説明

グロープラグの取付構造、閉塞部材付きグロープラグ、及び、グロープラグ用閉塞部材

【課題】 環状溝の内部及び雌ネジと雄ネジ部との間に、液体や固体が進入するのを防止することができるグロープラグの取付構造、閉塞部材付きグロープラグ、及び、グロープラグ用閉塞部材を提供する。
【解決手段】 グロープラグ取付孔81を構成する壁面は、雌ネジ83の後端側に隣接して軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径すると共にグロープラグ20の外周面との間に環状溝を形成する環状のテーパ面を含む。グロープラグ20を挿通させた挿通孔51を有する閉塞部材50が、グロープラグ20の工具係合部25よりも軸線方向の先端側の位置で、環状溝87を閉塞して封止している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グロープラグの取付構造、閉塞部材付きグロープラグ、及び、グロープラグ用閉塞部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの燃焼室内を予熱するグロープラグとして、先端側に位置して通電により発熱する発熱部と、この発熱部よりも後端側に位置する雄ネジ部と、この雄ネジ部よりも後端側に位置する工具係合部であってグロープラグをエンジンに着脱するための工具を係合させる工具係合部とを備えると共に、軸線方向に延びるものが知られている。
【0003】
このグロープラグは、エンジンに形成されたグロープラグ取付孔の雌ネジに、当該グロープラグの雄ネジ部を螺合することによって、エンジンに取り付けられて用いられる(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−190659号公報
【特許文献2】特開2004−108308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
グロープラグ取付孔を構成する壁面には、上記雌ネジの後端側に隣接して、上記軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径する環状のテーパ面を形成しておくことがある。このようなテーパ面を設けておくことで、グロープラグを、グロープラグ取付孔の雌ネジに装着(螺挿)しやすくなる。このようなテーパ面を有するグロープラグ取付孔にグロープラグを取り付けた場合、テーパ面とグロープラグの外周面とによって、グロープラグの周囲に環状溝が形成される。
【0006】
ところが、上述のようなグロープラグの取付構造の場合、上記環状溝が後端側に露出した状態となる。このため、後端側から、オイルや水等の液体や金属粉や埃などの異物(固体)が、環状溝の内部に進入し、さらには雌ネジと雄ネジ部との間にも進入することがあった。その結果、電蝕等によりグロープラグが環状溝や雌ネジに固着してしまうことがあった。これにより、グロープラグの取り外しが困難になることがあった。
【0007】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、環状溝の内部及び雌ネジと雄ネジ部との間に、液体や固体が進入するのを防止することができるグロープラグの取付構造、閉塞部材付きグロープラグ、及び、グロープラグ用閉塞部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、先端側に位置し、通電により発熱する発熱部と、上記発熱部よりも後端側に位置する雄ネジ部と、上記雄ネジ部よりも後端側に位置する工具係合部と、を備えると共に軸線方向に延びるグロープラグが、エンジンのグロープラグ取付孔の雌ネジに上記雄ネジ部を螺合させて、上記エンジンに取り付けられたグロープラグの取付構造において、上記グロープラグ取付孔を構成する壁面は、上記雌ネジの後端側に隣接して上記軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径すると共に上記グロープラグの外周面との間に環状溝を形成する環状のテーパ面を含み、上記グロープラグを挿通させた挿通孔を有する閉塞部材が、上記工具係合部よりも上記軸線方向の先端側の位置で上記環状溝を閉塞して封止してなるグロープラグの取付構造である。
【0009】
上述のグロープラグの取付構造では、グロープラグを挿通させた挿通孔を有する閉塞部材が、グロープラグの工具係合部よりも軸線方向の先端側の位置で、グロープラグ取付孔を構成するテーパ面とグロープラグの外周面とによって形成された環状溝を閉塞して封止している。これにより、環状溝及び雌ネジ孔の内部に、液体(オイルや水など)や固体(金属粉や埃などの異物)が進入するのを防止することができる。その結果、電蝕等によりグロープラグが環状溝や雌ネジに固着して、グロープラグの取り外しが困難になる不具合を防止することができる。
【0010】
なお、閉塞部材の「挿通孔」としては、例えば、グロープラグの雄ネジ部が螺合して挿通する(螺挿する)雌ネジ孔を挙げることができる。また、「挿通孔」を、グロープラグの雄ネジ部の外径よりも径大で、かつ、グロープラグの工具係合部の外径よりも小径の貫通孔(バカ孔)としても良い。また、「エンジン」とは、単に燃焼室を構成するエンジンブロックやシリンダヘッドのみを意味するのではなく、ヘッドカバー等を含めた「エンジン構成部品」を含むものである。
【0011】
さらに、上記のグロープラグの取付構造であって、前記閉塞部材は、前記グロープラグの前記軸線の周り全周にわたって上記グロープラグの外面に隙間無く密着する環状の第1シール面と、上記第1シール面よりも先端側で、上記グロープラグの上記軸線の周り全周に位置する環状の第2シール面であって、上記閉塞部材が上記第1シール面を通じて上記グロープラグから先端側に力を受けることにより、上記グロープラグの上記軸線の周り全周にわたって、前記エンジンの壁面のうち後端側を向く後方向き壁面に隙間無く密着する第2シール面と、を有するグロープラグの取付構造とすると良い。
【0012】
上述のグロープラグの取付構造では、閉塞部材の第1シール面が、グロープラグの軸線周り全体(全周)にわたってグロープラグの外面に密着することによって、グロープラグと閉塞部材との間を確実に封止することができる。これと共に、閉塞部材の第2シール面が、グロープラグの軸線の周り全周にわたって、エンジンの壁面のうち後端側(向きを先端側または後端側の2方向のいずれかで考えたときの後端側)を向く面(後方向き壁面)に密着することで、エンジンと閉塞部材との間を確実に封止することができる。これにより、グロープラグと閉塞部材との間を通じて、あるいは、エンジンと閉塞部材との間を通じて、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを防止することができる。
【0013】
なお、第1シール面が密着するグロープラグの外面としては、例えば、工具係合部のうち先端側を向く環状の面や、グロープラグの雄ネジ部のうちグロープラグ取付孔の雌ネジ孔よりも後端側に位置する部位(その一部)の外周面(雌ネジを形成する面)などを挙げることができる。
【0014】
また、第2シール面が密着するエンジンの壁面(後方向き壁面)としては、例えば、グロープラグ取付孔を構成する前記テーパ面(雌ネジに対し後端側に隣接する面)や、このテーパ面により構成されるテーパ孔の後端側開口の周囲に位置するテーパ孔周囲面などが挙げられる。テーパ面よりも後端側にグロープラグ取付孔を構成する壁面が存在しない場合(グロープラグ取付孔を構成する壁面のうち最も後端側に位置する面が上記テーパ面である場合)、上記テーパ面または上記テーパ孔周囲面に第2シール面を密着させることで、閉塞部材によってグロープラグ取付孔を閉塞(封止)することができる。
【0015】
また、エンジンが、グロープラグ取付孔として、上記テーパ孔周囲面から上記グロープラグの後端側に延びる筒状孔であって、グロープラグ取付孔の最も後端側に位置する筒状孔を有している場合は、この筒状孔の開口の周囲に位置する筒状孔周囲面(グロープラグ取付孔の後端側開口の周囲面でもある)に、閉塞部材の第2シール面を密着させて、閉塞部材によってグロープラグ取付孔を閉塞(封止)するようにしても良い。
【0016】
さらに、上記のグロープラグの取付構造であって、前記閉塞部材は、前記第1シール面と前記第2シール面との間に、前記軸線方向に弾性変形する弾性変形部を有し、上記弾性変形部が、上記第1シール面を通じて前記グロープラグから前記先端側に力を受けることによって上記軸線方向に弾性的に圧縮され、その反力によって、上記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着してなるグロープラグの取付構造とすると良い。
【0017】
上述のグロープラグの取付構造では、閉塞部材の弾性変形部の圧縮による反力によって、第2シール面が、エンジンとの間を確実に封止することとなる。従って、エンジンと閉塞部材との間を通じて、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを確実に防止することができる。
【0018】
なお、「弾性変形部」は、閉塞部材の一部であっても良いし、閉塞部材全体(閉塞部材全体が弾性体)であっても良い。
【0019】
さらに、上記いずれかのグロープラグの取付構造であって、前記工具係合部は、先端側を向く環状面を有し、前記第1シール面が、上記環状面に密着した状態で上記工具係合部から先端側に力を受けることにより、前記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着してなるグロープラグの取付構造とすると良い。
【0020】
上述のグロープラグの取付構造にかかるグロープラグでは、工具係合部が、例えば、自身よりも先端側に位置する部位と比較して径大に膨出する形態(例えば六角柱形状)をなし、先端側を向く環状面を有する。この環状面は、軸線方向の先端側を向く平坦面に限らず、例えば、テーパ状の面(軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径または縮径する面)であっても良く、向きを先端側または後端側の2方向のいずれかで考えたときの先端側を向く面であれば良い。
【0021】
上述のグロープラグの取付構造では、この先端側を向く環状面に対し第1シール面が密着した状態で、工具係合部から先端側への力を受ける。これより、第2シール面が、エンジンの後方向き壁面に密着し、封止を確実なものとする。従って、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを確実に防止することができる。
【0022】
さらに、上記いずれかのグロープラグの取付構造であって、前記閉塞部材の前記第2シール面は、上記閉塞部材の外周面をなし、前記グロープラグ取付孔を構成する前記テーパ面と同一の傾斜角で前記後端側に向かうにしたがって拡径するテーパ状のシール面であり、上記閉塞部材のうち外周に上記第2シール面を有する部位が、前記環状溝内に挿入される形態で、上記閉塞部材によって上記環状溝が閉塞されると共に、上記第2シール面が上記テーパ面に密着してなるグロープラグの取付構造とするのが好ましい。
【0023】
上述のグロープラグの取付構造では、閉塞部材の第2シール面が、閉塞部材の外周面をなし、グロープラグ取付孔を構成する前記テーパ面と同一の傾斜角で後端側に向かうにしたがって拡径するテーパ状のシール面となっている。そして、閉塞部材のうち外周に第2シール面を有する部位が、前記環状溝内に挿入される形態で、閉塞部材によって環状溝が閉塞されると共に、第2シール面がテーパ面に密着している。このような取付構造によれば、環状溝をより確実に封止することができ、液体や固体が環状溝内に進入するのを、より確実に防止することができる。
【0024】
本発明の他の態様は、先端側に位置し、通電により発熱する発熱部、上記発熱部よりも後端側に位置する雄ネジ部、及び、上記雄ネジ部よりも後端側に位置する工具係合部、を有すると共に軸線方向に延び、エンジンのグロープラグ取付孔の雌ネジに上記雄ネジ部を螺合させて上記エンジンに取り付け可能とされたグロープラグと、上記グロープラグを挿通させた挿通孔を有し、上記工具係合部よりも上記軸線方向の先端側の位置に配置された閉塞部材と、を備える閉塞部材付きグロープラグであって、上記雌ネジの後端側に隣接して上記軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径すると共に上記グロープラグの外周面との間に環状溝を形成する環状のテーパ面、を含む上記グロープラグ取付孔に、当該閉塞部材付きグロープラグを取り付けた状態において、上記閉塞部材が、上記環状溝を閉塞して封止する形態を有する閉塞部材付きグロープラグである。
【0025】
上述の閉塞部材付きグロープラグは、エンジンのグロープラグ取付孔の雌ネジに自身の雄ネジ部を螺合させて、自身をエンジンに取り付けた状態において、閉塞部材によって、テーパ面とグロープラグの外周面とによって形成された環状溝を閉塞して封止することができる。
このため、環状溝の内部及び雌ネジと雄ネジ部との間に、液体や固体が進入するのを防止することができる。その結果、電蝕等によりグロープラグが環状溝や雌ネジに固着して、グロープラグの取り外しが困難になる不具合を防止することができる。
【0026】
さらに、上記の閉塞部材付きグロープラグであって、前記閉塞部材は、上記閉塞部材付きグロープラグを前記エンジンに取り付けた状態において、前記グロープラグの前記軸線の周り全周にわたって上記グロープラグの外面に隙間無く密着する環状の第1シール面と、上記第1シール面よりも前記先端側で、上記グロープラグの上記軸線の周り全周に位置する環状の第2シール面であって、上記閉塞部材付きグロープラグを前記エンジンに取り付けた状態において、上記閉塞部材が上記第1シール面を通じて上記グロープラグから前記先端側に力を受けることにより、上記グロープラグの上記軸線の周り全周にわたって、上記エンジンの壁面のうち前記後端側を向く後方向き壁面に密着する第2シール面と、を有する閉塞部材付きグロープラグとすると良い。
【0027】
上述の閉塞部材付きグロープラグをエンジンに取り付けると、閉塞部材の第1シール面が、グロープラグの軸線周り全体(全周)にわたってグロープラグの外面に密着することにより、グロープラグと閉塞部材との間を確実に封止することができる。これと共に、閉塞部材の第2シール面が、グロープラグの軸線の周り全周にわたって、エンジンの壁面のうち後端側を向く面(後方向き壁面)に密着することで、エンジンと閉塞部材との間を確実に封止することができる。これにより、グロープラグと閉塞部材との間を通じて、あるいは、エンジンと閉塞部材との間を通じて、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを防止することができる。
【0028】
さらに、上記の閉塞部材付きグロープラグであって、前記閉塞部材は、前記第1シール面と前記第2シール面との間に、前記軸線方向に弾性変形する弾性変形部を有し、上記閉塞部材付きグロープラグは、自身を前記エンジンに取り付けた状態において、上記弾性変形部が、上記第1シール面を通じて前記グロープラグから前記先端側に力を受けることによって上記軸線方向に弾性的に圧縮され、その反力によって、上記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有する閉塞部材付きグロープラグとすると良い。
【0029】
上述の閉塞部材付きグロープラグをエンジンに取り付けると、閉塞部材の弾性変形部の圧縮反力によって、第2シール面が、エンジンとの間を確実に封止することとなる。従って、エンジンと閉塞部材との間を通じて、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを確実に防止することができる。
なお、「弾性変形部」は、閉塞部材の一部であっても良いし、閉塞部材全体(閉塞部材全体が弾性体)であっても良い。
【0030】
さらに、上記いずれかの閉塞部材付きグロープラグであって、前記工具係合部は、先端側を向く環状面を有し、上記閉塞部材付きグロープラグは、自身を前記エンジンに取り付けたとき、前記第1シール面が、上記環状面に密着した状態で上記工具係合部から上記先端側に力を受けることにより、前記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有する閉塞部材付きグロープラグとすると良い。
【0031】
上述の閉塞部材付きグロープラグをエンジンに取り付けることで、第1シール面が、工具係合部のうち先端側を向く環状面に密着した状態で、工具係合部から先端側への力を受ける。これにより、第2シール面が、エンジンの後方向き壁面に密着し、封止を確実なものとする。これにより、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを確実に防止することができる。
【0032】
さらに、上記いずれかの閉塞部材付きグロープラグであって、前記閉塞部材の前記第2シール面は、上記閉塞部材の外周面をなし、前記グロープラグ取付孔を構成する前記テーパ面と同一の傾斜角で前記後端側に向かうにしたがって拡径するテーパ状のシール面であり、上記閉塞部材付きグロープラグは、自身を前記エンジンに取り付けたとき、上記閉塞部材のうち外周に上記第2シール面を有する部位が、前記環状溝内に挿入される形態で、上記閉塞部材によって上記環状溝が閉塞されると共に、上記第2シール面が上記テーパ面に密着する形態を有する閉塞部材付きグロープラグとするのが好ましい。
【0033】
上述の閉塞部材付きグロープラグをエンジンに取り付けると、閉塞部材のうち外周に第2シール面を有する部位が、前記環状溝内に挿入される形態で、閉塞部材によって環状溝が閉塞されると共に、第2シール面がテーパ面に密着する。これにより、環状溝をより確実に封止することができ、液体や固体が環状溝内に進入するのを、より確実に防止することができる。
【0034】
さらに、本発明の他の態様は、先端側に位置して通電により発熱する発熱部、上記発熱部よりも後端側に位置する雄ネジ部、及び、上記雄ネジ部よりも上記後端側に位置する工具係合部、を有すると共に軸線方向に延び、エンジンのグロープラグ取付孔の雌ネジに上記雄ネジ部を螺合させて上記エンジンに取り付け可能とされたグロープラグ、に装着するグロープラグ用閉塞部材であって、上記グロープラグが挿通する挿通孔を有し、上記工具係合部よりも上記軸線方向の先端側の位置で上記グロープラグの周囲に配置可能とされてなり、上記雌ネジの後端側に隣接して上記軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径すると共に上記グロープラグの外周面との間に環状溝を形成する環状のテーパ面、を含む上記グロープラグ取付孔に、当該閉塞部材を装着した上記グロープラグを取り付けたとき、当該閉塞部材が上記環状溝を閉塞して封止する形態を有するグロープラグ用閉塞部材である。
【0035】
上述のグロープラグ用閉塞部材は、自身を装着したグロープラグをエンジンに取り付けたとき、当該閉塞部材によって、テーパ面とグロープラグの外周面とによって形成された環状溝を閉塞して封止する。
このため、環状溝の内部及び雌ネジと雄ネジ部との間に、液体や固体が進入するのを防止することができる。従って、電蝕等によりグロープラグが環状溝や雌ネジに固着して、グロープラグの取り外しが困難になる不具合を防止することができる。
【0036】
さらに、上記のグロープラグ用閉塞部材であって、上記閉塞部材を装着した前記グロープラグを前記エンジンに取り付けたとき、前記グロープラグの前記軸線の周り全周にわたって上記グロープラグの外面に隙間無く密着する環状の第1シール面と、上記閉塞部材を装着した上記グロープラグを上記エンジンに取り付けたとき、上記第1シール面よりも前記先端側で、上記グロープラグの上記軸線の周り全周に位置する環状の第2シール面であって、上記閉塞部材が上記第1シール面を通じて上記グロープラグから前記先端側に力を受けることにより、上記グロープラグの上記軸線の周り全周にわたって、上記エンジンの壁面のうち前記後端側を向く後方向き壁面に隙間無く密着する第2シール面と、を有するグロープラグ用閉塞部材とすると良い。
【0037】
上述の閉塞部材を装着したグロープラグをエンジンに取り付けると、閉塞部材の第1シール面が、グロープラグの軸線周り全体(全周)にわたってグロープラグの外面に密着することにより、グロープラグと閉塞部材との間を確実に封止することができる。これと共に、閉塞部材の第2シール面が、グロープラグの軸線の周り全周にわたって、エンジンの壁面のうち後端側を向く面(後方向き壁面)に密着することで、エンジンと閉塞部材との間を確実に封止することができる。これにより、グロープラグと閉塞部材との間を通じて、あるいは、エンジンと閉塞部材との間を通じて、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを防止することができる。
【0038】
さらに、上記のグロープラグ用閉塞部材であって、前記第1シール面と前記第2シール面との間に、前記軸線方向に弾性変形する弾性変形部を有し、上記閉塞部材は、自身を装着した前記グロープラグを前記エンジンに取り付けたときに、上記弾性変形部が、上記第1シール面を通じて前記グロープラグから前記先端側に力を受けることによって上記軸線方向に弾性的に圧縮され、その反力によって、上記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有するグロープラグ用閉塞部材とすると良い。
【0039】
上述の閉塞部材を装着したグロープラグをエンジンに取り付けると、閉塞部材の弾性変形部の圧縮による反力によって、第2シール面が、エンジンとの間を確実に封止することとなる。従って、エンジンと閉塞部材との間を通じて、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを確実に防止することができる。
なお、閉塞部材の一部が「弾性変形部」であっても良いし、閉塞部材全体が「弾性変形部」(閉塞部材全体が弾性体)であっても良い。
【0040】
さらに、上記いずれかのグロープラグ用閉塞部材であって、上記閉塞部材は、自身を装着した前記グロープラグを前記エンジンに取り付けたときに、前記第1シール面が、前記工具係合部のうち前記先端側を向く環状面に密着した状態で、上記工具係合部から上記先端側に力を受けることにより、前記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有するグロープラグ用閉塞部材とすると良い。
【0041】
上述の閉塞部材を装着したグロープラグをエンジンに取り付けることで、第1シール面が、工具係合部のうち先端側を向く環状面に密着した状態で、工具係合部から先端側(グロープラグの先端側)に力を受ける。これにより、第2シール面が、エンジンの後方向き壁面に密着し、封止を確実なものとする。これにより、液体や固体が環状溝の内部に進入するのを確実に防止することができる。
【0042】
さらに、上記いずれかのグロープラグ用閉塞部材であって、前記第2シール面は、上記閉塞部材の外周面をなし、前記グロープラグ取付孔を構成する前記テーパ面と同一の傾斜角で前記後端側に向かうにしたがって拡径するテーパ状のシール面であり、上記閉塞部材は、自身を装着した前記グロープラグを前記エンジンに取り付けたときに、当該閉塞部材のうち外周に上記第2シール面を有する部位が、前記環状溝内に挿入される形態で、当該閉塞部材によって上記環状溝が閉塞されると共に、上記第2シール面が上記テーパ面に密着する形態を有するグロープラグ用閉塞部材とするのが好ましい。
【0043】
上述の閉塞部材を装着したグロープラグをエンジンに取り付けると、閉塞部材のうち外周に第2シール面を有する部位が、前記環状溝内に挿入される形態で、閉塞部材によって環状溝が閉塞されると共に、第2シール面がテーパ面に密着する。これにより、環状溝をより確実に封止することができ、液体や固体が環状溝内に進入するのを、より確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。
【図2】実施例1,3にかかる閉塞部材付きグロープラグの側面図である。
【図3】実施例1,3にかかるグロープラグの側面図である。
【図4】実施例1にかかるエンジン(シリンダヘッド)の部分断面図である。
【図5】実施例1,3にかかるグロープラグ用閉塞部材の平面図である。
【図6】同グロープラグ用閉塞部材の断面図であり、図5のB−B断面図に相当する。
【図7】実施例2にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。
【図8】実施例2にかかる閉塞部材付きグロープラグの側面図である。
【図9】実施例2にかかるグロープラグの側面図である。
【図10】実施例2にかかるエンジン(シリンダヘッド)の部分拡大断面図である。
【図11】実施例2にかかるグロープラグ用閉塞部材の平面図である。
【図12】同グロープラグ用閉塞部材の断面図であり、図11のC−C断面図に相当する。
【図13】実施例3にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。
【図14】実施例3にかかるエンジン(シリンダヘッド)の部分拡大断面図である。
【図15】実施例4にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。
【図16】実施例5にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。
【図17】実施例5にかかるグロープラグ用閉塞部材の平面図である。
【図18】同グロープラグ用閉塞部材の断面図であり、図17のD−D断面図に相当する。
【図19】従来のグロープラグの取付構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(実施例1)
図1は、実施例1にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。なお、図1では、エンジン80(シリンダヘッド80B)及びグロープラグ用閉塞部材50(以下、単に閉塞部材50ともいう)を断面図で示し、グロープラグ20は側面図で示している。また、図1では、軸線方向(軸線AXに沿った方向)を上下方向に一致させて図示しているが、実際は、軸線方向は、図4に示すように斜めに傾いた方向である。本実施例1の閉塞部材付きグロープラグ10は、グロープラグ20と閉塞部材50とにより構成されている。
【0046】
エンジン80のシリンダヘッド80Bには、図4にその一部を示すように、グロープラグ取付孔81が形成されている。このグロープラグ取付孔81は、軸線方向(軸線AXに沿った方向)に延びる形態をなし、雌ネジ83を有している。この雌ネジ83は、グロープラグ20の雄ネジ部23が螺合する形態をなしている。
【0047】
グロープラグ取付孔81を構成する壁面89は、雌ネジ83に対し後端側(図1において上側)に隣接して、後端側を向くテーパ面85を含んでいる。このテーパ面85は、後端側に向かうにしたがって拡径する環状のテーパ面である。
【0048】
閉塞部材付きグロープラグ10は、図2に示すように、グロープラグ20と閉塞部材50とを有している。このうち、グロープラグ20は、図3に示すように、軸線方向(軸線AXが延びる方向、図3において上下方向)に延びる形態をなしている。
【0049】
このグロープラグ20は、先端側(図3において下端側)に位置する発熱部21と、この発熱部21よりも後端側(図3において上端側)に位置する雄ネジ部23と、この雄ネジ部23よりも後端側に位置する工具係合部25とを有している。このうち、発熱部21は、外部装置からの通電により発熱するように構成されている。雄ネジ部23は、エンジン80の雌ネジ83に螺合する形態をなしている。工具係合部25は、六角柱形状をなし、グロープラグ20(閉塞部材付きグロープラグ10)をエンジン80に着脱するための工具を係合させる部位である。このグロープラグ20は、グロープラグ取付孔81の雌ネジ83に雄ネジ部23を螺合することによって、エンジン80に取り付け可能とされている。
【0050】
閉塞部材50は、筒状の弾性体(本実施例1では、弾性ゴム)からなり、軸線方向(軸線AXが延びる方向、図6において上下方向)に弾性変形可能とされている(図5、図6参照)。この閉塞部材50は、グロープラグ20(工具係合部25よりも先端側の部位)が挿通する挿通孔51を有している。この挿通孔51の内径は、グロープラグ20の雄ネジ部23の外径よりも径大で、かつ、工具係合部25の最小外径よりも径小とされている。
【0051】
この閉塞部材50は、挿通孔51にグロープラグ20を挿通させつつグロープラグ20の工具係合部25よりも先端側の位置で、グロープラグ20の周囲に配置可能とされている。詳細には、閉塞部材50の挿通孔51内に、グロープラグ20をその先端側から挿通させて、グロープラグ20に閉塞部材50を装着する(閉塞部材付きグロープラグ10となる)と、閉塞部材50は、グロープラグ20の工具係合部25に当接して、それ以上後端側には移動できない状態となる(図1、図2参照)。
【0052】
さらに、閉塞部材50は、環状の第1シール面53と、環状の第2シール面55とを有している(図5、図6参照)。第1シール面53は、閉塞部材50を装着したグロープラグ20(閉塞部材付きグロープラグ10)をエンジン80に取り付けた状態において、グロープラグ20の軸線AXの周り全周にわたってグロープラグ20の外面(後述する環状面25c)に隙間無く密着する。詳細には、第1シール面53は、閉塞部材50を装着したグロープラグ20(閉塞部材付きグロープラグ10)をエンジン80に取り付けた状態において、グロープラグ20の工具係合部25のうちグロープラグ20の軸線AXの周り全周にわたって位置して先端側(図1、図3において下側)を向く環状面25cに密着する。
【0053】
第2シール面55は、閉塞部材50を装着したグロープラグ20(閉塞部材付きグロープラグ10)をエンジン80に取り付けた状態において、第1シール面53よりも先端側で、グロープラグ20の軸線AXの周り全周にわたって位置している。この第2シール面55は、閉塞部材50の外周面をなし、グロープラグ取付孔81を構成するテーパ面85と同一の傾斜角で、後端側に向かうにしたがって拡径する、テーパ状のシール面である。
【0054】
この第2シール面55は、閉塞部材50を装着したグロープラグ20(閉塞部材付きグロープラグ10)をエンジン80に取り付けた状態において、閉塞部材50が第1シール面53を通じてグロープラグ20(工具係合部25)から先端側に力を受けることにより、グロープラグ20の軸線AXの周り全周にわたって、エンジン80の壁面のうち後端側を向く面(具体的には、テーパ面85)に隙間無く密着する。
【0055】
詳細には、閉塞部材50を装着したグロープラグ20(閉塞部材付きグロープラグ10)をエンジン80に取り付けた状態において、第1シール面53が、工具係合部25の環状面25cに密着した状態で、工具係合部25から先端側に力を受けることにより、第2シール面55が、エンジン80のテーパ面85(このテーパ面85が、後方向き壁面に相当する)に押し当てられて密着する。
【0056】
ここで、従来のグロープラグの取付構造を、図19に示す。従来は、閉塞部材を装着することなく、グロープラグ20を、エンジン80(シリンダヘッド80B)に取り付けていた。具体的には、グロープラグ取付孔81の雌ネジ83に、グロープラグ20の雄ネジ部23を螺合することによって、グロープラグ20をエンジン80に取り付ける。この場合、エンジン80のテーパ面85とグロープラグ20の外周面(雄ネジ部23の外周面23b)とによって、グロープラグ20の周囲に環状溝87が形成される。
【0057】
ところが、上述のようなグロープラグの取付構造の場合、環状溝87が後端側(図19において上側)に露出した状態となる。このため、後端側から、オイルや水等の液体や金属粉や埃などの異物(固体)が、環状溝87の内部に進入し、さらには雌ネジ83と雄ネジ部23との間にも進入することがあった。その結果、環状溝87の内部や雌ネジ83と雄ネジ部23との間に進入した液体や固体が原因で、電蝕等によりグロープラグ20が環状溝87や雌ネジ83に固着してしまうことがあった。これにより、グロープラグ20の取り外しが困難になることがあった。
【0058】
これに対し、本実施例1では、図1に示すように、自身の挿通孔51にグロープラグ20を挿通させつつ、グロープラグ20の工具係合部25よりも先端側の位置でグロープラグ20の周囲に配置された閉塞部材50によって、後端側から環状溝87を閉塞して封止している。
【0059】
具体的には、閉塞部材50を装着したグロープラグ20(閉塞部材付きグロープラグ10)をエンジン80(グロープラグ取付孔81)に取り付けることで、グロープラグ20の外面(工具係合部25の環状面25c)によって、閉塞部材50の第1シール面53が押圧される。これにより、閉塞部材50の第1シール面53が、グロープラグ20の軸線周り全体(全周)にわたって工具係合部25の環状面25cに隙間無く密着する。これによって、グロープラグ20と閉塞部材50との間を封止することができる。これにより、グロープラグ20と閉塞部材50との間を通じて、液体や固体がグロープラグ20の先端側(環状溝87の内部や雌ネジ83と雄ネジ部23との間)に進入するのを防止することができる。
【0060】
さらには、閉塞部材50の第2シール面55が、第1シール面53を通じてグロープラグ20から先端側に力を受けることにより、グロープラグ20の軸線周り全体にわたって、エンジン80の壁面のうち後端側を向く面(テーパ面85)に隙間無く密着している。
【0061】
詳細には、閉塞部材50は、第1シール面53と第2シール面55との間に、軸線方向に弾性変形する弾性変形部50Bを有している。なお、本実施例1では、閉塞部材50の全体が、軸線方向に弾性変形する弾性ゴムであるので、閉塞部材50の全体が弾性変形部50Bとなる。そして、この弾性変形部50B(閉塞部材50)が、第1シール面53を通じてグロープラグ20(工具係合部25)から先端側に力を受けることによって軸線方向(図1において上下方向)に弾性的に圧縮され、その反力によって、第2シール面55が、エンジン80のテーパ面85に押し当てられて密着している。
【0062】
換言すれば、第1シール面53が、工具係合部25の環状面25cに密着した状態で、工具係合部25から先端側に力を受けることにより、第2シール面55が、エンジン80の壁面のうち後端側を向く面(テーパ面85)に押し当てられて密着している。詳細には、閉塞部材50のうち外周に第2シール面55を有する部位50Cが、環状溝87内に挿入される形態で、閉塞部材50によって環状溝87が閉塞されると共に、第2シール面55がテーパ面85に密着している。
【0063】
これにより、エンジン80と閉塞部材50との間を確実に封止することができる。このため、エンジン80(シリンダヘッド80B)と閉塞部材50との間を通じて、液体や固体がグロープラグ20の先端側に進入するのを防止することができる。
【0064】
以上より、本実施例1のグロープラグの取付構造によれば、環状溝87の内部及び雌ネジ83と雄ネジ部23との間に、液体や固体が進入するのを確実に防止することができる。従って、電蝕等によりグロープラグ20が環状溝87や雌ネジ83に固着して、グロープラグ20の取り外しが困難になる不具合を防止することができる。
【0065】
(実施例2)
図7は、実施例2にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。なお、図7では、エンジン180(シリンダヘッド180B)及びグロープラグ用閉塞部材150(以下、単に閉塞部材150ともいう)を断面図で示し、グロープラグ120は側面図で示している。また、図7では、軸線方向(軸線AXに沿った方向)を上下方向に一致させて図示しているが、実際は、軸線方向は、図10に示すように斜めに傾いた方向である。本実施例2の閉塞部材付きグロープラグ110は、グロープラグ120と閉塞部材150とにより構成されている。
【0066】
エンジン180のシリンダヘッド180Bには、図10にその一部を拡大して示すように、グロープラグ取付孔181が形成されている。このグロープラグ取付孔181は、軸線方向(軸線AXに沿った方向)に延びる形態をなし、雌ネジ183を有している。この雌ネジ183は、グロープラグ120の雄ネジ部123が螺合する形態をなしている。
【0067】
グロープラグ取付孔181を構成する壁面189は、雌ネジ183に対し後端側(図7において上側)に隣接して、後端側を向くテーパ面185を含んでいる。このテーパ面185は、後端側に向かうにしたがって拡径する環状のテーパ面である。
【0068】
閉塞部材付きグロープラグ110は、図8に示すように、グロープラグ120と閉塞部材150とを有している。このうち、グロープラグ120は、図9に示すように、軸線方向(軸線AXが延びる方向、図9において上下方向)に延びる形態をなしており、実施例1のグロープラグ20よりも軸線方向に長い。
【0069】
このグロープラグ120は、実施例1のグロープラグ20と同様に、先端側(図9において下端側)に位置する発熱部121と、この発熱部121よりも後端側(図9において上端側)に位置する雄ネジ部123と、この雄ネジ部123よりも後端側に位置する工具係合部125とを有している。このグロープラグ120は、グロープラグ取付孔181の雌ネジ183に雄ネジ部123を螺合することによって、エンジン180に取り付け可能とされている。
【0070】
閉塞部材150は、円環ドーム状の弾性体(弾性ゴム)からなり、軸線方向(軸線AXが延びる方向、図12において上下方向)に弾性変形可能とされている(図11、図12参照)。この閉塞部材150は、グロープラグ120(工具係合部125よりも先端側の部位)が挿通する挿通孔151を有している。この挿通孔151には、グロープラグ120の雄ネジ部123が螺合可能な雌ネジが形成されている。しかも、この挿通孔151を構成する閉塞部材150の内壁面は、後述する第1シール面153となる。
【0071】
この閉塞部材150は、挿通孔151の雌ネジに、グロープラグ120の雄ネジ部123を螺合(螺挿)することにより、グロープラグ120の工具係合部125よりも先端側の位置で、グロープラグ120の周囲に配置可能とされている。詳細には、閉塞部材150の挿通孔151に、グロープラグ120をその先端側から挿入させて、グロープラグ120の雄ネジ部123を挿通孔151の雌ネジに螺合させることで、グロープラグ120に閉塞部材150を装着する(閉塞部材付きグロープラグ110となる)(図8参照)。
【0072】
さらに、閉塞部材150は、環状の第1シール面153と、環状の第2シール面155とを有している(図11、図12参照)。第1シール面153は、閉塞部材150を装着したグロープラグ120(閉塞部材付きグロープラグ110)をエンジン180に取り付けた状態において、グロープラグ120の軸線AXの周り全周にわたってグロープラグ120の外面(雄ネジ部123の外周面123b)に隙間無く密着する。
【0073】
第2シール面155は、閉塞部材150を装着したグロープラグ120(閉塞部材付きグロープラグ110)をエンジン180に取り付けた状態において、第1シール面153よりも先端側(図7において下側)で、グロープラグ120の軸線AXの周り全周にわたって位置する。
【0074】
この第2シール面155は、閉塞部材150を装着したグロープラグ120(閉塞部材付きグロープラグ110)をエンジン180に取り付けた状態において、閉塞部材150が第1シール面153を通じてグロープラグ120から先端側に力を受けることにより、グロープラグ120の軸線AXの周り全周にわたって、エンジン180の壁面のうち後端側を向く面(具体的には、テーパ面185により構成されるテーパ孔の後端側開口の周囲に位置するテーパ孔周囲面184)に隙間無く密着する(図7参照)。なお、テーパ孔周囲面184は、グロープラグ取付孔181の後端側開口の周囲に位置する取付孔周囲面でもある。
【0075】
本実施例2では、図7に示すように、自身の挿通孔151にグロープラグ120を挿通(螺挿)させつつ、グロープラグ120の工具係合部125よりも先端側の位置でグロープラグ120の周囲に配置された閉塞部材150によって、環状溝187を閉塞して封止している。なお、環状溝187は、エンジン180のテーパ面185とグロープラグ120の外周面(雄ネジ部123の外周面123b)とによって、グロープラグ120の周囲に形成された円環状の溝である。
【0076】
具体的には、閉塞部材150の第1シール面153が、グロープラグ120の軸線AXの周り全周にわたってグロープラグ120の外面(雄ネジ部123の外周面123b)に密着しているので、グロープラグ120と閉塞部材150との間を封止することができる。これにより、グロープラグ120と閉塞部材150との間を通じて、後端側から液体や固体がグロープラグ120の先端側に進入するのを防止することができる。
【0077】
さらには、閉塞部材150を装着したグロープラグ120(閉塞部材付きグロープラグ110)をエンジン180(グロープラグ取付孔181)に取り付けることで、閉塞部材150の第2シール面155が、第1シール面153を通じてグロープラグ120から先端側に力を受けることにより、グロープラグ120の軸線AXの周り全体にわたって、エンジン180の壁面のうち後端側を向く面(テーパ孔周囲面184)に密着する。
【0078】
詳細には、閉塞部材150は、第1シール面153と第2シール面155との間に、軸線方向に弾性変形する弾性変形部150Bを有している。なお、本実施例2では、閉塞部材150の全体が、軸線方向に弾性変形する弾性ゴムであるので、閉塞部材150の全体が弾性変形部150Bとなる。そして、この弾性変形部150B(閉塞部材150)が、第1シール面153を通じてグロープラグ120から先端側に力を受けることによって軸線方向(図7において上下方向)に弾性的に圧縮され、その反力によって、第2シール面155が、エンジン180(シリンダヘッド180B)のテーパ孔周囲面184に押し当てられて密着している。
【0079】
これにより、エンジン180と閉塞部材150との間を確実に封止することができる。このため、エンジン180(シリンダヘッド180B)と閉塞部材150との間を通じて、後端側から液体や固体がグロープラグ120の先端側(環状溝187の内部、及び、雌ネジ183と雄ネジ部123との間)に進入するのを防止することができる。
【0080】
以上より、本実施例2のグロープラグの取付構造によれば、後端側から、環状溝187及び雌ネジ183雄ネジ部123との間に、液体や固体が進入するのを確実に防止することができる。従って、電蝕等によりグロープラグが環状溝や雌ネジに固着して、グロープラグの取り外しが困難になる不具合を防止することができる。
【0081】
(実施例3)
本実施例3は、実施例1と比較して、エンジン(シリンダヘッド)のみが異なり、その他については同様である。従って、実施例1と同様な箇所については、説明を省略または簡略化する。
【0082】
図13は、実施例3にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。なお、図13では、エンジン280(シリンダヘッド280B)及びグロープラグ用閉塞部材50(以下、単に閉塞部材50ともいう)を断面図で示し、グロープラグ20は側面図で示している。また、図13では、軸線方向(軸線AXに沿った方向)を上下方向に一致させて図示しているが、実際は、軸線方向は、図14に示すように斜めに傾いた方向である。
【0083】
エンジン280のシリンダヘッド280Bには、図14にその一部を拡大して示すように、グロープラグ取付孔281が形成されている。このグロープラグ取付孔281は、実施例1のグロープラグ取付孔81と比較して、テーパ孔周囲面284(テーパ面85により構成されるテーパ孔の後端側開口の周囲に位置する面)から後端側に延びる筒状孔282を有している点が異なる。
【0084】
本実施例3でも、実施例1と同様に、自身の挿通孔51にグロープラグ20を挿通させつつ、グロープラグ20の工具係合部25よりも先端側の位置でグロープラグ20の周囲に配置された閉塞部材50によって、環状溝87を閉塞して封止している(図13参照)。
従って、後端側から、グロープラグ取付孔281の筒状孔282内に、液体や固体が進入したとしても、その液体等が環状溝87の内部及び雌ネジ83と雄ネジ部23との間に進入するのを確実に防止することができる。
【0085】
(実施例4)
本実施例4は、実施例3と比較して、グロープラグ用閉塞部材が異なり、その他については同様である。従って、実施例3と同様な箇所については、説明を省略または簡略化する。
【0086】
図15は、実施例4にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。なお、図15では、エンジン280(シリンダヘッド280B)及びグロープラグ用閉塞部材150(以下、単に閉塞部材150ともいう)を断面図で示し、グロープラグ20は側面図で示している。また、図15では、軸線方向(軸線AXに沿った方向)を上下方向に一致させて図示しているが、実際は、軸線方向は、図14に示すように斜めに傾いた方向である。
【0087】
本実施例4の閉塞部材付きグロープラグ210は、グロープラグ20と閉塞部材150とにより構成されている。
閉塞部材150は、実施例2と同様の閉塞部材であり、挿通孔151の雌ネジに、グロープラグ20の雄ネジ部23を螺合(螺挿)することにより、グロープラグ20の工具係合部25よりも先端側の位置で、グロープラグ20の周囲に配置される。
【0088】
本実施例4でも、図15に示すように、グロープラグ20の工具係合部25よりも先端側の位置でグロープラグ20の周囲に配置された閉塞部材150によって、実施例2と同様にして、環状溝87を閉塞して封止している。
従って、後端側から、グロープラグ取付孔281の筒状孔282内に、液体や固体が進入したとしても、その液体等が環状溝87の内部及び雌ネジ83と雄ネジ部23との間に進入するのを確実に防止することができる。
【0089】
(実施例5)
本実施例5は、実施例4と比較して、グロープラグ及びグロープラグ用閉塞部材が異なり(従って、閉塞部材付きグロープラグが異なる)、その他については同様である。従って、実施例4と同様な箇所については、説明を省略または簡略化する。
【0090】
図16は、実施例5にかかるグロープラグの取付構造を示す図である。なお、図16では、エンジン280(シリンダヘッド280B)及びグロープラグ用閉塞部材250(以下、単に閉塞部材250ともいう)を断面図で示し、グロープラグ220は側面図で示している。また、図16では、軸線方向(軸線AXに沿った方向)を上下方向に一致させて図示しているが、実際は、軸線方向は、図14に示すように斜めに傾いた方向である。本実施例5の閉塞部材付きグロープラグ310は、グロープラグ220と閉塞部材250とにより構成されている。
【0091】
閉塞部材付きグロープラグ310は、グロープラグ220と閉塞部材250とを有している(図16参照)。このうち、グロープラグ220は、軸線方向(軸線AXが延びる方向、図16において上下方向)に延びる形態をなしており、実施例1のグロープラグ20と比較して、雄ネジ部23と工具係合部25との間に長尺の筒状部224が設けられている点が異なる。
【0092】
閉塞部材250は、円環ドーム状の弾性体(弾性ゴム)からなり、軸線方向(軸線AXが延びる方向、図18において上下方向)に弾性変形可能とされている(図17、図18参照)。この閉塞部材250は、グロープラグ220(工具係合部25よりも先端側の部位)が挿通する挿通孔251を有している。この挿通孔251の内径は、グロープラグ220の雄ネジ部23の外径よりも径大で、工具係合部25の最小外径よりも径小で、かつ、筒状部224の外径と同径とされている。
【0093】
この閉塞部材250は、挿通孔251にグロープラグ220を挿通させつつグロープラグ220の工具係合部25よりも先端側の位置で、グロープラグ220の周囲に配置可能とされている。詳細には、閉塞部材250の挿通孔251内に、グロープラグ220をその先端側から挿通させて、グロープラグ220に閉塞部材250を装着する(閉塞部材付きグロープラグ310となる)と、閉塞部材250は、グロープラグ220の工具係合部25に当接して、それ以上後端側には移動できない状態となる(図16参照)。
【0094】
さらに、閉塞部材250は、環状の第1シール面253と、環状の第2シール面255とを有している(図16、図18参照)。第1シール面253は、閉塞部材250を装着したグロープラグ220(閉塞部材付きグロープラグ310)をエンジン280に取り付けた状態において、グロープラグ220の軸線AXの周り全周にわたってグロープラグ220の外面(後述する環状面25c)に隙間無く密着する。詳細には、第1シール面253は、閉塞部材250を装着したグロープラグ220(閉塞部材付きグロープラグ310)をエンジン280に取り付けた状態において、グロープラグ220の工具係合部25の環状面25cに密着する。この環状面25cは、工具係合部25のうちグロープラグ220の軸線AXの周り全周にわたって位置し、先端側を向く環状の面である。
【0095】
第2シール面255は、閉塞部材250を装着したグロープラグ220(閉塞部材付きグロープラグ310)をエンジン280に取り付けた状態において、第1シール面253よりも先端側(図16において下側)で、グロープラグ220の軸線周り全体にわたって位置している。
【0096】
この第2シール面255は、閉塞部材250を装着したグロープラグ220(閉塞部材付きグロープラグ310)をエンジン280に取り付けた状態において、閉塞部材250が第1シール面253を通じてグロープラグ220から先端側に力を受けることにより、グロープラグ220の軸線AXの周り全周にわたって、エンジン280の壁面のうち後端側を向く面(具体的には、筒状孔282の後端側開口の周囲に位置する筒状孔周囲面288)に隙間無く密着する(図16参照)。なお、筒状孔周囲面288は、グロープラグ取付孔281の後端側開口の周囲に位置する取付孔周囲面でもある。
【0097】
本実施例5では、図16に示すように、グロープラグ220の工具係合部25よりも先端側の位置でグロープラグ220の周囲に配置された閉塞部材250によって、環状溝87を閉塞(詳細には、環状溝87を含むグロープラグ取付孔281を閉塞)して封止している。
【0098】
具体的には、閉塞部材250を装着したグロープラグ220(閉塞部材付きグロープラグ310)をエンジン280(グロープラグ取付孔281)に取り付けることで、グロープラグ220の外面(工具係合部25の環状面25c)によって、閉塞部材250の第1シール面253が押圧される。これにより、閉塞部材250の第1シール面253が、グロープラグ220の軸線AXの周り全体(全周)にわたってグロープラグ220の外面(工具係合部25の環状面25c)に密着する。これによって、グロープラグ220と閉塞部材250との間を封止することができる。これにより、グロープラグ220と閉塞部材250との間を通じて、液体や固体がグロープラグ220の先端側に進入するのを防止することができる。
【0099】
さらには、閉塞部材250の第2シール面255が、第1シール面253を通じてグロープラグ220から先端側に力を受けることにより、グロープラグ220の軸線AXの周り全周にわたって、エンジン280の壁面のうち後端側を向く面(筒状孔周囲面288)に密着している。
【0100】
詳細には、閉塞部材250は、第1シール面253と第2シール面255との間に、軸線方向に弾性変形する弾性変形部250Bを有している。なお、本実施例5では、閉塞部材250の全体が、軸線方向に弾性変形する弾性ゴムであるので、閉塞部材250の全体が弾性変形部250Bとなる。そして、この弾性変形部250B(閉塞部材250)が、第1シール面253を通じてグロープラグ220(工具係合部25)から先端側に力を受けることによって軸線方向(図16において上下方向)に弾性的に圧縮され、その反力によって、第2シール面255が、エンジン280の筒状孔周囲面288に押し当てられて密着している。
【0101】
換言すれば、第1シール面253が、工具係合部25の環状面25cに密着した状態で、工具係合部25から先端側に力を受けることにより、第2シール面255が、エンジン280の壁面のうち後端側を向く面(筒状孔周囲面288)に押し当てられて密着している。
【0102】
これにより、エンジン280と閉塞部材250との間を確実に封止することができる。このため、エンジン280(シリンダヘッド280B)と閉塞部材250との間を通じて、液体や固体がグロープラグ220の先端側に進入するのを防止することができる。
【0103】
以上より、本実施例5のグロープラグの取付構造によれば、後端側から、グロープラグ取付孔281の内部に、液体や固体が進入するのを確実に防止することができる。これにより、環状溝87及び雌ネジ83と雄ネジ部23との間に、液体や固体が進入するのを確実に防止することができる。従って、電蝕等によりグロープラグが環状溝や雌ネジに固着して、グロープラグの取り外しが困難になる不具合を防止することができる。
【0104】
以上において、本発明を実施例1〜5に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0105】
10 閉塞部材付きグロープラグ
20,120,220 グロープラグ
21,121 発熱部
23,123 雄ネジ部
25,125 工具係合部
25c 環状面
50,150,250 閉塞部材
50B,150B,250B 弾性変形部
51,151,251 挿通孔
53,153,253 第1シール面
55,155,255 第2シール面
80,180,280 エンジン
81,181,281 グロープラグ取付孔
83,183 雌ネジ
85,185 テーパ面(後方向き壁面)
87,187 環状溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に位置し、通電により発熱する発熱部と、
上記発熱部よりも後端側に位置する雄ネジ部と、
上記雄ネジ部よりも後端側に位置する工具係合部と、を備えると共に軸線方向に延びる
グロープラグが、エンジンのグロープラグ取付孔の雌ネジに上記雄ネジ部を螺合させて、上記エンジンに取り付けられた
グロープラグの取付構造において、
上記グロープラグ取付孔を構成する壁面は、上記雌ネジの後端側に隣接して上記軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径すると共に上記グロープラグの外周面との間に環状溝を形成する環状のテーパ面を含み、
上記グロープラグを挿通させた挿通孔を有する閉塞部材が、上記工具係合部よりも上記軸線方向の先端側の位置で上記環状溝を閉塞して封止してなる
グロープラグの取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のグロープラグの取付構造であって、
前記閉塞部材は、
前記グロープラグの前記軸線の周り全周にわたって上記グロープラグの外面に隙間無く密着する環状の第1シール面と、
上記第1シール面よりも先端側で、上記グロープラグの上記軸線の周り全周に位置する環状の第2シール面であって、上記閉塞部材が上記第1シール面を通じて上記グロープラグから先端側に力を受けることにより、上記グロープラグの上記軸線の周り全周にわたって、前記エンジンの壁面のうち後端側を向く後方向き壁面に隙間無く密着する第2シール面と、を有する
グロープラグの取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載のグロープラグの取付構造であって、
前記閉塞部材は、前記第1シール面と前記第2シール面との間に、前記軸線方向に弾性変形する弾性変形部を有し、
上記弾性変形部が、上記第1シール面を通じて前記グロープラグから前記先端側に力を受けることによって上記軸線方向に弾性的に圧縮され、その反力によって、上記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着してなる
グロープラグの取付構造。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のグロープラグの取付構造であって、
前記工具係合部は、先端側を向く環状面を有し、
前記第1シール面が、上記環状面に密着した状態で上記工具係合部から先端側に力を受けることにより、前記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着してなる
グロープラグの取付構造。
【請求項5】
先端側に位置し、通電により発熱する発熱部、
上記発熱部よりも後端側に位置する雄ネジ部、及び、
上記雄ネジ部よりも後端側に位置する工具係合部、を有すると共に軸線方向に延び、
エンジンのグロープラグ取付孔の雌ネジに上記雄ネジ部を螺合させて上記エンジンに取り付け可能とされたグロープラグと、
上記グロープラグを挿通させた挿通孔を有し、上記工具係合部よりも上記軸線方向の先端側の位置に配置された閉塞部材と、を備える
閉塞部材付きグロープラグであって、
上記雌ネジの後端側に隣接して上記軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径すると共に上記グロープラグの外周面との間に環状溝を形成する環状のテーパ面、を含む上記グロープラグ取付孔に、当該閉塞部材付きグロープラグを取り付けた状態において、上記閉塞部材が、上記環状溝を閉塞して封止する形態を有する
閉塞部材付きグロープラグ。
【請求項6】
請求項5に記載の閉塞部材付きグロープラグであって、
前記閉塞部材は、
上記閉塞部材付きグロープラグを前記エンジンに取り付けた状態において、前記グロープラグの前記軸線の周り全周にわたって上記グロープラグの外面に隙間無く密着する環状の第1シール面と、
上記第1シール面よりも前記先端側で、上記グロープラグの上記軸線の周り全周に位置する環状の第2シール面であって、上記閉塞部材付きグロープラグを前記エンジンに取り付けた状態において、上記閉塞部材が上記第1シール面を通じて上記グロープラグから前記先端側に力を受けることにより、上記グロープラグの上記軸線の周り全周にわたって、上記エンジンの壁面のうち前記後端側を向く後方向き壁面に密着する第2シール面と、を有する
閉塞部材付きグロープラグ。
【請求項7】
請求項6に記載の閉塞部材付きグロープラグであって、
前記閉塞部材は、前記第1シール面と前記第2シール面との間に、前記軸線方向に弾性変形する弾性変形部を有し、
上記閉塞部材付きグロープラグは、自身を前記エンジンに取り付けた状態において、上記弾性変形部が、上記第1シール面を通じて前記グロープラグから前記先端側に力を受けることによって上記軸線方向に弾性的に圧縮され、その反力によって、上記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有する
閉塞部材付きグロープラグ。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の閉塞部材付きグロープラグであって、
前記工具係合部は、先端側を向く環状面を有し、
上記閉塞部材付きグロープラグは、自身を前記エンジンに取り付けたとき、前記第1シール面が、上記環状面に密着した状態で上記工具係合部から上記先端側に力を受けることにより、前記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有する
閉塞部材付きグロープラグ。
【請求項9】
先端側に位置して通電により発熱する発熱部、上記発熱部よりも後端側に位置する雄ネジ部、及び、上記雄ネジ部よりも上記後端側に位置する工具係合部、を有すると共に軸線方向に延び、エンジンのグロープラグ取付孔の雌ネジに上記雄ネジ部を螺合させて上記エンジンに取り付け可能とされたグロープラグ、
に装着するグロープラグ用閉塞部材であって、
上記グロープラグが挿通する挿通孔を有し、上記工具係合部よりも上記軸線方向の先端側の位置で上記グロープラグの周囲に配置可能とされてなり、
上記雌ネジの後端側に隣接して上記軸線方向の後端側に向かうにしたがって拡径すると共に上記グロープラグの外周面との間に環状溝を形成する環状のテーパ面、を含む上記グロープラグ取付孔に、当該閉塞部材を装着した上記グロープラグを取り付けたとき、当該閉塞部材が上記環状溝を閉塞して封止する形態を有する
グロープラグ用閉塞部材。
【請求項10】
請求項9に記載のグロープラグ用閉塞部材であって、
上記閉塞部材を装着した前記グロープラグを前記エンジンに取り付けたとき、前記グロープラグの前記軸線の周り全周にわたって上記グロープラグの外面に隙間無く密着する環状の第1シール面と、
上記閉塞部材を装着した上記グロープラグを上記エンジンに取り付けたとき、上記第1シール面よりも前記先端側で、上記グロープラグの上記軸線の周り全周に位置する環状の第2シール面であって、上記閉塞部材が上記第1シール面を通じて上記グロープラグから前記先端側に力を受けることにより、上記グロープラグの上記軸線の周り全周にわたって、上記エンジンの壁面のうち前記後端側を向く後方向き壁面に隙間無く密着する第2シール面と、を有する
グロープラグ用閉塞部材。
【請求項11】
請求項10に記載のグロープラグ用閉塞部材であって、
前記第1シール面と前記第2シール面との間に、前記軸線方向に弾性変形する弾性変形部を有し、
上記閉塞部材は、自身を装着した前記グロープラグを前記エンジンに取り付けたときに、上記弾性変形部が、上記第1シール面を通じて前記グロープラグから前記先端側に力を受けることによって上記軸線方向に弾性的に圧縮され、その反力によって、上記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有する
グロープラグ用閉塞部材。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載のグロープラグ用閉塞部材であって、
上記閉塞部材は、自身を装着した前記グロープラグを前記エンジンに取り付けたときに、前記第1シール面が、前記工具係合部のうち前記先端側を向く環状面に密着した状態で、上記工具係合部から上記先端側に力を受けることにより、前記第2シール面が、前記後方向き壁面に押し当てられて密着する形態を有する
グロープラグ用閉塞部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−184729(P2012−184729A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49286(P2011−49286)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】