説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示することができるようにする。
【解決手段】本ゲームプログラムでは、送出形態データTと第3画像データG3’との対応が制御部1に認識される。そして、複数の送出形態データTのいずれか1つがキャラクタの特性データTDとして制御部1に認識される。そして、特性データTDに対応する第4画像データG4が制御部1に認識され、第1画像データG1と第2画像データG2と第4画像データG4とが第2基本画像データGD2として制御部1に認識される。そして、第1から第3中間画像データMG1,MG2,MG3が生成され、第1から第3中間画像データMG1,MG2,MG3が中間画像データMGとして制御部1に認識される。そして、特性データTDに対応する送出動作が第2基本画像データGD2および中間画像データMGを用いて画像表示部3に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムにより実現されるゲームを実行可能なビデオゲーム装置、およびこのゲームプログラムにより実現されるゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、入力部たとえば複数の入力釦が配置されている。このようなゲーム装置においては、入力釦を操作することにより、モニタに表示されたキャラクタを動作させることができるようになっている。
【0003】
このようなゲーム装置において、対戦ゲームたとえば野球ゲームが実行される場合を考える。この野球ゲームでは、コントローラを操作することによって、投手キャラクタが投球動作する状態がモニタに表示される。たとえば、走者キャラクタが出塁しているときには、投手キャラクタがセットポジションから投球動作する状態がアップ画面状態でモニタに表示される。そして、走者キャラクタが盗塁したときには、走者キャラクタが走塁する状態がロング画面状態でモニタに表示される。
【0004】
このような野球ゲームでは、クイックモーションが得意な投手キャラクタには、クイックという特殊能力パラメータが投手キャラクタに割り当てられている。この特殊能力パラメータが割り当てられた投手キャラクタの場合、走者キャラクタが盗塁したときにアップ画面からロング画面へと画面の切り換えが行われると、スタートをきった走者キャラクタの位置がベースに近い位置に表示される。一方で、特殊能力パラメータが割り当てられていない投手キャラクタの場合、走者キャラクタが盗塁したときにアップ画面からロング画面へと画面の切り換えが行われると、スタートをきった走者キャラクタの位置がベースから離れた位置に表示される。このように、投手キャラクタがクイックモーションで投球動作をしたということが、アップ画面からロング画面へと画面の切り換え時の走者キャラクタの位置によって調整されるようになっていた。すなわち、クイックモーションで投球する投手キャラクタとクイックモーションで投球しない投手キャラクタとでは、アップ画面からロング画面へと画面が切り換わったときに、走者キャラクタが異なる位置に表示されるようになっていた。
【0005】
なお、この野球ゲームでは、クイックという特殊能力パラメータが投手キャラクタに割り当てられていたとしても、投手キャラクタは、セットポジションからクイックモーションを行うことなく投球動作を行うようになっている。
【非特許文献1】プロ野球スピリッツ2 コナミ株式会社 2005年4月7日 PlayStation2版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の野球ゲームでは、クイックモーションで投球する投手キャラクタとクイックモーションで投球しない投手キャラクタとでは、アップ画面からロング画面へと画面が切り換わったときに、走者キャラクタを異なる位置に表示することによって、クイックモーションの影響が調整されるようになっていた。すなわち、クイックモーションで投球する投手キャラクタの場合は、クイックモーションで投球しない投手キャラクタの場合と比較して、走者キャラクタが1塁ベースに近い位置に表示されるようになっていた。
【0007】
このように、投手キャラクタがクイックモーションで投球する場合と投手キャラクタがクイックモーションで投球しない場合とで走者キャラクタの表示位置を変更するようにしていたのは、クイックという特殊能力パラメータが投手キャラクタに割り当てられていたとしても、クイックという特殊能力パラメータが投手キャラクタの投球動作に影響を与えることがなかったためである。具体的には、クイックという特殊能力パラメータが投手キャラクタに割り当てられていたとしても、投手キャラクタにクイックモーションで投球させることができるようになっていなかったためである。
【0008】
本発明の目的は、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示することができるようにすることである。具体的には、投手キャラクタの特性データに基づいて、投手キャラクタのクイック投球動作を画像表示部に表示することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るゲームプログラムは、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させる。
(1)キャラクタの送出動作開始時の第1画像データと、キャラクタの送出動作によって移動体がキャラクタから送出されるときの第2画像データと、キャラクタが送出動作を開始してから移動体がキャラクタから送出されるまでの間の複数の第3画像データとを第1基本画像データとして制御部に認識させる第1基本画像データ認識機能。
(2)キャラクタの送出動作の形態を規定するための複数の送出形態データそれぞれと複数の第3画像データより少ない第3画像データとの対応を制御部に認識させる第1対応認識機能。
(3)複数の送出形態データのいずれか1つをキャラクタの特性データとして制御部に認識させる特性データ認識機能。
(4)特性データに対応する複数の第3画像データより少ない第3画像データを複数の第4画像データとして制御部に認識させ、第1画像データと第2画像データと複数の第4画像データとを第2基本画像データとして制御部に認識させる第2基本画像データ認識機能。
(5)第1画像データと第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理を制御部に実行させる中間画像データ生成機能。
(6)少なくとも1つの第1中間画像データと少なくとも1つの第2中間画像データと少なくとも1つの第3中間画像データとを中間画像データとして制御部に認識させる中間画像データ認識機能。
(7)特性データに対応する送出動作を画像表示部に表示するための画像表示命令を制御部に発行させる画像表示命令発行機能。
(8)画像表示命令が制御部から発行されたときに、特性データに対応する送出動作を、第2基本画像データおよび中間画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示機能。
【0010】
このゲームプログラムは、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームを実現可能になっている。第1基本画像データ認識機能においては、キャラクタの送出動作開始時の第1画像データと、キャラクタの送出動作によって移動体がキャラクタから送出されるときの第2画像データと、キャラクタが送出動作を開始してから移動体がキャラクタから送出されるまでの間の複数の第3画像データとが第1基本画像データとして制御部に認識される。第1対応認識機能においては、キャラクタの送出動作の形態を規定するための複数の送出形態データそれぞれと複数の第3画像データより少ない第3画像データとの対応が制御部に認識される。特性データ認識機能においては、複数の送出形態データのいずれか1つがキャラクタの特性データとして制御部に認識される。第2基本画像データ認識機能においては、特性データに対応する複数の第3画像データより少ない第3画像データが複数の第4画像データとして制御部に認識される。そして、第1画像データと第2画像データと複数の第4画像データとが第2基本画像データとして制御部に認識される。中間画像データ生成機能においては、第1画像データと第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理が制御部により実行される。中間画像データ認識機能においては、少なくとも1つの第1中間画像データと少なくとも1つの第2中間画像データと少なくとも1つの第3中間画像データとが中間画像データとして制御部に認識される。画像表示命令発行機能においては、特性データに対応する送出動作を画像表示部に表示するための画像表示命令が制御部から発行される。画像表示機能においては、画像表示命令が制御部から発行されたときに、特性データに対応する送出動作が、第2基本画像データおよび中間画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0011】
たとえば野球ゲームを実現するためのゲームプログラムでは、ボールを送出する投手キャラクタのクイック投球動作を画像表示部に表示するゲームを実現可能になっている。このゲームプログラムでは、投手キャラクタのクイック投球動作開始時の第1画像データと、投手キャラクタのクイック投球動作によってボールが投手キャラクタから送出されるときの第2画像データと、投手キャラクタがクイック投球動作を開始してからボールが投手キャラクタから投球されるまでの間の複数の第3画像データとが第1基本画像データとして制御部に認識される。そして、投手キャラクタのクイック投球動作の形態を規定するための複数のクイック投球形態データそれぞれと複数の第3画像データより少ない第3画像データとの対応が制御部に認識される。そして、複数のクイック投球形態データのいずれか1つが投手キャラクタの特性データとして制御部に認識される。そして、投手キャラクタの特性データに対応する複数の第3画像データより少ない第3画像データが複数の第4画像データとして制御部に認識される。そして、第1画像データと第2画像データと複数の第4画像データとが第2基本画像データとして制御部に認識される。そして、第1画像データと第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理が制御部により実行される。そして、少なくとも1つの第1中間画像データと少なくとも1つの第2中間画像データと少なくとも1つの第3中間画像データとが中間画像データとして制御部に認識される。そして、特性データに対応するクイック投球動作を画像表示部に表示するための画像表示命令が制御部から発行される。そして、画像表示命令が制御部から発行されたときに、特性データに対応するクイック投球動作が、第2基本画像データおよび中間画像データを用いて画像表示部に表示される。
【0012】
このゲームプログラムでは、投手キャラクタの特性データに対応する複数の第4画像データが含まれる第2基本画像データおよび中間画像データを用いて投手キャラクタの投球動作を画像表示部に表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示することができる。
【0013】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(9)複数の送出形態データそれぞれと、キャラクタが送出動作を開始してから移動体がキャラクタから送出されるまでの動作を画像表示部に表示するときの全フレーム数との対応を制御部に認識させる第2対応認識機能。
(10)第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数の合計が、制御部に認識された特性データに対応する全フレーム数から第2基本画像データの数を減算したフレーム数になるように、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数を制御部に設定させ、制御部により設定された各画像データ間のフレーム数を区間フレーム数として制御部に認識させる第1区間フレーム数認識機能。
【0014】
このゲームプログラムでは、第2対応認識機能において、複数の送出形態データそれぞれと、キャラクタが送出動作を開始してから移動体がキャラクタから送出されるまでの動作を画像表示部に表示するときの全フレーム数との対応が制御部に認識される。特性データ認識機能において、複数の送出形態データのいずれか1つがキャラクタの特性データとして制御部に認識される。第1区間フレーム数認識機能においては、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数の合計が、制御部に認識された特性データに対応する全フレーム数から第2基本画像データの数を減算したフレーム数になるように、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数が制御部により設定され、制御部により設定された各画像データ間のフレーム数が区間フレーム数として制御部に認識される。また、中間画像データ生成機能においては、第1画像データと第4画像データとの間の区間フレーム数分の第1中間画像データ、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の区間フレーム数分の第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の区間フレーム数分の第3中間画像データとを生成する処理が制御部により実行される。中間画像データ認識機能においては、区間フレーム数分の第1中間画像データと区間フレーム数分の第2中間画像データと区間フレーム数分の第3中間画像データとが中間画像データとして制御部に認識される。
【0015】
たとえば野球ゲームを実現するためのゲームプログラムでは、複数のクイック投球形態データそれぞれと、投手キャラクタがクイック投球動作を開始してからボールが投手キャラクタから送出されるまでの動作を画像表示部に表示するときの全フレーム数との対応が制御部に認識される。そして、複数のクイック投球形態データのいずれか1つがキャラクタの特性データとして制御部に認識される。そして、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数の合計が、制御部に認識された特性データに対応する全フレーム数から第2基本画像データの数を減算したフレーム数になるように、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数が制御部により設定され、制御部により設定された各画像データ間のフレーム数が区間フレーム数として制御部に認識される。そして、第1画像データと第4画像データとの間の区間フレーム数分の第1中間画像データ、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の区間フレーム数分の第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の区間フレーム数分の第3中間画像データとを生成する処理が制御部により実行される。そして、区間フレーム数分の第1中間画像データと区間フレーム数分の第2中間画像データと区間フレーム数分の第3中間画像データとが中間画像データとして制御部に認識される。
【0016】
このゲームプログラムでは、投手キャラクタのクイック投球動作を、制御部に認識された特性データすなわち複数のクイック投球形態データのいずれか1つに対応する所定のフレーム数(全フレーム数)で画像表示部に表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を所定のフレーム数で画像表示部に表示することができる。
【0017】
請求項3に係るゲームプログラムでは、請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、第1基本画像データ認識機能が、第1画像データ、複数の第3画像データ、第2画像データの順に各画像データを制御部に認識させる。第1対応認識機能が、複数の送出形態データそれぞれと第1画像データ側の少なくとも1つの第3画像データを除いた複数の第3画像データとの対応を制御部に認識させる。
【0018】
たとえば野球ゲームを実現するためのゲームプログラムでは、第1画像データが投手キャラクタの送出動作開始時の画像データである場合、第1画像データ側の少なくとも1つの第3画像データたとえば投手キャラクタが足を直角に曲げた状態の画像データを除くことにより、投手キャラクタのクイック投球動作を画像表示部に表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を適切に画像表示部に表示することができる。
【0019】
請求項4に係るゲームプログラムでは、請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、第1中間画像データが、第1画像データおよび第4画像データを初期画像データとした補間計算を制御部に実行させることにより生成される。また、第2中間画像データが、特性データに対応する複数の第4画像データのうちの2つの画像データを初期画像データとした補間計算を制御部に実行させることにより生成される。さらに、第3中間画像データが、第4画像データおよび第2画像データを初期画像データとした補間計算を制御部に実行させることにより生成される。これらの機能は、中間画像データ生成機能において実現される。
【0020】
このゲームプログラムでは、各区間を規定する2つの画像データを初期データとした補間計算によって、中間画像データが生成されるので、この中間画像データによって各区間を規定する2つの画像データを連結することにより、投手キャラクタのクイック投球動作をスムーズに表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作をスムーズに画像表示部に表示することができる。
【0021】
請求項5に係るゲーム装置は、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームを実行可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、キャラクタの送出動作開始時の第1画像データと、キャラクタの送出動作によって移動体がキャラクタから送出されるときの第2画像データと、キャラクタが送出動作を開始してから移動体がキャラクタから送出されるまでの間の複数の第3画像データとを第1基本画像データとして制御部に認識させる第1基本画像データ認識手段と、送出動作の形態を規定するための複数の送出形態データそれぞれと複数の第3画像データより少ない第3画像データとの対応を制御部に認識させる第1対応認識手段と、複数の送出形態データのいずれか1つをキャラクタの特性データとして制御部に認識させる特性データ認識手段と、特性データに対応する複数の第3画像データより少ない第3画像データを複数の第4画像データとして制御部に認識させ、第1画像データと第2画像データと複数の第4画像データとを第2基本画像データとして制御部に認識させる第2基本画像データ認識手段と、第1画像データと第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理を制御部に実行させる中間画像データ生成手段と、少なくとも1つの第1中間画像データと少なくとも1つの第2中間画像データと少なくとも1つの第3中間画像データとを中間画像データとして制御部に認識させる中間画像データ認識手段と、特性データに対応する送出動作を画像表示部に表示するための画像表示命令を制御部に発行させる画像表示命令発行手段と、画像表示命令が制御部から発行されたときに、特性データに対応する送出動作を、第2基本画像データおよび中間画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示手段と、を備えている。
【0022】
請求項6に係るゲーム制御方法は、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法である。このゲーム制御方法は、キャラクタの送出動作開始時の第1画像データと、キャラクタの送出動作によって移動体がキャラクタから送出されるときの第2画像データと、キャラクタが送出動作を開始してから移動体がキャラクタから送出されるまでの間の複数の第3画像データとを第1基本画像データとして制御部に認識させる第1基本画像データ認識手段と、送出動作の形態を規定するための複数の送出形態データそれぞれと複数の第3画像データより少ない第3画像データとの対応を制御部に認識させる第1対応認識手段と、複数の送出形態データのいずれか1つをキャラクタの特性データとして制御部に認識させる特性データ認識手段と、特性データに対応する複数の第3画像データより少ない第3画像データを複数の第4画像データとして制御部に認識させ、第1画像データと第2画像データと複数の第4画像データとを第2基本画像データとして制御部に認識させる第2基本画像データ認識手段と、第1画像データと第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理を制御部に実行させる中間画像データ生成手段と、少なくとも1つの第1中間画像データと少なくとも1つの第2中間画像データと少なくとも1つの第3中間画像データとを中間画像データとして制御部に認識させる中間画像データ認識手段と、特性データに対応する送出動作を画像表示部に表示するための画像表示命令を制御部に発行させる画像表示命令発行手段と、画像表示命令が制御部から発行されたときに、特性データに対応する送出動作を、第2基本画像データおよび中間画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、投手キャラクタの特性データに対応する複数の第4画像データが含まれる第2基本画像データおよび中間画像データを用いて投手キャラクタの投球動作を画像表示部に表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示することができる。また、本発明では、投手キャラクタのクイック投球動作を、制御部に認識された特性データすなわち複数のクイック投球形態データのいずれか1つに対応する所定のフレーム数(全フレーム数)で画像表示部に表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を所定のフレーム数で画像表示部に表示することができる。また、本発明では、第1画像データが投手キャラクタの送出動作開始時の画像データである場合、第1画像データ側の少なくとも1つの第3画像データたとえば投手キャラクタが足を直角に曲げた状態の画像データを除くことにより、投手キャラクタのクイック投球動作を画像表示部に表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作を適切に画像表示部に表示することができる。さらに、本発明では、各区間を規定する2つの画像データを初期データとした補間計算によって、中間画像データが生成されるので、この中間画像データによって各区間を規定する2つの画像データを連結することにより、投手キャラクタのクイック投球動作をスムーズに表示することができる。すなわち、キャラクタの特性データに基づいて、移動体を送出するキャラクタの送出動作をスムーズに画像表示部に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0025】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0026】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0027】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0028】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0029】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0030】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。
【0031】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0032】
コントローラ17は、プレイヤーが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤーの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0033】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0034】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0035】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0036】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0037】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0038】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0039】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
【0040】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路13を介してD/Aコンバータ17に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ17でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0041】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカー13から音声として出力される。
【0042】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機1は、ボールを投球する投手キャラクタのクイック投球動作又は非クイック投球動作を画像表示部3たとえばテレビジョンモニタ20に表示するゲームを実現可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0043】
第1基本画像データ認識手段は、投手キャラクタの投球動作開始時の第1画像データと、投手キャラクタの投球動作によってボールが投手キャラクタから投球されるときの第2画像データと、投手キャラクタが投球動作を開始してからボールが投手キャラクタから投球されるまでの間の複数の第3画像データとを第1基本画像データとして制御部1たとえばCPU7に認識させる機能を備えている。また、第1基本画像データ認識手段は、第1画像データ、複数の第3画像データ、第2画像データの順に各画像データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0044】
この手段では、投手キャラクタの投球動作開始時の第1画像データと、投手キャラクタの投球動作によってボールが投手キャラクタから投球されるときの第2画像データと、投手キャラクタが投球動作を開始してからボールが投手キャラクタから投球されるまでの間の複数の第3画像データとが第1基本画像データとしてCPU7に認識される。具体的には、第1から第3画像データが、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされる。そして、RAM12にロードされた第1から第3画像データがCPU7に認識される。このときに、第1から第3画像データが、第1基本画像データとして、CPU7に認識される。そして、第1基本画像データの各画像データを、第1画像データ、複数の第3画像データ、第2画像データの順にテレビジョンモニタ20に表示するための表示順序がCPU7に認識される。
【0045】
第1対応認識手段は、投球動作の形態を規定するための複数の投球形態データそれぞれと複数の3画像データより少ない第3画像データとの対応をCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、第1対応認識手段は、複数の投球形態データそれぞれと第1画像データ側の少なくとも1つの第3画像データを除いた複数の第3画像データとの対応をCPU7に認識させる。
【0046】
この手段では、投球動作の形態を規定するための複数の投球形態データそれぞれと複数の3画像データより少ない第3画像データとの対応がCPU7に認識される。詳細には、この手段では、複数の投球形態データそれぞれと第1画像データ側の少なくとも1つの第3画像データを除いた複数の第3画像データとの対応がCPU7に認識される。具体的には、複数の投球形態データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされる。そして、RAM12にロードされた複数の投球形態データがCPU7に認識される。また、複数の投球形態データそれぞれに対応する第1画像データ側の少なくとも1つの第3画像データを除いた複数の第3画像データがCPU7に認識される。このようにして、複数の投球形態データそれぞれと第1画像データ側の少なくとも1つの第3画像データを除いた複数の第3画像データとの対応がCPU7に認識される。
【0047】
第2対応認識手段は、複数の投球形態データそれぞれと、投手キャラクタが投球動作を開始してからボールが投手キャラクタから投球されるまでの動作をテレビジョンモニタ20に表示するときの全フレーム数との対応をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0048】
この手段では、複数の投球形態データそれぞれと、投手キャラクタが投球動作を開始してからボールが投手キャラクタから投球されるまでの動作をテレビジョンモニタ20に表示するときの全フレーム数との対応がCPU7に認識される。具体的には、複数の投球形態データそれぞれに対応する全フレーム数は、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされる。そして、RAM12にロードされた全フレーム数がCPU7に認識される。
【0049】
特性データ認識手段は、複数の投球形態データのいずれか1つを投手キャラクタの特性データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0050】
この手段では、複数の投球形態データのいずれか1つが投手キャラクタの特性データとしてCPU7に認識される。具体的には、先発投手キャラクタ又はリリーフ投手キャラクタを選択するための操作入力部5たとえばコントローラ17からの入力信号がCPU7に認識されたときに、選択された投手キャラクタに対応する投球形態データが投手キャラクタの特性データとしてCPU7に認識される。
【0051】
第2基本画像データ認識手段は、特性データに対応する複数の第3画像データより少ない第3画像データを複数の第4画像データとしてCPU7に認識させ、第1画像データと第2画像データと複数の第4画像データとを第2基本画像データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0052】
この手段では、投手キャラクタの特性データに対応する複数の第3画像データより少ない第3画像データが複数の第4画像データとしてCPU7に認識される。そして、第1画像データと第2画像データと複数の第4画像データとが第2基本画像データとしてCPU7に認識される。
【0053】
第1区間フレーム数認識手段は、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数の合計が、CPU7に認識された特性データに対応する全フレーム数から第2基本画像データの数を減算したフレーム数になるように、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数をCPU7に設定させ、CPU7により設定された各画像データ間のフレーム数を区間フレーム数としてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0054】
この手段では、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数の合計が、CPU7に認識された特性データに対応する全フレーム数から第2基本画像データの数を減算したフレーム数になるように、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数がCPU7により設定される。そして、CPU7により設定された各画像データ間のフレーム数が区間フレーム数としてCPU7に認識される。具体的には、第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数として、所定のフレーム数がCPU7により割り当てられる。この第2基本画像データの各画像データ間の所定のフレーム数の合計は、CPU7に認識された特性データに対応する全フレーム数から第2基本画像データの数を減算したフレーム数になるようになっている。このような第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数がCPU7により設定されると、このCPU7により設定された各画像データ間のフレーム数が区間フレーム数としてCPU7に認識される。
【0055】
中間画像データ生成手段は、第1画像データと第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理をCPU7に実行させる機能を備えている。詳細には、中間画像データ生成手段は、第1画像データと第4画像データとの間の区間フレーム数分の第1中間画像データ、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の区間フレーム数分の第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の区間フレーム数分の第3中間画像データとを生成する処理をCPU7に実行させる機能を備えている。
【0056】
この手段では、第1画像データと第4画像データとの間の区間フレーム数分の第1中間画像データ、特性データに対応する複数の第4画像データそれぞれの間の区間フレーム数分の第2中間画像データと、第4画像データと第2画像データとの間の区間フレーム数分の第3中間画像データとを生成する処理がCPU7により実行される。具体的には、区間フレーム数分の第1中間画像データが、第1画像データおよび表示順序が最も早い第4画像データを初期画像データとした補間計算をCPU7に実行させることにより生成される。また、第2中間画像データが、特性データに対応する複数の第4画像データのうちの表示順序が隣接した2つの画像データを初期画像データとした補間計算をCPU7に実行させることにより生成される。さらに、第3中間画像データが、表示順序が最も遅い第4画像データおよび第2画像データを初期画像データとした補間計算をCPU7に実行させることにより生成される。以下には、各中間画像データを生成するときの補間方法として、線形補間が用いられる場合の例を示すが、多次曲線を用いた曲線補間が用いられても良い。曲線補間が用いられた場合は、線形補間が用いられた場合と比較すると、投手キャラクタの投球動作がよりスムーズにテレビジョンモニタ20に表示されることになる。また、中間画像データすべてを線形補間によって生成する場合の例を示すが、所定の区間の中間画像データ、たとえば後述する画像データG3(1)と画像データG3(1)の次に表示される画像データG3との間の中間画像データのみを線形補間によって生成し、他の区間の中間画像データは他の補間方法を用いて生成するようにしても良い。
【0057】
中間画像データ認識手段は、少なくとも1つの第1中間画像データと少なくとも1つの第2中間画像データと少なくとも1つの第3中間画像データとを中間画像データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、中間画像データ認識手段は、区間フレーム数分の第1中間画像データと区間フレーム数分の第2中間画像データと区間フレーム数分の第3中間画像データとを中間画像データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0058】
この手段では、区間フレーム数分の第1中間画像データと区間フレーム数分の第2中間画像データと区間フレーム数分の第3中間画像データとが中間画像データとしてCPU7に認識される。
【0059】
画像表示命令発行手段は、特性データに対応するクイック投球動作又は非クイック投球動作をテレビジョンモニタ20に表示するための画像表示命令をCPU7に発行させる機能を備えている。
【0060】
この手段では、特性データに対応するクイック投球動作又は非クイック投球動作をテレビジョンモニタ20に表示するための画像表示命令がCPU7から発行される。具体的には、投手キャラクタに投球動作を開始させるためのコントローラ17からの入力信号がCPU7に認識されたときに、特性データに対応するクイック投球動作又は非クイック投球動作をテレビジョンモニタ20に表示するための画像表示命令がCPU7から発行される。
【0061】
画像表示手段は、画像表示命令がCPU7から発行されたときに、特性データに対応するクイック投球動作又は非クイック投球動作を、第2基本画像データおよび中間画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。
【0062】
この手段では、画像表示命令がCPU7から発行されたときに、特性データに対応するクイック投球動作又は非クイック投球動作が、第2基本画像データおよび中間画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。具体的には、画像表示命令がCPU7から発行されたときに、特性データに対応する第2基本画像データおよび中間画像データが、インターフェース回路13を介してD/Aコンバータ17に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ17でアナログ映像信号に変換される。そして、第2基本画像データおよび中間画像データがテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0063】
〔野球ゲームにおけるクイック投球動作表示システムの処理フローと説明〕
次に、野球ゲームにおけるクイック投球動作表示システムの具体的な内容について説明する。また、図10に示すクイック投球動作表示システムのフローについても同時に説明する。
【0064】
野球ゲームプログラムがゲーム装置にロードされると、図3に示すように、投手キャラクタのクイック投球動作開始時の第1画像データG1と、投手キャラクタのクイック投球動作によってボールが投手キャラクタから投球されるときの第2画像データG2と、投手キャラクタがクイック投球動作を開始してからボールが投手キャラクタから投球されるまでの間の複数の第3画像データG3とが、記録媒体10からRAM12にロードされる。そして、RAM12にロードされた第1から第3画像データG1,G2,G3がCPU7に認識される。このときに、第1から第3画像データG1,G2,G3が、第1基本画像データGD1としてCPU7に認識される(S1)。そして、第1基本画像データGD1の各画像データG1,G2,G3を、第1画像データG1、複数の第3画像データG3、第2画像データG2の順にテレビジョンモニタ20に表示するための表示順序JがCPU7に認識される(S2)。たとえば、複数の第3画像データG3としては、18種類の異なる画像データG3(1)〜G3(18)が用意されており、これら複数の第3画像データG3(1)〜G3(18)がCPU7に認識される。なお、この場合の表示順序Jは、画像データG1,G3(1)〜G3(18),G2の順となる。
【0065】
また、複数のクイック投球形態データTが、記録媒体10からRAM12にロードされる。そして、RAM12にロードされた複数のクイック投球形態データTの値たとえば数値「0」、数値「1」、数値「2」、および数値「3」がCPU7に認識される(S3)。このときに、複数のクイック投球形態データTそれぞれに対応する複数の第3画像データG3がCPU7に認識される(S4)。たとえば、図4に示すように、クイック投球形態データTの数値「0」に対応する複数の第3画像データG3(G3(1)〜G3(18))がCPU7に認識される。また、クイック投球形態データTの数値「1」に対応する複数の第3画像データG3’(G3(1),G3(3)〜G3(18))がCPU7に認識される。また、クイック投球形態データTの数値「2」に対応する複数の第3画像データG3’(G3(1),G3(4)〜G3(18))がCPU7に認識される。さらに、クイック投球形態データTの数値「3」に対応する複数の第3画像データG3’(G3(1),G3(5)〜G3(18))がCPU7に認識される。ここでは、クイック投球形態データTの数値「1」、数値「2」、および数値「3」に対応する複数の第3画像データG3が、クイック投球形態データTに対応する第1画像データG1側の少なくとも1つの第3画像データG3を除いた複数の第3画像データG3となっている。なお、複数のクイック投球形態データTそれぞれと複数の第3画像データG3との対応は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0066】
さらに、複数のクイック投球形態データTそれぞれに対応する全フレーム数Fが、記録媒体10からRAM12にロードされる。そして、RAM12にロードされた全フレーム数FがCPU7に認識される(S5)。たとえば、ここでは、図5に示すように、クイック投球形態データTの値である数値「0」に対応する全フレーム数Fが96フレームとなっており、クイック投球形態データTの値である数値「1」に対応する全フレーム数Fが91フレームとなっており、クイック投球形態データTの値である数値「2」に対応する全フレーム数Fが86フレームとなっており、クイック投球形態データTの値である数値「3」に対応する全フレーム数Fが81フレームとなっており、これら複数のクイック投球形態データTの値がCPU7に認識される。なお、クイック投球形態データTの値と全フレーム数Fとの対応は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0067】
そして、野球ゲームの試合を実行するための命令がCPU7から発行され、先発投手キャラクタ又はリリーフ投手キャラクタを選択するための操作入力部5たとえばコントローラ17からの入力信号がCPU7に認識されると、入力信号に対応する、複数の投手キャラクタP0,P1,P2,P3のうちのいずれか1つの投手キャラクタPが、CPU7に認識される(S7)。このときに、図6に示すように、CPU7に認識された投手キャラクタPがテレビジョンモニタ20に表示される。すると、投手キャラクタPに対応するクイック投球形態データTがCPU7に認識される(S8)。なお、投手キャラクタPとクイック投球形態データTとの対応はゲームプログラムにおいて予め規定されており、コントローラ17を操作することによって所望の投手キャラクタPが選択されたときに、所望の投手キャラクタPに対応するクイック投球形態データTがCPU7に認識される。ここでは、投手キャラクタP0がコントローラ17により選択されCPU7に認識された場合は、数値「0」を有するクイック投球形態データTがCPU7に認識される。そして、この数値「0」という値を有するクイック投球形態データTが投手キャラクタP0の特性データTDとしてCPU7に認識される(S9)。同様に、投手キャラクタP1,P2,P3のいずれか1つがコントローラ17により選択されCPU7に認識された場合は、数値「1」,数値「2」,および数値「3」のいずれか1つの値を有するクイック投球形態データTがCPU7に認識される。そして、この数値「1」,数値「2」,および数値「3」のいずれか1つの値を有するクイック投球形態データTが投手キャラクタP1,P2,P3の特性データTDとしてCPU7に認識される(図4および図5を参照)。なお、特性データTDの値が数値「0」の場合は、後述するように、投手キャラクタP4が非クイック動作で投球する状態が、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0068】
続いて、投手キャラクタPの特性データTDの値が数値「0」であるか否かがCPU7により判別される(S10)。そして、投手キャラクタPの特性データTDの値が数値「0」でないとCPU7により判別された場合(S10でNO)、投手キャラクタの特性データTDに対応する、複数の第3画像データG3より少ない第3画像データG3’が、複数の第4画像データG4としてCPU7に認識される(S11、図4を参照)。すると、第1画像データG1と複数の第4画像データG4と第2画像データG2とが第2基本画像データGD2としてCPU7に認識される(S12)。たとえば、図7に示すように、投手キャラクタの特性データTDが「1」の場合は、複数の画像データG1,G3(1),G3(3)〜G3(18),G2が、第2基本画像データGD2としてCPU7に認識される。また、投手キャラクタの特性データTDが「2」の場合は、複数の画像データG1,G3(1),G3(4)〜G3(18),G2が、第2基本画像データGD2としてCPU7に認識される。さらに、投手キャラクタの特性データTDが「3」の場合は、複数の画像データG1,G3(1),G3(5)〜G3(18),G2が、第2基本画像データGD2としてCPU7に認識される。
【0069】
すると、第1画像データG1と複数の第4画像データG4と第2画像データG2とからなる第2基本画像データGD2の各画像データG1,G3,G3間のフレーム数が、CPU7により所定のフレーム数に設定される。ここで、第2基本画像データGD2の各画像データG1,G2,G3間の所定のフレーム数の合計は、CPU7に認識された特性データTDに対応する全フレーム数Fから第2基本画像データGD2の数を減算したフレーム数になるようになっている。このような第2基本画像データGD2の各画像データG1,G2,G3間のフレーム数がCPU7により所定のフレーム数に設定されると、このCPU7により設定された各画像データG1,G2,G3間のフレーム数が区間フレーム数KFとしてCPU7に認識される(S13)。
【0070】
たとえば、ここでは、図8に示すように、特性データTDが「1」の場合は、画像データG1と画像データG3(1)との間の区間フレーム数KF、画像データG3(1)と画像データG3(3)との間の区間フレーム数KF、画像データG3(3)から画像データG3(18)までの各画像データ間の区間フレーム数KF、および画像データG3(18)と画像データG2との間の区間フレーム数KFそれぞれが、4フレームに設定されている。この場合は、区間フレーム数KFの合計が72フレームであり第2基本画像データGD2の数が19であるので、全フレーム数Fは91フレームとなる。また、特性データTDが「2」の場合は、画像データG1と画像データG3(1)との間の区間フレーム数KF、画像データG3(1)と画像データG3(4)との間の区間フレーム数KF、画像データG3(4)から画像データG3(18)までの各画像データ間の区間フレーム数KF、および画像データG3(18)と画像データG2との間の区間フレーム数KFそれぞれが、4フレームに設定されている。この場合は、区間フレーム数KFの合計が68フレームであり第2基本画像データGD2の数が18であるので、全フレーム数Fは86フレームとなる。さらに、特性データTDが「3」の場合は、画像データG1と画像データG3(1)との間の区間フレーム数KF、画像データG3(1)と画像データG3(5)との間の区間フレーム数KF、画像データG3(5)から画像データG3(18)までの各画像データ間の区間フレーム数KF、および画像データG3(18)と画像データG2との間の区間フレーム数KFそれぞれが、4フレームに設定されている。この場合は、区間フレーム数KFの合計が64フレームであり第2基本画像データGD2の数が17であるので、全フレーム数Fは81フレームとなる。
【0071】
すると、区間フレーム数KF分の第1中間画像データMG1が、第1画像データG1および表示順序Jの値が最も小さい第4画像データG4を初期画像データとした線形補間計算をCPU7に実行させることにより生成される。また、区間フレーム数KF分の第2中間画像データMG2が、特性データTDに対応する複数の第4画像データG4のうちの表示順序Jの値が隣接した2つの画像データを初期画像データとした線形補間計算をCPU7に実行させることにより生成される。さらに、区間フレーム数KF分の第3中間画像データMG3が、表示順序Jの値が最も大きい第4画像データG4および第2画像データG2を初期画像データとした線形補間計算をCPU7に実行させることにより生成される。このときに、区間フレーム数KF分の第1中間画像データMG1と区間フレーム数KF分の第2中間画像データMG2と区間フレーム数KF分の第3中間画像データMG3とが中間画像データMGとしてCPU7に認識される(S14)。
【0072】
たとえば、図3に示すように、特性データTDが「1」の場合は、各第1中間画像データMG1が、第1画像データG1および第3画像データG3(1)を初期画像データとして順次生成される。そして、各第2中間画像データMG2が、第3画像データG3(2)を除く第3画像データG3(1)から第3画像データG3(18)の間の2つの画像データを初期画像データとして順次生成される。そして、各第3中間画像データMG3が、第3画像データG3(18)および第2画像データG2を初期画像データとして順次生成される。同様に、特性データTDが「2」の場合は、各第1中間画像データMG1が、第1画像データG1および第3画像データG3(1)を初期画像データとして順次生成される。そして、各第2中間画像データMG2が、第3画像データG3(2)および第3画像データG3(3)を除く第3画像データG3(1)から第3画像データG3(18)の間の2つの画像データを初期画像データとして順次生成される。そして、各第3中間画像データMG3が、第3画像データG3(18)および第2画像データG2を初期画像データとして順次生成される。同様に、特性データTDが「3」の場合は、各第1中間画像データMG1が、第1画像データG1および第3画像データG3(1)を初期画像データとして順次生成される。そして、各第2中間画像データMG2が、第3画像データG3(2)、第3画像データG3(3)、および第3画像データG3(4)を除く第3画像データG3(1)から第3画像データG3(18)の間の2つの画像データを初期画像データとして順次生成される。そして、各第3中間画像データMG3が、第3画像データG3(18)および第2画像データG2を初期画像データとして順次生成される。このようにして各特性データTDに対応する複数の第1から第3中間画像データMG1,MG2,MG3が生成されると、これら第1から第3中間画像データMG1,MG2,MG3が中間画像データMGとしてCPU7に認識される。なお、図3に示した、第1中間画像データMG1、第2中間画像データMG2、および第3中間画像データMG3は、初期画像データ間の代表的な画像データを示している。
【0073】
そして、所望の投手キャラクタにクイック投球動作を開始させるためのコントローラ17からの入力信号がCPU7に認識されると、特性データTDに対応するクイック投球動作をテレビジョンモニタ20に表示するための画像表示命令がCPU7から発行される(S15)。すると、画像表示命令がCPU7から発行されたときに、特性データTDに対応するクイック投球動作が、第2基本画像データGD2および中間画像データMGを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S16)。具体的には、画像表示命令がCPU7から発行されたときに、特性データTDに対応する第2基本画像データGD2および中間画像データMGが、インターフェース回路13を介してD/Aコンバータ17に供給される。そして、画像データGD2,MGがD/Aコンバータ17でアナログ映像信号に変換される。そして、第2基本画像データGD2および中間画像データMGがテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。なお、クイック投球動作とは、投手キャラクタがセットポジションからクイックモーションを行いながら投球するときの動作である。
【0074】
一方で、投手キャラクタP1の特性データの値が数値「0」であるとCPU7により判別された場合(S10でYES)、図4に示した、投手キャラクタP1の特性データTDたとえば数値「0」に対応する複数の第3画像データG3(G3(1)〜G3(18))が、複数の第4画像データGD4としてCPU7に認識される。すると、第1画像データG1と複数の第4画像データG4と第2画像データG2とが第2基本画像データGD2としてCPU7に認識される(S12’)。すると、図4、図5、図7、および図8の対応関係に基づいて、上記に示したS13からS16までの処理と同様の処理がCPU7により実行される(S13’、S14’)。
【0075】
そして、投手キャラクタP1に投球動作を開始させるためのコントローラ17からの入力信号がCPU7に認識されると、特性データTDに対応する非クイック投球動作をテレビジョンモニタ20に表示するための画像表示命令がCPU7から発行される(S15’)。すると、画像表示命令がCPU7から発行されたときに、特性データTDに対応する非クイック投球動作が、第2基本画像データGD2および中間画像データMGを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S16’)。具体的には、画像表示命令がCPU7から発行されたときに、特性データTDに対応する第2基本画像データGD2および中間画像データMGが、インターフェース回路13を介してD/Aコンバータ17に供給される。そして、画像データGD2,MGがD/Aコンバータ17でアナログ映像信号に変換される。そして、第2基本画像データGD2および中間画像データMGがテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。なお、非クイック投球動作とは、投手キャラクタがセットポジションからクイックモーションを行うことなく投球するときの動作である。
【0076】
最後に、図9を参照して、中間画像データMGを生成するときの生成方法についての説明を行っておく。なお、ここでは、特性データTDが「3」であり、第3画像データG3(2)、第3画像データG3(3)、および第3画像データG3(4)を除く複数の第3画像データG3のうちの画像データG3(1)および画像データG3(5)を初期画像データとした場合を例として、中間画像データMGすなわち第2中間画像データMG2(MG2(1)〜MG2(4))の生成方法についての説明を行う。
【0077】
第3画像データG3(1)および第3画像データG3(5)それぞれは、投手キャラクタP3を構成する複数の部位画像データ75を有している。図9に示すように、複数の部位画像データ75それぞれには、たとえば、頭部オブジェクトデータ75a、躯体オブジェクトデータ75b、左右の腕部オブジェクトデータ75c,75d、左右の足部オブジェクトデータ75e,75fが対応している。また、第3画像データG3(1)および第3画像データG3(5)それぞれは、投手キャラクタP3の各部位の位置を規定するための基点座標データSを有している。この基点座標データSにより規定される位置に各部位画像データ75を配置することによって、投手キャラクタP3の一連の投球動作のうちの各瞬間の投球姿勢が規定される。なお、各瞬間の各部位画像データ75は、ポリゴンの内部領域にテクスチャデータを配置することによって形成される。
【0078】
たとえば、第3画像データG3(1)の右足用基点座標データSFe(xe,ye,ze)から第3画像データG3(1)の右足用基点座標データSFs(xs,ys,zs)を減算する計算がCPU7により実行される。次に、この減算によって算出される右足用差分座標データ(xe−xs,ye−ys,ze−zs)を、区間フレーム数KFに1を加算した値たとえば5(4+1)によって除算する計算((dx,dy,dz)=(xe−xs)/(KF+1),(ye−ys)/(KF+1),(ze−zs)/(KF+1))がCPU7により実行される。
【0079】
続いて、この除算によって算出される右足用変化分座標データ(dx,dy,dz)を、第3画像データG3(1)の右足用基点座標データSFs(xs,ys,zs;ts)に加算する計算((xs1,ys1,zs1;ts1)=(xs+dx,ys+dy,zs+dz))がCPU7により実行される。すると、次フレームの右足用座標データSF1(xs1,ys1,zs1;ts1)がCPU7により算出される。このような処理を腕部オブジェクト以外のオブジェクトの基点座標データSに対して行うことにより、次フレームの他のオブジェクトの座標データS1が算出される。そして、次フレームの各オブジェクトの座標データS1により規定される位置に、対応する各オブジェクトデータ75a,75b,75c,75d,75e,75fを配置することによって、次フレームの投球姿勢が画像データにおいて規定される。
【0080】
続いて、右足用変化分座標データ(dx,dy,dz)を上記の次フレームの右足用座標データSF1に加算する計算がCPU7により実行される。すると、次々フレームの右足用座標データSF2がCPU7により算出される。このような処理を右足部オブジェクト以外のオブジェクトの座標データS1に対して行うことにより、次々フレームの他のオブジェクトの座標データS2が算出される。そして、次々フレームの各オブジェクトの座標データS2により規定される位置に、対応する各オブジェクトデータ75a,75b,75c,75d,75e,75fを配置することによって、次々フレームの投球姿勢が画像データにおいて規定される。このような処理を区間フレーム数KF回繰り返す処理をCPU7に実行させることにより、第3画像データG3(1)と第3画像データG3(5)との間の中間画像データMGすなわち第2中間画像データMG2(MG2(1)〜MG2(4))が生成される。上記のような処理を各区間において行うことにより、すべての区間における中間画像データMGが生成される。
【0081】
なお、ここでは、第3画像データG3(1)の基点座標データSFsと、第3画像データG3(5)の基点座標データSFeとに基づいて、中間画像データMGが線形補間によって算出される場合の例を示したが、第3画像データG3(1)の基点座標データSFsと、第3画像データG3(5)の基点座標データSFeとの間の座標データの算出は、上記方法に限定されず、どのようにしても良い。たとえば、第3画像データG3(1)の基点座標データSFsと、第3画像データG3(5)の基点座標データSFeとを結ぶ多次曲線関数を用いた曲線補間が用いられても良い。この場合は、第3画像データG3(1)の基点座標データSFsと第3画像データG3(5)の基点座標データSFeとを結ぶ多次曲線関数をCPU7に認識させ、この多次曲線上を移動するようなオブジェクトの座標データをCPU7に生成させる。これにより、線形補間が用いられた場合よりも、投手キャラクタのクイック投球動作をよりスムーズにテレビジョンモニタ20に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ビデオゲーム装置が有する手段を説明するための機能ブロック図。
【図3】投手キャラクタに対応する画像データの説明を行うための図。
【図4】クイック投球形態データと第3画像データとの対応を説明するための図。
【図5】クイック投球形態データと全フレーム数との対応を説明するための図。
【図6】モニタに表示された投手キャラクタを説明するための図。
【図7】特性データと第2基本画像データとの対応を説明するための図。
【図8】第2基本画像データと区間フレーム数との対応を説明するための図。
【図9】中間画像データの生成方法を説明するための図。
【図10】投球動作表示システムを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0083】
1 制御部
5 操作入力部
7 CPU
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
50 第1基本画像データ認識手段
51 第1対応認識手段
52 第2対応認識手段
53 特性データ認識手段
54 第2基本画像データ認識手段
55 第1区間フレーム数認識手段
56 中間画像データ生成手段
57 中間画像データ認識手段
58 画像表示命令発行手段
59 画像表示手段
P 投手キャラクタ
GD1 第1基本画像データ
GD2 第2基本画像データ
G1 第1画像データ
G2 第2画像データ
G3 第3画像データ
G3’複数の前記第3画像データより少ない第3画像データ
G4 第4画像データ
TD 特性データ
T 送出形態データ
MG 中間画像データ
MG1 第1中間画像データ
MG2 第2中間画像データ
MG3 第3中間画像データ
F 全フレーム数
KF 区間フレーム数
J 表示順序


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームを実現可能なコンピュータに、
前記キャラクタの送出動作開始時の第1画像データと、前記キャラクタの送出動作によって前記移動体が前記キャラクタから送出されるときの第2画像データと、前記キャラクタが送出動作を開始してから前記移動体が前記キャラクタから送出されるまでの間の複数の第3画像データとを第1基本画像データとして制御部に認識させる第1基本画像データ認識機能と、
前記送出動作の形態を規定するための複数の送出形態データそれぞれと複数の前記第3画像データより少ない前記第3画像データとの対応を制御部に認識させる第1対応認識機能と、
複数の前記送出形態データのいずれか1つを前記キャラクタの特性データとして制御部に認識させる特性データ認識機能と、
前記特性データに対応する複数の前記第3画像データより少ない前記第3画像データを複数の第4画像データとして制御部に認識させ、前記第1画像データと前記第2画像データと複数の前記第4画像データとを第2基本画像データとして制御部に認識させる第2基本画像データ認識機能と、
前記第1画像データと前記第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、前記特性データに対応する複数の前記第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、前記第4画像データと前記第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理を制御部に実行させる中間画像データ生成機能と、
少なくとも1つの前記第1中間画像データと少なくとも1つの前記第2中間画像データと少なくとも1つの前記第3中間画像データとを中間画像データとして制御部に認識させる中間画像データ認識機能と、
前記特性データに対応する前記送出動作を画像表示部に表示するための画像表示命令を制御部に発行させる画像表示命令発行機能と、
前記画像表示命令が制御部から発行されたときに、前記特性データに対応する前記送出動作を、前記第2基本画像データおよび前記中間画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
複数の前記送出形態データそれぞれと、前記キャラクタが送出動作を開始してから前記移動体が前記キャラクタから送出されるまでの動作を画像表示部に表示するときの全フレーム数との対応を制御部に認識させる第2対応認識機能と、
前記第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数の合計が、制御部に認識された前記特性データに対応する前記全フレーム数から前記第2基本画像データの数を減算したフレーム数になるように、前記第2基本画像データの各画像データ間のフレーム数を制御部に設定させ、制御部により設定された各画像データ間の前記フレーム数を区間フレーム数として制御部に認識させる第1区間フレーム数認識機能と、
をさらに実現させ、
前記中間画像データ生成機能においては、前記第1画像データと前記第4画像データとの間の前記区間フレーム数分の第1中間画像データ、前記特性データに対応する複数の前記第4画像データそれぞれの間の前記区間フレーム数分の第2中間画像データと、前記第4画像データと前記第2画像データとの間の前記区間フレーム数分の第3中間画像データとを生成する処理が制御部により実行され、
前記中間画像データ認識機能においては、前記区間フレーム数分の前記第1中間画像データと前記区間フレーム数分の前記第2中間画像データと前記区間フレーム数分の前記第3中間画像データとが中間画像データとして制御部に認識される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1基本画像データ認識機能においては、前記第1画像データ、複数の前記第3画像データ、前記第2画像データの順に各画像データが制御部に認識され、
前記第1対応認識機能においては、複数の前記送出形態データそれぞれと前記第1画像データ側の少なくとも1つの前記第3画像データを除いた複数の前記第3画像データとの対応が制御部に認識される、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記中間画像データ生成機能においては、前記第1中間画像データが、前記第1画像データおよび前記第4画像データを初期画像データとした補間計算を制御部に実行させることにより生成され、前記第2中間画像データが、前記特性データに対応する複数の前記第4画像データのうちの2つの画像データを初期画像データとした補間計算を制御部に実行させることにより生成され、前記第3中間画像データが、前記第4画像データおよび前記第2画像データを初期画像データとした補間計算を制御部に実行させることにより生成される、
請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームを実行可能なゲーム装置であって、
前記キャラクタの送出動作開始時の第1画像データと、前記キャラクタの送出動作によって前記移動体が前記キャラクタから送出されるときの第2画像データと、前記キャラクタが送出動作を開始してから前記移動体が前記キャラクタから送出されるまでの間の複数の第3画像データとを第1基本画像データとして制御部に認識させる第1基本画像データ認識手段と、
前記送出動作の形態を規定するための複数の送出形態データそれぞれと複数の前記第3画像データより少ない前記第3画像データとの対応を制御部に認識させる第1対応認識手段と、
複数の前記送出形態データのいずれか1つを前記キャラクタの特性データとして制御部に認識させる特性データ認識手段と、
前記特性データに対応する複数の前記第3画像データより少ない前記第3画像データを複数の第4画像データとして制御部に認識させ、前記第1画像データと前記第2画像データと複数の前記第4画像データとを第2基本画像データとして制御部に認識させる第2基本画像データ認識手段と、
前記第1画像データと前記第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、前記特性データに対応する複数の前記第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、前記第4画像データと前記第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理を制御部に実行させる中間画像データ生成手段と、
少なくとも1つの前記第1中間画像データと少なくとも1つの前記第2中間画像データと少なくとも1つの前記第3中間画像データとを中間画像データとして制御部に認識させる中間画像データ認識手段と、
前記特性データに対応する前記送出動作を画像表示部に表示するための画像表示命令を制御部に発行させる画像表示命令発行手段と、
前記画像表示命令が制御部から発行されたときに、前記特性データに対応する前記送出動作を、前記第2基本画像データおよび前記中間画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項6】
移動体を送出するキャラクタの送出動作を画像表示部に表示するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
前記キャラクタの送出動作開始時の第1画像データと、前記キャラクタの送出動作によって前記移動体が前記キャラクタから送出されるときの第2画像データと、前記キャラクタが送出動作を開始してから前記移動体が前記キャラクタから送出されるまでの間の複数の第3画像データとを第1基本画像データとして制御部に認識させる第1基本画像データ認識ステップと、
前記送出動作の形態を規定するための複数の送出形態データそれぞれと複数の前記第3画像データより少ない前記第3画像データとの対応を制御部に認識させる第1対応認識ステップと、
複数の前記送出形態データのいずれか1つを前記キャラクタの特性データとして制御部に認識させる特性データ認識ステップと、
前記特性データに対応する複数の前記第3画像データより少ない前記第3画像データを複数の第4画像データとして制御部に認識させ、前記第1画像データと前記第2画像データと複数の前記第4画像データとを第2基本画像データとして制御部に認識させる第2基本画像データ認識ステップと、
前記第1画像データと前記第4画像データとの間の少なくとも1つの第1中間画像データと、前記特性データに対応する複数の前記第4画像データそれぞれの間の少なくとも1つの第2中間画像データと、前記第4画像データと前記第2画像データとの間の少なくとも1つの第3中間画像データとを生成する処理を制御部に実行させる中間画像データ生成ステップと、
少なくとも1つの前記第1中間画像データと少なくとも1つの前記第2中間画像データと少なくとも1つの前記第3中間画像データとを中間画像データとして制御部に認識させる中間画像データ認識ステップと、
前記特性データに対応する前記送出動作を画像表示部に表示するための画像表示命令を制御部に発行させる画像表示命令発行ステップと、
前記画像表示命令が制御部から発行されたときに、前記特性データに対応する前記送出動作を、前記第2基本画像データおよび前記中間画像データを用いて画像表示部に表示する画像表示ステップと、
を備えるゲーム制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−215920(P2007−215920A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42447(P2006−42447)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】