ケーブルロープウェイ式ブロック投入工法
【課題】 潮流変化の激しい深水域であっても、海底のねらい通りの位置にブロックを沈設する工法を得る。
【解決手段】 海上の作業船と海底のシーアンカーとをワイヤーロープで連結し、該ワイヤーロープに設けた滑動機構にブロックを吊り下げて、ブロックを海底に降下沈設する。
【解決手段】 海上の作業船と海底のシーアンカーとをワイヤーロープで連結し、該ワイヤーロープに設けた滑動機構にブロックを吊り下げて、ブロックを海底に降下沈設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、海底へのブロックの投入工法に関するものであり、さらに詳しくは潮流変化の激しい深水域であっても、ねらい通りの位置にブロックを投入できる、ケーブルロープウェイ式ブロック投入工法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、水産資源枯渇対策の一環として、沿岸海域における人工魚礁の構築が盛んに行われている。工法は、いたって単純で、起重機船等の作業船で様々な形状の魚礁ブロックを目標海域まで運搬し、海中に投入し、海底に魚礁ブロックからなるマウンド（小丘）を形成するというものである。
【０００３】
しかしながら、比較的浅い水域のばあいは、ほぼねらい通りの位置にブロックを投入できても、水深が増すと、潮流の影響を受け、それが難しくなるばあいが多い。そこで、あらかじめ目標海域の潮流の向きや速さを測定し、その影響を計算して投入する工法が広く実施されている（特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】 特許公開２００４年３３９７６４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとしている課題】
【０００５】
それでも、潮流の変化は一定ではなく、ブロックの着底位置を正確に予測することは極めて困難であり、結果、海底にマウンドが形成されるどころか、ブロックが海底に散在してしまい、魚礁としての機能をほとんど果たせなくなるケースも多い。
【０００６】
本発明は、こうした従来の工法に伴う問題を一気に解決するもので、潮流変化の激しい深水域であっても、確実に、ねらい通りの位置にブロックを着底させることができ、よって、無駄なくまた効率よく海底にマウンドを形成できる、画期的なブロック投入工法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
すなわち、本発明によるブロック投入工法は、海上の作業船と海底のシーアンカーとをワイヤーロープで連結し、該ワイヤーロープに設けた滑動機構にブロックを吊り下げて、ブロックを海底に降下沈設することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
したがって、本発明によるブロック投入工法によれば、例え、複雑な潮流変化の伴う深水域であっても、ブロックを、丁度ケーブルロープウェイのゴンドラの様に吊り下げて、海底のシーアンカーの位置まで確実に降下沈設させることができるので、無駄なくまた効率よく海底にマウンドを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。１は海上に浮かぶ起重機船等の作業船で、２は海底に設置したシーアンカーである。なおシーアンカー（２）には座標測定用のトランスポンダー（６）が付いているので、その位置を正確に把握できる。
【００１０】
作業船（１）とシーアンカー（２）は、ワイヤーロープ（７）で連結されており、該ワイヤーロープ（７）には、船上のウインチで巻き上げ、巻き下げ可能な滑車等でなる滑動機構（４）が設けられている。
【００１１】
よって、滑動機構（４）に、ブロック（３）を吊り下げ、ウインチを巻き下げると、ブロック（３）は、ワイヤーロープ（７）伝いに自重で降下して行き、やがてシーアンカー（２）のそばに着底する。ブロック（３）が着底したら、その吊り下げを解放する機構が働き、滑動機構（４）とブロック（３）は切り離されるので、ウインチを巻き上げ、滑動機構（４）を元の作業船の位置に戻し、船上クレーンで新たなブロック（３）を滑動機構（４）に吊り下げ、再び同じ作業を繰り返す。
【００１２】
なお、ブロックが着底すると、その吊り下げが解放される機構は、吊り下げワイヤーの一端にブイを取り付け、荷重がかからなくなって吊り下げワイヤーが緩むと、ブイが浮き上がり吊り下げワイヤーの一端がフックから外れる仕組み等、公知の技術を用いることができる。また、ブロックは、その形状や大きさに応じて、１個づつでも、あるいは一度に数個づつまとめて施工してもよい。さらに、作業船（１）は、潮流に自然に流される形で作業を行うほうが、船への負荷も少ない。
【００１３】
こうして、同じ作業を繰り返して、ある程度の規模のマウンドを形成したら、シーアンカー（２）を吊り上げ、マウンドの上や横に移動して、再び同じ作業を繰り返す。なお、シーアンカー（２）は、作業終了後吊り上げ回収する。
【００１４】
以上のごとく、本発明によるケーブルロープウェイ式ブロック投入工法は、海上の作業船と海底のシーアンカーとの間に張り渡したワイヤーロープ伝いにブロックを降下沈設できるので、潮流変化の激しい深水域であっても、確実に、ねらい通りの位置にブロックを降下沈設できる。よって、無駄なくかつ効率よく、海底にマウンドを形成できる。
【００１５】
なお、本発明によるケーブルロープウェイ式ブロック投入工法は、単に魚礁マウンドの構築のみならず、ブロックをはじめとする様々な部材を海底に沈設する際、精度を求められるあらゆる海洋港湾工事に応用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】 本発明の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
【００１７】
１ 作業船
２ シーアンカー
３ ブロック
４ 滑動機構
５ ブイ
６ トランスポンダー
７ ワイヤーロープ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、海底へのブロックの投入工法に関するものであり、さらに詳しくは潮流変化の激しい深水域であっても、ねらい通りの位置にブロックを投入できる、ケーブルロープウェイ式ブロック投入工法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、水産資源枯渇対策の一環として、沿岸海域における人工魚礁の構築が盛んに行われている。工法は、いたって単純で、起重機船等の作業船で様々な形状の魚礁ブロックを目標海域まで運搬し、海中に投入し、海底に魚礁ブロックからなるマウンド（小丘）を形成するというものである。
【０００３】
しかしながら、比較的浅い水域のばあいは、ほぼねらい通りの位置にブロックを投入できても、水深が増すと、潮流の影響を受け、それが難しくなるばあいが多い。そこで、あらかじめ目標海域の潮流の向きや速さを測定し、その影響を計算して投入する工法が広く実施されている（特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】 特許公開２００４年３３９７６４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとしている課題】
【０００５】
それでも、潮流の変化は一定ではなく、ブロックの着底位置を正確に予測することは極めて困難であり、結果、海底にマウンドが形成されるどころか、ブロックが海底に散在してしまい、魚礁としての機能をほとんど果たせなくなるケースも多い。
【０００６】
本発明は、こうした従来の工法に伴う問題を一気に解決するもので、潮流変化の激しい深水域であっても、確実に、ねらい通りの位置にブロックを着底させることができ、よって、無駄なくまた効率よく海底にマウンドを形成できる、画期的なブロック投入工法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
すなわち、本発明によるブロック投入工法は、海上の作業船と海底のシーアンカーとをワイヤーロープで連結し、該ワイヤーロープに設けた滑動機構にブロックを吊り下げて、ブロックを海底に降下沈設することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
したがって、本発明によるブロック投入工法によれば、例え、複雑な潮流変化の伴う深水域であっても、ブロックを、丁度ケーブルロープウェイのゴンドラの様に吊り下げて、海底のシーアンカーの位置まで確実に降下沈設させることができるので、無駄なくまた効率よく海底にマウンドを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。１は海上に浮かぶ起重機船等の作業船で、２は海底に設置したシーアンカーである。なおシーアンカー（２）には座標測定用のトランスポンダー（６）が付いているので、その位置を正確に把握できる。
【００１０】
作業船（１）とシーアンカー（２）は、ワイヤーロープ（７）で連結されており、該ワイヤーロープ（７）には、船上のウインチで巻き上げ、巻き下げ可能な滑車等でなる滑動機構（４）が設けられている。
【００１１】
よって、滑動機構（４）に、ブロック（３）を吊り下げ、ウインチを巻き下げると、ブロック（３）は、ワイヤーロープ（７）伝いに自重で降下して行き、やがてシーアンカー（２）のそばに着底する。ブロック（３）が着底したら、その吊り下げを解放する機構が働き、滑動機構（４）とブロック（３）は切り離されるので、ウインチを巻き上げ、滑動機構（４）を元の作業船の位置に戻し、船上クレーンで新たなブロック（３）を滑動機構（４）に吊り下げ、再び同じ作業を繰り返す。
【００１２】
なお、ブロックが着底すると、その吊り下げが解放される機構は、吊り下げワイヤーの一端にブイを取り付け、荷重がかからなくなって吊り下げワイヤーが緩むと、ブイが浮き上がり吊り下げワイヤーの一端がフックから外れる仕組み等、公知の技術を用いることができる。また、ブロックは、その形状や大きさに応じて、１個づつでも、あるいは一度に数個づつまとめて施工してもよい。さらに、作業船（１）は、潮流に自然に流される形で作業を行うほうが、船への負荷も少ない。
【００１３】
こうして、同じ作業を繰り返して、ある程度の規模のマウンドを形成したら、シーアンカー（２）を吊り上げ、マウンドの上や横に移動して、再び同じ作業を繰り返す。なお、シーアンカー（２）は、作業終了後吊り上げ回収する。
【００１４】
以上のごとく、本発明によるケーブルロープウェイ式ブロック投入工法は、海上の作業船と海底のシーアンカーとの間に張り渡したワイヤーロープ伝いにブロックを降下沈設できるので、潮流変化の激しい深水域であっても、確実に、ねらい通りの位置にブロックを降下沈設できる。よって、無駄なくかつ効率よく、海底にマウンドを形成できる。
【００１５】
なお、本発明によるケーブルロープウェイ式ブロック投入工法は、単に魚礁マウンドの構築のみならず、ブロックをはじめとする様々な部材を海底に沈設する際、精度を求められるあらゆる海洋港湾工事に応用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】 本発明の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
【００１７】
１ 作業船
２ シーアンカー
３ ブロック
４ 滑動機構
５ ブイ
６ トランスポンダー
７ ワイヤーロープ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
海上の作業船と海底のシーアンカーとをワイヤーロープで連結し、該ワイヤーロープに設けた滑動機構にブロックを吊り下げて、ブロックを海底に降下沈設することを特徴とする、ケーブルロープウェイ式ブロック投入工法。
【請求項１】
海上の作業船と海底のシーアンカーとをワイヤーロープで連結し、該ワイヤーロープに設けた滑動機構にブロックを吊り下げて、ブロックを海底に降下沈設することを特徴とする、ケーブルロープウェイ式ブロック投入工法。
【図１】
【公開番号】特開２００７−１３２１８１（Ｐ２００７−１３２１８１Ａ）
【公開日】平成１９年５月３１日（２００７．５．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３５６９１６（Ｐ２００５−３５６９１６）
【出願日】平成１７年１１月１０日（２００５．１１．１０）
【出願人】（５０５４０７８４１）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年５月３１日（２００７．５．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１１月１０日（２００５．１１．１０）
【出願人】（５０５４０７８４１）
【Ｆターム（参考）】
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