ケーブル及びケーブル固定部材
【課題】ケーブルの配線を容易に行うとともに、ケーブルの配線の調整を容易に行うことができるケーブル及びケーブル固定部材を提供する。
【解決手段】導線10〜13とこの導線10〜13を被膜する被覆体14を有するケーブル1と、ケーブル1が取り付けられる固定部材側取付部21が設けられるケーブル固定部材2とであって、被覆体14には、固定部材側取付部21に着脱自在に取り付つけられるケーブル側取付部1Bが設けられ、被覆体14とケーブル側取付部1Bとは単一部材として構成されている。
【解決手段】導線10〜13とこの導線10〜13を被膜する被覆体14を有するケーブル1と、ケーブル1が取り付けられる固定部材側取付部21が設けられるケーブル固定部材2とであって、被覆体14には、固定部材側取付部21に着脱自在に取り付つけられるケーブル側取付部1Bが設けられ、被覆体14とケーブル側取付部1Bとは単一部材として構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル及び壁部に固定されるとともにケーブルが取り付けられるケーブル固定部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、情報を通信する方式としては、ケーブルを用いる有線通信と、このケーブルを用いず電波等の無線を用いる無線通信とが知られている。
無線通信では、有線通信と比較してケーブルを配線するための施工が必要ないため、容易に導入可能である利点がある。一方で、無線通信は周囲の環境の影響によって通信が不安定になる場合がある。特に写真等の静止画よりも通信量の多い動画を無線通信によって配信する場合には、通信が途切れてしまうと動画が配信されなくなり、視聴者にストレスを与えてしまう場合がある。
【0003】
これに対して、有線通信では、無線通信と比較して通信が安定するため、安定的な動画配信を行うことができるようになる。したがって、動画配信の不具合に起因する上記ストレスを視聴者に与えることが抑制されるようになる。
【0004】
ところで、有線通信においては、新築の家屋等であれば壁部の裏面側にケーブルを配線することにより、ケーブルが部屋から隠れるため、部屋全体としてすっきりとする。しかしながら、既築の家屋等の場合には、壁部の裏面側にケーブルを配線するためには大掛かりな施工工事が必要となる。そのため、その施工工事を行わず、壁部の表側にケーブルを配線することが行われている。このような場合には、ケーブルを隠すためにモールをケーブルに被せる構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図10を参照して、従来のモールを用いたケーブルの配線の外観について説明する。
図10(a)に示すように、ケーブル100は、部屋200のドア201と壁部202とを区画する枠体部203に沿って配線されている。このケーブル100は、コンセント300と接続されている。ケーブル100には、モール110が取り付けられている。具体的には、図10(b)に示すように、モール110は、壁部202に取り付けられる壁側部材111とこの壁側部材111と嵌合するとともにカバー側部材112とにより構成されている。これら壁側部材111とカバー側部材112とにより形成される内部空間にケーブル100が収納されている。この構成により、モール110の幅HR1は、ケーブル100の最大径DR1よりも大きく形成されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−91118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、モール110を用いる構成では、以下のようにケーブル100の配線作業が煩雑となる。即ち、まずモール110の壁側部材111を壁部202に固定する。次いで、壁側部材111内にケーブル100を配線する。最後に、カバー側部材112を壁側部材111に固定する。
【0008】
これに対して、上述のモール110に起因するケーブル100の配線の煩雑さを抑制するために、モール110を用いずにケーブル100のみを壁部202に配線する場合がある。その場合には、ケーブル100に両面テープや接着剤を用いて壁部202に配線することが考えられる。
【0009】
しかしながら、ケーブル100に両面テープや接着剤を用いて壁部202に配線した場合には、ケーブル100が屈曲した状態または湾曲した状態にて配線されたときに配線状態の美観の向上のためにケーブル100の壁部202の取り付けをやり直すことが困難となる問題がある。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケーブルの配線を容易に行うとともに、ケーブルの配線の調整を容易に行うことができるケーブル及びケーブル固定部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、導線とこの導線を被膜する被覆体を有するケーブルと、一方の面が造営物を構成する壁部に固定されるとともに、他方の面に前記ケーブルが取り付けられる第1取付部が設けられるケーブル固定部材とを備え、前記被覆体には、前記第1取付部に着脱自在に取り付つけられる第2取付部が設けられ、前記被覆体と前記第2取付部とは単一部材として構成されることを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、第1取付部に第2取付部を取り付けることにより、ケーブル固定部材にケーブルを取り付けるため、図10に示す従来のモール110を用いる構成と比較して、壁部31にケーブル1を配線する作業が容易に行うことができるようになる。また、第2取付部は第1取付部に着脱自在に取り付けられるため、ケーブルを壁部に取り付ける場合において、取り付けの調整を容易に行うことができるようになる。したがって、モールを使用せずにケーブルを直接両面テープや接着剤によって固定する場合と比較して、ケーブルを壁部に固定する作業を容易に行うことができるようになる。
【0013】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記第2取付部は、前記導線から離間する方向に突出する突起部として構成され、前記第1取付部は、前記突起部を嵌合する凹部として構成されることを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、ケーブルに突起部を設け、ケーブル固定部材に凹部を設けることにより、ケーブルに凹部を設け、ケーブル固定部材に突起部を設ける構成と比較して、ケーブルを容易に製造することができるようになる。
【0015】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記第2取付部は、前記ケーブルの延設方向に沿って設けられることを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、第2取付部がケーブルの延設方向に沿って設けられるため、この第2取付部に取り付けられる第1取付部も延設方向に沿って配置されるようになる。したがって、第1取付部に第2取付部を取り付けた状態において、ケーブルがねじれることが抑制されるようになる。
【0017】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記ケーブル固定部材の幅は、前記ケーブルの幅以下として形成されることを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、ケーブル固定部材の幅がケーブルの幅以下として形成されるため、ケーブル固定部材がケーブルによって隠れるようになる。したがって、ケーブル及びケーブル固定部材がより目立たなくなるようになり、ケーブルを配線した状態において図10に示すモール110を用いた場合と比較して部屋の美観が向上するようになる。
【0019】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記ケーブル固定部材は、その断面が略三角形状に形成され、前記ケーブル固定部材の一面には前記第1取付部が設けられるとともに、前記一面以外の面は前記壁部に固定されることを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、壁部と壁部または他の部材とが直交する角部に配線する場合には、第1取付部が設けられる一面以外の二面にて角部に固定することができるため、好適に適用することができるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ケーブルを配線したときの美観の低下を抑制するとともに、ケーブルの取り付けの調整を容易に行うことができるケーブル及びケーブル固定部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のケーブル及びケーブル固定部材を具体化した第1の実施形態について、(a)同ケーブル及びケーブル固定部材の斜視構造を示す斜視図、(b)同ケーブル及びケーブル固定部材の断面構造を示す断面図。
【図2】同実施形態のケーブル及びケーブル固定部材について、(a)〜(d)ケーブルとケーブル固定部材との係合状態を示す断面図。
【図3】同実施形態のケーブル及びケーブル固定部材を壁部に配線した状態を示す外観図。
【図4】同実施形態のケーブル及びケーブル固定部材について、図3の断面線A−Aの断面構造を示す断面図。
【図5】本発明のケーブル及びケーブル固定部材を具体化した第2の実施形態について、(a)ケーブル固定部材の断面構造を示す断面図、(b)ケーブル及びケーブル固定部材を角部に配線した状態の断面構造を示す断面図。
【図6】本発明のケーブル及びケーブル固定部材のその他の実施形態について、(a),(b)ケーブル固定部材の断面構造を示す断面図。
【図7】本発明のケーブル固定部材の他の実施形態について、同ケーブル固定部材の斜視構造を示す斜視図。
【図8】本発明のケーブル固定部材の他の実施形態について、同ケーブル固定部材の断面構造を示す断面図。
【図9】本発明のケーブルの他の実施形態について、同ケーブルの斜視構造を示す斜視図。
【図10】従来のケーブル及びモールについて、(a)同ケーブル及びモールを壁部に配線した状態を示す外観図、(b)(a)の断面線B−Bの断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
図1〜図4を参照して、本発明のケーブル及びケーブル固定部材を家屋の壁部に配線したケーブル及びケーブル固定部材として具体化した第1の実施形態について説明する。以降では、壁部の表面側及び裏面側を規定する方向を「前後方向」とし、ケーブルの延設方向を「上下方向」とし、ケーブルの延設方向に対して垂直な平面にて切った断面方向を「径方向」とする。また、前後方向及び上下方向に直交する方向を「左右方向」とする。
【0024】
図1(a)に示すように、ケーブル1には、円柱形状のケーブル本体部1Aとこのケーブル本体部1Aから前後方向の後方に突出するケーブル側取付部1Bとが設けられている。
【0025】
ケーブル本体部1Aには、4本の導線10〜13と、これら導線10〜13を径方向から外囲することにより被膜する被覆体14とが設けられている。この被覆体14は、ケーブル側取付部1Bを一体に構成する。具体的には、被覆体14は、ケーブル側取付部1Bとともに樹脂材料を押し出し成形によって単一部材として成形されている。
【0026】
図1(b)に示すように、ケーブル側取付部1Bは、上下方向から見た平面視において略円形に形成されている。具体的には、前後方向の後方の端部を先端として前後方向の前方に向かうにつれて拡径している。そして所定位置において最大径D1を有する中点部15が設けられている。この中点部15から前後方向の前方に向かい縮径し、被覆体14に接続されるようになる。
【0027】
ケーブル固定部材2には、本体部20とこの本体部20から前後方向の前方に突出するとともにケーブル側取付部1Bを嵌合する凹形状に形成された固定部材側取付部21とが設けられている。
【0028】
本体部20は、上下方向及び左右方向に沿って延びる板状として構成されている。そして本体部20の前後方向の後方の面である後面20bが壁部31(図3参照)に当接した状態によって固定されるようになる。
【0029】
固定部材側取付部21は、本体部20の前後方向の前方の面である前面20aの左右方向の中央位置に設けられるとともに上下方向に沿って一体に延設されている。この固定部材側取付部21は、本体部20との接続位置を基点として、前後方向の前方に向かうにつれて湾曲状に拡径している。そして所定位置において最大径D2を有する中点部22が設けられている。この中点部22から前後方向の前方に向かい湾曲状に縮径する先端部23が設けられている。
【0030】
ケーブル1は、ケーブル側取付部1Bが固定部材側取付部21に嵌合することによりケーブル固定部材2に取り付けられるようになる。言い換えれば、ケーブル1は、いわゆるジップロック(登録商標)の方式によって、ケーブル固定部材2に固定されるようになる。
【0031】
具体的には、図2(a)に示すように、ケーブル1とケーブル固定部材2とが前後方向において互いに離間した状態から、図2(b)〜図2(d)に示すようにケーブル固定部材2に向かいケーブル1を前後方向の後方に移動させてケーブル側取付部1Bを固定部材側取付部21に取り付ける。
【0032】
ここで、より詳細には、図2(a)に示すように、ケーブル側取付部1Bの最大径D1は、固定部材側取付部21の先端部23の開口部分の最短距離を結んだ径である開口径D3よりも大きくなるように形成されている。これにより、図2(b)に示すように、ケーブル側取付部1Bを固定部材側取付部21に取り付ける際、固定部材側取付部21はケーブル側取付部1Bによって左右方方向に開くように弾性変形する。
【0033】
そして、図2(a)に示すように、ケーブル側取付部1Bの最大径D1は固定部材側取付部21の最大径D2と略同等であるため、固定部材側取付部21はケーブル側取付部1Bの中点部15が固定部材側取付部21の中点部22に移動するまで先端部23が拡径し続ける。そして、図2(c)に示すように、上記中点部15が上記中点部22より前後方向の後方に移動するにつれて、先端部23はケーブル側取付部1Bの外形に沿って復元力の作用により縮径するようになる。最後に、図2(d)に示すように、ケーブル側取付部1Bの前後方向の後方の端部が、固定部材側取付部21の本体部20との接続位置に当接することにより、ケーブル1のケーブル固定部材2への取り付けが完了する。
【0034】
また、このようなケーブル側取付部1Bと固定部材側取付部21との嵌合によりケーブル1がケーブル固定部材2に取り付けられるため、ケーブル固定部材2にケーブル1が取り付けられた状態からケーブル1を前後方向の前方に引っ張ることにより、ケーブル固定部材2からケーブル1を容易に取り外すことができる。したがって、ケーブル固定部材2にケーブル1が屈曲したり湾曲したりした状態によって配線された場合には、ケーブル1を配線した状態における美観が低下してしまう。また、ケーブル固定部材とケーブルとの固定方法として、両面テープや接着剤を用いた場合には、ケーブル固定部材とケーブルとの取り付けのやり直しが困難であり、作業性が低下してしまう問題がある。その点において、本実施形態は、ケーブル固定部材2にケーブル1を取り付けたとしても、容易にケーブル固定部材2からケーブル1を取り外すことができるため、ケーブル固定部材2へのケーブル1の取り付け作業のやり直しを容易に行うことができる。その結果、作業者がケーブル固定部材2にケーブル1を取り付ける際に、ケーブル1の状態を容易に調整することができ、ケーブル1の配線の美観の低下を抑制した状態、即ちケーブル1を真っ直ぐに配線した状態においてケーブル固定部材2に取り付けることができるようになる。
【0035】
次に、図3及び図4を参照して、ケーブル1及びケーブル固定部材2の配線の外観について説明する。
図3に示すように、ケーブル1及びケーブル固定部材2は、部屋30を構成する壁部31において、ドア32と壁部31とを区画するように構成される枠体部33の左右方向の右側の右隅において上下方向に沿って配線されている。
【0036】
具体的には、枠体部33の上下方向の下方の右隅に設けられたコンセント34にケーブル1は接続されるとともに、コンセント34から枠体部33及び壁部31によって形成される角部35に向かい屈曲する。そして角部35におけるケーブル1が近接した位置Xから上下方向の上方に沿ってケーブル1は配線されるようになる。
【0037】
図4に示すように、角部35を構成する壁部31にはケーブル固定部材2が上下方向に沿った態様にて当接している。このケーブル固定部材2は両面テープにより、壁部31に固定されている。このケーブル固定部材2は枠体部33に左右方向に近接した態様にて設けられている。
【0038】
また、本体部20の左右方向の幅H1は、ケーブル1の最大径D4(ケーブル1の幅)と略同等となるように設けられている。これにより、図10のモール110を用いたケーブル100の配線と比較して、壁部31の表側に占めるケーブル1の面積を小さくすることができるようになる。したがって、モール110を用いたケーブル100の配線と比較して、ケーブル1を配線したとしても部屋全体としてケーブル1が目立たなくなる。
【0039】
ところで、モール110を用いた場合では、上述のようにモール110の壁側部材111を壁部202に固定する工程と、壁側部材111内にケーブル100を配線する工程と、カバー側部材112を壁側部材111に固定する工程との3工程が必要となる。その点において、本実施形態では、ケーブル固定部材2を壁部31に固定する工程と、このケーブル固定部材2にケーブル1を取り付ける工程との2工程にて壁部31へのケーブル1の配線が完了するため、モール110を用いた場合と比較して、1工程を省略できるようになる。したがって、壁部31にケーブル1を配線する作業が容易に行うことができるようになる。
【0040】
本実施形態のケーブル1及びケーブル固定部材2によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、ケーブル1にケーブル側取付部1Bが設けられ、ケーブル固定部材2に固定部材側取付部21が設けられる構成である。そして、固定部材側取付部21にケーブル側取付部1Bが取り付けられることにより、ケーブル固定部材2にケーブル1が取り付けられる。したがって、本実施形態では、図10に示す従来のモール110を用いる構成と比較して、壁部31にケーブル1を配線する作業が容易に行うことができるようになる。
【0041】
また、ケーブル側取付部1Bは固定部材側取付部21に対して着脱自在に取り付けられている。したがって、ケーブル1をケーブル固定部材2に取り付ける場合において、ケーブル1の取り付けの位置合わせの調整を容易に行うことができるようになる。したがって、モールを使用せずにケーブルを直接両面テープや接着剤によって固定する場合と比較して、作業者がケーブル1をケーブル固定部材2に固定する作業を容易に行うことができるようになる。
【0042】
(2)本実施形態によれば、ケーブル1のケーブル側取付部1Bがケーブル本体部1Aから前後方向の後方に突出するように設けられる構成である。したがって、ケーブル側取付部1Bがケーブル本体部1Aから前後方向の前方に凹むように設けられる構成(比較構成)と比較して、被覆体14及びケーブル側取付部1Bの成形を容易に行うことができるため、ケーブル1の製造を容易に行うことができるようになる。
【0043】
(3)本実施形態によれば、ケーブル1のケーブル側取付部1Bがケーブル1の延設方向(上下方向)に沿って設けられる構成である。したがって、ケーブル側取付部1Bをケーブル固定部材2の固定部材側取付部21に取り付ける際に、ケーブル1がねじれることが抑制されるようになる。
【0044】
(4)本実施形態によれば、ケーブル固定部材2の本体部20の幅H1の大きさは、ケーブル1の最大径D4以下である構成である。したがって、ケーブル固定部材2にケーブル1を取り付けた状態において、ケーブル1より前後方向の前方から見たとしても本体部20がケーブル1に隠れるようになる。したがって、ケーブル固定部材2にケーブル1を取り付けた状態において、本体部20が目立たなくなるため、美観の低下を抑制することができるようになる。
【0045】
(5)本実施形態によれば、ケーブル1の被覆体14が押し出し成形によって成形されている。したがって、被覆体14をケーブル1の延設方向に沿って押し出すように成形することにより、本実施形態のようなケーブル側取付部1Bの形状を容易に成形することができるようになる。
【0046】
(6)本実施形態によれば、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21の先端部23の開口径D3は、固定部材側取付部21の最大径D2よりも小さく形成される構成である。したがって、開口径D3が固定部材側取付部21の最大径D2と同等以上の構成と比較して、先端部23の弾性変形に伴う復元力の作用によって固定部材側取付部21がケーブル側取付部1Bを保持する力が向上するようになる。その結果、ケーブル固定部材2がケーブル1を保持する力を向上することができるようになる。
【0047】
(第2の実施形態)
図5を参照して、本発明のケーブル及びケーブル固定部材を家屋の壁部に配線したケーブル及びケーブル固定部材として具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、ケーブル固定部材2の形状及び壁部31へのケーブル固定部材2の固定構造が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、同一部材には同一符号を用い、その説明を省略する。また、図5(b)の断面構造は、図3のA−A断面に相当する。
【0048】
図5(a)に示すように、ケーブル固定部材2の本体部20は、三角柱形状として設けられている。具体的には、本体部20の壁部31に対向する第1面20Aと、枠体部33に対向する第2面20Bとが互いに直交するように設けられている。そして、第1面20Aの端部と第2面20Bの端部とを結ぶことにより第1面20A及び第2面20Bに対して傾斜する第3面20Cに固定部材側取付部21が設けられている。
【0049】
これにより、図5(b)に示すように、枠体部33及び壁部31によって形成される角部35にケーブル固定部材2を固定する場合において、角部35の形状に合致することができる。具体的には、壁部31に第1面20Aが当接し、枠体部33に第2面20Bが当接するようになる。そしてそれぞれの当接面において両面テープによって角部35にケーブル固定部材2が固定されるようになる。また、第3面20Cの幅H2は、ケーブル1の最大径D4以下として設けられている。
【0050】
ここで、角部35にケーブル1をケーブル固定部材2に取り付けるときに、角部35を構成する枠体部33の面に沿ってケーブル1を移動させる場合には、作業者はケーブル1を持つ手の指を枠体部33とケーブル1との間に入れることが困難である。したがって、このような場合には、作業者がケーブル1を枠体部33とケーブル1との間に入れないようにケーブル1を持った上で、ケーブル1をケーブル固定部材2に取り付けるようになる。これに対して、本実施形態のケーブル固定部材2では、第3面20Cが角部35に対して傾斜した状態となるため、作業者は上記枠体部33の面に沿ってケーブル1を移動させる必要はなく、図5(b)の矢印Yに沿った方向にケーブル1を移動させればよい。したがって、作業者が枠体部33とケーブル1との間に指を入れた状態、即ちケーブル1を確実に持った状態にてケーブル1をケーブル固定部材2に取り付けることができるようになる。
【0051】
本実施形態のケーブル1及びケーブル固定部材2によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
(7)本実施形態によれば、本体部20の第1面20A及び第2面20Bのそれぞれが角部35に固定される構成である。したがって、本体部20の二面によって角部35に固定されるため、本体部が一面によって角部35に固定される構成と比較して、ケーブル固定部材2の角部35への保持力を向上させることができるようになる。
【0052】
(8)本実施形態によれば、本体部20の第3面20Cは角部35に対して傾斜した構成である。したがって、作業者は角部35を構成する枠体部33の面に沿った方向にケーブル1を移動させる必要がないため、作業者がケーブル1をケーブル固定部材2に取り付ける作業を容易に行うことができるようになる。
【0053】
(その他の実施形態)
本実施形態のケーブル1及びケーブル固定部材2は、上記各実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施する場合にも適用することもできる。
【0054】
第1の実施形態では、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21が本体部20から前後方向の前方に突出するように設けられたが、固定部材側取付部21と本体部20との構成はこれに限定されることはない。例えば、図6(a)に示すように、固定部材側取付部21は、本体部20の前後方向の前面20aから前後方向の後方に凹む湾曲状の凹部として設けることもできる。この構成においてケーブル1をケーブル固定部材2に取り付ける場合には、ケーブル側取付部1Bが縮径するように弾性変形することにより、固定部材側取付部21に嵌合されるようになる。また、固定部材側取付部21の内面21aに弾性部材を取り付けることにより、ケーブル側取付部1Bを嵌合するときに弾性部材が拡径するように弾性変形して互いに嵌合する構成とすることもできる。
【0055】
また、図6(a)の本体部20は上下方向及び左右方向に板状として設けられたが、例えば図6(b)に示すように本体部20を三角柱形状として設けることもできる。この場合には、板状の本体部20と比較して、固定部材側取付部21のための板厚を確保しやすいため、図6(a)の構成と比較して、本体部20を小型化することができるようになる。
【0056】
上記各実施形態では、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21は上下方向に沿って連続的に設けられていたが、固定部材側取付部21の構成はこれに限定されることはない。例えば、図7に示すように、固定部材側取付部21は、上下方向において互いに離間して複数設けられる構成とすることもできる。
【0057】
上記各実施形態では、ケーブル固定部材2は壁部31に両面テープによって固定されたが、ケーブル固定部材2の壁部31への固定構造はこれに限定されることはない。例えば、図8に示すように、ビス40を用いることにより本体部20を壁部31に固定する構造とすることもできる。これにより、壁部31に設けられた壁紙の種類に関係なく安定的にケーブル固定部材2を固定することができるようになる。また、両面テープ及びビス40に代えて、接着剤を本体部20の後面20bに塗布することにより、壁部31に固定することもできる。
【0058】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが上下方向に沿って連続的に設けられていたが、ケーブル側取付部1Bの構成はこれに限定されることはない。例えば、図9に示すように、ケーブル側取付部1Bは、上下方向において互いに離間して複数設けられる構成とすることもできる。
【0059】
上記各実施形態では、ケーブル固定部材2の本体部20の幅H1,H2がケーブル1の最大径D4以下に設定されていたが、本体部20の幅H1,H2の大きさはこれに限定されることはない。例えば、本体部20がケーブル1に対して大きく目立たない限り、本体部20の幅H1,H2がケーブル1の最大径D4よりも若干大きくなるように設けることもできる。
【0060】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが上下方向に沿って連続的に設けられていたが、ケーブル側取付部1Bの構成はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル側取付部1Bが被覆体14を径方向から取り囲む方向である周方向に傾斜しつつ上下方向に設けることもできる。これにより、上記実施形態の効果(1)及び(2)に準じた効果を奏することができる。
【0061】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが被覆体14から前後方向の後方に向かい突出し、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21が本体部20から前後方向の後方に凹む形状として構成されたが、ケーブル側取付部1B及び固定部材側取付部21の形状はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル側取付部1Bが被覆体14から前後方向の前方に凹み、固定部材側取付部21が本体部20から前後方向の前方に突出する形状とすることもできる。これにより、上記実施形態の効果(1)に準じた効果を奏することができる。
【0062】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが断面丸形状であったが、ケーブル側取付部1Bの形状はこれに限定されることはない。ケーブル側取付部1Bがケーブル固定部材2の固定部材側取付部21と嵌合可能な形状であればよい。
【0063】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル本体部1Aは円柱形状であったが、ケーブル本体部1Aの形状はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル本体部1Aが断面長方形の四角柱形状である、いわゆるフラットケーブルとすることもできる。この場合においては、ケーブル1の最大径D4(ケーブル1の幅)は、ケーブル本体部1Aの断面における長手方向の幅となる。また、ケーブル本体部1Aが断面正方形の四角柱形状とすることもできる。この場合においては、ケーブル1の最大径D4(ケーブル1の幅)は、ケーブル本体部1Aの四角柱の一辺の幅となる。
【0064】
第2の実施形態では、本体部20の第1面20A及び第2面20Bの両方が角部35に固定される構成であったが、本体部20と角部35との固定構造はこれに限定されることはない。本体部20の第1面20A及び第2面20Bの一方が角部35に固定される構成とすることもできる。即ち本発明は、本体部20の第1面20A及び第2面20Bの少なくとも一方が角部35に固定される構成とすることができる。この構成により、第2の実施形態の効果(8)に準じた効果を得ることができるようになる。
【0065】
第2の実施形態では、ケーブル固定部材2が角部35に固定される構成であったが、ケーブル固定部材2の固定位置はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル固定部材2は角部35以外の壁部31に固定することもできる。この構成により、第2の実施形態の効果(8)に準じた効果を得ることができるようになる。
【0066】
ケーブル1の種類としては、情報を伝送するLANケーブル、光ファイバケーブル、及び電力を伝送する電力線が挙げられる。
【符号の説明】
【0067】
1…ケーブル、1A…ケーブル本体部、1B…ケーブル側取付部(第2取付部、突起部)、2…ケーブル固定部材、10〜13…導線、14…被覆体、20…本体部、20A…第1面、20B…第2面、20C…第3面(一面)、20a…前面(一方の面)、20b…後面(他方の面)、21…固定部材側取付部(第1取付部、凹部)、21a…内面、30…部屋、31…壁部、32…ドア、33…枠体部、34…コンセント、35…角部、40…ビス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル及び壁部に固定されるとともにケーブルが取り付けられるケーブル固定部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、情報を通信する方式としては、ケーブルを用いる有線通信と、このケーブルを用いず電波等の無線を用いる無線通信とが知られている。
無線通信では、有線通信と比較してケーブルを配線するための施工が必要ないため、容易に導入可能である利点がある。一方で、無線通信は周囲の環境の影響によって通信が不安定になる場合がある。特に写真等の静止画よりも通信量の多い動画を無線通信によって配信する場合には、通信が途切れてしまうと動画が配信されなくなり、視聴者にストレスを与えてしまう場合がある。
【0003】
これに対して、有線通信では、無線通信と比較して通信が安定するため、安定的な動画配信を行うことができるようになる。したがって、動画配信の不具合に起因する上記ストレスを視聴者に与えることが抑制されるようになる。
【0004】
ところで、有線通信においては、新築の家屋等であれば壁部の裏面側にケーブルを配線することにより、ケーブルが部屋から隠れるため、部屋全体としてすっきりとする。しかしながら、既築の家屋等の場合には、壁部の裏面側にケーブルを配線するためには大掛かりな施工工事が必要となる。そのため、その施工工事を行わず、壁部の表側にケーブルを配線することが行われている。このような場合には、ケーブルを隠すためにモールをケーブルに被せる構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図10を参照して、従来のモールを用いたケーブルの配線の外観について説明する。
図10(a)に示すように、ケーブル100は、部屋200のドア201と壁部202とを区画する枠体部203に沿って配線されている。このケーブル100は、コンセント300と接続されている。ケーブル100には、モール110が取り付けられている。具体的には、図10(b)に示すように、モール110は、壁部202に取り付けられる壁側部材111とこの壁側部材111と嵌合するとともにカバー側部材112とにより構成されている。これら壁側部材111とカバー側部材112とにより形成される内部空間にケーブル100が収納されている。この構成により、モール110の幅HR1は、ケーブル100の最大径DR1よりも大きく形成されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−91118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、モール110を用いる構成では、以下のようにケーブル100の配線作業が煩雑となる。即ち、まずモール110の壁側部材111を壁部202に固定する。次いで、壁側部材111内にケーブル100を配線する。最後に、カバー側部材112を壁側部材111に固定する。
【0008】
これに対して、上述のモール110に起因するケーブル100の配線の煩雑さを抑制するために、モール110を用いずにケーブル100のみを壁部202に配線する場合がある。その場合には、ケーブル100に両面テープや接着剤を用いて壁部202に配線することが考えられる。
【0009】
しかしながら、ケーブル100に両面テープや接着剤を用いて壁部202に配線した場合には、ケーブル100が屈曲した状態または湾曲した状態にて配線されたときに配線状態の美観の向上のためにケーブル100の壁部202の取り付けをやり直すことが困難となる問題がある。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケーブルの配線を容易に行うとともに、ケーブルの配線の調整を容易に行うことができるケーブル及びケーブル固定部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、導線とこの導線を被膜する被覆体を有するケーブルと、一方の面が造営物を構成する壁部に固定されるとともに、他方の面に前記ケーブルが取り付けられる第1取付部が設けられるケーブル固定部材とを備え、前記被覆体には、前記第1取付部に着脱自在に取り付つけられる第2取付部が設けられ、前記被覆体と前記第2取付部とは単一部材として構成されることを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、第1取付部に第2取付部を取り付けることにより、ケーブル固定部材にケーブルを取り付けるため、図10に示す従来のモール110を用いる構成と比較して、壁部31にケーブル1を配線する作業が容易に行うことができるようになる。また、第2取付部は第1取付部に着脱自在に取り付けられるため、ケーブルを壁部に取り付ける場合において、取り付けの調整を容易に行うことができるようになる。したがって、モールを使用せずにケーブルを直接両面テープや接着剤によって固定する場合と比較して、ケーブルを壁部に固定する作業を容易に行うことができるようになる。
【0013】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記第2取付部は、前記導線から離間する方向に突出する突起部として構成され、前記第1取付部は、前記突起部を嵌合する凹部として構成されることを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、ケーブルに突起部を設け、ケーブル固定部材に凹部を設けることにより、ケーブルに凹部を設け、ケーブル固定部材に突起部を設ける構成と比較して、ケーブルを容易に製造することができるようになる。
【0015】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記第2取付部は、前記ケーブルの延設方向に沿って設けられることを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、第2取付部がケーブルの延設方向に沿って設けられるため、この第2取付部に取り付けられる第1取付部も延設方向に沿って配置されるようになる。したがって、第1取付部に第2取付部を取り付けた状態において、ケーブルがねじれることが抑制されるようになる。
【0017】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記ケーブル固定部材の幅は、前記ケーブルの幅以下として形成されることを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、ケーブル固定部材の幅がケーブルの幅以下として形成されるため、ケーブル固定部材がケーブルによって隠れるようになる。したがって、ケーブル及びケーブル固定部材がより目立たなくなるようになり、ケーブルを配線した状態において図10に示すモール110を用いた場合と比較して部屋の美観が向上するようになる。
【0019】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、前記ケーブル固定部材は、その断面が略三角形状に形成され、前記ケーブル固定部材の一面には前記第1取付部が設けられるとともに、前記一面以外の面は前記壁部に固定されることを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、壁部と壁部または他の部材とが直交する角部に配線する場合には、第1取付部が設けられる一面以外の二面にて角部に固定することができるため、好適に適用することができるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ケーブルを配線したときの美観の低下を抑制するとともに、ケーブルの取り付けの調整を容易に行うことができるケーブル及びケーブル固定部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のケーブル及びケーブル固定部材を具体化した第1の実施形態について、(a)同ケーブル及びケーブル固定部材の斜視構造を示す斜視図、(b)同ケーブル及びケーブル固定部材の断面構造を示す断面図。
【図2】同実施形態のケーブル及びケーブル固定部材について、(a)〜(d)ケーブルとケーブル固定部材との係合状態を示す断面図。
【図3】同実施形態のケーブル及びケーブル固定部材を壁部に配線した状態を示す外観図。
【図4】同実施形態のケーブル及びケーブル固定部材について、図3の断面線A−Aの断面構造を示す断面図。
【図5】本発明のケーブル及びケーブル固定部材を具体化した第2の実施形態について、(a)ケーブル固定部材の断面構造を示す断面図、(b)ケーブル及びケーブル固定部材を角部に配線した状態の断面構造を示す断面図。
【図6】本発明のケーブル及びケーブル固定部材のその他の実施形態について、(a),(b)ケーブル固定部材の断面構造を示す断面図。
【図7】本発明のケーブル固定部材の他の実施形態について、同ケーブル固定部材の斜視構造を示す斜視図。
【図8】本発明のケーブル固定部材の他の実施形態について、同ケーブル固定部材の断面構造を示す断面図。
【図9】本発明のケーブルの他の実施形態について、同ケーブルの斜視構造を示す斜視図。
【図10】従来のケーブル及びモールについて、(a)同ケーブル及びモールを壁部に配線した状態を示す外観図、(b)(a)の断面線B−Bの断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
図1〜図4を参照して、本発明のケーブル及びケーブル固定部材を家屋の壁部に配線したケーブル及びケーブル固定部材として具体化した第1の実施形態について説明する。以降では、壁部の表面側及び裏面側を規定する方向を「前後方向」とし、ケーブルの延設方向を「上下方向」とし、ケーブルの延設方向に対して垂直な平面にて切った断面方向を「径方向」とする。また、前後方向及び上下方向に直交する方向を「左右方向」とする。
【0024】
図1(a)に示すように、ケーブル1には、円柱形状のケーブル本体部1Aとこのケーブル本体部1Aから前後方向の後方に突出するケーブル側取付部1Bとが設けられている。
【0025】
ケーブル本体部1Aには、4本の導線10〜13と、これら導線10〜13を径方向から外囲することにより被膜する被覆体14とが設けられている。この被覆体14は、ケーブル側取付部1Bを一体に構成する。具体的には、被覆体14は、ケーブル側取付部1Bとともに樹脂材料を押し出し成形によって単一部材として成形されている。
【0026】
図1(b)に示すように、ケーブル側取付部1Bは、上下方向から見た平面視において略円形に形成されている。具体的には、前後方向の後方の端部を先端として前後方向の前方に向かうにつれて拡径している。そして所定位置において最大径D1を有する中点部15が設けられている。この中点部15から前後方向の前方に向かい縮径し、被覆体14に接続されるようになる。
【0027】
ケーブル固定部材2には、本体部20とこの本体部20から前後方向の前方に突出するとともにケーブル側取付部1Bを嵌合する凹形状に形成された固定部材側取付部21とが設けられている。
【0028】
本体部20は、上下方向及び左右方向に沿って延びる板状として構成されている。そして本体部20の前後方向の後方の面である後面20bが壁部31(図3参照)に当接した状態によって固定されるようになる。
【0029】
固定部材側取付部21は、本体部20の前後方向の前方の面である前面20aの左右方向の中央位置に設けられるとともに上下方向に沿って一体に延設されている。この固定部材側取付部21は、本体部20との接続位置を基点として、前後方向の前方に向かうにつれて湾曲状に拡径している。そして所定位置において最大径D2を有する中点部22が設けられている。この中点部22から前後方向の前方に向かい湾曲状に縮径する先端部23が設けられている。
【0030】
ケーブル1は、ケーブル側取付部1Bが固定部材側取付部21に嵌合することによりケーブル固定部材2に取り付けられるようになる。言い換えれば、ケーブル1は、いわゆるジップロック(登録商標)の方式によって、ケーブル固定部材2に固定されるようになる。
【0031】
具体的には、図2(a)に示すように、ケーブル1とケーブル固定部材2とが前後方向において互いに離間した状態から、図2(b)〜図2(d)に示すようにケーブル固定部材2に向かいケーブル1を前後方向の後方に移動させてケーブル側取付部1Bを固定部材側取付部21に取り付ける。
【0032】
ここで、より詳細には、図2(a)に示すように、ケーブル側取付部1Bの最大径D1は、固定部材側取付部21の先端部23の開口部分の最短距離を結んだ径である開口径D3よりも大きくなるように形成されている。これにより、図2(b)に示すように、ケーブル側取付部1Bを固定部材側取付部21に取り付ける際、固定部材側取付部21はケーブル側取付部1Bによって左右方方向に開くように弾性変形する。
【0033】
そして、図2(a)に示すように、ケーブル側取付部1Bの最大径D1は固定部材側取付部21の最大径D2と略同等であるため、固定部材側取付部21はケーブル側取付部1Bの中点部15が固定部材側取付部21の中点部22に移動するまで先端部23が拡径し続ける。そして、図2(c)に示すように、上記中点部15が上記中点部22より前後方向の後方に移動するにつれて、先端部23はケーブル側取付部1Bの外形に沿って復元力の作用により縮径するようになる。最後に、図2(d)に示すように、ケーブル側取付部1Bの前後方向の後方の端部が、固定部材側取付部21の本体部20との接続位置に当接することにより、ケーブル1のケーブル固定部材2への取り付けが完了する。
【0034】
また、このようなケーブル側取付部1Bと固定部材側取付部21との嵌合によりケーブル1がケーブル固定部材2に取り付けられるため、ケーブル固定部材2にケーブル1が取り付けられた状態からケーブル1を前後方向の前方に引っ張ることにより、ケーブル固定部材2からケーブル1を容易に取り外すことができる。したがって、ケーブル固定部材2にケーブル1が屈曲したり湾曲したりした状態によって配線された場合には、ケーブル1を配線した状態における美観が低下してしまう。また、ケーブル固定部材とケーブルとの固定方法として、両面テープや接着剤を用いた場合には、ケーブル固定部材とケーブルとの取り付けのやり直しが困難であり、作業性が低下してしまう問題がある。その点において、本実施形態は、ケーブル固定部材2にケーブル1を取り付けたとしても、容易にケーブル固定部材2からケーブル1を取り外すことができるため、ケーブル固定部材2へのケーブル1の取り付け作業のやり直しを容易に行うことができる。その結果、作業者がケーブル固定部材2にケーブル1を取り付ける際に、ケーブル1の状態を容易に調整することができ、ケーブル1の配線の美観の低下を抑制した状態、即ちケーブル1を真っ直ぐに配線した状態においてケーブル固定部材2に取り付けることができるようになる。
【0035】
次に、図3及び図4を参照して、ケーブル1及びケーブル固定部材2の配線の外観について説明する。
図3に示すように、ケーブル1及びケーブル固定部材2は、部屋30を構成する壁部31において、ドア32と壁部31とを区画するように構成される枠体部33の左右方向の右側の右隅において上下方向に沿って配線されている。
【0036】
具体的には、枠体部33の上下方向の下方の右隅に設けられたコンセント34にケーブル1は接続されるとともに、コンセント34から枠体部33及び壁部31によって形成される角部35に向かい屈曲する。そして角部35におけるケーブル1が近接した位置Xから上下方向の上方に沿ってケーブル1は配線されるようになる。
【0037】
図4に示すように、角部35を構成する壁部31にはケーブル固定部材2が上下方向に沿った態様にて当接している。このケーブル固定部材2は両面テープにより、壁部31に固定されている。このケーブル固定部材2は枠体部33に左右方向に近接した態様にて設けられている。
【0038】
また、本体部20の左右方向の幅H1は、ケーブル1の最大径D4(ケーブル1の幅)と略同等となるように設けられている。これにより、図10のモール110を用いたケーブル100の配線と比較して、壁部31の表側に占めるケーブル1の面積を小さくすることができるようになる。したがって、モール110を用いたケーブル100の配線と比較して、ケーブル1を配線したとしても部屋全体としてケーブル1が目立たなくなる。
【0039】
ところで、モール110を用いた場合では、上述のようにモール110の壁側部材111を壁部202に固定する工程と、壁側部材111内にケーブル100を配線する工程と、カバー側部材112を壁側部材111に固定する工程との3工程が必要となる。その点において、本実施形態では、ケーブル固定部材2を壁部31に固定する工程と、このケーブル固定部材2にケーブル1を取り付ける工程との2工程にて壁部31へのケーブル1の配線が完了するため、モール110を用いた場合と比較して、1工程を省略できるようになる。したがって、壁部31にケーブル1を配線する作業が容易に行うことができるようになる。
【0040】
本実施形態のケーブル1及びケーブル固定部材2によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、ケーブル1にケーブル側取付部1Bが設けられ、ケーブル固定部材2に固定部材側取付部21が設けられる構成である。そして、固定部材側取付部21にケーブル側取付部1Bが取り付けられることにより、ケーブル固定部材2にケーブル1が取り付けられる。したがって、本実施形態では、図10に示す従来のモール110を用いる構成と比較して、壁部31にケーブル1を配線する作業が容易に行うことができるようになる。
【0041】
また、ケーブル側取付部1Bは固定部材側取付部21に対して着脱自在に取り付けられている。したがって、ケーブル1をケーブル固定部材2に取り付ける場合において、ケーブル1の取り付けの位置合わせの調整を容易に行うことができるようになる。したがって、モールを使用せずにケーブルを直接両面テープや接着剤によって固定する場合と比較して、作業者がケーブル1をケーブル固定部材2に固定する作業を容易に行うことができるようになる。
【0042】
(2)本実施形態によれば、ケーブル1のケーブル側取付部1Bがケーブル本体部1Aから前後方向の後方に突出するように設けられる構成である。したがって、ケーブル側取付部1Bがケーブル本体部1Aから前後方向の前方に凹むように設けられる構成(比較構成)と比較して、被覆体14及びケーブル側取付部1Bの成形を容易に行うことができるため、ケーブル1の製造を容易に行うことができるようになる。
【0043】
(3)本実施形態によれば、ケーブル1のケーブル側取付部1Bがケーブル1の延設方向(上下方向)に沿って設けられる構成である。したがって、ケーブル側取付部1Bをケーブル固定部材2の固定部材側取付部21に取り付ける際に、ケーブル1がねじれることが抑制されるようになる。
【0044】
(4)本実施形態によれば、ケーブル固定部材2の本体部20の幅H1の大きさは、ケーブル1の最大径D4以下である構成である。したがって、ケーブル固定部材2にケーブル1を取り付けた状態において、ケーブル1より前後方向の前方から見たとしても本体部20がケーブル1に隠れるようになる。したがって、ケーブル固定部材2にケーブル1を取り付けた状態において、本体部20が目立たなくなるため、美観の低下を抑制することができるようになる。
【0045】
(5)本実施形態によれば、ケーブル1の被覆体14が押し出し成形によって成形されている。したがって、被覆体14をケーブル1の延設方向に沿って押し出すように成形することにより、本実施形態のようなケーブル側取付部1Bの形状を容易に成形することができるようになる。
【0046】
(6)本実施形態によれば、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21の先端部23の開口径D3は、固定部材側取付部21の最大径D2よりも小さく形成される構成である。したがって、開口径D3が固定部材側取付部21の最大径D2と同等以上の構成と比較して、先端部23の弾性変形に伴う復元力の作用によって固定部材側取付部21がケーブル側取付部1Bを保持する力が向上するようになる。その結果、ケーブル固定部材2がケーブル1を保持する力を向上することができるようになる。
【0047】
(第2の実施形態)
図5を参照して、本発明のケーブル及びケーブル固定部材を家屋の壁部に配線したケーブル及びケーブル固定部材として具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、ケーブル固定部材2の形状及び壁部31へのケーブル固定部材2の固定構造が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、同一部材には同一符号を用い、その説明を省略する。また、図5(b)の断面構造は、図3のA−A断面に相当する。
【0048】
図5(a)に示すように、ケーブル固定部材2の本体部20は、三角柱形状として設けられている。具体的には、本体部20の壁部31に対向する第1面20Aと、枠体部33に対向する第2面20Bとが互いに直交するように設けられている。そして、第1面20Aの端部と第2面20Bの端部とを結ぶことにより第1面20A及び第2面20Bに対して傾斜する第3面20Cに固定部材側取付部21が設けられている。
【0049】
これにより、図5(b)に示すように、枠体部33及び壁部31によって形成される角部35にケーブル固定部材2を固定する場合において、角部35の形状に合致することができる。具体的には、壁部31に第1面20Aが当接し、枠体部33に第2面20Bが当接するようになる。そしてそれぞれの当接面において両面テープによって角部35にケーブル固定部材2が固定されるようになる。また、第3面20Cの幅H2は、ケーブル1の最大径D4以下として設けられている。
【0050】
ここで、角部35にケーブル1をケーブル固定部材2に取り付けるときに、角部35を構成する枠体部33の面に沿ってケーブル1を移動させる場合には、作業者はケーブル1を持つ手の指を枠体部33とケーブル1との間に入れることが困難である。したがって、このような場合には、作業者がケーブル1を枠体部33とケーブル1との間に入れないようにケーブル1を持った上で、ケーブル1をケーブル固定部材2に取り付けるようになる。これに対して、本実施形態のケーブル固定部材2では、第3面20Cが角部35に対して傾斜した状態となるため、作業者は上記枠体部33の面に沿ってケーブル1を移動させる必要はなく、図5(b)の矢印Yに沿った方向にケーブル1を移動させればよい。したがって、作業者が枠体部33とケーブル1との間に指を入れた状態、即ちケーブル1を確実に持った状態にてケーブル1をケーブル固定部材2に取り付けることができるようになる。
【0051】
本実施形態のケーブル1及びケーブル固定部材2によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
(7)本実施形態によれば、本体部20の第1面20A及び第2面20Bのそれぞれが角部35に固定される構成である。したがって、本体部20の二面によって角部35に固定されるため、本体部が一面によって角部35に固定される構成と比較して、ケーブル固定部材2の角部35への保持力を向上させることができるようになる。
【0052】
(8)本実施形態によれば、本体部20の第3面20Cは角部35に対して傾斜した構成である。したがって、作業者は角部35を構成する枠体部33の面に沿った方向にケーブル1を移動させる必要がないため、作業者がケーブル1をケーブル固定部材2に取り付ける作業を容易に行うことができるようになる。
【0053】
(その他の実施形態)
本実施形態のケーブル1及びケーブル固定部材2は、上記各実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施する場合にも適用することもできる。
【0054】
第1の実施形態では、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21が本体部20から前後方向の前方に突出するように設けられたが、固定部材側取付部21と本体部20との構成はこれに限定されることはない。例えば、図6(a)に示すように、固定部材側取付部21は、本体部20の前後方向の前面20aから前後方向の後方に凹む湾曲状の凹部として設けることもできる。この構成においてケーブル1をケーブル固定部材2に取り付ける場合には、ケーブル側取付部1Bが縮径するように弾性変形することにより、固定部材側取付部21に嵌合されるようになる。また、固定部材側取付部21の内面21aに弾性部材を取り付けることにより、ケーブル側取付部1Bを嵌合するときに弾性部材が拡径するように弾性変形して互いに嵌合する構成とすることもできる。
【0055】
また、図6(a)の本体部20は上下方向及び左右方向に板状として設けられたが、例えば図6(b)に示すように本体部20を三角柱形状として設けることもできる。この場合には、板状の本体部20と比較して、固定部材側取付部21のための板厚を確保しやすいため、図6(a)の構成と比較して、本体部20を小型化することができるようになる。
【0056】
上記各実施形態では、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21は上下方向に沿って連続的に設けられていたが、固定部材側取付部21の構成はこれに限定されることはない。例えば、図7に示すように、固定部材側取付部21は、上下方向において互いに離間して複数設けられる構成とすることもできる。
【0057】
上記各実施形態では、ケーブル固定部材2は壁部31に両面テープによって固定されたが、ケーブル固定部材2の壁部31への固定構造はこれに限定されることはない。例えば、図8に示すように、ビス40を用いることにより本体部20を壁部31に固定する構造とすることもできる。これにより、壁部31に設けられた壁紙の種類に関係なく安定的にケーブル固定部材2を固定することができるようになる。また、両面テープ及びビス40に代えて、接着剤を本体部20の後面20bに塗布することにより、壁部31に固定することもできる。
【0058】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが上下方向に沿って連続的に設けられていたが、ケーブル側取付部1Bの構成はこれに限定されることはない。例えば、図9に示すように、ケーブル側取付部1Bは、上下方向において互いに離間して複数設けられる構成とすることもできる。
【0059】
上記各実施形態では、ケーブル固定部材2の本体部20の幅H1,H2がケーブル1の最大径D4以下に設定されていたが、本体部20の幅H1,H2の大きさはこれに限定されることはない。例えば、本体部20がケーブル1に対して大きく目立たない限り、本体部20の幅H1,H2がケーブル1の最大径D4よりも若干大きくなるように設けることもできる。
【0060】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが上下方向に沿って連続的に設けられていたが、ケーブル側取付部1Bの構成はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル側取付部1Bが被覆体14を径方向から取り囲む方向である周方向に傾斜しつつ上下方向に設けることもできる。これにより、上記実施形態の効果(1)及び(2)に準じた効果を奏することができる。
【0061】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが被覆体14から前後方向の後方に向かい突出し、ケーブル固定部材2の固定部材側取付部21が本体部20から前後方向の後方に凹む形状として構成されたが、ケーブル側取付部1B及び固定部材側取付部21の形状はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル側取付部1Bが被覆体14から前後方向の前方に凹み、固定部材側取付部21が本体部20から前後方向の前方に突出する形状とすることもできる。これにより、上記実施形態の効果(1)に準じた効果を奏することができる。
【0062】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル側取付部1Bが断面丸形状であったが、ケーブル側取付部1Bの形状はこれに限定されることはない。ケーブル側取付部1Bがケーブル固定部材2の固定部材側取付部21と嵌合可能な形状であればよい。
【0063】
上記各実施形態では、ケーブル1のケーブル本体部1Aは円柱形状であったが、ケーブル本体部1Aの形状はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル本体部1Aが断面長方形の四角柱形状である、いわゆるフラットケーブルとすることもできる。この場合においては、ケーブル1の最大径D4(ケーブル1の幅)は、ケーブル本体部1Aの断面における長手方向の幅となる。また、ケーブル本体部1Aが断面正方形の四角柱形状とすることもできる。この場合においては、ケーブル1の最大径D4(ケーブル1の幅)は、ケーブル本体部1Aの四角柱の一辺の幅となる。
【0064】
第2の実施形態では、本体部20の第1面20A及び第2面20Bの両方が角部35に固定される構成であったが、本体部20と角部35との固定構造はこれに限定されることはない。本体部20の第1面20A及び第2面20Bの一方が角部35に固定される構成とすることもできる。即ち本発明は、本体部20の第1面20A及び第2面20Bの少なくとも一方が角部35に固定される構成とすることができる。この構成により、第2の実施形態の効果(8)に準じた効果を得ることができるようになる。
【0065】
第2の実施形態では、ケーブル固定部材2が角部35に固定される構成であったが、ケーブル固定部材2の固定位置はこれに限定されることはない。例えば、ケーブル固定部材2は角部35以外の壁部31に固定することもできる。この構成により、第2の実施形態の効果(8)に準じた効果を得ることができるようになる。
【0066】
ケーブル1の種類としては、情報を伝送するLANケーブル、光ファイバケーブル、及び電力を伝送する電力線が挙げられる。
【符号の説明】
【0067】
1…ケーブル、1A…ケーブル本体部、1B…ケーブル側取付部(第2取付部、突起部)、2…ケーブル固定部材、10〜13…導線、14…被覆体、20…本体部、20A…第1面、20B…第2面、20C…第3面(一面)、20a…前面(一方の面)、20b…後面(他方の面)、21…固定部材側取付部(第1取付部、凹部)、21a…内面、30…部屋、31…壁部、32…ドア、33…枠体部、34…コンセント、35…角部、40…ビス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線とこの導線を被膜する被覆体を有するケーブルと、一方の面が造営物を構成する壁部に固定されるとともに、他方の面に前記ケーブルが取り付けられる第1取付部が設けられるケーブル固定部材とを備え、
前記被覆体には、前記第1取付部に着脱自在に取り付つけられる第2取付部が設けられ、
前記被覆体と前記第2取付部とは単一部材として構成される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記第2取付部は、前記導線から離間する方向に突出する突起部として構成され、
前記第1取付部は、前記突起部を嵌合する凹部として構成される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記第2取付部は、前記ケーブルの延設方向に沿って設けられる
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記ケーブル固定部材の幅は、前記ケーブルの幅以下として形成される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記ケーブル固定部材は、その断面が略三角形状に形成され、
前記ケーブル固定部材の一面には前記第1取付部が設けられるとともに、前記一面以外の面は前記壁部に固定される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項1】
導線とこの導線を被膜する被覆体を有するケーブルと、一方の面が造営物を構成する壁部に固定されるとともに、他方の面に前記ケーブルが取り付けられる第1取付部が設けられるケーブル固定部材とを備え、
前記被覆体には、前記第1取付部に着脱自在に取り付つけられる第2取付部が設けられ、
前記被覆体と前記第2取付部とは単一部材として構成される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記第2取付部は、前記導線から離間する方向に突出する突起部として構成され、
前記第1取付部は、前記突起部を嵌合する凹部として構成される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記第2取付部は、前記ケーブルの延設方向に沿って設けられる
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記ケーブル固定部材の幅は、前記ケーブルの幅以下として形成される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のケーブル及びケーブル固定部材において、
前記ケーブル固定部材は、その断面が略三角形状に形成され、
前記ケーブル固定部材の一面には前記第1取付部が設けられるとともに、前記一面以外の面は前記壁部に固定される
ことを特徴とするケーブル及びケーブル固定部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−45205(P2011−45205A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192579(P2009−192579)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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