ギヤ等組付け装置
【課題】軸部材にサイズの異なる多数個のギヤを、セットすることができるギヤ等組付け装置を提供することを課題とする。
【解決手段】第1ロボット17は、ハンド45にギヤ24を挟んだ形態で所定位置にて待機している。第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62でギヤ24の円周面24bを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へギヤ24の持ち替えが行われた。第2ロボット18は、軸部材19に上からギヤ24を投入する。
【効果】第1ロボットでギヤの両側面を挟む。両側面を挟むため、サイズの異なるギヤを、ギヤ供給機構から簡単に第1ロボットでピックアップすることができる。結果、軸部材にサイズの異なる多数個のギヤを、セットすることができるギヤ等組付け装置を提供することができる。
【解決手段】第1ロボット17は、ハンド45にギヤ24を挟んだ形態で所定位置にて待機している。第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62でギヤ24の円周面24bを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へギヤ24の持ち替えが行われた。第2ロボット18は、軸部材19に上からギヤ24を投入する。
【効果】第1ロボットでギヤの両側面を挟む。両側面を挟むため、サイズの異なるギヤを、ギヤ供給機構から簡単に第1ロボットでピックアップすることができる。結果、軸部材にサイズの異なる多数個のギヤを、セットすることができるギヤ等組付け装置を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状部品(座金、カラー、C止輪など)及びギヤを順次軸部材にセットするギヤ等組付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スプライン軸に環状部品をセットする作業は、多くが人手によって行われてきたが、近年、生産性の向上を目的に、セット作業を自動化する技術が実用に供されるようになってきた(例えば、特許文献1(図3)参照。)。
【0003】
特許文献1を、図14に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、前工程から搬入されてきたスリーブ101には、駆動軸102が嵌っている。なお、この駆動軸102の一端に、ドリブンギヤ103が一体形成されている。
先ず、円柱治具104の上面にオイルシール105を載せ、上昇させる。
【0004】
(b)に示すように、円柱治具104の上面で、駆動軸102を押し上げると共にスリーブ101の所定箇所にオイルシール105を嵌合する。嵌合後、駆動軸102を上へ外すと共に、円柱治具104を下へ撤去する。
(c)にて、上からOリング106を軸方向下方へ移動させながらスリーブ101に装着する。
【0005】
(d)に示すように、スリーブ101に駆動軸102を再び取付ける。これで、オイルシール105及びOリング106の組付け作業が終了する。
以上に述べた特許文献1の技術によれば、自動化により組付け作業時間を短縮することができる。
【0006】
図15は内燃機関のカウンターシャフトの分解図であり、カウンターシャフト110の製造工程では、スプライン111が切られている軸部材112に、サイズ違いの第1〜第4ギヤ113〜116や、カラー117や、各種座金(又はC止輪)118〜123が、順に組み込まれる。
【0007】
この組み込み作業に、特許文献1の技術を適用することを検討する。
例えば、図14(a)において円柱治具104の外径は、オイルシール105の外径に合致している。オイルシール105のサイズ毎に円柱治具104を準備する必要がある。すなわち、特許文献1は、組付け部品のサイズが1種類であるときに適用できる。
図15に示すカウンターシャフト110のように、ギヤ113〜116のサイズが異なる場合には、組付け装置を多数基準備する必要があり、特許文献1の技術は適当とは言えない。
【0008】
そこで、軸部材にサイズの異なる多数個のギヤ等を、セットすることができるギヤ等組付け装置が、求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−185969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、軸部材にサイズの異なる多数個のギヤ等を、セットすることができるギヤ等組付け装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えるハンド治具と、
前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起を、サイズ違いで複数本上向きの形態で備えている環状部品用治具と、
前記ハンド治具と前記環状部品用治具を選択に把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記環状部品用治具の前記円柱突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えると共に前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起又は多段柱状突起を備えているハンド治具と、
前記ハンド治具を把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記円柱突起若しくは前記多段柱状突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、第1ロボットと第2ロボットからなる2基のロボットを使用する。
第1ロボットは、第2ロボットが挟み易いようにギヤの両側面を挟み持つ。又は、環状部品の穴に円柱突起を挿入した形態での円柱突起を用いて、第1ロボットは、環状部品を第2ロボットに受け渡す。
第2ロボットは、ギヤの円周面又は環状部品の円周面を挟み持ち、ギヤ又は環状部品を軸部材に上からセットする。
【0014】
すなわち、第1ロボットはギヤの円周面や環状部品の円周面が露出した状態で、第2ロボットにギヤ又は環状部品を受け渡す。
【0015】
仮に、1基だけのロボットで全作業を行わせようとすると、この単独ロボットは、ギヤの受け取り段階、すなわち最初からギヤの円周面を挟む必要がある。
一般にギヤは、収納効率の観点から段積み状態でストックされる。
単独ロボットへギヤを供給するギヤ供給機構は、最上段のギヤを、その他のギヤから分離し且つ最上段のギヤの円周面を露出した状態で、単独ロボットに把持させることになる。そのため、ギヤ供給機構の構造が複雑になる。
【0016】
この点、本発明によれば、ギヤ供給機構は、1個のギヤの両側面を露出した状態で第1ロボットに供すればよい。例えば、段積み状態のギヤから最下段ギヤのみを払い出すだけでよい。したがって、ギヤ供給機構はごく単純な機構とすることができる。
【0017】
請求項2に係る発明は、円錐突起をハンド治具に付設することにより、請求項1に係る発明における環状部品用治具を廃止した。
上記した請求項1の効果を踏襲しつつ、環状部品用治具を廃止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るギヤ等組付け装置の平面図である。
【図2】第1プレートの要部平面図である。
【図3】環状部品供給機構の要部平面図である。
【図4】ハンド治具の原理図である。
【図5】ハンド治具の作用説明図である。
【図6】環状部品用治具の斜視図である。
【図7】環状部品用治具の作用図である。
【図8】ギヤの移動形態を説明する作用図である。
【図9】環状部品の移動形態を説明する作用図である。
【図10】図4の別実施例図である。
【図11】環状部品の移動形態を説明する別の作用図である。
【図12】円錐突起の変更実施例図である。
【図13】第1プレートの変更例を説明する断面図である。
【図14】従来の自動組付け装置の作用を説明する図である。
【図15】内燃機関のカウンターシャフトの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0020】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ギヤ等組付け装置10は、ギヤのサイズ毎に設ける複数基のギヤ供給機構11、12と、環状部品(カラー、座金、C止輪など)の種類、サイズ毎に設ける環状部品供給機構13、14と、環状部品用治具15、16と、第1ロボット17と、第2ロボット18と、軸部材19を縦向きに支える軸部材支持台21とからなる。
第2ロボット18には、C止輪を押さえるプレス片22が備えられている。
【0021】
各構成要素の詳細を以下に説明する。
ギヤ供給機構11は、ギヤ24を段積み状態で保持するギヤ保持部25と、保持されたギヤのうち、最下段のギヤ24を水平に引き出す第1プレート26と、この第1プレート26を往復移動するシリンダユニット27とからなり、ギヤ保持部25に段積みされているギヤ24の全数を図示せぬプレスで持ち上げ、下から2番目のギヤ24を拘束し、下から1番目のギヤ24を第1プレート26に落とし、下から1番目のギヤ24を引き出す。
【0022】
ギヤ供給機構12は、扱うギヤ28がギヤ24とサイズが異なるが、その他はギヤ供給機構11と同一であるため、ギヤ供給機構11の符号を流用し、構造及び作用の説明は省略する。
【0023】
環状部品供給機構13、14は、環状部品(カラー、座金、C止輪など)を段積み状態に保持し、下から1番目の環状部品(カラー、座金、C止輪など)を環状部品トレイ13a、14aにより引き出す。基本構成及び作用はギヤ供給機構11、12と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
図2は第1プレート26の要部平面図であり、第1プレート26は、先端面に相当する一辺31から切り込んだ第1ストレート溝32と、この第1ストレート溝32の奥に繋がりギヤ24の外径より少し小径の半円溝33と、この半円溝33を囲うようにして第1プレート26の上面に窪み形成されギヤ24を収納するギヤ収納部35とを有する。
【0025】
図3は環状部品トレイの要部平面図であり、環状部品トレイ13aは、第2プレート37の一辺38から切り込んだ第2ストレート溝39と、この第2ストレート溝39の奥に繋がり環状部品41の外径より少し小径の半円溝42と、この半円溝42を囲うようにして第2プレート37の上面に窪み形成され環状部品41を収納する環状部品収納部43とを有する。
【0026】
環状部品41は、座金、カラー、C止輪等の環状の部品である。
図1に示すように、環状部品供給機構13、14は、各種毎に且つサイズ毎に準備される。例えば、座金が5種類で、カラーが3種類で、C止輪が2種類である場合は、5+3+2=10の計算により、図示するように10基の環状部品供給機構13、14が準備される。
【0027】
図4はハンド治具の原理図であり、第1ロボット17先端の把持部17aで着脱可能に把持されるハンド治具45は、一対のフィンガー46、47に柱状突起48、49を備えている。この柱状突起48、49の外径は第1ストレート溝(図2、符号32)の幅より小さく設定されている。
【0028】
ハンド治具45の作用を図5で説明する。
図5(a)に示すように、第1プレート26に載っているギヤ24の側面24a、24aを、一対の柱状突起48、49で上下に挟む。下位の柱状突起49は、第1ストレート溝32を通過し得る。
そこで、(b)に示すように、フィンガー46、47を上昇し、横移動することで第1プレート26からギヤ24をピックアップすることができる。
【0029】
環状部品用治具15は、図6に示すように、第1ロボット17の把持部17aで把持される被把持部51と、この被把持部51から下げたロッド部52と、このロッド部52の先端に十文字に渡した放射メンバー53と、この放射メンバー53の先端に設けた円錐突起54、55、56、57とからなる。
【0030】
円錐突起54、55、56、57は、各々外径が相異する。
例えば、図7(a)に示すように、円錐突起54は、大径円柱部54aと、この大径円柱部54aから上へ延ばした大径コーン部54bとからなり、この大径コーン部54bの基部径が、大径座金58の穴径に対応している。
また、(b)に示すように、円錐突起55は、小径円柱部55aと、この小径円柱部55aから上へ延ばした小径コーン部55bとからなり、この小径コーン部55bの基部径が、小径座金59の穴径に対応している。
【0031】
図6に示す環状部品用治具15で、4サイズの座金58、59等の1個を選択に掬い上げることができる。円錐突起54は、座金やカラーやC止輪の種類毎に準備すればよい。
【0032】
次に、図8に基づいて、第2ロボットの詳細構造を説明する。
第2ロボット18については、作図の都合でプレス片(図1、符号22)を省略した。
第2ロボット18の先端には、基板71が取付けられている。この基板71に上下に延びるガイド72、72を介してスライダ73が取付けられ、このスライダ73に一対のフィンガー61、62が移動自在に取付けられている。スライダ73は基板71の上部から下げたスプリング74、74で吊られている。
【0033】
次に、第1ロボット及び第2ロボットによるギヤの運搬について説明する。
図8に示すように、第1ロボット17は、ハンド治具45でギヤ24の両側面を挟んだ形態で、所定位置にて待機している。
第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62でギヤ24の円周面24bを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へギヤ24の持ち替えが行われた。
【0034】
第2ロボット18は、旋回し、ギヤ24を軸部材19上に移動する。スプラインの位相合わせを行うために、軸部材支持台21に付属するサーボモータ76で、軸部材19を回す。
第2ロボット18により、ギヤ24を下降させる。位相が合うまでは、ギヤ24は軸部材19の上端に載るため、基板71に対してスライダ73が上昇する。
【0035】
位相が合うと、ギヤ24は軸部材19のスプラインに沿って下降する。ギヤ24と共にフィンガー61、62及びスライダ73が、基板71に対して下降する。
ことのとき、スプリング74、74がスライダ73及びフィンガー61、62の下降速度を減少させる。結果、ギヤ24が先に嵌められているギヤなどに衝突する心配が無く、疵付きを防止することができる。
【0036】
スライダ73の下端が基板71の下端に到達したことをセンサ等で検出する。この検出があれば、軸部材19にギヤ24が良好に嵌められたと認識し、フィンガー61、62を開く。
【0037】
次に、環状部品の運搬について説明する。
図9に示すように、第1ロボット17は、環状部品41が1個の円錐突起54に載っている形態の環状部品用治具15を、把持しつつ所定位置で待機している。
第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62で環状部品41の円周面41aを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へ環状部品41の持ち替えが行われた。
【0038】
図8で説明したものと同様の手順で、第2ロボット18は、旋回し、軸部材19に上から環状部品41を投入する。
本実施例では、環状部品41がC止輪である場合は、このC止輪を図1のプレス片22で所定の位置まで押し下げる。
以上の作用を繰り返すことで、軸部材19にギヤ24及び環状部品41が順次セットされる。
【0039】
以上に述べた発明を、まとめると次の通りである。
座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品(図9、符号41)を軸部材(図9、符号19)に嵌め、前記ギヤ(図8、符号24)を前記軸部材(図8、符号19)に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
図2に示すように、第1プレート26の一辺31から切り込んだ第1ストレート溝32と、この第1ストレート溝32の奥に繋がり前記ギヤ24の外径より小径の半円溝33と、この半円溝33を囲うようにして前記第1プレート26の上面に窪み形成され前記ギヤ24を収納するギヤ収納部35とを有し、このギヤ収納部35に載せる形態で前記ギヤ24を供給するギヤ供給機構(図1、符号11、12)と、
図3に示すように、第2プレート37の一辺38から切り込んだ第2ストレート溝39と、この第2ストレート溝39の奥に繋がり前記環状部品41の外径より小径の半円溝42と、この半円溝42を囲うようにして前記第2プレート37の上面に窪み形成され前記環状部品41を収納する環状部品収納部43とを有し、この環状部品収納部43に載せる形態で前記収納部品41を供給する環状部品供給機構(図1、符号13、14)と、
図5に示すように、第1ストレート溝32の幅より小径で且つ第1プレート26に収納されているギヤ24の両側面を挟む一対の柱状突起48、49を備えるハンド治具45と、
第2プレート(図3、符号37)に収納されている前記環状部品(図3、符号41)をピックアッパするために、図6に示すように前記環状部品の穴に挿入する円錐突起54〜57を、サイズ違いで複数本上向きの形態で備えている環状部品用治具15と、
前記ハンド治具45と前記環状部品用治具15を選択に把持し運搬する第1ロボット17と、
図8に示すように、ハンド治具45が挟み持っているギヤ24の円周面を挟むようにしてギヤ24を受け取り縦置きされている軸部材19に上からセットする、又は、図9に示すように環状部品用治具15の円柱突起54に嵌っている環状部品41の円周面を挟むようにして受け取り環状部品41を前記軸部材19に上からセットする第2ロボット18と、からなるギヤ等組付け装置(図1、符号10)が提供される。
【0040】
次に、図4の別実施例を説明する。
図10に示すように、フィンガー46の外面(上面)に円錐突起55を設け、フィンガー47の外面(下面)に円錐突起54を設けてもよい。
図11に示すように、第1ロボット17は、環状部品41が円錐突起55に載っている状態で所定位置にて待機している。
第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62で環状部品41の円周面41aを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へ環状部品41の持ち替えが行われた。
第2ロボット18は、軸部材19に上から環状部品41を投入する。
【0041】
この別実施例によれば、図1に示す環状部品用治具15、16を省くことができる。
【0042】
また、円錐突起55は、図12に示す、多段柱状突起77であっても良い。
図12に示すように、多段柱状突起77は、大径座金58に対応する大径部78と、小径座金59に対応する小径部79とを備える。この例では1個の多段柱状突起77で2種(2サイズ)の環状部品を処理することができる。
段数を増すことで、1個の多段柱状突起77で3種(3サイズ)以上の環状部品を処理することも可能である。
【0043】
すなわち、座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品(図9、符号41)を軸部材(図9、符号19)に嵌め、前記ギヤ(図8、符号24)を前記軸部材(図8、符号19)に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
図2に示すように、第1プレート26の一辺31から切り込んだ第1ストレート溝32と、この第1ストレート溝32の奥に繋がり前記ギヤ24の外径より小径の半円溝33と、この半円溝33を囲うようにして前記第1プレート26の上面に窪み形成され前記ギヤ24を収納するギヤ収納部35とを有し、このギヤ収納部35に載せる形態で前記ギヤ24を供給するギヤ供給機構(図1、符号11、12)と、
図3に示すように、第2プレート37の一辺38から切り込んだ第2ストレート溝39と、この第2ストレート溝39の奥に繋がり前記環状部品41の外径より小径の半円溝42と、この半円溝42を囲うようにして前記第2プレート37の上面に窪み形成され前記環状部品41を収納する環状部品収納部43とを有し、この環状部品収納部43に載せる形態で前記収納部品41を供給する環状部品供給機構(図1、符号13、14)と、
図5に示すように、第1ストレート溝32の幅より小径で且つ第1プレート26に収納されているギヤ24の両側面を挟む一対の柱状突起48、49を備えると共に第2プレート(図3、符号37)に収納されている前記環状部品(図3、符号41)をピックアッパするために、図10に示すように環状部品の穴に挿入する円錐突起54、55又は多段柱状突起(図12、符号77)を備えているハンド治具45と、
ハンド治具45を把持し運搬する第1ロボット17と、
図8に示すように、ハンド治具45が挟み持っているギヤ24の円周面を挟むようにしてギヤ24を受け取り縦置きされている軸部材19に上からセットする、又は、図11に示すように、円柱突起55若しくは多段柱状突起(図12、符号77)に嵌っている環状部品41の円周面を挟むようにして受け取り環状部品41を軸部材19に上からセットする第2ロボット18と、からなるギヤ等組付け装置(図1、符号10)が提供される。
【0044】
次に、図5(b)の変更例を説明する。
図13に示すように、第1プレート26に、ギヤ63を収納する第1ギヤ収納部64、ギヤ63より大径のギヤ65を収納する第2ギヤ収納部66、ギヤ65より大径のギヤ67を収納する第3ギヤ収納部68を、階段状に形成してもよい。
こうすることで、図1に示すギヤ供給機構11、12の基数を減らす(この例では1/3にする)ことができる。
【0045】
ところで、図5(a)に示すように、本発明ではハンド治具45でギヤ24の両側面24a、24aを挟むことで、ギヤ24の円周面を露出させた。
ギヤ24の円周面を露出する行為は、柱状突起48、49を、電磁石や真空カップでも実現できそうに見える。
しかし、電磁石では磁気が不可避的にギヤ24に残留磁気の形態で残る。この残留磁気により、周囲の鉄粉がギヤ24に付着し、支障がでる。
【0046】
また、ギヤ24には、軸部材に嵌合させる必要上、大きな穴が開いている。大きな穴から空気が侵入して真空度が得られないため、真空カップは採用できない。
したがって、ハンド治具45でギヤ24の両側面を機械的に挟むことは実用的に好ましいことである。
【0047】
尚、本発明は、車両のミッションに組込まれるカウンターシャフトやメインシャフトの組立に好適である。しかし、組立対象物は、カウンターシャフトやメインシャフトの他、軸部材にギヤと環状部品を順に組込む機械系部品であれば種類や形式は問わない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、車両のミッションに組込まれるカウンターシャフトやメインシャフトの組立に好適である。
【符号の説明】
【0049】
10…ギヤ等組付け装置、11…ギヤ供給機構、13…環状部品供給機構、15…環状部品用治具、17…第1ロボット、18…第2ロボット、19…軸部材、24…ギヤ、24a…ギヤの側面、24b…ギヤの円周面、26…第1プレート、31…第1プレートの一辺、32、39…ストレート溝、33、42…半円溝、35…ギヤ収納部、37…第2プレート、38…第2プレートの一辺、41…環状部品、41a…環状部品の円周面、43…環状部品収納部、45…ハンド治具、51…把持部、54…円錐突起、77…多段柱状突起。
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状部品(座金、カラー、C止輪など)及びギヤを順次軸部材にセットするギヤ等組付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スプライン軸に環状部品をセットする作業は、多くが人手によって行われてきたが、近年、生産性の向上を目的に、セット作業を自動化する技術が実用に供されるようになってきた(例えば、特許文献1(図3)参照。)。
【0003】
特許文献1を、図14に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、前工程から搬入されてきたスリーブ101には、駆動軸102が嵌っている。なお、この駆動軸102の一端に、ドリブンギヤ103が一体形成されている。
先ず、円柱治具104の上面にオイルシール105を載せ、上昇させる。
【0004】
(b)に示すように、円柱治具104の上面で、駆動軸102を押し上げると共にスリーブ101の所定箇所にオイルシール105を嵌合する。嵌合後、駆動軸102を上へ外すと共に、円柱治具104を下へ撤去する。
(c)にて、上からOリング106を軸方向下方へ移動させながらスリーブ101に装着する。
【0005】
(d)に示すように、スリーブ101に駆動軸102を再び取付ける。これで、オイルシール105及びOリング106の組付け作業が終了する。
以上に述べた特許文献1の技術によれば、自動化により組付け作業時間を短縮することができる。
【0006】
図15は内燃機関のカウンターシャフトの分解図であり、カウンターシャフト110の製造工程では、スプライン111が切られている軸部材112に、サイズ違いの第1〜第4ギヤ113〜116や、カラー117や、各種座金(又はC止輪)118〜123が、順に組み込まれる。
【0007】
この組み込み作業に、特許文献1の技術を適用することを検討する。
例えば、図14(a)において円柱治具104の外径は、オイルシール105の外径に合致している。オイルシール105のサイズ毎に円柱治具104を準備する必要がある。すなわち、特許文献1は、組付け部品のサイズが1種類であるときに適用できる。
図15に示すカウンターシャフト110のように、ギヤ113〜116のサイズが異なる場合には、組付け装置を多数基準備する必要があり、特許文献1の技術は適当とは言えない。
【0008】
そこで、軸部材にサイズの異なる多数個のギヤ等を、セットすることができるギヤ等組付け装置が、求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−185969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、軸部材にサイズの異なる多数個のギヤ等を、セットすることができるギヤ等組付け装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えるハンド治具と、
前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起を、サイズ違いで複数本上向きの形態で備えている環状部品用治具と、
前記ハンド治具と前記環状部品用治具を選択に把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記環状部品用治具の前記円柱突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えると共に前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起又は多段柱状突起を備えているハンド治具と、
前記ハンド治具を把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記円柱突起若しくは前記多段柱状突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、第1ロボットと第2ロボットからなる2基のロボットを使用する。
第1ロボットは、第2ロボットが挟み易いようにギヤの両側面を挟み持つ。又は、環状部品の穴に円柱突起を挿入した形態での円柱突起を用いて、第1ロボットは、環状部品を第2ロボットに受け渡す。
第2ロボットは、ギヤの円周面又は環状部品の円周面を挟み持ち、ギヤ又は環状部品を軸部材に上からセットする。
【0014】
すなわち、第1ロボットはギヤの円周面や環状部品の円周面が露出した状態で、第2ロボットにギヤ又は環状部品を受け渡す。
【0015】
仮に、1基だけのロボットで全作業を行わせようとすると、この単独ロボットは、ギヤの受け取り段階、すなわち最初からギヤの円周面を挟む必要がある。
一般にギヤは、収納効率の観点から段積み状態でストックされる。
単独ロボットへギヤを供給するギヤ供給機構は、最上段のギヤを、その他のギヤから分離し且つ最上段のギヤの円周面を露出した状態で、単独ロボットに把持させることになる。そのため、ギヤ供給機構の構造が複雑になる。
【0016】
この点、本発明によれば、ギヤ供給機構は、1個のギヤの両側面を露出した状態で第1ロボットに供すればよい。例えば、段積み状態のギヤから最下段ギヤのみを払い出すだけでよい。したがって、ギヤ供給機構はごく単純な機構とすることができる。
【0017】
請求項2に係る発明は、円錐突起をハンド治具に付設することにより、請求項1に係る発明における環状部品用治具を廃止した。
上記した請求項1の効果を踏襲しつつ、環状部品用治具を廃止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るギヤ等組付け装置の平面図である。
【図2】第1プレートの要部平面図である。
【図3】環状部品供給機構の要部平面図である。
【図4】ハンド治具の原理図である。
【図5】ハンド治具の作用説明図である。
【図6】環状部品用治具の斜視図である。
【図7】環状部品用治具の作用図である。
【図8】ギヤの移動形態を説明する作用図である。
【図9】環状部品の移動形態を説明する作用図である。
【図10】図4の別実施例図である。
【図11】環状部品の移動形態を説明する別の作用図である。
【図12】円錐突起の変更実施例図である。
【図13】第1プレートの変更例を説明する断面図である。
【図14】従来の自動組付け装置の作用を説明する図である。
【図15】内燃機関のカウンターシャフトの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0020】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ギヤ等組付け装置10は、ギヤのサイズ毎に設ける複数基のギヤ供給機構11、12と、環状部品(カラー、座金、C止輪など)の種類、サイズ毎に設ける環状部品供給機構13、14と、環状部品用治具15、16と、第1ロボット17と、第2ロボット18と、軸部材19を縦向きに支える軸部材支持台21とからなる。
第2ロボット18には、C止輪を押さえるプレス片22が備えられている。
【0021】
各構成要素の詳細を以下に説明する。
ギヤ供給機構11は、ギヤ24を段積み状態で保持するギヤ保持部25と、保持されたギヤのうち、最下段のギヤ24を水平に引き出す第1プレート26と、この第1プレート26を往復移動するシリンダユニット27とからなり、ギヤ保持部25に段積みされているギヤ24の全数を図示せぬプレスで持ち上げ、下から2番目のギヤ24を拘束し、下から1番目のギヤ24を第1プレート26に落とし、下から1番目のギヤ24を引き出す。
【0022】
ギヤ供給機構12は、扱うギヤ28がギヤ24とサイズが異なるが、その他はギヤ供給機構11と同一であるため、ギヤ供給機構11の符号を流用し、構造及び作用の説明は省略する。
【0023】
環状部品供給機構13、14は、環状部品(カラー、座金、C止輪など)を段積み状態に保持し、下から1番目の環状部品(カラー、座金、C止輪など)を環状部品トレイ13a、14aにより引き出す。基本構成及び作用はギヤ供給機構11、12と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0024】
図2は第1プレート26の要部平面図であり、第1プレート26は、先端面に相当する一辺31から切り込んだ第1ストレート溝32と、この第1ストレート溝32の奥に繋がりギヤ24の外径より少し小径の半円溝33と、この半円溝33を囲うようにして第1プレート26の上面に窪み形成されギヤ24を収納するギヤ収納部35とを有する。
【0025】
図3は環状部品トレイの要部平面図であり、環状部品トレイ13aは、第2プレート37の一辺38から切り込んだ第2ストレート溝39と、この第2ストレート溝39の奥に繋がり環状部品41の外径より少し小径の半円溝42と、この半円溝42を囲うようにして第2プレート37の上面に窪み形成され環状部品41を収納する環状部品収納部43とを有する。
【0026】
環状部品41は、座金、カラー、C止輪等の環状の部品である。
図1に示すように、環状部品供給機構13、14は、各種毎に且つサイズ毎に準備される。例えば、座金が5種類で、カラーが3種類で、C止輪が2種類である場合は、5+3+2=10の計算により、図示するように10基の環状部品供給機構13、14が準備される。
【0027】
図4はハンド治具の原理図であり、第1ロボット17先端の把持部17aで着脱可能に把持されるハンド治具45は、一対のフィンガー46、47に柱状突起48、49を備えている。この柱状突起48、49の外径は第1ストレート溝(図2、符号32)の幅より小さく設定されている。
【0028】
ハンド治具45の作用を図5で説明する。
図5(a)に示すように、第1プレート26に載っているギヤ24の側面24a、24aを、一対の柱状突起48、49で上下に挟む。下位の柱状突起49は、第1ストレート溝32を通過し得る。
そこで、(b)に示すように、フィンガー46、47を上昇し、横移動することで第1プレート26からギヤ24をピックアップすることができる。
【0029】
環状部品用治具15は、図6に示すように、第1ロボット17の把持部17aで把持される被把持部51と、この被把持部51から下げたロッド部52と、このロッド部52の先端に十文字に渡した放射メンバー53と、この放射メンバー53の先端に設けた円錐突起54、55、56、57とからなる。
【0030】
円錐突起54、55、56、57は、各々外径が相異する。
例えば、図7(a)に示すように、円錐突起54は、大径円柱部54aと、この大径円柱部54aから上へ延ばした大径コーン部54bとからなり、この大径コーン部54bの基部径が、大径座金58の穴径に対応している。
また、(b)に示すように、円錐突起55は、小径円柱部55aと、この小径円柱部55aから上へ延ばした小径コーン部55bとからなり、この小径コーン部55bの基部径が、小径座金59の穴径に対応している。
【0031】
図6に示す環状部品用治具15で、4サイズの座金58、59等の1個を選択に掬い上げることができる。円錐突起54は、座金やカラーやC止輪の種類毎に準備すればよい。
【0032】
次に、図8に基づいて、第2ロボットの詳細構造を説明する。
第2ロボット18については、作図の都合でプレス片(図1、符号22)を省略した。
第2ロボット18の先端には、基板71が取付けられている。この基板71に上下に延びるガイド72、72を介してスライダ73が取付けられ、このスライダ73に一対のフィンガー61、62が移動自在に取付けられている。スライダ73は基板71の上部から下げたスプリング74、74で吊られている。
【0033】
次に、第1ロボット及び第2ロボットによるギヤの運搬について説明する。
図8に示すように、第1ロボット17は、ハンド治具45でギヤ24の両側面を挟んだ形態で、所定位置にて待機している。
第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62でギヤ24の円周面24bを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へギヤ24の持ち替えが行われた。
【0034】
第2ロボット18は、旋回し、ギヤ24を軸部材19上に移動する。スプラインの位相合わせを行うために、軸部材支持台21に付属するサーボモータ76で、軸部材19を回す。
第2ロボット18により、ギヤ24を下降させる。位相が合うまでは、ギヤ24は軸部材19の上端に載るため、基板71に対してスライダ73が上昇する。
【0035】
位相が合うと、ギヤ24は軸部材19のスプラインに沿って下降する。ギヤ24と共にフィンガー61、62及びスライダ73が、基板71に対して下降する。
ことのとき、スプリング74、74がスライダ73及びフィンガー61、62の下降速度を減少させる。結果、ギヤ24が先に嵌められているギヤなどに衝突する心配が無く、疵付きを防止することができる。
【0036】
スライダ73の下端が基板71の下端に到達したことをセンサ等で検出する。この検出があれば、軸部材19にギヤ24が良好に嵌められたと認識し、フィンガー61、62を開く。
【0037】
次に、環状部品の運搬について説明する。
図9に示すように、第1ロボット17は、環状部品41が1個の円錐突起54に載っている形態の環状部品用治具15を、把持しつつ所定位置で待機している。
第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62で環状部品41の円周面41aを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へ環状部品41の持ち替えが行われた。
【0038】
図8で説明したものと同様の手順で、第2ロボット18は、旋回し、軸部材19に上から環状部品41を投入する。
本実施例では、環状部品41がC止輪である場合は、このC止輪を図1のプレス片22で所定の位置まで押し下げる。
以上の作用を繰り返すことで、軸部材19にギヤ24及び環状部品41が順次セットされる。
【0039】
以上に述べた発明を、まとめると次の通りである。
座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品(図9、符号41)を軸部材(図9、符号19)に嵌め、前記ギヤ(図8、符号24)を前記軸部材(図8、符号19)に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
図2に示すように、第1プレート26の一辺31から切り込んだ第1ストレート溝32と、この第1ストレート溝32の奥に繋がり前記ギヤ24の外径より小径の半円溝33と、この半円溝33を囲うようにして前記第1プレート26の上面に窪み形成され前記ギヤ24を収納するギヤ収納部35とを有し、このギヤ収納部35に載せる形態で前記ギヤ24を供給するギヤ供給機構(図1、符号11、12)と、
図3に示すように、第2プレート37の一辺38から切り込んだ第2ストレート溝39と、この第2ストレート溝39の奥に繋がり前記環状部品41の外径より小径の半円溝42と、この半円溝42を囲うようにして前記第2プレート37の上面に窪み形成され前記環状部品41を収納する環状部品収納部43とを有し、この環状部品収納部43に載せる形態で前記収納部品41を供給する環状部品供給機構(図1、符号13、14)と、
図5に示すように、第1ストレート溝32の幅より小径で且つ第1プレート26に収納されているギヤ24の両側面を挟む一対の柱状突起48、49を備えるハンド治具45と、
第2プレート(図3、符号37)に収納されている前記環状部品(図3、符号41)をピックアッパするために、図6に示すように前記環状部品の穴に挿入する円錐突起54〜57を、サイズ違いで複数本上向きの形態で備えている環状部品用治具15と、
前記ハンド治具45と前記環状部品用治具15を選択に把持し運搬する第1ロボット17と、
図8に示すように、ハンド治具45が挟み持っているギヤ24の円周面を挟むようにしてギヤ24を受け取り縦置きされている軸部材19に上からセットする、又は、図9に示すように環状部品用治具15の円柱突起54に嵌っている環状部品41の円周面を挟むようにして受け取り環状部品41を前記軸部材19に上からセットする第2ロボット18と、からなるギヤ等組付け装置(図1、符号10)が提供される。
【0040】
次に、図4の別実施例を説明する。
図10に示すように、フィンガー46の外面(上面)に円錐突起55を設け、フィンガー47の外面(下面)に円錐突起54を設けてもよい。
図11に示すように、第1ロボット17は、環状部品41が円錐突起55に載っている状態で所定位置にて待機している。
第2ロボット18は、一対のフィンガー61、62で環状部品41の円周面41aを挟む。これで、第1ロボット17から第2ロボット18へ環状部品41の持ち替えが行われた。
第2ロボット18は、軸部材19に上から環状部品41を投入する。
【0041】
この別実施例によれば、図1に示す環状部品用治具15、16を省くことができる。
【0042】
また、円錐突起55は、図12に示す、多段柱状突起77であっても良い。
図12に示すように、多段柱状突起77は、大径座金58に対応する大径部78と、小径座金59に対応する小径部79とを備える。この例では1個の多段柱状突起77で2種(2サイズ)の環状部品を処理することができる。
段数を増すことで、1個の多段柱状突起77で3種(3サイズ)以上の環状部品を処理することも可能である。
【0043】
すなわち、座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品(図9、符号41)を軸部材(図9、符号19)に嵌め、前記ギヤ(図8、符号24)を前記軸部材(図8、符号19)に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
図2に示すように、第1プレート26の一辺31から切り込んだ第1ストレート溝32と、この第1ストレート溝32の奥に繋がり前記ギヤ24の外径より小径の半円溝33と、この半円溝33を囲うようにして前記第1プレート26の上面に窪み形成され前記ギヤ24を収納するギヤ収納部35とを有し、このギヤ収納部35に載せる形態で前記ギヤ24を供給するギヤ供給機構(図1、符号11、12)と、
図3に示すように、第2プレート37の一辺38から切り込んだ第2ストレート溝39と、この第2ストレート溝39の奥に繋がり前記環状部品41の外径より小径の半円溝42と、この半円溝42を囲うようにして前記第2プレート37の上面に窪み形成され前記環状部品41を収納する環状部品収納部43とを有し、この環状部品収納部43に載せる形態で前記収納部品41を供給する環状部品供給機構(図1、符号13、14)と、
図5に示すように、第1ストレート溝32の幅より小径で且つ第1プレート26に収納されているギヤ24の両側面を挟む一対の柱状突起48、49を備えると共に第2プレート(図3、符号37)に収納されている前記環状部品(図3、符号41)をピックアッパするために、図10に示すように環状部品の穴に挿入する円錐突起54、55又は多段柱状突起(図12、符号77)を備えているハンド治具45と、
ハンド治具45を把持し運搬する第1ロボット17と、
図8に示すように、ハンド治具45が挟み持っているギヤ24の円周面を挟むようにしてギヤ24を受け取り縦置きされている軸部材19に上からセットする、又は、図11に示すように、円柱突起55若しくは多段柱状突起(図12、符号77)に嵌っている環状部品41の円周面を挟むようにして受け取り環状部品41を軸部材19に上からセットする第2ロボット18と、からなるギヤ等組付け装置(図1、符号10)が提供される。
【0044】
次に、図5(b)の変更例を説明する。
図13に示すように、第1プレート26に、ギヤ63を収納する第1ギヤ収納部64、ギヤ63より大径のギヤ65を収納する第2ギヤ収納部66、ギヤ65より大径のギヤ67を収納する第3ギヤ収納部68を、階段状に形成してもよい。
こうすることで、図1に示すギヤ供給機構11、12の基数を減らす(この例では1/3にする)ことができる。
【0045】
ところで、図5(a)に示すように、本発明ではハンド治具45でギヤ24の両側面24a、24aを挟むことで、ギヤ24の円周面を露出させた。
ギヤ24の円周面を露出する行為は、柱状突起48、49を、電磁石や真空カップでも実現できそうに見える。
しかし、電磁石では磁気が不可避的にギヤ24に残留磁気の形態で残る。この残留磁気により、周囲の鉄粉がギヤ24に付着し、支障がでる。
【0046】
また、ギヤ24には、軸部材に嵌合させる必要上、大きな穴が開いている。大きな穴から空気が侵入して真空度が得られないため、真空カップは採用できない。
したがって、ハンド治具45でギヤ24の両側面を機械的に挟むことは実用的に好ましいことである。
【0047】
尚、本発明は、車両のミッションに組込まれるカウンターシャフトやメインシャフトの組立に好適である。しかし、組立対象物は、カウンターシャフトやメインシャフトの他、軸部材にギヤと環状部品を順に組込む機械系部品であれば種類や形式は問わない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、車両のミッションに組込まれるカウンターシャフトやメインシャフトの組立に好適である。
【符号の説明】
【0049】
10…ギヤ等組付け装置、11…ギヤ供給機構、13…環状部品供給機構、15…環状部品用治具、17…第1ロボット、18…第2ロボット、19…軸部材、24…ギヤ、24a…ギヤの側面、24b…ギヤの円周面、26…第1プレート、31…第1プレートの一辺、32、39…ストレート溝、33、42…半円溝、35…ギヤ収納部、37…第2プレート、38…第2プレートの一辺、41…環状部品、41a…環状部品の円周面、43…環状部品収納部、45…ハンド治具、51…把持部、54…円錐突起、77…多段柱状突起。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えるハンド治具と、
前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起を、サイズ違いで複数本上向きの形態で備えている環状部品用治具と、
前記ハンド治具と前記環状部品用治具を選択に把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記環状部品用治具の前記円柱突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とするギヤ等組付け装置。
【請求項2】
座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えると共に前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起又は多段柱状突起を備えているハンド治具と、
前記ハンド治具を把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記円柱突起若しくは前記多段柱状突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とするギヤ等組付け装置。
【請求項1】
座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えるハンド治具と、
前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起を、サイズ違いで複数本上向きの形態で備えている環状部品用治具と、
前記ハンド治具と前記環状部品用治具を選択に把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記環状部品用治具の前記円柱突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とするギヤ等組付け装置。
【請求項2】
座金、カラーなどのギヤとギヤとの間に配置する環状部品を軸部材に嵌め、前記ギヤを前記軸部材に嵌める要領で、前記環状部品及び前記ギヤを順次前記軸部材にセットするギヤ等組付け装置において、
第1プレートの一辺から切り込んだ第1ストレート溝と、この第1ストレート溝の奥に繋がり前記ギヤの外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第1プレートの上面に窪み形成され前記ギヤを収納するギヤ収納部とを有し、このギヤ収納部に載せる形態で前記ギヤを供給するギヤ供給機構と、
第2プレートの一辺から切り込んだ第2ストレート溝と、この第2ストレート溝の奥に繋がり前記環状部品の外径より小径の半円溝と、この半円溝を囲うようにして前記第2プレートの上面に窪み形成され前記環状部品を収納する環状部品収納部とを有し、この環状部品収納部に載せる形態で前記収納部品を供給する環状部品供給機構と、
前記第1ストレート溝の幅より小径で且つ前記第1プレートに収納されている前記ギヤの両側面を挟む一対の柱状突起を備えると共に前記第2プレートに収納されている前記環状部品をピックアッパするために前記環状部品の穴に挿入する円錐突起又は多段柱状突起を備えているハンド治具と、
前記ハンド治具を把持し運搬する第1ロボットと、
前記ハンド治具が挟み持っている前記ギヤの円周面を挟むようにして前記ギヤを受け取り縦置きされている前記軸部材に上からセットする、又は、前記円柱突起若しくは前記多段柱状突起に嵌っている前記環状部品の円周面を挟むようにして受け取り前記環状部品を前記軸部材に上からセットする第2ロボットと、
からなることを特徴とするギヤ等組付け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−115919(P2012−115919A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265536(P2010−265536)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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