ギャップ測定方法および装置
【課題】 光量変化、超音波信号伝達時間を用いて、ローラギャップ測定のバラツキを低減し、維持管理の容易なギャップ測定方法および装置を提供する。
【解決手段】 ローラ間のギャップを測定するギャップ測定方法において、対向する2枚の平板13a、13bを伸縮変形する側壁で囲んだ容器形状の測定子13と、この伸縮する測定子13へ充填する充填部材12aおよびその充填部材12aを充填する充填機構12と、測定対象であるローラ9、10間に前記測定子13を挿入し充填部材12aを充填したときの測定子13における平板間隔の検出部14を有し、検出量をローラ間距離に換算する演算部15を有する。
【解決手段】 ローラ間のギャップを測定するギャップ測定方法において、対向する2枚の平板13a、13bを伸縮変形する側壁で囲んだ容器形状の測定子13と、この伸縮する測定子13へ充填する充填部材12aおよびその充填部材12aを充填する充填機構12と、測定対象であるローラ9、10間に前記測定子13を挿入し充填部材12aを充填したときの測定子13における平板間隔の検出部14を有し、検出量をローラ間距離に換算する演算部15を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなど電子写真方式の画像形成装置に用いる現像装置に関わるローラ部品、円筒状部品同士または円筒状部品と他部材で構成されるギャップのギャップ測定方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、ファクシミリ、プリンタなど電子写真方式の画像形成装置において、感光体と現像ローラの間に生じるギャップに光を透過させてギャップを測定するレイアウトを採ることは知られている(例えば、特許文献1ないし3参照)。
特許文献1ではレーザ式ゲージ(光学式測定器)を用いた事例を、特許文献2ではカメラを用いた回転型現像装置を備えた画像形成装置の組み立て方法を、そして特許文献3ではロール形状のギャップ測定方式として、渦電流方式を用いているロールギャップ検出装置およびロール端部形状を開示している。
複写機、ファクシミリ、プリンタなど電子写真方式の画像形成装置には、感光体を均一に帯電させる帯電ローラ、光導電性を有し露光により潜像を形成する感光体、感光体潜像に現像トナーを付着させるために搬送する現像ローラ、および現像剤を封入するケース等で構成された現像ユニットがある。この現像ユニットにおいては、画像品質へ影響を及ぼす重要な管理項目に、感光体と現像ローラのギャップがある。
図12は感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の1例を示す概略図である。図12において、現像ユニットのケース1内で感光体2と現像ローラ3の間に光を透過させるレイアウトが採れたため、ケース1の上部および下部に、光を透過させる出入り口を設けている。
この出入り口に、LMG投光部4およびLMG受光部5を設けている光学式寸法測定器を用いて、透過してくる光の幅から、感光体2と現像ローラ3のギャップを測定している。
図13は図12の投受光用の穴の光学的連通を塞ぐシールを示す概略図である。図13に示すように、ギャップ測定後は光を透過させないように、ケース1上下の投受光用の穴の光学的連通をシール6で遮断しておく。
近年、画像品質向上要求に伴い、現像ユニットの高精度化、小型化が図られているため、感光体2と現像ローラ3の間に光を透過させるスペースが確保できなくなってきた。
図14は感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の他の例を示す概略図である。図14においては、現像ユニット上部に感光体2と現像ローラ3が見える位置でケース1に穴を開けている。
穴から見える感光体2と現像ローラ3の部分をCCDカメラ7で撮影し、カメラ画像を画像処理することで、感光体2と現像ローラ3のギャップ8を測定するようにしている。ここで、測定後ケースの穴は、シール6で塞いでいる。
【特許文献1】特開平5−289488号公報
【特許文献2】特開2002−214900公報
【特許文献3】特開平06−106240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のCCDカメラで撮影した画像を処理してギャップ測定する場合にも、以下のような課題がある。
まず、光学系レイアウトや光源の影響を受け易い。すなわち、CCDカメラと対象ワークの距離、カメラ角度、照明角度、照明光量のいずれかが変化すると、測定対象物からの光の反射具合が変化し、画像処理時のローラ端部検出がばらつき、ローラギャップの測定自体が安定しない。
また、測定対象の表面状態の影響も大きい。すなわち、測定対象表面の光沢ムラや表面粗さの違いにより、やはり、測定対象物からの光の反射具合が変化し、画像処理時のローラ端部検出がばらつき、ローラギャップの測定自体が安定しない。
上記の課題に対応し、安定してローラのギャップを測定するためには、測定機器の維持管理や部品の品質管理などによって画像処理測定を実施するための負担が大きい。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、光量変化、超音波信号伝達時間を用いて、ローラギャップ測定のバラツキを低減し、維持管理の容易なギャップ測定方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ローラ間のギャップを測定するギャップ測定方法において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この伸縮する測定子へ充填する充填部材およびその充填部材を充填する充填機構と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し充填部材を充填したときの測定子における平板間隔の検出部を有し、検出量をローラ間距離に換算する演算部を有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、ローラ間のギャップを測定するギャップ測定装置において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この測定子に設けられる投光部および受光部と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し、充填部材を充填したときの前記測定子の平板間における受光量を検出する検出部と、検出量をローラ間距離に換算する演算部および前記ローラ間距離を表示する表示部を備える構成であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記測定子と、この測定子の一方に前記投光部および前記受光部を設け、もう一方に反射部を設ける請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記測定子と、この測定子において、中央部に投光部および受光部を設け、かつ、2枚の平板および前記測定子底面に反射部を設ける構成である請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部を設け、他方に信号受信部を設ける請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部および受信部を設け、他方に信号反射部を設ける構成である請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、対象部品の光沢や粗さ等の表面状態および材質に影響されずに、測定対象物が構成するギャップを測定することができるとともに、測定機器の維持管理を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第1の実施の形態を充填前の状態において示す概略図である。図2は図1の第1の実施の形態を充填後の状態において示す概略図である。
本発明におけるローラギャップ測定装置の概略構造は、図示してない現像ユニットのケース内部の感光体ドラム9と現像ローラ10との間のギャップに測定部11を配置する構成になっている。
感光体ドラム9と現像ローラ10との間のギャップは充填機構12から充填部材12aを充填することにより伸縮変形する。測定部11の両端部に平板13a、13bを含む測定子13を有し、測定対象のギャップ内に、この測定子13を挿入する。
伸縮変形部へ充填部材12aを充填したときの平板間隔を検出する検出部14を備えて、その平板間隔の検出量から距離に換算する演算部、およびその距離換算値を表示する表示部15を有している。
図1および図2を参照して本発明の測定方法を以下に示す。充填材料を充填する前の膨張していない測定子13を、測定対象であるローラ、すなわち、感光体ドラム9と現像ローラ10のギャップ16に挿入する。次に、測定対象である両側のローラに、測定子平面が触れるまで、充填部材12aを測定子13に充填する。
測定子13への充填が完了した時点で、測定子13の平板13a、13bの平板間距離を検出する。ここで、検出した平板間隔量をギャップ量へ換算するとともに、測定子13の平板厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。
図3は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第2の実施の形態を示す概略図である。図4は図3の第2の実施の形態における測定部を拡大して示す断面図である。図3および図4において、この第2の実施の形態では、測定子13の対向する平板13a、13bの一方に投光部17を設け、他方に受光部18を設ける。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し、充填部材12aを充填したとき投光部17から投光された光を受光部18で受け、この受光量を検出する。この充填時の受光量と未充填時の受光量の変化量から、充填時の平板間隔を検出する。
この第2の実施の形態においては、受光量検出部19および発光・受光制御部20を有している。この平板間隔量に、測定子13の平板厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。
上記実施の形態では、充填部材に光の透過を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。また、投光部17、受光部18には光ファイバを用いている。
【0007】
図5は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第3の実施の形態を示す概略図である。図6は図5の第3の実施の形態における測定部を拡大して示す断面図である。
この第3の実施の形態において、構造は全体的には図3の第2の実施の形態と同じであるが、第2の実施の形態とは、測定子13の対向する平板の両側に反射板21を設け、測定子13中央部に投光および受光部17aを設けることが異なっている。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材を充填したとき、投光部および受光部17aの投光部から投光した光を、側壁で対向する反射板21からの反射光を、投光部および受光部17aの受光部で受光して受光量を検出する。この充填時の受光量と未充填時の受光量の変化量から、充填時の平板間隔を検出する。
測定子13に充填されると平板間隔は広がることになり、両側の反射板21からの反射が減り受光量は低減することになる。したがって受光量を検出することにより、平板間隔を検出することができる。
この平板間隔量に、測定子13の平板の厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。前述したと同様に、本実施の形態でも、充填部材に光の透過を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
【0008】
図7は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第4の実施の形態を示す概略図である。図8は図7の第4の実施の形態における測定部を拡大して示す断面図である。図9は図8の例より大きい測定部を示す断面図である。
図7ないし図9において、測定子13の対向する平板の両側および底面部に反射板21を設け、測定子13中央部に投光部17bおよび受光部17cを設ける。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材を充填したとき、投光部17bから投光した光を、底面および側壁で対向する反射部(反射板)21からの反射光として、受光部17cで受光して受光量を検出する。この充填時の受光量と未充填時の受光量の変化量から、充填時の平板間隔を検出する。
第3の実施の形態に関連して説明したように、充填部材が測定子13に充填されると平板間隔は広がることになり、両側の反射板21からの反射が減り受光量は低減することになる。したがって受光量を検出することにより、平板間隔を検出することができる。
この平板間隔量に、測定子13の平板の厚みを加えることにより、測定対象のギャップを算出することができる。この第4の実施の形態でも、充填部材に光の透過を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
また、この第4の実施の形態において、投光部17bおよび受光部17cには、投光部17bを中心に、その周囲を受光部17cとした同軸形状の光ファイバを用いている。
【0009】
図10は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第5の実施の形態を示す概略図である。図10において、測定子13の対向する平板13a、13bの一方に超音波信号送信部22を設け、他方に超音波信号受信部23を設ける。
超音波信号送信部22および超音波信号受信部23は超音波送信/受信回路24に接続され、信号到達時間検出部25に接続され、そしてこの信号到達時間検出部25は距離換算演算処理部および表示部15に接続されている。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材12aを充填したときに、超音波信号送信部22から信号を送信し、信号受信部23が受信するまでの時間を信号到達時間検出部25で検出する。この信号到達時間から充填時の平板間隔を検出する。
この平板間隔量に、測定子13の平板13a、13bの厚みを加えることにより、測定対象のギャップを算出することができる。本実施の形態では、信号に超音波パルス信号を用いており、充填部材に伝播を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
【0010】
図11は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第6の実施の形態を示す概略図である。図11において、測定子13の対向する平板13a、13bの一方に超音波信号送信部/受信部26を設け、他方に信号反射部27を設ける。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材12aを充填したときに、超音波信号送信部/受信部26の送信部から信号を送信し、信号反射部27から反射された信号を、超音波信号受信部/受信部26の受信部が受信するまでの信号調達時間を検出する。この信号到達時間から、充填時の平板間隔を検出する。
この平板間隔量に、測定子13の平板13a、13bの厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。本実施の形態では第5の実施の形態と同様に、信号に超音波パルス信号を用いており、充填部材には伝播を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
また、上述の第1ないし第6の実施の形態では、感光体ドラムと現像ローラの円筒形状物のギャップを測定しているが、円筒形状と平面形状、或いは平面形状同士のギャップの測定にも展開することができる。
本発明によれば、ギャップ測定装置において、対向する平板13a、13bの片側を投光部/受光部17aおよびもう一方の平板側を反射部材21とすることにより、測定子13の小型化・省スペース化が図れる。
本発明によれば、ギャップ測定装置において、対向する平板を反射部材21とし、平板間の中央に投光部17bおよび受光部17cを設けることより、測定子13の小型化・省スペース化が図れる。
本発明によれば、ギャップ測定装置において、測定部11の平板電極間隔を、電気信号を用いて検出することにより、上述した効果に加えて、高精度な測定が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第1の実施の形態を充填前の状態において示す概略図である。
【図2】図1の第1の実施の形態を充填後の状態において示す概略図である。
【図3】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図4】図3の測定部を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第3の実施の形態を示す概略図である。
【図6】図5の測定部を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第4の実施の形態を示す概略図である。
【図8】図7の測定部を拡大して示す断面図である。
【図9】図8の例より大きい測定部を示す断面図である。
【図10】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第5の実施の形態を示す概略図である。
【図11】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第6の実施の形態を示す概略図である。
【図12】感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の一例を示す概略図である。
【図13】図12の投受光用の穴の光学的連通を塞ぐシールを示す概略図である。
【図14】感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0012】
9 感光体ドラム
10 現像ローラ
11 測定部
12 充填機構
12a 充填部材
13 測定子
13a 平板
13b 平板
14 平板間隔検出部
15 距離換算演算部および表示部
16 ギャップ
17 投光部
17a 投光部/受光部
17b 投光部
17c 受光部
18 受光部
19 受光量検出部
20 発光・受光制御部
21 反射部(反射板)
22 超音波送信部
23 超音波受信部
24 超音波送信/受信回路
25 信号到達時間検出部
26 超音波送信/受信部
27 超音波反射部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなど電子写真方式の画像形成装置に用いる現像装置に関わるローラ部品、円筒状部品同士または円筒状部品と他部材で構成されるギャップのギャップ測定方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、ファクシミリ、プリンタなど電子写真方式の画像形成装置において、感光体と現像ローラの間に生じるギャップに光を透過させてギャップを測定するレイアウトを採ることは知られている(例えば、特許文献1ないし3参照)。
特許文献1ではレーザ式ゲージ(光学式測定器)を用いた事例を、特許文献2ではカメラを用いた回転型現像装置を備えた画像形成装置の組み立て方法を、そして特許文献3ではロール形状のギャップ測定方式として、渦電流方式を用いているロールギャップ検出装置およびロール端部形状を開示している。
複写機、ファクシミリ、プリンタなど電子写真方式の画像形成装置には、感光体を均一に帯電させる帯電ローラ、光導電性を有し露光により潜像を形成する感光体、感光体潜像に現像トナーを付着させるために搬送する現像ローラ、および現像剤を封入するケース等で構成された現像ユニットがある。この現像ユニットにおいては、画像品質へ影響を及ぼす重要な管理項目に、感光体と現像ローラのギャップがある。
図12は感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の1例を示す概略図である。図12において、現像ユニットのケース1内で感光体2と現像ローラ3の間に光を透過させるレイアウトが採れたため、ケース1の上部および下部に、光を透過させる出入り口を設けている。
この出入り口に、LMG投光部4およびLMG受光部5を設けている光学式寸法測定器を用いて、透過してくる光の幅から、感光体2と現像ローラ3のギャップを測定している。
図13は図12の投受光用の穴の光学的連通を塞ぐシールを示す概略図である。図13に示すように、ギャップ測定後は光を透過させないように、ケース1上下の投受光用の穴の光学的連通をシール6で遮断しておく。
近年、画像品質向上要求に伴い、現像ユニットの高精度化、小型化が図られているため、感光体2と現像ローラ3の間に光を透過させるスペースが確保できなくなってきた。
図14は感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の他の例を示す概略図である。図14においては、現像ユニット上部に感光体2と現像ローラ3が見える位置でケース1に穴を開けている。
穴から見える感光体2と現像ローラ3の部分をCCDカメラ7で撮影し、カメラ画像を画像処理することで、感光体2と現像ローラ3のギャップ8を測定するようにしている。ここで、測定後ケースの穴は、シール6で塞いでいる。
【特許文献1】特開平5−289488号公報
【特許文献2】特開2002−214900公報
【特許文献3】特開平06−106240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のCCDカメラで撮影した画像を処理してギャップ測定する場合にも、以下のような課題がある。
まず、光学系レイアウトや光源の影響を受け易い。すなわち、CCDカメラと対象ワークの距離、カメラ角度、照明角度、照明光量のいずれかが変化すると、測定対象物からの光の反射具合が変化し、画像処理時のローラ端部検出がばらつき、ローラギャップの測定自体が安定しない。
また、測定対象の表面状態の影響も大きい。すなわち、測定対象表面の光沢ムラや表面粗さの違いにより、やはり、測定対象物からの光の反射具合が変化し、画像処理時のローラ端部検出がばらつき、ローラギャップの測定自体が安定しない。
上記の課題に対応し、安定してローラのギャップを測定するためには、測定機器の維持管理や部品の品質管理などによって画像処理測定を実施するための負担が大きい。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、光量変化、超音波信号伝達時間を用いて、ローラギャップ測定のバラツキを低減し、維持管理の容易なギャップ測定方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ローラ間のギャップを測定するギャップ測定方法において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この伸縮する測定子へ充填する充填部材およびその充填部材を充填する充填機構と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し充填部材を充填したときの測定子における平板間隔の検出部を有し、検出量をローラ間距離に換算する演算部を有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、ローラ間のギャップを測定するギャップ測定装置において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この測定子に設けられる投光部および受光部と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し、充填部材を充填したときの前記測定子の平板間における受光量を検出する検出部と、検出量をローラ間距離に換算する演算部および前記ローラ間距離を表示する表示部を備える構成であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記測定子と、この測定子の一方に前記投光部および前記受光部を設け、もう一方に反射部を設ける請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記測定子と、この測定子において、中央部に投光部および受光部を設け、かつ、2枚の平板および前記測定子底面に反射部を設ける構成である請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部を設け、他方に信号受信部を設ける請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部および受信部を設け、他方に信号反射部を設ける構成である請求項2記載のギャップ測定装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、対象部品の光沢や粗さ等の表面状態および材質に影響されずに、測定対象物が構成するギャップを測定することができるとともに、測定機器の維持管理を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第1の実施の形態を充填前の状態において示す概略図である。図2は図1の第1の実施の形態を充填後の状態において示す概略図である。
本発明におけるローラギャップ測定装置の概略構造は、図示してない現像ユニットのケース内部の感光体ドラム9と現像ローラ10との間のギャップに測定部11を配置する構成になっている。
感光体ドラム9と現像ローラ10との間のギャップは充填機構12から充填部材12aを充填することにより伸縮変形する。測定部11の両端部に平板13a、13bを含む測定子13を有し、測定対象のギャップ内に、この測定子13を挿入する。
伸縮変形部へ充填部材12aを充填したときの平板間隔を検出する検出部14を備えて、その平板間隔の検出量から距離に換算する演算部、およびその距離換算値を表示する表示部15を有している。
図1および図2を参照して本発明の測定方法を以下に示す。充填材料を充填する前の膨張していない測定子13を、測定対象であるローラ、すなわち、感光体ドラム9と現像ローラ10のギャップ16に挿入する。次に、測定対象である両側のローラに、測定子平面が触れるまで、充填部材12aを測定子13に充填する。
測定子13への充填が完了した時点で、測定子13の平板13a、13bの平板間距離を検出する。ここで、検出した平板間隔量をギャップ量へ換算するとともに、測定子13の平板厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。
図3は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第2の実施の形態を示す概略図である。図4は図3の第2の実施の形態における測定部を拡大して示す断面図である。図3および図4において、この第2の実施の形態では、測定子13の対向する平板13a、13bの一方に投光部17を設け、他方に受光部18を設ける。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し、充填部材12aを充填したとき投光部17から投光された光を受光部18で受け、この受光量を検出する。この充填時の受光量と未充填時の受光量の変化量から、充填時の平板間隔を検出する。
この第2の実施の形態においては、受光量検出部19および発光・受光制御部20を有している。この平板間隔量に、測定子13の平板厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。
上記実施の形態では、充填部材に光の透過を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。また、投光部17、受光部18には光ファイバを用いている。
【0007】
図5は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第3の実施の形態を示す概略図である。図6は図5の第3の実施の形態における測定部を拡大して示す断面図である。
この第3の実施の形態において、構造は全体的には図3の第2の実施の形態と同じであるが、第2の実施の形態とは、測定子13の対向する平板の両側に反射板21を設け、測定子13中央部に投光および受光部17aを設けることが異なっている。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材を充填したとき、投光部および受光部17aの投光部から投光した光を、側壁で対向する反射板21からの反射光を、投光部および受光部17aの受光部で受光して受光量を検出する。この充填時の受光量と未充填時の受光量の変化量から、充填時の平板間隔を検出する。
測定子13に充填されると平板間隔は広がることになり、両側の反射板21からの反射が減り受光量は低減することになる。したがって受光量を検出することにより、平板間隔を検出することができる。
この平板間隔量に、測定子13の平板の厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。前述したと同様に、本実施の形態でも、充填部材に光の透過を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
【0008】
図7は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第4の実施の形態を示す概略図である。図8は図7の第4の実施の形態における測定部を拡大して示す断面図である。図9は図8の例より大きい測定部を示す断面図である。
図7ないし図9において、測定子13の対向する平板の両側および底面部に反射板21を設け、測定子13中央部に投光部17bおよび受光部17cを設ける。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材を充填したとき、投光部17bから投光した光を、底面および側壁で対向する反射部(反射板)21からの反射光として、受光部17cで受光して受光量を検出する。この充填時の受光量と未充填時の受光量の変化量から、充填時の平板間隔を検出する。
第3の実施の形態に関連して説明したように、充填部材が測定子13に充填されると平板間隔は広がることになり、両側の反射板21からの反射が減り受光量は低減することになる。したがって受光量を検出することにより、平板間隔を検出することができる。
この平板間隔量に、測定子13の平板の厚みを加えることにより、測定対象のギャップを算出することができる。この第4の実施の形態でも、充填部材に光の透過を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
また、この第4の実施の形態において、投光部17bおよび受光部17cには、投光部17bを中心に、その周囲を受光部17cとした同軸形状の光ファイバを用いている。
【0009】
図10は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第5の実施の形態を示す概略図である。図10において、測定子13の対向する平板13a、13bの一方に超音波信号送信部22を設け、他方に超音波信号受信部23を設ける。
超音波信号送信部22および超音波信号受信部23は超音波送信/受信回路24に接続され、信号到達時間検出部25に接続され、そしてこの信号到達時間検出部25は距離換算演算処理部および表示部15に接続されている。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材12aを充填したときに、超音波信号送信部22から信号を送信し、信号受信部23が受信するまでの時間を信号到達時間検出部25で検出する。この信号到達時間から充填時の平板間隔を検出する。
この平板間隔量に、測定子13の平板13a、13bの厚みを加えることにより、測定対象のギャップを算出することができる。本実施の形態では、信号に超音波パルス信号を用いており、充填部材に伝播を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
【0010】
図11は本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第6の実施の形態を示す概略図である。図11において、測定子13の対向する平板13a、13bの一方に超音波信号送信部/受信部26を設け、他方に信号反射部27を設ける。
対象ギャップ16に測定子13を挿入し充填部材12aを充填したときに、超音波信号送信部/受信部26の送信部から信号を送信し、信号反射部27から反射された信号を、超音波信号受信部/受信部26の受信部が受信するまでの信号調達時間を検出する。この信号到達時間から、充填時の平板間隔を検出する。
この平板間隔量に、測定子13の平板13a、13bの厚みを加えることにより、測定対象のギャップ16を算出することができる。本実施の形態では第5の実施の形態と同様に、信号に超音波パルス信号を用いており、充填部材には伝播を妨げない空気、あるいは不純物を含まない純水を用いている。
また、上述の第1ないし第6の実施の形態では、感光体ドラムと現像ローラの円筒形状物のギャップを測定しているが、円筒形状と平面形状、或いは平面形状同士のギャップの測定にも展開することができる。
本発明によれば、ギャップ測定装置において、対向する平板13a、13bの片側を投光部/受光部17aおよびもう一方の平板側を反射部材21とすることにより、測定子13の小型化・省スペース化が図れる。
本発明によれば、ギャップ測定装置において、対向する平板を反射部材21とし、平板間の中央に投光部17bおよび受光部17cを設けることより、測定子13の小型化・省スペース化が図れる。
本発明によれば、ギャップ測定装置において、測定部11の平板電極間隔を、電気信号を用いて検出することにより、上述した効果に加えて、高精度な測定が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第1の実施の形態を充填前の状態において示す概略図である。
【図2】図1の第1の実施の形態を充填後の状態において示す概略図である。
【図3】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図4】図3の測定部を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第3の実施の形態を示す概略図である。
【図6】図5の測定部を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第4の実施の形態を示す概略図である。
【図8】図7の測定部を拡大して示す断面図である。
【図9】図8の例より大きい測定部を示す断面図である。
【図10】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第5の実施の形態を示す概略図である。
【図11】本発明によるローラギャップ測定装置の構造の第6の実施の形態を示す概略図である。
【図12】感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の一例を示す概略図である。
【図13】図12の投受光用の穴の光学的連通を塞ぐシールを示す概略図である。
【図14】感光体と現像ローラのギャップを測定する従来の方法の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0012】
9 感光体ドラム
10 現像ローラ
11 測定部
12 充填機構
12a 充填部材
13 測定子
13a 平板
13b 平板
14 平板間隔検出部
15 距離換算演算部および表示部
16 ギャップ
17 投光部
17a 投光部/受光部
17b 投光部
17c 受光部
18 受光部
19 受光量検出部
20 発光・受光制御部
21 反射部(反射板)
22 超音波送信部
23 超音波受信部
24 超音波送信/受信回路
25 信号到達時間検出部
26 超音波送信/受信部
27 超音波反射部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ間のギャップを測定するギャップ測定方法において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この伸縮する測定子へ充填する充填部材およびその充填部材を充填する充填機構と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し充填部材を充填したときの測定子における平板間隔の検出部を有し、検出量をローラ間距離に換算する演算部を有することを特徴とするギャップ測定方法。
【請求項2】
ローラ間のギャップを測定するギャップ測定装置において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この測定子に設けられる投光部および受光部と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し、充填部材を充填したときの前記測定子の平板間における受光量を検出する検出部と、検出量をローラ間距離に換算する演算部および前記ローラ間距離を表示する表示部を備える構成であることを特徴とするギャップ測定装置。
【請求項3】
前記測定子と、この測定子の一方に前記投光部および前記受光部を設け、もう一方に反射部を設けることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【請求項4】
前記測定子と、この測定子において、中央部に投光部および受光部を設け、かつ、2枚の平板および前記測定子底面に反射部を設ける構成であることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【請求項5】
前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部を設け、他方に信号受信部を設けることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【請求項6】
前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部および受信部を設け、他方に信号反射部を設ける構成であることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【請求項1】
ローラ間のギャップを測定するギャップ測定方法において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この伸縮する測定子へ充填する充填部材およびその充填部材を充填する充填機構と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し充填部材を充填したときの測定子における平板間隔の検出部を有し、検出量をローラ間距離に換算する演算部を有することを特徴とするギャップ測定方法。
【請求項2】
ローラ間のギャップを測定するギャップ測定装置において、対向する2枚の平板を伸縮変形する側壁により囲んだ容器形状の測定子と、この測定子に設けられる投光部および受光部と、測定対象であるローラ間に前記測定子を挿入し、充填部材を充填したときの前記測定子の平板間における受光量を検出する検出部と、検出量をローラ間距離に換算する演算部および前記ローラ間距離を表示する表示部を備える構成であることを特徴とするギャップ測定装置。
【請求項3】
前記測定子と、この測定子の一方に前記投光部および前記受光部を設け、もう一方に反射部を設けることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【請求項4】
前記測定子と、この測定子において、中央部に投光部および受光部を設け、かつ、2枚の平板および前記測定子底面に反射部を設ける構成であることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【請求項5】
前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部を設け、他方に信号受信部を設けることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【請求項6】
前記測定子と、この測定子の一方に信号送信部および受信部を設け、他方に信号反射部を設ける構成であることを特徴とする請求項2記載のギャップ測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−58090(P2006−58090A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238819(P2004−238819)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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