説明

クッション層を持つ乗り物用シート

【課題】少なくとも一つの温度調整される構成部品を有する乗り物用シートに関する。
【解決手段】温度調整される構成部品は、クッション、整えられた表面、整えられた表面およびクッション層の下部に配置されるインサートを含む。クッション層は、充填材料(好適には液体)で充填された一以上の袋を備える。袋は、着席者からの下向きの圧力をシートの大きな面積にわたって分散させる。下向きの圧力を分散させることによって、シート内の圧力点を減少または解消させる。シートはエアムーバーアセンブリを備えていてもよく、シートに空気を吹き付け、またはシートから空気を吸い込むことによって、シートの加熱、冷却、換気機能を助ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年11月10日に出願された米国仮出願第60/736,103号、および2006年3月17日に出願された米国仮出願第60/784,059号の利益を主張するものであり、それらの仮出願は本明細書において参照され、組み込まれるものである。
本発明は、加熱、冷却または換気機能を持つシートに関し、さらに詳細には、シートの快適性を向上させる緩衝層を含む乗り物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
長い間、運輸業界は、シートの着席者に対してより多くの快適性を提供する自動推進の乗り物のためのシートを設計することに配慮してきた。着席時の快適性を提供する様々な技術革新について、米国特許第6,893,086、6,872,882、6,869,139、6,857,697、6,828,528、6,676,207、6,619,736、6,439,658、6,164,719、6,064,037、5,921,314、6,064,037、5,921,314、5,403,065、6,048,024、および6,003,950で説明されており、これらのすべては明示的に参照され、本明細書に組み込まれるものである。さらに、着席時の快適性を提供するための他の技術革新について、2001年1月5日に出願された、米国公開公報2002/0096931、発明の名称「ベンチレーテッドシート」、2003年10月7日に発行された米国特許第6,629,724号、発明の名称「ポータブル・ベンチレーテッドシート」、2003年10月8日に出願された米国公開公報2004/0070236、発明の名称「乗り物用着座快適システム」、2004年4月12日出願された、米国公開公報2005/0067862、発明の名称「ベンチレーテッドシート」、2004年4月12日に出願された、米国公開公報2005/0066505、発明の名称「シートの換気方法」において説明されており、これらは、任意の目的において、明示的に参照され、本明細書に組み込まれるものである。
【0003】
このような技術革新を継続するために、本発明はシートのための改良されたインサートおよびシステムを提供する。それらは、自動推進の乗り物用シートにおいて、またはその一部として採用することが好適であり、シートの乗客に快適性の制御を提供する援助となる。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0004】
本発明は、少なくとも一つの温度調整される構成部品を持つ乗り物用シートを含む。この温度調整される構成部品は、クッション、整備された(トリム)表面、整備された表面とクッション層の下に配置されるインサートを含む。クッション層は、充填材料(好適には、液状の充填材料)が入った一以上の袋を持ち、利用者による下向きの圧力をシートの大きな領域にわたって分散させる。下向き圧力を分散させることによって、シート上の圧力点を減少または解消する。シートに空気を吹き込んだり、シートから空気を吸い込むことによって、シートの加熱、冷却、または換気の機能を補助する送風装置(エアムーバー)をシートに設けてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
乗り物用シートは、少なくとも一つの温度調整される構成部品、例えばシート部品、バックレスト部品、ボルスター、アームレスト、ヘッドレストなどを含むことがある。一実施形態として、温度調整される構成部品は、その構成部品に対して空気を送りこんだり、それから空気を吸い込んだり、またはそれに空気を通したりする機構を用いない、非通気構成部品である。非通気構成部品はそれぞれ、着席者に加熱、冷却、またはそれらの組み合わせを提供することができる。例えば、加熱素子は着席者を暖めることができる。
【0006】
別の実施形態では、温度調整される構成部品は、その構成部品に対して空気を送りこんだり、それから空気を吸い込んだり、またはそれに空気を通したりする、例えば車両のHVACシステム中の送風機、またはシート内の送風機などの機構を用いる、通気構成部品である。通気構成部品はそれぞれ、着席者に加熱、冷却、またはそれらの組み合わせを提供することができる。例えば、送風機は、熱電素子からの冷たい空気を着席者に吹き付けることができる。
【0007】
温度調整される構成部品は、構成部品およびインサートを覆うためのクッションおよび整えられた(トリムされた)表面を含む。インサートは、非通気インサートであっても、通気インサートであってもよい。本発明は、シートに組み込まれるクッション層に関し、さらに好適にはインサートに組み込まれ、または取り付けられるクッション層に関する。
【0008】
図1に示すように、クッション層は、充填材料(図示せず)を含んで形成される、少なくとも1つの袋(ポーチ)10または2以上の材料層12,14からなるバッグを含みうる。シール16は充填材料の漏れを防ぐために用いられる。この袋の材料は、(充填材料に対して)耐漏れ性を持つとともに、利用者が繰り返し着席したり、離席したりするのに対して十分な耐久性を持つように選択される。図示された封止(シール)は、シールとは別の材料のフランジ18による外周シールであり、袋をインサートまたはシートの他の構成部品に取り付けるのを容易にする。別の実施形態では、袋を形成するために、単一の材料層をそれ自体にシールする。シールの内部において、袋は一以上の隔壁20を有していてもよい。この隔壁は、複数の点、線、または領域であって、袋の二つの層が互いにくっついているところである。通気構成部品においては、図1に示すように、この隔壁は袋の貫通孔22であってもよく、それによって袋の一面から他の面へ空気が移動できるようにする。
【0009】
袋の中の充填材料は、シートの着席者における局所化した圧力点を減らし、または解消するようにして、シートに着席者から加えられる垂直方向の圧力を、分散させるのを助ける。シートに人が座っているとき、着席者の体は、その体重のほとんどが小さな領域に置かれるような、限定された範囲でシートと接触する。例えば、着席者の腰および骨盤は着座姿勢において、その体重の大部分を支えるので、それが圧力点につながる。時間の経過とともに、その圧力点は着席者にとっての不快さにつながる。クッション層を使うことによって、圧力点に関連する不快さを軽減またはなくすことの助けとなり、それによって着席者がより長い時間座っていることができるようになり、または長時間の着座による疲労を軽減する。例えば、クッション層は着席者からの垂直方向の圧力を水平方向に分散する。
【0010】
充填材料の特性で重要なのは、着席者から加わる圧力を材料全体で分散するということである。クッション層の充填材料は、液状、ゼラチン状、固形状およびそれらの組み合わせなど、どのような物理的状態であってもよい。適切な充填材料には、純粋な水、水の氷点を下げる薬品と水の組み合わせ(例えば、界面活性剤)または伝熱流体が含まれる。例えば、氷点降下薬品には、ポリオールのような非イオン界面活性剤(例えば、グリオールまたはポリグリオール)が含まれ、それらの分子量350より大きなものがより好適である。適切なグリコールおよびポリグリコールにはポリエチレングリコールが含まれる。
【0011】
充填材料は広い温度範囲、例えばマイナス摂氏40度から100度以上にわたって液体であることが望ましいが、必ずしも必須ではない。
【0012】
水と氷点降下剤との組み合わせは、約0.01cPから約2.00cPの範囲の粘度を持つのが望ましいが、約0.50cPから約1.50cPの範囲の粘度がより望ましく、さらに約0.90cPから約1.10cPの範囲の粘度が最も望ましい。さらに、この充填材料の粘度は比較的に温度には依存しない。好適な充填材料は、アメリカ合衆国ミネソタ州プライリーエデンにあるLiquiCell Technologies社のLiquicell(商標)である。
【0013】
一実施形態では、充填材料は比較的平坦な袋(例えば、まわりが密封された袋)に充填される。袋のなかでの充填材料の移動を制限するために、隔壁を設けることができ、これによって袋のなかで、着席者によってもたらされた圧力点から離れたところに溜まる圧力を最小限にすることを助ける。隔壁は、袋の中に配置されたクモの巣状の材料とすることができ、それはクモの巣状の材料が配置された袋の部分を通る充填材料の流れの少なくとも一部を制限する。あるいは、隔壁は一以上の封止点、封止線、または封止領域を含むものであってもよく、それらの箇所では袋の層が互いにシールされて、充填材料の流れに対する障害物を形成する。袋は、空気が通る一以上の貫通孔を含んでいてもよい。典型的には、この貫通孔は通気インサートの他の部分に開いた換気孔と位置合わせされる。この貫通孔のまわりの縁は漏れが生じないように密閉されているので、これらは隔壁としても働きうる。
【0014】
典型的には、インサートはクッション層の他に少なくとも一つの別の層を含み、好適には複数の(例えば、3つの)層を含む。これらの層のそれぞれは、単層であっても、または複層(積層)であってもよい。これらの複数の層は必ずしも互いにくっついている必要はないが、好適にはくっつけてあるほうがよい。さらに、非通気インサートは、ベース層、温度調整装置、およびクッション層を含むのが好ましい。さらに好適には、通気インサートは、縁部が密封された袋を形成するために、少なくともその縁が互いにくっついた複数の層を含む。しかし、縁部が開いた通気インサートが好ましい場合には、このとおりである必要はない。インサートの各層は一般的に同じような広がりをもつが、複数の層のうちの一部の層が他の層とは同じようには広がっていない配置となっていてもよい。
【0015】
インサートおよびインサートを構成する層はシート部分を持ち、選択的に通気インサート内に拡張部(extension)を持つ。このシート部分は一般的に、着席者によって使用されるシートの領域に温度調整(例えば、加熱、冷却、換気、またはそれらの組み合わせ)を提供するインサートの領域であり、それはインサートがシート部品に配置されても、アームレスト、ボルスターまたはその他の場所に配置されていても関係がない。拡張部は、換気システムの送風部品(エアムーバー)を許容し、それはインサートがシート部分から離れた場所に配置されることを可能にする。これによって、各構成部品を、シートの快適性を阻害することなく、適切な位置に配置することができる。例えば、拡張部は流体送り出し装置(ムーバー)、または熱電装置をクッションの下部に配置することを可能にする。それは、クッションの下部においても、着席者が気づきにくい場所であり、また相対的にインサートの着席者側に近い場所である。この拡張部は典型的には、シートの後方端に配置されるが、両端に配置してもよく、シートの前部、コーナー部、または全くなくてもよい。複数の拡張部をインサート上に用いてもよい。材料を節約するために、クッション層は拡張部を含まないのが望ましいが、部品上に座っている、または寄りかかっている着席者によって覆われる領域と同等の空間的広がりを持つ領域までカバーするのが望ましい。一実施形態では、クッション層は、シート部品のシート部分とおおよそ同じ広がりを持つ領域をカバーする。
【0016】
一般的に、インサートはクッションによって支えられている。クッションはクッションを部分的に、または完全に貫いて伸びる一以上のダクトを有してもよく、またはクッションはクッションを貫いて伸びるダクトを全く持たなくてもよい。好適なクッションは、成型されたプラスティックフォームであり、成型された、または切り欠き(カットアウト)の流体供給ダクト網が設けられていないことが望ましい。しかしながら、クッションの片側から反対側に(例えば、頂面から底面に)拡張部を通すためのトレンチまたは開口部を設けてもよい。クッションもまた、シートフレームによって支持することができる。単一シートまたはバックレストクッション上で複数のインサートを使うことができる。この場合、インサートは同一の、または異なった機能(例えば、あるインサートは冷却のみ、他のインサートは加熱および冷却)を実行できる。さらに、あるインサートはクッション層を含みうるが、他のインサートはクッション層を含まない。
【0017】
インサートの拡張部に対する代替物として、ベローズまたはその他の管路を用いて、インサートとシステムの空気輸送構成部品との間を接続することができる。ベローズは拡張部と同じような機能を提供する。つまり、システムの構成部品をシートの着席者が接触する領域から離れた場所に都合よく設置することができる。ベローズまたは管路は、インサートを支持しているクッションを通じて延びるダクト内に配置することができる。したがって、ベローズはインサートのシート部分の下に配置することができ、またはインサートの端部に接続することもできる。拡張部のように、2以上のベローズを各インサート、クッションを通る分離したダクトまたは1以上のベローズを共有する複数のダクトのそれぞれに関して用いることができる。ベローズは相対的に気密性をもって、例えば、スナップフィット(snap-fit)取り付け機構などで、インサートに接続されるのが望ましい。代替実施形態として、空気運搬構成部品を直接インサートに取り付ける。例えば、一以上の送風機を、クッションのくぼみに配置することによって、インサートの着席者側でない側に取り付けることができる。このような実施形態では、送風機とインサートの間にダクトまたは管路を設ける必要性がなくなる。
【0018】
非通気インサートに関しては、ベース層は、温度調整装置(例えば、抵抗線ヒーター)を取り付けることができる任意の適切な材料から作成することができる。したがって、ベース層は、温度調整装置およびクッション層を、構成部品の反復使用(利用者の着席および離席)を通じて、あるべき場所に保持できるだけ、形態的に安定したものであれば、どのような材料でもよい。適切なベース層には、スペーサ(後述)、発泡体(例えば、連続気泡発泡体、独立気泡発泡体など)、フィルム(例えば、高分子フィルム)、織物(例えば、フェルト、布地)およびそれらの組み合わせなどが含まれる。
【0019】
通気インサートに関しては、一以上のバリア層がインサートに含まれてよく、それらは典型的にはプラスティックまたは高分子材料(例えば、フィルム)から形成される。それらの材料は、熱または無線周波数にさらすことによって軟化または溶けて、上記の層がインサート中の一以上の他の層にくっつくのを助ける。他の実施形態としては、バリア層は、布地、織物状材料(例えば、ゴアテックス、マイクロファイバー)、ナイロン、独立気泡発泡体、その他の材料で形成してもよい。好適には、バリア層には実質的に空気が浸透しない。フィルムバリア層の寸法は、その厚さが約0.1mmから約2.0mmであることが望ましく、約0.7mmから約1.0mmの厚さであることがさらに望ましい。もちろん、フィルムバリア層は様々な厚さを持つことができ、上記の範囲外の厚さであってもよい。バリア層は、換気孔または換気ポートなどのバリア層をまたぐ空気の流れを許容するための貫通孔を有していてもよい。
【0020】
通気インサートは、インサートの2つのバリア層の間に配置することができるスペーサを含みうる。スペーサは、その材料を通した流体の流れを許容しながら、シートの着席者に対するある程度の支持を与えるものであれば、どのような構造、材料、または材料および構造の組み合わせであってもよい。スペーサはシートの着席者の体重でつぶれてしまってはならず、スペーサ内の流体の流れを維持しなければならない。一例として、スペーサはゴム、発泡性プラスティックなどを含む。ある実施例として、スペーサは網状の発泡体(reticulated foam)を含んでいてもよい。
【0021】
スペーサは、互いに適切に離れてそれらの間に空間を維持するとともに、クッション性および支持力をもたらすために十分お互いに密接している、複数の部材または繊維を含みうる。一つの好適なスペーサは、対向するハニカム構造(例えば、織物パネル)を形成するために編み合わせられた高分子(例えば、ポリエステル)より糸材料から形成され、それはさらにいくつかの追加の高分子より糸材料で相互に接続されて、クッション性およびサポート力を保持しながら、それらの構造のなかに空間をもたらしている。例として、一つの好適な材料は、商標名3MESHで販売され、ドイツのミュラーテキスタイルGmbHまたはアメリカ合衆国ロードアイランド、ミュラーテキスタイルインクから商業的に入手可能である。
【0022】
その他の好適なスペーサーは、2つの材料シートの間に保持された、つる巻き状の高分子材料から形成される。このつる巻きは、シート状の材料へのつる巻きの取り付けのために、つる巻き上の領域が大きくなるように、長楕円形であるのが望ましい。つる巻きは、つる巻きの隣り合う巻き線同士が接触するように、きつく巻くこともできるし、つる巻きの隣り合う巻き線同士が接触しないように、ゆるく巻くこともできる。一般的には、スペーサーを形成するために、複数のつる巻きを互いに隣接して(接するぐらいに)配置する。具体例としてのつる巻き材料は2004年3月17日に出願された、国際特許出願PCT/DE04/000540、およびPCT/DE04/000541に説明されており、これらは参照のため、本明細書に組み込まれる。
【0023】
本発明のインサートは、シートクッションと整えられた表面の間の空間で組み立てられる独立したユニットであっても、シートクッションと一体的に形成されるものであっても、整えられた表面に一体的に形成されるものであっても、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0024】
一以上の接着層を用いて、インサートの組み立てを補助することができる。接着層は好適には熱溶融接着剤で構成されるが、これは必須ではない。接着剤は、網状に設けることもできるし、または連続的または非連続的(例えば、滴状、少量を押し当てるようにつける)に設けることもできる。この接着剤の副次層は、ポリアミド、ポリエステル、エラストマー、ウレタン、オレフィンポリマーまたはそれらの組み合わせを含む。さらに、接着剤は、特定の処理パラメータまたは条件に合わせて適切なものに合成することができる。接着剤副次層は、接着性能を損なうおそれのある、反粘着(anti-blocking)溶剤、発泡添加剤、プロセス上の汚染物質などは実質的に含まないのが望ましい。例えば、好適な熱溶融接着剤の一つは、アメリカ合衆国オハイオ州44223クヤホガフォールズ、マフィンレーン175にあるスパンファブ・リミテッドから商標SPUNFABとして販売されている、不織の網(non-woven web)である。接着剤の代わり、または接着剤に加えて、熱、超音波または高周波ウェルディングなどのその他の技術を用いてもよい。
【0025】
温度調整装置は、インサートに取り付けてもよいし、インサート内に組み込んでもよい。例えば、温度調整装置としてはヒーターが考えられる。車のシートに組み込むことが可能なヒーターには様々な種類のものがあり、どのようなヒーターでも本発明のインサートに組み込むことができると考えられる。そのようなヒーターは、一般的に柔軟な電気的加熱素子を含み、それは好適には薄く、平らで、出っ張りがない、またはそれらの組み合わせの特性を持つ。例としては、敷線(lay wire)ヒーター、抵抗線ヒーター、カーボンファイバーヒーター、受動的熱制御(PTC)ヒーター、熱電ヒーターなどが、インサートに組み込んで使用可能であり、それは一般的に裏当て(例えば、クロスまたは織物タイプの裏当て)によって支持される。非通気インサートの好適実施形態では、ヒーターの裏当てはインサートのベース層である。好適実施形態では、ヒーターは、裏当て(例えば、不繊層)を持つカーボンファイバータイプのヒーターである。好適なヒーターの一例は、商標名CARBOTEXで、ドイツのW.E.Tオートモーティブシステムズインクから販売されている。そのようなヒーターの一例は、2000年5月16日に発行された米国特許第6,064,037号に開示されており、その特許はここに明示的に参考として、あらゆる目的において組み込まれる。
【0026】
温度調整装置は、複数の熱電装置(TED)またはTEDの柔軟性シートなどの、ヒーターとクーラーの組み合わせとすることもできる。柔軟性シートのTEDの例は米国特許第6,700,052に説明されており、参考としてここに組み込まれる。TEDについては、後でさらに詳しく説明する。さらに、温度調整装置はクーラーであってもよく、そのようなクーラーの例は、2003年9月25日に出願された米国仮出願60/505,806に説明されており、ここに参考として組み込まれる。その他のクーラーには、相転移材料(PCM)が含まれ、特に人間の体温付近に相転移温度を持つものである。そのような材料は、温度が変わることなしに、大量の熱を吸収し、それによって着席者に冷却感をもたらす。好適な材料には、Rubitherm(クリッツ、ドイツ)、PCM Energy(インド、ムンバイ)、Climator(スウェーデン、スコード)などがある。
【0027】
インサートに取り付けられ、または組み込まれるヒーター、その他の温度調整装置に加えて、加熱、冷却、換気、またはそれらの組み合わせを提供する温度調整装置を換気システム内に設けることができる。典型的には、温度調整装置は、インサート、換気される部品、またはシートに空気を送り込む、それらから空気を吸い込む、それらに空気を通過させる手段としての空気輸送(エアムーバー)アセンブリと組み合わせられる。さらに、システム内の部品間、例えば、ファンとインサートの間、またはインサートと温度調整装置との間に流体連通をもたらすために一以上の管路(コンジット)を設置することができる。
【0028】
エアムーバーアセンブリは、インサートへ、インサートから、またはインサートを通して空気(温度調整されているか、環境空気であるか、押し出し、吸い込み、またはそれらの組み合わせを問わず)を動かすための原動力を提供する。このアセンブリは、インサートへ空気を押し込む、またはインサートから空気を吸い込むために使用できる。このアセンブリはさらに、空気の押し込みおよび吸い込みの両方に使用可能である。例えば、少なくとも2セットのファンブレード(例えば、反対の方向を持つ羽根)を持ち、1つの軸を共有して、空気を押し出したり、吸い込んだりできる双方向送風機を構成する送風機を持つアセンブリを用いることができる。アセンブリに複数の送風機を使用することもできる。アセンブリは環状の取り入れ口(inlet)を含みうる。しかし、環状の取り入れ口を全く持たないアセンブリも可能である。送風機の定義には、インペラ(双方向インペラを含む)、ブロワー等も含まれる。ブロワーは、インサートを通して他の流体(例えば、液体)を動かす原動力を提供する装置をも意味する。ブロワーは、定常的な流体の流れ、脈動的な流体の流れ、振動的な流体の流れなどを供給する。
【0029】
通気インサートとともに使用される温度調整装置は、流体を加熱および・または冷却するどのような装置であってもよい。当該装置は、加熱を行う装置と、冷却を行う別の装置(例えば、抵抗線ヒーターと熱電装置)の組み合わせであってもよい。好適には、一つの装置またはシステムが加熱と冷却の行うのがよい。当該装置は、シートが設置されているビルや乗り物内のHVACシステムのような外部装置であっても、シートが設置されているビルや乗り物に接続されていない(電源を除く)という意味における内部装置であってもよい。温度調整の機能に加えて、温度調整装置は流体(例:空気)の除湿を行ってもよい。
【0030】
好適には、温度調整装置は、冷却と加熱の両方を行う、独立型の、または半導体を用いた装置が望ましい。最も好適な装置はTED(ペルチェとも呼ばれる)である。TEDは一般に販売されている装置であって、装置に電気を流すことによって、ソリッドステートの加熱および冷却を行う。TEDは廃棄(waste)面と、活性(active)面とを有し、それらは、暖められた空気または冷やされた空気のどちらが望ましいかに応じて、相対的に指定される。・TEDの供給者であればだれでも、本発明に使用するのに適切な装置を提供できるであろう。TEDは任意の有用な熱拡散装置、例えばヒートシンク、熱交換器、ブロワー、ヒートパイプなどと組み合わせることができる。吸収冷凍システムも温度調整装置として使用することが可能である。
【0031】
換気システムは、インサートまたはシステムの一部をインサート、クッション、シートフレーム、またはシートに固定するために使われる、一以上の取り付け部品を含んでいてもよい。例えば、フレームの部材は、エアムーバーアセンブリ、温度調整装置、管路、ベローズその他の部品をインサートに取り付ける場所を決めるのが望ましい。フレームの部材は、様々な形態(例えば、環状、長方形、正方形、多角形、その他)でよく、様々な好適な剛体、または半剛体材料(例えば、金属、プラスティックなど)から形成することができる。特定の実施例としては、取り付け部品はインサートまたは拡張部内にポートを規定するためにも用いられる。一好適実施形態では、取り付け部品は、ブロワー、温度調整装置、その他の部品上の構造および・または材料(例えば、スナップフィット・ファスナー)と協働して、装置または部品を取り付け部品に接続する。
【0032】
換気システムは、空気中の使われていないエネルギー(空気が環境空気よりも熱い場合)、またはエネルギー容量(空気が環境空気よりも冷たい場合)を利用するために、システムを通る空気の流れを切りかえるために使用可能な一以上のバルブを含みうる。例えば、このバルブは、空気中に蓄えられた不必要なエネルギーを廃棄するために、空気を環境空気に対して排気することができる。また、バルブは、空気をシステムの部品(例えば、温度調整装置)に導いて、そのような部品を暖め、または冷やすためにも用いることができる。また、バルブは、システム内で空気を選択的に循環させて、閉鎖または部分閉鎖システムを構築するために使用することもできる。
【0033】
通気および非通気の両実施形態において、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、着座検出センサ、重量センサなどの様々なセンサを使用することができる。センサはシートのいたるところに配置することができる。例えば、温度センサは、スペーサ内、スペーサとスペーサの間、スペーサとクッション層の間、ベース層と温度調整装置または他のオプション層(例えば、網状フォームまたはシートカバー)の間、温度調整装置のそば、ブロワーのそば、またはそれらの組み合わせにおいて配置することが可能である。
【0034】
一以上のコントローラを用いて、センサからの入力を受信し、装置を制御し、ブロワーおよび・または温度調整装置に命令を送り、または、システムの動作を調整することができる。
【0035】
好適な整えられた表面には、インサートの一部としてのシートカバー、またはインサートとは別のシートカバーが含まれるが、一般的には、インサートと着席者とを分離するものである。整えられた表面は、どのような材料でもよく、合成材料、自然材料(例、ウール、革など)またはそれらの組み合わせのうちの一つを含むが、それに限定されるものではない。一実施形態では、整えられた表面は、着座面の少なくとも一部にわたってせん孔が施される。せん孔を通じて空気またはその他の流体が通過できる。他の実施形態では、カバーには実質的にせん孔は施されない。例えば、せん孔を施した、またはせん孔を施さない革を用いて、着席者とインサートとを分離できるが、一方でフリース素材をインサートの一部として用いて、モイスチャーウィッキング(moisture wicking)を増加させたり、保護層を設けることができる。
【0036】
クッション層はインサートにとっては欠かせない部分であって、それらはシートに組み込み可能な単一の部品を構成する。例えば、クッション層は、接着剤を使用して(スプレー塗布、または両面テープ)取り付けてもよいし、または機械的なファスナーを用いて取り付けてもよい。機械的ファスナーの例としては、リベット、スナップフィット(snap-fit)ファスナー、フープ・ループファスナー、縫い止め、縛り付けなどがあげられる。クッション層は、熱、高周波、赤外線を用いて溶着(ウェルディング)することもできるし、二つのプラスティックを超音波ウェルディングでくっつけてもよい。代替例としては、クッション層は整えられた表面に取り付けられて一体となっていてもよく、または取り付けを容易にするために整えられたカバーに取り付けられた材料のポケットに配置することもできる。さらに代替例としては、インサート、クッション層、および・または整えられた表面は、部品類をクッションまたはシートのフレームに固定する、縛り付け(タイダウン)によって所定の位置に維持される。
【0037】
添付の図面は本発明の特定の実施形態を示したものであって、これらの図面は本発明を限定しようとするものではない。
【0038】
図2は、着席者に加熱、冷却、および・または換気を提供する通気シートに使用可能な通気インサート30の上面図である。このインサートは、二つのバリア層の間にはさまれたスペーサを持つ、端部が封止されたバッグ32を含む。端部が封止されたバッグの着席者側にはクッション層36を形成する複数の袋34が取り付けられている。それぞれの袋は、一以上の貫通孔を含み、それらは端部が封止されたバッグの着席者側の換気孔を位置合わせされている。袋の貫通孔と位置合わせされない追加的な換気孔40を端部が封止されたバッグに設けられていてもよい。端部が封止されたバッグの残り部分からシールされた貫通孔42を通して、インサートをクッションまたはシートのフレームに固定するために縛り付けてもよい。
【0039】
図3は、非通気インサート50の斜視図である。クッション層の袋52が、ベース54に配置される。ベース層内に含まれる加熱素子(図示せず)を乗り物の電気システムに接続するために、ワイヤリングハーネスが使用される。
【0040】
図4から8に示すように、二つの層62,64と充填材料66を持つ袋60は、様々な方法でベース層68に取り付けることができる。これらと同じ方法を用いて、袋を通気インサートの端部が封止されたバッグに取り付けることができる。図4に断面図で示すように、リベット70は袋60の周縁部の封止74の外側のフランジ72に配置されている。この実施形態では、リベットはフランジおよびインサートの残りの層またはベース層を貫通する。ベース層68は、フェルト層76およびフォーム層78を含む。加熱素子80は、フェルトとフォームの間に配置される。リベットは、充填材料の漏れを生じさせない限り、どの隔壁に対しても用いることができる。
【0041】
図5に断面図で示すように、両面テープ8が袋60とベース層68との間に用いられている。リベットとは異なり、両面テープの配置はフランジまたは隔壁には限られない。この実施形態では、ベース層はフェルト層とフォーム層の間にはさまれた加熱素子を含む。
【0042】
図6に断面図で示すように、袋60をベース層68に取り付けるために、溶着(weld)84を用いている。好適には、高周波溶着技術を用いて、ベース層68のポリウレタン含有(またはその他の熱可塑材を含む)部86をつなぐ。溶着は、それが袋をパンクさせ、または袋の完全性を損なうおそれがあるので、袋のフランジまたは隔壁部分においてのみ用いるのが望ましい。
【0043】
図7に断面図で示すように、袋60をベース層68に取り付けるために、接着剤88を用いている。好適には袋の周縁封止部に沿って接着剤を塗布しているが、袋をベース層に確実に取り付けるために、多くの異なった適切な塗布パターンが存在しうる。既述のとおり、接着剤は任意の適切な接着剤でよい。
【0044】
図8に断面図で示すように、袋60をベース層68に取り付けるために、縫い糸90を用いている。リベットと同様に、縫いつけによってフランジおよびインサートの残りの層またはベース層を貫通する。縫いつけは、袋のフランジまたは隔壁部のみにおいて用いられるのが望ましい。フランジまたは隔壁部を貫通する縫いつけ、またはその他の方法においては、ベース層またはインサートに含まれる加熱素子を損傷しないように気をつける必要がある。例えば、図9に示すように、縫い糸90は、袋の下の領域に加熱素子92が入って、出ることが可能なように隙間を持たせてある。この図では、また、点溶着の形態による、貫通孔をもたない隔壁94を示している。
【0045】
通気インサートと組み合わせられたクッション層の一実施形態において、クッション層の下面はインサートの前方バリア層を形成する。例えば、プラスティックフィルムに取り付けられた複数の袋を含むクッション層は、インサートのバリア層として用いることができる。そのような構造は通気インサートを製造するのに必要な層の数を減らし、それによってインサート製造のサイクルタイムをも減少させる。さらに、クッション層にプラスティックフィルムを使用することによって、高周波またはその他のタイプの溶着が使用可能になり、それによってサイクルタイムを減少させることができる。このタイプの実施形態で使われるヒーターは、プラスティックフィルムのどちらの側にも、またはインサート内のスペーサに対しても取り付け可能である。代替的には、ヒーター(例えば、PTCヒーター)をプラスティックフィルムに印刷することもできる。一好適実施形態では、インサートの製造に接着剤を使用せず、溶着のみを用いる。
【0046】
上述の実施形態に加えて、クッション層は、米国特許6,786,541、6,629,724、6,840,576、6,869,140およびそれらの関連出願および特許、または米国特許公開公報2004−189061に開示されているシートに適用することも可能である。さらに、クッション層は、米国特許6,893,086、6,869,139、6,857,697、6,676,207、6,619,736、6,604,426、6,439,658、6,164,719、5,921,314およびそれらの関連出願および特許、または米国特許公開公報2005−173950、2005−161986、2005−140189、2005−127723、2005−93347、2005−85968、2005−67862、2005−67401、2005−66505、2004−169028および関連出願に開示されたシートとの組み合わせで用いることができる。これらの特許および公報は、参照のため、本明細書に組み込まれる。さらに、クッション層は、これらのシートの部品の代替品としても使用可能である。
【0047】
一実施形態では、温度調整された空気を、シートクッションから透過性の整えられた表面を通して着席者に吹き付けることができ、それによって、シートおよび着席者に対流性の加熱または冷却を提供することができる。米国特許6,869,139および6,857,697に示されているように、クッションは、インサートを通じてシート表面に対して温度調整された空気を循環させるために、クッションを通る通路を持っていてもよい。これらの特許に開示されたその他の様々な特徴、例えば、副通路、デフレクタ、空気不浸透性のライニング、コーティングなどは、本発明のシートシステムに組み込むことが可能である。例えば、貫通孔を持つインサート(例、開放端インサート)を副通路の上方に配置して、着席者に吹き付ける空気を調節または導くことができる。本システムのクッション層は、クッションから着席者への空気の流れを妨げないように、貫通孔を有していてもよい。本システムを用いることによって、ある程度の伝導冷却を達成することも可能である。
【0048】
他の実施形態では、温度調整された空気をインサートに供給し、着席者には空気を吹き付けないようにすることによって、着席者に伝導加熱または冷却を提供することができる。例えば、空気不浸透性の整えられた表面を用いることにより、空気不浸透性の整えられた表面の下に配置された、空間を有するインサートに温度調整された空気を吹き込む、または引き込むことによって空気を循環させ、インサート、そして着席者を伝導加熱または冷却する。ここで、もしクッション層が整えられた表面とインサートの間に配置されている場合は、貫通孔を設ける必要はない。
【0049】
別の実施形態では、伝導性および対流性の加熱および冷却を着席者に提供することができる。温度調整された空気は、着席者をわたってシートに引き込まれた環境空気と混ぜ合わせられる。ここで、環境空気は、整えられた表面を通して整えられた表面の下の混合領域に引き込まれ、そこで環境空気は温度調整された空気と混ぜ合わせられる。混ぜ合わせられた空気は、次にシートから離れて循環し、排気されるか、蒸発器および・または混合領域に戻されて再循環する。このとき、環境空気は対流冷却(または加熱)を提供するが、温度調整された空気は伝導性の冷却または加熱を提供する。環境空気を混合領域に引き込み、温度調整された空気を吹き込む、または引き込むかして、混合領域に送り込むために、複数のエアムーバを使用することができる。一実施形態では、混合領域はインサート内の空間である。混合領域を持つシートの例としては、米国特許公開公報2005−67862および2005−66505があげられる。好適には、本実施形態では、クッション層は整えられた表面とインサートの間に配置される。
【0050】
これまで、乗り物のシートを例にして説明してきたが、本発明の温度調整された部品は、例えば、オフィス用の椅子、車いす、家具、その他着席者が長時間の着席による不快さを低減することについて利益を有するシートであればなんでも、任意のタイプのシートまたは椅子に組み込むことが可能である。
【0051】
本発明はさらに、乗り物のシートを加熱し、冷却し、換気する方法にも関連する。本方法は、クッション層を持つシートを加熱し、または冷却するステップを有する。本方法はさらに、温度調整装置から、インサートを通じて、通気部品またはシートに対して、またはそれらから空気を循環させるステップを有する。
【0052】
複数の部品またはステップの機能または構造を単一の部品またはステップにまとめることができ、また単一のステップまたは部品の機能または構造を複数のステップまたは部品にわけることが可能であることを理解してもらいたい。本発明は、そのような組み合わせをすべて予期しているものである。特にことわらないかぎり、本明細書で説明した様々な構造の寸法および形状は、本発明を限定しようとするものではなく、違う寸法および形状も採用可能である。複数の構造的部品またはステップは、単一の統合された構造またはステップで提供可能である。それとは逆に、単一の統合された構造またはステップを分離した複数の部品またはステップにわけることが可能な場合もある。さらに、本発明の特徴をただ一つの実施形態として説明してきたが、そのような特徴は、所与の任意の応用について、その他の実施形態の一以上の別の特徴と組み合わせることも可能である。これまでの説明から、本明細書で説明した独自の構造の製造およびその動作は、本発明による方法をも構成することがわかる。本発明はさらに、本発明の方法の実行からうまれる中間の、そして最終の製品をも包含する。「含む」、「有する」、「持つ」の用語は、引用された特徴をして、「本質的にそれのみからなる」、または「それのみからなる」実施形態を予期したものである。
【0053】
本明細書の説明および図面は、当業者に、本発明、原理、およびその現実的応用を知らしめることを目的としている。当業者であれば、特定の用途の要求に最適に適応するように、本発明を様々な形態に適合させ、応用することが可能である。したがって、これまでに説明した本発明の特定の実施形態は排他的なものでも、本発明を限定しようとするものでもない。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるものではなく、添付の特許請求の範囲を参照して、請求項が与える均等物のすべての範囲に沿って、解釈されるべきである。特許出願および公報を含む、すべての文献および参考資料の開示内容は、あらゆる目的において、本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】クッション層に適切な貫通孔を持つ袋の一実施形態の斜視図。
【図2】着席者側に配置されたクッション層を持つ通気インサートの一実施形態の上面図。
【図3】ベース層上のクッション層を持つ非通気インサートの斜視図。
【図4】リベットを使って取り付けられた、非通気インサート内の袋の断面図。
【図5】両面テープを使って取り付けられた、非通気インサート内の袋の断面図。
【図6】ポリウレタンフィルムへの溶着(ウェルディング)で取り付けられた、非通気インサート内の袋の断面図。
【図7】接着剤を使って取り付けられた、非通気インサート内の袋の断面図。
【図8】裁縫によって取り付けられた(縫いつけ)、非通気インサート内の袋の断面図。
【図9】加熱素子とともに裁縫によって取り付けられた袋の上面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッションおよび整えられた表面を持つ、少なくとも一つの温度調整された構成部品を有するシートと、
温度調整された構成部品のそれぞれの前記整えられた表面の下に配置され、前記クッションと前記整えられた表面との間に配置されたクッション層を含むインサートと、
温度調整装置とを備える、温度調整されるシート。
【請求項2】
前記クッション層は、充填材料を含む、少なくとも一つの袋を有している、請求項1記載のシート。
【請求項3】
前記充填材料は液体である、請求項2記載のシート。
【請求項4】
前記液体は氷点降下剤を含む、請求項3記載のシート。
【請求項5】
前記温度調整される構成部品は非通気構成部品である、請求項4記載のシート。
【請求項6】
前記温度調整装置はヒーターを含む、請求項5記載のシート。
【請求項7】
前記ヒーターは前記クッションと前記クッション層の間に配置される、請求項6記載のシート。
【請求項8】
前記温度調整される構成部品は通気構成部品である、請求項4記載のシート。
【請求項9】
前記通気構成部品は送風機を含む、請求項8記載のシート。
【請求項10】
前記温度調整装置は冷風源を含む、請求項9記載のシート。
【請求項11】
前記冷風源は乗り物用HVACシステム、吸収冷凍システム、熱電素子およびそれらの組み合わせを含む、請求項10記載のシート。
【請求項12】
クッションおよび整えられた表面を持つシート部品と、
前記クッションと前記整えられた表面との間に配置されたクッション層であって、
ベース層に取り付けられ、充填材料を含む、縁部が封止された複数の袋と、
前記袋の下に配置され、前記ベース層に取り付けられたヒーターとを有するクッション層とを備える、乗り物用シート。
【請求項13】
前記充填材料は約1cPの粘度を持つ液体である、請求項12記載の乗り物用シート。
【請求項14】
前記ベース層は、成型体またはフィルムを含む、請求項13記載の乗り物用シート。
【請求項15】
前記袋は、機械式ファスナー、両面テープ、接着剤、縫いつけ、赤外線ウェルディング、高周波ウェルディングまたは超音波ウェルディングのうち、一以上の方法で基板に取り付けられている、請求項14記載の乗り物用シート。
【請求項16】
換気インサートをさらに含む、請求項15記載の乗り物用シート。
【請求項17】
前記クッション層および前記インサートは統合された構成部品である、請求項16記載の乗り物用シート。
【請求項18】
温度調整装置およびエアムーバーをさらに含む、請求項17記載の乗り物用シート。
【請求項19】
前記温度調整装置は熱電装置を含む、請求項18記載の乗り物用シート。
【請求項20】
前記エアムーバーは前記換気インサートを介してシートの着席者に向かって空気を吹き付ける、請求項19記載の乗り物用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−130481(P2007−130481A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−304873(P2006−304873)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(504135893)べー.エー.テー. オートモーティブ システムズ アーゲー (10)
【Fターム(参考)】