説明

ケトンジアリールアミン縮合物

本願において公開するのは、(A)潤滑油、及び(B)混合物が、縮合の終了時に、残存するアルキル化ジフェニルアミンがアクリダン産物から分離されず、かつR、R、R、及びRが、少なくとも1つが水素ではないという条件で、水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなるグループから独立して選択され、及びR及びRがCからC20のヒドロカルビル及び水素からなるグループから独立して選択される、一般式の少なくとも1つのアクリダンを生産するために、酸触媒の存在下におけるアルキル化ジフェニルアミンとアルデヒド又はケトンとの部分的な縮合によって調製される、抗酸化剤の混合物、を包含する組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は潤滑剤用添加剤の分野に関連する。より詳しく言えば、本発明は、もし適切な酸触媒があればその存在下で、ケトン又はアルデヒドとアルキル化されたジフェニルアミン(ADPA)との縮合に由来する潤滑剤用添加剤の分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
(関連する技術の記載)
ジアリールアミンと脂肪族ケトンの反応産物は、抗酸化剤として知られている。既知のジアリールアミン脂肪族ケトンの反応産物には、アメリカ特許番号1,906,935、1,975,167、及び2,562,802に開示されたものがある。簡潔に述べると、これらの産物は、ジアリールアミン、好ましくは、もし望むのであればアリール基のどちらかに1つ又はそれ以上の置換基を有するかもしれないジフェニルアミンと、脂肪族ケトン、好ましくはアセトンとを、適切な触媒の存在下で反応させることによって得られる。ジフェニルアミンに加えて、技術的に知られた他のジアリールアミン反応物は、ジナフチルアミン、p−ニトロジフェニルアミン、2,4−ジニトロジフェニルアミン、p−アミノジフェニルアミン、p−ヒドロキシジフェニルアミンなどを含む。
【0003】
市場で入手可能なジアリールアミン−脂肪族ケトンの反応産物は、アメリカ特許番号2,562,802に記載された縮合に基づいて調製されうる、ジフェニルアミンとアセトン(NAUGARD A、Uniroyal Chemical)の縮合反応によって得られるものである。市販の製品は、薄い黄緑色の粉末又は緑がかった茶色の薄片として供給され、そして85から95℃の融点の範囲を有する。
【0004】
ケトンと第二アミンとの最終反応産物の性質に対し、様々な要因が寄与し、又は本質的な影響力を有する。そのような要因のうちには、触媒のタイプ及び濃度、第一の反応物の濃度及び性質、及び反応の間中にわたって用いられる温度レベル、などがある。
【0005】
いくつかの方法が、固体素材(アメリカ特許番号2,002,642)から重液までの範囲にわたる抗酸化産物を与えるためのジフェニルアミンとアセトンとの縮合について、技術的に古くから知られており、それはアセトンとジフェニルアミンとの縮合物のオートクレーヴを利用した調製を開示するアメリカ特許番号1,975,167に参照される。
【0006】
アメリカ特許番号2,202,934は、そして高度のジアリールアミンの変換が得られるような条件下で、霧状の脂肪族ケトンを液体化させたジアリールアミンへと通過させ、そして触媒の存在下で2つの素材を反応させることを含む工程を開示する。好ましい触媒は、例えば、ヨウ素、臭素、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、及び塩酸を含むものである。採用される温度は、100℃と約200℃の間の範囲内である。
【0007】
アメリカ特許番号2,562,802は、275から310℃の温度で、そして大気圧より大きい圧力で、3から10時間、好ましくは、ヨウ素、ヨウ化水素酸、臭素、臭化水素酸、又は鉛以外の重金属の臭化物、特にヨウ化鉄などの少なくとも1つの触媒の存在下で、アセトンとジフェニルアミンがオートクレーヴされる工程を開示する。
【0008】
アメリカ特許番号2,650,252は、脂肪族ケトンとジアリールアミンの縮合が、それぞれの場合においてハロゲン原子が直接飽和の炭素原子と結合し、そしてさらにそれぞれの場合に少なくとも35の原子量を有するハロゲンである、ハロアルカン、ハロアルケン、ハロシクロアルカン、及びハロアルキルベンゼンからなる部類から選択されたハロゲン化炭化水素によって促進されうることを開示する。
【0009】
アメリカ特許番号2,657,236は、脂肪族ケトンとジアリールアミンの縮合が、ハロゲン置換基が飽和の非環式の炭素原子に直接結合した、ハロゲン化有機酸、ハロゲンを含む有機酸のエステル、及びハロゲン化された有機酸のアミドからなる部類から選択された触媒によって促進されうることを開示する。
【0010】
アメリカ特許番号2,660,605は、少なくとも1つのアルキル基が少なくとも2つの炭素長であり、及びベンゼン環からアルファ及びベータ位の炭素原子上に少なくとも1つの水素原子を有する、すなわち第一及び第二アルキルであるアルキル化ベンゼンと共に加熱することによって、相対的に硬い樹脂性の脂肪族ケトン−ジアリールアミン抗酸化剤を30℃で測定した時に約10から約50ポアズにわたる粘度を有する流動性のオイル状素材へと変換することを開示する。
【0011】
アメリカ特許番号2,663,784は、脂肪族ケトンとジアリールアミンの縮合が、ハロゲン化アルデヒド又はアセタール(開環又は環状)、少なくともおよそ35の原子量を有するハロゲン、などによって促進されうることを開示する。
【0012】
アメリカ特許番号2,666,792は、脂肪族ケトンとジアリールアミンの縮合がハロゲン化アシルによって促進されうることを開示する。
【0013】
アメリカ特許番号5,268,394は、R、R、R、及びRがH、CからC18のアルキル、又はCからC18のアラルキルである化1の構造のアクリダンを開示する。
【化1】


及びRはまたアリール、好ましくはフェニルでありうる。この化合物は安定剤として、好ましくは、ポリウレタンの柔軟な発泡体のためのポリエーテルポリオールを安定化するためのヒンダードアミン、フェノール、及び亜リン酸安定剤と合わせて、及びポリグリコール、熱伝導流体、及び潤滑にするための添加剤のための安定化剤として、使用できる。
【0014】
Tritschler,W.ら、Chem.Ber.117:2703−2713(1984)は、特殊な製法のスピロアクリダンが、特定のジアリールアミンと環状ケトンの縮合によって容易に得られるということを報告した。
【0015】
前述の開示は、その全体において、本願に引用して援用する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の要約)
本発明は、適切な酸触媒があればその存在下におけるアルキル化ジフェニルアミン(ADPA)とケトン又はアルデヒドの縮合に由来する潤滑剤用添加剤の部類を目的とする。
【0017】
より詳しく言えば、本発明は、
(A)潤滑油;及び
(B)R、R、R、及びRの少なくとも1つが水素ではないという条件でR、R、R、及びRが水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなる群から独立して選択され、そしてR及びRが、縮合の終了時に残存したアルキル化ジフェニルアミンがアクリダン産物から分離されない、CからC20のヒドロカルビル、フェニル、及び水素からなる群から独立して選択される、少なくとも1つの一般的な化学式化2のアクリダンを生産するために、酸触媒の存在下でアルキル化ジフェニルアミンと、アルデヒド又はケトンとの部分的な縮合によって調製される、抗酸化剤の混合物:
を含む組成物を目的とする。
【化2】

【0018】
別の態様において、本発明は、(A)潤滑油;及び
(B)抗酸化剤の混合物であって:
(1)R、R、R、及びRの少なくとも1つが水素ではないという条件でR、R、R、及びRが水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなる群から独立して選択され、そしてR及びRが、CからC20のヒドロカルビル及び水素からなる群から独立して選択される一般式化3の少なくとも1つのアクリダン;
【化3】


(2)アクリダンの調製物由来の残存するアルキル化ジフェニルアミン;
(3)アミン抗酸化剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、及びそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つの付加的な抗酸化剤、を含む抗酸化剤の混合物;
を含む組成物を目的とする。
【0019】
さらに別の態様において、本発明は、混合物が、R、R、R、及びRの少なくとも1つが水素ではないという条件でR、R、R、及びRが水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなるグループから独立して選択され、そしてR及びRが、CからC20のヒドロカルビル及び水素からなるグループから独立して選択される、化4の一般式の少なくとも1つのアクリダンを生産するために、酸触媒の存在下でアルキル化ジフェニルアミンとアルデヒド又はケトンとの部分的な縮合によって調製される抗酸化剤の混合物を潤滑油に加えることを含む、酸化に対する潤滑油の感受性を軽減させるための方法を目的とする。
【化4】

【0020】
さらに別の態様において、本発明は、混合物が、
(A)R、R、R、及びRの少なくとも1つが水素ではないという条件でR、R、R、及びRが水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなるグループから独立して選択され、そしてR及びRが、CからC20のヒドロカルビル及び水素からなるグループから独立して選択される化5の一般式の少なくとも1つのアクリダン;
(B)アクリダンの調製物由来の残存するアルキル化ジフェニルアミン;
(C)アミン抗酸化剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、及びそれらの混合物からなるグループから選択された少なくとも1つの付加的な抗酸化剤、
を含む混合物である抗酸化剤の混合物を、潤滑油に加えることを含む、酸化に対する潤滑油の感受性を軽減させるための方法を目的とする。
【化5】

【0021】
(好ましい形態の記述)
上記の通り、本発明は、もし適切な酸触媒がある場合はその存在下における、アルキル化ジフェニルアミンとケトン又はアルデヒドとの縮合に由来する、潤滑剤用添加剤の部類に関連する。この部類の化合物はアクリダンと呼ばれる。それらは、R、R、R、及びRの少なくとも1つが水素ではないという条件でR、R、R、及びRが水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなるグループから独立して選択され、そしてR及びRが、CからC20のヒドロカルビル及び水素からなるグループから独立して選択される、化6の一般式によって定義される。
【化6】

【0022】
ここでR、R、R、及びRのいずれかは、3から32個の炭素原子のアルキルであり、それらは、例えば、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘネイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ウントリコンチル、ドトリアコンチル、前述の混合物及び異性体などであるかもしれない。
【0023】
好ましくは、ここでR、R、R、及びRのいずれかはアルキルであり、それらは2から24個の炭素原子のアルキルであり、より好ましくは3から20個の炭素原子である。
【0024】
ここでR、R、R、及びRのいずれかは、3から32個の炭素原子のアルケニルであり、それらは、例えば、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘネイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、ウントリコンテニル、ドトリアコンテニル、前述の混合物及び異性体などであるかもしれない。
【0025】
好ましくは、ここでR、R、R、及びRのいずれかはアルケニルであり、それらは2から24個の炭素原子のアルケニルであり、より好ましくは3から20個の炭素原子である。
【0026】
ここで、R及びRの一方又は両方は1から20個の炭素原子のヒドロカルビルであり、それらは独立して選択され、そして例えば、直鎖又は枝分かれしたアルキル、アルキルオキシ、例えばフェニル又はヘテロ環式などのアリールであり、及びいずれかの炭素/水素主鎖に加えて、酸素、窒素、及び/又は硫黄又は結合を含むかもしれない。
【0027】
アクリダンが潤滑用の添加剤として使われうることは、アメリカ特許番号5,268,394から分かる。この特許はまた、アクリダンと特定のアミン安定剤、フェノール性安定剤、及び亜リン酸系安定剤との組み合わせについても開示する。しかしながら、この特許はまた、その生産において採用されたジフェニルアミンから分離したアクリダンの使用のみを教示する。そのような分離は不必要であること、及びアクリダンと残存するアルキル化ジフェニルアミンの有用な組み合わせが反応混合物からそれらを分離するという生産上の費用を無しに潤滑油のための安定剤として採用されうることは、今は既に知られている。当業者は、付加的な安定剤が組成物に加えられうることを理解するだろう。好ましい実施例において、組成物の残存するジフェニルアミン及び/又はヒンダードフェノール性抗酸化剤と、同じ又は異なった、アルキル化ジフェニルアミンなどの1つ又はそれ以上のアミン抗酸化剤が加えられる。
【0028】
アミン抗酸化剤は、ジフェニルアミン抗酸化素材を置換した、アリール、アルキル、アルカリル、及びアラルキルなどの炭化水素で置換されたジアリールアミンでありうる。市場で入手可能な炭化水素で置換されたジフェニルアミンの限定されないリストは、置換されたオクチル化、ノニル化、及びヘプチル化ジフェニルアミン、及びパラ置換されたスチレン化、又はα−メチルスチレン化ジフェニルアミンを含む。p−(p−トルエンスルフォニルアミド)−ジフェニルアミンなどの硫黄を含む炭化水素で置換されたジフェニルアミンもまた、この部類の一部であると考えられる。
【0029】
この発明の実践において有用な炭化水素で置換されたジアリールアミンは、次の一般式によって表すことができる。
【化7】


ここで、Ar及びAr’はアリールラジカルから独立して選択され、そのうち1つは好ましくは少なくとも1つのアルキルラジカルで置換される。アリールラジカルは、例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、などでありうる。アルキル置換基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、その異性体などでありうる。
【0030】
好ましい炭化水素で置換されたジアリールアミンは、その開示が本願に参考のために示される、アメリカ特許番号3,452,056及び3,505,225に開示されたものである。好ましい炭化水素で置換されたジアリールアミンは、次の一般式によって表されうる、
【化8】


ここで、Rはフェニル及びp−トルイルからなるグループから選択され、R及びRはメチル、フェニル、及びp−トルイルラジカルからなるグループから独立して選択され、Rはメチル、フェニル、p−トルイル、及びネオペンチルラジカルからなるグループから選択され、Rはメチル、フェニル、p−トルイル、及び2−フェニルイソブチルラジカルからなるグループから選択され、そしてRはメチルラジカルである。
【0031】
【化9】


ここで、RからRは化8に示されたラジカルから独立して選択され、そしてRはメチル、フェニル、及びp−トルイルラジカルからなるグループから選択され、Xはメチル、エチル、CからC10のsec−アルキル、α,α−ジメチルベンジル、α−メチルベンジル、塩素、臭素、カルボキシル、及び亜鉛、カドミウム、ニッケル、鉛、スズ、マグネシウム、及び銅からなるグループから選択される金属のカルボキシル酸の金属塩、からなるグループから選択されたラジカル、及びYは水素、メチル、エチル、C−C10のsec−アルキル、塩素、及び臭素からなるグループから選択されたラジカルである。
【0032】
【化10】


ここで、Rはフェニル又はp−トルイルラジカルからなるグループから選択され、R及びRはメチル、フェニル、及びp−トルイルラジカルからなるグループから独立して選択され、Rは水素、CからC10の第一、第二、及び第三アルキル、及び直鎖又は枝分かれしているかもしれないCからC10のアルコキシルからなるグループから選択されたラジカル、及びX及びYは水素、メチル、エチル、CからC10のsec−アルキル、塩素、及び臭素からなるグループから独立して選択されたラジカルである。
【0033】
【化11】


ここで、Rはフェニル及びp−トルイルラジカルからなるグループから選択され、R10はメチル、フェニル、p−トルイル、及び2−フェニルイソブチルからなるグループから選択されたラジカルであり、R11はメチル、フェニル、及びp−トルイルからなるグループから選択されたラジカルである。
【0034】
【化12】


ここで、R12はフェニル、又はp−トルイルラジカルからなるグループから選択され、R13はメチル、フェニル、p−トルイルラジカルからなるグループから選択され、R14はメチル、フェニル、p−トルイル、及び2−フェニルイソブチルラジカルからなるグループから選択され、及びR15は水素、α,α−ジメチルベンジル、α−メチルベンズヒドリル、トリフェニルメチル、及びp−トリメチルベンジルラジカルからなるグループから選択される。この発明において有用な典型的な化学物質は以下の通りである、
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
【化13】


はフェニル、及びR10及びR11はメチルである。
【0039】
アミン抗酸化剤の第二の部類は、ジアリールアミンと脂肪族ケトンの反応産物を含む。本願において有用であるそのジアリールアミン脂肪族ケトン反応産物は、アメリカ特許番号1,906,935、1,975,167、2,002,642、及び2,562,802に開示される。簡潔に記載すると、これらの産物は、適切な触媒の存在下において、ジアリールアミン、好ましくは、もし望むのであれば1つ又はそれ以上の置換基をどちらかのアリール基上に有するジフェニルアミンと、脂肪族ケトン、好ましくはアセトンとを反応させることによって得られる。ジフェニルアミンに加えて、他の適切なジアリールアミン反応物は、ジナフチルアミン、p−ニトロジフェニルアミン、2,4−ジニトロフェニルアミン、p−アミノジフェニルアミン、p−ヒドロキシジフェニルアミンなどを含む。アセトンに加えて、他の有用なケトン反応物は、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、モノクロロアセトン、ジクロロアセトンなどを含む。
【0040】
好ましいジアリールアミン−ケトンの反応産物は、例えば、アメリカ特許番号2,562,802に記載された条件に従った、ジフェニルアミンとアセトン(NAUGARD A、Uniroyal Chemical)の縮合反応から得られる。市販の製品は、薄い黄緑色の粉末又は緑がかった茶色の薄片として供給され、そして85から95℃の融点の範囲を有する。
【0041】
適切なアミンの第三の部類は、N,N’位を炭化水素で置換されたp−フェニレンジアミンを含む。炭化水素の置換基は、置換された又は非置換でありうるアルキル又はアリール基であるかもしれない。本願で使われるように、「アルキル」という用語は、もし特異的に他の記載がなければ、シクロアルキルを含むことを意図している。代表的な素材は、N−フェニル−N’−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、混合ジアリール−p−N,N’−ビスー(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミンである。
【0042】
アミン抗酸化剤の最後の部類は、キノリン、特にポリマー化した1,2−ジニトロ−2,2,4−トリメチルキノリンに基づいた素材を含む。代表的な素材は、ポリマー化した2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−ドデシル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどを含む。
【0043】
本発明の好ましい実施において特に有用なヒンダードフェノールは、オイルに可溶性である。
【0044】
有用なヒンダードフェノールの例は、2,4−ジメチル−6−オクチル−フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(すなわち、ブチル化ヒドロキシトルエン)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシメチル-2,6−ジ−t−ブチルフェノール、n−オクチル−ベータ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリイソプロピルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6−ジメチル−4−ジドデシルフェノール、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)イソシアヌル酸、及びトリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンを含む。
【0045】
他の有用な抗酸化剤は、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸(NAUGARD 76、Uniroyal Chemical、IRGANOX 1076、Ciba−Geigy)、テトラキス{メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸)}メタン(IRGANOX 1010、Ciba−Geigy)、1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジン(IRGANOX MD 1024、Ciba−Geigy)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン(IRGANOX 3114、Ciba−Geigy)、2,2’−オクサミド ビス−{エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオン酸(NAUGARD XL−1、Uniroyal Chemical)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン(CYANOX 1790、American Cyanamid社)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(ETHANOX 330、Ethyl社)、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンを含む3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸トリエステル、及びビス(3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブタン酸)グリコールエステル、を含む。
【0046】
本発明の実施において有用なさらに他のヒンダードフェノールは、テトラキス{メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸)}メタン(IRGANOX 1010、Ciba−Geigy)、及び1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(ETHANOX 330、Ethyl社)などの、3つ又はそれ以上の置換されたフェノール基を含むポリフェノールである。
【0047】
本発明の組成物と共に使用するための特に好ましい抗酸化剤は、モノ−、ジ−、及びトリ−、ノニル化されたジフェニルアミン(Naugalube(登録商標) 438L)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸のCからCの枝分かれしたアルキルのエステル(Naugalube 531)、及びブチル化された(30%)、オクチル化された(24%)ジフェニルアミン(Naugalube 640)である。
【0048】
本発明の組成物は、適切な酸触媒の存在下における、アルキル化されたジフェニルアミン(ADPA)とケトン又はアルデヒドとの縮合によって調製される。次の3つの別々の工程の1つが採用されることは望ましい。第一の工程は、ヨウ化鉄の使用、及び高温と高圧を含み、第二の工程は、触媒としての臭化水素酸の使用及び時間の長期間にわたるケトンの継続的なを含み、そして第三の工程は時間の長期間にわたるケトン及びHBrの継続的な供給の使用を含む。
【0049】
第一の工程の実施例として、326グラムのノニル化ジフェニルアミン(Naugalube 438L)を、1.4グラムのヨウ化鉄と共にオートクレーヴに充填し、40%の濃度となるように水を加え、及び135mLのアセトンを加えた。その反応器を窒素で212psigにまで二度にわたって加圧し、そして大気圧になるまで排気した。その後、圧力が384psigにまで上昇するように280℃にまで加熱した。反応は、圧力が518psigの最大値にまで上昇する時間の間、6時間にわたって継続させた。その反応物をその後冷却し、溶媒で希釈し、そしてpH7へと中和した。その有機層を水で洗浄し、そしてその有機物をロータリーエヴァポレーターで揮発させた。生産物は暗い色の粘性の液体として得られた。
【0050】
第二の工程の実施例として、ノニル化ジフェニルアミン(95グラム、Naugalube 438L)及び4.5mLの50%HBr水溶液を、機械的な撹拌機、熱電対、及び電熱器を装備した反応容器へと充填した。窒素雰囲気下、その充填物を165℃にまで加熱した。アセトン(120mL)を、時間あたり10mLの速度でシリンジポンプを介して添加した。反応物を、その後冷却し、希釈したNaOHで洗浄し、そしてロータリーエヴァポレーターで揮発させた。生産物は暗い色の粘性の液体として得られた。
【0051】
第三の工程の実施例として、ノニル化ジフェニルアミン(40グラム、Naugalube 438L)を、機械的な撹拌機、熱電対、電熱器、及び受信機の付いた補正濃縮機を装備した反応容器へと充填した。窒素雰囲気下、充填物を180℃にまで加熱した。0.875グラムのHBrと混合したアセトン(62mL)を、約7時間かけてシリンジポンプを介して加えた。反応物をその後さらなる時間熱処理した。反応物をその後60℃にまで冷却し、等重量の溶媒で希釈し(洗浄を向上させるため)、そして希釈したNaOHで洗浄した。有機層は分離され、そしてロータリーエヴァポレーターで揮発させた。生産物は暗い色の粘性の液体として得られた。
【0052】
この発明は、割合及びパーセンテージがもし他に示していなければ重量によるものである、以下の実施例を参照することによって、より良く理解されるかもしれない。
【0053】
(実施例)
実施例A
90グラムのブチル化オクチル化ジフェニルアミンと3.6グラムの48%臭化水素酸水溶液を、機械的な撹拌機、窒素雰囲気、熱電対、電熱器、及び受信機の付いた補正濃縮機を装備した反応容器へと充填した。これを180℃にまで加熱した。HPLCポンプを用いて、340mLのアセトンを6.5時間かけて反応物へと加えた。反応物をその後さらに30分間熱処理した。その後反応物を70℃にまで冷却し、250mLのヘプタンで希釈し(洗浄を向上させるため)、そして希釈したNaOHで洗浄した。有機層を分離し、そして一晩放置した。その結果の沈殿物(これ以降AC1と呼称する)を、229から231℃の融点である7.2グラムの白灰色の針状固体を与えるように濾過した。分析はこの物がジ−tert−ブチルジメチルアクリダンであることを示した。H NMR δ=1.303ppm 積分=18(t−ブチル)、δ=1.591ppm 積分=6(Ar−C−(CH)、δ=6.002 積分=1(−N−H)、δ=6.592、6.619、7.084、7.090、7.112、7.117、7.387ppm 積分=6(芳香族)。13C NMR δ=30.661ppm 積分=2(ArC(CH)、δ=31.618ppm 積分=6(ArC(CH)、δ=34.299ppm 積分=2(ArC(CH)、δ=36.619ppm 積分=1(ArC(CH)、δ=112.837、122.156、123.477、128.504、136.376、142.917ppm 積分=12(芳香族)。
【0054】
(酸化テスト)
(圧力示差走査熱量測定テスト)
本発明の反応産物の抗酸化特性は、圧力示差走査熱量測定(PDSC)テストにおいて決定された。テストは、Mettler−Toledo DSC27HPを用いて、以下の概略的な手順に沿って行われた。このテストは、圧力の下でOガス中に測定された潤滑液体における抗酸化剤の相対的な酸化誘導時間(OIT)を測定する。
【0055】
全てのサンプルを、主要な抗酸化剤を含んでいなかった模範となる完全に調合された機械油(表1参照)へと、全体の抗酸化剤の重量あたり0.4%で混合した。付加的な0.1重量%のSolvent Neutral 150基本オイルを、その後50ppmのナフテン酸鉄と共に加えた。PDSCテストの条件を表2に示した。表3は、ノニル化ジフェニルアミン(Naugalube 438L)とAC1との組み合わせの、添加剤の濃度及びテスト結果を示す。表4は、ヒンダードフェノール性抗酸化剤(Naugalube 531)、ノニル化ジフェニルアミン(Naugalube 438L)、及びAC1の組み合わせの、添加剤の濃度及びテスト結果を示す。テスト結果の数値は、分単位の酸化誘導時間(OIT)として測定され、そして有効性の増大とともに増加する。
【0056】
【表4】

【0057】
【表5】

【0058】
【表6】

【0059】
【表7】

【0060】
表3及び4に見られるように、アルキル化ジフェニルアミンとアルキル化ジメチルアクリダンの組み合わせは、どちらかの添加剤単独の場合の能力以上に潤滑油調剤の能力を向上させるように相乗作用的に機能する。さらに、アルキル化ジフェニルアミンの一部とアルキル化ジメチルアクリダンとの交換は、フェノール性抗酸化剤と組み合わせて採用された場合、アルキル化ジフェニルアミン又はアルキル化ジメチルアクリダンのどちらか一方のみをフェノール性抗酸化剤と組み合わせたものよりも、特にアルキル化ジメチルアクリダンがアルキル化ジフェニルアミンと約1:3の比率で使われた場合、良い能力を産み出す。
【0061】
(アルキル化ジメチルアクリダンとアルキル化ジフェニルアミンの混合物の調製)
アルキル化アクリダンの純粋なサンプルを調製すること、そして潤滑性流動体中、又は潤滑性流動体へと混合する前のどちらかのアルキル化ジフェニルアミンと物理的に混合することの代わりに、第一の意図によってアルキル化アクリダンとアルキル化ジフェニルアミンとの望みの比率を生産することは可能であり、及び本発明に合致する。以下はこの方法の実施例である。
【0062】
(添加物A)
40グラムのノニル化ジフェニルアミン(Naugalube 438L)を、機械的な撹拌機、窒素雰囲気、熱電対、電熱器、及び受信機の付いた補正濃縮機を装備した反応容器へと充填した。これを180度にまで加熱した。0.875グラムのHBr(50重量%の水溶液として供給した)と混合した62mLのアセトンを、約7時間にわたってシリンジポンプを介して加えた。この反応物をその後さらなる時間熱処理した。この反応物を60℃にまで冷却し、等重量の溶媒で希釈し(線上を向上させるため)、そして希釈したNaOHで洗浄した。有機層を分離し、そしてロータリーエヴァポレーターで揮発させた。産物は暗い色の粘性の液体として得られた。GC(ガスクロマトグラフィー)による分析は、42.8%のRA(相対面積)が出発原料である残渣を含む新しいアルキル化素材であることを示した。
【0063】
(添加物B)
45グラムのブチル化オクチル化ジフェニルアミン(Naugalube 640)を、機械的な撹拌機、窒素雰囲気、熱電対、電熱器、及び受信機の付いた補正濃縮機を装備した反応容器へと充填した。これを180℃にまで加熱した。0.9グラムのHBr(50重量%の水溶液として供給した)と混合したアセトン(63mL)を、3.5時間にわたってシリンジポンプを介して加えた。その反応物をその後70度にまで冷却し、等重量の溶媒で希釈し(洗浄を向上させるため)、そしてNaOHで洗浄した。有機層を分離し、ロータリーエヴァポレーターで揮発させた。生産物は暗い色の粘性の液体として得られた。GCMS(ガスクロマトグラフィー/質量分析)による分析は、34.1%のRAが、出発原料である残渣を含む、様々な数及び長さのアルキル基を有するジメチルアクリダンであることを示した。
【0064】
(添加剤C)
43.1グラムの量のノニル化ジフェニルアミン(Naugalube 438L)を、機械的な撹拌機、窒素雰囲気、熱電対、電熱器、及び濃縮機を装備した反応容器へと充填した。これを180℃にまで加熱した。1.8グラムのHBr(50重量%の水溶液として供給した)と混合した52.5mLのアセトンのストック溶液を調製した。これの7mLを1時間以上かけて加えた。反応物をその後さらに6時間熱処理した。生産物は暗い色の粘性の液体として得られた。GCによる分析は、23%のRAが出発原料である残渣を含む新しいアルキル化素材であることを示した。
【0065】
(酸化テスト)
(ロータリーボンブによる蒸気タービンの酸化安定性)
本発明の反応産物の抗酸化特性を、ロータリーボンブ酸化テスト(RBOT)において決定した。テストを、Koehler K−70502型の圧力測定システムを取り付けたKoehler Instrument社のロータリーボンブ酸化バス(K−70200型)中において、ASTM D 2272に沿って行った。このテストは、Oガスと共に加圧された容器の圧力の低下によって測定される、潤滑流体における抗酸化剤の相対的な酸化誘導時間(OIT)を測定する。
【0066】
テストされたそれぞれのサンプルを、重量あたり0.5%で抗酸化剤を含まない模範的な蒸気タービンオイル(表5参照)へと調合した。これらをその後付加的な0.5重量%のExcel 100基本オイルを含む基本混合物のサンプルと比較した。表6は、数値の増大が有効性の増大と解釈されるテスト結果(OIT、分)の数値を提供する。
【0067】
【表8】

【0068】
【表9】

【0069】
(酸化テスト)
(圧力示差走査熱量測定(PDSC)テスト)
PDSCテストは上記の手順を採用して行われた。表7は、アルキル化ジフェニルアミン(Naugalube 438L又はNaugalube 640)及び調製した実施例の組み合わせについての、添加剤の濃度及びテスト結果を示す。表8は、ヒンダードフェノール性抗酸化剤(Naugalube 531)、アルキル化ジフェニルアミン、及び調製した実施例についての、添加剤の濃度及びテスト結果を示す。テスト結果の数値は、分単位の酸化誘導時間(OIT)として測定され、そして有効性の増大と共に増加する。
【0070】
【表10】

【0071】
【表11】

【0072】
実施例1から15の比較において見られるように、このテストにおける能力は、アルキル化ジフェニルアミン及びアルキル化アクリダンの混合物として調製された添加剤の実施例によって向上する。フェノール性の抗酸化剤と同様に組み合わせて用いた場合、これらの添加剤の能力はさらにより増大する。フェノール性抗酸化剤とアルキル化ジフェニルアミンの組み合わせが13から15分の範囲のOITを実現する一方、この発明の3つの添加剤の間の相乗効果を用いることで、実施例22において20分近くにまで酸化誘導時間を高めることができた。
【0073】
この発明に内在する本質から離れることなく為されうる多くの変更及び修正を考慮すれば、引例はこの発明を提供するための保護の範囲の理解のために添付された特許請求の範囲に対して為されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)潤滑油;及び
(B)混合物が、縮合の終了時に残存するアルキル化ジフェニルアミンがアクリダン産物から分離されず、かつR、R、R、及びRが、少なくとも1つが水素ではないという条件で、水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなる群から独立して選択され、及びR及びRがCからC20のヒドロカルビル及び水素からなる群から独立して選択される、下記の一般式の少なくとも1つのアクリダンを生産するために、酸触媒の存在下でアルキル化ジフェニルアミンとアルデヒド又はケトンとの部分的な縮合によって調製される、抗酸化剤の混合物:
を包含する組成物。
【化1】

【請求項2】
アルキル化ジフェニルアミンが、モノ−、ジ−、及びトリ−ノニル化ジフェニルアミン及びブチル化オクチル化ジフェニルアミンからなる群から選択される、請求項1の組成物。
【請求項3】
アルキル化ジフェニルアミンがケトンと縮合される、請求項1の組成物。
【請求項4】
ケトンがアセトンである、請求項3の組成物。
【請求項5】
アルキル化ジフェニルアミンがケトンと縮合される、請求項2の組成物。
【請求項6】
ケトンがアセトンである、請求項5の組成物。
【請求項7】
組成物が混合物によって与えられるものに加えて少なくとも1つの抗酸化剤をさらに包含する、請求項1の組成物。
【請求項8】
付加的な抗酸化剤がアミン抗酸化剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、及びその混合物からなる群から選択される、請求項7の組成物。
【請求項9】
ヒンダードフェノール抗酸化剤が、2,4−ジメチル−6−オクチル−フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチル−フェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチル−フェノール)、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−ベータ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリイソプロピルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジメチル−4−ジドデシルフェノール、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)イソシアヌル酸、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸、テトラキス{メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸)}メタン、1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸)ヒドラジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、2,2’−オキサミド−ビス−{エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオン酸、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸トリエステル、ビス(3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブタン酸)グリコールエステル、テトラキス{メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸)}メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸のCからC分枝鎖アルキルエステル、からなるグループから選択される、請求項8の組成物。
【請求項10】
(A)潤滑油;及び
(B)抗酸化剤の混合物であって;
(1)R、R、R、及びRが、少なくとも1つが水素ではないという条件で、水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなる群から独立して選択され、及びR及びRがCからC20のヒドロカルビル及び水素からなる群から独立して選択される下記の一般式の少なくとも1つのアクリダン;
【化2】


(2)アクリダンの調製物由来の残存するアルキル化ジフェニルアミン;
(3)アミン抗酸化剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、及びその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な抗酸化剤、を含む抗酸化剤の混合物;
を包含する組成物。
【請求項11】
混合物が、縮合の終了時に、残存するアルキル化ジフェニルアミンがアクリダン産物から分離されず、かつR、R、R、及びRが、少なくとも1つが水素ではないという条件で、水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなる群から独立して選択され、及びR及びRがCからC20のヒドロカルビル及び水素からなる群から独立して選択される下記の一般式の少なくとも1つのアクリダンを生産するために、酸触媒の存在下におけるアルキル化ジフェニルアミンとアルデヒド又はケトンとの部分的な縮合によって調製される、抗酸化剤の混合物を潤滑油へと添加することを包含する、潤滑油の酸化に対する感受性を軽減させるための方法。
【化3】

【請求項12】
アルキル化ジフェニルアミンが、モノ−、ジ−、及びトリ−ノニル化ジフェニルアミン及びブチル化オクチル化ジフェニルアミンからなるグループから選択される、請求項11の方法。
【請求項13】
アルキル化ジフェニルアミンがケトンと縮合される、請求項11の方法。
【請求項14】
ケトンがアセトンである、請求項13の方法。
【請求項15】
アルキル化ジフェニルアミンがケトンと縮合される、請求項12の方法。
【請求項16】
ケトンがアセトンである、請求項15の方法。
【請求項17】
組成物がさらに混合物によって与えられるものに加えて少なくとも1つの抗酸化剤を包含する、請求項11の方法。
【請求項18】
付加的な抗酸化剤がアミン抗酸化剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、及びその混合物からなる群から選択される、請求項17の方法。
【請求項19】
ヒンダードフェノール抗酸化剤が、2,4−ジメチル−6−オクチル−フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチル−フェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチル−フェノール)、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−ベータ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリイソプロピルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジメチル−4−ジドデシルフェノール、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)イソシアヌル酸、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸、テトラキス{メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸)}メタン、1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸)ヒドラジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、2,2’−オキサミド−ビス−{エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオン酸、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸トリエステル、ビス(3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブタン酸)グリコールエステル、テトラキス{メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸)}メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ桂皮酸のCからC分枝鎖アルキルエステル、からなる群から選択される、請求項18の方法。
【請求項20】
混合物が、(A)R、R、R、及びRが、少なくとも1つが水素ではないという条件で、水素、CからC32のアルキル、及びCからC32のアルケニルからなる群から独立して選択され、及びR及びRがCからC20のヒドロカルビル及び水素からなる群から独立して選択される、下記の一般式の少なくとも1つのアクリダン;
【化4】


(B)アクリダンの調製物由来の残存するアルキル化ジフェニルアミン;
(C)アミン抗酸化剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、及びその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な抗酸化剤;
を包含する抗酸化剤の混合物を潤滑油に添加することを包含する、酸化に対する潤滑油の感受性を軽減するための方法。

【公表番号】特表2007−532757(P2007−532757A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508414(P2007−508414)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/012094
【国際公開番号】WO2005/116172
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(505365356)ケムチュア コーポレイション (50)
【Fターム(参考)】