説明

クロスネット自動包装機集中設置式選果設備装置

【課題】
作業効率を上げ、現行設備能力を5割以上上げる選果設備の開発を行ない、設備費、人件費の大幅削減を可能とする。
【解決手段】
本発明は、特許第3516036号を十分に活用し、クロスネット自動包装機集中設置化を開発、さらに大型一面選別搬流排出コンベアー装置の開発により、選果設備費の削減、省力化実現による人件費の削減を可能とし、低コストの選果設備装置が提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選果設備装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
選果機設備は等級、品質、仕分け、包装、箱詰め等の作業を人手に大半依存する選果機械設備で行っていた。
【0003】
しかし卆、消費者のニーズに応えるため、等級の品質管理信頼度の確立。生産農家の所得向上問題などに於いて十分ではなかった。
【0004】
これらの改善策として、製品管理については、選果時の痛み等の解消にフリートレー方式が開発された。品質管理については、糖度センサー、カメラ映像処理の開発が行なわれた。この開発で消費者側のニーズには、十分応えられる結果が得られた。
【0005】
しかし卆、ハイテク制御機器の導入により品質管理の拡充のための、フリートレー導入は、選別搬流排出設備の大型化を招き、設備費が大幅増加。また、省力面でも、非常に作業効率が悪化。人手の作業効率を引き下げ、人員の大幅増を招いた。特にクロスネット包装しながら、箱詰め作業を行なう最後の混在作業エリアの作業低下が大きく、大問題として残った。
【0006】
また設備費が、現行導入設備では、旧来に比べ、倍増しているため、国による補助金制度を利用するも、生産農家の負担は以前設備の倍額になっているだけでなく、人件費の増大をも招き、産地衰退の原因ともなりかねず、生産者の利益になる改善策が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3516036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、流れ作業で行なう選果に於いて、選果設備を上手に使いこなすには、川上作業の能力を基本に川下に行くに従い、作業能力が向上する行程になっているか否かが最も重要である。この点に大きな問題があることが、現在導入される大半の選果設備が共有している課題である。まず、流れ作業の中でどこが障害部分であるのかを見極める。それは、クロスネット作業部分の作業効率が悪いことである。次に、設備装置の中で、コンパクト化する必要のある設備装置はないか検討する。異常に大きなスペースを占めている選別搬流排出装置の二点に於いて、開発が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
流れ作業の効率を求めるならば、作業を流していく中で、ネックとなっている箇所をピックアップし、流れやすくなる改善を行なうことである。この観点からネックは、クロスネット装着作業であることが分かる。その上、箱詰め作業と混在して行っていることも、大な原因である。まず、二つの作業エリアを分離すること。クロスネット装着作業を単一作業とし、クロスネット自動包装機を集中配置する設計とし、クロスネット二段切り替え式自動包装機能力を十分に活用できる設計とする。選果に必要処理能力を持つ、自動化、半自動化設備にすることである。
【0010】
集中設備化を実施すれば、最終箱詰め作業能力を上げる必要が生まれる。そこで、選別搬流排出部分の改善策として、排出レーン実施形態を変え、省力で能力向上が可能であり、その上コンパクトで、コストダウンも達成可能な大型一面式選別排出コンベアーを開発し、箱詰め前のクロスネット包装済み果物のストックレーンの広さを十分確保することができる設計とする。また、作業移動しやすく、人手を十分に活用できる作業環境も確保する。
【発明の効果】
【0011】
クロスネット自動包装機を末端エリア使用から、箱詰め作業の前段階に集中配置化することで、末端使用に比べ設置必要機台数も半減以下となり、それに伴う人員も半減する。選別搬流排出装置の改善でも、箱詰め単純作業となることに併せて大型一面排出コンベアーが開発され、人の作業移動がよくなることで、人手活用効率が向上、省力化が実現する。設備費に於いても、コストダウン可能設備になるだけでなく、コンパクト化による建築費節減も生まれ、全設備では設備費半減をも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】選果工程図
【図2】クロスネット自動包装機集中設置部
【図3】等階級搬流排出装置
【図4】等階級搬流排出装置の一部を示すデッサン
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、特許第3516036号を利用しての選果工程を示す。図2は、新規導入装置である。クロスネット自動包装機集中設置図を示す。図3は、等階級選別搬流の大型コンベアー装置を示すもので、図4は、図3の装置一部のデッサンを示す。(1)〜(22)は、主要部位の呼び名を示す。
【0014】
図2で示すのは、クロスネット自動包装機集中設置の一例を示す。(1)は(3)(4)レーンの2段階の果物包装を行なえる自動包装機を5台縦列に配置。(2)は、(4)(5)レーンの2段階の果物包装を行なえる自動包装機を5台縦列に配置したことを示す。(3)は大玉、(4)は中玉、(5)は小玉が、搬流するレーンを表し、(6)矢印は、トレーの搬流方法を示す。
【0015】
特許第3516036号の処理能力数値を元に数値計算を行なうと次のようになる。処理能力数値は、大玉、小玉は専用でそれぞれ5台であるから、1,800玉×5台=9,000玉/時。中玉は最大10台であるから、1,800玉×10台=18,000玉/時を処理できる。
【0016】
図3は、等階級選別搬流排出装置を表す。(7)は等級C、(8)は等級B、(9)は等級Aの搬流レーンである。矢印の方向で、それぞれ等級排出され階級別に選別される。(10)はA等級1階級のみのストックレーンを示す。(11)はB等級1階級を表し、(12)はC等級1階級を表す。(13)矢印はトレーの搬流方向を表す。(14)は末端空トレー回収装置で、(15)は末端整理レーンを表し、(16)はトレー搬流ストックゾーンである。
【0017】
図4は、図3を補足するための、装置一部デッサンである。(17)は一面通しの駆動ローラーを表し、(18)は一面通し軸にセットされたフリーローラーを示す。(19)は出荷用ケースを表す。(20)はトレー滞留防止回転ポール。(21)は階級仕分け用仕切り。(22)は末端整理レーン間仕切りである。
【実施例】
【0018】
従来は、全ての設備が図3で見られる(19)周辺エリアで、クロスネット包装と箱詰め両作業を混在作業で行なっていた。図2で示す通り、クロスネット包装作業のみを図2装置で処理する。図3で示す大型一面式選別搬流排出コンベアーは、フリーローラーだけで適度の搬流が得られるよう傾斜をつける設計とし、加速がつきすぎる事の防止策として、適度の間隔で駆動ローラーを設置する方式とする。順調にクロスネット包装済み果物を排出でき、箱詰め作業も単一化される。
【産業上の利用可能性】
【0019】
全体が滞る箇所のない選果設備が完成できることで、現状に比べ、5割以上の作業向上が可能になっただけでなく、コンパクト化による建築費削減、選果設備費の大幅な削減を可能とした。そう上、人件費削減も省力化により、大幅に削減できることは、地域農業振興に補助金制度共々、貢献できる。
【符号の説明】
【0020】
(1) クロスネット自動包装機 大玉・中玉用
(2) クロスネット自動包装機 中玉・小玉用
(3) 大玉用搬流レーン
(4) 中玉用搬流レーン
(5) 小玉用搬流レーン
(6) トレーの搬流方向
(7) C等級レーン
(8) B等級レーン
(9) A等級レーン
(10) A等級1階級レーン
(11) B等級1階級レーン
(12) C等級1階級レーン
(13) トレーの搬流方向
(14) 空トレー回収部
(15) トレー搬排出単レーン
(16) トレー搬流ストックゾーン
(17) パネル一面通し駆動ローラー
(18) パネル一面通しフリーローラー
(19) 出荷用ケース
(20) トレー滞留防止回転ポール
(21) 階級仕切用仕切り
(22) 整理レーン用仕切り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果物の等階級区分化する選果方法で、大きさ別に3〜5段階に自動選別して、別々の指定レーンに搬流させる。クロスネット長二段階瞬時切り替え式果物自動包装機を必要台数縦列に配置する。配置された列間、両側にコンベアーレーンを設置し、それぞれのレーンに同段階大きさの果物が搬流されるよう設計し、果物自動包装機の集中設置を行なう。コンベアー上を流れる果物は、集中設備の中を搬流する間に全てクロスネットが装着され、元のコンベアー位置に戻され、次の箱詰め作業である等階級仕分け排出コンベアーレーンに搬流されるクロスネット自動包装機集中設置式選果設備装置。
【請求項2】
果物の選果の中で、作業最終の箱詰め口に搬流されるレーンに於いて、幅広の大面を有する特殊形態コンベアーを製作する。大面のコンベアー面上を、果物の階級ごとに区別できる仕切り板を果物の搬流量に応じて、適宜に決定し果物の階級別自動排出管理を一面のコンベアー上で処理できることを特徴とするクロスネット自動包装機集中設置式選果設備装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−57227(P2011−57227A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205615(P2009−205615)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(595062403)
【Fターム(参考)】