した固定用シート12を用いたものである。この図10(c)のサンプルを用いて測定したところ、クリック率は49%であった。図10(d)も実施形態2のサンプルであって、図10(c)のサンプルの表面に導光シート32を重ねたものである。この図10(d)のサンプルでクリック率を測定したところ45%という値が得られた。
【0071】
なお、クリック率は、以下のようにして測定した。各サンプルにおいて接点バネ14の直上箇所に次第に大きな荷重を加え、そのときの接点バネ14の頂点の変位を測定すると、図11のようなF−S曲線が得られる。荷重を次第に増加させると、ある荷重に達したときに接点バネ14が弾性変形してクリック動作するので、そのクリック動作開始時の荷重(動作荷重)F1を測定する。また、クリック動作が終了して接点バネ14が弾性変形している状態から次第に荷重を減少させると、ある荷重で接点バネ14が弾性復帰するので、その弾性復帰時の荷重(復帰荷重)F2を測定する。こうして測定された動作荷重F1と復帰荷重F2を用いて、クリック率は次式により計算される。
クリック率[%]=100×(F1−F2)/F1
このクリック率の値が大きいほど、クリック時の感触が良好になる。
【0072】
キースイッチモジュールとして実用性の認められるクリック率(実使用基準)は30%強であるので、図10(a)のようなサンプルでは、クリック率32%で、ぎりぎり実用性が認められる。しかし、その上に導光板を重ねた図10(b)のサンプルの場合には、クリック率が25%まで低下し、クリック感が大きく低下(7%の低下)してしまう。これに対し、図10(c)の実施形態2のサンプルでは、49%というクリック率の高い値が得られ、非常に良好なクリック感を得ることができた。さらに、この上に導光板を重ねた図10(d)のサンプルの場合にも、クリック率は45%にしか低下せず(4%の低下)、良好なクリック感を維持することができた。
【0073】
つぎに、実施形態2のキースイッチモジュール用基板34において突起部18aの直径や突起部18a及び基板粘着層18bの厚みを種々に変化させ、粘着層の厚みとクリック率との関係を検討した。表1〜表3はこの測定結果を表している。
【0074】
測定に用いたサンプルの共通の条件は、厚みが38μmの反射シートからなる基材シート17と、直径が4mmの接点バネ14とを用い、突起部18aや基板粘着層18bを両面粘着テープを用いて形成した点である。そして、突起部18aの直径、突起部18aの厚み(T1)、基板粘着層18bの厚み(T2)を変化させてロードセルによりクリック率を測定した。用いたロードセルは、アイコーエンジニアリング社製のロードセルである。
【0075】
表1は、突起部18aの直径が1mmの場合であって、表1のT1の欄は突起部18aの厚み[mm]を表し、T2は基板粘着層18bの厚み[mm]を表し、クリック率の値[%]は導光シートのない場合と、表面に導光シートを重ねた場合とについて示している。
【表1】

【0076】
表1によれば、突起部18aの厚みが基板粘着層18bの厚みよりも薄い場合には、導光シートのないときにはクリック率34.0%となり、従来例のクリック率(32%)に近い値となる。導光シートを重ねたときにはクリック率11.2%となり、従来例のクリック率(25%)よりも悪くなった。これに対し、突起部18aの厚みが基板粘着層18bの厚みよりも大きい場合には、導光シートなしのときは49.0%、導光シートを重ねたときは44.8%となり、いずれも最も高いクリック率が得られた。また、突起部18aの厚みと基板粘着層18bの厚みが等しい場合にも、導光シートの有無にかかわらず、良好なクリック率が得られた。
【0077】
また、表2は、突起部18aの直径を2mmとした場合を示している。
【表2】

【0078】
表2と表1とを比較すると、突起部18aの直径が2mmの場合には、直径が1mmの場合よりも若干クリック率が低下していることが分かる。これは、接点バネ14のクリック率を向上させるためには、いかにして接点バネ14の「頂点のみ」を押せるかにかかるからである。しかし、表2の場合にも、突起部18aの厚みが基板粘着層18bの厚みより薄い場合を除けば、導光シートがないときも、導光シートを重ねているときも、いずれも良好なクリック率となっている。
【0079】
表3は、突起部18aの直径を3mmとした場合を示している。
【表3】

【0080】
表3によれば、いずれの場合もクリック率が大幅に低下しており、従来例と比較して優位性はない。従来に比べてクリック率がよいのは、突起部18aと基板粘着層18bの厚みがいずれも0.1mmで導光シートの場合だけである。
【0081】
よって、表1〜表3の結果からは、突起部18aの直径は接点バネ14の直径の0.5倍(=2mm/4mm)以下であることが好ましいといえるが、突起部18aの直径は接点バネ14を保持できる限度でできるだけ小さいことが望ましい。突起部18aの厚みが基板粘着層18bよりも薄い場合にはクリック率が低下するので、突起部18aの厚みと基板粘着層18bの厚みが等しいか、あるいは突起部18aの厚みの方が基板粘着層18bの厚みより厚いことが必要となる。また、突起部18aの厚みが0.1mm以上0.2mm以下であることが好ましい。
【0082】
(第3の実施形態)
図12は本発明の実施形態3によるキースイッチモジュール用基板37を示す断面図である。この実施形態にあっては、基板粘着層18bの内径が接点バネ14の直径よりも少し小さくなるように構成している。従って、このキースイッチモジュール用基板37においては、基板粘着層18bの内周部分が接点バネ14の外周の裾部分に接着している。
【0083】
この実施形態によれば、プリント配線基板13に接着された基板粘着層18bの内周部分が接点バネ14の裾部分に接着されるので、押さえられたときに接点バネ14がずれ動いたり、また接点バネ14が浮き上がったりしにくくなる。
【0084】
(第4の実施形態)
図13は本発明の実施形態4によるキースイッチモジュール41の構成を示す断面図である。この実施形態では、プリント配線基板13の上に接点バネ14と固定用シート12を重ねてキースイッチモジュール用基板を形成され、その上に反射シート42と導光シート32を重ね、さらにその上にキートップ43を重ねてキースイッチモジュール41を構成している。キートップ43は、柔軟なキーシート45の表面に指で押さえるためのキー44(押釦)が配列されており、キー44の裏面からは樹脂成形品の押し子46が突出している。キー44は、各接点バネ14の直上に位置するように配置される。また、導光シート32の側面にはLED等の光源47が対向している。導光シート32は、透明で屈折率が高く、柔軟な樹脂シートによって形成されており、その裏面には光を拡散反射させるための微細な拡散パターンが形成されている。拡散パターンは、例えばピラミッド状、半球状、三角プリズム状などの凹状又は凸状をした微細なパターンである。
【0085】
しかして、光源47を発光させると、光源47から出射された光は、対向する側面から導光シート32内に入り、導光シート32内を導光する。導光シート32内を導光する光は、その途中で拡散パターンによって拡散反射され、その一部が導光シート32の表面から出射され、導光シート32の表面を発光させる。なお、拡散パターンは、導光シート32の表面全体がほぼ均一な輝度で発光するように、光源47からの距離が大きくなるに従って凹状又は凸状をした微細なパターンの単位面積当たりの数(パターン密度)が大きくなっている。よって、導光シート32によって、キートップ43の全体が背面側から照明され、暗い場所で使用する場合でもキー操作を間違えにくくなる。
【0086】
また、反射シート42は、導光シート32の裏面から漏れた光を反射させて導光シート32に裏面から再入射する働きを有しており、導光シート32内の光の利用効率を高めて照明を明るくすることができる。
【0087】
この場合、押し子46の面積を突起部18aの面積よりも大きくしてあれば、導光シート32に直接当たる押し子46の面積を大きくし、導光シート32に直接当たらす、かつ、接点バネ14に直接当たる突起部18aの面積を小さくすることができる。よって、押し子46が導光シート32の表面を撓ませて導光シート32に埋まりにくくなり、しかもキー44を押す力を小さな突起部18aに集中させて接点バネ14の頂点部分を押すことができ、クリック感を良好にすることができる。
【0088】
図14は実施形態4の変形例を示す断面図である。このキースイッチモジュール51では、実施形態4のキースイッチモジュール41から反射シート42を省いている。よって、キースイッチモジュール51では、部品点数を減らすことができてコストを安価にでき、またキースイッチモジュール51の薄型化を図ることができる。
【0089】
また、反射シート42を省いたので、基材シート17として表面反射率が70%以上の反射シートを用いている。この反射シートは光を拡散反射する白色シートものでもよく、光を正反射する鏡面シートでもよい。反射率があまり高いものはコストが高くつくので、反射率が70%よりすこし高いものが望ましい。基材シート17が高い反射率を有しているため、導光シート32の裏面から漏れた光は固定用シート12で反射させて導光シート32に再入射させることができる。つまり、反射シート42を省いても導光シート32の光利用効率が低下しない。
【0090】
図15は実施形態4の別な変形例を示す断面図である。このキースイッチモジュール61では、実施形態4のキースイッチモジュール41から反射シート42と導光シート32を省いている。よって、キースイッチモジュール61では、部品点数をさらに減らすことができてコストを安価にでき、またキースイッチモジュール51のさらなる薄型化を図ることができる。
【0091】
また、このキースイッチモジュール61では、固定用シート12の基材シート17として導光シート32を用いており、固定用シート12の側面に対向させて光源47を配置している(固定用シート12を省いて導光シート32の裏面に突起部18a、基板粘着層18bを設けたということもできる。)。よって、キースイッチモジュール61では、基材シート17によってキー44を裏面側から照明することができる。
【0092】
なお、図示しないが、さらに別な変形例としては、キー44を設ける代わりにキーシート45の表面にキーの図柄を描いたものでもよい。
【0093】
(第5の実施形態)
図16は本発明の実施形態5によるキースイッチモジュール71を示す断面図である。このキースイッチモジュール71では、キー44の裏面に対応させてキーシート45の裏面に粘着層によって押し子72を形成している。図17は、複数のキー44が配列されたキートップ43の裏面を表している。キートップ43は粘着層である押し子72によって導光シート32に接着されており、各押し子72は接点バネ14の直上に位置している。このような構造によれば、キースイッチモジュール71の薄型化と低コストかを図ることができる。
【0094】
図18は実施形態5の変形例によるキースイッチモジュール81を示す断面図である。この変形例では、図19に示すように、キーシート45の裏面において、押し子72の周囲にも粘着層82を形成している。ただし、押し子72と粘着層82との間には粘着層のない領域が設けられている。この変形例では、粘着層82も導光シート32の表面に接着されるので、キートップ43をより強固に導光シート32に固定することができる。
【0095】
(その他の実施形態)
上記各実施形態においては、接着剤(粘着層)によって固定用シートを接点バネやプリント配線基板に接着させたが、粘着剤に代えて接着剤を用いても差し支えない。例えば、透明な基材シート17の裏面に紫外線硬化型の接着剤を塗布して突起部18aと基板粘着層(接着剤層)18bを形成しておき、基板の上に接点バネと固定用シート12を重ねた後、紫外線を照射して硬化させてもよい。フレキシブルなプリント配線基板13に対して接着剤を用いる場合には、軟質の接着剤を用いるのが望ましい。もっとも、粘着剤を用いれば、接着剤のように硬化させる必要がないので、粘着剤を用いる方が製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、本発明の実施形態1によるキースイッチモジュール用基板の一部を拡大した断面図である。
【図2】図2は、実施形態1のキースイッチモジュール用基板の分解斜視図である。
【図3】、図3は、実施形態1のキースイッチモジュール用基板に用いられている固定用シートの背面図である。
【図4】図4(a)は、ロールコーター法により基材シートに粘着剤を塗布して突起部と基板粘着層を形成する方法を示す概略図、図4(b)は転写ローラの斜視図である。
【図5】図5は、スクリーン印刷法又は孔版印刷法により基材シートに粘着剤を塗布して突起部と基板粘着層を形成する方法を表した概略図である。
【図6】図6(a)(b)(c)(d)は、両面粘着テープを用いて基材シートに突起部と基板粘着層を形成する方法を表した概略図である。
【図7】図7は、基材シートの突起部に接点バネの頂点部分を接着した様子を示す断面図である。
【図8】図8は、比較例と比較して実施形態1のキースイッチモジュール用基板の作用効果を説明する図であって、図8(a)は比較例の場合を表し、図8(b)は実施形態1の場合を表している。
【図9】図9は、本発明の実施形態2によるキースイッチモジュール用基板を示す分解した状態での断面図である。
【図10】図10(a)〜(d)は、測定に用いたサンプルを表した概略図である。
【図11】図11は、接点バネのF−S曲線を表した図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態3によるキースイッチモジュール用基板を示す断面図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態4によるキースイッチモジュールの構成を示す断面図である。
【図14】図14は、実施形態4の変形例を示す断面図である。
【図15】図15は、実施形態4の別な変形例を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の実施形態5によるキースイッチモジュールを示す断面図である。
【図17】図17は、実施形態5におけるキートップの裏面図である。
【図18】図18は、本発明の実施形態5の変形例によるキースイッチモジュールを示す断面図である。
【図19】図19は、実施形態5の変形例におけるキートップの裏面図である。
【符号の説明】
【0097】
11、34、37 キースイッチモジュール用基板
12 固定用シート
13 プリント配線基板
14 接点バネ
15a 第1の接点部
15b 第2の接点部
17 基材シート
18a 突起部
18b 基板粘着層
18c 粘着層
19 非接着面
22 転写ローラ
26 孔版
29 両面粘着テープ
32 導光シート
33 突起部
35 固定用シート
36 粘着層
41、51、61、71、81 キースイッチモジュール
43 キートップ
44 キー
46、72 押し子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの裏面に、ドーム状をした接点バネの頂点部分に接着して接点バネを保持するための粘着層を有するキースイッチ用シートであって、
接点バネの頂点部分に接着される領域における前記粘着層の厚みが、その周囲の領域における粘着層の厚みよりも厚くなっていることを特徴とするキースイッチ用シート。
【請求項2】
接点バネを保持するための前記粘着層に接点バネの頂点部分を接着させて接点バネを保持させたことを特徴とする、請求項1に記載のキースイッチ用シート。
【請求項3】
前記周囲領域には粘着層が存在していないことを特徴とする、請求項1に記載のキースイッチ用シート。
【請求項4】
前記周囲領域よりもさらに外側の領域には、前記周囲領域における粘着層の厚みよりも厚く粘着層が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のキースイッチ用シート。
【請求項5】
前記基材シートの裏面に形成された粘着層は、基材シートの裏面に同時に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のキースイッチ用シート。
【請求項6】
前記基材シートの裏面に形成された粘着層は、スクリーン印刷法、グラビア印刷法またはロールコーター法を用いて基材シートの裏面に粘着剤を塗布することによって形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のキースイッチ用シート。
【請求項7】
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層の厚みが、0.1mm以上0.2mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のキースイッチ用シート。
【請求項8】
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域は、その直径が接点バネの直径の0.5倍以下であることを特徴とする、請求項1に記載のキースイッチ用シート。
【請求項9】
ドーム状をした接点バネの頂点部分を粘着剤又は接着剤により基材シートの裏面に接着し、接点バネによって導通状態又は絶縁状態に切り替えられる第1の固定接点と第2の固定接点が形成された基板に、粘着剤又は接着剤により前記基材シートの裏面を接着して、前記接点バネを第1の固定接点と第2の固定接点に対向させたキースイッチモジュール用基板であって、
前記接点バネの頂点部分が前記基材シートに接着された領域における前記粘着剤又は接着剤の層の厚みが、その周囲の領域における粘着剤又は接着剤の層の厚みよりも厚く、
前記基材シートが前記基板に接着された領域における前記粘着剤又は接着剤の層の厚みが、前記周囲領域における粘着層又は接着剤の層の厚みよりも厚くなっていることを特徴とするキースイッチモジュール用基板。
【請求項10】
前記周囲領域の外側に塗布された粘着剤又は接着剤のうち一部が前記接点バネの外周部分に接着され、残りの一部又は全部が前記基板に接着されていることを特徴とする、請求項9に記載のキースイッチモジュール用基板。
【請求項11】
前記接点バネの頂点部分を粘着剤又は接着剤により前記基材シートの裏面に接着して接点バネが基材シートに固定されたキースイッチ用シートを作製し、そのキースイッチ用シートの裏面を粘着剤又は接着剤により前記基板に接着することによって前記接点バネを前記基板と前記基材シートとの間に挟み込んだことを特徴とする、請求項9に記載のキースイッチモジュール用基板。
【請求項12】
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着剤又は接着剤の厚みが、0.1mm以上0.2mm以下であることを特徴とする、請求項9に記載のキースイッチモジュール用基板。
【請求項13】
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域は、その直径が接点バネの直径の0.5倍以下であることを特徴とする、請求項9に記載のキースイッチモジュール用基板。
【請求項14】
基材シートの裏面に、ドーム状をした接点バネの頂点部分に接着して接点バネを保持するための粘着層を有するキースイッチ用シートであって、
接点バネの頂点部分に接着させる領域に形成された粘着層の周囲に、粘着層の存在しない領域が形成され、当該粘着層の存在しない領域のさらに外側の領域に粘着層が形成されており、
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層と、粘着層の存在しない領域の外側の前記領域に形成された粘着層とが同材質であることを特徴とするキースイッチ用シート。
【請求項15】
接点バネを保持するための前記粘着層に接点バネの頂点部分を接着させて接点バネを保持させたことを特徴とする、請求項14に記載のキースイッチ用シート。
【請求項16】
前記基材シートの裏面に形成された粘着層は、形成されている位置にかかわらず均一な厚みを有していることを特徴とする、請求項14又は15に記載のキースイッチ用シート。
【請求項17】
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層の厚みが、粘着層の存在しない領域の外側の前記領域に形成された粘着層の厚みよりも厚くなっていることを特徴とする、請求項14又は15に記載のキースイッチ用シート。
【請求項18】
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域に形成された粘着層の厚みが、0.1mm以上0.2mm以下であることを特徴とする、請求項14又は15に記載のキースイッチ用シート。
【請求項19】
接点バネの頂点部分に接着させる前記領域は、その直径が接点バネの直径の0.5倍以下であることを特徴とする、請求項14又は15に記載のキースイッチ用シート。
【請求項20】
前記基材シートの裏面に形成された粘着層は、基材シートに一方の粘着面を接着された両面粘着テープであることを特徴とする、請求項14又は15に記載のキースイッチ用シート。
【請求項21】
前記基材シートは、表面反射率が70%以上の反射シートであることを特徴とする、請求項14又は15に記載のキースイッチ用シート。
【請求項22】
前記基材シートは、キートップを照明するための導光シートであることを特徴とする、請求項14又は15に記載のキースイッチ用シート。
【請求項23】
請求項1、9又は14に記載したキースイッチモジュール用基板と、前記スイッチモジュール用基板の表面側に配置されたキートップとを備え、
前記キートップには、外部から前記接点バネを押さえてスイッチ操作するための押釦が、前記接点バネの位置に対応させて配置されていることを特徴とするキースイッチモジュール。
【請求項24】
前記キートップと前記キースイッチモジュール用基板との間に、キートップを裏面側から照明するための導光シートが配置されていることを特徴とする、請求項23に記載のキースイッチモジュール。
【請求項25】
前記押釦の裏面に当該裏面から突出するようにして粘着剤からなる押し子を設け、前記接点バネの頂点部分と対応する位置において前記押し子を前記キートップ背面と対向する部材に接着させたことを特徴とする、請求項23に記載のキースイッチモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−238679(P2009−238679A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85763(P2008−85763)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】