説明

ケーブル挿入のためのモジュール及びフレーム

本発明は、ケーブル挿入、配管貫通等のためのモジュール(3)及びフレーム(1)に関する。前記モジュール(3)が、細長い横断面を有する平坦なケーブル(6)等を収容するように適応可能な端部(7)及び中間部(8)を具備する。前記端部(7)は、円形の横断面を有するケーブル、配管等を収容するためのモジュール(2)を形成する部分と同一であっても良い。フレーム(1)は、1つ以上の該モジュール(3)を収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル挿入、配管貫通等のためのモジュール(構成体)及びフレーム(構造)に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる種類のフレームが、ケーブル(電線)挿入(エントリー)、配管(パイプ)貫通等のために通常使用される。そのフレームは、電気、通信、コンピュータ等のためのケーブル、あるいは水、圧縮空気、油圧流体及び調理用ガス等の異なるガス又は液体のための配管を収容しても良い。それは、棚、技術的退避所(シェルタ)、接続箱及び機械等、更には船の甲板(デッキ)や隔壁等の多くの異なる環境において使用される。フレームはまた、異なるタイプの建物の壁又は屋根に設置されても良い。
【0003】
収容されるべきケーブル又は配管に適用される異なるモジュールは、フレーム内に通常具備される。しかしこれらのモジュールは、円形断面を有するケーブル又は配管等だけに通常単に適用される。平坦な(フラット)ケーブル等のための特別なモジュールが存在するわけではない。平坦なケーブルを収容する場合に、各フレーム内に特別な構成を施すことが通常であった。ケーブル又は配管等を設置する作業員は、改造を行ってきた。それにより、ケーブル等の設置の当業者(又は専門業者)にある程度依存してきたという状況が生じている。従って、フレーム内に収容されるべき平坦なケーブル等に直ちに適用可能なモジュールに対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、例えば平坦なケーブル等の円形断面を有さない部品に関連して開発された。本発明の目的の1つは、フレーム(構造)が、収容されるべき部分の横断面に適用可能であるべきことである。
【0005】
この目的は、ケーブルの挿入、配管貫通等のためのフレーム内に収容されるモジュールにより実現される。そのモジュールは、細長い横断面を有する平坦なケーブル等を収容するように適用可能な部分を有する。
【0006】
本発明の別の目的は、設置作業、貯蔵作業、及び輸送作業に関して、取り扱いが改善されることである。
【0007】
使用されるモジュールは、剥離可能な(皮をむくように剥ぐことができる)シート(薄膜)により、異なる寸法のケーブル(電線)に適用可能であることが好ましい。そのシートは、接着効果により共に保持される。接着効果は、シートを共に普通に保持するのに十分に強いものであるが、しかし手で個別のシートを剥離できる程度に強くないものである。
【0008】
本発明のこれとは別の目的及び利点は、下記の本発明の好適な実施の形態の詳細な説明を読むことにより、当業者には明確になるものである。
【0009】
本発明は、添付の図面を参照して、実例により以下で更に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1において、ケーブル(電線)挿入(エントリー)、配管(パイプ)貫通等のためフレーム(構造)1が示される。フレーム1は、壁、天井、床等において収容されるものである。従来技術において既知なように、多数のモジュール2,3がフレーム1内に収容される。モジュール2,3は弾性材料により製作される。密着したシール(密封部)を形成するために、ウェッジ(楔)4又は別の引張手段がモジュール2,3に圧力を作用するように配置されており、前記モジュール2,3は圧力により外側に拡張する。モジュール2,3の各セット(組み合わせ)間において、仕切り5が配置される。仕切り5は、ウェッジ4により作用される圧力により、仕切り5がフレーム1において滑っても良いような状態で配置される。
【0011】
図示されるモジュール2,3の内の1つのタイプのモジュール2は、円形の外側周囲を有するケーブル又は配管等のためのものである。このタイプのモジュールは従来技術において公知であり、本明細書では詳しく説明されない。もう一方のモジュール3は、平坦な(フラット)ケーブル6又は細長く且つ丸い外側周囲を有する別の部品を収容するものである。
【0012】
平坦なケーブル6は図1において、丸い半円状の端部を有する横断面を有するように示されるけれども、当業者には、平坦なケーブル6は別の横断面形状を有しても良いことが分かる。本発明は、幾分矩形の横断面を有する平坦なケーブルに有用であることが分かっている。ケーブルの横断面の角部が幾分丸くなっている場合がある。後者の場合は、モジュール3が脇にそれる断面を形成するのに十分な弾性を有することにより機能する。従って、ケーブルに面する丸い内側表面を有する端部7は、例えケーブルの対向する表面が実質上直線状であったとしても、使用されても良い。
【0013】
平坦なケーブル6のためのモジュール3は、2つの端部7を有しており、その端部7は、円形の横断面を有するケーブル等のためのモジュール2の部分に対応するか又はそれと同一であっても良い。端部7の間には、2つの中間部8が配置される。端部7は多数のシート(薄膜)9を有しており、そのシート9は、端部7を収容される部品に対して適用するように剥がされても良い。同じ方法で、中間部8は、剥がされても良いシート10を有する。また、各中間部8は基板11を有する。基板11は中間部8の側部に設置されており、中間部8のその側部は、設置において、ケーブル6等から離れた位置に配置される。端部7は、矩形の外側形状及び円形の内側形状を有するベースユニット14を有する。円形の内側形状は、ケーブル又は配管等を収容する。ピール(剥離)シート9は、円形部分の内側に収容される。
【0014】
平坦なケーブル6の寸法に依存して、モジュール3の中間部8は、長さを変化させても良い。通常は、中間部8に関して多数の標準長さを有することで十分である。比較的長い中間部8を有することも可能であり、その場合には、中間部は、設置の前に、適当な長さに切断される。
【0015】
端部7が、円形の内側横断面を有するモジュール2に対して使用された場合に、メクラロッド(棒)12が通常、貯蔵、輸送及び設置を容易にするために装備される。平坦なケーブル6のためのモジュール3において、メクラロッド12は、中間部8間に設置されるメクラ板13により置換される。メクラ板13は、端部7に収容される丸い端部を有する。実施の形態においては、メクラ板13がない場合もある。
【0016】
上記したごとく、同一のユニットが、円形のケーブル又は配管等のためのモジュール2のために、及び平坦なケーブル等のためのモジュール3の端部7のために使用されても良い。同一のユニットの使用により、取り扱い作業及び貯蔵作業が容易になる。
【0017】
使用において、メクラ板13は、平坦なケーブル6等がフレーム1を介して運び込まれる場合に、先ず取り外される。その後、適当な数のシート9,10が、端部7及び中間部8からそれぞれ剥がされる。シート9,10の適当な数は、モジュール3内の平らなケーブル6のためのスペースを用意するのに必要な数量である。ケーブル又は配管等が、フレーム1内に設置されてしまうと、ウェッジ4又は別の引張手段は、ケーブル、配管、メクラ11,12等を有するモジュール2,3に圧力をかけるように操作される。ウェッジ4等により作用させられた圧力により、モジュールの弾性材料は、もう一方の方向に拡張して、密着したシール(密封部)を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明に従がうモジュールを有するフレームの例を示す。
【図2】図2は、本発明に従がうモジュールの分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル挿入、配管貫通等のためのフレーム(1)に主要されるモジュール(3)において、このモジュールは、
前記モジュール(3)が、細長い横断面を有する平坦なケーブル(6)等を収容するように適用可能な部分(7,8)を具備する、ことを特徴とするモジュール。
【請求項2】
2つの端部(7)及び2つの中間部(8)により形成されることを特徴とする請求項1に記載のモジュール(3)。
【請求項3】
各前記端部(7)は、多数のシートを具備しており、前記平坦なケーブル(6)等の端を収容するように丸い形状を形成しており、更に前記シート(9)は、前記端部を前記収容された平坦なケーブル(6)等に適合するように剥がされても良いことを特徴とする請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記端部(7)は、円形の横断面を有するケーブル、配管等のためのモジュール(2)を形成する部分と同一であることを特徴とする請求項2又は3に記載のモジュール。
【請求項5】
各前記中間部(8)は、基板(11)と、収容される前記平坦なケーブル(6)等に前記中間部(8)を適合させるように剥がされても良い、多数のシート(10)と、により形成されることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項6】
前記基板(11)は、フレーム(1)における設置において、前記平坦なケーブル(6)等から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
弾性材料により製作されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項8】
メクラ板(13)が前記端部(7)及び前記中間部(8)により取り囲まれるように配置されることを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の1つ以上のモジュール(3)を収容することを特徴とするケーブル挿入、配管貫通等のためのフレーム(1)。
【請求項10】
ウェッジ(4)又は別の引張手段を具備することを特徴とする請求項9に記載のフレーム(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル挿入及び/又は配管貫通のためのフレーム(1)に主要されるモジュール(3)において、このモジュールは、
前記モジュール(3)が、細長い横断面を有する平坦なケーブル(6)及び/又は配管を収容するように適用可能な部分(7,8)を具備する、ことを特徴とするモジュール。
【請求項2】
2つの端部(7)及び2つの中間部(8)により形成されることを特徴とする請求項1に記載のモジュール(3)。
【請求項3】
各前記端部(7)は、多数のシートを具備しており、前記平坦なケーブル(6)及び/又は平坦な配管の端を収容するように丸い形状を形成しており、更に前記シート(9)は、前記端部を前記収容された平坦なケーブル(6)又は平坦な配管に適合するように剥がされても良いことを特徴とする請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記端部(7)は、円形の横断面を有するケーブル及び/又は配管のためのモジュール(2)を形成する部分と同一であることを特徴とする請求項2又は3に記載のモジュール。
【請求項5】
各前記中間部(8)は、基板(11)と、収容される前記平坦なケーブル(6)又は前記平坦な配管に前記中間部(8)を適合させるように剥がされても良い、多数のシート(10)と、により形成されることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項6】
前記基板(11)は、フレーム(1)における設置において、前記平坦なケーブル(6)又は前記平坦な配管から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
弾性材料により製作されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項8】
メクラ板(13)が前記端部(7)及び前記中間部(8)により取り囲まれるように配置されることを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の1つ以上のモジュール(3)を収容することを特徴とするケーブル挿入、配管貫通等のためのフレーム(1)。
【請求項10】
ウェッジ(4)又は別の引張手段を具備することを特徴とする請求項9に記載のフレーム(1)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−527981(P2006−527981A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517030(P2006−517030)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000925
【国際公開番号】WO2004/112211
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(502125016)ロックステク アクティエボラーグ (5)
【Fターム(参考)】