説明

ケーブル固定方法及びケーブル接続部

【課題】
簡単な構造であるにもかかわらず、車室外の環境でも使用することができ、防水性、引張り力に対するケーブルの保持力、機械的強度を有するケーブル固定方法及びケーブル接続部を提供する。
【解決手段】
端子ホルダ収容部11aと金属筒部11bとからなる金属製ケース11を有し、ケーブル21を金属製ケース11内に挿入し、ケーブル21の心線を圧着した端子13を絶縁性の端子ホルダ12に固定し、端子ホルダ12を端子ホルダ収容部11aに固定して収容し、金属筒部11bを加締めることによりケーブル21を金属製ケース11に固定したコネクタ10のケーブル固定方法において、金属筒部11bを加締めるとき、金属筒部11bを加締める前のケーブル21の断面積をA、加締めた後の断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車やロボットなどの揺動部に用いられるケーブルの固定方法及びケーブル接続部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両において、様々な電子機器や電動機器が用いられている。これら電子機器、電動機器へは配線された電線を介して制御信号や電力が伝送される。この電線と機器とを接続する際の、電線の好適なコネクタが求められている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−6784号公報
【特許文献2】特開2006−324034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車等の車両の電線を配線する際、車室外などの使用環境においては、電線と機器との接続部に防水性が要求される。また、車室外の環境では、電線に泥や雪などが付着するため、振動によって電線と機器との接続部(コネクタ)に電線から大きな引張り力が加わることがある。
【0005】
通常のコネクタの規格では、引張り力は98N程度であり、それ以上は保証されていないため、コネクタに加わる引張り力を抑えようとすると車体又は車体周辺に固定された部品に対して電線を短い間隔で何箇所も固定する必要があり、組み立てや整備の際に作業が煩わしくなるという問題が生じる。
【0006】
したがって、コネクタには、コネクタに加わる引張り力に対する電線の十分な保持力が要求される。さらに、車室外の環境では、飛石等による衝撃が接続部に加わることがある。そのため、コネクタには、加わる衝撃によって破壊されないような機械的強度が要求される。
【0007】
一般的に自動車に使用される電線の端末構造のコネクタは、ナイロンやPBT(ポリブチレンテレフタレート)などの樹脂製であることが多い。樹脂製のコネクタは上記の防水性、引張り力に対する電線の保持力、機械的強度などの要求を全て満たすことは困難であった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、簡単な構造であるにもかかわらず、車室外の環境でも使用することができ、防水性、引張り力に対する電線の保持力、機械的強度を有するケーブル固定方法及びケーブル接続部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル固定方法において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル固定方法である。
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル固定方法において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル固定方法である。
前記金属製ケースの外側に樹脂カバー又はゴムカバーを有するとよい。
【0011】
さらに、前記電線は単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用するとよい。
【0012】
なお、ケーブルとして電力用の心線と信号用の心線とを有する複合ケーブルを用いてもよい。
【0013】
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル固定方法において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル固定方法である。
【0014】
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル固定方法において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル固定方法である。
前記ケーブルは単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用するとよい。
【0015】
上記課題を解決するために本発明は、端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル接続部において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル接続部である。
【0016】
上記課題を解決するために本発明は、端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル接続部において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル接続部である。
前記金属製ケースの外側に樹脂カバー又はゴムカバーを有するとよい。
【0017】
前記ケーブルは、単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用するとよい。
【0018】
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル接続部において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル接続部である。
【0019】
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル接続部において、前記金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル接続部である。
前記ケーブルは単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用するとよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、金属筒部を加締めるとき、前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにして電線を金属製ケースに固定しているので、加締め箇所において金属筒部が電線の被覆に適切に食い込むことにより、電線の被覆と金属製ケースの金属筒部が密着し防水性が確保され、且つ引張り力に対する電線の保持力が大きくなるという効果を奏する。さらに、電線の端末を収容するケースとして金属製ケースを用いているので、飛石などの外部からの衝撃に対して強い機械強度を有し、飛石や水浸などが生じる車室外の環境でも電線と電子機器や電動機器を接続することができる。
【0021】
電線の心線を圧着した端子は、絶縁性の端子ホルダを介して金属製ケースの端子ホルダ収容部に固定されることとなり、端子同士を短絡させることなく金属製ケース内に収容することが可能である。
【0022】
また、簡単な構造であるにもかかわらず、車室外の環境でも使用することができ、防水性、引張り力に対する電線の保持力、機械的強度を十分なものにできる。またさらに、部品数が少なく簡単な構造であるため、低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態を示すコネクタの断面図である。
【図2】コネクタの加締め前の断面図である。
【図3】コネクタの端子ホルダに端子を固定する方法の一実施形態を示す図であり、(a)は端子ホルダに端子を挿入している状態を示し、(b)は端子が端子ホルダに固定された状態を示し、(c)は端子ホルダの下面を示し、(d)は端子の下面を示す。
【図4】(a)はケーブルの構造を示す斜視図であり、(b)は(a)のケーブルの断面図である。
【図5】コネクタの引張試験方法の説明図である。
【図6】他の実施形態を示すコネクタ(オス型)の断面図である。
【図7】コネクタに使用する電線、ケーブルの断面図である。
【図8】コネクタの使用例を示す図である。
【図9】コネクタの他の使用例を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態である固定構造100の横断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態である固定構造100に使用する金属製ケース101の正面図(a)、側面図(b)である。
【図12】加締め加工エリア11cと凹部11dを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は本発明に係るコネクタの一実施の形態を示す断面図である。
【0025】
図1に示すように、コネクタ10は、金属製の端子ホルダ収容部11aと金属筒部11bとからなる金属製ケース11に電線(ケーブル)21を挿入し、電線21の心線に圧着した端子13(メス型)をPBTやナイロンなどの絶縁性材料からなる端子ホルダ12に固定した後、該端子ホルダ12を端子ホルダ収容部11a内に収容し(図2の状態)、電線21を収容した金属筒部11bを加締めることにより電線21を金属製ケース11に固定している。金属製ケース11の金属筒部11bは、端子ホルダ収容部11aと一体形成することにより、または端子ホルダ収容部11aにロウ付けすることにより形成される。加締めは、例えば、金属筒部11bに対し円周外方向から内側に向かって、たがね状の爪で圧縮し金属筒部11bを外周からスポット的に潰す加工により行う。端子ホルダ12の周囲には、防水パッキン14を環状に設けている。これによりオス側のコネクタと接続した際、接続部の水密性が保たれる。また、接続した機器等からコネクタが外れないようにするために、金属製ケース11には、機器側(例えば機器のケース等)にネジ止めするためのボルト31が設けられている。
【0026】
図3は、端子13の端子ホルダ12への固定方法の一実施形態を示した図である。 図3(a)、(b)、(c)に示すように、端子ホルダ12には、ホルダ本体とは3辺が切り離された小さな爪(ランス)12bが上方に出て形成されており、端子13には適切な位置にランス12bが入り込むような切欠き13bが設けられている。端子ホルダ12は樹脂製であるため端子13を挿入した際、ランス12bは端子13に押されて端子ホルダ12の内側(下側)に引っ込む形となり、端子13はランス12bにぶつかって止まることなく奥に挿入される。端子13を端子ホルダ12内の所定の位置まで挿入したところで、ランス12bが切欠き13bに入り込み固定される。端子ホルダ12のメス端子挿入口12e側のランス12bにはテーパー12fが切ってあり、端子ホルダ12のオス端子挿入口12g側のランス12bは垂直に切り落とされているので、ランス12bが端子13の切欠き13bに入れば、引き抜こうとしても切欠き13bの端部がランス12bの切り落とし面にぶつかって、端子13は抜けない構造になっている。端子ホルダ12には、金属製ケース11取り付け側の端部に端子ホルダケース固定部12cを設けておき、その部分を金属製ケース11にねじ止めして固定する。例えば、端子ホルダケース固定部12cにネジ用の穴12dを設けておき、図1、2に示すように、端子ホルダ固定ネジ16により端子ホルダ収容部11aに固定する。
【0027】
次に、金属筒部11bの圧縮加締めにおいて、加締め前の断面積をA、加締め後のケーブル断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたときの加締め率とケーブル把持力の関係について、試験を行った。
【0028】
試験に用いたケーブル構造を図4に示す。
【0029】
ケーブル50は、導体に絶縁体を被覆した3本の絶縁電線51と、その外周に銅素線を編み込んだ銅編組シールド層52と、その外周に複数本の繊維材を編み合わせてなる編組で構成される補強編組層53と、その外周にシース層54を設けたものである。
【0030】
絶縁電線51の導体55はφ0.08のスズメッキ銅合金線を602本撚り合わせた構造で、その外周の絶縁層56はフッ素樹脂(4フッ化エチレン、エチレン共重合体)で厚さ0.5mmからなる。電線は3本の絶縁電線51を撚り合わせて束ねられている。これら電線21の外周に紙テープにより押さえ巻きを設け、紙テープの押さえ巻きと電源線の間に繊維による介在を入れ断面が円形になるようにしている。銅編組シールド層52は、銅線(φ0.12)を編み合わせてなる編素構造となる。補強編組層53を構成する繊維材は、ポリビニルアルコールでφ0.1となる。シース層54の構成材とは、エチレンプロピレンジエンゴムで、厚さは1mmとなる。
【0031】
図4のケーブル50の両端に図1〜 図3で示した金属製ケース11のコネクタ10を取り付ける。
【0032】
ケーブル把持力の測定は、以下の方法により行った。
【0033】
図5に示すように、前記ケーブル50の両端に金属製ケース11を取り付けた。これら金属製ケース11に10〜30mm/minの引張速度で矢印91、92の方向に引張荷重を加えていき、金属製ケース11の固定位置が初期取付位置から1mmずれた時点の把持力を測定した。なお、本測定では、引張荷重を最大1000Nとし、このとき固定部がずれない場合は把持力を1000N以上とした。加締め率Kが、0.60≦K≦0.95の場合、1000N以上のケーブル把持力を有する。加締め率が0.6未満になると電線21のケーブルシース層或いは絶縁層に金属筒部加締め部が食い込み、ケーブルシース層或いは絶縁層が破断する。
【0034】
【表1】

【0035】
したがって、0.60≦K≦0.95となるように金属筒部11bを加締めることでケーブル50の高い把持力を有すると共に、信頼性の高いケーブル固定方法及びケーブル接続部を実現できる。
【0036】
また、上記の実施の形態においては、コネクタ10と機器とをボルト31によりネジ止めする構成となっているが、他の実施の形態として、金属製ケース11の端子ホルダ収容部11aが円筒形の場合は、金属製ケース11の外周にネジを切ったリングを配置しておき、機器側のケースにこれと合致するネジを切っておくことでリングをねじ込んで固定する構成としてもよい。
【0037】
また、上記の実施の形態においてはメス型のコネクタ10となっているが、金属製ケース、端子ホルダや端子の形状を適宜変更することができる。例えば、図6に示すように、オス型の端子15を設けることによりオス型のコネクタ80とすることもできる。
【0038】
補強編組層を構成する繊維材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2.6−ナフタレートでもよい。
【0039】
加締める電線(ケーブル)に補強編組層を設けることにより、引張り力に対する電線の保持力を向上させることができる。
【0040】
補強編組を構成する繊維は、金属ではなく、ポリマーからなるのが好ましい。ポリマーで構成した方が、引張り力に対する保持力が強い。
【0041】
図7は本発明に使用する電線(ケーブル)の実施例を示した図である。図7(a)、(b)は、電力線または信号線が2本の場合であり、導体21aの外周に絶縁体21bを設けた電力線または信号線2本を撚り合わせ、その外周に介在21eを介してシース21cを設けたものである。
【0042】
図7(c)、(d)は、電力線、信号線の複合ケーブルの場合であり、導体21aの外周に絶縁体21bを設けた電力線2本と、導体21aの外周に絶縁体21bを設けた信号線2本をその外周に介在21eを介してシールド21dを形成した信号複線2本とを、さらに介在21eを介してシース21cを設けたものである。図7(e)は本発明に係るコネクタ10に複合ケーブルを用いた場合の実施例であり、シース21cを収容した金属筒部11bを加締めることにより複合ケーブルを金属製ケース11に固定する。電力線、信号線の各々の心線に端子が設けられ、端子ホルダを介して金属製ケース11の端子ホルダ収容部に固定される。コネクタ10に使用される電線、ケーブルは、上記の例に限定されるものではなく、他の形態の電線ケーブルにも適用可能である。
【0043】
図8はコネクタ10の一使用例を示す図である。図8の使用例は、車室内に配置された制御ユニットまたは電源61から車室外の機器41へ電線21を介して制御信号または電力を供給する。車室外の機器41へはコネクタ10により接続する。これにより防水性、引張り力に対する電線の保持力、機械的強度において信頼性の高い接続が可能である。
【0044】
図9はコネクタの他の使用例を示す図である。図9の使用例は、車室外の機器41から延びる電線22に設けたコネクタ(オス型)72と車室内に設置された制御ユニットまたは電源61から延びる電線21に設けたコネクタ(メス型)71により接続したものである。なお、コネクタ(オス型)72は図6に示すオス型のコネクタ80とは異なり、金属製ケースの形状もコネクタ(メス型)に差し込み可能なように変更を加えたものである。接続部は、全部または一部を金属製ケースに収容しても良いし、また自動車等の車両の車体にブラケットなどで固定してもよい。図8の使用例と同様に、防水性、引張り力に対する電線の保持力、機械的強度において信頼性の高い接続が可能である。
【0045】
本発明は、車載バネ下で使用する電子機器へのケーブル接続、あるいはロボット等可動部に使用するケーブルと電子機器の接続に適用が可能である。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態である固定構造100について、添付図に従って説明する。
図10は、本発明の他の実施形態である固定構造100の横断面図である。 図11は、本発明の他の実施形態である固定構造100に使用する金属製ケース101の正面図(a)、側面図(b)である。
【0047】
本発明の他の実施形態である固定構造100は、図10に図示するように、少なくとも金属筒部101bからなる金属製ケース101を有し、ケーブル21の長手方向の一部を金属筒部101bに収容し、ケーブル21の長手方向の一部を収容した金属筒部101bを加締めることによりケーブル21を金属製ケース101に固定したケーブル固定方法及びケーブル接続部104において、金属筒部101bを加締めるとき、金属筒部101bを加締める前のケーブル21の断面積をA、加締めた後のケーブル21の断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル固定方法及びケーブル接続部104を用いて金属ケース101とケーブル21を固定した固定構造100である。
【0048】
金属製ケース101は、 図11に図示するように、少なくとも金属筒部101bからなる。金属筒部101bには、ケーブル21の長手方向の一部が収容される。金属製ケース101とケーブル21は、ケーブル21の長手方向の一部が収容された金属筒部101bを、金属筒部101bを加締める前のケーブル21の断面積をA、加締めた後のケーブル21の断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるように加締めることを特徴とするケーブル固定方法及びケーブル接続部104により固定される。
【0049】
このように0.60≦K≦0.95となるように金属筒部101bを加締めることで金属製ケース101とケーブル21を高い把持力で固定することができるとともに、加締め過ぎによるケーブルシース層或いは絶縁層の破断のない信頼性の高いケーブル固定方法及びケーブル接続部104を実現することができる。このような知見は、本発明の一実施形態であるコネクタにおいて行った加締め率とケーブル把持力の関係についての試験に基づいたものである。
【0050】
なお上記のケーブル固定方法及びケーブル接続部104により金属製ケース101と固定されるケーブル21は、単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2.6−ナフレートなどのポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルであることが好ましい。このようなケーブルを用いることによって、加締めたときの金属筒部101bのケーブル21への食い込みが良くなり、より強い把持力を実現することができる。ケーブル21の例として、 図7に図示する電力線、信号線の複合ケーブルであってもよい。
【0051】
金属製ケース101には、本実施形態において更に、金属筒部101bと一体的に設けられるフランジ部101aを金属筒部101bの一端部に設けた。フランジ部101aは、金属筒部101bの一端部にではなく、金属筒部101bの側面の一部に設けられるものであってもよい。
【0052】
フランジ部101aには、ボルト102の軸が挿通されるボルト102の頭の外周よりも外周が小さいボルト挿通孔103が設けられる。
【0053】
固定構造100は、以上の構成により、フランジ部101aに設けられたボルト挿通孔103にボルト102の軸を挿通し、ボルト102の軸を固体対象(例えば、車体ケースW)に任意に設けられた図示しないボルト孔に螺合することにより金属製ケース101を車体ケースWに固定するものである。
【0054】
このように固定構造100は、部品点数が少なく簡単な構成であるので軽量化に寄与することが可能である。
【0055】
ところで、一般的に、自動車等の車両に使用されるコネクタは、長時間、高温又は低温に曝されることがあるが、こうした環境下においても、本発明で効果として主張する「防水性、引張力に対する電線の保持力」は保ち続ける必要がある。
【0056】
そこで、本発明では、それに対する対策も、併せて行った。
まず、表1に示したとおり、加締め率Kが0.60≦K≦0.95の場合、1000N以上のケーブル把持力(引張力に対する電線の保持力)を有するが、この内、上限及び下限である、K=0.60及び0.95の場合において、サンプルを作成し、長時間高温に耐えうる長時間耐熱性、及び、長時間低温に耐えうる長時間耐寒性に対する評価を行った。
【0057】
なお、作成するサンプルは、「良好な長時間耐熱性及び長時間耐寒性は、金属筒部11bの一部である加締め加工エリア11cにおいて、金属筒部11bを加締める前の加締め加工エリア11cの表面積Dと、加締めた後に形成される複数の凹部11dの総面積Cとの関係性にポイントがある」という本発明者の知見に基づき、加締め加工エリア11cの表面積Dに対する複数の凹部11dの総面積Cを変化させる形で、作成を行った。
【0058】
加締め加工エリア11cとは、金属筒部11bの一部であり、図12で示せば、Xで示す範囲の金属筒部11bの表面のエリアのことを示す。Xで示す範囲は、凹部11dの底面の両端の範囲である。また、凹部11dの面積とは、底面の面積を指し、複数の凹部11dの総面積Cとは、複数の凹部11dの底面の面積の総和のことを示す。
【0059】
(長時間耐熱性の評価)
加締め加工エリア11cの表面積D、加締めた後に形成される複数の凹部11dの総面積Cとして、CとDの関係を任意に変え,120℃環境に長期間、曝した後、防水性と把持力(引張力に対する電線の保持力)の評価試験を実施した。
結果は、表2に示すとおりであり、C≧D/5とした場合、120℃、200時間でも、防水性と把持力の性能を有する事を確認した。
【0060】
【表2】

【0061】
防水性試験とは、評価対象のサンプルにおいて、端子ホルダ収納部11aに圧縮空気(気圧100kpa)を注入し,サンプルを水中に入れたときの空気洩れの有無を調べる試験のことであり、空気漏れが有った場合は、不合格とする。
【0062】
把持力試験とは、電線21を引っ張ったときの力の大きさを測定する試験のことであり、1000N以下の場合は、不合格とする。
【0063】
(長時間耐寒性の評価)
長時間耐熱性のときと同様、加締め加工エリア11cの表面積D、加締めた後に形成される複数の凹部11dの総面積Cとして、CとDの関係を任意に変え、−40℃環境に長期間、曝した後、防水性と把持力(引張力に対する電線の保持力)の評価試験を実施した。
結果は、表3に示すとおりであり、C≧D/5とした場合、−40℃、100時間でも,防水性と把持力性能を有する事を確認した。
【0064】
【表3】

【0065】
なお、防止性試験及び把持力試験は、長時間耐熱性のときと同様である。
【符号の説明】
【0066】
10 コネクタ
11 金属製ケース
11a 端子ホルダ収容部
11b 金属筒部
12 端子ホルダ
12b ランス
12c 端子ホルダケース固定部
13 端子(メス型)
13b 切欠き
14 防水パッキン
15 端子(オス型)
16 端子ホルダ固定ネジ
21 電線(ケーブル:車室内電子制御ユニットまたは電源側)
21a 導体
21b 絶縁体
21c シース
21d シールド
21e 介在
22 電線(電気機器または電動機器側)
31 ボルト
50 ケーブル
51 絶縁電線
52 銅編組シールド層
53 補強編組層
54 シース層
55 導体
56 絶縁層
100 固定構造
101 金属製ケース
101a フランジ部
101b 金属筒部
102 ボルト
103 ボルト孔
104 ケーブル接続部
W 車体ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル固定方法において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル固定方法。
【請求項2】
端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル固定方法において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、
前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル固定方法。
【請求項3】
前記金属製ケースの外側に樹脂カバー又はゴムカバーを有する請求項1又は請求項2に記載のケーブル固定方法。
【請求項4】
前記ケーブルは単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用する請求項1〜3の何れかに記載のケーブル固定方法。
【請求項5】
少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル固定方法において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル固定方法。
【請求項6】
少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル固定方法において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、
前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル固定方法。
【請求項7】
前記ケーブルは単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用する請求項5又は請求項6に記載のケーブル固定方法。
【請求項8】
端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル接続部において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル接続部。
【請求項9】
端子ホルダ収容部と金属筒部とからなる金属製ケースを有し、ケーブルを前記金属製ケース内に挿入し、前記ケーブルの心線を圧着した端子を絶縁性の端子ホルダに固定し、該端子ホルダを前記金属製ケースの前記端子ホルダ収容部に固定して収容し、前記ケーブルを収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したコネクタのケーブル接続部において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、
前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル接続部。
【請求項10】
前記金属性ケースの外側に樹脂カバーまたはゴムカバーを有することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のケーブル接続部。
【請求項11】
前記ケーブルは単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用する請求項8〜10の何れかに記載のケーブル接続部。
【請求項12】
少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル接続部において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることを特徴とするケーブル接続部。
【請求項13】
少なくとも金属筒部からなる金属製ケースを有し、ケーブルの長手方向の一部を前記金属筒部に収容し、前記ケーブルの長手方向の一部を収容した前記金属筒部の一部である加締め加工エリアの外周に複数の凹部を形成するように前記金属筒部を加締めることにより前記ケーブルを前記金属製ケースに固定したケーブル接続部において、
前記金属筒部を加締めるとき、
前記金属筒部を加締める前のケーブルの断面積をA、加締めた後のケーブルの断面積をB、B/Aを加締め率Kとしたとき、0.60≦K≦0.95となるようにすることし、かつ、
前記金属筒部を加締める前の前記加締め加工エリアの表面積をD、加締めた後に形成される前記複数の凹部の総面積をCとしたとき、C≧D/5となるようにしたことを特徴とするケーブル接続部。
【請求項14】
前記ケーブルは単芯あるいは複数本の線芯を撚り合わせてなる撚線コアの外周に絶縁被覆層を有し、前記絶縁被覆層と最外層を構成するシース層の内側に、ポリマーからなる複数本の繊維材を編み合わせた補強編組層を設けたケーブルを使用する請求項12又は請求項13に記載のケーブル接続部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−142062(P2011−142062A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24255(P2010−24255)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】