説明

ゲル化剤組成物を用いた透明基剤及びそれを配合した化粧料

【課題】外観が透明性で、艶(光沢)、硬度、使用性・感触(滑らかで、伸びが良く、べたつきのない)、色彩効果、艶効果、保湿効果、及びその効果の持続性、の良い透明基剤の提供。
【解決手段】N−アシル−L−酸性アミノ酸ジアルキルアミドと常温で液状の糖脂肪酸エステル及び/又はポリオ−ル脂肪酸エステルとを含むゲル化剤組成物。
【効果】透明基剤を調整する際に、100℃以下の低い温度で溶解することができ、且つ経時・高温状態においても離しょう、廃液、発汗することのない安定な艶(光沢)使用感、仕上がり感に優れた透明基剤を調整可能である。得られた透明基剤は透明性、艶(光沢)、発色性などの外観性に優れており、感触・使用感、保湿効果、着色強度及びその持続性など色々な用途に好適に使用出来る。透明基剤の用途はリップクリ−ム、リップグロス、リップカラ−グロスなどに用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透明基剤のゲル化剤組成物、及び製造方法に関する。 更に詳しくは、特定のアミノ酸誘導体油ゲル化剤を含有する透明基剤のゲル化剤組成物及び易顔料分散性、易染料溶解性、易乳化性等の製造方法に関する。
本発明のゲル化剤組成物は、常温で液状状を呈する油性基剤をゲル化、分散、溶解、乳化して形態、機能を付与するために有用である。
【背景技術】
【0002】
油性基剤の透明ゲル化剤としては、一般的には、12ヒドロキシステアリン酸デキストリン脂肪酸エステル、ポリアミド変性シリコ−ン、ポリアミド樹脂、ジベンジリデン−D−ソルビト−ル、等多くの種類が知られている。しかしN−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドは広い油性基剤に対するゲル化能を有し、ゲル強度を保つことが出来るが(特開2002−316971号公報)経時温度安定性が劣り、艶(光沢)、テクスチャ−(感触)、仕上がり感、当たりの柔らかさ等、の商品の品質の巾を広げることが出来なかった。
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドは様々な油性基剤をゲル化するが充分なゲル強度を有せず皮膚への塗布が困難、比較的固いゲルになり、塗布時剤型がもろく充分な強度が出ずロウ様な感触で使用用途が限られる(特開昭 51−19139)。
皮膚や毛髪塗布時の感触は必ずしも優れたものではなく、延び易さ(延展性)等に欠ける場合があった(特開2002−316971号公報)。
12ヒドロキシステアリン酸併用も固いゲルで、剤型がもろく強度面で問題(米国特許第5、591、424号)、外観白色、で透明性に欠ける(特表平7−506833号公報)ポリアミド樹脂は経時温度安定性が悪く発汗現象を生じる。
12ヒドロキシステアリン酸はさっぱりとした使用感で使い易いがゲル組成物の均一性(結晶析出)に注意が必要。
脂肪酸デキストリンエステルは高分子量であることとゲル化剤使用量10%以上必要で、使用時にべたつき感はないものの、閉鎖感・皮膜感が強く好ましくない(特開平−08−047635号公報)などの問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドに代表されるアミノ酸誘導体系の油ゲル化剤を配合した透明基剤において、高い温度条件下で加熱溶解することなく、油性基剤中に当該油ゲル化剤組成物を比較的低い温度(95℃以下)で均一に溶解でき、特に艶(光沢)効果、テクスチャ−、保湿効果に優れる経時・高温安定性(発汗、離奨のない)製品化を可能にする。
外観が透明性、硬度、使用性・感触(滑らかで、伸びが良く、べたつきのない)、色彩効果、艶効果、保湿効果、及びその効果の持続性、経時温度安定性の良い透明基剤を得る。
しかもゲル化剤の配合量が比較的少量で済み、使用した際に感触等に影響を与えない既存の技術は経時・高温安定性が悪く、硬度が出ず固形化が難しく、艶(光沢)・テクスチャ−、仕上がり感、柔らかさが劣り品質の巾が狭いなどの欠点があった.
透明基剤を製造する時の具体的問題点としては、
有効成分の劣化分解防止のためにアミノ酸系ゲル化剤の低温度溶解(50〜80℃)方法。表面に結晶析出しない良好な外観を得るための均一な溶解方法。
美的観点から透明ゲル生成方法。ハ−ドゲルとソフトゲルのバランスの良い組合せにより硬さ(形状保持)・ゲル強度、使用性(軽い伸び)、好感触(滑らかさ、延展性 べたつきのなさ)、経時温度安定性(析出、発汗、離奨がない)の確保が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、特定のN−アシル−L−酸性アミノ酸ジアルキルアミドと常温で液状の糖脂肪酸エステル及び/又はポリオ−ル脂肪酸エステルとを含むゲル化剤組成物が常温で液状の油性成分のゲル化剤として、優れた性質を有しており、透明基剤を調整する際に95℃以下の低い温度で溶解することが出来、かつ高温状態においても安定で艶(光沢)、テクスチャ−(感触)、仕上がり感、柔らかさに優れた透明基剤を調整出来ることを見出した。
十分なゲル強度を付与するために他のゲル化剤と組合せ使用しても良い。
透明で使用感の良い、適度のゲル強度を得るには油性成分としては2種以上の油性成分(艶・ソフトゲル形成成分、ハ−ドゲル形成成分)を組合せ使用すると良い。
特定の艶・光沢剤とN−アシル−L−酸性アミノ酸ジアルキルアミドのゲル化剤組成物を配合して透明基剤を調整しても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明にかかる透明基剤について詳しく説明する。
インパクトのある化粧品、パフォ−マンスが良い化粧品が市場で要求され、仕上がり(フィニッシュ)、着色強度(色味がしっかり出る)、透明性、心地良さ(テクスチャ−が良い)、当たりの柔らかさ、艶効果、保湿効果及びその持続性、経時温度安定性等の品質の実現に努力がなされている。
【0006】
アミノ酸誘導体(油ゲル化剤)は優れた透明感、高いゲル強度、艶(光沢)、滑らかな感触が得られる等の優位性が得られる反面、融点が高く(EB−21=183〜196℃、GP−1=151〜160℃)溶解温度高く、ゲル化温度(充填温度に関係)も高く、油剤への溶解性が低いために表面に結晶が析出したり、油剤の種類により離奨、発汗する等、経時温度安定性に問題がある。それ故、溶解剤のみを用いて油ゲル化剤を完全に溶解したゲル化剤組成物を調整しておき、次いでゲル化剤組成物を残りの油剤に添加、溶解・混合することにより、容易に非常に高い温度条件下で加熱溶解することなく、均一に溶解された組成物を得ることが可能になった。
透明基剤を製造時に他の油剤と溶解・混合・攪拌するだけで、容易に透明基剤を製造することが出来、従来のようにアミノ酸誘導体の混合に際して非常に高い温度処理を施す必要がなく、透明基剤を調整出来る。又 易分散色材組成物、易溶解染料組成物、易W/O乳化剤組成物をも調整することが出来、製剤の製造工程を大幅に簡素化出来ることが解った。

一般式1で表されるアミノ酸誘導体としては、具体的には、例えば、N−オクタノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−デカノイル−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチル−ヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを挙げることが出来る、この中でも、特にN−2−エチル−ヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを本発明に好適に用いることが出来る。(商品名「EB−21」)
0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5.0重量部である。
特にN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを本発明に好適に用いることが出来る(商品名「GP−1」)。
0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0007】
高融点のアミノ酸系ゲル化剤を溶解するためには、熱耐性、非還元性の溶解剤が望ましく、糖ではトレハロ−ス脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、糖アルコ−ルではエリスリト−ル脂肪酸エステル、ソルビト−ル脂肪酸エステルイノジト−ル脂肪酸エステル等が適している。
糖脂肪酸エステルはエステル化度により色々の種類があるが代表的なものは
オリゴ糖脂肪酸エステルは
トレハロ−ス脂肪酸エステル(商品名 ノムコ−トTQ−5)
ショ糖脂肪酸エステル(商品名 クロデスタ4−IS)の非還元糖脂肪酸エステルが望ましい。
マルチト−ル脂肪酸エステル、フルクト−ス脂肪酸エステル、マルト−ス脂肪酸エステル、リボ−ス脂肪酸、アラビノ−ス脂肪酸エステル、ラクト−ス脂肪酸エステル、等の還元糖脂肪酸エステルがある。
糖アルコ−ル脂肪酸エステルとしては
エリスリト−ル脂肪酸エステル(単糖アルコ−ル)商品名 サラコスE−38、ソルビト−ル脂肪酸エステル(単糖アルコ−ル) イノジト−ル脂肪酸エステル、キシリット脂肪酸エステル、リビト−ル脂肪酸エステル、ズルシト−ル脂肪酸エステル、マルビット脂肪酸エステル(二糖アルコ−ル)、マンニット脂肪酸エステル ラフィノ−ス脂肪酸エステル等が本発明の実施態様に特に適している。
常温で液状の油性成分はゲル化剤(構造化ポリマ−)と親和性があり、ゲル化剤の溶解性に優る。
シワ、小シワへの油相の移入、組成物の持続力、耐移り性、着色強度を改善する。
光沢(艶)のある、柔軟で、快適で、質感 及び「移動耐性」を有する
常温で液状の油性成分の屈折率が1.40〜1.60であることを特徴とする
液体の油性成分のヒドロキシル価(OH価)が30〜180であることを特徴
液体の油性成分の誘電率が2.50〜7.50であることを特徴とする
10〜90重量部、好ましくは20〜80重量部、更に好ましくは40〜60重量部である。10重量部より少ない時はゲル化剤を十分に溶解出来ず、90重量部より多いと使用感に欠ける。
既存の溶解剤は常温で液状の低粘性の極性溶解剤(高級脂肪酸、高級アルコ−ル、グライコ−ル、アルコ−ル・・)が主で化粧品の機能(艶、着色強度及び持続性)感触(滑らかさ)、効能(保湿・保護効果)、温度安定性を満足するために保湿効果の高い低粘性・中粘性・高粘性の溶解剤が必要とされていた。
特に糖脂肪酸エステルは安全性に優れ、皮膚に快適なフィ−リングを与える優れたエモリエント性を有するほか、角質層の水分保持を高め、生分解性に優れる。
溶解剤としての高級アルコ−ルのオクチルドデカノ−ルは10%以上配合すると高温安定性が極端に悪くなる(WO 03/102104)又オクチルドデカノ−ルをゲル化するEB−21の濃度を配合すると表面に結晶が析出し外観が劣り再溶解するときに不溶物が残る、等の欠点があり固形化には適していない。
【0008】
多価アルコ−ル脂肪酸エステルは
ジトリメチロ−ルプロパン脂肪酸エステルが熱耐性、溶解性に優れ特に良い。
トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン(商品名 サラコスDT−38)
イソステアリン酸/セバシン酸/ジトリメチロ−ルプロパンオリゴエステル(商品名 サラコスDT−318S)
トリイソステアリン酸ジトリメチロ−ルプロパン
ジペンタエリスト−ル脂肪酸エステルは
トリエチルヘキサン酸ジペンタエリスリチル
トリイソステアリン酸ジペンタエリスリチル
ジネオペンチルグリコ−ル脂肪酸エステルは
トリエチルヘキサン酸ジネオペンチルグリコ−ル
ポリグリセリル脂肪酸エステルは
イソステアリン酸ポリグリセリル−2(商品名 コスモ−ル41V)
ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2(商品名 コスモ−ル42V)
トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(商品名 コスモ−ル43V)
トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(商品名 コスモ−ル43N)
ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3(商品名 リソレックスPGIS32)
上記油剤に希釈された(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル等も含む。
常温で液状の油性成分のヒドロキシル価(OH価)が20〜180、誘電率が2.50〜7.50、屈折率が1.40〜1.60であることを特徴とするのが本発明の透明性ゲル状組成物の実施態様に特に適している。
それ故、常温で液状の油性成分であり、ヒドロキシル価、誘電率、屈折率が適応する商品名 /ダイマ−ジリノ−ル酸)コポリマ−
ハイル−セント ISDN(イソステアリン酸ポリグリセリル−2 トステリル)
LUSPLAN PI−DA(ダイマ−ジリノ−ル酸ジ(イソステアリル/フィ
LUSPLAN DD−DA−5(ダイマ−ジリノ−ル酸ダイマ−ジリノレイル)
リソカスタDA−H(ダイマ−ジリノ−ル酸水添ヒマシ油)
リソカスタDA−L(ダイマ−ジリノ−ル酸水添ヒマシ油)
ROD(リシノ−ル酸オクチルドデシル)、ヒマシ油、を使用しても良い。
上記常温で液状の油性成分はゲル化剤(構造化ポリマ−)と親和性があり、ゲル化剤の溶解性に優る。
シワ、小シワへの油相の移入、組成物の持続力、耐移り性、着色強度を改善する。
光沢(艶)のある、柔軟で、快適で、質感 及び「移動耐性」を有する
10〜90重量部、好ましくは20〜80重量部、更に好ましくは40〜60重量部である。 10重量部より少ない時はゲル化剤を十分に溶解出来ず、90重量部より多いと使用感に欠ける。
次に主な溶解剤の物性、主な光沢剤の物性、を表1、表2に示す。
溶解剤としての糖脂肪酸エステル、多価アルコ−ル脂肪酸エステルを用いたゲル化剤組成物及びゲル化温度、光沢剤を溶解剤として用いたゲル化剤組成物及びゲル化温度を表3、表4に示す。 充填温度はゲル化温度の5〜10℃高い温度で行なうと良い。 液体油剤の最小ゲル化%とゲル化温度を表5に示す。
主な溶解剤の物性
【表1】

【表2】

【0009】
糖脂肪酸エステル・ポリオ−ル脂肪酸エステルを用いたゲル化剤組成物のゲル化温度
【表3】

【0010】
艶・光沢剤のゲル化温度
【表4】

【0011】
液体油剤の最小ゲル化%とゲル化温度
【表5】

【0012】
本発明に使用されるポリエ−テル変性シリコ−ン、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンは下記の通り.1.0〜99.0重量%使用.
ポリエ−テル変性シリコ−ンとしては主なものはポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(信越シリコ−ンKF6017、KF6016、KF6015、KF945A、KF6008、KF352A等、東レ・ダウコ−ニングシリコ−ンSH3773C、SH3772C、SH3775C、ゴ−ルドシュミット社アビルWE−09、アビルEM−97等).
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(信越シリコ−ンKF6012、東レ・ダウコ−ニングシリコ−ンSH3748、SH3749)
長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンとして主なものはアルキルポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン(ゴ−ルドシュミット社アビルEM−90、アビルB9806等)
【0013】
樹脂・高分子は
エステルガム、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添ロジン酸ペンタエリスリチル・イソステアリン酸オクチルドデシル(商品名:GEL−ISOD)
水添ポリイソブテン(商品名:パ−ルリ−ム18、パ−ルリ−ム24、パ−ルリ−ム46)、ポリブテン、キャンデリラロウエキス(商品名:キャンデリラレジン E−1、E−2)
(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマ−(商品名:アンタロンV−216(ビニルピロリドン/エイコセン)コポリマ−、アクリレ−ツコポリマ−(Avalure AC210、AC315ポリマ−)フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸(商品名:SilShine151)
特徴として、透明化、艶出し、増粘、接着性、塗膜形成、厚み、塗膜の改善等がある。 特に艶、仕上がり、テクスチャ−に効果を発揮する
アミノ酸系油ゲル化剤は少量(0.2〜1%)でポリイソブデン等を構造回復性のある柔らかいゲル化油にすることが出来る。
アミノ酸系油ゲル化剤の溶解剤としての糖脂肪酸エステル、多価アルコ−ル脂肪酸エステルと併用して使用することにより、高温でゲル化するのを防ぎ(表4)製造し易くすることが望ましい。
【0014】
オキシ二塩基酸エステル
リンゴ酸ジイソステアリル(商品名 コスモ−ル222)
リンゴ酸ジオクチルドデシル、クエン酸トリオクリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリイソセチル クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリオクチルドデシル、柔軟性、化粧品特性(心地良さ、強い着色、持続性)を改善する。
【0015】
特定の他のゲル化剤は
12ヒドロキシステアリン酸
ナイロン−611/ジメチコンコポリマ−、PPG−3ミリスチル(商品名 ダウコ−ニング 2−8178 Gellant)
パルミチン酸デキストリン(レオパ−ルKL)
ミリスチン酸デキストリン(レオパ−ルMKL2)
(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン(レオパ−ルTT)
【0016】
有機溶剤は
一価アルコ−ル エタノ−ル、IPA、
溶剤として、清浄、殺菌、収斂、可溶化、乾燥促進の目的で使用される
グライコ−ル DPG、PG、13BG、12ヘキサンジオ−ル、
ベンチレングリコ−ル、
べたつきのない保湿剤として、製品の伸び、滑りを良くする柔軟剤として利用
揮発性シリコ−ン デカメチルシクロペンタシロキサン(SH245)
オクタメチルシクロペンタシロキサン(SH344)
デカメチルシクロペンタシロキサン(SH345)
揮発性を有し、他の化粧品成分とも相溶性にも優れ、溶媒としても利用される
製品に配合されることにより、べたつきを抑えたさっぱりとした使用感を得る
揮発性炭化水素 イソドデカン、イソパラフィン、
【0017】
艶・光沢剤としては表2に示すように
水添ポリイソブテン(パ−ルリ−ム18、パ−ルリ−ム24、パ−ルリ−ム46)
ダイマ−ジリノ−ル酸ジ(イソステアリル・フィットステリル)(LUSPLAN PI−DA)
トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル(サラコスWO−6)
ダイマ−ジリノ−ル酸ダイマ−ジリノレイル(LUSPLAN DD−DA−5)
(イソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマ−ジリノ−ル酸)コポリマ−(ハイル−セントISDA)
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル(コスモ−ル168ARN)
フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸(SilShine 151)
トリメチルペンタフェニルトリシロキサン(PH−1555 HRI C F)等
【0018】
ワックスは
天然ワックスは
キャンデリラ炭化水素フラクション(FC−31)
カルナバワックス、蜜蝋、セレシンワックス、パラフィンワックス
マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト
合成ワックスは
ポリエチレンワックス
合成炭化水素ワックス、合成セレシンワックス(JNP81)
合成炭化水素ワックス(エチレン・プロピレン共重合体・リップワックスPZ80−20、ペトロライトPC−7)
合成極性ワックス(水酸基価が20〜180)、
ジシロキサンワックス
混合ワックスは
合成ワックス・キャンデリラロウエステルズ・カルナバロウ混合物が石油原料代替品として機能する
オイルワックスゲルの物性(硬度、ワックス結晶構造、ワックス結晶性)
硬さ、すべりの改善、柔らかくソフトな感触、艶、塗布性能向上、塗り易さ、形状保持性(折れ強度)、溶解性・相溶性、ロットぶれ、柔らかな感触、使い易い融点(80℃)、成形性と離形性、臭い、温度安定性(発汗)、
【実施例】
【0019】
次に系統的に実施例を述べる。
炭化水素油 Hard Oil Gel
【実施例12】
透明スチック
1)EB−21 1.0
2)GP−1 1.0
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 20.0
(サラコス DT−38)
4)流動パラフィンLP55 78.0
透明経時温度安定ゲル
【実施例13】
透明スチック
1)EB−21 0.5
2)GP−1 0.5
3)イソステアリン酸トレハロ−スエステルズ 20.0
(ノムコ−ト TQ−5)
4)スクアラン 79.0
透明経時温度安定ゲル
【実施例14】
グロス透明スチック
1)EB−21 1.5
2)GP−1 1.0
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 20.0
(サラコス DT−38)
4)ヒマシ油 20.0
5)流動パラフィンLP55 47.5
6)水添ポリイソブテン(パ−ルリ−ム24) 10.0
透明経時温度安定性ゲル
【0020】
ジメチルシリコ−ン Hard Oil Gel
【実施例15】
透明スチック
1)EB−21 1.0
2)GP−1 1.0
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 68.0
(サラコス DT−38)
4)ジメチルシリコ−ン 10CS 30.0
【実施例16】
透明リップスチック
1)EB−21 0.5
2)GP−1 0.5
3)イソステアリン酸トレハロ−スエステルズ 10.0
(ノムコ−トTQ−5)
4)ジメチルシリコ−ン 10CS 10.0
5)ミリスチン酸オクチルドデシル(MOD) 79.0
【0021】
シクロメチコン Hard Oil Gel
【実施例17】
透明スチック
1)EB−21 2.0
2)GP−1 2.0
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 20.0
(サラコス DT−38)
4)シクロメチコンD−5(SH245) 55.0
5)流動パラフィンLP55 21.0
【実施例18】
透明スチック
1)EB−21 2.0
2)GP−1 2.0
3)トリエチルヘキサン酸エリスリチル(サラコス E−38) 20.0
4)シクロメチコンD−5(SH245) 55.0
5)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 21.0
(サラコス 5418V)
【実施例19】
透明リップスチック
1)EB−21 2.0
2)GP−1 2.0
3)イソステアリン酸トレハロ−スエステルズ 25.0
(ノムコ−ト TQ−5)
4)シクロメチコンD−5(SH245) 50.0
5)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 21.0
(サラコス 5418V)
【実施例20】
透明リップスチック
1)EB−21 2.0
2)GP−1 2.0
3)リシノレン酸オクチルドデシル(ROD) 15.0
4)シクロメチコンD−5(SH245) 60.0
5)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 21.0
(サラコス 5418V)
【0022】
グライコ−ル Soft Oil Gel
【実施例21】
透明ゲル
1)EB−21 4.0
2)ダイマ−ジリノ−ル酸ダイマ−ジリノレイル 81.0
(LUSPLAN DD−DA−5)
3)DPG 15.0
【0023】
エタノ−ル Soft Oil Gel
【実施例22】
透明ゲル
1)EB−21 3.0
2)ジイソステアリン酸ポリグリセリル(コスモ−ル42V) 30.0
3)リンゴ酸ジイソステアリル(コスモ−ル222) 57.0
4)エタノ−ル 10.0
wt%
透明経時温度安定ゲル
【実施例23】
透明ゲル
1)EB−21 3.0
2)ジイソステアリン酸ポリグリセリル(コスモ−ル42V) 5.0
3)ジカプリン酸ネオペンチルグリコ−ル(エステモ−ルNO1) 82.0
4)エタノ−ル 10.0
透明経時温度安定ゲル
IPソルベント Soft Oil Gel
【実施例24】
透明ゲル
1)EB−21 2.0
2)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 88.0
(サラコス DT−38)
3)IPソルベント1620 10.0
透明経時温度安定ゲル
イソドデカン Soft Oil Gel
【実施例25】
透明ゲル
1)EB−21 2.0
2)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 88.0
(サラコス DT−38)
3)イソドデカン 10.0
透明経時温度安定ゲル
【0024】
エステル油 Hard Oil Gel
【実施例26】
グロス透明リップスチック
1)EB−21 1.4
2)GP−1 0.9
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 18.0
(サラコスDT−38)
4)イソステアリン酸トレハロ−スエステルズ(ノムコ−トTQ−5)28.0
5)水添ポリイソブテン(パ−ルリ−ム24) 18.0
6)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 29.0
7)セチルジメチコ−ンコポイオ−ル 4.0
8)イソステアリン酸ポリグリセリル−2 0.95
9)R−218 0.05
上記1)〜4)を130℃で溶解後、上記5)〜9)を添加して、95℃以下で溶解、均一混合後、容器に充填、冷却、グロス透明リップスチックを得た。
クリア−な発色、艶効果、テクスチャ−、仕上がり効果及び持続性に優れるものであった。 上記処方に肌色色材を添加することにより透明感のある仕上がりのリップスチックをも調整出来る。
エステル・シクロメチコン Hard Oil Gel
【実施例27】
ロングラステイング透明リップスチック(繰り出し容器)
1)EB−21 1.0
2)GP−1 1.0
3)トリエチルヘキサン酸エリスリチル(サラコス E−38) 10.0
4)リンゴ酸ジイソステアリル 34.0
5)メチルポリシロキサン 10CS 15.0
6)トリメチルシロキシケイ酸(KF8712J) 10.0
7)トリメチルシロキシケイ酸(X−21−5250) 10.0
8)シクロメチコ−ンD−5(SH245) 13.9
9)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(6017) 5.0
10)R−104 0.05
11)R−218 0.05
単位(wt%)
上記1)〜4)を130℃で溶解後、上記5)〜11)を添加して95℃以下で溶解後、容器に充填、冷却、ロングラステイング透明リップスチックを得た。
本品は十分な強度を有し、且つ唇への塗布時に滑らかで延展性、クリア−な発色性・透明性・艶効果及びその持続性に優れるものであった。
【0025】
油、水 W/O Emulsion
【実施例28】
モイスチャ−透明リップクリ−ム
1)EB−21 1.5
2)GP−1 1.0
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 14.0
(サラコスDT−38)
4)イソステアリン酸トレハロ−スエステルズ(ノムコ−トTQ−5)14.0
5)水添ポリイソブテン(パ−ルリ−ム24) 14.0
6)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 26.0
7)オクチルドデカノ−ル 7.0
8)イソステアリン酸ポリグリセリル−2 3.5
9)トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリット 14.0
(サラコス WO−6)
10)ムチン(0.3%) 2.0
11)グリセリン 3.0
上記1)〜4)を130℃で溶解後、上記5)〜 9)を添加して、95℃以下で溶解、均一混合後、容器に充填、冷却、モイスチャ−透明リップスチックを得た。
外観の審美性、当たりの柔らかさ、テクスチャ、保湿効果及び持続性に優れるものであった。
【0026】
特定の他のゲル化剤併用
【実施例29】
ス−パ−グロス透明リップスチック
1)EB−21 1.3
2)GP−1 0.8
3)12ヒドロキシステアリン酸 2.5
4)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 16.0
(サラコス DT−38)
5)エステルガム 0.5
6)水添ポリイソブテン(パ−ルリ−ム24) 32.9
7)イソステアリン酸トレハロ−スエステルズ(ノムコ−トTQ−5) 16.0
8)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 30.0
1)〜5)を130℃で溶解後、上記6)〜8)を添加して95℃以下で溶解後容器に充填、冷却、ス−パ−グロス透明リップスチックを得た。
外観の審美性、グロス効果、テクスチャ−、仕上がり感、保湿効果及びその持続性に優れる。
【実施例30】
クリア−カラ−スチック
1)EB−21 1.4
2)GP−1 0.5
3)トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(コスモ−ル43V) 56.05
4)リンゴ酸ジイソステアリル 35.0
5)パルミチン酸デキストリン(レオパ−ルKL) 2.0
6)セチルジメチコンコポリオ−ル(アビルEM−90) 5.0
7)R−223 0.05
【実施例31】
ロングラステイング透明リップスチック
1)EB−21 1.2
2)GP−1 0.8
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 35.3
(サラコスDT−38)
4)ナイロン−611/ジメチコンコポリマ−、PPG−3ミリスチル 2.2
(ダウコ−ニング2−8178Gellant)
5)ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコ−ル(コスモ−ル525)35.0
6)シクロメチコ−ンD−5(SH245) 20.0
7)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン 5.0
(SH3775M東レ・ダウコ−ニング)
8)R−225 0.5
【0027】
特定の他のワックス併用
【実施例32】
ス−パ−グロスリップスチック
1)EB−21 1.3
2)GP−1 0.8
3)トリエチルヘキサン酸ジトリメチロ−ルプロパン 16.0
(サラコス DT−38)
4)イソステアリン酸トレハロ−スエステルズ(ノムコ−トTQ−5) 16.0
5)ポリエチレンワックス 5.0
6)水添ポリイソブテン(パ−ルリ−ム24) 27.9
7)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 25.0
8)易分散性肌色色材組成物 5.0
1)〜4)を130℃で溶解後、上記5)〜8)を添加して95℃以下で溶解後均一攪拌、脱法後容器に充填、冷却、ス−パ−グロスリップスチックを得た。
グロス効果、テクスチャ−、仕上がり感、保湿効果及びその持続性に優れる。
【発明の効果】
【0028】
透明基剤を調整する際に、アミノ酸誘導体油ゲル化剤と糖脂肪酸エステル及び/又は多価アルコ−ル脂肪酸エステルのゲル化剤組成物を油性基剤に配合することにより100℃以下の低い温度で溶解することができ、且つ経時高温状態においても離しょう、廃液、発汗することのない経時温度安定な透明基剤を調整可能である。
得られた透明基剤は艶(光沢)効果、テクスチャ−、仕上がり感 経時温度安定性に優れる。透明性、発色性などの外観性に優れており、使用感、触感、使用効果、艶(光沢)効果及びその持続性など色々な用途に好適に使用出来る。
又、易分散性色材組成物の展色剤(処理剤)として、易染料溶解性組成物の展色剤、易W/O乳化性組成物の乳化剤として等、製造工程の省力化に寄与することが大である。又透明基剤の用途はリップクリ−ム、リップグロス、リップカラ−グロス、ヘアチック、フレグランスチック、ヘア−トリ−トメント、ヘアコンデショナ−、制汗剤、スキンクリ−ム等の化粧品のみにとどまらず、薬用スチック等消炎沈痛剤、肌アレ防止剤、消毒剤、カユミ止め剤等の医薬部外品、医薬品基剤、クレヨン等の文具基剤など広く用いられるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸誘導体の油ゲル化剤と常温で液状の油性成分である糖脂肪酸エステル及び/又は多価アルコ−ル脂肪酸エステルのゲル化剤組成物を配合する透明基剤及びそれを配合した化粧料。
【請求項2】
前記常温で液体の油性成分のヒドロキシル価(OH価)が30〜180であることをを特徴とする請求項 記載透明基剤及びそれを配合した化粧料。
【請求項3】
前記常温で液状の油性成分の屈折率が1.40〜1.60であることを特徴とする請求項 記載透明基剤及びそれを配合した化粧料。
【請求項4】
前記常温で液体の油性成分の誘電率が2.50〜7.50であることを特徴とする請求項 記載透明基剤及びそれを配合した化粧料。
【請求項5】
請求項1にポリエ−テル変性シリコ−ン及び/又は長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン含有する透明基剤及びそれを含有した化粧料
【請求項6】
請求項1〜4に
高分子、樹脂など併用することを特徴とする請求項
【請求項7】
請求項1〜5に
オキシ二塩基酸分枝構造飽和高級アルコ−ルエステルを併用することを特徴とする請求項
【請求項8】
特定の他のゲル化剤(デキストリン脂肪酸エステル、ポリシロキサンポリアミド12ヒドロキシステアリン酸等)併用することを特徴とする請求項
【請求項9】
アミノ酸誘導体油ゲル化剤と有機溶剤(アルコ−ル、グライコ−ル、揮発性シリコ−ン、揮発性炭化水素、・・)など併用することを特徴とする請求項
【請求項10】
請求項1〜4に
艶・光沢剤等を併用すること、アミノ酸誘導体油ゲル化剤と特定の艶・光沢剤とのゲル化剤組成物を配合することを特徴とする請求項
【請求項11】
合成ワックス、合成極性ワックス(水酸基価が20〜180)、天然ワックスなど併用することを特徴とする請求項
【請求項12】
請求項1〜4を配合したゲル化剤組成物によるゲル状組成物の製造方法(易分散性色材組成物、易溶解性染料組成物、易W/O乳化性組成物)等、製造工程の省力化する。

【公開番号】特開2009−114161(P2009−114161A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311551(P2007−311551)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(503284419)有限会社アセニール (1)
【Fターム(参考)】