説明

グルココルチコイドレセプターのための非ステロイド性リガンド、その組成物および使用

【課題】肥満、糖尿病、不安、抑うつ、神経変性または炎症性疾患の治療または予防法の提供。
【解決手段】グルココルチコイドレセプターのための非ステロイド性リガンド、グルココルチコイドレセプターの非ステロイド性リガンドの製造方法、並びに疾患の治療または予防を目的とする、グルココルチコイドレセプターの非ステロイド性リガンドおよび非ステロイド性リガンド組成物の使用方法。前記疾患は、グルココルチコイドとグルココルチコイドレセプターとの結合に附随する疾患、例えば肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性疾患または炎症性疾患などに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は仮出願60/351,484および仮出願60/373,757の優先権を主張する。前記2つの出願はともに参照により本明細書に含まれる。
本発明は一般に、グルココルチコイドレセプターの非ステロイド性リガンド、非ステロイド性リガンドの製造方法、非ステロイド性リガンド組成物、非ステロイド性リガンドの使用方法、および非ステロイド性リガンド組成物の使用方法に関する。より具体的には、本発明は、ウィーランド-ミーシャーケトンの誘導体、ウィーランド-ミーシャーケトン誘導体の製造方法、ウィーランド-ミーシャーケトン誘導体の組成物、ウィーランド-ミーシャーケトン誘導体の使用方法、およびウィーランド-ミーシャーケトン誘導体組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グルココルチコイドレセプターはステロイド/甲状腺ホルモン核内レセプタースーパーファミリーのメンバーであり、前記にはミネラルコルチコイド、アンドロゲン、プロゲステロンおよびエストロゲンレセプターが含まれるが、ただしこれらに限定されない。グルココルチコイドレセプターは、天然のアゴニスト(例えばコルチゾールおよびコルチコステロン)の結合によってin vivoで活性化される。グルココルチコイドレセプターはまた合成アゴニスト(例えばデキサメタゾン、プレドニソンおよびプレドニシロン)の結合によっても活性化される。グルココルチコイドレセプターの合成アンタゴニストもまた多数知られている(例えばRU-486)。
【0003】
グルココルチコイドレセプターへのリガンド結合の有無は重大な生理学的結果を招く可能性があるので(例えばクッシング症候群、アジソン病をもたらす)、グルココルチコイドレセプターを標的とする薬剤は臨床的に重要である。その結果、グルココルチコイド仲介反応を活性化するか(アゴニスト)または不活化する(アンタゴニスト)選択的グルココルチコイドレセプターリガンドは医薬的に重要な化合物である。
【0004】
リガンドによって活性化されるとき、グルココルチコイドレセプターは、コルチゾールによる調節を受ける遺伝子のプロモーター内の特定の調節DNA配列(すなわち反応エレメント)と結合することによって生物学的なプロセス(例えば代謝、電解質バランス、器官および組織機構など)を仲介する。したがってグルココルチコイドレセプターはコルチゾールによる調節を受ける遺伝子の転写を活性化または抑制することができる。少なくとも3つの別個の反応エレメントがグルココルチコイドレセプター調節のために存在する:(1)グルココルチコイド反応エレメント(GRE);(2)AP-1/GRE;および(3)NFκB/GRE。グルココルチコイドレセプターへのアゴニストの結合はGREの転写活性化並びにAP-1/GREおよびNFκB/GRの転写抑制をもたらす。
【0005】
グルココルチコイドレセプターと結合する現在利用可能な薬剤は典型的にはコルチゾール類似体であるが、コルチゾール類似体は以下の原因により望ましくない副作用を生じる:(1)他のステロイドレセプターと非選択的に結合すること;および(2)グルココルチコイドレセプターと結合したとき他の反応エレメントを解離させることができないこと。したがって、グルココルチコイドレセプターと選択的に結合し、グルココルチコイドレセプターの他の反応エレメントを選択的に解離させる化合物が希求されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、グルココルチコイドレセプターのための非ステロイド性リガンド、グルココルチコイドレセプターの非ステロイド性リガンドの製造方法、グルココルチコイドレセプターの非ステロイド性リガンド組成物、並びに疾患の治療および予防を目的とする非ステロイド性リガンドおよび非ステロイド性リガンド組成物の使用方法を提供することによって上記の要求および他の要求に応える。前記疾患は、グルココルチコイドとグルココルチコイドレセプターとの結合に附随する疾患、例えば肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性疾患または炎症性疾患である。原則的には、本発明はアゴニストまたはアンタゴニスト化合物の製造を可能にし、これら薬理学的作用態様の一方または両方がある治療的措置において有用であろう。
【0007】
本発明の化合物は炭素環式環系を含み、前記は不飽和であってもよいが、複素環式環で環付加されてあってもよい。特に、前記炭素環式環系は、インダン(すなわち5員の炭素環式環と縮合した6員の炭素環式環)、デヒドロ-デカリン(すなわち6員炭素環式環と縮合した6員炭素環式環)またはデヒドロ[4.5.0]ビシクロウンデカン(すなわち7員炭素環式環と縮合した6員炭素環式環)でもよい。前記炭素環式環系が複素環式環によって環付加された炭素環式環系を含む場合、前記複素環式環は典型的には6員環フラグメント(例えばインダンまたはデヒドロ-デカリンの6員環フラグメント)に結合し、少なくとも1つの酸素、窒素または硫黄原子を有する。
【0008】
本発明の第一の観点では、下記式(I)の化合物または医薬的に利用可能なその塩、溶媒和物または水和物が提供される:
【0009】
【化1】

【0010】
式中、
A、BおよびCはそれぞれ独立に炭素、窒素、酸素または硫黄であるが、ただしA、BおよびCの少なくとも1つは窒素、酸素または硫黄であり、さらにA、BおよびCの2つ以上が酸素または硫黄であることはない;
Wは炭素、酸素、窒素または硫黄であり、Wが炭素および窒素以外のものであるときは、Wの正規の原子価が維持するためにR8、R9およびR10の1つまたは2つ以上が存在しない;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキルもしくは置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくは置換ヘテロアリールアルキルであり;
R2、R3、R5、R6、R6'およびR7はそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシであり;
R2'、R3'、R5'、R7'およびR8は存在しないか、またはそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシであり;
R4は存在しないか、または水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
R9は水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヒドロキシであるか、または存在せず;
R10は水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、または存在せず;
R10およびR2は互いに直接結合して1つの環を形成してもよく、さらにベンゼン環などの別の環がR10とR2の間の結合に縮合していてもよく、前記別の環それ自体はアルキル、アルコキシ、ハロ、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルで置換されていてもよく;さらに
R11およびR12は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシである。
【0011】
一本線および点線で示された式(I)の結合は前記構造の選択可能な複数の形態を表すことを意図している。すなわち、環内原子の正規の原子価が満たされる限り、1つまたは2つ以上の(好ましくは1つの)そのような結合は二重結合であってもよい。
【0012】
本発明の第二の観点では本発明の化合物の組成物が提供される。前記組成物は一般的に本発明の化合物を1つまたは2つ以上、医薬的に許容できるその塩、その水和物または溶媒和物、並びに医薬的に許容できる希釈剤、担体、賦形剤およびアジュバントを含む。希釈剤、担体、賦形剤およびアジュバントの選択は、他の要因の中でも、とりわけ所望される投与態様によって左右されるであろう。
【0013】
本発明の第三の観点では、肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患を治療または予防する方法が提供される。本方法は一般的にはそのような治療または予防を必要とする患者に治療的に有効な量の本発明の化合物および/または組成物を投与することを含む。
【0014】
本発明の第四の観点では、肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患の治療または予防を必要とする患者でそのような治療または予防のための組成物が提供される。
本発明の第五の観点では、患者においてグルココルチコイドレセプターの活性化、抑制、アゴニズムおよびアンタゴニズム作用を選択的に調節する方法が提供される。本方法は一般的にはそのような治療を必要とする患者に治療的に有効な量の本発明の化合物または組成物を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】構造式(I)の化合物の合成に用いられるケトン中間体の好ましい合成経路のための合成手法1を示す。
【図2】手法1に示した中間体から誘導するための合成手法2を示す。
【図3】手法2に示した化合物から誘導するための合成手法3を示す。
【図4】手法2に示した化合物から誘導するための合成手法4を示す。
【図5】多数のケトン成分を誘導するための合成手法5を示す。
【図6】本発明の化合物を合成するための合成手法6を示す。
【図7】本発明の化合物を合成するための合成手法7を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
定義
“本発明の化合物”とは、本明細書に開示する構造式(I)に包含される化合物を指し、その構造が本明細書に開示される前記構造式に含まれる固有の化合物の一切が含まれる。本発明の化合物は、化学的構造および/または化学的名称によって特定することができる。化学的構造と化学的名称が矛盾を生じるときは、化学的構造が前記化合物の特定に決定力をもつ。本発明の化合物は1つまたは2つ以上のキラル中心および/または二重結合を有し、したがって立体異性体、例えば二重結合異性体(例えば幾何学異性体)、鏡像体またはジアステレオマーとして存在することができる。したがって、本明細書に示した化学的構造は表示の化合物の可能な全ての鏡像体および立体異性体を包含し、前記は、立体異性体として純粋な形態(例えば幾何学異性体として純粋、鏡像異性体として純粋、またはジアステレオマーとして純粋)並びに鏡像異性体および立体異性体の混合物を含む。鏡像異性体および立体異性体の混合物は、通常の技術を有する当業者に周知の分離技術またはキラル合成技術を用いて鏡像異性体または立体異性体のそれらの成分に分離させることができる。本発明の化合物はまたいくつかの互変異性型(エノール型、ケト型およびその混合物を含む)として存在することができる。したがって、本明細書に示した化学構造は表示の化合物の可能な全ての互変異性型を包含する。
【0017】
本発明の化合物はまた同位元素標識化合物を含み、この場合1つまたは2つ以上の原子は、その原子について自然界で通常観察されるもっとも豊富な原子質量と異なる原子質量を有する。本発明の化合物に取り込むことができる同位元素の例には、2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0018】
さらにまた、本発明の化合物またはその前駆体の部分構造を示すとき、波線は前記分子の残りの部分と前記部分構造との結合点を示すことは理解されなければならない。
【0019】
“アルキル”は、飽和もしくは不飽和の分枝鎖、直鎖または環式一価炭化水素ラジカルであって、親のアルカン、アルケンまたはアルキンの炭素原子の1つから1つの水素原子を除去することによって得られるものを指す。典型的なアルキル基には以下に挙げたもの等が含まれる(ただしこれらに限定されない):メチル;エチル類、例えばエタニル、エテニル、エチニル;プロピル類、例えばプロパン-1-イル、プロパン-2-イル、シクロプロパン-1-イル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、シクロプロパ-1-エン-1-イル;シクロプロパ-2-エン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イルなど;ブチル類、例えばブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、シクロブタン-1-イル、ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イルなど。
【0020】
“アルキル”という用語には特に、任意の飽和度または飽和レベルをもつラジカル、すなわち炭素‐炭素一重結合のみをもつ基、1つまたは2つ以上の炭素‐炭素二重結合をもつ基、1つまたは2つ以上の炭素‐炭素三重結合をもつ基および一重、二重および三重炭素‐炭素結合のうちの複数種をもつ基を含むラジカルが含まれる。特定の飽和レベルを指す場合には、“アルカニル”、“アルケニル”および“アルキニル”という表現が用いられる。好ましくは、アルキル基は1から20の炭素原子、より好ましくは1から10の炭素原子、さらに好ましくは1から6の炭素原子を含む。
【0021】
“アルカニル”は、親のアルカンの炭素原子の1つから1つの水素原子を除去することによって得られる飽和の分枝鎖、直鎖または環式アルキルラジカルを指す。典型的なアルカニル基には以下に挙げられたもの等が含まれる(ただしこれらに限定されない):メタニル;エタニル;プロパニル類、例えばプロパン-1-イル、プロパン-2-イル(イソプロピル)、シクロプロパン-1-イルなど;ブタニル類、例えばブタン-1-イル、ブタン-2-イル(sec-ブチル)、2-メチル-プロパン-1-イル(イソブチル)、2-メチル-プロパン-2-イル(t-ブチル)、シクロブタン-1-イルなど。
【0022】
“アルケニル”は、親のアルケンの炭素原子の1つから1つの水素原子を除去することによって得られる、少なくとも1つの炭素‐炭素二重結合を有する不飽和の分枝鎖、直鎖または環式アルキルラジカルを指す。二重結合に結合する種々の基は、前記二重結合についてcisまたはtrans(またはEもしくはZ)のいずれかの立体配置で存在することができる。典型的なアルケニル基には以下に挙げたもの等が含まれる(ただしこれらに限定されない):エテニル;プロペニル、例えばプロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、プロパ-2-エン-2-イル、シクロプロパ-1-エン-1-イル;シクロプロパ-2-エン-1-イル;ブテニル類、例えばブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イルなど;ペンタ-2,4-ジエン。
【0023】
“アルキニル”は、親のアルキンの炭素原子の1つから1つの水素原子を除去することによって得られる、少なくとも1つの炭素‐炭素三重結合を有する不飽和の分枝鎖、直鎖または環式アルキルラジカルを指す。典型的なアルキニル基には以下に挙げたもの等が含まれる(ただしこれらに限定されない):エチニル;プロピニル類、例えばプロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イルなど;ブチニル類、例えばブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イルなど。
【0024】
“アシル”はラジカル‐C(=O)Rを指し、ここでRは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは本明細書で定義されたとおりである。代表的な例には、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0025】
“アシルアミノ”はラジカル‐NR'C(=O)Rを指し、ここでR'およびRは、それぞれ独立に水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、これらは本明細書で定義されたとおりである。代表的な例には、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチル‐カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルカルボニルアミノなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0026】
“アルキルアミノ”はラジカル‐NHRを指し、ここでRは、本明細書で定義されたようなアルキルまたはシクロアルキル基である。代表的な例には、メチルアミノ、エチルアミノ、1-メチルエチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0027】
“アルコキシ”はラジカル‐ORを指し、Rは、本明細書で定義されたようなアルキルまたはシクロアルキル基である。代表的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0028】
“アルコキシカルボニル”はラジカル‐C(=O)-アルコキシを指し、ここでアルコキシは本明細書で定義されたとおりである。
【0029】
“アルキルスルホニル”はラジカル‐S(=O)2Rを指し、ここでRは、本明細書で定義されたようなアルキルまたはシクロアルキル基である。代表的な例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0030】
“アルキルスルフィニル”はラジカル‐S(=O)Rを指し、Rは、本明細書で定義されたようなアルキルまたはシクロアルキル基である。代表的な例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0031】
“アルキルチオ”はラジカル‐SRを指し、ここでRは本明細書で定義されたようなアルキル又はシクロアルキル基であって場合によって置換されてもよい。代表的な例にはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0032】
“アミノ”はラジカル‐NH2である。
【0033】
“アリール”は、親の芳香環系の炭素原子1つから1つの水素原子を除去することにより得られる一価の芳香族炭化水素ラジカルである。典型的なアリール基には、1つまたは2つ以上の芳香環を含む縮合環系に由来する基、または共役環系に由来する基、例えば以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、ヘプタフェン、ヘキサセン、ヘキサフェン、as-インダセン、s-インダセン、インデン、ナフタレン(ヘキサレン)、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、テトラフェニレン、トリフェニレン、トリナフタレンなど。さらにまたアリール基には、少なくとも1つの芳香環および少なくとも1つの部分的飽和環を含む縮合環系、例えばフルオレン、インダン、ビフェニレンなどが含まれる。好ましくはアリール基は6から20の炭素原子、より好ましくは6から12の炭素原子を含む。
【0034】
“アリールアルキル”は脂肪族アルキルラジカルの炭素原子(典型的には末端炭素原子またはsp3混成炭素原子)に結合した水素原子の1つがアリール基で置換されたものを指す。典型的なアリールアルキル基には、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。特定のアルキル成分を意図する場合には、アリールアルカニル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルなる呼称が用いられる。好ましくは、アリールアルキル基は(C6-C30)アリールアルキル基であり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニル、またはアルキニル成分は(C1-C10)で、アリール成分は(C6-C20)であり、より好ましくは、アリールアルキル基は(C6-C20)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル成分は(C1-C8)であり、アリール成分は(C6-C12)である。
【0035】
“アリールアルキルオキシ”は‐O-アリールアルキルラジカルを指し、ここでアリールアルキルは本明細書で定義されたとおりである。
【0036】
“アリールオキシカルボニル”は‐C(=O)-O-アリールを指し、ここでアリールは本明細書で定義されたとおりである。
【0037】
“カルバモイル”はラジカル‐C(=O)N(R)2を指し、ここで各R基は、それぞれ独立に水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、これらは本明細書で定義された通りであり場合によって本明細書で定義されたように置換されていてもよい。
【0038】
“カルボキシ”はラジカル‐C(=O)OHを意味する。
【0039】
“シアノ”はラジカル‐CNを意味する。
【0040】
“シクロアルキル”は飽和または不飽和環式アルキルラジカルを指す。特定の飽和度を意図する場合には、“シクロアルカニル”または“シクロアルケニル”なる呼称が用いられる。典型的なシクロアルキル基には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどに由来する基が含まれるが、ただしこれらに限定されない。好ましくは、シクロアルキル基はC3-C10シクロアルキル、より好ましくはC3-C7シクロアルキルである。
【0041】
“シクロヘテロアルキル”は、1つまたは2つ以上の炭素原子(およびその炭素原子に結合した水素原子)がそれぞれ独立に同じまたは異なるヘテロ原子で置き換えられている飽和または不飽和環式アルキルラジカルを指す。炭素原子を置き換える典型的なヘテロ原子にはN、P、O、S、Siなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。特定の飽和レベルが意図される場合は、“シクロヘテロアルカニル”または“シクロへテロアルケニル”なる呼称が用いられる。典型的なシクロヘテロアルキル基には、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジンなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0042】
“シクロヘテロアルキルオキシカルボニル”はラジカル‐C(=O)-ORを指し、ここでRは本明細書で定義されたようなシクロヘテロアルキルである。
【0043】
“ジアルキルアミノ”はラジカル‐NRR'を意味し、ここでRおよびR'はそれぞれ独立に本明細書で定義されたようなアルキルまたはシクロアルキル基である。代表的な例には、ジメチルアミノ、メチル-エチルアミノ、ジ-(1-メチルエチル)アミノ、シクロヘキシル-メチルアミノ、シクロヘキシル-エチルアミノ、シクロヘキシル-プロピルアミノなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0044】
“ハロ”はフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0045】
“ヘテロアルキルオキシ”は‐O-ヘテロアルキルラジカルを意味し、ここでヘテロアルキルは本明細書で定義されたとおりである。
【0046】
“ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル”は、1つまたは2つ以上の炭素原子(およびその炭素原子に結合した水素原子)の各々がそれぞれ独立に同じまたは異なるヘテロ原子基で置換されている、アルキル、アルカニル、アルケニルおよびアルキニル基をそれぞれ指す。典型的なヘテロ原子基には、‐O‐、‐S‐、‐O-O‐、‐S-S‐、‐O-S‐、‐NR'‐、=N-N‐、‐N=N‐、‐N=N-NR'‐、‐PH‐、‐P(O)2‐、‐O-P(O)2‐、‐S(O)‐、‐S(O)2‐、‐SnH2‐などが含まれるが、ただしこれらに限定されない。前記R'は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールまたは置換アリールである。
【0047】
“ヘテロアリール”は、親のヘテロ芳香環系の原子の1つから水素原子1つを除去して得られる一価のヘテロ芳香族ラジカルを指す。典型的なヘテロアリール基には以下に由来する基が含まれる(ただしこれらに限定されない):アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなど。好ましくは、ヘテロアリール基は5から20の水素以外の原子を有するが、水素以外の原子は5から10個が特に好ましい。好ましいヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾールおよびピラジンに由来するものである。
【0048】
“ヘテロアリールオキシカルボニル”はラジカル‐C(=O)-ORを指し、ここでRは本明細書で定義されたようなヘテロアリールである。
【0049】
“ヘテロアリールアルキル”は、炭素原子(典型的には末端炭素原子またはsp3混成炭素原子)に結合した水素原子の1つがヘテロアリール基で置換された脂肪族アルキルラジカルを指す。特定のアルキル成分を意図する場合は、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロアリールアルキニルなる呼称が用いられる。好ましくは、ヘテロアリールアルキルラジカルは6から30個の水素以外の原子を有する。例えばヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル成分はC1-10であり、ヘテロアリール成分は5から20員のヘテロアリールである。より好ましくは6から20員のヘテロアリールアルキルであり、例えばヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル成分は1から8員であり、ヘテロアリール成分は5から12員のヘテロアリールである。
【0050】
“ヒドロキシ”はラジカル‐OHを意味する。
【0051】
“オキソ”は二価ラジカル=Oを意味する。
【0052】
“プロドラッグ”は、活性な薬剤を放出するために体内で変換されることが必要な薬理学的に不活性な薬剤分子誘導体を指す。
【0053】
“プロ成分”は、薬剤分子内の官能基を隠蔽するために用いられるとき、前記薬剤をプロドラッグに変換する保護基の形態を指す。典型的には、前記プロ成分は、酵素的または非酵素的手段でin vivoで切断される結合を介して前記薬剤に結合されうる。理想的には、前記プロ成分は、プロドラッグから切断されると体内から迅速に除去される。
【0054】
“保護基”は、分子内の反応基と結合させたときその反応性を隠蔽し、低下させまたは防止する原子団を指す。保護基の例は以下の文献で見出すことができる:Green et al., "Protective Groups in Organic Chemistry", (Wiley, 2nd ed. 1991)およびHarrison et al., "Compendium of Synthetic Organic Methods", Vols. 1-8(John Wiley and Sons,1971-1996)。代表的なアミノ保護基には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(“CBZ”)、tert-ブトキシカルボニル(“Boc”)、トリメチルシリル(“TMS”)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(“SES”)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(“FMOC”)、ニトロ-ヴェラトリルオキシカルボニル(“NVOC”)などが含まれるが、ただしこれらに限定されない。代表的なヒドロキシ保護基には、ヒドロキシ基がアシル化またアルキル化されるもの、例えばベンジルおよびトリエチルエーテルやアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテルおよびアリルエーテルが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0055】
“置換された”とは、1つまたは2つ以上の水素原子がそれぞれ独立に同じまたは異なる置換基で置き換えられている基を指す。典型的な置換基には、‐X、‐R14、‐O-、=O、‐OR14、‐SR14、‐S-、=S、‐NR14R15、=NR14、‐CX3、‐CF3、‐CN、‐OCN、‐SCN、‐NO、‐NO2、=N2、‐N3、‐S(O)2O-、‐S(O)2OH、‐S(O)2R14、‐OS(O)2O-、‐OS(O)2R14、‐P(O)(O-)2、‐P(O)(OR14)(O-)、‐OP(O)(OR14)(OR15)、‐C(O)R14、‐C(S)R14、‐C(O)OR14、‐C(O)NR1415、‐C(O)O-、‐C(S)OR14、‐NR16C(O)NR1415、‐NR16C(S)NR14R15、‐NR17C(NR16)NR14R15および‐C(NR16)NR14R15が含まれるが、ただしこれらに限定されない。前記式中、各Xはそれぞれ独立にハロゲンであり;各R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換へテロアリールアルキル、‐NR18R19、‐C(O)R18または‐S(O)2R18であるか、または所望によってR18およびR19は、それら両者が結合している原子と一緒になってシクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成し;さらにR18およびR19は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、または置換へテロアリールアルキルを形成する。
【0056】
“チオ”はラジカル‐SHを意味する。
【0057】
“原子価”は、原子が形成する結合の数を指す。有機化学ではこのことは、通常、不対電子は、化学的に安定な分子内で結合するときその正規の原子価で原子と結合することを意味する。したがって、例えば炭素の正規の原子価は4、水素は1、窒素は3、酸素は2、硫黄は2であり、ハロゲンの正規の原子価はそれぞれ1である。
【0058】
本発明を好ましい態様を引用しながらこれから詳細に述べる。本発明をその好ましい態様と併せて以下に記載するが、一方、本発明はそれら好ましい態様に限定されないことは理解されよう。反対に、添付の特許請求の範囲に定義するように、本発明の精神と範囲の中に含まれ得るまた別の選択肢、その改変および等価物もまた包含される。
【0059】
本発明の化合物
本発明の化合物には下記式(I)の化合物または医薬的に利用可能なその塩、溶媒和物または水和物が含まれる:
【0060】
【化2】

【0061】
式中、
A、BおよびCはそれぞれ独立に炭素、窒素、酸素または硫黄であるが、ただしA、BおよびCの少なくとも1つは窒素、酸素または硫黄であり、さらにA、BおよびCの2つ以上が酸素または硫黄であることはなく;
Wは炭素、酸素、窒素または硫黄であり、Wが炭素および窒素以外のものであるときは、Wの正規の原子価が維持するようR8、R9およびR10の1つまたは2つ以上は存在せず;
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキルもしくは置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくは置換ヘテロアリールアルキルであり;
R2、R3、R5、R6、R6'およびR7はそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシであり;
R2'、R3'、R5'、R7'およびR8は存在しないか、またはそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシであり;
R4は存在しないか、または水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
R9は水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヒドロキシであるか、または存在せず;
R10は水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、または存在せず;
R10およびR2は互いに直接結合して1つの環を形成してもよく、さらにベンゼン環などの別の環がR10およびR2の間の結合に縮合していてもよく、前記別の環はそれ自体アルキル、アルコキシ、ハロ、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルで置換されていてもよく;さらに
R11およびR12は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシである。
【0062】
一本線および点線で示された式(I)の結合は前記構造の選択可能な複数の形態を表すことを意図している。すなわち、1つまたは2つ以上の、好ましくは1つの前記のような結合は二重結合であってもよいが、ただし環内原子の正規の原子価の要件が満たされることを条件とする。二重結合によって互いに結合する環内炭素原子の原子価を維持するとき、必要な場合には前記環内炭素原子と結合する環置換基は存在しないであろう。
【0063】
本発明はまた下記構造式(II)の化合物または医薬的に利用可能なその塩、溶媒和物または水和物を含む:
【0064】
【化3】

【0065】
式中、R1、R2、R4、R5、R5'、R6、R6'、R7、R7'、R8、R9、R10、R11、R12、A、BおよびC、並びにWは、上記で式(I)について定義されたとおりであり、R2'は、R5'およびR7'が式(I)について上記で定義された態様と同じように定義され、一本線および点線をもつ結合は上記で論じたようにまた複数の異性体形を示している。
【0066】
本発明はまた下記構造式(III)の化合物または医薬的に利用可能なその塩、溶媒和物または水和物を含む:
【0067】

【化4】

【0068】
式中、R1、R2、R2'、R3、R4、R5、R5'、R6、R6'、R7、R7'、R8、R9、R10、R11、R12、A、BおよびC、並びにWは、上記で式(I)について定義されたとおりであり、さらに、R3'、R13およびR13'は、R2、R2'、R3、R5、R6、R7、およびR8が上記式(I)で定義された態様と同じように定義され、一本線および点線をもつ結合は上記で考察したように複数の異性体形を示し、さらにR10およびR13(R2に代わって)は互いに直接結合して環を形成してもよく、さらに別の環がR10とR13との間の結合と縮合していてもよい。
【0069】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物のある態様では、A、BおよびCは炭素または窒素である。好ましくは、Aは炭素で、BおよびCは窒素である。
【0070】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物の別の態様では、A、BおよびCは炭素、窒素または硫黄である。好ましくは、Aは硫黄で、Bは炭素で、Cは窒素である。
【0071】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物のさらに別の態様では、A、BおよびCは炭素、窒素または酸素である。好ましくは、Aは炭素で、Bは酸素で、Cは窒素であるか、またはAは炭素で、Bは窒素で、Cは酸素である。
【0072】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物の好ましい態様では、Wは炭素である。
【0073】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物の別の態様では、Wは酸素であり、さらにWはそれが結合している環内炭素原子と二重結合により結合し、R8、R9およびR10は存在しない。
【0074】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物のある好ましい態様では、R1およびR4は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、カルバモイル、置換カルバモイル、ヘテロアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。好ましくは、R1およびR4は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキルである。より好ましくはR1およびR4はそれぞれ独立に水素またはメチルである。
【0075】
構造式(I)の化合物のある態様では、R2、R2'、R3、R5、R6、R6'、R7およびR8は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルまたはヒドロキシである。好ましくは、R2、R2'、R3、R5、R6、R6'、R7およびR8は独立に水素、アルカニル又は置換アルカニルであり、より好ましくは、R2、R2'、R3、R5、R6、R6'、R7およびR8は水素またはメチルである。
【0076】
構造式(II)の化合物のある態様では、R2、R5、R6、R6'、R7およびR8は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルまたはヒドロキシである。好ましくは、R2、R5、R6、R6'、R7およびR8は、それぞれ独立に水素、アルカニルまたは置換アルカニルである。より好ましくは、R2、R2'、R5、R6、R6'、R7およびR8は水素またはメチルである。
【0077】
構造式(III)の化合物のある態様では、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R8、R13およびR13'は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルまたはヒドロキシである。好ましくは、R2、R2'、R3、R5、R6、R6'、R7、R8、R13およびR13'は、それぞれ独立に水素、アルカニルまたは置換アルカニルである。より好ましくは、R2、R2'、R3、R5、R6、R6'、R7、R8、R13およびR13'は水素またはメチルである。
【0078】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物のある態様では、R4およびR5'は存在しない。 構造式(I)、(II)および(III)の化合物の別の態様では、R4およびR7'は存在しない。構造式(I)および(III)の化合物の別の態様では、R3'およびR7'は存在しない。構造式(I)および(III)の化合物の別の態様では、R3'およびR2'は存在しない。
【0079】
構造式(I)および(III)の化合物のある態様では、R3'、R5'およびR7'は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルまたはヒドロキシである。好ましくは、R3'、R5'およびR7'はそれぞれ独立に水素、アルカニルまたは置換アルカニルである。より好ましくは、R3'、R5'およびR7'は水素またはメチルである。
【0080】
構造式(II)の化合物のある態様では、R2'、R5'およびR7'は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルまたはヒドロキシである。好ましくは、R2'、R5'およびR7'はそれぞれ独立に水素、アルカニルまたは置換アルカニルである。より好ましくは、R2'、R5'およびR7'は水素またはメチルである。
【0081】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物の別の態様では、R9は水素、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロ、オキソ、チオまたはヒドロキシである。好ましくは、R9はアルコキシ、オキソ、ヒドロキシであるか、または存在しない。
【0082】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物のさらに別の態様では、R10は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、または存在しない。好ましくは、R10は、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
【0083】
構造式(I)、(II)および(III)の化合物のさらに別の態様では、R11およびR12は、それぞれ独立に水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシである。好ましくは、R11およびR12は、それぞれ独立に水素、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、オキソ、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシである。より好ましくは、R11およびR12は、それぞれ独立に水素、アリールまたは置換アリールである。
【0084】
構造式(I)の化合物のある好ましい態様では、R1、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8は、水素、アルキルまたはアリールアルキルであり、さらにR4およびR5'は存在しない。別の好ましい態様では、R1はメチルであり、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8は水素であり、さらにR4およびR5'は存在しない。
【0085】
以下の態様は、前述の2つの好ましい態様のさらに具体的な態様である。ある態様では、R9はアルコキシ、オキソまたはヒドロキシである。別の態様では、R10はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。さらに別の態様では、Aは炭素で、BおよびCは窒素で、R11は水素で、さらにR12はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。別の態様では、Aは硫黄でBは炭素でCは窒素である。さらに別の態様では、Aは炭素で、Bは酸素で、Cは窒素である。さらに別の態様では、Aは炭素で、Bは窒素で、Cは酸素である。
【0086】
構造式(II)の化合物のある好ましい態様では、R1、R2、R2'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8は、水素、アルキルまたはアリールアルキルであり、R4およびR5'は存在しない。別の好ましい態様では、R1はメチルであり、R2、R2'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8は水素であり、さらにR4およびR5'は存在しない。
【0087】
以下の態様は、前述の2つの好ましい態様のさらに具体的な態様である。ある態様では、R9はアルコキシ、オキソまたはヒドロキシである。別の態様では、R10はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。さらに別の態様では、Aは炭素で、BおよびCは窒素で、R11は水素で、さらにR12はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。さらに別の態様では、Aは硫黄で、Bは炭素で、Cは窒素である。さらに別の態様では、Aは炭素で、Bは酸素で、Cは窒素である。また別の態様では、Aは炭素で、Bは窒素で、Cは酸素である。
【0088】
構造式(III)の化合物のある態様では、R1、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R7'、R8、R13およびR13'は、水素、アルキルまたはアリールアルキルであり、さらにR4およびR5'は存在しない。別の好ましい態様では、R1はメチルであり、R2、R2'、R3、R3'、R5
、R6、R6'、R7、R7'、R8、R13およびR13'は水素であり、さらにR4およびR5'は存在しない。
【0089】
以下の態様は、前述の2つの好ましい態様のさらに具体的な態様である。ある態様では、R9はアルコキシ、オキソまたはヒドロキシである。別の態様では、R10はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。さらに別の態様では、Aは炭素で、BおよびCは窒素で、R11は水素で、R12はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。さらに別の態様では、Aは硫黄で、Bは炭素で、Cは窒素である。さらに別の態様では、Aは炭素で、Bは酸素で、Cは窒素である。また別の態様では、Aは炭素で、Bは窒素で、Cは酸素である。
【0090】
構造式(I)の化合物の好ましい態様では、R1はメチルであり、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8は水素であり、R4およびR5'は存在せず、R9はアルコキシ、オキソまたはヒドロキシであり、R10はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、Aは炭素で、BおよびCは窒素であり、R11は水素であり、R12はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。好ましくはR9はヒドロキシで、R10は下記式である:
【0091】
【化5】

【0092】
構造式(II)の化合物の好ましい態様では、R1はメチルであり、R2、R2'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8は水素であり、R4およびR5'は存在せず、R9はアルコキシ、オキソまたはヒドロキシであり、R10はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、Aは炭素で、BおよびCは窒素であり、R11は水素であり、さらにR12はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
【0093】
構造式(III)の化合物の好ましい態様では、R1はメチルであり、R2、R2'、R5、R6、R6'、R7、R7'、R8、R13およびR13'は水素であり、R4およびR5'は存在せず、R9はアルコキシ、オキソまたはヒドロキシであり、R10はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、Aは炭素で、BおよびCは窒素であり、R11は水素であり、さらにR12はアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
【0094】
ある態様では、構造式(I)、(II)および(III)の化合物にはいずれのフラニル誘導体も含まれない(すなわちA、BまたはCの1つが酸素であるとき、A、BまたはCの内の残りは炭素ではない)。より具体的な態様では、構造式(I)、(II)および(III)の化合物には、Cが酸素でAおよびBが炭素である化合物や、Aが酸素でBおよびCが炭素である化合物は含まれない。
【0095】
構造式(I)の化合物のある態様では、R10およびR2は互いに直接結合して5員環を形成し、Wは窒素であり、R9は水素であり、R8およびR2'はともに存在せず、さらにベンゼン環がR10およびR2との間の結合と縮合している。より具体的な態様では、前記ベンゼン環はハロゲンまたはアルコキシ基で置換されている。
【0096】
別の好ましい態様では、構造式(I)、(II)および(III)の化合物にはいずれのチエニル誘導体も含まれない(すなわちA、BまたはCの1つが硫黄であるとき、A、BまたはCの内の残りのメンバーは炭素ではない)。より具体的な態様では、構造式(I)、(II)および(III)の化合物には、Cが硫黄でAおよびBが炭素である化合物は含まれない。好ましくは、前記態様では、R11およびR12はそれぞれ水素およびメチルではない。
【0097】
本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、それぞれ図1−7に表示した手法1−7に示した合成方法により得ることができる。本発明の化合物およびその中間体の製造に有用な出発物質は市販されているか、または周知の合成方法によって製造することができる。本明細書に記載した化合物の他の合成方法は当業界の文献に記載されているか、または当業界で周知の一般的な文献から技術を有する当業者には極めて明白であり(例えば以下を参照されたい:Green et al., "Protective Groups in Organic Chemistry", (Wiley, 2nd ed. 1991);Harrison et al., "Compendium of Synthetic Organic Methods", Vol1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996);"Beilstein Handbook of Organic Chemistry", Beilstein Institute of Organic Chenistry, Frankfurt, Germany;Feiser et al., "Reagents for Organic Synthesis", Vols1-17, Wiley Interscience;Trost et al., "Comprehensive Organic Synthesis", (Pergamon Press, 1991);"Theilheimer's Synthetic Methods of Organic Chemistry", Vol.1-45 (Karger, 1991);March, "Advanced Organic Chemistry",(Wiley Interscience, 1991);Larock "Comprehensive Organic Transformations",(VCH Publishers, 1989);Paquette, "Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis", (John Wiley & Sons, 1995))、前記を本発明の化合物の合成に用いることができる。さらにまた、インダン、デカリンおよびグアニンの合成のための特別な参考文献を通常の技術を有する当業者は容易に入手できるであろう。したがって、本明細書の手法に表示した方法は包括的というよりはむしろ例示である。
【0098】
図1−7の手法1−7に示した化合物は構造式(I)の化合物またはその前駆体である。手法1−7に示した合成工程は構造式(II)および(III)の化合物の調製にも利用できることは通常の技術を有する当業者には理解されよう。
【0099】
構造式(I)(同様に構造式(II)または(III))の化合物の好ましい合成経路はケトン107および/またはその誘導体を経る(前記誘導体は図1に示した手法1に表示した経路によって製造することができる)。6員のジオン101は市販されているか、または容易に入手可能な出発物質から合成することができる(ジオン101の5員および7員の類似体についても同じことが言える)。ジオン101の塩基およびアルキル化剤(R1)による処理によってアルキル化ジオン103が提供され、これを環付加して(例えばメチルビニルケトン等価物および塩基を用いる)3-ケトデカリン105を生成することができる。6員環を環付加する他の方法も技術を有する当業者には周知である(例えば以下を参照されたい:Jung, Tetrahedron, 32(1):3-31, 1976)。不飽和ケトン105はエタンジチオールおよび酸で選択的に保護されることにより不飽和のチオケタール107を生成することができる。
【0100】
107の誘導体、チオケタール108108はR2およびR2'が水素である107の具体例である)からケタール113へ変換する典型的な方法は、図2に表示した手法2に示されている。107からエナール109への変換は、中間体エノールエーテルを生成し(例えば塩基(例えばPh3PCH2OCH3)を用いる)、さらに同時に脱水素化および加水分解(例えばPd(OAc)2)を実施することによって達成することができる(例えば以下を参照されたい:Takayama et al.,J. Org. Chem., 57:2173, 1992)。共役添加(例えば(R2)2CuLiを用いる)(Coates et al., J. Org. Chem., 39:275, 1974;Posner et al., Tet. Lett., 3215, 1977)、続いてR8Xによるエノレートトラッピングを実施してアルデヒド111を提供し、これを通常の一連の反応(例えばケタールの生成およびチオケタールの除去)によってケタール113に変換することができる。
【0101】
また別には、ケトン108を周知の方法(例えばアルドール縮合)によって官能化し、図3の手法3に示すようにβヒドロキシアルコール123を提供する。ケトン108をまた当業界で公知の通常の方法を用いてアルキル化し、アルキル誘導体125を提供することができる。R1、R3、R3'、R5、R6、R7およびR7'が水素であるとき、Rがn-ブチル、ベンジルおよびイソブチルである化合物が合成されたことは特記されよう。さらにまた、ケトン108に他の変換を加えることも通常の技術を有する当業者には明白であり、本発明の範囲内である(例えば脱水素化によるエノンの生成、続いて共役付加、親電子試薬によるエノレートトラッピング、前記エノンのγ-アルキル化、ケトンのジアルキル化など)。
【0102】
ケタール-エノン113は、図4の手法4に示したように多数の有用な中間体に変換することができる。例えば、化合物117の場合のように、共役添加を用いてR4置換基を提供することができる(例えば(R4)2CuLiまたはR'-≡、ヒドロジロコノセン-Cl、MeLi、CuCN、LiCl)(Coates et al., J. Org. Chem. 39:275, 1974;Posner et al., Tet. Lett., 3215, 1977;Lipshutz et al., J. Am. Chem. Soc., 112(20):7440, 1990)。また別に、113を例えば酸素、トリエチルアミンおよびトリエチルアミンオキシドで処理することにより、γ不飽和アルコール119に変換することができる(Shimizu et al., Chem. Pharm. Bull.,37(7):1963, 1989)。エノン113の二重結合に水素添加を施し(例えば、H2、貴金属またはCuI、LiClで処理、続いてトリ-n-ブチル水素化錫で処理)、飽和ケトン221を提供することができる(Lipshutz et al., Synlett., 64, 1989)。エノン113の他の変換も通常の技術を有する当業者には極めて明白であろう。
【0103】
遊離3-ケト基をもつ例えば113または121のような化合物は、図5の手法5に示した方法により複素環式化合物に変換することができる(Hashem et al., J. Med. Chem., 19:229, 1976;Kumar et al., J. Med. Chem., 36:3278, 1993)。ケトン133は、例えばギ酸メチル、ナトリウムメトキシド、THFを用いてエノールエーテル135に変換することができる。エノールエーテル135は、例えばR-NH-NH2、酢酸またはメタノールを用いてピラゾール137に変換することができる。ケトン133はまた、例えばジエチルカルボネート、ナトリウムメトキシド、ヨウ化メチルを用いてβ-ケトエステル139に変換することもできる。続いてβ-ケトエステル139をヒドラジン誘導体(すなわちR-NH-NH2)と反応させてピラゾロン141を提供することができる。ケトン133の臭素化(例えばブロミン、クロロホルム)によってα-ブロモケトン143が得られ、前記はチオアミド(すなわちRCS(NH2))との反応によってチアゾール145を提供する。酢酸および酢酸ナトリウムの存在下でヒドロキシルアミンと反応させることにより、中間体エノールエーテル135をオキサゾール147に変換する。異性体オキサゾール149は、エノールエーテル135を塩基性条件下でヒドロキシルアミンと反応させたときに生成される。
【0104】
図6の手法6は、本発明の化合物の製造に用いることができる可能な1つの合成経路を示している。ウィーランド-ミーシャーケトン151を2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソランエチレングリコールおよびp-トルエンスルホン酸で処理してケタール153を生成し、ケタール153を(例えばナトリウムメトキシド、ギ酸メチルを用いて)ホルミル化してエノール155を得ることができる。エノール155を酢酸ナトリウムの存在下でp-フルオロフェニルヒドラジンと反応させてp-フルオロフェニルピラゾール157を提供し、続いて前記を脱保護して(例えばHCl、メタノール、THFを用いる)ケトン159を提供することができる。ウィッチヒ反応(例えばカリウムヘキサメチルジシラジド、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドを用いる)および中間体エノールエーテルの加水分解(例えばHCl)によって、ケトン159をアルデヒド161に変換することができる。続いて、前記アルデヒドの官能基へのオルガノリチウム試薬の求核添加によってアルコール163を提供することができる。
【0105】
好ましくはRは以下である:
【0106】
【化6】

【0107】
図7に示した手法7はいくつかの非ピラゾール化合物の製造に用いることができる合成経路である。ウィーランド-ミーシャーケトン161はチオケタール165に変換することができる(例えばエタンジチオール、p-トルエンスルホン酸、酢酸を用いる)。チオケタール165はウィッチヒ反応(例えばカリウムヘキサメチルジシラジド、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド)および中間体エノールエーテルの加水分解(例えばHCl)によりアルデヒド167を提供することができる。
【0108】
アルデヒド167へのオルガノリチウム試薬の添加によってアルコール169を提供することができる。アルコール169を脱保護して(例えばHgClO4、メタノール/クロロホルムを用いる)エノン171を提供することができる
好ましくはRは以下である:
【0109】

【化7】

【0110】
エノン171を、手法5に示した方法を用いて例えば手法6に示した163のような化合物に変換することができることは通常の技術を有する当業者には理解されよう。
【0111】
本発明の化合物の治療における使用
本発明の化合物および/または組成物は、生物のグルココルチコイド過剰または欠乏に附随する疾患の治療に用いることができる(例えば以下を参照されたい:Dow et al., 国際公開WO00/66522;Coughlan et al., 国際公開WO99/41257;Coughlan et al., 国際公開WO99/41256;Coughlan et al., 国際公開WO00/06317;Jones et al., et al., 国際公開WO96/19458)。
【0112】
本発明にしたがえば、本発明の化合物および/または組成物は、グルココルチコイドレセプターにより仲介される疾患に罹患する患者(好ましくはヒト)に投与される。前記疾患には肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患が含まれる(ただしこれらに限定されない)。さらにまた、ある種の態様では、本発明の化合物および/または組成物は、種々の疾患または異常に対し予防手段として患者(好ましくはヒト)に投与される(例えば以下を参照されたい:国際公開WO00/66522;国際公開WO99/41257;国際公開WO99/41256;国際公開WO00/06317;国際公開WO96/19458)。したがって、本発明の化合物および/または組成物は以下の素因(肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患を含む(ただしこれらに限定されない))を有する患者に予防的手段として投与することができる。したがって、本発明の化合物および/または組成物は、ある疾患または異常を予防し同時に別の疾患を治療するために(例えば抑うつを予防し、さらに糖尿病を治療するために)用いることができる。
【0113】
従来技術の化合物による疾患(肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患を含む(ただしこれらに限定されない))の治療方法は、当技術分野では既に報告されている(上記の文献を参照されたい)。したがって、当業者は、肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患(ただしこれらに限定されない)を含む疾患の治療のために、構造式(I)、(II)および(III)の化合物および/または組成物を容易にアッセイまたは使用することができる。
【0114】
治療的/予防的投与
本発明の化合物および/または組成物は人間用医薬として有利に使用することができる。先行するセクションで既に述べたように、本発明の化合物および/または組成物は、肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患(ただしこれらに限定されない)を含む疾患の治療または予防に有用である。
【0115】
疾患もしくは異常の治療または予防に使用するとき、本発明の化合物および/または組成物は、単独でまたは他の物質と併用して投与もしくは適用される。本発明の化合物および/または組成物はまた、単独でまたは他の医薬的に活性な物質(本発明の他の化合物を含む)と併用して投与することができる。
【0116】
本発明は、患者に治療的に有効な量の本発明の化合物および/または組成物を投与することによって治療および予防方法を提供する。患者は動物であろう。より好ましくは患者は哺乳類、さらに好ましくはヒトであろう。
【0117】
本発明の化合物および/または組成物(1つまたは2つ以上の本発明の化合物を含む)は好ましくは経口的に投与される。本発明の化合物および/または組成物はまた、他の都合のよい任意のルート、例えば輸液またはボラス注射によって、上皮または皮膚粘膜層(例えば口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)からの吸収によって投与することができる。投与は全身的でも局所的でもよい。本発明の化合物および/または組成物を投与するために用いることができる種々のデリバリー系が知られている(例えばリポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへの被包化)。投与方法には、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内、硬膜外、経口、舌下、鼻内、脳内、膣内、経皮、経直腸投与、吸入または局部的投与(特に耳、鼻、目または皮膚)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。好ましい投与態様は医師の判断に任され、部分的には医学的状態の部位に左右される。ほとんどの場合、投与によって本発明の化合物および/または組成物が血流中に放出される。
【0118】
特別な態様では、治療を必要とする領域に1つまたは2つ以上の本発明の化合物および/または組成物を局所的に投与することが所望されるであろう。前記は、例えば非限定的に例示すれば手術時の局所輸液、局所塗布によって(例えば手術後の傷口の包帯と併用する)、注射、カテーテルの手段によって、座薬の手段によって、または移植物の手段によって[前記移植物は有孔性、無孔性またはゼラチン性物質(メンブレン(例えばシアラスチックメンブレン)または線維を含む)である]達成できる。
【0119】
ある実施態様では、投与は疾患部位(または以前の部位)に直接注射することによって実施できる。
【0120】
ある実施態様では、1つまたは2つ以上の本発明の化合物および/または組成物を任意の適切なルートによって(心室内、脳室内、硬膜下腔、および硬膜外注射を含む)、中枢神経系に導入することが所望されるであろう。心室内あるいは脳室内注射は、例えばレザバー(例えばオマヤレザバー)に結合させた心室内あるいは脳室内カテーテルによって実施が容易になるであろう。
【0121】
本発明の化合物および/または組成物はまた吸入によって肺に直接投与することができる。吸入による投与の場合は、本発明の化合物および/または組成物は、多様な装置によって都合よく肺にデリバーすることができる。たとえば用量計測吸入装置(Metered Dose Inhaler, MDI)を用いて本発明の化合物を直接肺にデリバーすることができる。前記MDIは、適切な低沸点プロペラント(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または任意の適切な他のガス)を含むキャニスターを利用する。
【0122】
また別には、乾燥粉末吸入装置(Dry Poder Inhaler, DPI)を用いて本発明の化合物および/または組成物を肺に投与することができる。DPIは典型的には例えばガスの噴出のような機構を用いて乾燥粉末煙を容器内に作り出し、続いてこれを患者が吸入することができる。DPI装置もまた当業界で周知である。よく用いられている応用型はマルチドースDPI(MDDPI)系である。前記は1回分以上の治療用量のデリバリーを可能にする。例えば、吸入装置または注入装置で使用されるゼラチンカプセルおよびカートリッジは、本発明の化合物および適切な粉末基剤(これらの系のための例えばラクトースまたは澱粉)のパウダーミックスを含むように製剤化される。
【0123】
本発明の化合物および/または組成物を肺にデリバーするために用いることができるまた別のタイプの装置は液体スプレー装置である。液体スプレー系は極めて小さなノズルホールを用いて、肺にその後直接吸入することができるように液体医薬製剤をエーロゾル化させる。
【0124】
ある実施態様では、ネブライザーを用いて本発明の化合物および/または組成物を肺にデリバーする。ネブライザーは、例えば超音波エネルギーを用いて容易に吸入できる微細粒子を生成することによって液体医薬製剤からエーロゾルを作り出す(例えば以下を参照されたい;Verschoyle et al., British J. Cancer, 80, Suppl. 2:96, 1999(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。ネブライザーの例にはSheffield/Systemic Pulmonary Delivery Ltd.(以下を参照されたい:Armer et al., 米国特許5,954,047;van der Linden et al., 米国特許5,950,619;van der Linden et al., 米国特許5,970,974)、AventisおよびBatelle Pulmonary Therapeuticsから供給される装置が含まれる。
【0125】
別の態様では、エレクトロハイドロダイナミック(EHD)エーロゾル装置を用いて、本発明の化合物および/または組成物を肺へデリバーする。EHDエーロゾル装置は電気エネルギーを用いて液状薬剤溶液または懸濁液をエーロゾル化する(例えば以下を参照されたい:Noakes et al., 米国特許4,765,539)。EHDエーロゾル装置は、他の肺デリバリー技術よりも効率的に肺に薬剤をデリバーすることができる。
【0126】
別の態様では、本発明の化合物は小胞として(特にリポソームとして)デリバーすることができる(例えば以下を参照されたい:Langer, Science, 249:1527-1533, 1990;Treat et al., in "Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer", Lopez-Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp.353-365, 1989;全般的には、"Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer", Lopez-Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, 1989)。
【0127】
さらに別の態様では、本発明の化合物は徐放系、好ましくは経口徐放系によりデリバーすることができる。ある態様ではポンプを用いることができる(以下を参照されたい:Langer, 上掲書;Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng., 14:201, 1987;Saudek et al., New Engl. J. Med., 321:574, 1989)。
【0128】
別の態様では、ポリマー物質を用いることができる(以下を参照されたい:"Medical Applications of Controlled Release", Langer and Wise (eds.), CRC Press, Boca Raton, Florida (1974);"Controlled Drug Bioavailability", Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984);Ranger and Peppas, J.Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem., 23:61, 1983;Levy et al., Science, 228:190, 1985;During et al., Ann. Neurol., 25:351,1989;Howard et al., J. Neurosurg. 71:105, 1989)。好ましい態様では、ポリマー物質が、徐放性経口デリバリーのために用いられる。別の態様では、腸溶被覆調製物を徐放性経口投与のために用いることができる。さらに別の態様では、浸透圧デリバリー系を徐放性経口投与のために用いることができる(Verma et al., Drug Dev. Ind. Pharm., 26:695-708, 2000)。
【0129】
さらに別の態様では、制御放出系を本発明の化合物および/または組成物の標的近くに配置することができ、したがって、全身性用量のほんの一部が必要となるだけである(例えば以下を参照されたい:Goodson, in "Medical Applications of Controlled Release", 上掲書、vol.2, pp.115-138 (1984))。Langerが記載した他の制御放出系もまた用いることができる(Langer, Science, 249:1527-1533, 1990)。
【0130】
本発明の組成物
本組成物は、治療的に有効な量の1つまたは2つ以上の本発明の化合物を、好ましくは純粋な形態で適切な量の医薬的に許容できる担体とともに含み、その結果患者に適切に投与できる形態を提供する。患者に投与されたとき、本発明の化合物および医薬的に許容できる担体は好ましくは無菌的である。本発明の化合物を静脈内に投与するときは、水は好ましい担体である。食塩溶液並びにデキストロースおよびグリセロール水溶液もまた液性担体、特に注射溶液として用いることができる。適切な医薬担体にはまた賦形剤、例えば澱粉、グルコース、ラクトース、シュクロース、ゼラチン、モルト、米紛、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレンブリコール、水、エタノールなどが含まれる。所望する場合には、本組成物はまた微量の湿潤剤、乳化剤またはpH緩衝剤を含むことができる。さらにまた、補助剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤も用いることができる。
【0131】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、通常の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、均質化、乳化、被包化、エントラッピングまたは凍結乾燥処理工程によって製造することができる。本発明の医薬組成物は、1つまたは2つ以上の医薬的に許容できる担体、希釈剤、賦形剤または補助剤(これらは、本発明の化合物を加工して医薬として用いることができる調製物を生成することを容易にする)を用い、通常の態様で製剤化することができる。適切な製剤は選択される投与ルートに左右される。
【0132】
本組成物は、溶液、懸濁液、乳液、錠剤、ピル、ペレット、カプセル、流動物含有カプセル、散剤、徐放製剤、座薬、乳液、エーロゾル、スプレー、懸濁液または使用に適した他の形態をとることができる。ある態様では、医薬的に許容できる担体はカプセルである(例えば以下を参照されたい:Grosswald et al., 米国特許5,698,155)。適切な医薬担体の他の例は当技術分野で既に記載されている(以下を参照されたい:Remington's Pharmaceutical Sciences, Philadelphia College of Pharmacy and Science, 17th Edition, 1985)。
【0133】
局所投与の場合は、本発明の化合物は、当業者によく知られているように溶液、ジェル、軟膏、クリーム、懸濁液などとして製剤化することができる。
【0134】
全身用製剤には、注射(例えば皮下、静脈内、筋肉内、硬膜下腔内または腹腔内注射)による投与のためにデザインされた製剤とともに、経皮、経粘膜、経口投与または肺投与のためにデザインされた製剤が含まれる。全身用製剤は、気道粘膜の粘膜線毛クリアランスを改善するかまたは粘液の粘度を低下させる更に別の活性物質と組み合わせて製造することができる。これら活性な物質にはナトリウムチャネルブロッカー、抗生物質、N-アセチルシステイン、ホモシステインおよびリン脂質が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0135】
好ましい態様では、本発明の化合物はヒトの静脈内投与に適した組成物として日常的な方法に従って製剤化される。典型的には、静脈内投与用の本発明の化合物は、無菌的な等張水性緩衝液溶液として製造される。注射の場合には、本発明の化合物は水溶液、好ましくは生理学的に適合する緩衝液(例えばハンクス溶液、リンゲル液または生理学的緩衝食塩水)中で製剤化することができる。前記溶液は製剤化のための物質、例えば懸濁剤、安定化剤および/または分散剤を含むことができる。必要なときには、本組成物はまた可溶化剤を含むことができる。静脈内投与用組成物は場合によって局所麻酔薬(例えばリグノカイン)を含み、注射部位の痛みを緩和することができる。一般的には、ユニット投薬形(例えば凍結乾燥散剤または水を含まない濃縮物)として、活性物質の量を表示した密閉容器(例えばアンプルまたはサシェ)中に内容物は供給されるが、内容物は単独でまたは一緒に混合される。本発明の化合物を輸液によって投与するときは、前記は、無菌的な医薬グレードの水または食塩水を含む例えば輸液ボトルを用いて調合される。本発明の化合物が注射によって投与されるときは、注射用滅菌水または食塩溶液を含むアンプルが提供され、成分を投与前に混合することができる。
【0136】
経粘膜投与の場合は、透過する障壁に適した浸透剤が製剤中で使用される。そのような浸透剤は通常の技術を有する当業者には一般的に知られている。
【0137】
経口デリバリー用組成物は、例えば錠剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、顆粒、散剤、乳液、カプセル、シロップ、またはエリキシルの形態であろう。経口投与される組成物は場合によって1つまたは2つ以上の物質、例えば甘味剤(例えばフラクトース、アスパルテームまたはサッカリン)、香料(例えばペパーミント、冬緑油)、サクランボ着色剤および保存料を含み、医薬として快い調製物を提供することができる。さらにまた、形態が錠剤またはピルの場合、組成物を被覆して腸管内での分解および吸収を遅らせ、それによって長時間にわたって持続的作用を提供することができる。浸透圧に対して能動的な推進力をもつ化合物を取り巻く選択的な透過性を有するメンブレンも、経口投与される本発明の化合物に適している。これら後者のプラットフォームでは、カプセルの周囲の環境に由来する液体は前記推進力を有する化合物によって吸収され、前記は膨潤して開口部から前記薬剤または薬剤組成物を追い出す。前記のデリバリープラットフォームは、即時放出製剤のスパイク様プロフィールとは反対に本質的にゼロオーダーのデリバリープロフィールを提供することができる。時間を遅らせる物質(例えばグリセロールモノステアレートまたはグリセロールステアレート)もまた用いることができる。経口用組成物は標準的な担体、例えばマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含むことができる。前記の担体は好ましくは医薬グレードである。
【0138】
経口用液体調製物、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液の場合、適切な担体、賦形剤または希釈剤には水、食塩水、アルキレングリコール(例えばプロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(例えばポリエチレングリコール)、油、アルコール、pH4からpH6の微酸性緩衝液(例えば約5.0mMから約50.0mMの酢酸、クエン酸、アスコルビン酸塩など)が含まれる。さらにまた、香料、保存料、着色剤、胆汁塩、アシルカルニチンなども添加することができる。
【0139】
頬部投与のためには、本組成物は通常の態様で製剤化された錠剤、ロゼンジなどの形態をとることができる。
【0140】
ネブライザー並びに液体スプレー装置およびEHDエーロゾル装置での使用に適した液体医薬製剤は、典型的には本発明の化合物を医薬的に許容できる担体とともに含むであろう。好ましくは、医薬的に許容できる担体は液体、例えばアルコール、水、ポリエチレングリコールまたはパーフルオロカーボンである。場合によって、また別の物質を添加して、本発明の化合物の溶液または懸濁液のエーロゾル特性を変化させてもよい。好ましくは、前記物質は液体、例えばアルコール、グリコール、ポリグリコールまたは脂肪酸である。エーロゾル装置での使用に適した液体医薬溶液または懸濁液の他の製剤化方法は通常の技術を有する当業者には知られている(例えば以下を参照されたい:Biesalski, 米国特許5,112,598;Biesalski, 米国特許5,556,611)。
【0141】
本発明の化合物はまた直腸または膣用組成物(たとえば座薬または保持浣腸)として製剤化することができる。前記は例えば通常の座薬基剤(例えばカカオ脂または他のグリセリド)を含む。
【0142】
上記で述べた製剤の他に、本発明の化合物はまた貯留調製物として製剤化することができる。そのような長期作用性製剤は移植によって(例えば皮下または筋肉内に)、または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば本発明の化合物は、適切なポリマー物質または疎水性物質とともに(例えば許容可能な油の乳液として)、またはイオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体として(例えば難溶性塩として)製剤化することができる。
【0143】
本発明の化合物が酸性のとき、前記は遊離酸、医薬的に許容できる塩、溶媒和物、水和物として上記の任意の製剤に含有させることができる。実質的に遊離酸の活性を保持する医薬的に許容できる塩は塩基との反応によって製造することができ、対応する遊離酸型よりも水性溶媒および他のプロトン性溶媒中での可溶性が高い傾向がある。
【0144】
使用方法および用量
本発明の化合物および/または組成物は、一般的に意図する目的を達成するために有効な量で用いられるであろう。疾患もしくは異常(例えば肥満、糖尿病、抑うつ、神経変性または炎症性疾患)の治療または予防のために、本発明の化合物および/または組成物は治療的に有効な量で投与または適用される。
【0145】
本明細書で開示される具体的な異常または症状の治療に有効な本発明の化合物の量は、前記異常または症状の性質に左右され、以前に記載された当業界で公知の標準的な臨床技術によって決定することができる。さらにまた、in vitroまたはin vivoアッセイを場合によって利用して最適用量範囲の特定に役立てることができる。もちろんのこと、投与される本発明の化合物の量は、他の要件の中でとりわけ、治療される対象者、前記対象者の体重、疾患の重篤度、投与態様および処方する医師の判定に左右されるであろう。
【0146】
例えば、投薬はただ1回の投与により、または複数回の適用もしくは制御放出により医薬組成物としてデリバーすることができる。好ましい態様では、本発明の化合物および/または組成物は、徐放性経口投与によってデリバーされる。好ましくは前記態様では、本発明の化合物および/または組成物は、1日2回(より好ましくは1日1回)投与される。投薬は断続的に繰り返してもよく、単独または他の薬剤と併用して提供してもよく、症状または異常の有効な治療に必要な限り継続してもよい。
【0147】
経口投与に適した投薬範囲は本発明の化合物の性能に左右されるが、一般的には体重1kgにつき本発明の化合物約0.001mgから約200mgである。投薬範囲は当業者に公知の方法によって容易に決定することができる。
【0148】
静脈内(i.v.)投与に適した投薬範囲は、体重1kgにつき約0.01mgから約100mgである。鼻内投与に適した投薬範囲は、一般的には約0.01mg/kg体重から約1mg/kg体重である。座薬は一般的には体重1kgにつき約0.01mgから約50mgの本発明の化合物を含み、活性成分は約0.5重量%から約10重量%の範囲で含まれる。皮内、筋肉内、腹腔内、皮下、硬膜外、舌下または脳内投与の場合の推奨投薬範囲は、体重1kgにつき約0.001mgから約200mgである。効果的な用量は、in vitroまたは動物モデル検査系から得られる用量反応曲線の外挿によって得ることができる。そのような動物モデルおよび系は当業界では周知である。
【0149】
本発明の化合物は、所望の治療活性または予防活性についてヒトでの使用の前に好ましくはin vitroおよびin vivoでアッセイされる。例えば、in vitroアッセイを用いて、本発明の特定の化合物または本発明の化合物の組み合わせの投与が痙攣の減少に好ましいか否かを決定することができる。さらにまた、動物モデル系を用いて本発明の化合物の有効性および安全性を示すことができる。
【0150】
ここに記載した本発明の化合物の治療的に有効な用量は、好ましくは実質的に毒性を示すことなく治療効果を提供するであろう。通常の技術を有する当業者は、本発明の化合物の毒性を標準的な薬学手順を用いて決定し、容易にこれを確認することができる。毒性と治療効果との用量比が治療インデックスである。本発明の化合物は、疾患および異常の治療において好ましくは特に高い治療インデックスを示す。ここに記載した本発明の化合物の投薬は、好ましくは、ほとんどまたは全く毒性を示さない有効用量を含む血中濃度の範囲内にあるであろう。
【0151】
併用療法
ある種の実施態様では、本発明の化合物は、少なくとも1つの他の治療物質を用いる併用療法で使用することができる。本発明の化合物および前記治療物質は累積的に、より好ましくは相乗的に作用することができる。好ましい態様では、本発明の化合物は別の治療物質の投与と同時に投与される。別の好ましい態様では、本発明の化合物を含む組成物は別の治療物質の投与と同時に投与され、前記治療物質は本発明の化合物と同じ組成物の一部分であっても、または別個の組成物の一部分であってもよい。別の実施態様では、本発明の化合物を含む組成物は、別の治療物質の投与前または投与後に投与される。本発明の化合物および/または組成物と一緒に用いることができる他の治療物質には、神経変性疾患(例えばアルツハイマー病またはパーキンソン病)、不安、抑うつ、精神病、糖尿病、肥満などの治療に用いられる薬剤が含まれるが、ただしこれらに限定されない(例えば以下を参照されたい:Dow et al, 国際公開WO00/66522)。
【実施例】
【0152】
本発明は以下の実施例を参考することによって一層明らかにされる。実施例は、本発明の化合物および組成物の調製並びに本発明の化合物および組成物を使用するためのアッセイを詳細に述べている。本発明の範囲から外れることなく、材料および方法の両方で多くの改変を実施できることは通常の技術を有する当業者には明白であろう。
【0153】
全ての合成反応は、別に記載されないかぎりアルゴン雰囲気下で実施された。THFは使用前にナトリウムベンゾフェノンケチルから蒸留によって精製された。他の全ての無水試薬はAldrich Chemical Co.から購入した。プロトンおよび炭素-13核磁気共鳴スペクトル(1HNMR, 13CNMR)は装置Varian INOVA-400(400MHz)で得られた。1HNMRの化学シフトは、内部テトラメチルシランからの低磁場側へのずれを百万分の一(ppm)で表したδ値として報告される。13CNMRの化学シフトは溶媒ピーク(CDCl3またはDMSO)に対するδ値として報告される。高分解質量分光分析(HR-MS)はNational Bioorganic and BiomedicalMass Spectrometry Resource(Univ. of California, San Francisco)によって実施された。
【0154】
実施例1:5,5-(エチレンジオキシ)-4a-メチル-2,3,4,4a,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-オン(201)の調製
ウィーランド‐ミーシャーケトン(5.086g, 28.44mmol)、2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン(19.38mL, 155.0mmol)、エチレングリコール(0.358mL, 6.43mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.4g, 2.13mmol)の混合物を室温で30時間攪拌した。反応をトリエチルアミンの滴下添加により停止させ、20mLのベンゼンで希釈し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、さらに真空下で濃縮した。生成物をヘキサン中で粉砕し、モノアセタール201(5.92g, 94%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.36(s,3H), 1.6-2.0(m,5H), 2.2-2.5(m, 5H), 3.9-4.1(m, 4H), 5.80(d, J=Hz, 1H); 13CNMR(CDCl3)198.91, 167.55, 125.38, 125.37, 112.12, 65.16, 64.84, 44.81, 33.70, 31.22, 29.81, 26.62, 21.51, 20.27
実施例2:5,5-(エチレンジオキシ)-3-ヒドロキシメチレン-4a-メチル-4,4a,5,6,78-ヘキサヒドロ-3H-ナフタレン-2-オン(203)
THF(200mL)中の201(20g, 0.090mmol)の溶液を氷/メタノール浴中で-5℃に冷却した。NaOMe(19.45g, 0.306mol)を添加し、この混合物を30分攪拌した。60mLのTHF中のギ酸メチル(55.5mL, 0.900mol)の冷却溶液をゆっくりと添加した後、この混合物を室温で24時間攪拌した。前記混合物を氷‐水‐HCl(500mLのH2O中に約50mLの濃HCl)に注ぎ入れて5分攪拌し、続いて分離用ロートに移した。水層をエーテル(3x100mL)で抽出し、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ濃縮した。黄色の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0−50%EtOAc−ヘキサン)にかけ、黄色の油として203(5.88g, 26%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.22(s, 3H), 1.6-1.9(m, 4H), 2.02(d, J=14Hz, 1H), 2.2-2.5(2H), 2.91(d, J=14Hz,1H), 3.9-4.1(m, 4H), 5.86(d, J=2.0Hz, 1H), 7.37(s,1H); 13CNMR(CDCl3)188.72, 166.86, 165.35, 165.12, 124.59, 124.25, 111.92, 106.39, 65.33, 65.17, 65.04, 64.89, 46.00, 29.87, 21.33, 20.74, 20.59
実施例3:1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-1,4,4a,6,7,8-ヘキサヒドロ-ベンゾ[f]インダゾール-5-オン(205)
ディーン‐スタークトラップおよびコンデンサーを取り付けた250mLの丸底フラスコで、150mLのベンゼン中の203(5.88g, 23.5mmol)、4-フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロリド(3.93g, 24.2mmol)、酢酸ナトリウム(1.99g, 24.2mmol)および2mLの氷酢酸の混合物を加熱し、1時間還流させた。この間に、約1.2mLの水を収集した。続いて溶媒を蒸発させ、暗色の残留物をエーテルに溶解してろ過し、濃縮して8.4gの暗褐色の油を得た。
【0155】
前記油、1NのHCl(25mL)、氷酢酸(50mL)およびTHF(75mL)の混合物を室温で48時間攪拌した。反応を飽和NaHCO3溶液で停止させた。水層をエーテル(4x50mL)で抽出し、飽和NaHCO3、ブラインで2回洗浄し、続いて乾燥(MgSO4)させ濃縮した。残留物を沸騰ヘキサンで粉砕し、一緒にした粉砕物をEtOHで再結晶化してオレンジ色の粉末として3.5gの205を得た。残存する残留物のフラッシュクロマトグラフィー(0−50%EtOAc/ヘキサン)により全体として収量5.67g(2工程通して81%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.25(s,3H), 1.60-1.75(m, 1H), 2.00-2.15(m,1H), 2.5-2.73(m,4H), 2.9(d, J=3Hz, 2H), 6.29(d, J=2Hz, 1H), 7.17(t, J=8.4Hz, 2H), 7.43-7.50(m, 3H); 13CNMR(CDCl3)212.57, 162.71, 160.25, 145.79, 138.45, 135.97, 135.75, 135.71, 125.29, 125.21, 116.17, 115.94, 114.11, 110.80, 50.68, 38.55, 31.56, 28.20, 23.30, 22.71;C18H17FN2Oの計算によるHR-MS:296.1325、計測値:296.1320。
【0156】
化合物205は、GR結合アッセイで436nMのIC50を示した。
【0157】
実施例4:1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,78-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-カルボアルデヒド(207)
THF(40mL)中の(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(13.85g, 40.4mmol)の冷(-30℃)溶液に、KHMDS(トルエン中で0.5M, 70.8mL, 35.4mmol)を添加した。得られた赤色溶液を0℃で15分攪拌し、その後THF(40mL)中の205(3g, 10.1mmol)の溶液で処理した。この混合物を室温で24時間攪拌した。THF中のメタノールの溶液(1:1, 40mL)および4NのHCl(30mL)を前記混合物に0℃で添加した。得られた溶液を室温で26時間攪拌し、続いて水(30mL)に注ぎいれ、エーテルで抽出した(4x50mL)。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ濃縮した。残留物のシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(0−50%EtOAc/ヘキサン)により2.2g(70%)の207を黄色の固体として得た。性状決定のために少量を重亜硫酸塩付加によりさらに精製した。1HNMR(CDCl3)δ1.12(s, 3H), 1.35-1.49(m, 1H), 1.67-1.8(m, 1H), 1.87-2.0(m, 2H), 2.28-2.48(m, 3H), 2.9(d, J=16.0Hz, 1H), 3.1(d, J=16.0Hz, 1H), 6.18(s, 1H), 7.16(t, J=8.5Hz, 2H), 7.42-7.48(m, 3H), 9.90(d, J=2.0Hz, 1H); 13CNMR(CDCl3)203.99, 162.64, 160.18, 147.26, 137.77, 136.35, 135.65, 135.62,125.36, 125.32, 125.24, 116.09, 115.87, 113.36, 109.93, 60.78, 39.90, 34.55, 32.10, 24.52, 22.62, 18.96
実施例5:(3-ブロモ-フェノキシ)-トリイソプロピル-シラン(209)の調製
6mLのDMF中の3-ブロモフェノール(1.00g, 5.78mmol)およびイミダゾール(984mg, 14.45mmol)の混合物を0℃に冷却してトリイソプロピルシリルクロリド(922μL, 6.94mmol)を添加し、さらに前記溶液を24時間攪拌した。反応を10mLの水および5mLの飽和飽和NaHCO3水溶液で停止させた。水層をエーテル(3x10mL)で抽出し、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ濃縮した。生じた油のヘキサンによるシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって209(1.50g, 79%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ109(d, J=7.2Hz, 18H), 1.17-1.30(m, 3H), 6.75-6.81(m,1H), 7.00-7.10(m, 3H); 13CNMR(CDCl3)156.89, 130.26, 124.14, 123.29, 122.5,118.47
【0158】
実施例6:(4-ブロモ-3,5-ジメチル-フェノキシ)-トリイソプロピル-シラン(211)
3-ブロモフェノールを4-ブロモ-3,5ジメチルフェノールに置き換えたこと以外は実施例5の方法にしたがい、211を93%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.22(d, J=6.0Hz, 18H), 1.37(m, 3H), 2.46(s, 6H), 6.75(s, 2H); 13CNMR(CDCl3)154.54, 138.81, 119.65, 23.85, 17.92, 12.71
実施例7:(4-ブロモ-フェノキシ)-トリイソプロピル-シラン(213)
3-ブロモフェノールを4-ブロモフェノールに置き換えたこと以外は実施例5の方法にしたがい、213を94%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.09(d, J=6.8Hz), 1.23(quint, J=7.6Hz, 3H), 6.74(d, J=8.0Hz, 2H), 7.28(d, J=8.0Hz, 2H); 13CNMR(CDCl3)155.17, 132.19, 121.56, 113.24, 17.83, 15.59
実施例8:(4-ヨード-2-メチル-フェノキシ)-トリイソプロピル-シラン(215)
3-ブロモフェノールを4-ヨード-2メチルフェノールに置き換えたこと以外は実施例5の方法にしたがい、215を57%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.09(d, J=8.0Hz, 18H), 1.26(sext, J=8.0Hz, 3H), 2.18(s, 3H), 6.53(d, J=8.4Hz, 1H), 7.30(d,J=8.4Hz, 1H), 7.40(s, 1H); 13CNMR(CDCl3)154.23, 139.35, 135.36, 131.38, 119.93, 82.88, 17.97, 17.58, 16.67, 12.93
実施例9:4-ブロモ-2,6-ジメトキシ-フェノール(217)
コンデンサーを取り付けた500mLのフラスコに、2,6-ジメトキシフェノール(10g, 64.86mmol)および80mLのクロロホルム無水物を添加した。この溶液を-40℃に冷却し、NaH(鉱物油中60%分散液、26mg, 0.65mmol)を添加した。さらに20mLのクロロホルム無水物を添加し、続いて迅速にN-ブロモ-スクシンイミド(12.77g, 71.35mmol)を添加した。前記反応混合物を-35℃で1時間攪拌し、さらに30分室温に加温した。さらに30分加熱して還流させた。溶媒を真空下で一晩蒸発させた。褐色の固体を100mLのエーテルとともに攪拌し、混合物をろ過し残留物をエーテルで洗浄した。溶媒を真空下で蒸発させて褐色の固体を得た。続いてこの固体を沸騰ヘキサンに溶解した。この溶液を茶色の油からデカンテーションで除き、予め加熱したセリットのパッドで加熱したフラスコへろ過した。明黄色の溶液を室温で3時間冷却した。白色の羊毛様針状物をろ過して取り出し、乾燥させて217(3.22g, 22%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ6.72(s, 2H), 5.44(s, 1H), 3.88(s, 6H); 13CNMR(CDCl3)147.47, 133.93, 110.88, 108.38, 56.33
実施例10:5-ブロモ-1,2,3-トリメトキシ-ベンゼン(219)
5-ブロモ-1,2,3-トリヒドロキシベンゼン(1.3g, 5.63mmol)および1MのNaOH(14mL)の混合物を10℃に冷却し、硫酸ジメチル(800μL, 16.89mmol)を添加した。この混合物を加熱して3時間還流させ、さらにまた硫酸ジメチル(800μL)を添加した。前記混合物をさらに3時間加熱して還流させた。前記混合物を一晩冷却し、灰色の固体をろ過して取り出し、前記を続いて約50mLのエーテルに溶解し、5%NaOH−H2O、水(2回)、ブラインで洗浄し、続いて乾燥(MgSO4)させ濃縮して219(1.39g, 76%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ6.72(s, 2H), 3.85(s, 6H), 3.82(s, 3H); 13CNMR(CDCl3)136.67, 137.11, 115.92, 108.07, 60.58, 56.05
【0159】
実施例11:3a,7a-(ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-[1-(4-フルオロ-フェニ
ル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-メタノ
ール(221)
5mLの脱水ジエチルエーテル中の3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェン(86.2μL, 0.659mmol)の溶液を-78℃に冷却し、tert-ブチルリチウム(ペンタン中で1.7M, 775μL, 1.318mmol)を添加し、この混合物を-78℃で15分、続いて室温で2時間攪拌した。アルデヒド207(10mLのエーテルに溶解)を-30℃で10分にわたって滴下して加え、この混合物を0.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下して添加して反応を停止させた。水層をエーテルで抽出し(10mLで3回)、一緒にした有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc-ヘキサン)、続いて調製用TLC(25%EtOAc-ヘキサン)で精製して221(18.1mg, 32%)を異性体混合物として得た。分画A:1HNMR(CDCl3)δ1.27(s, 3H), 1.70-1.92(m, 3H), 1.97(m, 1H), 2.25-2.5(m,3H), 2.74(d, J=15.2Hz, 1H), 3.14(d, J=15.2Hz, 1H), 3.41(d,J=1.6Hz, 1H), 5.44(d, J=5.2Hz, 1H), 6.13(d, J=2.0Hz, 1H), 7.16(t, J=8.4Hz, 2H),7.21(s, 1H), 7.27-7.37(m, 2H),7.42-7.50(m, 3H), 7.72(d, J=8.0Hz, 1H), 7.80(d, J=8.0Hz, 1H);C27H25FN2OSの計算によるHR-MS: 444.1672, 計測値:444.1675;分画B:1HNMR(CDCl3)δ1.27(s, 3H), 1.80-2.10(m, 4H), 2.20-2.50(m, 3H), 2.58-2.65(m, 1H), 3.04(t, J=15.2Hz, 1H), 3.19(d, J=15.2Hz, 1H), 3.41(d, J=1.6Hz, 2H), 3.63(d, J=4.4Hz, 1H), 6.12(s, 1H), 7.11-7.18(m, 2H), 7.35-7.48(m, 4H), 7.49(s, 1H), 7.80(t, J=5.2Hz, 2H)
実施例12:[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-メタノール(223)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを5-ブロモ-1,2,3-トリメトキシ-ベンゼンに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい223を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.26(s, 3H), 1.60-1.90(m, 4H), 2.00-2.20(m, 2H), 2.24-2.47(m, 2H), 2.73(d, J=15.2Hz, 1H), 3.20(d, J=15.2Hz, 1H), 3.80-3.90(m, 9H), 5.10(s, 1H), 6.12(s, 1H), 6.50-6.60(m, 2H), 7.10-7.20(m, 2H), 7.40-7.50(m, 2H); 13CNMR(CDCl3);C28H31FN2O4の計算によるHR-MS: 478.2268, 計測値:478.2261
【0160】
実施例13:4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-3,5-ジメチル-フェノール(227)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを4-ブロモ-3,5-ジメチル-フェノキシ-トリイソプロピ
ルシランに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-3,5-ジメチル-フェノールのトリイソプロピルシリルエーテル225を得た。このシリルエーテル225(118.2mg, 0.201mmol)を2.5mLのTHFに溶解し、-78℃に冷却した。テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中で1M、273μL, 0.273mmol)を滴下添加し、この溶液を15分攪拌した。5mLの水で反応を停止させた。水層をエーテルで抽出し(4x5mL)、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)濃縮した。残留物をシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーで精製し(0-2%MeOH−CHCl3)、続いてオフホワイトの固体生成物をメタノールで洗浄して227(56mg, 64%)を白色固体として得た。1HNMR(CDCl3)δ1.20(s, 3H), 1.50-1.80(m, 4H), 2.34(s, 6H), 2.61(d, J=15.2Hz, 1H), 2.94(d, J=15.2Hz, 1H), 4.0(s, 2.5H), 5.26(d, J=2.8Hz, 1H), 6.15(s, 1H), 6.38(s, 2H), 7.32(t, J=8.8Hz), 7.43(s, 1H), 7.51(t, J=4.8Hz, 2H); 13CNMR(DMSO)161.96, 159.54, 154.92, 151.55, 137.86, 136.32, 135.87, 132.34, 125.24, 125.16,116.34, 116.11, 113.86, 108.29,69.66, 52.89, 33.25, 32.55, 25.99, 22.47, 21.79,19.75
実施例14:4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ケト-メチル]-3,5-ジメチル-フェノール(228)
4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-3,5-ジメチル-フェノールのトリイソプロピルシリルエーテル(100mg, 0.17mmol)を8mLのCH2Cl2に溶解した。ピリジウムクロロクロメート(55mg, 0.255mmol)を前記溶液に添加し、これを室温で4.5時間アルゴン下で攪拌した。20mLのジエチルエーテルを前記混合物に添加し、真空下で揮発物を除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc−ヘキサン)で精製して、透明な油として(58.7mg, 59%)のシリルエーテルを得た。この油(58.7mg、0.10mmol)を6mLのTHFに溶解し、-78℃に冷却した。テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中で1M、140μL, 0.14mmol)を滴下添加し、この溶液を15分攪拌した。5mLの水で反応を停止させた。
水層をエーテルで抽出し(5mLで4回)、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)濃縮した。残留物をシリカゲルによりフラッシュクロマトグラフィーで精製し(10-20%酢酸エチル−ベンゼン)、228(45mg, 100%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.31(s, 3H), 1.41(m, 1H), 1.87(m, 3H), 2.23(s, 6H), 2.31(d, J=15.14Hz, 1H), 2.43(m, 1H), 2.62(d, J=16.11Hz, 1H), 3.04(m, 1H), 3.15(d, J=15.63Hz, 1H), 6.12(s, 1H),6.44(s, 2H), 7.14(t, J=8.55Hz, 2H), 7.36(s, 1H), 7.39(s, 1H), 7.43(dd, J=8.79, 4.88Hz, 2H); 13CNMR(CDCl3)18.33, 20.48, 25.30, 26.11, 32.48, 33.76, 41.81, 61.53, 109.41, 113.94, 115.36, 116.04, 116.27, 125.57, 125.66, 128.32, 134.57, 135.35, 135.38, 135.91, 136.76, 137.79, 149.43, 156.49, 160.39, 210.97
【0161】
実施例15:4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-メチル]-3,5-ジメチル-フェノール(230)
4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-3,5-ジメチル-フェノールのトリイソプロピルシリルエーテル(20mg, 0.043mmol)を3mLのCH2Cl2に溶解し、-78℃に冷却した。トリエチルシラン(16μL, 0.102mmol)およびボロントリフルオリドエーテレート(19μL, 0.153mmol)を添加し、この溶液を室温で6時間アルゴン雰囲気下で攪拌した。2mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液で反応を停止させ、エーテルで抽出し(5mLで4回)、乾燥させ(MgSO4)濃縮して白色固体として23.3mgを得た。続いて230のシリルエーテルを実施例14の方法にしたがって脱保護し、230(16.2mg, 95%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.04(s, 3H),1.10(d, J=12.70Hz, 1H)、1.16(m, 1H), 1.30(m, 2H), 1.67(m, 2H), 2.21(d, J=5.37Hz, 6H), 2.29(m, 1H), 2.48(m, 1H), 2.70(m, 2H), 3.07(d, J-15.14Hz, 1H), 4.94(s, 1H), 6.06(d, J=1.95Hz, 1H), 6.44(s, 2H), 7.08(t, J=8.55Hz, 2H), 7.39(m, 3H); 13CNMR(CDCl3)12.29, 12.70, 17.42, 17.70, 17.98, 20.90, 26.23, 26.66, 28.61,33.39, 33.80, 41.63, 48.96, 109.19, 114.09, 115.11, 115.94, 116.16, 125.40, 125.48, 128.32, 129.57, 135.76, 137.01, 137.93, 138.24, 138.37, 150.74, 153.41, 160.26, 162.71
実施例16:4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-メトキシメトキシ-メチル]-3,5-ジメチル-フェノール(232)
4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-3,5-ジメチル-フェノールのトリイソプロピルシリルエーテル(50mg, 0.085mmol)を10mLのCH2Cl2に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(222μL, 1.275mmol)およびメトキシメチルクロリド(65μL, 0.850mmol)を添加し、この溶液を室温で10時間攪拌した。この混合物を30mLの酢酸エチルで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)濃縮して232のシリルエーテル(96.3mg)を得た。続いてこれを実施例14の方法にしたがって脱保護し、232(12.4mg, 59%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.20(s, 3H), 1.29(m, 2H), 1.63(m, 2H), 1.89(d, J=13.18Hz, 1H), 2.14(m, 2H), 2.28(d, J=14.65Hz, 1H), 2.36(s, 3H), 2.39(s, 3H), 2.55(m, 1H), 3.39(s, 2H), 4.43(s, 2H), 5.11(d, J=6.35HZ, 1H), 6.08(s, 1H), 6.31(m, 1H), 6.47(s, 2H), 7.13(t, J=7.81Hz, 2H), 7.36(d, J=1.95Hz, 2H), 7.43(dd, J=6.84, 4.88Hz, 2H); 13CNMR(CDCl3)19.30, 21,22, 21.58, 24.29, 26.24, 33.23, 33.33, 42.16, 52.01,56.32, 74.08, 93.81, 108.73, 114.12, 115.40, 115.96, 116.19, 117.31, 125.35, 125.43, 128.33, 129.41, 135.62, 135.65, 136.78, 137.88, 138.41, 139.84, 151.68, 154.70, 160.25, 162.71
実施例17:化合物227、228、230および232の結合データ
4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-メチル]-3,5-ジメチル-フェノールおよび誘導体のグルココルチコイドレセプター(GR)結合データの代表的な結果を、デキサメタゾンと比較して表1に示す。
【0162】
【表1】

【0163】
実施例18:3-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-フェノール(229)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを3-ブロモ-フェノキシ-トリイソプロピルシランに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい3-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-フェノールのトリイソプロピルシリルエーテル229を得た。前記を続いて実施例13の方法に
したがって脱保護した。1HNMR(CDCl3)δ1.14(s, 5H), 1.18-1.30(m, 7H), 1.36(s, 1H), 1.5-1.7(m, 5H), 1.8-1.95(m, 2H), 2.20-2.32(m, 3H), 2.60(d, J=15.9Hz, 0.5H), 2.71(d, J=15.4Hz, 0.5H), 2.78(d, J=16.2Hz, 1H), 2.98(s, 1H), 3.17(t, J=15.6Hz, 1H), 3.65(d, J=16.2Hz, 1H), 4.56(d, J=8.9Hz, 1H), 4.99(s, 0.5H), 5.09(s, 0.5H), 6.09(s, 0.3H), 6.11(s, 0.3H), 6.13(s, 1H), 6.15(s, 0.4H), 6.7-6.9(m, 6H), 7.1-7.22(m,5H), 7.4-7.5(m,5H); 13CNMR(CDCl3)162.68, 160.22, 156.34, 155.97, 151.06, 147.46, 146.72, 138.20, 137.89, 137.44, 136.78, 135.61, 129.68, 129.58, 129.48, 125.38, 125.30, 125.26, 125.18, 119.34, 117.67, 116.30, 116.16, 115.93, 115.45, 115.04, 114.72, 114.05, 113.73, 112.72, 109.53, 109.46, 72.40, 71.91, 65.86, 56.53, 53.94, 50.70, 49.39, 41.52, 41.46, 41.29, 40.89, 35.79, 33.83, 30.30, 28.70, 27.57, 27.07, 25.34, 25.16, 23.59, 22.64, 21.33, 20.58, 17.84, 17.67, 15.22
実施例19:4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-フェノール(231)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを4-ブロモ-フェノキシ-トリイソプロピルシランに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-フェノールのトリイソプロピルシリルエーテル231を得た。前記を続いて実施例13の方法にしたがって脱保護した。1HNMR(CDCl3)δ1.00-1.13(m,12H), 1.24(s, 3H), 1.26-1.40(m,3H), 1.55-2.00(m, 7H), 2.25-2.50(m, 4H), 2.65-2.80(m, 2H), 3.20(d, J=15.9Hz, 1H),3.65(d, J=15.9Hz, 1H), 5.07(s, 1H), 5.48(s, 0.5H), 6.07-6.17(m, 1.5H), 6.71-6.80(m, 2H), 7.17(j, J=8.6Hz, 3H), 7.26(t, J=8.6Hz, 3H), 7.39-7.49(m, 4H); 13CNMR(CDCl3)162.66, 160.20, 150.74, 149.99, 149.94, 144.08, 143.27, 138.26, 138.03, 137.99, 137.17, 136.71, 136.43, 135.82, 130.10, 129.97, 129.49, 125.66, 125.37, 125.29, 125.23, 125.14, 124.40, 124.33, 116.13, 116.09, 115.89, 115.87, 115.22, 114.65, 114.04, 109.83, 109.62, 109.28, 105.72, 105.42, 71.22, 69.29, 56.86, 55.24,53.84, 48.85, 41.60, 41.58, 41.20, 35.71, 34.67, 33.69, 33.36, 27.69, 25.96, 25.63, 25.32, 23.74, 21.43, 20.58, 20.02, 18.09, 17.77
実施例20:4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-2-メチル-フェノール(235)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを(4-ブロモ-2-メチル-フェノキシ)-トリイソプロピルシランに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい4-[[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-ヒドロキシ-メチル]-2-メチル-フェノールのトリイソプロピルシリルエーテル233を得た。前記を続いて実施例13の方法にしたがって脱保護して25%の収量で235を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.25(3H), 1.50-1.80(m, 6H), 2.26(s, 3H), 2.27-2.47(m, 2H), 2.73(d, J=15.2Hz, 1H),3.16(d, J=15.2Hz, 1H), 5.10(s, 1H), 6.10(s, 1H), 6.73(d, J=8.4Hz, 1H), 7.03(d, J=8.4Hz, 1H), 7.07(s, 1H), 7.14(t, J=8.0Hz, 2H), 7.40-7.50(m, 3H). 13CNMR(CDCl3)158.97, 149.16, 146.84, 134.20, 133.86, 124.28, 121.70, 121.62, 120.18, 119.94, 112.41, 112.18, 110.88, 110.17, 105.31, 68.02, 52.95, 47.28, 37.53, 31.34, 29.64, 27.18, 22.04, 16.24, 16.15, 12.22
【0164】
実施例21:[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-(1H-インドール-4-イル)-メタノール(14%)(237)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを5-ブロモインドールに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい237を14%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.26(s,3H), 1.50-1.80(m, 4H), 2.10-2.50(m, 3H), 2.77(d, J=15.2Hz, 1H), 3.16(d, J=15.2Hz, 1H), 5.24(d, J=2.4Hz, 1H), 6.08(d, J=2.0Hz, 1H), 6.53(s, 1H), 7.14-7.22(m, 4H), 7.32(d, J=8.4Hz,1H), 7.40-7.50(m, 3H), 7.64(s, 1H), 8.52(s, 1H); 13CNMR(CDCl3)150.82, 137.92, 137.21, 136.94, 134.86, 127.61, 125.34, 125.26, 124.73, 119.87, 117.04, 116.07, 115.84, 115.80, 114.01, 110.76, 108.87, 102.41, 72.33, 60.37, 56.90, 41.29, 34.97, 33.89, 25.77, 19.94, 19.79, 14.13
実施例22:[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-チオフェン-3-イル-メタノール(238)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを3-ブロモチオフェンに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい238を20%の収量で異性体の混合物として得た。1HNMR(CDCl3)δ1.22(s,3H), 1.70-1.94(m, 4H), 2.24-2.48(m, 2H), 2.96(d, J=15.3Hz, 1H), 2.99(s, 1H),3.13(d, J=15.3Hz, 1H), 5.42(d, J=3.7Hz, 1H), 6.10(d, J=2.3HZ, 1H), 6.93(d, J=5.2Hz, 1H), 7.14(m, 2H), 7.22(d, J=5.2Hz, 1H), 7.40-7.46(m, 3H); 13CNMR(CDCl3)150.21,144.41, 137.94, 136.77, 135.75, 130.04, 125.39, 125.30, 124.25, 116.12, 115.89,114.03, 109.15, 105.18, 69.09, 53.76, 41.58, 34.60, 33.26, 25.63, 20.57, 20.01
実施例23:4a'-メチル-(4'H,5'H,7'H)-スピロ[1,3-ジチオラン-2',2'-ナフタレン]-5'(6'H)-オン(239)
氷酢酸(40mL)中のウィーランド‐ミーシャーケトン(5.87g, 33.0mmol)の容液に、p-トルエンスルホン酸(2.94g)を添加し、続いて1,2-エタンジチオールを1時間かけて滴下した。この反応混合物を室温でさらに4時間攪拌し、30mLの水に注ぎいれ、15分攪拌した。白色固体をろ過して取り出し、水による洗浄、炭酸水素ナトリウム溶液による希釈、水による洗浄を連続して実施し、続いて乾燥させてチオケタール239(7.33g, 87.3%)を白色固体として得た。1HNMR(CDCl3)δ1.50-2.70(m, 10H), 3.20-3.40(m, 4H), 5.67(s,1H); 13CNMR(CDCl3)212.92, 141.23, 128.04, 64.81, 49.43, 40.11, 39.62, 37.92, 37.57, 30.81, 30.69, 24.73, 24.57
実施例24: 4a'-メチル-(4'H,5'H,7'H)-スピロ[1,3-ジチオラン-2',2'-ナフタレン]-5'-カルボキシアルデヒド(241)
THF(40mL)中の(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(6.753g, 19.7mmol)の冷溶液(-30℃)に、KHMDS(トルエン中で0.5M, 35.46mL, 17.73mmol)を添加した。得られた赤色溶液を0℃で15分攪拌し、その後THF(10mL)中の241(1g, 3.94mmol)の溶液で処理した。この混合物を室温で24時間攪拌した。THF中のメタノールの溶液(1:1、12mL)および4NのHCl(13mL)を前記反応混合物に0℃で添加した。得られた溶液を室温で36時間攪拌し、水(40mL)に注ぎいれ、エーテルで抽出した(30mLで4回)。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ濃縮した。残留物をシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーで精製し(1‐3%酢酸エチル‐ヘキサン)、241を783mg(74%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δ1.14(s, 3H), 1.25-2.4(m, 11H), 3.20-3.45(m, 4H), 5.52(s, 1H), 9.81(d, J=2.0Hz, 1H); 13CNMR(CDCl3)200.71,139.59, 122.18, 61.37, 56.86, 36.40, 35.88, 33.56, 33.46, 33.06, 27.99, 22.15, 22.15, 18.36, 15.84
【0165】
実施例25:[4a'-メチル-(4'H,5'H,7'H)-スピロ[1,3-ジチオラン-2',2'-ナフタレン]-5'イル](3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-メタノール(243)
6mLの脱水ジエチルエーテルに溶解した5-ブロモ-1,2,3-トリメトキシ-ベンゼン(276mg, 1.12mmol)の溶液を-78℃に冷却し、tert-ブチルリチウム(ペンタン中で1.7M, 1.32mL, 2.24mmol)を添加した。この混合物を-78℃で15分、続いて室温で3時間攪拌した。-30℃の10mLのエーテル中のアルデヒド241(100mg, 0.373mmol)を10分にわたって滴下して加えた。この混合物を0.5時間攪拌し、飽和MH4+Cl-水溶液を滴下添加して反応を停止させた。層を分離させ、水層をエーテルで抽出し(10mLで4回)、一緒にした有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)ろ過し、真空中で濃縮した。
残留物をシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc-ヘキサン)で精製し、243(119mg, 73%)を得た。
【0166】
実施例26:[4a'-メチル-(4'H,5'H,7'H)-スピロ[1,3-ジチオラン-2',2'-ナフタレン]-5'イル](3-トリイソプロピルヒドロキシフェニル)-メタノール(245)
5-ブロモ-1,2,3-トリメトキシ-ベンゼンを3-ブロモ-フェノキシ-トリイソプロピル-シランに置き換えたことを除いて実施例25の方法にしたがい[4a'-メチル-(4'H,5'H,7'H)-スピロ[1,3-ジチオラン-2',2'-ナフタレン]-5'イル](3-トリイソプロピルヒドロキシフェニル)-メタノール(245)を得た。
【0167】
実施例27:(3a,7a-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-[4a'-メチル-(4'H,5'H,7'H)-スピロ[1,3-ジチオラン-2',2'-ナフタレン]-5'イル]-メタノール(249)
5-ブロモ-1,2,3-トリメトキシ-ベンゼンを3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンに置き換えたことを除いて実施例26の方法にしたがい249を54%の収量で得た。
【0168】
実施例28:[4a'-メチル-(4'H,5'H,7'H)-スピロ[1,3-ジチオラン-2',2'-ナフタレン]-5'イル]-フェニル-メタノール(247)
アルデヒド241(200mg, 0.746mmol)を10mLのTHFに溶解し、-78℃に冷却した。フェニルマグネシウムブロミド(THF中に1M, 1.12mL, 1.12mmol)を前記溶液に滴下して加え、この混合物を2時間にわたって室温に温めた。続いて、前記反応混合物を0℃に冷却し、10mLの水で反応を停止させた。層を分離させ、水層をエーテルで抽出した(10mLで3回)。一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc-ヘキサン)による精製でアルコール247(240mg, 93%)が白色固体として得られた。
【0169】
実施例29:5-(ヒドロキシ-フェニル-メチル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-3H-ナフタレン-2-オン(251)
チオケタール245(100mg, 0.288mmol)を3mLのクロロホルムおよび1mLのメタノールに溶解した。3mLのメタノール中のHg(ClO4)2(253mg, 0.633mmol)の溶液を滴下して加えた。室温で5分攪拌した後、この混合物をろ過し、ロ液を5mLの飽和NaHCO3溶液で中和した。層を分離させ、有機層をクロロホルムで抽出した(5mLで3回)。一緒にした有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、アルミナおよびセライトパッドでろ過した。ろ液をCH2Cl2で洗浄し、溶媒を真空中で蒸発させて251(78mg, 73%)を白色固体として得た。1HNMR(CDCl3)δ1.42(s, 3H), 1.50-2.60(m, 11H), 5.13(d, J=4.0Hz, 1H), 5.70(s, 1H), 7.20-7.40(m, 5H); 13CNMR(CDCl3);C18H22O2の計算によるHR-MS:270.1619、計測値:270.1621。
【0170】
実施例30:5-[ヒドロキシ-(3,4,5-トリメチル-フェニル)-メチル]-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-3H-ナフタレン-2-オン(253)
チオケタール245をチオケタール243に置き換えたことを除いて実施例29の方法にしたがいケトン253を87%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.43(s, 3H), 1.50-2.70(m, 11H), 3.83(s, 3H), 3.86(s, 6H), 5.07(s, 1H), 5.73(s, 1H), 6.50(s, 2H); 13CNMR(CDCl3)195.66, 167.64, 149.51, 149.36, 137.56, 132.95, 120.19, 99.99, 98.56, 67.52, 57.09, 52.40, 52.27, 35.89, 32.56, 30.15, 29.76, 22.42, 15.67, 15.03;C21H28O5の計算によるHR-MS:360.1936、計測値:360.1935。
【0171】
実施例31:5-[(3a,7a-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-ヒドロキシ-メチル]-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-3H-ナフタレン-2-オン(255)
チオケタール245をチオケタール249に置き換えたことを除いて実施例29の方法にしたがいケトン255を87%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.43(s, 3H), 1.70-2.00(m, 6H), 2.15(d, J=5.6Hz, 1H), 2.20-2.65(m, 7H), 5.41(d, J=5.2Hz, 1H), 5.76(s, 1H), 7.18(s, 1H), 7.27-7.40(m, 2H), 7.76(d, J=7.6Hz, 1H), 7.91(d, J=8.0Hz, 1H); 13CNMR(CDCl3);C22H22O2Sの計算によるHR-MS:326.1341、計測値:326.1348。
【0172】
実施例32:5-[ヒドロキシ-(3-ヒドロキシ-フェニル)-メチル]-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-3H-ナフタレン-2-オン:84%(257)
チオケタール245をチオケタール247に置き換えたことを除いて実施例29の方法にしたがい、続いて実施例13にしたがって257(53.8mg, 84%)を白色固体として得た。
1HNMR(CDCl3)δ1.36(s, 3H), 1.40-2.80(m, 12H), 5.01(d, J=2.0Hz, 1H), 5.70(s, 1H),6.60-6.90(m, 2H), 7.15(t, J=8.0Hz, 1H), 7.62(s, 1H); 13CNMR(CDCl3);C18H22O3の計算によるHR-MS:286.1569、計測値:286.1570。
【0173】
実施例33:[1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[f]インダゾール-5-イル]-フェナントレン-9-イル-メタノール(259)
3-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンを9-ブロモフェナントレンに置き換えたことを除いて実施例11の方法にしたがい259を32%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.41(s, 3H), 1.80(m, 4H), 1.95(d, J=11.72Hz, 1H), 2,27(m, 1H), 2.42(m, 1H), 3.13(d, J=14.65Hz, 1H), 3.45(d, J=14.65Hz, 1H), 6.03(d, J=2.93, 1H), 6.12(d, J=1.95Hz, 1H), 7.15(t, J=8.79Hz, 2H), 7.47(dd, J=9.03, 4.64Hz, 2H), 7.59(s, 1H), 7.65(m, 4H), 7.94(d, J=7.32Hz, 1H), 8.02(s, 1H), 8.08(d, J=7.81Hz, 1H), 8.68(d, J=7.81Hz, 1H), 8.78(d, J=6.84Hz, 1H); 13CNMR(CDCl3)20.31, 20.38, 25.66, 33.32, 34.75, 42.62, 52.26, 69.15, 108.97, 113.82, 115.92, 116.14, 122.41, 123.27, 123.56, 125.01, 125.26, 125.34, 126.24, 126.61, 126.64, 126.84, 128.79, 129.24, 129.85, 130.74, 131.12, 135.84, 136.94, 137.97, 138.1, 151.08, 160.19
実施例34:4a-メチル-1-(3-フェニルエチニル-フェニル)-1-4,4a,6,7,8-ヘキサヒドロ-ベンゾ[f]インダゾール-5-オン(261)
4-フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロリドを(3-フェニルエチニル-フェニル)-ヒドラジンヒドロクロリドに置き換えたことを除いて実施例3の方法にしたがい261を26%の収量で2つの工程の間に得た。1HNMR(CDCl3)δ1.25(s, 3H), 1.68(m, 1H), 2.08(m, 1H),2.61(m, 4H), 2.90(d, J=2.93Hz, 2H), 6.38(d, J=1.47Hz, 1H), 7.35(m, 3H), 7.46(m,2H), 7.49(s, 1H), 7.51(s, 1H), 7.54(dd, J=6.59Hz, 3.17Hz, 2H), 7.66(s, 1H); 13CNMR(CDCl3)22.6, 23.2, 28.2, 31.5, 38.5, 50.6, 88.3, 90.3, 110.9, 114.3, 122.7, 123.2, 124.4, 126.2, 128.3, 128.5, 129.2, 130.1, 131.5, 135.8, 138.6, 139.6, 145.7, 212.5
化合物261はGR結合アッセイでIC50が174.4nMであった。
【0174】
実施例35:3-(4-フルオロ-フェニル)-8-ブロモ-11b-メチル-5,6,12-トリヒドロ-インダゾロ[5,6-a]カルバゾール(263)
4-フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロリドを4-ブロモ-フェニルヒドラジンヒドロクロリドに置き換えたことを除いて実施例3の方法にしたがい263を24%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.37(s, 3H), 2.65(m, 3H), 2.79(d, J=15.63Hz, 1H), 2.94(dd, J=13.18,3.91Hz, 1H), 3.00(d, J=15.14Hz, 1H), 6.40(s,1H), 7.14(d, J=3.42Hz, 1H), 7.17(d,J=3.42Hz, 1H), 7.22(m, 1H), 7.36(s,1H), 7.49(m, 3H), 7.61(d, J=1.95Hz, 1H), 8.28(s, 1H); 13CNMR(CDCl3)21.7, 24.7, 31.1, 33.4,37.7, 108.8, 110.7, 112.1, 112.5,114.4, 116.1, 116.3, 121.0, 124.2, 125.4, 125.4, 128.3, 128.6, 134.9, 135.5, 137.1, 137.9, 141.6, 147.5
実施例36:3-(4-フルオロ-フェニル)-8-メトキシ-11b-メチル-5,6,12-トリヒドロ-インダゾロ[5,6-a]カルバゾール(265)
4-フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロリドを4-メトキシ-フェニルヒドラジンヒドロクロリドに置き換えたことを除いて実施例3の方法にしたがい265を16.8%の収量で得た。1HNMR(CDCl3)δ1.39(s, 3H), 2.69(m, 3H), 2.82(d, J=15.14Hz, 1H), 2.99(m, 2H),3.86(s, 3H), 6.41(s,1H), 6.83(dd, J=8.79, 2.44Hz, 1H), 6.96(d, J=2.44Hz, 1H), 7.18(m, 2H), 7.22(d, J=8.79Hz, 1H), 7.51(m,3H), 7.88(s, 1H); 13CNMR(CDCl3)22.0, 24.8, 31.3, 33.6, 37.7, 56.0, 100.8, 109.1, 110.6, 111.4, 114.6, 116.0, 116.2, 125.3, 125.3, 127.2, 128.3, 131.3, 135.7, 135.8, 137.1, 138.0, 141.2, 147.9, 154.1, 160.3, 162.8
実施例37:3-(4-フルオロ-フェニル)-8-フルオロ-11b-メチル-5,6,12-トリヒドロ-インダゾロ[5,6-a]カルバゾール(267)
ディーン‐スタークトラップおよびコンデンサーを取り付けた50mLの丸底フラスコで、ケトン(205)(150mg, 0.51mmol)、4-フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロリド(91mg, 0.56mmol)および酢酸ナトリウム(46mg, 0.56mmol)の混合物を10mLの氷酢酸に溶解し、3時間100℃に加熱した。室温に冷却した後、溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(30%EtOAc/ベンゼン)で精製して(269)を得た(67.8mg, 34%)。1HNMR(CDCl3)δ1.40(s, 3H), 2.67(m, 3H), 2.84(d, J=15.14Hz, 1H), 2.95(t, J=4.88, 1H), 3.03(d, J=15.14Hz, 1H), 6.42(s,1H), 6.91(td, J=9.16, 2.69Hz, 1H), 7.13(dd, J=9.77, 2.44Hz, 1H), 7.19(t, J=8.30Hz, 2H), 7.24(dd, J=8.79, 4.39Hz, 1H), 7.50(t, J=4.39Hz, 2H), 7.53(s,1H), 7.93(s, 1H); 13CNMR(CDCl3)21.9, 24.8, 31.2, 33.6, 37.7, 103.4, 103.6, 109.5, 109.5, 109.8, 110.8, 111.2, 111.3, 114.4, 116.0, 116.3, 125.3, 125.4, 127.2, 127.3, 132.6, 137.0, 138.0, 142.2, 147.4, 156.7, 159.1, 160.3, 162.8
実施例38:6-アントラセン-9-イルメチレン-1-(4-フルオロ-フェニル)-4a-メチル-1,4,4a,6,7,8-ヘキサヒドロ-ベンゾ[f]インダゾール-5-オン(269)
100mLの丸底フラスコでアルデヒド(207)(100mg, 0.337mmol)およびアントラセン-9-カルボキシアルデヒド(349mg, 1.69mmol)を10mLのTHFに溶解し、0℃に冷却した。リチウムヘキサメチルジシリルアミド(LHMDS)(370μL, 0.370mmol)を滴下して加え、この溶液を室温で16時間攪拌した。反応を5mLの飽和塩化アンモニウム水溶液で停止させた。水層をエーテル(10mLで3回)で抽出し、一緒にした有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(0−25%EtOAc−ヘキサン)を実施して(269)(127.9mg, 78%)を得た。1HNMR(CDCl3)δ1.45(s, 3H), 2.19(m, 1H), 2.35(m, 2H), 2.47(m, 1H), 3.04(d, J=16.11Hz, 1H), 3.15(d, J=16.11Hz, 1H), 6.25(s, 1H), 7.13(t, J=8.55Hz, 2H), 7.47(m, 6H), 7.55(s, 1H), 7.87(m, 1H), 8.00(m, 3H), 8.39(s, 1H), 8.43(s, 1H); 13CNMR(CDCl3)23.5, 27.2, 29.7, 30.2, 49.4, 110.4, 114.0, 115.9, 116.1, 125.0, 125.1, 125.2, 125.3, 125.5, 126.1, 127.5, 128.8, 128.9, 128.9, 129.0, 129.7, 131.1, 131.1, 135.5, 135.7, 136.4, 138.5, 139.1, 145.2, 160.2, 162.6, 202.8
実施例39:化合物263、265、267および269の結合データ
実施例35から38の化合物のグルココルチコイドレセプター(GR)結合データの代表的な結果は、デキサメタゾンと比較して表2に示されている。
【0175】
【表2】

【0176】
実施例40:化合物221、223、227、229、231、235、237、238および259の結合データ
実施例11から13、18から22および33の化合物のグルココルチコイドレセプター(GR)結合データの代表的な結果は、デキサメタゾンおよび他の化合物と比較して表3から表5に示されている。
【0177】
【表3】

【0178】
【表4】

【0179】
1:コルチゾール 2:デキサメタゾン 3:アルドステロン
4:プロゲステロン 5:ジヒドロテストステロン(DHT)
【0180】
【表5】

【0181】
実施例41:グルココルチコイドレセプター結合アッセイ、組織培養、トランスフェクションおよびルシフェラーゼアッセイ
リガンド結合実験のためにグルココルチコイドレセプターコンペティターアッセイキット(Panvera Corp, Madison, WI)を用いた。全ての被検リガンドについて推奨の室温プロトコルにしたがった。
【0182】
GR(ヒト、pSG5骨格)、AP1-Luc(ショウジョウバエルシフェラーゼ遺伝子の上流の合成AP1レスポンスエレメント)、TAT3-Luc(ショウジョウバエルシフェラーゼ遺伝子の上流のチロシンアミノトランスフェラーゼグルココルチコイドレスポンスエレメントの3コピー)、β-ガラクトシダーゼ(トランスフェクションのコントロールのために使用)のためのプラスミド、並びに2つの安定なトランスフェクション細胞株(A549(ヒト、肺癌)細胞株およびU2OS(ヒト、骨肉腫))はProfessor Keith Yamamoto(Department of Biochemistry, Univ. of California, San Francisco)から提供された。A549細胞株は、ショウジョウバエルシフェラーゼ遺伝子の上流のκBレセプターレスポンスエレメントが安定にトランスフェクトされ(R.M. Nissen et al., Genes Dev., 14(18):2314-29, 2000)、U2OSはラットGRが安定にトランスフェクトされている(I. Rogatsky et al., Mol. Cell. Biol., 17:3181-3193, 1997)。
【0183】
TAT3活性化アッセイのためには、CV-1細胞を0.1μmでろ過したDME(4.5g/Lグルコース、0.584g/LのL-グルタミン、3.7g/L炭酸水素ナトリウム、100g/L硫酸ストレプトマイシン、100ユニット/mLのペニシリンGおよび5%ウシ胎児血清を補充)で増殖させた。組織培養処理された96ウェルの平底プレート(25000細胞/ウェル)を得るように細胞を播種し、37℃で12時間インキュベートした。続いて、リポフェクタミンPLUSトランスフェクション試薬(Gibco BRL)を用いて細胞にトランスフェクトした。50μL/ウェル血清非含有培養液中の5ngのGR、50ngのTAT3-Luc、7.5ngのβ-ガラクトシダーゼの各DNA-脂質複合物、1μL/ウェルのPLUS試薬および0.67μL/ウェルのリポフェクタミンを細胞に添加し、37℃で4時間インキュベートした。複合物を除去し、5%の木炭吸着処理FBSで希釈したホルモンを前記細胞に添加した。前記を続いて37℃で24時間インキュベートした。培養液を除去し、細胞を100μLのCa2+およびMg2+を含まないリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した。50μLのパッシブリシスバッファー(Passive Lysis Buffer, Promega Corp, Madison, WI)を添加し、さらに15分プレートを振盪して溶解を達成させた。前記の溶解物15μLを用いてβ-ガラクトシダーゼ活性を調べた(β-ガラクトシダーゼ酵素アッセイ系(Promega Corp.)、 推奨された手順にしたがった)。ルシフェラーゼアッセイ系(Promega Corp.)を用いてルシフェラーゼ活性を調べた。100μLのルシフェラーゼアッセイ試薬を前記プレートに迅速に添加し、ルミネッセンスはアナリストAD検出系(LJL Biosystems, Sunnyvale,CA)で測定した(10ms/ウェル)。
【0184】
AP1抑制アッセイのためには、ラットGRを安定的にトランスフェクトされたU2OS細胞を、FBS濃度を除いてCV-1細胞の場合と同様な培養液で増殖させた(FBS濃度は10%で抗生物質のみが350μg/mLであった)。細胞を平板培養し、同様な態様でトランスフェクトした。ただしこの場合プラスミドは50ng/ウェルのAP1-Lucおよび10ng/ウェルのβ-ガラクトシダーゼであった。トランスフェクション後、50ng/mLのTPA(フォルボル12-ミリステート13-アセテート)または50ng/mLのTPAのどちらかおよび種々のホルモン希釈液(10%木炭処理FBS培養液中)と一緒に細胞をインキュベートした。細胞を12時間インキュベートし、溶解、β-ガラクトシダーゼアッセイおよびルシフェラーゼアッセイを上記に記載したように実施した。
【0185】
NF-κB抑制アッセイのためには、ルスフェラーゼレポーターを安定的にトランスフェクトされたA549細胞をCV-1細胞と同じ条件下で増殖させた。50000細胞/ウェルで96ウェルプレートに播種し、12時間37℃でインキュベートした。続いて、TNF-α単独または培養液中の種々のホルモン希釈物と混合したものを前記細胞に添加し、これを8時間インキュベートした。溶解およびルシフェラーゼアッセイの手順は上記で述べたように実施した。この事例ではタンパク質含有量をコントロールとして利用し、BCAタンパク質アッセイキット(roche)の推奨使用手順にしたがった。
【0186】
本発明の化合物はグルココルチコイドレセプターに対して顕著な結合親和性を有していた(1.0μMより大)。トランスアクチベーションのデータは、本発明の化合物はグルココルチコイドレセプターの種々のレスポンス成分を選択的に解離させることができることを示した。
【0187】
最後に、本発明の実施には多様な選択肢が存在することは特記されるべきである。したがって、本実施例は例示的であって制限的ではなく、本発明はここに示した詳細な事柄に限定されず、添付の請求の範囲内で変更、改変することができると解されねばならない。
【0188】
本明細書に引用した全ての特許および他の刊行物は参照によりその完全な内容が本明細書に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式の化合物または医薬的に利用可能なその塩、溶媒和物または水和物。
【化1】

(式中、A、BおよびCはそれぞれ独立に炭素、窒素、酸素または硫黄であるが、ただしA、BおよびCの少なくとも1つは窒素、酸素または硫黄であり、さらにA、BおよびCの2つ以上が酸素または硫黄であることはなく、
Wは炭素、酸素、窒素または硫黄であり、Wが炭素および窒素以外のものであるときは、Wの正規の原子価が維持するようR8、R9およびR10の1つまたは2つ以上は存在せず、
R1は水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキルもしくは置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルもしくは置換ヘテロアリールアルキルであり、
R2、R3、R5、R6、R6'およびR7はそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシであり;
R2'、R3'、R5'、R7'およびR8は存在しないか、またはそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシであり;
R4は存在しないか、または水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
R9は水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヒドロキシであるか、または存在せず;
R10は水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、または存在せず;
R10およびR2は互いに直接結合して1つの環を形成することができ、ベンゼン環などのさらに別の環がR10およびR2間の結合と縮合していてもよく、前記別の環はそれ自体アルキル、アルコキシ、ハロ、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルで置換されていてもよく、さらに
R11およびR12は、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アシルアミノ、置換アシルアミノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、置換ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、置換アルキルスルフィニル、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシであり、
一本線および点線で示されている式(I)中の結合の1つは二重結合であるが、ただし環内原子の正規の原子価の要件が満たされることを条件とする)。
【請求項2】
A、BおよびCが炭素または窒素である請求項1の化合物。
【請求項3】
Aが炭素であり、BおよびCが窒素である請求項2の化合物。
【請求項4】
R1およびR4が、それぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、カルバモイル、置換カルバモイル、ヘテロアルキルおよび置換ヘテロアリールアルキルである請求項1の化合物。
【請求項5】
R1およびR4が、それぞれ独立に水素、アルカニルまたは置換アルカニルである請求項1の化合物。
【請求項6】
R1およびR4が、それぞれ独立に水素またはメチルである請求項1の化合物。
【請求項7】
R2、R3、R5、R6、R6'およびR7がそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシ
ル、置換アシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルまたはヒドロキシである請求項1の化合物。
【請求項8】
R2、R2'、R3、R5、R6、R6'、R7およびR8がそれぞれ独立に水素、アルカニルまたは置換アルカニルである請求項1の化合物。
【請求項9】
R2、R2'、R3、R5、R6、R6'、R7およびR8が水素、アルカニルまたはメチルである請求項1の化合物。
【請求項10】
R4およびR5'が存在しない請求項1の化合物。
【請求項11】
R4およびR7'が存在しない請求項1の化合物。
【請求項12】
R3'およびR7'が存在しない請求項1の化合物。
【請求項13】
R3'、R5'およびR7'がそれぞれ独立に水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキルまたはヒドロキシである請求項1の化合物。
【請求項14】
R3'、R5'およびR7'がそれぞれ独立に水素、アルカニルまたは置換アルカニルである請求項1の化合物。
【請求項15】
R3'、R5'およびR7'が水素またはメチルである請求項1の化合物。
【請求項16】
R9が水素、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロ、オキソ、チオ、ヒドロキシであるか、または存在しない請求項1の化合物。
【請求項17】
R9がアルコキシ、オキソまたはヒドロキシである請求項1の化合物。
【請求項18】
R10が水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換へテロアリールアルキルであるか、または存在しない請求項1の化合物。
【請求項19】
R10がアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである請求項1の化合物。
【請求項20】
R11およびR12がそれぞれ独立に水素、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、カルバモイル、カルボキシ、シアノ、ハロ、オキソ、チオ、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシである請求項1の化合物。
【請求項21】
R11およびR12がそれぞれ独立に水素、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、オキソ、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルまたはヒドロキシである請求項1の化合物。
【請求項22】
R11およびR12がそれぞれ独立に水素、アリールまたは置換アリールである請求項1の化合物。
【請求項23】
R1、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8が水素、アルキルまたはアリールアルキルであり、さらにR4およびR5'が存在しない請求項1の化合物。
【請求項24】
R1がメチルであり、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8が水素であり、さらにR4およびR5'が存在しない請求項1の化合物。
【請求項25】
R9がアルコキシ、オキソまたはヒドロキシである請求項23または24の化合物。
【請求項26】
R10がアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである請求項23または24の化合物。
【請求項27】
Aが炭素であり、BおよびCが窒素であり、R11が水素であり、さらにR12がアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである請求項23または24の化合物。
【請求項28】
R1がメチルであり、R2、R2'、R3、R3'、R5、R6、R6'、R7、R7'およびR8が水素であり、R4およびR5'が存在せず、R9がアルコキシ、オキソまたはヒドロキシであり、R10がアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、Aが炭素であり、BおよびCが窒素であり、R11が水素であり、さらにR12がアリール、置換アリール、ヘテロ
アリールまたは置換ヘテロアリールである請求項1の化合物。
【請求項29】
R9がヒドロキシであり、さらにR10が下記式である請求項36の化合物:
【化2】

【請求項30】
肥満、糖尿病、不安、抑うつ、神経変性または炎症性疾患を治療または予防する方法であって、前記の治療または予防を必要とする患者に請求項1に記載の化合物の治療的に有効な量を投与することを含む前記方法。
【請求項31】
請求項1の化合物を含む組成物。
【請求項32】
肥満、糖尿病、不安、抑うつ、神経変性または炎症性疾患を治療または予防する方法であって、前記の治療または予防を必要とする患者に請求項31に記載の組成物の治療的に有効な量を投与することを含む前記方法。
【請求項33】
患者のグルココルチコイドレセプターの活性化、抑制、アゴニズムおよびアンタゴニズム作用を選択的に調節する方法であって、前記患者に請求項31に記載の組成物の治療的に有効な量を投与することを含む前記方法。
【請求項34】
患者のグルココルチコイドレセプターの活性化、抑制、アゴニズムおよびアンタゴニズム作用を選択的に調節する方法であって、前記患者に請求項1に記載の化合物の治療的に
有効な量を投与することを含む前記方法。
【請求項35】
肥満、糖尿病、不安、抑うつ、神経変性または炎症性疾患の治療を必要とする患者で前記疾病を治療または予防することを目的とする請求項1の化合物を含む組成物。
【請求項36】
グルココルチコイドレセプターのアンタゴニストである請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
グルココルチコイドレセプターのアゴニストである請求項1に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−132672(P2010−132672A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−6117(P2010−6117)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【分割の表示】特願2003−561595(P2003−561595)の分割
【原出願日】平成15年1月22日(2003.1.22)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】