説明

クリプテコディニウム属からの抗酸化抽出物の製造および使用

【課題】本発明は、クリプテコディニウム(Crypthecodinium)属からの抗酸化抽出物に関する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1種類の不飽和脂肪酸、および/または少なくとも1種類の不飽和脂肪酸エステル、および少なくとも1種類の本発明の抽出物、およびクリプテコディニウム属と異なるバイオマスの成分を含む脂肪酸組成物、ならびにこの脂肪酸組成物を製造する方法、ならびにその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に、1種または複数の長鎖多価不飽和脂肪酸および/あるいは1種または複数の長鎖多価不飽和脂肪酸エステルを含有する脂肪酸組成物の抗酸化安定化のための、クリプテコディニウム属からの抽出物、その製造方法およびその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
長鎖多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、ヒトの代謝における必須脂肪酸である。PUFAは、さらに2つの大きな群に分けることができる。リノール酸から生じて作られるω−6PUFAの群に加えて、α−リノレン酸から生じて作られるω−3PUFAの群がある。
【0003】
PUFAは、細胞膜、網膜および髄膜の重要なビルディングブロックであり、ならびに重要なホルモン、例えばプロスタグランジン、トロンボキサンおよびロイコトリエンの前駆体である。
【0004】
PUFAは、ビルディングブロックとしての機能に加えて、近年においては人体またはヒト疾患に多くの有益な直接的効果を有することが益々見出されてきている。
【0005】
数多くの臨床研究によって、PUFAは、例えば癌、関節リウマチ、高血圧、および神経皮膚炎、ならびに多くの他の疾患における治癒または緩和に重大な貢献ができることが見出されてきた。このような場合、ドコサヘキサエン酸(DHA;all−cis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸)およびその誘導体、特にDHAエステルを使用することは、このようなエステル(特に、エチルエステルおよびトリグリセリド)が、おいしい味がして消化器系に容易に吸収される傾向があるため、特に有利なことが多い。このような知見はそもそも、国際機関および当局がPUFAの1日摂取量を管理する勧告を行ったという事実に原因があった。
【0006】
炭素鎖にC9位を超えて二重結合を導入することができる酵素系をヒトが欠いているため(Δ12−デサチュラーゼの欠乏)、PUFAはヒトにより新規合成されることができない。ヒトは、食事からの前駆体脂肪酸(例えばα−リノレン酸)の供給を介して多価不飽和脂肪酸を合成できるのみである。しかし、この量が多価不飽和脂肪酸の必要量を賄うのに十分かどうかは議論されている。
【0007】
必須脂肪酸の大部分は、食事を介して摂取される。特に、植物油は、ω−6脂肪酸に富んでいる(例えば、月見草油はγ−リノレン酸(GLA)を含有する。)が、C18の鎖長までのみであり、魚油および微生物からの油は、ω−3脂肪酸に富んでいる(例えば、サケ油はエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA;all−cis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸)を含有する。)。基本的に、魚油および微生物からの油が、多価不飽和脂肪酸の唯一の商業的な供給源である。しかし一般に、所望のPUFA含量は低くすぎて、混合物中に存在しており、この場合は拮抗的に作用するPUFAも存在する場合がある。したがってPUFAの推奨される1日用量を摂取するために、大量の油を摂取しなくてはならない。特に、これは高用量のPUFAを摂取しなくてはならない患者にあてはまる(例えば、嚢胞性線維症の場合)。可能な限り目標とした形でそれぞれのPUFAの効果を達成するために、濃縮したまたは高純度のPUFAを使用しなくてはならない。したがって、従来技術において、高純度のPUFAに対する大きな必要性がある。
【0008】
特定の脂肪酸およびそれらの誘導物を数多くの自然源から単離するため(または少なくとも濃縮するため)、ならびに回収するために、多数の方法が単独でまたは組み合わせて使用されてきた。このような方法には、低温での分別結晶、分子蒸留、尿素アダクト結晶化、金属塩溶液での抽出、向流カラムへの超臨界流体分別およびHPLC法が挙げられる。
【0009】
酸化に対する感受性のために、PUFAは一般に、適切な抗酸化剤を加えることによって安定化させなければならない。この目的のために、商業的には、天然トコフェロール、特にダイズ油から抽出したα−、β−、γ−、δ−トコフェロールおよび/またはトコトリエノールの混合物が特に使用される。さらに、例えば、パルミチン酸アスコルビルなどのいくつかの化合物は、相乗的に作用できることが知られている。したがって、それらはトコフェロール以外に使用される。
【0010】
しかし、天然抗酸化剤の効果は、濃度の増加に伴い無制限に増加しない。例えば、α−トコフェロールの場合、活性が早くも100ppmで反転し、酸化促進活性が起こる。これは、過剰摂取は不都合な結果となる場合もあることを意味する。
【0011】
あるいは、国際公開WO03092628(特許文献1)では、穏やかな条件で働く油の使用を提案している。この場合は、多価不飽和脂肪酸を含有するバイオマスが、最初に酵素と反応し、次いで脂質を単離する方法で、調製を進めなくてはならない。このように得られる油は、当初は明らかにそれほど酸化していないが、それでもやはり多価不飽和脂肪酸の特徴である酸化に対する感受性を示す。
【特許文献1】国際公開WO03092628
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、この従来技術を考慮して、脂肪酸組成物の抗酸化安定化向上の可能性を示すことが、本発明の1つの目的であった。この場合、食品分野において無条件に脂肪酸組成物を適用することを可能とするために、健康に害がある物質を加えることなしに、抗酸化活性の増加を可能な限り実現するべきである。
【0013】
本発明の他の目的は、大規模にかつ費用をかけないで、可能な限り簡単な方法で製造することを可能にする、本発明の脂肪酸組成物の製造方法を明示することであった。
【0014】
さらに、本発明の脂肪酸組成物の特に有利な適用分野を示すべきである。これらの目的および、明示的に記述してはいないが本明細書において論じる状況から明らかなものとして導き出されるであろうし、または必然的にこれらの結果として生じる他の目的は、クリプテコディニウム属からの抗酸化抽出物によって実現する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の抽出物の適切な変更形態は、請求項1を参照する従属請求項中に記述する。請求項11から19は、保護の範囲下にある抗酸化安定化脂肪酸組成物である。方法に関する請求項は、本発明の脂肪酸組成物製造の特に適切な方法を保護し、使用に関する請求項は、本発明の脂肪酸組成物の適用の特に有利な分野を記述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
クリプテコディニウム属からの抗酸化抽出物を提供することによって、特に高い抗酸化活性を有する抽出物を、容易に予測できない方法で成功裏に利用しやすいものにし、この抽出物は、脂肪酸組成物、特に少なくとも1種類の不飽和脂肪酸および/または少なくとも1種類の不飽和脂肪酸エステルを含有する脂肪酸組成物の抗酸化安定化のために特に適切である。この場合、抗酸化活性の増加が、健康に有害な物質を加えることなしに本発明により実現する、すなわち本発明の脂肪酸組成物を使用することは、懸念なしに食品分野において可能である。例えば、クリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium cohnii)油は、幼児への授乳に使用されており、米国ではGRAS(一般に安全と認められるもの)として分類されている。
【0017】
本発明の脂肪酸組成物は、大規模におよび費用をかけずに簡単な方法で製造できる。
【0018】
本発明による脂肪酸組成物は、少なくとも1種類のクリプテコディニウム属から、好ましくはクリプテコディニウム・コーニーからの抗酸化抽出物を含有する。この状況において、「脂肪酸組成物」という表現は、遊離脂肪酸を含有する組成物だけではなく、脂肪酸誘導体、好ましくは脂肪酸エステル、特に脂肪酸トリグリセリドを含む組成物も含み、この場合脂肪酸基は、基本的には同一でもまたは異なってもよい。
【0019】
本発明によると、脂肪酸は、飽和または一価不飽和または多価不飽和でもよく、好ましくは6〜30個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸を意味する。
【0020】
クリプテコディニウム属から得られる抽出物は、それ自体は公知である。本発明によれば、クリプテコディニウム属の野生型菌株の抽出物だけでなく、突然変異型または組換え型クリプテコディニウム属菌株の抽出物も使用することができる。
【0021】
本文脈において、「クリプテコディニウム属からの抽出物」という表現は、バイオマス、好ましくはクリプテコディニウム属の油を、溶媒、好ましくは有機溶媒および/または超臨界溶媒、特に有機溶媒による抽出で得ることができる全ての組成物を含む。溶媒混合物の使用も同様に可能である。
【0022】
本発明によると、抽出物が得られるバイオマスの抗酸化活性を超えた抗酸化活性を、抽出物が有することが好ましい。したがって、抽出物は、最初に用いられ、好ましくは単離したばかりで、そこから抽出物が得られるバイオマスの過酸化物価未満の過酸化物価を有することが好ましく、および抽出物が得られるバイオマスの過酸化物価の最大限でも50.0%、さらに好ましくは最大限でも25.0%、適切には最大限でも10.0%、特に最大限でも1.0%の過酸化物価を有することが好ましい。この場合、過酸化物価は、適切には2週間の開放保管後に、AOCS公定法Cd−3d63(米国油化学会)に指定されている通りに決定することが好ましい。
【0023】
本発明の抽出物の抗酸化能は、好ましくは15000より大きいトロロックス当量、さらに好ましくは20000より大きいトロロックス当量、適切には25000より大きいトロロックス当量、特に好ましくは30000より大きいトロロックス当量、特には35000より大きいトロロックス当量(μg/ml)である。トロロックス(登録商標)は、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸の慣例上使用される商品名である。
【0024】
本発明によると、「生物体のバイオマス」という表現は、生物体の全細胞だけでなく、生物体の個々の細胞成分も含む。
【0025】
クリプテコディニウム属からの抽出物は、微生物を培養し、培養物からバイオマスを回収し、それを分解し、抽出物を単離することによって得られることが適切である。
【0026】
抽出物の単離のために、有機溶媒、特にヘキサンによる、または超臨界液体による抽出方法を使用することが好ましい。有機溶媒による抽出方法がこの場合特に好ましい。抽出物は、ヘキサンによる乾燥バイオマスの浸出によって、バイオマスから抽出されることが適切である。このような有機溶媒による抽出は、とりわけ、WO9737032、WO9743362およびEP515460に記載されている。特に広範囲にわたる記載は、Journal of Dispersion Science and Technology、第10巻、第561〜579頁、1989年“Biotechnological Processes for the Production of PUFAs”に見出すことができる。
【0027】
あるいは、溶媒なしで抽出を行うこともできる。この状況において特に適切な方法は、EP−A−1178118に記載されている。この方法においては、バイオマスの水性懸濁液を生成し、遠心分離により水相から油相を分離することによって、溶媒が回避される。
【0028】
本発明の特に好ましい変形方法によると、抽出物は、クリプテコディニウム属からのバイオマスの純粋な機械的加圧と、それに続く、少なくとも1種類の有機溶媒または少なくとも1種類の超臨界溶媒、好ましくは有機溶媒、特にヘキサンによる抽出とによって得られる。
【0029】
本発明のさらなる特に好ましい変形方法によれば、抽出物は蒸留によって得られる。
【0030】
本発明の状況において、好ましくは1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールで、バイオマスをエステル交換することが、非常に特に有利であることも実証されてきた。この場合、メタノールおよびエタノール、特にエタノールの使用は、非常に特に実証済みである。エステル交換は、酸触媒下で、特に硫酸および/または塩酸を使用して進めることが好ましい。さらに特に好ましい変形方法によれば、エステル交換は酵素的に行われる。
【0031】
次いで、エステル交換されたバイオマスは、少なくとも1種類の有機溶媒または超臨界溶媒により、好ましくは有機溶媒により、特にヘキサンにより抽出されることが好ましい。溶媒の全容積と(加えた水を含めた)反応塊の全容積の比は、広範囲に変化させることもでき、特に好ましくは1:3から4:3である。特に好ましい実施形態では、混合物は、最後には混合する溶媒の複数の部分により抽出される。
【0032】
この実施形態に照らして、次いで前述のようにエステル交換されるエステル交換されるべきバイオマスとして、クリプテコディニウム属のバイオマスのヘキサン抽出物を使用することが好ましい。この方法は、抗酸化抽出物の濃縮および精製に役立つ。このようにして濃縮し精製した抽出物は、全重量に対して20.0重量%未満、好ましくは10.0重量%未満、特に5.0重量%未満の、6〜30個の炭素原子を有する脂肪酸含量、および6〜30個の炭素原子を有する脂肪酸アルキル基を含む脂肪酸エステル含量を有することが適切である。
【0033】
抽出物の組成は、広範囲に変化させることができる。本発明の第1の特に好ましい実施形態に照らして、クリプテコディニウム属からの抽出物は、
i)クリプテコディニウム属のバイオマスをけん化する工程と、
ii)けん化したバイオマスを、25℃で水1g当たり溶媒0.1g未満の水溶性を有する溶媒で抽出する工程と
によって得られる。
【0034】
この場合、DGF法F−II1(75)の手順が続くことが好ましい。
【0035】
それ自体公知の方法で、バイオマスをけん化することができる。この場合、アルコール溶液中の、好ましくはメタノール性および/またはエタノール性溶液中の、少なくとも1種類のアルカリ金属水酸化物との、好ましくはNaOHおよび/またはKOHとの、特にKOHとのバイオマスの反応は、特に実証済みである。けん化のための特に適切な反応温度は、25〜100℃の範囲である。
【0036】
けん化した生成混合物の抽出は、広範囲に変化させることができる。好ましい変形方法によれば、水を混合物に加え、25℃で水1g当たり溶媒0.1g未満の水溶性を有する溶媒で抽出を行う。溶媒の全容積と(加えた水を含めた)反応塊の全容積の比も、広範囲に変化させることができ、特に好ましくは1:3から4:3である。特に好ましい実施形態では、最後に混合する溶媒の複数の部分で混合物を抽出する。本発明の特に適切な溶媒には、有機溶媒であるジクロロメタン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸エチル、石油エーテル、ペンタンおよびヘキサン、ならびに超臨界溶媒であるプロパン、ブタンおよび二酸化炭素も含まれ、有機溶媒、特にジエチルエーテルおよびヘキサン、特にジエチルエーテルが最も好ましい。
【0037】
例えば、抽出溶媒層をブライン(すなわち、飽和塩溶液)で洗浄することによって、分子ふるいで乾燥させることによって、および/または無水塩(例えば、硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウム)で乾燥させることによって、残存する水を、抽出溶媒層から除去することができる。
【0038】
抽出後に、適切には溶媒を部分的または完全に蒸発させることによって、抽出物を濃縮することが好ましい。
【0039】
本発明のさらに特に好ましい実施形態に照らして、クリプテコディニウム属からの抽出物は、クリプテコディニウム属のバイオマスの、1〜12個の、好ましくは1〜6個の、特に1〜4個の炭素原子を有するアルコール、および/または3〜6個の、好ましくは3個または4個の炭素原子を有するケトンによる抽出により得られる。この場合は、アルコールによる抽出は、ケトンによる抽出より好ましい。いずれの場合にも、個々でまたは混合物中で、本発明の目的に非常に特に適切なアルコールは、メタノールおよびエタノールである。
【0040】
特に適切なケトンは、アセトンおよび/またはメチルエチルケトン、特にアセトンを含む。
【0041】
この実施形態に照らして、次いでアルコールおよび/またはケトンにより逆抽出される、抽出されるべきバイオマスとして、クリプテコディニウム属のバイオマスのヘキサン抽出物を使用することが好ましい。この方法は、抗酸化抽出物の濃縮および精製に役立つ。このようにして濃縮し精製した抽出物は、全重量に対して20.0重量%未満、好ましくは10.0重量%未満、特に5.0重量%未満の、6〜30個の炭素原子を有する脂肪酸含量と、6〜30個の炭素原子を有する脂肪酸基を含む脂肪酸エステル含量とを有することが適切である。
【0042】
この場合は、アルコールまたはケトンの全容積とバイオマスの容積の比は、広範囲に変化させることができ、特に好ましくは3:1から3:4である。特に好ましい実施形態では、混合物は、最後には混合するアルコールまたはケトンの複数の部分により抽出される。
【0043】
抽出後に、適切には溶媒を部分的または完全に蒸発させることによって、抽出物を濃縮することが好ましい。
【0044】
このようにして得られる抽出物は、3〜6個の炭素原子を有するケトン、さらに好ましくはアセトンおよび/またはメチルエチルケトン、特にアセトンで再度抽出されることが好ましい。この場合、ケトンの全容積と第1の抽出物の容積の比は、広範囲に変化させることができ、特に好ましくは3:1から3:4である。特に好ましい実施形態では、第1の抽出物は、最後には混合するケトンの複数の部分により抽出される。
【0045】
抽出後に、得られた第2の抽出物は、適切には溶媒を部分的または完全に蒸発させることによって濃縮することが好ましい。
【0046】
本発明の状況において、脂肪酸組成物は、クリプテコディニウム属と異なるバイオマス、好ましくはスラウストキトリアレス(Thraustochytriales)のバイオマス、特にウルケニア(Ulkenia)属のバイオマスの成分をさらに含む。クリプテコディニウム属と異なるバイオマスも同様に、それ自体は公知である。本発明によれば、野生型菌株のバイオマスだけでなく、DHA(all−cis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸)および/またはDPA(all−cis−4,7,10,13,16−ドコサペンタエン酸)を効率的に生成する、突然変異型または組換え型菌株のバイオマスも使用することができる。このような突然変異型または組換え型菌株には、同一の基質を使用した場合に元の野生型菌株の率と比較して、脂肪中にDHAおよび/またはDPAをより高率で含有し、ならびに/あるいは同一の基質を使用した場合に元の野生型菌株により生成される量と比較して、より多い脂質総量を含有する微生物が含まれる。
【0047】
本発明の特に好ましい実施形態では、本発明の脂肪酸組成物は、クリプテコディニウム属と異なるバイオマスの抽出物を含有する。この場合、問題の微生物を培養し、培養物からバイオマスを回収し、それを分解し、抽出物を単離することにより、抽出物を得ることが適切である。この状況において非常に特に適切な方法は、その開示内容が参照により本明細書に明示的に組み込まれているWO03/033631A1に記載されている。
【0048】
抽出物の単離のために、有機溶媒、特にヘキサンによる、または超臨界液体による抽出方法を使用することが好ましい。抽出物は、ヘキサンによる乾燥バイオマスの浸出によって、バイオマスから抽出されることが適切である。このような有機溶媒による抽出は、とりわけ、WO9737032、WO9743362およびEP515460に記載されている。特に広範囲にわたる記載は、Journal of Dispersion Science and Technology、第10巻、第561〜579頁、1989年、“Biotechnological Processes for the Production of PUFAs”に見出すことができる。
【0049】
あるいは、溶媒なしで抽出を行うこともできる。この状況において特に適切な方法は、EP−A−1178118に記載されている。この方法においては、バイオマスの水性懸濁液を生成し、遠心分離により水相から油相を分離することによって、溶媒が回避される。
【0050】
本発明の特に好ましい変形方法によると、抽出物は、クリプテコディニウム属とは異なるバイオマスの純粋な機械的加圧と、それに続く、少なくとも1種類の有機または超臨界溶媒、好ましくは少なくとも1種類の有機溶媒、特にヘキサンによる抽出とによって得られる。
【0051】
本発明の状況において、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、特に1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールで、バイオマスをエステル交換することが、特に有利であることが実証されてきた。この場合、メタノールおよびエタノール、特にエタノールの使用は、非常に特に実証済みである。エステル交換は、酸触媒下で、特に硫酸および/または塩酸を使用して進めることが好ましい。次いでエステル交換されたバイオマスを、有機溶媒、特にヘキサンで抽出することが好ましい。溶媒の全容積と(加えた水を含めた)反応塊の容積の比は、広範囲に変化させることができ、特に好ましくは1:3から4:3である。特に好ましい実施形態では、混合物は、最後には混合する溶媒の複数の部分により抽出される。
【0052】
バイオマスの組成は、広範囲に変化させることができる。クリプテコディニウム属と異なるバイオマスは、好ましくは6〜30個の炭素原子を有する少なくとも1個の多価不飽和脂肪酸基を含む、少なくとも1種類の多価不飽和脂肪酸、および/または少なくとも1種類の脂肪酸エステル、適切には脂肪酸アルキルエステル、好ましくはグリセリド、特にトリグリセリドを含有することが好ましい。特に好ましい実施形態では、バイオマス中の脂肪酸および/または脂肪酸基の少なくとも10%、特に好ましくは少なくとも25%、特に少なくとも30%は、DHAまたはDHA基である。
【0053】
「グリセリド」とは、この表現が本明細書において使用される限りは、グリセロールの1〜3個のヒドロキシル基が1個または複数の脂肪酸基とエステル化した、グリセロールと少なくとも1種類の脂肪酸とのエステルである。複数の脂肪酸基が存在する場合は、脂肪酸基は、同一でもまたは異なっていてもよい。
【0054】
多くの適切な出発物質において、グリセリドの大部分は、トリグリセリド、すなわち3個の脂肪酸基とグリセロールとのエステルである。この場合、各脂肪酸基は、飽和(すなわち炭素原子間の全ての結合が単結合である。)でもよく、または不飽和(すなわち少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合が存在する。)でもよい。不飽和脂肪酸基の種類は、本明細書においてはωで示される場合がある。この数字は、末端メチル基から数えた脂肪酸または脂肪酸基の第1の二重結合の位置を示す。
【0055】
本発明の脂肪酸組成物の個々の成分の相対的画分は、基本的には自由に選択でき、それぞれの使用に対応させることができる。しかし、本発明の状況において、脂肪酸組成物が、全重量に対して、0.1〜50.0重量%の、好ましくは0.1〜25.0重量%の、適切には0.2〜10.0重量%の、特に0.5〜5.0重量%のクリプテコディニウム属からの抗酸化抽出物と、50.0〜99.9重量%の、好ましくは75.0〜99.9重量%の、適切には90.0〜99.8重量%の、特に95.0〜99.5重量%のクリプテコディニウム属と異なるバイオマスの成分とをそれぞれの場合含有し、上記の相対的画分を合わせると、好ましくは100.0重量%となる場合、非常に特に適切であることが見出されてきた。
【0056】
本発明の脂肪酸組成物は、多価不飽和脂肪酸の比較的高い画分を有し、全重量に対して、好ましくは少なくとも10.0重量%の、適切には少なくとも25.0重量%の、さらに好ましくは少なくとも50.0重量%の、特に少なくとも70.0重量%のドコサヘキサエン酸(all−cis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸)および/またはドコサヘキサエン酸アルキルエステル(all−cis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸アルキルエステル)、好ましくはドコサヘキサエン酸、ドコサヘキサエン酸メチルエステルおよび/またはドコサヘキサエン酸エチルエステルをそれぞれの場合含有する。
【0057】
本発明の脂肪酸組成物は、従来法で安定化させた脂肪酸組成物と比較して、酸化に対するより高い安定性により特徴付けられる。したがって、例えば、α−、β−、γ−および/またはδ−トコフェロールなどのそれ自体は公知である抗酸化剤を加えることは、絶対必要とは限らない。したがって、本発明による脂肪酸組成物は、第1の好ましい実施形態によれば、さらなる抗酸化剤を含有しない。
【0058】
しかし、抗酸化剤をさらに加えることにより、本発明の脂肪酸組成物の抗酸化安定性をさらに増加させることができる場合が多いので、本発明の非常に特に好ましい実施形態による脂肪酸組成物は、少なくとも1種類の、好ましくは相乗的に作用する、抗酸化剤、好ましくは少なくとも1種類のトコトリエノール、α−、β−、γ−および/またはδ−トコフェロール、適切にはα−、β−、γ−および/またはδ−トコフェロール、特にα−、β−、γ−および/またはδ−トコフェロールおよびパルミチン酸アスコルビルを含有し、この成分の相対的画分は、それぞれの場合、脂肪酸組成物の全重量に対して、好ましくは0.01〜5.0重量%、特に0.05〜0.5重量%である。
【0059】
本発明の脂肪酸組成物は、それ自体公知である方法で、好ましくは対応する成分を混合することによって製造される。この場合、クリプテコディニウム属からの抗酸化抽出物と、クリプテコディニウム属と異なるバイオマスの成分を、溶媒中、好ましくは石油エーテル、ヘキサン、ペンタン、エタノール、メタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテルおよび/または酢酸エチル、適切にはヘキサンおよび/またはジエチルエーテル、特にジエチルエーテル中で、それぞれ別々に溶解し、次いで溶液を互いに混合し、次いで溶媒を好ましくは蒸発によって除去することが、非常に特に有利であるということが実証されてきた。
【0060】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、この場合、適切な高めの温度、好ましくは25℃〜80℃の範囲、特に25℃〜60℃の範囲で溶媒を加えずに成分を混合する。
【0061】
本発明の脂肪酸組成物の用途として可能性のある分野は、当業者であればすぐさま明らかである。それらは特に、PUFAおよびPUFAエステルのために示された全ての用途に適切である。この場合、本発明の脂肪酸組成物は、通常直接使用することができる。しかし、用途によっては、1種または複数の脂肪酸エステルを液相中で事前にけん化することが必要である。これは例えば、エタノール中のKOHとの反応およびその後の無機酸または有機酸による酸性化により行うことができる。
【0062】
本発の脂肪酸組成物は特に、医薬組成物中の有効成分として、化粧用調製品中の成分として、食品添加物として、食品成分として、機能性食品の成分として、あるいはエステルおよび酸などの高度に濃縮されたPUFA二次製品を製造するために使用される。
【実施例】
【0063】
本発明の概念を制限することなしに、本発明を以下に実施例によってより詳細に記述する。
【0064】
下記の脂肪酸組成物の誘導時間、過酸化物価および/または抗酸化能を決定した。
【0065】
<対照1>
YokochiらのAppl.Microb.Biotechnol.、(1998年)、第49巻、第72〜76頁に記述されているように生成した「DHA含有油」を使用した。これは、一般に公知の工程方法により完全な精製を受けた。以下では、この油を略して「DHA含有油」と示す。
【0066】
<対照2〜17>
「DHA含有油」+表1に指定するパルミチン酸アスコルビルおよび/またはトコフェロール混合物の量(0.14%(登録商標)Coviox T70;天然トコフェロール混合物を添加)
<実施例1>
抽出物をDGF法F−II1(75)に従って得た。
【0067】
クリプテコディニウム・コーニー未精製油(ヘキサン抽出物)5.02gを、250ml丸底フラスコに秤量し、ピロガロール20mg、メタノール40ml、60%強度の水酸化カリウム溶液(g/v)10mlおよび3個の沸騰石と混ぜた。80℃の湯浴中で、試料を還流させながら穏やかな窒素流下で20分間けん化した。冷却後に、石けん液を再蒸留水40mlで3回、ジエチルエーテル50mlで2回、500ml分液漏斗に流した。
【0068】
注意深く旋回させながら、ジエチルエーテルで第1の抽出を進めた。水相を600mlガラス製ビーカーに流した。ジエチルエーテル相を再蒸留水40mlで再洗浄し、水を水相に排出した。ジエチルエーテル相は、1000ml丸底フラスコに排出した。無色になるまで、水相を再度記述したように(ジエチルエーテルを添加、抽出など)4回処理した。混合したジエチル相を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、オイルポンプを用いて乾燥し、秤量した。これにより、抽出物921mgが生成した。
【0069】
これを「DHA含有油」(対照5;0.1%トコフェロールを含有する。)4gと混ぜ、ジエチルエーテル10mlを添加してよく混合した。ジエチルエーテルを除去した後、オレンジ色の油を得た。
【0070】
<実施例2>
クリプテコディニウム・コーニー未精製油41.9gを、500ml丸底フラスコに秤量し、メタノール120mlおよび磁気撹拌子と混ぜた。このバッチを、磁気撹拌機で3時間激しく撹拌した。上側のメタノール相を、250ml丸底フラスコにデカントした。油のバッチを、再度メタノール100mlと混ぜ、1時間再洗浄した。油−メタノール混合物を、100ml分液漏斗内に入れ、メタノール相を従前の容器に移した。これをロータリーエバポレーターで濃縮し、オイルポンプによって乾燥した。これにより、抽出物760mgが生成した。「DHA含有油」(対照5;0.1%トコフェロールを含有する。)を2重量%の抽出物と混ぜ、よく混合した。
【0071】
<実施例3>
使用した「DHA含有油」(対照1)を、4重量%の抽出物と混ぜ、よく混合した以外は、実施例2からの脂肪酸組成物と同様に得た。
【0072】
<実施例4>
クリプテコディニウム・コーニー乾燥バイオマスを、直接メタノールで抽出し、この場合、リン脂質の大きな画分も共に抽出し、非常に粘性の生成物となった。
【0073】
「DHA含有油」(対照1)を、4重量%の抽出物と混ぜ、よく混合した。
【0074】
<実施例5>
クリプテコディニウム・コーニー乾燥バイオマスを、メタノールで直接抽出し、この場合、リン脂質の大きな画分も共に抽出し、非常に粘性の生成物となった。このような化合物を除去するために、抽出物をアセトンで再度洗浄し、アセトン溶解性成分が、クリプテコディニウム・コーニーアセトン抽出物を形成した。
【0075】
「DHA含有油」(対照1)を4重量%のアセトン抽出物と混ぜ、よく混合した。
【0076】
<実施例6>
使用した「DHA含有油」(対照5)を4重量%の抽出物と混ぜ、よく混合した以外は、実施例2からの脂肪酸組成物と同様に得た。
【0077】
<Rancimat測定>
計器:743Rancimat
製造者:Metrohm
計器設定:
方法:(AOCS法Cdl2b−92と同様)
温度:80℃
ガス流量:20L/h
終了基準:終点
<測定の手順および原理>
測定される油(3g)を反応容器に秤量し、加熱ブロックに置き、確定した温度および空気流に曝す。ギ酸などの揮発性酸化生成物が形成し、これが空気チューブを通って測定容器に移動し、その中の蒸留水中で導電電極を用いて導電率を測定する。導電率を終点まで時間をかけて記録する。この曲線から、二次導関数が自動的に形成され、鞍点でその最大値となる。鞍点までの時間を、誘導時間と称する。
【0078】
それぞれの試料の安定性が高いほど、誘導時間も長くなる。したがって、測定した誘導時間を比較することによって、試料の抗/酸化状態について結論を引き出すことができ、抗酸化剤の作用も互いに効率的に比較することができる。
【0079】
上記に示した物質について、表1にまとめた誘導時間を測定した。
【0080】
【表1】

<過酸化物価の決定>
上記の物質を、100mlのBrlenmeyerオープンフラスコ内で、暗中室温で所定の時間保管し、その後それらの過酸化物価を分析した。過酸化物価を、AOCS公定法Cd−3d63(米国油化学会)に指定されているように決定した。得られた結果を表2にまとめる。それらは、メタノール抽出物(実施例3)を使用することによって、添加の安定剤なしの「DHA含有油」(対照1)または従来法で安定化させた「DHA含有油」(対照2)と比較して、抗酸化安定性を有意に増加させることができることを示す。このような場合、付加的にトコフェロールを加えることによって抗酸化安定性をさらに増加させることができる。
【0081】
【表2】

<抗酸化能の決定>
対照1および5の抗酸化能と、実施例5の抗酸化能も下記のように決定した。
【0082】
方法:
試料をPhotochem法で測定した。Photochem(登録商標)は、光化学発光(PCL)法に従って作動する。光増感剤を用いて、スーパーオキシドアニオンラジカルが生成し、それらは化学発光物質(例えば、ルミノール)との反応および生じた光の測定を介して検知される。遊離基捕捉剤(抗酸化剤)が試料中に存在するほど、濃度依存的な様式で減衰する光化学発光の光度は強くなる。その結果をトロロックス当量濃度単位で報告する。それぞれの抗酸化剤およびスーパーオキシドジスムターゼの全体の抗酸化能を測定するために、標準化キットを用いて計器を操作する。
【0083】
トロロックス当量を決定するために、試料をn−ヘキサンで希釈し、直接測定に使用した。
【0084】
得られた結果を表3にまとめる。
【0085】
【表3】

本発明の実施例は、比較的高い抗酸化能を有することを見出すことができる。この状況において、加えた抽出物の量は、混合物中の抗酸化的有効量の量と同等ではないことに留意しなくてはいけない。例えば、さらなる精製は可能であり、さらにより抗酸化的に有効な抽出物となる。当然ながら、保護の範囲は、抗酸化的活性のある化合物に至るまでさらにより高度に精製した濃縮物に及ぶ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリプテコディニウム属からの抗酸化抽出物。
【請求項2】
25000トロロックス当量より大きい抗酸化能を有することを特徴とする、請求項1に記載の抽出物。
【請求項3】
i)クリプテコディニウム属のバイオマスをけん化する工程と、
ii)前記けん化したバイオマスを、25℃で水1g当たり溶媒0.1g未満の水溶性を有する溶媒で抽出する工程と
により得られることを特徴とする、請求項2に記載の抽出物。
【請求項4】
クリプテコディニウム属からのけん化したバイオマスを、ヘキサン、ペンタン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジメチルエチルケトン、および/または超臨界二酸化炭素で抽出することにより得られることを特徴とする、請求項3に記載の抽出物。
【請求項5】
クリプテコディニウム属のバイオマスを、1〜12個の炭素原子を有するアルコールおよび/または3〜6個の炭素原子を有するケトンで抽出することにより得られることを特徴とする、請求項2に記載の抽出物。
【請求項6】
クリプテコディニウム属のバイオマスを、メタノール、イソプロパノール、アセトンおよび/またはエタノールで抽出することにより得られることを特徴とする、請求項5に記載の抽出物。
【請求項7】
クリプテコディニウム属のバイオマスを、1〜12個の炭素原子を有するアルコールで抽出し、それに続いてケトンで抽出することにより得られることを特徴とする、請求項5または6に記載の抽出物。
【請求項8】
クリプテコディニウム・コーニーからの抽出物であることを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の抽出物。
【請求項9】
クリプテコディニウム属のバイオマスがエステル交換される方法によって得られることを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の抽出物。
【請求項10】
クリプテコディニウム属のバイオマスを機械的に抽出する方法によって得られることを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の抽出物。
【請求項11】
前記請求項の少なくとも一項に記載の少なくとも1種類の抽出物と、クリプテコディニウム属と異なるバイオマスの成分とを含有することを特徴とする、少なくとも1種類の不飽和脂肪酸を含有する脂肪酸組成物。
【請求項12】
スラウストキトリアレスのバイオマスの成分を含有することを特徴とする、請求項11に記載の脂肪酸組成物。
【請求項13】
ウルケニア属のバイオマスの成分を含有することを特徴とする、請求項12に記載の脂肪酸組成物。
【請求項14】
クリプテコディニウム属と異なるバイオマスの成分が、クリプテコディニウム属と異なるバイオマスがエステル交換される方法により得られることを特徴とする、請求項11ないし13の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物。
【請求項15】
脂肪酸組成物の全重量に対して、請求項1ないし10の少なくとも一項に記載の0.1〜50.0重量%の少なくとも1種類の抽出物と、50.0〜99.9重量%のクリプテコディニウム属と異なるバイオマスの成分とを、それぞれの場合含有することを特徴とする、請求項11ないし14の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物。
【請求項16】
全重量に対して、少なくとも25.0重量%のドコサヘキサエン酸および/またはドコサヘキサエン酸アルキルエステルを含有することを特徴とする、前記請求項11ないし15の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物。
【請求項17】
少なくとも1種類の抗酸化剤を含有することを特徴とする、前記請求項11ないし16の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物。
【請求項18】
α−、β−、γ−および/またはδ−トコフェロールならびに/あるいは少なくとも1種類のトコトリエノールを含有することを特徴とする、請求項17に記載の脂肪酸組成物。
【請求項19】
パルミチン酸アスコルビルをさらに含有することを特徴とする、請求項18に記載の脂肪酸組成物。
【請求項20】
請求項1ないし10の少なくとも一項に記載の少なくとも1種類の抽出物と、クリプテコディニウム属と異なる少なくとも1種類のバイオマスの成分とを互いに混合することを特徴とする、請求項11ないし19の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物を製造する方法。
【請求項21】
医薬組成物中の有効内容物または成分としての、請求項11ないし19の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物の使用。
【請求項22】
化粧用調製品中の成分としての、請求項11ないし19の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物の使用。
【請求項23】
食品添加物および/または食品成分としての、請求項11ないし19の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物の使用。
【請求項24】
動物飼料の成分としての、請求項11ないし19の少なくとも一項に記載の脂肪酸組成物の使用。

【公表番号】特表2008−528742(P2008−528742A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552573(P2007−552573)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000676
【国際公開番号】WO2006/079533
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(507212492)ヌートリノーヴァ ニュートリション スペシャルティーズ アンド フード イングリーディエンツ ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】