説明

クリーニング装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置

【課題】画像形成装置に用いられるクリーニング装置において、低温時、像担持体に摺接可能に設けたゴムブレードの先端部と像担持体表面との間に微小間隙が生じて、転写残トナーの除去が不十分になったり、潤滑剤の均しが不十分になったりする恐れを解消できるクリーニング装置を提供すること。
【解決手段】感光体ドラム11の表面に塗布された潤滑剤を均一に均すための均し用ゴムブレード14hを設け、その均し用ゴムブレード14hの温度またはその近傍の温度を計測する温度計測部14mを設け、均し用ゴムブレード14hを加熱する加熱部14nを設け、温度計測部14mによる計測温度が予め設定された設定温度より低い場合に、計測温度が設定温度に達するように加熱部14nを用いて熱する温度制御部14pを設けて、均し用ゴムブレード14hのゴム特性が低温下で変化しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられるクリーニング装置と、そのクリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー像を担持する回転可能な像担持体に付設されるものとして、クリーニング装置がある。従来のクリーニング装置として、例えば、像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部を挟んで、像担持体に、一対のゴムブレードを摺接可能に設け、像担持体の回転方向上流側のゴムブレードで像担持体に残った転写残トナーを除去し、像担持体の回転方向下流側のゴムブレードで像担持体に塗布した潤滑剤を均すものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のクリーニング装置は、像担持体に摺接可能に設けたゴムブレードに圧縮永久ひずみ生じ、その圧縮永久ひずみにより、ゴムブレードの先端部と像担持体表面との間に微小間隙が生じて、転写残トナーの除去が不十分になったり、潤滑剤の均しが不十分になったりする恐れがある。
特に特許文献1のように、潤滑剤塗布部を挟んで、一対のゴムブレードを像担持体の回転方向の上流側と下流側とに設けた場合、上流側のゴムブレードをすり抜けた転写残トナーは、下流側のゴムブレードで長期に亘って堰き止めながら潤滑剤を均す必要がある。
【0004】
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できるクリーニング装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、ゴムの圧縮永久ひずみの温度依存性、すなわち、ゴムは、低温環境下や高温環境下において、圧縮永久ひずみが生じてゴム特性が変化しやすいことに着目して、下記の技術的手段を講じた。
請求項1にかかる発明は、トナー像を担持する回転可能な像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部と、前記潤滑剤塗布部の位置より前記像担持体の回転方向上流側に設けられ、先端部を前記像担持体に当接させて前記像担持体に残った転写残トナーを除去する清掃用ゴムブレードと、前記潤滑剤塗布部の位置より前記像担持体の回転方向下流側に設けられ、先端部を前記像担持体に当接させて前記潤滑剤を均す均し用ゴムブレードと、該均し用ゴムブレードの温度またはその近傍の温度を計測する温度計測部と、前記均し用ゴムブレードを加熱する加熱部と、前記温度計測部による計測温度が予め設定された設定温度より低い場合に、前記計測温度が前記設定温度に達するように前記加熱部を制御して加熱する温度制御部とを備えたクリーニング装置を特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1において、前記設定温度は、下限温度と上限温度とからなり、前記温度制御部は、前記計測温度が前記下限温度未満の場合に前記加熱部による加熱を開始し、前記計測温度が前記上限温度以上となった時点で前記加熱部による加熱を停止するように制御することを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2において、前記下限温度は、摂氏18度であり、前記上限温度は、摂氏25度であることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3の何れかにおいて、前記温度制御部は、前記計測温度が前記設定温度に達していない場合は、画像形成装置本体に画像形成の動作を不可とする旨の信号を送信することを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4の何れかにおいて、前記均し用ゴムブレードは、機枠に固定され、基端部に対し前記先端部が、前記像担持体の回転方向上流側に位置するように設けたことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5の何れかにおいて、前記像担持体に当接する前記先端部のエッジ角度が、90度以上140度未満であることを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載のクリーニング装置と、感光体ドラムからなる前記像担持体と、該像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、前記像担持体に形成された潜像をトナー像に現像する現像装置とを備えてなり、画像形成装置本体に着脱可能に構成されたプロセスカートリッジを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載のクリーニング装置または請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えた画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、温度計測部が、均し用ゴムブレードの温度またはその近傍の温度を計測し、温度制御部が、温度計測部による計測温度が予め設定された設定温度より低い場合に、計測温度が設定温度に達するように加熱部を介して加熱制御し、均し用ゴムブレードが圧縮永久ひずみの生じにくい温度を維持して、ゴム特性が変化しないようにしたから、長期に亘って、清掃用ゴムブレードをすり抜けた転写残トナーの堰き止めと、潤滑剤の均一な均しが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施の形態にかかる画像形成装置を模式的に示した縦断正面図である。
【図2】プロセスカートリッジの簡略した縦断正面図である。
【図3】均し用ゴムブレードの先端部廻りの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態を説明する。本発明に係るクリーニング装置を備えた画像形成装置の概略を説明する。
【0009】
本実施の形態にかかる画像形成装置は、図1に示すように、タンデム方式を採用したフルカラー画像が形成可能なカラー画像形成装置であり、4つのプロセスカートリッジ10Y(イエロー)、10M(マゼンタ)、10C(シアン)、10Bk(ブラック)が、複数のローラ21、22、23、25、32、33に掛架された無端状の中間転写ベルト20の上部走行辺に沿って並設されている。この4つのプロセスカートリッジは、画像形成装置本体に対し、着脱可能になっており、適宜交換できるようになっている。
【0010】
これらのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkは、図2に示すように像担持体としての感光体ドラム11と、この感光体ドラム11の周りに配設された、帯電装置12、現像装置13、クリーニング前除電ランプ17と、本発明のクリーニング装置14とを備え、これらが、画像形成装置本体に対し着脱可能な機枠mに内装されてなる。このように構成されたプロセスカートリッジは、感光体ドラム11が、中間転写ベルト20の内側に設けられた転写ローラ15に対向するように、中間転写ベルト20を挟んで配置される。クリーニング装置14の詳細は後述する。
【0011】
各プロセスカートリッジの上方には、図1に示すように、露光装置16が設けられており、この露光装置16は、帯電装置12と現像装置13との間の感光体ドラム11の表面に画像データに基づいた潜像を形成するためのレーザー光を照射するようになっている。
転写ローラ31の、図1中、右側にはレジストローラ対54が、図1中、左側には無端状の搬送ベルト55がそれぞれ配設されている。搬送ベルト55の、図中左側には、ベルト定着装置40が設けられている。
【0012】
画像形成装置1内の下部には転写紙Pを積載する給紙トレイ50が配置され、給紙手段としてピックアップコロ51、分離給送ローラ52を有している。図1において、一点鎖線で示す転写紙搬送経路中の所定の位置には、搬送ローラ53が配置される。さらに図示はしないが、転写紙ガイドが適宜設けられる。このほか、必要に応じて、手差し給紙部や転写紙反転部を設けることもできる。また、画像読取装置(スキャナ)や自動原稿給送装置(ADF)などを装着することも可能である。
【0013】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置1の画像形成動作について簡単に説明する。
図1において、感光体ドラム11が図示しない駆動手段によって図中反時計方向に回転駆動され、その感光体ドラム11の表面が帯電装置12によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体ドラム11の表面には露光装置16からの走査光が照射され、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム11に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置13から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。
【0014】
中間転写ベルト20が図中時計回りに走行駆動され、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkにおいて一次転写ローラ15の作用により感光体ドラム11から中間転写ベルト20に各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト20はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。なお、プロセスカートリッジの何れか1つを使用して単色画像を形成したり、複数のプロセスカートリッジを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、4個のプロセスカートリッジのうち、黒用プロセスカートリッジ10Bkを用いて画像形成を行う。
【0015】
図2において、トナー像を転写した後の感光体ドラム11の表面に付着する残留トナーは、クリーニング装置14によって除去され、感光体ドラム11の表面に潤滑剤が塗布されて、均一に均される。次いで、その感光体ドラムの表面がクリーニング前除電ランプ17の照射を受けて、感光体ドラムの表面の電位が初期化されて次の画像形成に備える。
【0016】
一方、図1において、給紙トレイ50から転写紙Pが給送され、レジストローラ対54によって、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像とのタイミングを取って二次転写位置に向けて送り出される。第二の転写手段である転写ローラ31によって中間転写ベルト表面のトナー像が転写紙P上に一括して転写される。トナー像を転写された転写紙Pは搬送ベルト55によってベルト定着装置40へと送られ、熱と圧力によってトナー像が転写紙Pに熔融定着される。トナー像が定着された転写紙Pは図示しない排紙トレイに排出される。
【0017】
次に、図2を参照しながら本発明に係るクリーニング装置14について詳述する。
【0018】
クリーニング装置14は、転写残トナー清掃回収部と、潤滑剤塗布部と、均し用ゴムブレード14hと、温度計測部14mと、加熱部14nと、温度制御部14pとを備える。
【0019】
転写残トナー清掃回収部は、図示しない駆動手段によって図中反時計方向に回転駆動され、感光体ドラム11の表面の転写残トナーを掃き落す清掃用ファーブラシ14aと、感光体ドラム11の法線上に先端部が略位置するように且つ感光体ドラム11の接線上に略沿うように配置され、感光体ドラム11の幅方向に亘って先端部を摺接して転写残トナーをそぎ落とす帯板状のウレタンゴムからなる清掃用ゴムブレード14bと、清掃用ファーブラシ14a上の転写残トナーを弾き飛ばすフリッカー14cと、転写残トナーをクリーニング装置14外に搬送する搬送スクリュ14dとを備える。
【0020】
潤滑剤塗布部は、図示しない駆動手段によって図中反時計方向に回転駆動され感光体ドラム11の表面に接するように配置された潤滑剤塗布用ファーブラシ14eと、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸からなる潤滑剤14fと、その潤滑剤14fを支持すると共に潤滑剤塗布用ファーブラシ14eに弾発付勢して潤滑剤14fを擦り付ける潤滑剤支持部14gとを備える。
この潤滑剤塗布部は、転写残トナー回収部より回転ドラム11の回転下流側に設けられており、潤滑剤14fが付着した潤滑剤塗布用ファーブラシ14eが、転写残トナー清掃回収部で清掃済みの感光体ドラム11の表面に回転しながら接触することで、潤滑剤を塗布するようになっている。
【0021】
均し用ゴムブレード14hは、帯板状のウレタンゴムからなる。この均し用ゴムブレード14hは、機枠mに固定された支持部材14kを介して、感光体ドラム11の法線上に先端部が位置すると共に感光体ドラム11の接線上に略沿うように、且つ、感光体ドラム11の幅方向に亘って先端部が摺接するように、潤滑剤塗布部より回転ドラム11の回転下流側に設けられており、潤滑剤塗布部で感光体ドラム11の表面に塗布された潤滑剤を均一に均すようになっている。
【0022】
この均し用ゴムブレード14hは、感光体ドラム11に当接するエッジ部分の角度であるエッジ角度θ(図3)が、90度以上(図3では120度を例示)になっている。これは、エッジにかかる応力を少しでも減らせることで、均し用ゴムブレード14hの磨耗を遅らせるためであるが、140度以上にすると、所謂、ビビリが発生し、低周波の振動発生はもとより、均し精度が低下してしまう。そこで、このエッジ角度θは、90度以上140度未満が好ましい。
【0023】
温度計測部14mは、熱型や量子型の非接触型温度センサからなる。この温度計測部14mは、均し用ゴムブレード14hの近傍の温度を計測可能に支持部材14kの外方に設けられている。均し用ゴムブレード14hの近傍の温度と均し用ゴムブレード14hの温度とが実質的に変らないため、センサの配設の自由度から、均し用ゴムブレード14hの近傍の温度を計測しているが、サーモパイル型赤外線センサ等の量子型の非接触型温度センサを用い、そのセンサを均し用ゴムブレード14hに向けて配置することで、均し用ゴムブレード14hの表面温度を正確に計測しても良い。
【0024】
加熱部14nは、ハロゲンヒータやセラミックヒータ等からなる。この加熱部14nは、均し用ゴムブレード14h全体を加熱可能に、均し用ゴムブレード14hの背面近傍に設けられている。
温度制御部14pは、加熱部14nと温度計測部14mとに電気的に接続され、温度計測部14mで計測された温度と、予め設定された設定温度とに基づいて、加熱部14nによる均し用ゴムブレード14hに対する加熱温度を制御する。予め設定される設定温度は、目標となる一つの温度でも良いが、本実施の形態では、温度制御をし易くするために下限温度と上限温度とを設定し、その範囲内に計測温度が収まるようにしている。この温度制御部14pによる一連の温度制御は次の通りである。
【0025】
画像形成装置本体の電源のONにより温度制御部14pが立ち上がり、即座に、温度計測部14mによる均し用ゴムブレード14h近傍の温度計測が開始される。
温度計測部14mで計測された温度が、下限温度である摂氏18度以下の場合、低温環境下によるゴムの圧縮永久ひずみが生じやすいとして、温度制御部14pは、画像形成動作を統括制御する画像形成装置本体の制御部に画像形成の動作を不可とする旨の信号を送信すると共に、加熱部14nによる均し用ゴムブレード14hの加熱を開始する。
【0026】
温度計測部14mによる温度計測は常に行われており、温度計測部14mで計測された温度が、摂氏18度を越えた時点で、画像形成装置本体の制御部に画像形成の動作を可とする旨の信号を送信する。
その間、加熱部14nによる均し用ゴムブレード14hの加熱は続行しており、温度計測部14mによる温度計測が上限温度である摂氏25度となった時点で、ゴム硬度の低下、高温環境下による圧縮永久ひずみの発生の防止、トナー粒子同士の融着、所謂トナーブロッキングの発生による画像形成不良等のトラブル防止等の観点から、温度制御部14pは、加熱部14nによる加熱を停止する。
【0027】
その後、温度計測部14mで計測された温度が下限温度である摂氏18度になったら、温度計測部14mは、計測される温度が上限温度である摂氏25度となるまで加熱部14nによる加熱を再開する。このように、温度制御部14pにより、均し用ゴムブレード14hの温度が常に摂氏18度〜25度位となるように制御することで、ゴムが圧縮永久ひずみの生じにくい温度を維持して、ゴム特性が変化しないようにする。
【0028】
本実施の形態のように、低温環境下によるゴムの圧縮永久ひずみを回避するのに、摂氏18度を境に加熱部14nによる加熱を開始するのが、この種の画像形成装置のクリーニング装置に用いられるゴムブレードに対して有効であり、以下、均し用ゴムブレード14h廻りの実施例を、図3を参照しながら説明する。
【実施例】
【0029】
ステアリン酸亜鉛からなる潤滑剤14f(図2)の潤滑剤塗布用ファーブラシ14e(図2)による削れ量を、感光体ドラム11の走行距離あたり、120mg/Km〜150mg/Kmにする。均し用ゴムブレード14hは、ゴム硬度が70度(JIS A硬度)のウレタンゴムとし、その板厚tを1.5mm、突き出し量L(支持部材14k先端面とゴムブレード先端面との距離)を6mm、初期当接角α(感光体ドラム11とゴムブレード先端との接触点における接線に対してゴムブレードを時計回りに傾けた角度)を9.5度、エッジ角度θを120度、喰い込み量dp(感光体ドラム11に当接するエッジ部分の初期圧縮量)を0.65mm、法線上にエッジが略位置するように設定した。
【0030】
初期当接角αは、ブレード捲れの発生の有無に直接結びつくものであり、例えば、初期当接角αを20度前後に設定したときには、ブレード捲れが発生し易くなる。ブレード捲れの発生を回避可能な初期当接角αの境界値は、11°〜13°程度である。このように、初期当接角αの条件設定は極めて角度の浅いところで使用する必要がある。
【0031】
喰い込み量dpについては、感光体ドラム11への圧力負荷を最小限にする必要があることから、0.65mm程度としているが、この場合、画像形成初期においては問題ないが、経時による低温環境下による圧縮永久ひずみ量により、均し用ゴムブレード14hから転写残トナーのすり抜け、潤滑剤の均しの精度が低下し、感光体ドラム11上での異常画像の発生が認められた。
この状態で均し用ゴムブレード14hの温度を摂氏18度にすると、本来のゴムの特性に略復帰して、均し用ゴムブレード14hの先端部が感光体ドラム11の表面に密着して、均し用ゴムブレード14hからの転写残トナーのすり抜けが止まり、正常な画像が得られることが認められた。
【0032】
本実施の形態にかかる画像形成装置は、温度制御部14pが、温度計測部14mによる計測温度が予め設定された摂氏18度より低い場合に、計測温度が設定温度である摂氏18〜25度の範囲に収まるように加熱部14nによる均し用ゴムブレード14hに対する加熱具合を制御し、均し用ゴムブレード14hが圧縮永久ひずみの生じにくい温度を維持して、ゴム特性が変化しないようにすると共に、トナーブロッキングの発生による画像形成不良等のトラブルを防止している。
したがって、均し用ゴムブレード14hによる転写残トナーの堰き止めと、潤滑剤の均一な均しが期待でき、長期に亘って良好な画像品質が得られる。また、下流側のゴムブレードである均し用ゴムブレード14hのみを加熱制御したことで、低コストを実現できる。
【0033】
以上、本実施の形態にかかる画像形成装置を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0034】
11 感光体ドラム(像担持体)
14a 清掃用ファーブラシ
14b 清掃用ゴムブレード
14c フリッカー
14d 搬送スクリュ
14e 潤滑剤塗布用ファーブラシ
14f 潤滑剤
14g 潤滑剤支持部
14h 均し用ゴムブレード
14k 支持部材
14m 温度計測部
14n 加熱部
14p 温度制御部
θ エッジ角度
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2000−330443号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する回転可能な像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部と、
前記潤滑剤塗布部の位置より前記像担持体の回転方向上流側に設けられ、先端部を前記像担持体に当接させて前記像担持体に残った転写残トナーを除去する清掃用ゴムブレードと、
前記潤滑剤塗布部の位置より前記像担持体の回転方向下流側に設けられ、先端部を前記像担持体に当接させて前記潤滑剤を均す均し用ゴムブレードと、
該均し用ゴムブレードの温度またはその近傍の温度を計測する温度計測部と、
前記均し用ゴムブレードを加熱する加熱部と、
前記温度計測部による計測温度が予め設定された設定温度より低い場合に、前記計測温度が前記設定温度に達するように前記加熱部を制御して加熱する温度制御部と
を備えたことを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
前記設定温度は、下限温度と上限温度とからなり、
前記温度制御部は、前記計測温度が前記下限温度未満の場合に前記加熱部による加熱を開始し、前記計測温度が前記上限温度以上となった時点で前記加熱部による加熱を停止するように制御することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記下限温度は、摂氏18度であり、前記上限温度は、摂氏25度であることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記温度制御部は、前記計測温度が前記設定温度に達していない場合は、画像形成装置本体に画像形成の動作を不可とする旨の信号を送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
前記均し用ゴムブレードは、機枠に固定され、基端部に対し前記先端部が、前記像担持体の回転方向上流側に位置するように設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
前記像担持体に当接する前記先端部のエッジ角度が、90度以上140度未満であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のクリーニング装置と、感光体ドラムからなる前記像担持体と、該像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、前記像担持体に形成された潜像をトナー像に現像する現像装置とを備えてなり、画像形成装置本体に着脱可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のクリーニング装置または請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−169899(P2010−169899A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12476(P2009−12476)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】