説明

ゲーム玩具

【課題】異なるテクニックや、異なるセンスを必要とするゲームを一同に会し、ゲームの得て不得手を相殺可能にするとともに、内容の異なる全てのゲームをクリアする時間を競うことができる、新しい発想のゲーム玩具を提案すること。
【解決手段】玩具本体1を多面体で構成し、各面には各々内容の異なるゲームA、B、C、Dを配置し、全ての面のゲームを終了するための制限時間を設定して、該制限時間内に全てのゲームが所定の順番にクリアすることができるか否かを競うことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来、様々なゲーム玩具が提案され実用化されているが、一つのゲーム玩具は一種類のゲームしかできないのが一般的であったが、一つのゲーム玩具に複数のゲームを備えるようにしたゲーム玩具として回転式遊戯盤が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0002】
この回転式遊戯盤は、四角形状の台箱の上部に金属板のトレー形回転板を配置し、このトレー形回転板の表面に将棋のマス目、裏面に囲碁のマス目を形成し、この回転板は台箱の中に組み込んだモーターで回転させることができるようにしたものである。
【特許文献1】特開平9−248363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の回転式遊戯盤は、一人で将棋と囲碁を研究するために回転板を回転させることによって対局を想定した遊戯ができるようにしたもので、将棋をする場合には回転盤の表面を使用し、碁をする場合は回転盤の裏面を使用するようにしたものであり、回転盤の表裏を使い分けることにより、異なるゲームを行なうことはできるが、単に2つのゲームができるだけでそれぞれのゲームの間に関連性がない点であった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、異なるテクニックや、異なるセンスを必要とするゲームを一同に会し、ゲームの得て不得手を相殺可能にするとともに、内容の異なる全てのゲームをクリアする時間を競うことができる、新しい発想のゲーム玩具を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係るゲーム玩具は、玩具本体を多面体で構成し、各面には各々内容の異なるゲームを配置したことを特徴とする。
【0006】
なお、前記ゲーム玩具は、全ての面のゲームを終了するための制限時間が設定され、該制限時間内に全てのゲームが所定の順番にクリアするように構成し、ゲームのクリア時間を競うことができるようにすることが好ましい。
【0007】
また、前記玩具本体は四角錐の形状を有し、底面以外の4面に各々異なるゲームを配置し、玩具本体を回して異なるゲームが選択できるようにすればよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、玩具本体を多面体で構成し、各面には各々内容の異なるゲームを配置したので、1つのゲーム玩具でありながら異なるゲームを楽しむことができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、全ての面のゲームを終了するための制限時間が設定され、この制限時間内に全てのゲームが所定の順番にクリアするように構成されているので、単一のゲームのクリア時間を競うのではなく様々なタイプのゲームをクリアすることにより、不得手なゲームで時間をロスしても、得意なゲームで時間を稼ぐことができ、単にゲームをクリアするだけではなく、公平なゲームを楽しむことが可能になるゲーム玩具を実現することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、玩具本体は四角錐の形状を有し、底面以外の4面に各々異なるゲームを配置したので、玩具本体を周方向に回すだけで異なるゲームを実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
玩具本体を多面体で構成し、各面には各々内容の異なるゲームを配置し、面を変えることにより異なるゲームができるようにした。
【実施例1】
【0012】
図1及び図2は、本発明に係るゲーム玩具の一例を示す斜視図で、このゲーム玩具は玩具本体1をピラミッドを模して四角錘状に形成し、底面を除く4つの周面にそれぞれ異なる内容のゲームを配置したものである。
【0013】
このゲーム玩具は、遊戯者の得て不得手が反映されるように、異なる内容のゲームが取り込まれているもので、聴覚と視覚との2つの感覚を使用して記憶力を競う第1のゲームA、手の感覚を使用して反射神経を競う第2のゲームB、視覚を使用して記憶力を競う第3のゲームC、運動神経を使用して忍耐力、精神力を競う第4のゲームDの4つのゲームから構成されている。
【0014】
このゲーム玩具1は頂上部分が透明な樹脂で、頂点には、電源ONで点灯するLEDL1、周面には点灯することにより作動中のゲームを知らせるLEDL2〜LEDL5がそれぞれ配置されている。
【0015】
第1面1aには第1のゲーム、第2面1bには第2のゲーム、第3面1cには第3のゲーム、第4面1dには第4のゲームがそれぞれ配置されている。
【0016】
第1面には、図3に示すように、第1のゲームAに加えて操作ボタン5と、効果音を出力するスピーカSPとが配置されている。操作ボタン5は電源をON/OFFするためのPOWERボタン5a、ゲームの難易度などを選択するSELECTボタン5b、ハイスコアを表示させるためのSCOREボタン5c、音量を切り替えるためのSOUNDボタン5dとから構成され、ボタン5aを押すと電源スイッチSW1がONするようになっており、ボタン5b〜5dを押し操作すると対応したスイッチSW2〜SW4がONし、その信号はCPUで認識されるようになっている(図7参照)。
【0017】
第1のゲームAは、第1面1aの中央に配置され、周方向に複数の動物からなる絵柄14(本実施例では、犬、羊、猫、象、豚、鳥の6種類)が描かれて回転操作可能にダイヤルが設けられた円板10と、円板10の両側に配置されたスタートボタン11と、エンターボタン12とから構成され、スタートボタン11を押し操作するとスイッチSW5がONし、CPUは第1のゲームAをスタートさせ、LEDL2を点灯させるとともにスピーカSPから絵柄14に対応した複数の動物の鳴き声を出力し、その鳴き声の動物を鳴き声が出力された順番にダイヤル13を回して円板10を回転させ、円板10上に表示された動物の絵柄14が矢印マーク15に対応したところで、エンターボタン12を押し操作するとスイッチSW6がONするとともに円板10に対応して回転するダイヤルスイッチSW7の位置がCPUに読み取られ、動物の鳴き声と円板10上の動物の絵柄とが一致したか否かが判断され、ゲームの進行がなされるようになっている。
【0018】
第2のゲームBは、図4に示すように、第2面1bに渦巻状の通路20が形成され、通路の途中には球体よりも大きな穴部24(24a〜24d)が形成され、穴部24a〜24dの内部には球体23を検出するスイッチSW8〜SW11がセットされ、球体23がどこの穴部24に落ちたかがわかるようになっているもので、穴部24b〜24dにはLEDL6〜L8がそれぞれ配置され、通路20の始端にはレバー21が配置されている。このレバー21は矢印方向に回動させ、開放すると突き棒22が突出し、通路20内にある球体23を弾くことができるようになっているので、点灯したLEDの穴部24に球体23を落とすようにレバー21の回動量を加減して球体23を弾き、LEDの点灯した穴部24に球体23が落ちてスイッチがONするとLEDが消灯するようになっている。
【0019】
点灯するLEDの位置はランダムに設定され、回数は難易度によって増減するように設定されていればよい。なお、SW12はゲームの開始を認識するスイッチで、レバー21を回動したときONするようになっており、CPUは最初のONでゲームを開始するようになっており、この時LEDL3が点灯するようになっている。
【0020】
第3のゲームCは、図5に示すように、第3面1cに押しボタン30(30a〜30i)が配置され、各ボタンは透光性を有する樹脂で形成され、内部にはそれぞれLED9〜LED17が配置されている。この押しボタン30は押しボタンスイッチで構成され、各押しボタンにはそれぞれスイッチSW13〜SW21が対応し、押しボタン30を押し操作することによりスイッチSW13〜SW21の何れかがONするようになっている。
【0021】
この第3のゲームCは、押しボタン30の任意の押しボタンを押し操作することにより、LEDL4が点灯してゲームがスタートするようになっており、スタート後CPUは任意の押しボタンのLEDを点灯し効果音「ピッ」を出力するので、その押しボタンを押し操作すると効果音の出力後、他の押しボタンのLEDが追加して点灯するとともに効果音が出力されるので、遊戯者はLEDの点灯した押しボタンを点灯した順番に押し操作し、正しくクリアできると、さらにLEDの点灯が追加され、最終的には所定の数(本実施例では6個)のLEDが点灯し、その点灯した順番に押しボタンを押し操作することによりゲームがクリアできるように設定されているものである。順番を間違えると、スタート時点に戻り、最初からやり直さなければならないようにプログラミングされている。
【0022】
第4のゲームDは、図6に示すように、第4面1dに凹溝40が蛇行して形成され、この凹溝40に沿って操作棒41を始点40aから中間点40bを経由して終点40cまで如何に早く移動させるかを競うゲームである。上記凹溝40の側壁には導電性を有する金属板42は配置され、操作棒41の軸部43が凹溝40の側壁に接触しないように凹溝40に沿って移動させる必要があり、この軸部43は金属棒で構成され、軸部43が側壁の金属板42と、軸部43とでスイッチを構成することになり(図7参照)、凹溝40の金属板42に操作棒41の軸部43が接触すると、ワイヤー44スイッチがONしたことになり、CPUは操作棒41が凹溝の側壁に接触したことがわかるようになっている。なお、軸部43の先端43aは周方向に膨出し、凹溝40の始点40aおよび終点40c以外では凹溝40に抜き差しできないようになっており、一旦ゲームをスタートさせると終点40cまで操作棒41は凹溝40から外せないようになっている。つまり、中間を飛び越して不正ができないようになっている。
【0023】
そして、凹溝40の始点40a、中間点40b及び終点40cの近傍にはLED18、19、20が配置されるとともに、凹溝40の内部には押しボタン45(45a、45b、45c)が配置され、この押しボタン45は押しボタンスイッチで構成され、各押しボタン45a、45b、45cにはスイッチSW22、SW23、SW24がそれぞれ対応し(図7参照)、操作棒41の先端で押しボタン45aを押し操作すると、スイッチSW22がONし、CPUはLEDL5を点灯させるとともにLEDL18を点滅させてゲームがスタートしたことを遊戯者に知らせるとともに、第一区間の終わりである中間点40bのLEDL19が点滅を開始するので、遊戯者は操作棒41の軸部43が凹溝40の側壁に所定回数(本実施例では5回に設定)以上触れないようにして中間点40bまで移動させ、移動できたならば操作棒41の先端で押しボタン40bを押し操作してスイッチSW23をONさせるとLEDL19が消灯し、第二区間の終わりである終点40cのLEDL20が点滅を開始するので、遊戯者は操作棒41の軸部43が凹溝40の側壁に所定回数(本実施例では5回に設定)以上触れないようにして終点40cまで移動させ、移動できたならば操作棒41の先端で押しボタン45cを押し操作してスイッチSW24をONさせるとLEDL20が消灯するとともにゲーム終了を知らせる効果音が出力されるようになっている。
【0024】
なお、第4面1dの上部には表示部46が配置されている。この表示部46は液晶ディスプレイで構成されればよく、CPUに内蔵されたタイマーによるゲームの経過時間表示や、ゲームのハイスコア(ゲームをクリアした最小時間)などを表示するようになっている。
【0025】
次に、上記構成のゲーム玩具の作動態様を図8、9のフローチャート図に基づいて説明する。
【0026】
POWERボタン5aを押して電源スイッチSW1をONすると、玩具本体1の頂上に配置されたLEDL1が点灯し、ゲーム玩具が使用できる状態になるので(ステップST1)、ステップST2で操作ボタンを押してゲームの設定や使用環境の設定、確認を行うか、実際のゲームを実行するかを選択する。ステップST2でセレクトボタンを押せば(ステップST3)、ステップST4に進んでゲームの難易度を選択し、スコアボタンを押せば(ステップST5)、ハイスコアを表示部46に表示し、サウンドボタンを押せば(ステップST7)、ステップST8に進んで音量の調整ができ、リセットボタンを押せば(ステップST9)、ステップST10に進んで、全ての設定をリセットするようになっており、設定確認が済めば第1のゲームAの実行が可能になるので、遊戯者は第1面1aに対面してスタートボタン11を押し操作すると第1のゲームAがスタートし、タイマーがスタートしてスピーカからタイマーをカウントするカウント音が出力され、表示部46のタイマーがスタートする(ステップST11)。第1のゲームAが終了すると(ステップST12)、ステップST13に進んでカウント音を停止するとともにタイマーを一時ストップする。
【0027】
前段のゲーム(第1のゲームA)をクリアしたことにより、次段のゲーム(第2のゲームB)ができるので、遊戯者は玩具本体1を回して第2面1bに向き合い、レバー21を回動してスイッチSW12をONさせれば第2のゲームBがスタートし(ステップST14)、タイマーがスタートして(ステップST15)、カウント音が再び出力されてゲームが実行される(ステップST16)。
【0028】
第2のゲームBが終了すると(ステップST17)、ステップST18に進んでカウント音を停止するとともにタイマーを一時ストップし、最終ゲーム(第4のゲームD)が終了したのか否かを判断し、最終ゲームでなければステップST14に戻って次段のゲーム(第3のゲームC)を実行する。
【0029】
第3のゲームCが終了するとステップST19で再び、最終ゲーム(第4のゲームD)が終了したのか否かを判断し、最終ゲームではないので、再びテップST14に戻って次段のゲーム(第4のゲームD)を実行する。第4のゲームDが終了するとステップST19で再び、現在終了したゲームが最終ゲーム(第4のゲームD)だったのか否かを判断し、第4のゲームDであれば最終ゲームと判断し、ステップST20でゲームが制限時間内にクリアできたのか否かを判断し、表示部46に表示されたタイマーの時間が制限時間(本実施例では16分に設定)を超えていれば、ステップST21に進んで失敗の効果音(例えば「ブー」音)を出力し、全てのLEDを点滅させて、ゲームが制限時間内にクリアできなかったことを遊戯者に知らせ、ステップST2に戻り、再度ゲームを同じ条件で行なうのか難易度を下げて行なうのかを選択させる。
【0030】
制限時間内にクリアできた場合は、ステップST22に進み、成功の効果音(例えば、ファンファーレ音)を出力し、全てのLEDを点滅させて、制限時間内にゲームをクリアできたことを遊戯者に知らせ、ステップST23に進んで、ハイスコア(過去の最短時間)をクリアしているか否かを判断し、クリアしていなければステップST2に戻り、クリアしていればステップST24に進んで、表示部46にハイスコア(最短時間)であることを知らせる「HIGH SCORE」を表示し、このハイスコア(最短時間)をメモリーに登録してステップST2に戻る。このハイスコアは、上述したように、スコアボタンを押し操作することにより、表示部46に表示され確認できるようになっている。
【0031】
上述したように、複数の面を持ったゲーム玩具で、各面にはゲーム内容の異なるゲームが配置され、遊戯者の得て不得手があっても、得意な場面では速やかにゲームをクリアすることができ、不得手な場面では時間がかかるなど様々な進行が楽しめ、しかも単一のゲームでは味わえない楽しさ、苦しさを味わうことができる新しい発想のゲーム玩具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るゲーム玩具の正面側斜視図
【図2】上記ゲーム玩具の背面側斜視図
【図3】第1のゲームを説明するゲーム玩具の側面図
【図4】第2のゲームを説明するゲーム玩具の側面図
【図5】第3のゲームを説明するゲーム玩具の側面図
【図6】第4のゲームを説明するゲーム玩具の側面図
【図7】上記ゲーム玩具の電気的構成を説明するブロック図
【図8】上記ゲーム玩具の作動態様を説明するフローチャート図
【図9】上記ゲーム玩具の作動態様を説明するフローチャート図
【符号の説明】
【0033】
1 玩具本体
A 第1のゲーム
B 第2のゲーム
C 第3のゲーム
D 第4のゲーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具本体を多面体で構成し、各面には各々内容の異なるゲームを配置したことを特徴とするゲーム玩具。
【請求項2】
前記ゲーム玩具は、全ての面のゲームを終了するための制限時間が設定され、該制限時間内に全てのゲームが所定の順番にクリアするように構成された、請求項1記載のゲーム玩具。
【請求項3】
前記玩具本体は四角錐の形状を有し、底面以外の4面に各々異なるゲームを配置した、請求項1又は2記載のゲーム装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate